JP5409538B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射弁から噴射された燃料が気筒に供給される内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
従来、この種の内燃機関の燃料噴射制御装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この内燃機関は、4サイクルタイプのものであり、複数の気筒と、気筒ごとに設けられた、吸気ポート噴射式の燃料噴射弁を有している。また、燃料噴射制御装置では、内燃機関の始動時、燃料噴射弁からの初回の燃料の噴射が、次のように制御される。すなわち、イグニッションスイッチがONされた後、各気筒の行程の判定が終了したときに、内燃機関を早期に始動するために、その時点で吸気行程にある気筒(以下「即時噴射気筒」という)に設けられた燃料噴射弁から、即時に、燃料が噴射される(以下、この燃料の噴射を「即時噴射」という)。また、それ以外の気筒に設けられた燃料噴射弁では、燃料が排気行程において噴射される。
さらに、上記の即時噴射の噴射量が算出され、即時噴射の開始タイミングが、吸気行程における所定のタイミングに設定されるとともに、即時噴射の終了タイミングが、算出された噴射量と設定された開始タイミングとに応じて算出される。そして、算出された即時噴射の終了タイミングが、所定のリタード限界を超えるときには、即時噴射が禁止される。これは次の理由による。すなわち、リタード限界を超えたタイミングで即時噴射が行われると、噴射された燃料が即時噴射気筒にすべて流入せず、それにより、即時噴射気筒内の混合気がリーンになることで失火が発生するので、これを防止するためである。
特許第3856091号公報
しかし、上述した従来の燃料噴射制御装置では、前述したように即時噴射の終了タイミングがリタード限界を超えるときに、即時噴射が禁止されるとともに、リタード限界は、所定の固定値に設定される。このため、即時噴射の噴射量の大小にかかわらず、その終了タイミングがリタード限界を超えれば常に、即時噴射が禁止される。したがって、従来の燃料噴射制御装置では、即時噴射が不必要に禁止される場合があり、その場合には、内燃機関の早期始動を適切に行うことができなくなってしまう。
また、即時噴射の開始タイミングが適正なタイミングよりも遅くなり、即時噴射による燃料の噴射期間が全体的にリタードした場合には、即時噴射によって噴射される燃料の気化特性が変化し、それにより、失火が発生するおそれがある。これに対し、従来の燃料噴射制御装置では、リタード限界を固定値に設定するにすぎないので、このような失火を防止することは困難である。
それに加え、従来の燃料噴射制御装置では、即時噴射が、吸気行程において行われるとともに、即時噴射気筒の次に燃料が供給される気筒(以下「2番供給気筒」という)に対する燃料の噴射が、排気行程において行われる。これにより、即時噴射気筒および2番供給気筒に対して同時に、燃料が噴射される場合があり、その場合には、両気筒に設けられた燃料噴射弁に供給される燃料の圧力が、単一の気筒に燃料を噴射する場合よりも低くなる。その結果、即時噴射される燃料の霧化の度合が低くなり、このことによっても、噴射された燃料は、十分に気化せずに、即時噴射気筒に流入してしまう。また、上記のように燃料の圧力が低下することによって、即時噴射される燃料の量が少なくなり、即時噴射気筒に実際に供給される燃料の量が減少してしまう。
以上のように、従来の燃料噴射制御装置では、即時噴射気筒に実際に供給される燃料の量が減少することと、燃料が気化特性の低い状態で即時噴射気筒に供給されることによって、即時噴射気筒に実際に気化した状態で供給される気化燃料の量が減少し、その結果、供給された気化燃料が燃焼せずに失火するおそれがある。その場合には、内燃機関の早期始動を適切に行うことができないとともに、気化燃料がそのまま排ガスとして排出される結果、排ガス特性が悪化してしまう。また、燃料が十分に気化せずに即時噴射気筒に供給されるので、それにより即時噴射気筒内の混合気が十分に均質化されず、その結果、未燃成分であるHCが増加し、このことによっても、排ガス特性が悪化するおそれがある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、即時噴射を適切に実行することができ、それにより、内燃機関の始動時に良好な排ガス特性を得ることができるとともに、内燃機関の早期始動を適切に行うことができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、燃料噴射弁8から噴射された燃料が気筒3aに供給される内燃機関の燃料噴射制御装置1であって、燃料噴射弁8から燃料を噴射させるのに必要な所定条件が成立しているか否かを判定する所定条件判定手段(実施形態における(以下、本項において同じ)ECU2、図3のステップ2、図6のステップ21、図8のステップ21)と、内燃機関3のクランキングの開始以降、所定条件が成立したと判定されたときに即時に、燃料を供給すべき所定の気筒3aに対して、燃料噴射弁8から燃料を噴射させる即時噴射を実行する即時噴射実行手段(ECU2、図3のステップ10、図6のステップ10、図8のステップ10)と、即時噴射による燃料の噴射期間である即時噴射期間(即時噴射時間RTTOUT)を設定する即時噴射期間設定手段(ECU2、図3のステップ4、図6のステップ4、図8のステップ4)と、設定された即時噴射期間における、所定の気筒3aに実際に気化した状態で供給される気化燃料の量が減少するような燃料の気化の度合が低い状態となる期間の割合であるリーン化影響割合JETGAPRATIOを推定するリーン化影響割合推定手段(ECU2、図3のステップ7、図6のステップ24、図8のステップ33)と、内燃機関3の温度を検出する機関温度検出手段(水温センサ22)と、検出された内燃機関の温度(エンジン水温TW)に基づいてしきい値ALWSSHIFTを設定するしきい値設定手段(ECU2、図3のステップ8、図6のステップ8、図8のステップ8)と、推定されたリーン化影響割合JETGAPRATIOが設定されたしきい値ALWSSHIFTよりも大きいときに、即時噴射を禁止する即時噴射禁止手段(ECU2、図3のステップ9,11、図6のステップ9,11、図8のステップ9,11)と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、燃料噴射弁から燃料を噴射させるために必要な所定条件が成立しているか否かが、所定条件判定手段によって判定される。また、内燃機関のクランキングの開始以降、所定条件が成立したと判定されたときに即時に、燃料を供給すべき所定の気筒に対して、燃料噴射弁から燃料を噴射させる即時噴射が、即時噴射実行手段によって実行される。これにより、内燃機関の始動時、即時に、燃料を所定の気筒に供給できるので、内燃機関を早期に始動することができる。
さらに、上記の即時噴射による燃料の噴射期間である即時噴射期間が、即時噴射期間設定手段によって設定されるとともに、設定された即時噴射期間における、所定の気筒に実際に気化した状態で供給される気化燃料の量が減少するような燃料の気化の度合が低い状態となる期間の割合であるリーン化影響割合が、リーン化影響割合推定手段によって推定される。また、しきい値が、検出された内燃機関の温度に基づき、しきい値設定手段によって設定されるとともに、推定されたリーン化影響割合が設定されたしきい値よりも大きいときに、即時噴射が、即時噴射禁止手段によって禁止される。ここで、明細書における「気化燃料がリーン化する」とは、気筒に供給される燃料の量が減少することや、燃料の一部が気化しない状態で気筒に供給されることによって、気筒に実際に気化した状態で供給される気化燃料の量が減少することを表す。
