JP5370900B2 - リクライニング式車いす - Google Patents
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Description
本発明は、リクライニング式車いすに係り、より詳しくは背もたれ部が後ろにも倒れて任意の角度に固定できるリクライニング機構を有するのみならず、背もたれ部をリクライニングさせた場合の重心を確保すると共に使用者の安定した姿勢を保持するために、背もたれ部の傾動に連動して座面部が昇降及び前後動する機構を備えたリクライニング式車いすに関する。
一般に、リクライニング式車いすとしては、座面を構成するシート部材、背もたれ部を構成する金属製背当て板、前輪付きフロントパイプ及び後輪付きリヤーパイプとから構成された車体の前記背もたれ部をリクライニング式としたものが知られている。
例えば、特許文献1には、背もたれ部をリクライニング式とすると共に、車いすにベッドとしての機能等を持たせたリクライニング式車いすが開示されている。このリクライニング式車いすは、背もたれ部を後方へ傾動できるようにすると共に、この背もたれ部の傾動に連動して後輪が前後に移動する機構を備えたもので、座位姿勢のままで背もたれ部を後ろに倒して楽な姿勢で座ることができるのみならず、背もたれ部をほぼ水平状態まで倒しても後輪が後方に移動するのでベッドタイプとしても安全に使用することができる特徴を有するものである。
又、特許文献2には、背もたれ部をリクライニング式とすると共に、座面部を適宜な角度に強固にロックできるロック装置を備えた車いすが開示されている。この車いすは、背もたれフレーム、サイドフレーム、脚フレームを有する座面フレーム体と、前輪と後輪とを支持する車輪フレーム体で構成される車いす本体において、座面フレーム体が傾動可能に支持され、又、車輪フレーム体に対して傾動された座面フレーム体が当該座面フレーム体から突出したシャフトのいずれかの部位を把持するようにして座面部を自在な角度でロックさせることができる機構を備えたものである。
さらに、特許文献3には、リクライニングの際に車いす使用者の重心を前方に移動させて転倒防止をはかる車いすが開示されている。この車いすは、座フレームを有する座部と、該座部の後端部に取付けられた背もたれフレームと、座フレームの下部に配設された脚フレームを有する脚部とからなる車いす本体において、背もたれフレームがリンクを介して脚フレームに前後方向に可動に支持されると共に、前記リンクと脚フレームとの間に配設した伸縮ロッドを介して背もたれフレームが傾動可能となし、リクライニング状態においては、伸縮ロッドの作用により背もたれフレームの下端が前方に移動することにより使用者の重心の位置が前方に移動し、車いすの後方への転倒が防止される構造となったものである。
例えば、特許文献1には、背もたれ部をリクライニング式とすると共に、車いすにベッドとしての機能等を持たせたリクライニング式車いすが開示されている。このリクライニング式車いすは、背もたれ部を後方へ傾動できるようにすると共に、この背もたれ部の傾動に連動して後輪が前後に移動する機構を備えたもので、座位姿勢のままで背もたれ部を後ろに倒して楽な姿勢で座ることができるのみならず、背もたれ部をほぼ水平状態まで倒しても後輪が後方に移動するのでベッドタイプとしても安全に使用することができる特徴を有するものである。
又、特許文献2には、背もたれ部をリクライニング式とすると共に、座面部を適宜な角度に強固にロックできるロック装置を備えた車いすが開示されている。この車いすは、背もたれフレーム、サイドフレーム、脚フレームを有する座面フレーム体と、前輪と後輪とを支持する車輪フレーム体で構成される車いす本体において、座面フレーム体が傾動可能に支持され、又、車輪フレーム体に対して傾動された座面フレーム体が当該座面フレーム体から突出したシャフトのいずれかの部位を把持するようにして座面部を自在な角度でロックさせることができる機構を備えたものである。
