以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
[第1の実施形態]
図1〜図14は、本発明の第1の実施形態を示す図である。このうち図1は、本実施形態の撮影機器とこの撮影機器に対して着脱可能なアクセサリ機器の外観を示す概略斜視図である。なお、図1においては、撮影機器にアクセサリ機器が装着されていない状態を示している。図2は、本実施形態の撮影機器とアクセサリ機器とを接続する各接続部の概略構成を示す要部拡大斜視図である。なお、図2において撮影機器はその背面側の一部のみを図示している。また、同図2においては撮影機器及びアクセサリ機器はその背面側を主に示している。図3は、本実施形態の撮影機器とアクセサリ機器との内部構成の概略を示すブロック構成図である。図4は、図4のアクセサリ機器内部の信号線の構成を主に示す拡大ブロック構成図である。
図5は、本実施形態のアクセサリ機器が撮影機器に装着された状態で行われる作用の一部を示すフローチャートである。図6は、図5に示す処理シーケンスのうち特殊画像処理結果EVF制御の処理シーケンス(図5のステップS104の制御処理)の詳細を示すフローチャートである。
図7は、図6に示す処理シーケンスのうちアクセサリ機器側カメラ画像取得処理(図6のステップS201の処理)が実行されているときの信号線の状態を示すブロック構成図である。図8は、図6に示す処理シーケンスのうちカメラ本体側からアクセサリ機器側への画像データ送信処理(図6のステップS203の処理)が実行されているときの信号線の状態を示すブロック構成図である。
図9,図10は、本実施形態のアクセサリ機器が装着された撮影機器の使用者による保持形態を示している。図9は、使用者がアクセサリ機器を用いて画像表示を目視する際のようすの一例を示している。図10は、カメラの第1表示部を用いて画像表示を目視する際のようすの一例を示している。
図11は、本実施形態のアクセサリ機器を装着した撮影機器を使用する際の各表示部における表示形態を示している。このうち、(a)は第2表示部の表示例を示し、(b)は第1表示部8の表示例を示している。
図12は、本実施形態のアクセサリ機器を装着した撮影機器を使用する際の他の表示形態を示し、(a)は第2表示部の表示例を示し、(b)は第1表示部8の表示例を示している。
図13は、本実施形態のアクセサリ機器を装着した撮影機器を使用して撮影する場合であって、特殊画像処理のうち背景除去用画像処理を行う場合の概念図である。図14は、図13の背景除去用画像処理が行われる際の各表示部における表示形態を示している。このうち、(a)は第2表示部に表示される表示例を示し、(b)は第1表示部の表示例を示している。(c)は、(a)の表示と(b)の表示とを重ね合わせたと想定した場合の概念図である。
本発明の各実施形態における撮影機器は、例えば光学レンズにより形成される光学像を固体撮像素子を用いて光電変換し、これによって得られる画像信号を静止画像又は動画像を表わすデジタル画像データに変換し、こうして生成されたデジタルデータを記録媒体に記録し、また記録媒体に記録されたデジタル画像データに基いて静止画像又は動画像を表示装置に再生表示し得ると共に、固体撮像素子によって取得された画像信号等を外部機器へと出力したり各種の制御信号を入出力させ得る信号入出力ポートを有して構成されるデジタルカメラを一例として示すものである。
また、本発明の各実施形態におけるアクセサリ機器は、小型表示部等を有し、上記撮影機器に対して着脱自在に構成される電子ビューファインダー(EVF)装置を一例として示すものである。
通常の撮影機器(カメラ)が具備する表示装置は、液晶表示装置(LCD)や有機EL表示装置等が適用されるのが普通である。これらの表示装置は、発光を伴う表示素子が適用される構造であることから、太陽光下等、周囲環境が明るい屋外使用時等においては色再現性等に限界があり屋外使用時に良好な視認性を確保できない場合がある。
一般に、撮影機器を使用して撮影動作等を行うときには、表示装置に表示される画像を目視して撮影構図や露出等を設定する。また再生動作時には、撮影済みの画像を表示装置を用いて鑑賞する。このような場合、表示装置の視認性は充分に確保されている必要がある。
そこで、この種の表示装置の表示機能を補間し、屋外使用時における視認性を充分に確保する手段として使用されるのが、接眼式のファインダ装置の一種であるEVF装置である。
なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量,構成要素の詳細な形状,構成要素の大きさの比率及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
本実施形態の撮影機器であるカメラ1と、このカメラ1に着脱可能な複数種類のアクセサリ機器30の概略構成を、図1〜図4等を用いて以下に示す。
本実施形態のカメラ1は、図1,図3に示すように、カメラ本体10と、撮影レンズユニット20とによって構成される。
カメラ本体10の上面には、図1に示すように、アクセサリ機器30(詳細構成は後述する)を装着可能とするアクセサリ装着部10dが設けられている。また、カメラ本体10の背面側において、アクセサリ装着部10dの近傍には、図2に示すように、アクセサリ機器30の信号入出力部である接続部30b(後述)が嵌合して、カメラ本体10とアクセサリ機器30とを電気的に接続し各種信号を入出力させるための信号入出力ポートである端子部10b(図3も参照)が設けられている。
アクセサリ装着部10dは、例えば従来のカメラにおいて、一般に適用される閃光発光装置等のアクセサリ機器を装着するための装着部(アクセサリーシュー若しくはホットシューともいう)と略同様の形態のものが適用される。本実施形態におけるアクセサリ装着部10dは、閃光発光装置装着用のアクセサリーシューと兼用としている。そのために、アクセサリ装着部10dには、閃光発光装置装着用の接点10cが併せて配設されている。
また、カメラ本体10の前面には、図1に示すように、撮影レンズユニット20が一体となるように配設されている。この状態、即ちカメラ本体10と撮影レンズユニット20とが一体に接続された状態となったとき、カメラ本体10と撮影レンズユニット20との間において電気的な接続が確保されるようになっている。そのために、図3に示すようにカメラ本体10には、接点端子10aが設けられている一方、撮影レンズユニット20には接点端子20aが設けられている。そして、カメラ本体10と撮影レンズユニット20とが一体に接続された状態となったとき、接点端子10aと接点端子20aとが接触するようになっている。
