JP5377918B2 - 遊技用システム及び遊技用装置 - Google Patents

Description

本発明は、遊技媒体を貸与するための貸与要求処理を行う遊技用装置と、該遊技用装置に対応して設けられ、前記貸与要求処理に応じて遊技媒体を貸与する貸与応答処理を行う遊技機と、を遊技場内に備える遊技用システム，及び該遊技用装置に係り、特に遊技場の不正による貸与数の間引きを防止するための遊技用システム及び遊技用装置に関する。

従来より、特許文献１に示すように、遊技媒体の貸与額に対して消費税を徴収する場合に、遊技場内に設けられるシステムコントローラにおいて、消費税率及び１回の貸与で使用される単位有価価値に応じた貸与数（例えば１度数なら２４個，３度数なら７１個，５度数なら１１９個，１０度数なら２３８個等）を設定して、各カードユニットに配信し、各カードユニットにおいて貸与操作が行われると、前記設定された貸与数を示す貸与要求信号（例えば１度数なら２４個のパルス）を対応するパチンコ機に対して送信して、当該パチンコ機が当該貸与数の遊技媒体を貸与するものが知られている。また各パチンコ機において、前記単位有価価値に応じた貸与数をロータリースイッチで設定し、貸与に使用される単位有価価値を示す貸与要求信号を対応するカードユニットから受信すると、当該パチンコ機が前記設定された貸与数の遊技媒体を貸与するものが知られている。

特開２００５−３４２１８３号公報（図５，段落００７９，図２６）

しかしながら、特許文献１に示すような構成においては、カードユニットとパチンコ機との間に前記貸与要求信号が示す貸与数を間引くような処理（例えばカードユニットから送信されてくる２４個のパルスから１パルスを間引いて２３個のパルスをパチンコ機に対して送信する処理）を行う不正基板を設けたり、前記ロータリースイッチの設定値を少なくする（例えば１度数なら２３個と設定する）ことにより、遊技場が貸与数を間引くという不正が可能であり、これによって遊技者が損害を被るという問題があった。

本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、遊技場の不正による貸与数の間引きを防止することが可能な、遊技用システム及び遊技用装置を提供することにある。

本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。

まず請求項１に係る発明は、遊技媒体（パチンコ玉）を貸与するための貸与要求処理（貸与通信部２３におけるＳ２０４の処理）を行う遊技用装置（カードユニット２０）と、該遊技用装置に対応して設けられ、前記貸与要求処理に応じて遊技媒体を貸与する貸与応答処理（払出制御基板１２におけるＳ２０６の処理）を行う遊技機（パチンコ機１０）と、を遊技場内に備える遊技用システム（１）であって、前記遊技用装置は、前記遊技場以外の第三者機関が管理する管理装置（システムコントローラ４）から、１回の貸与で使用される単位有価価値（例えば４円貸し５度数の５００円）に応じた遊技媒体の貸与数（例えば１２０個）を特定可能な貸与数特定データ（例えば消費税率５％，又は４円貸し５度数５００円あたり１２０個）を受信する貸与数特定データ受信手段（システムコントローラ用通信部２１におけるＳ１０７又はＳ１０７’の処理を行う部分）と、該貸与数特定データ受信手段にて受信した貸与数特定データを記憶する貸与数特定データ記憶手段（ユニット制御部２２のＥＥＰＲＯＭにおけるＳ１０８の処理を行う部分）と、該貸与数特定データ記憶手段にて記憶する貸与数特定データに基づいて特定された貸与数を示す貸与数データを前記遊技機に対して送信する貸与数データ送信手段（貸与通信部２３におけるＳ１１３の処理を行う部分）と、前記貸与要求処理が行われる毎に、前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数である貸与要求数を示す貸与要求数データを前記遊技機に対して送信する貸与要求数データ送信手段（貸与通信部２３におけるＳ２０４の処理を行う部分）と、を有し、前記遊技機は、前記貸与数データ送信手段から送信されてくる貸与数データを記憶する貸与数データ記憶手段（払出制御基板１２のＥＥＰＲＯＭにおけるＳ１１４の処理を行う部分）と、前記貸与要求数データ送信手段から前記貸与要求数データが送信されてくる毎に、該貸与要求数データが示す貸与要求数と前記貸与数データ記憶手段にて記憶している貸与数データが示す貸与数とが一致するか否かを判定する貸与要求数データ判定手段（払出制御基板１２におけるＳ２０５の処理を行う部分）と、該貸与要求数データ判定手段にて貸与要求数と貸与数とが一致すると判定されたことを条件として、前記貸与応答処理が行われた後に、該貸与応答処理にて貸与が完了した遊技媒体の数である貸与応答数を示す貸与応答数データを前記遊技用装置に対して送信する貸与応答数データ送信手段（払出制御基板１２におけるＳ２０７の処理を行う部分）と、を有し、前記遊技用装置は、前記貸与応答数データ送信手段から前記貸与応答数データが送信されてくる毎に、該送信されてくる貸与応答数データが示す貸与応答数と前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数とが一致するか否かを判定する貸与応答数データ判定手段（ユニット制御部２２におけるＳ２１３の処理を行う部分）をさらに有することを特徴とする遊技用システムである。

また請求項２に係る発明は、請求項１に記載した遊技用システム（１）であって、前記遊技機（パチンコ機１０）に対応付けられていない予備の前記遊技用装置（カードユニット２０’）を前記遊技場内に備え、該予備の遊技用装置は、前記貸与数特定データ受信手段（システムコントローラ用通信部２１におけるＳ１０７又はＳ１０７’の処理を行う部分）により前記管理装置（システムコントローラ４）から前記貸与数特定データ（例えば消費税率５％，又は４円貸し５度数５００円あたり１２０個）を受信して、該受信した貸与数特定データを前記貸与数特定データ記憶手段（ユニット制御部２２におけるＥＥＰＲＯＭのＳ１０８の処理を行う部分）により記憶し、前記遊技機に対応付けられ当該遊技機との間における通信が確立されたことに基づいて、前記貸与数データを前記貸与数データ送信手段（貸与通信部２３におけるＳ１１３の処理を行う部分）により当該遊技機に対して送信することを特徴とする遊技用システムである。

また請求項３に係る発明は、遊技媒体（パチンコ玉）を貸与するための貸与要求処理（貸与通信部２３におけるＳ２０４の処理）を行い、該貸与要求処理に応じて遊技媒体を貸与する貸与応答処理（払出制御基板１２におけるＳ２０６の処理）を行う遊技機（パチンコ機１０）に対応して遊技場内に設けられる遊技用装置（カードユニット２０）であって、前記遊技場以外の第三者機関が管理する管理装置（システムコントローラ４）から、１回の貸与で使用される単位有価価値（例えば４円貸し５度数の５００円）に応じた遊技媒体の貸与数（例えば１２０個）を特定可能な貸与数特定データ（例えば消費税率５％，又は４円貸し５度数５００円あたり１２０個）を受信する貸与数特定データ受信手段（システムコントローラ用通信部２１におけるＳ１０７又はＳ１０７’の処理を行う部分）と、該貸与数特定データ受信手段にて受信した貸与数特定データを記憶する貸与数特定データ記憶手段（ユニット制御部２２のＥＥＰＲＯＭにおけるＳ１０８の処理を行う部分）と、該貸与数特定データ記憶手段にて記憶する貸与数特定データに基づいて特定された貸与数を示す貸与数データを前記遊技機に対して送信する貸与数データ送信手段（貸与通信部２３におけるＳ１１３の処理を行う部分）と、前記貸与要求処理が行われる毎に、前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数である貸与要求数を示す貸与要求数データを前記遊技機に対して送信する貸与要求数データ送信手段（貸与通信部２３におけるＳ２０４の処理を行う部分）と、前記貸与数データ送信手段から送信した貸与数データを記憶し（払出制御基板１２のＥＥＰＲＯＭにおけるＳ１１４の処理を行い）、前記貸与要求数データ送信手段から前記貸与要求数データを送信する毎に該貸与要求数データが示す貸与要求数と前記記憶している貸与数データが示す貸与数とが一致するか否かを判定し（払出制御基板１２におけるＳ２０５の処理を行い）、該貸与要求数と貸与数とが一致すると判定されたことを条件として、前記貸与応答処理（払出制御基板１２におけるＳ２０６の処理）を行う毎に該貸与応答処理にて貸与が完了した遊技媒体の数である貸与応答数を示す貸与応答数データを送信する（払出制御基板１２におけるＳ２０７の処理を行う）前記遊技機から、該貸与応答数データを受信する毎に、該受信した貸与応答数データが示す貸与応答数と前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数とが一致するか否かを判定する貸与応答数データ判定手段（ユニット制御部２２におけるＳ２１３の処理を行う部分）と、を有することを特徴とする遊技用装置である。

