JP5372600B2 - 真空チャック装置及び加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は真空チャック装置及び加工装置に係り、さらに詳しくは、ワークを真空吸着させて固定するための真空チャック装置及びそれを備えた加工装置に関する。
従来、プレート材などのワークを加工する加工装置には、ワークを固定するためのチャック装置が備えられている。チャック装置の固定方式としては、バイスなどによってワークの側面を挟んで固定する側面クランプ方式、真空吸着によってワークを固定する真空吸着方式、あるいはそれらを併用する方法がある。
特許文献1には、板状ワークの穴明け装置が開示されており、治具板の交換作業を容易にかつ迅速に行うために、板状ワークを保持して穴明け手段に移送する投入手段に治具板を脱着可能に設けることが記載されている。
特許文献2には、半導体ペレット位置決め装置が開示されており、半導体ペレットを吸着保持する位置決め台と、それに移載された半導体ペレットに自重以外の垂直力を与えることなく半導体ペレットを所定位置に移動させて位置決めする位置決め手段とを備えたことが記載されている。
特開2004−261924号公報 特開平7−94535号公報
後述する関連技術の欄で説明するように、側面クランプ方式では、ワークのクランプ側が微小に浮いた状態となりやすいので、ワークの基板方向と垂直な穴明け加工を行うことが困難である。
また、真空吸着方式では、ワークを真空吸着する際にワークの位置ずれを低減するためにワーク載置領域の外周側にガイドを設けている。しかしながら、ガイドとワークとの間にクリアランス(隙間)を設ける必要があることから、位置ずれの抑制には限界があり、十分な位置精度を得ることは困難である。
本発明は以上の課題を鑑みて創作されたものであり、ワークを固定する際に十分な位置精度が得られる真空チャック装置及びそれを備えた加工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は真空チャック装置に係り、支持部と、前記支持部の上に設けられ、ワークが載置される吸着部と、前記支持部と前記吸着部との間に一体的に設けられたバキュームホールと、前記バキュームホールに連通した状態で前記吸着部に形成された複数の吸着用吸引穴と、前記支持部に形成され、前記バキュームホールに連通して排気手段に接続される排気口と、前記バキュームホールと連通した状態で前記吸着部に形成され、前記バキュームホールの外形を構成する辺のうち、屈曲部を形成する2辺の内壁ラインに沿って並んで配置された複数の位置決め用吸引穴と、前記吸着部上の前記2辺の内壁ラインの外側に設けられ、前記ワークを位置決めするためのガイド部材とを有することを特徴とする。
本発明の真空チャック装置では、支持部の上に吸着部が設けられており、それらの間にバキュームホールが一体的に形成されている。吸着部には、バキュームホールに連通する吸着用吸引穴が形成されている。また、支持部にはバキュームホールに連通する排気口が形成されており、排気口は排気手段に接続されている。
さらに、吸着部には、バキュームホールの屈曲部を構成する2辺の内壁ラインに沿ってバキュームホールに連通する位置決め用吸引穴が形成されている。バキュームホールが四角状の場合は、その一角を構成する2本の内壁ラインに沿って位置決め用吸引穴が配置される。また、位置決め用吸引穴が配置されたバキュームホールの2辺の内壁ラインの外側にワークを位置決めするためのガイド部材が設けられている。
本発明では、ガイド部材にワークの2辺を当接させて吸着部の上にワークを配置し、排気手段によってバキュームホール内の空気を減圧することによりワークを吸着部に吸着させる。
このとき、位置決め用吸引穴から空気が排気される際に、ワークをバキュームホールの屈曲部側に移動させる推進力が与えられる。これによって、ワークは基準位置に配置されたガイド部材に完全に当接することにより、高い位置精度で吸着部に固定される。
本発明の真空チャック装置では、ワークが吸着部上で傾くことなく水平に吸着されるので、ワークに位置合わせ用の基準穴を形成する場合、ワークの基板方向に対して垂直に加工することができる。