さらに、特許文献3には、リクライニングの際に車いす使用者の重心を前方に移動させて転倒防止をはかる車いすが開示されている。この車いすは、座フレームを有する座部と、該座部の後端部に取付けられた背もたれフレームと、座フレームの下部に配設された脚フレームを有する脚部とからなる車いす本体において、背もたれフレームがリンクを介して脚フレームに前後方向に可動に支持されると共に、前記リンクと脚フレームとの間に配設した伸縮ロッドを介して背もたれフレームが傾動可能となし、リクライニング状態においては、伸縮ロッドの作用により背もたれフレームの下端が前方に移動することにより使用者の重心の位置が前方に移動し、車いすの後方への転倒が防止される構造となったものである。
しかるに、上記したリクライニング式車いすには、下記に示す課題がある。
即ち、特許文献1に記載されているリクライニング式車いすは、前記した通り車いすに乗ったままで背もたれ部の角度を調整できること、後輪が背もたれ部の傾動に連動して前後に動くので安定性が高いこと、背もたれ部を最後まで倒すとベッドとして使用できるという特徴を有するが、このリクライニング式車いすは、背もたれ部をリクライニングさせた場合、後輪が背もたれ部の傾動に連動して前後に動くので重心の位置が変化しても車いすの後方への転倒は防止されるものの、より安定性を高めるためには背もたれ部の傾動に連動して座面の高さを低くすることが望まれる。しかしながら、このリクライニング式車いすは、背もたれ部の傾動に連動して座面の高さを低くすることができないため、背もたれ部をリクライニングさせた場合に安定性のさらなる向上を望めないという課題を有していた。
即ち、特許文献1に記載されているリクライニング式車いすは、前記した通り車いすに乗ったままで背もたれ部の角度を調整できること、後輪が背もたれ部の傾動に連動して前後に動くので安定性が高いこと、背もたれ部を最後まで倒すとベッドとして使用できるという特徴を有するが、このリクライニング式車いすは、背もたれ部をリクライニングさせた場合、後輪が背もたれ部の傾動に連動して前後に動くので重心の位置が変化しても車いすの後方への転倒は防止されるものの、より安定性を高めるためには背もたれ部の傾動に連動して座面の高さを低くすることが望まれる。しかしながら、このリクライニング式車いすは、背もたれ部の傾動に連動して座面の高さを低くすることができないため、背もたれ部をリクライニングさせた場合に安定性のさらなる向上を望めないという課題を有していた。
特許文献2に記載されている車いすは、リクライニング時に座面部を適宜な角度に強固にロックさせることができるという利点を有するが、このリクライニング式車いすも前記特許文献1に記載されているリクライニング式車いすと同様に、背もたれ部の傾動に連動して座面の高さを低くすることができないため背もたれ部をリクライニングさせた場合に安定性のさらなる向上を望めないことに加え、背もたれ部を傾動させてリクライニングさせた場合、座面部と背もたれ部との間で略V字状になるため車いすの重心が後方に移動し、その傾倒移動量が大きいと車いすを転倒させるおそれが生じること、及び、座位姿勢も腰の部分を境に略V字状になるため腹部に圧迫感や苦痛感を感じることがあり、さらに背もたれ部の傾動に連動して座面の高さを低くすることができないため安定性が極めて低くなること、等の欠点がある。
特許文献3に記載されている車いすは、リクライニングの際、重心の位置を前方に移動して転倒防止をはかることは可能であるも、このリクライニング式車いすも前記特許文献1に記載されているリクライニング式車いすと同様に、背もたれ部の傾動に連動して座面の高さを低くすることができないため背もたれ部をリクライニングさせた場合に安定性のさらなる向上を望めないことに加え、前記特許文献2に記載されているリクライニング式車いすと同様に、背もたれ部を傾動させてリクライニングさせた場合、座面部と背もたれ部との間で略V字状になるため車いすの重心が後方に移動し、その傾倒移動量が大きいと車いすを転倒させるおそれが生じること、及び、座位姿勢も腰の部分を境に略V字状になるため腹部に圧迫感や苦痛感を感じることがあり、さらに背もたれ部の傾動に連動して座面の高さを低くすることができないため安定性が極めて低くなること、等の欠点がある。
