以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<画像再生システム>
図1は、本発明の実施形態に係る画像再生システム1の概要を示す図である。
図1に示すように、画像再生システム1は、撮像システム100と、画像再生装置500とを備えている。撮像システム100は、デジタルカメラとして構成され、記憶媒体であるメモリカード176が着脱自在な構成となっている。画像再生装置500は、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」)等によって構成される。
そして、撮像システム100からメモリカード176を脱着して、画像再生装置500のカードスロットに装着することで、撮像システム100で得られた画像データを、メモリカード176を介して、画像再生装置500に転送することができる。また、図1では省略しているが、撮像システム100の通信用I/F177(図5参照)に通信用ケーブルを接続し、当該通信用ケーブル介して、撮像システム100で得られた画像データを、画像再生装置500に転送することができる。画像再生装置500における画像処理及び画像再生処理については後述する。
<撮像システム>
図2および図3は、本発明の実施形態に係る撮像システム100の外観構成を示す図である。ここで、図2は、撮像システム100の正面外観図であり、図3は、撮像システム100の背面外観図である。また、図4は、図2のIII−III位置から見た断面を示す概念図である。
図2に示すように、撮像システム100は、カメラ本体(カメラボディ)101と、このカメラ本体101の正面略中央に着脱可能に装着される交換レンズ102とを備えた一眼レフレックス型デジタルスチールカメラとして構成されている。
図2において、カメラ本体(撮像装置)101は、正面略中央に交換レンズ102が装着されるマウント部Mtと、マウント部Mt付近に交換レンズを着脱するための着脱ボタン149と、正面左端部に撮影者が把持するためのグリップ部110と、AFのための補助光を照射するAF補助光発光部163とを備えている。
また、カメラ本体101は、その正面右上部に制御値を設定するための制御値設定ダイアル146と、正面左上部に撮影モードを切り換えるためのモード設定ダイアル142と、グリップ部110の上面に露光の開始を指示するためのレリーズボタン147とを備えており、フラッシュ撮影の際に被写体を照射する光を発する例えばポップアップ式のフラッシュ162を内蔵している。マウント部Mtには、装着された交換レンズ102内のCPU181との電気的接続を行うためのコネクタECと機械的接続を行うためのカプラMCとが設けられている。
コネクタECは、CPU181を介し、交換レンズ102に内蔵されたレンズROM(リードオンリメモリ)182から当該レンズに関する型式や型番などのレンズ情報をカメラ本体101内の全体制御部121に送信したり、レンズ位置検出部123によって検出されたフォーカスレンズ103等のレンズ位置を全体制御部121に送出したりするためのものである。なお、全体制御部121は、レンズROM182から取得したレンズ情報を内蔵するRAM等に記憶する。
カプラMCは、カメラ本体101内に設けられたフォーカスレンズ駆動用のモータM1の駆動力を交換レンズ102内のレンズ駆動機構104に伝達するもので、レンズ駆動機構104によりフォーカスレンズ103が光軸方向LXに移動することとなる。
図2において、グリップ部110の内部には電池収納室とカード収納室とが設けられている。電池収納室にはカメラの電源として、例えば、4本の単3形乾電池が収納されており、カード収納室には撮影画像の画像データを記憶するためのメモリカード176が着脱可能に収納されるようになっている。
モード設定ダイアル142は、カメラの各種モード(静止画を撮影する静止画撮影モード、動画を撮影する動画撮影モード、撮影した画像を再生する再生モード、および外部機器との間でデータ交信を行う通信モード等を含む)を設定するためのものである。
レリーズボタン147は、途中まで押し込んだ「半押し状態S1」の操作と、さらに押し込んだ「全押し状態S2」の操作とが可能に構成された2段階のスイッチとなっている。静止画撮影モードにおいて、レリーズボタン147が半押しされると、被写体の静止画を撮影するための準備動作(露出制御値の設定や焦点調節等の準備動作)が実行され、レリーズボタン147が全押しされると、撮影動作(後述する撮像素子116を露光し、その露光によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す一連の動作)が実行される。
