JP5389293B1 - 固定構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂アンカーを使わずに、免震装置や落橋防止構造を橋台に取り付ける固定構造を提供することを目的とする。
【解決手段】橋台3を支えるためのグラウンドアンカー100のアンカー頭部100aを橋台3に取り付けるための支圧鋼板400に、ダンパー装置5の一方の取付部5bを橋台3に取り付けるための板材310を固定している。
したがって、この支圧鋼板400は、グラウンドアンカー100を橋台3に取り付ける部材と、ダンパー装置5を橋台3に取り付ける部材とを兼用しており、ダンパー装置5が伸びて橋台3を橋桁1の方向へ引き倒す力を作用したとき、その力は、グラウンドアンカー100の引っ張り力によって引き止められ、その結果、橋台3が傾くような事態を回避することができる。また、グラウンドアンカー100が、レベル2地震動による橋台3の転倒や滑動を防止するので、橋梁の耐震補強をより効果的に実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、橋梁の上部構造と橋台との間に設けた免震装置や落橋防止構造などの連結装置を、橋台に固定する固定構造に関する。
一般に、道路橋の設計規準は、「道路橋示方書(以下、単に「示方書」という)」により定められており、地震発生時にも耐えられる道路橋の耐震設計に関する設計規準は、示方書の「耐震設計編」に記載されている。そして、この示方書の「耐震設計編」に記載された設計規準に基づいて設計された道路橋は、同書で想定内の地震が発生した場合には、限定的な損傷の範囲内となり、地震が収束した後にも利用することができる。
さて、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、それまで一般的に想定されていた震度(気象庁震度階級)及び規模を超えた大規模で強い地震であって、建物や道路橋などの多くの建造物に多大な被害を与えた。さらに、東北地方の太平洋沿岸を中心に大規模な津波が発生した。その結果、東北地方から関東地方にかけての東日本一帯には、地震と津波による甚大な被害がもたらされた(東日本大震災)。
示方書では、大規模な被害をもたらすレベル2地震動として、タイプIの地震動とタイプIIの地震動が規定されている。タイプIの地震動は、プレート境界に生じる海洋性の大規模な地震を想定したものである。東北地方太平洋沖地震は、このタイプIの地震動に相当する。
示方書では、タイプIの地震に対しては、例えば、鉄筋コンクリート橋脚では、ある程度の幅のひび割れが生じるような損傷度に抑えるように規定し、構造物の終局状態に対して十分な安全性を確保できるようにしている。それにより、地震発生後においても、橋梁を利用できる。
さて、この示方書は、東北地方太平洋沖地震の発生を受けて、翌年の2012年3月に改訂された。そして、その改訂後の示方書によれば、例えば、レベル2地震動のうちタイプI地震動(すなわち、東北地方太平洋沖地震と同じタイプの地震による地震動)に対する設計震度が大幅に大きくなった。
具体的には、例えば、改訂後の示方書ではI種地盤(岩盤など)における固有周期1秒の橋梁の設計震度が約1.0に改訂された。ここで、改訂前の示方書では、固有周期1秒の橋梁の設計震度は0.7であったから、改訂後の示方書では、改訂前に比べて、耐震基準における設計震度が大幅に大きくなっている。
そのため、旧示方書の耐震基準を満たしている橋梁や、旧示方書に基づいて耐震補強がなされた橋梁については、改訂後の示方書の設計震度を基準として考えると、大幅な耐力(強度)不足となり、したがって、今後、東北地方太平洋沖地震クラスの地震が発生すると、それらの橋梁は甚大な損傷を受ける可能性がある。
このような耐力不足の橋梁については、改訂後の示方書の設計震度に対応した耐震補強工事を適用することで、所要の耐力を確保することが可能である。この耐震補強工事の1つとしては、例えば、橋(橋梁)の上部構造(例えば、橋桁など)と下部構造(例えば、橋台や橋脚など)との間に免震装置や落橋防止構造(落橋防止システム)を設置する工事などがある。
