以下、本発明に係るヘッドユニット組立方法、液滴吐出装置、及びヘッドユニット組立装置の一実施形態について図面を参照して、説明する。
(液滴吐出装置)
最初に、液滴吐出装置の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図である。図1に示すように、液滴吐出装置1は、液状体を液滴として吐出して着弾させる対象である描画対象としての基板Wを載置するための基板ステージ14と、基板ステージ14を主走査方向に移動させるX軸走査機構10と、を備えている。また、複数の液滴吐出ヘッド40(図2参照)を搭載するヘッドユニット30(図5参照)を有するキャリッジ22(図6参照)を備えるキャリッジユニット20と、キャリッジユニット20を副走査方向に移動させるY軸走査機構17と、を備えている。図1に矢印で示したように、主走査方向をX軸方向、主走査方向(X軸方向)に略直交する副走査方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向、Z軸方向回りの回動方向をθ方向と表記する。
基板ステージ14は、基板Wを真空吸着して固定する吸着テーブルであり、回動機構16を介してX軸移動プレート12に、θ方向に回動可能に固定されている。X軸走査機構10は、X軸移動プレート12と、床上に設置されてX軸方向に延在しており、X軸移動プレート12をエアスライダ(図示省略)を介してX軸方向に移動させるリニアモータ11aを備えた一対のX軸ガイドレール11,11とを有している。一対のX軸ガイドレール11,11を挟むように、収容ボックス9が2個所配設されている。収容ボックス9内には、エアスライダに圧縮空気を供給するエアー供給手段の給気パイプや、X軸走査機構10に駆動信号などを送る信号ケーブルなどが収容されている。
キャリッジユニット20は、キャリッジプレート21を備え、キャリッジ22がキャリッジプレート21にθ方向に回動可能に取付けられている。キャリッジプレート21は、一対のY軸ガイドレール18,18に差し渡されるようにして配置されている。差し渡されたキャリッジプレート21の上には、各液状体が貯留されたタンクから配管を経由して送り込まれた液状体を所定量貯留して、各液滴吐出ヘッド40に液状体を供給する液状体供給ユニット23と、各液滴吐出ヘッド40を駆動するための電気信号を供給するヘッド用電装ユニット24とが、載置されている。
Y軸走査機構17は、10基のキャリッジユニット20をエアスライダ(図示省略)を介してY軸方向に移動させるリニアモータ18aを備えた一対のY軸ガイドレール18,18を有している。10基のキャリッジユニット20はそれぞれ個別にY軸方向に移動可能である。一対のY軸ガイドレール18,18は、床上に間隔を置いて立脚した6本の支持スタンド19上に、X軸走査機構10を跨ぐように配設されている。
一対のY軸ガイドレール18,18の間には、キャリッジ22(ヘッドユニット30)に搭載された複数の液滴吐出ヘッド40のノズルの目詰まりの解消、ノズル面の異物や汚れの除去などのメンテナンスを行うメンテナンスユニット26が、複数の液滴吐出ヘッド40を臨む位置に配設されている。
(液滴吐出ヘッド)
次に、図2を参照して液滴吐出ヘッド40について説明する。図2は、液滴吐出ヘッドをノズル形成プレート側から見た外観斜視図である。この液滴吐出ヘッド40は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針46,46を有する液体導入部45と、液体導入部45の側方に連なる2連のヘッド基板47と、液体導入部45に連なる2連のポンプ部48と、ポンプ部48に連なるノズル形成プレート41とを備えている。液体導入部45には、配管接続部材が接続され、ヘッド基板47には、フレキシブルフラットケーブルが接続される。一方、このポンプ部48とノズル形成プレート41とにより、方形のヘッド本体40Aが構成されている。
ポンプ部48の基部側、すなわちヘッド本体40Aの基部側は、液体導入部45を受けるべく方形フランジ状にフランジ部44が形成されている。このフランジ部44には、液滴吐出ヘッド40を副ヘッド保持部材33(図3参照)に固定する小ねじ用のねじ孔(雌ねじ)49が一対形成されている。この一対のねじ孔49,49は、両長辺部分に位置し、且つノズル形成面41aの中心に対し点対称となるように配設されている。詳細は後述するが、副ヘッド保持部材33を貫通してねじ孔49に螺合した2本のヘッド止めねじ37,37により、液滴吐出ヘッド40が副ヘッド保持部材33に固定される(図3参照)。
ノズル形成プレート41のノズル形成面41aには、ノズル形成プレート41に形成されており液滴を吐出する吐出ノズル42から成る2本のノズル列43,43が形成されている。2本のノズル列43,43は相互に平行に列設されており、各ノズル列43は、等ピッチで並べた180個(図示では模式的に表している)の吐出ノズル42で構成されている。すなわち、ヘッド本体40Aのノズル形成面41aには、その中心線を挟んで2本のノズル列43,43が対称に配設されている。
(液滴吐出ヘッドの取付)
次に、液滴吐出ヘッド40のユニットプレート51への取付構造について、図3を参照して説明する。図3は、液滴吐出ヘッドのユニットプレートへの取付構造を示す図である。図3(a)は、ユニットプレートに取付けられた液滴吐出ヘッドをノズルプレート側からみた平面図であり、図3(b)は、図3(a)にA−Aで示した断面の断面図である。
