JP5387060B2 - 電動車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動車両の制御装置に関する。
従来の電動車両のクラッチ制御装置は、駆動源にエンジン及びモータを備えており、エンジンはモータの出力軸にエンジンクラッチを介して接続されていた。また、駆動系に発進クラッチを有しており、この発進クラッチにより、駆動輪への伝達トルクを可変することができた。そして、モータ単独での走行中にエンジンを始動させる場合、発進クラッチをスリップ制御しながらモータの回転を上昇させ、所定の回転速度に達したとき、エンジンクラッチを接続させていた(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、発進クラッチを一定伝達トルク(エンジン始動指示時のモータ出力トルク相当)に保ちながらモータの回転数を上昇させることで、発進クラッチをスリップさせる制御が行われていた。ここで、エンジンのクランキング開始から所要時間までのモータ回転速度の変化は、先ず、パラメータとして読み込まれたアクセル開度及び車体速をマップに入力し、これらアクセル開度及び車体速に基づいて、モータから発進クラッチを介して車体に伝達される伝達トルクを求めていた。
特開2000-255285号公報
しかしながら、従来の電動車両の制御装置にあっては、発進時等の極低速走行時において、車輪速センサといった比較的分解能の粗い計測値では正確なスリップ回転数が検出できず、スリップ状態か否かを正しく判定できない。このため、例えば、実際には出力軸回転数が入力軸回転数を上回り、スリップを維持するためさらに目標回転数を上昇(出力軸回転数+目標スリップ回転数)させる必要がある場合でも、目標モータ回転数が上昇しないため、所望の加速度が得られない、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、発進時等のスリップ締結要求時、加速不足といった運転性の悪化を防止することができる電動車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電動車両の制御装置では、駆動系に、モータと、クラッチと、駆動輪を有し、前記クラッチのスリップ締結要求時、前記モータを回転数制御とし、クラッチ入力軸回転数をクラッチ入力軸回転数目標値とすることで前記クラッチのスリップ締結状態を維持し、前記クラッチを経過するクラッチ伝達トルク容量をコントロールするクラッチスリップ制御手段を備えている。
この電動車両の制御装置において、前記クラッチの出力軸回転数を検出する出力軸回転数計測手段と、スリップ回転数目標値を演算するスリップ回転数目標値演算手段と、前記クラッチの油温を検出するクラッチ油温検出手段と、を設ける。
そして、前記クラッチスリップ制御手段は、前記クラッチのスリップ締結要求時、出力軸回転数計測値が回転数検出可能最小値を超えているとき、クラッチ入力軸回転数目標値を、スリップ回転数目標値に出力軸回転数計測値を加えた値とし、出力軸回転数計測値が回転数検出可能最小値以下で、かつ、前記クラッチの油温上昇を促進するとき、前記クラッチ入力軸回転数目標値を、回転数検出可能最小値以上の一定値に設定した。
よって、本発明の電動車両の制御装置にあっては、クラッチのスリップ締結要求時、出力軸回転数計測値が回転数検出可能最小値を超えているとき、クラッチスリップ制御手段において、クラッチ入力軸回転数目標値が、スリップ回転数目標値に出力軸回転数計測値を加えた値に設定される。また、クラッチのスリップ締結要求時、出力軸回転数計測値が回転数検出可能最小値以下で、かつ、クラッチの油温上昇を促進するとき、クラッチスリップ制御手段において、クラッチ入力軸回転数目標値が回転数検出可能最小値以上の一定値に設定される。
このため、クラッチ入力軸回転数の目標値と実際値が一致していれば、クラッチ出力軸回転数が検出不可能な極低速域の場合であっても、クラッチのスリップを維持することができる。そして、スリップが維持されたクラッチのトルク容量を制御することにより、所望の駆動トルクを実現できる。
この結果、発進時等のスリップ締結要求時、加速不足といった運転性の悪化を防止することができる。
さらに、車速が発進開始時から上昇する加速走行特性となる。この結果、所望の加速度が得られる。すなわち、発進加速性を確保することができる。
加えて、クラッチの油温上昇を促進するとき、クラッチ入力軸回転数目標値を回転数検出可能最小値以上の一定値に設定することで、スリップ回転数が大きくなる。この結果、クラッチの油温上昇を促進することができる。
実施例1の制御装置が適用されたパラレルハイブリッド車両(電動車両の一例)を示す全体システム図である。 実施例1の統合コントローラ14で実行される統合制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の統合制御処理のうち目標駆動トルクの演算処理にて用いられる車速とアクセル開度による目標駆動トルク演算マップの一例を示す図である。 演算されたクラッチトルク容量指令値からクラッチ油圧を演算するためのクラッチトルク容量−油圧変換マップの一例を示す図である。 演算されたクラッチ油圧からクラッチ電流指令値を演算するためのクラッチ油圧−電流変換マップの一例を示す図である。 実施例1の統合制御処理のうち第2クラッチ制御モードの設定処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の統合制御処理のうち第2クラッチ出力軸回転数のロック判定処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の統合制御処理のうち第2クラッチの入力軸回転数目標値の演算処理にて用いられるクラッチ開放時の目標スリップ回転数を演算するマップの一例を示す図である。 実施例1の統合制御処理のうち第2クラッチの入力軸回転数目標値の演算処理にて用いられるエンジン始動時の目標スリップ回転数(増加分)を演算するマップの一例を示す図である。 回転数制御用第2クラッチトルク容量指令値の演算方法を示す第2クラッチの制御ブロック図である。 比較例のクラッチスリップ制御の実行による発進時おけるモータトルク・CL2トルク容量・回転数(モータ(CL2入力)目標値、モータ(CL2入力)計測値、車速(CL2出力)実際値、車速(CL2出力)計測値)・アクセル開度の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1のクラッチスリップ制御(ポイント1)の実行による発進時おけるモータトルク・CL2トルク容量・回転数(モータ(CL2入力)目標値、モータ(CL2入力)計測値、車速(CL2出力)実際値、車速(CL2出力)計測値)・アクセル開度の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1のクラッチスリップ制御(ポイント2,3)の実行による発進時おけるモータトルク・CL2トルク容量・回転数(モータ(CL2入力)目標値、モータ(CL2入力)計測値、車速(CL2出力)実際値、車速(CL2出力)計測値)・アクセル開度の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1のクラッチスリップ制御(ポイント4)の実行による発進時おけるモータトルク・CL2トルク容量・回転数(モータ(CL2入力)目標値、モータ(CL2入力)計測値、車速(CL2出力)実際値、車速(CL2出力)計測値)・アクセル開度の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明の電動車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたパラレルハイブリッド車両(電動車両の一例)を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて、駆動系および制御系の構成を説明する。
