JP5375737B2 - 電力変換システムの放電制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子の直列接続体を備えて且つ直流電源の電力を所定に変換する電力変換回路と、該電力変換回路の出力端子および前記直流電源間に介在するキャパシタと、前記電力変換回路および前記キャパシタと前記直流電源との間の電気経路を開閉する開閉手段とを備える電力変換システムに適用され、前記開閉手段が開状態とされる状況下、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子を操作することで前記キャパシタの両電極を短絡させる処理を行うことにより前記キャパシタの充電電圧を規定電圧以下に放電制御する放電制御手段を備える電力変換システムの放電制御装置に関する。
この種の放電制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、インバータの高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子とを同時にオン状態とすることで、インバータの入力端子に接続されるコンデンサの両電極を短絡し、コンデンサを放電させるものも提案されている。この制御装置では、コンデンサの両電極を短絡させる際に流れる電流が過度に大きくなることを回避すべく、放電制御時には通常時と比較して、スイッチング素子であるIGBTのゲートの電圧を低減させている。
特開2009−232620号公報
ところで、上記のように放電制御時に通常時とは相違する態様にてスイッチング素子を操作する場合、放電制御を行なう機能は、通常時には利用されない。このため、通常時においてインバータを駆動することができることは、放電制御を正常に行なうことができることを意味しない。このため、放電制御を行なう要求が生じた場合に、放電制御を実際には行なうことができないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電力変換回路を操作することでキャパシタの充電電圧を規定電圧以下に放電制御する放電制御手段による放電制御の異常の有無を適切に診断することのできる電力変換システムの放電制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子の直列接続体を備えて且つ直流電源の電力を所定に変換する電力変換回路と、該電力変換回路の出力端子および前記直流電源間に介在するキャパシタと、前記電力変換回路および前記キャパシタと前記直流電源との間の電気経路を開閉する開閉手段とを備える電力変換システムに適用され、前記開閉手段が開状態とされる状況下、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子を操作することで前記キャパシタの充電電圧を規定電圧以下に放電制御する放電制御手段を備える電力変換システムの放電制御装置において、前記放電制御手段による前記スイッチング素子の操作を模擬する模擬手段と、該模擬手段によって模擬する処理がなされるときにおける該模擬する処理の対象とされるスイッチング素子の動作に基づき、前記放電制御手段による放電制御の異常の有無を診断する異常診断手段とを備え、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子が前記放電制御手段によって操作される際のそれらの駆動回路の電源である第1電源は、前記キャパシタの充電エネルギを出力するものである一方、前記模擬手段による模擬する操作がなされる際の前記駆動回路の電源である第2電源は、前記キャパシタの充電エネルギとは別のエネルギを出力するものであることを特徴とする。
上記発明では、模擬手段および異常診断手段を備えることで、キャパシタが実際に放電しているか否かの検出に頼ることなく、放電制御の異常の有無を診断することができる。また、上記発明では、模擬手段による模擬する処理がなされる際の駆動回路の電源を第1電源とは相違する第2電源とすることで、キャパシタの充電エネルギが不足している場合であっても、模擬する処理を行なうことができ、ひいては異常の有無を診断することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記電力変換回路は、車載低電圧システムから絶縁された車載高電圧システムを構成し、前記第2電源は、前記低電圧システムに1次側を備える絶縁型コンバータを備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記第2電源は、前記所定に変換する処理時における前記駆動回路の電源であることを特徴とする。
上記発明では、異常診断のために駆動回路の電源を新たに用意することを回避することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記第1電源と前記駆動回路との間には、前記第1電源側から前記駆動回路側へと進む方向を順方向とする整流手段が設けられており、前記第2電源と前記駆動回路との間には、前記第2電源側から前記駆動回路側へと進む方向を順方向とする整流手段が設けられていることを特徴とする。
上記発明では、整流手段を備えるために、なんら電源と駆動回路との接続を変更することなく、模擬手段による模擬する処理がなされる際と放電制御手段による放電制御時との双方において、駆動回路に電気エネルギを供給することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記第1電源および前記第2電源のいずれを前記駆動回路の電源とするかを切り替える切替手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、切替手段を備えるために、模擬手段による模擬する処理がなされる際と放電制御手段による放電制御時との双方において、駆動回路に電気エネルギを供給することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記放電制御手段は、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の双方をオン状態とすることで前記キャパシタの両電極を短絡させる処理を行うことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子は、電圧制御形のスイッチング素子であり、前記放電制御手段は、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の少なくとも一方の非飽和領域の電流が前記所定に変換する処理時よりも小さくなるように前記少なくとも一方のスイッチング素子の導通制御端子に印加する電圧を設定するものであり、前記異常診断手段は、前記少なくとも一方のスイッチング素子の導通制御端子に印加される電圧の値に基づき前記異常の有無を診断することを特徴とする。
