JP5407931B2 - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は発光装置及びその製造方法に関する。
従来から照明などの用途において、LED素子からの光を励起光として用いて蛍光体を発光させることで、白色光を得る発光装置が開発されている。
このような発光装置としては、例えば、LED素子から出射された青色光により黄色光を出射する蛍光体を用い、それぞれの光を混色させることで白色光とする発光装置や、LED素子から出射された紫外光により、青色、緑色、赤色の光を出射する蛍光体を用いて、蛍光体から出射された3色の光を混色させることで白色光とする発光装置などが知られている。
このような発光装置の構成として、図7(a)に示すように、LED素子201上に溶媒等に分散させた蛍光体202を塗布乾燥した後に、硬化性樹脂203などにより封止することで発光装置としたものが開発されている。
しかしながら、LED素子に蛍光体を塗布する場合、LED素子上には配線が設けられるため、均一な塗布が困難であるという問題があった。また、塗布後に配線を保護するための封止材を設ける際に、塗布した蛍光体が封止材中に流出することで均一性が損なわれ、色ムラの原因となる場合があった。
別の形態としては、図7(b)に示すように、蛍光体202が分散された硬化性樹脂203により直接LED素子201を封止することで、発光装置としたものが開発されている。このような構成においても、封止材中で蛍光体が均一に分散された状態を保持するのは非常に困難であり、封止材の硬化中に蛍光体が沈殿することで均一性が損なわれ、色ムラの原因になる場合があった。
近年では、これらの発光装置の用途が、自動車のヘッドライト等の高輝度が求められる領域に拡大していることもあり、白色LEDの高出力化が進行している。
しかし、それに伴ってLED素子の発熱が増大し、発光装置の温度上昇を招いている。上述のように、LED素子上に蛍光体が直接塗布されるか、もしくは封止材に分散された形で直接LED素子上に設けられる場合には、LED素子の発熱により蛍光体が熱劣化する場合がある。
そのような場合、青色光と黄色光を混色させることで白色光を形成するタイプの発光装置の場合には、黄色光の発光が弱くなることで色のバランスが崩れ、色ムラや色調変化が発生する問題があった。他方、赤、緑、青の光を出射する蛍光体を用いて白色光を形成するタイプの発光装置の場合は、特定の色の蛍光体が劣化することで、色のバランスが崩れ、色ムラや色調変化が発生する場合があった。
そこで、この問題を解決するために、図7(c)に示すように、LED素子201と蛍光体層202を分離して設け、蛍光体の温度上昇を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。また、LED素子と蛍光体層とを分離するその他の技術として、図7(d)に示すように、外付けのレンズ204に素子収容部(凹部205)を設け、素子収容部の内周面に蛍光体層202を設けて、LED素子201を一体的に包囲するようにした技術がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−66939号公報 特開2004−266148号公報
特許文献1の方法によれば、青色のLED素子と黄色の蛍光体の発光点が分離するため、青色の光の配光角と黄色の光の配光角の違いに起因する色ズレや色ムラが発生するという問題があるが、特許文献2の方法によれば、LED素子と蛍光体とを直接接触することなく距離を近づけることができるため、配光角の違いによる色ズレや色ムラの発生を抑制可能である。
しかしながら、特許文献2の技術によれば、単に、蛍光体やその他の物質(セラミックス前駆体など)を含む分散液を、凹部205に塗布して乾燥させるという構成,製造方法を採用していると考えられるため(特許文献2中の段落0027参照)、分散液の乾燥工程中に蛍光体など比重の重い物質が凹部205の底部206に沈殿しやすく、底部206と側部207とで、蛍光体の厚みにバラツキが生じたり蛍光体の濃度に差が生じたりし、その結果、乾燥工程後の発光装置において色ズレや色ムラが発生するという新たな課題が生じると考えられる。
したがって、本発明の主な目的は、色ズレの発生と色ムラの発生とを抑制することができる発光装置及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
特定波長の光を出射するLED素子と、
前記LED素子の光が入射する光学素子と、
を有する発光装置において、
前記光学素子の光入射面には前記LED素子を収容可能な凹部が形成され、
前記凹部の底部と側部とには、セラミックスと蛍光体とを含有する蛍光体層が形成され、
前記凹部の底部と側部とで、前記蛍光体層中の蛍光体の濃度差が±10質量%以内で、かつ、前記蛍光体層の厚みの比率が0.5≦(側部/底部)≦2であることを特徴とする発光装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、
特定波長の光を出射するLED素子と、
前記LED素子の光が入射する光学素子とを有し、
