JP5386231B2 - 絶縁監視装置の試験装置及び絶縁監視装置の試験方法 - Google Patents

絶縁監視装置の試験装置及び絶縁監視装置の試験方法 Download PDF

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Description

本発明は、単相交流又は三相交流の電路の接地線に取り付けられた変流器を用いて該接地線を流れる漏れ電流を検出し、該漏れ電流の検出状況に基づいて電路の絶縁状態を監視する絶縁監視装置の試験装置、より詳しくは、かかる絶縁監視装置が正常であるか否かを電路を停電させることなく(活線状態のままで)試験する試験装置及び絶縁監視装置の試験方法に関する。
電路の漏れ電流には、絶縁抵抗劣化によって流れる漏れ電流、即ち、絶縁管理で問題となる抵抗分の漏れ電流(有効漏れ電流)と、絶縁状態が健全であっても流れる漏れ電流、即ち、正常状態でも存在する静電容量分の漏れ電流(無効漏れ電流)とがあり、一般的に、漏れ電流はIo、有効漏れ電流はIor、無効漏れ電流はIocで表される。
絶縁監視の方式としては、従来より、漏れ電流の大小を把握するだけの簡易的な監視方法があり、また、最近のIT機器、インバータ機器の増加により、漏れ電流に含まれる無効漏れ電流が増えてきているため、Io方式では、純粋な漏れ電流を精度良く検出することが困難となってきているとして、最近では、有効漏れ電流を純粋な漏れ電流として検出する方式が主流となりつつある。前者はIo方式と呼ばれ、また、後者は、接地線に商用周波数よりも低周波数の微小電圧を注入し、その注入電圧と同相の電流を変流器にて検出することで漏れ電流を求める方式(Igr方式)と、変流器が検出する漏れ電流から電圧と同相の電流をベクトル的に抽出する方式(Ior方式)とに分けられ、各方式の絶縁監視装置が運用されている。
絶縁監視装置は、装置が正常であることを確認するため、警報動作電流に対する許容誤差の試験を定期的に行う必要がある。この種の試験装置としては、Io方式の絶縁監視装置に適用されるもの(特許文献1)と、Ior方式の絶縁監視装置に適用されるもの(特許文献2)が公知であり、何れにおいても共通している考え方は、接地線に取り付けた絶縁監視装置の変流器に試験装置の電流出力線を挿通し、試験電流を電流出力線に注入することにより、絶縁監視装置の変流器が接地線を流れる漏れ電流と電流出力線を流れる試験電流とを合わせて検出するようにし、その上で、これら漏れ電流と試験電流とを合わせたものが絶縁監視装置の警報動作電流に到達するように試験電流を変化させ、その結果、絶縁監視装置が警報動作するか否かを確認するという点である。
特開平9−229985号公報 特開2007−285790号公報
ところで、何れの試験装置も、絶縁抵抗劣化によって流れる漏れ電流、即ち、絶縁管理で問題となる抵抗分の漏れ電流である有効漏れ電流、あるいはそれを含む漏れ電流に対する絶縁管理の観点から、試験を行うものである。絶縁状態が健全であっても流れる漏れ電流、即ち、正常状態でも存在する静電容量分の漏れ電流である無効漏れ電流については、特に認識が及んでいない。
しかしながら、本来、絶縁監視装置に求められるものは、第一に、有効漏れ電流の増加によって絶縁監視装置が警報動作し、第二に、無効漏れ電流の増加によっても絶縁監視装置が警報動作しない、の二つであり、この二つの事項に対し、絶縁監視装置が正常であるか否かを確認することは本来のあるべき姿である。しかも、上述したように、IT機器、インバータ機器の増加により、漏れ電流に含まれる無効漏れ電流が増えてきている昨今、これを絶縁管理のパラメータとして捉えることは重要となってくる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、無効漏れ電流をパラメータとする試験を行うことにより、より高い精度の試験結果を得ることができる絶縁監視装置の試験装置及び絶縁監視装置の試験方法を提供することを課題とする。
本発明に係る絶縁監視装置の試験装置は、上記課題を解決すべく構成されたもので、単相交流又は3相交流の電路の接地線に取り付けられた変流器を用いて該接地線を流れる漏れ電流を検出し、該漏れ電流の検出状況に基づいて電路の絶縁状態を監視する絶縁監視装置の試験装置であって、絶縁監視装置の前記変流器に挿通される電流出力線を含み、漏れ電流に含まれる無効漏れ電流を増加又は減少させる位相の試験電流を生成すると共に、該試験電流を前記電流出力線に注入する電流注入手段と、前記電流出力線が挿通されるようにして接地線に取り付けられる変流器を含み、該変流器を用いて接地線を流れる漏れ電流と前記電流出力線を流れる試験電流とを合わせて検出する電流検出手段とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、試験電流が電流出力線に注入されると、絶縁監視装置の変流器は、接地線を流れる漏れ電流と電流出力線を流れる試験電流とを合わせて検出すると共に、本発明に係る試験装置の変流器も、接地線を流れる漏れ電流と電流出力線を流れる試験電流とを合わせて検出する。従って、本発明に係る試験装置が自身の変流器を用いて検出する電流は、絶縁監視装置が自身の変流器を用いて検出する電流と等価であり、それゆえ、本発明に係る試験装置は、絶縁監視装置の状態を把握することができる。
