JP5418821B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

本発明は電動工具のモータ制御に関し、特に電源電圧が低下した際のモータ制御を改良した電動工具に関する。
ドライバドリル等のネジ締め電動工具においては、ネジを相手材に対して垂直に締め付けるためにネジ締め作業の開始時に短時間の間にモータの低速回転・停止を繰り返して行い、徐々に相手材にネジを挿入していく。この作業の際に重要なのは、作業者のトリガ操作に対してモータの追従性を良くすることである。また、トリガ操作をしてトリガ操作を解除するまで、途中でモータが止まることなく安定して作業を完了させることが重要である。
一方、電動工具においてはモータの破損を防止するために、モータに供給される電流を監視し、モータに流れる電流が既定値を超える場合にはモータ保護のための電流値を制限する技術が、例えば特許文献1において知られている。この技術では、電池の放電電流が大きくなった場合に、この放電電流を断続させることにより、ボルト締め作業等の正常な動作時に流れる過剰な放電電流によりモータが損傷を受けるのを防止している。
特開2005−204365号公報
特許文献1に記載された技術においては、モータに流れる電流が過大になった際に電流値を制限し、モータ保護を可能にしているが、電池の電圧が低下した際の保護制御はなんら行っていなかった。従来のブラシ付き直流モータを使った電動工具では、充電池の電圧が低下するとモータの回転力が低下し、回転トルクが低くなるため先端工具が作業中に止まってしまうことがあった。このようなモータの停止は、作業の中断という弊害を引き起こすので好ましくないが、モータが停止することでモータの損傷を防止することができた。
近年、インパクトドライバ等の電動工具において、ブラシレスDCモータが使われるようになってきた。ブラシレスDCモータは、ブラシ(整流用刷子)の無いDC(直流)モータであり、コイル(巻線)を固定子側に、永久磁石を回転子側に用い、インバータで駆動された電力を所定のコイルへ順次通電することにより回転子を回転させる。この種の電動工具では、ステータに巻かれたコイルへの通電をオン・オフさせるためのスイッチング素子を、モータの後端側(出力軸と反対側)に取り付けられる円形の回路基板上に配置する。ブラシレスDCモータにおいては、先端工具から受ける反力によりモータの回転がロックしてしまうと、FET等のスイッチング素子に多大な電流(ロック電流)が流れ、スイッチング素子が破損する恐れがある。従って、モータがロックすることはスイッチング素子を用いる電動工具にとっては避けなければならない現象であるが、インパクトドライバの場合は、インパクト機構の存在により、先端工具を保持するスピンドル側の回転がロックしてしまっても、モータの回転は継続するので、モータがロックすることは無かった。
しかしながら、電動工具がドライバドリルであって、クラッチ機構部を持たない場合、或いは、クラッチ機構を作動させない動作モードの場合は、先端工具を保持するスピンドル側の回転がロックするとモータの回転もロックすることになるため、半導体スイッチング素子に過大な電流が流れる。そのため、モータの回転ロックが起こりうる電動工具においては、モータの回転中に過電流を検出して、過電流状態になった場合にモータの回転を停止させることが重要である。
この過電流状態を避ける制御の検討の過程で、発明者らは過電流状態を検出してモータの回転を停止することに加えて、モータが停止する状態を引き起こさないように制御することも重要であることを見いだした。特に、電池を動力とする電動工具においては、電池の内部抵抗の影響で、流れる電流が大きくなると電圧降下が大きくなる。電圧降下が大きくなると、モータの駆動トルクが低下するため、所定のトルクを発生することができずに、その結果モータが停止する状態が引き起こされる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電動工具のモータのロック状態発生を回避し、ロック状態における過電流の発生を回避することができる電動工具を提供することにある。
本発明の別の目的は、電池パックの電圧低下に起因するモータの不安定な運転を回避することができる電動工具を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、作業を開始した後に電圧低下が発生した際に、極力モータを停止させないで作業を完了させることができるように制御する電動工具を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、モータと、電源からの電力をモータに供給する駆動回路と、モータに流れる電流値を検出する電流検出回路と、電源の電圧を検出する電圧検出回路と、モータに流れる電流が第一電流閾値を上回ったときには、モータを停止させる制御部と、制御部へ電力を供給する電源回路を設けた。制御部は、電圧が起動許容電圧閾値を下回ったときは、電源から制御部に供給される電源を遮断させるように構成した。この電動工具は、モータを回転させる起動信号を発生させるスイッチトリガを備え、制御部はスイッチトリガが引かれた際であってモータが回転する前に電源の電圧を測定し、測定された電圧が起動許容電圧閾値を下回っているときには、制御部はモータを停止状態に維持する。