このように、即時噴射期間における、所定の気筒に供給される気化燃料がリーン化する期間の割合が、しきい値よりも大きいときに、即時噴射を禁止するので、即時噴射により噴射された燃料における、気化しない状態で所定の気筒に流入する燃料の割合が比較的大きいときや、所定の気筒に流入しない燃料の割合が比較的大きいときには、即時噴射を禁止し、それ以外のときに、即時噴射を実行することができる。これにより、前述した従来の場合と異なり、所定の気筒において、気化燃料を失火させずに適切に燃焼させることができ、したがって、内燃機関の始動時に良好な排ガス特性を得ることができる。
また、即時噴射を禁止するにあたって、前述した従来の場合と異なり、気化燃料がリーン化する期間をそのまま用いるのではなく、即時噴射期間における気化燃料がリーン化する期間の割合であるリーン化影響割合が用いられる。これにより、即時噴射期間に占める、気化燃料がリーン化する期間の実際の割合に応じて、即時噴射を適切に禁止することができる。さらに、燃料の気化の度合は、内燃機関の温度と密接な相関関係にあるのに対し、上述した構成によれば、即時噴射を禁止するためにリーン化影響割合と比較されるしきい値が、前述した従来のリタード限界と異なり、検出された内燃機関の温度に応じて設定される。これにより、前述した従来の場合と異なり、そのときの内燃機関の実際の温度に応じて即時噴射を適切に禁止することができ、リーン化影響割合を用いることと相まって、内燃機関の早期始動を適切に行うことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関3の燃料噴射制御装置1において、燃料噴射弁8は、内燃機関3の吸気ポート4bを含む吸気通路4に燃料を噴射するように構成されており、所定の気筒3aは、所定条件が成立したときに内燃機関3の吸気弁5が閉弁状態にある気筒3aであり、リーン化影響割合推定手段は、即時噴射期間と即時噴射が実行されるタイミング(即時噴射開始タイミングRTTINJ)とに応じて、即時噴射期間における、所定の気筒3aの吸気弁5が開弁しているときに燃料が噴射される期間の割合を表すパラメータを算出し、リーン化影響割合JETGAPRATIOとして推定する(図3のステップ6、7)ことを特徴とする。
吸気ポートに噴射された燃料は、吸気ポートにおける吸気の流速が高いほど、より気化しやすく、また、吸気ポートにおける吸気の流速は、全閉状態の吸気弁が開き始めたときに高くなり、吸気弁は、通常、排気行程の終了直前から開き始める。このため、吸気弁がすでに開弁している状態において、即時噴射が行われると、噴射された燃料は、十分に気化せずに、即時噴射気筒に流入してしまい、気筒に実際に気化した状態で供給される気化燃料の量が減少する。
上述した構成によれば、燃料噴射弁が、吸気ポートを含む吸気通路に燃料を噴射するように構成されており、即時噴射が、吸気弁が閉弁状態にある所定の気筒に対して実行される。これにより、通常は、即時噴射による燃料は十分に気化した状態で所定の気筒に適切に供給することができる。これに対し、即時噴射がリタードした場合には、即時噴射期間における、所定の気筒の吸気弁が開弁しているときに燃料が噴射される期間の割合を表すパラメータを算出し、リーン化影響割合として推定するので、リーン化影響割合を、即時噴射期間における気化燃料がリーン化する期間の割合を表すように適切に推定することができ、ひいては、即時噴射をより適切に禁止することができる。
さらに、この場合、上記のリーン化影響割合が、即時噴射期間と即時噴射が実行されるタイミングとに応じて推定される。したがって、このリーン化影響割合を、即時噴射による燃料の実際の噴射期間と、即時噴射の実際の実行タイミングとに応じて適切に算出でき、ひいては、即時噴射をさらに適切に禁止することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関3の燃料噴射制御装置において、燃料噴射弁8は、内燃機関3の吸気ポート4bを含む吸気通路4に燃料を噴射するように構成されており、所定の気筒3aは、所定条件が成立したときに内燃機関3の吸気行程以外の行程にある気筒3aであり、リーン化影響割合推定手段は、即時噴射期間と即時噴射が実行されるタイミング(即時噴射開始タイミングRTTINJ)とに応じて、即時噴射期間における、所定の気筒3aの吸気行程において燃料が噴射される期間の割合を表すパラメータを算出し、リーン化影響割合JETGAPRATIOとして推定する(図6のステップ23、24)ことを特徴とする。
即時噴射が吸気行程において行われる場合、吸気行程では、吸気弁が開弁していることから、即時噴射された燃料の大部分は、十分に気化しないうちに、即時噴射気筒に流入してしまう。また、即時噴射された燃料が即時噴射気筒にすべて流入する前に、吸気弁が閉弁し、それにより、即時噴射気筒に実際に供給される燃料の量が減少するおそれがある。
上述した構成によれば、燃料噴射弁が、吸気ポートを含む吸気通路に燃料を噴射するように構成されており、即時噴射が、吸気行程以外の行程にある所定の気筒に対して実行される。これにより、通常は、即時噴射による燃料は十分に気化した状態で所定の気筒に適切に供給することができる。これに対し、即時噴射がリタードした場合には、即時噴射期間における、所定の気筒の吸気行程において燃料が噴射される期間の割合を表すパラメータを算出し、リーン化影響割合として推定するので、リーン化影響割合を、即時噴射期間における気化燃料がリーン化する期間の割合を表すように適切に推定することができ、ひいては、即時噴射をより適切に禁止することができる。
さらに、この場合、上記のリーン化影響割合が、即時噴射期間と即時噴射が実行されるタイミングとに応じて推定される。したがって、このリーン化影響割合を、即時噴射による燃料の実際の噴射期間と、即時噴射の実際の実行タイミングとに応じて適切に算出でき、ひいては、即時噴射をさらに適切に禁止することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関3の燃料噴射制御装置において、気筒3aは複数の気筒(#1〜#4気筒3a)で構成されるとともに、燃料噴射弁8は気筒3aごとに設けられており、複数の気筒のうちの所定の気筒3aの次に燃料が供給される次気筒3aに対する燃料噴射弁8からの燃料の噴射開始タイミングである次気筒噴射開始タイミングNEXTINJを設定する次気筒噴射開始タイミング設定手段(ECU2、図8のステップ31)をさらに備え、リーン化影響割合推定手段は、即時噴射期間と設定された次気筒噴射開始タイミングとに応じて、即時噴射期間における、次気筒に対する燃料の噴射と重なる期間の割合を表すパラメータを算出し、リーン化影響割合JETGAPRATIOとして推定する(図8のステップ32、33)ことを特徴とする。
前述した従来の燃料噴射制御装置の説明から明らかなように、所定の気筒に対して即時噴射により燃料が噴射されているときに、所定の気筒の次に燃料が供給される次気筒に対して燃料が噴射されると、所定の気筒に設けられた燃料噴射弁に供給される燃料の圧力が低下し、それにより、所定の気筒に実際に気化した状態で供給される気化燃料の量が減少する。