そこで、例えば、かかる絶縁監視装置の試験装置を用いて、無効漏れ電流が増加するように試験電流を注入し、所定の電流値(警報不動作電流)に到達させて、絶縁監視装置が警報動作しないことを確認する試験を行うことができる。
即ち、無効漏れ電流は、絶縁状態が健全であっても流れる漏れ電流であり、これが増加したとしても、絶縁監視装置は警報動作すべきではない。逆に、絶縁監視装置が警報動作するならば、絶縁監視装置に何らかの不具合があると見るべきである。本発明に係る絶縁監視装置の試験装置及び試験方法によれば、それを確認することが可能となる。
あるいは、例えば、かかる絶縁監視装置の試験装置を用いて、絶縁監視装置が警報動作している状態で、無効漏れ電流が減少するように試験電流を注入し、絶縁監視装置の警報動作が解除されないことを確認する試験を行うことができる。
ここで、本発明に係る絶縁監視装置の試験装置は、前記電流注入手段が、漏れ電流に含まれる有効漏れ電流を増加又は減少させる位相の試験電流を生成すると共に、該試験電流を電流出力線に注入する状態と、漏れ電流に含まれる無効漏れ電流を増加又は減少させる位相の試験電流を生成すると共に、該試験電流を電流出力線に注入する状態の何れに切替可能である構成を採用することができる。
かかる構成によれば、絶縁監視装置の上記した動作確認と、上記した不動作確認とを必要に応じて選択的に行うことができる。
また、本発明に係る絶縁監視装置の試験装置は、前記電流注入手段が、漏れ電流に含まれる有効漏れ電流を増加又は減少させる位相の試験電流を生成すると共に、該試験電流を第1の電流出力線に注入する第1の電流注入手段と、漏れ電流に含まれる無効漏れ電流を増加又は減少させる位相の試験電流を生成すると共に、該試験電流を第2の電流出力線に注入する第2の電流注入手段とからなる構成を採用することができる。
かかる構成によれば、絶縁監視装置の上記した動作確認と、上記した不動作確認とを必要に応じて選択的に行うことができるばかりでなく、第1の電流注入手段と第2の電流注入手段を同時的に作動して、二種類の試験電流を同時的に注入することができる。例えば、一方の試験電流だけでは漏れ電流を大きく変化させることができない場合、もう一方の試験電流を併せて注入することで、漏れ電流を大きく変化させることが可能となる。
以上の如く、本発明は、無効漏れ電流をパラメータとする試験を行うことにより、有効漏れ電流あるいはこれを含む漏れ電流をパラメータとする試験を行うだけの場合に比べて、試験が綿密となり、従って、より高い精度の試験結果を得ることができる。
また、例えば、絶縁監視装置の対象となるシステムの規模が大きくなると、電線長が増加したり、装置設備の数が増加することにより、全体の無効漏れ電流が増加してくるが、システム拡張に当たり、絶縁監視装置の変更が必要となってくるか否か、どのくらいまでの規模拡張に耐え得るのか、といった検討のためにも役立たせることができる。
本実施形態に係る試験装置の外観構成図を示す。 同試験装置の内部構成図を示す。 同試験装置を用いた絶縁監視装置の動作確認試験(単相交流の電路の場合)の概念図を示す。 同試験装置を用いた絶縁監視装置の動作確認試験(三相交流の電路の場合)の概念図を示す。 同試験装置を用いた絶縁監視装置の不動作確認試験(単相交流の電路の場合)の概念図を示す。 同試験装置を用いた絶縁監視装置の不動作確認試験(三相交流の電路の場合)の概念図を示す。 同試験装置を用いた絶縁監視装置が警報動作してからの動作確認試験の概念図を示す。
以下、本発明に係る絶縁監視装置の試験装置の一実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。
まず、絶縁監視装置について概略を説明する。本実施形態に係る絶縁監視装置は、自家用電気工作物内に設置して使用される。また、純粋な漏れ電流の検出精度が高くないIo方式や、検出精度は高いものの低周波数の電圧を注入するためのトランスが必要となること等により、重量物で高価なIgr方式ではなく、安価なシステム構成で十分に良好な検出精度が得られるIor方式の絶縁監視装置である。
配電線から引込線にて電気設備に引き込まれた6.6kVの高圧は、変圧器にて、単相2線、単相3線、三相3線等に適用される100V、200V等の低電圧に変圧され、変圧器の2次側(低圧側)の一端は接地線(一般には、B種接地線)にて接地されるが、この接地線に、漏れ電流を検出する漏れ電流検出センサとして、絶縁監視装置の変流器(CT)、より詳しくは、貫通型や分割型の変流器が取り付けられる。