実施例1のパラレルハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、第1クラッチCL1と、モータ/ジェネレータMG(モータ)と、第2クラッチCL2(クラッチ)と、自動変速機ATと、ファイナルギヤFGと、左駆動輪LT(駆動輪)と、右駆動輪RT(駆動輪)と、を備えている。
このハイブリッド駆動系は、電気自動車走行モード(以下、「EVモード」という。)と、ハイブリッド車走行モード(以下、「HEVモード」という。)と、駆動トルクコントロール発進モード(以下、「WSCモード」という。)等の走行モードを有する。
前記「EVモード」は、第1クラッチCL1を開放状態とし、モータ/ジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。
前記「HEVモード」は、第1クラッチCL1を締結状態とし、モータアシスト走行モード・走行発電モード・エンジン走行モードの何れかにより走行するモードである。
前記「WSCモード」は、駆動系にトルクコンバータを持たないために導入された走行モードであり、例えば、「HEVモード」からのP,N→Dセレクト発進時、または、「EVモード」や「HEVモード」からのDレンジ発進時、または、極低速走行時等において、モータ/ジェネレータMGを回転数制御させることで第2クラッチCL2のスリップ締結状態を維持し、第2クラッチCL2を経過するクラッチ伝達トルク容量をコントロールしながら発進/走行するモードである。なお、「WSC」とは「Wet Start Clutch」の略である。
前記エンジンEngは、希薄燃焼可能であり、スロットルアクチュエータによる吸入空気量とインジェクタによる燃料噴射量と、点火プラグによる点火時期の制御により、エンジントルクが指令値と一致するように制御される。
前記第1クラッチCL1は、エンジンEngとモータ/ジェネレータMGとの間の位置に介装される。この第1クラッチCL1としては、例えば、ダイアフラムスプリングによる付勢力にて常時締結(ノーマルクローズ)の乾式クラッチが用いられ、エンジンEng〜モータ/ジェネレータMG間の締結/半締結/開放を行なう。この第1クラッチCL1が完全締結状態ならモータトルク+エンジントルクが第2クラッチCL2へと伝達され、開放状態ならモータトルクのみが、第2クラッチCL2へと伝達される。なお、半締結/開放の制御は、油圧アクチュエータに対するストローク制御にて行われる。
前記モータ/ジェネレータMGは、交流同期モータ構造であり、発進時や走行時に駆動トルク制御や回転数制御を行うと共に、制動時や減速時に回生ブレーキ制御による車両運動エネルギーのバッテリー9への回収を行なうものである。
前記第2クラッチCL2は、ノーマルオープンの湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキであり、クラッチ油圧(押付力)に応じて伝達トルク(クラッチトルク容量)が発生する。この第2クラッチCL2は、自動変速機ATおよびファイナルギヤFGを介し、エンジンEngおよびモータ/ジェネレータMG(第1クラッチCL1が締結されている場合)から出力されたトルクを左右駆動輪LT,RTへと伝達する。
そして、この第2クラッチCL2は、
(a)「WSCモード」を選択しての発進/走行時、
(b)「EVモード」からエンジンEngを始動して「HEVモード」へ移行するモード遷移時、
(c)「HEVモード」から第1クラッチCL1を切り離して「EVモード」へ移行するモード遷移時、
において、モータ/ジェネレータMGの回転数制御により第2クラッチCL2のスリップ状態を維持するクラッチスリップ制御が行われる。
前記自動変速機ATは、有段階の変速段を得る変速機であり、複数の遊星歯車から構成される。変速機内部のクラッチならびにブレーキをそれぞれ締結/開放し、トルク伝達経路を変えることにより変速する。
実施例1のパラレルハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、第2クラッチ入力回転数センサ6(入力軸回転数計測手段)と、第2クラッチ出力回転数センサ7(出力軸回転数計測手段)と、インバータ8と、バッテリー9と、アクセルポジションセンサ10と、エンジン回転数センサ11と、クラッチ油温センサ12(クラッチ油温検出手段)と、ストローク位置センサ13と、統合コントローラ14と、変速機コントローラ15と、クラッチコントローラ16と、エンジンコントローラ17と、モータコントローラ18と、バッテリーコントローラ19と、車速センサ20と、を備えている。
前記第2クラッチ入力回転数センサ6としては、モータ回転角度を検出するレゾルバ等の分解能が細かい計測値を得ることができるセンサが用いられる。前記第2クラッチ出力回転数センサ7としては、車輪速を検出するパルスセンサ等の比較的分解能の粗い計測値を得るセンサが用いられる。
前記インバータ8は、直流/交流の変換を行い、モータ/ジェネレータMGの駆動電流を生成する。バッテリー9は、モータ/ジェネレータMGからの発電/回生エネルギーを、インバータ8を介して蓄積する。
前記統合コントローラ14は、バッテリー状態、アクセル開度、および車速(変速機出力回転数に同期した値)から目標駆動トルクを演算する。そして、その結果に基づき各アクチュエータ(モータ/ジェネレータMG、エンジンEng、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、自動変速機AT)に対する指令値を演算し、各コントローラ15,16,17,18,19へと送信する。
前記変速機コントローラ15は、統合コントローラ14からの変速指令を達成するように変速制御を行なう。
前記クラッチコントローラ16は、第2クラッチ入力回転数センサ6と第2クラッチ出力回転数センサ7とクラッチ油温センサ12からのセンサ情報を入力すると共に、統合コントローラ14からの第1クラッチ油圧指令値と第2クラッチ油圧指令値に対して、クラッチ油圧(電流)指令値を実現するようにソレノイドバルブの電流を制御する。
前記エンジンコントローラ17は、エンジン回転数センサ11からのセンサ情報を入力すると共に、統合コントローラ14からのエンジントルク指令値を達成するようにエンジントルク制御を行なう。
前記モータコントローラ18は、統合コントローラ14からのモータトルク指令値やモータ回転数指令値を達成するようにモータ/ジェネレータMGの制御を行なう。