なお、本発明においては、免震装置や落橋防止構造が、橋梁の上部構造と下部構造とを何らかの手段により連結していることから、これらを総称して、連結装置という。
図3(a)は、橋桁と橋台との間に、免震装置としてダンパー装置を設置した場合の耐震補強工事の施工例を示し、同図(b)は、橋桁と橋台との間に、落橋防止構造(落橋防止システム)としてワイヤー型拘束装置を設置した場合の耐震補強工事の施工例を示し、同図(c)は、図3(a),(b)の耐震補強工事において、ダンパー装置あるいは落橋防止構造を橋台に取り付ける部分の構造の一例を示した図である。なお、図3(a),(b)では、橋梁の下部構造として橋台を適用した場合を示している。また、図3(b)において、図3(a)と同一部分または相当する部分には、同一符号を付している。
図3(a)に示した耐震補強工事では、橋梁の上部構造である橋桁1の下面にブラケット2を取り付け、橋梁の下部構造である橋台3の側面に取付板4を取り付け、ブラケット2の橋台3に対向する側面に設けた取付部2aと、取付板4に設けた取付部4aとに、ダンパー装置5の一方の取付部5aと他方の取付部5bとを、それぞれ取り付けている。また、橋桁1の端部は、橋台3の桁かかり部3aに設けた可動支承6で支持している。
図3(b)に示した耐震補強工事では、橋台3の側面に設けた取付板4の取付部4aに、ワイヤー7の一方の端部7aを取り付け、このワイヤー7の他方の端部7bは、橋桁1の下部に設けた補強材1bに、取付具8を介して取り付けている。また、橋桁1の端部は、橋台3の桁かかり部3aに設けた支承9で支持している。
そして、図3(a),(b)に示した耐震補強工事において、取付板4を橋台3の側面に取り付ける取付構造BBは、図3(c)に示すように、橋台3の側面に複数の固定穴3cを穿孔し、この固定穴3cに所定量の接着剤GLを注入した後に、それぞれの固定穴3cにアンカーボルトBAをおのおの挿入した構造を有する。このように、取付板4は、複数のアンカーボルトBAにより、橋台3の側面に取り付けられている。なお、アンカーボルトBAの頭部に設けたナットBKは、固定穴3cへのアンカーボルトBAの挿入長さを規定するためのものである。
この取付構造BBにおいては、固定穴3cに注入した接着剤GLが徐々に固まるにつれて体積が増え、固定穴3cの面に、外側へ押圧する力を作用するとともに、接着剤GLの外周面と固定穴3cの面との間に付着力が作用する。そして、接着剤GLが完全に固まると、アンカーボルトBAを芯とする接着剤GLの塊の外周面が固定穴3cの面を押圧する力が十分な大きさとなり、その塊の外周面と、固定穴3cの面との間に作用する付着力及び摩擦力により、アンカーボルトBAが固定穴3cに固定されることで、取付板4が橋台3の側面に取り付けられる。このように、固定穴3cに注入した接着剤GLによりアンカーボルトBAを固定穴3cに固定する固定構造は、一般に、「樹脂アンカー」と呼ばれている。
このように、樹脂アンカーを用いた取付構造BBの標準的な施工例は、「既設橋梁の耐震補強工法事例集」(非特許文献1)に示されている。そして、その施工例では、固定穴3cの径Pは、アンカーボルトBAの径の寸法に10mmを加えた値に設定され、また、固定穴3cの穿孔方向の長さ寸法Lは、アンカーボルトBAの径の寸法を15倍以上した長さに10mmを加えた値に設定されている。
また、この「既設橋梁の耐震補強工法事例集」で示された橋台への免震装置等の取付構造は、耐震補強工事の施工時に適用される標準的なものであり、したがって、耐震補強工事における橋台への免震装置等の取付構造としては、特別な場合を除いて、ほぼこの取付構造が採用されている。
「既設橋梁の耐震補強工法事例集」、財団法人海洋架橋・橋梁調査会、平成17年4月
さて、地震動が発生して橋梁が揺れると、橋桁1に様々な方向の力が作用し、その結果、橋軸方向の振動が橋桁1に作用する。この橋軸方向の振動のエネルギーは、図3(a)に示した免震装置では、ダンパー装置5の伸縮機構がその軸方向(橋軸方向)に沿った方向に伸縮する際に、その伸縮機構により消費される。
