JP2004231736A - 反射・遮光性粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型で高い光反射性と遮光性を有する反射・遮光性粘着テープを提供する。
【解決手段】白色樹脂フィルムの一方の面上に、蛍光増白剤を含有する粘着剤層が積層され、該粘着剤層面が光反射性を有し、その反対面が遮光性を有する反射・遮光性粘着テープにより、薄型でありながら高い光反射性と遮光性を有する反射・遮光性粘着テープを提供することができた。該テープの粘着剤層に含有された蛍光増白剤が光源中に含まれる紫外光、近紫外光を吸収して、可視光に転換して光を有効利用させることができるため、該テープが劣化により黄色味が発生することが少なく、かつ高い光反射性を有することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】白色樹脂フィルムの一方の面上に、蛍光増白剤を含有する粘着剤層が積層され、該粘着剤層面が光反射性を有し、その反対面が遮光性を有する反射・遮光性粘着テープにより、薄型でありながら高い光反射性と遮光性を有する反射・遮光性粘着テープを提供することができた。該テープの粘着剤層に含有された蛍光増白剤が光源中に含まれる紫外光、近紫外光を吸収して、可視光に転換して光を有効利用させることができるため、該テープが劣化により黄色味が発生することが少なく、かつ高い光反射性を有することができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方の面は光反射性を有し、他方の面は遮光性を有する反射・遮光性粘着テープに関する。
【従来の技術】
一方の面は遮光性を有し、他方の面は光反射性を有する粘着テープの使用が提案されている。このような光反射性と遮光性を有する粘着テープが要請される用途としては、背面の光源を有効に利用し、且つ前面からは背面の光が漏れない構造が必要とされる液晶表示素子をバックライト枠体に固定する用途等を挙げることができる。液晶表示素子はワープロやパソコンを始めとする広範な分野で用いられており、特に電子手帳、携帯電話、PHS等においては、益々小型化された電子器具のインターフェースとして用いられるようになってきた。このような液晶表示装置で、例えば、サイドライト型バックライト方式の液晶表示装置は、一般に、枠体の中に反射板、導光板、拡散板、必要に応じて2枚のプリズムシート(輝度を高める)と液晶パネルが順に積層されており、導光板の側方に冷陰極管等の光源とランプリフレクタが配置されている。拡散板の周辺部と液晶パネルの周辺部の間や、液晶パネルの周辺部とそれを上から押さえる板金又は樹脂成形物からなる押え枠との間には、上記各部材の固定やゴミの侵入の防止やクッション性を持たせて衝撃による上記各部材の割れを防ぐなどの目的で、図1のように粘着スペーサーシートや両面粘着テープ(通常額縁状に打ち抜かれ、その幅は通常約0.5mm〜約10mmである)が挟み込まれている。
【0001】
上述の様に、液晶表示装置等の軽薄短小化及び情報量の増加に伴った大画面化が進むにつれて、光源と液晶表示素子との位置とが近くなり、このため光が粘着テープを通って漏れて前面から視認できるようになるため、液晶表示面の見栄えも良くすることが問題となっていた。
更に、光が粘着テープを通って漏れることにより、液晶表示素子を駆動するドライバーへ光があたり、誤作動が起こることも問題であった。
このため、遮光性粘着テープが液晶表示素子の固定用に使用される際には、液晶表示素子の見栄えを増す目的と同時に、駆動するドライバーへの光の進入を遮蔽し、誤作動を防止する役目も併せ持つことが要請されている。
【0002】
近年、さらに上記粘着テープに対して光を遮光するだけでなく、光源側に対しては高い光反射性能を付与しバックライトからの光を有効に使用することにより光源の効率を増加させ、一層の見栄えの向上を図る提案が携帯機器対応及び省電力対応のためなされている。このように上記の粘着テープには薄膜であって、かつ光反射性と遮光性が強く求められている。
【0003】
この対策として、片面が黒色であり、その反対面が白色であり、少なくとも400〜660nmの波長領域にわたって、光透過率が1%以下である基材フィルムの片面又は両面に、黒色着色剤を含有する粘着剤層が設けた粘着テープが開示されている。この粘着テープは優れた光反射性と遮光性を有する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−235053号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら白色樹脂フィルムを使用した粘着フィルムだけで、十分な光反射性を得るためには、テープの厚みが厚くなりすぎ、近年益々軽薄短小化が進む電子機器用には不適当のものであった。
また、支持体として、光反射性を増すために白色樹脂フィルムへの白色顔料の添加量を増すと、粘着テープに黄色味が増すという問題があった。
更に粘着剤層として、薄い厚みで高い接着力を得るために粘着剤への粘着付与樹脂の添加量が増すことにより、黄色味が増すという問題があった。
すなわち本発明の課題は、一方面は薄型で黄色味が少なく、且つ高い光反射性を有し、他方面は遮光性の高い反射・遮光性粘着テープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究した結果、白色樹脂フィルムの一方に、蛍光増白剤を含有する粘着剤層を積層することにより反射性を増し、その反対の面が遮光性を有する反射・遮光性粘着テープにより本発明の課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、白色樹脂フィルムの一方の面上に、蛍光増白剤を含有する粘着剤層を積層し、該粘着剤層面が光反射性を有し、反対の面が遮光性を有する反射・遮光性粘着テープを提供する。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の反射・遮光性粘着テープを、その構成要素に基づいて、更に詳しく説明する。
【0006】
(粘着テープの構成)
本発明の粘着テープは、白色樹脂フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を設けた粘着テープであって、その一方の粘着剤中に蛍光増白剤を含有する粘着テープである。本発明の粘着テープとは、図2のような片面粘着テープまたは両面粘着テープをその様態として挙げることができる。
