JP5430790B1 - 流路式浮上油回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯留タンクの液面上を浮遊する浮上油分の拡散を制限すると共に、循環加工油に含有される浮上油分と正常油分の比重差と流力を利用して該浮上油分を分離・回収する流路式浮上油回収装置の提供を図る。
【解決手段】流路枠体は、上流側に位置する供給ダクト口から下流側に位置する循環ポンプにかけて供給ダクト口の大きさに合わせた流動経路を形成して支持アングルを介して貯留タンクの上方に載置され、上流壁側と下流壁側と左右両壁側が閉塞されると共に、上方と下方が開放され、下流壁側に向けてテーパ状に縮形する絞り部を有する流路枠体を形成し、該流路枠体の下流壁側には回収ホッパーが内設される袋小路状の回収部を設けて成り、回収ホッパーは、上端には流動経路の液面上を浮遊する浮上油分を阻集する浮上油流入口を設け、中間にはその阻集された浮上油分を落下阻集するテーパ状の阻集部を設け、下方には該落下阻集された浮上油分を外部に排出する排出パイプを連設して成る。
【選択図】図1

Description

本発明は、貯留タンクの液面上を浮遊する浮上油分の拡散を制限すると共に、循環加工油に含有される浮上油分と正常油分の比重差と流力を利用して分離・回収する流路式浮上油回収装置に関する。
従来の工作機械加工等で使用される循環加工油は、工作機械の内部または外部に設けられた貯留タンクに一旦回収され、その切削加工中に混入される潤滑油やスカムやスラッジなどを含む浮上油分を回収する手段としては、三点フロート式、ジャバラサクション式、ベルトスキマー式、スクリュー式、機械式、オーバーフロー式、さらには微細気泡発生方式などの浮上油回収装置によって回収されている。
上記三点フロート式ならびにジャバラサクション式の浮上油回収装置における回収手段は、水中ポンプと循環ポンプが同一の貯留タンクに設置されていることによって、液面の上下変動に対応する水中ポンプの吸い込み口を液面とほぼ同位置に確保するフロート装置を備えなければならず、その結果、循環ポンプによる波紋の発生によって不安定になる液面上に回収装置を設けなければならない構造であることと、浮上油分が水中ポンプの吸い込み口の全方向より流れ込む構造であるため、該水中ポンプの吸い込み口に流れ込む流力の方向と循環ポンプによる液面の流力の方向が一部相殺し合うことになり、掻き寄せ装置などが設けられない限り浮上油分が効率よく回収されないという問題点があり、また機械式の回収手段においては、回収装置を設けることによって、構造が複雑である、装置が高価である、保守管理が必要である、貯留タンクの上面が回収装置によって塞がれるなど多くの問題点があるものであり、さらにスクリュー式、ベルトスキマー式の回収手段においては、浮上油分の回収領域が極めて狭いものであり、さらにまたオーバーフロー式、微細気泡発生方式においては、貯留タンクの仕切り板を浮上油分が乗り越えて回収されるため、浮上油分を含む回収対象液を少量づつ、且つ定量送水する必要性があることから、大量処理能力が要求される分離・回収装置には不向きなものであった。ついては、下記にその先行技術の実態について詳しく説明する。
上記三点フロート式の浮上油回収装置に関しては、例えば、メインフロートの浮力によって液体の中に浮き沈みしないように設けられた水中ポンプの吸い込み口に、サブフロートの浮力によって液体に浮かぶように設けられた開口部を有するゲートリングを上下動可能に取着すると共に、ゲートリングの開口部の上部には液体とともに浮上油、スカム、ゴミ等の浮遊物を掻き集めて開口部から水中ポンプの吸い込み口内に流入させる掻き寄せ手段が設けられ、この掻き寄せ手段はメインフロートに支持される一方、水中ポンプには吸い込み口から流入された液体とともに浮遊物を吐き出す吐き出し口が設けられた「浮上油回収装置」(特許文献1)が提案されている。
しかしながら、係る「浮上油回収装置」の提案は、比重の軽い油はもとより、粘度が高くなった油、スカム等の回収に優れ、液体に浮かべた回収装置を自由に移動させて利用範囲の拡大を計ることができるとされるが、その設置に当たっては不安定な液面にフロートを浮かばせてその液面と同位置に水中ポンプの吸い込み口を位置させて全方位方向から浮上油を回収する手段を採っているため、水中ポンプの吸い込み口に回収油分以外の正常油分が必要以上に吸い込まれるもので、その結果、回収効率、回収確率ならびに回収精度が低下すると共に、装置内に水中ポンプや掻き寄せ手段等を配設することによって配管、配線、電気的制御システムならびに動力源を必要とするものであった。
また、上記ジャバラサクション式の浮上油回収装置に関しては、例えば、下面を開口したネットカバ−を設け、その上面中央部に、下半部が下面開口部から下方に延出するサクション管を取付け、サクション管の下半部に管内に通じる吸込口を形成し、ベースと、ベース上に設置された伸縮自在なジャバラ胴と、ジャバラ胴内上部に固定された中央部に油流入孔を有するフロ−トとから成るジャバラタンクを設け、サクション管を油流入孔に遊挿し、その下端部をベースに固定することによってジャバラタンクをサクション管に取付けて成る「浮上油自動回収装置」(特許文献2)が提案されている。