それにより、橋軸方向の橋桁1の揺れが小さく抑えられて、橋桁1が可動支承6や橋台3の桁かかり部3aから脱落するような事態が生じず、その結果、地震動が除去された後にも、橋梁を利用することが可能となる。
また、図3(b)に示した落橋防止構造では、橋桁1の移動は、ワイヤー7により拘束される。それにより、地震動により支承9が破壊された場合でも、橋桁1が桁かかり部3aから脱落するなどの事態が回避されるので、地震動が除去された後には、橋梁を速やかに復旧させることができる。
一方、ダンパー装置5及びワイヤー7を橋台3に固定している取付板4は、上述したように複数のアンカーボルトBAで橋台3の側面に取り付けられている。そして、上述のように地震動が発生し、橋軸方向の振動が作用すると、取付板4を橋台3に固定しているアンカーボルトBAには、その軸方向の力、すなわち、アンカーボルトBAを固定穴3cに対して出し入れする方向の力が作用する。また、ダンパー装置5を用いている場合には、ダンパー装置5が橋軸方向に伸縮する際に作用する力も加わる。
ここで、固定穴3cに注入され固まった接着剤GLが十分な付着強度を有し、アンカーボルトBAを芯とする接着剤GLの塊の外周面と固定穴3cの面との間に作用する付着力及び摩擦力が、十分に大きい場合には、レベル2地震動が発生し、アンカーボルトBAを固定穴3cに対して出し入れする方向に大きな力が作用したとしても、アンカーボルトBAが固定穴3cに収まっており、取付板4は橋台3に固定された状態を維持する。
ところが、経年変化等の理由により、固定穴3cに注入され固まった接着剤GLが劣化することで、その付着強度が小さくなった場合には、アンカーボルトBAを芯とする接着剤GLの塊の外周面と固定穴3cの面との間に作用する付着力及び摩擦力も、小さくなる。
そのため、レベル2地震動が発生し、アンカーボルトBAを固定穴3cに対して出し入れする方向に大きな力が作用することで、アンカーボルトBAを固定穴3cから引き抜く方向へ大きな力が作用すると、アンカーボルトBAが固定穴3cから抜け出るという事態を生じる蓋然性があり、その場合、ダンパー装置5やワイヤー7が橋台3に固定されなくなるため、免震装置や落橋防止構造(を含む落橋防止システム)が当初の性能を発揮できないという不具合を生じるおそれがある。
特に、ダンパー装置5を用いている場合には、例えば、レベル2地震動により支承が破壊されなくても、軸方向に伸びた際、ダンパー装置5が橋台3を引き倒す方向へ力を作用するので、アンカーボルトBAを固定穴3cから引き抜く方向へ、より大きな力が作用し、そのため、上述した蓋然性が高くなる。
なお、このような樹脂アンカーを用いた固定構造に関連した不具合の例としては、2012年12月2日に発生した「笹子トンネル天井板落下事故」がある。この事故の要因の一つとして、「天井板の荷重を接着剤のみで支えている構造(すなわち、樹脂アンカーを用いた固定構造を有する構造)」が示唆されていて、「トンネルの施工時から長い年月を経て接着剤が劣化し、そのために、構造が荷重に耐えられなくなって、天井板が落下した」という見解もある。
上述のように、取付板4を橋台3に固定している取付構造BBも樹脂アンカーを用いている。そのため、耐震補強工事の施工時から長い年月を経た頃にレベル2地震動が発生すると、その時点では、固定穴3cに注入して固まった接着剤GLが劣化している可能性があるため、「笹子トンネル天井板落下事故」と同様に、アンカーボルトBAが固定穴3cから抜け出るおそれがあると考えることができる。
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、樹脂アンカーを使わずに、免震装置や落橋防止構造を橋台に取り付ける固定構造を提供することを目的とする。