本発明の他の特徴によれば、駆動回路は半導体スイッチング素子を含むインバータ回路であり、制御部からインバータ回路に供給されるゲート電圧を遮断することによりモータを停止させる。また、制御部は、モータの回転中の駆動回路へ供給される電圧を測定し、測定された電圧が第一閾値電圧以下の場合は、モータの回転を停止させる。さらに、モータの回転中に測定された電圧が第一電圧閾値以上であって、第二電圧閾値(但し、第一電圧閾値<第二電圧閾値)を下回ったときには制御部はモータへの電力供給を制限する。
本発明のさらに他の特徴によれば、モータは、PWM制御により回転制御されるブラシレスモータであり、制御部は、モータの回転中に測定された電圧が第一電圧閾値以上であって、第二電圧閾値(但し、第一電圧閾値<第二電圧閾値)を下回ったときにはモータへの電力供給を制限するように構成した。また、制御部は、PWM駆動信号のパルス幅のデューティー比(以下、「PWMデューティー」と称する)を低減させたあとに、モータへ供給される電圧が第三電圧閾値(但し、第二電圧閾値<第三電圧閾値)まで復帰した場合は、PWMデューティーを増加させるように構成した。
請求項1の発明によれば、制御部は起動前の電圧が起動許容電圧閾値を下回ったときには、前記モータの停止状態に維持し、起動後に前記モータに流れる電流が第一電流閾値を上回ったときには前記モータを停止させるようにしたので、モータの不安定な運転状態を回避することができ、電圧降下に起因する過電流の発生も効果的に防止することができる。また、電圧が起動許容電圧閾値を下回ったときは、電源から制御部に供給される電源を遮断させる、つまり制御部自身の電源を切るので、モータに供給する駆動回路側にスイッチを挿入する必要が無い上に、モータへの電源供給を確実に遮断させることができる。
請求項2の発明によれば、測定された電圧が起動許容閾値を下回っているときには、制御部はモータを停止状態に維持するので、モータのロック状態の発生を防止することができる。さらに、低電圧時に過電流放電状態になることを防止できるので、二次電池の過放電を防止できる。
請求項3の発明によれば、電源の遮断は、制御部からインバータ回路に供給されるゲート電圧を遮断することにより行われるので、インバータ回路に供給される電力線上にスイッチ素子等を別途設ける必要が無く、部品数の削減によるコストダウンを達成でき、モータ駆動時のスイッチ素子による電圧降下を防止することができる。
請求項の発明によれば、測定された電圧又は電流が、第一閾値電圧以下又は第一閾値電流以上の場合は、モータの回転を停止させるので、電池パックの電圧降下以外に起因するモータへの過電流及び低電圧の影響を回避することができる。
請求項の発明によれば、制御部はモータの回転中に測定された電圧が第一電圧閾値以上であって、第二電圧閾値を下回ったときにモータへの電力供給を制限するので、モータを停止させることなく可能な限りモータの運転を継続できる。この結果、作業を最後まで完了させることが可能となる。
請求項の発明によれば、モータは、PWM制御により回転制御されるブラシレスモータであり、電圧が第二電圧閾値を下回ったときには、モータのPWMデューティーを低減させるようにして電圧を復帰させるので、簡単な制御でモータを停止させることなく運転を継続させることが可能となる。
請求項の発明によれば、制御部は、PWMデューティーを低減させたあとに、モータへ供給される電圧が第三電圧閾値まで復帰した場合は、PWMデューティーを増加させるので、電圧降下状態が回復した際にはすぐに元の状態に戻り、作業性の低下を最小に抑えることができる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明の実施例に係る電動工具の全体を示す図であり、一部にその断面を示す。 図1のモータ2の断面構造を模式的に示す図である。 本発明の実施例に係る電動工具の機能ブロック図である。 モータの回転数(min−1)とモータの出力トルクTの回転との関係を示す図である。 停止中のモータを起動し、運転中の電圧低下によってモータが停止したときの電圧・電流と時間の関係を示すグラフである。 停止中のモータを起動し、運転中の過電流状態によってモータが停止したときの電圧・電流と時間の関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施例に基づくモータ2の異常電圧・異常電流検出手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施例において、停止中のモータを起動し、運転中の過電流状態によってモータが停止したときの電圧・電流と時間の関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施例に基づくモータ2の異常電圧・異常電流検出手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本明細書の説明において上下及び前後の方向は、図1中に示した方向として説明する。図1は本発明の実施例に係る電動工具の全体を示す図であり、一部にその断面を示す。本実施例においては、電動工具の一実施例としてドライバドリル1を用いて説明するが、本発明はこれに限られずにインパクトドライバ、ハンマドリルなどの他の電動工具でも良い。