カメラ本体10の内部には、図3に示すように、撮像部2と、画像記録部4と、加速度検出部5と、操作判定部6と、音声記録部7と、第1表示部8と、時計9と、信号処理・制御部11と、第1通信部であるアクセサリ通信部12と、レンズユニット通信部14等が設けられている。
信号処理・制御部11は、カメラ1の全体を統括的に制御する制御回路であると共に、各種の信号を受けて各種の信号処理を行う制御回路である。信号処理・制御部11は、内部に圧縮伸張部11aと、指定信号生成部11bと、画像処理部11cと、着目点指示部11d等を有している。
このうち圧縮伸張部11aは、撮像部2によって取得された画像信号を受けて記録媒体に記録するのに最適な形態の画像データとするためのデータ圧縮処理を行ったり、記録媒体に記録済みの圧縮画像データを読み込んで、例えば第1表示部8等を用いて再生表示するのに最適な形態の画像信号とするためのデータ伸張処理等の信号処理を実行する処理回路である。
指定信号生成部11bは、カメラ本体10とアクセサリ機器30との間で各通信部(12,32)を介して授受される各種の信号が、複数の信号ライン上で干渉することなく確実に所定の部位へと伝達されるように制御するための指定信号を生成する回路部である。
本実施形態のカメラ1とアクセサリ機器30との間で各通信部(12,32)を介して通信される信号には、指定信号,映像信号(画像信号),制御信号等がある。
映像信号の信号ラインは、HDMI規格で採用されているTMDS(Transition Minimized Differential Signaling;デジタル映像信号の伝送方式の一種)ベースの差動伝送信号ラインを想定している。なお、映像信号とは、時系列に沿って連続的に取得された複数の静止画像からなり動画像を形成する画像信号である。
制御信号の信号ラインは、3線式シリアル通信方式,IICバス(IC間用双方向シリアルバスの規格)の制御信号ラインを想定しており、映像通信用のICや撮像系若しくは表示系のIC間の信号ラインの設定を行う制御信号である。
そして、指定信号生成部11bによって生成される指定信号は、映像信号や制御信号がカメラ本体10とアクセサリ機器30との二つの機器間での干渉等を防ぐための制御信号である。この指定信号は、アクセサリ機器30の指定信号制御部30g(後述)へと伝送される。
画像処理部11cは、カメラ本体10の撮像部2によって取得された画像信号と、アクセサリ機器30のカメラ部35とによって取得された画像信号とに基いて、画像加工処理,画像合成処理等の特殊画像処理(詳細は後述する)を行う回路部である。
着目点指示部11dは、上記画像処理部11cの処理結果に基いて、第1表示部8に表示させる画像中に、所定の着目点表示(詳細は後述する)を行うための指示信号を生成する回路部である。
撮像部2は、CCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子),CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補型金属酸化膜半導体)等の固体撮像素子等からなり、レンズ21によって結像された光学像を受光して、該光学像に対応する電気信号に変換する光電変換素子と、この光電変換素子により生成された画像信号の前処理を行う信号処理回路等によって構成される。撮像部2により生成された画像信号は、信号処理・制御部11へと出力される。
画像記録部4は、撮像部2によって生成された後、信号処理・制御部11によって記録するのに適した所定の信号処理が施された画像信号を画像データとして記録蓄積するための記録媒体と、該記録媒体に対する画像データの記録処理や記録済み画像データの読み出し処理等、記録媒体を駆動する駆動回路等からなる。
加速度検出部5は、カメラ本体10の姿勢等、状態を検出するセンサ(例えば加速度センサ等)と、この検出センサの信号を受信して所定の指示信号を発生させる回路等により構成される。
操作判定部6は、カメラ本体10の外面に設けられる各種の操作部材(図示せず)が操作されることにより発生する指示信号を受けて、信号処理・制御部11へと伝達する処理回路等からなる。
音声記録部7は、音声を集音するマイクロフォンと、このマイクロフォンを駆動する駆動回路と、マイクロフォンにより集音された音声信号を音声データとして記録する記録媒体およびこれを駆動する記録回路等によって構成される。
第1表示部8は、撮像部2により生成された画像信号に基いて、若しくは画像記録部4に記録済みの画像データに基いて、信号処理・制御部11によって信号処理された表示用画像信号を受けて画像再生表示を行う液晶表示装置(LCD)や有機EL表示装置等によって構成される。
これに加えて、第1表示部8には、例えば音声データに基づいて発音させるスピーカ等の音声出力装置が含まれているものとする。なお、通常の場合、音声データは、動画データの記録動作時に同時に記録されるのが普通である。また、別の形態としては、音声データを単独で記録する動作モード等がある。
時計9は、内部電気回路の制御等において必要となる計時動作等に寄与する計時回路等からなる。
アクセサリ通信部12は、カメラ本体10に対して装着されたアクセサリ機器30との間で通信を行う回路等からなる。
レンズユニット通信部14は、カメラ本体10に対して接続された撮影レンズユニット20との間で通信を行う回路等からなる。
なお、カメラ本体10には、その他、種々の電気的構成部材が設けられているが、上述した構成部材以外の本発明に関連しない部材については、図面の煩雑化を避けるために、その図示及び説明を省略する。
撮影レンズユニット20は、図1に示すように、複数の光学レンズからなるレンズ21と、このレンズ21を保持するユニット本体20bとによって構成される。なお、ユニット本体20bは、絞り機構及びその駆動部やレンズ駆動機構及びその駆動部等を含んで構成されている。これらの構成については、従来一般に普及し実用化されているカメラにおいて適用される撮影レンズユニットと略同様のものが適用されているものとして、その詳細な図示及び説明は省略する。
撮影レンズユニット20は、カメラ本体10の前面側に装着されており、カメラ本体10の前方に向けて突出するように配設される。なお、撮影レンズユニット20は、カメラ本体10と一体に構成してもよいし、カメラ本体10に対して着脱自在に構成してもよい。
また、撮影レンズユニット20は、図3に示すように、カメラ本体10との間で電気的な接続を確保するための接点端子20aと、カメラ本体10との間で通信を行う通信部22と、当該撮影レンズユニット20の固有情報等のデータを予め格納してあるレンズ情報格納部23等を有している。
上述したように、本実施形態のカメラ1は、カメラ本体10の上面にアクセサリ機器30を載置した形態で装着可能に構成される。