図3(a)及び(b)に示すように、ユニットプレート51にはヘッド開口51aが形成されており、主ヘッド保持部材32がヘッド開口51aを略覆うように、ユニットプレート51に固定されている。主ヘッド保持部材32は、主ヘッド保持部材32に形成された孔を貫通してユニットプレート51に形成されたねじ孔に螺合した3本の保持部材ねじ38により、ユニットプレート51に固定されている。(以降、主ヘッド保持部材32がセットされた側を「裏面側」と表記し、反対側を「表面側」と表記する。)
主ヘッド保持部材32にはフランジ開口32aが形成されており、副ヘッド保持部材33は、その長辺方向の両端部でフランジ開口32aを跨ぐようにして、主ヘッド保持部材32の裏面側に固定されている。副ヘッド保持部材33は、副ヘッド保持部材33に形成された孔を貫通して主ヘッド保持部材32に形成されたねじ孔に螺合した2本の保持部材ねじ38により、主ヘッド保持部材32に固定されている。
副ヘッド保持部材33は、ステンレス等で構成された略長方形の平板状に形成されている。副ヘッド保持部材33には、その中央に液滴吐出ヘッド40のヘッド本体40Aが挿通する方形のヘッド本体開口33dが形成されている。上記したように、副ヘッド保持部材33は、フランジ開口32aを跨ぐようにして主ヘッド保持部材32の裏面側にセットされている。これに対し液滴吐出ヘッド40は、そのヘッド本体40Aをヘッド本体開口33dに挿通してヘッド本体40Aを副ヘッド保持部材33の裏面側に突出させるようにして、主ヘッド保持部材32の表面側からセットされている。液滴吐出ヘッド40は、副ヘッド保持部材33に形成された孔を貫通してフランジ部44に形成されたねじ孔49に螺合した2本のヘッド止めねじ37により、副ヘッド保持部材33に固定されている。
副ヘッド保持部材33のヘッド本体開口33dの周囲には、上記したねじ孔49に対応する2つの貫通孔、及びヘッド本体開口33dの中心線上において第一調整穴33aと第二調整穴33bとが形成されている。第一調整穴33a及び第二調整穴33bは、後述するヘッドユニット組立装置100(図7参照)における位置補正用の調整ピン121(図7参照)が係合される部位である。この場合、一対の調整ピン121,121の係合が無理なく為されるように、第一調整穴33aが円形に、第二調整穴33bが上記中心線方向に長い長円形に形成されている。
また、ヘッド本体開口33dの中心線上において、第一調整穴33a及び第二調整穴33bのヘッド本体開口33dの反対側には2つの接着剤孔33cが、ヘッド本体開口33dに関して略対称位置に形成されている。各接着剤孔33cは副ヘッド保持部材33の横断方向に延びる長孔となっている。接着剤孔33cに接着剤を注入して、当該接着剤(図示省略)によって副ヘッド保持部材33を主ヘッド保持部材32に接着固定する。
なお、液滴吐出ヘッド40がヘッド止めねじ37により副ヘッド保持部材33に固定されており、副ヘッド保持部材33の保持部材ねじ38および接着剤による主ヘッド保持部材32への固定がなされていない状態では、液滴吐出ヘッド40は、ユニットプレート51に対して、フランジ部44とフランジ開口32aとの隙間分、またはヘッド基板47とヘッド開口51aとの隙間分だけ移動可能に、固定された状態となる。本実施形態では、このような状態を「仮装着」状態と表記する。副ヘッド保持部材33及びヘッド基板47はフランジ開口32aの開口より大きいため、仮装着状態の液滴吐出ヘッド40(液滴吐出ヘッド40が主ヘッド保持部材32を挟んで副ヘッド保持部材33に固定された液滴吐出ヘッド40と副ヘッド保持部材33との組)が主ヘッド保持部材32から脱落することはない。液滴吐出ヘッド40のユニットプレート51への組付けは、液滴吐出ヘッド40を仮装着し、次に仮装着状態の液滴吐出ヘッド40の位置調整を行った後に、副ヘッド保持部材33の主ヘッド保持部材32への接着剤による接着固定、及び保持部材ねじ38によるねじ固定を行うことで実行される。
(基準ピン)
次に、液滴吐出ヘッド40のユニットプレート51上の位置を規定する際の基準となる基準ピン54について、図4を参照して説明する。一対の基準ピン54,54(図5参照)は、ヘッドユニット30が取付けられたキャリッジユニット20を液滴吐出装置1に取付ける際にθ方向に位置決め(位置認識)するための基準としても用いられる。また、ヘッドユニット30(ユニットプレート51)をヘッドユニット組立装置100(図7参照)に取付ける際にθ方向に位置決めするための基準としても用いられる。一対の基準ピン54,54のユニットプレート51上の配置位置については後述する。
図4(a)は、基準ピンを基準マーク孔側から見た平面図であり、図4(b)は、基準ピンの側面図である。図4に示すように、各基準ピン54は、円柱状のピン本体と、ピン本体の先端面57の中央部に形成した凹状、具体的には孔状の基準マーク孔56とで構成されている。ピン本体は、ユニットプレート51に圧入するための基部圧入部54bと、基部圧入部54bに連なる胴部54aと、胴部54aの先端に突出形成したマーク形成部54cとから成り、このマーク形成部54cの先端面57に基準マーク孔56が形成されている。
先端面57は鏡面加工されており、この先端面57の中心位置に基準マーク孔56となる小孔が穿孔されている。小孔(基準マーク孔56)は、例えば直径0.3mm程度のものであり、基部圧入部54bから胴部54aにかけてその軸心部分に形成した軸心孔に連通している。なお、基準ピン54は、断面を円形状として説明したが、楕円状でも、多角形状でも構わない。さらに、小孔の基準マーク孔56も、小孔に限定されるものではなく、充分なコントラストが得られるような溝を持つ凹形状であればよく、その凹の平面形状も円形に限定されるものではない。基準マーク孔56が、第一基準点に相当する。
