JP5381877B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車体に発生する振動を抑制させる為の車体制振制御を行う車両制御装置に関する。
従来、車体に発生した振動を抑え込む車体制振制御と云われる技術がある。その車体制振制御としては、駆動輪の駆動トルク(以下、「車輪トルク」という。)を増減させることによってバネ上の振動を抑え込むものが知られている。その車輪トルクの目標値は、振動情報検出装置(例えば車輪速度センサ等)の検出信号に基づき求めた制振制御補償量を加味して設定される。例えば、下記の特許文献1及び2には、その車輪トルクの変動によってピッチ振動やバウンス振動を低減させるものが開示されている。ここで、その特許文献2には、所定時間の間ピッチ・バウンス振動等の振動振幅が所定振幅以上になっている場合に、その車輪トルクの補償成分の制御ゲインを低減させる技術が記載されている。更に、特許文献3には、その制御ゲインの低減技術に加えて、車輪速度等の検出信号から振動の要因となるノイズ周波数成分(共振等により発生するもの)を除去し、車輪トルクに応じた動力源の駆動トルクの制御を行う駆動トルク制御部にノイズ周波数成分が入力されないようにする技術が記載されている。
尚、下記の特許文献4には、バネ下の振動を抑える車体制振制御について開示されており、エイリアシングノイズにより車輪の回転速度の変動として誤認される虞がある場合に制振制御を停止させる技術が記載されている。また、下記の特許文献5には、車室内の騒音制御装置において、騒音と相殺音とに係る相殺誤差信号の内の所定周波数以下の信号のみを通過させるアンチエイリアシングフィルタを設ける技術が記載されている。
特開2009−040163号公報 特開2009−127456号公報 特開2008−231989号公報 特開2008−179196号公報 特開2008−247342号公報
ところで、制振制御補償量の演算を行う制振制御量演算装置においては、振動情報検出装置から入力された入力信号にノイズが重畳していると、そのサンプリングの周期如何で所謂エイリアシングが発生し、振動情報が誤って認識される可能性がある。例えば、車輪速度変動を振動情報として利用する場合には、エイリアシングの発生に伴い車輪速度変動情報が誤って認識される。これが為、従来の車体制振制御においては、振動状態の推定精度が低下し、これにより車輪トルクの補償量が精度良く設定され難くなるので、振動に対する制振性能を低下させてしまう虞がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、エイリアシングによる制振性能の低下を抑え得る車両制御装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、駆動源の駆動制御量を制御して車体に発生する振動の抑制を図る車両制御装置において、振動情報に係る信号又は当該振動情報に基づき演算された制振制御補償量に係る信号に対してエイリアシングが発生する場合に当該エイリアシングによる前記振動に対する制振性能の低下を抑える制振性能低下抑制装置を設けたことを特徴としている。
ここで、前記制振性能低下抑制装置は、前記振動情報に係る信号の所定の周波数成分のみを通過させて前記エイリアシングの発生を抑えるフィルタを備えたものである。そのフィルタは、ナイキスト周波数よりも高い周波数をカットするものである。
そして、前記制振性能低下抑制装置は、そのフィルタを介しても前記エイリアシングの発生を抑えることができない場合、振動情報に係る信号のサンプリング周波数を変更することで前記エイリアシングの発生を抑える。
ここで、前記制振性能低下抑制装置は、前記サンプリング周波数の変更が不可能な場合、前記振動に対する制振制御を中断させる又は前記制振制御補償量を低く抑えるものであることが望ましい。
また、前記制振性能低下抑制装置は、前記制振制御補償量の演算に用いるゲインを最大で0まで減少させるものであることが望ましい。
本発明に係る車両制御装置は、エイリアシングによる車体の制振性能の低下を抑えることができる。例えば、エイリアシングの発生を抑えるフィルタを有する制振性能低下抑制装置を設けることによって、この車両制御装置は、振動情報に係る信号(入力信号)に対してフィルタ処理を行い、その入力信号のエイリアシングを抑えることができるので、そのフィルタを介した入力信号を用いて適切な制振制御補償量の演算が可能になる。また、その入力信号又は当該入力信号に基づき演算された制振制御補償量に係る信号(出力信号)に係るサンプリング周波数を変更してエイリアシングの発生を抑える制振性能低下抑制装置を設けることによって、この車両制御装置は、車両のおかれている環境が大きな路面入力のあるものであるならば、現状のサンプリング周波数のままで適切な制振制御補償量を演算でき、その環境が大きな路面入力のないものであるならば、サンプリング周波数の変更によりエイリアシングを抑えて、適切な制振制御補償量を演算できる。また、エイリアシングの発生を抑えることができなければ制振制御を中断させる又は前記制振制御補償量を低く抑える制振性能低下抑制装置を設けることによって、この車両制御装置は、エイリアシングによる誤った制振制御を抑えることができる。
図1は、本発明に係る車両制御装置の適用対象たる車両の一例を示す図である。 図2は、車両におけるバネ上振動の状態変数を説明する図である。 図3は、本発明に係る車両制御装置の機能構成の一例を制御ブロックの形式で示した模式図である。 図4は、車両において仮定されるバネ上振動の力学的運動モデルの一例について説明する図である。 図5は、車両において仮定されるバネ上振動の力学的運動モデルの他の例について説明する図である。 図6は、実施例1の車両制御装置における制振性能低下の抑制動作について説明するフローチャートである。 図7は、実施例1の入力信号処理部の機能構成の一例を制御ブロックの形式で示した模式図である。 図8は、実施例2の入力信号処理部の機能構成の一例を制御ブロックの形式で示した模式図である。 図9は、実施例2の車両制御装置における制振性能低下の抑制動作について説明するフローチャートである。 図10は、実施例3の車両制御装置における制振性能低下の抑制動作について説明するフローチャートである。 図11は、実施例3の車両制御装置における制振性能低下の抑制動作の他の例について説明するフローチャートである。
以下に、本発明に係る車両制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例1]
本発明に係る車両制御装置の実施例1を図1から図7に基づいて説明する。
本実施例1の車両制御装置は、車体に発生する振動を抑える車体制振制御を行うものであり、電子制御装置(ECU)の一機能として用意されたものとする。車体制振制御は、その振動の状態を知得する為の情報(以下、「振動情報」という。)に基づいて振動状態を推定し、その振動を抑制させる補償量を求める。その補償量は、振動を抑える為の装置(以下、「振動抑制装置」という。)に対する指令値となる。
その振動情報とは、例えば、運転者の操作状態を示す情報、車両状態を示す情報、車外環境情報等であり、振動情報検出装置(後述する振動情報検出部8)によって検出される。運転者の操作状態を示す情報には、アクセル操作量、ブレーキ操作量、ステアリング操舵角度等がある。また、車両状態を示す情報には、車輪速度センサや加速度センサ等の各種センサによる検出情報、各種制御装置における制御情報、各種アクチュエータの制御情報等がある。その各種センサの検出情報の主なものとしては、回転体の回転数(回転速度)があり、例えば、車輪速度の他に、エンジン回転数、モータ回転数、変速機の出力軸の回転数等が該当する。更に、この車両状態を示す情報には、車内環境情報も含まれており、例えば運転者の状態を示す情報等も該当する。また、車外環境情報には、天候情報、走行路の路面状態の情報、その他車体に加わる外乱に関する情報などである。
一方、振動抑制装置としては、動力源、自動変速機、制動装置、車輪の転舵装置(所望の転舵角度に制御可能なもの)等が考えられる。動力源や自動変速機の場合には、駆動トルク(駆動力)の補償量が設定される。また、制動装置の場合には、制動トルク(制動力)の補償量が設定される。また、転舵装置の場合には、車輪の転舵角度の補償量が設定される。
具体的に、走行中の車両においては、例えば路面の凹凸等によって車輪に外力やトルク(即ち外乱)が作用した際に、その外力等が車輪及びサスペンションを介して車体に伝わる。これが為、この車両には、その走行中の路面からの入力によって、車体に車輪及びサスペンションを介した1〜4Hzの振動、より正確には1.5Hz程度の振動(以下、「バネ上振動」という。)が発生し得る。このバネ上振動には、図2に示す車両(厳密には車両重心Cg)の上下方向(Z方向)の成分(以下、「バウンス振動」という。)と、車両重心Cgを中心にしたピッチ方向(θ方向)の成分(以下、「ピッチ振動」という。)と、がある。このバネ上振動が発生したときには、バウンス振動又はピッチ振動の内の少なくとも何れか一方が発生している。尚、その図2は、ノーズリフト時の車両姿勢を例示している。また、運転者の駆動要求等に基づき車両駆動装置たる動力源が動作して駆動輪の車輪トルク(車輪駆動力)に変動が生じた場合にも、車体には、同様のバネ上振動(バウンス振動又はピッチ振動の内の少なくとも何れか一方)が生じ得る。その車両駆動装置とは、先に示した振動抑制装置に相当するものである。ここでは、駆動輪の車輪トルク(車輪駆動力)を増減させることが可能なものであり、動力源の他に自動変速機等も含む。