本発明は、上記の欠点や課題を解決するものであり、背もたれ部の傾動に連動して座面がほぼ水平状態を保持したまま昇降及び前後動する機構を設けることにより、リクライニング時の車いすの安定性及び安全性のさらなる向上をはかるとともに、リクライニング時の座位姿勢も腹部に圧迫感や苦痛感を全く感じることのないリクライニング式車いすを提供しようとするものである。
本発明に係るリクライニング式車いすは、左右一対の脚フレームを有する脚部と、前記脚部の上方に前後方向に配設した少なくとも1台のリクライニング用アクチュエータにて昇降及び前後動可能に配設された左右一対の座面フレームを有する座部と、前記座部の後部に配設され前記座面フレームに連動して傾動する一対の背当てフレームを有する背もたれ部と、前記座面フレームの前端部に回動可能に枢着され前記背当てフレームに連動して上下方向に回動する一対のステップフレームとからなるステップ部を有するリクライニング式車いすであって、前記脚部は左右一対の脚フレーム間の前部と後部に横設した連結ロッド及び脚フレームの4隅に設けた車輪とで構成され、前記座部は前記脚フレームの前後端部に下端部を前後方向に回動可能に枢着された支持杆の上端部に、該支持杆と同様に前後方向に回動可能に枢着された一対の座面フレームで構成され、かつ該座面フレームは前記脚フレームの上に昇降及び前後動機構を介して支持され、前記座面フレームの昇降及び前後動機構は前記脚フレームの前部に横設した連結ロッドと前記座面フレームの後部に横設した連結ロッドとの間に前後方向に配設した前記リクライニング用アクチュエータと、前記脚フレームのほぼ中央部に下端部を前後方向に回動可能に枢着された一対の揺動支持杆及び前記座面フレームの後端部に横設した連結ロッドとの間に前後方向に配設した一対の座部用リンク板とで構成され、前記リクライニング用アクチュエータの前後進動作により前記座部用リンク板と揺動支持杆、及び前記座面フレーム支持杆が前後方向に回動することにより座面フレームがほぼ水平状態を保持したまま昇降及び前後動する仕組みとなし、前記背もたれ部は前記座面フレームの後端部にその付け根部を前後方向に回動可能に枢着された一対の背当てフレームで構成され、かつ該背当てフレームは前記座面フレームに連動機構を介して支持構成され、前記連動機構は前記背当てフレームの付け根部間に横設した連結ロッド、その連結ロッドに上下方向に回動可能に接続された、前記背当てフレーム基端部に突設した連結板、及び該連結板と前記脚フレームのほぼ中央部に枢着された前記一対の揺動支持杆との間に前後方向に設けた一対の背もたれ部用リンク板とで構成され、前記背当てフレームの傾動に連動して前記背もたれ部用リンク板の作用により前記座面フレームがほぼ水平状態を保持したまま昇降及び前後動する仕組みとなし、さらに前記ステップ部は前記座面フレームの前端部に上下方向に回動可能に接続した一対のステップフレームからなり、該ステップフレーム間に横設したスペーサバーと、前記脚フレームに枢着された前記揺動支持杆との間に横設したスペーサロッドとの間に前後方向に設けた一対の連結ロッドからなる連動機構を介して、前記背当てフレームの傾動に連動して前記ステップフレームが前記座面フレームとの接続部を支点に上下方向に回動する仕組みとなし、リクライニング動作に連動して、前記座面フレームの昇降及び前後動機構、前記背当てフレームと座面フレームの連動機構、前記背当てフレームとステップフレームの連動機構を介して、座面フレームの昇降及び前後動、背当てフレームの傾動及びステップフレームの上下動が同時に行われる仕組みとなしたことを特徴とするものである。
なお、リクライニング用アクチュエータとしては、特に限定するものではないが、油圧シリンダー、エアーシリンダー、ガスシリンダーなどが一般的であるが、電動モータを用いることもできる。
なお、リクライニング用アクチュエータとしては、特に限定するものではないが、油圧シリンダー、エアーシリンダー、ガスシリンダーなどが一般的であるが、電動モータを用いることもできる。