(粘着剤層)
【0007】
(蛍光増白剤)
本発明の粘着テープの白色面に使用される粘着剤中には、光反射性を向上させるため、蛍光増白剤が含有される。白色樹脂フィルム中よりも粘着剤層中に蛍光増白剤を含有させるのが、白色樹脂フィルムによる光の吸収が少ないため、光を有効利用できる。蛍光増白剤としては、公知慣用のものが使用できるが、そのなかでもスチルベン系樹脂、クマリン系樹脂、ピラゾリン系樹脂、イミダゾロン系樹脂、イミダゾール系樹脂、トリアゾール系樹脂、オキサゾール系樹脂、ナフタルイミド系樹脂が好ましい。溶剤系粘着剤を使用する場合、溶剤への溶解性に優れるオキサゾール系樹脂が好ましい。これらは単独で用いても、複合して用いても良い。蛍光増白剤の種類、含有量を制御することで、所望の光反射性を制御することができる。
【0008】
蛍光増白剤の軟化点としては、特に限定されるものではないが、60℃以上300℃未満が好ましく、より好ましく80℃以上である。軟化点が60℃未満の場合は、テープを被着体等に貼付した際にブリードアウトし、被着体を汚染しやすくなる。
【0009】
粘着剤中に対する蛍光増白剤の含有量としては、特に限定されるものではないが、0.01〜1質量%であることが好ましい。0.01質量%未満では光反射性が低下し、1質量%を超える場合は、粘着剤中への分散性が低下する。
【0010】
(粘着剤組成)
本発明の粘着テープに使用される粘着剤は、公知のアクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができる。そのなかでも、単量体成分として炭素数2〜14のアルキル基を有するアクリル酸エステルを含有するアクリル系共重合体が、耐光性・耐熱性の点から好ましい。例えば、n−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル系共重合体があげられる。
【0011】
さらに単量体成分として、側鎖に水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの極性基を有する、アクリル酸エステルやその他のビニル系単量体を、0.01〜15質量%の範囲で添加するのが好ましい。
アクリル系共重合体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、紫外線照射法、電子線照射法によって共重合させることにより得ることができる。アクリル系共重合体の平均分子量は、40万〜140万が好ましく、更に好ましくは、60万〜120万である。
【0012】
さらに粘着剤の凝集力をあげるために、架橋剤を添加するのが好ましい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤等があげられる。
特に、インキ樹脂成分が1〜10の水酸基価を有し、イソシアネート系架橋剤を含有するインキをコートしたフィルムのインキコート面に粘着剤層を設ける場合は、イソシアネート系架橋剤またはエポキシ系架橋剤を使用するのが好ましい。
【0013】
さらに粘着剤の粘着力を向上させるため、粘着付与樹脂を添加するのが好ましい。
本発明の粘着テープの粘着剤層に添加する粘着付与樹脂は、ロジンやロジンのエステル化合物等のロジン系樹脂;ジテルペン重合体やα−ピネン−フェノール共重合体等のテルペン系樹脂;脂肪族系(C5系)や芳香族系(C9)等の石油樹脂;その他、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
そのなかでも薄い粘着剤層厚みで、高い接着力を得ることができる重合ロジンエステル系粘着付与樹脂が特に好ましい。
しかしながら、上記粘着付与樹脂は光などにより黄変しやすい。本発明で粘着剤に使用する蛍光増白剤は、紫外線領域の光を吸収し、青色領域の光を発光するため、黄変を補いより白に近い反射光を得ることができる。
【0014】
粘着付与樹脂の添加量としては、アクリル系共重合体100重量部に対し、10〜60質量%添加するのが好ましい。接着性を重視する場合は、20〜50質量%が最も好ましい。
【0015】
本発明の粘着テープの遮光性を有する面側の粘着剤は、カーボンブラック等の黒色着色剤を添加することができる。
【0016】
粘着剤には、上記以外に公知慣用の添加剤を添加することができる。例えば、老化防止剤、光安定剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、難燃剤等が添加できる。
【0017】
本発明の粘着テープが両面粘着テープである場合は、光反射性を有する面と遮光性を有する面側の粘着剤が異なっても良い。液晶表示素子の基板ガラスとバックライト光源の筐体を固定する場合には再剥離型両面テープが好ましい。その場合、光反射性を有する面の粘着力が遮光性を有する面の粘着剤より強いことが好ましい。
【0018】
粘着剤層は、粘着シートの塗布に一般的に使用されている方法で基材フィルム上に形成することができる。粘着剤組成物を基材フィルムに直接塗布し、乾燥するか、或いは、いったんセパレータ上に塗布し、乾燥後、基材フィルムに貼り合わせる。
【0019】
粘着剤層の厚みは、特に限定されるものではないが、5〜50μmが好ましく、さらに好ましくは、10〜30μmである。5μm未満では、充分な接着性が得られない。また50μmを超えると、粘着テープの厚みが厚くなるため、薄さが求められる液晶表示素子固定用粘着テープ用には向かない。
(白色樹脂フィルム)
【0020】
(フィルム組成)
本発明の粘着テープを構成する樹脂としては、セロハン、アセテート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン等があげられる。そのなかでも、耐熱性・耐光性に優れるポリエステルが好ましい。樹脂中には、蛍光増白剤を含有させるのが好ましい。
また、このポリエステルの中には公知の各種添加剤、たとえば、酸化防止剤、帯電防止剤などが添加されていても良い。
【0021】
(厚み)
本発明の粘着テープを構成する白色樹脂フィルムの厚みは特に限定されるものではないが、液晶表示素子固定用両面テープとして使用される場合、6〜50μmが好ましく、さらに好ましくは10〜30μmである。6μm未満では、テープの加工性及び光反射性が著しく低下する。また50μmを超えると、テープとしての厚みが厚くなりすぎ、液晶表示装置の薄型化に適さない。