これに対して、上述した構成によれば、次気筒に対する燃料噴射弁の燃料の噴射開始タイミングである次気筒噴射開始タイミングが、次気筒噴射開始タイミング設定手段によって設定されるとともに、即時噴射期間と、設定された次気筒噴射開始タイミングとに応じて、即時噴射期間における、次気筒に対する燃料の噴射と重なる期間の割合を表すパラメータが算出され、リーン化影響割合として推定される。これにより、リーン化影響割合を、即時噴射期間における気化燃料がリーン化する期間の割合を表すように適切に推定することができ、ひいては、即時噴射をより適切に禁止することができる。
さらに、この場合、上記のリーン化影響割合が、即時噴射期間と次気筒噴射開始タイミングとに応じて推定される。したがって、リーン化影響割合を、即時噴射による燃料の実際の噴射期間と、次気筒に対する燃料の実際の噴射開始タイミングとに応じて適切に算出でき、ひいては、即時噴射をさらに適切に禁止することができる。
本発明の第1実施形態による燃料噴射制御装置を、これを適用した内燃機関とともに概略的に示す図である。 内燃機関の一部を概略的に示す断面図である。 内燃機関を始動する際に実行される即時噴射を制御するための処理を示すフローチャートである。 図3に示す処理で算出される第1リーン化時間を説明するための図である。 図3に示す処理で用いられるマップの一例である。 第2実施形態による即時噴射を制御するための処理を示すフローチャートである。 図6に示す処理で算出される第2リーン化時間を説明するための図である。 第3実施形態による即時噴射を制御するための処理を示すフローチャートである。 図8に示す処理で算出される第3リーン化時間を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態を詳細に説明する。第1実施形態による燃料噴射制御装置1は、図1および図2に示す内燃機関(以下「エンジン」という)3における燃料噴射を制御するためのものであり、ECU2を備えている。このECU2の詳細については後述する。
上記のエンジン3は、#1〜#4の4つの気筒3a(図2には1つのみ図示)を備える4サイクルタイプのガソリンエンジンであり、車両(図示せず)に搭載されている。エンジン3の各気筒3aには、ピストン3bが設けられており、気筒3a内における、ピストン3bとシリンダヘッド3cの間に、燃焼室3dが形成されている(いずれも1つのみ図示)。なお、図1では、便宜上、#4気筒3aに対応する気筒3aの符号のみが描かれており、他の気筒3aの符号は省略されている。
周知のように、エンジン3では、各気筒3aにおいて、1燃焼サイクルが、吸気行程、圧縮行程、爆発行程および排気行程から成る4つの行程で完結される。本実施形態では、これらの4つの行程は、次のように定義される。
吸気行程:吸気を吸入する吸気動作が行われる行程であって、ピストン3bがTDCからBDCに位置するまでの、クランク軸3eの回転角(以下「クランク角」という)180°の区間で表される。
圧縮行程:吸気動作で吸入された吸気を圧縮する圧縮動作が行われる行程であって、ピストン3bがBDCからTDCに位置するまでの、クランク角180°の区間で表される。
爆発行程:圧縮動作で圧縮された吸気を燃焼させ、膨張させる爆発動作が行われる行程であって、ピストン3bがTDCからBDCに位置するまでの、クランク角180°の区間で表される。
排気行程:爆発動作で生成された既燃ガスを排出する排気動作が行われる行程であって、ピストン3bがBDCからTDCに位置するまでの、クランク角180°の区間で表される。
また、エンジン3の本体には、クランク角センサ21および水温センサ22が設けられている。このクランク角センサ21は、電磁ピックアップ式のものであり、クランク軸3eに同軸状に固定された第1ロータと、第1ロータの付近に設けられた第1ピックアップなどで構成されている。また、クランク角センサ21は、クランク軸3eの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号を発生させるとともに、ECU2に出力する。
このCRK信号は、基本的には、所定の第1クランク角(例えば6゜)ごとに発生し、#1気筒3aにおける圧縮行程の終期および排気行程の終期には、この所定の第1クランク角よりも若干、大きなパルス間隔で発生する。ECU2は、CRK信号に基づいて、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
また、水温センサ22は、サーミスタで構成されており、エンジン3のシリンダブロック内を循環する冷却水の温度であるエンジン水温TWを検出し、その検出信号をECU2に出力する。
さらに、エンジン3は、気筒3aに吸気を導入するための吸気通路4および吸気弁5と、燃焼により生成された既燃ガスを排出するための排気通路6および排気弁7と、燃料を供給するための燃料噴射弁8と、燃焼室3d内の吸気を点火するための点火プラグ9を備えている。これらの吸気弁5、排気弁7、燃料噴射弁8および点火プラグ9は、気筒3aごとに設けられている。
この吸気通路4は、その下流側の吸気マニホルド4aにおいて4つに分岐し、この吸気マニホルド4aを介してシリンダヘッド3cに接続されており、#1〜#4気筒3aに連通している。また、エンジン3には、吸気弁5を駆動するための吸気側動弁機構10が設けられており、この吸気側動弁機構10は、吸気カム(図示せず)を有するカム駆動式のものである。この吸気カムは、クランク軸3eに連結されており、クランク軸3eが2回転するごとに1回転する。吸気弁5は、クランク軸3eの駆動力が吸気カムなどを介して伝達されることによって、開閉される。吸気弁5が開弁し始めるタイミング(以下「吸気開弁タイミング」という)TOPINVは、対応する気筒3aの排気行程の終了直前の所定のタイミングに設定されており(図4参照)、当該気筒3aの圧縮行程の開始時を基準点(=0°)とするクランク角度位置で表される。
また、上記の吸気カムには、カム角センサ23が設けられている。このカム角センサ23は、クランク角センサ21と同様の電磁ピックアップ式のものであり、吸気カムに同軸状に固定された第2ロータと、第2ロータの付近に設けられた第2ピックアップ(いずれも図示せず)などで構成されている。また、カム角センサ23は、吸気カムの回転に伴い、パルス信号であるTDC信号を発生させるとともに、ECU2に出力する。
このTDC信号は、#1気筒3aにおける圧縮行程の終期に立ち上がった後、その次の爆発行程の終期に立ち下がり、その次の排気行程の開始直前に立ち上がる。そして、この排気行程の終期に立ち下がった後、その次の吸気行程の終期に立ち上がり、その次の圧縮行程の開始直前に立ち下がる。
前記排気通路6は、吸気通路4と同様、その下流側の排気マニホルドにおいて4つに分岐し、この排気マニホルドを介してシリンダヘッド3cに接続されており、#1〜#4気筒3aに連通している。また、エンジン3には、排気弁7を駆動するための排気側動弁機構11が設けられており、この排気側動弁機構11は、吸気側動弁機構10と同様、排気カム(図示せず)を有するカム駆動式のものである。この排気カムは、クランク軸3eに連結されており、クランク軸3eが2回転するごとに1回転する。排気弁7は、クランク軸3eの駆動力が排気カムなどを介して伝達されることによって、開閉される。
また、燃料噴射弁8は、吸気通路4の吸気ポート4bに臨むように、吸気マニホルド4aに取り付けられており、デリバリパイプや、燃料ポンプを介して、燃料タンク(いずれも図示せず)に接続されている。燃料タンク内の燃料は、燃料ポンプによって昇圧した状態でデリバリパイプに供給され、貯留される。また、デリバリパイプ内に貯留された高圧の燃料は、燃料噴射弁8に供給され、燃料噴射弁8の開弁に伴って吸気ポート4bに噴射される。
