(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1によるカプセル内視鏡システム1を、図面を用いて詳細に説明する。本実施の形態1では、被検体内に経口にて導入され、被検体の胃や小腸や大腸などに蓄えた液体に浮かぶカプセル内視鏡100を被検体内導入装置として用いるカプセル内視鏡システム1を例に挙げる。また、カプセル内視鏡100としては、複数の撮像ユニットを備えた、いわゆる複眼のカプセル内視鏡を例に挙げる。ただし、これに限定されず、例えば被検体の食道から肛門にかけて管腔内を移動する途中で撮像動作を実行することで被検体内部の画像を取得する単眼または複眼のカプセル内視鏡など、種々の被検体内導入装置を用いることが可能である。
図1は、本実施の形態1によるカプセル内視鏡100の概略外観構成例を示す斜視図である。図2は、本実施の形態1によるカプセル内視鏡100の概略構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、カプセル内視鏡100は、両端が開口された中空の円筒部122と、円筒部122の開口された両端にそれぞれ設けられたドーム形のキャップ124Aおよび124Bと、から構成される筐体120を備える。筐体120内部は、円筒部122の2つの開口にキャップ124Aおよび124Bがそれぞれはめ込まれることで、水密に封止される。また、筐体120内のキャップ124Aおよび124B側には、被検体内部を照明および撮像する撮像部105Aおよび105Bがそれぞれ設けられている。
また、図2に示すように、カプセル内視鏡100は、筐体120内部に、カプセル制御部102ならびに撮像部105Aおよび105Bと、撮像ユニット104と、無線通信部106と、バッテリ108と、永久磁石110と、を備える。
撮像部105Aは、入射した光の光量に応じた電荷を蓄積する光電変換素子であるCCDアレイ(CCD array)105aと、被検体内部を照明する1つ以上のLED(LED)105bと、を含む。また、撮像部105Aは、搭載面がキャップ124A側を介して筐体120外部を向くように筐体120内のキャップ124A側に配設された基板104Aの搭載面に実装される。具体的には、撮像部105AのCCDアレイ105aは、受光面がキャップ124Aを介して筐体120外部を向くように、基板104Aの搭載面に実装される。同様に、撮像部105Aの各LED105bは、光の放射方向がキャップ124Aを介して筐体120外部を向くように、基板104Aの搭載面に実装される。このような配置により、撮像部105Aの画角VA1は、キャップ124Aを介した方向となる(図2参照)。
一方、撮像部105Bは、撮像部105Aと同様に、CCDアレイ105aと1つ以上のLED105bとを含む。撮像部105Bは、搭載面がキャップ124Aと反対側に設けられたキャップ124Bを介して筐体120外部を向くように筐体120内に配設された基板104Bの搭載面に実装される。具体的には、撮像部105BのCCDアレイ105aは、受光面がキャップ124Bを介して筐体120外部を向くように、基板104Bの搭載面に実装される。同様に、撮像部105Bの各LED105bは、光の放射方向がキャップ124Bを介して筐体120外部を向くように、基板104Bの搭載面に実装される。このような配置により、撮像部105Bの画角VA2は、撮像部105Aの画角VA1と反対方向であるキャップ124Bを介した方向となる(図2参照)。
なお、CCDアレイ105aに代えて、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)センサアレイなど、種々の光電変換素子を用いることができる。また、LED105bに代えて種々の発光素子を用いることができる。
撮像ユニット104は、撮像部105Aまたは105Bで生成された画像信号を定期的に交互または同時に読み出し、これにA/D変換等の処理を実行することで画像データを生成する。また、撮像ユニット104は、生成した画像データを直接無線通信部106へ入力するか、カプセル制御部102を介して無線通信部106に入力する。なお、撮像ユニット104は、画像信号を読み出した撮像部105A/105Bを識別するための情報と、画像信号を読み出したもしくは画像信号から画像データを生成した時刻の情報を、生成した画像データに付加する。
無線通信部106は、不図示のアンテナを含み、撮像ユニット104から入力された画像データを無線信号に変換して、カプセル内視鏡100外の後述する受信装置300に送信する。なお、無線通信部106は、受信装置300から送信された無線信号を受信してこれをカプセル制御部102に入力してもよい。
カプセル制御部102は、各種動作を実行するためのプログラムおよびパラメータを記憶したメモリを含み、このメモリから適宜プログラムおよびパラメータを読み出して各種動作を実行してカプセル内視鏡100内の各ユニットを制御することで、定期的に画像データを取得してこれを受信装置300へ送信する。また、無線通信部106を介して受信装置300から制御命令等を入力するように構成した場合には、入力された制御命令等に基づいてカプセル内視鏡100内の各ユニットを制御する。
バッテリ108は、カプセル内視鏡100内の各ユニットに電力を供給する。このバッテリ108は、例えばボタン電池などの1次電池または2次電池で構成することができる。
永久磁石110は、筐体120の例えば円筒部122内部に固定される。ここで、カプセル内視鏡100を被検体内に導入した液体910に浮遊させる場合の様子を、図3を用いて説明する。図3は、カプセル内視鏡100を被検体内に導入した液体910に浮遊させた場合の様子を説明するための概念図である。ただし、図3に示す例では、カプセル内視鏡100の姿勢(長軸方向Laの向き)を制御するための磁界がこれの永久磁石110に作用していない場合を例示している。
本実施の形態1において例示するカプセル内視鏡100は、液体910に対する比重が1より小さい。このため図3に示すように、カプセル内視鏡100は、液体910に対して浮遊する。この際、カプセル内視鏡100の重心Gをカプセル内視鏡100の幾何学的中心Cgからカプセル内視鏡100の長軸La(図1参照)に沿ってずらしておく。これにより、液体910に浮遊するカプセル内視鏡100の長軸Laが、鉛直方向(すなわち重力方向Dg)と平行になる。言い換えれば、カプセル内視鏡100を立った状態で液体910に浮遊させることができる。なお、カプセル内視鏡100の長軸Laとは、カプセル内視鏡100の長手方向の中心軸である。2つの撮像部105Aおよび105Bは、例えばそれぞれのCCDアレイ105aの光学的中心軸が長軸Laと重なり且つそれぞれの撮像方向が互いに反対側を向くように配置される。
永久磁石110は、その磁化方向DmnおよびDmsがカプセル内視鏡100の長軸Laに対して傾き(例えば垂直)を持つように、筐体120内部に固定される。なお、磁化方向Dmnは永久磁石110におけるN極の磁化方向であり、磁化方向Dmsは永久磁石110におけるS極の磁化方向である。磁化方向DmnおよびDmsが長軸Laに対して傾きを持つように永久磁石110を筐体120内に固定することで、カプセル内視鏡100の長軸Laを中心とした回転方向Dr(または長軸Laと垂直な径方向)の姿勢を、例えば外部から与える磁場により制御することが可能となる。
また、重力方向Dgに対するカプセル内視鏡100の長軸Laの傾きは、カプセル内視鏡100の永久磁石110に外部から磁界を作用させることで制御することができる。すなわち、磁力線の方向が水平面に対して角度を有する磁界を永久磁石110に作用させることで、永久磁石110の磁化方向DmnおよびDmsがこの磁力線と略平行となるようにカプセル内視鏡100を重力方向Dgに対して傾かせることが可能である。
つぎに、上記したカプセル内視鏡100を用いたカプセル内視鏡システム1について、図面を用いて詳細に説明する。図4は、本実施の形態1によるカプセル内視鏡システム1の構成を示すブロック図である。図5は、カプセル内視鏡システム1における位置制御装置200の概略構成例を示す斜視図である。
図4に示すように、カプセル内視鏡システム1は、カプセル内視鏡100から無線信号として送信された画像データ等を受信する受信装置300と、カプセル内視鏡100の永久磁石110に作用させる磁界(拘束磁界Btrapおよび勾配磁界Bgrad)を検出空間K内に形成すると共にカプセル内視鏡100が導入される被検体900と拘束磁界Btrapの中心軸との相対位置を制御する位置制御装置200と、を備える。なお、本説明では、地表面に対して鉛直な方向をZ軸とし、後述する拘束磁界発生コイル222の中心を通るZ軸を中心Z軸Azという。また、説明の都合上、後述するベッド206の長手方向をX軸とし、ベッド206の短手方向をY軸とする。したがって、本説明において、X−Y平面は水平面となる。さらに、便宜上、位置制御装置200は、被検体900が載置されるベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの相対位置を制御するものとして説明する。
受信装置300は、カプセル内視鏡100から送信された無線信号を受信する受信アンテナ302と、カプセル内視鏡100から無線信号として受信した画像データを入力して所定の処理を実行するカプセル画像受信装置310と、カプセル画像受信装置310で所定の処理がなされた画像データを再生するカプセル画像表示装置320と、を備える。カプセル内視鏡100で取得され、無線信号として送信された被検体900内の画像データは、受信アンテナ302を介してカプセル画像受信装置310に入力され、所定の処理が実行された後、カプセル画像表示装置320に表示される。