図1において、ドライバドリル1は、胴体ハウジング部6a内にモータ2を収納し、モータ2の駆動力を伝達する動力伝達部25により、スピンドル(出力軸)8に装着されたチャック28に着脱自在に保持されるドライバまたはドリルの先端工具(図示せず)に回転力を与える。胴体ハウジング部6aの後方側には、モータ2を駆動するためのインバータ回路部(回路基板)3が収容され、胴体ハウジング部6aの中間部および前方側には、モータ2の回転軸2e方向に回転力を伝達し、モータ2の回転数を減速するための減速機構部26と、減速機構部26の出力軸に得られる回転トルクをスピンドル8に伝達するクラッチ機構部27が収容される。クラッチ機構部27は、減速機構部26の回転力をスピンドル(出力軸)8に伝達するように結合される。また、このクラッチ機構部27の代わりに、通常のインパクト機構を設けてもよい。
クラッチ機構部27は、モード切替およびトルク調整のためのダイヤル(クラッチダイヤル)5を有し、ダイヤル5によって作業者がドライバモードまたはドリルモードを設定できるように構成される。ダイヤル5がドライバモードを選択している場合、トルク調整ダイヤル5を複数段階の所定の回転角度に回転させることによって、クラッチ機構部27は、ダイヤル5の回転角度に従って減速機構部26の出力軸からスピンドル8に伝達される回転トルクを負荷に対応する所望の締付けトルクに調整することができる。このダイヤル5は、例えば10段階のトルク設定が可能である。設定した締付けトルク(滑り出しトルク)以上の負荷トルクがスピンドル8に加わると、トルク調整部5のクラッチ機構により減速機構部26の出力軸はスピンドル8との結合から遮断されて空転することになり、これによってモータ2のロックが防止される。
ダイヤル5をドリルモードに設定する場合は、ダイヤル5を最大限の回転角度に回転させて減速機構部26で得られる回転力を、クラッチを動作させずにスピンドル8に伝達させるように切替える。このドリルモードにおいて負荷がスピンドルの締付けトルクより大きい場合、クラッチ機能部27が働かないので、スピンドル8に保持された先端工具はロックされ、モータ2はロック状態となる。減速機構部26は、周知の技術によって構成され、モータ2の回転軸2eの前端に形成されたピニオンギアに噛合う、例えば、2段の遊星歯車減速機構(変速ギアケース)(図示せず)から構成される。
モータ2は、本実施例では3相ブラシレス直流モータを用いる。図2は、図1のモータ2の断面構造を模式的に示す図である。この断面は、モータ2の出力回転軸と垂直に切断した面である。図2に示すように、モータ2は回転子(ロータ)2aと固定子巻線(電機子巻線)2dを含んで構成される。回転子2aは、回転軸2e方向に延びるN極およびS極の永久磁石(マグネット)2bを有し、固定子2cは円筒状の外形であってティース部2hに巻かれる固定子巻線2dを有する、いわば内部磁石配置形のモータである。
固定子巻線2dは、樹脂材料からなる絶縁層2f(図1参照)を介して固定子2cに巻回される。回転子2aの近傍には、回転子2aの回転位置を検出するために、回転方向に60°毎に配置され、回転子2aの位置を電磁結合的に検出する3つのホールIC(回転位置検出素子)10〜12が配置される。スター結線された固定子巻線2d(U相、V相、W相)には、インバータ回路部3よりホールIC10〜12の位置検出信号に基づいて電気角120°の通電区間に制御された電流が供給される。尚、回転位置を検出するための別の方法として、固定子巻線2dの誘起起電圧(逆起電力)を、フィルタを通して論理信号として取出すことによって回転子位置を検出するセンサレス方式を採用することもできる。
再び図1を参照して、胴体ハウジング部6aとハンドルハウジング部6bは、一体に成型された合成樹脂材料からなる。胴体ハウジング部6aとハンドルハウジング部6bは、モータ2の回転軸2eを通る鉛直面で左右に2分割可能に構成される。組み立て時には、ハウジング部材(胴体ハウジング部6aとハンドルハウジング部6bの左又は右側部分)の一対を準備し、予め、図1の部分断面図で示すような一方のハウジング部材に、モータ2の固定子2c及び回転子2a等の組込みを行い、しかる後、他方のハウジング部材を重ねて、ネジ締め等で双方のハウジング部材を締結させる。固定子2cの外周面に対向するハウジング部分の内壁には、胴体ハウジング部6aと一体成型により形成された複数の固定子保持部(リブ部)(図示せず)が形成され、固定子保持部によってモータ2が把持または挟持される。
モータ2の先端側には冷却用ファン24が同軸上に設けられ、冷却用ファン24近傍の胴体ハウジング部6aには、図示されていないが、排気口(通風口)が形成される。胴体ハウジング部6aの後端部には吸気口(通風口)21が形成され、この吸気口21から冷却用ファン24の近傍に形成される排気口に至る通路23は、冷却用空気の流通路を形成し、インバータ回路部3の半導体スイッチング素子3aの温度上昇、およびモータ2の固定子巻線2dの温度上昇を抑制する。ドライバモードまたはドリルモードにおいて、モータ2の負荷状況によってはスイッチング素子Q1〜Q6に大電流が流れてスイッチング素子Q1〜Q6の発熱が大きくなるので、冷却用ファン24によってインバータ回路部3を強制的に空冷することが需要である。