この場合、燃料噴射弁8の開弁時間である燃料噴射時間と、燃料噴射弁8の燃料の噴射開始タイミングは、ECU2からの制御入力信号が燃料噴射弁8に入力されることによって、制御される。燃料噴射弁8の燃料噴射は、エンジン3が4サイクルタイプであるため、#1〜#4気筒3aに対して、#1→#3→#4→#2の順で行われる。なお、図1では、便宜上、#1気筒3aに対応する燃料噴射弁8の符号のみが描かれており、他の燃料噴射弁8の符号は省略されている。
さらに、上記のデリバリパイプには、燃圧センサ24が設けられており、この燃圧センサ24は、デリバリパイプ内の燃料の圧力(以下「燃圧」という)PFを検出し、その検出信号をECU2に出力する。なお、燃圧PFを、燃圧センサ24による検出に代えて、燃料ポンプの駆動開始からの経過時間と、燃料ポンプの吐出量とに応じて算出してもよい。
また、前記燃料ポンプは、電動ポンプで構成されており、その動作が、キー・スイッチ25の検出信号に応じ、ECU2によって制御される。このキー・スイッチ25は、車両のイグニッションキー(図示せず)の操作位置(以下「キー操作位置」という)を検出するとともに、その検出信号をECU2に出力する。イグニッションキーは、エンジン3を始動する際、OFF位置から、ON位置およびSTART位置の順に操作される。ECU2は、燃料ポンプを、検出されたキー操作位置がOFF位置のときには停止し、ON位置およびSTART位置のときには駆動する。
また、前記点火プラグ9は、ECU2に接続されており、点火プラグ9の点火時期は、ECU2によって制御される。
さらに、クランク軸3eには、エンジン3の始動用のスタータ(図示せず)が連結されている。このスタータは、電動機で構成されており、その動作が、上記のキー操作位置に応じ、ECU2によって制御される。これにより、スタータは、キー操作位置がOFF位置およびON位置のときには停止され、START位置のときには作動する。このスタータの作動により、クランク軸3eが駆動されることによって、クランキングが行われる。
ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、イグニッションキーがOFF位置にあるときに停止され、ON位置に操作されるのに伴って起動される。また、ECU2は、前述した各種のセンサ21〜24およびキー・スイッチ25から入力された検出信号に応じ、ROMに記憶された制御プログラムに従って、燃料噴射弁8の燃料噴射を制御する。
次に、図3を参照しながら、エンジン3を始動する際に実行される即時噴射を制御するための処理について説明する。この即時噴射は、エンジン3の始動時に即時に、燃料を供給すべき所定の気筒3aに対して、燃料噴射弁8から燃料を噴射させるものである。本処理は、イグニッションキーがOFF位置からON位置に操作されるのに伴って開始されるとともに、前述したCRK信号の発生に同期して繰り返し実行される。
まず、図3のステップ1(「S1」と図示。以下同じ)では、キー操作位置に基づいて、前述したスタータによるクランキングが開始されているか否かを判別する。この答がNOで、クランキングがまだ開始されていないときには、そのまま本処理を終了する一方、YESで、クランキングがすでに開始されているときには、第1所定条件が成立しているか否かを判別する(ステップ2)。
この第1所定条件は、次の条件(a)および(b)の双方が成立しているときに、成立していると判別される。
(a)検出された燃圧PFが、所定値以上であること。この所定値は、燃料噴射弁8の燃料噴射を実行可能な高さに設定されている。
(b)クランク角度位置CA[i]が、気筒3aごとに算出されていること。ここで、iは、気筒3aの番号を表す気筒番号値である(i=1〜4のいずれか)。
上記のクランク角度位置CA[i]の算出は、次のようにして行われる。すなわち、まず、CRK信号と、前述したTDC信号の立ち上がりと立ち下がりの組合せのパターンに基づいて、#1〜#4気筒3aのいずれかが圧縮行程の開始時にあるか否かを判別する。そして、この判別結果とCRK信号に基づいて、圧縮行程の開始時にあると判別された気筒3a(以下「判別気筒」という)のクランク角度位置CA[i]を、その圧縮行程の開始時を基準点(=0°)として算出する。
また、他の気筒のクランク角度位置CA[i]については、算出された判別気筒のクランク角度位置CA[i]に基づいて算出される。例えば、判別気筒が#1気筒3aで、他の気筒が#2気筒3aの場合には、#2気筒3aのクランク角度位置CA[2]は、算出された#1気筒3aのクランク角度位置CA[1]に、クランク角540°を加算することによって算出される。さらに、クランク角度位置CA[i]の算出は、イグニッションキーがOFF位置からON位置に操作されるのに伴って開始されるとともに、CRK信号の発生に同期して繰り返し実行される。
さらに、上記の第1所定条件は、クランク角度位置CA[i]が算出されていることを条件の1つとして成立するのに対し、上述したCRK信号などに応じたクランク角度位置CA[i]の算出手法から明らかなように、クランク角度位置CA[i]を算出するには、スタータによるクランキングによってクランク軸3eをある程度回転させる必要がある。このことから、第1所定条件は、クランキングがある程度行われた後に、成立する。
前記ステップ2の答がNOのときには、そのまま本処理を終了する一方、YESで、上述した第1所定条件が成立しているときには、算出されたクランク角度位置CA[i]に応じて、即時噴射気筒を判別する(ステップ3)。この即時噴射気筒は、即時噴射を実行する気筒3aであり、ステップ3では、#1〜#4気筒3aのうち、吸気弁5が閉弁状態にあり、かつ排気行程または爆発行程にある気筒3aを即時噴射気筒として、各気筒3aのクランク角度位置CA[i]に応じて判別する。
次いで、検出されたエンジン水温TWなどのエンジン3の運転状態に応じて、即時噴射時間RTTOUTを算出する(ステップ4)。この即時噴射時間RTTOUTは、即時噴射による燃料噴射時間の目標値であり、エンジン水温TWが低いほど、より大きな値に算出される。次に、上記ステップ3で判別された即時噴射気筒のクランク角度位置CA[i]に応じて、即時噴射開始タイミングRTTINJを設定する(ステップ5)。この即時噴射開始タイミングRTTINJは、即時噴射の開始タイミングであり、そのときの即時噴射気筒のクランク角度位置CA[i]に設定される。
次いで、ステップ4で算出された即時噴射時間RTTOUTと、ステップ5で設定された即時噴射開始タイミングRTTINJと、算出されたエンジン回転数NEと、前述した吸気開弁タイミングTOPINVとに応じて、第1リーン化時間TLEAN1を算出する(ステップ6)。図4に示すように、この第1リーン化時間TLEAN1は、即時噴射時間RTTOUTに相当する量の燃料を、即時噴射開始タイミングRTTINJで噴射したと仮定した場合において、即時噴射気筒の吸気弁5が開弁しているときに燃料が噴射される時間(期間)である。
このステップ6では、第1リーン化時間TLEAN1は、具体的には次のように算出される。すなわち、まず、単位が時間(msec)である即時噴射時間RTTOUTを、エンジン回転数NEに応じてクランク角(°)に換算する。次いで、即時噴射時間RTTOUTをクランク角に換算した値を、そのときのクランク角度位置CA[i]に設定された即時噴射開始タイミングRTTINJに加算することによって、即時噴射の終了タイミングである即時噴射終了タイミングを算出する。次に、算出された即時噴射終了タイミングから、前述したようにクランク角度位置で表される吸気開弁タイミングTOPINVを減算し、それにより得られた値を、エンジン回転数NEに応じて時間(msec)に換算することによって、第1リーン化時間TLEAN1を算出する。