【0022】
(白色化の方法)
上記白色樹脂フィルムは、合成樹脂に白色着色剤を含有させたり、フィルム内部に微細な気泡を形成させたりして作製される。薄さ・反射性・加工性を重視する場合には、白色着色剤を含有させる方法が好ましい。380〜420nmの波長の反射性を重視する場合は、微細な気泡を形成させる方法が好ましい。
合成樹脂がポリエステルである場合、フィルム内部に微細な気泡を形成させる方法としては、ポリメチルペンテン等のポリエステルと非相溶な樹脂を含有させるか、あるいは発泡剤を含有させてフィルムを二軸延伸する方法があげられる。
【0023】
(白色着色剤)
白色着色剤としては、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、クレー等が挙げられ、これらを単独、あるいは複数種類添加しても良い。特に、390nm以下の光の波長領域における反射効率を考えると、酸化チタン、硫酸バリウムが好ましく、そのなかでも二酸化チタンが最も好ましい。
白色着色剤の平均粒径としては、0.1〜0.4μmが好ましい。0.1μm未満であると反射光に黄色味が増し、0.4μmを超えると青味が増す。
白色着色剤の添加量としては、10〜40質量%、さらに15〜35質量%の範囲添加することが好ましい。添加量が10質量%未満の場合は平均反射率が低下する。また40質量%を超えると延伸性の劣ったものとなり、生産性及び加工性が著しく悪くなる。黄色味が増加しやすくなる。この黄色味を補い白色光に近い反射光を得るためにも、本発明で使用する蛍光増白剤は有効である。
【0024】
(金属薄膜層)
本発明の粘着テープを構成する白色樹脂フィルムには、光反射性と遮光性を付与する目的で、白色樹脂フィルムの一方の面或いは層間に金属薄膜層を設けることが好ましい。金属薄膜層としては、特に限定されないが、金属蒸着層または金属を含有するインキ層が好ましい。金属の種類としては、特に限定されないが、アルミまたは銀が好ましい。また白色樹脂フィルムと金属蒸着層の密着性を向上させる目的で、樹脂層を設けることが好ましい。樹脂層としては、セルロース/ポリウレタン系、セルロース/ポリウレタン系、ポリエステル系、またはポリエステル/メラミン系樹脂が特に好ましい。金属蒸着層の耐熱性、安全性を付与するために金属蒸着層上に各種保護層を設けても良い。
【0025】
また、液晶表示装置の軽薄短小化及び情報量の増加に伴った大画面化が進むにつれて、光源と液晶表示素子との位置とが近くなり、このため光が粘着テープを通って漏れて前面から視認できるようになるため、液晶表示面のコントラストの低下や、表示の均一性の低下が問題となっている。
このため、反射性粘着テープが液晶表示素子の固定用に使用される際には、光反射性と同時に遮光性を併せ持つことも要請されている。
(黒インキ層)
本発明の粘着テープを構成する白色樹脂フィルムには、遮光性を付与する目的で黒インキ層を設けることが好ましい。黒インキ層は白色樹脂フィルム上層に設けてもよいし、金属薄膜層の上に黒インキ層を設けてもよい。黒インキ層の厚みは0.5〜3μmが好ましい。黒インキ層は単層でも良いが、ピンホールの防止の点から2〜4層に積層するのが好ましい。
インキの組成としては、樹脂成分が1〜10の水酸基価を有し、イソシアネート系架橋剤を含有するものが、フィルムとインキ、インキと粘着剤の密着性の点から好ましい。より好ましくは、樹脂成分が、ビニルアルコールを共重合した塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体とウレタン樹脂の混合物である。
【0026】
(印刷方式)
インキの印刷方式としては、公知慣用の方式で印刷できる。例えば、凸版印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等が採用できる。その中でも、グラビア印刷が重ねてコートするのに適している。
【0027】
インキコートする金属薄膜層は、公知慣用の易接着処理を施すのが好ましい。そのなかでもプライマー処理が好ましい。
【0028】
【実施例】
以下に実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下に表示する部は、質量部である。
【0029】
(アクリル系共重合体の調製)
冷却管、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート93.4部、酢酸ビニル3部、アクリル酸3.5部、2−ヒドロキシーエチルアクリレート0.1部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間撹拌して重合させ、固形分50%、重量平均分子量40万のアクリル系共重合体溶液を得た。
【0030】
(アクリル系粘着剤組成物の調製)
上記アクリル系共重合体固形分100部に対し、表1に示す割合で、粘着付与樹脂、蛍光増白剤、および架橋剤を配合し、トルエンに溶解して固形分50%の粘着剤組成物a、b、c、dを調整した。ただし、表1中の「イソシアネート系架橋剤」の配合量は40%酢酸エチル溶液の質量部で表した。
【0031】
【表1】
【0032】
表1記載の▲1▼〜▲5▼は以下の通りである。
▲1▼重合ロジンペンタエリスリトールエステル(荒川化学社製「D−135」)
▲2▼不均化ロジングリセリンエステル(荒川化学社製「A−100」)
▲3▼オキサゾール系蛍光増白剤(日本化学工業所製「ニッカフローOB」)
▲4▼クマリン系蛍光増白剤(日本化学工業所製「ニッカフローMC」)
▲5▼イソシアネート系架橋剤(大日本インキ化学工業社製「バーノックNC40」固形分)
【0033】
(フィルムの作成)
帝人デュポンフィルム社製テフレックスFW2−13μmに、大日本インキ化学工業社製アルミ蒸着アンカー剤「METNo.17FT」と「CVLハードナーNo.10」を100対3の割合で混合撹拌したものを、乾燥重量が1g/m2となるようグラビアコートする。更に10−2Pa雰囲気下において厚み45±5nmのアルミ蒸着層を形成させた後、アルミ蒸着層面に大日本インキ化学工業社製スミインキ「パナシアCVL−SPR805」と「CVLハードナーNo.10」を100対4の割合で混合撹拌したものを乾燥重量が2g/m2となるようにグラビアコートし、フィルムAを得た。
【0034】