インバータ回路部3は、円板状の回路基板を有し、モータ2の固定子2cの一端部側(後方側)を全面的に覆う。一方、固定子2cの他端部側(前方側)には、防塵カバー22が設けられ、インバータ回路部3と同様に、固定子2cの他端部側面を覆う。これらインバータ回路部3および防塵カバー22の両者は、固定子2cと共に、回転子2aを閉塞または密封する防塵構造(密閉構造)を形成する。これにより、モータ2への粉塵の侵入を防止できる。
ハンドルハウジング部6bの下端部には、モータ2の駆動電源となる電池パック30が着脱可能に装着される。電池パック30の上部には、モータ2のインバータ回路部3を制御するための制御回路部4が、前後左右方向に延在するように設けられる。
ハンドルハウジング部6bの上端付近にはスイッチトリガ7が配設され、スイッチトリガ7のトリガ操作部7aがバネ力によって付勢された状態でハンドルハウジング部6bから突出する。作業者がトリガ操作部7aを後方に押し込むことにより、トリガ押込量(操作量)を調整し、モータ2の回転数を制御することができる。本実施例によれば、スイッチトリガ7によるトリガ押込量は、インバータ回路部3の半導体スイッチング素子3aを駆動するPWM駆動信号のPWMデューティーに反映される。
電池パック30は、スイッチトリガ7および制御回路部4へ駆動電源を供給し、さらにインバータ回路部3へ駆動電力を供給するように電気的に接続される。電池パック30を構成する二次電池は、リチウムイオン電池が使用されるが、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池を用いても良い。リチウムイオン電池は、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池に比較して約3倍のエネルギー密度を持ち、小形軽量であるという利点をもっている。この電池パック30の出力電圧は、例えば、14.4Vである。
次に図3を用いて、本発明の実施例に係る電動工具の機能ブロック図を説明する。インバータ回路13はインバータ回路部3に搭載され、3相ブリッジ形式に接続された6個のスイッチング素子Q1〜Q6により主に構成される。スイッチング素子Q1〜Q6として、本実施例では絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)を用いるが、電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラトランジスタでも良い。ブリッジ接続された6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートは、制御部31に含まれる制御信号出力回路33に接続される。スイッチング素子Q1〜Q6のコレクタまたはエミッタは、スター結線された固定子巻線2d(巻線:U、V、W)に接続される。これによって、6個のスイッチング素子Q1〜Q6は、制御信号出力回路33から入力されたスイッチング素子のPWM駆動信号H1〜H6によってスイッチング動作を行い、インバータ回路13に印加される電池パック30の直流電圧を、3相(U相、V相、W相)の駆動電圧Vu、Vv、Vwに変換して、固定子巻線2d(3相巻線U、V、W)へ3相交流電力を供給する。
図3において、制御部31は、制御回路部4(図1参照)に搭載される各種回路により構成される。演算部32は、モータ2の回転制御を含むドライバドリル1の全体の制御を行う。演算部32は、図示していないが、処理プログラムとデータに基づいて駆動信号を出力するためのCPU、後述するような制御フローを実行する処理プログラムや制御データを記憶するためのROM、データを一時記憶するためのRAM、時間をカウントするためのタイマ等を含むマイコンによって構成され、処理プログラムとデータに基づいて各種処理を実行する。回転子位置検出回路34は、ホールIC10〜12の出力信号に基づいて回転子2aの回転位置を検出し、演算部32へ回転子2aの位置情報を出力する。回転数検出回路35は、ホールIC10〜12から一定間隔で出力される信号の時間間隔からモータ2の回転数を検出する。
電源スイッチ回路38は、制御部31内へ電源を供給するためのメインスイッチであり、電源スイッチ回路38をオンにすることにより、電源電圧供給回路39に電池パック30からの電力が供給される。通常、電源電圧供給回路39のスイッチのオン又はオフは、スイッチトリガ7に連動して動作するが、本実施例においては演算部32からの制御信号によってもオン/オフが制御可能である。このため、演算部32から電源スイッチ回路38への制御信号線が接続される。電源電圧供給回路39は、電池パック30から供給される電圧を、制御部31で使用される所定の電圧(例えば5V〜15V)に変換し、演算部32及びその他の電気回路(図示せず)に供給する。
電流検出回路36は、シャント抵抗18を用いてモータ2の駆動電流を検出し、その情報を演算部32に出力する。電圧検出回路37は、電池パック30から供給される電圧値を測定して演算部32に出力する。スイッチ操作検出回路40は、スイッチトリガ7のトリガ操作部7aによるトリガ操作の有無を判別して演算部32に出力する。印加電圧設定回路41は、スイッチトリガ7のトリガ操作部7aによるトリガ押込量に応答してスイッチトリガ7において発生する出力制御信号に対応するPWM信号のPWMデューティーを設定する。尚、図3では図示していないが、モータ2の回転方向設定回路を設けて、正逆切替レバー9(図1参照)による正方向回転または逆方向回転の操作を検出して演算部32に出力する。
