JP5402002B2 - 回転軸のシール装置およびシール方法 - Google Patents
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Description
これによれば、外部に放出されるエアが、内部に形成されたラビリンスシールと相俟ってシール効果を発生することができ、軸受へのクーラントの浸入を防止することができる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シール効果の大きい回転軸のシール装置およびシール方法を提供することにある。
各々の前記円周溝に対し供給する圧力気体の圧力を、互いに異ならせることである。
各々の前記円周溝にそれぞれ独立した前記気体通路を接続し、各々の前記気体通路に互いに異なった前記圧力源を接続することである。
前記圧力源に対し、複数の前記気体通路を並列に接続し、前記気体通路のうちのいずれかに圧力制限手段を設けたことである。
また、連結部に浸入したクーラントは、主軸の回転にともなう遠心力によって、連結部を半径方向外方へと戻るため、内部へのクーラントの浸入を防ぐことができる。
また、連結部上には複数の円周溝が形成され、各々の円周溝に気体通路が開口していることにより、連結部上にむらなく圧力気体を供給することができる。
しかも、微小隙間を介して円周溝よりも半径方向内方にクーラントが浸入しても、半径方向下方へ延びるドレイン路によってクーラントを外部に容易に排出することができる。
また、圧力源を1つ使用するのみでよいため、小型で低コストのシール装置にすることができる。
また、連結部に浸入したクーラントは、主軸の回転にともなう遠心力によって、連結部を半径方向外方へと戻るため、内部へのクーラントの浸入を防ぐことができる。
また、連結部上には複数の円周溝が形成され、各々の円周溝に気体通路が開口していることにより、連結部上にむらなく圧力気体を供給することができる。
しかも、微小隙間を介して円周溝よりも半径方向内方にクーラントが浸入しても、半径方向下方へ延びるドレイン路によってクーラントを外部に容易に排出することができる。
図1乃至図4に基づき、本発明の実施形態1による回転軸のシール装置1(以下、シール装置1という)について説明する。尚、説明中において、図1における左右方向を、シール装置1の回転軸方向または軸方向といい、図1における左方をシール装置1の前方ということがあるが、シール装置1の実際の前後方向とは無関係である。
主軸ボデー31の外周面とハウジングコア22の内周面との間には、一対の軸受4が設けられている。軸受4を構成する前方軸受41および後方軸受42は、内輪間座43を挟んで軸方向に並んでおり、主軸3をハウジング2に対して回転可能に支持している。
連結部52は、フランジ部351の後端面351bと、ハウジングキャップ24の内周切欠部242およびエア供給ブロック25の前端面251との間に形成されている。連結部52は、入口部51の端部から半径方向内方へと延びている。
図2に示すように、連結部52において、エア供給用円周溝353a、353bおよびドレイン用円周溝354aの形成された部位は、フランジ部351とエア供給ブロック25との間において、入口部51よりも大きな間隙を有している。
さらに、エア通路244は、ラジアル通路244bの内方端と接続されるように、連通溝244dを有している。連通溝244dは、円周上に連続することにより円環状に形成されており、円周上の1か所においてラジアル通路244bと接続されている。
また、連結部52上には複数のエア供給用円周溝353a、353bが形成され、各々のエア供給用円周溝353a、353bに吐出路254a、254bが開口していることにより、連結部52上にむらなく高圧エアを供給することができる。
また、吐出路254a、254bは、エア供給用円周溝353a、353bの周方向の複数箇所において、互いに均等間隔に開口するように形成されていることにより、大量の高圧エアを消費しなくても、円周上に均一に高圧エアを供給して、シール性能のむらをなくすことができる。
また、主軸壁体35が、軸方向前方に取り外し可能なように固定されていることにより、クーラントダスト等を取り除くメンテナンス作業を容易に行うことができる。
図5に基づき、本発明の実施形態2による回転軸のシール装置について説明する。尚、図5における左右方向を回転軸方向または軸方向とし、上方をシール装置の下方とする。本実施形態による回転軸のシール装置は、実施形態1による回転軸のシール装置と同様に、主軸壁体35のフランジ部351と、ハウジングキャップ24およびエア供給ブロック25との間には微小隙間5が形成されている。
図6に基づき、本発明の実施形態3による回転軸のシール装置について説明する。尚、図6における左右方向を回転軸方向または軸方向とし、上方をシール装置の下方とする。本実施形態による回転軸のシール装置は、実施形態1による回転軸のシール装置と同様に、主軸壁体35のフランジ部351と、ハウジングキャップ24およびエア供給ブロック25との間には微小隙間5が形成されている。
さらに、エア供給ブロック25およびハウジングキャップ24には、実施形態2による回転軸のシール装置と同様に、クーラント溜り部54と連通した排出路255およびクーラント通路245が形成されている。クーラント通路245は、ハウジングキャップ24の内周面から下方へと延びて、排出路255を介して微小隙間5を外部と接続している。本実施形態においても、排出路255およびクーラント通路245は、微小隙間5よりも大きな流通面積を有している。
図7に基づき、本発明の実施形態4による回転軸のシール装置について説明する。本実施形態による回転軸のシール装置は、実施形態1による回転軸のシール装置と同様に、主軸壁体35のフランジ部351と、ハウジングキャップ24およびエア供給ブロック25との間には微小隙間5が形成されている。また、説明の便宜上、フランジ部351の後端面351bには、一対のエア供給用円周溝353a、353bが形成されているものとしているが、3個以上のエア供給用円周溝が形成されていてもよい。