図3において、カメラ本体101の背面略中央上部には、ファインダ窓108が設けられている。ファインダ窓108には、交換レンズ102からの被写体像が導かれる。撮影者は、ファインダ窓108を覗くことによって、被写体を視認することができる。より具体的には、交換レンズ102を通過してきた被写体像を、ミラー機構126(図5参照)で上方に反射することで、焦点板に被写体像を結像し、ペンタプリズムを通した像を接眼レンズを介して見ることで、被写体像を視認することができる。なお、ファインダ窓108内には、シャッター速度や絞り値やその他撮像システム100の状態を示す各種情報を表示する液晶表示部が内蔵されている。よって、撮影者は、ファインダ窓108を覗くことで、撮像システム100の各種状態を確認することができる。
カメラ本体101の背面の略中央には、背面モニタ107が設けられている。背面モニタ107は、例えばカラー液晶ディスプレイとして構成されており、撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示したり、再生モードにおいてメモリカード176に記憶された撮影画像を再生表示したりするものである。
背面モニタ107の左上部にはメインスイッチ141が設けられている。メインスイッチ141は2点スライドスイッチからなり、接点を左方の「OFF」位置に設定すると、電源がオフになり、接点を右方の「ON」位置に設定すると、電源がオンになる。
背面モニタ107の右側には方向選択キー144が設けられている。この方向選択キー144は円形の操作ボタンを有し、この操作ボタンにおける上下左右の4方向の押圧操作と、右上、左上、右下及び左下の4方向の押圧操作とが、それぞれ検出されるようになっている。なお、方向選択キー144は、上記8方向の押圧操作とは別に、中央部のプッシュボタンの押圧操作も検出されるようになっている。
背面モニタ107の左方位置には、メニュー画面の設定、画像の削除などを行うための複数のボタンからなる設定ボタン群143が設けられている。また、静止画撮影モードに設定されている場合に、設定ボタン群143を適宜操作することで、カメラ本体101を、後述するRAWデータ記憶モード、トリミングデータ記憶モード、及びRAW/トリミングデータ記憶モードのうちの何れかの記憶モードに設定することができる。
なお、以下では、RAWデータ記憶モードを「RAWモード」と、トリミングデータ記憶モードを「トリミングモード」と略称する。また、RAW/トリミングデータ記憶モードは、RAWモードとリミングモードの両方の記憶モードにおける動作を併用する記憶モードであるため、以下「併用モード」と称する。
また、設定ボタン群143を適宜操作することで、後述する画像データの記憶処理を行う際の圧縮率Kを1/8又は1/20に選択的に設定することができる。
図5は、撮像システム100の機能構成を示すブロック図である。
撮像システム100において、全体制御部121は操作部140から入力される撮影者からの指示やレンズ位置検出部123により検出されるフォーカスレンズ103の位置等に基づき、撮像システム100を統括的に制御するメイン・マイコンである。
操作部140には、上記のメインスイッチ141やモード設定ダイアル142、設定ボタン群143、レリーズボタン147等で構成されている。
全体制御部121は、交換レンズ102内のCPU181を用い、レンズ位置検出部123により検出されたフォーカスレンズ103等のレンズ位置を検出する。そして、全体制御部121は、フォーカス制御部124を用いてモータM1を制御することにより、交換レンズ102内のフォーカスレンズ103を駆動する。ここでは、位相差AFモジュール114により求められたデフォーカス量に応じてフォーカスレンズ103を移動させることにより、焦点制御を行うことが可能となる。
全体制御部121は、ミラー制御部125を用いてモータM2を制御することにより、ミラー機構126内のクイックリターンミラー等を駆動する。
全体制御部121は、シャッター制御部127を用いてモータM3を制御することにより、シャッター115を駆動する。
全体制御部121は、タイミング制御回路128を用いて、例えばCCDとして構成される撮像素子116、信号処理部129、およびA/D変換部130を制御する。