位置制御装置200は、拘束磁界Btrapと勾配磁界Bgradとを形成する磁界発生部210と、ベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの相対位置を制御する相対位置制御部240と、磁界発生部210および相対位置制御部240を制御する制御部250と、ユーザが制御部250に対して各種制御命令を入力する操作部260と、を備える。
相対位置制御部240は、検査対象の被検体900が載置されるベッド206および/または拘束磁界発生コイル222に連結されており、ベッド206および/または拘束磁界発生コイル222を水平方向に移動させることで、ベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの相対位置を変化させる。なお、このベッド206上の空間が被検体900が導入される検出空間Kであり、ベッド206およびこれを駆動する不図示の駆動機構および/または後述する拘束磁界発生コイル222を駆動する不図示の駆動機構を含む相対位置制御部240が中心Z軸(所定軸)Azと被検体900との相対位置を変化させる相対位置制御機構として機能する。また、検出空間Kは、ベッド206の移動に対して移動しないものとする。ただし、これに限定されず、ベッド206の移動と共に移動してもよい。
磁界発生部210は、拘束磁界Btrapを発生させる拘束磁界発生部220と、勾配磁界Bgradを発生させる勾配磁界発生部230と、を含む。拘束磁界発生部220は、検出空間K近傍に配設された拘束磁界発生コイル222に電気的に接続される。拘束磁界発生コイル222は、その中心Z軸Azがベッド206の被検体載置面に対して垂直となるように配設される。一方、勾配磁界発生部230には、検出空間K近傍に配設された勾配磁界発生コイル232に電気的に接続される。
なお、拘束磁界発生部220およびこれに接続された拘束磁界発生コイル222と勾配磁界発生部230およびこれに接続された勾配磁界発生コイル232とを含む磁界発生部210が、中心Z軸Azに永久磁石110を引き付ける拘束磁界成分(拘束磁界Btrap)と、相対位置を変化させる方向と同じまたは反対の方向に永久磁石110を付勢する勾配磁界成分(勾配磁界Bgrad)と、の少なくとも一方を含む磁界を被検体900が配置された検出空間Kに形成する磁界発生機構として機能する。
拘束磁界発生部220は、例えば制御部250からの制御に従って、特定の振幅を持った電流信号(以下、拘束信号という)を生成し、この拘束信号を拘束磁界発生コイル222に入力する。これにより、検出空間K内に永久磁石110を備えたカプセル内視鏡100を目的の位置(拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Az上の位置)に停めておくための拘束磁界Btrapが形成される。なお、拘束磁界発生部220は、中心Z軸Azに磁界強度のピークを持つ拘束磁界Btrapを拘束磁界発生コイル222に形成させることが可能な信号波形の拘束信号を生成する。
勾配磁界発生部230は、例えば制御部250からの制御に従って、特定の振幅を持った電流信号(以下、勾配信号という)を生成し、この勾配信号を勾配磁界発生コイル232に入力する。これにより、検出空間K内に永久磁石110を備えたカプセル内視鏡100を目的の方向(例えばベッド206の加速方向または加速方向と反対の方向)へ付勢するための勾配磁界Bgradが形成される。なお、後述するように、本実施の形態1による勾配磁界発生コイル232は、水平成分(X軸成分またはY軸成分)を持つ磁界を検出空間K内に形成可能な1組以上のコイル(X軸勾配コイル232x−1/232y−1および232x−2/232y−2:図18参照)を含む。そこで勾配磁界発生部230は、対をなすコイルのそれぞれに入力する勾配信号の振幅を調整すること、すなわち各コイルに入力する信号強度のバランスを調整することで、磁界強度の分布が検出空間K内(特に中心Z軸Az近傍)で傾いている勾配磁界Bgradを勾配磁界発生コイル232に形成させる。
ここで図5に示すように、位置制御装置200は、ベッド206の少なくとも一部を収納する筐体202を含む。筐体202には、ベッド206上への被検体900の搬入出口およびベッド206の移動自由度などを確保するための窓204Aおよび204Bが形成されている。筐体202内部におけるベッド206上の領域は、被検体900が載置される検出空間Kとして設定される。なお、ベッド206は、窓204Aおよび204Bの一方または両方から筐体202外へその一部が突出していてもよい。
また、相対位置制御部240および磁界発生部210は、例えば筐体202内であってベッド206の下側に配設される。一方、制御部250および操作部260は、例えば筐体202外に配置されたパーソナルコンピュータ270などを用いて実現される。パーソナルコンピュータ270と相対位置制御部240および磁界発生部210とは、通信ケーブルなどを介して通信可能に接続される。ただし、これに限定されず、相対位置制御部240と磁界発生部210と制御部250と操作部260とを筐体202に配設するなど、種々変形できることは言うまでもない。
つぎに、ベッド206(特にベッド206上の被検体900)と拘束磁界発生コイル222(特に中心Z軸Az)との位置関係を、図6Aを用いて詳細に説明する。図6Aは、相対位置制御部240がベッド206を水平面(X−Y平面)中で移動させるように構成した場合のベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの位置関係を説明するための斜視図である。この際、拘束磁界発生コイル222は、筐体202に対して固定されているとする。また、図6Bは、図6Aに示すベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの位置関係を説明するための上視図である。ただし、図6Bでは、簡略化のために、相対位置制御部240を省略し、また、明確化のために、ベッド206を固定し、このベッド206に対して拘束磁界発生コイル222の位置を水平方向に変化させた場合を示す。
図6Aに示すように、本例では、拘束磁界発生コイル222は、ベッド206の下方に固定された状態で設置される。一方、ベッド206は、相対位置制御部240による制御の下、X方向または−X方向、および/または、Y方向または−Y方向へ水平移動可能である。したがって、図6Bに示すように、ベッド206に対する拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azは、点Az1〜Az4で囲まれた領域Raz内を移動可能である。なお、点Az1は、基準位置にある拘束磁界発生コイル222を矢印m1方向へ移動させた場合の中心Z軸Azの位置であり、点Az2は、基準位置にある拘束磁界発生コイル222を矢印m2方向へ移動させた場合の中心Z軸Azの位置であり、点Az3は、基準位置にある拘束磁界発生コイル222を矢印m3方向へ移動させた場合の中心Z軸Azの位置であり、点Az4は、基準位置にある拘束磁界発生コイル222を矢印m4方向へ移動させた場合の中心Z軸Azの位置である。
また、相対位置制御部240が拘束磁界発生コイル222を水平面(X−Y平面)中で移動させることで、ベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの相対位置を制御するように構成してもよい。なお、図7Aは、相対位置制御部240が拘束磁界発生コイル222を水平面(X−Y平面)中で移動させるように構成した場合のベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの位置関係を説明するための斜視図である。
さらに、相対位置制御部240が、ベッド206をX/−X方向(またはY/−Y方向)に移動させ、拘束磁界発生コイル222をY/−Y方向(またはX/−X方向)へ移動させることで、ベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの相対位置を制御するように構成してもよい。なお、図7Bは、相対位置制御部240が、ベッド206をX/−X方向に移動させ、拘束磁界発生コイル222をY/−Y方向へ移動させるように構成した場合のベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの位置関係を説明するための斜視図である。
つぎに、本実施の形態1による拘束磁界発生コイル222の一例について詳細に説明する。本実施の形態1に係る拘束磁界発生コイル222は、中心Z軸Azに対して対称に配置される複数のコイルを備える。具体的には、中心Z軸Az方向の磁界を発生する1つまたは対のZ軸拘束コイルと、中心Z軸Azに垂直な軸(X軸Ax)方向の磁界を発生する1つまたは対のX軸拘束コイルと、中心Z軸AzおよびX軸Axに垂直な軸(Y軸Ay)方向の磁界を発生する1つまたは対のY軸拘束コイルと、を備える。これらZ軸拘束コイル、X軸拘束コイルおよびY軸拘束コイルは、任意のX−Y平面内における中心Z軸Azとの交点付近に磁界強度のピークを持つ拘束磁界Btrapを形成する。
ここで、拘束磁界発生コイル222の具体例を、図面を用いて詳細に説明する。図8は、拘束磁界発生コイル222の一例を示す斜視図である。図9Aは、拘束磁界発生コイル222におけるX軸拘束コイル222xの一例を示す斜視図であり、図9Bは、X軸拘束コイル222xが形成する拘束磁界X軸成分CXtrapを示す概念図である。図10Aは、拘束磁界発生コイル222におけるY軸拘束コイル222yの一例を示す斜視図であり、図10Bは、Y軸拘束コイル222yが形成する拘束磁界Y軸成分CYtrapを示す概念図である。図11Aは、拘束磁界発生コイル222におけるZ軸拘束コイル222zの一例を示す斜視図であり、図11Bは、Z軸拘束コイル222zが形成する拘束磁界Z軸成分CZtrapを示す概念図である。