演算部32は、電流検出回路36、電圧検出回路37、スイッチ操作検出回路40、および印加電圧設定回路41の各出力情報に基づいて、制御信号出力回路33への出力駆動信号を作成し、スイッチング素子Q1〜Q6のPWM駆動信号のPWMデューティーを制御することによって、モータ2への印加電圧Vu、Vv、Vwを制御する。また、図示しない回転方向設定回路と回転子位置検出回路34の情報を基に、所定のスイッチング素子Q1〜Q6を所定の順序にスイッチングすることによって固定子巻線U、V、Wに印加電圧Vu、Vv、Vwを所定の順序に供給するように制御し、これによって、正逆切替レバー9によって設定された回転方向にモータ2を回転させるよう制御する。
演算部32は、6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートを駆動するスイッチング駆動信号(3相信号)のうち、3個の負電源側のスイッチング素子Q4、Q5、Q6をPWM駆動信号H4、H5、H6として供給し、スイッチトリガ7(図1参照)のトリガ操作部7aのトリガ押込量に応答する印加電圧設定回路41の出力信号に基づいて、PWM駆動信号のパルス幅のデューティー比を変化させることによりモータ2への電力を調整し、モータ2の起動および回転速度を制御する。なお、PWM駆動信号は、3個の負電源側のスイッチング素子Q4、Q5、Q6に供給する代わりに、正電源側のスイッチング素子Q1、Q2、Q3の駆動信号H1〜H3をPWM駆動信号として形成しても、結果的に、電池パック30の直流電圧から各固定子巻線U、V、Wへ供給する印加電圧を制御することができる。
また、演算部32は、スイッチング素子Q1〜Q6のうち、3個の負電源側のスイッチング素子Q4、Q5、Q6をオンし、3個の正電源側のスイッチング素子Q1、Q2、Q3をオフし、固定子巻線を短絡することによりブレーキ時の電流が流れる経路を形成し、モータ回転時の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して、短絡制動によるブレーキ動作を行う。
以上の構成により、制御部31は、制御信号出力回路33からインバータ回路13へPWM駆動信号H1〜H6を出力し、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを交互に制御することにより、3相交流電圧がモータ2の固定子巻線U、V、Wへ出力されるように制御する。また、PWM駆動信号H1〜H6のPWMデューティーを調整することによりモータ2のモータ電流およびモータ回転数(回転速度)を制御する。
次に図4を用いて、モータの回転数N(min−1)とモータの出力トルクT(Nm)の回転との関係を説明する。上側の直線が電池パック30が満充電状態時のモータ2の回転数と出力トルクTの関係を示す。例えば、締め付け目標トルクがTで締め付けをしようとすると、満充電状態時の電池パック30を用いた場合は、地点a1において均等し、回転数Nで回転することになる。一方、下側の直線が電池パック30の残量が少ない状態時のモータ2の回転数と出力トルクTの関係を示すものである。残量が少ない状態においては、締め付け目標トルクがTで締め付けをしようとすると、規定のトルク値Tに達する前に、a2においてモータ2の回転数が0、つまり、モータ2がロックしてしまうことになる。つまり、低電圧時にモータはロックしやすく、ロックによる過電流が発生しやすい。また、低電圧の電池パック30は出力不足に陥りやすく実際の作業には実質上使用できない上に、制御部31の回路が電圧低下により故障が発生しやすくなる。さらに、電池パック30も過放電状態になりやすく、電池寿命が悪化する。そこで、本実施例においてはモータ2を回転させるまえに、電池パック30の電圧を測定し、図4に示すような関係直線を用いて目標トルクTで締め付けが可能かを判定し、締め付け不能であると判定される場合は、モータ2を起動させないようにした。
次に、本実施例に基づく電動工具の制御を図5〜7を用いて説明する。図5は、停止中のモータを起動し、運転中の電圧低下によってモータが停止したときの電圧・電流と時間の関係を示すグラフである。上側のグラフは電圧検出回路37(図3)で検出された電圧(縦軸:単位ボルト)と時間(横軸:単位秒)の関係を示し、下側のグラフは電流検出回路36(図3参照)で検出された電流(縦軸:単位アンペア)と時間(横軸:単位秒)の関係を示し、両方のグラフの横軸は同じスケールとなるように連動させて記載している。
本実施例におけるモータ制御においては、電圧値の所定の閾値として、停止中のモータ2の起動を許可する起動許容電圧閾値たる運転不能電圧V(L:Low)と、運転中のモータ2の運転継続を中止させる閾値電圧たる停止電圧V(S:Stop)を設定する。同様に、運転中のモータ2の運転継続を中止させる電流たる電流閾値I(S:Stop)を設定する。そして、モータ2の起動時においては、電池パック30の電圧が運転不能電圧V以上ならばモータ2の起動を許可し、運転不能電圧V以下の場合はモータ2の起動を許可しない。これは、運転不能電圧V以下の場合にモータ2を起動してしまうと、図4のa2に示したようにモータロックを招く恐れがあるからである。また、上述したように、低電圧の電池パック30は出力不足に陥りやすく実際の作業には実質上使用できない上に、制御部31の回路が電圧低下により故障が発生しやすくなるため、このような場合には電動工具の使用を禁止するようにしている。