しかしながら、係る「浮上油自動回収装置」の提案は、コンパクトな構成で異物吸引の虞がなく、長期使用が可能とされるが、ジャバラタンクが上下に伸縮作動することでジャバラタンクの吸入口に回収油以外の正常油分が吸い込まれると同時に、液面が波打つことによって浮上油の回収効率、回収確率ならびに回収精度が大幅に低下するもので、さらに装置内にサクション管ならびに吸引ポンプを配設することで、配管、配線、電気的制御システム、油水分離装置の設置ならびにそれらを稼動させる動力源を確保することが必要とされるものであった。
また、上記ベルトスキマー式の浮上油回収装置に関しては、例えば、工作機械のクーラントタンクに付設されて切削液中の浮上油を回収する装置であって、クーラントタンクの上部に装備される駆動ローラーと、駆動ローラーにかけわたされて下端部が切削液中に没入するエンドレス状のベルト部材と、駆動ローラーの直下に配設されて浮上油を回収する樋を備え、ベルト部材は、メッシュ材でつくられるベルトと、ベルトの外側に適宜間隙で取付けられる樋状のバケットを備える「浮上油回収装置」(特許文献3)が提案されている。
しかしながら、係る浮上油回収装置の提案は、ベルトに付着した油分のみを回収するものであり、通常でも回収量は少ないがクーラントの温度が上がると浮上油の粘度が下がりベルトに付着しないので、ほとんど回収できないという問題や、繊維、ゴムなどのベルトはアルカリ液や高温クーラントで使用すると膨潤したり、接着面の剥がれが起こる等の不具合があるといった問題を解消するものであるが、そのベルトによる回収領域が貯流タンクの液面面積に対して極めて小範囲に留まるといった回収効率に問題点が残るものであった。
また、上記スクリュー式の浮上油回収装置に関しては、例えば、高粘度の油が混合した原液を比重差により油分と水分とに分離して回収する回収装置であって、この回収装置には原液の回収口が設けられている分離槽と、この分離槽に連続する排水槽と、この排水槽の上部から溢流する分離された水分を排出するポンプとが設けられるとともに、分離槽には高粘度の油分を回収する回収手段が設けられている「高粘度油の回収装置」(特許文献4)が提案されている。
しかしながら、係る「高粘度油の回収装置」の提案は、簡単な構造によって高粘度油の中に固形物が混入している浮上油を分離して油分だけを回収することを可能とするものであるが、その回収手段としてモーターを駆動源とする一対のスクリューコンベアが使用されることによって配管、配線、電気的制御システムならびに部品コストなど高額な製造コストを必要とする共に、高粘度油の回収装置に限定される上、吸引口が比較的小型であるため工作機械などの大量の浮上油分を回収する手段としては不向きなものであった。
また、上記機械式の浮上油回収装置に関しては、例えば、貯留槽内に配設され、少なくとも一部が水面に対し垂直状に形成された油分誘導板と、貯留槽内の排水の水面上に浮上した浮上油が回収される油回収容器と、取手部および板部を有する操作体とを備え、作業者が取手部を持って操作体を操作することにより、板部を油分誘導板に向けて移動させた後に、この油分誘導板と接触させた状態で上動させた場合に、浮上油が油分誘導板に沿って押し上げられて、油回収容器に回収される「油回収装置」(特許文献5)が提案されている。
しかしながら、係る「油回収装置」の提案は、構成が簡単で、製造コストが安価であるにも拘らず、浮上油を適切に回収でき、残査粒子を簡単に清掃できるとされるが、貯留槽の上方に油分誘導板などの操作体を設けることは、他の回収装置と比較して構造的に複雑であると共に、液面管理、清掃作業、メンテナンス作業において多くの保守管理労力を必要とするものであった。
また、上記オーバーフロー式の浮上油回収装置に関しては、例えば、油脂類を多量に含む厨房廃水から油脂を分離・回収する阻集器において、阻集器油水分離槽内に廃水含有油脂の比重差による分離浮上を促す流動経路を形成する該油水分離槽底部に流入口を有する隔壁と仕切板と、及び両端に開口部を持ち一方の開口部が油水分離槽の側壁を液密に貫通し該油水分離槽外に開口することにより貫通位置が該油水分離槽貯留廃水の水面上限を決定する処理された廃水の排水口を形成し、もう一方の開口部は油水分離槽内に水没し、浮上油脂層下端より下位に上層の浮上油脂層に向けて上向きに開口し、油脂が比重差により浮上する方向と反対の油水分離槽底部へ向い下向きに、処理廃水が流れ込む開口部である略J字形状のトラップにより構成される「阻集効率が高い阻集器」(特許文献6)が提案されている。
しかしながら、係る「阻集効率が高い阻集器」の提案は、油脂類を多量に含む厨房廃水から油脂と水を高効率で分離する比較的小型の油水分離装置の提案であって、該阻集器の油水分離槽に残された浮上油脂層の回収に関しては、別途にスキーマーや汲み上げポンプ等の回収手段を必要とするものであり、工作機械等に取り付けられて循環加工油の供給量が変化して液面が変化する大量処理能力が要求される分離・回収装置には不向きなものであった。
また、上記微細気泡発生方式の浮上油回収装置に関しては、例えば、任意流量の油分混合廃液が順次定量送水される油水分離タンクにおいて、流れの方向に二分割し、前段の底部に微細気泡を発生させる装置および噴出ノズルを備え、定量送水手段による強制流によって油滴を吸着するものの液面まで浮上せず浮遊する微細気泡が後段に溢水する仕切板を設け、後段は上流に浮上油回収室を設け、浮上油回収室と底部で連通した下流に廃液排水室を設け、浮上油回収室の油回収口よりも低い位置に廃液排水口を設けた「油水分離装置」(特許文献7)が提案されている。