図8に示すように、拘束磁界発生コイル222は、中心軸がX軸方向を向くX軸拘束コイル222xと、中心軸がY軸方向を向くY軸拘束コイル222yと、中心軸がZ軸(中心Z軸Az)方向を向くZ軸拘束コイル222zと、を含む。また、各コイルは、中心点が一致するように組み合わされる。X軸拘束コイル222xとY軸拘束コイル222yとZ軸拘束コイル222zとの中心は、例えば鉄心223が設けられる。
ここで、図9Aに示すように、X軸拘束コイル222xのコイル巻数は1つ以上であり、その中心に鉄心223が配置されている。したがって、図9Bに示すように、X軸拘束コイル222xが発生する拘束磁界X軸成分CXtrapの磁力線は、X軸拘束コイル222xの中心X軸Axを含む平面内で略8字状となる。
また、図10Aに示すように、Y軸拘束コイル222yのコイル巻数は1つ以上であり、その中心に鉄心223が配置されている。したがって、図10Bに示すように、Y軸拘束コイル222yが発生する拘束磁界Y軸成分CYtrapの磁力線は、Y軸拘束コイル222yの中心Y軸Ayを含む平面内で略8字状となる。
さらに、図11Aに示すように、Z軸拘束コイル222zのコイル巻数は1つ以上であり、その中心に鉄心223が配置されている。したがって、図11Bに示すように、Z軸拘束コイル222zが発生する拘束磁界Z軸成分CZtrapの磁力線は、Z軸拘束コイル222zの中心Z軸(中心Z軸Azと一致)を含む平面内で略8字状となる。
なお、図8に示すように、X軸拘束コイル222xとY軸拘束コイル222yとは、各巻きが交互になるように組み合わされる。また、Z軸拘束コイル222zは、X軸拘束コイル222xとY軸拘束コイル222yとの組物をX−Y平面における周囲から囲むように配置される。ただし、これに限定されず、中心Z軸Az上に磁界強度のピークを持つ拘束磁界Btrapを検出空間K内に形成することが可能であれば、種々変形することができる。
例えば、拘束磁界Btrapの発生源には、図12に示すような拘束磁界発生コイル222Aを用いることも可能である。図12は、本実施の形態1の変形例1−1による拘束磁界発生コイル222Aの一例を示す斜視図である。図13は、拘束磁界発生コイル222AにおけるZ軸拘束コイル222Azが形成する拘束磁界Z軸成分CZtrapを示す概念図である。図14は、拘束磁界発生コイル222AにおけるX/Y軸拘束コイル222Ax−1/222Ay−1および222Ax−2/222Ay−2が形成する拘束磁界X/Y軸成分CXtrap/CYtrapを示す概念図である。
図12に示すように、拘束磁界発生コイル222Aは、支持板224A上に、Z軸拘束コイル222Azと、1対のX軸拘束コイル222Ax−1および222Ax−2と、1対のY軸拘束コイル222Ay−1および222Ay−2と、が搭載された構成を備える。拘束磁界発生コイル222Aは、拘束磁界発生コイル222と同様に、筐体202内であってベッド206の下方に配設される。
Z軸拘束コイル222Azは、支持板224A上の略中央に配置される。Z軸拘束コイル222Azの中心には、鉄心223Azが設けられる。したがって、図13に示すように、Z軸拘束コイル222Azが発生する拘束磁界Z軸成分CZtrapの磁力線は、Z軸拘束コイル222Azの中心Z軸(中心Z軸Azと一致)を含む平面内で略8字状となる。
一方、X/Y軸拘束コイル222Ax−1/222Ay−1および222Ax−2/222Ay−2は、支持板224A上におけるZ軸拘束コイル222Azを挟む位置に配置される。X/Y軸拘束コイル222Ax−1/222Ay−1および222Ax−2/222Ay−2の中心には、それぞれ鉄心223Ax−1/223Ay−1および223Ax−2/223Ay−2が設けられる。したがって、図14に示すように、X/Y軸拘束コイル222Ax−1/222Ay−1および222Ax−2/222Ay−2が発生する拘束磁界X/Y軸成分CXtrap/CYtrapの磁力線は、一方のX/Y軸拘束コイル222Ax−1/222Ay−1から他方のX/Y軸拘束コイル222Ax−2/222Ay−2へ山成に延びる。
また、拘束磁界発生コイル222Aは、図15に示すようにも変形することができる。図15は、本実施の形態1の変形例1−2による拘束磁界発生コイル222Bの一例を示す斜視図である。
図15に示すように、拘束磁界発生コイル222Bは、ベッド206の載置面と略平行な面にそれぞれ配置されたX軸拘束コイル222Bx−1および222Bx−2、Y軸拘束コイル222By−1および222By−2、ならびに、Z軸拘束コイル222Bzを備える。1対のX軸拘束コイル222Bx−1および222Bx−2は、X軸に沿って配列するように、ベッド206下方に配設される。同様に、Y軸拘束コイル222By−1および222By−2は、Y軸に沿って配列するように、ベッド206の下方に配設される。一方、Z軸拘束コイル222Bzは、ベッド206下方に配設される。なお、X軸拘束コイル222Bx−1/222Bx−2とY軸拘束コイル222By−1/222By−2とZ軸拘束コイル222Bzとは、重畳していてもよい。また、X軸拘束コイル222Bx−1および222Bx−2、Y軸拘束コイル222By−1および222By−2、ならびに、Z軸拘束コイル222Bzが形成する磁界の磁力線は、上記変形例1−1による拘束磁界発生コイル222Aと同様である。
つぎに、拘束磁界発生コイル222が発生する拘束磁界Btrapについて、図面を用いて詳細に説明する。図16は、本実施の形態1による拘束磁界Btrapの強度分布とこの拘束磁界Btrapによってカプセル内視鏡100に作用する拘束力Ft1およびFt2との関係を示す図である。なお、図16(a)は液体910に浮遊するカプセル内視鏡100に作用する拘束力Ft1およびFt2を説明するための図であり、図16(b)は拘束磁界発生コイル222が検出空間K内に形成する拘束磁界Btrapの強度分布の一例を示す図である。
拘束磁界発生コイル222は、図16(b)に示すように、中心Z軸Azに磁界強度のピークを持つ拘束磁界Btrapを検出空間K内に形成する。このため、カプセル内視鏡100には、図16(a)に示すように、カプセル内視鏡100内の永久磁石110を中心Z軸Az付近に引き込もうとする拘束力Ft1/Ft2が働く。例えばカプセル内視鏡100の液体910の液面付近での位置が中心Z軸Azから−X方向/−Y方向に外れた場合、カプセル内視鏡100には、これを中心Z軸Azに近づけようとする拘束力Ft1が働く。また、例えばカプセル内視鏡100の液体910の液面付近での位置が中心Z軸AzからX方向/Y方向に外れた場合、カプセル内視鏡100には、これを中心Z軸Azに近づけようとする拘束力Ft2が働く。この結果、カプセル内視鏡100を中心Z軸Az付近に停めることが可能となる。ここで、本実施の形態1では、カプセル内視鏡100の液体910に対する比重が1より小さいため、カプセル内視鏡100の中心Z軸Az上での位置は、液体910の液面付近となる。一方、液体910の液面は、X−Y平面に相当する。なお、図16(b)の横軸は、X軸上またはY軸上の位置である。
また、永久磁石110は、カプセル内視鏡100の筐体120に固定されている。このため、図17に示すように、永久磁石110が拘束磁界Btrapと作用することで永久磁石110の磁極の向きDmpが拘束磁界Btrapの磁力線Ltrapの向きと平行となる。この結果、カプセル内視鏡100の長軸Laの向きが磁力線Ltrapの向きと垂直となる。一方で、上述したように、カプセル内視鏡100の液体910に対する比重は1より小さい。したがって、カプセル内視鏡100の長軸Laの向きのZ軸成分は、常に正(鉛直方向)となる。本実施の形態1では、この2つのパラメータ(拘束磁界Btrapの磁力線の向き、および、カプセル内視鏡100の液体910に対する比重(<1))を用いて、液体910中でのカプセル内視鏡100の姿勢を一意に制御する。なお、図17は、拘束磁界Btrapにより制御されるカプセル内視鏡100の向きを説明するための図である。
例えば液体910の水面における中心Z軸Az付近の磁力線Ltrapの向きがX−Y平面に対してθの仰角を持つ場合、カプセル内視鏡100の長軸Laの向きは、中心Z軸Azに対してθの傾きを持ち、且つ、長軸LaのZ軸成分が上向き(+Z軸方向)となる。ただし、本実施の形態1において、拘束磁界Btrapの磁界強度は、磁力線Ltrapの向きと永久磁石110の磁極の向きとを略一致させることが可能な強度であるとする。なお、略一致とは、誤差を無視できる程度に一致していることを意味する。
つぎに、本実施の形態1による勾配磁界発生コイル232の一例について、図面を用いて詳細に説明する。図18は、勾配磁界発生コイル232の一例を示す斜視図である。図19Aは、勾配磁界発生コイル232におけるX/Y軸勾配コイル232x−1/232y−1および232x−2/232y−2がそれぞれ形成する非対称磁界Basx1/Basy1およびBasx2/Basy2の一例を示す概念図である。図19Bは、図19Aに示すX/Y軸勾配コイル232x−1/232y−1および232x−2/232y−2が形成する勾配磁界Bgradの強度分布の一例を示す図である。
図18に示すように、勾配磁界発生コイル232は、ベッド206上の検出空間KをX軸方向および−X軸方向から挟むように配置された1対のX軸勾配コイル232x−1および232x−2と、同じく検出空間KをY軸および−Y軸方向から挟むように配置された1対のY軸勾配コイル232y−1および232y−2と、を備える。なお、勾配磁界発生コイル232は、相対位置制御部240によってその位置が制御されるように構成されても制御されないように構成されてもよい。以下では、勾配磁界発生コイル232が検出空間Kに対して固定されている場合、すなわち、相対位置制御部240によって位置が制御されない場合について説明する。