撮像素子116は、例えば35mmフルサイズのフィルムに相当する撮像面のサイズ(36mm×24mm)を有しており、撮像素子116で撮像されたアナログ信号の画像は、信号処理部129およびA/D変換部130においてデジタル信号の画像データに変換される。
A/D変換部130は、通常、画像処理部150にデジタル画像データを出力する。但し、カメラ本体101がRAWモード又は併用モードに設定され、かつ後述するサイズ不一致であると判定された場合は、A/D変換部130から全体制御部121に、デジタル画像処理が施されていないデジタル画像データ(以下「RAW画像データ」とも称する)が出力される。
画像処理部150に入力された画像データは、画像処理部150において、黒レベル補正回路151、WB補正回路152およびγ補正回路153で各画像処理が行われ、画像メモリ154に記憶される。
画像処理部150において処理された画像データは、VRAM171を用いて背面モニタ107において表示される。
全体制御部121は、交換レンズ102からレンズ情報を取得する。そして、カメラ本体101が、トリミングモード又は併用モードに設定され、かつレンズ情報に基づいて後述するレンズ不一致であると判定された場合は、画像メモリ154に記憶された画像データ(画像)に対して一部分の領域画像を切り出す処理(トリミング処理)を行う。このトリミング処理は、後述するケラレKr(図8参照)を排除するように画像データの中央付近の領域画像(部分画像)を切り出す抽出処理である。なお、トリミング処理後の画像データを、VRAM171を用いて背面モニタ107において表示するようにしても良い。
また、全体制御部121は、撮影動作時には、必要に応じて、設定された圧縮率(K=1/8又は1/20)に従った、2次元DCT変換、ハフマン符号化等のJPEG方式等の圧縮処理(すなわち不可逆圧縮処理)により、圧縮画像データ(例えば、2560×1920画素)を生成する。そして、圧縮画像データは、カードI/F175を用いてメモリカード176に記憶される。なお、トリミング処理によって得られた部分画像に対しても不可逆圧縮処理が施されるが、以下では、この不可逆圧縮処理後の部分画像の画像データを「部分圧縮画像データ(部分圧縮画像)」とも称する。
画像データをメモリカード176に記憶する際には、いわゆるサムネイル画像データ(例えば、90×60画素)とタグ情報(コマ番号、露出値、シャッタスピード、圧縮率K、撮影日、シーン情報、画像の判定結果などの情報)とが生成されて、圧縮画像データとともに記憶される。
図6は、メモリカード176の記憶内容を例示する模式図である。
図6に示すように、例えば、メモリカード176には、Exif形式の多数の画像ファイル(図中では230コマ)が格納されている。そして、各画像ファイルには、圧縮画像データに対応する高解像度の画像データと、サムネイル画像データと、タグ情報とが一組となって格納されている。
但し、カメラ本体101が、RAWモード又は併用モードに設定され、かつ後述するサイズ不一致にあると判定された場合、全体制御部121が、RAW画像データをレンズ情報を付加した形式で、カードI/F175を用いてメモリカード176に記憶する。このときは、図6で示した1つの画像ファイルに格納される高解像度の画像データとしてRAW画像データが格納され、更に、タグ情報には、レンズ情報が含まれて格納される。
また、メモリカード176に記憶された画像データは、USB等で規格化された通信用I/F177を用いて外部へ送信することができる。
全体制御部121は、必要に応じて、フラッシュ回路161を介してフラッシュ162を発光させたり、AF補助光発光部163を発光させたりする。
また、全体制御部121は、静止画撮影モードにおいて、設定ボタン群143に対するユーザの操作に応答し、カメラ本体101をRAWモード、トリミングモード、及び併用モードのうちの何れかの記憶モードに設定する。
なお、全体制御部121における各種機能および全体制御部121による撮像システム100全体の制御は、全体制御部121内のROM等に格納されるプログラムを全体制御部121内のCPU等が読み込んで実行することで実現される。
<不適切な交換レンズ102の装着について>
撮像システム100においては、マウント部Mtが適合する交換レンズ102であればカメラ本体101への装着が可能となっているが、以下で説明する不適切な交換レンズ102が装着される場合がある。
