以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る携帯通信端末の一例である携帯電話装置1の外観斜視図を示す。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話装置の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話装置の形態としては特にこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが一つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でも良い。
携帯電話装置1は、図1に示すように、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3とを備えて構成される。操作部側筐体部2は、表面部10に、操作ボタン群11と、携帯電話装置1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12とを備えて構成される。操作ボタン群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15とを有する。
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示するためのディスプレイ21と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部22と、音楽等を出力するスピーカ23を備えて構成されている。
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話装置1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが互いに開いた状態(開放状態)と、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)との間を相対移動可能に構成される。
このように構成される携帯電話装置1は、外部機器と通信を行う無線部が複数含まれて構成されており、一の通信システムにより信号が送信されたときに、他の通信システムで信号を受信する際の受信性能への影響を回避しつつ、目的とする受信信号のロスを低減することができる機能を有している。以下に、当該機能を実現するための構成と動作について説明する。
携帯電話装置1は、図2に示すように、第1の無線部30と、第2の無線部40と、制御部50を有する。また、携帯電話装置1は、他に、音声入力部12と、ディスプレイ21と、音声出力部22と、スピーカ23と、操作ボタン群11と、メモリ60等を有する。第1の無線部30は、アンテナ31と、第1の周波数帯及び第2の周波数帯との間で切り替えて送信を行う第1の送信処理部32(第1の送信部)を有する。第2の無線部40は、アンテナ41と、第2の周波数帯に比して第1の周波数帯に近い第3の周波数帯による受信を行う第1の受信処理部42(第1の受信部)を有する。制御部50は、第1の受信処理部42による受信と第1の送信処理部32による送信とを共に行う場合、第1の送信処理部32による送信を第2の周波数帯にて行うように制御する。
なお、本実施例では、第1の無線部30は、800MHzを中心周波数とする周波数帯(第1の周波数帯)と、2GHzを中心周波数とする周波数帯(第2の周波数帯)との間で切り替えて送信を行う機能(いわゆる、CDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用したメール通信・通話機能)を有し、第2の無線部40は、第3の周波数帯として470MHzから770MHzの周波数帯の受信を行う機能(いわゆる、地上波デジタル放送の受信機能)を有するものとする(図3を参照)。なお、第1の無線部30は、CDMA方式を採用した通信を行う機能のみならず、LTE(Long Term Evolution)方式を採用した通信を行う機能や、WiFi方式等の近距離通信を行う機能であっても良い。また、第2の無線部40は、地上波デジタル放送を受信する機能のみならず、第1の無線部30とは異なる機能であって、例えば、LTE(Long Term Evolution)方式を採用した通信を行う機能や、WiFi方式等の近距離通信を行う機能であっても良い。
第1の無線部30の第1の送信処理部32は、基地局(外部機器)との間で通信を行い、通話等を行う周波数帯を決定し、第1の周波数帯又は第2の周波数帯の切り替えを行う。第1の送信処理部32は、決定した周波数帯で通信・通話の待ち受けを行う。また、第1の送信処理部32は、データを送信する際には、送信するデータを第1の周波数帯又は第2の周波数帯の周波数を搬送波として送信信号を生成し、アンテナ31を介して基地局に送信する。
また、第2の無線部40の第1の受信処理部42は、ユーザによる所定の操作に応じて、テレビ視聴用のアプリケーションが起動され、所定のチャンネルが指定されたときに、チャンネルと周波数の対応テーブルを参照し、470MHzから770MHzまでの周波数帯の中から、指定されたチャンネルに対応する周波数にチューニングを行う。そして、第1の受信処理部42は、チューニングにより受信した信号に対して、復調処理や復号処理等の所定の信号処理を行い、処理後の信号を再生処理し、テレビ視聴用のアプリケーションを利用して再生を行う。
