本発明の粘着テープ又はシートは、基材と、該基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを有し、且つ透過率が0.3(%)以下であり、さらに、少なくとも一方の面の反射率が60(%)未満となっているとともに、反射率が60(%)未満となっている面のうち少なくとも一方の面側の抵抗率が1012[Ω/□(又はΩ/sq.)]以上である特徴を有している。
このように、粘着テープ又はシートは、透過率が0.3(%)以下であるので、優れた遮光性を有しており、しかも、反射率が60(%)未満の面のうち少なくとも一方の面側の抵抗率が1012(Ω/□)以上となっているので、優れた非導電性又は低導電性を発揮することができる。
本発明において、粘着テープ又はシートの透過率としては、0.3(%)以下[0〜0.3(%)]であれば特に制限されないが、低ければ低いほど好ましい。粘着テープ又はシートの透過率としては、好ましくは0.1(%)以下[さらに好ましくは0.05(%)以下]であり、中でも0.03(%)以下[特に0.01(%)以下]であることが好適である。
なお、粘着テープ又はシートの透過率(%)は、日立製作所製の分光光度計(装置名「U4100型分光光度計」)を用いて、波長が550nmの光を粘着テープ又はシートの一方の面側から照射して、他方の面側に透過した光の強度を測定することにより求められる。
また、粘着テープ又はシートにおいて、反射率が60(%)未満となっている面のうち少なくとも一方の面側の抵抗率は、1012(1×1012)(Ω/□)以上であれば特に制限されないが、好ましくは5×1012(Ω/□)以上[さらに好ましくは1013(1×1013)(Ω/□)以上]である。該抵抗率の上限は特に制限されず、非導電性又は低導電性の観点から、抵抗率は高ければ高いほど好ましい。
なお、粘着テープ又はシートの一方の面側の抵抗率(Ω/□)は、日置電機株式会社製の絶縁抵抗試験器(型番「3154」、測定用プローブ:「9185測定プローブ」)を用いて、室温(20〜25℃)且つ50%RHの雰囲気下、電圧:100(V)、電極間距離:100mmの条件で、粘着テープ又はシートの測定面側の面に電極の先端を押し当てて、そのまま60秒間静置した後、測定値(抵抗値)を読み取ることにより、求めることができる。なお、粘着テープ又はシートの測定面側の表面が粘着剤層表面となっている場合は、電極の先端が、粘着剤層を貫通して、粘着剤層と接する形態で設けられている層(例えば、遮光性層としての印刷層や基材など)に当たる程度の力で、粘着テープ又はシートの測定面側の面に電極の先端を押し当てて、電極の先端が、粘着剤層と接する形態で設けられている層に少なくとも接触する状態で測定する。一方、粘着テープ又はシートの測定面側の表面が粘着剤層表面となっていない場合は、電極の先端を、粘着テープ又はシートの測定面側の表面に接触する状態で測定する。
従って、粘着テープ又はシートの測定面側の表面が粘着剤層表面となっている場合は、電極は、先端が粘着剤層と接する形態で設けられている層に少なくとも接触し、側面が粘着剤層に接触しているので、測定される抵抗率は、電極が接触している層のうち、抵抗率が小さい層の表面抵抗率(すなわち、粘着剤層の表面抵抗率、または粘着剤層と接する形態で設けられている層の表面抵抗率)となる。一方、粘着テープ又はシートの測定面側の表面が粘着剤層表面となっていない場合は、測定される抵抗率は、粘着テープ又はシートの測定面側の表面の表面抵抗率である。従って、粘着テープ又はシートの一方の面側の抵抗率(Ω/□)は、基本的には、粘着テープ又はシートの一方の面側の表面抵抗率(Ω/□)と同じである。
本発明の粘着テープ又はシートの構成としては、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有しており、且つ透過率が0.3(%)以下であり、さらに、少なくとも一方の面の反射率が60(%)未満となっており、且つ反射率が60(%)未満となっている面のうち少なくとも一方の面側の抵抗率が1012(Ω/□)以上である構成であれば特に制限されないが、次の構成(1)又は構成(2)が好適である。
(1)粘着テープ又はシートの透過率を0.3(%)以下にするための遮光性層を、最外層として又は粘着剤層と接する形態で、有しており、反射率が60(%)未満となっている面のうち、少なくとも、最外層として又は粘着剤層と接する形態で遮光性層が設けられている面側の抵抗率が1012(Ω/□)以上である構成
(2)粘着テープ又はシートの透過率を0.3(%)以下にするための遮光性層を、両面が基材に挟まれた形態で、有している構成
(遮光性層)
本発明の粘着テープ又はシートは、透過率が0.3(%)以下となっているので、粘着テープ又はシートの透過率を0.3(%)以下にするための遮光性層を有している。遮光性層としては、粘着テープ又はシートの透過率を0.3(%)以下にすることが可能な透過率を有していることが重要である。従って、遮光性層の透過率としては、粘着テープ又はシートの透過率と同様に、0.3(%)以下[0〜0.3(%)]であることが重要であり、好ましくは0.1(%)以下[さらに好ましくは0.05(%)以下]であり、中でも0.03(%)以下[特に0.01(%)以下]であることが好適である。
なお、遮光性層の透過率は、粘着テープ又はシートの透過率に相当(又は一致)するので、粘着テープ又はシートより遮光性層を分離させて取り出さなくても、粘着テープ又はシートの透過率を測定することにより、遮光性層の透過率を求めることができる。
このような遮光性層としては、遮光性を発揮する層であればよく、例えば、粘着剤層、基材、インク層(印刷層等)などのいずれの層であってもよい。本発明では、遮光性層としては、印刷層(特に、基材と粘着剤層との間に形成された印刷層や、基材と基材との間に形成された印刷層)であることが好ましい。すなわち、遮光性層としては、粘着テープ又はシートが前記構成(1)を有している場合、基材と粘着剤層との間に形成された印刷層が好ましく、一方、前記構成(2)を有している場合、基材と基材との間に形成された印刷層が好ましい。
なお、本発明の粘着テープ又はシートは、少なくとも、いずれか一方の面側の抵抗率が1012(Ω/□)以上となっており、該抵抗率は、最外層、または最外層としての粘着剤層と接している層についての表面抵抗率であるので、遮光性層が、例えば、最外層としての形態や、粘着剤層と接する形態で、設けられている場合(例えば、最外層として形成された粘着剤層、基材又は印刷層である場合や、基材と粘着剤層との間に形成された印刷層である場合)、粘着テープ又はシートのいずれか一方の面側の抵抗率は、遮光性層の表面抵抗率に相当(又は一致)する場合がある。そのため、遮光性層としては、最外層として形成されている場合や、粘着剤層と接する形態で形成されている場合[すなわち、粘着テープ又はシートが前記構成(1)を有している場合]、表面抵抗率が1012(Ω/□)以上[好ましくは5×1012(Ω/□)以上、さらに好ましくは1013(Ω/□)以上]となっていることが重要である。このように、遮光性層は、最外層として又は粘着剤層と接する形態で設けられている場合、非導電性又は低導電性を有していることが好ましい。
また、遮光性層としては、両面が基材に挟まれた形態で形成されている場合(すなわち、基材/遮光性層/基材の層構成を有する形態で形成されている場合)(例えば、基材と基材との間に形成された印刷層である場合)、遮光性層は基材によりブロックされているので、粘着テープ又はシートは、遮光性層を有していても、優れた非導電性又は低導電性を発揮することができる。このように、遮光性層としては、両面が基材に挟まれた形態で形成されている場合[すなわち、粘着テープ又はシートが前記構成(2)を有している場合]、通常、遮光性層の表面抵抗率が問題とならないので、表面抵抗率の大きさは、特に制限されず、1012(Ω/□)以上であってもよく、1012(Ω/□)未満であってもよい。