図5においては、曲線の地点b1においては、モータ2は停止しているが、電池パック30の電圧は運転不能電圧V以上である。従って、地点b2においてトリガ操作部7aがオンにされると、モータ2の回転が開始される。モータ2の回転が開始すると、回転数の上昇と共にモータ2に流れる電流が増加し、電圧降下後の出力電圧を示す式(V−IR)で示すように、電流Iが増加するために、電池パック30の出力電圧が低下し、地点b3で示すように徐々に低下していく。この際、電池パック30の電圧が停止電圧V以下になったことが検出されると(地点b4)、演算部32はモータ2への駆動電力の供給をストップする。この結果、地点b5のように電池パック30の電圧が上昇するが、運転中に電池パック30の電圧が停止電圧V以下になった場合は、モータ2を停止しても運転不能電圧Vを超えることは少なく、地点b5で示すように、モータ2の運転が不能な状態のままのことが多い。
図5の例では、下側のグラフに示すようにインバータ回路13に流れる電流は、地点b6でも電流閾値Iを超えていないので、電流値に基づくモータ2の運転継続中止制御は行われない。しかしながら、上述したように地点b6の時に電池パック30の電圧が停止電圧V以下になったことが検出されたので、モータ2が停止され、その後、電流値も減少して0になる。
次に、図6を用いて、電池パック30の電圧が停止電圧V以下になる前に、電池パック30の電流が電流閾値I以上になったためにモータ2が停止される状況を説明する。地点c1〜c3までの状況は、図5の地点b1〜b3までの状況と同じである。しかしながら、地点c4において、電池パック30の電圧が停止電圧V以下になっていないが、対応する地点c6において電流閾値I以上になったためにモータ2が停止される。モータが停止されると、電流値は減少して0になる。
次に、図7のフローチャートを用いて、本実施例に基づくモータ2の異常電圧・異常電流検出手順を説明する。まず、ステップ71において、スイッチトリガ7がオンになると、電源スイッチ回路38にその旨の信号が送られて、電源スイッチ回路38は電池パック30からの電圧を電源電圧供給回路39に供給を開始する。電源電圧供給回路39は、電池パック30の電圧から、制御部31内の各素子に必要な電源電圧(例えば直流5V〜15V。演算部32には5Vを供給し、制御信号出力回路には15Vを供給)を生成し、演算部32やその他の素子に供給を開始する。この電源電圧の供給によって、演算部32を含む制御部31の電源が入ることになる。
次に、演算部32は電圧検出回路37の出力を受けて、電池パック30の電圧値を検出する(ステップ72)。この電圧は、モータ2の回転が開始される前の電圧であり、モータ2の停止電圧である。次に演算部32は、検出されたモータ2が停止している際の電池パック30の電圧が所定電圧(図5、6で説明した運転不能電圧V)以下であるか否かを判別する(ステップ73)。所定電圧以下である場合は、ステップ71に戻るが、この意味は、電池パック30を交換する等の何らかの理由で電池パック30の電圧が復帰しない限りモータ2が再起動されないことを意味する。
ステップ73において所定電圧以上である場合は、モータ2の駆動を行う(ステップ74)。モータ2が停止している場合はモータ2の起動を行うことになるが、起動制御や、モータ2の回転制御は、公知のPWM制御で行うことができるので、詳細な説明は省略する。
次にモータ2が回転をすると、演算部32は電圧検出回路37の出力をもとに電池パック30の電圧(あるいはインバータ回路13に印加される電圧)を検出する(ステップ75)。次に、演算部32は、検出された電圧が所定の電圧(図5、6で説明した停止電圧V)以下であるか否かを判別する(ステップ76)。停止電圧V以下である場合は、演算部32は、制御信号出力回路33に制御信号を送り、モータ2に供給される駆動電力を0にするように制御し、モータ2を停止させる(ステップ81)。モータ2が停止されたらスイッチトリガ7がオフにされたから否かを判定し、オフになったらステップ71に戻り、オフにならなかったらステップ82を繰り返すことにより待機する。(ステップ82)このようにモータの停止後は、スイッチトリガ7をオフしない限り次のトリガ操作を受け付けないように構成した。
このように待機状態を設けたのは、モータの停止により一時的に電池の電圧が回復し、モータを起動してしたあとに電池パック30の電圧が低下して、再びモータを停止させるという不安定な動作を防止するためである。尚、ステップ71に戻ると、再びスイッチトリガ7の動作を受け付ける。尚、ステップ71に戻る前に、モータの起動を再度試みるリトライ動作を許容するように構成しても良い。これにより、スイッチトリガ7を戻さずとも作業を続行させることができる。ただし、上記した不安定な動作を防止するために、リトライ回数を所定回数に制限することが望ましい。
ステップ76において停止電圧V以上である場合は、演算部32は電流検出回路36の出力をもとに電池パック30から出力される電流(あるいはインバータ回路13に流れる電流)を検出する(ステップ77)。電流が電流閾値I以上になった場合には、過電流状態でありスイッチング素子が破壊される恐れがあるのでステップ81に進み、演算部32はモータ2を停止させる(ステップ78)。次に、ステップ79でスイッチトリガがオフになるまでステップ74から79まで繰り返す。ステップ79において、演算部32はスイッチ操作検出回路40の出力によりスイッチトリガ7がオフになったことを検出したらモータ2を停止させ、ステップ71に戻る(ステップ80)。尚、ステップ80におけるモータ2の停止は、ステップ81におけるモータ2の保護のための停止とは異なり、作業完了による正常終了である。