前記バッテリーコントローラ19は、バッテリー9の充電状態(SOC)を管理し、その情報を統合コントローラ14へと送信する。
次に、前記統合コントローラ14により実行される制御処理内容を、図2に示すフローチャートを用いて説明する。尚、図2に示す処理内容は一定サンプリングで実行される。
ステップS1では、バッテリーコントローラ19からのバッテリー充電量SOC、変速機コントローラ15からの変速機のシフト位置、第2クラッチ入力回転数センサ6と第2クラッチ出力回転数センサ7からの第2クラッチCL2の入出力回転数等といった他のコントローラが計測した車両状態を受信し、ステップS2へ進む。
ステップS2では、車速センサ20からの車速VSPと、アクセルセンサ10からのアクセル開度APOを読み込み、ステップS3へ進む。
ステップS3では、アクセル開度APO、車速VSPから目標駆動トルクTd*を演算する。ここで、目標駆動トルクTd*の演算詳細については省略するが、例えば、図3に示すようなアクセル開度APOと車速VSPをパラメータとする目標駆動トルク演算マップに基づき演算する。つまり、登坂路での車両停止時には、車速VSPはゼロであるが、車両停止を保つためにアクセルペダルが踏み込まれることにより、目標駆動トルクTd*が演算される。
ステップS4では、バッテリー充電量SOCや目標駆動トルクTd*および車速VSPといった車両状態から第1クラッチ制御モードフラグfCL1(締結=エンジン始動/開放=エンジン停止)の設定を行ない、ステップS5へ進む。
ここではその詳細は省略するが、例えば、低加速での発進といった比較的エンジンの効率が良くない走行シーンではモータ単独(EVモード)走行するため、第1クラッチCL1は開放(fCL1=0)する。また、急加速時やバッテリー充電量SOCが所定値SOCth1以下、あるいは車速VSPが所定値VSPth1以上となった場合、「EVモード」を選択しての走行は困難なため、エンジンEngおよびモータジェネレータMGで走行する「HEVモード」に移行するために第1クラッチCL1をスリップまたは締結(fCL1=1)する。
ステップS5では、バッテリー充電量SOC、目標駆動トルクTd*、第1クラッチ制御モードフラグfCL1および車速VSPといった車両状態から、第2クラッチ制御モードCL2MODE(締結、開放、スリップ)を設定し、ステップS6へ進む。なお、詳細については後述する。
ステップS6では、各クラッチCL1,CL2の制御モードと車両状態に基づき、ステップS3にて演算された目標駆動トルクTd*を、基本エンジントルク指令値Te_base *、基本モータトルク指令値Tm_base *に配分し、ステップS7へ進む。なお、配分方法については様々な手法が考えられるが、詳細については省略する。
ステップS7では、出力軸回転数計測値が検出可能最小値ωo_min以下、すなわちセンサからの出力値が零だった場合において、実際の出力軸回転数が、インバータ8がロックと判定しない(=過温度とならない)回転数ωUN_LOCK以上に上昇しているか否かを判定する。なお、詳細な判定方法については後述するが、出力軸回転数と比較し分解能の細かい入力軸(モータ)回転数センサ7の計測値ωcl2iを用いることで、検出可能最小値ωo_min以下の値を精度良く判定できる。
ステップS8では、スリップ回転数制御を実行するか否かの判断を行う。ステップS5で第2クラッチCL2のモード状態がスリップモードと設定され、かつ、実際のスリップ回転数(入力軸回転数−出力軸回転数)絶対値が所定値以上となった場合は、スリップ回転数制御をONとしてステップS9へ、開放または締結と設定された場合は、回転数制御をOFFとしてステップS13へ、それぞれ進む。
ステップS9では、基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_base *を演算する。例えば、目標駆動トルクTd*と同値とする。
ステップS10では、第1クラッチ制御モードfCL1、基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_base *、第2クラッチ油温Tempcl2、バッテリー充電率SOC、および出力軸回転数計測値ωoから第2クラッチCL2の入力軸回転数目標値ωCl2i *を演算する。なお、詳細な説明については後述する。
ステップS11では、入力軸回転数目標値ωCl2i *と入力軸回転数計測値ωCl2iが一致するように回転数制御用モータトルク指令値を演算する。ここで、演算(制御)方法は様々考えられるが、例えば、下式に基づき(PI制御)演算する。実際の演算はタスティン近似等で離散化して得られた漸化式を用いて算出する。演算式は、
Tm_FB_ON={(KPm・s+KIm)/s}{ωcl2i *−ωcl2i} (1)
とする。
ただし、
KPm:モータ制御用比例ゲイン
KIm:モータ制御用積分ゲイン
s:微分演算子
である。
なお、出力軸回転数が検出可能最小値ω o_min 以下の場合には、目標駆動トルク(入力軸換算相当値)に所定の値(モータ回転数を所定の角加速度で上昇できる分)を加えた値で上限制限を施す。
ステップS12では、回転数制御中の第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_ONを演算する。
出力軸回転数が検出可能最小値ωo_min以下、かつ、ステップS7で出力軸回転数のロック判定中(fLKJDG_END=0)と判定され、かつ、後述する出力軸回転数推定値、かつ、入力軸回転数計測値が共に非ロック回転数以上の場合、前回の第2クラッチトルク容量指令値に所定の値ΔTcl2_LKJDGを加算した値とする。
それ以外の場合は、基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_base *と回転数制御用モータトルク指令値Tm_FB_ONとエンジントルク指令値Te_base *から、目標駆動トルクTd*を実現するためのクラッチトルク容量指令値を演算する。なお、詳細な説明は後述する。
ステップS13では、前述した回転数制御用モータトルク指令値ならびに回転数制御用第2クラッチトルク容量指令値を演算するための内部状態変数を初期化する。
ステップS14では、回転数制御を行なわない場合、すなわち第2クラッチCL2を締結/開放状態もしくは締結状態から回転数制御を行なう(スリップ状態にする)までのクラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_OFFを演算する。
1)締結する場合
1-1) Tcl2_z1 *<Td*×Ksafeであれば、
Tcl2_FB_OFF=Tcl2_z1 *+ΔTcl2LU (2)
1-2) Tcl2_z1 *≧Td*×Ksafeであれば、
Tcl2_FB_OFF=Td*×Ksafe (3)
2)開放する場合、
Tcl2_FB_OFF=0 (4)
3)第2クラッチCL2を締結→スリップ状態にする場合、
Tcl2_FB_OFF=Tcl2_z1 *−ΔTcl2slp (5)
とする。
ただし、
Ksafe:第2クラッチ安全率係数(>1)