また、多数のワークを処置する際に、ワークは基準位置に配置されたガイド部材に当接して位置決めされるので、位置精度よく基準穴を形成することができる。
このため、基準穴などが形成された複数のワークを積層して治具として使用する場合、複数のワークが精度よく位置決めされるので、治具として十分に機能させることができる。
また、位置決め用吸引穴が配置されたバキュームホールの2辺の内壁ラインの外側のみにガイド部材を配置することにより、その2辺の内壁ラインの対向側の領域をフリーにすることができる。これにより、一つの真空チャック治具に異なる大きさのワークを配置できるようになり、低コスト化を図ることができる。
以上説明したように、本発明では、ワークを固定する際に十分な位置精度が得られるようになる。
図1(a)及び(b)は関連技術の第1のチャック装置(側面クランプ方式)を示す側面図及び平面図である。 図2(a)及び(b)は関連技術の第2のチャック装置(真空吸着方式)を示す側面図及び平面図である。 図3は図2(b)のワークが右上方向に位置ずれして吸着された例を示す平面図である。 図4(a)及び(b)は本発明の第1実施形態の真空チャック装置を示す断面図及び平面図であり、図4(a)は図4(b)のI−Iに沿った断面図に相当する。 図5は図4(a)及び(b)の真空チャック装置にワークが吸着された様子を示す断面図及び平面図であり、図5(a)は図5(b)のII−IIに沿った断面図に相当する。 図6は本発明の第1実施形態の真空チャック装置に配置できるワークの大きさのバリエーションを示す平面図である。 図7(a)及び(b)は本発明の第2実施形態の真空チャック装置を示す断面図及び平面図であり、図7(a)は図7(b)のIII−IIIに沿った断面図に相当する。 図8(a)及び(b)は本発明の第3実施形態の真空チャック装置を示す断面図及び平面図であり、図8(a)は図8(b)のIV−IVに沿った断面図に相当する。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
(関連技術)
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に関連する関連技術の問題点について説明する。図1(a)及び(b)には、関連技術の第1のチャック装置(側面クランプ方式)が示されている。図1(a)は、図1(b)を前方からみた側面図に相当する。
図1(a)及び(b)に示すように、関連技術の第1のチャック装置(側面クランプ方式)は、加工装置(不図示)の取り付けベース100の上に設けられた固定治具200を備えている。固定治具200の表面にはワーク300が載置される四角状のワーク載置領域Aが画定されている。
固定治具200のワーク載置領域Aの外周外側において、上側及び右側には固定治具200に固定された固定ガイド400a,400bがそれぞれ設けられている。また、下側及び左側には水平方向に移動できるように配置された移動ガイド400c,400dがそれぞれ設けられている。
2つの移動ガイド400c,400dの近傍には、それらをワーク300側に押して移動させるエアシリンダ500がそれぞれ配置されている。
ワーク300を固定治具200のワーク載置領域Aに固定する際には、まず、移動ガイド400c,400dをワーク載置領域Aの外側に移動させ、ワーク載置領域Aにワーク300を配置する。そして、エアシリンダ500を水平方向に移動させて移動ガイド400c,400dをワーク300側に押すことにより、ワーク300が移動ガイド400c,400dと固定ガイド400a,400bとの間に挟まれて固定される。
ここで、エアシリンダ500を水平方向に移動させるとき、エアシリンダ500は上下方向(垂直方向)に動作クリアランス(ガタツキ)を有することから、ワーク300の移動ガイド400c,400d側が上側に微小に浮上した状態で固定されることが多い。
このため、ワーク300にそれを貫通する基準穴を形成する際に、ワーク300が傾いた状態で加工されることになるので、ワーク300の基板方向と垂直な内面を有する基準穴を形成できなくなる。
基準穴などが形成された複数のワーク300を積層して治具として使用する場合、積層されたワーク200の基準穴にガイドピンを挿入して位置決めされる。このとき、基準穴がワーク300の基板方向に対して非垂直に形成されていると、複数のワーク300間で位置ずれが発生し、治具として十分に機能しなくなる問題がある。