しかしながら、係る油水分離装置の提案は、微細気泡の油吸着及び浮揚効果により油を浮上分離する油水分離装置において、処理対象液撃ちの微細気泡の浮力が小さく装置内に浮遊し、油と水をエマルション化する場合であっても、廃液排水の油濃度を低減することができ、浮上油分を残さず分離・回収することができる比較的小型の油水分離装置の提案であって、構成的には定量送水手段を採用することで送り出しポンプを必要とし、さらに各処理層ならびに浮上油回収口、廃液排水口の回収手段がオーバーフロー方式を採用しているため、仕切り板の上端部とフロートの吸入口と各処理室の微妙な液面レベルの位置関係ならびに安定が求められるため、比較的小型の油水分離装置の提案に留まるものであった。
以上のように従来の浮上油回収装置は、機械的手段または電気的手段を用いて浮上油分を分離・回収すると共に、その浮上油分を吸引する吸入口を貯留タンクの液面とほぼ同じにするか、液面よりやや下方に位置させて分離・回収しているが、それらの多くは、その手段を構成するにあたり複雑な電気的制御システムや油水分離装置、吸引装置ならびに水中ポンプなどの動力源を必要とすると共に、複雑な機械的手段によって、大量の浮上油分を短時間で処理しようとするものであり、さらに浮上油分を吸引するに伴って不要とする正常油分までを吸引してしまうものであって、経済的、効率的、精度的に問題が残るものであった。
それに対し、本発明のような貯留タンクの液面上を浮遊する浮上油分の拡散を制限すると共に、循環加工油に含有される浮上油分と正常油分の比重差と流力を利用して分離し、さらに該分離された浮上油分を貯留タンクの外部に排出すると共に、浮上油分の大きさ、形状、粘性度、種類、流量に係わらず、あらゆるタイプの浮上油分、油水、排水、洗浄液、浮遊物に対応することができる流路式の浮上油回収装置は、本願発明者が知るところでは未だ見当たらない。
然るに、本発明の流路式浮上油回収装置は、三点フロート式、ジャバラサクション式、ベルトスキマー式、スクリュー式、機械式、オーバーフロー式などの従来の浮上油回収装置が持つ多くの長所を備えると共に、其々の方式が解決できない多くの問題点を解決し、さらに循環加工油に含有される浮上油分と正常油分の比重差と流力を利用して分離・回収する手段を採用していることから、「脂肪,油状物質または同様な浮遊物質の分離または除去装置」の分類における先行技術の中でも従来にない浮上油回収装置を提案するものである。
本願発明者は、以上のような従来の浮上油回収装置において浮上油分が貯留タンクの液面上に分散している現象に着目し、その貯留タンクの液面上に分散する浮上油分を分散させないようにすることによって浮上油分を効率的且つ効果的に分離・回収することができないかとの着想の下、貯留タンクの上方に流路枠体を載置することで貯留タンクの液面上を浮遊する浮上油分の拡散を制限すると共に、循環加工油に含有される浮上油分と正常油分の比重差と流力を利用して分離・回収する流路式の浮上油回収装置を開発し、本出願における「流路式浮上油回収装置」の提案に至るものである。
特開2000-24656号公報 特開平8-117743号公報 特開2003-39276号公報 特開2001-340849号公報 特開2011-235217号公報 特開2002-339449号公報 特開2011-20025号公報
本発明は上記問題点に鑑み、貯留タンクの液面上を浮遊する浮上油分の拡散を制限すると共に、循環加工油に含有される浮上油分と正常油分の比重差と流力を利用して分離・回収する流路式浮上油回収装置の提供を図ることを課題とする。
本発明における流路式浮上油回収装置は、上記課題を解決するためになされるもので、供給ダクト口から流出される循環加工油に含有される浮上油分と正常油分の比重差と流力を利用して該浮上油分を分離・回収する流路式浮上油回収装置であって、流路式浮上油回収装置は、流路枠体と、回収ホッパーと、で構成され、上流側に供給ダクト口を備えると共に下流側に循環ポンプを備える貯留タンク上に載置されて成り、流路枠体は、上流側に位置する供給ダクト口から下流側に位置する循環ポンプにかけて供給ダクト口の大きさに合わせた流動経路を形成して支持アングルを介して貯留タンクの上方に載置され、上流壁側と下流壁側と左右両壁側が閉塞されると共に、上方と下方が開放され、下流壁側に向けてテーパ状に縮形する絞り部を有する流動経路を形成し、該流路枠体の下流壁側には回収ホッパーが内設される袋小路状の回収部を設けて成り、回収ホッパーは、上端には流動経路の液面上を浮遊する浮上油分を阻集する浮上油流入口を設け、中間にはその阻集された浮上油分を落下阻集するテーパ状の阻集部を設け、下方には該落下阻集された浮上油分を外部に排出する排出パイプを連設して成り、貯留タンクの液面上を浮遊する浮上油分の拡散を流路枠体によって制限すると共に、循環加工油に含有される浮上油分と正常油分とをその比重差と流力を利用して該流路枠体において分離し、さらに該分離された浮上油分を排出パイプによって外部に排出する手段を採る。