X/Y軸勾配コイル232x−1/232y−1および232x−2および232y−2は、それぞれ非対称磁界Basx1/Basy1およびBasx2/Basy2を発生する。非対称磁界Basx1/Basy1およびBasx2/Basy2は、その磁界強度が異なる。すなわち、図4に示す勾配磁界発生部230は、X/Y軸勾配コイル232x−1/232y−1および232x−2および232y−2それぞれが発生する非対称磁界Basx1/Basy1およびBasx2/Basy2の磁界強度を制御することができる。
そこで本実施の形態1では、図19Aに示すように、対向するX/Y軸勾配コイルコイル232x−1/232y−1および232x−2および232y−2が発生する非対称磁界Basx1/Basy1およびBasx2/Basy2の磁界強度のバランスを調整することで、図19Bに示すように、カプセル内視鏡100(特に永久磁石110)を目的の方向へ付勢するための勾配磁界Bgradを検出空間Kに形成する。なお、図19Aおよび図19Bに示す例では、カプセル内視鏡100をX/Y軸方向へ付勢する勾配磁界Bgradが形成される。
また、勾配磁界Bgradの発生源には、図18に示す勾配磁界発生コイル232に限らず、例えば図20に示すような勾配磁界発生コイル232Aを用いることも可能である。図20は、本実施の形態1の変形例1−3による勾配磁界発生コイル232Aの一例を示す斜視図である。図21Aは、勾配磁界発生コイル232AにおけるX/Y軸勾配コイル232Ax−1/232Ay−1および232Ax−2/232Ay−2がそれぞれ形成する非対称磁界Basx1a/Basy1aおよびBasx2a/Basy2aの一例を示す概念図である。図21Bは、図21Aに示すX/Y軸勾配コイル232Ax−1/232Ay−1および232Ax−2/232Ay−2が形成する勾配磁界Bgradの強度分布の一例を示す図である。
図20に示すように、勾配磁界発生コイル232Aは、ベッド206の載置面と略平行な面にそれぞれ配置されたX軸勾配コイル232Ax−1および232Ax−2、ならびに、Y軸勾配コイル232Ay−1および232Ay−2を備える。1対のX軸勾配コイル232Ax−1および232Ax−2は、X軸に沿って配列するように、ベッド206の下方に配設される。同様に、Y軸勾配コイル232Ay−1および232Ay−2は、Y軸に沿って配列するように、ベッド206の下方に配設される。なお、X軸勾配コイル232Ax−1/232Ax−2とY軸勾配コイル232Ay−1/232Ay−2とは、重畳していてもよい。
X/Y軸勾配コイル232Ax−1/232Ay−1および232Ax−2/232Ay−2は、X/Y勾配コイル232x−1/232y−1および232x−2/232y−2と同様に、磁界強度が異なる非対称磁界Basx1a/Basy1aおよびBasx2a/Basy2aをそれぞれ発生する。
したがって、図21Aに示すように、対向するX/Y軸勾配コイル232Ax−1/232Ay−1および232Ax−2および232Ay−2が発生する非対称磁界Basx1a/Basy1aおよびBasx2a/Basy2aの磁界強度のバランスを調整することで、図21Bに示すように、カプセル内視鏡100(特に永久磁石110)を目的の方向へ付勢するための勾配磁界Bgradを検出空間Kに形成することができる。
つぎに、本実施の形態1によるカプセル内視鏡システム1の動作について、図面を用いて詳細に説明する。以下の説明では、カプセル内視鏡システム1における位置制御装置200がベッド206(すなわち被検体900)と拘束磁界発生コイル222(すなわち中心Z軸Az)との相対位置を変更する際の動作に着目して説明する。図22は、位置制御装置200がベッド206と拘束磁界発生コイル222との相対位置を変更する際の概略全体動作例を示すフローチャートである。図23は、図22における相対位置制御処理(ステップS103)の具体例を示すフローチャートである。
まず、図22に示すように、位置制御装置200は、起動後、まず、拘束磁界発生部220を駆動することで、検出空間K内に拘束磁界Btrapを形成する(ステップS101)。具体的には、磁界発生部210の拘束磁界発生部220に所定波形の信号を生成させ、これを拘束磁界発生コイル222に入力する。これにより、検出空間K内に、被検体900内のカプセル内視鏡100を中心Z軸Az上に停めようとする拘束磁界Btrapが形成され、カプセル内視鏡100に中心Z軸Azへ付勢する力(拘束力Ft1およびFt2)が作用する(図16参照)。なお、この段階で、ベッド206上、すなわち検出空間K内には、例えば胃内に液体910およびカプセル内視鏡100が導入された被検体900が載置されている。また、以降、拘束磁界Btrapの形成を終了する指示が入力されるまで(例えば本動作を終了するまで)、検出空間K内には拘束磁界Btrapが形成される。
次に、位置制御装置200は、例えばユーザによって操作部260から被検体900と中心Z軸Azとの相対位置を変更する相対位置変更指示が入力されたか否かを判定し(ステップS102)、相対位置変更指示が入力されるまで本動作を待機する(ステップS102のNo)。なお、操作部260に入力された相対位置変更指示は、制御部250を介して相対位置制御部240および磁界発生部210に入力される。
相対位置変更指示が入力されると(ステップS102のYes)、位置制御装置200は、ベッド206と拘束磁界発生コイル222との相対位置を変更する相対位置制御処理を実行する(ステップS103)。なお、相対位置制御処理の具体例については、以下に図23を用いて詳細に説明する。
相対位置制御処理によってベッド206と拘束磁界発生コイル222との相対位置を変更すると、その後位置制御装置200は、例えば操作部260から終了指示が入力されたか否かを判定し(ステップS104)、終了指示が入力された場合(ステップS104のYes)、本動作を終了する。一方、終了指示が入力されていない場合(ステップS104のNo)、位置制御装置200は、ステップS102へ帰還し、その後の動作を実行する。
次に、図22のステップS103における相対位置制御処理の具体例について、図23を用いて詳細に説明する。なお、本説明では、相対位置制御部240がベッド206のみを移動させてベッド206(すなわち被検体900)と拘束磁界発生コイル222(すなわち中心Z軸Az)との相対位置を変更する場合を例に挙げて説明する。
図23に示すように、相対位置制御処理では、位置制御装置200は、まず、制御部250において、例えば操作部260から入力された目標となる相対位置(目標相対位置)を特定し(ステップS131)、続いて、同じく制御部250において、目標相対位置へベッド206を移動させる際の移動量を算出する(ステップS132)。なお、本例では、制御部250において水平面(X−Y平面)中のベッド206の移動量(ベクトル量)が算出される。
次に、位置制御装置200は、制御部250において、ステップS132において算出した移動量(ベクトル量)分、ベッド206を移動させるためにベッド206に連結された不図示の駆動機構へ入力する駆動信号の波形(以下、駆動信号波形という)を算出する(ステップS133)。なお、算出された駆動信号波形は、制御部250より相対位置制御部240へ入力される。
次に、位置制御装置200は、制御部250において、ステップS133において算出した駆動信号波形によるベッド206の移動に応じて磁界強度が変化する勾配磁界Bgradを勾配磁界発生コイル232に発生させる信号(以下、勾配信号という)の波形(以下、勾配信号波形という)を算出する(ステップS134)。なお、勾配信号波形の具体例については、後述する動作パターン1〜6の説明において触れる。
次に、位置制御装置200は、制御部250において生成した駆動信号波形を相対位置制御部240に入力すると共に、制御部250において生成した勾配信号波形を磁界発生部210に入力することで、ベッド206と拘束磁界発生コイル222との相対位置が目標相対位置となるようにベッド206を移動すると共に、この際にカプセル内視鏡100が中心Z軸Azから外れようとするのを抑制するための力をカプセル内視鏡100に発生させる勾配磁界Bgradを検出空間K内に形成する(ステップS135)。その後、位置制御装置200は、図22に示す動作へリターンする。この結果、ベッド206と拘束磁界発生コイル222との相対位置を変化させた際にカプセル内視鏡100が中心Z軸Az付近から離れてしまうことを防止できる。
つぎに、相対位置制御部240と磁界発生部210との動作パターンについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、相対位置制御部240がベッド206を水平移動する場合であって、ベッド206の移動中(動作パターン1)、ベッド206の移動開始時(動作パターン2)、または、ベッド206の加速期間中および減速期間中(動作パターン3)に、勾配磁界Bgradを発生させる場合と、相対位置制御部240が拘束磁界発生コイル222を水平移動する場合であって、拘束磁界発生コイル222の移動中(動作パターン4)、拘束磁界発生コイル222の移動開始時(動作パターン5)、または、拘束磁界発生コイル222の加速期間中および減速期間中(動作パターン6)に、勾配磁界Bgradを発生させる場合と、をそれぞれ例に挙げて説明する。
図24Aは本実施の形態1による動作パターン1を説明するためのタイミングチャートであり、図24Bは本実施の形態1による動作パターン2を説明するためのタイミングチャートであり、図24Cは本実施の形態1による動作パターン3を説明するためのタイミングチャートである。図25は、図24Cに示す動作パターン3においてベッド206の加速期間中にカプセル内視鏡100に生じる力と検出空間K内に形成する勾配磁界Bgradとの例を示す概念図である。図26は、図24Cに示す動作パターン3においてベッド206の減速期間中にカプセル内視鏡100に生じる力と検出空間K内に形成する勾配磁界Bgradとの例を示す概念図である。また、図27Aは本実施の形態1による動作パターン4を説明するためのタイミングチャートであり、図27Bは本実施の形態1による動作パターン5を説明するためのタイミングチャートであり、図27Cは本実施の形態1による動作パターン6を説明するためのタイミングチャートである。図28は、図27Cに示す動作パターン6においてベッド206の加速期間中にカプセル内視鏡100に生じる力と検出空間K内に形成する勾配磁界Bgradとの例を示す概念図である。図29は、図27Cに示す動作パターン6においてベッド206の減速期間中にカプセル内視鏡100に生じる力と検出空間K内に形成する勾配磁界Bgradとの例を示す概念図である。