ここで、アンテナ41は、CDMA方式の送信周波数帯のアンテナ利得が低いほど、回り込みの影響は小さくなる。しかし、アンテナ41は、第3の周波数帯(470MHzから770MHz)のアンテナ利得を確保しなければならず、アンテナ利得を低くすることが困難である。
一方で、CDMA方式の送信周波数帯において必要となるアンテナ利得は、第3の周波数帯と同一か数dB低下する程度である。そうすると、アンテナ41は、第3の周波数帯の信号を受信しているときに、アンテナ31によりCDMA方式による送信が行われた場合、ほとんどロスすることなくアンテナ31から送信される信号を受信してしまう。
したがって、アンテナ41により受信した信号を処理する第1の受信処理部42は、前段部に設けられているLNA(Low Noise Amplifier)が入力飽和状態になり、歪みが発生し、受信性能が劣化してしまう。これは、第3の周波数帯において、どの周波数でも生じる現象である。
実験において、−30dBmのCDMA送信波が入力された場合、第2の無線部40による地上波デジタル放送の受信性能が劣化した。これは、アンテナ31とアンテナ41のアンテナ間アイソレーションが10dBであったため、CDMA送信波は、−20dBmで送信されていたことになる。また、この結果は、アンテナ間アイソレーション量や、第2の無線部40のLNAの歪特性によっても変動する。
また、CDMA方式の信号は、最大で、+23dBmから+24dBmで送信されることが一般的である。よって、第1の受信処理部42は、CDMA方式の信号を除去するためのフィルタ部を必要とする。
また、第1の受信処理部42は、具体的には、アンテナ41から入力された信号をRF処理部42aで受信し、OFDM部42bによって復調し、分離部42cにより映像と音声を分離し、分離後の信号を制御部50に出力する。制御部50は、同期をとって、映像信号をディスプレイ21に出力し、音声信号をスピーカ23に出力する。第1の受信処理部42は、信号の受信中においてこの再生処理の動作を常時行っている。
本実施形態に係る携帯電話装置1では、第2の無線部40により第3の周波数帯に係る地上波デジタル放送を受信している場合において、第1の無線部30により通話等を行うときには、第2の周波数帯(2GHzを中心周波数とする周波数帯)を優先的に使用する。携帯電話装置1は、第1の無線部30が対応可能なバンドクラス(Band Class)が予め登録されている。本実施例では、第2の無線部40は、第1の周波数帯と第2の周波数帯のマルチバンドに対応可能であるものとする。
このように動作することによって、携帯電話装置1は、第2の無線部40により信号を受信中に、第1の無線部30により信号を送信する際に、強力なフィルタ部を用いずとも、フィルタ部に基づく第2の無線部40の受信性能への影響を回避しつつ、受信中の信号のロスを低減、すなわち受信中の信号を好適に受信することができる。
また、第1の無線部30は、図2に示すように、第2の受信処理部33(第2の受信部)を有する。このような構成の場合には、制御部50は、第2の受信処理部33により基地局から取得された近隣の基地局に関する情報(ネイバーリスト)に基づいて、随時、使用する周波数帯を特定し、特定した周波数帯で送信を行うように第1の送信処理部32を制御する。
したがって、携帯電話装置1は、取得したネイバーリストに基づいて、隣接する基地局が対応するバンドクラスを把握することができ、このバンドクラスによって第1の無線部30によって通信可能な周波数帯を特定することができる。このため、例えば、ネイバーリストによって基地局が800MHzと、2GHzのバンドクラスに対応することが分かっていれば、2GHzに切り替える際に、基地局に対してその都度、対応可能なバンドクラスを問い合わせる処理が不要となり、素早く周波数帯域を切り替えることができる。
また、第1の無線部30は、第3の周波数帯と第2の周波数帯の間における周波数の差よりも第3の周波数帯との間における周波数の差が大きい周波数帯である第4の周波数帯を利用可能に構成されていても良い(図3を参照)。このような構成の場合には、制御部50は、第2の周波数帯よりも第4の周波数帯を優先して基地局との通信の確立を行うよう第4の周波数帯を利用して送信を行うように第1の無線部30を制御する。
例えば、制御部50は、第1の無線部30が第1の周波数帯(800MHzを中心周波数とする周波数帯)及び第2の周波数帯(2GHzを中心周波数とする周波数帯)の他に、第4の周波数帯(4GHzを中心周波数とする周波数帯)に対応が可能な場合であって、第2の無線部40によって第3の周波数帯(470MHzから770MHz)の受信を行っており、第1の無線部30による通信が始まるときには、第3の周波数帯から一番遠い周波数帯である第4の周波数帯を優先的に選択して基地局と通信を行う。
したがって、携帯電話装置1は、第1の無線部30による信号の送信が開始されても、第2の無線部40の受信性能への影響を最大限回避しつつ、受信中の信号のロスを低減、すなわち受信中の信号を好適に受信することができる。
