JP5386757B2 - 作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法及び作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御装置 - Google Patents

作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法及び作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、ホイールローダやオフロードダンプ等の作業車両用エンジンの、作業中断時のアイドル回転速度制御方法及びアイドル回転速度自動制御装置に関する。
ホイールローダやオフロードダンプを始めとする一部の作業車両では、エンジンの出力が走行機と作業機に分配され、他の一般の作業車両とは異なる特殊な構成を有している。
これらの特殊な作業車両では、非走行状態においても作業機を駆動して作業する場合があるので、これを考慮して、標準アイドル回転速度は、エンジンストールしないでエンジンが安定して駆動し得るアイドル回転速度の下限近傍より高めに設定され、走行停止状態で、エンジンがアイドル状態でも、安定して作業機の駆動ができるように構成されている。
このため、ホイールローダではダンプ待ちなどの作業中断期間中でも、エンジンの回転速度は、比較的高い標準アイドル回転速度に維持されており、作業中断時の燃料の浪費、騒音や振動の増加といった特有の問題があった。
この点について、本願出願人は、特開昭62−225727号公報(特許文献1)において、アクセルペダル、ステアリング、作業機レバーが操作されず、かつ、作業機が作業を行わない位置にある状態が一定時間継続すると、エンジンの回転速度を標準アイドル回転速度よりも低下させる制御装置を提案した。
この特許文献1に記載の技術によるときは、作業中断時にエンジンのアイドル回転速度を低下させる制御が実行されるので、作業中断を伴う停車時の消費燃料を節約すると共に、騒音や振動を抑制することができる。
しかしながら、ホイールローダやオフロードダンプのような作業車両は、未舗装路面、傾斜面、又は、轍や凹凸の多い荒地上等の不安定なオフロード環境で使用されることが多く、このため、作業車両自体が前後方向に加え、左右方向が組み合わさった複雑な角度で傾斜している割合が高く、また、その傾斜角度が、非常に大きい場合も稀ではない。
特許文献1に記載の技術では、上記のように作業車両が傾斜している場合、作業中断時に、エンジンの回転速度を低下させる制御が実行されると、作業車両の傾斜状態によっては、走行再開時にオペレータがブレーキを解除した瞬間、作業車両が、エンジンの回転速度不足によって斜面を下方にずり下がり始める場合がある。
このずり下がり方向がオペレータが意図しない方向である場合、オペレータは、瞬間的に作業車両の状況を把握することができなくなり、オペレータの動揺を誘発する場合がある、という問題があった。
一方で、作業車両以外の一般車両でも、停車中のエンジンの回転速度を制御する様々な技術が提案されている。
例えば、特開2002−195079号公報(特許文献2)には、車両の傾斜状態を測定することにより、走行再開時のエンジンの回転速度を上昇させる技術が開示されている。
この特許文献2に記載の技術は、ディーゼルエンジンにおいて、登坂路で停車中に、アイドル状態から発車するときに、予めエンジンのアイドル回転速度を上げておき、ターボラグの発生を防止するものである。
このような一般車両では、特殊な作業車両のようにエンジンの出力が走行機と作業機に分配されることがなく、車両停止時の作業機の駆動力を担保するような必要もない。
このため、一般車両では、エンジンの標準アイドル回転速度は、通常、エンジンストールしない回転速度の下限近傍に設定されており、作業車両のように高めに設定されることはない。
この特許文献2に記載の技術でも、エンジンの標準アイドル回転速度は、エンジンストールしない回転速度の下限近傍に設定されるものであって、一般車両の傾斜に応じて高めのアイドル回転速度が必要な場合には、通常の低回転のアイドル回転速度より、そのアイドル回転速度を高める制御を実行し、そのアイドル回転速度を一時的に高めるよう構成されている。
従って、このような一般車両に採用されている車両の傾斜に応じて、エンジンのアイドル回転速度を制御するシステムは、作業車両のシステムとは、その前提となる技術が全く異なり、エンジン出力の分配という特殊なシステムの採用を前提とした作業車両に転用することはできない。
また、一般車両では、燃料の消費率を下げるために、停車中のエンジンの回転速度を制御しようとしても、既に、燃費に影響を及ぼす程度にアイドル回転速度を低下させる余地が残されていないので、例えば、内燃機関とバッテリを組み合わせたハイブリッド車や、路線バス等で見られるように、一時停車時にエンジンを自動停止させて、燃料消費を抑制せざるを得ず、この点からも、停車時のアイドル回転速度の制御技術においては、作業車両と一般車両との間で、技術の相互利用はできないことは明らかである。
さらに、一般車両では、建設現場のような急斜面、不規則な起伏が連続するオフロード、更には、車両の進行方向に対して左右方向の大きな傾斜を伴った、又は、前後左右の傾斜が複雑に組み合わさった斜面での停車及び発車は想定されておらず、このような想定されていない条件下での作業車両の発車時の問題を解決するために、一般車両の技術を転用することはできない。