なお、拘束信号波形および拘束磁界強度は、動作パターン1〜6で同じであるため、図24Bおよび図24Cならびに図27A〜図27Cでは拘束信号波形および拘束磁界強度を省略する。また、図24A〜図24Cおよび図27A〜図27Cに示す例では、波形が矩形波である勾配信号を例に挙げているが、本発明はこれに限定されず、例えば台形型の勾配信号など、種々変形できることは言うまでもない。
図24Aに示すように、動作パターン1では、相対位置制御部240がベッド206を移動させる期間(図24A(c)のタイミングt11〜t12参照)中、磁界発生部210が勾配信号(図24A(d)のタイミングt11〜t12参照)を勾配磁界発生部230に生成させ、この勾配信号を勾配磁界発生コイル232に入力する。
ここで、ベッド206を移動させる場合、カプセル内視鏡100を中心Z軸Az付近に停めるためには、ベッド206と共に移動する被検体900内の系(すなわち液体910中)でカプセル内視鏡100をベッド206の移動方向と反対方向へ移動させる必要がある。すなわち、カプセル内視鏡100を液体910の液面付近でベッド206の移動方向と反対方向へ推進させる必要がある。ただし、カプセル内視鏡100を液体910に対して推進させようとすると、カプセル内視鏡100には推進方向と反対方向(すなわちベッド206の移動方向)への摩擦力が発生する。このため、カプセル内視鏡100はベッド206の移動方向へ移動しようとしてしまう。そこで本動作パターン1では、ベッド206の移動期間中、ベッド206の移動方向と反対方向へカプセル内視鏡100を付勢する力を永久磁石110に発生させる勾配磁界Bgradを検出空間K内に形成する(図24A(e)のタイミングt11〜t12参照)。これにより、カプセル内視鏡100に生じる摩擦力を打ち消すことができ、結果、カプセル内視鏡100を拘束磁界Btrapのピーク磁界付近(すなわち中心Z軸Az付近)に停めておくことが可能となる。
なお、磁界発生部210は、動作中常時または適宜、拘束磁界発生部220を駆動することで、拘束信号(図24A(a)参照)を拘束磁界発生部220に生成させ、この拘束信号を拘束磁界発生コイル222に入力しているものとする。したがって、磁界発生部210の動作中常時または適宜、検出空間K内にはカプセル内視鏡100を中心Z軸Az上に停めておくための拘束磁界Btrapが形成されているものとする(図24A(b)参照)。
また、図24Bに示すように、動作パターン2では、相対位置制御部240によるベッド206の移動開始時(図24B(a)のタイミングt21〜t22参照)に、磁界発生部210が勾配信号(図24B(b)のタイミングt21〜t22参照)を勾配磁界発生部230に生成させ、この勾配信号を勾配磁界発生コイル232に入力する。
ここで、ベッド206を移動させる場合、特にベッド206の移動開始時には、ベッド206と共に移動する被検体900内に導入された液体910が慣性力によってベッド206の移動方向と反対側に片寄り、その後、波返しによって静止時の状態に戻る。この際の波返しによって、カプセル内視鏡100には、ベッド206の定速移動時よりも強い水平方向の力が働く。なお、この力は、ベッド206の移動方向と同じ方向へ向く。このため、カプセル内視鏡100は、特にベッド206の移動開始時に、中心Z軸Azから強く外れようとする。
そこで本動作パターン2では、ベッド206の移動開始時に、ベッド206の移動方向と反対方向へカプセル内視鏡100を付勢する力を永久磁石110に発生させる勾配磁界Bgradを検出空間K内に一時的に形成する(図24B(c)のタイミングt21〜t22参照)。これにより、ベッド206の移動開始時に液体910がカプセル内視鏡100に加える強い力を打ち消すことができ、結果、カプセル内視鏡100を拘束磁界Btrapのピーク磁界付近(すなわち中心Z軸Az付近)に停めておくことが可能となる。
なお、動作パターン2では、ベッド206が一定速度で移動する際に液体910がカプセル内視鏡100に生じさせる摩擦力については無視する。ただし、これに限らず、ベッド206が一定速度で移動する際に液体910がカプセル内視鏡100に与える摩擦力を打ち消すために、上記動作パターン1を本動作パターン2に組み合わせてもよい。また、本動作パターン2では、ベッド206の移動開始時の波返しによってカプセル内視鏡100が液体910から受ける力を打ち消すようにしたが、これに限らず、例えばベッド206の停止時の波返しによってカプセル内視鏡100が液体910から受ける力を打ち消すようにしてもよい。
さらに、図24Cに示すように、動作パターン3では、相対位置制御部240によるベッド206の加速期間(図24C(b)のタイミングt31〜t32参照)中、すなわち相対位置制御部240がベッド206を加速するための駆動信号を不図示の駆動機構に入力している期間(図24C(a)のタイミングt31〜t32参照)中、磁界発生部210が勾配信号(図24C(d)のタイミングt31〜t32参照)を勾配磁界発生部230に生成させ、この勾配信号を勾配磁界発生コイル232に入力する。
ここで、図25(a)に示すように、ベッド206の加速期間中、カプセル内視鏡100には、ベッド206上の被検体900内の系と共に移動しようとする力、すなわち被検体900内に導入された液体910の移動と共に移動しようとする慣性力F_inaが作用する。この慣性力F_inaは、ベッド206の加速方向、すなわちベッド206の移動方向と同じ方向を向く。このため、カプセル内視鏡100は、ベッド206の加速期間中、中心Z軸Azから外れようとする。
そこで本動作パターン3では、ベッド206の加速期間中、ベッド206の加速方向と反対方向の力(打消力F_cna)を永久磁石110に発生させる勾配磁界Bgradを検出空間K内に一時的に形成する(図24C(e)のタイミングt31〜t32および図25(b)参照)。これにより、ベッド206の加速期間中、カプセル内視鏡100に生じる慣性力F_inaを打ち消すことができ、結果、カプセル内視鏡100を拘束磁界Btrapのピーク磁界付近(すなわち中心Z軸Az付近)に停めておくことが可能となる。
一方、図24Cに示すように、動作パターン3では、相対位置制御部240によるベッド206の減速期間(図24C(b)のタイミングt33〜t34参照)中、すなわち相対位置制御部240がベッド206を減速するための駆動信号を不図示の駆動機構に入力している期間(図24C(a)のタイミングt33〜t34参照)中、磁界発生部210が勾配信号(図24C(d)のタイミングt33〜t34参照)を勾配磁界発生部230に生成させ、この勾配信号を勾配磁界発生コイル232に入力する。
ここで、図26(a)に示すように、ベッド206の減速期間中、カプセル内視鏡100には、ベッド206の加速期間中に働く慣性力F_inaと反対向きの慣性力F_inbが作用する。このため、カプセル内視鏡100は、特にベッド206の減速期間中、中心Z軸Azから外れようとする。
そこで本動作パターン3では、ベッド206の減速期間中、ベッド206の減速方向と反対方向の力(打消力F_cnb)を永久磁石110に発生させる勾配磁界Bgradを検出空間K内に一時的に形成する(図24C(e)のタイミングt33〜t34および図26(b)参照)。これにより、ベッド206の減速期間中、カプセル内視鏡100に生じる慣性力F_inbを打ち消すことができ、結果、カプセル内視鏡100を拘束磁界Btrapのピーク磁界付近(すなわち中心Z軸Az付近)に停めておくことが可能となる。
なお、動作パターン3では、ベッド206が一定速度で移動する際に液体910がカプセル内視鏡100に与える摩擦力、および、ベッド206の移動開始時の波返しによってカプセル内視鏡100が液体910から受ける力については無視する。ただし、これに限らず、ベッド206が一定速度で移動する際に液体910がカプセル内視鏡100に与える摩擦力、および/または、ベッド206の移動開始時の波返しによってカプセル内視鏡100が液体910から受ける力を打ち消すために、上記動作パターン1および/または2を本動作パターン3に組み合わせてもよい。
また、図27Aに示すように、動作パターン4では、相対位置制御部240が拘束磁界発生コイル222を移動させる期間(図27A(a)のタイミングt41〜t42参照)中、磁界発生部210が勾配信号(図27A(b)のタイミングt41〜t42参照)を勾配磁界発生部230に生成させ、この勾配信号を勾配磁界発生コイル232に入力する。
ここで、拘束磁界発生コイル222を移動させる場合、カプセル内視鏡100を中心Z軸Az付近に停めるためには、被検体900内に導入された液体910中でカプセル内視鏡100を拘束磁界発生コイル222の移動方向と同じ方向へ移動させる必要がある。すなわち、カプセル内視鏡100を液体910の液面付近で拘束磁界発生コイル222の移動方向と同じ方向へ推進させる必要がある。ただし、カプセル内視鏡100を液体910に対して推進させようとすると、カプセル内視鏡100には推進方向(すなわち拘束磁界発生コイル222の移動方向)と反対方向の摩擦力が発生する。このため、カプセル内視鏡100は拘束磁界発生コイル222の移動と共に移動する拘束磁界Btrapのピーク磁界に付いていけず、拘束磁界発生コイル222の移動に対して遅れて移動することになる。そこで本動作パターン4では、拘束磁界発生コイル222の移動期間中、拘束磁界発生コイル222の移動方向と同じ方向へカプセル内視鏡100を付勢する力を永久磁石110に発生させる勾配磁界Bgradを検出空間K内に形成する(図27A(c)のタイミングt41〜t42参照)。これにより、カプセル内視鏡100に生じる摩擦力を打ち消すことができ、結果、カプセル内視鏡100を拘束磁界Btrapのピーク磁界付近(すなわち中心Z軸Az付近)に停めておくことが可能となる。