本実施例1の車両制御装置は、車両駆動装置の駆動制御量を制御することで駆動輪の車輪トルク(車輪駆動力)を制御し、これにより、かかるバネ上振動を抑制させるものとして例示する。その駆動制御量とは、例えば、車両駆動装置がエンジン等の動力源ならばその出力トルクのことを云う。その車体制振制御(バネ上制振制御)を実行する際には、走行に本来必要とされる動力源の要求出力トルク又は駆動輪の要求車輪トルク等の走行用制御量に対して、車体制振制御の為の制振制御補償量(要求出力トルクの制振用の補償量又は要求車輪トルクの制振用の補償量等)が加減算される。
ここで、この車両制御装置の適用対象となる車両としては、例えば、機械動力源(内燃機関等の熱機関に代表されるエンジン)の動力のみで駆動力を発生させる車両、電気動力源(モータ、力行駆動可能なジェネレータ又は力行及び回生の双方の駆動が可能なモータ/ジェネレータ)の動力のみで駆動力を発生させる車両(所謂電気自動車)、機械動力源と電気動力源の双方が搭載された車両(所謂ハイブリッド車両)が考えられる。本実施例1においては、図1に示すハイブリッド車両100を例に挙げて説明する。
ここで例示するハイブリッド車両100は、エンジン110と、このエンジン110から出力されたエンジントルクを分割する遊星歯車機構等からなる動力分割機構120と、この動力分割機構120により分割されたエンジントルクの一部によって発電機として動作可能な第1モータ/ジェネレータ131と、この第1モータ/ジェネレータ131で発電された電力及び/又はバッテリ141の電力を用いて電動機として動作可能な第2モータ/ジェネレータ132と、動力源の出力トルクを駆動輪WFL,WFR(駆動軸Ds,Ds)に伝える差動装置等の動力伝達機構150と、を備えている。
また、このハイブリッド車両100には、車両全体の動作を制御する電子制御装置(以下、「メインECU」という。)10と、エンジン110の動作を制御する電子制御装置(以下、「エンジンECU」という。)11と、インバータ142を介して第1モータ/ジェネレータ131や第2モータ/ジェネレータ132の動作を制御する電子制御装置(以下、「モータジェネレータECU」という。)12と、が設けられている。そのメインECU10は、エンジンECU11とモータジェネレータECU12に接続されており、これらの間で各種センサの検出信号や制御指令等の授受を行うことができる。本実施例1の車両制御装置は、少なくともそのメインECU10、エンジンECU11及びモータジェネレータECU12によって車体制振制御装置としての機能を為す。
本実施例1の車両制御装置による車体制振制御動作の一例について詳述する。本実施例1の車体制振制御は、車体に発生するバネ上振動(バウンス振動及びピッチ振動)を抑える為の制振制御補償量を求め、この制振制御補償量に相当するエンジントルク又は/及びモータトルクを出力して車体に発生させることで実行する。本実施例1においては、車体のバネ上振動の運動モデルを構築し、その運動モデルでバネ上振動の状態変数を算出する。そのバネ上振動の状態変数とは、運転者の駆動要求に応じた要求車両駆動トルクTddr(具体的にはこれを駆動輪WFL,WFRの要求車輪トルクTw0に換算した値)と、現在の車輪トルクTw(具体的にはこれの推定値)と、を運動モデルに入力した際の車体の変位z、θとこれらの変化率dz/dt、dθ/dtのことをいう。そして、本実施例1においては、その状態変数が0又は最小値に収束するように運転者による要求車両駆動トルクTddrや、要求エンジントルク、要求モータトルクなどの修正を行って車両駆動装置の出力(駆動トルク、駆動力)を調節し、かかるバネ上振動が抑制されるようにする。
この車両制御装置の構成について模式的に表した制御ブロック図を図3に示す。この車両制御装置は、運転者の駆動要求に応じた要求車両駆動トルクTddrを演算する運転者要求演算部1と、最終的な要求車両駆動トルクTdrを演算する車両駆動トルク演算部2と、エンジン制御量(要求エンジントルクTer及び要求エンジン回転数Ner)を演算するエンジン制御量演算部3と、そのエンジン制御量に基づきエンジン110の制御を行うエンジン制御部4と、モータジェネレータ制御量(要求モータトルクTmg1r,Tmg2r)を演算するモータジェネレータ制御量演算部(以下、「MG制御量演算部」という。)5と、そのモータジェネレータ制御量(以下、「MG制御量」という。)に基づき第1及び第2のモータ/ジェネレータ131,132の制御を行うモータジェネレータ制御部(以下、「MG制御部」という。)6と、を備える。更に、この車両制御装置には、車体のバネ上振動を抑制させる為の制振制御補償量を演算する制振制御量演算部7と、そのバネ上振動の振動状態を推定する為の基となる情報を検出する振動情報検出部8と、を設けている。ここで例示しているハイブリッド車両100においては、そのエンジン制御部4とMG制御部6が各々エンジンECU11とモータジェネレータECU12に設けられており、残りの各種演算部1−3,5,7と振動情報検出部8とがメインECU10に設けられている。
運転者要求演算部1は、運転者のアクセル操作に伴う駆動要求情報とその際の車速に関する情報とに基づいて、運転者による要求車両駆動トルクTddrを求める。例えば、その駆動要求情報としては、アクセル開度θaを利用する。また、車速に関する情報としては、車速Vの情報、車輪回転角速度ωの情報、車輪速度Vwの情報、変速機の搭載された車両であればその出力軸の回転角速度の情報などを利用する。ここでは、車輪速度Vw(=r・ω)を使うことにする。「r」は、車輪半径である。要求車両駆動トルクTddrとは、運転者の駆動要求を満たす為に出力させる各動力源の出力トルクの合計(以下、「全出力トルク」という。)の要求値のことである。
車両駆動トルク演算部2は、運転者による要求車両駆動トルクTddrを基にして、各動力源による全出力トルクの最終的な要求値を要求車両駆動トルクTdrとして求める。その要求車両駆動トルクTdrは、運転者による要求車両駆動トルクTddrに対して所定の補正を行ったものである。例えば、制動時には、その際の制動トルク(>0)を要求車両駆動トルクTddrから減算する。また、この車両駆動トルク演算部2においては、HV基本性能保護値を運転者による要求車両駆動トルクTddrから加減算する。これが為、この場合の最終的な要求車両駆動トルクTdrは、運転者の駆動要求とHV基本性能の全てを満たすことが可能な動力源の全出力トルクとなる。
ここで、そのHV基本性能とは、ハイブリッド車両に求められる基本性能のことであり、例えばドライバビリティ、ギヤの歯打ち等による騒音や振動に対する性能(所謂音振性能)、バッテリ収支、バッテリ収支を規定の範囲内に維持する為のエンジン110とモータ/ジェネレータ(第1及び第2のモータ/ジェネレータ131,132)との間のパワー収支、部品の保護等である。そして、HV基本性能保護値とは、HV基本性能を補償する為に必要なHV基本性能補償量のことであり、現在の車両状態とHV基本性能のずれに応じて設定される。
ところで、図3の例示においては、車両駆動トルク演算部2の入力側(つまり運転者要求演算部1との間)に加算器add1を設けており、この加算器add1で運転者による要求車両駆動トルクTddrと制振制御量演算部7で設定した制振制御補償量(後述する制振制御トルクTdc)とを加算させる。これが為、この例示の車両駆動トルク演算部2においては、その加算値に対して上記の補正を行う。従って、この例示における要求車両駆動トルクTdrは、運転者の駆動要求とHV基本性能を満たすだけでなく、バネ上振動の抑制についても可能にする動力源の全出力トルクとなる。
エンジン制御量演算部3は、運転者による要求車両駆動トルクTddrを基にして、エンジン制御量(要求エンジントルクTer及び要求エンジン回転数Ner)を求める。ここでは、運転者要求演算部1への車速に関する情報(車輪速度Vw)も入力されるので、その情報も加味してエンジン制御量の設定を行う。また、このエンジン制御量演算部3においては、動力分割機構120や動力伝達機構150等の動力伝達手段におけるギヤ比、バッテリ141の残存蓄電量なども考慮に入れて、エンジン制御量を求める。その演算の際には、例えば、良好な燃費性能で運転させるべく、要求車両駆動トルクTddrを満足させる最適燃費線上の要求エンジントルクTerと要求エンジン回転数Nerをマップから求めればよい。その要求エンジントルクTerと要求エンジン回転数Nerは、エンジン制御部4に送られる。また、要求エンジントルクTerについては、MG制御量演算部5にも送られる。
ここで、図3の例示においては、上記の加算器add1における要求車両駆動トルクTddrと制振制御トルクTdcとの加算値がエンジン制御量演算部3に入力される。これが為、この例示のエンジン制御量演算部3においては、その加算値に基づいてエンジン制御量の演算を行う。従って、そのエンジン制御量は、制振制御補償量が考慮されたものとなる。
エンジン制御部4は、受け取ったエンジン制御量(要求エンジントルクTer及び要求エンジン回転数Ner)となるようにエンジン110のスロットル開度等を制御する。