ΔTcl2LU:スリップ(または開放)→締結移行時のトルク容量変化率
ΔTcl2slp:締結→スリップ移行時トルク容量変化率
Tcl2_z1 *:最終第2トルク指令値前回値
である。
ステップS15では、以下の条件に基づき最終第2クラッチトルク容量指令値Tcl2 *を決定する。決定式は、
1) 第2クラッチCL2が回転数制御中の場合
Tcl2 *=Tcl2_FB_ON (6)
2) 第2クラッチCL2が回転数制御停止の場合
Tcl2 *=Tcl2_FB_OFF (7)
とする。
ステップS16では、第1クラッチ制御モードフラグfCL1に基づき第1クラッチトルク容量指令値Tcl1 *を決定する。
1) 第1クラッチ制御モードが締結モードになっていて、かつ、第2クラッチスリップ回転数ωcl2slpがスリップ回転数目標値ωcl2slp *以上の場合、
Tcl1 *=Tcl1_max (8)
ただし、
ωcl2slp *:エンジン始動時スリップ回転数目標値(設定方法は後述)
Tcl1_max:第1クラッチ最大トルク容量
2) 第1クラッチ制御モードが開放モードになっている場合、
Tcl1 *=0 (9)
とする。
ステップS17では、クラッチトルク容量指令値Tcl1 *、Tcl2 *から電流指令値Icl1 *、Icl2 *を演算する。実際には予め取得した特性に基づき作成した図4に示すクラッチトルク容量−油圧変換マップと、図5に示すクラッチトルク油圧−電流変換マップを用いて算出する。これにより、油圧や電流に対してクラッチトルク容量が非線形な特性を有している場合でも、制御対象を線形としてみなすことができるため、前述したような線形制御理論を適用することができる。
ステップS18では、以下の条件に基づき最終モータトルク指令値Tm*を決定する。決定式は、
1) 第2クラッチCL2が回転数制御中の場合
Tm*=Tm_FB_ON (10)
2) 第2クラッチCL2が回転数制御停止の場合
Tm*=Tm_base * (11)
とする。
ステップS19では、算出された指令値を各制御コントローラ15,16,17,18,19へと送信する。
次に、第2クラッチ制御モードCL2MODEの設定方法(図2のステップS5)について説明する。第2クラッチCL2は、バッテリー充電量SOC、目標駆動トルクTd*、第1クラッチ制御モードフラグfCL1および車速VSPといった車両状態から設定する。以下、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS51では、第1クラッチ制御モードフラグfCL1を判別する。第1クラッチ制御モードフラグfCL1が締結(エンジン始動)の場合(fCL1=1)は、ステップS55へ、開放モード(エンジン停止)の場合(fCL1=0)は、ステップS52に進む。
ステップS52では、ステップS51での第1クラッチ制御モードフラグfCL1が開放モードであるとの判断に続き、車速VSPがゼロ(停止)か否かを判定する。停止(VSP=0)している場合は、ステップS53に進む。それ以外はステップS54に進む。
ステップS53では、ステップS52での車速VSPがゼロ(停止)であるとの判断に続き、第2クラッチ制御モードを締結モード(CL2MODE=1)とし、エンドへ進む。
ステップS54では、ステップS52での車速VSPがゼロでないとの判断に続き、第2クラッチ制御モードをスリップモード(CL2MODE=2)とし、エンドへ進む。
ステップS55では、ステップS51での第1クラッチ制御モードフラグfCL1が締結モードであるとの判断に続き、車速VSPが所定値Vth1(例えば、エンジンが始動できる最低車速)より高いか否かを判定する。低い場合はステップS56へ、高い場合はステップS58に進む。
ステップS56では、ステップS55での車速VSPが所定値Vth1より低いとの判断に続き、目標駆動トルクTd*の符号を判別し、正値の場合にはステップS54へ、負値の場合にはステップS57へ進む。
ステップS57では、ステップS56での目標駆動トルクTd*の符号が負値であるとの判断に続き、第2クラッチ制御モードを開放モード(CL2MODE=0)とし、エンドへ進む。
ステップS58では、ステップS55での車速VSPが所定値Vth1以上であるとの判断に続き、前回の第2クラッチ制御モードCL2MODE_z1が締結モードか否かを判定する。締結モード(CL2MODE_z1=1)の場合はステップS53へ、それ以外の場合(CL2MODE_z1=0)はステップS59へ進む。
ステップS59では、ステップS58での前回の第2クラッチ制御モードCL2MODE_z1が締結モードではないという判断に続き、エンジン回転数計測値ωe、第2クラッチスリップ回転数計測値ωcl2slp、およびスリップ回転数しきい値ωcl2slpthから、以下の条件が成立する場合はステップS54に進みスリップを開始または継続し、成立しない場合にはステップS53に進みスリップを終了し締結モードへ移行する。スリップ継続条件は、
ωe≠ωcl2i(CL1開放またはスリップ)、または、ωcl2slp>ωcl2slpth
とする。
次に、出力軸回転数のロック判定方法(図2のステップS7)について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS91では、出力軸回転数計測値が検出可能最小値ωo_min以下か否かを判定する。以下であればステップS92へ進み、超えていればステップS99へ進む。
ステップS92では、後述する出力軸回転数推定値ω~oが非ロック回転数ωUN_LOCK(インバータ8がロックと判定しないインバータ過温度防止最小値)を超えているか否かを判定する。超えていればステップS93へ進み、以下であればステップS99へ進む。
ステップS93では、ロック判定が終了している否かを判定する。終了していない場合はステップS94へ進み、終了している場合はエンドへ進み処理を終了する。
ステップS94では、入力軸回転数ωcl2iが非ロック回転数ωUN_LOCKを超えているか否かを判定する。超えていればステップS95へ進み、以下であればステップS97へ進む。
ステップS95では、入力軸回転角加速度d(ωcl2i)の符号を判定する。零以上であればステップS96へ進み、それ以外であればエンドへ進み処理を終了する。
ステップS96では、出力軸回転数が非ロック回転数ωUN_LOCKを超えるまで上昇したと判断し、ロック判定フラグfω_LKをクリアし、ステップS98へ進む。
ステップS97では、出力軸回転数が非ロック回転数ωUN_LOCK以下と判断し、ロック判定フラグfω_LKをセットし、ステップS98へ進む。
ステップS98では、ロック判定処理が終了したと判断し、ロック判定終了フラグfLKJDG_ENDをセット(fLKJDG_END=1)する。
ステップS99では、ロック判定終了フラグfLKJDG_ENDをクリア(fLKJDG_END=0)する。
次に、第2クラッチCL2の入力軸回転数目標値ωcl2i *の演算方法(図2のステップS10)の詳細について説明する。
まず、以下に基づき第2クラッチスリップ回転数目標値ωcl2_slp *を演算する。
1)EVモードの場合(fCL1=0)