上記発明では、放電制御時に導通制御端子に印加する電圧が上記所定に変換する処理時とは相違するため、上記所定に変換する処理に際して異常が生じていない場合であっても放電制御を確実に実行することができるか保証されない。この点、上記発明では、模擬する処理によって上記少なくとも一方のスイッチング素子をオン操作する際の導通制御端子の電圧の検出値を用いることで、放電制御時の動作を実現可能か否かを確かめることができる。
請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の発明において、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子は、電圧制御形のスイッチング素子であり、前記放電制御手段は、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子のいずれか一方の非飽和領域の電流がいずれか他方のものよりも小さくなるように前記いずれか一方および前記いずれか他方のそれぞれのスイッチング素子の導通制御端子に印加する電圧を設定するものであり、前記放電制御手段は、前記いずれか他方がオン状態となっている間に前記いずれか一方のスイッチング状態を切り替えるようにして、該いずれか一方のオン状態およびオフ状態を複数回繰り返すことで前記両電極の短絡状態を複数回生成する処理を行うものであり、前記異常診断手段は、前記いずれか一方のスイッチング素子のオン期間およびオフ期間の少なくとも一方の長さが許容範囲内か否かに基づき前記異常の有無を診断することを特徴とする。
放電制御期間における上記オン期間は、スイッチング素子の発熱量が過度に大きくなることがないような時間間隔に設定されることとなる。この点、オン期間の長さが許容範囲内か否かを確かめるなら、この設定どおりの動作がなされるか否かを確かめることができる。
一方、放電制御期間における上記オフ期間は、スイッチング素子の温度上昇速度が過度に大きくならないように設定されることとなる。この点、オフ期間の長さが許容範囲内か否かを確かめるなら、放電制御によってスイッチング素子の温度の上昇速度が過度に大きくならないか否かを把握することができる。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発明において、前記電力変換システムが搭載される部材に異常が生じたか否かを判断する判断手段を備え、前記放電制御手段は、前記判断手段によって異常が生じたと判断される場合に前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の双方をオン状態とすることで前記キャパシタの両電極を短絡させる処理を行う異常時放電制御手段であり、前記開閉手段が開状態とされて且つ前記異常が生じた旨の判断がなされていない場合に前記短絡させる処理を行なうことなく前記キャパシタを放電する通常時放電手段を更に備えることを特徴とする。
上記発明では、異常が生じたと判断されるまで異常時放電制御手段が用いられないため、これが異常時に実際に動作するか否かを確かめることが特に望まれる。このため、模擬手段および異常診断手段の利用価値が特に大きい。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるドライブユニットDUの構成を示す回路図。 同実施形態にかかる異常時放電制御を示すタイムチャート。 IGBTの特性を示す図。 上記実施形態にかかる通常時の放電処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる異常時放電制御の処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる異常時放電制御の異常の有無の診断処理の手順を示す流れ図。 第2の実施形態にかかるドライブユニットDUの構成を示す回路図。 上記実施形態の変形例にかかるシステム構成図。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる電力変換システムの放電制御装置をハイブリッド車に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態のシステム構成を示す。図示されるモータジェネレータ10は、車載主機であり、駆動輪に機械的に連結されている。モータジェネレータ10は、インバータIVと、リレーSMR2および抵抗体14並びにリレーSMR1の並列接続体とを介して高電圧バッテリ12に接続されている。ここで、高電圧バッテリ12は、その端子電圧が例えば百V以上の高電圧となるものである。また、インバータIVの入力端子のうち、リレーSMR1,SMR2よりもインバータIV側には、コンデンサ16が並列接続されている。
インバータIVは、パワー素子としての高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの直列接続体が3つ並列接続されて構成されている。そして、これら高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの接続点が、モータジェネレータ10の各相にそれぞれ接続されている。
上記高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnのそれぞれの入出力端子間(コレクタおよびエミッタ間)には、高電位側のフリーホイールダイオードFDpおよび低電位側のフリーホイールダイオードFDnのカソードおよびアノードが接続されている。なお、上記スイッチング素子Swp,Swnは、いずれも絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)にて構成されている。また、スイッチング素子Swp,Swnは、その入力端子および出力端子間に流れる電流と相関を有する微少電流を出力するセンス端子Stを備えている。
センス端子Stの出力する微少電流は、シャント抵抗19を流れ、これによる電圧降下量が、スイッチング素子Sw#(#=p,n)を駆動するためのドライブユニットDU(図中、U相のみ明記)に取り込まれる。ドライブユニットDUは、シャント抵抗19における電圧降下量に基づき、スイッチング素子Sw#の入力端子および出力端子間に流れる電流が閾値電流Ith以上となると判断される場合に、スイッチング素子Sw#を強制的にオフ状態とする機能を有する。
