JP5415228B2 - 建設機械 - Google Patents
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Description
このエアコンの外気導入部に設けたフィルター装着部にフィルターが交換可能に装着されている。外気導入部から導入される外気の吸入量はエアコンの性能に影響するため、ある程度の開口量が必要である。一方で、外気に接するフィルターは洗車等の際に、水が直接かかると性能が悪化するため、外部からの水がかからないように設定する必要がある。
そのため、従来の油圧ショベル等の建設機械では、開口量が大きくとれると共に洗車時等に水が直接フィルターにかからないようにするため、エアコンの外気導入部は運転室の後方に設けられていた。しかも、従来の建設機械では、外気導入部は運転室や上部旋回体等の機体の外壁カバー内に位置するため、フィルター交換作業が繁雑でありメンテナンス性が良くなかった。
しかも、運転室の外側板は、運転室の左側に設けた外気導入路の外気フィルターに対して水平方向に延長して長く形成されていて、外側板に設けた外気導入用の貫通孔は外気フィルターに対して横方向にずれた位置に設けられている。そして、貫通孔を仕切る遮断部によって、貫通孔と外気フィルターを直接結ぶ外気の直線的な経路を遮断できるようにしている。これにより、貫通孔から外気フィルターへ直接達する雨水や塵芥等の侵入が低減されて空調装置の故障の低減を図ることができるとしている。
本発明による建設機械によれば、カバーの外気導入用孔部を通して流入する外気が防水部材を迂回してフィルターに導入され外気中の塵芥等を除去することができ、また建設機械の洗車時や風雨にさらされた時等に、カバーの外気導入用孔部を通して流入する水は防水部材によって遮断されてフィルターに直接かかるのを防止できる。これによって、フィルターに洗車時や風雨の水が直接かかるのを防止できて性能の劣化を防止できる。しかも、フィルターはカバーの外気導入用孔部に対向して設けられているから、カバーの外気導入用孔部をフィルターに対してずらせて設ける必要はなく、カバーが小型になり省スペース化を図ることができる。
フィルターの交換等のメンテナンス時に、カバーを開放すれば防水部材も一体に開放されるから防水部材がフィルター交換の邪魔にならない。しかも、防水板をカバーに取り付けて一体化することでカバーの剛性を向上させることができる。
運転室の側面に隣接して設けた作業機とは反対側の側面にカバーを設けることで、メンテナンス等のためにカバーを開閉操作する際、作業機が邪魔になることはない。
しかも、フィルターは防水部材を介してカバーの外気導入用孔部に対向して設けられているから、カバーの外気導入用孔部をフィルターに対してずらして設置する必要がなく、カバーが小型になり省スペース化を実現できる。
図1乃至図3は第一実施形態による油圧ショベルを示すものである。
本実施形態による油圧ショベル1は、図1に示すように下部走行体2の上部に上部旋回体3が旋回可能に設けられている。上部旋回体3の旋回フレーム4には、例えば前方左側に運転室5が設けられ、運転室5の右側にはアームやバケット等を備えた作業機6が上下動可能に設けられている。
運転室5内には、図示しない運転席と運転装置が設けられていると共に運転室5内の室内環境を整えるためのエアコンの空調装置8が設けられている(図2参照)。図2及び図3において、運転室5は例えば略直方体形状の壁面で囲われていて、前側に前側窓部9が設けられ、作業機6を設けた右側面側とは反対側の左側面10にドア11が取り付けられている。左側面10におけるドア11の後側上部には側部窓部12が設けられ、その下側には空調装置8に連通する外気導入部13が設けられている。
図4は図2に示す運転室5における外気導入部13のA−A線断面図であり、カバー15の内側には運転室5の左側面10に接続されるサイドパネル16が内壁として設けられている。サイドパネル16とカバー15とで形成する空間は内空部17とされる。内空部17におけるサイドパネル16の中央部にはダクト19につながる内部導入口18が設けられている。内部導入口18に設けた例えば略四角形筒状のフィルター装着部18aには、外気から塵芥を除去するためのフィルター20が着脱可能に装着されている。内部導入口18に設けたフィルター20を介して内空部17と連通するダクト19は運転室5内部の空調装置8に接続されている。
各段付き板部24は、図4に示す断面視で内壁22に接近した位置と離間した位置にそれぞれ内壁22に略平行に設けた内板部24a及び外板部24bと両板部24a、24bを連結する傾斜面部24cとで略階段状または傾斜面状に折り曲げて形成され、隣接する段付き板部24、24間の内板部24aと外板部24bとの間の段差部に外気の流入量を確保するためのスリット25が外気導入用孔部として形成されている。
この構成により、スリット25を通して導入される外気は段付き板部24にガイドされて内壁22に対して斜め方向に流入することになる。これら複数のスリット25を設けた領域はフィルター20を設けた領域に対向すると共にフィルター20の領域よりも広い範囲に広がっている。
そして、内壁22には防水板27と枠部28との間に例えば複数に分割された貫通孔29が形成されていて、カバー15の各スリット25を通過した外気を、貫通孔29を通してフィルター20に流入させることになる。
内壁22に防水板27を設けたことで、カバー15のスリット25を通過した外気や水が直接フィルター20にかからないように遮蔽することができ、外気は防水板27を迂回して貫通孔29を通って内空部17に到達する。