また、図27Bに示すように、動作パターン5では、相対位置制御部240による拘束磁界発生コイル222の移動開始時(図27B(a)のタイミングt51〜t52参照)に、磁界発生部210が勾配信号(図27B(b)のタイミングt51〜t52参照)を勾配磁界発生部230に生成させ、この勾配信号を勾配磁界発生コイル232に入力する。
ここで、勾配磁界発生コイル232を移動させる場合、特に勾配磁界発生コイル232の移動開始時では、カプセル内視鏡100にはその場に停まろうとする慣性力が働いている。このため、カプセル内視鏡100は拘束磁界発生コイル222の移動と共に移動する拘束磁界Btrapのピーク磁界に付いていけず、拘束磁界発生コイル222の移動に対して遅れて移動することになる。
そこで本動作パターン5では、拘束磁界発生コイル222の移動開始時に、拘束磁界発生コイル222の移動方向と同じ方向へカプセル内視鏡100を付勢する力を永久磁石110に発生させる勾配磁界Bgradを検出空間K内に一時的に形成する(図27B(c)のタイミングt51〜t52参照)。これにより、拘束磁界発生コイル222の移動開始に合わせてカプセル内視鏡100を移動開始することができ、結果、カプセル内視鏡100を拘束磁界Btrapのピーク磁界付近(すなわち中心Z軸Az付近)に停めておくことが可能となる。
なお、動作パターン5では、拘束磁界発生コイル222が一定速度で移動する際に液体910がカプセル内視鏡100に生じさせる摩擦力については無視する。ただし、これに限らず、拘束磁界発生コイル222が一定速度で移動する際に液体910がカプセル内視鏡100に与える摩擦力を打ち消すために、上記動作パターン4を本動作パターン5に組み合わせてもよい。また、本動作パターン5では、拘束磁界発生コイル222の移動開始時のカプセル内視鏡100の移動開始の遅れを解消するようにしたが、これに限らず、例えば拘束磁界発生コイル222の停止時の慣性力によってカプセル内視鏡100の停止が遅れることを解消するようにしてもよい。
さらに、図27Cに示すように、動作パターン6では、相対位置制御部240による拘束磁界発生コイル222の加速期間(図27C(b)のタイミングt61〜t62参照)中、すなわち相対位置制御部240が拘束磁界発生コイル222を加速するための駆動信号を不図示の駆動機構に入力している期間(図27C(a)のタイミングt61〜t62参照)中、磁界発生部210が勾配信号(図27C(d)のタイミングt61〜t62参照)を勾配磁界発生部230に生成させ、この勾配信号を勾配磁界発生コイル232に入力する。
ここで、図28(a)に示すように、拘束磁界発生コイル222の加速期間中、カプセル内視鏡100には、その場に停まろうとする力、慣性力F_incが作用する。この慣性力F_incは、拘束磁界発生コイル222の加速方向と反対方向、すなわち拘束磁界発生コイル222の移動方向と反対方向を向く。このため、カプセル内視鏡100は、拘束磁界発生コイル222の加速期間中、中心Z軸Azから外れようとする。
そこで本動作パターン6では、拘束磁界発生コイル222の加速期間中、拘束磁界発生コイル222の加速方向と同じ方向の力(打消力F_cnc)を永久磁石110に発生させる勾配磁界Bgradを検出空間K内に一時的に形成する(図27C(e)のタイミングt61〜t62および図28(b)参照)。これにより、拘束磁界発生コイル222の加速期間中、カプセル内視鏡100に生じる慣性力F_incを打ち消すことができ、結果、カプセル内視鏡100を拘束磁界Btrapのピーク磁界付近(すなわち中心Z軸Az付近)に停めておくことが可能となる。
一方、図27Cに示すように、動作パターン6では、相対位置制御部240による拘束磁界発生コイル222の減速期間(図27C(b)のタイミングt63〜t64参照)中、すなわち相対位置制御部240が拘束磁界発生コイル222を減速するための駆動信号を不図示の駆動機構に入力している期間(図27C(a)のタイミングt63〜t64参照)中、磁界発生部210が勾配信号(図27C(d)のタイミングt63〜t64参照)を勾配磁界発生部230に生成させ、この勾配信号を勾配磁界発生コイル232に入力する。
ここで、図29(a)に示すように、拘束磁界発生コイル222の減速期間中、カプセル内視鏡100には、拘束磁界発生コイル222の移動を追従する移動による慣性力F_indが作用する。この慣性力F_indは、拘束磁界発生コイル222の加速時の慣性力F_incとは反対方向を向く。このため、カプセル内視鏡100は、特に拘束磁界発生コイル222の減速期間中、中心Z軸Azから外れようとする。
そこで本動作パターン6では、拘束磁界発生コイル222の減速期間中、拘束磁界発生コイル222の減速方向と同じ方向の力(打消力F_cnd)を永久磁石110に発生させる勾配磁界Bgradを検出空間K内に一時的に形成する(図27C(e)のタイミングt63〜t64および図29(b)参照)。これにより、拘束磁界発生コイル222の減速期間中、カプセル内視鏡100に生じる慣性力F_indを打ち消すことができ、結果、カプセル内視鏡100を拘束磁界Btrapのピーク磁界付近(すなわち中心Z軸Az付近)に停めておくことが可能となる。
以上のように動作することで、本実施の形態1では、被検体900と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの相対位置を変化させるとき、相対位置を変化させる方向と同じ方向または反対の方向にカプセル内視鏡100(特に永久磁石110)を付勢する勾配磁界Bgradを検出空間K内に形成する。すなわち、中心Z軸Azに永久磁石110を引き付ける拘束磁界成分(拘束磁界Btrap)と、相対位置を変化させる方向と同じまたは反対の方向に永久磁石110を付勢する勾配磁界成分(勾配磁界Bgrad)と、の少なくとも一方を含む磁界を被検体900が配置された検出空間Kに形成する。これにより、本実施の形態1では、相対位置の変化時にカプセル内視鏡100が中心Z軸Azから外れてしまうことが低減され、結果、カプセル内視鏡100が所望の拘束位置にトラップされた状態を的確に保つことが可能となる。
なお、上記実施の形態1では、カプセル内視鏡100が液体910の液面付近に浮遊する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されず、例えば永久磁石110を鉛直方向、すなわち液体910中へ引き込む方向へ付勢する磁界を発生し、これにより、液体910中をカプセル内視鏡100が潜泳するようにしてもよい。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2によるカプセル内視鏡システム2を、図面を用いて詳細に説明する。本実施の形態2では、上記実施の形態1と同様のカプセル内視鏡100を被検体内導入装置として用いるカプセル内視鏡システム2を例に挙げる。ただし、上記実施の形態1と同様に、例えば被検体の食道から肛門にかけて管腔内を移動する途中で撮像動作を実行することで被検体内部の画像を取得する単眼または複眼のカプセル内視鏡など、種々の被検体内導入装置を用いることが可能である。また、以下の説明において、上記実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図30は、本実施の形態2によるカプセル内視鏡システム2の構成を示すブロック図である。図30に示すように、カプセル内視鏡システム2は、図4に示すカプセル内視鏡システム1と同様の構成において、位置制御装置200が位置制御装置400に置き換えられている。
位置制御装置400は、後述する拘束磁界Btrapを形成する磁界発生部410と、被検体900と拘束磁界Btrapの中心Z軸Azとの相対位置を制御する相対位置制御部240と、磁界発生部410および相対位置制御部240を制御する制御部250と、ユーザが制御部250に対して各種制御命令を入力する操作部260と、を備える。なお、相対位置制御部240と制御部250と操作部260とは、上記実施の形態1と同様である。
磁界発生部410は、拘束磁界Btrapを発生させる拘束/勾配磁界発生部420を含む。拘束/勾配磁界発生部420は、上記実施の形態1と同様の拘束磁界発生コイル222に電気的に接続される。なお、拘束磁界発生コイル222は、上記実施の形態1と同様に、例えば位置制御装置400の筐体(図5の筐体202に相当)内であってベッド206下方に設置される。
拘束/勾配磁界発生部420は、ベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの相対位置を変化させないとき、例えば制御部250からの制御に従って、特定の振幅を持った電流信号(以下、拘束信号という)を生成し、この拘束信号を拘束磁界発生コイル222に入力する。これにより、検出空間K内に永久磁石110を備えたカプセル内視鏡100を目的の位置(拘束磁界Btrapにおける拘束磁界成分の中心Z軸Az上の位置)に停めておくための拘束磁界Btrapが形成される。
