JP5402627B2 - 放射線像変換パネル - Google Patents

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Description

本発明は、放射線像変換パネルに関し、詳しくは、医療用高画質診断用の、気相堆積法による蛍光体層を有する、輝度耐湿性(特に高温多湿で保管したときの耐久性)が優れた、放射線像変換パネルに関する。
気相堆積法による輝尽性蛍光体層を持つ放射線像変換パネルは、放射線変換効率がよく、医療用高画質診断画像を得るために用いられる。しかし、これらパネルの特徴として、湿度に弱いという欠点があるため、特開2005−257287号公報に示されているように封止用のフィルムでプレートを被覆し、蛍光体を保護する必要が生じている。
一方、これらプレートの性能を向上させるため、さまざまな技術が検討されている。例えば、特開2006−138642号公報に示されているように、アルミ基板に有機下引きを設け、接着性、耐衝撃性を改善する方法が知られている。また、F系樹脂、Si系樹脂、ポリパラキシレン(パリレン)を設けることにより、耐衝撃、耐湿、特性改善を図る技術が開示されている(例えば、特許文献1、2及び3参照。)。
これら技術は、蛍光体の特性を高めるために、いくつかの方法を組み合わせて使うことができるが、実際に組み合わせて見ると、特に高温多湿で保管したときの耐久性(輝度耐湿性)が大きく劣化し、実用に耐えないという問題があった。
特開平2−193100号公報 特開2001−228299号公報 特開2004−251879号公報
本発明の目的は、輝度耐湿性(特に高温多湿で保管したときの耐久性)に優れた、放射線像変換パネルを提供することである。
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
1.少なくとも基板及び気相堆積法により設けた蛍光体層を有する蛍光体プレートの全体をガスバリア性の保護フィルムで覆ってなる放射線像変換パネルにおいて、
該基板及び該蛍光体層から選ばれる少なくとも1つの上に、重合体層を有し、該重合体層の分子量1000以下の分子成分が0,00001〜500mg/m2であり、且つ、該保護フィルムの水蒸気透過度が0.0001〜1.0g/m2・24hであることを特徴とする放射線像変換パネル。
2.前記基板が有機重合体であり、該基板が含有する分子量1000以下の分子成分と、前記重合体層の分子量1000以下の分子成分の合計が0.00001〜500mg/m2であり、且つ、前記保護フィルムの水蒸気透過度が0.0001〜1.0g/m2・24hであることを特徴とする前記1に記載の放射線像変換パネル。
3.少なくとも基板及び気相堆積法により設けた蛍光体層を有する蛍光体プレートの全体をガスバリア性の保護フィルムで覆ってなる放射線像変換パネルにおいて、
該基板が有機重合体であり、該基板が含有する分子量1000以下の分子成分が0.00001〜500mg/m2であり、且つ、該保護フィルムの水蒸気透過度が0.0001〜1.0g/m2・24hであることを特徴とする放射線像変換パネル。
本発明により、輝度耐湿性(特に高温多湿で保管したときの耐久性)が優れた、放射線像変換パネルを提供することができた。
本発明の放射線像変換パネルの製造に用いられる気相堆積(蒸着)装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 蒸着装置
2 真空容器
3 授発源
4 支持体ホルダー
5 支持体回転機構
6 真空ポンプ
7 シャッタ
11 支持体
本発明の放射線像変換パネルにおいては、請求の範囲1〜3のいずれか1項に記載の構成を有することにより、輝度耐湿性(特に高温多湿で保管したときの耐久性)が優れた、放射線像変換パネルを提供することができた。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について、順次説明する。
本発明者はこれら現象の要因を解析し、耐久性の劣化の原因が、有機の低分子成分によるものであること、即ち、バリア性の高い保護フィルムとの組み合わせで、低分子成分の拡散が抑えられ、蛍光体層との相互作用が強まるため、輝度耐湿性の劣化が促進されてしまうことを見出し、本発明に想到、達成しえたものである。
本発明の放射線像変換パネルは、請求の範囲第1項に記載のように、少なくとも基板及び気相堆積法により設けた蛍光体層を有する蛍光体プレートの全体をガスバリア性の保護フィルムで覆ってなる放射線像変換パネルにおいて、該基板及び該蛍光体層から選ばれる少なくとも1つの上に、重合体層を有し、該重合体層の低分子成分が0,00001〜500mg/m2であり、且つ、該保護フィルムの水蒸気透過度が0.0001〜1.0g/m2・24hであることを特徴とする。
尚、本発明の放射線像変換パネルに係る保護フィルムの水蒸気透過度は、JIS K7129B(40℃、90%)に記載の方法を用いて水蒸気透過性(水蒸気透過度)を測定した。
上記、該基板及び該蛍光体層から選ばれる少なくとも1つの上に有する重合体層中の低分子成分は、0.00001mg/m2〜500mg/m2であり、好ましくは0.0001mg/m2〜20mg/m2であり、特に好ましくは、0.0005mg/m2〜10mg/m2である。
前記低分子成分が、0.00001mg/m2以上であると隣接する層との接着性、耐衝撃性等を維持する観点から好ましく、且つ、500mg/m2以下の場合、低分子成分の移行による蛍光体の劣化を抑制する観点から有効である。
また、保護フィルムの水蒸気透過度は、0.00001g/m2・24h〜1.0g/m2・24hであり、好ましくは0.0001g/m2・24h〜0.2g/m2・24hであり、より好ましくは0.0001g/m2・24h〜0.1g/m2・24hである。
上記、保護フィルムの水蒸気透過度が、0.0001g/m2・24h以上であると微量に発生する低分子成分の蒸気を系外に排出する効果を奏する観点から好ましく、且つ、1.0g/m2・24h以下であるとパネル使用環境の湿度やから蛍光体の劣化防止の観点から好ましい。
そして、請求の範囲第2項に記載の放射線像変換パネルは、請求の範囲第1項に記載の放射線像変換パネルにおいて、前記基板が有機重合体であり、該基板が含有する低分子成分と、前記重合体層の低分子成分の合計が0.001mg/m2〜500mg/m2であり、且つ、前記保護フィルムのガスバリア度が0.0001g/m2・24h〜1.0g/m2・24hであることを特徴とする。
上記、前記基板の有機重合体が含有する低分子成分と、前記重合体層中の低分子成分の合計が0.00001mg/m2〜500mg/m2であることが好ましく、更に好ましくは0.0001mg/m2〜20mg/m2であり、特に好ましくは0.0005mg/m2〜10mg/m2である。該低分子成分が、0.00001mg/m2以上であると設けた層の接着性、膜の耐衝撃性、柔軟性等を維持し、また蒸着時の耐熱性が実用上十分にする観点から好ましい。