絶縁監視装置は、上記変流器を用いて漏れ電流を検出する電流検出部と、該電流検出部が設定量(警報動作電流)以上の漏れ電流を検出した場合、視覚的及び/又は聴覚的、接点出力などで警報動作する警報処理部とを備える。また、電流検出部は、検出した漏れ電流から有効漏れ電流をベクトル演算によって抽出する。有効漏れ電流を抽出するための具体的な方法としては、漏れ電流の位相と電圧位相との位相差を検出し、その位相差(角度)から有効漏れ電流をベクトル演算する方法や、線間電圧から生成した位相判定信号を利用してベクトル演算する方法といった、漏れ電流と電路の電圧位相とに基づいて有効漏れ電流を求める方法が一般的である。
〔試験装置の概略構成〕
次に、かかる絶縁監視装置の試験装置について説明する。本実施形態に係る試験装置は、Ior方式の絶縁監視装置に対応してIor方式が採用され、漏れ電流及び有効漏れ電流はもちろんのこと、無効漏れ電流も検出することができるようになっている。
具体的には、電路に接続される一対のケーブル線を含み、該ケーブル線を介して電路から得た電力を電源とする電源部と、電路の電圧位相を検出する電圧位相検出手段と、絶縁監視装置の変流器に挿通される電流出力線を含み、電圧位相検出手段により検出された電路の電圧位相に対して位相が所定角度ずれた試験電流を生成すると共に、該試験電流を電流出力線に注入する電流注入手段と、電流出力線が挿通されるようにして接地線に取り付けられる変流器を含み、該変流器を用いて接地線を流れる漏れ電流と電流出力線を流れる試験電流とを合わせて検出する電流検出手段と、該電流検出手段による検出結果から得られた漏れ電流に関する情報を表示する表示手段とを備える。
〔試験装置の外観構成〕
本実施形態に係る試験装置の外観構成を図1に示す。筐体1の正面パネル2には、電源スイッチ3、各ケーブル線(電源コード)4のプラグを接続するためのコネクタ5,5、電流出力線6の両端部に設けられた各プラグを接続するためのコネクタ7,7、クランプ式変流器(クランプCT)8の信号線のプラグを接続するためのコネクタ9、DC電圧入力用のコネクタ10、LCDパネル11、電気方式切替スイッチ12、注入電流切替スイッチ13、電流レンジ切替スイッチ14、極性切替スイッチ15、画面選択ボタン16及び電流調節ボリューム17といった各種のコネクタ、表示部及び操作要素が設けられる。
ケーブル線4は、先端にクリップ4aを有し、電路をクリップすることにより、電路から電力を得ることができる。単相交流の電路であれば、一方のクリップ4aをL1相、他方のクリップ4aをN相に噛ませ、L1−N間電源接続(100V)か、一方のクリップ4aをL2相、他方のクリップ4aをN相に噛ませ、L2−N間電源接続(100V)か、一方のクリップ4aをL1相、他方のクリップ4aをL2相に噛ませ、L1−L2間電源接続(200V)かの何れかを任意に選択することができ、また、三相交流の電路であれば、一方のクリップ4aをU相、他方のクリップ4aをW相に噛ませ、U−W間電源接続(200V)を採らなければならない。
電流出力線6は、例えば8芯のLANケーブルであり、電路の電圧位相から所定の位相角を持った試験電流(Ior、Ioc)が通電されるようになっている。クランプ式変流器8は、先端にクランプ部8aを有し、接地線に取り付けられる(クランプされる)。クランプ式変流器8は、一般的に市販されているタイプのものが用いられる。
DC電圧入力用のコネクタ10は、対象の絶縁監視装置に動作制限が設けてある等、動作確認が困難な場合に、絶縁監視装置の記録計用出力(DC電圧出力)を接続することにより、絶縁監視装置が検出した漏れ電流(IorやIo)の大きさに比例したDC電圧(直流電圧)を読み取るためのものである。通常は、テスターなどの別の測定器具を用いて測定することになるが、本実施形態に係る試験装置においては、上記の電圧検出機能及びその表示機能を組み込むことにより、テスターなどの別の測定器具を不要とする。
LCDパネル11は、「測定画面」と「設定画面」の二つの表示を行うものであり、画面選択ボタン16を押釦する度に、「測定画面」と「設定画面」とが切り替わるようになっている。「測定画面」は、クランプ式変流器8を用いて検出された漏れ電流の情報(後述するベクトル演算により求められた有効漏れ電流(Ior)と無効漏れ電流(Ioc)と漏れ電流(Io)の各数値)を表示する画面である。一方、「設定画面」は、設定状態を表示する画面である。具体的には、上記した各種スイッチ12〜15の切替状態(即ち、選択した電気方式、選択した注入電流の種類(mA)及びその極性(+/-)、選択した電流レンジ(mA))と、上記のDC電圧(V)を確認することができる。
電気方式切替スイッチ12は、電路の電気方式を選択するためのもので、電路が単相交流であれば、「単相」を選択し、電路が三相交流であれば、「三相」を選択する。注入電流切替スイッチ13は、電流出力線6に通電させたい(注入したい)試験電流の種類を選択するためのもので、有効漏れ電流に対するものであれば、「Ior」を選択し、無効漏れ電流に対するものであれば、「Ioc」を選択する。電流レンジ切替スイッチ14は、注入する試験電流のレンジを選択するためのもので、0〜10mAであれば、「10mA」を選択し、0〜100mAであれば、「100mA」を選択する。極性切替スイッチ15は、注入する試験電流の極性を選択するためのもので、正(+)であれば、「正極」を選択し、負(-)であれば、「逆極」を選択する。電流調節ボリューム17は、選択した試験電流のレンジ内で試験電流の大きさを可変するためのものである。