即ち、アクセサリ機器30は、カメラ本体10のアクセサリ装着部10dに対して着脱自在となるように構成されている。そして、アクセサリ機器30をカメラ本体10に装着したとき、両者は電気的に接続されるようになっている。
アクセサリ機器30は、内部に記録部34やカメラ部35(図3参照)を有する筐体部30aと、内部に小型表示部である第2表示部31(図3参照)を有するファインダ部30eとによって主に構成されている。
図1,図2に示すように、筐体部30aは、底面寄りの両側面に溝状部30cを有して形成されている。この溝状部30cは、カメラ本体10のアクセサリ装着部10dに対応した形状となっている。これにより、アクセサリ機器30は、アクセサリ装着部10dに対して図1,図2の矢印A方向に沿って摺動させることで装着し得るようになっている。なお、アクセサリ機器30をカメラ本体10のアクセサリ装着部10dより取り外す際には、図1,図2の矢印A方向とは逆方向に沿って摺動させることによって取り外すことができる。
また、アクセサリ機器30は、カメラ本体10に対して装着状態とされたときに、カメラ本体10の背面に対向するように、かつアクセサリ機器30の下面に向けて突出するように形成された壁状部30dを有している。この壁状部30dには、図2において点線で示すように、前方に向けて突設され、アクセサリ機器30がカメラ本体10に対して装着状態とされたときに、カメラ本体10の端子部10bに嵌合して、カメラ本体10とアクセサリ機器30とを電気的に接続する接続部30bが設けられている。
なお、図2,図3において、端子部10bの形状をメス形状(孔状)によって示し、接続部30bの形状をオス形状(凸状)によって示しているが、図示の形状に限定されることはなく、それぞれメス形状はオス形状に、オス形状はメス形状に形成するようにしても構わない。
また、カメラ本体10の端子部10bは、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格等に準拠し、高画質テレビ装置等のいわゆるデジタル家電等において広く採用されている形式の映像通信ライン等が適用される。
筐体部30aの前面側には、カメラ部35の一部を構成するレンズ35aが配設されている。また、筐体部30aの一方の側面には、記録部34の一部を構成する記録媒体34aが着脱自在に配設される媒体挿入部30fが開口している。なお、図1,図2は、媒体挿入部30fに小型カード形状の記録媒体34aが装着されている状態を示している。
アクセサリ機器30の内部構成は、図3に示すように、第2表示部31と、第2通信部であるカメラ通信部32と、機器情報格納部33と、記録部34と、カメラ部35等を有して構成されている。
第2表示部31は、EVF装置を構成する小型表示パネル及びその駆動回路であるドライバ31b等によって構成されている。第2表示部31に適用される小型表示パネルとしては、例えば小型で高精細な液晶パネルや有機ELパネル等が考えられる。
カメラ通信部32は、接続部30bを介してカメラ本体10側の端子部10bを経てアクセサリ通信部12との間で通信を行う通信回路や、カメラ部35により取得された画像信号及び接続部30bを介してカメラ本体10側から入力されてくる画像信号や各種の制御信号等について、適宜所定の信号処理を施す信号処理回路等によって構成される。
記録部34は、カメラ部35により取得される画像データや、カメラ通信部32を介してカメラ本体10側から入力される画像データ等を受けて記録蓄積する記録媒体34a(図1,図2参照)と、この記録媒体34aに対する画像データの記録処理や記録済み画像データの読み出し処理等、記録媒体34aを駆動処理等を行う駆動回路等からなる。
機器情報格納部33は、アクセサリ機器30に固有の各種の情報(例えば機器ID情報,カメラ部35に対応する各種撮影条件情報等)が予め格納してある素子及び回路等によって構成される。
カメラ部35は、レンズ35a(図1参照)と、撮像/処理部35b(図4参照)等を有して構成される。このうち撮像/処理部35bは、固体撮像素子と、これを駆動制御する駆動回路等とからなる撮像部と、固体撮像素子の出力信号や各種の制御信号についての制御処理を行う信号処理回路等からなる処理部とによって構成されている。つまり、カメラ部35は、基本的には、一般的な小型カメラ等と略同様の構成からなり、通常一般の小型カメラ等と略同程度の機能を有して構成されている。このカメラ部35により生成された画像信号は、カメラ通信部32を経て第2表示部31若しくは接続部30bへと出力される。
なお、通常の場合、カメラによって取得される画像の視野範囲は、カメラに適用されるレンズの画角(視野角)と撮像素子の受光面のサイズ等によって決まるものである。したがって、カメラ1において適用される撮像素子サイズ及びレンズ画角と、アクセサリ機器30において適用される撮像素子サイズ及びレンズ画角とは、両者によってそれぞれ取得し得る画像が少なくとも略同範囲となるように、望ましくはアクセサリ機器30のカメラ部35によって取得される画像の視野範囲が、カメラ1によって取得される画像の視野範囲よりも広い範囲となるように設定される。
さらに、アクセサリ機器30は、指定信号制御部30gや信号ラインの切り換えを行うスイッチ部36等を有している(図4参照)。
指定信号制御部30gは、カメラ本体10の信号処理・制御部11の指定信号生成部11bにより生成された信号に基いて上記スイッチ部36を制御する回路部である。
スイッチ部36は、図4に示すように、アクセサリ機器30内の各種の信号ライン(映像信号ライン,制御信号ライン等)中に設けられる複数のスイッチ(SW1〜SW5)によって構成される。これら複数のスイッチ(SW1〜SW5)は、上記指定信号制御部30gによってオンオフ制御がなされ、所定の信号が所定の構成部へと確実に伝達されるようになっている。
以上のように構成された本実施形態の作用を、図5〜図14を用いて以下に説明する。
まず、カメラ1は、カメラ本体10と撮影レンズユニット20とが接続された状態にあるものとする。
この状態において、カメラ1が作動可能な状態、即ち電源オン状態にあるとき、図5のステップS101において、信号処理・制御部11は、撮像部2,第1表示部8等を制御すると共に、レンズユニット通信部14を介して撮影レンズユニット20の制御を行なって、撮像部2により取得された画像信号に基く画像を第1表示部8の表示画面上に表示させる画像表示処理を実行する。その後、ステップS102の処理に進む。