MG制御量演算部5には、その要求エンジントルクTerの他に車両駆動トルク演算部2から要求車両駆動トルクTdrが入力される。このMG制御量演算部5は、減算噐5aを備えており、この減算噐5aにおいて要求車両駆動トルクTdrから要求エンジントルクTerを減算する。例えば、エンジン110の動力のみで走行するエンジン走行モードのときには、その減算値が0となり、第1及び第2のモータジェネレータ131,132の双方とも力行駆動も回生駆動もさせないように要求モータトルクTmg1r,Tmg2rを0に設定する。一方、モータ/ジェネレータ(ここでは第2モータ/ジェネレータ132)の動力のみで走行する所謂EV走行モードのときには、要求エンジントルクTerが0になっているので、例えば加速時であれば要求モータトルクTmg2r=Tdrとなり、要求モータトルクTmg1rが0になる。また、エンジン110とモータ/ジェネレータ(第2モータ/ジェネレータ132)の双方の動力で走行するハイブリッド走行モードのときには、例えば減算値(=Tdr−Ter)が正ならば第2モータ/ジェネレータ132を力行駆動させるようその減算値を要求モータトルクTmg2rに設定し、減算値が負ならば第1モータジェネレータ131を回生駆動させるようその減算値を要求モータトルクTmg1rに設定する。その要求モータトルクTmg1r,Tmg2rは、MG制御部6に送られる。この例示においては、演算されたMG制御量(要求モータトルクTmg1,Tmg2)が制振制御補償量の考慮されたものになっている。
MG制御部6は、受け取ったMG制御量(要求モータトルクTmg1,Tmg2)となるように第1及び第2のモータジェネレータ131,132の制御を行う。
制振制御量演算部7は、車体に発生するバネ上振動を抑える為の制振制御補償量を当該技術分野における周知の手法を用いて求めるものである。例えば、ここでは、バネ上振動の運動モデルでバネ上振動の状態変数を算出し、その状態変数を0又は最小値に収束させる駆動輪WFL,WFRの車輪トルク補償値Twcを求め、これを制振制御トルクTdc(制振制御補償量)に置き換える。具体的に、この制振制御量演算部7には、フィードフォワード制御部7aとフィードバック制御部7bが用意されている。
そのフィードフォワード制御部7aは、所謂最適レギュレータの構成を有するものであり、運転者による要求車両駆動トルクTddrを要求車輪トルクTw0に換算する車輪トルク換算部7cと、その要求車輪トルクTw0に基づきバネ上振動の状態変数を求めるバネ上振動の運動モデル部7dと、その状態変数を0又は最小値に収束させる為の要求車輪トルクTw0の修正量を求めるFF二次レギュレータ部7eと、を有している。その要求車輪トルクTw0とは、運転者の駆動要求に応じた駆動輪WFL,WFRの車輪トルクの要求値である。運動モデル部7dでは、入力された要求車輪トルクTw0に対する車体の状態変数の応答が算出される。一方、FF二次レギュレータ部7eでは、後述する所定のゲインKに基づいて、その状態変数を0又は最小値に収束させるFF系制振トルク補償量U・FFが算出される。そのFF系制振トルク補償量U・FFとは、運転者による要求車輪トルクTw0の修正量のことであり、フィードフォワード制御系で設定される制振制御のフィードフォワード制御量(FF制御量)、即ちフィードフォワード制御における車体の制振制御補償量のことを云う。そのFF制御量は、運転者による要求車両駆動トルクTddrに基づいたものとなる。
フィードバック制御部7bも所謂最適レギュレータの構成を有している。このフィードバック制御部7bは、駆動輪WFL,WFRの車輪トルク推定値Twを推定する車輪トルク推定部7fと、フィードフォワード制御部7aと兼用の運動モデル部7dと、FB二次レギュレータ部7gと、を備えている。このフィードバック制御部7bにおいては、車輪トルク推定部7fが後述するように車輪回転角速度ω又は車輪速度Vwに基づいて駆動輪WFL,WFRの車輪トルク推定値Twを算出し、この車輪トルク推定値Twが外乱入力として運動モデル部7dに入力される。この運動モデル部7dでは、入力された車輪トルク推定値Twに対する車体の状態変数の応答が算出される。一方、FB二次レギュレータ部7gでは、後述する所定のゲインKに基づいて、その状態変数を0又は最小値に収束させるFB系制振トルク補償量U・FBが算出される。そのFB系制振トルク補償量U・FBとは、運転者による要求車輪トルクTw0の修正量のことであり、フィードバック制御系で設定される制振制御のフィードバック制御量(FB制御量)、即ちフィードバック制御における車体の制振制御補償量のことを云う。そのFB制御量は、路面から車輪WFL,WFR,WRL,WRRへの入力による外力又はトルク(外乱)に基づく車輪回転角速度ω又は車輪速度Vwの変動分に応じたものとなる。尚、本実施例1においてはフィードフォワード制御部7aとフィードバック制御部7bとで運動モデル部7dを兼用させているが、運動モデル部は、夫々個別に用意してもよい。
このように、FF系制振トルク補償量U・FFは、運転者のアクセル開度θa(運転者の操作状態)に基づき設定されたものとなる。また、FB系制振トルク補償量U・FBは、車輪回転角速度ω又は車輪速度Vw(車両状態)に基づき設定されたものとなる。前述したように、車体に発生する振動は、運転者の操作状態を示す情報、車両状態を示す情報、車外環境情報等により検出される。これが為、この制振制御量演算部7においては、より精度良く振動状態を推定する為に、フィードフォワード制御部7aにFF制御変更部7h及びFF制御ゲイン設定部7iを設けると共に、フィードバック制御部7bにFB制御変更部7j及びFB制御ゲイン設定部7kを設ける。そのFF制御変更部7h及びFF制御ゲイン設定部7iは、FF系制振トルク補償量U・FFを更に車両状態等に応じて変更(補正)する為のものである。一方、FB制御変更部7j及びFB制御ゲイン設定部7kは、FB系制振トルク補償量U・FBを更に運転者の操作状態等に応じて変更(補正)する為のものである。
FF制御変更部7hは、FF二次レギュレータ部7eから入力されたFF系制振トルク補償量U・FFにFF制御ゲインK・FFを乗算し、そのFF系制振トルク補償量U・FFを車両状態等に応じたものへと変更(補正)する。そのFF制御ゲインK・FFは、車両状態等に応じてFF制御ゲイン設定部7iで設定される。
一方、FB制御変更部7jは、FB二次レギュレータ部7gから入力されたFB系制振トルク補償量U・FBにFB制御ゲインK・FBを乗算し、そのFB系制振トルク補償量U・FBを運転者の操作状態等に応じたものへと変更(補正)する。そのFB制御ゲインK・FBは、運転者の操作状態等に応じてFB制御ゲイン設定部7kで設定される。
この制振制御量演算部7においては、そのFF系制振トルク補償量U・FFとFB系制振トルク補償量U・FBとが加算器7lに送信される。この加算器7lにおいては、そのFF系制振トルク補償量U・FFとFB系制振トルク補償量U・FBとが加算される。その加算値は、車体制振制御用の車輪トルク補償値Twcとなる。その車輪トルク補償値Twcは、駆動輪WFL,WFRにおける制振制御補償量である。この車輪トルク補償値Twcは、駆動トルク換算部7mに入力され、この駆動トルク換算部7mにて車両駆動装置の要求トルク(駆動トルク)の単位に換算される。ここでは、各動力源の出力トルクの単位へと換算する。この制振制御量演算部7においては、その換算値が最終的な制振制御補償量としての制振制御トルクTdcとなる。
この例示においては、その制振制御トルクTdcを加算器add1に入力するので、エンジントルクとモータトルクの双方を用いてバネ上振動の抑制を図ることになる。一方、エンジントルクのみでバネ上振動の抑制を図る場合には、エンジン制御量演算部3又はその入力側に加算器を設け、車両駆動トルク演算部2には制振制御トルクTdcに係る要素が入力されないようにすればよい。この場合、エンジン制御量演算部3においては、要求車両駆動トルクTddrと制振制御トルクTdcとの加算値に基づいてエンジン制御量の演算が行われる。また、モータトルクのみでバネ上振動の抑制を図る場合には、MG制御量演算部5又はその入力側(つまり車両駆動トルク演算部2との間)若しくは出力側(つまりMG制御部6との間)に加算器を設け、車両駆動トルク演算部2とエンジン制御量演算部3には制振制御トルクTdcに係る要素が入力されないようにすればよい。これにより、この場合には、制振制御トルクTdcがモータトルクのみで出力されることになる。
このように、この車体制振制御においては、車体のバネ上振動(バウンス振動及びピッチ振動)の力学的運動モデルを仮定して、運転者による要求車輪トルクTw0及び車輪トルク推定値Tw(外乱)を入力としたバウンス方向及びピッチ方向の状態変数の状態方程式を構成する。そして、この車体制振制御では、その状態方程式から、最適レギュレータの理論を用いてバウンス方向及びピッチ方向の状態変数が0に収束する入力(トルク値)を決定し、そのトルク値を制振制御補償量(制振制御トルクTdc)とする。
かかる力学的運動モデルとしては、図4に示す如く、車体を質量Mと慣性モーメントIの剛体Sと見做し、その剛体Sが弾性率kf及び減衰率cfの前輪サスペンションと弾性率kr及び減衰率crの後輪サスペンションによって支持されているものを例示する(車体のバネ上振動モデル)。この場合の車両重心Cgにおけるバウンス方向の運動方程式とピッチ方向の運動方程式については、各々下記の式1,2の如く表すことができる。