特開昭62−225727号公報 特開2002−195079号公報
本願発明は上記の問題を解決するためになされたものであって、ホイールローダやオフロードダンプを始めとする特殊な作業車両において、安全性を確保した上で、作業中断時のエンジンの回転速度を低下させて、燃費を向上させると共に、排気ガス量、騒音及び振動を低下させることを目的とする。
上記の目的は、
エンジンの出力が、走行機と作業機に分配される作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法であって、
a)作業車両の停止状態を判断し、作業機の操作の中断を判断し、作業車両の傾斜状態を判断するステップと、
b)作業車両の停止が判断され、かつ、作業機操作の中断が判断され、かつ、作業車両の傾斜状態が、前後及び左右方向の傾斜角度が所定の角度範囲内である基準ポジションであるとき、エンジンのアイドル回転速度を標準アイドル回転速度よりも低回転の低アイドル回転速度に維持する制御を実行するステップと、
を含むことを特徴とする上記の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法によって達成される。
上記の方法によるときは、作業中断中の作業車両が傾斜せずに安定して停止しているときにのみ、エンジンの回転速度が低アイドル回転速度に維持されるので、作業又は走行再開時に作業車両がオペレータの意思に反して前後にずり下がる恐れがないと共に、燃料の消費量及び排気ガス量を効果的に抑制でき、さらに、騒音や振動を低減させることができる。
また、上記の目的は、上記の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法において、
作業車両の停止が判断され、かつ、作業機操作の中断が判断され、かつ、作業車両の左右方向の傾斜状態が、所定の角度範囲内である左右基準ポジションであり、かつ、作業車両の前後方向の傾斜角度が、所定の角度範囲を超えて後方が下がる後傾ポジションでないとき、エンジンのアイドル回転速度を標準アイドル回転速度よりも低回転の低アイドル回転速度に維持する制御を実行するようにしてもよい。
上記の方法によるときは、作業中断中の作業車両が後方にずり下がる恐れがない状態で停止しているときにのみ、エンジンの回転速度が低アイドル回転速度に維持されるので、作業又は走行再開時に作業車両がオペレータの意思に反した挙動をせず、安全に操作できると共に、燃料消費及び排気ガス量を効率的に抑制し、さらに、騒音振動を低下させることができる。
また、上記の目的は、上記の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法において、
作業車両の前後方向及び左右方向の傾斜角度に基づいて、作業車両が停止している傾斜平面の傾斜角度が算出され、作業車両の傾斜状態が、傾斜平面の傾斜角度に基づいて判断されるようにしてもよい。
上記の方法によるときは、作業車両が停止している傾斜平面の斜度に即してアイドル回転速度を制御でき、エンジンのアイドル回転速度を安全かつ効率的に制御できるようになって、燃料消費、排気ガス排出量、騒音及び振動を更に低減できるようになる。
また、上記の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法において、
エンジンの回転速度が低アイドル回転速度で維持されている場合、ブレーキの解除及び作業機の操作のうち、少なくとも一方が実行されたとき、エンジンの回転速度を低アイドル回転速度に維持する制御をキャンセルすることが推奨される。
上記の方法によるときは、低アイドル回転速度で維持されているときに、エンジンの駆動が不安定になったり、エンジンストールしたりすることなく、走行又は作業に速やかに復帰できるようになる。
また、上記の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法において、低アイドル回転速度が、エンジンの停止を含むよう構成してもよい。
上記の方法によるときは、所定の条件を満たしたときには、エンジンが停止され、燃料消費、排気ガス排出量、騒音及び振動を更に低減できるようになる。
また、上記の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法において、複数段階の低アイドル回転速度が設定され、作業車両の傾斜に応じ、所定の段階の低アイドル回転速度が選択されるよう構成してもよい。
上記の方法によるときは、作業車両の状態に応じて、最も安全かつ高効率の低アイドル回転速度を設定できるようになって、燃料消費、排気ガス排出量、騒音及び振動を更に低減できるようになる。
また、上記の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法には、車両停止状態判断手段と、作業状態判断手段と、傾斜状態判断手段と、エンジンのアイドル回転速度を低アイドル回転速度に制御する低回転速度制御手段とを具備する作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御装置を用いることが推奨される。
本発明によるときは、作業車両のアイドル回転速度を低下させる制御の要否の判断が、極めて的確に行われるようになるので、安全性を損なうことなく、燃費を向上させ、排気ガス量を減少させ、騒音及び振動を低下させることができるようになる。
