JP5429476B2 - 温度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、温度センサに関し、さらに詳しくは、熱応答性および耐水性に優れ、しかも、取付性が良好な温度センサに関する。
エアーコンディショナに代表される空調装置には、気化熱を利用して、通過する空気を冷却するエバポレータが備えられている。このエバポレータの冷却能力のチェックおよび調整のために、エバポレータに温度センサが取り付けられている。
このような温度センサは、温度変化に対する応答(熱応答性)が良好であることはもちろんのこと、水等の侵入によるセンサ部分の劣化を防止する(耐水性)ために、センサ部分を封止する必要がある。
たとえば、特許文献1には、センサ部分としてのサーミスタと一体的に樹脂モールドされた樹脂が金属ケースに封入されている。
この場合、サーミスタが金属ケース内に収容されているため、熱応答性は確保される。しかしながら、金属ケースと樹脂との密着性が劣ること、また、金属と樹脂との熱膨張の違いに起因して、金属ケースの根元部分にクラックが発生すること、などの理由により、金属ケース内に水が侵入し、その結果、サーミスタが劣化してしまうという問題があった。さらには、このような温度センサは、その取付部の強度および柔軟性が確保され、振動などによる破損(折れ)を生じないことが必要とされていた。
特開平9−15062号公報
本発明の目的は、熱応答性および耐水性に優れ、しかも取付対象物に対して容易に脱着可能、かつ破損しにくい、信頼性の高い取付部を有する温度センサを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る温度センサは、
センサ素子と、
ケース本体から突出するように形成され中空部を有するセンサ素子収容部、および前記ケース本体から突出するように形成され取付対象物に対して脱着自在に取り付けられる取付部を備え、前記ケース本体、前記センサ素子収容部および前記取付部が一体になるように成形されたケースと、
前記センサ素子に電気的に接続された一対のリード線と、を有し、
前記ケースは、ポリフェニレンサルファイド樹脂およびフィラーを含有し、前記センサ素子は、合成樹脂とともに前記センサ素子収容部の前記中空部に封止されていることを特徴とする。
あるいは、本発明に係る温度センサは、
センサ素子と、
ケース本体から突出するように形成され中空部を有するセンサ素子収容部、および前記ケース本体から突出するように形成され取付対象物に対して脱着自在に取り付けられる取付部を備え、前記ケース本体、前記センサ素子収容部および前記取付部が一体になるように成形されたケースと、
前記センサ素子に電気的に接続された一対のリード線と、を有し、
前記ケースは、ポリアミド樹脂およびフィラーを含有し、前記センサ素子は、合成樹脂とともに前記センサ素子収容部の前記中空部に封止されていることを特徴とする。
本発明においては、センサ素子収容部は金属製ではなく、ケースと同じ材質で構成されている。すなわち、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)またはポリアミド樹脂と、フィラーと、から構成されている。これらの樹脂は、金属よりも熱伝導性に劣るが、熱伝導性の良いフィラーを含有することで、センサ素子収容部が樹脂のみで構成されている場合よりも熱応答性を向上させることができ、金属製のものと同程度とすることができる。
さらに、センサ素子収容部の内面(中空部)には、フィラーに起因する凹凸が形成されているため、この凹凸が、中空部に充填される合成樹脂に食い込むことで、アンカー効果を発揮し、センサ素子収容部と合成樹脂との密着性を向上させることができる。その結果、たとえば、センサ素子収容部の根元部分に熱的または物理的衝撃等が加えられた場合であっても、クラックが生じない。したがって、センサ素子収容部と合成樹脂との間への水等の侵入を阻止することが可能となり、耐水性を向上させることができる。
しかも、フィラーは取付部にも含有されているため、取付部がPPS樹脂またはポリアミド樹脂のみで構成されている場合よりも、取付部の強度を向上させることができる。
本発明において、センサ素子収容部および取付部とを備えたケースが、PPS樹脂およびフィラーで構成されている場合、特に熱応答性および耐水性を向上させることができる。また、該ケースが、ポリアミド樹脂およびフィラーで構成されている場合、特に取付対象部への取付性(脱着の容易さや破損のしにくさ)を向上させることができる。
前記ケースがPPS樹脂およびフィラーで構成されている場合、好ましくは、前記ケースが、さらにエラストマーを含有している。エラストマーを含有させることで、熱応答性および耐水性を高いレベルで維持しつつ、取付性をさらに向上させることができる。