このように形成された基準ピン54は、ユニットプレート51に形成した取付用の孔部分に基部圧入部54bを打ち込むようにして圧入される。ユニットプレート51に圧入された基準ピン54は、先端面57の高さが、ユニットプレート51に取付けられた液滴吐出ヘッド40のノズル形成面41a(図2又は図3参照)と略同一高さとなるように、ユニットプレート51の裏面側から突出している。すなわち、基準ピン54の画像認識面となる先端面57と、液滴吐出ヘッド40の画像認識面となるノズル形成面41aとが、略同一平面内に位置するようになっている。
(ヘッドユニット)
次に、図5を参照してヘッドユニット30の全体構成について説明する。図5は、キャリッジにおけるヘッドユニットの平面図である。図3を参照して説明したように、ヘッドユニット30のユニットプレート51には、主ヘッド保持部材32及び副ヘッド保持部材33を介して液滴吐出ヘッド40が取付けられている。図5に示すように、1基のヘッドユニット30は、12個の液滴吐出ヘッド40を備えている。ユニットプレート51には、基準マーク孔56(図4参照)が形成された一対の基準ピン54,54が固定されており、12個の液滴吐出ヘッド40はそれぞれ基準ピン54に形成された基準マーク孔56を基準として、適切な位置に位置決めして固定されている。
ユニットプレート51には、また、第一位置規制孔52aと、第二位置規制孔52bと、が形成されている。第一位置規制孔52a及び第二位置規制孔52bは、キャリッジ枠62に立設された位置規制ピン63に嵌合することで、ユニットプレート51(ヘッドユニット30)のキャリッジ枠62に対するX軸とY軸とに平行な平面方向の位置を規定している。この場合、一対の位置規制ピン63の相互間の距離がばらついても係合が無理なく為されるように、第一位置規制孔52aが円形に、第二位置規制孔52bが第一位置規制孔52aの中心と第二位置規制孔52bの中心とを結ぶ直線の方向に長い長円形に形成されている。図5に示したX軸、Y軸、Z軸は、図1に示したX軸、Y軸、Z軸と同一である。即ち、ヘッドユニット30が液滴吐出装置1に取付けられた状態では、液滴吐出ヘッド40に形成されたノズル列43(図2参照)は、Y軸方向に延在する構成になっている。ヘッドユニット30は、ユニットプレート51に形成されたユニット固定孔53を貫通してキャリッジ枠62に形成されたねじ孔64に螺合した4本のユニット固定ねじ68により、キャリッジ枠62に固定されている。
次に、液滴吐出ヘッド40と、一対の基準マーク孔56,56と、第一位置規制孔52aと、第二位置規制孔52bとの、ユニットプレート51上の位置関係について説明する。図5に一点鎖線で示した線Aは、一対の基準マーク孔56,56のそれぞれの中心を通る仮想線である。同じく一点鎖線で示した線Bは、一対の基準マーク孔56,56の中点Gで線Aと直交する仮想線である。ヘッドユニット30が液滴吐出装置1に取付けられた状態では、線Aは主操作方向であるX軸方向に延在し、線Bは副操作方向であるY軸方向に延在する。第一位置規制孔52aと、第二位置規制孔52bとも、その中心を線Aが通る位置に形成されている。図5に示したように、12個の液滴吐出ヘッド40をそれぞれヘッド400a,400b,400c,400d,400e,400f,401a,401b,401c,401d,401e,401fと表記する。
ヘッド400aとヘッド400dとはY軸方向にノズル列43の長さだけずれている。ヘッド400aのノズル列43,43とヘッド400dのノズル列43,43とで、液滴吐出ヘッド40のノズル列43の2倍の長さのノズル列を構成している。なお、ノズル列43を構成する吐出ノズル42の一部を使用しない場合には、ヘッド400aとヘッド400dとの使用する吐出ノズル42が連続したノズル列となるように構成する。同様に、ヘッド400bとヘッド400eとで、又はヘッド400cとヘッド400fとで、ノズル列43の2倍の長さのノズル列を構成している。ヘッド400aとヘッド400bとヘッド400cとはY軸方向にノズル列43の長さの3分の1の長さだけずれている。従って、6個のヘッド400a,400b,400c,400d,400e,400fは、Y軸方向にノズル列43の長さの3分の1の長さだけずれて配列されている。6個のヘッド400a,400b,400c,400d,400e,400fは、X軸方向に等間隔で、線Bの両側に各3個ずつ配置されている。
ヘッド401f,401e,401d,401c,401b,401aは、ヘッド400a,400b,400c,400d,400e,400fに対して中点Gに関して点対称の位置及び方向に配置されている。ヘッド401f,401e,401d,401c,401b,401aのそれぞれを固定するための主ヘッド保持部材32及び副ヘッド保持部材33も、ヘッド400a,400b,400c,400d,400e,400fのそれぞれを固定するための主ヘッド保持部材32及び副ヘッド保持部材33に対して中点Gに関して点対称の位置及び方向に配置されている。また、ユニットプレート51の外形形状も中点Gに関して点対称となる形状であり、第一位置規制孔52aと、第二位置規制孔52bとは、線Bに関して互いに対称の位置に形成されており、4個所のねじ孔64も線Bに関して互いに対称の位置に形成されている。