図1は本発明に係る作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御装置の構成を示すシステム構成図である。 図2は図1に示した制御装置のアイドル回転速度の制御状態を示すフローチャートである。 図3は図1に示した制御装置の車両状態とアイドル回転速度との関係を示したパターン図である。
本発明においては、作業中断を伴う作業車両の停止時に、作業車両の傾斜状態に応じて、エンジンのアイドル回転速度を標準アイドル回転速度より低下させることによって、作業中断時のエンジンのアイドル回転速度を低下させる制御を安全に実行できるようにした。
以下、実施例に基づき、本発明を具体的に説明する。
なお、本明細書において、「ブレーキを解除したときに作業車両がずり下がる」とは、作業車両が実際にずり下がり始める状態に限定されるものではなく、実際にはずり下がり始めなくとも、ずり下がり始める状態に極めて近い状態を含むものであって、ずり下がり始めると見做される状態を含むものである。
図1は、本発明に係る作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御装置の構成を示すシステム構成図である。
図1中、1はエンジン、10は回転速度センサ、11は水温センサ、2はコントローラ、3は電子ガバナ制御手段、4は車両停止状態判断手段、40はブレーキセンサ、41は速度センサ、42はタイマ、5は作業状態判断手段、50は作業機操作センサ、51は作業機位置センサ、52は作業機負荷センサ、53はステアリング操作センサ、6は傾斜状態判断手段、60は前後傾斜センサ、61は左右傾斜センサ、7は低回転速度制御手段である。
なお、図1中、本願発明に直接関係のない構成、例えば、エンジンの出力軸に接続される走行機や作業機等の構成については、その記載を省略した。
エンジン1は、作業車両、具体的にはホイールローダのエンジンであり、エンジン1の出力は、図示しないPTO軸を介して、走行機及び作業機に分配され、ホイールローダの走行及び作業に利用される。
コントローラ2は、作業車両の駆動を制御するものであって、電子ガバナ制御手段3、車両停止状態判断手段4、作業状態判断手段5、傾斜状態判断手段6及び低回転速度制御手段7を含むものである。
回転速度センサ10は、エンジン1に設けられ、エンジン1の回転速度を検出するものである。
電子ガバナ制御手段3は、エンジン1に接続され、図示しない操作子、具体的にはアクセルペダル、ブレーキペダル、作業機の操作レバー、速度段制御レバー等からの入力に応じ、エンジン1に供給される燃料の量を調整し、エンジン1の回転速度を制御するものである。
また、この電子ガバナ制御手段3は、走行機の駆動が中断しているときには、エンジン1の回転速度が、標準アイドル回転速度で維持されるよう、エンジン1への燃料の供給量を制御するものである。
この作業車両における標準アイドル回転速度は、作業車両が非走行状態においても作業機を駆動して作業することを考慮して、停車中に作業を行ってもエンジンストールしないよう、エンジン1が安定して駆動し得るアイドル回転速度の下限、具体的には50rpmより高い、例えば、700ないし800rpmに設定されている。
低回転速度制御手段7は、電子ガバナ制御手段3に接続され、後述する車両停止状態判断手段4、作業状態判断手段5及び傾斜状態判断手段6から入力される信号に基づき、所定の条件が整ったときには、エンジン1の回転速度が、低アイドル回転速度で維持されるよう、電子ガバナ制御手段3に対し、エンジン1への燃料の供給量を制御する低アイドル回転信号を発信するものである。
この低アイドル回転速度とは、エンジン1が安定して駆動し得るアイドル回転速度の下限近傍の回転速度であって、標準アイドル回転速度より低速度、例えば、50ないし200rpmに設定される。
車両停止状態判断手段4は、作業車両の停止状態を判断するものであって、低回転速度制御手段7に接続され、後述するセンサ等からの入力に応じて、低回転速度制御手段7に対し、後述する通り停止信号を発信する。
この車両停止状態判断手段4には、水温センサ11、ブレーキセンサ40、速度センサ41及びタイマ42が接続される。
水温センサ11は、エンジン1の水温が、所定の水温以上の場合、車両停止状態判断手段4に対して信号を発信する。
ブレーキセンサ40は、ブレーキ操作がなされたとき、車両停止状態判断手段4に対して信号を発信する。
速度センサ41は、作業車両の速度が所定の速度以下、具体的には、時速0.1km以下(停車を含む)となったとき、車両が停止したと見做して、車両停止状態判断手段4に対して信号を発信する。
タイマ42は、ブレーキセンサ40及び速度センサ41からの信号の継続時間を計測し、これらセンサからの信号が所定時間以上、例えば、5秒以上継続したとき、車両停止状態判断手段4に対して信号を発信する。
車両停止状態判断手段4は、水温センサ11から信号が入力されていることと、タイマ42から、ブレーキセンサ40及び速度センサ41からの各信号の入力の所定時間継続を示す信号が入力されていることを条件に、低回転速度制御手段7に対し、停止信号を発信する。
作業状態判断手段5は、作業機の操作の中断を判断するものであって、低回転速度制御手段7に接続され、後述するセンサからの入力に応じて、低回転速度制御手段7に対し、後述する通り作業中断信号を発信する。