次いで、算出された第1リーン化時間TLEAN1を即時噴射時間RTTOUTで除算することによって、リーン化影響割合JETGAPRATIOを算出する(ステップ7)。このリーン化影響割合JETGAPRATIOは、その算出手法と、上述した第1リーン化時間TLEAN1の内容から明らかなように、即時噴射時間RTTOUTで表される燃料の噴射期間における、即時噴射気筒の吸気弁5が開弁しているときに燃料が噴射される期間の割合である。
次に、エンジン水温TWに基づき、図5に示すマップを検索することによって、しきい値ALWSSHIFTを算出する(ステップ8)。このマップでは、しきい値ALWSSHIFTは、後述する理由から、エンジン水温TWが高いほど、より大きな値に設定されている。
次いで、上記ステップ7で算出されたリーン化影響割合JETGAPRATIOが、ステップ8で算出されたしきい値ALWSSHIFT以下であるか否かを判別する(ステップ9)。この答がYESのときには、前記ステップ3で判別された即時噴射気筒に対して、即時噴射を実行し(ステップ10)、本処理を終了する。このステップ10の実行に伴い、即時噴射開始タイミングRTTINJおよび即時噴射時間RTTOUTに基づく制御入力信号が、即時噴射気筒に対応する燃料噴射弁8に入力される。それにより、この燃料噴射弁8の噴射開始タイミングが即時噴射開始タイミングRTTINJになるように、燃料噴射時間が即時噴射時間RTTOUTになるように、それぞれ制御される結果、燃料が即時噴射気筒に対して噴射される。
一方、上記ステップ9の答がNOで、リーン化影響割合JETGAPRATIOがしきい値ALWSSHIFTよりも大きいときには、即時噴射された燃料における、気化しない状態で即時噴射気筒に流入する燃料の割合が大きくなったり、即時噴射気筒に流入しない燃料の割合が大きくなったりすることによって、気化燃料を失火させずに適切に燃焼させることができないおそれがあると予測し、即時噴射を禁止し(ステップ11)、本処理を終了する。なお、上記ステップ10または11が実行されると、その後、本処理は、エンジン3の今回の運転中には実行されない。
また、しきい値ALWSSHIFTがエンジン水温TWに応じて上述したように設定されているのは、エンジン水温TWが高いほど、燃料がより気化しやすいことから、しきい値ALWSSHIFTをより大きな値に設定することによって、即時噴射を禁止せずに、その実行を許容するためである。
なお、エンジン水温TWが低いほど、前述したように即時噴射時間RTTOUTがより大きな値に算出される(ステップ4)ことから、即時噴射時間RTTOUTで表される燃料の噴射期間における気化燃料がリーン化する期間の割合が、より小さくなる。このため、エンジン水温TWが極めて低い極低温域にあるときには、しきい値ALWSSHIFTを、エンジン水温TWに対するしきい値ALWSSHIFTの傾きが、より高い温度域にあるときよりも小さくなり、かつ、エンジン水温TWが低くなるにつれてより小さくなるように設定してもよい。
なお、#1〜#4気筒3aのうち、即時噴射気筒以外の気筒3aについては、燃料噴射弁8の燃料噴射が、排気行程における所定のタイミングで行われる。
また、第1実施形態は、特許請求の範囲に記載された請求項1および3に係る発明(以下、総称して「第1発明」という)に対応しており、第1実施形態における各種の要素と、第1発明における各種の要素との対応関係は、次のとおりである。すなわち、第1実施形態における水温センサ22が、第1発明における機関温度検出手段に相当するとともに、第1実施形態におけるECU2が、第1発明における所定条件判定手段、即時噴射実行手段、即時噴射期間設定手段、リーン化影響割合推定手段、しきい値設定手段、および即時噴射禁止手段に相当する。また、第1実施形態におけるエンジン水温TW、即時噴射時間RTTOUTおよび即時噴射開始タイミングRTTINJが、第1発明における内燃機関の温度、即時噴射期間および即時噴射が実行されるタイミングにそれぞれ相当する。
以上のように、第1実施形態によれば、エンジン3のクランキングの開始後、第1所定条件が成立したときに即時に、即時噴射気筒に対して即時噴射を実行する(図3のステップ10)ので、エンジン3の始動時に即時に、即時噴射気筒に燃料を供給でき、したがって、エンジン3を早期に始動することができる。
また、前述したように、第1所定条件は、クランキングによりクランク軸3eがある程度回転した後に成立することから、第1所定条件が成立した時点では、既に、吸気動作がある程度繰り返された状態にある。このため、即時噴射気筒が排気行程にあることにより吸気動作がまだ行われていなくても、吸気通路4内の新気は、吸気弁5が開弁し始めればすぐに、慣性により即時噴射気筒内に流入する。
これに対して、第1実施形態によれば、即時噴射気筒として、第1所定条件が成立したときに吸気弁5が閉弁状態にある気筒3aを用いる(ステップ3)ので、即時噴射による燃料を十分に気化させた状態で即時噴射気筒に適切に供給することができる。また、この場合、即時噴射気筒として、排気行程または爆発行程にある気筒3aを用いるので、圧縮行程にある気筒3aを用いた場合と比較して、即時噴射気筒における初爆を早めることができ、エンジン3をより早期に始動することができる。
さらに、算出されたリーン化影響割合JETGAPRATIOがしきい値ALWSSHIFTよりも大きいときに、即時噴射を禁止する(ステップ9、11)ので、即時噴射された燃料における、気化しない状態で所定の気筒に流入する燃料の割合が比較的大きいときや、所定の気筒に流入しない燃料の割合が比較的大きいときには、即時噴射を禁止し、それ以外のときに、即時噴射を実行することができる。これにより、前述した従来の場合と異なり、所定の気筒において、気化燃料を失火させずに適切に燃焼させることができ、したがって、良好な排ガス特性を得ることができる。
また、即時噴射を禁止するにあたって、前述した従来の場合と異なり、気化燃料がリーン化する期間をそのまま用いるのではなく、リーン化影響割合JETGAPRATIOを用いるので、即時噴射時間RTTOUTで表される燃料の噴射期間(以下「即時噴射期間」という)に占める、気化燃料がリーン化する期間の実際の割合に応じて、即時噴射を適切に禁止することができる。それに加え、上記しきい値ALWSSHIFTを、検出されたエンジン水温TWに基づいて設定する(ステップ8)ので、そのときのエンジン3の実際の温度に応じて、即時噴射を適切に禁止することができ、リーン化影響割合JETGAPRATIOを用いることと相まって、エンジン3の早期始動を適切に行うことができる。
さらに、前述したように、吸気通路4内の新気は、吸気弁5が開弁し始めればすぐに、即時噴射気筒内に流入する。これに対して、第1実施形態によれば、即時噴射期間における、即時噴射気筒の吸気弁5が開弁しているときに燃料が噴射される期間の割合が、リーン化影響割合JETGAPRATIOとして算出される(ステップ7)。したがって、リーン化影響割合JETGAPRATIOを、即時噴射期間における気化燃料がリーン化する期間の割合を表すように適切に推定することができ、ひいては、即時噴射をより適切に禁止することができる。
さらに、リーン化影響割合JETGAPRATIOを算出するためのパラメータとして、即時噴射時間RTTOUTおよび即時噴射開始タイミングRTTINJを用いる(ステップ6、7)ので、リーン化影響割合JETGAPRATIOを、即時噴射による燃料の実際の噴射期間と、即時噴射の実際の開始タイミングとに応じて適切に算出でき、ひいては、即時噴射をさらに適切に禁止することができる。