Figure 0005381877
Figure 0005381877
その式1,2において、Lf,Lrは、各々車両重心Cgから前輪軸までの距離と後輪軸までの距離を表しており、rは、車輪半径を表している。また、hは、路面から車両重心Cgまでの距離を表している。尚、その式1において、第1項と第2項は、前輪軸からの力の成分であり、第3項と第4項は、後輪軸からの力の成分である。また、式2において、第1項は、前輪軸からの力のモーメント成分であり、第2項は、後輪軸からの力のモーメント成分である。また、この式2の第3項は、駆動輪WFL,WFRで発生している車輪トルクT(=Tw0+Tw)が車両重心Cg周りに与える力のモーメント成分である。
これら式1,2は、車体の変位z、θとこれらの変化率dz/dt、dθ/dtを状態変数ベクトルX(t)として、下記の式3の如く(線形システムの)状態方程式の形式に書き換えることができる。
Figure 0005381877
この式3において、X(t)、A、Bは、夫々下記の通りである。
Figure 0005381877
その行列Aの各要素a1からa4及びb1からb4は、夫々上記の式1,2にz、θ、dz/dt、dθ/dtの係数をまとめることにより与えられ、
a1=−(kf+kr)/M、
a2=−(cf+cr)/M、
a3=−(kf・Lf−kr・Lr)/M、
a4=−(cf・Lf−cr・Lr)/M、
b1=−(Lf・kf−Lr・kr)/I、
b2=−(Lf・cf−Lr・cr)/I、
b3=−(Lf・kf+Lr・kr)/I、
b4=−(Lf・cf+Lr・cr)/I
となる。
また、この式3のu(t)は、下記の式5に示すものであり、この式3にて表される線形システムの入力である。
Figure 0005381877
従って、上記の式2より、行列Bの要素p1は、下記の式6で示すことができる。
Figure 0005381877
上記の式3(状態方程式)においてu(t)を下記の式7のようにおくと、この式3は、下記の式8の如く表すことができる。
Figure 0005381877
Figure 0005381877
従って、X(t)の初期値X(t)をX(t)=(0,0,0,0)と設定して(トルク入力がされる前には振動はないものとする)、状態変数ベクトルX(t)の微分方程式(式8)を解いたときに、X(t)、即ちバウンス方向及びピッチ方向の変位及びその時間変化率の大きさを0に収束させるゲインKが決定されれば、バネ上振動を抑制するトルク値u(t)が決定されることになる。
ゲインKは、所謂最適レギュレータの理論を用いて決定することができる。この理論によれば、下記の式9の2次形式の評価関数J(積分範囲は0から∞)の値が最小になるときに、状態方程式(式3)においてX(t)が安定的に収束し、その評価関数Jを最小にする行列Kは、下記の式10に示す如く与えられることが知られている。
Figure 0005381877
Figure 0005381877
ここで、Pは、リカッティ方程式(式11)の解である。このリカッティ方程式は、線形システムの分野において知られている任意の方法により解くことができ、これによりゲインKが決定される。
Figure 0005381877
尚、評価関数J及びリカッティ方程式中のQ、Rは、夫々任意に設定される半正定対称行列、正定対称行列であり、システムの設計者により決定される評価関数Jの重み行列である。例えば、ここでの運動モデルの場合、Q、Rは、下記の如くおき、上記の式9において、状態変数ベクトルX(t)の成分の内の特定のもの(例えばdz/dt、dθ/dt)のノルム(大きさ)をその他の成分(例えばz、θ)のノルムより大きく設定すると、ノルムを大きく設定された成分が相対的に、より安定的に収束されることとなる。また、Qの成分の値を大きくすると、過渡特性重視、即ち状態変数ベクトルX(t)の値が速やかに安定値に収束し、Rの値を大きくすると、消費エネルギが低減される。
Figure 0005381877
本実施例1の車体制振制御においては、図3に示す如く、運動モデル部7dでトルク入力値を用いて式3の微分方程式を解くことにより、状態変数ベクトルX(t)が算出される。続いて、FF二次レギュレータ部7eやFB二次レギュレータ部7gにおいては、ゲインKを運動モデル部7dの出力である状態変数ベクトルX(t)に乗じてU(t)を得る。そのゲインKとは、状態変数ベクトルX(t)を0又は最小値に収束させるべく決定されたものである。また、FF二次レギュレータ部7eやFB二次レギュレータ部7gで得られたU(t)とは、夫々FF系制振トルク補償量U・FFやFB系制振トルク補償量U・FBのことである。この乗算値U(t)は、バネ上振動の振動方向に応じて正又は負の値を示す。更に、ここでは、FF制御変更部7hにおいてそのFF系制振トルク補償量U・FFを変更(補正)し、FB制御変更部7jにおいてそのFB系制振トルク補償量U・FBを変更(補正)する。続いて、その変更(補正)されたFF系制振トルク補償量U・FFやFB系制振トルク補償量U・FBに基づく車輪トルク補償値Twcが駆動トルク換算部7mで制振制御トルクTdcに換算される。その最終的な制振制御補償量たる制振制御トルクTdcは、加算器add1において運転者による要求車両駆動トルクTddrに加算される。かかるシステムは、共振システムであり、任意の入力に対して状態変数ベクトルX(t)の値が実質的にシステムの固有振動数の成分のみとなる。従って、U(t)の換算値が要求車両駆動トルクTddrから加算(U(t)が負のときは実質的に減算となる)されるよう構成することによって、要求車両駆動トルクTddrの内、システムの固有振動数の成分、即ち車体においてバネ上振動を引き起こす成分が修正され、そのバネ上振動が抑制されることになる。運転者から与えられる要求トルクにおいて、システムの固有振動数の成分がなくなると、車両駆動装置に入力される運転者による要求車両駆動トルク指令の内、システムの固有振動数の成分は、−U(t)のみとなり、Tw(外乱)による振動が収束することとなる。
ここで、上記の例示における車体のバウンス方向及びピッチ方向の力学的運動モデルとしては、例えば図5に示すように、図4の構成に加えて、前車輪及び後車輪のタイヤのバネ弾性を考慮したモデル(車体のバネ上・下振動モデル)が採用されてもよい。前車輪及び後車輪のタイヤが夫々弾性率ktf、ktrを有しているとすると、図5からも明らかなように、車両重心Cgのバウンス方向の運動方程式とピッチ方向の運動方程式は、下記の式13a〜13dのように表すことができる。
Figure 0005381877
これら各式において、xf、xrは、前車輪、後車輪のバネ下変位量であり、mf、mrは、前車輪、後車輪のバネ下の質量である。式13a〜13dは、z、θ、xf、xrとその時間微分値を状態変数ベクトルとして、図4の場合と同様に、上記の式3のような状態方程式を構成し(但し、行列Aは、8行8列、行列Bは、8行1列となる。)、最適レギュレータの理論に従って状態変数ベクトルの大きさを0に収束させるゲイン行列Kを決定することができる。この場合の実際のバネ上制振制御についても、図4の場合と同様である。
更に、フィードバック制御部7bにおいては、外乱として入力される車輪トルクについて、例えば各車輪WFL,WFR,WRL,WRRにトルクセンサを設けて実際に検出させるように構成してもよいが、ここでは走行中に振動情報検出部8で検出したその他の値に基づき推定させることにする。この例示においては、振動情報検出部8として駆動輪WFL,WFRの車輪速度センサを用い、その車輪速度センサで車輪回転角速度ωを検出する。例えば、車輪トルク推定部7fは、その車輪回転角速度ωの時間微分を用いて、下記の式14により車輪トルク推定値Twを推定(算出)することができる。
Figure 0005381877
ここで、駆動輪WFL,WFRの路面の接地個所において発生している駆動力の総和が車両全体の駆動力M・G(G:車両前後加速度)に等しいとすると、車輪トルク推定値Twは、下記の式15にて与えられる。
Figure 0005381877
また、ハイブリッド車両100の車両前後加速度Gは、車輪回転角速度ωの微分値より、下記の式16によって与えられる。
Figure 0005381877
この式15,16により、車輪トルク推定値Twは、上記の式14で推定できることが判る。
このように、この車両制御装置においては、振動情報検出部8で検出した振動情報に基づいて振動状態を推定する。上記の具体例においては、振動情報たる車輪回転角速度ωに基づき求めた車輪トルク推定値Twが振動による車輪トルク変動を示しており、振動状態を表している。ここで、その車輪回転角速度ωに車輪半径rを乗算して得られる車輪速度Vw(=r・ω)を振動情報として制振制御量演算部7に入力させてもよく、図3においては、そのような形態を例示している。従って、その例示では、車輪回転角速度ωの入力された制動制御装置9で車輪速度Vw(=r・ω)を演算し、その車輪速度Vwを制振制御量演算部7に入力している。尚、その車輪トルク推定値Twは、車輪回転角速度変動や車輪速度変動に応じたものである。故に、その車輪回転角速度変動や車輪速度変動についても振動状態を表している。また、その車輪回転角速度ωについては、駆動輪たる前輪WFL,WFRのものとして例示したが、従動輪たる後輪WRL,WRRのものであってもよい。