一方、制御装置30は、低電圧バッテリ20を電源とする電子制御装置である。制御装置30は、制御対象としてのモータジェネレータ10の制御量を制御すべく、上記インバータIVを操作する。詳しくは、制御装置30は、図示しない各種センサの検出値等に基づき、インバータIVのU相、V相、およびW相のそれぞれについてのスイッチング素子Swpを操作する操作信号gup,gvp,gwpと、スイッチング素子Swnを操作する操作信号gun,gvn,gwnとを生成し出力する。これにより、スイッチング素子Swp,Swnは、それらの導通制御端子(ゲート)に接続されるドライブユニットDUを介して制御装置30により操作される。
ちなみに、インバータIVを備える高電圧システムと、制御装置30を備える低電圧システムとは、図示しないフォトカプラ等の絶縁手段によって絶縁されており、上記操作信号g*#(*=u,v,w、#=p,n)は、絶縁手段を介して高電圧システムに出力される。
上記ドライブユニットDUは、通常時用フライバックコンバータFBnを電源とするものである。通常時用フライバックコンバータFBnは、低電圧バッテリ20の電力を上側アームや下側アームに供給するための絶縁型コンバータである。すなわち、トランス32の1次側コイル32aには、電源用スイッチング素子34が閉操作されることで低電圧バッテリ20のエネルギが蓄えられる。この際、2次側コイル32bにおいては、電流が流れることがダイオード36によって阻止される。これに対し、電源用スイッチング素子34が開操作されることで2次側コイル32bに電流が流れ、通常時用コンデンサ38が充電される。この通常時用コンデンサ38の充電エネルギが、ドライブユニットDUの消費エネルギとなる。なお、図1には、通常時用フライバックコンバータFBnがU相の上下アームのドライブユニットDUの電源となることのみが示されているが、実際には、V相、W相のドライブユニットDUの電源ともなっている。このため、トランス32の2次側コイル32bは、実際には6個である。もっとも、下側アームの電位が共通であることに鑑みれば、下側アーム用の2次側コイルを共通としてもよく、この場合、2次側コイル32bは4個となる。
ところで、制御装置30は、自身に作用する力に基づき加速度を検出する加速度検出手段(Gセンサ22)の検出値に基づき、車両の衝突を検知し、衝突が検知された場合、コンデンサ16を強制的に放電させる処理を行なわせる機能を有する。この異常時放電制御に際しては、車両に異常が生じていることから、通常時用フライバックコンバータFBnがドライブユニットDUの電源として機能しないおそれがある。そこで本実施形態では、異常時放電制御時におけるドライブユニットDUの電源として、コンデンサ16の電圧を降圧するシリーズレギュレータ40と、シリーズレギュレータ40の出力を入力とする放電用フライバックコンバータFBdとを別途備えている。
シリーズレギュレータ40は、複数(ここでは、4個を例示)の抵抗体44とツェナーダイオード48との直列接続体を備えており、これがコンデンサ16に並列接続されている。そして、抵抗体44には、複数のNチャネルMOS型電界効果トランジスタ(スイッチング素子42)が並列接続されている。ここで、最高電位のスイッチング素子42の入力端子と導通制御端子との間には、最高電位の抵抗体44が接続され、中間のスイッチング素子42の導通制御端子同士は、抵抗体44によって接続されている。さらに、最低電位のスイッチング素子42の導通制御端子と出力端子間は、抵抗体46によって接続されている。
上記ツェナーダイオード48には、フォトカプラ54の2次側のフォトトランジスタの入力端子および出力端子が並列接続されている。これにより、フォトカプラ54がオンとなることで、ツェナーダイオード48がオフとなり、スイッチング素子42はオフ状態となる。これに対し、フォトカプラ54がオフとなると、ツェナーダイオード48がオン状態となり、シリーズレギュレータ40の出力電圧がツェナーダイオード48のブレークダウン電圧まで上昇する。そしてシリーズレギュレータ40の出力電流がゼロよりも大きくなる場合、抵抗体46に電流が流れることから、その電圧降下によって、最低電位のスイッチング素子42がオンする。この際、抵抗体44は、最低電位以外のスイッチング素子42の入力端子および導通制御端子間の電圧を抵抗体46の電圧降下量とするように機能する。このため、全てのスイッチング素子42がオン状態に切り替わる。この際、これらスイッチング素子42は非飽和領域で動作し、各スイッチング素子42の出力端子および入力端子間の電圧は、コンデンサ16の電圧からツェナーダイオード48のブレークダウン電圧を減算した値をスイッチング素子42の数によって均等分割した値程度となる。
上記フォトカプラ54の1次側のフォトダイオードは、制御装置30によって出力される異常時放電指令disが論理「H」となることでオン状態となる。異常時放電指令disは、制御装置30が起動されている状況下、衝突が生じない限り論理「H」とされる。これは、衝突が生じて制御装置30によってフォトカプラ54を操作することができなくなった場合であっても、シリーズレギュレータ40をオン状態とするための設定である。
一方、放電用フライバックコンバータFBdは、電源用スイッチング素子64が閉状態とされることで、トランス60の1次側コイル60aにシリーズレギュレータ40の出力エネルギを蓄える。この際、トランス60の2次側コイル60bにおいては、ダイオード66によって電流の流れが阻止される。そして、電源用スイッチング素子64が開状態となることで、ダイオード66を介して放電用コンデンサ68に電流が出力される。なお、放電用フライバックコンバータFBdの出力電圧(放電用コンデンサ68の出力電圧)は、シリーズレギュレータ40の出力電圧程度となるように、電源用スイッチング素子64のオン・オフの1周期に対するオン時間の時比率が下側アームのドライブユニットDUによって操作される。この処理は、シリーズレギュレータ40の出力電圧がU相下側アームのドライブユニットDUに印加されることをトリガとして行われる。
図2に、U相のスイッチング素子Sw#のドライブユニットDUのうち、特にスイッチング素子Sw#をオン・オフする駆動回路部の構成を示す。
図示されるように、U相の上側アームおよび下側アームのそれぞれのドライブユニットDUにおいて、通常時用コンデンサ38の電圧が、充電用スイッチング素子70およびゲート抵抗72を介してスイッチング素子Sw#の導通制御端子(ゲート)に印加される。また、スイッチング素子Sw#のゲートは、ゲート抵抗72および放電用スイッチング素子74を介してスイッチング素子の出力端子(エミッタ)に接続され、これがゲートの放電経路となる。充電用スイッチング素子70や放電用スイッチング素子74は、操作信号gu#に応じて通常時用駆動制御部76によってオン・オフ操作される。これにより、スイッチング素子Sw#は、通常時用駆動制御部76によってオン・オフ操作されることとなる。