好ましくは、前記PPS樹脂または前記ポリアミド樹脂100重量%に対して、前記フィラーが15〜45重量%含有されている。フィラーの含有量を上記の範囲とすることで、取付部に適度な柔軟性を与えることができ、取付部は強度と柔軟性とを兼ね備えることができる。その結果、たとえば、取付部の根元部分には、振動に起因するクラックが生じず、クラックの成長による取付部の破損(折れ)を防止することができる。
好ましくは、前記フィラーの形状が繊維状である。フィラーの形状を繊維状とすることで、本発明の効果をさらに高めることができる。
好ましくは、前記合成樹脂がエポキシ樹脂である。このようにすることで、本発明の効果をさらに高めることができる。
好ましくは、前記センサ素子がNTCサーミスタ素子である。
本発明によれば、熱応答性、耐水性および取付性を両立させた温度センサが得られる。このような温度センサは、空調装置に使用されるエバポレータ用の温度センサとして好適である。特に、厳しい環境に曝され、振動等の影響が大きい、車載用の空調装置に使用されるエバポレータ用の温度センサとして好適である。
なお、ケースがPPS樹脂およびフィラーから構成される場合には、特に熱応答性および耐水性を向上させることができる。また、ケースがポリアミド樹脂およびフィラーから構成される場合には、特に取付性を向上させることができる。したがって、所望の特性に応じて、ケースを構成する材質を選択すればよい。
さらには、フィラーの含有量を特定の範囲とすることで、上記の効果に加え、取付部の柔軟性が増す。その結果、たとえば、取付部の根元部分には振動に起因するクラックが生じず、取付部の破損(折れ)を効果的に防止することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る温度センサを示す概略正面図である。 図2は、図1に示す温度センサの概略側面図である。 図3は、図1に示す温度センサのセンサ素子収容部の拡大断面図である。 図4は、図3に示すセンサ素子収容部の内面と合成樹脂との界面付近(IV部)の拡大断面図である。 図5は、本発明の実施例および比較例の試料において、ガラスフィラーの含有量と、熱応答時間と、の関係を示すグラフである。 図6(A)〜(C)は、本発明の実施例および比較例の試料において、ガラスフィラーの含有量と、絶縁抵抗の残存率と、の関係を示すグラフである。 図7(A)〜(C)は、本発明の実施例および比較例の試料において、ガラスフィラーの含有量と、絶縁抵抗の残存率と、の関係を示すグラフである。 図8(A)〜(C)は、本発明の実施例および比較例の試料において、ガラスフィラーの含有量と、絶縁抵抗の残存率と、の関係を示すグラフである。 図9は、本発明の実施例および比較例の試料において、ガラスフィラーの含有量と、破壊時の強度と、の関係を示すグラフである。 図10は、本発明の実施例および比較例の試料において、ガラスフィラーの含有量と、破壊時の変位量と、の関係を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態
図1および2に示すように、本実施形態に係る温度センサ1は、ケース本体10と、リード線30が接続されたセンサ素子(図示省略)が封止されたセンサ素子収容部11と、取付部12と、を有している。本実施形態においては、図1および2に示すように、センサ素子収容部11と取付部12とが、ケース本体10の同一面から突出するように形成されている。
センサ素子収容部11の形状としては、特に制限されないが、たとえば、図2に示すように、筒状とされ、センサ素子は底部付近に配置される。センサ素子収容部11は、その底部付近に配置されているセンサ素子に対して収容部近傍の温度を迅速に反映させるために、熱応答性に優れることが要求される。
また、取付部12の形状は、取付対象物に対して取り付け可能な形状であれば、特に制限されないが、たとえば、図1に示すように、凹凸が形成された棒状とされる。このようにすることで、エバポレータ(取付対象物)のフィンの間に差し込み、固定することができる。
この取付部12は、取付対象物からの脱落を防止するために、適度な強度を有していることが好ましい。さらには、振動に起因するクラックによる破損、取付対象物の強度等を考慮すると、適度な強度とともに、柔軟性も要求される。
本実施形態では、センサ素子収容部11には、図3に示すように、センサ素子20が合成樹脂21とともに封止されている。センサ素子20の両端には、一対のリード線30の一端が電気的に接続され、リード線30の他端は、温度センサ1の外側に引き出され、温度計測装置(図示省略)に接続されている。また、センサ素子20はガラスで覆われていてもよい。センサ素子20がサーミスタ素子である場合、センサ素子収容部11を介して、センサ素子収容部周辺の温度に応じて、抵抗値が変化する。そして、その抵抗値の変化を温度の変化に換算して、温度を測定する。
なお、図1〜3においては、リード線30は、温度センサ1の上方に引き出されているが、たとえば、ケース本体10内に設けられたリード線押さえ機構により、温度センサ1からリード線30を引き出す方向を変えてもよい。
