JP5392757B2 - 物性の測定方法 - Google Patents
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Description
その中でも表面張力に関しては、従来知られている測定方法として、特許文献1に記載された方法に加えて、以下に示すような方法がある。
すなわち、(1)釣り板法、(2)輪環法、(3)スピニングドロップ法、(4)液滴法、(5)最大泡圧法、(6)レーザー光散乱法、(7)光の放射圧を用いる方法、(8)電場による応力を利用する方法、である。
また、上記(6)〜(8)の方法は、非接触測定が可能であり、例えば1秒以下での経時変化の測定や特殊環境下の測定などが可能である。しかし、(6)〜(8)の方法に関しては装置が大掛かりになる点、(6)および(7)の方法に関しては測定対象物が透明な試料に限られるという点から一般的な方法とはいえない。
さらに上記すべての方法では、100000(cP)を越える粘性を有する高粘性試料については測定時間に長い時間を要するという欠点があり、高粘性試料の表面張力を測定することは事実上不可能であった。
図9は、液滴法の原理を示した図である。重力がD1方向に作用する重力場において、例えば液滴101を図のように平面102上に静置する。このとき液滴101の表面形状は、球面とはならず自重により歪む。この歪は、液滴101の表面上の任意の2点A、Bについて、その2点間の鉛直方向(D1方向)の距離をh(m)、点A、Bにおける表面の平均曲率をHA(1/m)、HB(1/m)とし、その差である平均曲率差H(1/m)を、H=HA−HBとしたときに、次の式(1)によって決定される。
2σH=ρgh ・・(1)
ここでσ(N/m)およびρ(kg/m3)は、それぞれ液体の表面張力および密度を表し、g(m/s2)は当該重力場における重力加速度を表す。また、平均曲率とは、2つの主曲率の平均値のことを意味する。
この式(1)は、重力により生じる2点A、B間の圧力差が、同じ2点において表面の変形により生じるラプラス圧の差と釣り合うことを意味する。測定では密度ρ、重力加速度gは既知であるものとし、平均曲率差Hおよび距離hを測定することにより表面張力σを決定する。
このため一般に、表面張力σが小さい液体、密度ρが大きい液体ほど液滴の形状は球から大きくずれ、このため平均曲率差Hの測定が容易になり表面張力σの測定精度が向上する。しかし一般に、測定対象の液体について、表面張力σあるいは密度ρを制御することは不可能である。また地上に静置している以上、重力加速度gは一定であり、これを制御することはできない。
また、液滴径の増加により必要な試料の量が多くなるという欠点がある。
また、試料の粘性が大きい場合、試料の大きさがλ(m)程度のときには表面の形状が安定するまでには粘性をη(Pa・s)として、τ=ηλ/σ程度の時間を要することが知られており、迅速な測定をするためには大きさλを小さくすることが必要である。しかし、大きな液滴ではこの時間τが長くなるという欠点がある。
図10は、スピニングドロップ法の原理を示した図である。
液体103を満たした回転する管105の内部に気泡104を入れると、液体に働く遠心力により気泡が回転軸方向につぶれる。回転が十分に高速となると、気泡104は回転軸方向に伸びた円柱と見なせるようになる。その場合には、回転速度ω(rad/s)、気泡104の円柱半径をa(m)とすると、表面張力σは次の式(2)によって決定される。
σ=ρω2a3/4 ・・(2)
また、測定精度を上げるためには気泡104を大きくして円柱半径aを大きくすることも行われるが、試料である液体が大量に必要となるばかりでなく、気泡の形状を安定させるのが難しくなるという欠点がある。
また、円柱半径aを測定するには回転する管105の外部から顕微鏡観察を行うが、液体103の屈折率や回転管の影響により円柱半径aを正確に求めることは困難である。さらには不透明の液体ではそもそも測定が不可能である。
また、液体103の粘性が高い場合には、回転する管105の内部に液体103を満たすことが困難である上に、その内部に気泡104を注入することはさらに困難であり、粘性の高い液体103の表面張力測定は実質的に不可能である。
また、回転する液体内部の回転軸上にある気泡の形状から表面張力を測定する方法においては、回転速度および液体の屈折率や光吸収により、その測定精度が制約を受けるという問題があった。