第2の無線部40は、第3の周波数帯を利用して送信されるテレビ放送あるいはラジオ放送の受信を行うことが好ましい。地上波デジタル放送の受信や、デジタルラジオ放送の受信は、携帯電話装置1において、頻繁に利用されるものである。
よって、携帯電話装置1は、テレビやラジオの視聴中において、第1の無線部30による通信が生じた場合でも、テレビやラジオの視聴を損なうことがないので、利用価値の高いサービスを提供することができる。
制御部50は、第2の無線部40により第3の周波数帯(例えば、470MHzから770MHz)を利用して送信されてきた信号を受信中に、第1の無線部30の第1の受信処理部42が第1の周波数帯(例えば、800MHzを中心周波数とする周波数帯)を利用して送信されてきた信号を受信した場合、第1の無線部30に対して他の周波数帯の使用の可否についてのスキャンを実行させ、第2の周波数帯(例えば、2GHzを中心周波数とする周波数帯)の使用が可能な場合には、第1の周波数帯から第2の周波数帯に切り替える旨(ハンドオフ)の情報を第1の周波数帯を利用して送信する。その後、制御部50は、第1の周波数帯から第2の周波数帯への切り替えを許可する旨の信号を受信した場合には、第1の周波数帯から第2の周波数帯へ切り替えるように制御することが好ましい。
このように構成されることによって、携帯電話装置1は、第2の無線部40により第3の周波数帯の信号を受信している場合において、第1の無線部30により通話等を行うときに、周波数帯のスキャンを実行し、第3の周波数帯から遠い周波数帯が使用可能な場合には、その周波数帯にハンドオフ(ハンドオーバー)するように基地局に要求し、基地局からハンドオフの許可を得たことを条件に第1の周波数帯から第2の周波数帯へハンドオフする。よって、携帯電話装置1は、フィルタ部を利用しないので、第2の無線部40の受信性能への影響を回避しつつ、受信中の信号のロスを低減、すなわち受信中の信号を好適に受信することができる。
第2の無線部40は、図2に示すように、アンテナ41と第1の受信処理部42との間に、所定の周波数帯を抑制するフィルタ部43を有する。制御部50は、第1の送信処理部32により第1の周波数帯から第2の周波数帯への切り替え処理が完了するまではフィルタ部43を有効にし、切り替え処理が完了した後はフィルタ部43を無効にするように制御する。
このように構成されることによって、携帯電話装置1は、第1の送信処理部32において第1の周波数帯から第2の周波数帯への切り替え処理が完了するまではフィルタ部43を有効にするので、第1の送信処理部32による信号の送信に基づく第1の受信処理部42の受信性能への影響を回避することができる。また、携帯電話装置1は、この切り替え処理が完了した後はフィルタ部43を無効にするので、フィルタ部43と第1の送信処理部32による信号の送信に基づく第1の受信処理部42の受信性能への影響を回避することができる。
また、携帯電話装置1では、第1の送信処理部32において第1の周波数帯から第2の周波数帯への切り替え処理に係る時間分だけフィルタ部43を使用し、フィルタ部43を常時有効とはしないので、受信中の信号を好適に受信することができる。
また、制御部50は、第1の無線部30による待ち受け中に、第2の無線部40を動作させる指示が生じると、第1の周波数帯よりも第2の周波数帯を優先して待ち受けを行わせるように第1の無線部30を制御する。
携帯電話装置1は、待ち受け中においては、電話やメールの着信について、一定の時間間隔で基地局に対して確認処理を行っている。また、基地局は、周辺の他の基地局の電波の強度や、対応するバンドクラスについての情報を有している。携帯電話装置1は、この情報を基地局から提供されており、現在交信中の基地局とその周辺の基地局についての情報を有している。また、携帯電話装置1は、システム全体で効率的な通信を行うため、交信を行う基地局に対して、位置登録(レジストレーション)を行っている。
ここで、制御部50は、第1の無線部30によって、電話やメールの着信の待ち受け中に、第2の無線部40を動作させる指示(例えば、地上波デジタル放送を視聴するためのアプリケーションを起動する操作)が生じると、第2の周波数帯を優先して待ち受けを行わせるように第1の無線部30を制御する。このとき、制御部50は、現在交信中の基地局が第2の周波数帯による通信にも対応可能な場合には、当該基地局に対して第2の周波数帯によって交信するように切り替える要求を行う。また、制御部50は、現在交信中の基地局が第2の周波数帯による通信に対応できない場合には、対応可能な基地局に変更するように要求を行う。
制御部50は、位置登録(レジストレーション)を変更するようにアイドルハンドオフ又はリセレクション(現在交信中の基地局との交信をロストして、スキャンを実行し、他の基地局との交信を開始し、他の基地局に位置登録を行う)するように更新中の基地局に要求を行う。
制御部50は、第1の無線部30により第1の周波数帯を利用してデータの通信を行っているときに、第2の無線部40の第1の受信処理部42により信号の受信を行わせる指示が生じた場合には、第1の無線部30によるデータの通信を一旦切断させ、第1の無線部30に対して他の周波数帯の使用の可否についてのスキャンを実行させ、使用が可能な周波数帯を利用してデータの通信を再開させるように制御する。