ところで、制振制御量演算部7への入力信号にノイズが重畳されている場合には、サンプリングの周期如何でそのノイズがサンプリングの限界周波数を超えて、所謂エイリアシングが発生することがある。これにより、その際には、入力信号に重畳されているノイズが1.5Hzを含む偽の周波数に変化し、振動情報が誤って認識される可能性があるので、振動状態の推定精度の低下を引き起こす虞がある。例えば、上記の例示においては、車輪回転角速度ω又は車輪速度Vwの入力信号に基づき得られる車輪回転角速度変動又は車輪速度変動が誤って認識される可能性があるので、車輪トルク変動(車輪トルク推定値Tw)の推定精度が低下してしまう虞がある。従って、その際には、制振制御補償量が制振に適した量に設定され難くなり、振動に対する制振性能を低下させてしまう虞がある。より具体的に例を挙げるとすれば、車輪速度Vwが制動制御装置9のブレーキECU(図示略)において6msの演算周期で演算され、その車輪速度Vwの信号を車内送信で他のECU(メインECU10)に送信する際の送信周期を12msとする。この場合、例えば車両に6msのサンプリング限界周波数の車輪速度ノイズ(85Hz)が乗ったとすると、エイリアシング周波数fa=85−(1/0.012)≒1.66(Hz)となり、偽の周波数になる。そのエイリアシング周波数faは、下記の式17によって導かれる。「f0」は入力信号(源信号)の周波数であり、「fs」はサンプリング周波数である。ここでは、f0=85Hz、fs=1/0.012≒83.33Hzであるので、「fs≦f0≦3fs/2」の成立する上から3番目の式により導かれている。故に、この場合には、制振制御量演算部7に入力される車輪速度Vwの入力信号に偽の1.5Hzを含む周波数が重畳されることで、正しく車体制振制御を実行できなくなる。
Figure 0005381877
そこで、本実施例1の車両制御装置においては、エイリアシングによる振動に対する車体の制振性能の低下を抑える制振性能低下抑制装置を設ける。
本実施例1においては、制振制御量演算部7への入力信号が所定の条件を満たすときにエイリアシングの発生の虞があると判定させる。そして、ここでは、その判定が為された際に、その入力信号に対して所定の処理を行い、エイリアシング現象の発生を回避させる。尚、エイリアシング現象とは、或る信号をサンプリングした際にサンプリング情報から元の信号(源信号)が正しく再現できなくなる現象のことを云う。
制振制御量演算部7には、入力信号が所定の条件を満たすのか否かについて判定する入力信号判定部7nを設ける。この入力信号判定部7nには、振動情報検出部8の検出信号又はその検出信号に基づいた信号が入力される。図3の例示においては振動情報検出部8の車輪回転角速度ωに基づき演算された車輪速度Vw(=r・ω)を入力させるが、入力信号は、前述した回転体の回転数(回転速度)、つまり車輪回転角速度ω、エンジン回転数、モータ回転数、変速機の出力軸の回転数等であってもよい。
この入力信号判定部7nは、入力信号が所定の領域にあるときに、エイリアシングの発生の虞があると判定する。入力信号が回転体の回転数(回転速度)ならば、入力信号判定部7nは、その入力信号が所定の回転領域にあるときに、エイリアシングの発生の虞があると判定する。例えば、その回転数のn次成分を利用して判定する場合、その所定の回転領域は、そのn次成分が所定のサンプリング周波数にて所定の領域にあるときの回転数(或る1つの回転数でもよく、幅を持たせた回転数でもよい)に設定する。n次成分とは、回転体の1回転を1周期とし、その1周期当りの振動の回数、つまり振動数を示すものである。ここで、所定のサンプリング周波数とは、その入力信号(源信号)を始めてサンプリングするときのサンプリング周波数、2回目以降のサンプリング時に再サンプリングや送信周期などによるダウンサンプリングがある場合には1番低いサンプリング周波数などのことである。ここでは、サンプリング周波数がその2つの内の少なくとも1つに該当するときに、所定のサンプリング周波数に該当しているものとする。一方、所定の領域とは、サンプリング周期によるエイリアシングでの偽の周波数が低周波(1.5Hz近傍)にあるときである。つまり、入力信号判定部7nは、例えば、入力された回転体の回転数のn次成分による偽の周波数が初サンプリング時のサンプリング周波数にて低周波(1.5Hz近傍)となるときに、その回転体の回転数がエイリアシングの発生の虞のある所定の回転領域になっている可能性ありと判断する。尚、ここではバネ上制振制御を例に挙げているので1.5Hz近傍としたが、バネ下制振制御のときには、エイリアシング周波数faが14Hz近傍、変速機等の駆動系の制振制御のときには8Hz近傍のときに、エイリアシングの発生の虞があるとすればよい。
入力信号判定部7nには、回転体がそのような所定の回転状態となったときにエイリアシングの発生の虞ありと判定させてもよいが、ここでは図6のフローチャートに示すように、回転体のそのような所定の回転状態が一定時間(例えば数ミリ秒s、数秒)続いたときにエイリアシングの発生の虞ありと判定させる。
入力信号判定部7nは、入力信号に係る回転体が一定時間継続して所定の回転状態になっているのか否かを判定する(ステップST1)。そして、入力信号判定部7nは、その所定の回転状態が一定時間続いていなければ、エイリアシングの発生の虞なしと判断して、入力された源信号たる生の入力信号(生値)を使って制振制御補償量の設定を実行させる(ステップST2)。一方、入力信号判定部7nは、所定の回転状態が一定時間続いていれば、エイリアシングの発生の虞ありと判断して、入力された源信号(入力信号)に所定のフィルタ処理を施したものを使って制振制御補償量の設定を実行させる(ステップST3)。
制振制御量演算部7には、その入力信号判定部7nから入力された判定結果に基づいて入力信号に所定の処理を行う入力信号処理部7oが設けられている。この入力信号処理部7oは、図7に示すように、所定のフィルタ71oと、入力信号判定部7nの判定結果に応じた信号を選択する信号選択噐72oと、を備える。その所定のフィルタ71oは、入力信号の低周波成分のみを通過させるローパスフィルタ(LPF)又はハイカットフィルタ(HCF)である。このフィルタ71oのカットオフ周波数は、エイリアシングの発生を抑えるように、例えばナイキスト周波数(サンプリング周波数fsの1/2の周波数)に設定する。信号選択噐72oは、例えば切替スイッチ回路であり、入力信号判定部7nが上記ステップST2の判定結果を得たならば、生の入力信号が車輪トルク推定部7fに入力されるよう接点の切り替えを行い、上記ステップST3の判定結果を得たならば、フィルタ71oを介した入力信号が車輪トルク推定部7fに入力されるよう接点の切り替えを行う。
このように、この車両制御装置においては、エイリアシングの発生の虞がない場合、生の入力信号を用いて精度良く車輪トルク変動(車輪トルク推定値Tw)の推定を行うことができる。これが為、この場合には、適切な制振制御補償量の設定が可能であり、適切な車体制振制御を実行できるので、車体のバネ上振動を高精度に抑えることができる。一方、この車両制御装置においては、エイリアシングの発生の虞がある場合に、上記のフィルタ処理後の入力信号を用いて車輪トルク変動の推定を行う。これが為、この場合には、エイリアシングの発生を回避できるので、車輪トルク変動を精度良く推定することができる。従って、この車両制御装置においては、このようなエイリアシングの発生の虞がある場合でも、適切な車体制振制御による精度の高い車体のバネ上振動の抑制が可能になる。尚、ここでは、入力信号判定部7nと入力信号処理部7oが制振性能低下抑制装置として働く。
ここで、図3の例示においては、運転者要求演算部1にも車輪速度Vw(=r・ω)が入力されている。これが為、その入力信号に係る回転体(車輪)についても上記の判定を行い、エイリアシングの発生の虞があるならば、その入力信号に対して同様のフィルタ処理を行ってもよい。
本実施例1においては制振制御量演算部7に入力される振動情報として回転体の回転数(回転速度)を例示したが、その振動情報は、振動を把握できるものであれば如何様なものであってもよい。例えば、車両前後加速度や車両横加速度等の車両加速度情報の利用が可能である。この車両加速度情報が振動情報として入力される場合、入力信号判定部7nには、加速度センサのノイズによる偽の周波数が所定のサンプリング周波数にて低周波(1.5Hz近傍)となるときに、エイリアシングの発生の虞ありと判断させる。その所定のサンプリング周波数は、先に示したものと同じである。また、その振動情報としては、走行路からの入力に伴う振動が走行路情報として予め認識できるのであれば、その走行路情報を地図情報等と共に特定する為の自車位置情報の利用が可能である。その自車位置情報とは、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)の検出信号やカーナビゲーションシステムの検出信号等である。また、制振制御量演算部7には、回転体の回転数や車両加速度情報等の上述した各種振動情報の内の複数のものを入力させてもよい。
回転体の回転数や車両加速度情報等の複数種類の振動情報が入力可能な場合には、その各々においてエイリアシングの発生の虞があるのか否かを判定させることが好ましい。また、この場合には、上記ステップST3の判定結果となった際に、その全てに対して上記のフィルタ処理を行うことが車輪トルク変動の推定精度を高める上で好ましいが、その内の少なくとも1つに対してフィルタ処理を施すだけでも車輪トルク変動の推定精度を向上させることができる。