ヘッド400aから400f及びヘッド401aから401fの中で、中点Gから各ヘッド400aから400f及びヘッド401aから401fまでの距離が最大のヘッドはヘッド400f及びヘッド401aである。当該距離をLとすると、中点G以外の点からヘッド400f又はヘッド401aまでの距離のいずれか一方は、Lより大きくなる。従って、中点Gが、複数の液滴吐出ヘッドのそれぞれから位置の重心である基準点に相当する。
(キャリッジユニット)
次に、図6を参照してキャリッジユニット20の全体構成について説明する。図6は、キャリッジユニットの側面図である。キャリッジユニット20は、キャリッジプレート21を備え、キャリッジ22が吊下機構70を介してキャリッジプレート21にθ方向に回動可能に取付けられている。上述したように、キャリッジプレート21は、一対のY軸ガイドレール18に差し渡されるようにして配置されている。差し渡されたキャリッジプレート21の上には、各液状体が貯留されたタンクから配管を経由して送り込まれた液状体を所定量貯留して、各液滴吐出ヘッド40に液状体を供給する液状体供給ユニット23と、各液滴吐出ヘッド40を駆動するための電気信号を供給するヘッド用電装ユニット24とが、載置されている。
吊下機構70は、吊下基板71と、吊下回動軸72と、吊下支持枠73と、吊下回動枠74と、押え枠76と、を有している。吊下基板71が、キャリッジプレート21の下面に固定され、吊下基板71に一体に垂設された略円柱形状の吊下回動軸72の先端には、フランジ状に張り出した吊下支持枠73が形成されている。吊下回動枠74は、中央付近に形成された穴が吊下回動軸72に遊嵌しており、穴の周辺において吊下支持枠73によって支持されている。吊下支持枠73と、吊下回動枠74との間には回動モータ(図示省略)が形成されており、吊下回動枠74をθ方向に回動させることができる。吊下回動枠74は、吊下回動軸72に固定された押え枠76によって、吊下支持枠73から離反する方向へ移動することを規制されている。吊下回動枠74の周辺の端部には、キャリッジ22のキャリッジ枠62が固定されている。図6に示したように、キャリッジ22は、吊下機構70の下に垂設されるように支持されている。この状態で、キャリッジ22のユニットプレート51の中心G(図5参照)は、吊下回動枠74の回動中心軸と、略一致している。回動モータによって吊下回動枠74を回動させることで、吊下機構70に垂設されたキャリッジ22をθ方向に回動させる。これにより、図5や図6に示したX軸、Y軸方向を、図1に示したX軸、Y軸方向に一致させることで、液滴吐出ヘッド40に形成されたノズル列43の延在方向をY軸方向に一致させる。
上述したように、ヘッドユニット30は、キャリッジ枠62に設けられた位置規制ピン63をユニットプレート51に形成された第一位置規制孔52a及び第二位置規制孔52bに嵌入させることで、キャリッジ枠62に対して位置決めされている。位置決めされたヘッドユニット30は、ユニットプレート51に形成されたユニット固定孔53を貫通してキャリッジ枠62に形成されたねじ孔64に螺合した4本のユニット固定ねじ68により、キャリッジ枠62に固定されている。液状体供給ユニット23に貯留された液状体は、図示省略した給液管及びバルブを経由して液滴吐出ヘッド40に供給される。ヘッド用電装ユニット24から供給される電気信号は、IF基板69で中継されて、図示省略した配線ケーブルを経由して液滴吐出ヘッド40に供給される。
(ヘッドユニット組立装置)
次に、ヘッドユニット30を組立てるヘッドユニット組立装置100について説明する。ヘッドユニット組立装置100は、上記したヘッドユニット30を組立対象物とし、ユニットプレート51に仮装着した12個の液滴吐出ヘッド40をそれぞれ精度良く位置決めして接着(一次固定)するものである。なお、このヘッドユニット組立装置100で、液滴吐出ヘッド40を一次固定したヘッドユニット30は、保持部材ねじ38を用いてさらに固定する二次固定工程及び洗浄工程を経て、キャリッジ枠62にセットされる。図7は、ヘッドユニット組立装置の構成を示す模式図である。
図7に示すように、ヘッドユニット組立装置100は、ユニット移動装置101、ヘッド補正装置102、接着固定装置(図示省略)、及び認識装置104を備えている。ユニット移動装置101は、ヘッドユニット30を搭載し、これをX軸及びY軸に平行な平面内においてX軸方向、Y軸方向、θ方向に移動させる。ヘッド補正装置102は、ユニットプレート51に仮装着されている各液滴吐出ヘッド40の位置を適切な位置に合わせ込む位置補正を行う。接着固定装置は、接着剤孔33c(図3参照)に流入させるように接着剤を供給して、ユニットプレート51に対して位置補正された各液滴吐出ヘッド40を、当該位置に一次固定(接着固定)する。認識装置104は、液滴吐出ヘッド40の位置補正に先立ってユニットプレート51及び各液滴吐出ヘッド40を位置認識する。ヘッドユニット組立装置100はまた、これらユニット移動装置101、ヘッド補正装置102、接着固定装置、及び認識装置104を統括制御する制御装置(図示省略)を備えている。ユニット移動装置101、ヘッド補正装置102、接着固定装置、及び認識装置104は、機台106の上、または機台106の上に設置された支持スタンド116に支持されるように設置されている。