前記光学素子の光入射面には前記LED素子を収容可能な凹部が形成され、
前記凹部にはセラミックスと蛍光体とを有する蛍光体層が形成された光学素子の製造方法において、
セラミックス前駆体と、セラミックス前駆体に対する重量比が50〜95質量%の蛍光体と、セラミックス前駆体と蛍光体との総和に対する重量比が60質量%以下の溶媒とを、混合して所定の混合液を調製する工程と、
前記混合液を前記凹部に充填する工程と、
前記混合液の一部を前記凹部から吸引する工程と、
前記凹部を乾燥させ前記蛍光体層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする発光装置の製造方法が提供される。
本発明の一態様にかかる発光装置によれば、光学素子の凹部の底部と側部とで、蛍光体層の蛍光体の濃度差と蛍光体層の厚みの比率とを一定範囲内に収めるため、色ズレの発生と色ムラの発生とを抑制することができる。
他方、本発明の他の態様にかかる発光装置の製造方法によれば、セラミックス前駆体と蛍光体との総和に対する溶媒の重量比を60質量%以下とし、蛍光体の重量比をセラミックス前駆体に対して50〜95質量%とした混合液を調製し、当該混合液を光学素子の凹部に充填し、吸引した後に乾燥させて蛍光体層を形成することにより、混合液の粘度を適度に保つとともに、蛍光体の分散性を向上させた状態で均一な塗膜を形成することが可能となり、凹部の底部と側部とで、蛍光体層の蛍光体の濃度差と蛍光体層の厚みの比率とを一定範囲内に収めることができ、その結果色ズレの発生と色ムラの発生とを抑制することができる。
発光装置の概略構成を示す断面図である。 図1の凹部近傍の拡大図である。 図1の凹部近傍の拡大図であって図2の変形例を示す図面である。 発光装置の概略的な設計値を示す図面である。 発光装置の製造方法を概略的に説明するための図面である。 発光装置の製造方法を概略的に説明するための図面である。 従来の発光装置の概略構成を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
図1に示す通り、発光装置100は、主には、LEDチップ1と、LEDチップ1が固定されたマウント部材2と、集光レンズ3と、集光レンズ3に設けられた蛍光体層4と、を備えている。
LEDチップ1はLED素子の一例であり、特定波長の光(本実施形態では青色光)を出射するものである。
LEDチップ1としては、公知の青色LEDチップを用いることができる。
青色LEDチップとしては、InxGa1-xN系をはじめ既存のあらゆるものを使用することができる。青色LEDチップの発光ピーク波長は440〜480nmのものが好ましい。
なお、LEDチップ1の出射光の波長及び蛍光体層4の出射光の波長は限定されず、LEDチップ1による出射光の波長と、蛍光体層4による出射光の波長とが補色関係にあり合成された光が白色光となる組合せであればものであれば、LEDチップ1として使用可能であるが、本発明の効果を得るためには、LEDチップ1の出射光及び蛍光体層4の出射光の波長はそれぞれ可視光であることが好ましい。
LEDチップ1の形態としては、基板上にLEDチップを実装し、そのまま上方または側方に放射させるタイプ、又は、サファイア基板などの透明基板上に青色LEDチップを実装し、その表面にバンプを形成した後、裏返して基板上の電極と接続する、いわゆるフリップチップ接続タイプなど、どのような形態のLEDチップでも適用することが可能だが、高輝度タイプやレンズ使用タイプの製造方法により適するフリップチップタイプがより好ましい。
マウント部材2は略平板状の部材であり、その上面中央には凹部21が形成されている。凹部21を形成する底面211は、略平坦な面とされ、内周側面は凹部21の底面211からマウント部材2の上端縁に向けて拡径する傾斜面212となっている。傾斜面212には、例えばAl、Ag等のミラー部材が設けられていることが好ましい。
マウント部材2としては、特に限定はされないが、光反射性に優れ、LEDチップ1からの光に対して劣化しにくい材料を用いるのが好ましい。このようなマウント部材2の凹部21を形成する底面211の略中央部にLEDチップ1が固定(実装)されている。
集光レンズ3は、光学素子の一例であって、詳しくはLEDチップ1の上方に設けられ、LEDチップ1から出射された第1の所定波長の光(青色光)と、蛍光体層4から出射された第2の所定波長の光(黄色光)とを、集光させるためのものである。集光レンズ3は、低融点ガラスや金属ガラス等のガラス材料からなる両凸レンズである。
集光レンズ3の入射面31側は、LEDチップ1側に向けて突出している。突出した入射面31の中央部には、下方が開口した箱状の凹部32が形成されている。凹部32にはLEDチップ1が配置(収容)されている。凹部32を形成する内壁面321(天面及び側面)には蛍光体層4が形成されている。凹部32は、LEDチップ1の上方及び側方を覆っており、蛍光体層4もLEDチップ1の上方及び側方を覆っている。好ましくは、蛍光体層4が設けられる内壁面321と、LEDチップ1の発光面の形状とが相似形となっている。