この発明は、橋梁の上部構造と橋台との間に設けた連結装置を前記橋台に固定する固定構造であって、前記橋台を支えるグラウンドアンカーと、前記連結装置を前記橋台に固定するための取付部とを有し、前記グラウンドアンカーのアンカー頭部を前記橋台に固定するための固定部に、前記取付部を固定したことを特徴とする固定構造である。
また、前記固定部が、鋼材の厚板からなる支圧鋼板と、前記アンカー頭部を固定する支圧板部と、前記グラウンドアンカーの延長方向と直交する角度で、前記支圧板部を前記支圧鋼板に取り付ける角度付き取付部とを有する支圧取付部材とからなることを特徴とするものである。
また、前記連結装置が、免震装置または落橋防止構造の少なくともいずれか一方であることを特徴とするものである。
以上説明したように、本発明によれば、橋台を支えるグラウンドアンカーを橋台に固定する固定部に、連結装置を橋台に取り付ける取付部を取り付けているので、樹脂アンカーを用いずに、連結装置を橋台に固定することができる。効果の詳細は、後述する。
図1は、本発明の一実施例に係る固定構造を例示した概略構成図である。 図2(a)は、本発明の一実施例に係る固定構造の要部を説明するための概略正面図であり、同図(b)は、本発明の一実施例に係る固定構造の要部を説明するための概略平面図である。 図3(a)は、橋桁と橋台との間に、免震装置としてダンパー装置を設置した場合の耐震補強工事の施工例を示し、同図(b)は、橋桁と橋台との間に、落橋防止構造(落橋防止システム)としてワイヤー型拘束装置を設置した場合の耐震補強工事の施工例を示し、同図(c)は、図3(a),(b)の耐震補強工事において、ダンパー装置あるいは落橋防止構造を橋台に取り付ける部分の構造の一例を示した図である。
以下、添付図面を参照しながら、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔実施例〕
図1は、本発明の一実施例に係る固定構造を例示した概略構成図であり、図2(a)は、本発明の一実施例に係る固定構造の要部を説明するための概略正面図であり、同図(b)は、本発明の一実施例に係る固定構造の要部を説明するための概略平面図である。なお、図1及び図2(a),(b)において、図3(a)と同一部分および相当する部分には、同一符号を付している。
図において、この実施例では、橋梁の上部構造である橋桁1と、橋梁の下部構造である橋台3との間に設けた連結装置として、ダンパー装置5を用いた免震装置を備え、橋桁1の端部は、橋台3の桁かかり部3aに設けた可動支承6に支承されている。本実施例は、橋梁の耐震補強工事を、免震装置を用いて行った場合について説明している。
そして、ダンパー装置5の左右には(図2(a),(b)参照)、橋台3が橋桁方向に倒れることを防止するため、橋台3を支えるグラウンドアンカー(「アースアンカー」ともいう)100,200を設けており、ダンパー装置5の橋台側の取付部5bを橋台3に取り付けるための取付部300と、グラウンドアンカー100,200のアンカー頭部100a,200aを橋台3にそれぞれ固定する固定部100b,200bとを、鋼材の厚板からなる支圧鋼板400におのおの取り付けている。
取付部300は、鋼材からなる略正方形の板材310と、この板材310の表面に直立するように取り付けられて、ダンパー装置5の取付部5bを両側から挟み込んで固定する固定板300a,300bとから構成されており、固定板300a,300bには、取付部5bの係合穴(図示略)に挿入される係合ピン320が挿通される取付穴(図示略)が形成されている。この係合ピン320により、ダンパー装置5の取付部5bが、固定板300a,300bを介して、板材310に固定される。ここで、この板材310が、支圧鋼板400に取り付けられているから、ダンパー装置5の橋台側の取付部5bは、固定板300a,300b、及び、板材310を介して、支圧鋼板400に固定される。
固定部100bは、グラウンドアンカー100の頭部100aを固定するための支圧板(支圧板部)110と、この支圧板110を、グラウンドアンカー100の延長方向と直交する面と平行に保持して支圧鋼板400に取り付けるための、一対の角度付き板材(角度付き取付部)111,112とから構成されている。