従って、遮光性層としては、印刷層(遮光性印刷層)である場合、遮光性を発揮することが可能なインク組成物により形成することができ、特に、非導電性又は低導電性を有する印刷層[すなわち、表面抵抗率が1012(Ω/□)以上の印刷層]である場合、非導電性又は低導電性を有するインク組成物(「非導電型インク組成物」と称する場合がある)により形成することができる。なお、このような非導電型インク組成物としては、特に制限されず、表面抵抗率が1012(Ω/□)以上である層を形成することが可能であり、且つ粘着テープ又はシートの透過率を0.3(%)以下にすることが可能なインク組成物であればよい。
本発明では、遮光性層としては、黒色を呈している黒色層が好適である。黒色層において、黒色とは、基本的には、L*a*b*表色系で規定されるL*が、35以下(0〜35)[好ましくは30以下(0〜30)、さらに好ましくは25以下(0〜25)]となる黒色系色のことを意味している。なお、L*a*b*表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも、−10〜10(なかでも−5〜5)の範囲であることが好ましく、特に、両方とも、0又はほぼ0(−2〜2の範囲)であることが好適である。
なお、本発明において、L*a*b*表色系で規定されるL*、a*、b*は、色彩色差計(商品名「CR−200」ミノルタ社製;色彩色差計)を用いて測定することにより求められる。なお、L*a*b*表色系は、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した色空間であり、CIE1976(L*a*b*)表色系と称される色空間のことを意味している。また、L*a*b*表色系は、日本工業規格では、JIS Z 8729に規定されている。
このような遮光性層としての黒色層は、表面抵抗率が1012(Ω/□)以上である特性を有している場合、例えば、非導電型インク組成物として、色材として非導電性又は低導電性の黒系色材を主として含む非導電性又は低導電性の黒色系インク組成物を用いて形成されていてもよいが、非導電型インク組成物として、非導電性又は低導電性のシアン系色材(青緑系色材)、非導電性又は低導電性のマゼンダ系色材(赤紫系色材)、および非導電性又は低導電性のイエロー系色材(黄系色材)が混合された非導電性又は低導電性の混合インク組成物(「非導電型混合インク組成物」と称する場合がある)を用いて形成されていることが好ましい。もちろん、黒色層としては、表面抵抗率が1012(Ω/□)以上の特性を有している必要がない場合、導電性を考慮せずに各種色材より適宜選択されたインク組成物(黒色系インク組成物や、シアン系色材、マゼンダ系色材およびイエロー系色材が混合された混合インク組成物)を用いて形成することができる。
なお、これらの各色材としては、顔料、染料などのいずれの色材(着色剤)であってもよいが、顔料を好適に用いることができる。
また、黒色層は、表面抵抗率が1012(Ω/□)以上である特性を有している場合は、非導電性又は低導電性のシアン系色材を主として含む非導電性又は低導電性のシアン系インク組成物による層と、非導電性又は低導電性のマゼンダ系色材を主として含む非導電性又は低導電性のマゼンダ系インク組成物による層と、非導電性又は低導電性のイエロー系色材を主として含む非導電性又は低導電性のイエロー系インク組成物による層との多層構造により構成されていてもよい。もちろん、黒色層は、表面抵抗率が1012(Ω/□)以上である特性を有している必要がない場合は、色材又はインク組成物の導電性に関係なく、シアン系色材を主として含むシアン系インク組成物による層と、マゼンダ系色材を主として含むマゼンダ系インク組成物による層と、イエロー系色材を主として含むイエロー系インク組成物による層との多層構造により構成されていてもよい。
非導電性又は低導電性のシアン系色材(非導電型シアン系色材)において、顔料(非導電性又は低導電性のシアン系顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー18、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー56、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー65、C.I.ピグメントブルー66、C.I.バットブルー4、C.I.バットブルー60、C.I.ピグメントグリーン7などのシアン系顔料の中から非導電性又は低導電性のものを適宜選択して用いることができる。非導電型シアン系色材において、染料(非導電性又は低導電性のシアン系染料)としては、例えば、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー60、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ソルベントブルー93、C.I.ソルベントブルー95、C.I.アシッドブルー6、C.I.アシッドブルー45などのシアン系染料の中から非導電性又は低導電性のものを適宜選択して用いることができる。
また、非導電性又は低導電性のマゼンダ系色材(非導電型マゼンダ系色材)において、顔料(非導電性又は低導電性のマゼンダ系顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド13、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド39、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド50、C.I.ピグメントレッド51、C.I.ピグメントレッド52、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド54、C.I.ピグメントレッド55、C.I.ピグメントレッド56、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58、C.I.ピグメントレッド60、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド67、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド87、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド89、C.I.ピグメントレッド90、C.I.ピグメントレッド92、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド163、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド219、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット9、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット33、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット43、C.I.ピグメントバイオレット50、C.I.バットレッド1、C.I.バットレッド2、C.I.バットレッド10、C.I.バットレッド13、C.I.バットレッド15、C.I.バットレッド23、C.I.バットレッド29、C.I.バットレッド35などのマゼンダ系顔料の中から非導電性又は低導電性のものを適宜選択して用いることができる。