且つ、500mg/m2以下の場合、保護フィルムとの組み合わせで低分子成分による特性劣化を防止する観点から好ましい。
且つ、保護フィルムの水蒸気透過度は、0.00001g/m2・24h〜1.0g/m2・24hであり、好ましくは0.0001g/m2・24h〜0.2g/m2・24hであり、特に好ましくは0.0001g/m2・24h〜0.1g/m2・24hである。上記、保護フィルムの水蒸気透過度が、0.0001g/m2・24h以上であると微量に発生する低分子成分の蒸気を系外に排出する効果を奏することができる。且つ、1.0g/m2・24h以下であるとパネル使用環境の湿度やその他有害なガスからから蛍光体が劣化するのを防ぐことができる。
また、請求の範囲第3項に記載の発明の放射線像変換パネルは、少なくとも基板及び気相堆積法により設けた蛍光体層を有する蛍光体プレートの全体をガスバリア性の保護フィルムで覆ってなる放射線像変換パネルにおいて、該基板が有機重合体であり、該基板が含有する低分子成分が0.00001〜500mg/m2であり、且つ、該保護フィルムの水蒸気透過度が0.0001〜1.0g/m2・24hであることを特徴とする。
上記、該基板を構成する有機重合体が含有する低分子成分は、0.00001mg/m2〜500mg/m2、好ましくは0.0001mg/m2〜20mg/m2であり、特に好ましくは、0.0005mg/m2〜10mg/m2である。
該低分子成分が、0.00001mg/m2以上であると蒸着時の熱性が実用上十分にする観点から好ましく、且つ、500mg/m2以下であると保護フィルムとの組み合わせで低分子成分による特性劣化を防止する観点から好ましい。
且つ、保護フィルムの水蒸気透過度は、0.00001g/m2・24h〜1.0g/m2・24hであり、好ましくは0.0001g/m2・24h〜0.2g/m2・24hであり、より好ましくは0.0001g/m2・24h〜0.1g/m2・24hである。上記、保護フィルムの水蒸気透過度が、0.0001g/m2・24h以上であると微量に発生する低分子成分の蒸気を系外に排出する効果を奏する観点から好ましく、且つ、1.0g/m2・24h以下であると使用環境の水分、その他劣化を誘導するガスからのバリア性向上の観点から好ましい。
以下、本発明について詳細に説明する。
《基板》
本発明の放射線画像変換パネルに用いられる基板としては、各種高分子材料、ガラス、金属等が用いられ、例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、あるいは、ポリマーフィルム、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の金属シートあるいは親水性微粒子の被覆層を有する金属シートが好ましい。これら基板の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。また、本発明においては、基板と輝尽性蛍光体層の接着性を向上させるために、必要に応じて基板支持体の表面に予め接着層を設けてもよい。
これら基板の厚みは用いる基板の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜2000μmであり、取り扱い上の観点から、更に好ましいのは80μm〜1000μmである。
基板に用いるポリマーフィルムとしては特に制限は無く、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、セルロースアセテート、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ、ポリアミドイミド、ビスマレイイミド、フッ素樹脂、アクリル、ポリウレタン、ナイロン12、ナイロン6、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン等用いることができるが、気相成長法によって蛍光体を形成する際、熱によって変形が生じないようにするためガラス転移移点は100℃以下でないことが好ましい。
本発明の基板に用いるポリマーフィルムとしては、耐熱性の観点よりポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォンが好ましく、更に好ましいのはポリイミドである。
本発明は前記基板が金属を被服したポリマーフィルムを含有することが本発明の効果をより奏する点で好ましい。
特開2004−251883号公報に、アルミニウム層で被覆された非晶質炭素(アモルファスカーボン)基板を用いたプレートに関する技術が開示されているが、可とう性の無い非晶質炭素とは異なりポリマーフィルムに金属を被覆する場合には、ロールの状態で連続的に加工することが可能なことから、生産性を飛躍的に向上させることが出来る。
金属をポリマーフィルムに被覆する方法としては、蒸着、スパッタ、あるいは、金属箔の貼り合わせ等、特に制約は無いが、ポリマーフィルムとの密着性の観点からスパッタが最も好ましい。
本発明において、金属を被服したポリマーフィルムの表面反射率は好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。基板表面の反射率を90%以上にすると、蛍光体の発光を非常に効率よく取り出すことができるため、輝度が飛躍的に向上する。被覆金属種はアルミニウム、銀、白金、金、銅、鉄、ニッケル、クロム、コバルト等、特に制約は無いが、反射率、耐食性の観点からアルミニウムが最も好ましい。
本発明において、本発明に係る有機基板に含まれる低分子化合物とは、分子量1000以下の低分子化合物で、重合、架橋に用いられなかった残留モノマー、開始材分解物、物性を調整するために用いられる活性剤、可塑剤、各種溶剤、低分子の染料等が挙げられる。これら低分子化合物の中で特に重要なものは分子量500以下の低分子化合物で、これらが多く残留すると蛍光体の劣化(蛍光体層の輝度耐湿性の劣化)への影響が大きい。
これら低分子化合物の含まれる量は0.00001〜10mg/m2であることが好ましい。0.00001mg以上であることで有機物層の物性の調整ができ、クラック等が発生しやすくなるのを抑制し、衝撃を受けたあとの耐湿性が劣化するのを抑制することができる。また、10mg以下であることで耐湿性の劣化が大きくならず好ましい。
本発明の有機物層を得るためには、原料の低分子成分を減らすほか、真空エージング、加熱保存等公知の方法で低分子成分を除去する。
(低分子成分の測定方法)
本発明に係る低分子成分の測定方法は、蛍光体パネルに用いる厚さで評価サンプルを作製し、そのサンプルをGC/MS(Gas chromatograph−Mass spectrometer)で分析し、測定することができる。複数種の低分子成分が存在する場合はその合計濃度を用いる。
《重合体層》
本発明に係る重合体層について説明する。