なお、第1実施形態では、第1所定条件が成立したときに吸気弁5が閉弁状態にあり、かつ排気行程または爆発行程にある気筒3aを、即時噴射気筒として用いているが、第1所定条件が成立したときに吸気弁5が閉弁状態にある気筒3aであれば、圧縮行程にある気筒3aを用いてもよい。また、「第1所定条件が成立したときに吸気弁5が閉弁状態にある」という条件を満たすのであれば、即時噴射気筒として、複数の気筒3aを用いてもよい。
また、第1実施形態では、リーン化影響割合JETGAPRATIOとして、第1リーン化時間TLEAN1を即時噴射時間RTTOUTで除算した値(TLEAN1/RTTOUT)を用いているが、即時噴射時間RTTOUTに対する第1リーン化時間TLEAN1の割合を表す他の適当なパラメータを用いてもよい。例えば、
A.上記とは逆に、即時噴射時間RTTOUTを第1リーン化時間TLEAN1で除算した値(RTTOUT/TLEAN1)。
B.即時噴射時間RTTOUTから第1リーン化時間TLEAN1を減算した値を即時噴射時間RTTOUTで除算した値[(RTTOUT−TLEAN1)/RTTOUT]。
C.上記Bの値の逆数[RTTOUT/(RTTOUT−TLEAN1)]。
次に、本発明の第2実施形態による燃料噴射制御装置について説明する。この燃料噴射制御装置は、第1実施形態と比較して、主に、即時噴射期間(即時噴射時間RTTOUTで表される燃料の噴射期間)と、即時噴射気筒の吸気行程において燃料が噴射される期間とに応じて、リーン化影響割合JETGAPRATIOを算出する点が、異なっている。図6は、第2実施形態による即時噴射を制御するための処理を示している。同図において、第1実施形態と同じ実行内容については、同じステップ番号を付している。以下、図6を参照しながら、この処理について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
前記ステップ1の答がYESのときには、第2所定条件が成立しているか否かを判別する(ステップ21)。この第2所定条件は、前述した燃圧PFに関する条件(a)のみが成立しているときに、成立していると判別される。これは次の理由による。すなわち、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、ECU2は、EEPROMなどの不揮発性のメモリを有しており、クランク角度位置CA[i]は、エンジン3の停止時にこの不揮発性のメモリに記憶されるとともに、その後のエンジン3の始動時、記憶されたクランク角度位置CA[i]を用いて、その算出が行われる。以上から、第2実施形態では、エンジン3の始動時、条件(b)が成立するのを、すなわち、クランク角度位置CA[i]がCRK信号などに応じて算出されるのを、待つ必要がないためである。
また、前述したように、燃圧PFは電動ポンプによって高められ、この電動ポンプは、イグニッションキーがOFF位置からON位置に操作されたときに、始動される。さらに、スタータによるクランキングは、イグニッションキーがON位置からSTART位置に操作されたときに、開始される。以上から、燃圧PFに関する条件(a)のみよって成立する第2所定条件は、クランキングの開始とほぼ同時に成立する場合がある。
上記ステップ21の答がNOのときには、そのまま本処理を終了する一方、YESで、上述した第2所定条件が成立しているときには、クランク角度位置CA[i]に応じて、即時噴射気筒を判別し(ステップ22)、前記ステップ4以降を実行する。このステップ22では、第1実施形態と異なり、#1〜#4気筒3aのうち、排気行程にある気筒3aを即時噴射気筒として、各気筒3aのクランク角度位置CA[i]に応じて判別する。
前記ステップ5に続くステップ23では、即時噴射時間RTTOUT、即時噴射開始タイミングRTTINJおよびエンジン回転数NEに応じて、第2リーン化時間TLEAN2を算出する。図7に示すように、この第2リーン化時間TLEAN2は、即時噴射時間RTTOUTに相当する量の燃料を、即時噴射開始タイミングRTTINJで噴射したと仮定した場合において、即時噴射気筒の吸気行程において燃料が噴射される時間(期間)である。
このステップ23では、第2リーン化時間TLEAN2は、具体的には次のように算出される。すなわち、まず、単位が時間(msec)である即時噴射時間RTTOUTを、エンジン回転数NEに応じてクランク角(°)に換算する。次いで、即時噴射時間RTTOUTをクランク角に換算した値を、そのときのクランク角度位置CA[i]に設定された即時噴射開始タイミングRTTINJに加算することによって、即時噴射の終了タイミングである即時噴射終了タイミングを算出する。また、吸気行程の開始時をクランク角度位置CA[i]に換算すると、前述したようにクランク角度位置CA[i]は圧縮行程の開始時を基準点として算出されることから、吸気行程の開始時は、CA=540°に換算される。次に、算出された即時噴射終了タイミングから、吸気行程の開始時の換算値(CA=540°)を減算した値を、エンジン回転数NEに応じて時間(msec)に換算することによって、第2リーン化時間TLEAN2を算出する。
次いで、ステップ23で算出された第2リーン化時間TLEAN2を即時噴射時間RTTOUTで除算することによって、リーン化影響割合JETGAPRATIOを算出する(ステップ24)。このリーン化影響割合JETGAPRATIOは、その算出手法と、上述した第2リーン化時間TLEAN2の内容から明らかなように、即時噴射期間(即時噴射時間RTTOUTで表される燃料の噴射期間)における、即時噴射気筒の吸気行程において燃料が噴射される期間の割合である。
また、上記ステップ24に続いて、前記ステップ8以降を実行することによって即時噴射を実行または禁止し、本処理を終了する。なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様、前記ステップ10または11が実行され、即時噴射が実行または禁止されると、その後、本処理は、エンジン3の今回の運転中には実行されない。
また、第2実施形態は、特許請求の範囲に記載された請求項1および2に係る発明(以下、総称して「第2発明」という)に対応しており、第2実施形態における各種の要素と、第2発明における各種の要素との対応関係は、次のとおりである。すなわち、第2実施形態における水温センサ22が、第2発明における機関温度検出手段に相当するとともに、第2実施形態におけるECU2が、第2発明における所定条件判定手段、即時噴射実行手段、即時噴射期間設定手段、リーン化影響割合推定手段、しきい値設定手段、および即時噴射禁止手段に相当する。また、第2実施形態におけるエンジン水温TW、即時噴射時間RTTOUTおよび即時噴射開始タイミングRTTINJが、第2発明における内燃機関の温度、即時噴射期間および即時噴射が実行されるタイミングにそれぞれ相当する。
以上のように、第2実施形態によれば、エンジン3のクランキングの開始以降、第2所定条件が成立したときに即時に、即時噴射を即時噴射気筒に対して実行する(図6のステップ10)ので、エンジン3の始動時に即時に、即時噴射気筒に燃料を供給でき、したがって、エンジン3を早期に始動することができる。
また、前述したように、第2所定条件は、第1実施形態と異なり、クランキングの開始とほぼ同時に成立する場合がある。この場合、第2所定条件が成立した時点では、クランキングは、ほとんど繰り返されておらず、それにより、吸気動作も、ほとんど繰り返されていない状態にある。その結果、第1実施形態の場合と異なり、吸気通路4の新気は、即時噴射気筒内に、吸気弁5が開弁しただけでは流入せず、吸気動作が即時噴射気筒において実際に行われて初めて、流入する。