非導電型マゼンダ系色材において、染料(非導電性又は低導電性のマゼンダ系染料)としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、C.I.ソルベントレッド3、C.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド23、C.I.ソルベントレッド24、C.I.ソルベントレッド25、C.I.ソルベントレッド27、C.I.ソルベントレッド30、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド58、C.I.ソルベントレッド63、C.I.ソルベントレッド81、C.I.ソルベントレッド82、C.I.ソルベントレッド83、C.I.ソルベントレッド84、C.I.ソルベントレッド100、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド111、C.I.ソルベントレッド121、C.I.ソルベントレッド122、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、C.I.ソルベントバイオレット13、C.I.ソルベントバイオレット14、C.I.ソルベントバイオレット21、C.I.ソルベントバイオレット27、C.I.ディスパースバイオレット1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックレッド2、C.I.ベーシックレッド9、C.I.ベーシックレッド12、C.I.ベーシックレッド13、C.I.ベーシックレッド14、C.I.ベーシックレッド15、C.I.ベーシックレッド17、C.I.ベーシックレッド18、C.I.ベーシックレッド22、C.I.ベーシックレッド23、C.I.ベーシックレッド24、C.I.ベーシックレッド27、C.I.ベーシックレッド29、C.I.ベーシックレッド32、C.I.ベーシックレッド34、C.I.ベーシックレッド35、C.I.ベーシックレッド36、C.I.ベーシックレッド37、C.I.ベーシックレッド38、C.I.ベーシックレッド39、C.I.ベーシックレッド40、C.I.ベーシックバイオレット1、C.I.ベーシックバイオレット3、C.I.ベーシックバイオレット7、C.I.ベーシックバイオレット10、C.I.ベーシックバイオレット14、C.I.ベーシックバイオレット15、C.I.ベーシックバイオレット21、C.I.ベーシックバイオレット25、C.I.ベーシックバイオレット26、C.I.ベーシックバイオレット27、C.I.ベーシックバイオレット28などのマゼンダ系染料の中から非導電性又は低導電性のものを適宜選択して用いることができる。
さらにまた、非導電性又は低導電性のイエロー系色材(非導電型イエロー系色材)において、顔料(非導電性又は低導電性のイエロー系顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー4、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー6、C.I.ピグメントイエロー7、C.I.ピグメントイエロー10、C.I.ピグメントイエロー11、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー23、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー35、C.I.ピグメントイエロー37、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントイエロー53、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー133、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントイエロー172、C.I.ピグメントイエロー173、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー195、C.I.バットイエロー1、C.I.バットイエロー3、C.I.バットイエロー20などのイエロー系顔料の中から非導電性又は低導電性のものを適宜選択して用いることができる。非導電型イエロー系色材において、染料(非導電性又は低導電性のイエロー系染料)としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー44、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー81、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー93、C.I.ソルベントイエロー98、C.I.ソルベントイエロー103、C.I.ソルベントイエロー104、C.I.ソルベントイエロー112、C.I.ソルベントイエロー162などのイエロー系染料の中から非導電性又は低導電性のものを適宜選択して用いることができる。
非導電型混合インク組成物において、非導電型シアン系色材、非導電型マゼンダ系色材、非導電型イエロー系色材は、それぞれ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、非導電型混合インク組成物中の非導電型シアン系色材、非導電型マゼンダ系色材および非導電型イエロー系色材の混合割合(または配合割合)としては、黒色系色(例えば、L*a*b*表色系で規定されるL*、a*やb*が、前記範囲となる黒色系色)を呈することができれば特に制限されず、各色材の種類などに応じて適宜選択することができる。非導電型混合インク組成物中における非導電型シアン系色材、非導電型マゼンダ系色材および非導電型イエロー系色材の各色材の含有割合は、例えば、色材の総量に対して、非導電型シアン系色材/非導電型マゼンダ系色材/非導電型イエロー系色材=10〜50(重量%)/10〜50(重量%)/10〜50(重量%)[好ましくは20〜40(重量%)/20〜40(重量%)/20〜40(重量%)]の範囲から適宜選択することができる。
もちろん、シアン系色材、マゼンダ系色材やイエロー系色材を導電性に関係なく用いる場合は、前記に具体的に例示のシアン系色材(シアン系顔料、シアン系染料)、マゼンダ系色材(マゼンダ系顔料、マゼンダ系染料)やイエロー系色材(イエロー系顔料、イエロー系染料)の中から、導電性に関係なく、適宜選択して用いることができる。
黒系色材としては、黒系色材を導電性に関係なく用いる場合は、例えば、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなど)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライトなど)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。黒系色材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、非導電性又は低導電性の黒系色材としては、例えば、前記に具体的に例示されている黒系色材の中からの非導電性又は低導電性のものを適宜選択して用いることができ、また、その他の公知の非導電性又は低導電性の黒系色材も用いることができる。