上記した本発明のリクライニング式車いすにおいて、背もたれ部はリクライニング用アクチュエータにてその状態が保持されるが、リクライニングの方法は、リクライニング用アクチュエータに付設されているレバーを操作して背当てフレームを後方に倒し所望の角度に固定する。そして、この背当てフレームの動きに連動して、座部を構成する座面フレームがほぼ水平状態を保持したまま前進及び下降し座面部の高さが水平状態のままで低くなると同時に、ステップフレームは上方に回動する。他方、背当てフレームを起立させる場合は、再びリクライニング用アクチュエータに付設されているレバーを操作して背当てフレームを起こしていくと、その動きに連動して座面フレームがほぼ水平状態を保持したまま上昇しながら後進すると同時に、ステップフレームは下方に回動する。なお、リクライニング用アクチュエータに例えば油圧シリンダーを用いた場合、リクライニングのレバー操作は手動で容易に行うことができるが、背当てフレームを起立させる際のレバー操作は、その構造上手動で行うことは多大な労力を要するため、足踏みにより間欠的に動作させるのが好ましい。
本発明は上記のごとく、背もたれ部の傾動に連動して座面がほぼ水平状態を保持したまま昇降及び前後動する機構を備えたことにより、リクライニング時の重心を確保することができて車いすの安定性及び安全性のさらなる向上がはかられる。又、リクライニング時の座位姿勢も腹部に圧迫感や苦痛感を全く感じることがなく快適な姿勢をとることができる上、リクライニング動作に連動してステップフレームも上方に回動するので両足を伸ばした状態で座ることができることにより、長時間座乗していても疲れず楽な姿勢をとることができる等、の優れた効果を奏する。
図1〜図3において、1は脚部、2は座部、3は背もたれ部、4はステップ部、5はリクライニング用油圧シリンダー、6ははね上げ式手摺である。
脚部1は、前後にそれぞれ前輪1−4、後輪1−5を有する左右一対の脚フレーム1−1と、該脚フレーム1−1間の前部に横設した連結ロッド1−2及び後部の後輪1−5間に横設した後輪軸兼用の連結ロッド1−3とで構成されている。なお、前輪1−4、後輪1−5はそれぞれ専用のキャスター(符号なし)に取付けられていることはいうまでもない。
座部2は、前記脚部1の上方に前後方向に配設したリクライニング用油圧シリンダー5にて昇降及び前後動可能に配設された左右一対の座面フレーム2−1を有し、前記脚フレーム1−1の上に昇降及び前後動機構を介して前記座面フレーム2−1が支持構成されている。この座面フレーム2−1の昇降及び前後動機構は、前記一対の脚フレーム1−1の前端部と後端部に枢着された4本(片側2本ずつ)の座面フレーム支持杆2−4、2−5と、同脚フレームのほぼ中央部に枢着された一対の揺動支持杆2−6、前記脚フレーム1−1の前端部に横設した連結ロッド1−2及び前記座面フレーム2−1の後部に横設した連結ロッド2−7間に前後方向に配設したリクライニング用油圧シリンダー5とから構成されている。その構造は、前記一対の脚フレーム1−1の前端部と後端部に装着したブラケット2−2、2−3にそれぞれ下端部を軸ピンP1、P2にて前後方向に回動可能に枢着された4本(片側2本ずつ)の座面フレーム支持杆2−4、2−5の上端部に、一対の座面フレーム2−1が前記ブラケット2−2、2−3にほぼ対応する箇所に装着したブラケット2−8、2−9に軸ピンP3、P4にてほぼ水平状態で前後方向及び高さ方向に可動に支持され、前記脚フレーム1−1のほぼ中央部に軸ピンP10にて枢着された一対の揺動支持杆2−6と前記座面フレーム2−1の後部に横設した連結ロッド2−7との間に前後方向に渡した一対の座部用リンク板2−12と、前記脚フレーム1−1の前部に横設した連結ロッド1−2のほぼ中央部に取付けたブラケット5−2にその下端部が上下方向に回動可能に枢着され、前記座面フレーム2−1の後部に横設した連結ロッド2−7に伸縮ロッド5−1がブラケット2−11を介して枢着されたリクライニング用油圧シリンダー5とで構成され、リクライニング用油圧シリンダー5により座面フレーム2−1がほぼ水平状態で前後動及び昇降する仕組みとなしている。なお、座部2は座面フレーム2−1の上に例えば金属製座面板(図示せず)等を取付けて構成される。