ここで、データの通信とは、例えば、メール等によってデータをパケット形式によりサーバ等にアップロードしている状態を指している。よって、データの通信は、一旦切断されても、その後の再開処理によって継続的な通信が可能である。制御部50は、例えば、一のパケットを送信後、続くパケットの送信を一旦停止し、第1の無線部30に対して他の周波数帯の使用の可否についてのスキャンを実行させ、使用が可能な周波数帯を利用してパケットの送信を再開させるように制御する。
このように構成されることによって、携帯電話装置1は、第1の無線部30によるデータの通信を継続しつつ、第1の送信処理部32による信号の送信に基づく第1の受信処理部42の受信性能への影響を回避することができる。
また、制御部50は、第1の無線部30により第1の周波数帯を利用して音声の通信を行っているときに、第2の無線部40の第1の受信処理部42により信号の受信を行わせる指示が生じた場合には、第1の無線部30に対して他の周波数帯の使用の可否についてのスキャンを実行させ、第2の周波数帯が使用可能であれば、第1の周波数帯から第2の周波数帯に切り替える旨の情報を第1の周波数帯を利用して送信し、その後、第1の周波数帯から第2の周波数帯への切り替えを許可する旨の信号を受信した場合には、第1の周波数帯から第2の周波数帯へ切り替えるように制御する。
一般的に、携帯電話装置1では、移動中においては、通話の品質を所定の品質に担保するために、基地局との電波強度に基づいて、基地局の切り替え処理(ハンドオーバー)が生じる。なお、携帯電話装置1は、ハンドオーバーが生じても、通話状態は維持される。
制御部50は、移動中ではないが、第1の無線部30により音声の通信を行っているときに、第2の無線部40によりデータの受信を行わせる指示(例えば、地上波デジタル放送を視聴するためのアプリケーションを起動する操作)が生じた場合には、第1の無線部30に対して他の周波数帯の使用の可否についてのスキャンを実行させる。そして、制御部50は、第2の周波数帯が使用可能であれば、第1の周波数帯から第2の周波数帯に切り替える旨の情報を第1の周波数帯を利用して送信し、その後、第1の周波数帯から第2の周波数帯への切り替えを許可する旨の信号を受信した場合には、第1の周波数帯から第2の周波数帯へ切り替えるように制御する。
このようにして携帯電話装置1は、第1の無線部30による通話を維持しつつ、第1の送信処理部32による信号の送信に基づく第1の受信処理部42の受信性能への影響を回避することができる。
また、上述の構成において、第2の無線部40は、図2に示すように、所定の周波数帯を抑制するフィルタ部43を有する。制御部50は、第1の送信処理部32により第1の周波数帯から第2の周波数帯への切り替え処理が完了するまではフィルタ部43を有効にし、切り替え処理が完了した後はフィルタ部43を無効にするように制御する。
このように構成されることによって、携帯電話装置1は、第1の送信処理部32において第1の周波数帯から第2の周波数帯への切り替え処理が完了するまではフィルタ部43を有効にするので、第1の送信処理部32による信号の送信に基づく第1の受信処理部42の受信性能への影響を回避することができる。また、携帯電話装置1は、この切り替え処理が完了した後はフィルタ部43を無効にするので、フィルタ部43と第1の送信処理部32による信号の送信に基づく第1の受信処理部42の受信性能への影響を回避することができる。
また、携帯電話装置1では、第1の送信処理部32において第1の周波数帯から第2の周波数帯への切り替え処理に係る時間分だけフィルタ部43を使用し、フィルタ部43を常時有効とはしないので、受信中の信号を好適に受信することができる。
また、制御部50は、第1の無線部30に対して他の周波数帯の使用の可否についてのスキャンを実行させた結果、第1の周波数帯しか使用できないと判断した場合、第1の周波数帯の中でも第3の周波数帯から遠い周波数チャネルを用いて送信を行うように第1の無線部30を制御する。
第1の周波数帯は、本実施例においては、800MHzを中心周波数とする周波数帯である。また、第3の周波数帯は、本実施例においては、470MHzから770MHzの周波数帯である。制御部50は、第1の周波数帯しか使用できない場合(第2の周波数帯に対応可能であるが、現在は、第2の周波数帯を利用できない場合を含む)には、第1の周波数帯の中において、スキャンしたテーブルに基づいて、第3の周波数帯から遠い方の周波数を用いて送信を行うように第1の無線部30を制御する。
このように構成されることによって、携帯電話装置1は、第1の送信処理部32による信号の送信に基づく第1の受信処理部42の受信性能への影響を最大限回避することができる。
また、上述では、第1の受信処理部42の受信性能を向上させるために、第1の送信処理部32の周波数帯を切り替える実施形態について説明したが、これに限られず、以下の実施形態であっても良い。