U相のドライブユニットDUは、さらに、異常時放電指令disが論理「L」となることと通常時用フライバックコンバータFBnがオフとなることとの論理積が真であることを放電実行条件として、スイッチング素子Sw#をオン・オフ操作するための専用の回路を備えている。
ここで、U相の下側アームのドライブユニットDUは、シリーズレギュレータ40の出力電圧(ダイオード52の出力電圧)が、充電用スイッチング素子82およびゲート抵抗72を介してスイッチング素子Swnのゲートに印加される。また、ゲートは、ゲート抵抗72および放電用スイッチング素子84を介してスイッチング素子Swnのエミッタに接続されている。一方、異常時用駆動制御部86には、通常時用コンデンサ38の正極端子とダイオード52のアノード側とが接続されており、上記放電実行条件が成立することで、充電用スイッチング素子80および放電用スイッチング素子84をオン操作する。
一方、低電位側のスイッチング素子Swnのセンス端子Stから出力される微少電流によるシャント抵抗19の電圧降下量は、ピークホールド90を介してコンパレータ92の非反転入力端子に印加される。コンパレータ92の反転入力端子には、所定の周波数を有する信号を出力する発振器94の出力信号(キャリア)が印加される。これにより、コンパレータ92では、上記電圧降下量の方がキャリアよりも大きくなる場合に論理「H」となる信号を出力する。
これに対し、U相の上側アームのドライブユニットDUでは、充電用スイッチング素子82、放電用スイッチング素子84、異常時用駆動制御部86に加えて、充電用スイッチング素子82と放電用コンデンサ68との間に、ダイオード96と、スイッチング素子98と、放電用コンデンサ68の電圧VHを降圧するレギュレータ104とを備えている。ここで、スイッチング素子98は、ダイオード96のアノード側の電圧と通常時用コンデンサ38の正極電圧とを取り込む判断部100によって上記放電実行条件が成立すると判断されることでオン操作される。
一方、上記コンパレータ92の出力信号は、発熱制御用操作量Mhとして、フォトカプラ102の1次側(フォトダイオード)に出力される。フォトカプラ102の2次側(フォトトランジスタ)の出力端子は、スイッチング素子Swpのエミッタに接続され、入力端子は、抵抗体を介してスイッチング素子98に接続される。そして、フォトカプラ102の出力信号は、上側アームの異常時用駆動制御部86に入力される。これにより、高電位側のスイッチング素子Swpは、上記放電実行条件が成立して且つフォトカプラ102がオフ状態となる間オン操作されることとなる。
上記高電位側のスイッチング素子Swpの付近には、その温度を検出する感温ダイオードSDが設けられている。詳しくは、感温ダイオードSDのカソード側は、スイッチング素子Swpのエミッタに接続されており、アノード側は、放電用コンデンサ68を給電手段とする定電流回路106の出力端子に接続されている。そして、アノード側の電圧が電圧比較回路108に取り込まれ、電圧比較回路108の出力信号は、レギュレータ104に取り込まれる。そして、レギュレータ104では、感温ダイオードSDによって検出される温度に応じて、出力電圧VL(<VH)を可変設定する。ちなみに、感温ダイオードSDの出力電圧と検出対象の温度とは負の相関を有する。
図3に、異常時放電指令disに基づく放電制御の態様を示す。詳しくは、図3(a)に、異常時放電指令disの推移を示し、図3(b)に、ピークホールド90の出力信号(一点鎖線)と発振器94の出力するキャリアとの推移を示し、図3(c)に、U相の高電位側のスイッチング素子Swpの状態の推移を示し、図3(d)に、U相の低電位側のスイッチング素子Swnの状態の推移を示す。図示されるように、本実施形態では、U相の低電位側のスイッチング素子Swnをオン状態に維持しつつ、高電位側のスイッチング素子Swpを、オン状態およびオフ状態に周期的に切り替える。これにより、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの双方が同時期にオン状態となる期間が存在し、この期間においてコンデンサ16の両電極間がスイッチング素子Swp,Swnを介して短絡状態とされることで、コンデンサ16が放電される。
この際、先の図2に示したドライブユニットDUの構成の故に、図3(e)および図3(f)に示すように、高電位側のスイッチング素子Swpのゲート印加電圧の方が低電位側のスイッチング素子Swnのゲート印加電圧よりも低くなる。ここで、図3(e)は、高電位側のスイッチング素子Swpのゲート・エミッタ間電圧Vgeの推移し、図3(f)は、低電位側のスイッチング素子Swnのゲート・エミッタ間電圧Vgeの推移を示す。
こうした構成によれば、高電位側のスイッチング素子Swpは、非飽和領域において駆動されて且つ、低電位側のスイッチング素子Swnは、飽和領域において駆動されることとなる。ここで、飽和領域とは、図4に示すように、出力電流(コレクタ電流Ic)に応じてスイッチング素子の入力端子および出力端子間の電圧(コレクタエミッタ間電圧Vce)が大きくなる領域のことである。一方、非飽和領域とは、コレクタ電流が増加することなくコレクタエミッタ間電圧Vceが増大する領域のことである。非飽和領域となるコレクタ電流Icは、ゲート印加電圧(ゲート・エミッタ間電圧Vge)が大きいほど大きくなる。
このため、低電位側のスイッチング素子Swnよりも高電位側のスイッチング素子Swpのゲート印加電圧を低くすることで、高電位側のスイッチング素子Swpの方が低電位側のスイッチング素子Swnよりも非飽和領域の電流が小さくなる。これにより、放電制御によって高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnを流れる電流は高電位側のスイッチング素子Swpの非飽和領域の電流に制限されることとなる。なお、高電位側のスイッチング素子Swpの非飽和領域の電流は、上記ドライブユニットDUが規定する閾値電流Ith未満となるように設定することが望ましい。
特に本実施形態では、高電位側のスイッチング素子Swpの温度を制御量として、これを感温ダイオードSDによって検出し、この検出値が過度に高くならないようにフィードバック制御する。ここで、フィードバック制御量を高電位側のスイッチング素子Swpの温度としたのは、上記放電制御によって生じる発熱量の大部分が、非飽和領域で駆動される高電位側のスイッチング素子Swpによるものとなることに鑑みたものである。先の図2に示したように、温度フィードバック制御の操作量として、本実施形態では、スイッチング素子Swpのゲートへの印加電圧を採用した。これにより、図3(e)に示すように、感温ダイオードSDの出力電圧が低下する場合(感温ダイオードSDによって検出される温度が高くなる場合)、印加電圧を低下させる。これにより、高電位側のスイッチング素子Swpの非飽和領域の電流を低減することができることから、放電電流を低減することができる。