本実施形態では、後述するように、ケース本体10と、センサ素子収容部11と、取付部12と、が一体になるよう成形され、ケースとされる。
本実施形態に係る温度センサ1のケースは、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)とフィラーとを含有している。フィラーとしては、特に制限されないが、繊維状の形状を有し、良好な熱伝導性を示すフィラーであることが好ましい。このようなフィラーとしては、たとえば、ガラス、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ヤシガラなどが挙げられ、ガラスのフィラーがより好ましい。
PPS樹脂は、金属よりも熱伝導性に劣り、金属と比較して軟らかいため、金属よりも強度が低い。一方、フィラーは、PPS樹脂よりも良好な熱伝導性を有している。そのため、PPS樹脂にフィラーを含有させることで、熱伝導性が改善され、熱応答性に優れたセンサ素子収容部を得ることができる。
また、フィラーは比較的に強度が高いため、PPS樹脂にフィラーを含有させることで、PPS樹脂単独の場合よりも強度を高めることができる。その結果、適度な強度を有する取付部を得ることができる。さらには、適度な強度が得られるため、センサ素子収容部を薄く成形することができ、その結果、センサ素子収容部の熱応答性をさらに向上させることができる。
しかも、PPS樹脂にフィラーを含有させ、一体成形して得られたケースにおいては、フィラーに起因する微小な凹凸が形成され、粗面化されている。このような凹凸は、センサ素子収容部11の内面、すなわち、センサ素子20が封止される側の面にも形成されている。そして、センサ素子収容部11に合成樹脂21とともにセンサ素子20を封止することで、図4に示すように、充填された合成樹脂21に対して、凹凸が食い込み、センサ素子収容部11の内面と合成樹脂21との密着性を高めることができる。その結果、熱衝撃等によるクラックを防止することができ、センサ素子収容部11への水等の侵入を効果的に阻止し、耐水性を向上させることができる。
また、フィラーに起因する凹凸は、取付部12の外面にも形成されている。このため、取付部12を取付対象物に挿入した場合、抜けにくくなり、脱落を防止できる。
フィラーの含有量は、PPS樹脂100重量%に対して、好ましくは15〜45重量%、より好ましくは15〜30重量%である。フィラーの含有量が少なすぎると、上記の凹凸が少なくなり、センサ素子収容部の熱応答性が悪化するとともに、センサ素子収容部に水が侵入しやすくなり、耐水性が悪化する傾向にある。また、取付部の柔軟性は良好であるものの、強度が低いため、取付部が破損しやすい傾向にある。
フィラーの含有量が多すぎる場合には、センサ素子収容部の熱応答性および耐水性は良好であるものの、取付部が硬くなりすぎ、柔軟性に欠ける傾向にある。その結果、振動によるクラックが生じやすく、このクラックの成長により、取付部が折れやすい(破損しやすい)傾向にある。
本実施形態では、ケースが、PPS樹脂およびフィラーに加え、エラストマーを含有していることが好ましい。エラストマーは弾性を有する材料であり、本実施形態では、熱可塑性エラストマーが好ましい。
このようなエラストマーが含有されていることで、センサ素子応答部の熱応答性および耐水性を維持しつつ、取付部の柔軟性を良好にすることができる。その結果、熱応答性、耐水性および取付性を高いレベルで両立できる温度センサを得ることができる。
エラストマーの含有量は、PPS樹脂100重量%に対して、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは3〜10重量%である。エラストマーの含有量が少なすぎると、取付部の柔軟性が悪化する傾向にあり、結果として、取付性が若干悪化する傾向にある。逆に多すぎると、取付部の強度が低下する傾向にあり、結果として、取付性が若干悪化する傾向にある。
また、センサ素子とともにセンサ素子収容部に充填される合成樹脂としては特に制限されないが、接着性、強度、吸湿性等の観点から、エポキシ樹脂であることが好ましい。
また、合成樹脂単独でセンサ素子収容部に充填されてもよいが、合成樹脂がフィラーを含有することが好ましい。合成樹脂にフィラーを含有させることで、センサ素子収容部の熱応答性を向上させることができる。
合成樹脂に含有されるフィラーの種類としては、特に制限されないが、たとえば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、鉄粉、ガラス繊維、ヤシガラなどが挙げられる。また、フィラーの含有量は、合成樹脂およびフィラーの合計量100重量%に対して、好ましくは10〜70重量%である。
温度センサの製造方法