また本発明の流路式浮上油回収装置は、流路枠体の下層領域における左右両壁間に上流から下流にかけ斜め上方に傾斜した流動助長ガイド板を流動方向に所定の間隔を空けて複数列設することで、該流路枠体の下層領域を流動する浮上油分を上方に導くと共に、流動経路の液面上に浮遊する浮上油分の流動を助長する手段を採る。
また本発明の流路式浮上油回収装置は、流路枠体の上面に流動経路の液面上を浮遊する浮上油分の流れを上流から下流へ助長する回転式の送り込み装置を設けた手段を採る。
また本発明の流路式浮上油回収装置は、流路枠体の回収部内に液面の変動に追従するフロートを備えたスライド式浮上油回収装置を設けた手段を採る。
また本発明の流路式浮上油回収装置は、流路枠体の上流壁をR状に屈曲させると共に、流動経路の途中を流動する循環加工油の滞流を防止する中央分離帯を設けた手段を採る。
また本発明の流路式浮上油回収装置は、流路枠体の上流側を分割されて連結されるフロート式のフェンスで形成し、さらに流路枠体の下流側の一部にフロートを付設して、流路式浮上油回収装置全体が液面下に沈下しない状態で浮上させることで、流動経路の液面上を浮遊する浮上油分を回収する手段を採る。
なおこのとき、回収ホッパーまたはスライド式浮上油回収装置に替えて、流路枠体の回収部内に三点フロート式、ジャバラサクション式、ベルトスキマー式、スクリュー式の何れか一つの浮上油回収装置を設けた手段をとり得る。
本発明における流路式浮上油回収装置によれば、流動経路を形成する流路枠体の流動経路を回収ホッパーによって滞留槽と排出槽とに下方が連通する状態で分離し、該滞留槽内に回収ホッパーを設けることによって浮上油分が滞留槽に滞留されて外部に排出される手段を採っていることから、浮上油分の大きさ、形状、粘性度、種類、流量に係わらず、あらゆるタイプの浮上油分、油水、排水、洗浄液、浮遊物質に対応した分離・回収装置が提供できるといった優れた効果を奏する。
また本発明における流路式浮上油回収装置によれば、装置を稼動させる動力源が循環加工油の比重差と流力の自然エネルギーを利用した手段を採っていることから、装置自体が軽量且つ簡単構造で済むと共に、製造原価のコストダウン化が図られ、さらにランニングコストや機械的メンテナンス作業が不要であるといった優れた効果を奏する。
また本発明における流路式浮上油回収装置によれば、流動経路を形成する流路枠体が上流側に位置する供給ダクト口から下流側に位置する循環ポンプにかけて供給ダクト口の大きさに合わせた直線的な流動経路を形成して貯留タンクの液面上を浮遊する浮上油分の拡散を制限し、さらに循環加工油の浮上油分と正常油分の比重差と流力(供給ダクト口の向きを流路枠体の流動経路に対して平行に向けることによって、供給ダクト口から排出される循環加工油の流力の勢いを下流側まで持続させる)を利用して分離・回収していることから、浮上油分の回収効率ならびに回収確率および回収精度が極めて高いといった優れた効果を奏する。
また本発明における流路式浮上油回収装置によれば、浮上油回収装置自体が流路枠体と回収ホッパーで構成される単純枠体構造で形成されていることによって、三点フロート式、ジャバラサクション式、ベルトスキマー式、スクリュー式、機械式、オーバーフロー式のような複雑な回収駆動装置を必要とすることなく、極めて安価なコストで製造することができるといった優れた効果を奏する。
また本発明における流路式浮上油回収装置によれば、大型の貯留タンクの場合は、流路枠体の流動経路を延設し、さらに供給ダクト口から排出される循環加工油の浮上油分と正常油分の比重差と流力を利用して浮上油分の回収効率を高めることができると共に、小型の貯留タンクの場合は、流路枠体の流動経路を短縮し、供給ダクト口を回収ホッパーと反対向きにすることによって循環加工油の流力の減退を図り、さらに浮上油分の浮上油流入口への過剰な流れ込みを抑制することができるといった優れた効果を奏する。
また本発明における流路式浮上油回収装置によれば、流路枠体の上流側を分割されて連結されるフロート式のフェンスで形成し、さらに流路枠体の下流側の一部にフロートを付設して流路式浮上油回収装置全体が液面下に沈下しない状態で浮上させて流動経路の液面上を浮遊する浮上油分を分離・回収すると共に、流路枠体の回収部内に回収ホッパーまたはスライド式浮上油回収装置ならびに三点フロート式、ジャバラサクション式、ベルトスキマー式、スクリュー式の何れか一つの浮上油回収装置を設けることで、流動経路の液面上を浮遊する浮上油分を容易に回収することができるといった優れた効果を奏する。
本発明における流路式浮上油回収装置の請求項1記載の実施形態を示す説明図である。(実施例1) 本発明における流路式浮上油回収装置の請求項2記載の実施形態を示す断面説明図である。(実施例2) 本発明における流路式浮上油回収装置の請求項3記載の実施形態を示す説明図である。(実施例3) 本発明における流路式浮上油回収装置の請求項4記載の実施形態を示す説明図である。(実施例4) 本発明における流路式浮上油回収装置の請求項5記載の実施形態を示す説明図である。(実施例5) 本発明における流路式浮上油回収装置の請求項6ならびに請求項7記載の実施形態を示す説明図である。(実施例6) 従来の浮上油回収装置の実施形態を示す説明図である。