〔試験装置の内部構成〕
次に、本実施形態に係る試験装置の内部構成を図2に示す。図2においては、試験装置が符号Cで表されており、その内部に各種の要素を含む。以下、各要素について説明する。尚、図2において、符号Tは変圧器、Gは接地線、Iは絶縁監視装置、Iaはその変流器、をそれぞれ表す。
「電源部」は、電路の電圧を電子回路用の電源に変換する。また、安全のため、一次側と二次側とは絶縁されている。「位相検出」は、電路の電圧位相を取り込み、電路の電圧(正弦波)をCPUからなる制御部Caが取り込める形(例えば、矩形波)に変換する。また、安全のため、一次側と二次側とは絶縁されている。
「位相補正値」は、予め求めた電圧位相のずれ分のことであり、変流器8や装置内の電子回路(特にフィルタ)で発生する位相の遅れや進み分を補正する。「sin/cosデータ」は、sin波(正弦波)、cos波(余弦波)のデジタルデータのことであり、有効漏れ電流及び無効漏れ電流のベクトル演算に使用し、また、試験電流の作成元となる。「同期処理」は、検出した電圧位相に位相補正値を加える(又は減算する)と共に、漏れ電流の演算タイミング、又は、試験電流の注入タイミングを決定する。
「電流検出」は、変流器8を用いて検出した漏れ電流Ioを電圧に変換し、電圧が所定の大きさになるように増幅/減衰させる。「フィルタ」は、ノイズ成分を除去する。
「A/D変換」は、変流器8を用いて検出した漏れ電流(アナログデータ)をデジタルデータに変換する。「乗算」は、sin波(正弦波)又はcos波(余弦波)のデジタルデータとA/D変換で得られたデジタルデータとの乗算を行う。「1周期の平均」は、乗算で得られた結果の例えば1周期分の平均値を求める。「注入電流作成」は、sin/cosデータを元に、sin波(正弦波)又はcos波(余弦波)の試験電流を生成する。「電力増幅」は、注入する試験電流に必要な電流を供給する。
〔漏れ電流の演算処理〕
本実施形態に係る試験装置の構成説明は以上のとおりであり、次に、変流器8を用いて検出した漏れ電流Ioから有効漏れ電流Iorと無効漏れ電流Iocをベクトル演算する、その処理概要について説明する。
<単相交流の電路における有効漏れ電流Ior>
本実施形態に係る試験装置のケーブル線4,4の電路への接続がL1−N間電源接続であれば、L1−N間の電圧位相を検出し、また、電路への接続がL2−N間電源接続であれば、L2−N間の電圧位相を検出し、また、電路への接続がL1−L2間電源接続であれば、L1−L2間の電圧位相を検出し、この電圧位相と同期した正弦波のデジタルデータを生成し、該デジタルデータと漏れ電流Ioをサンプリングした信号とを乗算する。有効漏れ電流Iorは電路の電圧位相と同相(又は逆相)となるため(図3(b)参照)、演算結果は有効漏れ電流Iorの大きさに比例した交流分と直流分になって現れる。一方、無効漏れ電流Iocは電路の電圧位相から90°の進み位相となるので、演算結果は無効漏れ電流Iocの大きさに比例した交流分のみとなり、直流分は現れない。従って、電圧位相と同期した正弦波のデジタルデータと漏れ電流Ioをサンプリングした信号とを乗算した後、1周期分の平均をとれば、無効漏れ電流Iocは除去され、有効漏れ電流Iorのみを分離抽出することができる。
<三相交流の電路における有効漏れ電流Ior>
有効漏れ連流Iorを分離抽出するための、電路の電圧位相の基準が単相交流の電路の場合と異なる。有効漏れ電流Ior(U)は電路のU−W間の電圧Vwuから120°の遅れ位相となる(図4(b)参照)。このため、電圧Vwuの電圧位相を検出し、該電圧位相と同期した余弦波のデジタルデータを生成する。その後、単相交流の電路の場合と同様に、該デジタルデータと漏れ電流Ioをサンプリングした信号とを乗算し、1周期分の平均をとれば、無効漏れ電流Iocが除去される。尚、ここで得られる有効漏れ電流Ior(U)'は、電路のU−W間の電圧位相から90°遅れた線上にあるので(図4(b)参照)、得られた有効漏れ電流Ior(U)'を1.15倍(1/cos30°倍)したものが有効漏れ電流Ior(U)の最終結果となる。
<単相交流の電路における無効漏れ電流Ioc>
無効漏れ電流Iocの検出には余弦波のデジタルデータを使用する。無効漏れ電流Iocは電路の電圧位相から90°の進み位相となるため(図5(b)参照)、余弦波のデジタルデータと漏れ電流Ioをサンプリングした信号とを乗算すれば、演算結果は無効漏れ電流Iocの大きさに比例した交流分のみとなり、直流分は現れない。従って、電圧位相と同期した余弦波のデジタルデータと漏れ電流Ioをサンプリングした信号とを乗算した後、1周期分の平均をとれば、有効漏れ電流Iorは除去され、無効漏れ電流Iocのみを分離抽出することができる。
<三相交流の電路における無効漏れ電流Ioc>