次に、本実施形態に係る温度センサ1の製造方法の一例を説明する。本実施形態に係る温度センサを製造する方法としては、特に制限されないが、たとえば、射出成形により製造することができる。
まず、射出成形機に上記のPPS樹脂およびフィラーを所定の割合で充填し、所定の温度および圧力において、金型にPPS樹脂およびフィラーを流し込み(一次成形)、開口部を有するケース(ケースの一部)を成形する。このとき、必要に応じて、エラストマーを成形機に充填する。この一次成形において用いる金型には、成形後にセンサ素子収容部および取付部が形成されるようにキャビティが設けられている。
次いで、ケースの開口部を通じて、エポキシ樹脂のプレポリマーおよび硬化剤とともに、リード線が接続されたセンサ素子を、センサ素子収容部の中空部に注入し、エポキシ樹脂を硬化させて、センサ素子を封止する。
次いで、センサ素子が封止されたケースの一部を、別の金型にセットし、再度、PPS樹脂およびフィラーを流し込み(二次成形)、センサ素子収容部が密閉されたケースを成形し、温度センサとする。
なお、ケースの肉厚などは特に制限されないが、センサ素子収容部については、熱応答性の観点から、肉薄とすることが好ましい。本発明においては、ケースの原料として、PPS樹脂およびフィラーを用いているため、比較的に肉薄としても(たとえば、0.6mm程度)、強度を確保することができる。
第2実施形態
本実施形態では、温度センサ1は、ケースがポリアミド樹脂およびフィラーで構成されている以外は、上述した第1実施形態と同様の構成を有している。
ポリアミド樹脂としては、ナイロンが好ましく、ナイロン66樹脂がより好ましい。また、フィラーは、第1実施形態と同様とすればよい。また、ケースがポリアミド樹脂およびフィラーで構成されている場合にも、第1実施形態と同様の方法により製造することができる。
第2実施形態のように、PPS樹脂の代わりに、ポリアミド樹脂を用いた場合にも、熱応答性、耐水性および取付性を両立できる温度センサが得られる。したがって、所望の特性に応じて、PPS樹脂またはポリアミド樹脂を選択すればよい。
具体的には、PPS樹脂は、ポリアミド樹脂よりも、熱応答性および耐水性は優れているが、柔軟性は低い。そのため、PPS樹脂を用いた場合には、特に熱応答性および耐水性が良好な温度センサが得られ、ポリアミド樹脂を用いた場合には、特に取付性が良好な温度センサが得られる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
次に、本発明の実施の形態をより具体化した実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
ケースの原料として、PPS樹脂、エラストマー、ナイロン66樹脂および繊維状のガラスのフィラー(ガラスフィラー)を準備した。これらの原料を用いて、PPS樹脂およびガラスフィラーから構成されるケースと、PPS樹脂、エラストマーおよびガラスフィラーから構成されるケースと、ナイロン66樹脂およびガラスフィラーから構成されるケースとを作製した。
なお、ガラスフィラーは、PPS樹脂またはナイロン66樹脂100重量%に対して、0重量%、15重量%、30重量%、45重量%および60重量%となるように配合した。また、エラストマーは、PPS樹脂100重量%に対して、5重量%となるように配合した。
まず、上記のように配合した原料を射出成形機に投入し、280℃にて射出成形を行い、センサ素子収容部および取付部が一体に成形され、開口部を有するケースを得た。
続いて、開口部を通じて、センサ素子収容部の中空部に、両端がリード線で接続されたサーミスタ素子を、エポキシ樹脂とともに充填し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後、さらに射出成形を行い、温度センサを得た。
得られた温度センサについて、センサ素子の熱応答性および耐水性ならびに取付部の強度および柔軟性を、下記に示す方法により評価を行った。
熱応答性
まず、得られた温度センサを、25℃に保たれた純水とIPAとの混合液(IPA濃度:5%)中に、十分に浸漬し、温度センサを25℃とした。この25℃に保たれた温度センサを、0℃に保たれた純水とIPAとの混合液(IPA濃度:5%)中に、十分に浸漬し、25℃における抵抗値から、温度の変化幅の63.2%に相当する抵抗値を示すまでの応答時間を測定した。応答時間は速いほど好ましく、本実施例では、2.7秒以下を良好とした。結果を図5に示す。
耐水性
まず、得られた温度センサについて、絶縁抵抗を測定した(初期絶縁抵抗)。そして、その後、下記の3種類の条件においてサイクル試験を行い、再度、絶縁抵抗を測定し、初期絶縁抵抗に対する割合(残存率)を算出して、耐水性を評価した。
サイクル試験としては、温湿度サイクル試験、熱衝撃サイクル試験および氷結氷解サイクル試験を行った。