このような各種色材を含有するインク組成物(例えば、非導電性又は低導電性の黒色系インク組成物や、非導電型混合インク組成物等の非導電型インク組成物など)は、色材の他、必要に応じてバインダー、分散剤や溶剤などを含んでいる。なお、バインダーとしては、特に制限されず、例えば、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノキシ樹脂、メタクリル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂など)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、セルロース類(酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂など)、ポリアセタール等の公知の樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂など)などが挙げられる。バインダーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、遮光性層は、単層、多層のいずれの形態を有していてもよいが、多層の形態を有していることが好ましい。従って、粘着テープ又はシートは、多層構造の遮光性層(特に、多層構造の黒色層)を有していることが好ましい。このように、遮光性層を多層構造とすることにより、より一層、遮光性層の遮光性を高めることができる。なお、遮光性層が多層の形態を有している場合、遮光性層の層の数としては、2以上であればよく、例えば、2〜10の範囲から適宜選択することができ、好ましくは3〜8(さらに好ましくは4〜6、特に4)である。
なお、遮光性層が多層の形態を有している場合、粘着テープ又はシートの透過率が0.3(%)以下となるように、各層の遮光性層の透過率ではなく、多層の形態の遮光性層全体での透過率を調整することが重要である。
遮光性層の厚さは特に制限されない。例えば、遮光性層が印刷層(遮光性印刷層)である場合、遮光性印刷層の厚さ(遮光性印刷層が多層構造の場合は、遮光性印刷層全体の厚さ)としては、0.5〜20μm(好ましくは3〜15μm、さらに好ましくは5〜10μm)の範囲から選択することができる。また、遮光性層が基材や粘着剤層である場合は、遮光性層の厚さとしては、下記に例示の基材の厚さや粘着剤層の厚さの範囲から選択することができる。
本発明では、遮光性層は、基材(すなわち、遮光性基材)や粘着剤層(すなわち、遮光性粘着剤層)であってもよいが、特に基材上に設けられた層[特に、基材と粘着剤層との間に設けられた印刷層(遮光性印刷層)]であることが好ましい。なお、遮光性層が多層の形態を有している場合、多層の形態の遮光性層に含まれる層として、遮光性基材や遮光性粘着剤層が含まれていてもよい。具体的には、遮光性層の層構成としては、例えば、1層又は2層以上の遮光性印刷層による層構成、遮光性基材と、該遮光性基材上に形成された1層又は2層以上の遮光性印刷層とによる層構成、1層又は2層以上の遮光性印刷層と、該遮光性印刷層上に形成された遮光性粘着剤層とによる層構成、遮光性基材と、該遮光性基材上に形成された1層又は2層以上の遮光性印刷層と、該遮光性印刷層上に形成された遮光性粘着剤層とによる層構成、遮光性基材と、該遮光性基材上に形成された1層又は2層以上の遮光性印刷層と、該遮光性印刷層上に形成された遮光性基材とによる層構成などが挙げられる。
遮光性層の形成方法は、特に制限されず、遮光性層の種類や層構成などに応じて、公知の遮光性層の形成方法の中から適宜選択することができる。具体的には、遮光性層が、例えば、非導電型インク組成物(非導電型混合インク組成物など)により形成され且つ基材と粘着剤層との間に設けられた遮光性印刷層である場合、遮光性印刷層の形成方法としては、遮光性印刷層を形成するための非導電型インク組成物を、所定の面上に塗布し、必要に応じて乾燥などを行う方法や、各種印刷法(グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法など)を利用した方法などが挙げられる。
(反射性層)
本発明の粘着テープ又はシートでは、一方の面の反射率は60(%)以上[例えば、60〜100(%)、好ましくは70(%)以上、さらに好ましくは80(%)以上]となっていてもよい。従って、粘着テープ又はシートは、一方の面の反射率を60(%)以上にするための反射性層を有していてもよい。反射性層を設けることにより、粘着テープ又はシートにおける反射性層が形成されている側の面についての反射率を60(%)以上にすることができる。このような反射性層としては、粘着テープ又はシートの反射率を60(%)以上にすることが可能な反射率を有していることが重要である。従って、反射性層の反射率としては、粘着テープ又はシートの反射率と同様に、60(%)以上[60〜100(%)]であることが重要であり、好ましくは70(%)以上[さらに好ましくは80(%)以上]である。
なお、粘着テープ又はシートにおける所定の面の反射率(拡散反射率)(%)は、島津製作所製の分光光度計(装置名「MPS−2000」)を用いて、波長が550nmの光を粘着テープ又はシートの一方の面側(所定の面側)から照射して、前記光を照射した面で反射した光の強度を測定することにより求められる。
このような反射性層としては、反射性を発揮する層であればよく、例えば、粘着剤層、基材、インク層(印刷層等)などのいずれの層であってもよい。なお、反射性層は、粘着テープ又はシートの一方の面に照射された光を反射させるため、粘着テープ又はシートの一方の面の反射率が60%以上となるような形態で形成されていればよく、例えば、粘着テープ又はシートの一方の面に露出した形態で形成されていてもよく、透明性を有している層(例えば、透明な粘着剤層や、透明な基材など)の内面側に位置する形態で形成されていてもよい。いずれにせよ、反射性層は、遮光性層に対して基材側の面に形成されていることが好ましい。
本発明では、反射性層としては、印刷層であることが好ましい。なお、反射性層としての印刷層(反射性印刷層)は、反射性を発揮することが可能なインク組成物により形成することができる。
このような反射性層としては、例えば、白色を呈している白色層や、銀色を呈している銀色層などが挙げられるが、非導電性又は低導電性の観点などより、白色を呈している白色層を好適に用いることができる。白色層において、白色とは、基本的には、L*a*b*表色系で規定されるL*が、87以上(87〜100)[好ましくは90以上(90〜100)、さらに好ましくは92以上(92〜100)]となる白色系色のことを意味している。なお、L*a*b*表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも、−10〜10(なかでも−5〜5)の範囲であることが好ましく、特に、両方とも、0又はほぼ0(−2〜2の範囲)であることが好適である。
銀色とは、基本的には、L*a*b*表色系で規定されるL*が、70〜90(好ましくは72〜88、さらに好ましくは75〜85)となる銀色系色のことを意味している。なお、L*a*b*表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも、−10〜10(なかでも−5〜5)の範囲であることが好ましく、特に、両方とも、0又はほぼ0(−2〜2の範囲)であることが好適である。
このような白色層等の反射性層としては、例えば、色材として白系色材を主として含む白色系インク組成物や、色材として銀系色材を主として含む銀色系インク組成物により形成することができる。なお、白系色材や銀系色材としては、顔料、染料などのいずれの色材(着色剤)であってもよいが、顔料を好適に用いることができる。具体的には、白系色材としては、例えば、酸化チタン(ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタンなどの二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムなど)、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、硫化亜鉛、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、燐酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、加水ハロイサイト等の無機の白系色材や、アクリル系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、アミド系樹脂粒子、ポリカーボネート系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、尿素−ホルマリン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子等の有機の白系色材などが挙げられる。白系色材として、蛍光増白剤を用いることもでき、該蛍光増白剤としては、公知の蛍光増白剤から適宜選択することができる。白系色材は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