本発明に係る重合体層は、基板上または蛍光体層上に設けることができる。
本発明に係る重合体層の形成には、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニトリル)、ポリビニルピロリドンを始めとするビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテート水素フタレート、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルローストリアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどの部分ケン化ポリビニルアルコール)、石油系樹脂、ロジン誘導体、クマロン−インデン樹脂、テルペン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)などが用いられる。
また、本発明に係る重合体層は、下記に示す重合性単量体(重合性化合物ともいう)を熱、光、電子線等により重合反応させて得られる重合体を用いることができる。
(重合性単量体)
本発明に用いられる重合性単量体としては、疎水性単量体、架橋性単量体、酸性極性基を有する単量体、塩基性極性基を有する単量体等が挙げられる。
これらの単量体は、単独で重合体を形成してもよく、また、複数の単量体を用いて共重合体を形成して重合体層に含有させてもよい。
(1)疎水性単量体
単量体成分を構成する疎水性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知の単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
具体的には、モノビニル芳香族系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
ビニル芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体及びその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられ、ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等があげられる。
又、モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等があげられ、ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等があげられる。
(2)架橋性単量体
樹脂粒子の特性を改良するために架橋性単量体を添加しても良い。架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものがあげられる。
(3)酸性極性基を有する単量体
酸性極性基を有する単量体としては、(a)カルボキシル基(−COOH)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物、及び、(b)スルホ基(−SOH)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。
(a)のカルボキシ基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、及びこれらのNa、Zn等の金属塩類等を挙げることができる。
(b)のスルホ基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としては、スルホン化スチレン、及びそのNa塩、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル、及びこれらのNa塩等をあげることができる。
(4)塩基性極性基を有するモノマー
塩基性極性基を有するモノマーとしては、(a)アミン基または4級アンモニウム基を有する炭素原子数1〜12、好ましくは2〜8、特に好ましくは2の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(b)(メタ)アクリル酸アミドあるいは、随意N上で炭素原子数1〜18のアルキル基でモノまたはジ置換された(メタ)アクリル酸アミド、(c)Nを環員として有する複素環基で置換されたビニール化合物及び(d)N,N−ジアリル−アルキルアミンまたはその四級アンモニウム塩を例示することができる。中でも、(a)のアミン基または四級アンモニウム基を有する脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルが塩基性極性基を有するモノマーとして好ましい。
(a)のアミン基または四級アンモニウム基を有する脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルの例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、上記4化合物の四級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
(b)の(メタ)アクリル酸アミドまたはN上で随意モノ又はジアルキル置換された(メタ)アクリル酸アミドとしては、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等を挙げることができる。
(c)のNを環員として有する複素環基で置換されたビニル化合物としては、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニル−N−メチルピリジニウムクロリド、ビニル−N−エチルピリジニウムクロリド等をあげることができる。
(d)のN,N−ジアリル−アルキルアミンの例としては、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
(重合体層に含有される低分子成分(低分子化合物ともいう)
本発明において、重合体層に含まれる低分子成分とは、分子量1000以下の低分子化合物で、重合、架橋に用いられなかった残留モノマー、開始材分解物、物性を調整するために用いられる活性剤、可塑剤、各種溶剤、低分子の染料等が挙げられる。これら低分子化合物の中で特に重要なものは分子量500以下の低分子化合物で、これらが多く残留すると蛍光体の劣化(蛍光体層の輝度耐湿性の劣化)への影響が大きい。
これら低分子化合物の発生量は0.00001〜10mg/m2であることが好ましい。0.00001mg以上であることで重合体層の物性の調整ができ、クラック等が発生しやすくなるのを抑制し、衝撃を受けたあとの耐湿性が劣化するのを抑制することができる。また、10mg以下であることで耐湿性の劣化が大きくならず好ましい。
本発明に係る重合体層の得るためには、原料の低分子成分を減らすほか、真空エージング、加熱保存等公知の方法で低分子成分を除去する。