ここで、本実施例1においては、所定の回転状態が一定時間継続しているときにエイリアシングの発生の虞があると判断させた。これに替えて、所定の回転状態にあるとの判定が所定時間内に所定回数行われたときに、エイリアシングの発生の虞があると判断させてもよい。
また、入力信号判定部7nには、入力信号が所定の回転領域にあるときにエイリアシングの発生の虞があると判定させて、その入力信号にフィルタ処理を実行させたが、回転領域に関係なく入力信号にフィルタ処理を実行させてもよい。
[実施例2]
本発明に係る車両制御装置の実施例2を図8及び図9を用いて説明する。
前述した実施例1で行ったフィルタ処理は、エイリアシングの発生を回避できる反面、フィルタ71oの通過に伴って信号に遅れを生じさせる虞があるので、生の入力信号と比較してしまうと制振制御補償量の正確性を低下させる可能性がある。
そこで、本実施例2においては、入力信号処理部7oを介することなく入力信号が車輪トルク推定部7fに入力されるよう制振制御量演算部7を設定してもよい。そして、エイリアシングの発生の虞がある場合には、FB制御ゲイン設定部7kに指令を送り、エイリアシングの影響を回避して精度の良い制振制御補償量が得られるようにFB制御ゲインK・FBを減少させてもよい。その際には、FF制御ゲイン設定部7iについてもFF制御ゲインK・FFを同様に減少させるようにしてもよい。この場合、車体制御装置においては、生の入力信号による遅れのない振動推定結果に基づいた補償量を制御ゲインで調整することになるで、適切な制振制御補償量を設定することができる。従って、この車体制御装置は、適切な車体制振制御による精度の高い車体のバネ上振動の抑制が可能になる。その際には、入力信号が所定の回転領域にあるときにエイリアシングの発生の虞があると判定して、制御ゲイン(FB制御ゲインK・FB、FF制御ゲインK・FF)の変更を行うが、回転領域に関係なく制御ゲインを変更してもよい。
また、そのフィルタ処理による遅れを回避する為には、以下のように入力信号判定部7nと入力信号処理部7oを設定し、エイリアシング現象の発生の虞がある場合に別の回転体の振動情報に基づく入力信号へと切り替えることで対処してもよい。
その入力信号処理部7oは、図8に示すように、複数種類の回転体の振動情報に基づく入力信号の切り替えが可能な信号選択噐73oを備える。例えば、ここでは、振動情報検出部8として、前輪WFL,WFRの車輪速度センサ、後輪WRL,WRRの車輪速度センサ及びモータ回転センサが用意されていると仮定する。この場合、信号選択噐73oは、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfと後輪WRL,WRRの車輪速度Vwrとモータ回転数Nmgとの間で信号の切り替えができるように設定する。例えば、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfを主とし、この車輪速度Vwfがエイリアシングの発生の可能性により使えないときに後輪WRL,WRRの車輪速度Vwrやモータ回転数Nmgを使うよう切り替えさせる。
入力信号判定部7nは、図9のフローチャートに示すように、前輪WFL,WFRが先の例示と同じように一定時間継続して所定の回転状態になっているのか否かを判定する(ステップST11)。そして、入力信号判定部7nは、その所定の回転状態が一定時間続いていなければ、前輪WFL,WFRでエイリアシングの発生の虞なしと判断して、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfの入力信号(生値)を使って制振制御補償量の設定を実行させる(ステップST12)。
一方、この入力信号判定部7nは、前輪WFL,WFRにおいて所定の回転状態が一定時間続いていれば、前輪WFL,WFRではエイリアシングの発生の虞ありと判断して、後輪WRL,WRRが一定時間継続して所定の回転状態になっているのか否かを同じように判定する(ステップST13)。そして、入力信号判定部7nは、その所定の回転状態が一定時間続いていなければ、後輪WRL,WRRでエイリアシングの発生の虞なしと判断して、後輪WRL,WRRの車輪速度Vwrの入力信号(生値)を使って制振制御補償量の設定を実行させる(ステップST14)。
これに対して、入力信号判定部7nは、後輪WRL,WRRにおいても所定の回転状態が一定時間続いていれば、後輪WRL,WRRでもエイリアシングの発生の虞ありと判断して、例えば第2モータ/ジェネレータ(MG2)132が同じように一定時間継続して所定の回転状態になっているのか否かを判定する(ステップST15)。そして、この入力信号判定部7nは、その所定の回転状態が一定時間続いていなければ、第2モータ/ジェネレータ132ではエイリアシングの発生の虞なしと判断して、モータ回転数Nmgの入力信号(生値)を使って制振制御補償量の設定を実行させる(ステップST16)。
この入力信号判定部7nは、第2モータ/ジェネレータ132においても所定の回転状態が一定時間続いていれば、判定対象となっている全ての回転体に係る入力信号でエイリアシングの発生の虞ありと判断して、車体制振制御を中断させる(ステップST17)。
信号選択噐73oは、その入力信号判定部7nから入力された判定結果に基づいて信号の切り替えを行う。この信号選択噐73oは、上記ステップST12の判定結果を得たならば、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfの入力信号(生値)が車輪トルク推定部7fに入力されるよう接点の切り替えを行う。同様に、信号選択噐73oは、上記ステップST14の判定結果を得たならば、後輪WRL,WRRの車輪速度Vwrの入力信号(生値)が車輪トルク推定部7fに入力されるよう接点の切り替えを行い、上記ステップST16の判定結果を得たならば、モータ回転数Nmgの入力信号(生値)が車輪トルク推定部7fに入力されるよう接点の切り替えを行う。
このように、本実施例2の車両制御装置においては、最初の回転体(前輪WFL,WFR)に係る入力信号でエイリアシングの発生の虞がない場合、生の前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfの入力信号を用いて精度良く車輪トルク変動(車輪トルク推定値Tw)の推定を行うことができ、適切な車体制振制御による精度の高い車体のバネ上振動の抑制が可能になる。一方、この車両制御装置においては、その回転体(前輪WFL,WFR)に係る入力信号でエイリアシングの発生の虞がある場合、順次他の回転体(後輪WRL,WRRや第2モータ/ジェネレータ132)についても同様の判定を行い、エイリアシングの発生の虞がない入力信号に切り替える。これが為、この車両制御装置では、この場合においてもエイリアシングの発生の虞のない生の入力信号を用いて精度良く振動状態の推定を行うことができる。この車両制御装置においては、そのようにしてエイリアシングの発生の虞のない入力信号を探しだし、その入力信号に切り替えて振動状態の推定を行う。従って、この車体制御装置は、エイリアシングの発生の虞のない生の入力信号を用いることができるので、フィルタ処理による信号の遅れを生じさせることなく適切な制振制御補償量を設定することができ、適切な車体制振制御による精度の高い車体のバネ上振動の抑制が可能になる。
ここで、本実施例2においては、所定の回転状態が一定時間継続しているときにエイリアシングの発生の虞があると判断させた。これに替えて、所定の回転状態にあるとの判定が所定時間内に所定回数行われたときに、エイリアシングの発生の虞があると判断させてもよい。
また、フィルタ処理による遅れを回避する為に、エイリアシングの発生の虞があると判断された入力信号のサンプリング周波数(例えば演算周期又は送信周期)を変更させることによって、エイリアシングの発生を抑えさせてもよい。
[実施例3]
本発明に係る車両制御装置の実施例3を図10及び図11を用いて説明する。
前述した実施例2の車両制御装置においては、エイリアシングの発生の虞があれば、別の入力信号に切り替えて、フィルタ処理を行わない生の入力信号で制振制御補償量の設定を行っている。しかしながら、この実施例2の車両制御装置では、少なくとも1つの入力信号に対してエイリアシングの発生の虞があることを予め検知又は推定できなければ、適切な制振制御補償量の設定を行えない。また、この実施例2の車両制御装置においては、例えば回転体の経年変化が起きている場合などのように、リアルタイムでエイリアシングの発生の虞があることを検知若しくは推定できなければ、適切な制振制御補償量の設定を行えない。
そこで、本実施例3においては、車体の制振制御に係る所定の信号に関して、所定の領域にて所定の状態が検知された場合に、その信号に係るサンプリング周波数(例えば演算周期又は送信周期)を変更させる。
ここで、所定の信号とは、先に例示した各種入力信号の内の少なくとも1つである。