帝人デュポンフィルム社製テフレックスFW2−13μmに大日本インキ化学工業社製スミインキ「パナシアCVL−SPR805」と「CVLハードナーNo.10」を100対4の割合で混合撹拌したものを乾燥重量が2g/m2となるようにグラビアコートし、フィルムBを得た。
【0035】
(実施例1)
(粘着テープの作製)
表1に記載した粘着剤組成物aを充分に撹拌した後、離型処理した厚さ75μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚さが17μmとなるよう塗工して、100℃で2分間乾燥して粘着剤層を得た。これをフィルムAの両面に転写し、80℃の熱ロールで4kgf/cmの圧力でラミネートし、さらに、40℃で2日間養生して、両面粘着テープを得た。
【0036】
(実施例2)
フィルムAの代わりにフィルムBを、粘着剤組成物aの代わりに粘着剤組成物bを用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。
【0037】
(実施例3)
フィルムAの代わりにフィルムBを、粘着剤組成物aの代わりに粘着剤組成物cを用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。
【0038】
(比較例1)
フィルムAの代わりにフィルムBを、粘着剤組成物aの代わりに粘着剤組成物dを用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。
【0039】
実施例、比較例で作成した両面粘着テープについて、以下に示す方法により、接着力、色味、光反射性、遮光性、テープ厚み、画面の明るさを評価した。評価結果は、表2および3に記載した。
【0040】
(接着力)
ステンレス板に、白色反射面を20μmのポリエステルフィルムで裏打ちした20mm幅の粘着テープを、23℃50%RHの下2kgローラーで1往復加圧貼付し1時間放置後、23℃50%RHで300mm/minの速度で引っ張って、180°ピール接着力を測定した。
【0041】
(色味)
粘着テープの白色反射面の外観を目視にて評価した。外観はブランク(作成直後)と耐熱放置後(80℃500時間放置)を評価した。
【0042】
(光反射性)
粘着テープ白色反射面の反射率を、日本電色工業製分光式色差計「SE−2000」を用い測定した。表には450nm、550nm、650nmの波長での反射率を示した。
【0043】
(遮光性)
波長200〜1100nmにわたる光線の粘着テープの透過率を、日本分光工業社製分光光度計「V520−SR」で測定した。
【0044】
(テープ厚み)
厚み計で、両面テープの厚みを測定した。厚みが75μm以下の場合を適合とした。
【0045】
(画面の明るさ)
松下通信工業社製:P503isに標準装着される液晶ディスプレイモジュールにおいて、偏光フィルム貼りのガラス製液晶パネルとPC製バックライト筐体を、実施例、比較例の両面テープを用いて、白面側がバックライト筐体側になるように接着した。
評価は、大日本インキ化学工業社製遮光性両面テープ「#8616DJクロ」で接着した場合と輝度を比較した。
○:輝度の向上が7%以上、×:輝度の向上が7%未満
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
表2に示した結果から明らかなように、実施例の反射・遮光性粘着テープは、薄膜でありながら、いずれも黄色味を帯びない白色を示し、高い光反射性、接着性、遮光性を示した。またさらに実施例の反射・遮光性粘着テープで固定した液晶ディスプレイの画面の明るさは良好であった。その中でも、実施例1は、粘着付与樹脂として重合ロジンエステルを使用しているため、接着性に特に優れる。また基材にアルミ蒸着層を設けているため、光反射性、遮光性にも優れる。
【0049】
一方、表2に示した結果から明らかなように、比較例1の反射・遮光性粘着テープは、接着性には優れるものの、黄色味を帯び、450nmにおける光反射率に劣る。またさらに比較例1の反射・遮光性粘着テープで固定した液晶ディスプレイの画面の明るさは不十分であった。
【0050】
【本発明の効果】
以上のように、本発明は薄型で黄色味が少なく、高い光反射性をもつ反射・遮光性粘着テープを提供する。本発明の反射・遮光性粘着テープは、液晶表示装置部材の接着固定用粘着テープとして有用である。特に液晶表示装置部材の接着固定用粘着テープとして、光源側の面が反射性を有する面となるよう固定した場合、冷陰極管及びLED(特に青色LED)からの紫外光、近紫外光を吸収して、可視光に転換して反射有効利用させ、液晶表示装置の輝度を向上させることができる。
しかも、反射性を有する面の反対面に遮光層を設けることで、光の漏れもなく、液晶表示装置の見栄えを一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示装置分解図
【図2】反射・遮光性粘着テープの構成図
【符号の説明】
1・・・・・液晶パネル
2・・・・・ドライバー
3・・・・・反射・遮光性粘着テープ
4・・・・・プリズムシート
5・・・・・拡散シート
6・・・・・バックライト
7・・・・・バックライト枠体
8・・・・・導光板
9・・・・・反射板
100・・・遮光層
101・・・白色樹脂フィルム
102・・・粘着剤層(蛍光増白剤含有)
103・・・蛍光増白剤
104・・・粘着剤層
本発明は、一方の面は光反射性を有し、他方の面は遮光性を有する反射・遮光性粘着テープに関する。
【従来の技術】
一方の面は遮光性を有し、他方の面は光反射性を有する粘着テープの使用が提案されている。このような光反射性と遮光性を有する粘着テープが要請される用途としては、背面の光源を有効に利用し、且つ前面からは背面の光が漏れない構造が必要とされる液晶表示素子をバックライト枠体に固定する用途等を挙げることができる。液晶表示素子はワープロやパソコンを始めとする広範な分野で用いられており、特に電子手帳、携帯電話、PHS等においては、益々小型化された電子器具のインターフェースとして用いられるようになってきた。このような液晶表示装置で、例えば、サイドライト型バックライト方式の液晶表示装置は、一般に、枠体の中に反射板、導光板、拡散板、必要に応じて2枚のプリズムシート(輝度を高める)と液晶パネルが順に積層されており、導光板の側方に冷陰極管等の光源とランプリフレクタが配置されている。拡散板の周辺部と液晶パネルの周辺部の間や、液晶パネルの周辺部とそれを上から押さえる板金又は樹脂成形物からなる押え枠との間には、上記各部材の固定やゴミの侵入の防止やクッション性を持たせて衝撃による上記各部材の割れを防ぐなどの目的で、図1のように粘着スペーサーシートや両面粘着テープ(通常額縁状に打ち抜かれ、その幅は通常約0.5mm〜約10mmである)が挟み込まれている。