リクライニング用油圧シリンダー5は、その下端に接続された動力伝達用部材5−3、該動力伝達用部材5−3に接続され前記脚フレーム1−1を貫通して外側に露出させた動力伝達用部材5−4及び該動力伝達用部材5−4に接続された操作レバー5−5を介して作動させる仕組みとなしたものを用いることができる。即ち、操作レバー5−5を手動で引き上げるとリクライニング用油圧シリンダー5がフリーの状態となり、該操作レバー5−5を止めると自動的に背もたれ部3がその位置に固定されるようになっている。又、このリクライニング用油圧シリンダー5は、伸縮ロッド5−1が無段階ではなく段階的に前進動する方式であるため、背もたれ部3を起立させる際には、操作レバー5−5を例えば足踏みを適当回数繰り返して間欠的に動作させる方式となっている。
背もたれ部3は、前記座面フレーム2−1の後端部にその付け根部を軸ピンP5にて前後方向に回動可能に枢着された一対の背当てフレーム3−1で構成され、該背当てフレーム3−1に連動して前記座面フレーム2−1がほぼ水平状態を保持したまま昇降及び前後動する仕組みとなしている。即ち、前記背当てフレーム3−1はその付け根部間に横設した連結ロッド2−10に、そのフレーム基端部に一体に突設した連結板3−2が上下方向に回動可能に接続され、前記連結板3−2間に横設したスペーサロッド3−3と前記脚フレーム1−1のほぼ中央部に枢着された一対の揺動支持杆2−6間に横設したスペーサロッド3−4との間に前後方向に渡した一対の背もたれ部用リンク板3−5とで構成された連動機構により、前記背当てフレーム3−1に連動して前記座面フレーム2−1がほぼ水平状態を保持したまま昇降及び前後動する仕組みとなしている。
ステップ部4は、前記座面フレーム2−1の前端部にブラケット4−3を介して軸ピンP6にて上下方向に回動する一対のステップフレーム4−1からなり、該ステップフレーム4−1間にブラケット4−6を介して横設したスペーサバー4−2と、前記脚フレーム1−1のほぼ中央部に枢着された一対の揺動支持杆2−6間に横設したスペーサロッド3−4との間に前後方向に渡した一対の連結ロッド4−4を介して、前記背当てフレーム3−1に連動して前記ステップフレーム4−1が上下方向に回動する仕組みとなしている。なお、ステップフレーム4−1の先端部には左右2分割構造の足乗せシート部材4−5がそれぞれ回動自在に枢着されている。
はね上げ式手摺6は、背当てフレーム3−1と座面フレーム2−1との間に上下方向に回動可能に取付けられており、その取付構造は手摺6の一端が軸ピンP7にて上下方向に回動可能に枢着され、手摺6の他端にブラケット6−3を介して軸ピンP9にて回動可能に枢着した支持パイプ6−1の下端部が、座面フレーム2−1の端部に軸ピンP8にて枢着された接合突起6−2に着脱可能に嵌合されるように取付けられ、支持パイプ6−1の下端部に枢着された略L形ストッパー6−4を接合突起6−2の真下に位置させることによってロック(抜け止め)され、略L形ストッパー6−4を接合突起6−2の横に回動位置させることによってロックが解除されるようになっている。なお、このはね上げ式手摺は公知である。
上記構造のリクライニング式車いすにおいて、非リクライニング状態にあっては、図1に示すように背もたれ部3の背当てフレーム3−1がリクライニング用油圧シリンダー5にて普通の背もたれ角度に固定され、かつ座部2を構成する座面フレーム2−1はほぼ水平状態に保持されている。この状態で背もたれ部3を後方に倒す場合、即ちリクライニングさせる場合は、当該車いすに搭乗している使用者、又は介護者が脚フレーム1−1に取付けられている操作レバー5−5を引き上げてリクライニング用油圧シリンダー5をフリーにした状態で背当てフレーム3−1を後方に倒す。この時、背当てフレーム3−1の動きに連動して、一対の背もたれ部用リンク板3−5と揺動支持杆2−6とが前方へ押され、脚フレーム1−1の前端部と後端部に装着した座面フレーム支持杆2−4、2−5が軸ピンP1、P2を支点に前側に回動することにより、座面フレーム2−1がほぼ水平状態を保持したまま前進しながら下降する。同時に、ステップフレーム4−1間に横設したスペーサバー4−2と、脚フレーム1−1に枢着された一対の揺動支持杆2−6間に横設したスペーサロッド3−4との間に前後方向に渡した一対の連結ロッド4−4を介してステップフレーム4−1が軸ピンP6を支点に上方に回動する。そして、操作レバー5−5を止めると自動的に背当てフレーム3−1がその位置に固定されるので、図3に示すように車いすはリクライニングされた状態となる。
