JP5374897B2 - 熱処理システム - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、熱処理システムに係る第一の解決手段として、加熱炉と冷却炉とを含む複数の処理部と、これら各処理部間を移動可能とされる搬送炉とを備え、前記各処理部と前記搬送炉との間で被処理品の受け渡しが可能となるように構成された熱処理システムにおいて、前記搬送炉は、前記搬送炉の炉内の温度を昇温させる加熱装置と前記炉内の温度を降温させる冷却装置とを備える、という手段を採用する。
熱処理システムに係る第五の解決手段として、上記熱処理システムの第一から第四の解決手段うちいずれかにおいて、前記冷却炉が、油冷炉である、という手段を採用する。
図1は、この発明の実施形態に係る熱処理システムAの全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、熱処理システムAは、被処理品Wに対して熱処理を行う第一加熱炉1、第二加熱炉2、第三加熱炉3、ガス冷却炉4及び油冷炉5が一直線状に列設され、これらに沿って搬送炉10が直線移動可能に設けられて概略構成されている。ここで、第一加熱炉1等の列設方向をX方向、X方向の直交方向、かつ、水平方向をY方向とする。
搬送炉10は、第一加熱炉1等に沿ってX方向に敷設された一組の第一レール11上に設けられたものであり、第一レール11を滑動可能な第一滑車12aが設けられ一組の第二レール12bが敷設された基台12と、第二レール12bを滑動可能な第二滑車13aが設けられた脚部13bを介して支持される炉本体13と、炉本体13内を減圧する真空ポンプ14(図1参照)と、基台12上に設けられた第一搬送装置15(図1参照)と、を備えている。
また、密閉部16bは、内部空間16dが形成された略中空円盤形状のものであり、容器本体16a側に形成された隔壁16eと、隔壁16eに対向するように形成された被密着壁16fとを備えている。隔壁16eには、容器本体16aの内部空間16sに連通して断熱部材18が露出する円孔16hが形成されており、被密着壁16fには、内部空間16dと外部とが連通し被処理品Wを搬入出可能な搬入搬出口16gが形成されている。
すなわち、搬入搬出口16gを真空シールドドア22により閉塞すると、内部空間16d及び内部空間16sが密閉されるようになっている。
すなわち、装入抽出口18cを第一ヒートシールドア23により閉塞するとヒータ19のふく射熱が遮断されるようになっている。
これにより、棒状部材導入口18dを開口すると加熱室Rに後述のチェーンドック36を導入することができると共に、棒状部材導入口18dを閉塞するとヒータ19のふく射熱が遮断されるようになっている。
ヒータ(加熱装置)19は、断熱部材18の内壁面において、加熱室Rに装入された被処理品Wを囲うように配設されている。
ファンモータ20aは、容器本体16aの上部に位置するように配置されると共に、ファン20bは、加熱室Rの上部に位置するように配置される。なお、ファンモータ20aの回動シャフトは、断熱部材18を貫通している。すなわち、ガス循環装置20cは、冷却ガス導入口18g及び冷却ガス排出口18e、18fを開口させた状態において、加熱室R及び内部空間16sに、ガス供給手段17によって供給された不活性ガスを循環させることが可能である。
スプロケット37は、チェーン36cを巻架し炉外に設けられた駆動装置(不図示)により回動されて、チェーンドック36を駆動するものである。
チェーンガイド38は、対向するフリーローラ35の間に、Y方向に所定間隔を空けて配置されるものであり、上下に昇降可能なものである。このチェーンガイド38は、フリーローラ35と同じく、第一加熱炉1、第二加熱炉2、第三加熱炉3、ガス冷却炉4及び油冷炉5のそれぞれの内部空間に、また、装入台6及び抽出台7にそれぞれ複数設けられている。
第一搬送装置(搬送装置)15は、基台12に脚部40aを介して固定される基部40と、一端が基部40に固定された上下可動部41と、上下可動部41に設けられY方向に移動可能な中間可動部42と、中間可動部42に設けられY方向に移動可能な載置部43と、上下可動部41の他端を上下に昇降させるカム機構44と、中間可動部42と載置部43とをY方向に移動させる駆動機構45とを備えている。