【0001】
上述の様に、液晶表示装置等の軽薄短小化及び情報量の増加に伴った大画面化が進むにつれて、光源と液晶表示素子との位置とが近くなり、このため光が粘着テープを通って漏れて前面から視認できるようになるため、液晶表示面の見栄えも良くすることが問題となっていた。
更に、光が粘着テープを通って漏れることにより、液晶表示素子を駆動するドライバーへ光があたり、誤作動が起こることも問題であった。
このため、遮光性粘着テープが液晶表示素子の固定用に使用される際には、液晶表示素子の見栄えを増す目的と同時に、駆動するドライバーへの光の進入を遮蔽し、誤作動を防止する役目も併せ持つことが要請されている。
【0002】
近年、さらに上記粘着テープに対して光を遮光するだけでなく、光源側に対しては高い光反射性能を付与しバックライトからの光を有効に使用することにより光源の効率を増加させ、一層の見栄えの向上を図る提案が携帯機器対応及び省電力対応のためなされている。このように上記の粘着テープには薄膜であって、かつ光反射性と遮光性が強く求められている。
【0003】
この対策として、片面が黒色であり、その反対面が白色であり、少なくとも400〜660nmの波長領域にわたって、光透過率が1%以下である基材フィルムの片面又は両面に、黒色着色剤を含有する粘着剤層が設けた粘着テープが開示されている。この粘着テープは優れた光反射性と遮光性を有する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−235053号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら白色樹脂フィルムを使用した粘着フィルムだけで、十分な光反射性を得るためには、テープの厚みが厚くなりすぎ、近年益々軽薄短小化が進む電子機器用には不適当のものであった。
また、支持体として、光反射性を増すために白色樹脂フィルムへの白色顔料の添加量を増すと、粘着テープに黄色味が増すという問題があった。
更に粘着剤層として、薄い厚みで高い接着力を得るために粘着剤への粘着付与樹脂の添加量が増すことにより、黄色味が増すという問題があった。
すなわち本発明の課題は、一方面は薄型で黄色味が少なく、且つ高い光反射性を有し、他方面は遮光性の高い反射・遮光性粘着テープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究した結果、白色樹脂フィルムの一方に、蛍光増白剤を含有する粘着剤層を積層することにより反射性を増し、その反対の面が遮光性を有する反射・遮光性粘着テープにより本発明の課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、白色樹脂フィルムの一方の面上に、蛍光増白剤を含有する粘着剤層を積層し、該粘着剤層面が光反射性を有し、反対の面が遮光性を有する反射・遮光性粘着テープを提供する。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の反射・遮光性粘着テープを、その構成要素に基づいて、更に詳しく説明する。
【0006】
(粘着テープの構成)
本発明の粘着テープは、白色樹脂フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を設けた粘着テープであって、その一方の粘着剤中に蛍光増白剤を含有する粘着テープである。本発明の粘着テープとは、図2のような片面粘着テープまたは両面粘着テープをその様態として挙げることができる。
(粘着剤層)
【0007】
(蛍光増白剤)
本発明の粘着テープの白色面に使用される粘着剤中には、光反射性を向上させるため、蛍光増白剤が含有される。白色樹脂フィルム中よりも粘着剤層中に蛍光増白剤を含有させるのが、白色樹脂フィルムによる光の吸収が少ないため、光を有効利用できる。蛍光増白剤としては、公知慣用のものが使用できるが、そのなかでもスチルベン系樹脂、クマリン系樹脂、ピラゾリン系樹脂、イミダゾロン系樹脂、イミダゾール系樹脂、トリアゾール系樹脂、オキサゾール系樹脂、ナフタルイミド系樹脂が好ましい。溶剤系粘着剤を使用する場合、溶剤への溶解性に優れるオキサゾール系樹脂が好ましい。これらは単独で用いても、複合して用いても良い。蛍光増白剤の種類、含有量を制御することで、所望の光反射性を制御することができる。
【0008】
蛍光増白剤の軟化点としては、特に限定されるものではないが、60℃以上300℃未満が好ましく、より好ましく80℃以上である。軟化点が60℃未満の場合は、テープを被着体等に貼付した際にブリードアウトし、被着体を汚染しやすくなる。
【0009】
粘着剤中に対する蛍光増白剤の含有量としては、特に限定されるものではないが、0.01〜1質量%であることが好ましい。0.01質量%未満では光反射性が低下し、1質量%を超える場合は、粘着剤中への分散性が低下する。
【0010】
(粘着剤組成)
本発明の粘着テープに使用される粘着剤は、公知のアクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができる。そのなかでも、単量体成分として炭素数2〜14のアルキル基を有するアクリル酸エステルを含有するアクリル系共重合体が、耐光性・耐熱性の点から好ましい。例えば、n−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル系共重合体があげられる。
【0011】
さらに単量体成分として、側鎖に水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの極性基を有する、アクリル酸エステルやその他のビニル系単量体を、0.01〜15質量%の範囲で添加するのが好ましい。
アクリル系共重合体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、紫外線照射法、電子線照射法によって共重合させることにより得ることができる。アクリル系共重合体の平均分子量は、40万〜140万が好ましく、更に好ましくは、60万〜120万である。