このように入射面31は、凹部32を形成する内壁面321と、凹部32を囲んでマウント部材2の底面21に当接する当接面314と、当接面314から集光レンズ3の周縁部へと拡径するように傾斜する傾斜面312と、傾斜面312に連続して設けられ集光レンズ3の周縁部に向けて延びる平坦な面313と、を備えている。
当接面314は平坦であり、マウント部材2の凹部21の底面211に当接している。傾斜面312は、集光レンズ3の光軸が直交する面に対して傾斜している。周縁部の平坦な面313は、マウント部材2の上端縁と密着した状態で封止材6により接合されている。その結果、LEDチップ1からの光が外部へ漏れないようになっている。
マウント部材2上に集光レンズ3が接合されており、凹部32によってLEDチップ1の全周囲が覆われている。その結果、マウント部材2と集光レンズ3との間に空間部7が形成される。
空間部7は、マウント部材2の底面211と集光レンズ3の凹部32(蛍光体層4)との間の第1の空間部71と、マウント部材2の底面211,傾斜面212と集光レンズ3の傾斜面312との間の第2の空間部72とに、区画される。
LEDチップ1は第1の空間部71の内部に密閉されており、外気の酸素や湿度による劣化が抑制されている。
第1及び第2の空間部71,72は気体が充填されて気体層Kとなっており、例えば窒素等の気体がパージされている。
LEDチップ1と蛍光体層4との間に気体層Kを設けることによって、LEDチップ1で発生した熱が蛍光体層4や封止材6に伝達しにくく、蛍光体の温度上昇による色調の変化を抑制し、蛍光体や封止材6の劣化を防止することが可能となり、蛍光体の発光強度が熱により低下することによる色ずれや色ムラを抑制するとともに、蛍光体が熱により経時劣化して失活することによる色ずれや色ムラも効果的に抑制することができる。
さらに、第2の空間部72に気体層Kが形成されることから、図1中矢印Zで示すように、蛍光体層4から放射された光が傾斜面312により全反射され易く、蛍光体からの出射光の利用効率が高い配置となる。
なお、第2の空間部72は形成されなくてもよく、集光レンズ3の傾斜面312とマウント部材2の傾斜面212とが当接するような構成であってもよい。
一方、集光レンズ3の光の出射面側の出射面33は、略半球状をなしている。出射面33の形状は、その他、ドーム状、非球面状、シリンドリカル形状など、集光特性や配光特性等を考慮して所望に設計された形状を任意に用いることができる。また、出射面33側は、集光レンズ3の中央に窪みを有する形状なども、任意に用いることができる。厚さや直径なども、特に限定されるものではない。また、集光レンズ3の出射面33を、集光性を持たせたフレネル構造とすることで集光レンズ3を薄型化することができ、発光装置100を更に小型化することが可能となる。
蛍光体層4は、LEDチップ1から出射される第1の所定波長の光を第2の所定波長に変換する蛍光体を有している。本実施の形態では、蛍光体層4は、LEDチップ1から出射される青色光を黄色光に変換するようになっている。
蛍光体層4は主に蛍光体とセラミックスとで構成された層である。本発明におけるセラミックスとは、焼結されることで形成された蛍光体以外の無機相を意味する。
蛍光体層4は、基本的には蛍光体が、セラミックスに対し50〜95質量%の重量比で分散されていることが好ましい。
<蛍光体>
蛍光体層4中の蛍光体としては、(A1)又は(A2)の工程と(B)の工程とを経て形成された焼結体が好ましく使用される。
(A1)Y、Gd、Ce、Sm、Al、La及びGaの酸化物、又は高温で容易に酸化物になる化合物を、化学量論比で十分に混合して混合原料を得る。
(A2)Y、Gd、Ce、Smの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して混合原料を得る。
(B)(A1),(A2)の各工程で得られた混合原料のいずれか一方に対し、フラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して加圧し、成形体を得る。その後、成形体を坩堝に詰め、空気中1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して、蛍光体の発光特性を持った焼結体を得ることができる。
<セラミックス前駆体>
セラミックス前駆体としては、乾燥、焼結されてセラミックスを形成する溶液に含まれる溶媒、蛍光体以外の成分を意味している。
(無機微粒子分散液)
本発明における蛍光体層4を形成する為の溶液としては、セラミックス前駆体として、無機酸化物微粒子を含有する分散液中に蛍光体粒子を分散させた分散液が一例として挙げられる。無機微粒子分散液としては後述する調整方法により作成可能であり、1nm〜500nmの平均粒径の無機酸化物微粒子が5〜50質量%の濃度で溶媒中に分散しているものが好ましく用いられる。