図2(a)及び(b)には、関連技術の第2のチャック装置(真空吸着方式)が示されている。図2(a)は図2(b)を前方からみた側面図に相当する。
図2(a)及び(b)に示すように、関連技術の第2のチャック装置(真空吸着方式)は、加工装置(不図示)の取り付けベース100の上に設けられた真空チャック治具220を備えている。真空チャック治具220の表面にはワーク300(透視的に表示)を載置するための四角状のワーク裁置領域Aが画定されている。真空チャック治具220の内部にはバキュームホール240が一体的に構成されている。
バキュームホール240の上側の真空チャック治具220には、バキュームホール240に連通する複数の吸引穴220aが設けられている。また、バキュームホール240の下側の真空チャック治具220にはバキュームホール240に連通する排気口220bが設けられており、排気口220bから真空ポンプによってバキュームホール240内の空気が外部に排気される。
真空チャック治具220のワーク載置領域Aの外周外側にはワーク300を位置決めするための8つのガイドピン260が設けられている。そして、真空チャック治具220のワーク載置領域Aにワーク300が配置される。
ここで、図2(b)に示すように、ワーク300の外形寸法はある程度のばらつきが生じるため、ワーク300とガイドピン260との間にクリアランスC(隙間)が設けられるようにガイドピン260を配置する必要がある。
その後に、真空ポンプによって排気口220bからバキュームホール240内の空気を外部に排気して減圧することにより、ワーク300を真空チャック治具220に吸着させる。
このとき、ワーク300とガイドピン260との間にはクリアアランスCが生じているため、ワーク300が任意のガイドピン260側に移動し、ガイドピン260がストッパとなってワーク300が固定される。
図3には、図2(b)のワーク300が右上方向に移動して吸着された例が示されており、上側及び右側のガイドピン260に当接することによって位置決めされる。
多数のワーク300を処理する際に、ワーク300は吸着される際に最大でクリアアランスC分だけ任意の方向に移動する。このため、多数のワーク300の間で基準穴が相互にずれて形成されることになり、基準穴を十分な位置精度で形成することは困難である。なお、ガイドピン260を設けない場合は、さらに位置ずれが大きくなることはいうまでもない。
また、第1のチャック装置(側面クランプ方式)と第2のチャック装置(真空吸着方式)とを併用する場合は、両者のデメリットが緩和されるものの、エアシリンダ500の押圧力と真空吸着力の調整が難しく、要求スペック内に位置ずれを抑えることは困難を極める。
また、特に上記した第2のチャック装置(真空吸着方式)では、ワーク載置領域Aの四辺にガイドピン260を配置する必要があることから、外形が異なるワーク300ごとにそれに対応する大きさの真空チャック治具220を用意する必要があり、製造コストの上昇を招く問題がある。
以下に説明する本発明の本実施形態のチャック装置は、前述した不具合を解消することができる。
(第1の実施の形態)
図4(a)及び(b)は本発明の第1実施形態の真空チャック装置を示す断面図及び平面図であり、図4(a)は図4(b)のI−Iに沿った断面図である。
図4(a)及び(b)に示すように、第1実施形態の真空チャック装置1は、加工装置(不図示)の取り付けベース10の上に設けられた真空チャック治具20を備えている。真空チャック治具20は、支持部22とその上に設けられた吸着部24とによって構成される。
支持部22にはその上面側に凹部21が形成されており、支持部22の上に板状の吸着部24が設けられている。これにより、真空チャック治具20の内部には、くり抜かれて中空となった四角状のバキュームホール26が一体的に構成されている。あるいは、板状の支持部22の上に、下面側に凹部が形成された吸着部24を設けることによりバキュームホール26を構成してもよい。
支持板22及び吸着部24はステンレスなどの金属から形成される。