各電圧相の対地静電容量が等しく分布している場合、各電圧相の無効漏れ電流(Ioc(U)とIoc(W))のベクトル合成和電流Iocは、電路のU−W間の電圧Vwuと同相(又は逆相)になる(図6(b)参照)。無効漏れ電流Iocの抽出には、電圧Vwuの電圧位相と同期した正弦波のデジタルデータを使用し、その後は、単相交流の電路の場合と同様に、該デジタルデータと漏れ電流Ioをサンプリングした信号とを乗算し、1周期分の平均をとれば、有効漏れ電流Iorは除去され、無効漏れ電流Iocのみを分離抽出することができる。尚、ここで得られる無効漏れ電流Iocは、電路のU−W間の電圧位相と同じ線上にあるので(図6(b)参照)、有効漏れ電流Iorを抽出するときのように、得られた無効漏れ電流Iocを1.15倍(1/cos30°倍)する必要はない。
<表示部での表示>
以上のようにして演算された有効漏れ電流Ior,Ior(U)及び無効漏れ電流Iocは、漏れ電流Ioとともに「測定画面」モードにおける表示部11に表示される。また、後述するが、電流調節ボリューム17を操作して試験電流値を変えることにより、Io値、Ior値、Ioc値も変わるが、これらは都度リアルタイムで演算処理が行われ、リアルタイムで表示される。
〔試験装置のセットアップ〕
次に、本実施形態に係る試験装置(以下、単に「本装置」という場合がある)のセットアップについて図1及び図2を参酌しつつ説明する。セットアップとは、本装置を用いて絶縁監視装置を試験するに当たり、必要な事前準備作業をいう。尚、図2は、単相交流の電路であるが、三相交流の電路も同様である。
まず、変流器8及びケーブル線4,4を本装置Cに接続する。また、電流出力線6を絶縁監視装置Iの変流器Iaと本装置Cの変流器8とに同じ向きとなるように挿通させた後、該電流出力線6を本装置Cに接続する。次に、ケーブル線4,4の各クリップ4aを電路の該当相にクリップさせ、ケーブル線4,4を電路に接続する。この状態で、電源スイッチ3をONにし、また、変流器8(のクランプ部8a)を接地線Gにクランプする。しかる後、電気方式切替スイッチ12で電路の電気方式(単相/三相)を選択し、電流調節ボリューム17を最小にしておく。
次に、注入電流切替スイッチ13で試験電流の種類(Ior/Ioc)を選択する。すると、電流出力線6には、有効漏れ電流Iorに関して言えば、単相交流の電路の場合、電路の電圧位相に対して、0°又は180°、三相交流の電路の場合、電路の電圧位相に対して、−90°又は90°、の試験電流Iorpが生成され、無効漏れ電流Iocに関して言えば、単相交流の電路の場合、電路の電圧位相に対して、90°又は−90°、三相交流の電路の場合、電路の電圧位相に対して、0°又は180°、の試験電流Iocpが生成される。
この状態で、試験電流の種類を「Ior」に選択しているならば、表示部11に表示されるIor値を読み取る。あるいは、試験電流の種類を「Ioc」に選択しているならば、表示部11に表示されるIoc値を読み取る。そして、この値を参考にして、電流レンジ切替スイッチ14で出力する最大電流値(10mA/100mA)を選択する。これにてセットアップは完了である。
〔絶縁監視装置の動作確認試験(単相交流の電路の場合)〕
動作確認とは、有効漏れ電流Iorに対する試験電流Iorpを電流出力線6に注入することにより、絶縁監視装置Iの変流器Iaが接地線Gを流れる漏れ電流Ioと電流出力線6を流れる試験電流Iorpとを合わせて検出するようにし、その上で、これら漏れ電流Ioと試験電流Iorpとを合わせたものが絶縁監視装置Iの警報動作電流に到達するように試験電流Iorpを変化させ、その際、絶縁監視装置Iが警報動作することを確認するという絶縁監視装置Iの試験である。
まず、単相交流の電路における絶縁監視装置Iの動作確認を行う場合、本装置Cのセットアップにおいて、電気方式切替スイッチ12を「単相」に選択し、注入電流切替スイッチ13を「Ior」に選択しておく。
次に、電流調節ボリューム17を右側へ少し回し、表示部11上のIor値が増加することを確認する。Ior値が増加する場合は、試験電流Iorpの極性は正常であるが、Ior値が減少する場合は、試験電流Iorpの極性が反対であるため、極性切替スイッチ15が「正極」ならば、「逆極」に切り替え、一方、極性切替スイッチ15が「逆極」ならば、「正極」に切り替えた後、電流調節ボリューム17を再び右側へ少し回し、Ior値が増加することを確認する。
かかる状態から、電流調節ボリューム17をさらに右側へ回し、絶縁監視装置Iが警報動作するまで電流調節ボリューム17を回す。これにより、図3に示す如く、電流出力線6には、電路の電圧位相と同相(又は逆相)の試験電流Iorpが通電され、接地線Gに対して見かけ上、試験電流Iorpが注入されることとなる。