本発明の流路式浮上油回収装置10は、流路枠体20と回収ホッパー30とで構成され、貯留タンク40の液面上を浮遊する浮上油分Hの拡散を制限すると共に、循環加工油Pに含有する浮上油分Hと正常油分Lの比重差と流力を利用して該浮上油分Hを分離・回収する手段を採ったことを最大の特徴とする。以下、本発明における流路式浮上油回収装置10の実施形態を、図面に基づいて説明する。
なお、本発明における流路式浮上油回収装置10は、下記に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる材質ならびに形状及び寸法等の範囲内で、適宜変更することができる。
図1は、本発明における流路式浮上油回収装置の請求項1記載の実施形態を示す説明図であり、図1(a)は使用状態を示す平面説明図、図1(b)は使用状態を示す断面説明図である。
本発明における流路式浮上油回収装置10は、供給ダクト口41から流出される循環加工油Pに含有する浮上油分Hと正常油分Lの比重差と流力を利用して該浮上油分Hを分離・回収する流路式浮上油回収装置10であって、該流路式浮上油回収装置10は、流路枠体20と、回収ホッパー30と、で構成され、流路枠体20は、上流側に位置する供給ダクト口41から下流側に位置する循環ポンプ42にかけて供給ダクト口41の大きさに合わせた流動経路21を形成して支持アングル24を介して貯留タンク40の上部に載置され、上流壁46側と下流壁47側と左右両壁側が閉塞されると共に、上方と下方が開放され、下流壁47側に向けてテーパ状に縮形される絞り部25を有する流動経路21を形成し、該流路枠体20の下流壁47側には回収ホッパー30が内設される袋小路状の回収部27を設けて成り、回収ホッパー30は、上端には流動経路21の液面上を浮遊する浮上油分Hを阻集する浮上油流入口31を設け、中間にはその阻集された浮上油分Hを落下阻集するテーパ状の阻集部32を設け、下方には該落下阻集された浮上油分Hを外部に排出する排出パイプ38を連設して形成される。
流路枠体20は、例えば、厚み2mm程度のステンレス製の板材を折り曲げ加工ならびに溶接加工において縦長に流動経路21を形成する流路状に形成し、上流側に位置する供給ダクト口41から下流側に位置する循環ポンプ42にかけて供給ダクト口41の大きさに合わせた流動経路21を形成して、支持アングル24を介して貯留タンク40の上部に載置され、上流壁46側と下流壁47側と左右両壁側が閉塞されると共に、上方と下方が開放され、下流壁47側に向けてテーパ状に縮形する絞り部25を有する流動経路21を形成し、該流路枠体20の下流壁47側には回収ホッパー30が内設される袋小路状の回収部27を設けて成り、供給ダクト口41の近くは循環加工油Pの流入する勢いが強いことから、浮上油分Hの拡散を阻止するために流路枠体20を下流方向と下方に膨出させて形成している。
また、流路枠体20の上流方向から下流方向への長さの設定は、循環加工油Pの供給ダクト口41から流出する勢いや流出量に合わせて任意に設定することができ、循環加工油Pに含有する浮上油分Hと正常油分Lとをその比重差と流力を利用して分離・回収することができる。
流動経路21は、上流壁46側と下流壁47側と左右両壁側が閉塞されると共に上方と下方が開放され下流壁47側に向けてテーパ状に縮形する絞り部25を有する流路枠体20の内側に、上流側に位置する供給ダクト口41から下流側に位置する循環ポンプ42にかけて供給ダクト口41の大きさに合わせて縦長に形成されるもので、供給ダクト口41から流出した一定量の浮上油分Hを流路枠体20内を流動して袋小路状の回収部27周辺に積層させることで、流路枠体20内の浮上油分Hを回収ホッパー30の浮上油流入口31から外部に排出させる目的で設けられる。
滞留槽22は、流路枠体20内の上層領域を占有するものであって、貯留タンク40に流入した循環加工油Pを下方が連通する状態で遮断することで、該循環加工油Pの液面上ならびに上層領域を浮遊する浮上油分Hを流路枠体20内に滞留させる目的で設けられる。
循環槽23は、貯留タンク40と流路枠体20内の下層領域を占有するもので、貯留タンク40に流入した循環加工油Pに含有する下層領域を流動する正常油分Lについて、回収ホッパー30の下方を通過して循環ポンプ42で吸い上げて循環させる目的で設けられる。
支持アングル24は、流路枠体20を貯留タンク40の上部に載置して固定する支持材で、流路枠体20の上方開口部を貯留タンク40の液面より上方に位置させると共に、流路枠体20の下方の開口部を貯留タンク40の液面より下方に位置させて固定する目的で設けられる。
絞り部25は、流路枠体20の流動経路21の途中に下流壁47側に向けてテーパ状に縮形して設けられるもので、流路枠体20の流動経路21を流動する浮上油分Hを効率よく回収ホッパー30に導くために設けられる。また、上流側の供給ダクト口41の大きさに合わせた流動経路21幅から、下流側の回収ホッパー30が設けられる回収部27幅に浮上油分Hの特性に合わせて徐々に縮形させることによって、浮上油分Hの回収を効率よく行う目的で設けられるもので、さらに供給ダクト口41の大きさがどのような大きさであっても絞り部25が設けられることによって、浮上油分Hを阻集する回収ホッパー30の大きさに合わせて流路枠体20を形成することができる。