また、拘束/勾配磁界発生部420は、相対位置制御部240がベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの相対位置を変化させる際、例えば制御部250からの制御に従って、磁界強度のピークが目的の方向にずれたシフト拘束磁界Bstrpを拘束磁界発生コイル222に形成させる電流信号(以下、シフト拘束信号という)を生成し、このシフト拘束信号を拘束磁界発生コイル222に入力する。これにより、検出空間K内に永久磁石110を備えたカプセル内視鏡100を目的の方向(例えばベッド206の加速方向または加速方向と反対の方向)へ付勢しつつ中心Z軸Az付近に停めておくことが可能なシフト拘束磁界Bstrpが形成されるため、ベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの相対位置の変化時にカプセル内視鏡100が中心Z軸Azから外れてしまうことを抑制することが可能となる。
このように本実施の形態2では、拘束/勾配磁界発生部420およびこれに接続された拘束磁界発生コイル222を含む磁界発生部410が、中心Z軸Azに永久磁石110を引き付ける拘束磁界成分(拘束磁界Btrap)と、相対位置を変化させる方向と同じまたは反対の方向に永久磁石110を付勢する勾配磁界成分(勾配磁界Bgrad)と、の少なくとも一方を含む磁界(拘束磁界Btrapまたはシフト拘束磁界Bstrp)を被検体900が配置された検出空間Kに形成する磁界発生機構として機能する。
つぎに、拘束/勾配磁界発生部420が生成するシフト拘束信号ならびに拘束磁界発生コイル222が検出空間K内に形成するシフト拘束磁界Bstrpについて詳細に説明する。
上述の実施の形態1における動作パターン1〜6で説明したように、拘束磁界発生コイル222とベッド206との相対位置を変化させる場合、カプセル内視鏡100には、移動方向または移動方向と反対方向の力が作用する。このため、ベッド206と拘束磁界発生コイル222との相対位置を水平方向に変化させる場合、カプセル内視鏡100は拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azから外れようと振る舞う。
そこで本実施の形態2では、上述のように、ベッド206と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの相対位置を変化させる際、磁界強度のピークが目的の方向にずれたシフト拘束磁界Bstrpを拘束磁界発生コイル222に形成させる。
なお、目的の方向とは、例えば、上記実施の形態1における動作パターン1と同様のシチュエーションでは、ベッド206の移動方向と反対方向であり、動作パターン2と同様のシチュエーションでは、ベッド206の移動方向と反対方向であり、動作パターン3と同様のシチュエーションでは、ベッド206の加速期間中、ベッド206の加速方向と反対方向であり、ベッド206の減速期間中、ベッド206の減速方向と反対方向であり、動作パターン4と同様のシチュエーションでは、拘束磁界発生コイル222の移動方向と同じ方向であり、動作パターン5と同様のシチュエーションでは、拘束磁界発生コイル222の移動方向と同じ方向であり、動作パターン6と同様のシチュエーションでは、拘束磁界発生コイル222の加速期間中、拘束磁界発生コイル222の加速方向と同じ方向であり、拘束磁界発生コイル222の減速期間中、拘束磁界発生コイル222の減速方向と同じ方向である。
つぎに、拘束磁界発生コイル222が形成する拘束磁界Btrap/シフト拘束磁界Bstrpおよびこれによりカプセル内視鏡100の永久磁石110が受ける力について、図面を用いて詳細に説明する。
カプセル内視鏡100内の永久磁石110を磁気ダイポールモーメントMと見なすと、コイルが形成した磁界Bによって磁気ダイポールモーメンMが受ける力Fは、以下の式1で表すことができる。なお、以下の式1において、力FのX成分をFx、Y成分をFy、Z成分をFzとする。また、磁気ダイポールモーメントMのX成分をM
X、Y成分をM
Y、Z成分をM
Zとする。
したがって、上記式1より、拘束磁界発生コイル222のうちZ軸拘束コイル222zが形成する磁界(これを磁界BZとする)から磁気ダイポールモーメントMが受ける力FZは、以下の式2で表すことができる。
ここで、中心Z軸Az上で永久磁石110に作用する力Fについて考察するにあたり、まず、Z軸拘束コイル222zが中心Z軸Az近傍に形成する磁界BZについて考える。図31Aは、本実施の形態2においてZ軸拘束コイル222zに電流Izを流した際にZ軸拘束コイル222zが中心Z軸Az近傍に形成する磁界BZを示す概念図であり、図31Bは、図31Aに示す磁界BZにおける中心Z軸Azを含む平面の磁界成分を示す図である。また、図32Aは、磁界BZのX軸方向の磁界強度を示す図であり、図32Bは、磁界BZのY軸方向の磁界強度を示す図であり、図32Cは、磁界BZのZ軸方向の磁界強度を示す図である。ただし、図32A〜図32Cは、磁界BZが正、すなわち中心Z軸Az上の磁界成分が鉛直上向きである場合の各軸方向の磁界強度を示す。また、図32A〜図32Cにおける原点Oは、中心Z軸Azと、任意のX−Y平面(例えば液体910の液面)との交点である。
図31Aおよび図31Bに示すように、Z軸拘束コイル222zに電流Izを入力すると、中心Z軸Azを含む平面内であって液体910の液面付近には、中心Z軸Az上ではこの中心Z軸Azと平行であり、中心Z軸Azから外れるに従って磁力線の向きが中心Z軸Azから外れる方向へ傾く磁界BZが形成される。
このような磁界BZのX軸上での磁界強度(傾き)は、図32Aに示すようになる。なお、図32A(a)は磁界BZにおけるX軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BZXを示し、図32A(b)は磁界BZにおけるX軸上での磁界成分のY軸方向の磁界強度BZYを示し、図32A(c)は磁界BZにおけるX軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BZZを示している。
図32A(a)に示すように、磁界BZにおけるX軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BZXは、X軸上の原点Oを境に、磁界強度BZXの正負、すなわち磁界成分の向きが反転する。また、X軸上での磁界強度BZXは、位置が原点Oから離れるにしたがってその絶対値が大きくなる。したがって、原点O付近(例えば中心Z軸Azと液体910の液面との交点付近)での磁界強度BZXは、磁気ダイポールモーメントM(永久磁石110)を+X側へ引き付ける磁気勾配を有する。また、図32A(c)に示すように、磁界BZにおけるX軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BZZは、X軸上での位置が原点Oのときにピークとなる山成りの強度分布となる。なお、図32A(b)に示すように、磁界BZにおけるX軸方向の成分のY軸上での磁界強度BZYは0(BZY=0)である。
また、磁界BZのY軸上での磁界強度(傾き)は、図32Bに示すようになる。なお、図32B(a)は磁界BZにおけるY軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BZXを示し、図32B(b)は磁界BZにおけるY軸上での磁界成分のY軸方向の磁界強度BZYを示し、図32B(c)は磁界BZにおけるY軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BZZを示している。
図32B(b)および図32B(c)に示すように、磁界BZにおけるY軸上での磁界成分のY軸方向の磁界強度BZYおよび磁界BZにおけるY軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BZZはそれぞれ、図32A(a)に示す磁界BZにおけるX軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BZXおよび図32A(c)に示す磁界BZにおけるX軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BZZと同様となる。なお、図32B(a)に示すように、磁界BZにおけるY軸方向の成分のX軸上での磁界強度BZXは0(BZX=0)である。
さらに、磁界BZのZ軸上での磁界強度(傾き)は、図32Cに示すようになる。なお、図32C(a)は磁界BZにおけるZ軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BZXを示し、図32C(b)は磁界BZにおけるZ軸上での磁界成分のY軸方向の磁界強度BZYを示し、図32C(c)は磁界BZにおけるZ軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BZZを示している。
図32C(c)に示すように、磁界BZにおけるZ軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BZZは、+Z方向へ進むにつれて弱くなる。したがって、原点O付近(例えば中心Z軸Azと液体910の液面との交点付近)での磁界強度BZZは、磁気ダイポールモーメントM(永久磁石110)を−Z側へ引き付ける磁気勾配を有する。なお、図32C(a)および図32C(b)に示すように、磁界BZにおけるZ軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BZXおよび磁界BZにおけるZ軸上での磁界成分のY軸方向の磁界強度BZYは、それぞれ0(BZX=0、BZY=0)である。
なお、上記図32A〜図32Cに示す特性は、磁界BZが負の場合、すなわち磁界BZの向きが反転した場合、反転する。
また、Z軸拘束コイル222zが形成する磁界BZは、中心Z軸Azを中心とした対称性を備える。したがって、以下の式3が成り立つ。
以上の式2および式3から、Z軸拘束コイル222zが形成した磁界BZによってカプセル内視鏡100の永久磁石110(磁気ダイポールモーメントM)が受ける力FZは、以下の式4で表すことができる。