この作業状態判断手段5には、作業機操作センサ50、作業機位置センサ51、作業機負荷センサ52及びステアリング操作センサ53が接続される。
作業機操作センサ50は、作業機を操作する図示しない操作レバーや操作ペダルからの入力がないとき、作業状態判断手段5に対して信号を発信する。
作業機位置センサ51は、作業機が中立位置、即ち、バケットが中立位置であるとき、作業状態判断手段5に対して信号を発信する。
作業機負荷センサ52は、作業機に負荷がないとき、具体的には、バケットに砂岩等が保持されていないとき、作業状態判断手段5に対して信号を発信する。
ステアリング操作センサ53は、ステアリングが所定の範囲内の略直進性を保持、具体的には、ステアリングが直進状態、又は、直進方向を0度として、左右方向にそれぞれ10度以内に切られているとき、かつ、ステアリングの操作がなされていないとき、作業状態判断手段5に対して信号を発信する。
作業状態判断手段5は、作業機操作センサ50、作業機位置センサ51、作業機負荷センサ52及びステアリング操作センサ53からの信号が全て入力されていることを条件に、低回転速度制御手段7に対し、作業中断信号を発信する。
傾斜状態判断手段6は、低回転速度制御手段7に接続され、後述するセンサからの入力に応じて、低回転速度制御手段7に対し、後述する通り安全傾斜信号を発信する。
傾斜状態判断手段6には、前後傾斜センサ60及び左右傾斜センサ61が接続される。
前後傾斜センサ60は、図示しない作業車両の本体に設けられ、作業車両の前後方向の傾斜度を計測し、作業車両が前後に所定の傾斜角度以内、例えば、2.5度以内で傾斜しているとき、作業車両が、前後基準ポジションにあると判断して、傾斜状態判断手段6に対して信号を発信する。
この所定の傾斜角度とは、この作業車両のエンジンが停止、又は、エンジンストールしない限界回転速度近傍で安定してアイドル回転しているときに、ブレーキが開放された場合、作業車両がずり下がり始める限界の傾斜角度である。
また、前後基準ポジションとは、停止状態の作業車両のブレーキを開放したときに、作業車両が前方又は後方にずり下がらないことが想定される状態をいう。
左右傾斜センサ61は、図示しない作業車両の本体に設けられ、作業車両の左右方向の傾斜度を計測し、作業車両が(水平を含む)左右に所定の傾斜角度以内、例えば、5度以内で傾斜しているとき、作業車両が、左右基準ポジションにあると判断して、傾斜状態判断手段6に対して信号を発信する。
傾斜状態判断手段6は、前後傾斜センサ60及び左右傾斜センサ61からの信号が共に入力されていることを条件に、作業車両が、前後及び左右方向の傾斜角度が所定の角度範囲内である基準ポジションにあると判断して、低回転速度制御手段7に対し、安全傾斜信号を発信する。
次に、図2に基づき、上記実施例におけるエンジンのアイドル回転速度の制御状態について説明する。
図2は、図1に示した制御装置のアイドル回転速度の制御状態を示すフローチャートである。
上記の作業車両において、ブレーキ操作などの車両の停止操作(ステップ101)が行われると、続いて、ブレーキの開放、アクセル操作などの車両の発進操作の有無が判断(ステップ102)される。
発進操作がある場合、本発明にかかるアイドル回転速度自動制御方法は終了する。
発進操作がない場合、回転速度センサ10の検出情報に基づき、電子ガバナ制御手段3がエンジン1に対する燃料の供給量を制御し、エンジンの回転速度が標準アイドル回転速度で維持(ステップ103)される。
次に、低回転速度制御手段7において、車両停止状態判断手段4からの停止信号の発信の有無が判断(ステップ104)される。
車両停止状態判断手段4から、停止信号の発信がないとき、作業車両の停止は、走行及び作業途中の一時的な停車として、発進操作の有無を判断するステップ102に戻る。
車両停止状態判断手段4から、停止信号の発信があるときは、低回転速度制御手段7において、作業状態判断手段5からの作業中断信号の有無が判断(ステップ105)される。
作業状態判断手段5から、作業中断信号の発信がないとき、作業車両の停止は、作業継続中の停止として、発進操作の有無を判断するステップ102に戻る。
作業状態判断手段5から、作業中断信号の発信があるときは、低回転速度制御手段7において、傾斜状態判断手段6からの安全傾斜信号の有無が判断(ステップ106)される。
傾斜状態判断手段6から、安全傾斜信号の発信がないとき、走行再開時に、作業車両のずり下がりや、エンジンストール、又は、エンジン駆動の不安定化の恐れがあるものとして、発進操作の有無を判断するステップ102に戻る。
傾斜状態判断手段6から、安全傾斜信号の発信があるときは、低回転速度制御手段7には、車両停止状態判断手段4から停止信号、作業状態判断手段5から作業中断信号、及び、傾斜状態判断手段6から安全傾斜信号を受信することになり、作業車両の、停止、作業中断及び安全傾斜を確認する全ての条件が成立したことが確認されるので、低回転速度制御手段7は、電子ガバナ制御手段3に対し、低アイドル回転信号を発信する。
低アイドル回転信号を受信した電子ガバナ制御手段3は、回転速度センサ10によって得られたエンジン1の回転速度の情報に基づき、エンジン1の回転速度を予め定められている低アイドル回転速度で維持されるよう、エンジン1への燃料供給量を制御し、エンジン1の回転速度が、低アイドル回転速度で維持(ステップ107)される。