回収部27は、流路枠体20の下流壁47側に設けられ、回収ホッパー30が固設される袋小路状の枠体である。
回収ホッパー30は、流路枠体20の下流壁47側に設けられる回収部27内に設けられ、上端には流動経路21の液面上を浮遊する浮上油分Hを阻集する浮上油流入口31を設け、中間にはその阻集された浮上油分Hを落下阻集するテーパ状の阻集部32を設け、下方には該落下阻集された浮上油分Hを外部に排出する排出パイプ38を連設して形成される。
以上で構成される本発明の浮上油回収装置10は、主に大型の浮上油回収装置10として利用されるもので、流動経路21を形成する流路枠体20が上流側に位置する供給ダクト口41から下流側に位置する循環ポンプ42にかけて供給ダクト口41の大きさに合わせた直線的な流動経路21を形成して貯留タンク40の液面上を浮遊する浮上油分Hの拡散を制限し、さらに循環加工油Pに含有する浮上油分Hと正常油分Lの比重差と流力(供給ダクト口41の向きを流路枠体20の流動経路21に対して平行に向けることによって、供給ダクト口41から排出される循環加工油Pの流力の勢いを下流側まで持続させる)を利用して該浮上油分Hを分離・回収していることから、従来に増して浮上油分Hの回収効率ならびに回収確率および回収精度を高めることができる。
図2は、本発明における流路式浮上油回収装置の請求項2記載の実施形態を示す断面説明図である。
本発明における流路式浮上油回収装置10は、前記流路枠体20の下層領域における左右両壁間に上流から下流にかけ斜め上方に傾斜した流動助長ガイド板29を流動方向に所定の間隔を空けて複数列設することで、流路枠体20の下層領域を流動する浮上油分Hを上方に導くと共に、流路枠体20の液面上に浮遊する浮上油分の流動を助長する構成となっている。
流動助長ガイド板29は、流路枠体20の開放される下方に所定の間隔を空けて複数列設し、下層領域を流動する浮上油分Hを上方に導く目的と、供給ダクト口41から流出する循環加工油Pに含有する浮上油分Hと正常油分Lの流力を利用して流路枠体20の液面上に浮遊する浮上油分Hの流動を助長する目的で設けられる。
以上で構成される本発明の浮上油回収装置10は、供給ダクト口41から排出される循環加工油Pに含有する浮上油分Hと正常油分Lの比重差と流力を利用して流動経路21の液面上を浮遊する浮上油分Hを効率よく回収ホッパー30まで導くことができる。
図3は、本発明における流路式浮上油回収装置の請求項3記載の実施形態を示す説明図である。
本発明における流路式浮上油回収装置10は、流動経路21の液面上を浮遊する浮上油分Hの流れを助長する回転式の送り込み装置33を設けて形成される。
送り込み装置33は、回転ブラシ式のベルトコンベアまたは回転ドラムによって流路枠体20内の流動経路21の液面上を浮遊する浮上油分Hの流れを上流から下流へ助長する目的で設けられるもので、駆動源としては電気モーターや貯留タンク40内を流動する循環加工油Pの流力を利用して回転する水車をチェーンなどを利用した伝達機構で駆動させる態様などが考え得る。
以上で構成される本発明の浮上油回収装置10は、特に粘性の高い浮上油分H、スカム状の固形化した浮上油分Hの流路枠体20内の流動補助装置として有効である。
図4は、本発明における流路式浮上油回収装置の請求項4記載の実施形態を示す説明図である。
本発明における流路式浮上油回収装置10は、回収部27内に液面の変動に追従するスライド式浮上油回収装置34を設けて形成される。
図4(a)は、本発明における流路式浮上油回収装置10の回収ホッパー30の実施形態を示す拡大断面図である。
本発明における流路式浮上油回収装置10の回収ホッパー30は、流路枠体20の上端には流動経路21の液面上を浮遊する浮上油分Hを阻集する浮上油流入口31を設け、中間にはその阻集された浮上油分Hを落下阻集するテーパ状の阻集部32を設け、下方には該落下阻集された浮上油分Hを外部に排出する排出パイプ38を連設して成り、貯留タンク40の液面上を浮遊する浮上油分Hの拡散を制限すると共に、循環加工油Pに含有する浮上油分Hと正常油分Lの比重差と流力を利用して分離し、さらに該分離された浮上油分Hを外部に排出する構造を有する。
以上で構成される本発明の浮上油回収装置10は、回収ホッパー30が流路枠体20の回収部27に固定されていることによって、貯留タンク40の液面が変動した場合、流路枠体20内に浮上油分Hが一定の量積層することで、浮上油分Hが回収ホッパー30の浮上油流入口31の高さを越えた時点で回収ホッパー30内に落下阻集される。
図4(b)は、嵌合スライドによるスライド手段が備えられた実施形態を示す拡大断面図である。
すなわち、ガイドアングル26とフロート35の嵌合によるスライド式浮上油回収装置34は、回収ホッパー30の上流側側面に設けられたフロート35によって貯留タンク40の液面の変動に追従してスライドするもので、ガイドアングル26とフロート35の嵌合によってスライド機構37が構成されて、浮上油分Hが回収ホッパー30の浮上油流入口31の高さを越えた時点で回収ホッパー30内に落下阻集される。
以上で構成される本発明の浮上油回収装置10は、貯留タンク40の液面の変動に追従するガイドアングル26とフロート35の嵌合によるスライド機構37によって、流動経路21の液面上を浮遊する浮上油分Hを効率よく回収することができる。