本実施形態では、さらに、先の図3に示した態様にて放電制御を行なうことで、ピークホールド90の出力信号の値が大きいほど(放電電流が大きいほど)、高電位側のスイッチング素子Swpのオン、オフの1周期に対するオン時間の時比率が小さくなるように制御する。これにより、放電電流が大きい場合に、単位時間(例えばキャリアの1周期)内における発熱量を低減する制御がなされることから、単位時間当たりの発熱量が過度に大きくなることを回避することができる。
上記放電制御は、車両の衝突時等に行われるものであるが、本実施形態では、車両が通常時において停止し、リレーSMR1が開状態に切り替えられた際にもインバータIVを操作することで放電制御を行なう。ただし、この際の放電制御は、モータジェネレータ10に無効電流を流すことで実行される。これにより、放電抵抗18によるコンデンサ16の放電よりも迅速にコンデンサ16を放電させることができる。
図5に、本実施形態における通常時の放電制御の処理手順を示す。この処理は、制御装置30によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、車両の起動スイッチがオフ操作されることでリレーSMR1が閉状態から開状態に切り替えられたか否かを判断する。ここで、車両の起動スイッチとは、ユーザが車両の起動を許可するための手段である。なお、起動スイッチは、必ずしも機械的な操作を要するものに限らず、例えば、ユーザが携帯する無線機器であって車両に近接することで起動許可信号が車両側によって受信可能なものであってもよい。ステップS10において肯定判断される場合、ステップS12において、無効電流を流すように操作信号g*#を設定して各スイッチング素子Sw#に出力する。ここでは、例えばモータジェネレータ10がIPMSMやSPMである場合、q軸電流をゼロとして且つd軸電流の絶対値をゼロよりも大きくするように操作信号g*#を設定すればよい。
なお、ステップS12の処理が完了する場合や、ステップS10において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図6に、本実施形態における異常時放電制御の処理手順を示す。この処理は、制御装置30によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS20において、Gセンサ22の検出値を入力する。続くステップS22では、入力される検出値に基づき車両が衝突したか否かを判断する。ここでは、検出される加速度が所定値以上である場合、衝突した旨判断すればよい。そして、車両が衝突したと判断される場合、ステップS24においてリレーSMR1、SMR2を開状態とする。さらに、ステップS26において、異常時放電指令disを論理「L」とするとともに通常時用フライバックコンバータFBnをオフとする。なお、ステップS26の処理が完了する場合や、ステップS22において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
ところで、上記異常時放電制御は、車両の衝突という異常事態が生じない限り利用されないものである。そして、異常時において確実に異常時放電制御がなされるか否かは、モータジェネレータ10を通常に制御しうるか否かによっては判断できない。これは、異常時放電制御時におけるドライブユニットDUの電源と通常時のドライブユニットDUの電源とが別であることや、通常時のスイッチング素子Swp,Swnの操作信号gup,gunと異常時放電制御時のそれとが別の信号であることなどのためである。
そこで本実施形態では、コンデンサ16に充電電荷がないと想定される状況下、異常時放電制御を模擬することで先の図2に示す診断部120,122を用いて異常時放電制御が実際に実行可能であるか否かを確かめる。これら診断部120,122は、いずれもスイッチング素子Sw#のゲートの電圧に基づき、異常時放電制御と同様の動作が可能であるか否かを判断するものである。この診断は、制御装置30から異常診断指令Dgを出力することで行なう。すなわち、下側アームの異常時用駆動制御部86に異常診断指令Dgが取り込まれることで、スイッチング素子Swnの異常時放電制御の動作を模擬することができる。また、この際、上側アームの判断部100に異常診断指令Dgが取り込まれることで、スイッチング素子Swpの異常時放電制御の動作を模擬することができる。
ただし、上述したように、異常時放電制御がシリーズレギュレータ40を電力供給源として行われるものであるため、診断時においてはドライブユニットDUに電気エネルギを供給することができなくなるおそれがある。本実施形態ではこの点に鑑み、図2に示すように、下側アームの通常時用コンデンサ38の電力をダイオード130を介し異常時用駆動制御部86や充電用スイッチング素子82等に供給したり、上側アームの通常時用コンデンサ38の電力をダイオード132を介し異常時用駆動制御部86や充電用スイッチング素子82等に供給したりする。
なお、ダイオード130は、シリーズレギュレータ40の出力が通常時用コンデンサ38に流入することを阻止する機能を有し、ダイオード132は、放電用コンデンサ68の充電エネルギが通常時用コンデンサ38に流入することを阻止する機能を有する。また、ダイオード96は、通常時用コンデンサ38の充電エネルギが放電用コンデンサ68に流入するのを阻止する機能を有する。
図7に、本実施形態にかかる異常時放電制御の異常の有無を診断する処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、起動スイッチがオン状態に切り替えられたか否かを判断する。この処理は、診断実行条件が成立したか否かを判断するためのものである。そして、起動スイッチがオン状態に切り替えられたと判断される場合、診断条件が成立したとして、ステップS32において、異常診断指令Dgを出力する。続くステップS34では、異常診断指令Dgの出力継続時間を計時するタイマ計時動作を開始する。そして、タイマが閾値時間Tth以上となるまで正常が検出されない場合(ステップS36でNO且つステップS44でYES)、ステップS46において、異常がある旨外部に通知しユーザに認知させる。
これに対し、閾値時間Tthが経過する前に正常が検出される場合(ステップS36:YES)、ステップS38においてリレーSMR2を閉操作することで、高抵抗電気経路を介して高電圧バッテリ12の電荷をコンデンサ16に充電する。そして、所定時間が経過すると(ステップS40:YES)、リレーSMR2を開状態に切り替えて且つリレーSMR1を閉状態に切り替える。これにより、高電圧バッテリ12とコンデンサ16とが低抵抗電気経路によって接続されることとなる。なお、上記所定時間は、高電圧バッテリ12およびコンデンサ16を低抵抗電気経路で接続してもコンデンサ16に過度に大きな電流が流れなくなると想定される充電電圧までコンデンサ16が充電されると想定される時間に設定される。