また請求項４に係る発明は、請求項３に記載した遊技用装置（第１実施形態に係るカードユニット２０）であって、前記貸与数（例えば１２０個）は、前記単位有価価値（例えば４円貸し５度数の５００円）と所定の掛数（例えば消費税率５％）とから特定され、前記管理装置（システムコントローラ４）から送信される（貸与通信部２３においてＳ１０７で受信する）前記貸与数特定データは、前記所定の掛数を示すものであり、当該貸与数特定データと当該遊技用装置について予め定められている前記単位有価価値とに基づいて前記貸与数を算出する貸与数算出手段（ユニット制御部２２におけるＳ１１１の処理を行う部分）をさらに有し、前記貸与数データ送信手段（貸与通信部２３におけるＳ１１３の処理を行う部分）は、該貸与数算出手段にて算出された貸与数を示す前記貸与数データを送信し、前記貸与要求数データ送信手段（貸与通信部２３におけるＳ２０４の処理を行う部分）は、該貸与数算出手段にて算出された貸与数を前記貸与要求数として示す前記貸与要求数データを送信することを特徴とする遊技用装置である。

また請求項５に係る発明は、請求項３又は４に記載した遊技用装置（カードユニット２０）であって、前記貸与数データ送信手段（貸与通信部２３におけるＳ１１３の処理を行う部分）は、前記遊技機（パチンコ機１０）との間における通信が確立されたこと（貸与通信部２３においてＳ１１２を受信したこと）に基づいて、前記貸与数データを送信することを特徴とする遊技用装置である。

また請求項６に係る発明は、請求項３〜５のいずれか１つに記載した遊技用装置（カードユニット２０）であって、前記貸与応答数データ判定手段（ユニット制御部２２におけるＳ２１３の処理を行う部分）にて貸与応答数と貸与数とが一致しないと判定されたことを条件として、前記貸与要求処理を禁止する（ユニット制御部２２におけるＳ２１４の処理を行う）と共に、前記管理装置（システムコントローラ４）に対してエラー信号を送信する（システムコントローラ用通信部２１におけるＳ２１５の処理を行う）ことを特徴とする遊技用装置である。

また請求項７に係る発明は、請求項３〜６のいずれか１つに記載した遊技用装置（カードユニット２０）であって、前記管理装置（システムコントローラ４）との間における通信が確立されたこと（貸与通信部２３においてＳ１０５でＹＥＳと判定されたこと）に基づいて、該管理装置に対して前記貸与数特定データの送信を要求する（システムコントローラ用通信部２１におけるＳ１０６の処理を行う）ことを特徴とする遊技用装置である。

また請求項８に係る発明は、請求項３〜７のいずれか１つに記載した遊技用装置（カードユニット２０）であって、前記遊技機（パチンコ機１０）から該遊技機が記憶している貸与数データを受信したこと（貸与通信部２３においてＳ１１５を受信したこと）に基づいて、該受信した貸与数データが示す貸与数と前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数とが一致するか否かを照合し（ユニット制御部２２におけるＳ１１６の処理を行い）、該貸与数が一致しないことを条件として、エラー報知を行う（ユニット制御部２２におけるＳ１１７の処理を行う）ことを特徴とする遊技用装置である。

また請求項９に係る発明は、請求項３〜８のいずれか１つに記載した遊技用装置（カードユニット２０）であって、前記貸与数特定データ記憶手段（ユニット制御部２２のＥＥＰＲＯＭにおけるＳ１０８の処理を行う部分）にて記憶している貸与数特定データを前記管理装置（システムコントローラ４）に対して送信する（システムコントローラ用通信部２１におけるＳ１０９の処理を行う）ことを特徴とする遊技用装置である。

さらに請求項１０に係る発明は、請求項３〜９のいずれか１つに記載した遊技用装置（カードユニット２０）であって、前記遊技機（パチンコ機１０）から前記貸与応答数データを受信したこと（貸与通信部２３においてＳ２０７を受信したこと）に基づいて、該受信した貸与応答数データを前記管理装置（システムコントローラ４）に対して送信する（システムコントローラ用通信部２１におけるＳ２１０の処理を行う）ことを特徴とする遊技用装置である。

まず請求項１に係る遊技用システムによれば、貸与要求処理が行われる毎に、遊技用装置が記憶している貸与数特定データから特定される貸与要求数と遊技機が記憶している貸与数との照合が当該遊技機にて行われると共に、貸与応答処理が行われる毎に、該遊技機にて貸与した貸与応答数と遊技用装置が記憶している貸与数特定データから特定される貸与数との照合が当該遊技用装置にて行われるので、遊技場の不正による貸与数の間引きを防止することができる。

また請求項２に係る遊技用システムによれば、予備の遊技用装置も、管理装置から貸与数特定データを受信して記憶しているので、該予備の遊技用装置を遊技機に対応付けて設置したときにも、当該遊技用装置の稼働を迅速に開始することができる。

また請求項３に係る遊技用装置によれば、貸与要求処理が行われる毎に、遊技用装置が記憶している貸与数特定データから特定される貸与要求数と遊技機が記憶している貸与数との照合が当該遊技機にて行われると共に、貸与応答処理が行われる毎に、該遊技機にて貸与した貸与応答数と遊技用装置が記憶している貸与数特定データから特定される貸与数との照合が当該遊技用装置にて行われるので、遊技場の不正による貸与数の間引きを防止することができる。

また請求項４に係る遊技用装置によれば、管理装置から所定の掛数を示す貸与数特定データが送信され、該所定の掛数と当該遊技用装置について予め定められている単位有価価値とに基づいて貸与数が算出されるので、遊技場内に単位有価価値が異なる遊技用装置（例えば単位有価価値が４円貸し５度数５００円の遊技用装置や１円貸し２度数２００円の遊技用装置）が設置されている場合であっても、管理装置が単位有価価値毎の貸与数特定データを送信する必要が無い。

また請求項５に係る遊技用装置によれば、遊技機との間における通信が確立されたことに基づいて貸与数データが送信されるので、遊技機が記憶している貸与数データが通信確立前（例えば営業終了後から営業開始前までの深夜等）に改ざんされていたとしても、正しい貸与数データに更新することができる。

また請求項６に係る遊技用装置によれば、貸与応答数と貸与数とが一致しないと判定されると、貸与要求処理が禁止されて、管理装置に対してエラー信号が送信されるので、該管理装置を管理する第三者機関において迅速な対応をとることができる。

また請求項７に係る遊技用装置によれば、管理装置との間における通信が確立されたことに基づいて貸与数特定データの送信が要求されるので、例えば遊技用装置を取り外したオフライン状態で不正が行われるような場合であっても、該遊技用装置がオンライン状態となったときに管理装置から貸与数特定データを取得することができる。

また請求項８に係る遊技用装置によれば、遊技機が記憶している貸与数と遊技用装置が記憶している貸与数特定データから特定される貸与数とが一致しなければエラー報知が行われるので、遊技機が記憶している貸与数が正しいか否かを監視することができる。

また請求項９に係る遊技用装置によれば、記憶している貸与数特定データが管理装置に対して送信されるので、管理装置において遊技用装置が記憶している貸与数特定データが正しいか否かを監視することができる。

さらに請求項１０に係る遊技用装置によれば、遊技機から受信した貸与応答数データが管理装置に対して送信されるので、管理装置において遊技機が貸与した数が正しいか否かを監視することができる。

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明は、図１に示すように、遊技媒体（パチンコ玉）を貸与するための貸与要求処理を行う遊技用装置（カードユニット２０）と、該遊技用装置に対応して設けられ、前記貸与要求処理に応じて遊技媒体を貸与する貸与応答処理を行う遊技機（パチンコ機１０）と、を遊技場内に備える遊技用システム１であって、特に遊技場の不正による貸与数の間引きを防止するためのものである。

以下においては、遊技機がパチンコ機１０であり、遊技媒体がパチンコ玉であり、該パチンコ玉の貸与にあたり消費税額が徴収され、消費税率が５％であり、パチンコ玉の税抜き貸与単価が４円（いわゆる４円貸し）であり、従ってパチンコ玉の税込み貸与単価が４．２円であり、１回の貸与で使用される単位有価価値が５度数５００円であり、従って単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数が５００円÷４．２円／個＝１１９．０４…の小数点以下を切り上げた１２０個である例について説明する。ここで小数点以下を切り上げるのは、１２０個×４．２円／個−５００円＝４円を遊技場が負担することとして、遊技者に損をさせないためである。また度数は、後述するカード残額を最小の単位有価価値である１００円で除算した商である。なお消費税率，税抜き貸与単価，及び単位有価価値は、全てのカードユニット２０について同一であるものとする。

ここで第１実施形態では、遊技場以外の第三者機関（例えばカード会社）が管理するセンタサーバ５において、消費税率（ここでは５％）が設定され、該設定された消費税率が、単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数を特定可能な貸与数特定データとして、システムコントローラ４において記憶されると共に、全てのカードユニット２０においてユニット制御部２２のＥＥＰＲＯＭで記憶される。一方、第２実施形態では、前記センタサーバ５において、１回の貸与で使用される単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数（ここでは１２０個）が設定され、該設定された貸与数が、前記貸与数特定データとして、システムコントローラ４において記憶されると共に、全てのカードユニット２０においてユニット制御部２２のＥＥＰＲＯＭで記憶される。