図4(c)は、スライド手段がパイプ管嵌合による実施形態を示す拡大断面図である。
排出パイプ38の嵌合によるスライド式浮上油回収装置34は、浮上油流入口31がスライド式浮上油回収装置34の上端部内側に設けられたフロート35によって貯留タンク40の液面の変動に追従して上下動するもので、スライド式浮上油回収装置34の下方に設けられた排出パイプ38の嵌合によってスライド機構37が構成され、浮上油分Hがスライド式浮上油回収装置34の浮上油流入口31の高さを越えた時点で回収ホッパー30内に落下阻集される。
以上で構成される本発明の浮上油回収装置10は、貯留タンク40の液面の変動に追従する排出パイプ38の嵌合によるスライド機構37によって、流路枠体20内の液面上を浮遊する浮上油分Hを効率よく回収することができる。
図4(d)は、スライド手段がジャバラサクションによる実施形態を示す拡大断面図である。
ジャバラサクション36によるスライド式浮上油回収装置34は、浮上油流入口31がジャバラサクション36の上端部内側に設けられたフロート35によって液面の変動に追従して上下動するもので、ジャバラサクション36の上下伸縮動によってスライド機構37が構成され、浮上油分Hがスライド式浮上油回収装置34の浮上油流入口31の高さを越えた時点でスライド式浮上油回収装置34内に落下阻集される。
以上で構成される本発明の浮上油回収装置10は、貯留タンク40の液面の変動に追従するジャバラサクション36の上下伸縮動によるスライド機構37によって、流動経路21の液面上を浮遊する浮上油分Hを効率よく回収することができる。
図5は、本発明における流路式浮上油回収装置の請求項5記載の実施形態を示す説明図であり、図5(a)は使用状態を示す平面説明図、図5(b)は使用状態を示す断面説明図である。
流路枠体20の上流壁46をR状に屈曲させると共に、流動経路21の途中に浮上油分Hの滞流を防止する中央分離帯28を設けて形成される。
中央分離帯28は、供給ダクト口41から排出される循環加工油Pの流れを回収ホッパー30に向けて効率よく誘導させる目的で設けられる。また、循環加工油Pの流れの勢いの調整は供給ダクト口41の向きを変えて流路枠体20に衝突させることによって微調整することもできる。
以上で構成される本発明の浮上油回収装置10は、主に小型の浮上油回収装置10として利用されて流路枠体20の流動経路21が短い場合に適合するもので、供給ダクト口41から排出される浮上油分Hの流出量が多量であったり、また勢いが強い場合、直接回収ホッパー30に浮上油分Hと正常油分Lが一気に流れ込むのを防止するため、供給ダクト口41から排出される循環加工油Pの流出方向を流路枠体20のR状の上流壁46面に向けて一旦、衝突させて流力を弱め、さらに中央分離帯28で循環加工油Pの流れを整流することによって、浮上油分Hを効率よく回収ホッパー30に誘導させて分離・回収するものである。
図6は、本発明における流路式浮上油回収装置の請求項6ならびに請求項7記載の実施形態を示す説明図である。
本発明における浮上油回収装置10は、流路枠体20の上流側を分割されて連結されるフロート式のフェンス43で形成し、さらに流路枠体20の下流側の一部にフロート35を付設して、流路式浮上油回収装置10全体が液面下に沈下しない状態で浮上させることで、流動経路21の液面上を浮遊する浮上油分Hを回収する構造を有して形成される。
なおこのとき、回収ホッパー30またはスライド式浮上油回収装置34に替えて、流路枠体20の回収部27内に三点フロート式、ジャバラサクション式、ベルトスキマー式、スクリュー式の何れか一つの浮上油回収装置を設けた構成態様を採用することも可能である。
フェンス43は、液面に浮遊するフロート機能と拡散防止機能を有して形成されるもので、超大型の貯留タンク、貯留プールなどの大型施設に設置することができる。
また、流動経路21が必要以上に広がったり狭まったりしない様にスパン確保用の橋渡し材45をフェンス43間に掛け渡して係留すると共に、流路枠体20の上流方向から下流方向のフェンス43の長さの設定は、循環加工油Pの供給ダクト口41から流出する勢いや流出量に合わせて任意に設定することが可能であって、循環加工油Pに含有する浮上油分Hと正常油分Lとをその比重差と流力を利用して分離・回収することができる。
以上で構成される本発明の浮上油回収装置10は、回収ホッパー30またはスライド式浮上油回収装置34のほか、三点フロート式、ジャバラサクション式、ベルトスキマー式、スクリュー式の何れか一つの従来の浮上油回収装置44を設ける態様が可能であって、例えば、超大型の貯留タンク、貯留プールなどに設置することができ、また、貯留タンク40の形状に関わることなくあらゆる形状の貯留タンクに対応することができる。
図7は、従来の浮上油回収装置の実施形態を示す説明図であり、図7(a)は使用状態を示す平面説明図、図7(b)は使用状態を示す断面説明図である。
三点フロート式ならびにジャバラサクション式、ベルトスキマー式、スクリュー式の従来の浮上油回収装置44は、上流側の供給ダクト口41から下流側の循環ポンプ42の間に設置して、貯留タンク40の液面上に拡散した浮上油分Hを回収する手段を採っている。