ユニット移動装置101は、組立対象物であるヘッドユニット30を載置して保持する保持テーブル110と、保持テーブル110が固定されており、保持テーブル110をθ方向に回動することで保持テーブル110に載置されたヘッドユニット30をθ方向に回動する回動機構109を備えている。ユニット移動装置101は、また、回動機構109をX軸方向に移動することでヘッドユニット30をX軸方向に移動するX軸移動機構107と、回動機構109をY軸方向に移動することでヘッドユニット30をY軸方向に移動するY軸移動機構108とを備えている。保持テーブル110が、セットテーブルに相当する。
Y軸移動機構108は、Y軸移動プレート117と、機台106の上にY軸方向に延在するように設けられており、Y軸移動プレート117をエアスライダ(図示省略)を介してY軸方向に移動させるリニアモータ118aを備えた一対のY軸レール118,118とを有している。X軸移動機構107は、X軸移動プレート112と、Y軸移動プレート117の上にX軸方向に延在するように設けられており、X軸移動プレート112をエアスライダ(図示省略)を介してX軸方向に移動させるリニアモータ111aを備えた一対のX軸レール111,111とを有している。回動機構109は、X軸移動プレート112に固定された固定プレート119aと、図示省略した回動モータを介して固定プレート119aにθ方向に回動可能に支持されている回動プレート119bとを有している。保持テーブル110は、回動プレート119bに固定されている。
保持テーブル110には、保持テーブル110に固定されるユニットプレート51が当接する部分である略長方形のユニット受部162が2個所形成されている。2個所のユニット受部162は、X軸及びY軸に略平行な平面であって、Z軸方向の位置が略同一の平面である。ユニット受部162の中央付近には位置規制ピン163が立設されている。1個所のユニット受部162にはそれぞれ2個所のねじ孔164が形成されている。ユニット受部162の両側には、マスク受部161が形成されている。マスク受部161は、ユニット受部162より高くなっている。
認識装置104は、ヘッドなどの画像を認識するためのカメラ143及びレンズ144と、対象物を照明するための照明装置146と、カメラ143及びレンズ144をZ軸方向に移動してピント調節を行うためのカメラ上下機構147及びカメラ上下モータ148と、を有している。認識装置104は、カメラ143、レンズ144、照明装置146、カメラ上下機構147、及びカメラ上下モータ148の組を一対備えている。認識装置104は、レンズ144が保持テーブル110上に載置されたヘッドユニット30に対向できるように、支持スタンド116に支持されている。
ヘッド補正装置102は、一対の調整ピン121,121を有している。一対の調整ピン121,121は、副ヘッド保持部材33に形成された第一調整穴33aと第二調整穴33bとに係合して、ユニットプレート51に仮装着された液滴吐出ヘッド40を適切な位置に位置決めするために微少移動させる力を副ヘッド保持部材33に印加する。また、ヘッド補正装置102は、図7では認識装置104の影になる部分に設けられたピンX軸移動機構、ピンY軸移動機構、ピン回動機構、および調整ピン上下機構、を有している。調整ピン上下機構によって一対の調整ピン121,121を下降させることで第一調整穴33a及び第二調整穴33bに係合させる。ピンX軸移動機構とピンY軸移動機構とによって、X軸およびY軸に平行な方向に第一調整穴33a及び第二調整穴33bに係合した一対の調整ピン121,121を移動させること、及び、ピン回動機構によってθ方向に回動させることで、ユニットプレート51に仮装着された液滴吐出ヘッド40を微少移動させて、適切な位置に位置決めする。一対の調整ピン121,121相互のX軸Y軸平面方向の位置関係は固定であって、ピンX軸移動機構、ピンY軸移動機構、およびピン回動機構によって同時に移動させられる。調整ピン上下機構による移動は、各調整ピン121毎に個別に行われる。
次に、図8を参照して、ヘッドユニット30が保持テーブル110に載置された状態について説明する。図8は、保持テーブルと保持テーブルに載置されたヘッドユニットの平面図である。上述したように、ヘッドユニット30のユニットプレート51には、第一位置規制孔52a及び第二位置規制孔52bと、ユニット固定孔53とが形成されている。保持テーブル110には、2個所のユニット受部162と、2個所の位置規制ピン163と、4個所のねじ孔164と、が形成されている。図8に示すように、ヘッドユニット30は、保持テーブル110に設けられた位置規制ピン163をユニットプレート51に形成された第一位置規制孔52a及び第二位置規制孔52bに嵌入させることで、保持テーブル110に対して位置決めされている。位置決めされたヘッドユニット30は、ユニットプレート51に形成されたユニット固定孔53を貫通して保持テーブル110に形成されたねじ孔164(図7参照)に螺合した4本のユニット固定ねじ68により、保持テーブル110に固定されている。
回動機構109と保持テーブル110とのX軸,Y軸に平行な平面方向の位置は、回動機構109の回動中心109Gが、保持テーブル110の略中央に位置するように構成されている。2個所の位置規制ピン163は、回動中心109Gを通り、X軸方向に延在する直線上であって、回動中心109Gを挟んで対称な位置にその中心が位置するように形成されている。4個所のねじ孔164も回動中心109Gを通り、Y軸方向に延在する直線に関して互いに対称の位置に形成されている。従って、ユニットプレート51が保持テーブル110に固定された状態で、ユニットプレート51の中心点Gと、回動中心109Gとは、X軸,Y軸に平行な平面方向の位置が略一致する。一対の基準マーク孔56,56は、回動中心109Gを通り、X軸方向に延在する直線上であって、回動中心109Gを挟んで対称な位置にその中心が位置する。