例えば、絶縁監視装置Iの警報動作電流を50mA、電路における既存の有効漏れ電流Iorが10mA流れているとすれば(図3(b)参照)、絶縁監視装置Iの警報動作電流には電流40mAが足りないため、絶縁監視装置Iを警報動作させるためには、不足分の電流40mAを注入する必要がある。この場合、電流調節ボリューム17を回し、電路の電圧位相と同相(又は逆相)の試験電流Iorpを40mA注入することにより、Ior値の合計値(実際の有効漏れ電流Iorと試験電流Iorpとを合わせて、以下、「仮想有効漏れ電流Ior」という)は、50mA、即ち、絶縁監視装置Iの警報動作電流となる(同図(c)参照)。
従って、その状態で絶縁監視装置Iは警報動作すべきであり、実際そうであれば、動作確認の試験結果はOK、警報動作しなければ、動作確認の試験結果はNG、ということになる。言い換えれば、注入する試験電流Iorpを徐々に増加し、絶縁監視装置Iが警報動作した際の表示部11におけるIor値を読み取り、その値が絶縁監視装置Iの警報動作電流に対して所定範囲内(例えば50mA±10%)に入っていれば、絶縁監視装置Iは合格、外れていれば、絶縁監視装置Iは不合格、ということになる。
〔絶縁監視装置の動作確認試験(三相交流の電路の場合)〕
まず、三相交流の電路における絶縁監視装置Iの動作確認を行う場合、本装置Cのセットアップにおいて、電気方式切替スイッチ12を「三相」に選択し、注入電流切替スイッチ13を「Ior」に選択しておく。
次に、電流調節ボリューム17を右側へ少し回し、表示部11上のIor値が増加することを確認する。Ior値が増加する場合は、試験電流Iorpの極性は正常であるが、Ior値が減少する場合は、試験電流Iorpの極性が反対であるため、極性切替スイッチ15が「正極」ならば、「逆極」に切り替え、一方、極性切替スイッチ15が「逆極」ならば、「正極」に切り替えた後、電流調節ボリューム17を再び右側へ少し回し、Ior値が増加することを確認する。
かかる状態から、電流調節ボリューム17をさらに右側へ回し、絶縁監視装置Iが警報動作するまで電流調節ボリューム17を回す。これにより、図4に示す如く、電流出力線6には、電路の電圧位相に対して位相が90°異なる試験電流Iorpが通電され、接地線Gに対して見かけ上、試験電流Iorpが注入されることとなる。
例えば、絶縁監視装置Iの警報動作電流を50mA、電路における既存の有効漏れ電流Ior(U)が10mA流れているとすれば(図4(b)参照)、絶縁監視装置Iの警報動作電流には電流40mAが足りないため、絶縁監視装置Iを警報動作させるためには、不足分の電流40mAを注入する必要がある。この場合、電流調節ボリューム17を回し、電路の電圧位相に対して位相が90°異なる試験電流Iorpを34.6mA(40mA×cos30°)注入することにより、Ior値の合計値(実際の有効漏れ電流Ior(U)、それと、試験電流Iorpを1.15倍(1/cos30°倍)したものとを合わせて、以下、「仮想有効漏れ電流Ior」という)は、50mA、即ち、絶縁監視装置Iの警報動作電流となる(同図(c)参照)。
従って、その状態で絶縁監視装置Iは警報動作すべきであり、実際そうであれば、動作確認の試験結果はOK、警報動作しなければ、動作確認の試験結果はNG、ということになる。言い換えれば、注入する試験電流Iorpを徐々に増加し、絶縁監視装置Iが警報動作した際の表示部11におけるIor値を読み取り、その値が絶縁監視装置Iの警報動作電流に対して所定範囲内(例えば50mA±10%)に入っていれば、絶縁監視装置Iは合格、外れていれば、絶縁監視装置Iは不合格、ということになる。
〔絶縁監視装置の不動作確認試験(単相交流の電路の場合)〕
不動作確認とは、無効漏れ電流Iocに対する試験電流Iocpを電流出力線6に注入することにより、絶縁監視装置Iの変流器Iaが接地線Gを流れる漏れ電流Ioと電流出力線6を流れる試験電流Iocpとを合わせて検出するようにし、その上で、これら漏れ電流Ioと試験電流Iocpとを合わせたものが絶縁監視装置Iの警報不動作電流に到達するように試験電流Iocpを変化させ、その際、絶縁監視装置Iが警報動作しないことを確認する、という絶縁監視装置Iの試験である。有効漏れ電流Iorのみならず、無効漏れ電流Iocも確認することで、絶縁監視装置Iをより綿密に試験することを目的とする。
まず、単相交流の電路における絶縁監視装置Iの不動作確認を行う場合、本装置Cのセットアップにおいて、電気方式切替スイッチ12を「単相」に選択し、注入電流切替スイッチ13を「Ioc」に選択しておく。
次に、電流調節ボリューム17を右側へ少し回し、表示部11上のIoc値が増加することを確認する。Ioc値が増加する場合は、試験電流Iocpの極性は正常であるが、Ioc値が減少する場合は、試験電流Iocpの極性が反対であるため、極性切替スイッチ15が「正極」ならば、「逆極」に切り替え、一方、極性切替スイッチ15が「逆極」ならば、「正極」に切り替えた後、電流調節ボリューム17を再び右側へ少し回し、Ioc値が増加することを確認する。
かかる状態から、電流調節ボリューム17をさらに右側へ回し、これにより、図5に示す如く、電流出力線6には、電路の電圧位相に対して位相が90°異なる試験電流Iocpが通電され、接地線Gに対して見かけ上、試験電流Iocpが注入されることとなる。