上記における従来の浮上油回収装置は、供給ダクト口41から流出した循環加工油Pの浮上油分Hが貯留タンク40の液面上に拡散した状態で阻集作業が行なわれるもので、より効率的に浮上油分Hを回収するには、三点フロート式においては掻き寄せ装置を必要とし、ジャバラサクション式においては上下動を行う吸引装置を必要とし、ベルトスキマー式ならびにスクリュー式においては阻集する術がないため阻集効果が著しく劣るものであり、液面上の浮上油分Hをいかに効率的に集約するかという問題を解決することができないでいる。
本発明の浮上油回収装置の設置に伴って、浮上油分の排出経路が横方向ならびに下方向に設置できない場合、流路枠体の回収部内に本発明の回収ホッパーや、スライド式浮上油回収装置の他に、従来形式の三点フロート式ならびにジャバラサクション式、ベルトスキマー式、スクリュー式の何れかの浮上油回収装置を設けて上方向に位置する処理施設に排出することもできることから、本発明の「流路式浮上油回収装置」の産業上の利用可能性は大であると解する。
10 流路式浮上油回収装置
20 流路枠体
21 流動経路
22 滞留槽
23 循環槽
24 支持アングル
25 絞り部
26 ガイドアングル
27 回収部
28 中央分離帯
29 流動助長ガイド板
30 回収ホッパー
31 浮上油流入口
32 阻集部
33 送り込み装置
34 スライド式浮上油回収装置
35 フロート
36 ジャバラサクション
37 スライド機構
38 排出パイプ
40 貯留タンク
41 供給ダクト口
42 循環ポンプ
43 フェンス
44 従来の浮上油回収装置
45 橋渡し材
46 上流壁
47 下流壁
H 浮上油分
L 正常油分
P 循環加工油

Claims (7)

  1. 供給ダクト口から流出される循環加工油に含有される浮上油分と正常油分の比重差と流力を利用して該浮上油分を分離・回収する流路式浮上油回収装置であって、
    前記流路式浮上油回収装置は、流路枠体と、回収ホッパーと、で構成され、上流側に供給ダクト口を備えると共に下流側に循環ポンプを備える貯留タンク上に載置されて成り、
    前記流路枠体は、
    上流側に位置する供給ダクト口から下流側に位置する循環ポンプにかけて供給ダクト口の大きさに合わせた流動経路を形成して支持アングルを介して貯留タンクの上方に載置され、
    上流壁側と下流壁側と左右両壁側が閉塞されると共に、上方と下方が開放され、下流壁側に向けてテーパ状に縮形する絞り部を有する流動経路を形成し、
    該流路枠体の下流壁側には前記回収ホッパーが内設される袋小路状の回収部を設けて成り、
    前記回収ホッパーは、
    上端には流動経路の液面上を浮遊する浮上油分を阻集する浮上油流入口を設け、中間にはその阻集された浮上油分を落下阻集するテーパ状の阻集部を設け、下方には該落下阻集された浮上油分を外部に排出する排出パイプを連設して成り、
    貯留タンクの液面上を浮遊する浮上油分の拡散を前記流路枠体によって制限すると共に、循環加工油に含有される浮上油分と正常油分とをその比重差と流力を利用して該流路枠体において分離し、さらに該分離された浮上油分を排出パイプによって外部に排出することを特徴とする流路式浮上油回収装置。
  2. 前記流路枠体の下層領域における左右両壁間に上流から下流にかけ斜め上方に傾斜した流動助長ガイド板を流動方向に所定の間隔を空けて複数列設することで、該流路枠体の下層領域を流動する浮上油分を上方に導くと共に、流動経路の液面上に浮遊する浮上油分の流動を助長することを特徴とする請求項1記載の流路式浮上油回収装置。
  3. 前記流路枠体の上面に、流動経路の液面上を浮遊する浮上油分の流れを上流から下流へ助長する回転式の送り込み装置を設けたことを特徴とする請求項1記載または請求項2記載の流路式浮上油回収装置。
  4. 前記流路枠体の回収部内に、貯留タンク内の液面の変動に追従するフロートを備えたスライド式浮上油回収装置を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか記載の流路式浮上油回収装置。
  5. 前記流路枠体の上流壁をR状に屈曲させると共に、前記流動経路の途中を流動する循環加工油の滞流を防止する中央分離帯を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか記載の流路式浮上油回収装置。
  6. 前記流路枠体の上流側を分割されて連結されるフロート式のフェンスで形成し、さらに流路枠体の下流側の一部にフロートを付設して、流路式浮上油回収装置全体が液面下に沈下しない状態で浮上させることで、流動経路の液面上を浮遊する浮上油分を回収することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか記載の流路式浮上油回収装置。
  7. 前記流路枠体の回収部内に、前記回収ホッパーまたは前記スライド式浮上油回収装置に替えて、三点フロート式、ジャバラサクション式、ベルトスキマー式、スクリュー式の何れか一つの浮上油回収装置が設けられて成ることを特徴とする請求項6記載の流路式浮上油回収装置。
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