エンジン1の回転速度が低アイドル回転速度に維持されると、車両停止状態判断手段4、作業状態判断手段5及び傾斜状態判断手段6から発信される信号の変化の有無が絶えず監視(ステップ108)され、変化がなければ、エンジン1の回転速度が低アイドル回転速度に維持され続ける。
エンジン1の回転速度が低アイドル回転速度に維持されているとき、車両停止状態判断手段4、作業状態判断手段5及び傾斜状態判断手段6から発信される信号の少なくとも一部に変化があったとき、発進操作の有無を判断するステップ102に戻り、発進操作の有無に応じ、発進操作がないときには、電子ガバナ制御手段3が、エンジン1のアイドル回転速度を標準アイドル回転速度で維持させる。
また、このとき、発進操作がある場合には、アイドル回転速度の制御自体を終了させ、電子ガバナ制御手段3が、発進操作に応じて、エンジン1の回転速度を制御する。
次に、図3に基づき、上記実施例の作業車両における車両状態と、アイドル回転速度の制御との関係を説明する。
図3は、図1に示した制御装置の車両状態とアイドル回転速度との関係を示したパターン図である。
このパターン図中、作業車両の車両状態が、二重線の上側の条件であるときは、作業車両が作業中断を伴う停止状態にあり、かつ、車両の傾斜も安全な状態であると見做し、エンジン1の回転速度が低アイドル回転速度で維持される。
また、このパターン図中、作業車両の車両状態が、二重線の下側の条件であるときは、作業車両が作業中断を伴う停止状態にはない、又は、そのような停止状態であっても、エンジン1の回転速度を低アイドル回転速度に変更すると、再発進時にずり下がりやエンジンストールを伴う可能性があるもの、と見做し、エンジン1の回転速度が標準アイドル回転速度で維持され、又は標準アイドル回転速度に復帰する。
具体的には、車両の停止操作が行われた場合、まず、第1段階として、車両停止状態判断手段4によって、1)エンジンの水温、2)ブレーキ操作の継続、3)車両速度、及び、4)ブレーキ操作、並びに、所定速度以下の車両速度の継続時間に関する情報が判断される。
エンジン1の水温が所定の水温以下のとき、例えば、エンジン1の始動直後、又は、オーバークール時には、エンジン1の回転速度を低下させると、エンジンストールする恐れがあるため、水温センサ11は、車両停止状態判断手段4に対して信号を発信しないので、車両停止状態判断手段4は、停止信号を発信しない。
図示しないブレーキペダルが踏まれ(ブレーキ操作)、かつ、その踏まれている時間が所定時間継続していない場合、オペレータのブレーキ操作は、作業中断を伴う車両停止を意図したものではない、と見做し、車両停止状態判断手段4は、停止信号を発信しない。
また、停止信号の発信状態で、ブレーキ操作が解除された場合、作業車両は発進するものとして見做し、車両停止状態判断手段4は、停止信号の発信を停止する。
車両速度が所定の速度を超えている場合、車両停止状態判断手段4は、停止信号を発信しない。
車両速度が所定の速度以下になったとしても、その状態が所定時間継続していない場合、作業車両の減速及び停止は、作業中断を伴った車両停止を意図したものではない、と見做し、車両停止状態判断手段4は、停止信号を発信しない。
上記の通り、停止信号が発信されないときは、エンジン1の回転速度は、標準アイドル回転速度で維持され、低アイドル回転速度に変更されない。
反対に、エンジン水温が所定の水温以上、所定時間以上継続するブレーキ操作、及び、所定の速度以下の車両速度が所定時間以上継続、という全ての条件が成立したとき、車両停止状態判断手段4は、作業車両が停止しているとして、低回転速度制御手段7に停止信号を発信する。
車両停止状態判断手段4から、停止信号が発信されている場合、次に、第2段階として、作業状態判断手段5によって、1)作業機のレバー又はペダルの操作の有無、2)バケットの位置、3)バケットの負荷状態、4)ステアリング操作の有無、5)ステアリング角に関する情報が判断される。
車両停止状態判断手段4から、停止信号が発信されているとき、図示しない作業機のレバー又はペダルが操作されている場合、車両停止状態での作業が継続中であると見做し、作業状態判断手段5は、作業中断信号を発信しない。
車両停止状態判断手段4から、停止信号が発信されているとき、図示しないバケットの位置が予め定められている中立位置にない場合、例えば、リフト位置にある場合などには、車両停止状態での作業が継続中であると見做し、作業状態判断手段5は、作業中断信号を発信しない。
車両停止状態判断手段4から、停止信号が発信されているとき、図示しないバケットに、砂岩等の積載物が保持されている場合、車両停止状態での作業が継続中であると見做し、作業状態判断手段5は、作業中断信号を発信しない。
車両停止状態判断手段4から、停止信号が発信されているとき、図示しないステアリングが操作されている場合、オペレータが作業車両の移動を意図していると見做し、作業状態判断手段5は、作業中断信号を発信しない。
車両停止状態判断手段4から、停止信号が発信されているとき、図示しないステアリング角が、所定の角度の範囲外である場合、アイドル回転速度を低下させると、走行又は作業復帰時に、エンジンストールする可能性があるため、作業状態判断手段5は、作業中断信号を発信しない。
上記の通り、作業中断信号が発信されないときは、停止信号の発信が継続中でも、エンジン1の回転速度は、標準アイドル回転速度で維持され、低アイドル回転速度に変更されない。