ωcl2_slp *=fcl2_slp_Cl1OP(Tcl2_base,Tempcl2) (12)
ここで、fcl2_slp_Cl1OP()は、基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_baseおよび第2クラッチ油温Tempcl2を入力とした関数である。実際には、例えば、図8に示すようなマップによって設定する。このように、「油温が高い」もしくは「クラッチ容量指令値が大きい」場合は第2クラッチスリップ回転数目標値ωcl2_slp *を小さくすることにより、クラッチ油温の上昇を防止できる。
2)エンジントルク始動中の場合
ωcl2_slp *=fcl2_slp_Cl1OP(Tcl2_base,Tempcl2)+fcl2_Δωslp(Teng_start) (13)
ここで、fcl2_Δωslp()は、エンジン始動時のためのスリップ回転数増加量を演算する関数であり、エンジン始動配分モータトルクTeng_startを入力とする。実際には、例えば、図9に示すようなマップを用いることにより、エンジン始動配分モータトルクTeng_startが低下した場合には、目標第2クラッチスリップ回転数ωcl2_slp *を高め(増加量を多く)に設定する。これにより、第1クラッチCL1からの外乱を完全に打ち消すことができず回転数が低下しても急な締結を防止でき、その結果、加速度変動を生じることなくエンジンEngを始動できる。
なお、エンジン始動後もスリップ制御を継続する場合、スリップ回転数はEV走行中同様とする(増加分は加算しない)。
次に、第2クラッチCL2の入力軸回転数目標値ωcl2i *を演算する。
はじめにスリップ回転数目標値ωcl2_slp *と出力軸回転数計測値ωoから下式に基つぎ入力軸回転数第1目標値ωcl2i_1 *を、
ωcl2i_1 *=ωcl2_slp *+ωo (14)
により演算する。
なお、クラッチ油温が所定値以下(十分低い場合)、上記式(14)の演算結果に出力軸回転数検出可能最小値ωo_min以上になるような上限制限を施し、最終的な入力軸回転数目標値ωcl2i *とする。
一方、クラッチ油温が所定値を超えている場合、まず下式に基づく車両モデルを用いて、出力軸回転数推定値ω~oを演算する。
ω~o=GfAT∫(1/JV)(Td*−TL)dt (15')
ただし、
Td*:駆動トルク指令値
TL:走行抵抗値
JV:車両慣性モーメント
f:最終減速比
AT:現在のシフト位置における変速比
なお、上記走行抵抗値TLは、予め取得した平坦路での値に対し、加速度センサや傾斜角センサなどから計測(推定)した勾配値で補正した値とする。
また、ステップS7で出力軸回転数が非ロック判定回転数ωUN_LOCK以下と判定(fω_LK=1)された場合、その直後から所定時間Tω_LOCKの間、出力軸回転数推定値ω~oを零で初期化する。
次に、出力軸回転数推定値ω~oから下式に基づき入力軸回転数第2目標値ωcl2i_2 *を演算する。
ωcl2i_2 *=ωcl2_slp *+ω~o (15)
なお、クラッチ油温が所定値以下(十分低い場合)、上記式(15)の演算結果に出力軸回転数検出可能最小値ωo_min以上になるような上限制限を施し、最終的な入力軸回転数目標値ωcl2i *とする。
そして、以下の条件に基づき、入力軸回転数第1目標値ωcl2i_1 *、入力軸回転数第2目標値ωcl2i_2 *のいずれかの値を最終目標値とする。
1) ωO>ωO_min、であれば、
入力軸回転数第1目標値ωcl2i_1 *を最終値とする。
2) ωO≦ωO_min、すなわち、ωO=0であれば、
入力軸回転数第2目標値ωcl2i_2 *を最終値とする。
次に、回転数制御用第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_ONの演算方法(図2のステップS12)の詳細について説明する。図10に第2クラッチCL2の制御ブロック図を示す。本制御系は、フィードフォワード(F/F)補償とフィードバック(F/B)補償とからならなる2自由度制御手法で設計している。F/B補償部については様々な設計方法が考えられるが、今回はその一例としてPI制御としている。以下、その演算方法について説明する。
はじめに、下式に示す位相補償フィルタGFF(s)に基づき基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_base *に位相補償を施し、F/F第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FFを演算する。
実際の演算は、タスティン近似等で離散化して得られた漸化式を用いて算出する。演算式は、
(Tcl2_FF)/(Tcl2_base *)=GFF(s)=(τcl2・s+1)/(τcl2_ref・s+1) (16)
となる。
ただし、
τcl2:クラッチモデル時定数
τcl2_ref:クラッチ制御用規範応答時定数
である。
次に、第1クラッチCL1の目標制御モードCL1MODEに応じて、第2クラッチトルク容量目標値Tcl2_tを以下のように演算する。演算式は、
1) EVモードの場合
Tcl2_t=Tcl2_base * (17)
2) HEVモード(第1クラッチCL1が締結状態)の場合
Tcl2_t=Tcl2_base *−Te_est (18)
となる。
なお、HEVモードにおける第2クラッチトルク容量目標値Tcl2_tは、全体(エンジンおよびモータ)のトルク容量に対し、モータ分の容量を意味する。
また、Te_estは、エンジントルク推定値であり、例えば、
Te_est={1/(τes+1)}e-Les×Te_base * (19)
ただし、
τe:エンジン一時遅れ時定数
e:エンジンむだ時間
の式に基づき演算する。
次に、第2クラッチ規範モデルGcl2_REF(s)に基づき、第2クラッチトルク容量規範値Tcl2_refを演算する。演算式は、
(Tcl2_ref)/(Tcl2_t)=Gcl2_REF(s)=1/(τcl2_ref・s+1) (20)
となる。
次に、第2クラッチトルク容量規範値Tcl2_refと前述した回転数制御用のモータトルク指令値Tm_FB_ONから、下式に基づき第2クラッチCL2のF/B第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FBを演算する。演算式は、
Tcl2_FB={(KPcl2s+KIccl2)/s}×(Tcl2_ref−Tm_FB_ON) (21)
となる。
ただし、
KPcl2:第2クラッチ制御用比例ゲイン
KIccl2:第2クラッチ制御用積分ゲイン
である。
また、下式のように入力回転数変化によって生じるトルク(イナーシャトルク)を考慮することにより、入力回転数が変化している場合にも精度よくトルク容量を制御できる。演算式は、
Tcl2_FB={(KPcl2s+KIccl2)/s}×(Tcl2_ref−Tm_FB_ON−TIcl2_est) (22)
となる。
ここで、TIcl2_estはイナーシャトルク推定値であり、例えば、入力回転数変化量(微分値)に入力軸周りの慣性モーメントを乗算して求める。