(低分子成分の測定方法)
本発明に係る低分子成分の測定方法は、蛍光体パネルに用いる厚さで評価サンプルを作製し、そのサンプルをGC/MS(Gas chromatograph−Mass spectrometer)で分析し、測定することができる。複数種の低分子成分が存在する場合はその合計濃度を用いる。
(蛍光体層上面の保護層)
本発明に係る蛍光体層の上面には保護層を設けてもよく、透光性がよくシート状に形成できるものを用いることができる。例えば石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラスや、PET、OPP、ポリ塩化ビニルなどの有機高分子があげられる。
保護層は単一層であってもよいし、多層であってもよく、材質の異なる2種類以上の層からなっていてもよい。例えば2層以上の高分子膜を複合したフィルムを用いることができる。この様な複合高分子フィルムの製法としては、蒸着ラミネート、ドライラミネート、押し出しラミネートまたは共押し出しコーティングラミネートなどの方法があげられる。2層以上の保護層の組合せとしては有機高分子同士に限られるものではなく、板ガラス同士や板ガラスと有機高分子などがあげられる。例えば、板ガラスと高分子層とを組み合わせる方法としては、保護層用塗布液を板ガラス上に直接塗布して形成するか、または予め別途形成した高分子保護層を板ガラス上に接着する方法があげられる。尚2層以上の保護層は互いに密着状態にあってもよいし、離れていてもよい。
本発明の保護層の厚さは、実用上は10μm〜3mmまでである。良好な耐湿性と耐衝撃性を得るためには保護層の厚さは100μm以上が好ましく、特に500μm以上の保護層を設けた場合、耐久性、耐用性に優れた変換パネルが得られて、一層好ましい。
また、保護層として板ガラスを用いた場合には、極めて耐湿性に優れており特に好ましい。
保護層は輝尽励起光及び輝尽発光を効率よく透過するために、広い波長範囲で高い透過率を示すことが望ましく、透過率は80%以上が好ましい。例えば石英ガラス、ホウ珪酸ガラスなどがあげられる。ホウ珪酸ガラスは330nm〜2.6μmの波長範囲で80%以上の透過率を示し、石英ガラスでは更に短波長においても高い透過率を示す。
また、保護層の表面にMgFなどの反射防止層を設けると、輝尽励起光及び輝尽性発光を効率よく透過すると共に鮮鋭性の低下を小さくする効果もあり好ましい。保護層の屈折率は特に規定しないが、実用的に用いる材質では1.4〜2.0の間にあるものが多い。
本発明において保護層の材料としては板ガラスが好ましく、ガラスに色材を含有させ着色して、輝尽励起光を吸収する機能をもたせる手段としては以下に示す方法がある。
(1)ガラスに色材(顔料又は色素)で着色したフィルムを積層する。
着色したフィルムの製造方法としては、色材を練り込んだプラスチックフィルムやプラスチックフィルムの表面に色材(顔料又は染料)を含有する層を塗布等によって形成する方法がある。
この様な方法によって作製された着色したプラスチックフィルムを接着剤等を用いて均一にガラス表面に貼り合わせる方法で保護層として用いる着色したガラスを得ることが出来る。
着色に用いる色材としては、輝尽励起光を吸収する顔料または染料が目的にかなっている。
(2)ガラスのどちらか一方の面に色素乃至顔料を含有する層を塗布により設ける方法。
ガラスに直接ガラスと接着性のよいバインダー(水ガラス、ポリビニルブチラール等の有機ポリマー等)中に分散乃至溶解した顔料又は染料を塗布して着色ガラスを得る方法である。
(3)次いで、ガラス自身に、色材として、分散された顔料や着色剤を含有させる方法がある。
例えば、製造時において、ガラス中に色材として例えばリン酸鉛等の着色剤を混入させ着色させる。この場合はガラス製造時に混入させるため熱安定性のよい色材であることが条件であり、顔料等でも無機顔料系の熱に強いものは分散して用いることができる。
(パリレン蒸着)
本発明において、本発明に係る蛍光体層上面の有機物層(本発明に係る蛍光体層に設ける保護層)に使用するために最も好ましいポリマーは蒸着された、好ましくは化学蒸着されたポリ−p−キシリレンフィルムである。
ポリ−p−キシリレンは10〜10000の範囲の繰り返し単位を有し、各繰り返し単位は置換されている又はされていない芳香族核基を有する。塩基剤として商標“PARYLENE”の下でUnion Carbide Co.によって販売される商業的に入手可能なジ−p−キシリレン組成物が好ましい。
蛍光体層上面の本発明に係る有機物層のために好ましい組成物は、置換されていない“PARYLENE N”、一塩素置換された“PARYLENE C”、二塩素置換された“PARYLENE D”及び“PARYLENE HT”(“PARYLENE N”の完全にフッ素置換されたタイプ;他の“パリレン”とは反対に、400℃の温度までの耐熱性、耐紫外線性をもつ;耐湿性は“PARYLENE C”の耐湿性とほぼ同じである)である。
本発明の放射線像変換パネルにおける蛍光体層上面の本発明に係る有機物層の製造に使用するために最も好ましいポリマーはポリ(p−2−クロロキシリレン)、即ちPARYLENE Cフィルム、ポリ(p−2,6−ジクロロキシリレン)、即ちPARYLENE Dフィルム及び“PARYLENE HT”(PARYLENE Nの完全にフッ素置換されたタイプ)である。
本発明の放射線像変換パネルまたはスクリーンにおける湿分バリア層としてのパリレン層の利点は層の耐熱性であり、パリレン層の耐熱性はそれらが貯蔵燐光体を蒸着するために必要な温度に耐えうるようなものであることである。貯蔵燐光体スクリーンにおけるパリレン層の使用は、例えば、欧州特許出願公開第1286363号明細書、同第1286364号明細書、同第1286362号明細書、及び同第1286365号明細書等に開示されている。
(蛍光体層下面の有機物層(下引き層))
本発明に係る蛍光体層下面の有機物層(以下、本発明に係る下引き層ともいう。)は、架橋剤により架橋できる高分子樹脂と架橋剤とを含有していることが好ましい。
下引き層で用いることのできる高分子樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等があげられる。
中でも、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース等を挙げることができ、請求の範囲第2項に係る発明では、下引き層で用いる高分子樹脂の平均ガラス転移点温度(Tg)が25℃以上であることが好ましく、更に好ましくは、25〜200℃のTgを有する高分子樹脂を用いることである。
本発明に係る下引き層で用いることのできる架橋剤としては、特に制限はなく、例えば、多官能イソシアネート及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、アミノ樹脂及びその誘導体等を挙げることができるが、架橋剤として多官能イソシアネート化合物を用いることが好ましく、例えば、日本ポリウレタン社製のコロネートHX、コロネート3041等が挙げられる。