所定の領域とは、所定の信号が回転体の回転数(入力信号)ならば、例えばその入力信号に係るエイリアシング周波数faが所定の範囲にあるときのことを云う。そのエイリアシング周波数faは、入力信号(源信号)の周波数f0と予めわかっているサンプリング周波数fsとを用いて、前述した式17に基づき演算する。この演算の際、入力信号(源信号)の周波数f0については、「f0=回転数(rps)×n次成分」と看做す。ここでは、そのエイリアシング周波数fa(サンプリング周期によるエイリアシングでの偽の周波数)が低周波(1.5Hz近傍)にあるときに、入力信号判定部7nが所定の領域になっていると判断する。また、入力信号判定部7nには、そのエイリアシング周波数faが所定周波数以下のときに所定の領域になっていると判断させてもよい。その所定周波数以下とは、信号にLPF等のフィルタ処理を行ってもノイズを除去できない状態を指す。尚、バネ下制振制御のときには、エイリアシング周波数faが14Hz近傍、駆動系の制振制御のときには8Hz近傍のときに、所定の領域となっている。
所定の信号が所定の状態になっているときとは、その信号に関してエイリアシングが発生しているときのことである。このときとは、例えば、その信号を入力信号判定部7nが周波数解析し、その解析結果における或る周波数の大きさが所定の大きさ以上になっているときが該当する。ここでは、FFT(Fast Fourier Transform)解析を行う。或る周波数とは、例えば、解析結果における全周波数の中で判定対象として予め決めた周波数等のことである。また、その所定の大きさとは、エイリアシングであるとの判断を行う為の閾値である。
入力信号判定部7nには、信号のFFT解析結果における判定対象の周波数が所定の大きさ以上になっているときに、エイリアシングの発生を判断させてもよいが、判断の正確性を期す為、ここではその状態が一定時間以上継続して検知されているときにエイリアシングの発生と判断させることにする。入力信号判定部7nは、エイリアシングの発生と判断した際に、入力信号処理部7oに対して信号の周期変更処理を要求する。
具体的に、入力信号判定部7nは、図10のフローチャートに示すように、例えば入力信号たる車輪速度Vw(=r・ω)をFFT解析し(ステップST21)、その解析結果における判定対象の周波数が一定時間続けて所定の大きさ以上になっているのか否かを判定する(ステップST22)。
この入力信号判定部7nは、判定対象の周波数が一定時間続けて所定の大きさ以上になっていなければ、エイリアシングが発生していないとの判断を行って、FFT解析を行った信号の演算周期又は送信周期の変更処理を行う必要なしと判断する(ステップST23)。この判定結果を受けた本実施例3の入力信号処理部7oは、FFT解析の対象となった信号(ここでは車輪速度Vw)の生値を車輪トルク推定部7fに送り、その信号を用いて制振制御補償量を演算させる。従って、このときの車体制御装置は、適切な車体制振制御による精度の高い車体のバネ上振動の抑制が可能になる。
一方、入力信号判定部7nは、判定対象の周波数が一定時間続けて所定の大きさ以上になっている場合、エイリアシングが発生しているとの判断を行って、FFT解析を行った信号の演算周期又は送信周期の変更処理を要求する(ステップST24)。
その周期変更処理要求を受けた入力信号処理部7oは、エイリアシングの発生を抑え得る周期へと変更が可能であるのか否かを判定する(ステップST25)。例えば、車輪速度Vwの演算周期の変更が可能であるのか否かを判定する場合、入力信号処理部7oは、制動制御装置9の演算処理能力(最大演算周期や最小演算周期)に基づいて、エイリアシングの発生を抑え得る演算周期へと変更ができるのか否かを判定する。また、車輪速度Vwの送信周期の変更が可能であるのか否かを判定する場合、入力信号処理部7oは、制動制御装置9の演算処理能力(最大送信周期や最小送信周期)に基づいて、エイリアシングの発生を抑え得る送信周期へと変更ができるのか否かを判定する。
入力信号処理部7oは、周期の変更が可能であれば、対象の装置に対してエイリアシングの発生を抑え得る周期への変更処理を実行させる(ステップST26)。例えば、車輪速度Vwの演算周期又は送信周期を変更する場合、入力信号処理部7oは、制動制御装置9に対して車輪速度Vwの演算周期又は送信周期の変更処理を実行させる。これにより、その後の入力信号判定部7nにおいては、周期変更後の信号のFFT解析結果に基づいてステップST22の判定が行われ、エイリアシングが発生していないと判断されて、ステップST23に進むことになる。従って、このときの車体制御装置は、入力信号(車輪速度Vw)の生値に基づいて、適切な車体制振制御による精度の高い車体のバネ上振動の抑制を行うことができる。
これに対して、入力信号処理部7oは、周期の変更が不可能と判定した場合、車体の制振制御の中断指示を行う(ステップST27)。例えば、その際の入力信号処理部7oは、車体の制振制御を中断させるべく、FF制御ゲイン設定部7iとFB制御ゲイン設定部7kとに指示を送り、各々にFF制御ゲインK・FFとFB制御ゲインK・FBとを0に設定させる。これにより、制振制御量演算部7においては、FF系制振トルク補償量U・FFとFB系制振トルク補償量U・FBとが0になり、制振制御補償量たる車輪トルク補償値Twcや制振制御トルクTdcが0になるので、制振制御が中断される。これが為、この車両制御装置は、エイリアシングによる誤った制振制御の実行を回避できる。また、ここでは車体の制振制御を中断させるが、入力信号処理部7oには、FF制御ゲインK・FFとFB制御ゲインK・FBを減少させ、制振制御補償量(車輪トルク補償値Twcや制振制御トルクTdc)を低く抑えさせてもよい。これにより、仮にエイリアシングと振動とが同時に発生していた場合でも、この車両制御装置は、エイリアシングによる誤った制振制御の実行を抑える一方で、車体の振動の抑制も図ることができる。従って、周期の変更が不可能な場合のFF制御ゲインK・FFとFB制御ゲインK・FBについては、FF制御ゲインK・FFとFB制御ゲインK・FBを最大で0まで減少させるようにしてもよい。
このように、本実施例3の車両制御装置は、エイリアシングの発生していない信号を用いて車体制振制御を実行することができる。そして、この車両制御装置においては、信号に対するエイリアシングの発生の有無をリアルタイムに判断できるので、エイリアシングの発生の虞があることを予め検知又は推定できなくても、また、例えば回転体の経年変化が起きていたとしても、適切な制振制御補償量の設定が可能になり、適切な車体制振制御を実行することができる。
ここで、このようなFFT解析結果における周波数の大きさを観てエイリアシングの発生の有無を判断する場合、入力信号判定部7nは、車両のおかれている環境によってエイリアシングであるとの誤った判断を行う虞がある。例えば大きな路面入力があったときには、その路面入力に伴い所定の大きさ以上になった周波数を観て、エイリアシングであるとの誤った判断を行う虞がある。これが為、エイリアシングであると判断した際には、別の信号に対しても同様のFFT解析を行い、その解析結果における周波数の大きさも観ることにする。入力信号判定部7nは、複数の信号に対するFFT解析結果を比較して、夫々のFFT解析結果が同等の結果となり、各々における或る周波数が同じように所定の大きさ以上になっている場合、路面入力によるものであり、エイリアシングではないと判断する。尚、この判断は、全ての信号の演算周期が他の周期(例えばその信号の送信周期)の整数倍になっていないことを条件にして行う。この場合には、車両のおかれている環境が例えば大きな路面入力のある環境であるので、そのような環境に合わせた信号のサンプリング周波数(演算周期又は送信周期)とする。一方、入力信号判定部7nは、夫々のFFT解析結果が異なり、各々における或る周波数について所定の大きさ以上になっているものと所定の大きさ以上になっていないものとが混在している場合、所定の大きさ以上になっている信号に関してエイリアシングが発生していると判断する。この場合には、車両のおかれている環境が例えば大きな路面入力のない環境であるが、エイリアシングが発生している環境下にあるので、そのような環境に合わせた信号のサンプリング周波数(演算周期又は送信周期)とする。
例えば、入力信号判定部7nは、図11のフローチャートに示すように、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwf(=r・ω)をFFT解析し(ステップST31)、その解析結果における判定対象の周波数が一定時間続けて所定の大きさ以上になっているのか否かを判定する(ステップST32)。
この入力信号判定部7nは、判定対象の周波数が一定時間続けて所定の大きさ以上になっていなければ、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfに関してエイリアシングが発生していないとの判断を行って、その車輪速度Vwfの演算周期又は送信周期の変更処理を行う必要なしと判断する(ステップST33)。この判定結果を受けた入力信号処理部7oは、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfの入力信号の生値を車輪トルク推定部7fに送り、その入力信号を用いて制振制御補償量を演算させる。従って、このときの車体制御装置は、適切な車体制振制御による精度の高い車体のバネ上振動の抑制が可能になる。