そして、F/F第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FFとF/B第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FBを加算し、最終的な回転数制御用第2クラッチ容量指令値Tcl2_FB_ONを演算する。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例の課題」の説明を行い、続いて、実施例1のパラレルハイブリッド車両の制御装置における作用を、「実施例1のクラッチスリップ制御処理」、「ポイント1によるクラッチスリップ制御作用」、「ポイント2,3によるクラッチスリップ制御作用」、「ポイント4によるクラッチスリップ制御作用」に分けて説明する。
[比較例の課題]
図11は、比較例のクラッチスリップ制御の実行による発進時おけるモータトルク・CL2トルク容量・回転数(モータ(CL2入力)目標値、モータ(CL2入力)計測値、車速(CL2出力)実際値、車速(CL2出力)計測値)・アクセル開度の各特性を示すタイムチャートである。以下、比較例の課題を説明する。以下、図11に基づいて、比較例の課題を説明する。
ここで、比較例は、第2クラッチCL2のスリップ締結要求時、クラッチ入力軸回転数目標値(モータ(CL2入力)目標値)を、スリップ回転数目標値(目標スリップ回転数)に出力軸回転数計測値(CL2出力計測値)を加えた値とするクラッチスリップ制御を行うものとする。
この比較例のクラッチスリップ制御による発進時、図11の車速(CL2出力)計測値特性に示すように、車輪速センサといった比較的分解能の粗い車速(CL2出力)計測値では、モータ(CL2入力)計測値との差による正確なスリップ回転数が検出できず、スリップ状態か否かを正しく判定できない。このため、例えば、実際には出力軸回転数である車速(CL2出力)実際値が、入力軸回転数であるモータ(CL2入力)計測値と一致したり上回ったりし、スリップを維持するためには、さらにモータ(CL2入力)目標値(=CL2出力計測値+目標スリップ回転数)を上昇させる必要がある場合でも、モータ(CL2入力)目標値が、目標スリップ回転数のままで上昇しない。
したがって、図11の車速(CL2出力)実際値特性に示すように、車速を維持する定速走行特性となり、所望の加速度が得られない。つまり、図11の矢印Aで示す発進領域では、モータ(CL2入力)目標値が上昇しないため、第2クラッチCL2のスリップを維持できず、加速できないことになる。
[実施例1のクラッチスリップ制御処理]
ステップS5で第2クラッチCL2のモード状態がスリップモードと設定され、かつ、実際のスリップ回転数(入力軸回転数−出力軸回転数)絶対値が所定値以上となった場合、スリップ回転数制御がONとされる。このため、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12→ステップS15→ステップS16→ステップS17→ステップS18→ステップS19→エンドへと進む流れが繰り返される。
このうち、ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12の流れが、第2クラッチCL2のスリップ締結要求時、モータ/ジェネレータMGを回転数制御とし、クラッチ入力軸回転数をクラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *とすることで第2クラッチCL2のスリップ締結状態を維持し、第2クラッチCL2を経過するクラッチ伝達トルク容量をコントロールするクラッチスリップ制御手段に相当する。そして、実施例1のクラッチスリップ制御は、下記のポイント(1〜5)を有する。
(ポイント1)
第2クラッチCL2のスリップ締結要求時、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_minを超えているとき、クラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *を、スリップ回転数目標値ωcl2_slp *に出力軸回転数計測値ωoを加えた値とし、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_min以下で、かつ、クラッチ油温が所定値以下であるとき、クラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *を、回転数検出可能最小値ωo_min以上の値に設定した。
(ポイント2)
第2クラッチCL2のスリップ締結要求時、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_minを超えているとき、スリップ回転数目標値ωcl2_slp *に出力軸回転数計測値ωoを加えたクラッチ入力軸回転数第1目標値ωcl2i_1 *を最終値ωcl2i *とし、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_min以下であるとき、スリップ回転数目標値ωcl2_slp *に前記出力軸回転数推定値ω~oを加えたクラッチ入力軸回転数第2目標値ωcl2i_2 *を最終値ωcl2i *として設定した。
(ポイント3)
クラッチスリップ制御時、モータ/ジェネレータMGへのモータトルク指令値を、目標駆動トルクTd*を得る駆動トルク指令値に加速トルク分を加えた値で上限制限を施す。
(ポイント4)
クラッチスリップ制御時、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_min以下であり、かつ、出力軸回転数推定値ω~oがインバータ過温度防止最小値(=非ロック回転数ωUN_LOCK)を超えると、入力軸回転数計測値ωcl2iがインバータ過温度防止最小値となるまで一時的にクラッチ締結圧を上昇させ、入力軸回転数計測値ωcl2iがインバータ過温度防止最小値以下になると出力軸回転数推定値ω~oを零(=クラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *をスリップ回転数目標値ωcl2_slp *)で初期化し、再度、クラッチ締結圧を低下させてスリップ制御を再開する。
[ポイント1によるクラッチスリップ制御作用]
図12は、実施例1のクラッチスリップ制御(ポイント1)の実行による発進時おけるモータトルク・CL2トルク容量・回転数(モータ(CL2入力)目標値、モータ(CL2入力)計測値、車速(CL2出力)実際値、車速(CL2出力)計測値)・アクセル開度の各特性を示すタイムチャートである。以下、図12に基づいて、ポイント1によるクラッチスリップ制御作用を説明する。
ポイント1では、発進開始の時刻t1から、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_min以下で、かつ、クラッチ油温が所定値以下である時刻t2までの間の発進開始領域Bにおいて、モータ(CL2入力)目標値(クラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *)を、回転数検出可能最小値ωo_min以上の一定値に設定している。そして、時刻t2からは、モータ(CL2入力)目標値(クラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *)を、スリップ回転数目標値ωcl2_slp *に出力軸回転数計測値ωoを加えた値に設定している。