ステップS102において、信号処理・制御部11は、アクセサリ通信部12からの信号を監視して、端子部10bへの入力信号を確認することで、カメラ1にアクセサリ機器30が装着されているか否かの確認を行う。ここで、アクセサリ機器30の装着が確認されたら、次のステップS103の処理に進む。また、アクセサリ機器30の装着が確認されなかったら、ステップS108の処理に進む。この場合には、以降の処理において、カメラ1のみを用いて行う通常の撮影動作が実行されることになる。
なお、カメラ1にアクセサリ機器30が装着されている状態となっているときには、アクセサリ機器30も動作可能状態となっているものとする。つまり、この状態においては、カメラ1とアクセサリ機器30との間は電気的に接続されていて、上述したように、カメラ1は電源オン状態にあるから、アクセサリ機器30に対しては、カメラ本体10から端子部10b,接続部30bを介して電力が供給されている。これにより、アクセサリ機器30は、カメラ1に装着されると、カメラ1の動作状態に連動するようになっている。
また、アクセサリ機器30が可動状態となった時には、例えばカメラ部35による画像取得動作(記録は行われない)が実行されることになる。
ステップS103において、信号処理・制御部11は、アクセサリ機器30との間で通信をおこなって、特殊画像処理情報の取得処理を実行する。ここで、カメラ1の信号処理・制御部11は、例えばアクセサリ通信部12を制御して、端子部10b,接続部30bを経てアクセサリ機器30のカメラ通信部32との間で通信を行なって、機器情報格納部33に予め記録されている各種の情報のうち当該アクセサリ機器30の固有の機器情報や今回行おうとしている特殊画像処理に関する設定条件等の各種の情報を取得して、これを一時的に内部メモリに記録する。その後、ステップS104の処理に進む。
ステップS104において、信号処理・制御部11は、特殊画像処理及びその処理結果の表示部(EVF)への表示制御処理(図5,図6では「特殊画像処理/結果EVF表示」と略記している。以下この略称でいうものとする)を実行する。その後、ステップS105の処理に進む。
ここで、「特殊画像処理/結果EVF表示」の詳細は、図6に示す通りである。即ち、図6のステップS201において、信号処理・制御部11は、アクセサリ通信部12,カメラ通信部32を介してアクセサリ機器30との間で通信を行なって、カメラ部35により取得された画像(映像信号)を受信する。このカメラ部35からの映像信号は時系列に沿って連続的に受信される複数の静止画像からなる映像信号である。
この時点において、信号処理・制御部11には、カメラ本体10側の撮像部2からの映像信号も入力されている。したがって、撮像部2からの映像信号は、画像処理部11cにて所定の画像処理が施された後、第1表示部8へと出力されて表示されている。
なお、上述のステップS201の処理が実行されるときのスイッチ部36の状態は、図7に示すようになる。
まず、上記ステップS201の処理が実行されたとき、信号処理・制御部11は、アクセサリ通信部12,カメラ通信部32を介してアクセサリ機器30との間で通信を行なって、カメラ通信部32に対してカメラ部35で取得された画像(映像信号)を転送するよう要求する制御指示信号を送る。この制御指示信号には、上述のステップS103(図6)にて取得した特殊画像処理情報に基いて指定信号生成部11bにおいて生成された所定の指示信号が含まれている。
この指示信号は、カメラ通信部32を介して指示信号ラインにより指定信号制御部30gへと伝送される。これを受けて指定信号生成部11bは、スイッチ部36を制御して複数のスイッチのオンオフ制御を行う。ここで、各スイッチのオンオフ状態は図7に示すようになる(SW1,SW2がオン状態。その他はオフ状態)。これにより、カメラ部35から延出される信号ラインを用いて映像信号が出力され、制御信号が入出力される状態になる。したがって、ステップS201の処理において、カメラ部35から出力された映像信号は、カメラ本体10の側へと転送される。
次いで、ステップS202において、信号処理・制御部11の画像処理部11cは、カメラ部35による映像信号と、撮像部2からの映像信号とに対して、上述のステップS103(図5)の処理にて取得した特殊画像処理情報等に基いて所定の特殊画像処理を実行する。
続いて、ステップS203において、信号処理・制御部11は、アクセサリ通信部12,カメラ通信部32を介してアクセサリ機器30との間で通信を行なって、上述のステップS202の処理の結果得られた画像(映像信号)をアクセサリ機器30(EVF)側へと転送する処理を実行する。その後、一連の処理を終了し、図5の処理シーケンスに戻る(リターン)。
なお、上述のステップS203の処理が実行されるときのスイッチ部36の状態は、図8に示すようになる。
まず、上記ステップS203の処理が実行されたとき、信号処理・制御部11は、アクセサリ通信部12,カメラ通信部32を介してアクセサリ機器30との間で通信を行なって、カメラ通信部32に対して特殊画像処理済みの画像(映像信号)を転送する旨を宣言する制御指示信号を送る。この制御指示信号には、上述のステップS103(図6)にて取得した特殊画像処理情報に基いて指定信号生成部11bにおいて生成された所定の指示信号が含まれている。
この指示信号は、カメラ通信部32を介して指示信号ラインにより指定信号制御部30gへと伝送される。これを受けて指定信号生成部11bは、スイッチ部36を制御して複数のスイッチのオンオフ制御を行う。ここで、各スイッチのオンオフ状態は図8に示すようになる(SW3,SW4がオン状態。その他はオフ状態)。これにより、第2表示部31から延出される信号ラインを用いて映像信号が入力され、制御信号が入出力される状態になる。したがって、ステップS203において、特殊画像処理が施された映像信号は、アクセサリ機器30の側へと送信され、第2表示部31を用いて表示される。
ところで、本実施形態のカメラ1において、使用者は、カメラ本体10の第1表示部8の表示(通常画像)と、アクセサリ機器30の第2表示部31の表示(特殊画像処理済み画像)とを同時に目視することができない構造となっている(図9,図10参照)。
即ち、使用者100がアクセサリ機器30の第2表示部31の表示(特殊画像処理済み画像)を目視する時のようすは、図9に示すようになる。また、使用者100がカメラ本体10の第1表示部8の表示(通常画像)を目視する時のようすは図10に示すようになる。
図5に戻って、ステップS105において、信号処理・制御部11は、第1表示部8に表示中の画像中に「EVF利用推奨メッセージ」や「着目点指標」を重畳させて表示する画像処理を実行する。この画像処理は、画像処理部11cを用いて行われる。