カメラ本体101における撮像素子116の撮像面サイズに適合する交換レンズ102が装着される場合には、例えば図7に示すように交換レンズ102で規定されるイメージサークルICaに撮像素子116の撮像面116fが内包されるため、適正な撮影が可能である。
一方、撮像素子116の撮像面サイズに適合しない交換レンズ102、例えば上記のフルサイズ(36mm×24mm)より小さいAPSサイズの撮像面(23mm×16mm)用に設計された交換レンズ102が装着される場合には、例えば図7に示すように交換レンズ102で規定されるイメージサークルICbに撮像素子116の撮像面116fが内包さないようになる。これにより、撮像素子116によって取得された画像においては、例えば図8に示す画像Goのように画像の長手方向の端部(特に画像の四隅部分)の輝度が低下して画像周辺部にケラレKrが生じることとなる。
このようなケラレKrの発生に対し、画像再生システム1では、ケラレKrが発生するような条件下で、撮像システム100においてケラレKrを含まない画像を生成するか、又は画像再生装置500においてケラレKrを含まない画像を生成することにより、ケラレKrに対処している。なお、図8に示す画像GoからケラレKrを含まない画像を生成するためには、撮像素子116の有効画素に相当する撮像面のうちの中央付近の領域116g(図7)から得られる画像信号を採用すれば良い。
以下、画像再生システム1におけるケラレKrについての対処動作を説明する。なお、画像再生システム1の動作は、主に、撮像システム100における動作と、画像再生装置500における動作とに分けられる。よって、以下では、撮像システム100における動作を説明した後に、画像再生装置500における動作について説明する。
<撮像システムにおける動作>
<記憶モードの切替動作>
図9は、静止画撮影モードにおけるRAWモード、トリミングモード、及び併用モードといった3つの記憶モードの間におけるモード切替動作を示すフローチャートである。本動作フローは、全体制御部121の制御下で実現され、モード設定ダイアル142が操作されることで、撮像システム100が静止画撮影モードに設定されると、図9のステップS1に進む。
ステップS1では、記憶モードの変更指示があったか否かが判定される。ここでは、設定ボタン群143を適宜操作することにより、記憶モードの変更指示があるまで、ステップS1の判定が繰り返され、変更指示があると、ステップS2に進む。
ステップS2では、どの記憶モードへの変更指示があったかが判定される。ここで、RAWモードへの変更指示があったと判定されれば、ステップS3においてカメラ本体101がRAWモードに設定され、本動作フローが終了される。また、トリミングモードへの変更指示があったと判定されれば、ステップS4においてカメラ本体101がトリミングモードに設定され、本動作フローが終了される。また、併用モードへの変更指示があったと判定されれば、ステップS5においてカメラ本体101が併用モードに設定され、本動作フローが終了される。
<RAWモードにおける動作>
図10は、RAWモードにおける動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、全体制御部121の制御下で実現され、図9の動作フローにおいて、カメラ本体101がRAWモードに設定されると、図10の動作フローが実行される。
ステップS11では、交換レンズ102が装着されていることが検出される。ここでは、例えばコネクタECを介してCPU181との通信が可能か否かが判断されることで、交換レンズ102がマウント部Mtに装着されていることが判定される。
ステップS12では、ROM182に格納される交換レンズ102の情報(レンズ情報)がカメラ本体101の全体制御部121で受信される。
ステップS13では、ステップS12で受信した交換レンズ102の情報に基づき、カメラ本体101内の撮像素子116の撮像面サイズと、交換レンズ102が装着されるべきカメラボディ内の撮像素子の撮像面サイズとの不一致を判定する。すなわち、露光面が所定サイズ(第1サイズ)となるカメラボディ用に設計された交換レンズ102の装着後に、この所定サイズが撮像素子116が設けられた撮像面のサイズ(第2サイズ)より小さいサイズ不一致に該当するか否かが判断される。