したがって、図12の車速(CL2出力)実際値特性に示すように、車速が発進開始時から上昇する加速走行特性となり、所望の加速度が得られる。つまり、図12の矢印Cで示す発進領域では、段階的にモータ(CL2入力)目標値が上昇するため、第2クラッチCL2のスリップが維持され、加速できる。
加えて、クラッチ油温が所定値以下であるとき、モータ(CL2入力)目標値を、回転数検出可能最小値ωo_min以上の一定値に設定することで、スリップ回転数が大きくなり、第2クラッチCL2の油温上昇を促進することができる。
[ポイント2,3によるクラッチスリップ制御作用]
図13は、実施例1のクラッチスリップ制御(ポイント2,3)の実行による発進時おけるモータトルク・CL2トルク容量・回転数(モータ(CL2入力)目標値、モータ(CL2入力)計測値、車速(CL2出力)実際値、車速(CL2出力)計測値)・アクセル開度の各特性を示すタイムチャートである。以下、図13に基づいて、ポイント2,3によるクラッチスリップ制御作用を説明する。
ポイント2では、発進開始の時刻t1から、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_min以下である時刻t2までの間、目標スリップ回転数(スリップ回転数目標値ωcl2_slp *)に車速推定値(出力軸回転数推定値ω~o)を加えた値(クラッチ入力軸回転数第2目標値ωcl2i_2 *)をモータ(CL2入力)目標値(最終値ωcl2i *)として設定している。そして、時刻t2からは、目標スリップ回転数(スリップ回転数目標値ωcl2_slp *)に車速(CL2出力)計測値(出力軸回転数計測値ωo)を加えた値(クラッチ入力軸回転数第1目標値ωcl2i_1 *)をモータ(CL2入力)目標値(最終値ωcl2i *)として設定している。
したがって、図13の車速(CL2出力)実際値特性に示すように、車速が発進開始時から上昇する加速走行特性となり、所望の加速度が得られる。つまり、図13の矢印Dで示す発進領域では、段階的にモータ(CL2入力)目標値が上昇するため、第2クラッチCL2のスリップが維持され、加速できる。
さらに、時刻t1からしばらくの間、モータ(CL2入力)目標値を回転数検出可能最小値ωo_min以下にした状態で第2クラッチCL2のスリップを維持できる。これにより、ポイント1と比較し、スリップ回転数を小さくでき、その結果、クラッチ温度が高い場合、第2クラッチCL2の温度を上昇させることを防止できる。
加えて、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_minを超えると、車速推定値を車速(CL2出力)計測値に受け渡すため、モータ(CL2入力)目標値が、回転数検出可能最小値ωo_minを超えた時点で段差を持つことなく、図13の矢印Eに示すように、滑らかなモータ(CL2入力)目標値特性を得ることができる。
ポイント3では、クラッチスリップ制御時、モータ/ジェネレータMGへのモータトルク指令値を、目標駆動トルクTd*を得る駆動トルク指令値に加速トルク分を加えた値で上限制限を施すようにしている。
したがって、図13の矢印Fに示すように、発進後、モータトルクが、駆動トルク指令値のままで一定値を維持し、第2クラッチCL2の油圧が増圧側に変動した場合においても、モータトルクが駆動トルク以上にはならないため、急加速を防止できる。
[ポイント4によるクラッチスリップ制御作用]
図14は、実施例1のクラッチスリップ制御(ポイント4)の実行による発進時おけるモータトルク・CL2トルク容量・回転数(モータ(CL2入力)目標値、モータ(CL2入力)計測値、車速(CL2出力)実際値、車速(CL2出力)計測値)・アクセル開度の各特性を示すタイムチャートである。以下、図14に基づいて、ポイント4によるクラッチスリップ制御作用を説明する。
ポイント4では、クラッチスリップ制御時、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_min以下であり、かつ、出力軸回転数推定値ω~oがインバータ過温度防止最小値を超えると、入力軸回転数計測値ωcl2iがインバータ過温度防止最小値となるまで(図14の時刻t2〜t3と時刻t4〜t5)、一時的にクラッチ締結圧を上昇させ(図14の矢印Gと矢印H)、以下の処理を行う。
・入力軸回転数計測値ωcl2iがインバータ過温度防止最小値を超えている間は、そのまま締結、または、再度スリップ制御を行う。
・入力軸回転数計測値ωcl2iがインバータ過温度防止最小値以下になると、出力軸回転数推定値ω~oを零(=クラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *をスリップ回転数目標値ωcl2_slp *)で初期化し(図14の矢印Iと矢印J)、再度、クラッチ締結圧を低下させてスリップ制御を再開する(図14の矢印K)。
このように、第2クラッチCL2を締結(増圧)させることにより、入力軸と出力軸の回転数を一致(スリップ量を小さく)させることができる。これにより、比較的分解能の細かい入力軸(=モータ)回転数計測値を出力軸回転数とみなすことできる。したがって、車両に生じた外乱やパラメータ変動により出力軸回転数の実際値と推定値に誤差が生じた場合でも、計測された入力軸回転数から出力軸回転数がインバータ過温度防止回転数以上か否かの判定、ならびに、過大なスリップが生じないよう出力軸回転数推定値を補正できる。これにより、第2クラッチCL2の過大なスリップを防止でき、その結果、第2クラッチCL2ならびにインバータ8の過温度を防止できる。
次に、効果を説明する。
実施例1のパラレルハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 駆動系に、モータ(モータ/ジェネレータMG)と、クラッチ(第2クラッチCL2)と、駆動輪(左右駆動輪LT,RT)を有し、前記クラッチのスリップ締結要求時、前記モータを回転数制御とし、クラッチ入力軸回転数をクラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *とすることで前記クラッチのスリップ締結状態を維持し、前記クラッチを経過するクラッチ伝達トルク容量をコントロールするクラッチスリップ制御手段を備えたパラレルハイブリッド車両(電動車両)の制御装置において、前記クラッチの出力軸回転数を検出する出力軸回転数計測手段(第2クラッチ出力回転数センサ7)を設け、前記クラッチスリップ制御手段(図2のステップS7〜ステップS12)は、前記クラッチのスリップ締結要求時、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_min以下であるとき、前記クラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *を、出力軸回転数計測値ωoに基づいて演算される値に代え、前記クラッチのスリップを維持する値に設定した。