ここで、アクセサリ機器30の第2表示部31の表示(特殊画像処理済み画像)の表示例の二例を図11(a),図12(a)に示している。また、カメラ本体10の第1表示部8の表示(通常画像)の表示例の二例を図11(b),図12(b)に示している。
なお、図11(a),図11(b)の表示例は、上記ステップS104の特殊画像処理において、図11(b)の通常画像に対して、背景部分の画像を除去する画像処理を行なって図11(a)の処理済み画像を生成する背景除去処理を行なった場合の例示である。
また、図12(a),図12(b)の表示例は、上記ステップS104の特殊画像処理において、図12(b)の通常画像に対して、前景部分にある不要と思われる画像を除去する画像処理を行なって図12(a)の処理済み画像を生成する前景除去処理を行なった場合の例示である。
図11(a),図12(a)といった処理済み画像を生成するための特殊画像処理のうち背景除去処理,前景除去処理等の「部分画像除去処理」の詳細については後述する(図13,図14等参照)。
このステップS105の処理において第1表示部8の表示画像に重畳表示される「EVF利用推奨メッセージ」とは、図11(b),図12(b)の符号Bで示されるような表示である。図11(b),図12(b)の表示例では、「EVFで確認」といった文字を点灯若しくは点滅表示させるような例を示している。また、これ以外にも、使用者が目視することによって意味を把握し得るような絵文字,記号等を使用してもよい。この「EVF利用推奨メッセージ」の表示は、これが第1表示部8に表示されている時、第2表示部31の表示が特殊画像処理済みのものであることを使用者に告知するために行われるものである。
また、「着目点指標」とは、上記「EVF利用推奨メッセージ」の表示に加えて表示され、図12(b)の符号Cで示されるような指標である。この「着目点指標」は、特殊画像処理を施したことによって生じる第1表示部8の表示(通常画像)と第2表示部31の表示(特殊画像処理済み画像)との間の相違点近傍に表示される。図12(b)の表示例では、所定の部位を指し示す矢印記号を点灯若しくは点滅表示させるような例を示している。なお、これ以外にも、使用者が目視することによって意味を把握し得るような絵文字,記号等を使用してもよい。使用者は、第1表示部8の表示画像に重畳表示される「着目点指標」の近傍領域の表示に着目して、第1表示部8の表示画像と第2表示部31の表示画像とを見比べることによって、画像処理結果の具合を知ることができるようになる。
上述したように、使用者100が各表示部8,32を目視する時のようすが異なることから、両表示部8,32に表示されている画像を見比べるためには、両表示部8,31に表示中の各動画像を一時的に停止させて、同一タイミングの静止画像を所定時間だけ表示させておくと至便である。そのために、次のステップS106,S107の処理が設けられている。
即ち、上述のステップS104,S105の処理の結果、例えば使用者が第1表示部8の「EVF利用推奨メッセージ」を見て、両表示部8,31の各表示画像を見比べることを望む場合には、使用者は所定の操作部材を用いて、各表示画像を一時的にフリーズさせるための一時フリーズ操作を行う。
図5のステップS106において、信号処理・制御部11は、操作判定部6からの信号を監視し、一時フリーズ操作によって生じる指示信号が発生しているか否かの確認を行う。ここで、一時フリーズ操作がなされたことが確認された場合には、次のステップS107の処理に進む。また、一時フリーズ操作がなされたことが確認されない場合には、ステップS108の処理に進む。
ステップS107において、信号処理・制御部11は、第1表示部8と第2表示部31を制御して、各表示部8,32の表示の一時フリーズ処理を実行する。この表示一時フリーズ処理は、両表示部8,31に表示中の動画像を一時的に停止させて、同一タイミングの静止画像を所定時間だけ表示させておく処理である。ここで、第1表示部8の制御は、信号処理・制御部11が直接行う。また、第2表示部31の制御を行う際には、信号処理・制御部11は、アクセサリ通信部12,カメラ通信部32を介して第2表示部31へと所定の制御信号(画像フリーズ信号)を送信する。
このようにして、両表示部8,31の表示画像が一時的にフリーズ状態にすることによって、使用者は、両表示画像を見比べやすくなる。所定時間後、フリーズ状態は解除される。その後、ステップS108の処理に進む。
なお、表示一時フリーズ状態は、所定時間後に解除されるようにしており、その解除後は、操作信号待機状態としてもよい。この場合には、再度、一時フリーズ操作を行なえば、同様のフリーズ処理が繰り返され、使用者は納得するまで特殊処理結果を検討することができるようなる。
ステップS108において、信号処理・制御部11は、操作判定部6からの信号を監視し、撮影開始を指示する操作、例えばシャッターリリース操作によって生じる撮影指示信号が発生しているか否かの確認を行う。ここで、撮影指示信号が確認された場合には、次のステップS109の処理に進む。また、撮影指示信号が確認されない場合には、ステップS102の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS109において、信号処理・制御部11は、アクセサリ通信部12からの信号を監視して、端子部10bへの入力信号を確認することで、カメラ1にアクセサリ機器30が装着されているか否かの確認を行う。ここで、アクセサリ機器30の装着が確認されたら、次のステップS110の処理に進む。また、アクセサリ機器30の装着が確認されなかったら、ステップS111の処理に進む。
ステップS110において、信号処理・制御部11は、上述のステップS104の特殊画像処理の結果、生成された画像処理済みの画像信号を、アクセサリ通信部12,カメラ通信部32を介してアクセサリ機器30の記録部34へと転送する。これを受けて記録部34は、所定の信号処理を行なって画像データとして記録媒体に記録する。その後、ステップS111の処理に進む。
ステップS111において、信号処理・制御部11は、カメラ本体10の撮像部2によって取得された画像信号、即ち特殊画像処理を施していない通常撮影による画像信号を画像記録部4へと伝送する。これを受けて画像記録部4は、所定の信号処理を行なって画像データとして記録媒体に記録する。その後、一連の処理を終了し、カメラ1及びアクセサリ機器30は、次の撮影動作等の操作指示を待機する待機状態に移行する。
ここで、本実施形態におけるカメラ1及びアクセサリ機器30を用いて撮影動作を実行した場合になされる特殊画像処理のうち背景除去処理,前景除去処理等の「部分画像除去処理」の詳細について、主に図13,図14等を用いて以下に説明する。