【0012】
さらに粘着剤の凝集力をあげるために、架橋剤を添加するのが好ましい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤等があげられる。
特に、インキ樹脂成分が1〜10の水酸基価を有し、イソシアネート系架橋剤を含有するインキをコートしたフィルムのインキコート面に粘着剤層を設ける場合は、イソシアネート系架橋剤またはエポキシ系架橋剤を使用するのが好ましい。
【0013】
さらに粘着剤の粘着力を向上させるため、粘着付与樹脂を添加するのが好ましい。
本発明の粘着テープの粘着剤層に添加する粘着付与樹脂は、ロジンやロジンのエステル化合物等のロジン系樹脂;ジテルペン重合体やα−ピネン−フェノール共重合体等のテルペン系樹脂;脂肪族系(C5系)や芳香族系(C9)等の石油樹脂;その他、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
そのなかでも薄い粘着剤層厚みで、高い接着力を得ることができる重合ロジンエステル系粘着付与樹脂が特に好ましい。
しかしながら、上記粘着付与樹脂は光などにより黄変しやすい。本発明で粘着剤に使用する蛍光増白剤は、紫外線領域の光を吸収し、青色領域の光を発光するため、黄変を補いより白に近い反射光を得ることができる。
【0014】
粘着付与樹脂の添加量としては、アクリル系共重合体100重量部に対し、10〜60質量%添加するのが好ましい。接着性を重視する場合は、20〜50質量%が最も好ましい。
【0015】
本発明の粘着テープの遮光性を有する面側の粘着剤は、カーボンブラック等の黒色着色剤を添加することができる。
【0016】
粘着剤には、上記以外に公知慣用の添加剤を添加することができる。例えば、老化防止剤、光安定剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、難燃剤等が添加できる。
【0017】
本発明の粘着テープが両面粘着テープである場合は、光反射性を有する面と遮光性を有する面側の粘着剤が異なっても良い。液晶表示素子の基板ガラスとバックライト光源の筐体を固定する場合には再剥離型両面テープが好ましい。その場合、光反射性を有する面の粘着力が遮光性を有する面の粘着剤より強いことが好ましい。
【0018】
粘着剤層は、粘着シートの塗布に一般的に使用されている方法で基材フィルム上に形成することができる。粘着剤組成物を基材フィルムに直接塗布し、乾燥するか、或いは、いったんセパレータ上に塗布し、乾燥後、基材フィルムに貼り合わせる。
【0019】
粘着剤層の厚みは、特に限定されるものではないが、5〜50μmが好ましく、さらに好ましくは、10〜30μmである。5μm未満では、充分な接着性が得られない。また50μmを超えると、粘着テープの厚みが厚くなるため、薄さが求められる液晶表示素子固定用粘着テープ用には向かない。
(白色樹脂フィルム)
【0020】
(フィルム組成)
本発明の粘着テープを構成する樹脂としては、セロハン、アセテート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン等があげられる。そのなかでも、耐熱性・耐光性に優れるポリエステルが好ましい。樹脂中には、蛍光増白剤を含有させるのが好ましい。
また、このポリエステルの中には公知の各種添加剤、たとえば、酸化防止剤、帯電防止剤などが添加されていても良い。
【0021】
(厚み)
本発明の粘着テープを構成する白色樹脂フィルムの厚みは特に限定されるものではないが、液晶表示素子固定用両面テープとして使用される場合、6〜50μmが好ましく、さらに好ましくは10〜30μmである。6μm未満では、テープの加工性及び光反射性が著しく低下する。また50μmを超えると、テープとしての厚みが厚くなりすぎ、液晶表示装置の薄型化に適さない。
【0022】
(白色化の方法)
上記白色樹脂フィルムは、合成樹脂に白色着色剤を含有させたり、フィルム内部に微細な気泡を形成させたりして作製される。薄さ・反射性・加工性を重視する場合には、白色着色剤を含有させる方法が好ましい。380〜420nmの波長の反射性を重視する場合は、微細な気泡を形成させる方法が好ましい。
合成樹脂がポリエステルである場合、フィルム内部に微細な気泡を形成させる方法としては、ポリメチルペンテン等のポリエステルと非相溶な樹脂を含有させるか、あるいは発泡剤を含有させてフィルムを二軸延伸する方法があげられる。
【0023】
(白色着色剤)
白色着色剤としては、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、クレー等が挙げられ、これらを単独、あるいは複数種類添加しても良い。特に、390nm以下の光の波長領域における反射効率を考えると、酸化チタン、硫酸バリウムが好ましく、そのなかでも二酸化チタンが最も好ましい。
白色着色剤の平均粒径としては、0.1〜0.4μmが好ましい。0.1μm未満であると反射光に黄色味が増し、0.4μmを超えると青味が増す。
白色着色剤の添加量としては、10〜40質量%、さらに15〜35質量%の範囲添加することが好ましい。添加量が10質量%未満の場合は平均反射率が低下する。また40質量%を超えると延伸性の劣ったものとなり、生産性及び加工性が著しく悪くなる。黄色味が増加しやすくなる。この黄色味を補い白色光に近い反射光を得るためにも、本発明で使用する蛍光増白剤は有効である。
【0024】
(金属薄膜層)
本発明の粘着テープを構成する白色樹脂フィルムには、光反射性と遮光性を付与する目的で、白色樹脂フィルムの一方の面或いは層間に金属薄膜層を設けることが好ましい。金属薄膜層としては、特に限定されないが、金属蒸着層または金属を含有するインキ層が好ましい。金属の種類としては、特に限定されないが、アルミまたは銀が好ましい。また白色樹脂フィルムと金属蒸着層の密着性を向上させる目的で、樹脂層を設けることが好ましい。樹脂層としては、セルロース/ポリウレタン系、セルロース/ポリウレタン系、ポリエステル系、またはポリエステル/メラミン系樹脂が特に好ましい。金属蒸着層の耐熱性、安全性を付与するために金属蒸着層上に各種保護層を設けても良い。
【0025】