無機酸化物粒子としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム等の粒子が好ましく用いられ、分散媒としてはアルコール溶媒,水溶媒が使用可能である。アルコール溶媒と水溶媒との一方のみを単独で使用してもよいし、アルコール溶媒と水溶媒との両方を併用してもよい。アルコール溶媒としては、メタノール,エタノール,イソプロパノール(IPA)などが使用可能である。この無機酸化物微粒子分散液に蛍光体粒子を所定の重量比で分散させた後に乾燥、焼結工程を経て蛍光体層4を形成することができる。この場合、セラミックス前駆体は、無機酸化物微粒子を指す。
(ゾル-ゲル溶液)
本発明における蛍光体層4を形成する為の溶液としては、いわゆるゾルゲル溶液といわれる溶液に蛍光体粒子を分散させた分散液を用いることもできる。ゾルゲル溶液とは、加水分解等の反応によりゲル化した後、ゲルを加熱、焼成することによりセラミックスが形成されるものであってもよいし、溶媒成分を揮発させることにより、ゲル化することなく直接セラミックスが形成されるものであってもよい。ゾルゲル溶液中には、セラミックス前駆体として、金属アルコキシドやポリシロキサン等の金属化合物が用いられる。
前者(ゾルゲル溶液)の場合、金属化合物は有機化合物でもよいし無機化合物でもよい。好ましい金属化合物としては、例えば、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、硝酸塩、酸化物などが挙げられる。中でも金属アルコキシドは、加水分解と重合反応によりゲル化し易いため好ましく、特にテトラエトキシシランが好ましく用いられる。また、複数種の金属化合物を組み合わせて使用してもよい。ゾルゲル溶液としては、上記金属化合物の他、加水分解用の水、溶媒、触媒等を適宜含有させることが好ましい。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類が挙げられる。また、触媒として、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸、アンモニア等を用いることができる。例えば、金属化合物としてテトラエトキシシランを用いる場合、テトラエトキシシラン100質量部に対して、エチルアルコール138質量部、純水52質量部とすることが好ましい。この場合、ゲルを加熱する際の加熱温度は150℃〜250℃が好ましく、LEDチップ1等の劣化をより抑制する観点からは150℃〜200℃とすることがより好ましい。また、金属化合物としてポロシロキサンを用いる場合、塗布後の加熱温度は150℃〜500℃が好ましく、LEDチップ1等の劣化をより抑制する観点からは150℃〜350℃とすることがより好ましい。また、ゾルゲル溶液は、種々の目的により無機酸化物粒子を含有することができる。この場合、ゾルゲル溶液中のセラミックス前駆体は上述の金属化合物と無機酸化物粒子を意味しており、セラミックス前駆体の重量も無機酸化物粒子と金属化合物の総和を意味する。
(ポリシラザン溶液)
本発明における蛍光体層4を形成する為の溶液としては、セラミックス前駆体としてポリシラザンを用いた溶液中に蛍光体粒子を分散させた分散液を用いることも可能である。
本発明で用いられるポリシラザンとは下記一般式(1)で表される化合物を表す。
(RSiNR … (1)
式中、R1、R2、およびR3はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基、アリール基、ビニル基、シクロアルキル基を表し、R1、R2、R3のうち少なくとも1つは水素原子であり、好ましくはすべてが水素原子であり、nは1〜60の整数を表す。
上述の一般式(1)の範囲で、ポリシラザンの分子形状はいかなる形状であってもよく、例えば、直鎖状または環状であってもよい。
上記一般式(1)に示すポリシラザンと必要に応じた反応促進剤を、適切な溶媒に溶かした溶液中に所定の重量比で蛍光体粒子を分散させた分散液を塗布し、加熱やエキシマ光処理、UV光処理を行うことで硬化した、耐熱性、耐光性の優れたセラミック膜を作成することができる。特に、170〜230nmの範囲の波長成分を含むUVU放射線(例えばエキシマ光)を照射して硬化させた後に、加熱硬化を行うとさらに水分の浸透防止効果を向上させることができる。
反応促進剤としては酸、塩基などを用いることが好ましいが用いなくても良い。反応促進剤としては例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、塩酸、シュウ酸、フマル酸、スルホン酸、酢酸やニッケル、鉄、パラジウム、イリジウム、白金、チタン、アルミニウムを含む金属カルボン酸塩などが挙げられるがこれに限られない。
反応促進剤を用いる場合に特に好ましいのは金属カルボン酸塩であり、添加量はポリシラザンを基準にして0.01〜5mol%が好ましい添加量である。
溶媒としては脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン炭化水素、エーテル類、エステル類を使用することができる。好ましくはメチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルフルオライド、クロロホルム、四塩化炭素、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルブチルエーテルである。