バキュームホール26の上に配置された吸着部24には、バキュームホール26に連通して厚み方向に貫通する複数の吸着用吸引穴24aが形成されている。吸着用吸引穴24aの径は、例えば10mm程度である。
また、バキュームホール26の下に配置された支持部22には、バキュームホール26に連通して厚み方向に貫通する排気口22aが設けられている。排気口22aには真空ポンプ28(排気手段)が接続されており、真空ポンプ28によってバキュームホール26内の空気が排気されて減圧される。
さらには、図4(b)に示すように、四角状のバキュームホール26の4辺の内壁ラインにおいて交点Bで交差する上側内壁ラインW1及び右側内壁ラインW2に注目すると、交点Bから左側に延在する上側内壁ラインW1上の吸着部24の部分に位置決め用吸引穴24bが並んで形成されている。また、同様に、交点Bから下側に延在する右側内壁ラインW2上の吸着部24の部分に位置決め用吸引穴24bが並んで形成されている。
本実施形態では、上側及び下側内壁ラインW1,W2が交差して屈曲部が構成される。
位置決め用吸引穴24bは、バキュームホール26側の内側部分のみがバキュームホール26に連通しており、外側部分には支持部22の上面が配置されている。つまり、位置決め用吸引穴24bを上からみると(図4(b))、位置決め用吸引穴24b内の下にバキュームホール26の内壁ラインW1,W2が配置されている。
位置決め用吸引穴24bの径は、吸着用吸引穴24aの径(10mm程度)と同等又はそれ以下に設定される。
図4(b)の例では、上側及び右側内壁ラインW1,W2の交点Bに小径の位置決め用吸引穴24bが配置されており、上側及び右側内壁ラインW1,W2の上に小径及び大径の4つの位置決め用吸引穴24bがそれぞれ配置されている。また、上側及び右側内壁ラインW1,W2が交差して構成される三角領域には(バキュームホール26の右上領域)には、吸着用吸引穴24a同士の間に小径の位置決め用吸引穴24bが配置されている。
上側及び右側内壁ラインW1,W2上及びその近傍に配置された位置決め用吸引穴24bは、交差する2辺の上側及び右側内壁ラインW1,W2から構成される三角領域の中心線を対称軸ASとして対称になって配置されている。
つまり、対称軸ASは、バキュームホール26の一つの頂点(交点)を形成する2辺の上側及び右側内壁ラインW1,W2がなす角度の2等分線である。さらに具体的には、対称軸ASは、上側及び右側内壁ラインW1,W2からそれぞれ45°内側にずれてそれらの交点Bから内側に延在するラインである。
なお、位置決め用吸引穴24bは、対称軸ASに対して完全に対称になるように配置することが好ましいが、対称性が多少ずれていてもよい。また、バキュームホール26の内側には必ずしも位置決め用吸引穴24bを配置しなくてもよい。また、位置決め用吸引穴24bの形状、個数、配置位置は任意に設定することができる。
このようにして、本実施形態では、四角状のバキュームホール26の一角を構成する上側及び右側内壁ラインW1,W2に沿って吸着部24に位置決め用吸引穴24bが並んで配置されている。
さらに、吸着部24上においてバキュームホール26の上側内壁ラインW1の外側には、ワークの縦方向の位置を決めるための2つの第1ガイドピン30(ガイド部材)が取り付けられている。2つの第1ガイドピン30は、それらの内側に引かれるライン30Lがバキュームホール26の上側内壁ラインW1と平行になるように配置される。
また、吸着部24上においてバキュームホール26の右側内壁ラインW2の外側には、ワークの横方向の位置を決めるための2つの第2ガイドピン32(ガイド部材)が取り付けられている。2つの第2ガイドピン32は、それらの内側に引かれるライン32Lがバキュームホール26の右側内壁ラインW2と平行になるように配置される。
このようにして、吸着部24上において、バキュームホール26の4辺の内壁ラインのうち、位置決め用吸引穴24bが並んで配置された上側及び右側内壁ラインW1,W2の外側のみに第1、第2ガイドピン30,32がそれぞれ配置されている。
このようにすることにより、後述するように、第1、第2ガイドピン30,32の対向側の領域がフリーな状態となるので、一つの真空チャック治具1に異なる大きさのワークを配置できるようになる。