また、液晶表示装置の軽薄短小化及び情報量の増加に伴った大画面化が進むにつれて、光源と液晶表示素子との位置とが近くなり、このため光が粘着テープを通って漏れて前面から視認できるようになるため、液晶表示面のコントラストの低下や、表示の均一性の低下が問題となっている。
このため、反射性粘着テープが液晶表示素子の固定用に使用される際には、光反射性と同時に遮光性を併せ持つことも要請されている。
(黒インキ層)
本発明の粘着テープを構成する白色樹脂フィルムには、遮光性を付与する目的で黒インキ層を設けることが好ましい。黒インキ層は白色樹脂フィルム上層に設けてもよいし、金属薄膜層の上に黒インキ層を設けてもよい。黒インキ層の厚みは0.5〜3μmが好ましい。黒インキ層は単層でも良いが、ピンホールの防止の点から2〜4層に積層するのが好ましい。
インキの組成としては、樹脂成分が1〜10の水酸基価を有し、イソシアネート系架橋剤を含有するものが、フィルムとインキ、インキと粘着剤の密着性の点から好ましい。より好ましくは、樹脂成分が、ビニルアルコールを共重合した塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体とウレタン樹脂の混合物である。
【0026】
(印刷方式)
インキの印刷方式としては、公知慣用の方式で印刷できる。例えば、凸版印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等が採用できる。その中でも、グラビア印刷が重ねてコートするのに適している。
【0027】
インキコートする金属薄膜層は、公知慣用の易接着処理を施すのが好ましい。そのなかでもプライマー処理が好ましい。
【0028】
【実施例】
以下に実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下に表示する部は、質量部である。
【0029】
(アクリル系共重合体の調製)
冷却管、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート93.4部、酢酸ビニル3部、アクリル酸3.5部、2−ヒドロキシーエチルアクリレート0.1部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間撹拌して重合させ、固形分50%、重量平均分子量40万のアクリル系共重合体溶液を得た。
【0030】
(アクリル系粘着剤組成物の調製)
上記アクリル系共重合体固形分100部に対し、表1に示す割合で、粘着付与樹脂、蛍光増白剤、および架橋剤を配合し、トルエンに溶解して固形分50%の粘着剤組成物a、b、c、dを調整した。ただし、表1中の「イソシアネート系架橋剤」の配合量は40%酢酸エチル溶液の質量部で表した。
【0031】
【表1】
【0032】
表1記載の▲1▼〜▲5▼は以下の通りである。
▲1▼重合ロジンペンタエリスリトールエステル(荒川化学社製「D−135」)
▲2▼不均化ロジングリセリンエステル(荒川化学社製「A−100」)
▲3▼オキサゾール系蛍光増白剤(日本化学工業所製「ニッカフローOB」)
▲4▼クマリン系蛍光増白剤(日本化学工業所製「ニッカフローMC」)
▲5▼イソシアネート系架橋剤(大日本インキ化学工業社製「バーノックNC40」固形分)
【0033】
(フィルムの作成)
帝人デュポンフィルム社製テフレックスFW2−13μmに、大日本インキ化学工業社製アルミ蒸着アンカー剤「METNo.17FT」と「CVLハードナーNo.10」を100対3の割合で混合撹拌したものを、乾燥重量が1g/m2となるようグラビアコートする。更に10−2Pa雰囲気下において厚み45±5nmのアルミ蒸着層を形成させた後、アルミ蒸着層面に大日本インキ化学工業社製スミインキ「パナシアCVL−SPR805」と「CVLハードナーNo.10」を100対4の割合で混合撹拌したものを乾燥重量が2g/m2となるようにグラビアコートし、フィルムAを得た。
【0034】
帝人デュポンフィルム社製テフレックスFW2−13μmに大日本インキ化学工業社製スミインキ「パナシアCVL−SPR805」と「CVLハードナーNo.10」を100対4の割合で混合撹拌したものを乾燥重量が2g/m2となるようにグラビアコートし、フィルムBを得た。
【0035】
(実施例1)
(粘着テープの作製)
表1に記載した粘着剤組成物aを充分に撹拌した後、離型処理した厚さ75μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚さが17μmとなるよう塗工して、100℃で2分間乾燥して粘着剤層を得た。これをフィルムAの両面に転写し、80℃の熱ロールで4kgf/cmの圧力でラミネートし、さらに、40℃で2日間養生して、両面粘着テープを得た。
【0036】
(実施例2)
フィルムAの代わりにフィルムBを、粘着剤組成物aの代わりに粘着剤組成物bを用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。
【0037】
(実施例3)
フィルムAの代わりにフィルムBを、粘着剤組成物aの代わりに粘着剤組成物cを用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。
【0038】
(比較例1)
フィルムAの代わりにフィルムBを、粘着剤組成物aの代わりに粘着剤組成物dを用いた以外は、実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。
【0039】
実施例、比較例で作成した両面粘着テープについて、以下に示す方法により、接着力、色味、光反射性、遮光性、テープ厚み、画面の明るさを評価した。評価結果は、表2および3に記載した。
【0040】
(接着力)
ステンレス板に、白色反射面を20μmのポリエステルフィルムで裏打ちした20mm幅の粘着テープを、23℃50%RHの下2kgローラーで1往復加圧貼付し1時間放置後、23℃50%RHで300mm/minの速度で引っ張って、180°ピール接着力を測定した。
【0041】
(色味)
粘着テープの白色反射面の外観を目視にて評価した。外観はブランク(作成直後)と耐熱放置後(80℃500時間放置)を評価した。
【0042】
(光反射性)
粘着テープ白色反射面の反射率を、日本電色工業製分光式色差計「SE−2000」を用い測定した。表には450nm、550nm、650nmの波長での反射率を示した。
【0043】
(遮光性)