第2の無線部40の第1の受信処理部42は、第3の周波数帯及び第5の周波数帯との間で切り替えて受信を行うように構成されている。また、第5の周波数帯は、第1の周波数帯よりも低い周波数帯に属している(図3を参照)。また、制御部50は、第1の受信処理部42による受信と第1の送信処理部32による送信とを共に行う場合、第1の受信処理部42による受信を第5の周波数帯にて行うように制御する。
このように構成されることによって、携帯電話装置1は、第1の無線部30で使用する周波数帯と、第2の無線部40で使用する周波数帯を離すことができ、第1の送信処理部32による信号の送信に基づく第1の受信処理部42の受信性能への影響を回避することができる。
また、上述した各実施例を相互に利用することによって、以下のような実施例も考えることができる。
携帯電話装置1は、選択する通信システムが複数存在する場合には、通信システムのテーブルを作成し、個々のテーブルから一番離れた通信システムから順番にスキャンを行い、その通信システムが待ち受けできない等の理由で使用できない場合には、2番目に離れた通信システムを利用し、周波数帯域が使用中の通信システムから遠い順番にスキャンを試みる。
また、携帯電話装置1は、例えば、地上波デジタル放送の使用時において、電話やメールを着信した場合には、通信に入ってから基地局にバンドクラスの異なる通信システムにハンドオフするメッセージを送信し、バンドクラスを切り替えることを促す。また、携帯電話装置1は、第2の周波数帯(2GHzを中心周波数とする周波数帯)が利用できず、第1の周波数帯(800MHzを中心周波数とする周波数帯)を使用する場合には、従来通りにフィルタ部43により対応を図る。
また、地上波デジタル放送の受信を行う受信機には、一般的に複数の通信システムの送信波に対応したフィルタ部が存在する。携帯電話装置1は、上述したように、地上波デジタル放送で使用される周波数帯から遠い周波数を他の通信で使用するということは、アンテナ利得が低いところの周波数を使うということになる。すなわち、フィルタ部は、高減衰である必要がなくなり、地上波デジタル放送で使用される周波数帯のロスを少なく設計できることになる。
ここで、第1の通信システム(第1の無線部30)を利用中に、第2の通信システム(第2の無線部40)が起動された場合における携帯電話装置1の通信システムの切り替え処理の動作について、図4及び図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、第1の無線部30の利用中とは、待ち受け状態における通信や、データの送受信による通信や、通話による通信を含む概念である。
ステップST1において、制御部50は、利用中の第1の通信システム(第1の無線部30)が、起動された第2の通信システム(第2の無線部40)の使用周波数帯に近い、すなわち影響を及ぼすか否かを判断する。影響を及ぼすと判断した場合(Yes)には、ステップST2に進み、影響を及ぼさないと判断した場合(No)には、周波数帯の変更は必要ないので、切り替え処理を終了する。
ステップST2において、制御部50は、第2の通信システム(第2の無線部40)が他の周波数帯域で利用が可能であるか否かを判断する。他の周波数帯域での利用が可能である場合(Yes)には、ステップST3に進み、他の周波数帯域での使用ができない場合(No)には、ステップST8に進む。なお、第2の無線部40としてLTE方式のデータ通信を行うものを想定しているときには、上述の通り、他の周波数帯域での利用が可能である場合(Yes)には、ステップST3に進み、他の周波数帯域での使用ができない場合(No)には、ステップST8に進む。また、第2の無線部40として地上波デジタル放送の受信を行うものを想定しているときには、本工程においては、第2の通信システム(第2の無線部40)が他の周波数帯域で利用が可能であるか否かを判定せずにST8に強制的に進めても良い。
ステップST3において、制御部50は、すべての周波数帯域のスキャンが完了したか否かを判断する。すべての周波数帯域のスキャンが完了した場合(Yes)、すなわち、他の周波数帯域に切り替えができない場合には、ステップST4に進む。また、すべての周波数帯域のスキャンが完了していない場合(No)には、ステップST5に進む。なお、制御部50は、スキャンを実行するのではなく、ネイバーリストに基づいて、すべての周辺基地局の対応バンドクラスについて利用が可能かどうかを確認する構成であっても良い。このような構成の場合には、本工程と後述するステップST5を一体として、制御部50は、周波数帯の切り替えができない場合には、ステップST4に進み、周波数帯の切り替えが可能な場合には、ステップST6に進む。
ステップST4において、制御部50は、フィルタ部43が有効になるように制御する。なお、この後、制御部50は、他の周波数帯域に変更することができた場合には、フィルタ部43が無効になるように制御する。
また、ステップST5において、制御部50は、第2の通信システム(第2の無線部40)で対応可能な周波数帯のうち、第1の通信システム(第1の無線部30)で使用されている周波数帯から遠い方の周波数帯が現在利用可能かどうか確認する。