リクライニング動作時においては、背もたれ部3の背当てフレーム3−1の傾動に連動して座面フレーム2−1がほぼ水平状態を保持したまま前進しながら下降するので、車いすに搭乗している使用者の重心の位置が前方に向かって移動するため、車いすの後方への転倒が防止されるのみならず、座面フレーム2−1の高さ位置が低くなるため、車いすの安定性及び安全性がより高められる。さらに、リクライニング時の座位姿勢も腹部に圧迫感や苦痛感を全く感じることがなく快適な姿勢をとることができる上、リクライニング動作に連動してステップフレーム4−1も上方に回動するので両足を伸ばした状態で座ることができることにより、長時間座乗していても疲れず楽な姿勢でくつろぐことができる。
次に、リクライニング状態から背当てフレーム3−1を元の起立した状態に戻す場合、あるいは背当てフレーム3−1の傾斜角度を変える場合には、介護者が脚フレーム1−1に取付けられている操作レバー5−5を前方に倒す動作を適当回数繰り返せばよい。操作レバー5−5を前方に倒す動作を行うと、リクライニング用油圧シリンダー5の伸縮ロッド5−1が油圧により前進動することによりリクライニング時と逆の動作、即ち一対の座部用リンク板2−12を介して揺動支持杆2−6が後方へ押され、脚フレーム1−1の前端部と後端部に装着した座面フレーム支持杆2−4、2−5が軸ピンP1、P2を支点に後側に回動することにより、座面フレーム2−1がほぼ水平状態を保持したまま後進しながら上昇すると同時に、脚フレーム1−1のほぼ中央部に枢着された一対の揺動支持杆2−6間に横設したスペーサロッド3−4と、背当てフレーム3−1の基端部に一体に突設した連結板3−2間に横設したスペーサロッド3−3との間に設けた背もたれ部用リンク板3−5とで構成された連動機構により、背当てフレーム3−1が軸ピンP5を支点にして上方に回動するので、操作レバー5−5を前方に倒す動作を適当回数繰り返すことにより背当てフレーム3−1の傾斜角度を調整したり、背当てフレーム3−1を元の状態に戻すことができる。
なお、上記した構成の本発明のリクライニング式車いすにおいて、脚フレーム1−1の前端部と後端部に設ける4本(片側2本ずつ)の座面フレーム支持杆2−4、2−5の長さを、前端部の座面フレーム支持杆2−4を後端部の座面フレーム支持杆2−5より僅かに長くすることにより、即ち、前側を長く後側を短くすることにより座面フレーム2−1の先端側を後端側より僅かに高くして座面を傾斜させた場合には、前側への使用者(搭乗者)のずれを防止することができ、座位姿勢をより安定化させる効果が得られる。
本発明のリクライニング式車いすは、背もたれ部の傾動に連動して座面がほぼ水平状態を保持したまま昇降及び前後動する機構を備えたことにより、リクライニング時の重心を確保することができて車いすの安定性及び安全性のさらなる向上がはかられるとともに、リクライニング時の座位姿勢も腹部に圧迫感や苦痛感を全く感じることがなく快適な姿勢をとることができる上、リクライニング動作に連動してステップフレームも上方に回動するので両足を伸ばした状態で座ることができることにより、長時間座乗していても疲れず楽な姿勢をとることができる等、の優れた効果を奏することから、極めて実用性に富むものである。
1 脚部
1−1 脚フレーム
1−2、1−3、2−7、4−4、2−10 連結ロッド
1−4 前輪
1−5 後輪
2 座部
2−1 座面フレーム
2−2、2−3、2−8、2−9、2−11、4−3、4−6、5−2、6−3 ブラケット
2−4、2−5 座面フレーム支持杆
2−6 揺動支持杆
2−12 座部用リンク板
3 背もたれ部
3−1 背当てフレーム
3−2 連結板
3-3、3−4 スペーサロッド
3−5 背もたれ部用リンク板
4 ステップ部
4−1 ステップフレーム
4−2 スペーサバー
4−5 足乗せシート部材
5 リクライニング用油圧シリンダー
5−1 伸縮ロッド
5−3、5−4 動力伝達用部材
5−5 操作レバー
6 はね上げ式手摺
6−1 支持パイプ
6−2 接合突起
6−4 略L形ストッパー
P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10 軸ピン
1−1 脚フレーム
1−2、1−3、2−7、4−4、2−10 連結ロッド