このため少量の試料において、その液滴の大きさに制限があったとしても、また光学的に不透明であったとしても、表面張力の高精度な測定を可能にする技術が要求されていた。
この技術はまた、大きな粘性を有する液体の表面張力測定のための、微小な測定領域での表面張力測定法の実現のためにも強く望まれていた。
本発明の物性の測定方法は、液体を加速度運動させ、この加速度運動に伴って前記液体に働く慣性力により、又は該慣性力と重力とにより前記液体の界面の形状を変形させる工程と、前記液体の前記界面の形状を測定して前記液体の表面張力を求める工程と、を備え、前記加速度運動が、所定の軸線を中心とした回転運動であり、前記液体は、前記軸線から離間した位置で前記回転運動を行い、前記回転運動が、前記軸線を中心として、該軸線に平行に配置されるとともに滴状の前記液体を支持した支持面を回転させるものであり、前記支持面に直交する方向の遠心力を受けた前記液体において、前記液体の前記支持面から最も離間した第1の位置での平均曲率をH 0 (1/m)、前記第1の位置から離れた前記液体表面上の第2の位置での平均曲率をH A (1/m)、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記支持面に直交する方向における距離をh(m)、前記液体の密度をρ(kg/m 3 )、前記液体の表面張力をσ(N/m)、前記遠心力と重力との合力による見かけの重力加速度をG(m/s 2 )、としたときに、下記式(1)により前記液体の表面張力σを求めることを特徴としている。
2σ(H A −H 0 )=ρhG ・・(1)
加速度運動を調節することで液体に働く慣性力を変化させることができるので、試料の液体が少量であったり大きな粘性を有する場合であったりしても、簡便で高精度かつ迅速に物性を測定することができる。
また、簡単な構成で液体に慣性力を働かせることができる。
また、液体に働かせる慣性力をより均等にすることができる。
なお、ここで言う平均曲率とは、曲面上の点における2つの主曲率の平均値のことを意味する。また、前記見かけの重力加速度Gは前記軸線が鉛直方向に直交する場合にはG=g+ω 2 Lと簡単になる。ここで重力加速度をg(m/s 2 )、前記液体が前記軸線回りに回転する角速度をω(rad/s)、前記支持面から前記軸線までの距離をL(m)とした。
この発明によれば、液体の表面張力をより高精度に求めることができる。
以下、本発明に係る物性の測定装置(以下、「測定装置」と称する)の第1実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。図1は本実施形態の測定装置の平面図、図2は図1おける切断線E1−E1の断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の測定装置1は、鉛直方向Dに直交する軸線C1を中心として回転可能に取付けられ、軸線C1に平行に配置された支持面2が設けられた試料容器(支持部)3と、支持部3を軸線C1回りに回転させる回転手段4と、液体Wの形状を測定する形状測定手段5と、回転手段4及び形状測定手段5を制御する制御部6と、を備える。
試料となる滴状の液体Wは、支持面2の軸線C1側に、より詳しくは、支持面2における軸線C1を通る法線上に配置され、液体W自身の表面張力により軸線C1側に盛り上がった形状となる。
なお、穴部8の大きさに対して液体Wが大きくなり、回転運動を行う液体Wを軸線C1が通ることがないように、液体Wが軸線C1から離間した位置で回転運動を行うことが好ましい。言い換えれば、支持面2から軸線C1までの距離L(m)は、液体Wの象徴的な大きさ、例えば液体Wの径等に対して、十分大きいことが好ましい。
そして、駆動モータ9は、制御部6により供給される電圧を切替えることで、試料容器3を軸線C1回りに所定の角速度で回転させることができるようになっている。すなわち、駆動モータ9は、支持面2に付着した液体Wに、加速度運動の一種である軸線C1を中心とした回転運動をさせることができる。
反射面13aは、平面視において、すなわち鉛直方向Dから見て、軸線C1に対して45°傾くように配置されている。そして、ストロボ発光光源14は、反射面13a上で軸線C1に直交するとともに鉛直方向Dに直交する軸線C2上に光を発するように配置されている。