油圧ショベル1において、空調装置8のフィルター20を交換する場合には、運転室5の左側面10に閉塞状態のカバー15のロックを解除してヒンジ23回りにカバー15を開いた状態で、フィルター20をダクト19につながる内部導入口18のフィルター装着部18aから取り外して新しいフィルター20に交換して装着すればよい。
カバー15を開く際に防水板27は内壁22の一部としてカバー15に固定されていてカバーと一体に開くため、フィルター交換の邪魔になることはない。また、カバー15は運転室5の作業機6を設けた右側面とは反対側の左側面10に設けたから、作業機6がカバー15の開閉作動の邪魔になることはなく、メンテナンス作業が容易である。
また、エアコンを作動する場合には、空調装置8の図示しないファンの駆動により、外気がカバー15のスリット25を通して内部に吸引される。そして、吸引された外気の多くは内壁22に設けた防水板27を迂回してその周囲に設けられた貫通孔29を通して内空部17に流入し、フィルター20を通して内部導入口18からダクト19内に給送される。
スリット25の一部は防水板27を外れて貫通孔29に対向する位置にあるため、この部分のスリット25を通過した水は内空部17に直接進入するが、少なくともフィルター20とその周囲の領域には防水板27が設けられているため、フィルター20の周囲のサイドパネル16にあたって落下することになる。そのため、防水板27を外れた領域でスリット25を通して内空部17に進入する水がフィルター20に直接衝突することはない。
また、油圧ショベル1が台風や大雨等の風雨にさらされた場合でも、洗車の場合と同様に、スリット25を通して進入する水が防水板27で遮断され、フィルター20に直接かかるおそれはない。
しかも、防水板27は内壁22の一部または全体としてカバー15に固定されているから、フィルター20交換等のメンテナンス時にカバー15を開くと防水板27が一体に開くため、フィルター20の交換の邪魔になることはない。また、カバー15の裏面に設けた防水板27は枠部28と共にカバー15全体に広げた内壁22を構成するから、カバー15の剛性を向上できる。
また、カバー15の裏面に防水板27を設けたことで、上述した従来技術のようにスリット25の位置とフィルター20の位置とをずらして設置する必要がなく対向して配設できるから、カバー15と内空部17を小型に形成できて省スペースを実現できる。
図8に示す第二実施形態による油圧ショベル1の外気導入部31では、カバー15の内壁22に設けた防水板32において第一実施形態による防水板27と相違する。本実施形態による防水板32には所定間隔で複数の内側スリット33が内側孔部として形成され、内側スリット33、33間に位置する防水板部34は折り曲げ形状とされている。
各防水板部34は、例えばカバー15の一のスリット25に近接する一方の端部34aはスリット25に近づく方向に屈曲または湾曲させられてスリット25側に進出し、他方の端部34bは隣接する他のスリット25から離間する方向に屈曲または湾曲して形成されている。これにより図8に示す各防水板部34は平板状の連結部34cを介してそれぞれ屈曲または湾曲する両側の端部34a、34bが互いに接続された形状とされている。
なお、図8において、両端の防水板部34、34は一方の端部34aと他方の端部34bのいずれかが省略されて形成されている。
そのため、洗車時や風雨等によって水がカバー15のスリット25から直線的に進入しても防水板32の二つの防水板部34、34における一方の端部34aまたは他方の端部34bに衝突してはね返り、直接フィルター20に到達しない。防水板32における防水板部34、34間に内側スリット33が形成されていても、水が直接フィルター20にかかることを阻止できる。
また、防水板27,32を構成する防水部材は必ずしもカバー15と一体に固定されていなくてもよく、例えばカバー15とは別個に開閉または着脱できるように設けてもよい。
なお、上述の各実施形態ではカバー15に外気導入用孔部としてスリット25を設けたが、スリット25である必要はなく、外気を導入するための適宜形状の外気導入用孔部を採用できる。同様に、第二実施形態において、防水板32に内側スリット33を設けたが、これもスリット形状である必要はなく外気を導入するための適宜形状の内側孔部を採用できる。
また、本発明は油圧ショベル1に限定されることなく、各種の建設機械に適用できることはいうまでもない。
5 運転室
8 空調装置
13、31 外気導入部
15 カバー
20 フィルター
22 内壁
24 段付き板部
25 スリット
27、32 防水板
34 防水板部
33 内側スリット
Claims (3)
- 運転室を備えた建設機械において、
外気を運転室内の空調装置に取り込む外気導入部を備えており、
外気導入部は、空調装置へ導入される外気から塵芥を除去するフィルターと、フィルターの外側に対向して設けられていて外気を導入する外気導入用孔部を設けた開閉可能なカバーと、カバーとフィルターとの間に対向して設けられた防水部材とを備え、
防水部材にはフィルターに対向する領域を外れた位置に外気を導入するための貫通孔が設けられており、外気導入用孔部を通して内部に導入される外気の直線的流路に防水部材が設けられて遮断するようにしたことを特徴とする建設機械。 - 防水部材はカバーに取り付けられた防水板である請求項1に記載された建設機械。
- カバーは運転室に隣接して設けた作業機とは反対側の側面に設けられている請求項1または2に記載された建設機械。
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