また、ポリシラザン溶液中には、種々の目的で無機酸化物粒子を添加することもできる。この場合、ゾルゲル溶液中のセラミックス前駆体はポリシラザンと無機酸化物粒子、更に反応促進剤が含まれる場合は反応促進剤も含めた添加剤全てを意味しており、セラミックス前駆体の重量もポリシラザン、無機酸化物及び反応促進剤の総和を意味する。
また、ポリシラザン溶液におけるポリシラザン濃度は高い方が好ましいが、濃度の上昇はポリシラザンの保存期間の短縮につながるため、ポリシラザンは、溶媒中に5wt%以上50wt%以下で溶解していることが好ましい。
図2に示す通り、集光レンズ3の凹部32(内壁面321)は、底部322(底面)と側部323(側面)とで構成され、底部322と側部323とが全体的に(全面にわたり)蛍光体層4で被覆されている。
発光装置100では、蛍光体層4が(1),(2)の2つの条件を同時に満たしている。
(1)凹部32の底部322と側部323とで、蛍光体層4中の蛍光体の濃度差が±10質量%以内である。
(2)凹部32の底部322と側部323とで、蛍光体層4の厚みの比率が0.5≦(側部/底部)≦2である。
(1)の条件に関し、蛍光体層4中の蛍光体濃度は、底部322の「中央部324」の蛍光体濃度を測定してこれを底部322の蛍光体濃度と、側部323の「中央部325」の蛍光体濃度を測定してこれを側部323の蛍光体濃度とする。底部322の蛍光体濃度と側部323の蛍光体濃度とを測定する場合は、各中央部324,325から蛍光体層4を削り取り、その削り片からエネルギー分散型蛍光X線分析装置を用いて構成成分の濃度比を測定する。
(2)の条件に関しても、蛍光体層4の厚みは、底部322の「中央部324」の蛍光体層4の厚み326を測定してこれを底部322の厚みと、側部323の「中央部325」の蛍光体の厚み327を測定してこれを側部323の厚みとする。蛍光体層4の厚みの比率は、厚み326,327を比較対象として、0.5≦(厚み327/厚み326)≦2の条件を満たすか否かを判断する。
なお、集光レンズ3の凹部32を、図3に示す通り、ドーム状(半球状,半楕円球状など)に形成してもよい。
この場合、凹部32を断面視して、凹部32を、LEDチップ1の中心部10(マウント部材2との接触面の中心部)から放射状に3等分する直線を引き、その中央部を底部322と、その両端部を側部323とする。
続いて、発光装置100の動作について説明する。
LEDチップ1が集光レンズ3に向かって青色光を出射すると、この青色光は第1の空間部71の気体層Kを介して蛍光体層4に入射する。すると、この青色光によって励起された蛍光体層4の蛍光体から黄色光が出射する。
その結果、蛍光体層4を透過した青色光と、蛍光体で生じた黄色光とが重ね合わされて、白色光が集光レンズ3の出射面33から出射される。
このとき、集光レンズ3の傾斜面312が全反射リフレクタとして機能し光利用効率が向上する。
以上の発光装置100は、自動車用のヘッドライトなどとして好適に使用することができる。
続いて、発光装置100の好ましい設計について説明する。
集光レンズ3の曲率R、屈折率n、集光レンズ3の傾斜面312の角度θ(光軸に直交する面と傾斜面とのなす角度)の最適範囲は、式(3)の条件を満たすことが好ましい。
0.3<n・(√θ)/R<5.0 … (3)
集光レンズ3の曲率R、傾斜面312の角度θが上記範囲内である場合には、集光レンズ3による屈折率効果と反射面による光路変化の効果のバランスが良く、光を効率良く正面方向に導くことができる。
具体的に好ましい数値は次の通りである(図4参照)。
集光レンズ3の曲率Rが3.15、屈折率nが1.58、集光レンズ3の凹部32の深さが0.22mm以下、集光レンズ3の凹部32の幅が√2mm、集光レンズ3の出射面33と入射面31との境界部から入射面31の平坦な面313までの鉛直方向の高さが0.25mmである。
マウント部材2の幅が8mm、マウント部材2の凹部21の幅が4.6mm、マウント部材2の凹部21を形成する底面211の幅が2.0mmである。
LEDチップ1は1mm角である。
続いて、発光装置100の製造方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、複数の集光レンズ3が互いに周縁部で連続した状態で形成されてなる光学素子ユニット30を成形する。
具体的には、ガラス基板の一方の面と、集光レンズ3の入射面31側の形状に対応したキャビティを複数有する成形型(図示しない)との間に、集光レンズ3のガラス材料を充填して硬化させる。
その後、ガラス基板の他方の面と、集光レンズ3の出射面33側の形状に対応したキャビティを複数有する成形型(図示しない)との間に、集光レンズ3のガラス材料を充填して硬化させた後、離型する。
これによって、ガラス基板の両面にレンズ部を有する複数の集光レンズ3が、その周縁部で互いに連続(連結)した状態の光学素子ユニット30が成形される。
なお、光学素子ユニット30の成形方法は、これに限らず周知のガラスモールド成形や射出成形等によって成形しても良い。