同様に、固定部200bは、アンカー200の頭部200aを固定するための支圧板210と、この支圧板210を、アンカー200の延長方向と直交する面と平行に保持して支圧鋼板400に取り付けるための、一対の角度付き板材211,212とから構成されている。
また、支圧鋼板400には、ダンパー装置5を通して引っ張り力が作用した際に板材310に作用する力により、支圧鋼板400が変形することを防止するための補剛材410,420が設けられている。なお、図1及び図2(b)に示すように、支圧鋼板400と橋台3との間には、支圧鋼板400の防食等のためにクッション材(フィラー材;詰め物材)450を設けることが望ましい。このクッション材450の材質としては、例えば、水分が浸透せず、かつ、耐候性に優れている炭素繊維などの適宜なものを用いることができる。
グラウンドアンカー100は、橋台3及び橋台3の背面の地盤KAを貫通し、地盤KAよりも堅固な材質からなる地盤KBに届く削孔HH内に設けられる。グラウンドアンカー100の先端には、アンカー体130が設けられて、地盤KBに定着される。また、アンカー体130からは、引っ張り部であるテンドン140が伸びて、アンカー頭部100aで支圧板110に定着されている。このテンドン140は、アンカー頭部100aからの引っ張り力をアンカー体130に伝達する部分であり、アンカー頭部100aには、テンドン140の端部を支圧板110に定着するための定着具(図示略)が設けられる。
ここで、アンカー体130は、グラウンドアンカー100の引っ張り力を地盤KBに直接伝達する部分であり、設置される地盤KBとしては、上述のように岩盤等の堅固な材質であることが好ましい。このアンカー体130としては、セメントなどのグラウトを削孔HHに注入することで造成されることが多く、テンドン140としては、PC鋼線、PC鋼より線、多重PC鋼より線、及び、連続繊維補強材等が用いられる。また、通常、テンドン140は、防食のためにシース材等(図示略)により被覆されており、アンカー頭部100aには、防食等のために防錆剤等が封入されることが多い。
削孔HHは、橋台3におけるダンパー装置5の取付位置から、固い地盤KBまで削孔機で穿孔することにより形成され、その俯角の大きさは、橋台3における削孔HHの開口部の高さと、その開口部から地盤KBにおけるアンカー体130の定着位置までの距離に応じて定まる。そして、角度付き板材111,112,211,212は、この削孔HHの延長方向と直交する方向と平行な傾斜角の斜辺を有する台形の平面形状を有する。なお、この角度付き板材111,112,211,212の平面形状は、上述した台形と同様の斜辺を有する三角形又は多角形であってもよい。
また、支圧鋼板400、補剛材410,420、板材310、支持板310a,310b、角度付き板材111,112,211,212、支圧板110,210は、それぞれ適切な材質で適切な厚さの鋼板で形成されていて、これらの鋼板同士の取り付けや固定は、適切な方法を適用した溶接で実施することができる。これにより、これらの鋼板の取り付けや固定が強固なものとなる。
このようにして、本実施例では、橋台3を支えるためのグラウンドアンカー100,200のアンカー頭部100a,200aを橋台3に取り付けるための支圧鋼板400に、ダンパー装置5の一方の取付部5bを橋台3に取り付けるための板材310を固定している。
したがって、この支圧鋼板400は、グラウンドアンカー100,200を橋台3に取り付ける部材と、ダンパー装置5を橋台3に取り付ける部材とを兼用しており、ダンパー装置5が伸びて橋台3を橋桁1の方向へ引き倒す力が作用したとき、その力は、グラウンドアンカー100,200の引っ張り力によって引き止められ、その結果、橋台3が傾くような事態を回避することができる。