カメラ12、ハーフミラー13、ストロボ発光光源14、及び前述の制御部6は、ベース10にそれぞれ固定され、測定装置1は全体として一体となっている。また、カメラ12及びストロボ発光光源14は、制御部6にそれぞれ電気的に接続されている。そして、制御部6による制御に基づいて、ストロボ発光光源14は軸線C1上に瞬間的に光を照射し、カメラ12は所定のタイミングで穴部8内の画像を撮像することができるようになっている。
まず、ベース10を水平面上に設置することにより、試料容器3の軸線C1が鉛直方向Dに直交するように配置する。そして、液体Wを支持面2上に配置する。
なお、測定装置1を暗室に配置して、液体Wの形状の測定を行うことが好ましい。
次に、使用者は、制御部6で駆動モータ9を駆動し、試料容器3を軸線C1回りに所定の角速度で回転させる。これにより、支持面2に支持された液体Wは、軸線C1を中心として回転する。そして、この回転運動に伴って液体Wに働く慣性力と、重力とにより、液体Wは支持面2側に潰れ液体Wの表面(界面)の形状が変形する。
また、制御部6の制御のもと、液体Wで反射され軸線C1上を進みハーフミラー13を透過した光をカメラ12で検出して、液体Wの形状を測定する。より具体的には、液体Wの表面での主曲率半径を測定する。
軸線C1回りに回転する液体Wをこのように撮像することで、液体Wがあたかも静止しているかのように液体Wの形状を測定することができる。
なお、形状測定手段5に代えて、移動している物体の静止画像を鮮明に撮像することができる高速度カメラを用いても良い。
以下では、簡単のために、図2に示すように、液体Wが鉛直方向Dの最も下位にある場合、すなわち、液体Wが支持面2の上方にある場合について説明する。
支持面2に付着した液体Wの形状は、重力、回転運動による慣性力、液体Wの密度、および表面張力によって決まり、液体Wの形状が安定するまでの時間は液体Wの粘性によって決まる。
試料容器3の軸線C1回りの角速度をω(rad/s)とすると、軸線C1から距離L0(m)離れた場所での加速度は、ω2L0と表わされる。この加速度と重力加速度のベクトル和の大きさに比例して、液体W等の質量を持つ物質に慣性力が働く。
また、液体Wの表面には、その曲率半径と液体Wの表面張力σ(N/m)に依存した力、すなわちラプラス圧が作用する。そして、液体Wの形状が安定していればラプラス圧は液体W内の圧力と外圧との差につり合う。
例えば、液体Wが回転する回転面が鉛直面内にあるときは、液体Wの軸線C1に対する位置によって遠心力と重力の合力の大きさが時間的に変化する場合も考えられる。しかしこのとき、液体Wが軸線C1回りに一回転するのに要する時間をT(s)としたときに、T≪τであるとすれば回転に伴う液体Wの変形は十分ゆっくりであるために無視でき、液体Wには一定の遠心力が働いているとみなすことができる。ここでτ(s)は前述の、一定の粘性を有する液体Wの表面の形状が安定するのに要する時間である。
図3に、液体Wを軸線C1側から見た図を示す。図中に実線で示すのは液体Wの輪郭の形状である。
図3に示すように、液体Wの頂点、すなわち液体Wにおいて支持面2から最も離間した位置を原点O(第1の位置)とする。そして、原点Oを通り支持面2に直交する方向をz軸、原点Oを通り支持面2に沿う方向をx軸とする座標を決める。
ここで、液体Wの表面における任意の点Aに働く力を考える。この座標は液体Wとともに軸線C1回りに回転するものとする。
また、液体Wの形状は、z軸を中心とする回転対称な形状になっているものと仮定する。
2HA=(1/R1+1/R2) ・・(6)
で表される。
点Aでの液体W内の圧力と外圧との圧力差をΔp(Pa)とすると、点Aでの力学的平衡条件は、下記の式(7)のようになる。
2σHA=Δp ・・(7)
Δpは原点Oからzだけ鉛直下方向に下がった位置における圧力なので、原点Oでの圧力Δp0(Pa)、液体Wの密度をρ(kg/m3)、及び重力加速度g(m/s2)を用いて、式(8)のように求められる。
G=g+ω2L ・・(10)
ただし、簡単に、以下のように表面張力σを求めることもできる。
同様に、原点Oにおける平均曲率H0(1/m)も液体Wの画像から容易に求めることができるので、平均曲率差H(1/m)(H=HA−H0)を用いて、下記の式(11)から表面張力σを求めることができる。