以下においては、まず第１実施形態について説明し、次に第２実施形態について第１実施形態と異なる点についてのみ説明し、最後に変形例について説明する。また、以下においては、データベースを「ＤＢ」，リーダ／ライタを「Ｒ／Ｗ」，ステップを「Ｓ」と略記する。

［１．第１実施形態］
まず、図１及び図２を参照して、第１実施形態に係る遊技用システム１の構成について説明する。この遊技用システム１では、図１に示すように、遊技場内において、遊技島に設置され、複数のパチンコ機１０及び各パチンコ機１０に対応付けられている複数のカードユニット２０と、ユニットストッカ３０内にストックされ、パチンコ機１０に対応付けられていない複数の予備のカードユニット２０’と、第三者機関が管理し、各カードユニット２０及び予備の各カードユニット２０’と通信可能なシステムコントローラ４とが設けられており、また遊技場外において、第三者機関が管理し、システムコントローラ４と通信可能なセンタサーバ５が設けられている。また遊技用システム１では、紙幣２，プリペイドカード３が使用される。

紙幣２は貨幣の一例であって、ここでは図２（ｂ）に示すように、１０００円紙幣，２０００円紙幣，５０００円紙幣，及び１００００円紙幣の４種類の紙幣が使用可能である。この紙幣２は、カードユニット２０においてプリペイドカード３が受け付けられているときにのみ受付可能（即ち入金可能）とされ、カードユニット２０においてプリペイドカード３が受け付けられていないときには受付不能（即ち入金不能）である。

プリペイドカード３は遊技用記録媒体の一例であって、パチンコ玉の貸与に使用可能なカード残額を特定するための情報が記録されたものであり、ここでは該情報として、該プリペイドカード３を個々に識別可能なカードＩＤと、当該カード残額とが記録される。このプリペイドカード３は、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、カードＩＤ及びカード残額等が記録される記録領域（図示外）が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のＥＥＰＲＯＭを備える非接触式の集積回路（ＩＣチップ）を搭載したＩＣカードである。このプリペイドカード３は、図示しないカード販売機において、紙幣２が受け付けられてカード発行処理が行われると、システムコントローラ４の残額管理ＤＢにおいて、発行されるプリペイドカード３のカードＩＤに対応付けて、該受け付けられた紙幣２の金額がカード残額として記憶された後、該カードＩＤのプリペイドカード３に該カード残額が記録されて発行される。

センタサーバ５は、貸与数を算出するための所定の掛数である消費税率を設定する消費税率設定手段として機能するディスプレイ及び入力装置を備えているコンピュータである。このセンタサーバ５において、消費税率設定処理が実行されると、図示のような消費税率設定画面がディスプレイに表示される。この消費税率設定画面において、入力装置の操作により、消費税率（ここでは５％）を入力し、「設定」ボタンを操作すると、該入力された内容で消費税率が設定される。

そして該設定された消費税率は、単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数を特定可能な貸与数特定データとして、システムコントローラ４に対して送信されて記憶され、さらにカードユニット２０又は予備のカードユニット２０’からの要求に応じて該カードユニット２０及び予備のカードユニット２０’に対して送信されて記憶される（図３又は図４のＳ１０６，Ｓ１０７）。

システムコントローラ４は管理装置の一例であって、残額管理ＤＢを備えているコンピュータである。残額管理ＤＢでは、各プリペイドカード３のカードＩＤに対応付けて、各プリペイドカード３に記録されているカード残額が記憶されて管理されている。この残額管理ＤＢの管理内容は、後述する貸与要求処理が行われたカードユニット２０から、カードＩＤ及び貸与に使用された使用額を含む減算要求（図５のＳ２０８）が送信されてくる毎に、該カードＩＤに対応付けて記憶されているカード残額から、該使用額が減算更新される。また残額管理ＤＢの管理内容は、後述する入金処理が行われたカードユニット２０から、カードＩＤ及び入金額を含む入金要求が送信されてくる毎に、該カードＩＤに対応付けて記憶されているカード残額に対して、該入金額が加算更新される。

次に、遊技用システム１の構成要素であるパチンコ機１０について説明する。パチンコ機１０は遊技機の一例であって、図１及び図２（ａ）に示すように、カードユニット２０に対応して（ここではカードユニット２０の右側に隣接して）設けられ、該カードユニット２０が行う貸与要求処理に応じてパチンコ玉を貸与する、いわゆるＣＲ式のパチンコ機である。このパチンコ機１０は、遊技場内に配置された遊技島（図示外）において該パチンコ機１０の機種等に従って設置されており、前記貸与されたパチンコ玉を遊技領域に打ち込むことにより遊技が行われる。

このパチンコ機１０は、図２（ａ）に示すように、その前面に遊技領域，上皿，下皿，及び発射ハンドル等を備えると共に、残度数表示器１４，貸与ボタン１５，及びカード返却ボタン１６を備え、図１に示すように、その内部に遊技制御基板１１，払出制御基板１２，及び玉払出装置１３等を備えており、これらの各構成要素は図１に示すように接続されている。

遊技制御基板１１は、パチンコ機１０における遊技状態を制御するものである。払出制御基板１２は、カードユニット２０の貸与通信部２３と接続されており、パチンコ機１０とカードユニット２０との間における通信を司るものである。これにより、図３に示す電源投入時や、図５に示す玉貸操作の受付時に、カードユニット２０との間で信号のやり取りが行われる。また払出制御基板１２は、玉払出装置１３と接続され、該玉払出装置１３を制御するものである。この払出制御基板１２は、演算処理を行うＣＰＵ，揮発性で書換可能な記憶手段であるＲＡＭ，不揮発性で書換不能な記憶手段であるＲＯＭ，及び不揮発性で書換可能な記憶手段であるＥＥＰＲＯＭ等を備えている。玉払出装置１３は、貸与が行われて遊技者に貸し出されるパチンコ玉や、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉（いわゆる賞球）を払い出すものである。

残度数表示器１４は、対応するカードユニット２０のカードＲ／Ｗ２４にて受け付けているプリペイドカード３に記録されているカード残額から特定される残度数を表示するための表示器であり、ここでは３桁の７セグメント表示器によって構成されている。この残度数表示器１４では、図１に示すように、貸与通信部２３との間に図示しないＬＥＤ駆動回路を介して設けられている度数表示信号線を介して、該貸与通信部２３から残度数を示す度数表示信号が入力されることによって、該残度数が表示される。この度数表示信号に含まれる残度数は、前述の如く、「カード残額÷最小の単位有価価値（ここでは１００円）」の式で演算された商である。

貸与ボタン１５は、対応するカードユニット２０のカードＲ／Ｗ２４にて受け付けているプリペイドカード３に記録されているカード残額を使用した貸与を行うための貸与操作を受け付けるボタンである。図１に示すように、貸与ボタン１５が操作されたことにより、貸与通信部２３との間に図示しない検出回路を介して設けられている貸出入力信号線を介して、該貸与通信部２３に貸出入力信号が入力され、該検出回路が該貸出入力信号の入力を検出することによって、ユニット制御部２２が貸与ボタン１５が操作された旨を認識する。

カード返却ボタン１６は、対応するカードユニット２０のカードＲ／Ｗ２４にて受け付けているプリペイドカード３を返却するための返却操作を受け付けるものである。図１に示すように、カード返却ボタン１６が操作されたことにより、貸与通信部２３との間に図示しない検出回路を介して設けられている返却入力信号線を介して、該貸与通信部２３に返却入力信号が入力され、該検出回路が該返却入力信号の入力を検出することによって、ユニット制御部２２がカード返却ボタン１６が操作された旨を認識し、カードＲ／Ｗ２４に対してプリペイドカード３の排出指令を出力する。この排出指令が入力されたカードＲ／Ｗ２４では、カード挿入口２４ａから挿入されたプリペイドカード３を内部に取り込む搬送機構が逆方向に回転されることにより、内部に取り込まれているプリペイドカード３がカード挿入口２４ａから排出されて返却される。

上記の残度数表示器１４，貸与ボタン１５，及びカード返却ボタン１６は、図２（ａ）に示すように、パチンコ機１０の前面（ここでは上皿）に設けられているが、図１に示すように、カードユニット２０と接続されているので、遊技用装置である該カードユニット２０に属するものでもある。

次に、遊技用システム１の構成要素であるカードユニット２０について説明する。カードユニット２０は遊技用装置の一例であって、図１及び図２（ａ）に示すように、パチンコ機１０に対応して（ここではパチンコ機１０の左側に隣接して）設けられ、パチンコ玉を貸与するための貸与要求処理を行うものである。