上下可動部41は、Y方向に沿って互いに対向して設けられた一対のコ字状フレーム41dが連結されたものであり、その一端が箱型ケーシング40cに軸固定されている。
駆動機構45は、箱型ケーシング40cに設けられており、不図示の駆動機構の駆動力により、車輪42d及び車輪43aを回動させることができるように構成されている。
そして、棒状部材36bを搬送炉10の内部に収容し、真空シールドドア2bを駆動して装入抽出口2aを閉塞させ、図5(b)に示すように、減圧した第二加熱炉2で被処理品W2を処理時間t2だけ加熱する。
その後、搬送炉10を油冷炉5に隣接する位置に移動させると共に油冷炉5に密着させて、減圧下において、被処理品W1を油冷炉5内部に装入し、処理時間t3だけ油冷する。
その後、搬送炉10を第二加熱炉2に隣接する位置まで移動させ、上述した手順と同様にして、減圧下で被処理品W2を回収する。
この際にも、加熱室Rの炉内温度は、第二加熱炉2と同一の温度とされており、被処理品W2を加熱室Rに載置させても被処理品W2に変温が生ずることはない。
また、搬送炉10は、基台12に第一搬送装置15を備えるので、冷却処理が終了した被処理品W(W1、W2)を抽出台7に搬送する場合に、加熱室Rの温度を降温させる必要がない。これにより、搬送炉10の加熱室Rの温度を不必要に降温させることが防止され、熱処理システムAの省電力化が可能となる。さらに、油冷後の被処理品Wを回収しても加熱室Rがオイルで汚されることを防止することができる。
例えば、本実施形態では、水冷ジャケット16cに流れる冷媒により不活性ガスを冷却したが、内部空間16s(特に、加熱室R)に熱交換器を設ける構成にしてもよい。また、これらを重畳して用いて、不活性ガスを冷却してもよい。
例えば、本実施形態では、ガス冷却炉4における冷却処理から第三加熱炉3における加熱処理までの間に、被処理品Wに変温が生じることを防止するために搬送炉10を降温させて被処理品Wを回収し、ガス冷却炉4から第三加熱炉3まで搬送した。しかし、ガス冷却炉4における冷却処理で被処理品Wを常温まで降温させて全ての熱処理を完了する場合には、第一搬送装置15で被処理品Wを回収すればよい。このように、第一搬送装置15で被処理品Wを回収することで、常温下において冷却処理が終了した被処理品Wを迅速に回収・搬送することができると共に、加熱室Rの温度を常温まで降下させる必要がなくなり、加熱室Rの温度調整を少なくすることができる。
2…第二加熱炉(加熱炉、処理部)
3…第三加熱炉(加熱炉、処理部)
4…冷却炉(処理部)
5…油冷炉(処理部)
10…搬送炉
12…基台
13…炉本体
15…第一搬送装置(搬送装置)
18…断熱部材(加熱部本体)
17…ガス供給手段
19…ヒータ(加熱装置)
20…冷却装置
20c…ガス循環装置
A…熱処理システム
R…加熱室
Claims (5)
- 加熱炉と冷却炉とを含む複数の処理部と、
これら各処理部間を移動可能とされる搬送炉とを備え、
前記各処理部と前記搬送炉との間で被処理品の受け渡しが可能となるように構成された熱処理システムにおいて、
前記搬送炉は、前記搬送炉の炉内の温度を前記加熱炉の温度と同じ温度に昇温させて該加熱炉から受け渡された前記被処理品を前記加熱炉の温度と同じ温度に保持可能な加熱装置と、前記搬送炉の炉内の温度を前記冷却炉の温度と同じ温度に降温させて該冷却炉から受け渡された前記被処理品を前記冷却炉の温度と同じ温度に保持可能な冷却装置とを備えることを特徴とする熱処理システム。 - 前記搬送炉は、前記複数の処理部の近傍に沿って移動可能な基台と、該基台上に設置された炉本体と、該炉本体内に設けられ、その内部が前記被処理品の熱処理を行う加熱室とされた加熱部本体とを備えてなることを特徴とする請求項1に記載の熱処理システム。
- 前記搬送炉は、前記基台上であって前記炉本体外に、前記処理部との間で前記被処理品の受け渡しを行う搬送装置を備えることを特徴とする請求項2に記載の熱処理システム。
- 前記加熱部本体内にガスを供給するガス供給手段と、該加熱部本体内に供給されたガスを循環させるガス循環装置とを備えてなる請求項2又は3に記載の熱処理システム。
- 前記冷却炉は、油冷炉であることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の熱処理システム。
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