ステップST6において、制御部50は、ステップST5の工程による確認の結果、遠い方の周波数帯が現在利用可能か否かを判断する。遠い方の周波数帯が現在利用可能な場合(Yes)には、ステップST7に進み、遠い方の周波数帯が現在利用可能ではない場合(No)には、ステップT3に戻る。ここで、制御部50は、ステップST5及びステップST6の工程を経て、第2の通信システム(第2の無線部40)で対応可能な周波数帯のうち、第1の通信システム(第1の無線部30)で使用されている周波数帯からできるだけ遠い周波数帯を選択することを目的としている。
ステップST7において、制御部50は、ステップST6の工程で利用可能であると判断された周波数帯に切り替える制御を行う。
また、ステップST8において、制御部50は、第1の通信システム(第1の無線部30)が他の周波数帯域で利用が可能であるか否かを判断する。他の周波数帯域での利用が可能である場合(Yes)には、ステップST10に進み、他の周波数帯域での使用ができない場合(No)には、ステップST9に進む。
ステップST9において、制御部50は、第1の通信システム(第1の無線部30)で使用する周波数帯において、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用する周波数帯から遠い方の周波数チャネルの使用が可能であるか否かを検索する。制御部50は、遠い方の周波数チャネルが使用可能な場合には、その周波数チャネルで今後の通信を実行するように第1の通信システム(第1の無線部30)を制御する。
また、制御部50は、そのような周波数チャネルが使用可能でない場合には、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用する周波数帯に近い周波数帯を選択し、フィルタ部43が有効になるように制御する。なお、この後、制御部50は、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用する周波数帯から十分に離れた周波数チャネルに変更することができた場合には、フィルタ部43が無効になるように制御する。
また、ステップST10において、制御部50は、待ち受け中であるかどうかを判断する。待ち受け中である場合(Yes)には、ステップST11に進み、待ち受け中でない場合(No)、すなわち通信中の場合には、ステップST15に進む。
ステップST11において、制御部50は、すべての周波数帯域のスキャンが完了したか否かを判断する。すべての周波数帯域のスキャンが完了した場合(Yes)、すなわち、他の周波数帯域に切り替えができない場合には、ステップST4に進む。また、すべての周波数帯域のスキャンが完了していない場合(No)には、ステップST12に進む。
ステップST12において、制御部50は、第1の通信システム(第1の無線部30)で対応可能な周波数帯のうち、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用されている周波数帯から遠い方の周波数帯が現在利用可能かどうか確認する。
ステップST13において、制御部50は、ステップST12の工程による確認の結果、遠い方の周波数帯が現在利用可能か否かを判断する。遠い方の周波数帯が現在利用可能な場合(Yes)には、ステップST14に進み、遠い方の周波数帯が現在利用可能ではない場合(No)には、ステップT11に戻る。ここで、制御部50は、ステップST12及びステップST13の工程を経て、第1の通信システム(第1の無線部30)で対応可能な周波数帯のうち、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用されている周波数帯からできるだけ遠い周波数帯を選択することを目的としている。
ステップST14において、制御部50は、ステップST13の工程で利用可能であると判断された周波数帯に切り替える制御を行う。
ステップST15において、制御部50は、音声による通話の通信を実行中であるか否かを判断する。音声による通話の通信を実行中である場合(Yes)には、ステップST16に進み、音声による通話の通信を実行中ではない場合(No)には、ステップST20に進む。
ステップST16において、制御部50は、フィルタ部43が有効になるように制御する。
ステップST17において、制御部50は、他の周波数帯にハンドオフ(ハンドオーバー)するように基地局に要求する。
ステップST18において、制御部50は、ステップST17の工程による要求に応じて、基地局からハンドオフの許可を得られたか否かを判断する。ハンドオフの許可を得られた場合(Yes)には、許可された周波数帯にハンドオフを行うと共に、ステップST19に進む。また、ハンドオフの許可を得られなかった場合(No)には、処理を終了、すなわち、フィルタ部43の有効状態を維持する。なお、この後、制御部50は、ハンドオフの許可を得られる状態になったときには、フィルタ部43が無効になるように制御する。
ステップST19において、制御部50は、フィルタ部43が無効状態になるように制御する。具体的には、制御部50は、現在の第1の周波数帯から他の周波数帯への切り替え処理が完了するまではフィルタ部43を有効にし、切り替え処理が完了した後はフィルタ部43を無効にするように制御する。
また、ステップST20において、制御部50は、データの通信を行っているか否かを判断する。データの通信を行っている場合(Yes)には、ステップST21に進み、データの通信を行っていない場合(No)には、切り替え処理を終了する。