ガイド部材として、上側及び右側内壁ラインW1,W2の外側に2つのガイドピン30をそれぞれ配置したが、上側及び右側内壁ラインW1,W2と平行に長手状のガイド板を配置してもよい。また、第1、第2ガイドピン30,32の本数はそれぞれ任意(複数)に設定することができる。
次に、図5(a)及び(b)に示すように、四角状のワーク40の上側の側面S1及び右側の側面S2を第1ガイドピン30と第2ガイドピン32にそれぞれ当接させた状態で、ワーク40を真空チャック治具20の上に配置する。図5(b)では、ワーク40が透視的に描かれている。
さらに、真空ポンプ28によってバキュームホール26、吸着用吸引穴24a及び位置決め用吸引穴24b内の空気を排気して減圧することにより、ワーク40を真空チャック治具20の吸着部24に吸着させる。
このとき、バキュームホール26の右側内壁ラインW2上に配置された位置決め用吸引穴24bでは、穴内からバキュームホール26の内側(図5(b)では左側(矢印参照))に空気が排気される。
従って、ワーク40を配置して吸着させると、ワーク40に右側に動く推進力が与えられる。また、同様に、バキュームホール26の上側内壁ラインW1上に配置された位置決め用吸引穴24bでは、穴内からバキュームホール26の内側(図5(b)では下側(矢印参照))に空気が排気される。これにより、ワーク40を配置して吸着させると、ワーク40に上側に動く推進力が与えられる。
これにより、結果的には、ワーク40には右側(横方向)に動く推進力と上側(縦方向)に動く推進力とが合成された推進力がかけられることになる。このとき、前述したように、上側及び右側内壁ラインW1,W2の上に配置された位置決め用吸引穴24bは対称となって配置されているので、ワーク40には、水平方向から45°程度上側に傾いた斜め上方向に動く推進力が与えられる(図5(b))。
強い推進力を得る必要がある場合は、位置決め用吸引穴24bが配置されたバキュームホール26の上側及び右側内壁ラインW1、W2で構成される三角領域(位置決め用吸引穴24bの近傍)に排気口22aを設けることが好ましい(図5(a))。
ワーク40の上側及び右側には、第1、第2ガイドピン30,32がそれぞれ配置されているので、第1、第2ガイドピン30,32がワーク40の移動を阻止するストッパとして機能する。
第1、第2ガイドピン30,32は、ワーク40を配置するための所望の基準位置に設けられるので、第1、第2ガイドピン30,32に当接して固定されたワーク40は高い位置精度で所望の位置に配置される。
しかも、ワーク40が第1、第2ガイドピン30,32とクリアランス(隙間)が生じた状態で配置されるとしても、位置決め用吸引穴24bから空気を排気する際の推進力によって、ワーク40が第1、第2ガイドピン30,32側に移動してそれらに当接することで所望の位置に固定される。
ワーク40を吸着させる際のワーク40の移動距離は50〜100μmである。
なお、本実施形態では、四角状のバキュームホール26の右上側の角領域側に位置決め用吸引穴24b及びガイドピン30,32を配置したが、他の角領域に同様に配置してもよいことはもちろんである。
また、本実施形態では、四角状のバキュームホール26を例示したが、バキュームホールの屈曲部を構成する2辺の内壁ラインに沿って吸着部に位置決め用吸引穴を形成すればよい。従って、バキュームホール26は四角状以外に、四隅が丸まった楕円形や三角形などであってもよい。
図5(a)に示すように、本実施形態の加工装置は、取り付けベース10に設けられた真空チャック装置1とドリルやエンドミルなどの切削工具50とを備える。そして、真空チャック装置1の上に固定されたワーク40(カーボンプレートなど)が切削工具50によって加工されて基準穴や凹部などが形成される。
本実施形態の真空チャック装置1では、ワーク40が真空チャック治具20上で傾くことなく水平に固定されるので、ワーク40を貫通する基準穴を形成する場合、ワーク40の基板方向に対して垂直に加工することができる。
また、多数のワーク40を処置する際に、ワーク40は第1、第2ガイドピン30,32に当接して位置決めされるので、位置精度よく基準穴を形成することができる。