本発明に係る下引き層は、例えば、以下に示す方法により基板上に形成することができる。
まず、上記記載の高分子樹脂と架橋剤を適当な溶剤、例えば後述の輝尽性蛍光層塗布液の調製で用いる溶剤に添加し、これを充分に混合して下引き層塗布液を調製する。
架橋剤の使用量は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体層及び基板に用いる材料の種類、下引き層で用いる高分子樹脂の種類等により異なるが、輝尽性蛍光体層の基板に対する接着強度の維持を考慮すれば、高分子樹脂に対して、50質量%以下の比率で添加することが好ましく、特には、15質量%〜50質量%であることが好ましい。
下引き層の膜厚は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体層及び基板に用いる材料の種類、下引き層で用いる高分子樹脂及び架橋剤の種類等により異なるが、一般には0.05μm〜50μmであることが好ましく、特には、0.05μm〜5μmであることが好ましい。
《保護フィルム》
本発明に係る保護フィルムについて説明する。
本発明に係る保護フィルムは、ガスバリア性を有する保護フィルムであり、公知の保護フィルムを用いることができる。保護フィルムの構成としては、バリア層のほか、励起光吸収層、マット層、シーラント層などを設けることができ、これら複数の層を積層することができる。
また、本発明に係る保護フィルムは、JIS K7129B(40℃、90%)の方法で測定される水蒸気透過性(水蒸気透過度)が、0.0001g/m2・24h〜1.0g/m2・24hの範囲であることが必要である。
この場合、バリア層よりも内側に設ける有機物層は、本発明の残留低分子成分を測定し、本発明の範囲内で使用する必要がある。
(保護フィルムに用いるバリア層)
本発明に係る保護フィルムにおいてバリア層として用いられる透明蒸着フィルム層の蒸着層は、水蒸気や酸素等のガスバリア層として機能するものであり、このガスバリア性のレベルは用途により適宜設定されるもので特に限定されるものではない。安定したガスバリア性能を確保すると共に、廃棄による2次公害を抑える上で好ましいのは、Al、Si、Ti、Zn、Zr、Mg、Sn、Cu、Fe等の金属やこれら金属の酸化物、窒化物など、より具体的には、SiOx(x=1.0〜2.0)、アルミナ、マグネシア、硫化亜鉛、チタニア、ジルコニア、酸化セリウム等であり、これらは必要により2種以上の混合蒸着層としたり、あるいは複層構造の蒸着層とすることも可能である。
上記無機質蒸着層の好ましい厚さは、通常、1nm〜500nmであり、更に好ましくは、5nm〜200nmの範囲である。
上記の範囲に調整することは、無機質蒸着層に十分なガスバリア性を付与し、耐屈曲性及び製造コストの観点から好ましい。
上記無機質蒸着層の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、あるいは化学蒸着法等が適宜選択して用いられる。
真空蒸着法を採用する際の好ましい蒸着材料としては、アルミニウム、珪素、チタン、マグネシウム、ジルコニウム、セリウム、亜鉛等の金属、あるいはSiOx(x=1.0〜2.0)、アルミナ、マグネシア、硫化亜鉛、チタニア、ジルコニア等の化合物やそれらの混合物が用いられ、加熱法としては、抵抗加熱、誘導加熱、電子線加熱などを用いることができる。
また反応ガスとしては、酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を併用した反応性蒸着を用いてもよい。
更には、基板にバイアスを印加したり、基板の加熱、冷却等の成膜条件を変更してもよい。上記蒸着材料、反応ガス、基板バイアス、加熱・冷却等は、スパッタリング法やCVD法を採用する際にも同様の成膜条件変更が可能である。
本発明では、上記のガスバリア層を形成する主たる無機化合物層として種々の酸化物や窒化物などがあげられるが、生産性や性能の点からアルミニウム酸化物や珪素酸化物を主としたものが最も好ましい。
このアルミニウム酸化物または/及び珪素酸化物からなるガスバリア層の形成には、電子線加熱や誘導加熱、抵抗加熱を蒸発手段とした真空蒸着法の他、スパッタリング法、CVD法及びイオンプレ−ティング法などを用いることができるが、生産性の点から巻取りフィルム上に真空蒸着法を用いて製膜する方法が好ましいものである。
このようなアルミニウム酸化物または/及び珪素酸化物からなる層の厚さは、この層の組成等によって若干異なるが、5nm〜100nmの範囲が好ましく、更に好ましくは、10nm〜50nmの範囲内である。
上記の範囲に調整することにより、連続層を形成し、且つ、内部応力によるクラック発生防止を効果的に抑制することができる。
蒸着層を形成する面の透明フィルム基材に、必要に応じて、アンカーコート層または、蒸着の前または蒸着中にコロナ処理、火炎処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、粗面化処理等を施し、無機質蒸着層との密着性を更に高めることも有効である。
《輝尽性蛍光体層》
本発明の輝尽性蛍光体層は基板の上に気相堆積法により設けた輝尽性蛍光体層(蒸着型蛍光体層とも言う。)である。
次に、蒸着型蛍光体層について説明する。
蒸着型蛍光体層で用いることのできる輝尽性蛍光体としては、例えば、特開昭48−80487号公報に記載されているBaSO4:Axで表される蛍光体、特開昭48−80488号公報記載のMgSO4:Axで表される蛍光体、特開昭48−80489号公報に記載されているSrSO4:Axで表される蛍光体、特開昭51−29889号公報に記載されているNa2SO4、CaSO4及びBaSO4等にMn、Dy及びTbの中少なくとも1種を添加した蛍光体、特開昭52−30487号公報に記載されているBeO、LiF、MgSO4及びCaF2等の蛍光体、特開昭53−39277号公報に記載されているLi247:Cu,Ag等の蛍光体、特開昭54−47883号公報に記載されているLi2O・(Be22)x:Cu,Ag等の蛍光体、米国特許第3,859,527号明細書に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、La22S:Eu,Sm及び(Zn,Cd)S:Mnxで表される蛍光体があげられる。又、特開昭55−12142号公報に記載されているZnS:Cu,Pb蛍光体、一般式がBaO・xAl23:Euであげられるアルミン酸バリウム蛍光体、及び、一般式がM(II)O・xSiO2:Aで表されるアルカリ土類金属珪酸塩系蛍光体等があげられる。