(ヘッドユニット組立方法)
次に、ヘッドユニット30を組立てるヘッドユニット組立装置100による組立方法について、図9を参照して詳細に説明する。図9は、ヘッドユニット組立装置によるヘッドユニットの組立過程を示すフローチャートである。
作業の実行に先立ち、保持テーブル110にアライメントマスクを導入し、認識装置104によりアライメントマスクの基準マークを画像認識する。基準マークは、基準ピン54に形成された基準マーク孔56(図4参照)の位置、及び基準マーク孔56を基準とした各液滴吐出ヘッド40の位置すべき基準位置を、印したものである。ヘッドユニット組立装置100は、画像認識した基準位置データを記憶し、この基準位置データ(マスタデータ)に基づいて各液滴吐出ヘッド40の位置補正が行われる。なお、アライメントマスクは、新規のヘッドユニット30の導入組立時はもとより、同一のヘッドユニット30であっても、その組立個数や稼動時間に基づいて、定期的に導入される。もちろん、その際に基準位置データはリセットされる。認識装置104によりアライメントマスクの基準マークを画像認識する工程が、設定位置取得工程に相当する。
ヘッドユニット組立装置100には、液滴吐出ヘッド40が仮装着されたヘッドユニット30がセットされる。ヘッドユニット30は、各液滴吐出ヘッド40のヘッド本体40Aを上向きにして保持テーブル110の上面にセットされる。ヘッドユニット30が保持テーブル110の上面にセットされて、ヘッドユニット組立装置100による液滴吐出ヘッド40の位置調整であるヘッドユニット30の組立工程を開始する。液滴吐出ヘッド40をユニットプレート51に予め仮装着する工程が、仮固定工程に相当する。
図9のステップS1では、認識装置104によって一対の基準ピン54,54の一方の基準ピン54に形成された基準マーク孔56を認識することで、基準マーク孔56の位置を検出する。ステップS1が基準点検出工程に相当する。
次に、ステップS2では、認識装置104が一対の基準ピン54,54の他方の基準ピン54に形成された基準マーク孔56を認識できるようにするために、他方の基準ピン54が認識装置104に臨む位置になるように、X軸移動機構107によって、保持テーブル110にセットされているヘッドユニット30をX軸方向に移動させる。
次に、ステップS3では、認識装置104が一対の基準ピン54,54の他方の基準ピン54に形成された基準マーク孔56を認識することで、もう一方の基準マーク孔56の位置を検出する。
次に、ステップS4では、ステップS1で認識した一方の基準マーク孔56の位置と、ステップS3で認識したもう一方の基準マーク孔56の位置とのY軸方向のずれ量が規格を満たすか否かを判定する。図8を参照して説明したように、一対の基準マーク孔56,56は、回動中心109Gを通り、X軸方向に延在する直線上であって、回動中心109Gを挟んで対称な位置にその中心が位置するように規定されている。即ち一方の基準マーク孔56の位置と、他方の基準マーク孔56の位置とのY軸方向のずれは、ヘッドユニット30がθ方向に傾いていることにより発生する。
Y軸方向のずれ量が規格を満たさない場合(ステップS4でNO)は、ステップS5に進む。ステップS5では、回動機構109によって、保持テーブル110上のヘッドユニット30をθ方向に回動させることで、ヘッドユニット30の方向を調整する。上述したように、一対の基準マーク孔56,56は、回動中心109Gを挟んで略対称な位置に位置するため、基準マーク孔56の一方がY軸方向のずれ量の半分程度移動するように回動させることで、Y軸方向のずれを是正することができる。ステップS5の次にはステップS1に進み、ステップS1からステップS4を繰り返す。
Y軸方向のずれ量が規格を満たす場合(ステップS4でYES)は、ステップS6に進む。ステップS6では、予め取得してある基準位置データ上の基準マーク孔56の位置に認識された基準マーク孔56の位置が合致するように、X軸移動機構107と、Y軸移動機構108と、を用いて、保持テーブル110上のヘッドユニット30をX軸方向及びY軸方向に移動する。ステップS5と、ステップS6とが、基準点設定工程に相当する。
次に、ステップS7では、認識装置104によって液滴吐出ヘッド40の位置を検出する。液滴吐出ヘッド40の検出は、液滴吐出ヘッド40の吐出ノズル42を、認識装置104によって認識することで行う。例えば、ノズル列43の両端の吐出ノズル42を認識する。
次に、ステップS8では、ステップS7で認識した液滴吐出ヘッド40の位置の、予め取得してある基準位置データ上の液滴吐出ヘッド40の位置とのずれ量が、規格を満たすか否かを判定する。
ずれ量が規格を満たさない場合(ステップS8でNO)は、ステップS9に進む。ステップS9では、ヘッド補正装置102により、液滴吐出ヘッド40の位置補正を行う。ヘッド補正装置102と認識装置104との位置関係は、認識装置104によって液滴吐出ヘッド40の吐出ノズル42を認識することができる位置に液滴吐出ヘッド40が位置する場合には、ヘッド補正装置102の一対の調整ピン121,121は、液滴吐出ヘッド40が固定された副ヘッド保持部材33に形成された第一調整穴33aと第二調整穴33bに臨んで位置するような位置関係になっている。この位置で調整ピン上下機構によって一対の調整ピン121,121を下降させることで第一調整穴33a及び第二調整穴33bに係合させる。