例えば、絶縁監視装置Iの警報不動作電流を50mA、電路における既存の無効漏れ電流Iocが10mA流れているとすれば(図5(b)参照)、絶縁監視装置Iの警報不動作電流には電流40mAが足りないため、絶縁監視装置Iが警報不動作電流にて警報動作しないことを確認するためには、不足分の電流40mAを注入する必要がある。この場合、電流調節ボリューム17を回し、電路の電圧位相に対して位相が90°異なる試験電流Iocpを40mA注入することにより、Ioc値の合計値(実際の無効漏れ電流Iocと試験電流Iocpとを合わせて、以下、「仮想無効漏れ電流Ioc」という)は、50mA、即ち、絶縁監視装置Iの警報不動作電流となる(同図(c)参照)。
従って、その状態で絶縁監視装置Iは警報動作すべきでなく、実際そうであれば、不動作確認の試験結果はOK、警報動作すれば、不動作確認の試験結果はNG、ということになる。言い換えれば、注入する試験電流Iocpを徐々に増加し、表示部11におけるIoc値を読み取り、その値が絶縁監視装置Iの警報不動作電流(例えば50mA)を超えるまでに絶縁監視装置Iが警報動作すれば、絶縁監視装置Iは不合格、警報動作しなければ、絶縁監視装置Iは合格、ということになる。
〔絶縁監視装置の不動作確認試験(三相交流の電路の場合)〕
まず、三相交流の電路における絶縁監視装置Iの不動作確認を行う場合、本装置Cのセットアップにおいて、電気方式切替スイッチ12を「三相」に選択し、注入電流切替スイッチ13を「Ioc」に選択しておく。
次に、電流調節ボリューム17を右側へ少し回し、表示部11上のIoc値が増加することを確認する。Ioc値が増加する場合は、試験電流Iocpの極性は正常であるが、Ioc値が減少する場合は、試験電流Iocpの極性が反対であるため、極性切替スイッチ15が「正極」ならば、「逆極」に切り替え、一方、極性切替スイッチ15が「逆極」ならば、「正極」に切り替えた後、電流調節ボリューム17を再び右側へ少し回し、Ioc値が増加することを確認する。
かかる状態から、電流調節ボリューム17をさらに右側へ回し、これにより、図6に示す如く、電流出力線6には、電路の電圧位相と同相(又は逆相)の試験電流Iocpが通電され、接地線Gに対して見かけ上、試験電流Iocpが注入されることとなる。
例えば、絶縁監視装置Iの警報不動作電流を50mA、電路における既存の無効漏れ電流Iocが10mA流れているとすれば(図6(b)参照)、絶縁監視装置Iの警報不動作電流には電流40mAが足りないため、絶縁監視装置Iを警報不動作電流にて警報動作しないことを確認するためには、不足分の電流40mAを注入する必要がある。この場合、電流調節ボリューム17を回し、電路の電圧位相と同相(又は逆相)の試験電流Iocpを40mA注入することにより、Ioc値の合計値(実際の無効漏れ電流Iocと試験電流Iocpとを合わせて、以下、「仮想無効漏れ電流Ioc」という)は、50mA、即ち、絶縁監視装置Iの警報不動作電流となる(同図(c)参照)。
従って、その状態で絶縁監視装置Iは警報動作すべきでなく、実際そうであれば、不動作確認の試験結果はOK、警報動作すれば、不動作確認の試験結果はNG、ということになる。言い換えれば、注入する試験電流Iocpを徐々に増加し、表示部11におけるIoc値を読み取り、その値が絶縁監視装置Iの警報不動作電流(例えば50mA)を超えるまでに絶縁監視装置Iが警報動作すれば、絶縁監視装置Iは不合格、警報動作しなければ、絶縁監視装置Iは合格、ということになる。
〔絶縁監視装置が警報動作してからの動作確認試験〕
絶縁監視装置Iが警報動作した状態において、有効漏れ電流Iorを打ち消す(減少させる)ように試験電流Iorpを注入して(単相交流の電路である場合の図7(a)、三相交流の電路である場合の同図(c)参照)、仮想有効漏れ電流Iorが小さくなる(表示部11に表示されるIor値が小さくなる)ようにする。この操作によって警報動作が解除されると、絶縁監視装置Iの警報動作電流に到達していた有効漏れ電流Iorが引き下げられたとして、絶縁監視装置Iの警報動作は正しかった(即ち、絶縁監視装置Iが正しく警報動作した)ということを確認することができる。
また、絶縁監視装置Iが警報動作した状態において、無効漏れ電流Iocを打ち消す(減少させる)ように試験電流Iocpを注入して(単相交流の電路である場合の図7(b)、三相交流の電路である場合の同図(d)参照)、仮想無効漏れ電流Iocが小さくなる(表示部11に表示されるIoc値が小さくなる)ようにする。この操作によっても警報動作が解除されないと、有効漏れ電流Iorが絶縁監視装置Iの警報動作電流に到達した状態のままであるとして、絶縁監視装置Iの警報動作は正しい(即ち、絶縁監視装置Iが正しく警報動作している)ということを確認することができる。
〔自己診断〕