その後、図6に示すように、得られた光学素子ユニット30を、凹部32が上側に向くように配置する。
これとは別に、セラミックス前駆体,蛍光体,溶媒を混合した所定の混合液40を調製する。すなわち、上記で説明した無機微粒子分散液,ゾル−ゲル溶液,ポリシラザン溶液などを調製する。セラミックス前駆体と蛍光体と溶媒とでは、溶媒の重量比を、セラミックス前駆体と蛍光体との総和に対し60質量%以下とすることが好ましい。蛍光体層4の形成成分同士のセラミックス前駆体と蛍光体とでは、蛍光体の重量比を、セラミックスに対し50〜95質量%とすることが好ましい。溶媒としてはセラミックス前駆体が分散、溶解すれば、いずれの溶媒でも使用可能である。
その後、図6(a)に示すように、所定量の混合液40を、ディスペンサ50から光学素子ユニット30の凹部32に滴下・充填する。この状態において、混合液40は表面張力により凹部32の底部322から側部323にかけて液面がやや上昇し、底部322がやや凹んだ状態となる。
その後、図6(b)に示すように、混合液40の一部(特に液体成分)を、マイクロピペッタ60で凹部32から吸引する(吸い取る)。
その後、凹部32を乾燥させ、図6(c)に示すように、凹部32に対し蛍光体層4を形成する。凹部32を乾燥させる工程では、好ましくは加熱処理を2段階にわける。1段階目の加熱では、30℃以上50℃未満の温度で30〜60分間予備加熱し、2段階目の加熱では、100℃以上500℃以下の温度で60〜180分間本加熱する。
なお、図6の蛍光体層4を形成する工程では、集光レンズ3に形成した凹部32の内壁面321に、予め、濡れ性を向上させる処理を施しておき、その上で混合液40を滴下・充填して吸引し、乾燥させることが好ましい。
例えば、溶媒が親水性であれば、充填部も親水性であるほうが、濡れ性が良好となり、良質な膜を作成することができ、疎水性の場合も同様なことが言える。
親水性にする表面処理方法としては例えばコロナ処理に代表されるプラズマ放電処理やカップリング反応処理、オゾン処理、紫外線処理等があり、何れの処理方法を用いても良い。また適当なカップリング反応処理剤を用いることで疎水性に表面状態を変化させることが出来る。
一方、図5(a)に示すように、上面に複数の凹部21が形成された基台20を準備し、各凹部21の底面211にLEDチップ1をそれぞれ固定し、配線等を行っておく。
その後、図5(b)に示すように、蛍光体層4がLEDチップ1側を向くようにして、集光レンズ3の周縁部と基台20の上端縁とを封止材6(図示略)によって接合する。接合の際には、第1の空間部71と第2の空間部72とに対し、それぞれ窒素等の気体をパージして気体層Kを形成する。
その後、1つのLEDチップ1及び1つの集光レンズ3の単位毎に、隣り合う集光レンズ3の間及び基台20を切断する。その結果、マウント部材2に、蛍光体層4を有する集光レンズ3が接合されてなる複数の発光装置100が製造される。
以上の本実施形態によれば、混合液40の調製に際しては蛍光体の重量比をセラミックス前駆体に対して50〜95質量%とし、溶媒の重量比を、セラミックス前駆体と蛍光体との総和に対し60質量%以下とした混合液40を凹部32に滴下・充填した後にその一部を吸引するという特殊な製法を採用するため、蛍光体層4中でセラミックス中に蛍光体が適切に分散される。
その結果、凹部32の底部322と側部323とで、蛍光体の濃度差と厚みの比率とが一定範囲内に収まる蛍光体層4を形成することができ、色ズレの発生と色ムラの発生とを抑制することができる(実施例参照)。
なお、ここでいう「色ズレ」とは、発光装置100を正面から見た場合に、青色光,黄色光の混色による白色領域が形成されるが、その外側に蛍光体層4を透過した青色光による青色領域も同時に形成され、白色領域と青色領域との両方が形成される現象をいい、「色ムラ」とは、発光装置100の発光面で色分布(青色光と黄色光とが点在する状態)が形成される現象をいう。
(1)サンプルの作製
基本的には、図1と同様の構成を有する複数の発光装置を製造し、装置ごとに蛍光体層の構成に変更を加えた。
各構成の詳細は下記の通りである。
(1.1)LEDチップ
大きさが1000μm×1000μm×100μmの青色LEDチップを使用し、当該青色LEDチップをマウント部材に対しフリップチップ実装した。
(1.2)集光レンズ
出射面の曲率を3.15と、屈折率nを1.58と、凹部の深さを0.22mmと、凹部の幅を√2mmとして、設計した集光レンズを使用した。
(1.3)蛍光体の調製
下記蛍光体原料を充分に混合した混合物をアルミ坩堝に充填し、これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合し、水素含有窒素ガスを流通させた還元雰囲気中において、1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品((Y0.72Gd0.24Al12:Ce0.04)を得た。
… 7.41g
Gd … 4.01g
CeO … 0.63g
Al … 7.77g
その後、得られた焼成品を、粉砕、洗浄、分離、乾燥して粒径5μm程度の所望の「蛍光体A」を得た。