白系色材としては、反射性層が非導電性又は低導電性の反射性層である場合、非導電性又は低導電性の白系色材を用いることが重要である。非導電性又は低導電性の白系色材としては、前記例示の白系色材の中から非導電性又は低導電性のものを適宜選択して用いることができ、特に酸化チタンを好適に用いることができる。
また、銀系色材としては、例えば、銀、アルミニウムなどが挙げられる。銀系色材は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
反射性層を形成するためのインク組成物(白色系インク組成物など)は、色材の他、必要に応じてバインダー、分散剤や溶剤などを含んでいる。なお、バインダーとしては、例えば、前記遮光性層の項で非導電型インク組成物中に含まれるバインダーとして例示のバインダーなどが挙げられる。
反射性層は、単層、多層のいずれの形態を有していてもよいが、反射性をより一層高める観点から、多層の形態を有していることが好ましい。従って、粘着テープ又はシートは、多層構造の反射性層(特に、多層構造の白色層)を有していることが好ましい。なお、反射性層が多層の形態を有している場合、反射性層の層の数としては、2以上であればよく、例えば、2〜10の範囲から適宜選択することができ、好ましくは2〜6(さらに好ましくは2〜4、特に2)である。
なお、反射性層が多層の形態を有している場合、粘着テープ又はシートの反射率が60(%)以上となるように、各層の反射性層の反射率ではなく、多層の形態の反射性層全体での反射率を調整することが重要である。
反射性層の厚さ(反射性層が多層構造の場合は、多層構造の反射性層全体の厚さ)としては、特に制限されず、例えば、5〜150μm(好ましくは10〜100μm)の範囲から適宜選択することができる。
本発明では、反射性層は、基材(すなわち、反射性基材)や粘着剤層(すなわち、反射性粘着剤層)であってもよいが、特に基材上に設けられた層[特に、基材と遮光性層との間に設けられた印刷層(反射性印刷層)]であることが好ましい。なお、反射性層が多層の形態を有している場合、多層の形態の反射性層に含まれる層として、反射性基材や反射性粘着剤層が含まれていてもよい。具体的には、反射性層の層構成としては、例えば、1層又は2層以上の反射性印刷層による層構成、反射性基材と、該反射性基材上に形成された1層又は2層以上の反射性印刷層とによる層構成、1層又は2層以上の反射性印刷層と、該反射性印刷層上に形成された反射性粘着剤層とによる層構成、反射性基材と、該反射性基材上に形成された1層又は2層以上の反射性印刷層と、該反射性印刷層上に形成された反射性粘着剤層とによる層構成などが挙げられる。
反射性層の形成方法は、特に制限されず、反射性層の種類や層構成などに応じて、公知の反射性層の形成方法の中から適宜選択することができる。具体的には、反射性層が、例えば、インク組成物により形成され且つ基材上に設けられた反射性印刷層である場合、反射性印刷層の形成方法としては、反射性印刷層を形成するためのインク組成物を、基材上に塗布し、必要に応じて乾燥などを行う方法や、各種印刷法(グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法など)を利用した方法などが挙げられる。また、反射性層がプラスチック材により形成された反射性基材である場合、反射性基材を形成するためのプラスチック組成物を用いて、押出成型、インフレーション成型、カレンダ成型等の成型方法を利用してシート状に成型させる方法などが挙げられる。もちろん、反射性層が、反射性基材を含む多層構造の反射性層である場合、前記方法を組み合わせた方法などを利用することにより、多層構造の反射性層を形成することができる。
なお、反射性層において、銀色層は、銀やアルミニウムなどの銀色系色を呈することが可能な金属成分による蒸着法を利用しても形成することができる。蒸着法としては、減圧蒸着法(真空蒸着法)、物理スパッタリング法、化学スパッタリング法などを採用することができる。
(他の層)
本発明の粘着テープ又はシートは、さらに、他の層を有していてもよい。粘着テープ又はシートが、例えば、遮光性層としての黒色層と、反射性層としての白色層とを有している場合、例えば、黒色層と白色層との間に、黒色および白色以外の色を呈している層(特に、遮光性と、反射性とが、それぞれ、一方の側から他方の側にかけて段階的に変化させて調整させることが可能な反射遮光調整層)を有していてもよい。このように、他の層として、遮光性層と反射性層との間に反射遮光調整層を設けること(すなわち、反射性層、反射遮光調整層、遮光性層をこの順で形成すること)により、粘着テープ又はシートは、遮光性については、遮光性層側から反射性層側にかけて、反射性については、反射性層側から遮光性層側にかけて、段階的に発揮させることができる。
黒色および白色以外の色を呈している層において、黒色および白色以外の色としては、黒色及び白色以外の色であればいずれの色であってもよく、例えば、赤色、青色、黄色、緑色、黄緑色、橙色、紫色、灰色、金色、銀色などが挙げられる。なお、反射遮光調整層としては、銀色を呈している銀色層や灰色を呈している灰色層が好ましい。
(基材)
粘着テープ又はシートにおける基材としては、プラスチック系基材、金属系基材、繊維系基材などのいずれの基材であってもよいが、非導電性又は低導電性や薄さなどの観点から、プラスチック系基材を好適に用いることができる。プラスチック系基材の材質又は素材としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、フッ素系樹脂、ポリエーテル、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。これらの材質は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
基材は、単層、多層のいずれの形態を有していてもよい。
なお、基材は、遮光性層(遮光性基材)としての黒色層や、反射性層(反射性基材)としての白色層である場合、呈している色に応じた色材(黒系色材や、白系色材など)を含有していてもよい。
また、基材は、遮光性層(遮光性基材)としての黒色層や、反射性層(反射性基材)としての白色層でない場合、透明性を有する基材(「透明基材」と称する場合がある)を好適に用いることができる。
基材中には、必要に応じて、例えば、充填剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の公知の添加剤などが含まれていてもよいが、基材として非導電性又は低導電性の基材(非導電型基材)を用いる場合、添加剤としては非導電性又は低導電性の添加剤を用いることが重要である。
基材の厚さとしては、特に制限されず、例えば、10〜200μm(好ましくは15〜130μm)の範囲から適宜選択することができる。
基材の形成方法は、特に制限されず、例えば、基材がプラスチック系基材である場合、プラスチック系基材を構成する樹脂組成物を用いて、押出成型、インフレーション成型、カレンダ成型等の成型方法を利用してシート状に成型させる方法などが挙げられる。
(粘着剤層)
粘着テープ又はシートにおける粘着剤層を形成するための粘着剤としては、特に制限されず、例えば、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤が挙げられる。粘着剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などが挙げられる。
粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤を好適に用いることができる。アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体を主成分又はベースポリマーとして含んでいる。アクリル系重合体としては、特に制限されないが、主構成単量体成分(モノマー主成分)として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル)が用いられていることが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
アクリル系重合体を構成するモノマー成分としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分としていれば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合が可能な他のモノマー成分(「共重合性モノマー成分」と称する場合がある)が用いられていてもよい。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル系重合体を構成するモノマー成分全量に対して50(重量%)以上の割合で用いることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が、アクリル系重合体を構成するモノマー成分全量に対して50(重量%)未満であると、アクリル系重合体としての特性(粘着性など)が発現しにくくなる場合がある。
共重合性モノマー成分としては、アクリル系重合体に架橋点を導入させるためや、アクリル系重合体の凝集力を高めるために用いることができる。共重合性モノマー成分は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的には、共重合性モノマー成分としては、アクリル系重合体に架橋点を導入させるために、官能基含有モノマー成分(特に、アクリル系重合体に熱架橋する架橋点を導入させるための熱架橋性官能基含有モノマー成分)を用いることができる。このような官能基含有モノマー成分としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合が可能であり、且つ架橋点となる官能基を有しているモノマー成分であれば特に制限されず、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー又はその酸無水物(無水マレイン酸、無水イコタン酸など);(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルの他、ビニルアルコール、アリルアルコールなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリンなどの窒素原子含有環を有するモノマーなどが挙げられる。官能基含有モノマー成分としては、アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー又はその酸無水物を好適に用いることができる。
また、共重合性モノマー成分としては、アクリル系重合体の凝集力を高めるために、他の共重合性モノマー成分を用いることができる。他の共重合性モノマー成分としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;スチレン、置換スチレン(α−メチルスチレン等)、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、シクロペンチルジ(メタ)アクリレートなど]や、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステル[(メタ)アクリル酸フェノキシエチルなど]や、(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステル[(メタ)アクリル酸ベンジルエステル]などの芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基含有モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマーの他、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー等が挙げられる。
ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SISブロック共重合体)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBSブロック共重合体)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBSブロック共重合体)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー等のゴム成分をベースポリマーとするゴム系粘着剤などが挙げられる。
なお、粘着剤中には、必要に応じて、例えば、架橋剤、交叉結合剤、粘着付与樹脂、充填剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の公知の添加剤などが含まれていてもよいが、粘着剤層として非導電性又は低導電性の粘着剤層(非導電型粘着剤層)を用いる場合、添加剤としては非導電性又は低導電性の添加剤を用いることが重要である。
粘着剤層は、単層、多層のいずれの形態を有していてもよい。
なお、粘着剤層は、遮光性層(遮光性粘着剤層)としての黒色層や、反射性層(反射性粘着剤層)としての白色層である場合、呈している色に応じた色材(黒系色材や、白系色材など)を含有していてもよい。
また、粘着剤層は、遮光性層(遮光性粘着剤層)としての黒色層や、反射性層(反射性粘着剤層)としての白色層でない場合、透明性を有する粘着剤層(「透明粘着剤層」と称する場合がある)を好適に用いることができる。
粘着剤層の厚さとしては、特に制限されず、例えば、2〜100μm(好ましくは5〜80μm)の範囲から適宜選択することができる。
粘着剤層の形成方法は、特に制限されず、例えば、所定の面上に、粘着剤を塗布し、必要に応じて乾燥乃至硬化させる方法や、セパレータ(剥離ライナー)上に、粘着剤を塗布し、必要に応じて乾燥乃至硬化させて粘着剤層を形成した後、該粘着剤層を所定の面上に貼り合わせて転写させる方法などが挙げられる。なお、粘着剤の塗布に際しては、慣用の塗工機(例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなど)を用いることができる。
本発明の粘着テープ又はシートは、前述のように、基材と、基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを有しており、且つ透過率が0.3(%)以下であり、さらに、必要に応じて一方の面の反射率が60(%)以上である構成を有しており、且つ反射率が60(%)未満となっている面のうち少なくとも一方の面側の抵抗率が1012(Ω/□)以上となっている構成を有している。従って、粘着テープ又はシートは、具体的には、例えば、下記の層構成(A1)〜(A7)、(B1)〜(B8)、(C1)〜(C5)、(D1)〜(D9)を有し、且つ反射率が60(%)未満となっている面のうち少なくとも一方の面側の抵抗率が1012(Ω/□)以上となっている構成を有している粘着テープ又はシートなどが挙げられる。
層構成(A1):透明基材/1層又は2層以上の遮光性層/透明粘着剤層の層構成
層構成(A2):遮光性基材/1層又は2層以上の遮光性層/透明粘着剤層の層構成