ピンX軸移動機構とピンY軸移動機構とによって、X軸およびY軸に平行な方向に第一調整穴33a及び第二調整穴33bに係合した一対の調整ピン121,121を移動させること、及び、ピン回動機構によってθ方向に回動させることで、ユニットプレート51に仮装着された液滴吐出ヘッド40を微少移動させて、認識した液滴吐出ヘッド40を、予め取得してある基準位置データ上の液滴吐出ヘッド40の位置に移動させ、当該位置に位置決めする。ヘッド補正装置102による液滴吐出ヘッド40の位置決めが、ヘッド位置決め工程に相当する。
ステップS9の次には、一対の調整ピン121,121が、第一調整穴33aと第二調整穴33bとに係合している状態を維持しながらステップS7に進み、ステップS7およびステップS8を繰り返す。
ずれ量が規格を満たす場合(ステップS8でYES)は、この位置決め完了状態を維持しつつ、ステップS10に進む。位置決め完了状態を維持するためには、一対の調整ピン121,121が、第一調整穴33aと第二調整穴33bとに係合している状態を維持する。ステップS10では、接着固定装置によって、接着剤孔33cに接着剤を注入することによって、接着剤孔33cの内面、及び接着剤孔33cに臨む主ヘッド保持部材32の面に接着剤を塗布することで、副ヘッド保持部材33の主ヘッド保持部材32への接着剤による接着固定を実行する。接着剤注入後、当該接着剤が略硬化するまで、一対の調整ピン121,121が、第一調整穴33aと第二調整穴33bとに係合している状態を維持することで、接着剤が硬化する過程で変形することによる液滴吐出ヘッド40の新たな位置ずれの発生を抑制する。接着固定装置による、副ヘッド保持部材33の主ヘッド保持部材32への接着剤による接着固定が、固定工程に相当する。
次に、ステップS11では、ヘッドユニット30の12個の液滴吐出ヘッド40の全てについて、位置決め及び接着固定が実行されたか否かを判定する。12個の液滴吐出ヘッド40の全てについて、位置決め及び接着固定が実行されていない場合(ステップS11でNO)は、ステップS7に進み、位置決め及び接着固定が実行されていない液滴吐出ヘッド40について、ステップS7からステップS11を繰り返す。
12個の液滴吐出ヘッド40の全てについて、位置決め及び接着固定が完了していた場合(ステップS11でYES)は、ヘッドユニット組立装置100によるヘッドユニット30の組立過程を終了する。
さらに、手作業によって、保持部材ねじ38を用いて、副ヘッド保持部材33を、主ヘッド保持部材32に固定することで、図3を参照して説明したように、液滴吐出ヘッド40がユニットプレート51に固定される。
以下、実施形態の効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)1基のヘッドユニット30に搭載された12個の液滴吐出ヘッド40は、ヘッド401f,401e,401d,401c,401b,401aと、ヘッド400a,400b,400c,400d,400e,400fとが、基準点である基準マーク孔56の中点Gに関して点対称の位置及び方向に配置されている。中点Gは、複数の液滴吐出ヘッドのそれぞれからの距離の最大値が最も小さくなる点であることから、中点Gを原点とする座標で液滴吐出ヘッド40の位置を規定することで、原点に対してヘッド400aから400f及び401aから401fが配置されるべき位置までの距離の最大値を最も小さくして、位置誤差の要因である距離のばらつきの絶対値を小さくすることで、液滴吐出ヘッド40を精度良く位置決めすることができる。
(2)一対の基準マーク孔56,56を結ぶ線Aの延在方向が、液滴吐出装置1の主走査方向と一致する。ヘッドユニット30を構成する複数の液滴吐出ヘッド40の位置を、主走査方向及び主走査方向に直交する副走査方向を座標軸として、容易に表すことができる。ヘッドユニット30を構成する複数の液滴吐出ヘッド40も相互の位置関係が主走査方向及び副走査方向を座標軸として表されることで、液滴吐出ヘッド40の位置と相対移動量とが座標変換を必要とせずに対応可能となる。
(3)一対の基準マーク孔56,56と、第一位置規制孔52aと、第二位置規制孔52bとは、ともにその中心を線Aが通る位置に形成されている。一直線上に形成すると直線上からのずれが検出しやすいため、基準マーク孔56と、第一位置規制孔52a及び第二位置規制孔52bとの相対位置誤差の大きさを抑制することができる。
(4)ユニットプレート51が保持テーブル110に固定された状態で、ユニットプレート51の中心点Gと、回動機構109の回動中心109Gとは、X軸,Y軸に平行な平面方向の位置が略一致する。ステップS5で、回動機構109によって、保持テーブル110上のヘッドユニット30をθ方向に回動させることで、ヘッドユニット30の方向を調整する際には、ユニットプレート51は中心点Gを中心に回動させられる。一対の基準マーク孔56,56は、回動中心109Gを通りX軸方向に延在する直線上にあるため、回動することで基準マーク孔56,56がX軸方向にずれる量を小さくすることができる。回動後の基準マーク孔56,56を検出する際には、X軸方向は、回動前の基準マーク孔56,56の近傍の狭い範囲を検索するだけで回動後の基準マーク孔56,56を検出できる可能性が高い。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、前記実施形態に限らない。本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