なお、上記ステップS42,S46の処理が完了する場合や、ステップS30において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。ちなみに、上記ステップS36における「正常である」との判断は、上記診断部120によって、スイッチング素子Swpのゲート印加電圧が許容範囲(電圧VLとの差が許容範囲内)であると判断されたこと、上記診断部122によって、スイッチング素子Swnがオン操作されたと判断されたことである。なお、先の図2に示す構成の場合、スイッチング素子Swpがオン・オフ操作を繰り返すか否かを診断することはできない。ただし、例えば図2に破線にて示すように、診断信号Dgに応じてピークホールド90にデフォルト値を入れるなどすれば、オン・オフ操作が繰り返されるか否かを診断することができる。この場合、ステップS36における「正常である」との判断には、さらに、スイッチング素子Swpのオン時間、オフ時間が許容範囲内であると判断されたことが含まれることとなる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)コンデンサ16の電圧を降圧するシリーズレギュレータ40とその出力を入力とする放電用フライバックコンバータFBdをドライブユニットDUの電源として異常時放電制御を行って且つ、その異常の有無の診断時のドライブユニットDUの電源を通常時用フライバックコンバータFBnとした。これにより、コンデンサ16に電荷がない場合であっても、異常の有無を診断することができる。
(2)ドライブユニットDUのうち異常時放電制御に用いられる手段に、シリーズレギュレータ40(放電用コンデンサ68)と通常時用コンデンサ38とを接続するに際し、ダイオード52,96,130,132を介在させた。これにより、診断処理時と異常時放電制御時との双方において、異常時放電制御に用いられる手段に電気エネルギを供給することができる。
(3)異常時放電制御を、高電位側のスイッチング素子Swpのゲート印加電圧を低電位側のスイッチング素子Swnのゲート印加電圧よりも低下させて且つ、異常の有無の診断を、スイッチング素子Swpのゲート印加電圧の値に基づき行った。これにより、放電制御時の動作を実現可能か否かを確かめることができる。
(4)異常時放電制御を、低電位側のスイッチング素子Swnをオン状態に維持しつつ高電位側のスイッチング素子Swpのオン状態およびオフ状態を複数回繰り返すことでコンデンサ16の両電極の短絡状態を複数回生成する処理として且つ、異常の有無の診断を、スイッチング素子Swpのオン期間およびオフ期間の長さが許容範囲内か否かに基づき行った。これにより、異常時放電制御時において、スイッチング素子の発熱量や温度上昇速度が過度に大きくなることがないか否かを確かめることができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図8に、U相のスイッチング素子Sw#のドライブユニットDUのうち、特にスイッチング素子Sw#をオン・オフする駆動回路部の構成を示す。なお、図8において、先の図2に示した部材に対応する部材については便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、U相の上側アームにおいては、通常時用コンデンサ38の正極と放電用コンデンサ68の正極とのいずれか一方を選択的に異常時放電制御に用いる部材に接続する切替回路140を備えている。また、U相の下側アームにおいては、通常時用コンデンサ38の正極とダイオード52のカソードとのいずれか一方を選択的に異常時放電制御に用いる部材に接続する切替回路142を備えている。ここで、切替回路140は、通常は、放電用コンデンサ68を異常時放電制御に用いる部材に接続するものであり、異常診断指令Dgが入力される場合に限って、通常時用コンデンサ38を異常時放電制御に用いる部材に接続するものである。また、切替回路142は、通常は、ダイオード52のカソード側を異常時放電制御に用いる部材に接続するものであり、異常診断指令Dgが入力される場合に限って、通常時用コンデンサ38を異常時放電制御に用いる部材に接続するものである。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(3)、(4)の各効果に加えて、さらに以下の効果が得られるようになる。
(5)シリーズレギュレータ40(放電用コンデンサ68)と通常時用コンデンサ38とのいずれかを選択する切替回路140,142を備えた。これにより、診断処理時と放電制御時との双方において、異常時放電制御を行なう手段に電気エネルギを供給することができる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「放電実行条件について」
放電実行条件としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、シリーズレギュレータ40と放電用フライバックコンバータFBdとが電圧を出力することのみを放電実行条件としてもよい。
「異常時放電制御手段について」
異常時放電制御手段としては、低電位側のスイッチング素子Swnをオン状態に維持しつつ高電位側のスイッチング素子Swpのオン状態およびオフ状態を複数回繰り返すことでコンデンサ16の両電極の短絡状態を複数回生成する処理を行なうものに限らない。例えば、高電位側のスイッチング素子Swpをオン状態に維持しつつ低電位側のスイッチング素子Swnのオン状態およびオフ状態を複数回繰り返すことでコンデンサ16の両電極の短絡状態を複数回生成する処理を行なうものであってもよい。ただし、この場合であっても、オン状態およびオフ状態を複数回繰り返す側のゲート印加電圧の方を低く設定し、非飽和領域で動作させる。また、例えば高電位側のスイッチング素子Swpと低電位側のスイッチング素子Swnとの同時のオン状態および同時のオフ状態を複数回繰り返すことでコンデンサ16の両電極の短絡状態を複数回生成する処理を行なうものであってもよい。ここでも、これら高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnのいずれか一方を非飽和領域で動作させるべくゲート印加電圧を調節する。ただし、この際、飽和領域で動作させる方がオン状態である間に非飽和領域で動作させる方のスイッチング状態を切り替えることが望ましい。また、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの双方を、放電制御期間において一度だけオン状態とするものであってもよい。ここでも、これら高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnのいずれか一方を非飽和領域で動作させるべくゲート印加電圧を調節する。