層構成(A3):透明基材/1層又は2層以上の遮光性層/遮光性粘着剤層の層構成
層構成(A4):遮光性基材/1層又は2層以上の遮光性層/遮光性粘着剤層の層構成
層構成(A5):1層又は2層以上の遮光性層/透明基材/透明粘着剤層の層構成
層構成(A6):1層又は2層以上の遮光性層/遮光性基材/透明粘着剤層の層構成
層構成(A7):層構成(A1)〜(A4)における基材(透明基材または遮光性基材)の表面(露出している側の表面)、又は層構成(A5)〜(A6)における遮光性層の表面(露出している側の表面)に、透明粘着剤層または遮光性粘着剤層が形成された層構成
層構成(B1):透明基材/1層又は2層以上の反射性層/1層又は2層以上の遮光性層/透明粘着剤層の層構成
層構成(B2):反射性基材/1層又は2層以上の反射性層/1層又は2層以上の遮光性層/透明粘着剤層の層構成
層構成(B3):反射性基材/1層又は2層以上の遮光性層/透明粘着剤層の層構成
層構成(B4):1層又は2層以上の反射性層/透明基材/1層又は2層以上の遮光性層/透明粘着剤層の層構成
層構成(B5):1層又は2層以上の反射性層/遮光性基材/1層又は2層以上の遮光性層/透明粘着剤層の層構成
層構成(B6):1層又は2層以上の反射性層/反射性基材/1層又は2層以上の遮光性層/透明粘着剤層の層構成
層構成(B7):層構成(B1)〜(B3)における基材(透明基材または反射性基材)の表面(露出している側の表面)、又は層構成(B4)〜(B6)における反射性層の表面(露出している側の表面)に、透明粘着剤層または反射性粘着剤層が形成された層構成
層構成(B8):層構成(B1)〜(B6)における透明粘着剤層、又は層構成(B7)における遮光性層上に形成された側の透明粘着剤層が、遮光性粘着剤層となっている層構成
層構成(C1):透明基材/1層又は2層以上の遮光性層/透明基材/透明粘着剤層の層構成
層構成(C2):遮光性基材/1層又は2層以上の遮光性層/透明基材/透明粘着剤層の層構成
層構成(C3):遮光性基材/1層又は2層以上の遮光性層/遮光性基材/透明粘着剤層の層構成
層構成(C4):遮光性基材/1層又は2層以上の遮光性層/遮光性基材/遮光性粘着剤層の層構成
層構成(C5):層構成(C1)〜(C4)における基材(透明基材または遮光性基材)の表面(露出している側の表面)に、透明粘着剤層または遮光性粘着剤層が形成された層構成
層構成(D1):透明基材/1層又は2層以上の反射性層/1層又は2層以上の遮光性層/透明基材/透明粘着剤層の層構成
層構成(D2):透明基材/1層又は2層以上の反射性層/1層又は2層以上の遮光性層/遮光性基材/透明粘着剤層の層構成
層構成(D3):透明基材/1層又は2層以上の反射性層/1層又は2層以上の遮光性層/遮光性基材/遮光性粘着剤層の層構成
層構成(D4):層構成(D1)〜(D3)における反射性層上に形成された側の透明基材が、反射性基材となっている層構成
層構成(D5):1層又は2層以上の反射性層/透明基材/1層又は2層以上の遮光性層/透明基材/透明粘着剤層の層構成
層構成(D6):1層又は2層以上の反射性層/透明基材/1層又は2層以上の遮光性層/遮光性基材/透明粘着剤層の層構成
層構成(D7):1層又は2層以上の反射性層/透明基材/1層又は2層以上の遮光性層/遮光性基材/遮光性粘着剤層の層構成
層構成(D8):層構成(D5)〜(D6)における反射性層と遮光性層との間に形成された側の透明基材が、反射性基材となっている層構成
層構成(D9):層構成(D1)〜(D4)における基材(透明基材または反射性基材)の表面(露出している側の表面)に、透明粘着剤層または反射性粘着剤層が形成された層構成
このように、粘着テープ又はシートは、基材の片面にのみ粘着剤層が形成された構成を有していてもよく、基材の両面に粘着剤層が形成された構成を有していてもよい。また、粘着テープ又はシートは、シート状のものが積層された形態を有していてもよく、ロール状に巻回された形態を有していてもよい。
なお、粘着テープ又はシートにおいて、粘着剤層(透明粘着剤層、遮光性粘着剤層、反射性粘着剤層など)の表面は、公知のセパレータ(剥離ライナー)により保護されていてもよい。また、粘着テープ又はシートが、基材の片面にのみ粘着剤層が形成された構成を有している場合、例えば、基材の表面(背面)に、公知の剥離処理剤(シリコーン系剥離処理剤など)による剥離処理層を形成し、該剥離処理層と粘着剤層とが接触する形態でロール状に巻回させることにより、粘着剤層の表面を保護してもよい。
本発明の粘着テープ又はシートは、透過率が0.3(%)以下であるので、遮光性を有する粘着テープ又はシート(遮光性粘着テープ又はシート)として好適に利用することができ、特に、透過率が0.3(%)以下であり且つ一方の面の反射率が60%以上である場合、反射性および遮光性を有する粘着テープ又はシート(反射遮光性粘着テープ又はシート)として好適に利用することができる。
従って、本発明の粘着テープ又はシートは、いわゆる「携帯電話」や、いわゆる「PDA」等で用いられている液晶表示装置(LCD)(特に、小型の液晶表示装置)などにおける液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとの固定に用いられる遮光性粘着テープ又はシート(特に、一方の面の反射率が60%以上となっている場合は、反射遮光性粘着テープ又はシート)として、有用である。
また、本発明の液晶表示装置は、液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとを有しており、液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとが、前記粘着テープ又はシート[すなわち、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有しており、且つ透過率が0.3(%)以下であり、さらに、少なくとも一方の面の反射率が60(%)未満となっており、且つ反射率が60(%)未満となっている面のうち少なくとも一方の面側の抵抗率が1012(Ω/□)以上である粘着テープ又はシート]により固定された構成を有している。なお、前記粘着テープ又はシートが、一方の面の反射率が60(%)未満であり、他方の面の反射率が60(%)以上である場合、反射率が60(%)未満となっている側の面が液晶表示モジュールユニット側に位置し、反射率が60(%)以上となっている側の面がバックライトユニット側に位置していてもよく、反射率が60(%)未満となっている側の面がバックライトユニット側に位置し、反射率が60(%)以上となっている側の面が液晶表示モジュールユニット側に位置していてもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例において、抵抗率(Ω)、透過率(%)、反射率(%)や、L*a*b*表色系で規定されるL*、a*、b*は、それぞれ、以下の測定方法により求めた。
(抵抗率の測定方法)
日置電機株式会社製の絶縁抵抗試験器(型番「3154」、測定用プローブ:「9185測定プローブ」)を用いて、室温(20〜25℃)の条件下、電圧:100V、電極間距離:100mmの条件で、電極の先端が、黒色層(4層の黒色層)側の粘着剤層を貫通して、粘着剤層と接する形態で設けられている黒色層又は基材に当たる程度の力で、粘着テープ又はシートにおける黒色層又は基材側の粘着剤層の面に電極の先端を押し当てて、電極の先端を黒色層又は基材に少なくとも接触させ、そのまま60秒間静置した後、測定値(抵抗値)を読み取り、抵抗率(Ω/□)を求める。
(透過率の測定方法)
日立製作所製の分光光度計(装置名「U4100型分光光度計」)を用いて、波長が550nmの光を粘着テープ又はシートの一方の面側から照射して、他方の面側に透過した光の強度を測定することにより、透過率(%)を求める。
(反射率の測定方法)