2σH=ρhG ・・(11)
ここで、h(m)は、点Aと原点Oとの鉛直方向Dの距離である。
式(10)及び式(11)から、回転速度ωと回転半径Lが大きいほど、見かけの重力加速度Gは大きくなり、そのときの平均曲率差Hも大きくなる。このため、表面張力σの測定精度を向上させることができる。
回転運動を調節することで液体Wに働く慣性力を変化させることができるので、試料の液体Wが少量であったり大きな粘性を有する場合であったりしても、簡便で高精度かつ迅速に表面張力σを求めることができる。
また、液体Wが軸線C1から離間した位置で回転運動を行うことで、液体Wに働かせる慣性力をより均等にすることができる。
また、本実施形態によれば、上記式(11)により、液体Wの表面張力をより簡単に求めることができる。
このようにすることで、液体Wの表面張力をより高精度に求めることができる。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図4に示すように、本実施形態の測定装置21は、上記実施形態の測定装置1の形状測定手段5に代えて、形状測定手段22を備えている。
この形状測定手段22は、第1のカメラ23、第1のハーフミラー24、及び第1のストロボ発光光源25、そして第2のカメラ26、第2のハーフミラー27、及び第2のストロボ発光光源28を、備えている。
第1のハーフミラー24は、軸線C3上に軸線C3に対して45°傾くように配置されている。第1のカメラ23は軸線C3上に、第1のハーフミラー24に対して試料容器3とは反対側に配置されている。そして、第1のストロボ発光光源25は、第1のストロボ発光光源25から発せられ第1のハーフミラー24で反射された光が液体Wを照射するように配置されている。
同様に、第2のハーフミラー27は、軸線C4上に軸線C4に対して45°傾くように配置されている。第2のカメラ26は軸線C4上に、第2のハーフミラー27に対して試料容器3とは反対側に配置されている。そして、第2のストロボ発光光源28は、第2のストロボ発光光源28から発せられ第2のハーフミラー27で反射された光が液体Wを照射するように配置されている。
これら、第1のカメラ23、第1のストロボ発光光源25、第2のカメラ26、及び第2のストロボ発光光源28は、制御部6にそれぞれ電気的に接続されている。そして、制御部6による制御に基づいて、ストロボ発光光源25は軸線C3上に瞬間的に光を照射し、カメラ23は所定のタイミングで穴部8内の画像を撮像することができるようになっている。同様に、制御部6による制御に基づいて、ストロボ発光光源28は軸線C4上に瞬間的に光を照射し、カメラ26は所定のタイミングで穴部8内の画像を撮像することができるようになっている。
例えば、上記第1実施形態及び第2実施形態では、液体Wに慣性力を働かせるために、液体Wを鉛直方向Dに直交する軸線C1回りに所定の角速度で回転させた。しかし、液体Wに慣性力を働かせる方法はこれに限ることなく、液体Wを鉛直方向Dに沿う軸線回りに回転させても良い。このとき、液体Wが配置される支持面は、液体Wに働く重力と遠心力との合力の向きが支持面に直交するように配置されることが好ましい。
このような液体Wに重力が働かない状態、又は液体Wに働く重力がごくわずかである状態は、例えば、人工衛星内でも実現が可能である。これ以外にも、例えば北海道上砂川に設けられている噴射式落下塔や岐阜県土岐市に設けられている真空式落下塔等の地上の施設で実現することができる。
この場合、支持面32は、試料容器31の軸線C6に対する側面(試料容器31の外側の面)となる。また、液体Wは、支持面32の軸線C6とは反対側に付着することになる。
このように、液体Wが支持面32の軸線C6とは反対側に付着する場合であっても、上記実施形態と同様に液体Wの表面形状を測定して表面張力σを求めることができる。
なお、例として、106(cSt)(1012(m2/s))の高粘性の液体Wを測定する場合、体積が1(mm3)の液体Wの高さが0.1mm変化するのに要する時間は、回転速度0(Hz)、すなわち、液体Wが回転していない場合でおよそ10(s)である。これに対して、この体積が1(mm3)の液体Wを回転半径0.01(m)、回転速度100(Hz)(角速度が628(rad/s))で回転させた場合、液体Wの高さが0.1mm変化するのに要する時間はおよそ3(s)となる。実際には液体Wの変形量はさらに小さいので、液体Wの表面張力σを非常に高速に測定することが可能となる。