また、モータジェネレータ10の1の相に電圧を印加する高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの組のみを用いて放電制御を行なうものに限らない。例えば、各相の高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnを順次オン状態とするように切り替えるものであってもよい。
なお、これらの制御に際して、温度フィードバック制御や電流量に基づく発熱量の制御を行なわなくてもよい。この場合、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnのいずれか一方のオン状態およびオフ状態を複数回繰り返す処理を行なうとしても、オン期間やオフ期間が許容範囲内であるか否かの診断をより簡易に行なうことができる。
また、異常時放電制御手段としては、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの双方をオン状態とすることで放電制御を行なうものにも限らない。例えばモータジェネレータ10に無効電流を流す手段であってもよい。
なお、高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnの双方をオン状態とすることで行われる放電制御を、異常時に限らず、通常時において、リレーSMR1を開状態に切り替える都度行ってもよい。
「模擬手段について」
模擬手段としては、高電位側のスイッチング素子Swpと低電位側のスイッチング素子Swnとの双方をオン状態とすることでコンデンサ16の両端を実際に短絡させるものに限らない。例えば高電位側のスイッチング素子Swpおよび低電位側のスイッチング素子Swnのいずれか一方のみを異常時用駆動制御部86によってオン状態とするものであってもよい。
「異常診断手段について」
異常診断手段としては、高電位側のスイッチング素子Swpについて、ゲート印加電圧が許容範囲内にあるか否かと、オン時間が許容範囲内にあるか否かと、オフ時間が許容範囲内にあるかの全てを判断するものに限らず、これらの少なくとも一つを判断するものであればよい。また、低電位側のスイッチング素子Swnについて、オン状態となるか否かを判断するものに限らない。例えばゲート印加電圧が許容範囲内にあるか否かを判断するものであってもよい。さらに、高電位側のスイッチング素子Swpと低電位側のスイッチング素子Swnとの双方を診断するものにも限らず、いずれか一方に限って診断するものであってもよい。
異常診断の実行条件としては、起動スイッチがオン操作されることに限らない。例えば、車載電子機器に電源を投入するアクセサリスイッチがオン操作されることとしてもよい。なお、起動スイッチおよびアクセサリスイッチを、専用のスイッチのオン操作とブレーキ操作との組み合わせによって実現してもよい。すなわち、専用のスイッチがオン操作されるもののブレーキ操作がなされない場合をアクセサリスイッチオンとして且つ、専用のスイッチがオン操作されて且つブレーキ操作がなされる場合を起動スイッチオンとしてもよい。
異常診断手段としては、高電圧システム内において異常の有無を診断し、その結果を低電圧システムに出力するものに限らない。例えばゲート印加電圧信号をトランスを介して低電圧システム側(制御装置30)に取り込み、ここで異常の有無を判断するものであってもよい。
「第1電源について」
下側アームの電源としては、シリーズレギュレータ40に限らない。例えばフライバックコンバータ等の絶縁型コンバータであってもよい。また、絶縁型コンバータに限らず、降圧チョッパ等の非絶縁型コンバータであってもよい。
また、上側アームの電源としては、放電用フライバックコンバータFBdに限らず、例えばフォワードコンバータであってもよい。また、絶縁型コンバータにも限らない。例えば、シリーズレギュレータ40の電位をシフトさせるレベルシフタであってもよい。また、シリーズレギュレータ40の出力側から放電用コンデンサ68側へと進む方向を順方向とするダイオードを備えて構成してもよい。
「第2電源について」
模擬手段による模擬がなされる際のドライブユニットDUの電源としては、通常時用フライバックコンバータFBnに限らない。例えば、高電圧バッテリ12の電圧を降圧するシリーズレギュレータを別途備えてもよい。
「ドライブユニットDUについて」
充電用スイッチング素子70および放電用スイッチング素子74と充電用スイッチング素子80および放電用スイッチング素子84とを別部材とするものに限らない。また、通常時用駆動制御部76と異常時用駆動制御部86とを別部材とするものに限らない。
閾値電流Ith以上となることでスイッチング素子Sw#を強制的にオフ状態とする機能を備えていなくてもよい。
「直流交流変換回路について」
放電制御に際して高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子の双方がオン状態とされる直流交流変換回路(インバータIV)としては、車載主機としての回転機と高電圧バッテリ12との間の電力の授受を仲介するものに限らない。例えば、空調装置の備える回転機等、主機以外の回転機と高電圧バッテリ12との間の電力の授受を仲介するものであってもよい。
また、直流交流変換回路としては、インバータIVに限らず、Hブリッジ回路であってもよい。
「電力変換回路について」
電力変換回路としては、インバータIVのみからなるものに限らない。例えば図9に示されるように、リアクトル150と、リアクトル150を介してコンデンサ16に並列接続される低電位側のスイッチング素子Swnと、フリーホイールダイオードFDpと、低電位側のスイッチング素子SwnとフリーホイールダイオードFDpとの直列接続体に接続されるコンデンサ152とを備える昇圧コンバータCVを、インバータIVの入力端子に接続させてもよい。この場合、昇圧コンバータCVの出力端子に接続されたコンデンサ152とコンデンサ16とが放電制御の対象となり、コンデンサ16の電圧は、昇圧コンバータCVのコンデンサ152の電圧が低下するに連れてフリーホイールダイオードFDpを介して放電されることとなる。
また、図9に示すように、上記フリーホイールダイオードFDpに高電位側のスイッチング素子Swpを並列接続させるなら、昇圧コンバータCVの一対のスイッチング素子の双方をオン状態とすることで放電制御を行なうことも可能である。
なお、昇圧コンバータCVを備える場合であっても、シリーズレギュレータ40を、コンデンサ16の電気エネルギを入力とするものとしてもよい。