又、特開昭55−12143号公報に記載されている一般式が(Ba1-x-yMgxCay)Fx:Eu2+で表されるアルカリ土類フッ化ハロゲン化物蛍光体、特開昭55−12144号公報に記載されている一般式がLnOX:xAで表される蛍光体、特開昭55−12145号公報に記載されている一般式が(Ba1-xM(II)x)Fx:yAで表される蛍光体、特開昭55−84389号公報に記載されている一般式がBaFX:xCe,yAで表される蛍光体、特開昭55−160078号公報に記載されている一般式がM(II)FX・xA:yLnで表される希土類元素賦活二価金属フルオロハライド蛍光体、一般式ZnS:A、CdS:A、(Zn,Cd)S:A,Xで表される蛍光体、特開昭59−38278号公報に記載されている下記いずれかの一般式
xM3(PO42・NX2:yA
xM3(PO42:yA
で表される蛍光体、特開昭59−155487号公報に記載されている下記いずれかの一般式
nReX3・mAX′2:xEu
nReX3・mAX′2:xEu,ySm
で表される蛍光体、特開昭61−72087号公報に記載されている下記一般式
M(I)X・aM(II)X′2・bM(III)X″3:cA
で表されるアルカリハライド蛍光体、及び特開昭61−228400号公報に記載されている一般式M(I)X:xBiで表されるビスマス賦活アルカリハライド蛍光体等があげられる。
特に、アルカリハライド蛍光体は、蒸着、スパッタリング等の方法で柱状の輝尽性蛍光体層を形成させやすく好ましい。
又、前述のように、アルカリハライド蛍光体の中でもRbBr及びCsBr系蛍光体が高輝度、高画質である点、好ましく、中でもCsBr系蛍光体が特に、好ましい。
基板上に、蒸着型の蛍光体層を形成する方法としては、例えば、基板上に特定の入射角で輝尽性蛍光体の蒸気又は該原料を供給し、蒸着等の気相成長(堆積)させる方法によって独立した細長い柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層を得ることができる。蒸着時の輝尽性蛍光体の蒸気流の入射角に対し約半分の成長角で該柱状結晶は結晶成長することができる。また、常温近傍で蒸着することにより分子状の蒸着膜を設けることもできる。
輝尽性蛍光体の蒸気流を基板面に対しある入射角をつけて供給する方法には、基板を蒸発源を仕込んだ坩堝に対し互いに傾斜させる配置を取る、または、基板と坩堝を互いに平行に設置し、蒸発源を仕込んだ坩堝の蒸発面からスリット等により斜め成分のみ基板上に蒸着させる様規制する等の方法をとることができる。
これらの場合において、基板と坩堝との最短部の間隔は輝尽性蛍光体の平均飛程に合わせて概ね10cm〜60cmに設置するのが適当である。尚、柱状結晶の太さは、基板の温度が低くなるほど細くなる傾向にある。
蒸発源となる輝尽性蛍光体は、均一に溶解させるか、プレス、ホットプレスによって成形して坩堝に仕込まれる。この際、脱ガス処理を行うことが好ましい。蒸発源から輝尽性蛍光体を蒸発させる方法は電子銃により発した電子ビームの走査により行われるが、これ以外の方法にて蒸発させることもできる。
また、蒸発源は必ずしも輝尽性蛍光体である必要はなく、輝尽性蛍光体原料を混和したものであってもよい。
また、蛍光体の母体に対して賦活剤をあとからドープしてもよい。例えば、母体であるRbBrのみを蒸着した後、賦活剤であるTlをドープしてもよい。即ち、結晶が独立しているため、膜が厚くとも充分にドープ可能であるし、結晶成長が起こりにくいので、MTFは低下しないからである。
ドーピングは形成された蛍光体の母体層中にドーピング剤(賦活剤)を熱拡散、イオン注入法によって行うことが出来る。
これらの柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層において、ヘイズ率を低下するためには、柱状結晶の大きさ(柱状結晶を基板と平行な面から観察したときの各柱状結晶の断面積の円換算した直径の平均値であり、少なくとも100個以上の柱状結晶を視野中に含む顕微鏡写真から計算する)は1μm〜50μm程度がよく、更に好ましくは、1μm〜30μmである。
又各柱状結晶間の間隙の大きさは30μm以下がよく、更に好ましくは5μm以下がよい。即ち、間隙が30μmを越える場合は蛍光体層中のレーザー光の散乱が増加し、鮮鋭性が低下してしまう。
又、輝尽性蛍光体の斜め柱状結晶の成長角は0°より大きく、90°より小であれば特に問わないが、10°〜70°がよく、好ましくは20°〜55°である。成長角を10°〜70°にするには、入射角を20°〜80°にすればよく20°〜55°にするには入射角を40〜70°にすればよい。成長角が大きいと基板に対して柱状結晶が倒れすぎ、膜が脆くなる。
該輝尽性蛍光体を気相成長(堆積)させる方法としては蒸着法、スパッタ法及びCVD法がある。
蒸着法は、基板を蒸着装置内に設置したのち、装置内を排気して1.333×10−4Pa程度の真空とし、次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも1つを抵抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させて基板表面に輝尽性蛍光体を所望の厚みに斜め堆積させる。この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層が形成されるが、前記蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。
また、前記蒸着工程では複数の抵抗加熱器またはエレクトロンビームを用いて蒸着を行うことも可能である。また蒸着法においては、輝尽性蛍光体原料を複数の抵抗加熱器またはエレクトロンビームを用いて蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。
更に蒸着法においては、蒸着時に必要に応じて被蒸着物を冷却または加熱してもよい。また、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
スパッタ法は前記蒸着法と同様に基板をスパッタ装置内に設置した後、装置内を一旦排気して1.333×10−4Pa程度の真空度とし、次いでスパッタ用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスを装置内に導入して1.333×10−1Pa程度のガス圧とする。次に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとして、斜めにスパッタリングすることにより基板表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに斜めに堆積させる。このスパッタ工程では蒸着法と同様に複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能であるし、それぞれを用いて同時または順次、前記ターゲットをスパッタリングして輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。