このため、発進時等のスリップ締結要求時、加速不足といった運転性の悪化を防止することができる。
(2) スリップ回転数目標値ωcl2_slp *を演算するスリップ回転数目標値演算手段(式(12),式(13))と、前記クラッチ(第2クラッチCL2)の油温を検出するクラッチ油温検出手段(クラッチ油温センサ12)を設け、前記クラッチスリップ制御手段(図2のステップS7〜ステップS12)は、前記クラッチのスリップ締結要求時、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_minを超えているとき、クラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *を、スリップ回転数目標値ωcl2_slp *に出力軸回転数計測値ωoを加えた値とし、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_min以下で、かつ、クラッチ油温が所定値以下であるとき、クラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *を、回転数検出可能最小値ωo_min以上の値に設定した。
このため、発進加速性を確保することができると共に、クラッチ(第2クラッチCL2)の油温上昇を促進することができる。
(3) スリップ回転数目標値ωcl2_slp *を演算するスリップ回転数目標値演算手段(式(12),式(13))と、車両モデルを用いて前記クラッチ(第2クラッチCL2)の出力軸回転数推定値ω~oを演算する出力軸回転数推定値演算手段(式(15'))と、を設け、前記クラッチスリップ制御手段(図2のステップS7〜ステップS12)は、前記クラッチのスリップ締結要求時、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_minを超えているとき、スリップ回転数目標値ωcl2_slp *に出力軸回転数計測値ωoを加えたクラッチ入力軸回転数第1目標値ωcl2i_1 *を最終値ωcl2i *とし、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_min以下であるとき、スリップ回転数目標値ωcl2_slp *に前記出力軸回転数推定値ω~oを加えたクラッチ入力軸回転数第2目標値ωcl2i_2 *を最終値ωcl2i *として設定した。
このため、滑らかなスリップ回転数目標値ωcl2_slp *により発進加速性を確保することができると共に、クラッチ(第2クラッチCL2)の温度を上昇させることを防止することができる。
(4) クラッチスリップ制御手段(図2のステップS7〜ステップS12)は、前記モータ(モータ/ジェネレータMG)へのモータトルク指令値を、目標駆動トルクTd*を得る駆動トルク指令値に加速トルク分を加えた値で上限制限を施す。
このため、クラッチ(第2クラッチCL2)の油圧が増圧側に変動した場合においても、モータトルクが駆動トルク以上にはならず、急加速を防止することができる。
(5) 前記クラッチ(第2クラッチCL2)の入力軸回転数を検出する入力軸回転数計測手段(第2クラッチ入力回転数センサ6)を設け、前記クラッチスリップ制御手段(図2のステップS7〜ステップS12)は、出力軸回転数計測値ωoが回転数検出可能最小値ωo_min以下であり、かつ、出力軸回転数推定値ω~oがインバータ過温度防止最小値(=非ロック回転数ωUN_LOCK)を超えると、入力軸回転数計測値ωcl2iがインバータ過温度防止最小値となるまで一時的にクラッチ締結圧を上昇させ、入力軸回転数計測値ωcl2iがインバータ過温度防止最小値以下になると出力軸回転数推定値ω~oを零(=クラッチ入力軸回転数目標値ωcl2i *をスリップ回転数目標値ωcl2_slp *)で初期化し、再度、クラッチ締結圧を低下させてスリップ制御を再開する。
このため、クラッチ(第2クラッチCL2)の過大なスリップを防止でき、その結果、クラッチ(第2クラッチCL2)ならびにインバータ8の過温度を防止することができる。
以上、本発明の電動車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、第2クラッチCL2(クラッチ)として、図1に示すように、独立のクラッチをモータ/ジェネレータMGと自動変速機ATの間の位置に設定する例を示した。しかし、これ以外に、自動変速機ATの各変速段にて締結される摩擦締結要素として用いられるクラッチやブレーキを流用しても良い。また、自動変速機ATと左右駆動輪LT,RTの間の位置に第2クラッチCL2(クラッチ)を設定しても良い。
実施例1では、駆動系に、エンジンと第1クラッチとモータジェネレータと第2クラッチと自動変速機を有するパラレルハイブリッド車両への適用例を示した。しかし、他の型式のハイブリッド車両や電気自動車や燃料電池車等の電動車両に対しても適用することができる。要するに、駆動系に、モータとクラッチと駆動輪を備えた電動車両の制御装置であれば適用できる。
Eng エンジン
CL1 第1クラッチ
MG モータ/ジェネレータ(モータ)
CL2 第2クラッチ(クラッチ)
AT 自動変速機
FG ファイナルギヤ
LT 左駆動輪(駆動輪)
RT 右駆動輪(駆動輪)
6 第2クラッチ入力回転数センサ(入力軸回転数計測手段)
7 第2クラッチ出力回転数センサ(出力軸回転数計測手段)
8 インバータ
9 バッテリー
10 アクセルポジションセンサ
11 エンジン回転数センサ
12 クラッチ油温センサ(クラッチ油温検出手段)
13 ストローク位置センサ
14 統合コントローラ
15 変速機コントローラ
16 クラッチコントローラ
17 エンジンコントローラ
18 モータコントローラ
19 バッテリーコントローラ
20 車速センサ

Claims (1)

  1. 駆動系に、モータと、クラッチと、駆動輪を有し、
    前記クラッチのスリップ締結要求時、前記モータを回転数制御とし、クラッチ入力軸回転数をクラッチ入力軸回転数目標値とすることで前記クラッチのスリップ締結状態を維持し、前記クラッチを経過するクラッチ伝達トルク容量をコントロールするクラッチスリップ制御手段を備えた電動車両の制御装置において、
    前記クラッチの出力軸回転数を検出する出力軸回転数計測手段と、
    スリップ回転数目標値を演算するスリップ回転数目標値演算手段と、
    前記クラッチの油温を検出するクラッチ油温検出手段と、を設け、
    前記クラッチスリップ制御手段は、前記クラッチのスリップ締結要求時、出力軸回転数計測値が回転数検出可能最小値を超えているとき、クラッチ入力軸回転数目標値を、スリップ回転数目標値に出力軸回転数計測値を加えた値とし、出力軸回転数計測値が回転数検出可能最小値以下で、かつ、前記クラッチの油温上昇を促進するとき、前記クラッチ入力軸回転数目標値を、回転数検出可能最小値以上の一定値に設定した
    ことを特徴とする電動車両の制御装置。
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