図13は、本実施形態のカメラ1にアクセサリ機器30を装着した状態で、前景被写体101と背景被写体102とを含む撮影を行う場合の状態を概念的に示している。
図13において、カメラ1による撮影視野範囲はレンズ21の画角D1で示される範囲となる。このときカメラ1によって取得される画像信号に基いて表わされる画像は、図14(b)で示すようになる。
図13において、アクセサリ機器30のカメラ部35による撮影視野範囲はレンズ35aの画角D2で示される範囲となる。このときカメラ部35によって取得される画像信号に基いて表わされる画像は、図14(a)で示すようになる。
なお、図14(c)は、図14(a),図14(b)の画像を基準線Sを一致させて重ね合わせたと想定した場合の合成画像を示している。
ここで、図14(a)の画像と、図14(b)の画像を比較すると、画面内の略中央部分に位置する前景被写体101の像101(a,b)上に任意に設定した基準線Sに対する、背景被写体102の像102(a,b)の位置が、図14(c)に示すように上下方向にズレていることがわかる。
具体的には、カメラ1による画像(図14(b))において基準線Sから背景被写体像102aとの距離をF1とし、カメラ部35による画像(図14(a))において基準線Sから背景被写体像102bとの距離をF2とするとき、F1≠F2(F1<F2)となっている。
このことは、カメラ1のレンズ21の光軸とカメラ部35のレンズ35aの光軸とが一致しておらず、上下方向にズレていること、即ち両レンズ間に視差があることに起因する。即ち、二つのカメラ(1,35)間に視差がある場合、各カメラで同一タイミングで取得された各画像は、画面内における特定の被写体と異なる被写体との位置関係が異なる画像となっている。
本実施形態においては、二つのカメラ(1,35)間に視差が生じることを利用して、両カメラ(1,35)によりそれぞれ取得される画像を比較して、両画像中においてズレの生じた部分を除去し、一致する部分を残す画像処理を行なうことで、背景除去処理を実現している。
なお、一致しない部分の除去処理を行なった場合、残した画像の周囲部分(除去処理部分)に対しては、例えば除去処理部分で支配的な色(面積の大きい部分の色。表示例では例えば空色)等でで塗り潰す処理等を行ってもよい。
一方、図12(a),(b)の表示例で示される前景除去処理については、次のようになる。例えば図12(b)に示す通常画像がカメラ1によって取得されるものとし、前景部分にある不要部分Gで示される部分画像を削除する処理について考える。
カメラ1にアクセサリ機器30を装着して撮影動作を行うと、アクセサリ機器30のカメラ部35によって取得される画像は不要部分Gに対して合焦した状態の画像となっている。
このとき、使用者はカメラ1の撮影レンズユニット20に設けられる焦点調節用のピントリングを操作して不要部分Gを非合焦状態となるようにする。例えば、前景被写体がカメラ1に充分近い位置にあり、かつ前景被写体と背景被写体との離間距離が充分にある場合には、前景被写体を非合焦状態にしたとしても、背景被写体は合焦状態が維持されることになる。したがって、カメラ1によって取得される画像と、カメラ部35によって取得される画像との間に差異を生じさせることができる。
上述のような操作を行なうことによって両カメラ(1,35)によって取得される各画像を、上述の背景除去処理(図14)と同様に比較処理をすれば、図14(a)で示されるように、不要な前景被写体を除去した結果を得ることができる。
また、上述の操作例とは別に、背景被写体を非合焦状態とする操作を行えば、前景被写体を残して、背景被写体の除去処理を行うことも可能である。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、カメラ1と、これに装着するアクセサリ機器30において、アクセサリ機器30には、カメラ1側で得られる画像と略同様の画像を取得し得るカメラ部35と、特殊画像処理に関する各種の情報を有する機器情報格納部33と、装着されるカメラ1との間で通信を行うカメラ通信部32と、画像を表示する第2表示部31とを具備する一方、カメラ1側には、アクセサリ機器30との間で通信を行うアクセサリ通信部12と、各種の画像処理を行う画像処理部11cと、画像を表示する第1表示部8とを設けて構成している。
そして、カメラ1にアクセサリ機器30を装着して撮影動作を行うと、カメラ1で取得される画像信号と、アクセサリ機器30のカメラ部35で取得される画像信号とに基いて特殊画像処理等を行うと共に、カメラ1とアクセサリ機器30の一方の表示部に通常撮影画像を表示させ、他方の表示部に処理済画像を表示させるように構成している。
このような構成により、本実施形態のカメラ1及びアクセサリ機器30においては、カメラ1にアクセサリ機器30を装着した状態で撮影動作を行うと、通常撮影画像と、特殊画像処理済みの画像とを同時に、二つの表示部(8,31)を用いて表示させることができる。したがって、使用者は、これら二つの表示部(8,31)を任意に交互に目視することができる。
つまり、アクセサリ機器30をカメラ1に装着して使用する際に、撮影動作により取得した画像データに基く撮影画像と、この撮影画像に対して特殊画像処理を施した後の処理済み画像とを、二つの表示部(8,31)を用いて個別に表示させるようにし、これら二つの表示部(8,31)のそれぞれの画像を見比べることで、使用者は、通常画像に対して特殊画像処理の結果による効果を容易に判別することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の撮影機器及びアクセサリ機器について、図15を用いて以下に説明する。
本実施形態の撮影機器及びアクセサリ機器の構成は、上述の第1の実施形態と略同様であるが、本実施形態におけるアクセサリ機器のカメラ部は、遠赤外線領域の周波数の光に対応する撮像素子を具備して構成するようにした点が異なる。その他の構成は、上述の第1の実施形態と全く同様であるので、本実施形態においては、撮影機器及びアクセサリ機器の構成についての図示は省略し、上述の第1の実施形態で用いた図面を参照するものとする。
このように、遠赤外線対応の撮像素子を具備するカメラ部を有する本実施形態のアクセサリ機器を撮影機器(カメラ)に装着して撮影動作を行なった場合には、例えば図15に示すような表示画像がカメラ本体の第1表示部若しくはアクセサリ機器の第2表示部に表示されるようになっている。
図15は、本発明の第2の実施形態の撮影機器及びアクセサリ機器を用いて撮影動作を行なった時に、表示部に表示される表示画像の表示例である。