波長200〜1100nmにわたる光線の粘着テープの透過率を、日本分光工業社製分光光度計「V520−SR」で測定した。
【0044】
(テープ厚み)
厚み計で、両面テープの厚みを測定した。厚みが75μm以下の場合を適合とした。
【0045】
(画面の明るさ)
松下通信工業社製:P503isに標準装着される液晶ディスプレイモジュールにおいて、偏光フィルム貼りのガラス製液晶パネルとPC製バックライト筐体を、実施例、比較例の両面テープを用いて、白面側がバックライト筐体側になるように接着した。
評価は、大日本インキ化学工業社製遮光性両面テープ「#8616DJクロ」で接着した場合と輝度を比較した。
○:輝度の向上が7%以上、×:輝度の向上が7%未満
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
表2に示した結果から明らかなように、実施例の反射・遮光性粘着テープは、薄膜でありながら、いずれも黄色味を帯びない白色を示し、高い光反射性、接着性、遮光性を示した。またさらに実施例の反射・遮光性粘着テープで固定した液晶ディスプレイの画面の明るさは良好であった。その中でも、実施例1は、粘着付与樹脂として重合ロジンエステルを使用しているため、接着性に特に優れる。また基材にアルミ蒸着層を設けているため、光反射性、遮光性にも優れる。
【0049】
一方、表2に示した結果から明らかなように、比較例1の反射・遮光性粘着テープは、接着性には優れるものの、黄色味を帯び、450nmにおける光反射率に劣る。またさらに比較例1の反射・遮光性粘着テープで固定した液晶ディスプレイの画面の明るさは不十分であった。
【0050】
【本発明の効果】
以上のように、本発明は薄型で黄色味が少なく、高い光反射性をもつ反射・遮光性粘着テープを提供する。本発明の反射・遮光性粘着テープは、液晶表示装置部材の接着固定用粘着テープとして有用である。特に液晶表示装置部材の接着固定用粘着テープとして、光源側の面が反射性を有する面となるよう固定した場合、冷陰極管及びLED(特に青色LED)からの紫外光、近紫外光を吸収して、可視光に転換して反射有効利用させ、液晶表示装置の輝度を向上させることができる。
しかも、反射性を有する面の反対面に遮光層を設けることで、光の漏れもなく、液晶表示装置の見栄えを一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示装置分解図
【図2】反射・遮光性粘着テープの構成図
【符号の説明】
1・・・・・液晶パネル
2・・・・・ドライバー
3・・・・・反射・遮光性粘着テープ
4・・・・・プリズムシート
5・・・・・拡散シート
6・・・・・バックライト
7・・・・・バックライト枠体
8・・・・・導光板
9・・・・・反射板
100・・・遮光層
101・・・白色樹脂フィルム
102・・・粘着剤層(蛍光増白剤含有)
103・・・蛍光増白剤
104・・・粘着剤層
Claims (14)
- 白色樹脂フィルムの一方の面上に、蛍光増白剤を含有する粘着剤層が積層され、該粘着剤層面が光反射性を有し、その反対面が遮光性を有する反射・遮光性粘着テープ。
- 前記蛍光増白剤がオキサゾール系樹脂である請求項1記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 前記蛍光増白剤の軟化点が60℃以上である請求項1または2記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 前記蛍光増白剤の添加量が粘着剤に対し、0.01質量%〜1質量%である請求項1〜3の何れかの請求項に記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 前記白色樹脂フィルムが白色顔料を練り込んだポリエステルフィルムであり、該フィルムの厚みが10〜30μmであり、前記光反射性を有する面の平均反射率が60%以上である請求項1〜4の何れかの請求項に記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 前記白色樹脂フィルムが平均粒径0.1〜0.4μmの二酸化チタン又は硫酸バリウムを10〜40質量%含有する請求項1〜5の何れかの請求項に記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 前記白色樹脂フィルムの反射性を有する面の反対面上に金属薄膜層が設けられている請求項1〜6の何れかの請求項に記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 前記金属薄膜層が、金属蒸着層又は金属粉を含有するインキ層である請求項7記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 前記金属薄膜層が銀又はアルミ蒸着層であって、該蒸着層と白色樹脂フィルムの間に、セルロース/ポリウレタン系、セルロース/ウレタン系、ポリエステル系およびポリエステル/メラミン系から選ばれる樹脂層を設けた請求項8記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 前記遮光性を有する面が、黒インキコート層又は黒色粘着剤層の少なくとも一方の層が設けられている請求項1〜9の何れかの請求項に記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 前記光反射性を有する面側に設けられた粘着剤層に、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂が含有されていることを特徴とする請求項1〜10の何れかの請求項に記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 前記白色樹脂フィルムの両面に粘着剤層が積層された請求項1〜11の何れかの請求項に記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 液晶表示装置部材の接着固定用テープであって、光源側の面が反射性を有する面である請求項1〜12の何れかの請求項に記載の反射・遮光性粘着テープ。
- 前記液晶表示装置部材が、光源として冷陰極管または青色LEDを有する請求項13に記載の反射・遮光性粘着テープ。
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