このカードユニット２０は、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図２（ａ）に示すように、その前面に多機能ランプ２６，紙幣挿入口２５ａ，及びカード挿入口２４ａ等を備え、図１及び図２（ｂ）に示すように、その内部に紙幣識別機２５，システムコントローラ用通信部２１，ユニット制御部２２，貸与通信部２３，及びカードＲ／Ｗ２４等を備えており、これらの各構成要素は図１に示すように接続されている。なお、各カードユニット２０は、ユニットＩＤによって個々に識別可能とされている。

システムコントローラ用通信部２１は、システムコントローラ４と通信可能に接続されており、カードユニット２０とシステムコントローラ４との間における通信を司るものである。このシステムコントローラ用通信部２１は、カードユニット２０の電源が投入されたときに、図３のＳ１０６に示すように、システムコントローラ４で記憶している消費税率（ここでは５％）を示す前記貸与数特定データの送信要求を該システムコントローラ４に対して送信するものである。またシステムコントローラ用通信部２１は貸与数特定データ受信手段の一例であって、図３のＳ１０７に示すように、システムコントローラ４から前記貸与数特定データ（ここでは消費税率５％）を受信するものである。

ユニット制御部２２は、演算処理を行うＣＰＵ，揮発性で書換可能な記憶手段であるＲＡＭ，不揮発性で書換不能な記憶手段であるＲＯＭ，及び不揮発性で書換可能な記憶手段であるＥＥＰＲＯＭ等を備えており、ＲＯＭ（あるいはＥＥＰＲＯＭ）に記憶されている処理プログラムがＲＡＭを作業領域としてＣＰＵで実行されることにより、カードユニット２０に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。ここでＥＥＰＲＯＭは貸与数特定データ記憶手段の一例であって、前記貸与数特定データ受信手段にて受信した貸与数特定データ（ここでは消費税率５％）を記憶するものである。またＥＥＰＲＯＭは、前記税抜き貸与単価（ここでは４円）及び前記単位有価価値（ここでは５００円）や、前記ユニットＩＤを記憶するものでもある。

貸与通信部２３は、パチンコ機１０の払出制御基板１２と接続されており、カードユニット２０とパチンコ機１０との間における通信を司るものである。この貸与通信部２３と払出制御基板１２との間には、接続確認信号線，払出可能信号線，貸与数データ信号線，貸与要求数データ信号線，及び貸与応答数データ信号線が設けられている。

接続確認信号線は、図３のＳ１０３に示すように、カードユニット２０とパチンコ機１０との接続確認を行うための信号線である。この接続確認信号線を介して接続確認信号が送信されることにより、パチンコ機１０において発射ハンドルの操作が可能となる。

払出可能信号線は、図３のＳ１０４に示すように、パチンコ機１０からカードユニット２０に対して、該パチンコ機１０とカードユニット２０との間における通信が可能な状態（スタンバイ状態）である旨を示す払出可能信号を送信する信号線である。

貸与数データ信号線は、図３のＳ１１２に示すように、パチンコ機１０からカードユニット２０に対して、貸与応答処理にて貸与するパチンコ玉の貸与数を示す貸与数データの送信を要求し、同Ｓ１１３に示すように、カードユニット２０からパチンコ機１０に対して、該貸与数データを送信し、同Ｓ１１５に示すように、パチンコ機１０からカードユニット２０に対して、該貸与数データを送信する信号線である。

貸与要求数データ信号線は、貸与要求処理の際に、図５のＳ２０４に示すように、カードユニット２０からパチンコ機１０に対して、前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データ（ここでは消費税率５％）から特定される貸与数（ここでは１２０個）である貸与要求数を示す貸与要求数データを送信する信号線である。

貸与応答数データ信号線は、貸与応答処理が行われた後に、図５のＳ２０７に示すように、パチンコ機１０からカードユニット２０に対して、該貸与応答処理にて貸与したパチンコ玉の貸与数である貸与応答数を示す貸与応答数データを送信する信号線である。

カードＲ／Ｗ２４は、カード挿入口２４ａから挿入されたプリペイドカード３を受け付けて、該受け付けたプリペイドカード３に記録されているカードＩＤ及びカード残額を読み取るものである。このカードＲ／Ｗ２４によりプリペイドカード３が受け付けられると、システムコントローラ用通信部２１は、ユニット制御部２２の制御により、受付中のプリペイドカード３から読み取ったカードＩＤ及びカード残額を含むカード照合要求をシステムコントローラ４に対して送信する。該カード照合要求を受信したシステムコントローラ４は、該カード照合要求に含まれるカードＩＤに対応付けて残額管理ＤＢで記憶されているカード残額と該カード照合要求に含まれるカード残額とが一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合には、照合ＯＫの照合結果情報をカードユニット２０に対して返信し、一致しないと判定された場合には、照合ＮＧの照合結果情報をカードユニット２０に対して返信する。そしてカードユニット２０は、照合ＯＫの照合結果情報を受信した場合には、貸与操作を受付可能となり、照合ＮＧの照合結果情報を受信した場合には、受け付けているプリペイドカード３を排出する。

紙幣識別機２５は、カードＲ／Ｗ２４によりプリペイドカード３を受け付けている状態で、紙幣挿入口２５ａから挿入された紙幣２を受け付けて、該受け付けた紙幣２が前記４種類の紙幣のうちのいずれの紙幣であるかを識別する（いずれの紙幣でもなければ正規の紙幣ではないと識別する）ものである。この識別により、受け付けた紙幣が正規の紙幣２であれば、該紙幣２の金額を入金額としてユニット制御部２２に出力し、システムコントローラ用通信部２１は、該ユニット制御部２２の制御により、受付中のプリペイドカード３から読み取ったカードＩＤ及び該入金額を含む入金要求をシステムコントローラ用通信部２１に対して送信する。該入金要求を受信したシステムコントローラ４は、前述の如く、該入金要求に含まれるカードＩＤに対応付けて残額管理ＤＢで記憶されているカード残額に対して該入金要求に含まれる入金額を加算更新する。なお識別が完了した正規の紙幣２は、紙幣通路２５ｂを通じてカードユニット２０の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた紙幣搬送機構（図示外）により搬送されて、金庫（図示外）に回収される。一方、カードＲ／Ｗ２４によりプリペイドカード３を受け付けていない状態で紙幣２が挿入された場合や、受け付けた正規の紙幣ではないと識別した場合には、該紙幣２を紙幣挿入口２５ａから返却する。

多機能ランプ２６は、各種の態様で点灯や点滅することにより、当該カードユニット２０や対応するパチンコ機１０の状態を報知するものである。

図１に示すユニットストッカ３０にストックされている予備のカードユニット２０’は、パチンコ機１０に対応付けられていない点を除き、カードユニット２０と同様の構成を有するものである。

次に、図３〜図５を参照して、第１実施形態に係る遊技用システム１の作用を説明する。

図３は、カードユニット２０及びパチンコ機１０において電源が投入された際の電源投入時処理の一例を表すフローチャートである。カードユニット２０において電源が投入されると共に（Ｓ１０１）、パチンコ機１０において電源が投入されると（Ｓ１０２）、接続確認信号線を介して、カードユニット２０とパチンコ機１０との間で接続確認を行い（Ｓ１０３）、該接続確認が行われると、払出確認信号線を介して、パチンコ機１０からカードユニット２０に対して払出確認信号を送信すると共に（Ｓ１０４）、貸与数データ信号線を介して、パチンコ機１０からカードユニット２０に対して貸与数データの送信を要求する（Ｓ１１２）。即ちＳ１１２の処理を行うパチンコ機１０は、カードユニット２０との間における通信が確立されたことに基づいて、該カードユニット２０に対して貸与数データの送信を要求するものであり、これによれば、パチンコ機１０が記憶している貸与数データが通信確立前（例えば営業終了後から営業開始前までの深夜等）に改ざんされていたとしても、正しい貸与数データに更新することができる。

電源が投入されたカードユニット２０は、システムコントローラ４との間における通信が確立しているか否かを判定し（Ｓ１０５）、該通信が確立している（ＹＥＳ）と判定された場合には、システムコントローラ４に対して貸与数特定データの送信を要求し（Ｓ１０６）、該システムコントローラ４は、センタサーバ５から送信されてきて記憶している消費税率（ここでは５％）を所定の掛数として示す貸与数特定データをカードユニット２０に対して返信する（Ｓ１０７）。即ちＳ１０６の処理を行うカードユニット２０は、システムコントローラ４との間における通信が確立されたことに基づいて、該システムコントローラ４に対して貸与数特定データの送信を要求するものであり、これによれば、例えばカードユニット２０を遊技島から取り外したオフライン状態で不正が行われるような場合であっても、該カードユニット２０が遊技島に設置されてオンライン状態となったときにシステムコントローラ４から貸与数特定データを取得することができる。