島津製作所製の分光光度計(装置名「MPS−2000」)を用いて、波長が550nmの光を粘着テープ又はシートにおける白色の基材(実施例1〜2や比較例2)側の面に照射して、前記光を照射した面で反射した光の強度を測定することにより、反射率(%)を求める。
(L*、a*、b*の測定方法)
ミノルタ社製の色彩色差計(装置名「CR−200」)を用いて、L*a*b*表色系で規定されるL*、a*、b*を測定する。
(実施例1)
基材として商品名「白PET♯38ZEタイプ」(中本パックス株式会社製)を用いた。該商品名「白PET♯38ZEタイプ」(中本パックス株式会社製)は、厚さが38μmの白色の基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の一方の面に、白色色材として酸化チタンを含む白色系インク組成物を用いて、グラビア印刷法を利用して1回印刷を行う(単層塗りする)ことにより、単層の形態を有している白色層(厚み:2μm)が形成され、該白色層上に、シアン系色材、マゼンダ系色材およびイエロー系色材を含む混合インク組成物を用いて、グラビア印刷法を利用して4回印刷を行う(4層塗りする)ことにより、4層の形態を有している黒色層(黒色層の全体の厚み:7μm)が形成された構成(すなわち、白色の基材/白色層/4層の黒色層の層構成)を有している。
商品名「白PET♯38ZEタイプ」(中本パックス株式会社製)の黒色層上に、アクリル系粘着剤を塗布し、乾燥して、厚みが20μmの透明な粘着剤層を形成した後、該粘着剤層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせ、さらに、白色の基材の露出している面上に、前記と同様のアクリル系粘着剤を塗布し、乾燥して、厚みが20μmの透明な粘着剤層を形成した後、該粘着剤層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせて、透明粘着剤層/白色の基材/白色層/4層の黒色層/透明粘着剤層の層構成を有する両面粘着テープ又はシートを得た。
前記両面粘着テープ又はシートの黒色層側の面側の表面抵抗率を、前記の(表面抵抗率の方法)により測定したところ、5×1012(Ω/□)であった。また、両面粘着テープ又はシートの透過率を、前記の(透過率の測定方法)により測定したところ、0.03%であった。さらに、両面粘着テープ又はシートの黒色層側の面について、前記の(L*、a*、b*の測定方法)により、L*a*b*表色系で規定されるL*、a*、b*を測定したところ、L*は24であり、a*は0.23であり、b*は0.80であった。
従って、実施例1に係る両面粘着テープ又はシートにおいて、黒色層側の面(反射率が60%未満となっている面)側の抵抗率(表面抵抗率)は1×1012(Ω/□)以上となっており、黒色層側の面または黒色層は非導電性又は低導電性を有している。
さらにまた、両面粘着テープ又はシートの白色の基材側の面の反射率を、前記の(反射率の測定方法)により測定したところ、85%であった。また、両面粘着テープ又はシートの白色の基材側の面について、L*a*b*表色系で規定されるL*、a*、b*を、前記と同様にして測定したところ、L*は92.7であり、a*は−0.6であり、b*は−0.9であった。
なお、実施例1に係る両面粘着テープ又はシートにおいて、白色の基材側の面(反射率が60%以上となっている面)側の抵抗率(表面抵抗率)も1×1012(Ω/□)以上となっており、白色の基材側の面は非導電性又は低導電性を有している。
(実施例2)
実施例1と同様の商品名「白PET♯38ZEタイプ」(中本パックス株式会社製)の黒色層上に、透明なポリエチレンテレフタレートフィルムを積層させて、白色の基材/白色層/4層の黒色層/透明基材の層構成を有している基材を作製し、前記透明基材上に、実施例1と同様のアクリル系粘着剤を塗布し、乾燥して、厚みが20μmの透明な粘着剤層を形成した後、該粘着剤層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせ、さらに、白色の基材の露出している面上に、前記と同様のアクリル系粘着剤を塗布し、乾燥して、厚みが20μmの透明な粘着剤層を形成した後、該粘着剤層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせて、透明粘着剤層/白色の基材/白色層/4層の黒色層/透明基材/透明粘着剤層の層構成を有する両面粘着テープ又はシートを得た。
実施例2に係る両面粘着テープ又はシートについて、黒色層側の面側の表面抵抗率を、実施例1と同様にして測定したところ、5×1013(Ω/□)であり、透過率を、実施例1と同様にして測定したところ、0.03%であった。また、両面粘着テープ又はシートの黒色層側の面について、L*a*b*表色系で規定されるL*、a*、b*を、実施例1と同様にして測定したところ、L*は24であり、a*は0.23であり、b*は0.80であった。
従って、実施例2に係る両面粘着テープ又はシートにおいて、黒色層側の面(反射率が60%未満となっている面)側の抵抗率(表面抵抗率)は1×1012(Ω/□)以上となっており、黒色層側の面は非導電性又は低導電性を有している。
さらに、両面粘着テープ又はシートの白色の基材側の面の反射率を、実施例1と同様にして測定したところ、85%であり、また、両面粘着テープ又はシートの白色の基材側の面について、L*a*b*表色系で規定されるL*、a*、b*を、前記と同様にして測定したところ、L*は92.7であり、a*は−0.6であり、b*は−0.9であった。
なお、実施例2に係る両面粘着テープ又はシートにおいて、白色の基材側の面(反射率が60%以上となっている面)側の抵抗率(表面抵抗率)も1×1012(Ω/□)以上となっており、白色の基材側の面は非導電性又は低導電性を有している。
(比較例1)
厚さが38μmの白色の基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の一方の面に、白色色材として酸化チタンを含む白色系インク組成物を用いて、グラビア印刷法を利用して1回印刷を行う(単層塗りする)ことにより、単層の形態を有している白色層(厚み:2μm)が形成され、該白色層上に、黒色色材としてカーボンブラックを含む黒色系インク組成物(商品名「NB−300」大日精化工業社製)を用いて、グラビア印刷法を利用して4回印刷を行う(4層塗りする)ことにより、4層の形態を有している黒色層(黒色層の全体の厚み:7μm)が形成された構成(すなわち、白色の基材/白色層/4層の黒色層の層構成)を有している基材(「カーボンブラック層含有基材」と称する場合がある)を作製した。
商品名「白PET♯38ZEタイプ」(中本パックス株式会社製)に代えて、前記のカーボンブラック層含有基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、透明粘着剤層/白色の基材/白色層/4層の黒色層/透明粘着剤層の層構成を有する両面粘着テープ又はシートを得た。
前記両面粘着テープ又はシートの黒色層側の面側の表面抵抗率を、実施例1と同様にして測定したところ、5×107(Ω/□)であった。また、両面粘着テープ又はシートの透過率を、実施例1と同様にして測定したところ、0.03%であった。さらに、両面粘着テープ又はシートの黒色層側の面について、L*a*b*表色系で規定されるL*、a*、b*を、実施例1と同様にして測定したところ、L*は28.7であり、a*は0.55であり、b*は1.77であった。
従って、比較例1に係る両面粘着テープ又はシートにおいて、黒色層は、黒系色材としてカーボンブラックが用いられた黒色系インク組成物により形成され、黒色層側の面(反射率が60%未満となっている面)側の抵抗率(表面抵抗率)は5×107(Ω/□)[1×1012(Ω/□)未満]となっており、黒色層側の面または黒色層は非導電性又は低導電性を有しておらず、導電性を有している。