具体的には、ステップS12で例えば交換レンズ102の型式や型番をレンズの固有情報として受信した場合には、この固有情報から交換レンズ102が適合する撮像素子の撮像面サイズを把握して撮像素子116の撮像面サイズと比較する。ここでは、例えば交換レンズの型番等と、それに適合する撮像素子の撮像面サイズとを記述したデータテーブルを全体制御部121のメモリに格納しておけば、このデータテーブルを参照することにより交換レンズの型番等から撮像素子のサイズが把握できることとなる。
ステップS13において、撮像素子のサイズが不一致である場合には、ステップST14に進み、一致する場合には、ステップS17に進む。
ステップS14では、RAWデータをメモリカード176に記憶するように設定される。つまり、撮影動作時においてA/D変換部130から全体制御部121に入力されるRAW画像データを圧縮処理を施すことなくメモリカード176に記憶するような設定が行われる。
ステップS15では、レリーズボタン147がユーザによって全押しされると、撮影動作が行われる。これにより、撮像素子116で被写体に係る画像信号が取得される。
ステップS16では、ステップS15において撮像素子116によって取得された画像信号に基づくRAW画像データが、交換レンズ102のレンズROM182から取得されたレンズ情報とともにメモリカード176に記憶される。具体的には、図6で示した1つの画像ファイルに格納される高解像度の画像データとして、RAW画像データが格納され、タグ情報に、レンズ情報及び撮像素子116の撮像面サイズに係る情報が含まれて格納される。
ステップS17では、ステップS15と同様な動作が行われる。
ステップS18では、通常の記憶処理が行われる。つまり、ステップS17において撮像素子116によって取得された画像信号に対して、各種アナログ処理及びデジタル処理が施され、圧縮処理が施されてメモリカード176に記憶される。
<トリミングモードにおける動作>
図11は、トリミングモードにおける動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、全体制御部121の制御下で実現され、図9の動作フローにおいて、カメラ本体101がトリミングモードに設定されると、図11の動作フローが実行される。
ステップS21〜S23では、図10のステップS11〜S13の処理と同様な処理が行われる。なお、ステップS23において、撮像素子のサイズが不一致である場合には、ステップST24に進み、一致する場合には、ステップS28に進む。
ステップS24では、トリミング処理後の画像データ(トリミング画像データ)をメモリカード176に記憶するように設定される。具体的には、撮影動作時において画像メモリ154に格納される画像データに相当する全体画像から、中央付近の所定範囲のレンズ情報に応じた領域から部分画像を抽出するトリミング処理を行い、圧縮処理を施してメモリカード176に記憶するような設定を行う。このとき、例えば、レンズ情報が交換レンズ102の型式や型番をレンズの固有情報である場合には、交換レンズ102が適合する撮像素子の撮像面サイズを把握して、撮像素子116の撮像面サイズと比較することで、トリミングによって抽出する中央付近の領域の大きさ及び位置(トリミング条件)が設定される。
ステップS25では、図10のステップS15と同様な処理が行われる。
ステップS26では、ステップS25において撮像素子116によって取得され、各種アナログ及びデジタル処理が施された画像データを対象として、ステップS24において設定されたトリミング条件に基づくトリミング処理が行われる。
図12及び図13は、画像データのトリミング処理を説明する図である。ここでは、便宜的に画像データに対応する画像を示して説明を行う。
図12に示すように、ステップS25で取得される画像データに対応する全体画像G1では、いわゆるイメージサークル不足によって生じるケラレKrが生じている。そこで、ケラレKrを除いた中央付近の領域Taから部分画像が抽出されることで、図13に示すようなケラレKrがない良好な画像G2が取得される。
ステップS27では、ステップS26で得られた画像データに対してJPEG形式等の圧縮処理が施されてメモリカード176に記憶される。
ステップS28及びS29では、図10のステップS17及びS18と同様な動作が行われる。
<併用モードにおける動作>
図14は、併用モードにおける動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、全体制御部121の制御下で実現され、図9の動作フローにおいて、カメラ本体101が併用モードに設定されると、図14の動作フローが実行される。