このため、基準穴などが形成された複数のワークを積層して治具として使用する場合、積層されたワークの基準穴にガイドピンを挿入する際に、複数のワークが精度よく位置決めされるので、治具として十分に機能させることができる。
本実施形態では、真空チャック装置1を切削用途の加工装置に採用する例を示したが、ワークを固定して処理する各種装置に採用することができる。ワーク40としては、カーボンプレートの他に、塩化ビニルプレート、アクリルプレートなどを好適に使用することができる。
前述したように、本実施形態の真空チャック装置1では、ワーク40の上側及び右側のみに第1、第2ガイドピン30,32を設けるようにしている。このため、ワーク40の下側及び左側は、フリーな状態となっているので、関連技術と違って大きさの異なるワーク40を1つの真空チャック装置1で処理することができる。
つまり、図6に例示するように、本実施形態では、図5(b)で示した大きさのワーク40(第1ワーク)の他に、第1ワーク40より縦方向の幅が大きな第2ワーク40a、第1ワーク40より縦横方向の幅が大きな第3ワーク40b、さらには第3ワーク40bより縦方向の幅が大きな第4ワーク40cを処理することが可能になる。
真空チャック治具20の面積、バキュームホール26の面積及び吸着用吸引口24aの配置場所を調整することにより、各種の大きさのワークを1つの真空チャック治具20で処理することが可能になる。
本願発明者は、前述した関連技術の第2のチャック装置(真空吸着方式)と本実施形態の真空チャック装置1を使用して、32枚のカーボンプレートに基準穴を実際に形成し、それらの間で位置精度を比較した。
その結果によれば、関連技術の第2のチャック装置を使用する場合、位置ずれは0.05〜0.2mmであった。これに対して、本実施形態の真空チャック装置1を使用する場合、位置ずれを0.016〜−0.018mm(絶対値平均:0.005mm)に抑えることができ、位置精度を格段に改善できることが確認された。
(第2の実施の形態)
図7(a)及び(b)は本発明の第2実施形態の真空チャック装置を示す断面図及び平面図である。第2実施形態では、第1実施形態の図4(a)及び(b)と同一要素には同一符号を付してその説明を省略する。
図7(a)及び(b)に示すように、第2実施形態の真空チャック装置1aでは、真空チャック治具20の吸着部24に形成される位置決め用吸引穴24bは、バキュームホール26の上側及び右側内壁ラインW1,W2の内側に沿って配置される。
つまり、位置決め用吸引穴24bの開口端の内周面とバキュームホール26の上側及び右側内壁ラインW1,W2とが接している。言い換えると、位置決め用吸引穴24bは、その外側の内壁の下にバキュームホール26の上側及び右側内壁ラインW1,W2が配置されて形成される。
位置決め用吸引穴24bの形状は、好適には、ワークの推進力を高くするために楕円形に設定される。この場合は、位置決め用吸引穴24bの長手方向の内壁がバキュームホール26の上側及び右側内壁ラインW1,W2と同一面を構成するように配置される。
そして、第1実施形態と同様に、バキュームホール26の上側及び右側内壁ラインW1,W2で構成される三角領域の2等分線(中心線)を対称軸ASとして、位置決め用吸引穴24bが対称になって配置される。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、真空チャック治具20の上にワークを配置し、真空ポンプ28によりバキュームホール26内を減圧する際に、位置決め用吸引穴24bの作用によって斜め上方向にワークを移動させる推進力が発生する。これにより、ワークを第1、第2ガイドピン30,32に当接させて位置決めすることができる。
(第3の実施の形態)
図8(a)及び(b)は本発明の第3実施形態の真空チャック装置を示す断面図及び平面図である。第3実施形態では、第1実施形態の図4(a)及び(b)と同一要素には同一符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態では、図8(a)及び(b)に示すように、真空チャック治具20の吸着部24に形成される吸着用吸引穴24aは、バキュームホール26の上側及び右側内壁ラインW1,W2のいずれかに対して内側に45°〜60°で傾いてそれらの交点Bから内側に延在するラインLの延在方向(矢印の方向)に向かって斜め加工されている。