一方、入力信号判定部7nは、判定対象の周波数が一定時間続けて所定の大きさ以上になっている場合、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfに関してエイリアシングが発生している虞ありとの判断を行って、後輪WRL,WRRの車輪速度Vwr(=r・ω)をFFT解析し(ステップST34)、その解析結果における判定対象の周波数が一定時間続けて所定の大きさ以上になっているのか否かを判定する(ステップST35)。
入力信号判定部7nは、このステップST35で判定対象の周波数が一定時間続けて所定の大きさ以上になっていないと判定した場合、後輪WRL,WRRの車輪速度Vwrに関してエイリアシングが発生していないとの判断を行って、その車輪速度Vwrの演算周期又は送信周期の変更処理を行う必要なしと判断する(ステップST36)。この場合には、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfに関してエイリアシングが発生しているとの判断にも繋がるので、この判定結果を受けた入力信号処理部7oは、後輪WRL,WRRの車輪速度Vwrの入力信号の生値を車輪トルク推定部7fに送り、その入力信号を用いて制振制御補償量を演算させる。従って、このときの車体制御装置は、適切な車体制振制御による精度の高い車体のバネ上振動の抑制が可能になる。
また、この入力信号判定部7nは、ステップST35でも判定対象の周波数が一定時間続けて所定の大きさ以上になっていると判定した場合、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwf、後輪WRL,WRRの車輪速度Vwr共に、その判定結果がエイリアシングではなく路面入力によるものであると判断して、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwf及び後輪WRL,WRRの車輪速度Vwrの演算周期又は送信周期の変更処理を行う必要なしと判断する(ステップST37)。この判定結果を受けた入力信号処理部7oは、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwf又は後輪WRL,WRRの車輪速度Vwrの入力信号の生値を車輪トルク推定部7fに送り、その入力信号を用いて制振制御補償量を演算させる。従って、このときの車体制御装置は、適切な車体制振制御による精度の高い車体のバネ上振動の抑制が可能になる。
このように、この車両制御装置は、エイリアシングが発生しているときに、エイリアシングの発生していない別の信号に切り替えて車体制振制御を実行することができる。そして、この車両制御装置においても、信号に対するエイリアシングの発生の有無をリアルタイムに判断できるので、エイリアシングの発生の虞があることを予め検知又は推定できなくても、また、例えば回転体の経年変化が起きていたとしても、適切な制振制御補償量の設定が可能になり、適切な車体制振制御を実行することができる。
ここで、上記ステップST35で判定対象の周波数が一定時間続けて所定の大きさ以上になっていないと判定された場合、入力信号判定部7nには、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfの演算周期又は送信周期の変更処理を要求させてもよい。そして、入力信号処理部7oには、エイリアシングの発生を抑え得る周期へと変更が可能であるのか否かを判定させて、変更可能であれば、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfの演算周期又は送信周期を変更させる。これにより、その後の入力信号判定部7nにおいては、周期変更後の前輪WFL,WFRの車輪速度VwfのFFT解析結果に基づいてステップST32の判定が行われ、エイリアシングが発生していないと判断されて、ステップST33に進むことになる。従って、このときの車体制御装置は、前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfの入力信号の生値に基づいて、適切な車体制振制御による精度の高い車体のバネ上振動の抑制を行うことができる。尚、ここでは、周期変更の要否判定において変更不可能と判定されたとしても、後輪WRL,WRRの車輪速度Vwrを用いて適切な制振制御補償量を演算できるので、先の例示のように制振制御を中断させないことが望ましい。
また、ここでは複数の信号のFFT解析結果を比較してエイリアシングの有無を判断しているが、例えば、或る1種類の回転体に係る信号について、1周期等のように時間をずらした同じ回転体の信号のFFT解析結果を比較させることで、エイリアシングの有無を判断させてもよい。
ところで、本実施例3においては所定の信号として前述した実施例1及び2と同様の入力信号を例に挙げたが、その所定の信号としては、出力信号(制振制御補償量たる車輪トルク補償値Twcや制振制御トルクTdc)を利用してもよい。この場合、図10に示す例示においては、ステップST21で例えば入力信号たる車輪速度Vwに基づき演算された制振制御補償量(車輪トルク補償値Twc又は制振制御トルクTdc)をFFT解析させる。そして、ステップST26で周期変更処理を行うときには、例えば、FF制御変更部7h及びFB制御変更部7jにおけるFF系制振トルク補償量U・FF及びFB系制振トルク補償量U・FBの演算周期若しくは送信周期、又は、駆動トルク換算部7mにおける制振制御トルクTdcの演算周期若しくは送信周期をエイリアシングの発生を抑え得る周期へと変更させる。また、図11に示す例示においては、ステップST31で前輪WFL,WFRの車輪速度Vwfに基づき演算された制振制御補償量(車輪トルク補償値Twc又は制振制御トルクTdc)をFFT解析させ、ステップST34で後輪WRL,WRRの車輪速度Vwrに基づき演算された制振制御補償量(車輪トルク補償値Twc又は制振制御トルクTdc)をFFT解析させる。これらのようにしても、その各々において、先の入力信号のときと同様の効果を得ることができる。
また、入力信号が加速度センサの検出信号の場合には、直接サージが乗っていると看做すことが可能である。これが為、この場合における所定の信号が所定の状態になっているときとは、入力信号を入力の順に時系列で観て所定の大きさ以上になったときが該当する。その所定の大きさとは、エイリアシングであるとの判断を行う為の閾値である。
また、この例示では、判定対象の周波数が一定時間続けて所定の大きさ以上になっているときにエイリアシングであると判断させた。これに替えて、判定対象の周波数が所定の大きさ以上になっている状態を所定時間内に所定回数検知したときに、エイリアシングであると判断させてもよい。
また、入力信号判定部7nには、上述した所定の領域において判定対象の周波数が所定の大きさ以上になっているのか否かを判断させることにしているが、そのような領域に関係なく、かかる判断を実行させてもよい。
また、本実施例3においてはサンプリング周波数の変更によってエイリアシングの発生を抑えているが、その抑制の為には、前述した実施例2で説明したように制御ゲイン(FB制御ゲインK・FB、FF制御ゲインK・FF)を減少させるように変更してもよい。
以上のように、本発明に係る車両制御装置は、エイリアシングによる制振性能の低下を抑える為の技術に有用である。
1 運転者要求演算部
2 車両駆動トルク演算部
3 エンジン制御量演算部
4 エンジン制御部
5 MG制御量演算部
6 MG制御部
7 制振制御量演算部
7a フィードフォワード制御部
7b フィードバック制御部
7d 運動モデル部
7f 車輪トルク推定部
7h FF制御変更部
7i FF制御ゲイン設定部
7j FB制御変更部
7k FB制御ゲイン設定部
7l 加算器
7m 駆動トルク換算部
7o 入力信号処理部
7n 入力信号判定部
8 振動情報検出部
9 制動制御装置
71o フィルタ
72o 信号選択噐
73o 信号選択噐
add1 加算器

Claims (3)

  1. 駆動源の駆動制御量を制御して車体に発生する振動の抑制を図る車両制御装置において、
    振動情報に係る信号又は当該振動情報に基づき演算された制振制御補償量に係る信号に対してエイリアシングが発生する場合に、該エイリアシングによる前記振動に対する制振性能の低下を抑える制振性能低下抑制装置を設け
    前記制振性能低下抑制装置は、ナイキスト周波数よりも高い周波数をカットして、前記振動情報に係る信号の所定の周波数成分のみを通過させて前記エイリアシングの発生を抑えるフィルタを備え、該フィルタを介しても前記エイリアシングの発生を抑えることができない場合、該振動情報に係る信号のサンプリング周波数を変更することで前記エイリアシングの発生を抑えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記制振性能低下抑制装置は、前記サンプリング周波数の変更が不可能な場合、前記振動に対する制振制御を中断させる又は前記制振制御補償量を低く抑えることを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
  3. 前記制振性能低下抑制装置は、前記制振制御補償量の演算に用いるゲインを最大で0まで減少させることを特徴とする請求項2記載の車両制御装置。
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