蛍光体Aについて、組成を調べたところ、所望の蛍光体であることを確認でき、波長465nmの励起光における発光波長を調べたところ、おおよそ波長570nmにピーク波長を有していた。
(1.4)無機酸化物の分散液の調製
1L(リットル)のステンレスポットに純水400gを入れ、IKA社製ウルトラタラックスT25デジタルを用いて6000rpmにて、酸化珪素(電気化学工業株式会社製SFP-20M,平均粒径300nm)600gを5分かけて添加し、その後300分間分散をおこなった。
その後、1000gのイソプロパノールを添加し、バス温40℃,2.0×10torr(2.7×10Pa)の減圧下にて残質量が800gとなるまでエバポレータにより溶媒除去する操作を3回繰り返し、最後にイソプロパノールを200g加えて総質量1000gとし、「分散液B」を得た。
(1.5)サンプル1
100gの分散液Bに対し、40gの蛍光体Aを添加・混合し、「蛍光体分散液C」を作製した。蛍光体分散液C中の溶媒,セラミックス前駆体,蛍光体の比率(質量%)は25.8%,42.8%,25.8%であった。
その後、蛍光体分散液Cを、集光レンズの凹部に滴下・充填して乾燥させ、150℃で120分焼成し、これを「サンプル1」とした。
(1.6)サンプル2
サンプル1と同様の蛍光体分散液Cを作製し、蛍光体分散液Cを、集光レンズの凹部に滴下・充填して余分量を吸引し、乾燥させ、150℃で120分焼成し、これを「サンプル2」とした。
(1.7)サンプル3
100gの分散液Bに対し、240gの蛍光体Aを添加・混合し、「蛍光体分散液D」を作製した。蛍光体分散液D中の溶媒,セラミックス前駆体,蛍光体の比率(質量%)は11.7%,17.6%,70.5%であった。
その後、蛍光体分散液Dを、集光レンズの凹部に滴下・充填して乾燥させ、150℃で120分焼成し、これを「サンプル3」とした。
(1.8)サンプル4
サンプル1と同様の蛍光体分散液Dを作製し、蛍光体分散液Dを、集光レンズの凹部に滴下・充填して余分量を吸引し、乾燥させ、150℃で120分焼成し、これを「サンプル4」とした。
(1.9)サンプル5
100gの分散液Bに対し、140gの蛍光体Aを添加・混合し、「蛍光体分散液E」を作製した。蛍光体分散液E中の溶媒,セラミックス前駆体,蛍光体の比率(質量%)は16.6%,25%,58.4%であった。
その後、蛍光体分散液Eを、集光レンズの凹部に滴下・充填して余分量を吸引し、乾燥させ、150℃で120分焼成し、これを「サンプル5」とした。
(1.10)サンプル6
100gの分散液Bに対し、540gの蛍光体Aを添加・混合し、「蛍光体分散液F」を作製した。蛍光体分散液F中の溶媒,セラミックス前駆体,蛍光体の比率(質量%)は9.4%,6.3%,84.3%であった。
その後、蛍光体分散液Fを、集光レンズの凹部に滴下・充填して余分量を吸引し、乾燥させ、150℃で120分焼成し、これを「サンプル6」とした。
(1.11)サンプル7
ポロシロキサン分散液(CIKナノテック社製COAT−AT)1g中に蛍光体Aを0.56g混合し、「蛍光体分散液G」を作製した。蛍光体分散液G中の溶媒,セラミックス前駆体,蛍光体の比率(質量%)は55.1%,8.9%,36%であった。
その後、蛍光体分散液Gを、集光レンズの凹部に滴下・充填して余分量を吸引し、乾燥させ、350℃で180分焼成し、これを「サンプル7」とした。
(1.12)サンプル8
ジブチルエーテル中に20質量%のポリシラザンと微量の反応促進剤(パラジウム触媒)を含有するポリシラザン分散液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製アクアミカNL120)1g中に蛍光体Aを0.8g混合し、「蛍光体分散液H」を作製した。蛍光体分散液H中の溶媒,セラミックス前駆体,蛍光体の比率(質量%)は44.4%,11.1%,44.4%であった。
その後、蛍光体分散液Hを、集光レンズの凹部に滴下・充填して余分量を吸引し、乾燥させ、350℃で180分焼成し、これを「サンプル8」とした。
(1.13)サンプル9
ジブチルエーテル中に20質量%のポリシラザンと微量の反応促進剤(アミン系触媒)を含有するポリシラザン分散液 (AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製アクアミカNP120)1g中に蛍光体Aを0.8g混合し、「蛍光体分散液I」を作製した。蛍光体分散液I中の溶媒,セラミックス前駆体,蛍光体の比率(質量%)は44.4%,11.1%,44.4%であった。
その後、蛍光体分散液Iを、集光レンズの凹部に滴下・充填して余分量を吸引し、乾燥させ、350℃で180分焼成し、これを「サンプル9」とした。
(1.14)サンプル10
ジブチルエーテル中に20質量%のポリシラザンを含有するポリシラザン分散液 (AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製アクアミカNN120)1g中に蛍光体Aを0.8g混合し、「蛍光体分散液J」を作製した。蛍光体分散液J中の溶媒,セラミックス前駆体,蛍光体の比率(質量%)は44.4%,11.1%,44.4%であった。