ステップS31〜S33では、図10のステップS11〜S13の処理と同様な処理が行われる。なお、ステップS33において、撮像素子のサイズが不一致である場合には、ステップST34に進み、一致する場合には、ステップS39に進む。
ステップS34では、RAWデータをメモリカード176に記憶するとともに、トリミングデータをメモリカード176に記憶するように設定される。つまり、ステップS14及びS24の双方の処理と同様な処理が行われる。
ステップS35では、図10のステップS15と同様な処理が行われる。
ステップS36では、図10のステップS16と同様な処理が行われる。
ステップS37及びS38では、図11のステップS26及びS27と同様な処理が行われる。
ステップS39及びS40では、図10のステップS17及びS18と同様な動作が行われる。
<画像再生装置における動作>
図15は、画像再生装置500の機能構成を例示するブロック図である。
図15に示すように、画像再生装置500は、主に、処理部511と、キーボードやマウス等によって構成される操作部512と、CRT画面等によって構成される表示部513とを備えている。
処理部511は、上記の操作部512および表示部513に接続する入出力I/F514と、入出力I/F514に電気的に接続する制御部515とを備えている。また、処理部511は、制御部515に電気的に接続する記憶部516と、入出力I/F517とを備えている。
入出力I/F514は、操作部512および表示部513と制御部515との間でデータの送受信をコントロールするためのインターフェースである。
記憶部516は、例えばハードディスク等を備えて構成されており、画像再生装置500を実現するパソコンの基本動作を規定するオペレーティングシステム(以下では、「OS」とも称する)561がインストールされる。また、記憶部516には、OS561の管理下で実行される画像処理・再生用のプログラム562もインストールされている。
入出力I/F517は、処理部511の前面に配置された各種ドライブを介して、記憶媒体である光ディスク476やメモリカード176に対するデータの入出力を行うためのインターフェースである。
制御部515は、CPU515aおよびメモリ515bを有しており、パソコン、すなわち画像再生装置500の動作を統括制御する。また、画像再生装置500では、制御部515が画像処理・再生用のプログラム562を読み込んで実行するとともに、メモリカード176に記憶された各種データ等を読み込むことで、後述する画像処理及び画像再生処理が実現される。
なお、制御部515は、光ディスク476やメモリカード176に記録されている各種データやプログラムを入出力I/F517を介して読み込んで、各種制御を実行することもできる。
以下、画像再生装置500における画像処理及び画像再生処理の動作について説明する。
図16は、画像再生装置500における画像処理及び画像再生処理の動作フローを示すフローチャートである。また、図17から図23は、画像処理及び画像再生処理の動作において表示部513に表示される画面及び画像を例示している。
以下、図17から図23を参照しつつ、図16の動作フローについて説明する。
図16で示す動作フローは、制御部515の制御によって実現される。まず、制御部515が画像処理・再生用のプログラム562を読み込んで、画像処理及び画像再生処理の動作が開始されると、図16のステップS51に進む。
ステップS51では、処理対象となるRAW画像データの指定があったか否かを判定する。このとき、ケラレに対処するための画像処理及び画像再生処理を実現するための画面(ケラレ対処画面)KGが表示部513に表示される。ここでは、ケラレ対処画面KG上で画像データの指定があるまで、ステップS51の処理を繰り返し、画像データの指定があればステップS52に進む。
図17は、ケラレ対処画面KGを例示する模式図である。図17に示すように、ケラレ対処画面KGは、主に、画像ファイル名のリストが表示される領域(リスト表示領域)A1、複数の画像処理のうちから選択的に1つの画像処理の実行を指示するコマンドの表示が列挙される領域(コマンド領域)A2、及び画像処理の対象となる画像が表示される領域(画像表示領域)A3によって構成されている。