また、スパッタ法では、複数の輝尽性蛍光体原料をターゲットとして用い、これを同時または順次スパッタリングして、基板上で目的とする輝尽性蛍光体層を形成することも可能であるし、必要に応じてO、H等のガスを導入して反応性スパッタを行ってもよい。 更に、スパッタ法においては、スパッタ時必要に応じて被蒸着物を冷却または加熱してもよい。また、スパッタ終了後に輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
CVD法は目的とする輝尽性蛍光体または輝尽性蛍光体原料を含有する有機金属化合物を熱、高周波電力等のエネルギーで分解することにより、基板上に結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層を得るものであり、いずれも輝尽性蛍光体層を基板の法線方向に対して特定の傾きをもって独立した細長い柱状結晶に気相成長させることが可能である。
これらの方法により形成した輝尽性蛍光体層の層厚は目的とする放射線像変換パネルの放射線に対する感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、10μm〜1000μmの範囲から選ばれるのが好ましく、20μm〜800μmから選ばれるのがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
《放射線画像変換パネル1の作製》
(蛍光体プレート用の基板1の作製)
125μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS125(宇部興産社製))に膜厚が70nm(700Å)となるようにAlスパッタ層(スパッタリング法により設けたアルミニウム層)を被覆して得た基板1に、メチルエチルケトンに溶解した東洋紡製バイロン200を塗布、乾燥することにより下引き層(乾燥膜厚1.0μm)を塗設して、下引き層を有する基板1を作製した。
さらに80℃10日間エージングを行い、低分子成分を除去した。そのときの残留低分子成分は0.001mg/m2であった。
(気相堆積型の輝尽性蛍光体層、蛍光体プレート、の作製)
下引き層を有する基板1の表面に図1に示す気相堆積(蒸着)装置を用いて輝尽性蛍光体(CsBr:Eu)を有する輝尽性蛍光体層を形成した。
尚、蒸着にあたっては、前記基板1を前記気相堆積装置内に設置し、次いで、蛍光体原料(CsBr:Eu)をプレス成形し水冷したルツボ(図示していいない)にいれ蒸着源とした。
その後、気相堆積装置内を排気口にポンプを接続して排気し、更にガス導入口から窒素を導入して(流量1000sccm(sccm:standard、ml/min(1×10-63/min)))、装置内の真空度を6.65×10-3Paに維持した後、蒸着
源を650℃に加熱し、基板1の一方の面に、CsBr:0.0001Euからなるアルカリハライド蛍光体を基板表面の法線方向から(すなわち、スリットと蒸着源を基板の法線方向にあわせ(θ2=約0度))、基板と蒸発源の距離(d)を60cmとして、基板と平行な方向に基板を搬送しながら蒸着を行なった。輝尽性蛍光体層の膜厚が400μmとなったところで蒸着を終了させ、気相堆積型の輝尽性蛍光体層を作製して、蛍光体プレートを得た。
〈保護フィルム1の作製〉
蛍光体プレートのガスバリヤ性の保護フィルムとして、下記(A)で示される構成のものを作製し保護フィルム1とした。
構成(A)
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム12/バリアPETフィルム12/シーラントフィルム40
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム:
但し、PETフィルム下面には、シアンインキにてベタ印刷を行い、690nmの透過率を75%とした。
バリアPETフィルム:
基材として厚さ6μmの2軸延伸PETフィルムを用意、電子線加熱方式による真空蒸着装置内に載置し、PETフィルムの片面に15nmの厚さを有する酸化アルミニウム層を蒸着し、第1の蒸着層を得た。
ついで下記コーティング液を調製した。
(1液)
テトラエトキシシラン 10.4g
塩酸(0.1モル/LN) 89.6g
(2液)
ポリビニルアルコール 3.0g
水 87.3g
イソプロピルアルコール 9.7g
上記1液と2液を6:4の割合で混合してコーティング液を得た。得られたコーティング液をグラビア法により塗布し、その後120℃で1分間乾燥させ、0.5μmの厚さを有する第1の蒸着層及び第1のガスバリア性被膜層を形成した。
その後、第1の蒸着層及び、第1のガスバリア性皮膜層が形成された基材を電子線加熱方式による真空蒸着装置内にセットし、15nmの酸化アルミニウムを蒸着し第2の蒸着層を得た。さらに第1のガスバリア性被膜層と同様にして第2の蒸着層の上に第2のガスバリア性皮膜層をえた。上記のようにして得られたバリアフィルムを2枚用意し、一方のフィルムの第2のガスバリア被膜層表面上にアクリル系粘着材BPS5215(東洋インキ製造(株)社製)にBXX5134(東洋インキ製造(株)社製)を添加して乾燥時5μmの厚さになるように塗布し、熱風乾燥することにより粘着層を得た。得られた粘着層上に他方のバリアフィルムの第2のガスバリア性被膜層表面を重ね合わせ圧着することにより透明なバリアPETフィルムを得た。
シーラントフィルム:
CPP(キャステングポリプロピレン)をシーラントフィルムとして使用した。
尚、各樹脂フィルムの後ろの数字はフィルムの膜厚(μm)を示す。
上記”/”はドライラミネーション接着層で、接着剤層の厚みが2.5μmであることを意味する。使用したドライラミネート用の接着剤は2液反応型のウレタン系接着剤である。
尚、上記に記載したように、保護フィルムは、JIS K7129B(40℃、90%)の方法で水蒸気透過性(水蒸気透過度)を測定した。
《蛍光体シートの封止、放射線画像変換パネル1の作製》
保護フィルム1を2つにおり、3辺を熱融着することで封止用の袋を作製し、蛍光体プレートを入れ、減圧下で周縁部をインパルスシーラーを用いて融着することで封止し、放射線画像変換パネル1を作製した。
作製に用いた、蛍光体プレート、保護フィルムのシーラント層、等はGC/MS(Gas chromatograph−Mass spectrometer)(140℃20min)で低分子成分の同定、定量を行った。
《放射線画像変換パネル2の作製》
保護フィルム1の代わりに下記に示す保護フィルム2を使用した他は放射線画像変換パネル1と同様にして放射線画像変換パネル2を作製した。
〈保護フィルム2の作製〉
保護フィルム1のバリア層(バリアPETフィルム)を2層貼り付け、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム12/バリアPETフィルム12/バリアPETフィルム12/シーラントフィルム40にした他は保護フィルム1と同じにして保護フィルム2を作製した。