以上、本実施例によれば、モータ2の運転を開始する前に電圧検出を行い、電圧が低電圧状態(起動許容電圧閾値以下)の場合は、モータのロックを予め予防するためにモータの起動を行わない。従って、モータのロックに伴う過電流状態の発生を効果的に防止することができる。また、低電圧状態による制御部31内の回路のリセットを効果的に回避することができる。さらに、モータ運転中は電流値と電圧値を検出し、過電流もしくは低電圧の場合はモータを停止するので、モータ及び回路基板の焼損を防止することができる。例えば、電源電圧の低下によりインバータ回路のスイッチング素子のゲート電圧が低下することに起因してスイッチング素子が破損することを防止できる。さらに、モータの停止後の動作は、トリガオンの場合はモータの停止状態を保持するので、モータの保護をより確実に行うことができる。
次に、図8を用いて第2の実施例に基づく電動工具の制御について説明する。図8においては、検出された電池パック30の電圧に基づく基準値として、3つの閾値Vth1〜Vth3を設け、この閾値に応じて制御信号出力回路33によるPWMデューティーを変化させたり、モータ2の停止をするものである。運転不能電圧V及び電流閾値Iを用いて制御を行う点は、図5及び図6で説明した第1の実施例と同じである。
図8においては、曲線の地点d1においては、モータ2は停止しているが、電池パック30の電圧は運転不能電圧V以上であるため、地点d2においてトリガ操作部7aがオンにされると、モータ2の回転が開始される。モータ2が回転して、地点d3で示すように電圧が徐々に低下していく。この際、電池パック30の電圧が閾値電圧Vth2以下になったことが検出されると(地点d4)、演算部32はモータ2への駆動電力の出力を下げるべき、デューティー比を100%から所定の量だけ徐々に低くする(図8の一番下のグラフの地点d8)。デューティー比を下げると、電流値が下がるため、電圧降下量が減って、電池パック30の電圧は復帰する。その後、地点d5のように、何らかの理由で電圧がVth3以上に戻ったら、演算部32は、図8の下側グラフの地点d9で示すように再びデューティー比を元の値(100%)に戻すように制御する。電圧低下時(デューティー比低減時)には作業性をできるだけ維持するために、デューティー比をゆっくりと下げるようにすると良い。また、電圧回復時(デューティー比をあげるとき)は作業状態を早急に回復させるために、デューティー比を急激に増加させると好ましい。
次に、図9のフローチャートを用いて、本実施例の基づくモータ2の異常電圧・異常電流検出手順を説明する。本フローチャートにおいて、ステップ91から95までは、図7のステップ71から75までの制御をそれぞれ同一であり、モータ2の停止時の電圧を検出すること(ステップ92)、回転中の電圧を検出すること(ステップ95)は同様である。尚、第2の実施例ではステップ93において、検出されたモータ2の停止電圧が所定電圧(運転不能電圧V)以下であるか否かを判別し、所定電圧以下である場合は、スイッチトリガ7がオフにされたから否かを判定し、オフになったらステップ108に進み、オフにならなかったらステップ107を繰り返すことにより待機する(ステップ107)。これは、スイッチトリガ7の操作中に制御部31の電源をオフにしないようにするためである。
ステップ108では制御部31の電源をオフにして処理を終了する。第2の実施例においても、第1の実施例と同様に、ステップ93において所定電圧(運転不能電圧V)以下である場合にはステップ91に戻るように構成しても良い。しかし、第2の実施例ではステップ108において、演算部32が電源スイッチ回路38をオフにすることにより、電池パック30の電源が電源電圧供給回路39に供給されないようにして制御部31の電源を切るように構成した。
次に、ステップ95において、回転中の電圧を検出したあとに、PWMデューティーを低減させる閾値電圧Vth2以下か否かを判定し、低下していたらPWMデューティーを所定量だけ低減させる(ステップ97)。ステップ96において、閾値電圧Vth2以下でない場合は、電圧値が、PWMデューティーを復活させる閾値電圧Vth3以上に復活しているかを判定し(ステップ98)、復活している場合は、PWMデューティーの低減を解除してからステップ100に進む(ステップ99)。ステップ98において復活していない場合は、PWMデューティーを低減したままでステップ100に進む。
次に、検出された電圧が停止電圧Vth1以下である場合は、演算部32はモータ2を停止させる(ステップ105)。モータ2が停止されたらスイッチトリガ7がオフにされたから否かを判定し、オンになったらステップ91に戻り、オフにならなかったらステップ82を繰り返すことにより待機する(ステップ106)。
ステップ100において、電圧値が、モータ2の回転を停止させるための停止電圧Vth1以上である場合は、演算部32は電流検出回路36の出力をもとに電池パック30の放電電流を検出する(ステップ101)。電流が電流閾値I以上になった場合には、過電流状態であるのでステップ105に進み、演算部32はモータ2を停止させる(ステップ102)。