例えば、制御部515が、メモリカード176内のデータを参照することで、リスト表示領域A1には、図18に示すように、メモリカード176に格納されたRAW画像データを含む画像ファイルのファイル名(ここでは、ML0001.raw,・・・)のリストが表示される。そして、ユーザーが操作部512を適宜操作して所望のファイル名にカーソルCS1を合わせて選択することで、このリスト表示された複数の画像ファイルから、画像処理を施したい所望の画像ファイル(すなわち、RAW画像データ)を指定することができる。なお、図18では、リスト表示領域A1にファイル名と撮影日時のみが表示されているが、これに限られず、例えば、ファイル名と併せて各画像ファイルに格納されるサムネイル画像データが可視的に出力されれば、画像ファイルの指定が容易となる。
ステップS52では、ステップS51の処理を繰り返している際に指定された画像ファイルに格納されたRAW画像データに基づいて、全体画像が画像表示領域A3に表示される。この全体画像では、図8に示すように、全体画像の長手方向の端部(特に画像の四隅部分)の輝度が低下して画像周辺部にケラレKrが生じている。
ステップS53では、処理対象となるRAW画像データを変更する指示があったか否か判定する。ここでは、ユーザーが操作部512を適宜操作することで、処理対象となる画像データが変更されれば、ステップS52に戻り、変更指示後のRAW画像データに基づく全体画像が表示される。また、RAW画像データを変更する指示がなければステップS54に進む。
ステップS54では、画像処理を実行するコマンドの指定があったか否かを判定する。ここでは、ケラレ対処画面KGのコマンド領域A2において、コマンドが指定されなければ、ステップS53に戻り、コマンドが指定されれば、ステップS55に進む。
コマンド領域A2には、図19に示すように、複数の画像処理の名称すなわち実行コマンドを示す表示(ここでは、通常トリミング、円形トリミング、拡大トリミング、・・・)が列挙される。そして、ユーザーが操作部512を適宜操作して所望の画像処理の実行コマンドの表示にカーソルCS2を合わせて選択することで、所望の画像処理の実行を指定することができる。
ステップS55では、画像表示領域A3に表示された全体画像を対象として、ステップS53からステップS54にかけて指定されたコマンドに応じた画像処理を実行する。このとき、各種トリミング処理の実行が指定された場合には、処理対象となるRAW画像データが格納されている画像ファイルのタグ情報に含まれるレンズ情報及び撮像素子116の撮像面サイズに係る情報が参照されることで、ケラレKrの領域等が把握される。そして、ケラレKrの位置等に応じたトリミング処理が実行される。
例えば、図19に示すコマンド領域A2で、通常トリミングが指定されると、図12に示すように、全体画像G1のうち、ケラレKrを除いた中央付近の長方形の領域Taから部分画像が抽出されることで、図13に示すようなケラレKrがない良好な画像G2が取得される。
また、図19に示すコマンド領域A2で、円形トリミングが指定されると、図20に示すように、全体画像G1のうち、ケラレKrを除いた中央付近の領域CFから部分画像が抽出されることで、図21に示すようなケラレKrがない良好な画像G3が取得される。
この画像G3は、全体画像G1のうち、ケラレKrの部分を除いたその他の領域全体をほぼ抽出したものであり、上記画像G2(図13)と比較してより広範囲を捉えた画像となっている。よって、ユーザーの意図に沿って、ケラレKrを除きつつも、より広範囲を捉えた画像を取得することができる。
また、図19に示すコマンド領域A2で、拡大トリミングが指定されると、図22に示すように、全体画像G1のうち、中央付近の長方形の領域Tbから部分画像が抽出される。このとき、領域Tbの四隅がイメージサークル不足に起因した輝度の低いケラレKrの一部領域LBを含んでいる。よって、そのまま領域Tbから部分画像を抽出すると、ケラレKrを完全に排除することができない。
しかしながら、ケラレKrのうちの画像中央に比較的位置が近い領域では、輝度の低下が比較的小さい。
そこで、拡大トリミングの処理では、一部領域LBについては、輝度の不足分を補う輝度補正を行う。この輝度補正の条件は、レンズ情報から得られる情報から決定しても良いし、一部領域LBよりも内側のケラレKrに含まれない領域の輝度情報から決定しても良い。このような処理により、ケラレKrの影響を排除することができ、結果として図23に示すようなケラレKrの影響を排除した良好な画像G4が取得される。
この画像G4は、全体画像G1のうち、ケラレKrのうちの比較的輝度不足が小さな一部領域LBも含めた領域を抽出したものであり、上記画像G2(図13)と比較してより広範囲を捉えた画像となっている。よって、ユーザーの意図に沿って、ケラレKrを除きつつも、より広範囲を捉えた画像を取得することができる。