ここで、ダンパー装置5が大きく伸縮する事態を生じるのは、例えば、上述したレベル2地震動のような地震動が発生したときであるから、本実施例によれば、レベル2地震動が発生したときのダンパー装置5の挙動により、ダンパー装置5を橋台3に取り付けている取付部300が橋台から外れることで、橋梁が使えなくなる等の不具合が生じることを防止できる。
すなわち、本実施例では、樹脂アンカーを用いなくても、ダンパー装置5を橋台3に適切に取り付けることができる。したがって、施工時から長い年月を経た頃にレベル2地震動が発生したとしても、ダンパー装置5を橋台3に取り付けている構造が破損し、橋梁を使えなくなるという、樹脂アンカーを用いた固定構造で生じるような不具合を生じることがない。
また、周知のように、グラウンドアンカー100,200は、地震発生時に橋台3が転倒したり滑動することを防止するから、本実施例の固定構造を備えることで、橋梁の耐震補強をより効果的に行うことができる。
ところで、上述した実施例では、橋梁の耐震補強工事の際に、橋梁の上部構造と橋台との間に設けた連結装置として、ダンパー装置5を用いた場合を説明したが、ダンパー装置以外の免震装置を設けた場合でも、本発明を同様にして適用することができる。また、本発明は、免震装置のみならず、上述したような落橋防止構造を、橋梁の耐震補強工事の際に設置した橋梁についても同様に適用することができる。
また、上述した実施例では、角度付き取付部として角度付き板材111,112,211,212を用いているが、この角度付き取付部としては、それ以外にも、例えば、断面形状が角度付き板材111,112,211,212の平面形状と同様の形状を有するコンクリートブロックや角度調整部材等、アンカー頭部を、グラウンドアンカー100,200の延長方向と直交する面と平行になるように支持するために、通常用いられている適宜な部材等を用いることができる。
また、支圧板部と角度付き取付部とからなる支圧取付部材を1つの部材で構成することもできる。例えば、鋼板の両端部を角度付き取付部に対応した角度に成型するとともに両端部を折り曲げ、その両端部を支圧鋼板400に固定した際に、支圧板部となる中央の平面が、グラウンドアンカー100,200の延長方向と直交する面と平行になるようにするとよい。
また、以上述べてきた各実施形態の構成及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて適用することも可能である。例えば、橋梁の耐震補強工事の際に、免震装置と落橋防止構造とを共に設けた橋梁についても、本発明を同様にして適用できる。
本発明は、橋梁の上部構造と橋台との間に設けた連結装置を橋台に固定する場合の固定構造であれば、どのような種類の連結装置についても適用することができる。
1 橋桁
3 橋台
5 ダンパー装置
100,200 グラウンドアンカー(アースアンカー)
100a,200a アンカー頭部
100b,200b 固定部
110,210 支圧板
111,112,211,212 角度付き板材
300 取付部
310 板材
400 支圧鋼板
410,420 補剛材

Claims (3)

  1. 橋梁の上部構造と橋台との間に設けた連結装置を前記橋台に固定する固定構造であって、
    前記橋台を支えるグラウンドアンカーと、
    前記連結装置を前記橋台に固定するための取付部とを有し、
    前記グラウンドアンカーのアンカー頭部を前記橋台に固定するための固定部に、前記取付部を固定したことを特徴とする固定構造。
  2. 前記固定部が、
    鋼材の厚板からなる支圧鋼板と、
    前記アンカー頭部を固定する支圧板部と、前記グラウンドアンカーの延長方向と直交する角度で、前記支圧板部を前記支圧鋼板に取り付ける角度付き取付部とを有する支圧取付部材と、
    からなることを特徴とする請求項1に記載の固定構造。
  3. 前記連結装置が、免震装置または落橋防止構造の少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の固定構造。
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