つまり、吸着用吸引穴24aの上部TPが下部BPより上側及び右側内壁ラインW1、W2の交点B(内壁ラインの屈曲部)側に配置されるように斜め加工されていればよい。言い換えると、バキュームホール26の内壁ラインの屈曲部(図8(b)の例では右上の交点B)側に動くような推進力がワーク40に与えられるようにすればよい。
さらに、交点B(屈曲部)を構成する上側及び右側内壁ラインW1,W2の外側にそれらと平行に第1、第2ガイドピン30,32がそれぞれ配置されている。
第3実施形態では、第1、第2実施形態で説明した位置決め用吸引穴が省略され、吸着用吸引穴24aを斜め加工して形成することにより、吸着用吸引穴24aが位置決め用吸引穴の機能を兼ね備えるようにしている。
第3実施形態では、支持部22に設けられる排気口22aは、ワーク40への推進力を強くするために吸着用吸引穴24aの斜め加工の方向の端部(図8(a)、図8(b)では左下側(不図示))に設けられることが好ましい。
これにより、第1実施形態と同様に、真空チャック治具20の上にワーク40を配置し、真空ポンプ28によりバキュームホール26内を減圧する際に、吸着用吸引穴24aから排気される空気は斜め下方向に排気される。これにより、ワーク40を斜め上方向に移動させる推進力が発生し、ワーク40の2辺を第1、第2ガイドピン30,32に当接させて位置決めすることができる。
1,1a,1b…真空チャック装置、10…取り付けベース、20…真空チャック治具、21…凹部、22…支持部、22a…排気口、24…吸着部、24a…吸着用吸引穴、24b…位置決め用吸引穴、26…バキュームホール、28…真空ポンプ、30…第1ガイドピン、32…第2ガイドピン、40,40a,40b,40c…ワーク、50…切削工具、AS…対称軸、W1…上側内壁ライン、W2…右側内壁ライン、L,30L,32L…ライン。

Claims (6)

  1. 支持部と、
    前記支持部の上に設けられ、ワークが載置される吸着部と、
    前記支持部と前記吸着部との間に一体的に設けられたバキュームホールと、
    前記バキュームホールに連通した状態で前記吸着部に形成された複数の吸着用吸引穴と、
    前記支持部に形成され、前記バキュームホールに連通して排気手段に接続される排気口と、
    前記バキュームホールと連通した状態で前記吸着部に形成され、前記バキュームホールの外形を構成する辺のうち、屈曲部を形成する2辺の内壁ラインに沿って並んで配置された複数の位置決め用吸引穴と、
    前記吸着部上の前記2辺の内壁ラインの外側に設けられ、前記ワークを位置決めするためのガイド部材とを有することを特徴とする真空チャック装置。
  2. 前記位置決め用吸引穴は、前記バキュームホールの内壁ラインの上に配置され、前記位置決め用吸引穴内の下に前記内壁ラインが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の真空チャック装置。
  3. 前記位置決め用吸引穴の開口端の内周面と前記バキュームホールの内壁ラインとが接していることを特徴とする請求項1に記載の真空チャック装置。
  4. 前記バキュームホールは四角状であり、
    前記位置決め用吸引穴は、前記バキュームホールの一つの頂点を形成する2辺の前記内壁ラインがなす角度の2等分線を対称軸として対称に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の真空チャック装置。
  5. 前記位置決め用吸引穴が配置された前記バキュームホールの2辺の内壁ラインの外側のみに、前記ガイド部材として複数のガイドピンがそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の真空チャック装置。
  6. ワークが載置される領域の取り付けベースに設けられた、請求項1乃至5のいずれかの真空チャック装置と、
    前記バキュームホールを減圧する真空ポンプと、
    前記ワークを加工する切削工具とを有することを特徴する加工装置。
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