ステップST21において、制御部50は、データの通信を一旦遮断する。具体的には、制御部50は、一のパケットを送信後、続くパケットの送信を一旦停止する。
ステップST22において、制御部50は、すべての周波数帯域のスキャンが完了したか否かを判断する。すべての周波数帯域のスキャンが完了した場合(Yes)、すなわち、他の周波数帯域に切り替えができない場合には、ステップST23に進む。また、すべての周波数帯域のスキャンが完了していない場合(No)には、ステップST24に進む。
ステップST23において、制御部50は、ステップST21の工程において、データの通信を一旦遮断したときの周波数帯と同一の周波数帯により通信を再開する場合には、フィルタ部43を有効にし、その後、データの通信を再開させるように制御する。
ステップST24において、制御部50は、第1の通信システム(第1の無線部30)で対応可能な周波数帯のうち、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用されている周波数帯から遠い方の周波数帯が現在利用可能かどうか確認する。
ステップST25において、制御部50は、ステップST24の工程による確認の結果、遠い方の周波数帯が現在利用可能か否かを判断する。遠い方の周波数帯が現在利用可能な場合(Yes)には、ステップST26に進み、遠い方の周波数帯が現在利用可能ではない場合(No)には、ステップT22に戻る。ここで、制御部50は、ステップST24及びステップST25の工程を経て、第1の通信システム(第1の無線部30)で対応可能な周波数帯のうち、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用されている周波数帯からできるだけ遠い周波数帯を選択することを目的としている。
ステップST26において、制御部50は、ステップST25の工程で利用可能であると判断された周波数帯に切り替え、その後、データの通信を再開させるように制御する。
このようにして、携帯電話装置1は、第1の無線部30で使用する周波数帯と、第2の無線部40で使用する周波数帯を離すことができ、第1の無線部30による信号の送信に基づく第2の無線部40の受信性能への影響を回避することができる。
また、第2の通信システム(第2の無線部40)により現在通信を行っている最中に、第1の通信システム(第1の無線部30)による通信が実行された場合における携帯電話装置1の動作について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、第1の無線部30による通信とは、待ち受け状態における通信や、データの送受信による通信や、通話による通信を含む概念である。
ステップST31において、制御部50は、利用中の第2の通信システム(第2の無線部40)が、起動された第1の通信システム(第1の無線部30)の使用周波数帯に近い、すなわち影響を及ぼすか否かを判断する。影響を及ぼすと判断した場合(Yes)には、ステップST32に進み、影響を及ぼさないと判断した場合(No)には、周波数帯の変更は必要ないので、切り替え処理を終了する。なお、第2の無線部40としてLTE方式のデータ通信を行うものを想定しているときには、上述の通り、影響を及ぼすと判断した場合には、ステップST32に進み、影響を及ぼさないと判断した場合には、切り替え処理を終了する。また、第2の無線部40として地上波デジタル放送の受信を行うものを想定しているときには、制御部50は、第2の通信システム(第2の無線部40)が他の周波数帯域で利用が可能であるか否かを判定せずに切り替え処理を終了する。
ステップST32において、制御部50は、第1の通信システム(第1の無線部30)が他の周波数帯域で利用が可能であるか否かを判断する。他の周波数帯域での利用が可能である場合(Yes)には、ステップST33に進み、他の周波数帯域での使用ができない場合(No)には、ステップST38に進む。
ステップST33において、制御部50は、すべての周波数帯域のスキャンが完了したか否かを判断する。すべての周波数帯域のスキャンが完了した場合(Yes)、すなわち、他の周波数帯域に切り替えができない場合には、ステップST34に進む。また、すべての周波数帯域のスキャンが完了していない場合(No)には、ステップST35に進む。
ステップST34において、制御部50は、フィルタ部43が有効になるように制御する。なお、この後、制御部50は、他の周波数帯域に変更することができた場合には、フィルタ部43が無効になるように制御する。
また、ステップST35において、制御部50は、第1の通信システム(第1の無線部30)で対応可能な周波数帯のうち、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用されている周波数帯から遠い方の周波数帯が現在利用可能かどうか確認する。