《放射線画像変換パネル3の作製》
蛍光体層を設けた後、その上に下記方法でポリ−パラキシレン層を蒸着して設けた他は放射線画像変換パネル1と同様にして放射線画像変換パネル3を作製した。
〈ポリ−パラキシレン層の蒸着〉
蛍光体層の上に、PDS2010型(日本パリレン社製)を用いてジ−p−キシリレンを蒸着し、ポリ−パラキシレン層を設けた。蒸着膜厚は2μmであった。蒸着後、減圧度4500Pa、30℃で乾燥させ、低分子成分を除去した。
《放射線画像変換パネル4の作製》
基板1の代わりに、下記に示す基板2を用いた他は放射線画像変換パネル1と同様にして放射線画像変換パネル4を作製した。
〈基板2の作製〉
帝人デュポン社製ポリエチレンナフタレートフィルム(ポリネックスQ51)に膜厚が70nm(700Å)となるようにAlスパッタ層を被覆して得た基板2に、メチルエチルケトンに溶解した東洋紡製バイロン200を塗布、乾燥することにより下引き層(乾燥膜厚1.0μm)を塗設して、下引き層を有する基板2を作製した。さらに45℃2日間エージングを行い、低分子成分を除去した。そのときの残留低分子成分は表1記載の量であった。
《放射線画像変換パネル5の作製》
基板1のエージング80℃10時間を、80℃5時間に変更した他は放射線画像変換パネル2と同様にして放射線画像変換パネル5を作製した。
《放射線画像変換パネル6の作製》
保護フィルム1を下記の保護フィルム3に変更した他は放射線画像変換パネル1と同様にして放射線画像変換パネル6を作製した。
〈保護フィルム3の作製〉
保護フィルム1のバリア層(バリアPETフィルム)を3層貼り付け、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム12/バリアPETフィルム12/バリアPETフィルム12/バリアPETフィルム12/シーラントフィルム40に変更したほかは保護フィルム1と同じにして保護フィルム3を作製した。
《放射線画像変換パネル7の作製》
基板1の代わりに、下記に示す基板3を用いた他は放射線画像変換パネル1と同様にして放射線画像変換パネル75を作製した。
〈基板3の作製〉
基板のエージング行わない以外は基板1の作製方法と同様にして、下引き層を有する基板3を作製した。
《放射線画像変換パネル8の作製》
保護フィルム1の代わりに、下記に示す保護フィルム4を用いた他は放射線画像変換パネル1と同様にして放射線画像変換パネル86を作製した。
〈保護フィルム4の作製〉
バリアPETフィルムの代わりに、厚さ12μmのPETフィルムにアルミナを厚さ12μmに真空蒸着にて積層したフィルムをバリア層として用いた他は保護フィルム1と同様にして保護フィルム4を作製した。
《放射線画像変換パネル9の作製》
下引き層を設けない他は放射線画像変換パネル1と同様にして、放射線画像変換パネル9を作製した。
《放射線画像変換パネル10の作製》
基板に下記に示す基板4を用いた他は放射線画像変換パネル1と同様にして放射線画像変換パネル10を作製した。
〈基板4の作製〉
基板4として5mm厚さの結晶化ガラスファイアライト(日本硝子会社製)を用い、これに、メチルエチルケトンに溶解した東洋紡製バイロン200を塗布、乾燥することにより下引き層(乾燥膜厚1.0μm)を塗設して、下引き層を有する基板を作製した。
さらに80℃、10日間エージングを行い、低分子成分を除去して、下引き層を有する基板4を得た(そのときの下引き層の残留低分子成分は0.001mg/m2であった)。
以上のようにして、放射線画像変換パネル1〜11を作製した。
《放射線画像変換パネルの評価》
上記により作製した放射線画像変換パネル1〜11を用い、以下の評価を実施した。
《輝度の評価》
放射線画像変換パネルに鉛製のチャートを通して管電圧80kVpのX線を照射した後、該放射線画像変換パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/デジタル変換してハードディスクに記録し、記録をコンピューターで分析してハードディスクに記録されているX線像を記録した。後、画像中央部100×100ピクセルの信号値を平均して、初期発光値を求めた。
《輝度耐湿性》
上記発光量(初期発光値)を確認した放射線画像変換パネル試料を35℃85%RHの恒温恒湿槽に入れ、所定期間(表2に記載)保存した後の発光量を測定し、輝度耐湿性を評価した。サーモ入れ前の初期の発光量を1.0とし、サーモ後の信号値を相対値で表2に示した。輝度が初期の80%以下になると実用に供さない。
結果を表2に示す。
PI:厚さ125μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS125(宇部興産社製))
PEN:帝人デュポン社製ポリエチレンナフタレートフィルム(ポリネックスQ51)
ガラス:5mm厚のファイアライト日本電気硝子株式会社製
表1、表2から明らかなように、本発明の放射線像変換パネルは、輝度耐湿性(特に高温多湿で保管したときの耐久性)が優れていることがわかる。
本発明により、気相堆積法による輝尽性蛍光体層を有する、輝度耐湿性(特に高温多湿で保管したときの耐久性)が優れた、放射線像変換パネルを提供できることがわかる。

Claims (3)

  1. 少なくとも基板及び気相堆積法により設けた蛍光体層を有する蛍光体プレートの全体をガスバリア性の保護フィルムで覆ってなる放射線像変換パネルにおいて、
    該基板及び該蛍光体層から選ばれる少なくとも1つの上に、重合体層を有し、該重合体層の分子量1000以下の分子成分が0.00001〜500mg/m2であり、且つ、該保護フィルムの水蒸気透過度が0.0001〜1.0g/m2・24hであることを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 前記基板が有機重合体であり、該基板が含有する分子量1000以下の分子成分と、前記重合体層の分子量1000以下の分子成分の合計が0.00001〜500mg/m2であり、且つ、前記保護フィルムの水蒸気透過度が0.0001〜1.0g/m2・24hであることを特徴とする請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  3. 少なくとも基板及び気相堆積法により設けた蛍光体層を有する蛍光体プレートの全体をガスバリア性の保護フィルムで覆ってなる放射線像変換パネルにおいて、
    該基板が有機重合体であり、該基板が含有する分子量1000以下の分子成分が0.00001〜500mg/m2であり、且つ、該保護フィルムの水蒸気透過度が0.0001〜1.0g/m2・24hであることを特徴とする放射線像変換パネル。
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