Ｓ１０７の貸与数特定データを受信したカードユニット２０は、前記貸与数特定データ記憶手段として機能するユニット制御部２２のＥＥＰＲＯＭにより、該受信した貸与数特定データを記憶して（Ｓ１０８）、該記憶している貸与数特定データをシステムコントローラ４に対して送信し（Ｓ１０９）、該貸与数特定データを受信したシステムコントローラ４は、該受信した貸与数特定データと前記記憶している貸与数特定データとが一致するか否かを照合し（Ｓ１１０）、一致しなければ（ＮＯ）、前記Ｓ１０７の処理を行う。これによれば、カードユニット２０が記憶している貸与数特定データがシステムコントローラ４に対して送信されるので、システムコントローラ４においてカードユニット２０が記憶している貸与数特定データが正しいか否かを監視することができる。

Ｓ１０９の処理を行ったカードユニット２０は、貸与数算出手段として機能するユニット制御部２２により、前記記憶している貸与数特定データ（ここでは消費税率５％）と当該カードユニット２０について予め定められている単位有価価値（ここでは４円貸し５度数５００円）とに基づいて貸与数（ここでは１２０個）を算出して、ユニット制御部２２のＥＥＰＲＯＭにより、該算出した貸与数を記憶する（Ｓ１１１）。これによれば、システムコントローラ４から所定の掛数（消費税率５％）を示す貸与数特定データが送信され、該所定の掛数と当該カードユニット２０について予め定められている単位有価価値（４円貸し５度数５００円）とに基づいて貸与数が算出されるので、遊技場内に単位有価価値が異なるカードユニット２０（例えば単位有価価値が４円貸し５度数５００円の遊技用装置や１円貸し２度数２００円の遊技用装置）が設置されている場合であっても、システムコントローラ４が単位有価価値毎の貸与数特定データを送信する必要が無い。

Ｓ１１１の処理を行ったカードユニット２０は、パチンコ機１０から前記Ｓ１１２の貸与数データの送信要求を受信したこと、即ちパチンコ機１０との間における通信が確立されたことに基づき、貸与数データ送信手段として機能する貸与通信部２３により、貸与数データ信号線を介して、前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶する貸与数特定データ（ここでは消費税率５％）に基づいて特定された貸与数（ここでは１２０個）を示す貸与数データをパチンコ機１０に対して送信し、ここでは前記貸与数算出手段にて算出された貸与数を示す貸与数データを送信する（Ｓ１１３）。即ち第１実施形態では、貸与数特定データと貸与数データは、それぞれ異なる値を示すものである。これによれば、パチンコ機１０との間における通信が確立されたことに基づいて貸与数データが送信されるので、パチンコ機１０が記憶している貸与数データが通信確立前（例えば営業終了後から営業開始前までの深夜等）に改ざんされていたとしても、正しい貸与数データに更新することができる。

Ｓ１１３の貸与数データを受信したパチンコ機１０は、貸与数データ記憶手段として機能する払出制御基板１２のＥＥＰＲＯＭにより、該受信した貸与数データを記憶し（Ｓ１１４）、貸与数データ信号線を介して、該記憶している貸与数データをカードユニット２０に対して送信し（Ｓ１１５）、該カードユニット２０は、パチンコ機１０から該パチンコ機１０が記憶している貸与数データを受信したことに基づいて、ユニット制御部２２により、該受信した貸与数データが示す貸与数と前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数（即ち前記貸与数算出手段にて算出された貸与数）とが一致するか否かを照合し（Ｓ１１６）、該貸与数が一致しないこと（ＮＯ）を条件として、多機能ランプ２９によりエラー報知（例えば赤色点滅）を行う（Ｓ１１７）。これによれば、パチンコ機１０が記憶している貸与数とカードユニット２０が記憶している貸与数特定データから特定される貸与数とが一致しなければエラー報知が行われるので、パチンコ機１０が記憶している貸与数が正しいか否かを監視することができる。なおＳ１１６で貸与数が一致する（ＹＥＳ）と判定された場合には、貸与操作を受付可能なスタンバイ状態となる。またＳ１１４で記憶される貸与数データは、不揮発性のＥＥＰＲＯＭで記憶されるので、パチンコ機１０の電源を切っても保持される。

図４は、予備のカードユニット２０’において電源が投入された際の電源投入時処理，及び該予備のカードユニット２０’がパチンコ機１０に対応付けられた際の設置時処理の一例を表すフローチャートである。ユニットストッカ３０にストックされている予備のカードユニット２０’において電源が投入されると（Ｓ１０１）、該予備のカードユニット２０’及びシステムコントローラ４において、前記Ｓ１０５〜Ｓ１１１の処理を行う。そして該予備のカードユニット２０’が、電源を切られてユニットストッカ３０から取り出され、パチンコ機１０に対応付けて設置されることにより前記カードユニット２０となり、該カードユニット２０において交換モードで電源が投入（例えばカードユニット２０に設けられた交換モードスイッチを押した状態で電源が投入）されると共に（Ｓ１０１’）、パチンコ機１０において電源が投入されると（Ｓ１０２）、前記Ｓ１０５〜Ｓ１１１の処理を行うことなく、該カードユニット２０及びパチンコ機１０において、前記Ｓ１０３〜Ｓ１０４，及びＳ１１２〜Ｓ１１７の処理を行う。

即ち予備のカードユニット２０’は、前記貸与数特定データ受信手段によりシステムコントローラ４から貸与数特定データを受信して（Ｓ１０７）、該受信した貸与数特定データを前記貸与数特定データ記憶手段により記憶し（Ｓ１０８）、パチンコ機１０に対応付けられ当該パチンコ機１０との間における通信が確立されたことに基づいて、前記記憶している貸与数データを貸与数データ送信手段により当該パチンコ機１０に対して送信する（Ｓ１１３）ものである。これによれば、予備のカードユニット２０’も、システムコントローラ４から貸与数特定データを受信して記憶しているので、該予備のカードユニット２０’をパチンコ機１０に対応付けて設置したときにも、当該カードユニット２０の稼働を迅速に開始することができる。

なお、図示しないが、予備のカードユニット２０’は、パチンコ機１０に対応付けられシステムコントローラ４との間における通信が確立されたことに基づいて、前記Ｓ１０９と同様に、前記記憶している貸与数特定データ（ここでは消費税率５％）をシステムコントローラ４に対して送信し、該貸与数特定データを受信したシステムコントローラ４は、前記Ｓ１１０と同様に、該受信した貸与数特定データと前記記憶している貸与数特定データとが一致するか否かを照合し、一致しなければ、前記Ｓ１０７の処理を行う。これによれば、予備のカードユニット２０’が記憶している貸与数特定データがシステムコントローラ４に対して送信されるので、システムコントローラ４において予備のカードユニット２０’が記憶している貸与数特定データが正しいか否かを監視することができる。

図５は、カードユニット２０において貸与操作が受け付けられた際の貸与処理の一例を表すフローチャートである。カードユニット２０において、プリペイドカード３を受け付けている状態で貸与操作が行われると（Ｓ２０１）、貸与禁止フラグを記憶しているか否かを判定する（Ｓ２０２）。この貸与禁止フラグは、後述するＳ２１４で、貸与操作の受付を禁止する場合に記憶されるものである。このＳ２０２で、貸与禁止フラグの記憶が有る（ＹＥＳ）と判定された場合には、Ｓ２０１の貸与操作を無効とし、貸与禁止フラグの記憶が無い（ＮＯ）と判定された場合には、受け付けているプリペイドカード３から読み取ったカード残額が当該カードユニット２０について予め定められている単位有価価値（ここでは５度数５００円。以下、「使用額」と称する。）以上であるか否かを判定する（Ｓ２０３）。このＳ２０３で、カード残額が使用額未満である（ＮＯ）と判定された場合には、Ｓ２０１の貸与操作を無効とし、カード残額が使用額以上である（ＹＥＳ）と判定された場合には、貸与要求数データ送信手段として機能する貸与通信部２３により、貸与要求数データ信号線を介して、前記貸与要求処理として、前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データ（ここでは消費税率５％）から特定される貸与数（ここでは１２０個）である貸与要求数を示す貸与要求数データをパチンコ機１０に対して送信し、ここでは前記貸与数算出手段にてＳ１１１で算出された貸与数を貸与要求数として示す貸与要求数データを送信する（Ｓ２０４）。

Ｓ２０４の貸与要求数データを受信したパチンコ機１０は、貸与要求数データ判定手段として機能する払出制御基板１２により、該受信した貸与要求数データが示す貸与要求数と前記貸与数データ記憶手段にて記憶している貸与数データが示す貸与数とが一致するか否かを判定する（Ｓ２０５）。