例えば、本実施形態のアクセサリ機器を装着した撮影機器を用いて、森等の中で鳥獣等を被写体として撮影を行うといった状況において、カメラに設けられる小型表示装置の小さな表示画面上において、遠方にある小さな被写体等を使用者の目視のみに頼って発見することは困難なことがある。
このような場合に、本実施形態のアクセサリ機器を用いれば、遠赤外線対応のカメラ部を有しているので、アクセサリ機器側によって取得される画像信号に基く画像内に、鳥獣等の熱源を有する被写体が存在する場合、これを容易に検出することが可能である。
したがって、本実施形態においては、カメラ本体側の撮像部によって取得した画像と、アクセサリ機器により取得した遠赤外線画像とを比較して、検出された被写体の位置の近傍に、図15の符号Dで示すような指標を附した表示画像信号を生成して、カメラ若しくはアクセサリ機器のいずれかの表示部に表示させるようにしている。これにより、使用者は、容易に所望の被写体を見附けることができるようになる。なお、この場合の作用は、図6と全く同様の処理シーケンスを適用することができる。
このように、本実施形態のアクセサリ機器は、撮影機器による撮影動作を補助する役目をするものである。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の撮影機器及びアクセサリ機器について、16,図17を用いて以下に説明する。
本実施形態の撮影機器及びアクセサリ機器の構成は、上述の第1の実施形態と略同様であるが、本実施形態におけるアクセサリ機器においては、カメラ部を略して構成している点が異なる。その他の構成は、上述の第1の実施形態と全く同様である。したがって、本実施形態においても、撮影機器及びアクセサリ機器の構成についての図示は省略し、上述の第1の実施形態で用いた図面を参照するものとする。
本実施形態のアクセサリ機器は、上述の第1の実施形態のアクセサリ機器におけるカメラ部を廃して構成したEVF装置である。
本実施形態のアクセサリ機器は、手動による焦点調節操作を伴う撮影動作を補助する補助機能として、カメラの撮像部によって取得される画像信号に対してピント強調処理を施し、その処理済み画像をアクセサリ機器の第2表示部に表示させるように構成したものである。
即ち、本実施形態においては、撮影機器であるカメラにアクセサリ機器を装着して撮影動作を行う際に、アクセサリ機器をEVF装置として使用する。この場合において、使用者は、アクセサリ機器の第2表示部を目視しながら、カメラの撮影レンズユニットにおける焦点調節用操作部材であるピントリングを操作して、画面内の所望の被写体に対する焦点調節を実現する。
この場合における作用を、図16の特殊画像処理及びその処理結果の表示部(EVF)への表示制御処理(「特殊画像処理/結果EVF表示」)のサブルーチンを示すフローチャート及び図17の表示例を用いて、以下に説明する。
まず、本実施形態のカメラにアクセサリ機器が装着された状態で、該カメラが電源オン状態となっており、かつ撮影動作を実行し得る状態、即ち動作モードが撮影動作モードとなっているものとする。この状態において、カメラは、撮像部によって取得した画像信号を順次処理して、逐次連続的に第1表示部に映像(動画像)として表示させている。
図16のステップS211において、カメラの信号処理・制御部は、操作判定部からの信号を監視し、撮影レンズユニットのピントリングの操作によって生じる指示信号が発生しているか否かの確認を行う。ここで、ピントリング操作指示信号が確認された場合には、次のステップS212の処理に進む。また、ピントリング操作指示信号が確認されない場合には、本処理シーケンスを終了して、元の処理シーケンスに復帰する。
次に、ステップS212において、カメラの信号処理・制御部は、撮像部2から取得される映像信号を監視し、上述のステップS212の処理によるピントリング操作によって、上記映像信号に基く画像において高コントラスト化した位置、即ち合焦状態となった位置を判定する処理を実行する。この判定処理は、例えば画像処理部11cが行う。
続いて、ステップS213において、カメラの信号処理・制御部の画像処理部11cは、上述のステップS212の処理にて判定されたピント判定位置を含む領域の部分画像を対象として、通常の画像処理に比べて高コントラスト化する画像処理を施す。これにより、当該領域の部分画像は黒部面積が拡大された状態になる。
ステップS214において、カメラの信号処理・制御部は、上述のステップS213の処理にて得られた処理結果の画像信号を、アクセサリ通信部及びカメラ通信部を介してアクセサリ機器側へと送信する。これを受けてアクセサリ機器の第2表示部には、ピント強調処理済みの画像信号に基く画像が表示される。その後、一連の処理を終了し、元の処理シーケンスに復帰する。
この場合におけるカメラの第1表示部には、撮像部によって取得される画像信号に基づいて生成される通常画像が表示されている。そして、上記ピント強調処理が実行された後には、「EVFで確認」(符号B)といった文字列等や「着目点指標」(符号C)等が、図17(b)に示すように、当該通常画像画像に重畳された形態で点灯若しくは点滅表示されている。
一方、アクセサリ機器の第2表示部には、図17(a)に示すように、上述のピント強調処理が施された処理済み画像信号に基く画像、例えば被写体人物の輪郭線のコントラストが強調された状態の表示画像が表示される。
なお、本実施形態においては、撮影補助機能としてピント強調処理を行うようにしたので、このピント強調処理済画像信号に基く画像データの記録は行う必要はない。したがって、本実施形態におけるアクセサリ機器においては、上述の第1の実施形態のアクセサリ機器30におけるカメラ部35と、記録部34とを略して構成することが可能である。
このように本実施形態によれば、撮影動作の際の手動による焦点調節動作を補助することができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態の撮影機器及びアクセサリ機器について、図18,図19を用いて以下に説明する。
本実施形態の撮影機器及びアクセサリ機器の構成は、上述の第1の実施形態と略同様である。本実施形態におけるアクセサリ機器においては、カメラ部を略して構成している点において上述の第3の実施形態と同様である。その他の構成は、上述の第1の実施形態と全く同様である。本実施形態においても、撮影機器及びアクセサリ機器の構成についての図示は省略し、上述の第1の実施形態で用いた図面を参照するものとする。
本実施形態のアクセサリ機器は、上述の第1の実施形態のアクセサリ機器におけるカメラ部を廃して構成したEVF装置である。
本実施形態のアクセサリ機器は、カメラの撮像部によって取得される画像信号に対して各種の画像処理を施して、その処理済み画像をアクセサリ機器の第2表示部に表示させると共に、処理済画像をカメラの画像記録部に記録するように構成したものである。そのために、アクセサリ機器の記録部も略して構成されている。