反対に、作業機のレバー又はペダルの操作なし、バケットが中立位置、バケットが空荷、ステアリング操作なし、及び、ステアリング角が所定角度範囲内、という全ての条件が成立したとき、作業状態判断手段5は、作業が中断しているものとして、低回転速度制御手段7に、作業中断信号を発信する。
車両停止状態判断手段4から停止信号が発信され、かつ、作業状態判断手段5から作業中断信号が発信されている場合、次に、第3段階として、傾斜状態判断手段6によって、作業車両の、1)前後方向の傾斜角度、及び、2)左右方向の傾斜角度に関する情報が判断される。
車両停止状態判断手段4から停止信号が発信され、かつ、作業状態判断手段5から作業中断信号が発信されているとき、前後傾斜センサ60によって、作業車両の前後方向の傾斜角度が、所定の範囲を超えている場合、アイドル回転速度を低下させると、走行復帰時にブレーキ操作を解除すると、作業車両がずり下がる可能性があるため、傾斜状態判断手段6は、安全傾斜信号を発信しない。
車両停止状態判断手段4から停止信号が発信され、かつ、作業状態判断手段5から作業中断信号が発信されているとき、左右傾斜センサ61によって、作業車両の左右方向の傾斜角度が、所定の範囲を超えている場合、キャンパー走行のように、駆動力を必要とする状態であることが想定され、アイドル回転数を低下させると、走行復帰時に、エンジンストールする可能性があるため、傾斜状態判断手段6は、安全傾斜信号を発信しない。
上記の通り、安全傾斜信号が発信されないときは、停止信号及び作業中断信号の発信が継続中でも、エンジン1の回転速度は、標準アイドル回転速度で維持され、低アイドル回転速度に変更されない。
反対に、前後方向及び左右方向の傾斜角度が所定角度範囲内という全ての条件が成立したとき、傾斜状態判断手段6は、作業車両の傾斜角度が安全であるとして、低回転速度制御手段に、安全傾斜信号を発信する。
低回転速度制御手段7は、車両停止状態判断手段4、作業状態判断手段5及び傾斜状態判断手段6から、停止信号、作業中断信号、及び、安全傾斜信号の入力が継続している場合、即ち、図3のパターン図中、二重線の上側に示したすべての条件が成立している場合のみ、エンジン1の回転速度を標準アイドル回転速度から、低アイドル回転速度に変更する低アイドル回転信号を発信し、車両状態を示す各信号の入力状態に変化があるまで、エンジン1の回転速度は低アイドル回転速度に維持される。
本発明に係る作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法は、上記のように構成されるので、本発明によるときは、走行又は作業の再開時に、作業車両のずり下がりや、エンジンストール、エンジン駆動の不安定化などの可能性がない場合に限り、作業車両の作業中断を伴う車両停止時に、エンジン1のアイドル回転速度を低下させることができるので、安全性を損なうことなく、燃料の節約、及び、騒音並びに振動の低減を図ることができるようになる。
次に、本発明に係る作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御装置の他の実施例について説明する。
なお、この実施例の主要な構成及び作用は、〔実施例1〕と同様であるので、相違点を中心に説明する。
この実施例では、傾斜状態判断手段6は、左右の傾斜角度が所定の角度範囲内であるか否か、と共に、作業車両が後傾ポジションであるか否かを判断する。
後傾ポジションとは、停止状態の作業車両のブレーキを開放したときに、作業車両が後方にずり下がることが想定される角度に傾斜した状態をいい、後方にずり下がらずに、作業車両の停止が維持される限界となる傾斜角度としては、例えば、3度が挙げられる。
この実施例では、前後傾斜センサ60、及び、左右傾斜センサ61から入力される作業車両の傾斜情報に基づき、作業車両の前後方向の傾斜状態が、後傾ポジションでない場合、かつ、左右方向の傾斜状態が左右基準ポジションである場合に、傾斜状態判断手段6は、低回転速度制御手段7に対して安全傾斜信号が発信される。
また、少なくとも、作業車両の前後方向の傾斜状態が後傾ポジションであるか、左右方向の傾斜状態が左右基準ポジションでない場合、傾斜状態判断手段6は、低回転速度制御手段に対して安全傾斜信号を発信しない。
この実施例によるときは、前後方向の傾斜状態が後傾ポジションでない場合、即ち、ブレーキの開放によって、作業車両が前方にずり下がる状況でも、エンジン1の回転速度が、低アイドル回転速度で維持される。
この実施例において、作業車両が前方にずり下がる状況でも、低アイドル回転速度を維持するようにした理由は、作業車両が、作業中断を伴う停止状態から、走行状態に復帰する場合、基本的に、作業車両を前方に走行させるため、オペレータにとって、ブレーキの開放と共に、作業車両が前方にずり下がっても不自然さを感じることがないと共に、作業車両の停止している地面が、作業車両の前方が下がるよう傾斜している場合、作業車両の車重が走行方向に作用するので、走行再開時に、大きな駆動力を必要とせず、走行再開に伴ってエンジン1に負担がかかることもないので、前方へずり下がる状況でも、エンジン1の回転速度を低アイドル回転速度で維持することに、安全上の問題は生じないからである。
この実施例によるときは、安全に支障を及ぼさない範囲で、エンジン1のアイドル回転速度を低下させることができるので、燃料の節約、及び、騒音並びに振動の低減を図ることができるようになる。