試験装置のセットアップにおいて、電流注入機能、電流検出機能が正しく機能しているか否かを、自身の変流器8を自身の電流出力線6に取り付けた上で電流出力線6に試験電流を注入することにより、自己診断することができる。即ち、試験電流Iorを電流出力線6に注入したときに、表示部11のIoc値が増加/減少する等、変化が見られず、あるいは、試験電流Iocを電流出力線6に注入したときに、表示部11のIor値が増加/減少する等、変化が見られないならば、試験装置は正常であるが、いずれかにおいて変化が見られると、試験装置に何らかの不具合があるということである。
以上、本実施形態に係る試験装置によれば、絶縁監視装置の試験を種々の観点から行うことができるようになる。しかも、本実施形態に係る試験装置は、絶縁監視装置と物理的・電気的に切り離すことで、試験対象である絶縁監視装置の影響を受けることがなく、それにより、絶縁監視装置の試験を適正に行うことができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、Ior方式の絶縁監視装置に対してIor方式の試験装置を適用する例について説明したが、Io方式の絶縁監視装置に対してIo方式の試験装置を適用する場合も本発明が意図する範囲である。この場合、漏れ電流Ioと同相(又は逆相)の試験電流Ioが電流出力線6に注入される。
また、上記実施形態においては、注入電流切替スイッチ13で試験電流の種類(Ior/Ioc)を選択することで、有効漏れ電流Iorに対する試験電流Iorpを生成するか、無効漏れ電流Iocに対する試験電流Iocpを生成するかを選択するようにしているが、出力部を2系統に分けて設け、一方の電流出力線には、試験電流Iorpを、他方の電流出力線には、試験電流Iocpを、それぞれ独立して注入するようにしてもよい。特に、Io方式の絶縁監視装置では、試験電流Iorpだけ、試験電流Iocpだけを注入するだけでなく、両方の成分を注入して確認することが有効な場合(例えば、漏れ電流Ioが非常に大きく、どちらか片方の電流だけでは打ち消すことができない場合など)がある。
また、上記実施形態においては、本発明に係る電流検出手段として、変流器を用いるようにしているが、例えば、電磁形変成器、容量形変成器、増幅形変成器といった変成器を用いるようにしてもよい。
1…筐体、2…正面パネル、3…電源スイッチ、4…ケーブル線、4a…クリップ、5…コネクタ、6…電流出力線、7…コネクタ、8…クランプ式変流器、8a…クランプ部、9…コネクタ、10…コネクタ、11…表示部、12…電気方式切替スイッチ、13…注入電流切替スイッチ、14…電流レンジ切替スイッチ、15…極性切替スイッチ、16…画面選択ボタン、17…電流調節ボリューム、C…試験装置、Ca…制御部、T…変圧器、G…接地線、I…絶縁監視装置、Ia…絶縁監視装置の変流器

Claims (5)

  1. 単相交流又は3相交流の電路の接地線に取り付けられた変流器を用いて該接地線を流れる漏れ電流を検出し、該漏れ電流の検出状況に基づいて電路の絶縁状態を監視する絶縁監視装置の試験装置であって、
    絶縁監視装置の前記変流器に挿通される電流出力線を含み、漏れ電流に含まれる無効漏れ電流を増加又は減少させる位相の試験電流を生成すると共に、該試験電流を前記電流出力線に注入する電流注入手段と、
    前記電流出力線が挿通されるようにして接地線に取り付けられる変流器を含み、該変流器を用いて接地線を流れる漏れ電流と前記電流出力線を流れる試験電流とを合わせて検出する電流検出手段と、
    を備えることを特徴とする絶縁監視装置の試験装置。
  2. 前記電流注入手段は、漏れ電流に含まれる有効漏れ電流を増加又は減少させる位相の試験電流を生成すると共に、該試験電流を電流出力線に注入する状態と、漏れ電流に含まれる無効漏れ電流を増加又は減少させる位相の試験電流を生成すると共に、該試験電流を電流出力線に注入する状態の何れに切替可能である請求項1に記載の絶縁監視装置の試験装置。
  3. 前記電流注入手段は、漏れ電流に含まれる有効漏れ電流を増加又は減少させる位相の試験電流を生成すると共に、該試験電流を第1の電流出力線に注入する第1の電流注入手段と、漏れ電流に含まれる無効漏れ電流を増加又は減少させる位相の試験電流を生成すると共に、該試験電流を第2の電流出力線に注入する第2の電流注入手段とからなる請求項1に記載の絶縁監視装置の試験装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載された絶縁監視装置の試験装置を用いた絶縁監視装置の試験方法であって、
    無効漏れ電流が増加するように試験電流を注入し、所定の電流値に到達させて、絶縁監視装置が警報動作しないことを確認することを特徴とする絶縁監視装置の試験方法。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載された絶縁監視装置の試験装置を用いた絶縁監視装置の試験方法であって、
    絶縁監視装置が警報動作している状態で、無効漏れ電流が減少するように試験電流を注入し、絶縁監視装置の警報動作が解除されないことを確認することを特徴とする絶縁監視装置の試験方法。
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