これに対して、第2実施形態によれば、即時噴射気筒として、第2所定条件が成立したときに吸気行程の前の排気行程にある気筒3aを用いる(ステップ22)ので、即時噴射による燃料を十分に気化させた状態で即時噴射気筒に適切に供給することができる。同じ理由により、即時噴射気筒として圧縮行程または爆発行程にある気筒3aを用いた場合と比較して、即時噴射気筒における初爆を早めることができ、エンジン3をより早期に始動することができる。
さらに、上述したように、吸気通路4の新気は、吸気動作が実際に行われて初めて、即時噴射気筒内に流入する。これに対して、第2実施形態によれば、即時噴射時間RTTOUTで表される燃料の噴射期間における、即時噴射気筒の吸気行程において燃料が噴射される期間の割合が、リーン化影響割合JETGAPRATIOとして算出される(ステップ23、24)。したがって、リーン化影響割合JETGAPRATIOを、即時噴射期間における気化燃料がリーン化する期間の割合を表すように適切に推定することができる。
また、リーン化影響割合JETGAPRATIOとしきい値ALWSSHIFTとの比較結果に基づく即時噴射の禁止や、エンジン水温TWに基づくしきい値ALWSSHIFTの算出が、第1実施形態と同様にして行われる。したがって、第1実施形態による効果、すなわち、エンジン3の始動時に良好な排ガス特性を得ることができるとともに、エンジン3の早期始動を適切に行うことができるという効果を、同様に得ることができる。
なお、第2実施形態では、リーン化影響割合JETGAPRATIOとして、第2リーン化時間TLEAN2を即時噴射時間RTTOUTで除算した値(TLEAN2/RTTOUT)を用いているが、即時噴射時間RTTOUTに対する第2リーン化時間TLEAN2の割合を表す他の適当なパラメータを用いてもよい。例えば、
A.上記とは逆に、即時噴射時間RTTOUTを第2リーン化時間TLEAN2で除算した値(RTTOUT/TLEAN2)。
B.即時噴射時間RTTOUTから第2リーン化時間TLEAN2を減算した値を即時噴射時間RTTOUTで除算した値[(RTTOUT−TLEAN2)/RTTOUT]。
C.上記Bの値の逆数[RTTOUT/(RTTOUT−TLEAN2)]。
次に、本発明の第3実施形態による燃料噴射制御装置について説明する。この燃料噴射制御装置は、第1および第2実施形態と比較して、即時噴射を制御するための処理の内容が主に異なっている。図8は、第3実施形態による即時噴射を制御するための処理を示している。同図において、第1および第2実施形態と同じ実行内容については、同じステップ番号を付している。以下、図8を参照しながら、この処理について、第1および第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
前記ステップ22に続くステップ31では、次気筒噴射開始タイミングNEXTINJを算出し、前記ステップ4以降を実行する。この次気筒噴射開始タイミングNEXTINJは、即時噴射気筒の次に燃料が供給される気筒(以下「次気筒」という)の燃料の噴射開始タイミングであり、エンジン水温TWなどのエンジン3の運転状態に応じて算出される。この場合、次気筒噴射開始タイミングNEXTINJは、即時噴射気筒の圧縮行程の開始時を基準点としたクランク角度位置で表される。
前記ステップ5に続くステップ32では、即時噴射開始タイミングRTTINJ、即時噴射時間RTTOUTおよびエンジン回転数NEと、上記ステップ31で算出された次気筒噴射開始タイミングNEXTINJとに応じて、第3リーン化時間TLEAN3を算出する。図9に示すように、この第3リーン化時間TLEAN3は、即時噴射時間RTTOUTに相当する量の燃料を、即時噴射開始タイミングRTTINJで噴射したと仮定した場合において、次気筒に対する燃料の噴射と重なる時間(期間)である。
このステップ32では、第3リーン化時間TLEAN3は、具体的には次のように算出される。すなわち、まず、単位が時間(msec)である即時噴射時間RTTOUTを、エンジン回転数NEに応じてクランク角(°)に換算する。次いで、即時噴射時間RTTOUTをクランク角に換算した値を、そのときのクランク角度位置CA[i]に設定された即時噴射開始タイミングRTTINJに加算することによって、即時噴射の終了タイミングである即時噴射終了タイミングを算出する。次に、算出された即時噴射終了タイミングから、即時噴射気筒のクランク角度位置CA[i]で表される次気筒噴射開始タイミングNEXTINJを減算し、それにより得られた値を、エンジン回転数NEに応じて時間(msec)に換算することによって、第3リーン化時間TLEAN3を算出する。
次いで、ステップ32で算出された第3リーン化時間TLEAN3を即時噴射時間RTTOUTで除算することによって、リーン化影響割合JETGAPRATIOを算出する(ステップ33)。このリーン化影響割合JETGAPRATIOは、その算出手法と、上述した第3リーン化時間TLEAN3の内容から明らかなように、即時噴射期間(即時噴射時間RTTOUTで表される燃料の噴射期間)における、次気筒に対する燃料の噴射と重なる期間の割合である。
また、上記ステップ33に続いて、前記ステップ8以降を実行することによって即時噴射を実行または禁止し、本処理を終了する。なお、第3実施形態においても、第1実施形態と同様、前記ステップ10または11が実行され、即時噴射が実行または禁止された後には、エンジン3が停止され、再度、始動されるまで、本処理は実行されない。
また、第3実施形態は、特許請求の範囲に記載された請求項1および4に係る発明(以下、総称して「第3発明」という)に対応しており、第3実施形態における各種の要素と、第3発明における各種の要素との対応関係は、次のとおりである。すなわち、第3実施形態における水温センサ22が、第3発明における機関温度検出手段に相当するとともに、第3実施形態におけるECU2が、第3発明における所定条件判定手段、即時噴射実行手段、即時噴射期間設定手段、リーン化影響割合推定手段、しきい値設定手段、即時噴射禁止手段、および次気筒噴射開始タイミング設定手段に相当する。また、第3実施形態におけるエンジン水温TWおよび即時噴射時間RTTOUTが、第3発明における内燃機関の温度および即時噴射期間にそれぞれ相当する。
以上のように、第3実施形態によれば、第2実施形態と同様、エンジン3のクランキングの開始以降、第2所定条件が成立したときに即時に、即時噴射を即時噴射気筒に対して実行する(図8のステップ10)ので、エンジン3の始動時に即時に、即時噴射気筒に燃料を供給でき、したがって、エンジン3を早期に始動することができる。また、即時噴射気筒として、第2所定条件が成立したときに排気行程にある気筒3aを用いる(ステップ22)ので、即時噴射による燃料を十分に気化させた状態で即時噴射気筒に適切に供給することができるとともに、エンジン3をより早期に始動することができる。
さらに、リーン化影響割合JETGAPRATIOを、即時噴射期間における、次気筒に対する燃料の噴射と重なる期間の割合として推定する(ステップ32、33)ので、即時噴射期間における気化燃料がリーン化する期間の割合を表すように適切に推定することができる。
また、リーン化影響割合JETGAPRATIOを算出するためのパラメータとして、即時噴射時間RTTOUTおよび次気筒噴射開始タイミングNEXTINJを用いる(ステップ32、33)ので、リーン化影響割合JETGAPRATIOを、即時噴射による燃料の実際の噴射期間と、次気筒に対する燃料の実際の噴射開始タイミングとに応じて適切に算出することができる。