一方、上記式1より、拘束磁界発生コイル222のうちX軸拘束コイル222xが形成する磁界(これを磁界BXとする)から磁気ダイポールモーメントMが受ける力FXは、以下の式5で表すことができる。
ここで、X軸拘束コイル222xが中心Z軸Az近傍に形成する磁界BXについて考える。図33Aは、本実施の形態2においてX軸拘束コイル222xに電流Ixを流した際にX軸拘束コイル222xが中心Z軸Az近傍に形成する磁界BXを示す概念図であり、図33Bは、図33Aに示す磁界BXにおける中心Z軸Azを含む平面の磁界成分を示す図である。また、図34Aは、磁界BXのX軸方向の磁界強度を示す図であり、図34Bは、磁界BXのY軸方向の磁界強度を示す図であり、図34Cは、磁界BXのZ軸方向の磁界強度を示す図である。ただし、図34A〜図34Cは、磁界BXが正である場合の各軸方向の磁界強度を示す。また、図34A〜図34Cにおける原点Oは、中心Z軸Azと、任意のX−Y平面(例えば液体910の液面)との交点である。
図33Aおよび図33Bに示すように、X軸拘束コイル222xに電流Ixを入力すると、中心Z軸Azを含む平面内であって液体910の液面付近には、中心Z軸Az上ではこの中心Z軸Azと垂直であり、中心Z軸Azから外れるに従って磁力線の向きが上向きから下向きへ回転する磁界BXが形成される。
このような磁界BXのX軸上での磁界強度(傾き)は、図34Aに示すようになる。なお、図34A(a)は磁界BXにおけるX軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BXXを示し、図34A(b)は磁界BXにおけるX軸上での磁界成分のY軸方向の磁界強度BXYを示し、図34A(c)は磁界BXにおけるX軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BXZを示している。
図34A(a)に示すように、磁界BXにおけるX軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BXXは、X軸上での位置が原点Oのときにピークとなる山成りの強度分布となる。また、図34A(c)に示すように、磁界BXにおけるX軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BXZは、X軸上の原点Oを境に、磁界強度BXZの正負、すなわち磁界成分の向きが反転する。また、X軸上での磁界強度BXZは、位置が原点Oから離れるにしたがってその絶対値が大きくなる。したがって、原点O付近(例えば中心Z軸Azと液体910の液面との交点付近)での磁界強度BXZは、磁気ダイポールモーメントM(永久磁石110)を−X側へ引き付ける磁気勾配を有する。なお、図34A(b)に示すように、磁界BXにおけるX軸方向の成分のY軸上での磁界強度BXYは0(BXY=0)である。
また、磁界BXのY軸上での磁界強度(傾き)は、図34Bに示すようになる。なお、図34B(a)は磁界BXにおけるY軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BXXを示し、図34B(b)は磁界BXにおけるY軸上での磁界成分のY軸方向の磁界強度BXYを示し、図34B(c)は磁界BXにおけるY軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BXZを示している。
図34B(a)に示すように、磁界BXにおけるY軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BXXは、X軸上での位置が原点Oのときにピークとなる山成りの強度分布となる。なお、図34B(b)および図34B(c)に示すように、磁界BXにおけるY軸上での磁界成分のY軸方向の磁界強度BXYおよび磁界BXにおけるY軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BXZは、それぞれ0(BXY=0、BXZ=0)である。
さらに、磁界BXのZ軸上での磁界強度(傾き)は、図34Cに示すようになる。なお、図34C(a)は磁界BXにおけるZ軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BXXを示し、図34C(b)は磁界BXにおけるZ軸上での磁界成分のY軸方向の磁界強度BXYを示し、図34C(c)は磁界BXにおけるZ軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BXZを示している。
図34C(a)に示すように、磁界BXにおけるZ軸上での磁界成分のX軸方向の磁界強度BXXは、図34C(c)に示す磁界BZにおけるZ軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BZZと同様となる。なお、図34C(b)および図34B(c)に示すように、磁界BXにおけるZ軸上での磁界成分のY軸方向の磁界強度BXYおよび磁界BXにおけるZ軸上での磁界成分のZ軸方向の磁界強度BXZは、それぞれ0(BXY=0、BXZ=0)である。
なお、Y軸拘束コイル222yが中心Z軸Az近傍に形成する磁界BYについては、上記したX軸拘束コイル222xと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
以上のことから、X軸拘束コイル222xおよびY軸拘束コイル222yがカプセル内視鏡100の永久磁石110(磁気ダイポールモーメントM)に与える力FXおよびFYは、それぞれ以下の式6または式7のようになる。
したがって、上記式4、式6および式7から、拘束磁界発生コイル222が発生する磁界B(拘束磁界Btrap/シフト拘束磁界Bstrp)によってカプセル内視鏡100の永久磁石110(磁気ダイポールモーメントM)が受ける力Fは、以下の式8のようになる。
ここで、力FにおけるX成分FxおよびY成分力Fyに着目する。X成分Fxが0(Fx=0)場合、すなわちカプセル内視鏡100が中心Z軸Az上に位置する場合、dBXZ/dxおよびdBZX/dxそれぞれの項が永久磁石110に与える力MX(dBZX/dx)およびMZ(dBXZ/dx)は正負が反対となる。
つまり、X軸拘束コイル222xが形成する磁界BXが正(BX>0)のとき、磁気ダイポールモーメントMのX成分が正(MX>0)となり、dBXZ/dxが負(dBXZ/dx<0)となる。一方、磁界BXが負(BX<0)のとき、磁気ダイポールモーメントMのX成分が負(MX<0)となり、dBXZ/dxが正(dBXZ/dx>0)となる。つまり、MXとdBXZ/dxとは、常に符号が逆になる。
同様に、Y軸拘束コイル222yが形成する磁界BYが正(BY>0)のとき、磁気ダイポールモーメントMのY成分が正(MY>0)となり、dBYZ/dyが負(dBYZ/dy<0)となる。一方、磁界BYが負(BY<0)のとき、磁気ダイポールモーメントMのY成分が負(MY<0)となり、dBYZ/dyが正(dBYZ/dy>0)となる。つまり、MYとdBYZ/dyとは、常に符号が逆になる。
これに対し、Z軸拘束コイル222zが形成する磁界BZが正(BZ>0)のとき、磁気ダイポールモーメントMのZ成分が正(MZ>0)となり、dBZX/dxが正(dBZX/dx>0)となる。一方、磁界BZが負(BZ<0)のとき、磁気ダイポールモーメントMのZ成分が負(MZ<0)となり、dBZX/dxが負(dBZX/dx<0)となる。つまり、MZとdBZX/dx(=dBZY/dy(式3))とは、常に符号が同じになる。
したがって、FxのMX(dBZX/dx),MZ(dBXZ/dx)の項は、BX,BZの正負に関わらず、正負が逆になる。また、FyのMY(dBZY/dy),MZ(dBYZ/dy)の項も、BY,BZの正負に関わらず、正負が逆になる。
ここで、BZをBXに対して大きくすると、MX(dBZX/dx),MZ(dBXZ/dx)のバランスがくずれ、Fx方向に力を発生することができる。さらに、BZをBXに対して小さくすると、その逆方向に力を発生することができる。
また、BZをBYに対して大きくすると、MY(dBZY/dy),MZ(dBYZ/dy)のバランスがくずれ、Fy方向に力を発生することができる。さらに、BZをBYに対して小さくすると、その逆方向に力を発生することができる。
以上のことから、X軸拘束コイル222xとY軸拘束コイル222yとZ軸拘束コイル222zとに入力する拘束信号の電流のバランスを調整することで、中心Z軸Az上にピーク磁界が存在する拘束磁界Btrapおよび目的の方向にピーク磁界がシフトしたシフト拘束磁界Bstrpを適宜形成することが可能である。
以上のように動作することで、本実施の形態2では、被検体900と拘束磁界発生コイル222の中心Z軸Azとの相対位置を変化させるとき、相対位置を変化させる方向と同じ方向または反対の方向にカプセル内視鏡100(特に永久磁石110)をトラップする拘束磁界Btrapのピーク磁界をシフトさせる(シフト拘束磁界Bstrp)。すなわち、中心Z軸Azに永久磁石110を引き付ける拘束磁界成分(拘束磁界Btrap)と、相対位置を変化させる方向と同じまたは反対の方向に永久磁石110を付勢する勾配磁界成分(勾配磁界Bgrad)と、を含むシフト拘束磁界Bstrpを被検体900が配置された検出空間Kに形成する。これにより、本実施の形態2では、相対位置の変化時にカプセル内視鏡100が中心Z軸Azから外れてしまうことが低減され、結果、カプセル内視鏡100が所望の拘束位置にトラップされた状態を的確に保つことが可能となる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、以上のように表わしかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。