このＳ２０５で貸与要求数と貸与数とが一致しない（ＮＯ）と判定された場合には、Ｓ２０６の貸与応答処理を行わずに、エラー処理１〜３を行う。まずエラー処理１は、カードユニット２０に対して貸与数データの送信を要求する処理である。この処理を行うことにより、エラーの原因となる貸与数データを取得して誤りを修正することができるので、早期に復旧ができる。またエラー処理２は、カードユニット２０に対してエラー信号を送信する処理である。ここでエラー信号は、遊技場の不正による貸与数の間引き（即ち貸与要求数＜貸与数）であるか、遊技者の不正やパチンコ機１０の故障等による貸与数の割増（即ち貸与要求数＞貸与数）であるかを示すものである。この処理を行うことにより、該エラー信号がカードユニット２０を介してシステムコントローラ４に送信されるので、該システムコントローラ４を管理する第三者機関において迅速な対応をとることができる。さらにエラー処理３は、貸与要求数と貸与数とを、パチンコ機１０の遊技領域に設けられる液晶表示装置や残度数表示器１４にて表示する処理である。この処理を行うことにより、貸与数を間引く不正が行われていることや、遊技者の不正やパチンコ機１０の故障等による貸与数の割増があることを容易に把握することができる。なおエラー処理１〜３の全てを行わずに、いずれか１つ又は２つを行うものでも良い。

一方、Ｓ２０５で貸与要求数と貸与数とが一致する（ＹＥＳ）と判定された場合には、前記貸与応答処理として、払出制御基板１２の制御により、貸与数分のパチンコ玉を玉払出装置２７から払い出し（Ｓ２０６）、該貸与応答処理が行われた後に、貸与応答数データ送信手段として機能する払出制御基板１２により、貸与応答数データ信号線を介して、該貸与応答処理にて貸与が完了したパチンコ玉の数である貸与応答数を示す貸与応答数データをカードユニット２０に対して送信する（Ｓ２０７）。

Ｓ２０７の貸与応答数データを受信したカードユニット２０は、受け付けているプリペイドカード３のカード残額から使用額を減算する処理（即ち該減算後のカード残額をプリペイドカード３に書き込む処理）を行って（Ｓ２０８）、受け付けているプリペイドカード３のカードＩＤと使用額とを示す減算要求（Ｓ２０９）と、受信した貸与応答数データ（Ｓ２１０）とを、システムコントローラ４に対して送信する。

Ｓ２０９の減算要求を受信したシステムコントローラ４は、該受信した減算要求が示すカードＩＤに対応付けて残額管理ＤＢで記憶しているカード残額から該減算要求が示す使用額を減算更新する。またＳ２１０の貸与応答数データを受信したシステムコントローラ４は、該貸与応答数データが示す貸与応答数が正常であるか否か（即ち該貸与応答数と、前記記憶している貸与数特定データ（ここでは消費税率５％）と減算要求が示す使用額とから特定される貸与数とが一致するか否か）を判定し（Ｓ２１２）、該貸与応答数が異常であれば（ＮＯ）、エラー報知を行う。これによれば、システムコントローラ４において、パチンコ機１０が貸与した数が正しいか否かを監視することができる。

Ｓ２０９及びＳ２１０の処理を行ったカードユニット２０は、貸与応答数データ判定手段として機能するユニット制御部２２により、前記受信した貸与応答数データが示す貸与応答数と前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数（即ち前記貸与数算出手段にて算出された貸与数）とが一致するか否かを判定する（Ｓ２１３）。このＳ２１３で貸与応答数と貸与数とが一致する（ＹＥＳ）と判定された場合には、貸与操作を受付可能なスタンバイ状態に戻る。

一方、Ｓ２１３で貸与応答数と貸与数とが一致しない（ＮＯ）と判定された場合には、貸与要求処理を禁止するために、貸与禁止フラグを記憶すると共に（Ｓ２１４）、システムコントローラ４に対してエラー信号を送信する（Ｓ２１５）。ここでエラー信号は、遊技場の不正による間引き（即ち貸与応答数＜貸与数）であるか、遊技者の不正やパチンコ機１０の故障等による割増（即ち貸与応答数＞貸与数）であるかを示すものである。この処理を行うことにより、システムコントローラ４を管理する第三者機関において迅速な対応をとることができる。なお貸与禁止フラグは、エラーが解消した場合に消去される。

以上に説明した遊技用システム１によれば、貸与要求処理（Ｓ２０４）が行われる毎に、カードユニット２０が記憶している貸与数特定データから特定される貸与要求数とパチンコ機１０が記憶している貸与数との照合が当該パチンコ機１０にて行われると共に（Ｓ２０５）、該パチンコ機１０にて貸与した貸与応答数とカードユニット２０が記憶している貸与数特定データから特定される貸与数との照合が当該カードユニット２０にて行われるので（Ｓ２１３）、遊技場の不正による貸与数の間引きを防止することができる。

［２．第２実施形態］
次に、第２実施形態に係る遊技用システム１について説明する。この第２実施形態では、まず図１に示すように、センタサーバ５において、１回の貸与で使用される単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数（ここでは１２０個）が設定される。そして該設定された貸与数は、単位有価価値に応じたパチンコ玉の貸与数を特定可能な貸与数特定データとして、システムコントローラ４に対して送信されて記憶される。

そして図６に示すように、カードユニット２０において電源が投入されると共に（Ｓ１０１）、パチンコ機１０において電源が投入されると（Ｓ１０２）、前記Ｓ１０３〜Ｓ１０６の処理を行い、Ｓ１０６で貸与数特定データの送信要求を受信したシステムコントローラ４は、前記記憶している貸与数（ここでは１２０個）を示す貸与数特定データをカードユニット２０に対して返信する（Ｓ１０７’）。ここで前記貸与数特定データ受信手段として機能するシステムコントローラ用通信部２１は、システムコントローラ４から貸与数特定データ（ここでは１２０個）を受信するものである。

Ｓ１０７’の貸与数特定データを受信したカードユニット２０は、前記貸与数特定データ記憶手段として機能するユニット制御部２２のＥＥＰＲＯＭにより、該受信した貸与数特定データ（ここでは１２０個）を記憶して（Ｓ１０８）、該記憶している貸与数特定データをシステムコントローラ４に対して送信し（Ｓ１０９’）、該貸与数特定データを受信したシステムコントローラ４は、該受信した貸与数特定データと前記設定された貸与数特定データとが一致するか否かを照合し（Ｓ１１０）、一致しなければ（ＮＯ）、前記Ｓ１０７の処理を行う。

Ｓ１０９’の処理を行ったカードユニット２０は、前記Ｓ１１１の処理（即ち貸与数の算出と記憶）を行うことなく、パチンコ機１０から前記Ｓ１１２の貸与数データの送信要求を受信したこと、即ちパチンコ機１０との間における通信が確立されたことに基づき、貸与数データ送信手段として機能する貸与通信部２３により、貸与数データ信号線を介して、前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶する貸与数特定データに基づいて特定された貸与数（ここでは１２０個）を示す貸与数データをパチンコ機１０に対して送信する（Ｓ１１３）。即ち第２実施形態において、ユニット制御部２２は、前記貸与数算出手段としては機能せず、貸与数特定データと貸与数データは、同じ値（ここでは１２０個）を示すものである。

なおＳ１１３の処理の後には、前記Ｓ１１４〜Ｓ１１７の処理を行う。また第２実施形態に係る予備のカードユニット２０’は、図４に示す電源投入時処理において、Ｓ１０７に代えてＳ１０７’の処理を行い、Ｓ１０９に代えてＳ１０９’の処理を行い、かつＳ１１１の処理を行わない。さらに第２実施形態において、図５に示す貸与処理は、第１実施形態と同様である。

［３．変形例］
最後に、本発明の変形例について説明する。

上記の実施形態では、図１に示すように、遊技機がパチンコ機１０である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、貸与要求処理に応じて遊技媒体を貸与する貸与応答処理を行うものであれば、遊技媒体としてメダルを使用し、貸与応答処理として該メダルを払い出したりクレジットに加算するスロットマシンや、遊技媒体としてパチンコ玉を使用し、貸与応答処理として該パチンコ玉を払い出すスロットマシンであるパロット（登録商標）や、遊技媒体であるパチンコ玉が指触不能に封入され、貸与応答処理として該パチンコ玉の計数値を加算する封入式のパチンコ機や、遊技媒体として得点データを使用し、貸与応答処理として該得点データを加算するパチンコ機，スロットマシン，及びパロット（登録商標）等であっても良い。

上記の実施形態では、図１及び図２（ｂ）に示すように、貨幣が紙幣２である例について説明したが、これに限らず、該貨幣は、硬貨であっても良く、紙幣２と硬貨の両方であっても良い。また有体物である貨幣の入金を受け付ける例には限られず、無体物である貨幣（例えば電子マネー等の貨幣金額に相当する金額データ，デビットカードの記録情報から特定される預金口座の残高，又はクレジットカードの記録情報から特定される与信金額等）の入金を接触又は非接触で受け付けるようにしても良い。さらに遊技用装置（カードユニット２０）は、貨幣を受付不能（即ち入金不能）なものであっても良い。