本実施形態のアクセサリ機器の情報格納部には、各種の特殊画像処理に対応するプログラムや変数等の設定値が予め記録されている。
ここで、特殊画像処理の具体的な例としては、例えば
色調を強調させたり低下させたりする画像処理
彩度を強調させたり低下させた画像処理
モノクローム画像とする画像処理
フォーカス状態を調節しいわゆるソフトフォーカス調とする画像処理
コントラストを強調させたり低下させたりする画像処理
周辺の光量を低下させたり解像度を低下させたりする画像処理
周辺のピントをぼかして実景をジオラマ風に描写する画像処理
非現実的な色調に転換する画像処理
等、様々な画像処理が考えられる。これら複数種類の画像処理の選択は、例えばアクセサリ機器をカメラに装着したときに、そのアクセサリ機器によって実行し得る処理一覧表示を表示させ、使用者が所望の処理を任意に選択するようにすればよい。また、個々のアクセサリ機器が特定の特殊画像処理を行うように構成してもよい。この場合には、アクセサリ機器をカメラに装着すれば、選択した機器に対応した処理を自動的に実行するようにできる。
本実施形態においては、撮影機器であるカメラにアクセサリ機器を装着して撮影動作を行うと、所定の特殊画像処理が施された画像がアクセサリ機器の第2表示部に表示されるようになっている。また、使用者は、処理済み画像を見ながら所定の操作を行なうことで、画像処理の度合いを調整することができるようにもなっている。
そして、撮影操作(シャッターリリース操作)によって、処理済画像の画像データがカメラ本体側の画像記録部に記録される。
この場合における作用を、図18の特殊画像処理及びその処理結果の表示部(EVF)への表示制御処理(「特殊画像処理/結果EVF表示」)のサブルーチンを示すフローチャート及び図19の表示例を用いて、以下に説明する。
まず、本実施形態のカメラにアクセサリ機器が装着された状態で、該カメラが電源オン状態となっており、かつ撮影動作を実行し得る状態、即ち動作モードが撮影動作モードとなっているものとする。この状態において、カメラは、撮像部によって取得した画像信号を順次処理して、逐次連続的に第1表示部に映像(動画像)として表示させている。
また、アクセサリ機器をカメラに装着した時点で、カメラの信号処理・制御部は、アクセサリ通信部を介してアクセサリ機器のカメラ通信部と通信を行って、情報格納部に記録されている特殊画像処理に関する各種情報を取得する。
図18のステップS231において、カメラの信号処理・制御部は、実行しようとする特殊画像処理の種類を判別する処理を行う。この判別は、上述したように処理一覧表示からの選択指示信号を受けて判別するようにしてもよいし、装着されたアクセサリ機器に応じて、該機器との通信により取得した情報に基いて判別するようにしてもよい。
ここで実行しようとする(選択された)特殊画像処理が、例えばソフトフォーカス処理であるか否かの確認がなされる。判別の結果がソフトフォーカス処理である場合には、次のステップS232の処理に進む。また、判別の結果がソフトフォーカス処理ではない場合には、本処理シーケンスを終了して、元の処理シーケンスに復帰する。
次に、ステップS232において、カメラの信号処理・制御部は、操作判定部からの信号を監視し、撮影レンズユニットのピントリングの操作によって生じる指示信号に応じた効果設定等を行う。
ここで行われるピントリングの操作は、例えばソフトフォーカス効果の程度を設定するための操作である。なお、この設定操作は、ピントリング操作に限られることはなく、他の操作部材の操作によってもよい。
続いて、ステップS233において、カメラの信号処理・制御部は、操作判定部からの信号を監視し、操作部材が操作されることによって生じる指示信号に応じた強調設定等を行う。
ここで行われる操作部材の操作は、例えばソフトフォーカス効果の強調度を設定するための操作である。
こうして設定された設定値と、アクセサリ機器の情報格納部から取得した情報とに基いて、カメラの信号処理・制御部の画像処理部は、撮像部から出力される画像信号に対して所定の特殊画像処理(ここではソフトフォーカス処理)を実行する。
そして、次のステップS234において、カメラの信号処理・制御部は、画像処理結果をアクセサリ通信部を介してアクセサリ機器へと送信する。これを受けてアクセサリ機器のカメラ通信部は、受信した処理済画像信号を第2表示部へと伝送する。これにより、第2表示部には、処理済み画像が表示される。このとき、カメラの第1表示部には、撮像部により取得された画像信号に基く通常画像が映像として表示され続けている。したがって、使用者は、カメラの第1表示部とアクセサリ機器の第2表示部との各表示を見比べることができる。
上述したように、この場合におけるカメラの第1表示部には、撮像部によって取得される画像信号に基づいて生成される通常画像が表示されている。これに加えて、同第1表示部には、「EVFで確認」(符号B)といった文字列等が、図19(b)に示すように、上記通常画像に重畳された形態で点灯若しくは点滅表示されている。
また、アクセサリ機器の第1表示部には、図19(a)に示すように、上述のソフトフォーカス処理が施された処理済み画像信号に基く画像が表示される。なお、図19(a)においては、ソフトフォーカス効果を表現するために、便宜的に線種を代えて示している。
そして、この状態にあるときに、撮影操作(シャッターリリース操作)を行うことによって、処理済み画像の画像データは、カメラ本体側の画像記録部に記録される。
なお、本実施形態の構成では、アクセサリ機器の記録部を略して構成したので、カメラ側の画像記録部において処理済画像のみ記録するようにしているが、これに限ることはない。
即ち、第1の実施形態のように、アクセサリ機器に記録部を具備して構成すれば、通常画像の画像データをカメラ本体側の画像記録部に記録するのと同時に、処理済み画像の画像データをアクセサリ機器の記録部に記録するようにも構成できる。
本実施形態によれは、各種さまざまな画像処理によっては、その処理結果を観察するのに、外光に影響されやすい表示部に表示した場合、確認し難いこともある。
しかしながら、本実施形態においては、外光の影響を受けにくいEVF装置としてのアクセサリ機器の第2表示部を用いて、処理済み画像を表示させるようにしたので、使用者は、処理結果の確認を行いやすくなる。したがって、使用者は、さまざまな画像処理により得られる効果を容易に体感することができるようになり、よって撮影自体の楽しさを向上させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。