また、各々のエア供給用円周溝353a、353bにそれぞれ独立した吐出路254a、254bを接続し、各々の吐出路254a、254bに互いに異なったエアポンプ61を接続している。このため、各々のエアポンプ61の作動状態を制御することにより、エア供給用円周溝353a、353bに対し供給する高圧エアの圧力を、容易に異ならせることができる。
図8に基づき、本発明の実施形態5による回転軸のシール装置について説明する。本実施形態による回転軸のシール装置は、実施形態4による回転軸のシール装置と異なり、一対の吐出路254a、254bに、共通のエアポンプ61が接続されている。また、一方の吐出路254b上には、高圧エアの流量を制限する絞り管路部256(本発明における圧力制限手段に該当する)が形成されている。これにより、吐出路254bからエア供給用円周溝353bに向けて噴出させる高圧エアの圧力を、エア供給用円周溝353aに向けて噴出させる高圧エアの圧力に対して減圧することができる。
また、エアポンプ61を1つ使用するのみでよいため、小型で低コストのシール装置にすることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
エア供給用円周溝353a、353bに向けて噴出させる圧力気体は、空気でなくともよく、微小隙間5をシール可能な高圧気体であれば、あらゆる種類のものが適用可能である。
エア供給用円周溝353a、353bは主軸壁体35に形成する代わりに、エア供給ブロック25の前端面251に設けてもよい。また、主軸壁体35およびエア供給ブロック25の双方に、互いに対向するように形成してもよい。
エア供給ブロック25に形成されるエア供給用円周溝は、いくつあってもよい。
図8に示した絞り管路部256の代わりに、レギュレータバルブ等の圧力制限手段を設けてもよい。
Claims (6)
- 内周部に収容空間を有することにより、軸方向に円筒状に延びるハウジングと、
前記収容空間内に配置されることにより、前記ハウジングの内周面との間に微小隙間を有し、前記ハウジングに対して軸受を介して回転可能に取り付けられた主軸と、
前記微小隙間に開口する気体通路と、
該気体通路へ圧力気体を供給する圧力源と、
を備え、
供給した圧力気体により、前記気体通路より内方にある前記微小隙間を外部からシールする回転軸のシール装置において、
前記微小隙間は、前記ハウジングの端面から、前記主軸の外周面を軸方向内方に延びる入口部と、該入口部に接続されるとともに、半径方向内方へと延びる連結部と、該連結部から前記軸受に向かって、前記主軸の外周面に沿って軸方向内方へと延びた延在部とにより形成され、
前記連結部上における前記主軸のフランジ部の後端面には、それぞれ前記微小隙間よりも大きな間隙を有し、回転軸回りに環状を呈するように形成された半径の異なる円周溝が同心状に複数個設けられ、
前記気体通路は、前記ハウジング内を軸方向に延びて、各々の前記円周溝に対向するように前記連結部上における前記ハウジングの前記端面側に開口され、
前記ハウジング内に、前記微小隙間よりも大きな流通面積を有し、前記円周溝よりも半径方向内方にある前記微少隙間から半径方向下方へと延びて、前記微少隙間を外部と接続するドレイン路が形成されていることを特徴とする回転軸のシール装置。 - 各々の前記円周溝に対し供給する圧力気体の圧力を、互いに異ならせることが可能なことを特徴とする請求項1記載の回転軸のシール装置。
- 各々の前記円周溝にそれぞれ独立した前記気体通路を接続し、各々の前記気体通路に互いに異なった前記圧力源を接続することを特徴とする請求項2記載の回転軸のシール装置。
- 前記圧力源に対し、複数の前記気体通路を並列に接続し、前記気体通路のうちのいずれかに圧力制限手段を設けたことを特徴とする請求項2記載の回転軸のシール装置。
- 前記気体通路は、前記円周溝の周方向の複数箇所において、均等間隔に開口するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の回転軸のシール装置。
- 内周部に収容空間を有することにより、軸方向に円筒状に延びるハウジングと、
前記収容空間内に配置されることにより、前記ハウジングの内周面との間に微小隙間を有し、前記ハウジングに対して軸受を介して回転可能に取り付けられた主軸と、
前記微小隙間に開口する気体通路と、
前記気体通路へ圧力気体を供給する圧力供給手段と、
を備えた回転軸のシール方法において、
前記微小隙間を、前記ハウジングの端面から、前記主軸の外周面を軸方向内方に延びる入口部と、該入口部に接続されるとともに、半径方向内方へと延びる連結部と、該連結部から前記軸受に向かって、前記主軸の外周面に沿って軸方向内方へと延びた延在部とにより形成し、
前記連結部上における前記前記主軸のフランジ部の後端面には、それぞれ前記微小隙間よりも大きな間隙を有し、回転軸回りに環状を呈するように形成された半径の異なる円周溝を同心状に複数個設け、
前記気体通路は、前記ハウジング内を軸方向に延びて、各々の前記円周溝に対向するように前記連結部上における前記ハウジングの前記端面側に開口しており、
前記ハウジング内に、前記微小隙間よりも大きな流通面積を有し、前記円周溝よりも半径方向内方にある前記微少隙間から半径方向下方へと延びて、前記微少隙間を外部と接続するドレイン路が形成され、
前記円周溝に供給した圧力気体により、前記円周溝より内方にある前記微小隙間を外部からシールすることを特徴とする回転軸のシール方法。
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