上記の実施形態では、プリペイドカード３が、非接触式のＩＣチップにより情報を記録するＩＣカードである例について説明したが、これに限らず、該プリペイドカード３は、接触式のＩＣチップ，磁気ストライプ，二次元コード（例えばバーコード），三次元コード，又は光干渉（例えばホログラム）等により情報を記録するものでも良い。またこれらの形状はカード型には限られず、コイン型であっても良い。さらに遊技用記録媒体は、プリペイドカード３ではなく、ＩＣチップを搭載した携帯電話等であっても良い。

上記の実施形態において、遊技用システム１に、プリペイドカード３に記録されているカード残額に相当する貨幣を払い出して精算を行うことができる精算装置を設けるようにしても良い。

上記の実施形態では、図１及び図２（ａ）に示すように、残度数表示器１４，貸与ボタン１５，及びカード返却ボタン１６が、パチンコ機１０に設けられている例について説明したが、これに限らず、これらの一部又は全部がカードユニット２０に設けられるようにしても良い。

上記の実施形態では、プリペイドカード３に記録されているカード残額と、該プリペイドカード３のカードＩＤと対応付けてシステムコントローラ４で管理されているカード残額との照合が行われ、照合ＯＫであるときに、プリペイドカード３に記録されているカード残額を使用した貸与が行われる例について説明したが、これに限らず、例えばプリペイドカード３にはカード残額を記録せずに、該プリペイドカード３のカードＩＤと対応付けてシステムコントローラ４で管理されているカード残額を使用した貸与が行われるようにしても良く、逆にシステムコントローラ４ではカード残額を管理せずに、プリペイドカード３に記録されているカード残額を使用した貸与が行われるようにしても良い。

上記の実施形態では、遊技用装置（カードユニット２０）について単位有価価値が予め設定されており、遊技場の係員や遊技者が変更できない例について説明したが、これに限らず、遊技場の係員がカードユニット２０に対して単位有価価値を変更する信号を送信する処理を行ったり、遊技者がカードユニット２０に設けられている単位有価価値設定ボタンを操作することにより、該単位有価価値を変更できるように構成しても良い。そして図３に示す第１実施形態において、カードユニット２０について設定されている単位有価価値を変更した場合には、該カードユニット２０は、Ｓ１１１で、変更後の単位有価価値に基づいて貸与数を算出して記憶して、Ｓ１１３以下の処理を行う。また図６に示す第２実施形態において、カードユニット２０について設定されている単位有価価値を変更した場合には、該カードユニット２０は、変更後の単位貸与価値をシステムコントローラ４に対して送信し、該システムコントローラ４は、変更後の単位貸与価値に基づいて貸与数を算出して設定して、Ｓ１０７’で、該設定した貸与数を示す貸与数特定データをカードユニット２０に対して送信し、該カードユニット２０は、Ｓ１０８以下の処理を行う。

上記の実施形態では、単位有価価値（５００円）÷税込み貸与単価（４．２円／個）で算出される商の小数点以下を切り上げて貸与数を特定する例について説明したが、これに限らず、該商の小数点以下を切り捨てたり四捨五入して貸与数を特定するようにしても良い。

上記の実施形態では、システムコントローラ４が管理装置である例について説明したが、これに限らず、センタサーバ５が管理装置として機能するように構成しても良く、この場合には、遊技用装置（カードユニット２０）からシステムコントローラ４に対して送信される情報がセンタサーバ５に対して転送されて、該センタサーバ５が管理装置としての処理（即ち図３〜図５においてシステムコントローラ４が行う処理）を行う。

上記の実施形態では、図１に示すように、所定の掛数として、消費税率を設定する例について説明したが、これに限らず、該所定の掛数として、将来導入される可能性のある遊技税率を設定するものであっても良い。

上記の実施形態では、図１に示すように、所定の掛数として、消費税率を設定する例について説明したが、これに限らず、該所定の掛数として、例えば税抜きの場合の貸与数（例えば１２５個）から税額に応じて減算する数（例えば５個）を設定するものであっても良い。

上記の実施形態では、図３のＳ１０６及びＳ１０７，又は図６のＳ１０６及びＳ１０７’に示すように、遊技用装置（カードユニット２０）と管理装置（システムコントローラ４）との間における通信が確立されたことに基づいて、遊技用装置から管理装置に対して貸与数特定データの送信が要求され、該送信要求に応じて管理装置から遊技用装置に対して貸与数特定データが送信される例について説明したが、これに限らず、該貸与数特定データの送信が、定期的（例えば１時間毎）に行われるようにしても良い。

上記の実施形態では、図３のＳ１０９，又は図６のＳ１０９’に示すように、遊技用装置（カードユニット２０）における電源投入時に、該遊技用装置から管理装置（システムコントローラ４）に対して貸与数特定データが送信される例について説明したが、これに限らず、該貸与数特定データの送信が、定期的（例えば１時間毎）に行われるようにしても良い。

上記の実施形態では、図３又は図６のＳ１０８及びＳ１１３に示すように、貸与数特定データが記憶されてから、貸与数データが送信される例について説明したが、これに限らず、貸与数データが送信されてから、貸与数特定データが記憶されるものであっても良い。即ち貸与数データ送信手段は、貸与数特定データ記憶手段にて記憶する貸与数特定データから特定された貸与数を示す貸与数データを送信するものであれば良い。

上記の実施形態では、図３又は図６のＳ１１３に示すように、遊技用装置（カードユニット２０）及び遊技機（パチンコ機１０）における電源投入時に、遊技用装置と遊技機との通信が確立されたことに基づいて、該遊技用装置から遊技機に対して貸与数データが送信される例について説明したが、これに限らず、該貸与数データが、図５のＳ２０１で貸与操作を受け付けたときに送信されるようにしても良く、また定期的に送信されるようにしても良い。

上記の実施形態では、図３のＳ１１４で記憶された貸与数データが、遊技機（パチンコ機１０）の電源を切っても保持され、遊技用装置（カードユニット２０）と遊技機との通信が確立されたことに基づいて、同Ｓ１１３に示す貸与数データが、遊技用装置から遊技機に対して送信されて、同Ｓ１１４で記憶されることにより、遊技機が記憶している貸与数データが通信確立前（例えば営業終了後から営業開始前までの深夜等）に改ざんされていたとしても、正しい貸与数データに更新することができる例について説明したが、これに限らず、Ｓ１１４で記憶された貸与数データは、改ざんを防止するために、遊技機の電源を切ると消去されるようにしても良い。

上記の実施形態では、図４のＳ１０１’に示すように、遊技用装置（カードユニット２０）において交換モードで電源が投入されると、前記Ｓ１０５〜Ｓ１１１の処理を行わない例について説明したが、該遊技用装置において図３のＳ１０１に示すように電源が投入されると、該図３に示す処理を行う。

上記の実施形態では、単位有価価値が５００円である場合に、遊技用装置（カードユニット２０）から遊技機（パチンコ機１０）に対して、貸与要求処理として、１２０個の貸与要求数を示す貸与要求数データを送信し、貸与応答処理が完了すると、遊技機から遊技用装置に対して、１２０個の貸与応答数を示す貸与応答数データを送信する例について説明したが、これに限らず、１００円毎に、遊技用装置から遊技機に対して２４個の貸与を要求する貸与要求信号を送信し、該遊技機から遊技用装置に対して要求了解信号を送信し、該遊技用装置から遊技機に対して貸与指令信号を送信し、２４個の貸与が完了すると該遊技機から遊技用装置に対して貸与完了信号を送信する処理（いわゆるハンドシェイク）を行い、当該処理を５回繰り返すことにより、貸与要求処理及び貸与応答処理を行うものであっても良い。この場合には、１回目のハンドシェイクが開始される際に、１２０個の貸与要求数を示す貸与要求数データを送信し、５回目のハンドシェイクが完了する際に、１２０個の貸与応答数を示す貸与応答数データを送信するようにしても良く、また１回目〜５回目のハンドシェイクの各々について、２４個の貸与要求数を示す貸与要求数データを送信し、２４個の貸与応答数を示す貸与応答数データを送信するようにしても良い。即ち前記貸与要求数データ送信手段（貸与通信部２３）は、貸与要求処理の際に、貸与要求数データを送信するものであれば良く、前記貸与応答数データ送信手段（払出制御基板１２）は、貸与応答処理が行われた後に、貸与応答数データを送信するものであれば良い。

上記の実施形態では、図５のＳ２０８及びＳ２０９の処理が、Ｓ２０７の貸与応答数データを受信した後に行われる例について説明したが、これに限らず、該Ｓ２０８及びＳ２０９の処理は、Ｓ２０３でＹＥＳと判定された後、Ｓ２０７の貸与応答数データを受信する前に行われるようにしても良い。

上記の実施形態では、図５のＳ２０９に示す減算要求，及びＳ２１０に示す貸与応答数データを、貸与が行われる毎に送信する例について説明したが、これに限らず、カードユニット２０がプリペイドカード３を受け付けている間は、これら減算要求及び貸与応答数データを蓄積して記憶しておき、該プリペイドカード３が返却される例に、該蓄積して記憶している減算要求及び貸与応答数データを一括して送信するようにしても良い。