ステップS56では、ステップS55におけるトリミング処理等を含む画像処理によって得られた画像データ(画像)を画像表示領域A3に可視的に出力し、本動作フローを終了する。
以上のように、本発明の実施形態に係る画像再生システム1では、カメラ本体101において、露光面が第1サイズである撮像装置用に設計された交換レンズを装着する。その装着後に、撮像素子116に設けられた露光面の第2サイズより第1サイズが小さいサイズ不一致と判定される場合には、撮像素子116の露光面で得られる全体画像に相当するRAW画像データを、交換レンズから取得したレンズ情報を付加してメモリカード176に記憶する。このため、例えば、パソコン等の外部の画像再生装置500において、メモリカード176からRAW画像データとレンズ情報とを読み出し、レンズ情報に基づいてRAW画像データのケラレKrを除去することができる。したがって、交換レンズの変更に伴って発生する撮影画像のケラレに対処することができる。
なお、RAW画像データに対してJPEG方式等の不可逆圧縮処理を施さないのは、ケラレKrの影響で、圧縮処理において、ケラレKrの近傍に位置する画素値が大きく変化してしまうためである。
また、レンズ情報に基づいて、撮像素子116の露光面で得られる全体画像から交換レンズのイメージサークル不足によるケラレ部分Krを除いた部分画像を抽出して、JPEG方式等の不可逆圧縮処理を施してメモリカード176に記憶する。このため、メモリカード176に記憶される撮影画像にケラレが含まれないようにすることができる。
また、RAWモードとトリミングモードとを含む複数の記憶モードの間でモード切り替えを行うことができるため、所望の手法によって、交換レンズの変更に伴って発生する撮影画像のケラレに対処することができる。
また、RAWモードとトリミングモードの両機能を実行することができる併用モードに設定することもできるため、所望のケラレ対策を講ずるために、RAWモードとトリミングモードの両方の撮影を別個に行う必要性がない。したがって、煩雑な操作を伴うことなく、交換レンズの変更に伴って発生する撮影画像のケラレに対処することができる。
また、画像再生装置500において、レンズ情報に基づき、RAW画像データに基づく全体画像に対して所望のトリミング処理を含む画像処理を施すことで、ケラレ部分の影響を排除した部分画像を生成して可視的に出力することができる。したがって、交換レンズの変更に伴って発生する撮影画像のケラレに対処することができる。
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
◎例えば、上述した実施形態では、RAWモードにおいて、サイズ不一致である場合には、A/D変換部130から得られるデジタル画像データをRAW画像データとして、レンズ情報を付加してメモリカード176に記憶したが、これに限られず、例えば、不可逆圧縮処理を施すことなくデジタル画像データをレンズ情報とともにメモリカード176に記憶するようにしても良い。
具体的には、黒レベル補正、WB補正およびγ補正等の各種デジタル画像処理に含まれる少なくとも一部の処理が施されても良いし、いわゆる可逆圧縮処理が施されても良い。つまり、RAWモードにおいて、サイズ不一致である場合には、撮像素子116の露光面で得られる全体画像を可逆圧縮又は非圧縮状態で、レンズ情報を付加してメモリカード176に記憶するようにしても良い。このような構成としても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
◎また、上記実施形態では、静止画撮影モードに設定されている場合に、RAWモード、トリミングモード、及び併用モードに設定することができたが、これに限られず、例えば、動画撮影モードに設定されている場合にも、RAWモード、トリミングモード、及び併用モードに設定することができるようにしても良い。
◎また、上記実施形態では、撮像システム100において、撮影時に、画像データがメモリカード176に記憶されたが、これに限られず、例えば、画像データは、メモリカード176に記憶することなく、USB等で規格化された通信用I/F177を用いて外部へ送信されるようにしても良い。
◎また、上記実施形態では、撮像素子116はCCDであったが、これに限られず、例えば、C−MOSセンサ等の他の撮像素子であっても良い。