ステップST36において、制御部50は、ステップST35の工程による確認の結果、遠い方の周波数帯が現在利用可能か否かを判断する。遠い方の周波数帯が現在利用可能な場合(Yes)には、ステップST37に進み、遠い方の周波数帯が現在利用可能ではない場合(No)には、ステップT33に戻る。ここで、制御部50は、ステップST35及びステップST36の工程を経て、第1の通信システム(第1の無線部30)で対応可能な周波数帯のうち、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用されている周波数帯からできるだけ遠い周波数帯を選択することを目的としている。
ステップST37において、制御部50は、ステップST36の工程で利用可能であると判断された周波数帯に切り替える制御を行う。
また、ステップST38において、制御部50は、第2の通信システム(第2の無線部40)が他の周波数帯域で利用が可能であるか否かを判断する。他の周波数帯域での利用が可能である場合(Yes)には、ステップST40に進み、他の周波数帯域での使用ができない場合(No)には、ステップST39に進む。
ステップST39において、制御部50は、第1の通信システム(第1の無線部30)で使用する周波数帯において、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用する周波数帯から遠い方の周波数チャネルの使用が可能であるか否かを検索する。制御部50は、遠い方の周波数チャネルが使用可能な場合には、その周波数チャネルで今後の通信を実行するように第1の通信システム(第1の無線部30)を制御する。
また、制御部50は、そのような周波数チャネルが使用可能でない場合には、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用する周波数帯に近い周波数帯を選択し、フィルタ部43が有効になるように制御する。なお、この後、制御部50は、第2の通信システム(第2の無線部40)で使用する周波数帯から十分に離れた周波数チャネルに変更することができた場合には、フィルタ部43が無効になるように制御する。
ステップST40において、制御部50は、すべての周波数帯域のスキャンが完了したか否かを判断する。すべての周波数帯域のスキャンが完了した場合(Yes)、すなわち、他の周波数帯域に切り替えができない場合には、ステップST34に進む。また、すべての周波数帯域のスキャンが完了していない場合(No)には、ステップST41に進む。
ステップST41において、制御部50は、第2の通信システム(第2の無線部40)で対応可能な周波数帯のうち、第1の通信システム(第1の無線部30)で使用されている周波数帯から遠い方の周波数帯が現在利用可能かどうか確認する。
ステップST42において、制御部50は、ステップST41の工程による確認の結果、遠い方の周波数帯が現在利用可能か否かを判断する。遠い方の周波数帯が現在利用可能な場合(Yes)には、ステップST43に進み、遠い方の周波数帯が現在利用可能ではない場合(No)には、ステップT40に戻る。ここで、制御部50は、ステップST41及びステップST42の工程を経て、第2の通信システム(第2の無線部40)で対応可能な周波数帯のうち、第1の通信システム(第1の無線部30)で使用されている周波数帯からできるだけ遠い周波数帯を選択することを目的としている。
ステップST43において、制御部50は、ステップST42の工程で利用可能であると判断された周波数帯に切り替える制御を行う。
このようにして、携帯電話装置1は、第1の無線部30で使用する周波数帯と、第2の無線部40で使用する周波数帯を離すことができ、第1の無線部30による信号の送信に基づく第2の無線部40の受信性能への影響を回避することができる。
ここで、本実施例に係る携帯電話装置1により発揮される効果について以下に列挙する。なお、以下の効果は、主なものだけであり、他の効果も当然に発揮する。
携帯電話装置1は、同時に2つ以上の通信システム(例えば、通話に係る通信システムと、地上波デジタル放送の視聴に係る通信システム)を利用する場合において、単にフィルタ部43を利用してしまうと、フィルタリングしたい周波数だけでなく、所望の周波数にロス(減衰)が生じる可能性がある。しかし、本実施例に係る携帯電話装置1では、互いに影響しないように、離れた周波数帯域の利用を図るため、所望の周波数のロスを回避することができる。
また、携帯電話装置1では、2つ以上の通信システムにおいて、互いの周波数帯を一定以上離すことが可能であれば、フィルタ部43を備えなくても良く、部品点数の減少によるコストや、基板上の省スペース化に対してもメリットがある。
また、携帯電話装置1は、周波数帯域の切り替えだけでなく、同一周波数帯においてもなるべく周波数間が離れるような周波数チャネルの利用を図るので、一の通信システムに対して他の通信システムへの影響を最大限回避することができる。
また、携帯電話装置1は、フィルタ部43の有効と無効を巧みに制御するので、フィルタ部43のデメリットを軽減し、メリットを最大限に図ることができる。
また、携帯電話装置1は、現在実行中の通信システム及びこれから起動する通信システムについて、例えば、周波数帯の切り替えが容易な方を選択することができる等、同時に実行される通信システムの組み合わせに応じて、適宜好適な制御を行うことができ、設計の自由度を向上させることができる。