上記の実施形態では、図３〜図５に示すように、遊技機（パチンコ機１０）に設けられる貸与数データ記憶手段及び貸与要求数データ判定手段が、払出制御基板１２である例について説明したが、これに限らず、該貸与数データ記憶手段及び貸与要求数データ判定手段の一方又は両方が、遊技制御基板１１であっても良い。

上記の実施形態では、全ての遊技用装置（カードユニット２０）について、税抜き貸与単価（４円）及び単位有価価値（５度数５００円）が同一である例について説明したが、これに限らず、例えば図１に示すように、管理装置（システムコントローラ４）において、対象となる遊技用装置（ここではユニットＩＤが０００１〜００２０のカードユニット２０）の税抜き貸与単価及び単位有価価値が設定されると、該設定内容がユニット制御部２２のＥＥＰＲＯＭで記憶されるようにしても良い。この場合において、第１実施形態では、カードユニット２０において、図３又は図４のＳ１１１で、設定された税抜き貸与単価及び単位有価価値に基づいて貸与数を算出して記憶して、Ｓ１１３以下の処理を行う。また第２実施形態では、システムコントローラ４において、設定された税抜き貸与単価及び単位有価価値に基づいて貸与数を算出して設定して、図６のＳ１０７’で、該設定した貸与数を示す貸与数特定データをカードユニット２０に対して送信し、該カードユニット２０は、Ｓ１０８以下の処理を行う。

図１は本発明に係るパチンコ機及びカードユニットを含む遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。 図２（ａ）はパチンコ機及びカードユニットを含む遊技用システムの一例を表す正面図であり、図２（ｂ）は同カードユニットの断面右側面図である。 図３はカードユニット及びパチンコ機において電源が投入された際の電源投入時処理の一例を表すフローチャートである。 図４は予備のカードユニットにおいて電源が投入された際の電源投入時処理，及び該予備のカードユニットがパチンコ機に対応付けられた際の設置時処理の一例を表すフローチャートである。 図５はカードユニットにおいて貸与操作が受け付けられた際の貸与処理の一例を表すフローチャートである。 図６は第２実施形態に係るカードユニット及びパチンコ機において電源が投入された際の電源投入時処理の一例を表すフローチャートである。

符号の説明

１…遊技用システム
４…システムコントローラ
１０…パチンコ機
１２…払出制御基板
２０…カードユニット
２０’…予備のカードユニット
２１…システムコントローラ用通信部
２２…ユニット制御部
２３…貸与通信部
２６…多機能ランプ

Claims (10)

1. 遊技媒体を貸与するための貸与要求処理を行う遊技用装置と、該遊技用装置に対応して設けられ、前記貸与要求処理に応じて遊技媒体を貸与する貸与応答処理を行う遊技機と、を遊技場内に備える遊技用システムであって、
   前記遊技用装置は、
   前記遊技場以外の第三者機関が管理する管理装置から、１回の貸与で使用される単位有価価値に応じた遊技媒体の貸与数を特定可能な貸与数特定データを受信する貸与数特定データ受信手段と、
   該貸与数特定データ受信手段にて受信した貸与数特定データを記憶する貸与数特定データ記憶手段と、
   該貸与数特定データ記憶手段にて記憶する貸与数特定データに基づいて特定された貸与数を示す貸与数データを前記遊技機に対して送信する貸与数データ送信手段と、
   前記貸与要求処理が行われる毎に、前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数である貸与要求数を示す貸与要求数データを前記遊技機に対して送信する貸与要求数データ送信手段と、を有し、
   前記遊技機は、
   前記貸与数データ送信手段から送信されてくる貸与数データを記憶する貸与数データ記憶手段と、
   前記貸与要求数データ送信手段から前記貸与要求数データが送信されてくる毎に、該貸与要求数データが示す貸与要求数と前記貸与数データ記憶手段にて記憶している貸与数データが示す貸与数とが一致するか否かを判定する貸与要求数データ判定手段と、
   該貸与要求数データ判定手段にて貸与要求数と貸与数とが一致すると判定されたことを条件として、前記貸与応答処理が行われる毎に、該貸与応答処理にて貸与が完了した遊技媒体の数である貸与応答数を示す貸与応答数データを前記遊技用装置に対して送信する貸与応答数データ送信手段と、を有し、
   前記遊技用装置は、前記貸与応答数データ送信手段から前記貸与応答数データが送信されてくる毎に、該貸与応答数データが示す貸与応答数と前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数とが一致するか否かを判定する貸与応答数データ判定手段をさらに有することを特徴とする遊技用システム。
2. 請求項１に記載した遊技用システムであって、
   前記遊技機に対応付けられていない予備の前記遊技用装置を前記遊技場内に備え、
   該予備の遊技用装置は、
   前記貸与数特定データ受信手段により前記管理装置から前記貸与数特定データを受信して、該受信した貸与数特定データを前記貸与数特定データ記憶手段により記憶し、
   前記遊技機に対応付けられ当該遊技機との間における通信が確立されたことに基づいて、前記貸与数データを前記貸与数データ送信手段により当該遊技機に対して送信することを特徴とする遊技用システム。
3. 遊技媒体を貸与するための貸与要求処理を行い、該貸与要求処理に応じて遊技媒体を貸与する貸与応答処理を行う遊技機に対応して遊技場内に設けられる遊技用装置であって、
   前記遊技場以外の第三者機関が管理する管理装置から、１回の貸与で使用される単位有価価値に応じた遊技媒体の貸与数を特定可能な貸与数特定データを受信する貸与数特定データ受信手段と、
   該貸与数特定データ受信手段にて受信した貸与数特定データを記憶する貸与数特定データ記憶手段と、
   該貸与数特定データ記憶手段にて記憶する貸与数特定データに基づいて特定された貸与数を示す貸与数データを前記遊技機に対して送信する貸与数データ送信手段と、
   前記貸与要求処理が行われる毎に、前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数である貸与要求数を示す貸与要求数データを前記遊技機に対して送信する貸与要求数データ送信手段と、
   前記貸与数データ送信手段から送信した貸与数データを記憶し、前記貸与要求数データ送信手段から前記貸与要求数データを送信する毎に該貸与要求数データが示す貸与要求数と前記記憶している貸与数データが示す貸与数とが一致するか否かを判定し、該貸与要求数と貸与数とが一致すると判定されたことを条件として、前記貸与応答処理を行う毎に該貸与応答処理にて貸与が完了した遊技媒体の数である貸与応答数を示す貸与応答数データを送信する前記遊技機から、該貸与応答数データを受信する毎に、該受信した貸与応答数データが示す貸与応答数と前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数とが一致するか否かを判定する貸与応答数データ判定手段と、を有することを特徴とする遊技用装置。
4. 請求項３に記載した遊技用装置であって、
   前記貸与数は、前記単位有価価値と所定の掛数とから特定され、
   前記管理装置から送信される前記貸与数特定データは、前記所定の掛数を示すものであり、
   当該貸与数特定データと当該遊技用装置について予め定められている前記単位有価価値とに基づいて前記貸与数を算出する貸与数算出手段をさらに有し、
   前記貸与数データ送信手段は、該貸与数算出手段にて算出された貸与数を示す前記貸与数データを送信し、
   前記貸与要求数データ送信手段は、該貸与数算出手段にて算出された貸与数を前記貸与要求数として示す前記貸与要求数データを送信することを特徴とする遊技用装置。
5. 請求項３又は４に記載した遊技用装置であって、
   前記貸与数データ送信手段は、前記遊技機との間における通信が確立されたことに基づいて、前記貸与数データを送信することを特徴とする遊技用装置。
6. 請求項３〜５のいずれか１つに記載した遊技用装置であって、
   前記貸与応答数データ判定手段にて貸与応答数と貸与数とが一致しないと判定されたことを条件として、前記貸与要求処理を禁止すると共に、前記管理装置に対してエラー信号を送信することを特徴とする遊技用装置。
7. 請求項３〜６のいずれか１つに記載した遊技用装置であって、
   前記管理装置との間における通信が確立されたことに基づいて、該管理装置に対して前記貸与数特定データの送信を要求することを特徴とする遊技用装置。
8. 請求項３〜７のいずれか１つに記載した遊技用装置であって、
   前記遊技機から該遊技機が記憶している貸与数データを受信したことに基づいて、該受信した貸与数データが示す貸与数と前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データから特定される貸与数とが一致するか否かを照合し、該貸与数が一致しないことを条件として、エラー報知を行うことを特徴とする遊技用装置。
9. 請求項３〜８のいずれか１つに記載した遊技用装置であって、
   前記貸与数特定データ記憶手段にて記憶している貸与数特定データを前記管理装置に対して送信することを特徴とする遊技用装置。
10. 請求項３〜９のいずれか１つに記載した遊技用装置であって、
    前記遊技機から前記貸与応答数データを受信したことに基づいて、該受信した貸与応答数データを前記管理装置に対して送信することを特徴とする遊技用装置。

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