(変形例1)前記実施形態においては、ユニットプレート51のキャリッジ枠62又は保持テーブル110に対する位置決めは、ユニットプレート51に形成された第一位置規制孔52aと、第二位置規制孔52bとを、位置規制ピン63又は位置規制ピン163に係合させることで行っていた。しかし、ユニットプレート51に形成する位置規制構造が孔であることは必須ではない。ユニットプレート51に、位置規制ピンのような突起を形成し、キャリッジ枠62又は保持テーブル110に当該突起に係合する凹部を形成してもよい。
(変形例2)前記実施形態においては、一対の基準マーク孔56,56と、第一位置規制孔52aと、第二位置規制孔52bとは、主走査方向に延在する直線である線A上に配置されていたが、主走査方向に延在する直線上に配置することは必須ではない。副走査方向に延在する直線上に配置しても同様の効果を得ることができる。
(変形例3)前記実施形態においては、基板Wと液滴吐出ヘッド40との相対移動は、基板Wと液滴吐出ヘッド40との双方が走査方向に移動することで実行されていたが、双方が移動することは必須ではない。走査は一方が固定されており、他方が主走査方向及び副走査方向に移動する構成であってもよい。
(変形例4)前記実施形態においては、基板Wと液滴吐出ヘッド40との相対移動は、主走査方向及び副走査方向に相対移動する構成であったが、主走査方向及び副走査方向の両方向に相対移動することは必須ではない。基板Wの副走査方向全面にわたって吐出ノズル42を形成し、主走査のみを行う構成であってもよい。
(変形例5)前記実施形態においては、1基のヘッドユニット30の12個の液滴吐出ヘッド40について接着剤を用いる固定が完了した後に、保持部材ねじ38を用いる副ヘッド保持部材33の主ヘッド保持部材32への固定を実行していたが、12個の液滴吐出ヘッド40について接着固定完了後に保持部材ねじ38を用いるねじ固定を実行することは必須ではない。液滴吐出ヘッド40のそれぞれ一個所毎に、接着固定に続いてねじ固定を実行してもよい。
(変形例6)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド40の位置を検出し、位置補正の必要がある場合に一対の調整ピン121,121を、第一調整穴33aと第二調整穴33bとに係合させていたが、位置補正の必要がある場合にのみ係合させることは必須ではない。液滴吐出ヘッド40の位置を検出するために吐出ノズル42を認識する前に一対の調整ピン121,121を、第一調整穴33aと第二調整穴33bとに係合させてもよい。位置補正が不要の場合であっても、調整ピン121,121が、第一調整穴33aと第二調整穴33bとに係合していることで、接着工程などにおいてずれが生ずることを抑制することができる。
(変形例7)前記実施形態においては、ヘッドユニット組立装置100による組立工程は、接着固定することをもって終了していたが、接着固定完了後、再度液滴吐出ヘッド40の位置確認を行っても良い。組立(液滴吐出ヘッド40の位置調整)結果を検証することができることから、ヘッドユニット30の信頼性が向上する。
(変形例8)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド40のユニットプレート51上の位置を規定する際などの基準として、基準ピン54に形成された小孔である基準マーク孔56を用いていたが、基準が孔であることは必須ではない。認識装置104によって明瞭に検出することができるものであればよい。微小経の突起の頂上を基準として用いてもよい。
(変形例9)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド40のユニットプレート51上の位置を規定する際などの基準として、基準ピン54に形成された小孔である基準マーク孔56を用いていたが、基準マーク孔56を基準ピン54に形成することは必須ではない。ユニットプレート51に直接基準マーク孔56を形成してもよい。ユニットプレート51に直接基準マーク孔56を形成することで、基準ピン54の形状誤差の影響を排除して、より正確な位置に基準マーク孔56を形成することができる。
1…液滴吐出装置、10…X軸走査機構、14…基板ステージ、16…回動機構、17…Y軸走査機構、20…キャリッジユニット、21…キャリッジプレート、22…キャリッジ、30…ヘッドユニット、32…主ヘッド保持部材、33…副ヘッド保持部材、33a…第一調整穴、33b…第二調整穴、40…液滴吐出ヘッド、42…吐出ノズル、43…ノズル列、51…ユニットプレート、52a…第一位置規制孔、52b…第二位置規制孔、53…ユニット固定孔、54…基準ピン、56…基準マーク孔、62…キャリッジ枠、63…位置規制ピン、64…ねじ孔、70…吊下機構、74…吊下回動枠、100…ヘッドユニット組立装置、101…ユニット移動装置、102…ヘッド補正装置、104…認識装置、109…回動機構、109G…回動中心、110…保持テーブル、121…調整ピン、162…ユニット受部、163…位置規制ピン、164…ねじ孔、400a,400b,400c,400d,400e,400f,401a,401b,401c,401d,401e,401f…ヘッド。