次に、本発明に係る作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御装置の他の実施例について説明する。
なお、この実施例の主要な構成及び作用は、〔実施例1〕と同様であるので、相違点を中心に説明する。
この実施例では、傾斜状態判断手段6は、作業車両が前後基準ポジション、前傾ポジション、並びに、後傾ポジションのいずれの傾斜状態であるか、及び、左右の傾斜角度が左右基準ポジションであるか否か、を判断する。
前傾ポジションとは、停止状態の作業車両のブレーキを開放したときに、作業車両が前方にずり下がることが想定される角度に傾斜した状態をいい、前方にずり下がらずに、作業車両の停止が維持される限界となる傾斜角度としては、例えば、3度が挙げられる。
また、この実施例では、傾斜状態判断手段6又は低回転速度制御手段7には、作業車両の前傾ポジション時のエンジン1の回転速度を標準アイドル回転速度とするか、又は、低アイドル回転速度とするか、を選択する切り替え手段が設けられる。
この実施例では、使用状況に応じ、傾斜状態判断手段6又は低回転速度制御手段7の設定を変更することによって、作業車両が前傾ポジションにあるとき、エンジン1の回転速度を、標準アイドル回転速度で維持するか、又は、低アイドル回転速度で維持するか、を選択できるようになっている。
例えば、低アイドル回転速度の条件から前傾ポジションを除外すると、前後傾斜センサ60、及び左右傾斜センサ61から入力させる作業車両の傾斜情報に基づき、作業車両が、前後基準ポジション、かつ、左右基準ポジションである場合に、傾斜状態判断手段6は、低回転速度制御手段7に安全傾斜信号が発信される。
また、例えば、低アイドル回転速度の条件に前傾ポジションを含めると、前後傾斜センサ60、及び左右傾斜センサ61から入力させる作業車両の傾斜情報に基づき、作業車両が、前後基準ポジション又は前傾ポジション、かつ、左右基準ポジションである場合に、傾斜状態判断手段6は、低回転速度制御手段7に安全傾斜信号が発信される。
この実施例では、作業環境やユーザーのニーズに応じて、走行再開時の前方へのずり下がりを許容するか否かを設定できるので、燃料の節約、及び、騒音並びに振動の低減を更に図ることができるようになる。
次に、本発明に係る作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御装置の他の実施例について説明する。
なお、この実施例の主要な構成及び作用は、〔実施例3〕と同様であるので、相違点を中心に説明する。
この実施例では、傾斜状態判断手段6は、得られた前後方向及び左右方向の傾斜角度に基づいて、作業車両が停止している傾斜平面の傾斜角度を算出し、得られた傾斜平面の傾斜角度に基づき、作業車両の傾斜状態を判断する。
この傾斜平面は、例えば、作業車両の前輪の接地点を結ぶ直線と、後輪の接地点を結ぶ直線を含む略平面である。
また、この実施例では、傾斜平面に基づいて作業車両の傾斜状態、即ち、ずり下がりを伴う傾斜状態であるか否かが判断されるが、これとは別に、前後傾斜センサ60又は左右傾斜センサ61から得られた傾斜角度について、制御限界値が設定されている。
この制御限界値は、例えば、前傾ポジションの場合でも、その前傾角度が、極端に大きい傾斜角度、例えば、前後3度以上、左右10度以上、及び、傾斜平面5度以上のうち、少なくとも1種類以上の傾斜角度を超えて傾斜しているときには、ずり下がり防止のため、エンジン1を低アイドル回転速度で制御しないようにするものであって、この傾斜角度のデータは、前後傾斜センサ60、左右傾斜センサ61から得られる傾斜角度、及び、得られた傾斜平面それぞれに設けられるものである。
また、この実施例では、低回転速度制御手段7は、低アイドル回転速度として、通常の低アイドル回転速度に加え、エンジンの一時停止の2段階の速度が設定されており、作業車両の停止条件に応じて、エンジン1の低アイドル回転速度の維持の制御、又は、エンジンの一時停止を指令し得るものである。
このエンジンの一時停止は、例えば、作業車両の前後の傾斜状態が前傾ポジションのとき実行される。
この実施例において、エンジンの一時停止時に発進操作がなされ、ブレーキが開放されると、作業車両が前方にずり下がり始めるが、ずり下がり方向と、発進方向が一致しているため、発進操作直後に強大な駆動力は必要とされていない。
このため、上記の停止状態の場合、エンジン1の駆動が一時的に停止されていても、安全上の問題は生じない。
上記の実施例によるときは、安全性を損なうことなく、エンジンのアイドル回転速度を低下させる制御を行うことができるので、燃料の消費量の節約と、騒音及び振動の低下を効果的に実現できるものである。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、例えば、上記の実施例では、作業車両は、ホイールローダとしたが、エンジンの出力が走行機と作業機に分配されて駆動する他の作業車両、例えば、オフロードダンプとしてもよい。
この場合、バケットに相当する作業機は、ベッセルとなり、作業中断の判断において、ベッセルが「上げ」の位置にあり、また、ベッセルに砂岩等が積載しているときには、車両停止状態での作業が継続中であると見做されるものとする。