温湿度サイクル試験は、湿度を95%とし、0℃から80℃への温度変化を500サイクル行った。1サイクルは24時間とした。試験後の残存率は100%であることが好ましく、本実施例では、100%を良好とした。結果を図6(A)〜(C)に示す。
熱衝撃サイクル試験は、5℃に保たれた水中に4分浸漬した後、70℃に保たれた水中に4分浸漬させて行った。これを10000サイクル行った。試験後の残存率は100%であることが好ましく、本実施例では、100%を良好とした。結果を図7(A)〜(C)に示す。
氷結氷解サイクル試験は、得られた温度センサおよび水が入れられた容器を、−20℃に保たれたシリコンオイル中に3時間浸漬した後、同容器を、85℃に保たれたシリコンオイル中に30分浸漬させて行った。これを200サイクル行った。試験後の残存率は100%であることが好ましく、本実施例では、100%を良好とした。結果を図8(A)〜(C)に示す。
なお、初期絶縁抵抗は、温度センサを水道水中に1時間放置した後、DC500Vの条件で測定した。初期絶縁抵抗は、全ての試料が、100MΩ以上であった。
強度および柔軟性
強度は、温度センサの取付部の先端に10mm/minの速度で荷重を加え、破壊時の強度を測定した。また、破壊時の変位量を測定し、柔軟性を評価した。強度は高いことが好ましく、本実施例では、3.0kgf以上を良好とした。また、変位量はある程度大きいことが好ましく、本実施例では、1.5〜3.0mmを良好とした。なお、強度と柔軟性とを両立することがより好ましく、本実施例においては、強度が3.0kgf以上、かつ、変位量が1.5〜3.0mmであることがより好ましい。強度の測定結果を図9に、変位量の測定結果を図10に示す。
評価
図5〜10より、ガラスフィラーの含有量と特性評価結果との関係をまとめたものを表1(PPS樹脂)、表2(PPS樹脂+エラストマー)および表3(66ナイロン)に示す。表1〜3より、センサ素子収容部の材質として、ガラスフィラーを含有させることで、熱応答性および耐水性を良好にできることが確認できる。また、取付部の材質として、ガラスフィラーを含有させることで、取付部の強度を確保できることが確認できる。
しかしながら、ガラスフィラーの含有量が多すぎると、柔軟性(粘り)に欠ける傾向にあるため、ガラスフィラーの含有量は、本発明の好ましい範囲内とすることが好ましいことが確認できる。
Figure 0005429476
Figure 0005429476
Figure 0005429476
1…温度センサ
10…ケース本体
11…センサ素子収容部
12…取付部
20…センサ素子
21…合成樹脂
30…リード線

Claims (7)

  1. センサ素子と、
    ケース本体から突出するように形成され中空部を有するセンサ素子収容部、および前記ケース本体から前記センサ素子収容部と同一方向に突出するように形成され取付対象物に対して脱着自在に取り付けられる取付部を備え、前記ケース本体、前記センサ素子収容部および前記取付部が一体になるように成形されたケースと、
    前記センサ素子に電気的に接続された一対のリード線と、を有し、
    前記ケースは、ポリフェニレンサルファイド樹脂およびフィラーを含有し、前記センサ素子は、合成樹脂とともに前記センサ素子収容部の前記中空部に封止されており、
    前記ポリフェニレンサルファイド樹脂100重量%に対して、前記フィラーが15〜45重量%含有されていることを特徴とする温度センサ。
  2. 前記ケースが、さらにエラストマーを含有している請求項1に記載の温度センサ。
  3. センサ素子と、
    ケース本体から突出するように形成され中空部を有するセンサ素子収容部、および前記ケース本体から前記センサ素子収容部と同一方向に突出するように形成され取付対象物に対して脱着自在に取り付けられる取付部を備え、前記ケース本体、前記センサ素子収容部および前記取付部が一体になるように成形されたケースと、
    前記センサ素子に電気的に接続された一対のリード線と、を有し、
    前記ケースは、ポリアミド樹脂およびフィラーを含有し、前記センサ素子は、合成樹脂とともに前記センサ素子収容部の前記中空部に封止されており、
    前記ポリアミド樹脂100重量%に対して、前記フィラーが15〜45重量%含有されていることを特徴とする温度センサ。
  4. 前記合成樹脂は、フィラーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の温度センサ。
  5. 前記フィラーの形状が繊維状である請求項1〜4のいずれかに記載の温度センサ。
  6. 前記合成樹脂がエポキシ樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の温度センサ。
  7. 前記センサ素子がNTCサーミスタ素子である請求項1〜6のいずれかに記載の温度センサ。
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