(そのほか)
・放電制御に用いる高電位側のスイッチング素子Swpや低電位側のスイッチング素子Swnとしては、IGBTに限らず、例えばパワーMOS型電界効果トランジスタ等の電界効果トランジスタであってもよい。
・車両としては、ハイブリッド車に限らず、例えば車載主機のために貯蔵されるエネルギ資源が電気エネルギのみとなる電気自動車等であってもよい。
・放電装置としては、車両に搭載されるものに限らず、例えば住宅に設けられる直流電源の電力を交流に変換する電力変換システムに適用されるものであってもよい。この場合、異常時とは、例えば地震等が検知された場合とすればよい。
10…モータジェネレータ、12…高電圧バッテリ(直流電源の一実施形態)、16…コンデンサ、30…制御装置、40…シリーズレギュレータ、FBd…放電用フライバックコンバータ、Swp…高電位側のスイッチング素子、Swn…低電位側のスイッチング素子Swn、DU…ドライブユニット。

Claims (9)

  1. 高電位側のスイッチング素子および低電位側のスイッチング素子の直列接続体を備えて且つ直流電源の電力を所定に変換する電力変換回路と、該電力変換回路の出力端子および前記直流電源間に介在するキャパシタと、前記電力変換回路および前記キャパシタと前記直流電源との間の電気経路を開閉する開閉手段とを備える電力変換システムに適用され、前記開閉手段が開状態とされる状況下、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子を操作することで前記キャパシタの充電電圧を規定電圧以下に放電制御する放電制御手段を備える電力変換システムの放電制御装置において、
    前記放電制御手段による前記スイッチング素子の操作を模擬する模擬手段と、
    該模擬手段によって模擬する処理がなされるときにおける該模擬する処理の対象とされるスイッチング素子の動作に基づき、前記放電制御手段による放電制御の異常の有無を診断する異常診断手段とを備え、
    前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子が前記放電制御手段によって操作される際のそれらの駆動回路の電源である第1電源は、前記キャパシタの充電エネルギを出力するものである一方、前記模擬手段による模擬する操作がなされる際の前記駆動回路の電源である第2電源は、前記キャパシタの充電エネルギとは別のエネルギを出力するものであることを特徴とする電力変換システムの放電制御装置。
  2. 前記電力変換回路は、車載低電圧システムから絶縁された車載高電圧システムを構成し、
    前記第2電源は、前記低電圧システムに1次側を備える絶縁型コンバータを備えることを特徴とする請求項1記載の電力変換システムの放電制御装置。
  3. 前記第2電源は、前記所定に変換する処理時における前記駆動回路の電源であることを特徴とする請求項1または2記載の電力変換システムの放電制御装置。
  4. 前記第1電源と前記駆動回路との間には、前記第1電源側から前記駆動回路側へと進む方向を順方向とする整流手段が設けられており、前記第2電源と前記駆動回路との間には、前記第2電源側から前記駆動回路側へと進む方向を順方向とする整流手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換システムの放電制御装置。
  5. 前記第1電源および前記第2電源のいずれを前記駆動回路の電源とするかを切り替える切替手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換システムの放電制御装置。
  6. 前記放電制御手段は、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の双方をオン状態とすることで前記キャパシタの両電極を短絡させる処理を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換システムの放電制御装置。
  7. 前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子は、電圧制御形のスイッチング素子であり、
    前記放電制御手段は、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の少なくとも一方の非飽和領域の電流が前記所定に変換する処理時よりも小さくなるように前記少なくとも一方のスイッチング素子の導通制御端子に印加する電圧を設定するものであり、
    前記異常診断手段は、前記少なくとも一方のスイッチング素子の導通制御端子に印加される電圧の値に基づき前記異常の有無を診断することを特徴とする請求項6記載の電力変換システムの放電制御装置。
  8. 前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子は、電圧制御形のスイッチング素子であり、
    前記放電制御手段は、前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子のいずれか一方の非飽和領域の電流がいずれか他方のものよりも小さくなるように前記いずれか一方および前記いずれか他方のそれぞれのスイッチング素子の導通制御端子に印加する電圧を設定するものであり、
    前記放電制御手段は、前記いずれか他方がオン状態となっている間に前記いずれか一方のスイッチング状態を切り替えるようにして、該いずれか一方のオン状態およびオフ状態を複数回繰り返すことで前記両電極の短絡状態を複数回生成する処理を行うものであり、
    前記異常診断手段は、前記いずれか一方のスイッチング素子のオン期間およびオフ期間の少なくとも一方の長さが許容範囲内か否かに基づき前記異常の有無を診断することを特徴とする請求項6または7記載の電力変換システムの放電制御装置。
  9. 前記電力変換システムが搭載される部材に異常が生じたか否かを判断する判断手段を備え、
    前記放電制御手段は、前記判断手段によって異常が生じたと判断される場合に前記高電位側のスイッチング素子および前記低電位側のスイッチング素子の双方をオン状態とすることで前記キャパシタの両電極を短絡させる処理を行う異常時放電制御手段であり、
    前記開閉手段が開状態とされて且つ前記異常が生じた旨の判断がなされていない場合に前記短絡させる処理を行なうことなく前記キャパシタを放電する通常時放電手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電力変換システムの放電制御装置。
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