また、ホイールローダでは、作業中断を伴う車両停止状態としては、空荷のダンプ待ちなどが考えられるが、オフロードダンプの場合、オペレータが乗務する場合や、遠隔操作や運行プログラムに従って、無人運行される場合などで、例えば、安全確保のために、障害車両の通過待ちや、障害物との接触防止のため、オフロードダンプが停止した状態が考えられる。
また、低アイドル回転速度による制御を実行する条件、具体的には、エンジン水温、停止状態の継続時間、ブレーキ操作の継続時間、停止状態と見做す車両速度、車両の傾斜角度等の条件は、上記の実施例に限定されるものではなく、作業車両の種類、大きさ、使用環境に応じて、自由に変更することができる。
また、上記の実施例では、車両状態を判断する際に、静止、作業中断、安全傾斜の順で判断しているが、順番はこれに限定されるものではなく、全ての判断を同時に行うようにしてもよい。
また、コントローラ又は低回転速度制御手段が、作業車両の状態を検出するセンサから、直接信号を受け取り、作業車両の状態を判断し、低回転速度制御手段に、エンジンの回転速度を制御する信号を発信するようにしてもよい。
本発明は、作業車両の中でも、ホイールローダやオフロードダンプのような特殊な構成を有する作業車両の燃料消費量、排気ガス量、騒音及び振動の低下の面で有用であり、産業上の利用可能性が高い。
1 エンジン
10 回転速度センサ
11 水温センサ
2 コントローラ
3 電子ガバナ制御手段
4 車両停止状態判断手段
40 ブレーキセンサ
41 速度センサ
42 タイマ
5 作業状態判断手段
50 作業機操作センサ
51 作業機位置センサ
52 作業機負荷センサ
53 ステアリング操作センサ
6 傾斜状態判断手段
60 前後傾斜センサ
61 左右傾斜センサ
7 低回転速度制御手段

Claims (7)

  1. エンジンの出力が、走行機と作業機に分配される作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法であって、当該作業車両が停車中に作業を行ってもエンジンストールしないように定められたアイドル回転速度であって、前記エンジンが安定して駆動し得るアイドル回転速度の下限近傍より高めに設定された標準アイドル回転速度でアイドル回転するものにおいて、
    a)作業車両の停止状態を判断し、作業機の操作の中断を判断し、作業車両の傾斜状態を判断するステップと、
    b)作業車両の停止が判断され、かつ、作業機操作の中断が判断され、かつ、作業車両の傾斜状態が、前後及び左右方向の傾斜角度が、前記エンジンが低アイドル回転速度でアイドル回転しているときに前記作業車両のブレーキが開放された場合に前記作業車両がずり下がり始める限界の角度である所定の角度の範囲内である基準ポジションであるとき、エンジンのアイドル回転速度を、前記標準アイドル回転速度から、前記エンジンが安定して駆動し得るアイドル回転速度の下限近傍の回転速度であって、かつ前記標準アイドル回転速度よりも低回転の前記低アイドル回転速度に変更して維持する制御を実行するステップと、
    を含むことを特徴とする上記の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法。
  2. 請求項1に記載の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法において、
    作業車両の停止が判断され、かつ、作業機操作の中断が判断され、かつ、作業車両の左右方向の傾斜状態が、前記所定の角度範囲内である左右基準ポジションであり、かつ、作業車両の前後方向の傾斜角度が、前記所定の角度範囲を超えて後方が下がる後傾ポジションでないとき、エンジンのアイドル回転速度を前記標準アイドル回転速度よりも低回転の前記低アイドル回転速度に維持する制御を実行すること
    を特徴とする上記の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法。
  3. 作業車両の前後方向及び左右方向の傾斜角度に基づいて、作業車両が停止している傾斜平面の傾斜角度が算出され、作業車両の傾斜状態が、傾斜平面の傾斜角度に基づいて判断される請求項1又は2に記載の作業車両エンジンのアイドル回転速度自動制御方法。
  4. エンジンの回転速度が前記低アイドル回転速度で維持されている場合、ブレーキの解除及び作業機の操作のうち、少なくとも一方が実行されたとき、エンジンの回転速度を前記低アイドル回転速度に維持する制御をキャンセルする請求項1ないし3のいずれかに記載の作業車両エンジンのアイドル観点速度自動制御方法。
  5. 前記作業車両の前後の傾斜状態が前傾ポジションのときには、前記低アイドル回転速度にする代わりにエンジンを停止させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法。
  6. 前記低アイドル回転速度とエンジン停止を含む複数段階のアイドル回転速度が設定され、作業車両の傾斜に応じ、当該複数のアイドル回転速度が選択される請求項1ないし5のいずれかに記載の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御方法に用いられ、車両停止状態判断手段と、作業状態判断手段と、傾斜状態判断手段と、エンジンのアイドル回転速度を前記低アイドル回転速度に制御する低回転速度制御手段とを具備する作業車両用エンジンのアイドル回転速度自動制御装置。
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