次に、ステップ103でスイッチトリガがオフになるまでステップ94から102まで繰り返す。ステップ103において、演算部32がスイッチトリガ7がオフになったことを検出したらモータ2を停止させ、ステップ91に戻る(ステップ104)。
以上説明した第2の実施例によれば、第一の実施例に加えて、モータ運転中に低電圧状態を検出するとPWMデューティーを低減させように制限したので、モータの停止する可能性を極力低減させることができる。しかも、モータ運転中は電流と電圧を検出し、過電流もしくは低電圧の場合は確実にモータを停止させるので、過電流時にモータを停止することにより、モータ及び回路基板の焼損をも防止することができる。さらに、低電圧時にモータを停止することにより、回路リセットおよびロック状態に至ることを防止できる。
以上、本発明を示す実施例に基づき説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例においては、過電流状態を示す電流閾値Iを用いて制御したが、これに加えて過電圧状態を示す電圧閾値を設けて、何らかの理由で高電圧になった場合にモータの起動を制限したり、又は回転中のモータを停止させるように構成しても良い。
また上述の実施例においては、電圧検出箇所として電池パック30からインバータ回路13に接続される箇所から電池電圧検出回路37を用いて電池電圧を検出するようにしているが、例えば、制御部31に電源を供給する電源電圧供給回路39の出力電圧を検出するようにしてもよい。
1 ドライバドリル 2 ブラシレス直流モータ
2a 回転子(ロータ) 2b 永久磁石
2c 固定子(ステータヨーク) 2d 固定子巻線
2e 回転軸 2f 絶縁層
2h ティース部 3 インバータ回路部
3a 半導体スイッチング素子 4 制御回路部
トルク調整)ダイヤル 6 ハウジング
6a 胴体ハウジング部 6b ハンドルハウジング部
7 スイッチトリガ 7a トリガ操作部
8 スピンドル 9 正逆切替レバー
10、11、12 回転位置検出素子(ホールIC)
13 インバータ回路 18 ャント抵抗
21 吸気口 22 防塵カバー
23 空気流通路 24 冷却用ファン 25 動力伝達部
26 減速機構部 27 クラッチ機構部
28 チャック(先端工具取付部) 30 電池パック(リチウムイオン二次電池)
31 制御部 32 演算部 33 制御信号出力回路
34 回転子位置検出回路 35 回転数検出回路
36 電流検出回路 37 電圧検出回路 38 電源スイッチ回路
39 電源電圧供給回路 40 スイッチ操作検出回路
41 印加電圧設定回路 42 速度モード切替スイッチ
H1〜H6 PWM駆動信号
Q1〜Q6 スイッチング素子
U、V、W 3相固定子巻線

Claims (7)

  1. モータと、
    電源からの電力を前記モータに供給する駆動回路と、
    前記モータに流れる電流値を検出する電流検出回路と、
    前記電源の電圧を検出する電圧検出回路と、
    前記モータに流れる電流が第一電流閾値を上回ったときには、前記モータを停止させる制御部と、
    前記制御部へ電力を供給する電源回路と、を備え
    前記制御部は、前記電圧が前記起動許容電圧閾値を下回ったときは、前記電源回路から前記制御部に供給される電力を遮断することを特徴とする電動工具。
  2. 前記電動工具は、前記モータを回転させる起動信号を発生させるスイッチトリガを備え、
    前記制御部は、前記スイッチトリガが引かれた際であってモータが回転する前に前記電源の電圧を測定することを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記駆動回路は、半導体スイッチング素子を含むインバータ回路であり、制御部から前記インバータ回路に供給されるゲート電圧を遮断することにより前記モータを停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具。
  4. 前記制御部は、前記モータの回転中の前記駆動回路へ供給される電圧を測定し、
    測定された電圧が、第一閾値電圧以下の場合は、前記モータの回転を停止させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の電動工具。
  5. 前記制御部は、前記モータの回転中に測定された電圧が第一電圧閾値以上であって、第二電圧閾値(但し、第一電圧閾値<第二電圧閾値)を下回ったときには前記モータへの電力供給を制限することを特徴とする請求項に記載の電動工具。
  6. 前記モータは、PWM制御により回転制御されるブラシレスモータであり、
    前記制御部は、前記モータの回転中に測定された電圧が第一電圧閾値以上であって、第二電圧閾値(但し、第一電圧閾値<第二電圧閾値)を下回ったときには、前記モータのPWMデューティーを低減させることを特徴とする請求項に記載の電動工具。
  7. 前記制御部は、前記モータへ供給される電圧が第三電圧閾値(但し、第二電圧閾値<第三電圧閾値)まで復帰した場合は、前記PWMデューティーを増加させることを特徴とする請求項に記載の電動工具。
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