また、リーン化影響割合JETGAPRATIOとしきい値ALWSSHIFTとの比較結果に基づく即時噴射の禁止や、エンジン水温TWに基づくしきい値ALWSSHIFTの算出が、第1実施形態と同様にして行われる。したがって、第1実施形態による効果、すなわち、エンジン3の始動時に良好な排ガス特性を得ることができるとともに、エンジン3の早期始動を適切に行うことができるという効果を、同様に得ることができる。
なお、第3実施形態では、リーン化影響割合JETGAPRATIOとして、第3リーン化時間TLEAN3を即時噴射時間RTTOUTで除算した値(TLEAN3/RTTOUT)を用いているが、即時噴射時間RTTOUTに対する第3リーン化時間TLEAN3の割合を表す他の適当なパラメータを用いてもよい。例えば、
A.上記とは逆に、即時噴射時間RTTOUTを第3リーン化時間TLEAN3で除算した値(RTTOUT/TLEAN3)。
B.即時噴射時間RTTOUTから第3リーン化時間TLEAN3を減算した値を即時噴射時間RTTOUTで除算した値[(RTTOUT−TLEAN3)/RTTOUT]。
C.上記Bの値の逆数[RTTOUT/(RTTOUT−TLEAN3)]。
また、第2および第3実施形態では、即時噴射気筒として、第2所定条件が成立したときに排気行程にある気筒3aを用いているが、第2所定条件が成立したときに吸気行程以外の行程にある気筒3a、例えば圧縮行程または爆発行程にある気筒3aを用いてもよい。さらに、「第2所定条件が成立したときに吸気行程以外の行程にある」という条件を満たすのであれば、即時噴射気筒として、複数の気筒3aを用いてもよい。
なお、本発明は、説明した第1〜第3実施形態(以下、総称して「実施形態」という)に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、しきい値ALWSSHIFTを算出するためのパラメータとして、エンジン3の冷却水の温度であるエンジン水温TWを用いているが、エンジン3の温度を表す他の適当なパラメータを用いてもよい。例えば、エンジン3の潤滑油の温度や、気筒3aの壁温、あるいは、吸気通路4のうちのエンジン3の付近の部位、すなわち吸気マニホルド4aや吸気ポート8bにおける吸気の温度を用いてもよい。
また、実施形態では、即時噴射の制御において、即時噴射開始タイミングRTTINJを設定するとともに、設定された即時噴射開始タイミングRTTINJになるように、即時噴射の開始タイミングを制御しているが、即時噴射の終了タイミングを、設定されたタイミングになるように制御してもよい。この場合、前述した第1〜第3リーン化時間TLEAN1〜TLEAN3の算出に、即時噴射開始タイミングRTTINJに代えて、設定された即時噴射の終了タイミングが用いられる。
さらに、実施形態は、本発明を、いわゆるポート噴射式のエンジン3に適用した例であるが、気筒3a内に燃料を直接、噴射する筒内噴射式の内燃機関に適用可能である。この場合、即時噴射気筒に対する即時噴射の実行中に、次気筒に燃料が噴射されると、燃圧が低下することによって、即時噴射気筒に実際に供給される気化燃料の量が減少することから、第3実施形態で述べた手法によって即時噴射が制御される。また、本発明は、ガソリンエンジンであるエンジン3だけでなく、ディーゼルエンジンや、LPGエンジン、クランク軸が鉛直方向に配置された船外機などのような船舶推進機用エンジンを含む、産業用の各種の内燃機関に適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 燃料噴射制御装置
2 ECU(所定条件判定手段、即時噴射実行手段、即時噴射期間設定手段、リーン化 影響割合推定手段、しきい値設定手段、即時噴射禁止手段、次気筒噴射開 始タイミング設定手段)
3 エンジン
3a 気筒
4 吸気通路
4b 吸気ポート
5 吸気弁
8 燃料噴射弁
22 水温センサ(機関温度検出手段)
TW エンジン水温(内燃機関の温度)
RTTOUT 即時噴射時間(即時噴射期間)
RTTINJ 即時噴射開始タイミング(即時噴射が実行されるタイミング)
JETGAPRATIO リーン化影響割合
ALWSSHIFT しきい値
NEXTINJ 次気筒噴射開始タイミング

Claims (4)

  1. 燃料噴射弁から噴射された燃料が気筒に供給される内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記燃料噴射弁から燃料を噴射させるのに必要な所定条件が成立しているか否かを判定する所定条件判定手段と、
    前記内燃機関のクランキングの開始以降、前記所定条件が成立したと判定されたときに即時に、燃料を供給すべき所定の前記気筒に対して、前記燃料噴射弁から燃料を噴射させる即時噴射を実行する即時噴射実行手段と、
    当該即時噴射による燃料の噴射期間である即時噴射期間を設定する即時噴射期間設定手段と、
    前記設定された即時噴射期間における、前記所定の気筒に実際に気化した状態で供給される気化燃料の量が減少するような燃料の気化の度合が低い状態となる期間の割合であるリーン化影響割合を推定するリーン化影響割合推定手段と、
    前記内燃機関の温度を検出する機関温度検出手段と、
    当該検出された内燃機関の温度に基づいてしきい値を設定するしきい値設定手段と、
    前記推定されたリーン化影響割合が前記設定されたしきい値よりも大きいときに、前記即時噴射を禁止する即時噴射禁止手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記燃料噴射弁は、前記内燃機関の吸気ポートを含む吸気通路に燃料を噴射するように構成されており、
    前記所定の気筒は、前記所定条件が成立したときに前記内燃機関の吸気弁が閉弁状態にある気筒であり、
    前記リーン化影響割合推定手段は、前記即時噴射期間と前記即時噴射が実行されるタイミングとに応じて、前記即時噴射期間における、前記所定の気筒の前記吸気弁が開弁しているときに燃料が噴射される期間の割合を表すパラメータを算出し、前記リーン化影響割合として推定することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記燃料噴射弁は、前記内燃機関の吸気ポートを含む吸気通路に燃料を噴射するように構成されており、
    前記所定の気筒は、前記所定条件が成立したときに前記内燃機関の吸気行程以外の行程にある気筒であり、
    前記リーン化影響割合推定手段は、前記即時噴射期間と前記即時噴射が実行されるタイミングとに応じて、前記即時噴射期間における、前記所定の気筒の吸気行程において燃料が噴射される期間の割合を表すパラメータを算出し、前記リーン化影響割合として推定することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記気筒は複数の気筒で構成されるとともに、前記燃料噴射弁は前記気筒ごとに設けられており、
    前記複数の気筒のうちの前記所定の気筒の次に燃料が供給される次気筒に対する前記燃料噴射弁の燃料の噴射開始タイミングである次気筒噴射開始タイミングを設定する次気筒噴射開始タイミング設定手段をさらに備え、
    前記リーン化影響割合推定手段は、前記即時噴射期間と前記設定された次気筒噴射開始タイミングとに応じて、前記即時噴射期間における、前記次気筒に対する燃料の噴射と重なる期間の割合を表すパラメータを算出し、前記リーン化影響割合として推定することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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