その後、蛍光体分散液Jを、集光レンズの凹部に滴下・充填して余分量を吸引し、乾燥させ、350℃で180分焼成し、これを「サンプル10」とした。
(2)サンプルの評価
(2.1)厚みのバラツキ
各サンプルの蛍光体層を特定の箇所(凹部の底部中央部と側部中央部)で削り落とし、底部と側部とで、削る前後での深さの差を測定し、蛍光体層の厚みの比率(=側部/底部)(%)を算出した。
測定装置としてミツトヨ製測定顕微鏡MF−A505Hを使用した。
算出結果を表1に示す。
(2.2)濃度のバラツキ
各サンプルの蛍光体層を特定の箇所(凹部の底部中央部と側部中央部)で削り落とし、底部と側部とで、蛍光体層の構成成分の濃度比を測定し、蛍光体層の濃度差(質量%)を算出した。
測定装置としてEDX(エネルギー分散型蛍光X線分析装置)を用いた。
算出結果を表1に示す。
(2.3)色ズレの有無
発光点から一定距離で写る光の色を目視で観察し、色ズレの発生の有無を調べた。一般に、発光点から離れるほど色ズレは顕著になるので、優れた発光装置ほど発光点から離れても色ズレは発生しないと判断することができる。
調べた結果を表1に示す。
表1中、◎,○,△,×の基準は下記の通りである。
「◎」…3m以上の距離でも色ズレが確認されない
「○」…3m以上の距離で色ズレが確認される
「△」…1.5m以上〜3m未満の距離で色ズレが確認される
「×」…0.5m以上〜1.5m未満の距離で色ズレが確認される
(2.4)色ムラの有無
光源(発光装置)から一定の距離をあけた位置に向けて光照射し、その位置で目視により色ムラの具合を調べた。
「色ムラ」とは、発光面内の色分布を意味しており、発光点から離れるほど光源の面積の影響は小さくなり、色ムラの影響は小さくなる。
調べた結果を表1に示す。
表1中、◎,○,△,×の基準は下記の通りである。
「◎」…光源から5cm未満の位置でも色ムラが確認されない
「○」…光源から5cmの位置で色ムラが確認される
「△」…光源から10cmの位置で色ムラが確認される
「×」…光源から20cmの位置で色ムラが確認される
Figure 0005407931
(3)まとめ
表1に示す通り、サンプル1〜3では色ズレ,色ムラの発生が顕著であるのに対し、サンプル4〜10では結果が良好であった。
この結果から、蛍光体層の蛍光体の濃度差と蛍光体層の厚みの比率とを一定範囲内に収めることは、色ズレの発生と色ムラの発生とを抑制するのに有用であることがわかる。
1 LEDチップ
10 中心部
2 マウント部材
21 凹部
211 底面
212 傾斜面
3 集光レンズ
31 入射面
312 傾斜面
313 平坦な面
314 当接面
32 凹部
321内壁面
322 底部
323 側部
324,325 中央部
326,327 厚み
33 出射面
4 蛍光体層
6 封止材
7 空間部
71 第1の空間部
72 第2の空間部
30 光学素子ユニット
40 ディスペンサ
50 混合液
60 マイクロピペッタ
100 発光装置
201 LED素子
202 蛍光体(蛍光体層)
203 硬化性樹脂
204 レンズ
205 凹部
206 底部
207 側部

Claims (5)

  1. 特定波長の光を出射するLED素子と、
    前記LED素子の光が入射する光学素子と、
    を有する発光装置において、
    前記光学素子の光入射面には前記LED素子を収容可能な凹部が形成され、
    前記凹部の底部と側部とには、セラミックスと蛍光体のみからなる蛍光体層が形成され、
    前記凹部の底部と側部とで、前記蛍光体層中の蛍光体の濃度差が±10質量%以内で、
    かつ、前記蛍光体層の厚みの比率が0.5≦(側部/底部)≦2であることを特徴とする発光装置。
  2. 前記セラミックスが、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる一種以上の無機酸化物の粒子の焼結体を含む、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記セラミックスが、ポリシロキサンまたはポリシラザンの硬化物を含む、請求項1に記載の発光装置。
  4. 請求項1の発光装置の製造方法であって
    セラミックス前駆体と、蛍光体と、溶媒とを、混合して混合液を調製する工程と、
    前記混合液を前記凹部に充填する工程と、
    前記混合液の一部を前記凹部から吸引する工程と、
    前記凹部を乾燥させ前記蛍光体層を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
  5. 請求項に記載の発光装置の製造方法において、
    前記凹部を乾燥させる工程は、
    30℃以上50℃未満の温度で30〜60分間予備加熱する工程と、
    100℃以上500℃以下の温度で60〜180分間本加熱する工程と、
    を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
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