支持面2から軸線C1までの距離Lを0.015(m)とし、エチレングリコールである液体Wを、回転速度6(Hz)(角速度が37.7(rad/s))で回転させた。このとき、形状測定手段5で撮影した液体Wの画像を図6に、液体Wの輪郭の形状を測定したものを図7に丸印で示す。
図7の横軸に、液体Wの広がり、すなわち、図3における原点Oから液体Wの輪郭までのx軸方向の距離を示し、図7の縦軸に、液体Wの高さ、すなわち、図3における原点Oから液体Wの輪郭までのz軸方向の距離を示す。
この式(9)によりフィッティングした結果、及び既知の密度ρ、式(10)による見かけの重力加速度Gより、表面張力σを求めることができる。
なお、この実施例では、表面張力σを式(11)により簡単に求める場合を示すが、表面張力σを式(10)でより正確に求める場合も、ほぼ同様の結果となる。
この実施例では、支持面2から軸線C1までの距離Lを0.015(m)とし、液体Wとしてエチレングリコールを用いた。
図8の横軸に、見かけの重力加速度Gと、図3における点Aと原点Oとの鉛直方向Dの距離hとの積を示し、図8の縦軸に平均曲率差Hを示す。
図中の丸印は、回転速度0(Hz)、6(Hz)8(Hz)、12(Hz)(角速度がそれぞれ、0(rad/s)、37.7(rad/s)、50.3(rad/s)、75.4(rad/s))で回転させ液体Wの輪郭の形状を測定した結果を表しており、実線はそれらの値を直線でフィッティングしたものである。
また、実線の傾きは、式(11)によりρ/(2σ)であることを用いると、表面張力を求めることが出来る。さらに、傾きの測定精度は見かけの重力加速度G、すなわち回転速度が大きいほど高精度であることが分かる。
実際、実線の傾きから求めた表面張力σは48.8(mN/m)であり、これは文献に記載されたチレングリコールの表面張力の48.0(mN/m)とよく一致することが分かった。
2、32 支持面
3、31 試料容器(支持部)
4 回転手段
5、22 形状測定手段
C1、C6 軸線
D 鉛直方向
W 液体
σ 表面張力
Claims (3)
- 液体を加速度運動させ、この加速度運動に伴って前記液体に働く慣性力により、又は該慣性力と重力とにより前記液体の界面の形状を変形させる工程と、
前記液体の前記界面の形状を測定して前記液体の表面張力を求める工程と、
を備え、
前記加速度運動が、所定の軸線を中心とした回転運動であり、
前記液体は、前記軸線から離間した位置で前記回転運動を行い、
前記回転運動が、前記軸線を中心として、該軸線に平行に配置されるとともに滴状の前記液体を支持した支持面を回転させるものであり、
前記支持面に直交する方向の遠心力を受けた前記液体において、前記液体の前記支持面から最も離間した第1の位置での平均曲率をH 0 (1/m)、前記第1の位置から離れた前記液体表面上の第2の位置での平均曲率をH A (1/m)、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記支持面に直交する方向における距離をh(m)、前記液体の密度をρ(kg/m 3 )、前記液体の表面張力をσ(N/m)、前記遠心力と重力との合力による見かけの重力加速度をG(m/s 2 )、としたときに、下記式(1)により前記液体の表面張力σを求めることを特徴とする物性の測定方法。
2σ(H A −H 0 )=ρhG ・・(1) - 請求項1に記載の物性の測定方法において、
前記液体の界面の形状を変形させる工程において、前記液体を前記軸線回りに2種類以上の回転速度で回転させ、
前記液体の前記表面張力を求める工程において、各前記回転速度に対応する前記表面張力を求め、求められた複数の前記表面張力を平均することを特徴とする物性の測定方法。 - 請求項1または2に記載の物性の測定方法において、
前記液体の界面の形状を変形させる工程において、前記加速度運動による前記慣性力の大きさを時間とともに変化させ、
前記液体の物性を求める工程において、前記液体の界面が変形する速度から前記液体の粘性を求めることを特徴とする物性の測定方法。
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