1−4 前輪
1−5 後輪
2 座部
2−1 座面フレーム
2−2、2−3、2−8、2−9、2−11、4−3、4−6、5−2、6−3 ブラケット
2−4、2−5 座面フレーム支持杆
2−6 揺動支持杆
2−12 座部用リンク板
3 背もたれ部
3−1 背当てフレーム
3−2 連結板
3-3、3−4 スペーサロッド
3−5 背もたれ部用リンク板
4 ステップ部
4−1 ステップフレーム
4−2 スペーサバー
4−5 足乗せシート部材
5 リクライニング用油圧シリンダー
5−1 伸縮ロッド
5−3、5−4 動力伝達用部材
5−5 操作レバー
6 はね上げ式手摺
6−1 支持パイプ
6−2 接合突起
6−4 略L形ストッパー
P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10 軸ピン
Claims (1)
- 左右一対の脚フレームを有する脚部と、前記脚部の上方に前後方向に配設した少なくとも1台のリクライニング用アクチュエータにて昇降及び前後動可能に配設された左右一対の座面フレームを有する座部と、前記座部の後部に配設され前記座面フレームに連動して傾動する一対の背当てフレームを有する背もたれ部と、前記座面フレームの前端部に回動可能に枢着され前記背当てフレームに連動して上下方向に回動する一対のステップフレームとからなるステップ部を有するリクライニング式車いすであって、
前記脚部は左右一対の脚フレーム間の前部と後部に横設した連結ロッド及び脚フレームの4隅に設けた車輪とで構成され、
前記座部は前記脚フレームの前後端部に下端部を前後方向に回動可能に枢着された支持杆の上端部に、該支持杆と同様に前後方向に回動可能に枢着された一対の座面フレームで構成され、かつ該座面フレームは前記脚フレームの上に昇降及び前後動機構を介して支持され、前記座面フレームの昇降及び前後動機構は前記脚フレームの前部に横設した連結ロッドと前記座面フレームの後部に横設した連結ロッドとの間に前後方向に配設した前記リクライニング用アクチュエータと、前記脚フレームのほぼ中央部に下端部を前後方向に回動可能に枢着された一対の揺動支持杆及び前記座面フレームの後端部に横設した連結ロッドとの間に前後方向に配設した一対の座部用リンク板とで構成され、前記リクライニング用アクチュエータの前後進動作により前記座部用リンク板と揺動支持杆、及び前記座面フレーム支持杆が前後方向に回動することにより座面フレームがほぼ水平状態を保持したまま昇降及び前後動する仕組みとなし、
前記背もたれ部は前記座面フレームの後端部にその付け根部を前後方向に回動可能に枢着された一対の背当てフレームで構成され、かつ該背当てフレームは前記座面フレームに連動機構を介して支持構成され、前記連動機構は前記背当てフレームの付け根部間に横設した連結ロッド、その連結ロッドに上下方向に回動可能に接続された、前記背当てフレーム基端部に突設した連結板、及び該連結板と前記脚フレームのほぼ中央部に枢着された前記一対の揺動支持杆との間に前後方向に設けた一対の背もたれ部用リンク板とで構成され、前記背当てフレームの傾動に連動して前記背もたれ部用リンク板の作用により前記座面フレームがほぼ水平状態を保持したまま昇降及び前後動する仕組みとなし、
さらに前記ステップ部は前記座面フレームの前端部に上下方向に回動可能に接続した一対のステップフレームからなり、該ステップフレーム間に横設したスペーサバーと、前記脚フレームに枢着された前記揺動支持杆との間に横設したスペーサロッドとの間に前後方向に設けた一対の連結ロッドからなる連動機構を介して、前記背当てフレームの傾動に連動して前記ステップフレームが前記座面フレームとの接続部を支点に上下方向に回動する仕組みとなし、
リクライニング動作に連動して、前記座面フレームの昇降及び前後動機構、前記背当てフレームと座面フレームの連動機構、前記背当てフレームとステップフレームの連動機構を介して、座面フレームの昇降及び前後動、背当てフレームの傾動及びステップフレームの上下動が同時に行われる仕組みとなしたことを特徴とするリクライニング式車いす。
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