JP5370596B2 - ロールイン用油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ロールイン用油中水型乳化油脂組成物に関する。
クロワッサンやデニッシュ、パイ等の穀粉層状食品は、ロールイン用油中水型乳化油脂組成物を生地に折り込み、調製されることが多い。この際の折り数は各業者において適宜設定されるものであるが、非特許文献1には「通常、クロワッサンやデニッシュの折り込みは三つ折を三回繰り返すのが基準になっています。」と記載されている。つまり、27層である。
油中水型乳化油脂組成物以外でも、いわゆるフラワーシート、フィリングシート等と称されるものを折り込んだ穀粉層状食品が存在する。フラワーシート等は油中水型乳化油脂組成物と比べて可塑性が低く、折り数が多いと亀裂が生じる、あるいは生地に練り込まれる等の理由で十分に層が形成されなくなるため、少ない折り数で使用する場合が多い。たとえば、特許文献1においては、シート状フラワーペーストを使用する実施例において、3つ折りを2回(9層)行なっている。
フラワーシート、フィリングシート等と称されるものは、でん粉および水分を多く含有するため、少ない折り数でボリュームのある穀粉層状食品を得ることが難しく、食感が硬くなる、あるいは口溶けが悪くなる場合がある。一方で、一層あたりの折り込み素材の厚みが増し焼成後も塊で残るため、風味発現が良くなるという利点がある。
油中水型乳化油脂組成物を用いて、風味発現を良くする目的で折り数を少なくすると、油脂層が厚くなることによる層の「はがれ」や、いわゆる「オイルオフ」と呼ばれる焼成時の油のしみ出しが起こりやすくなり、作業性や品質の低下を招く場合がある。すなわち、ロールイン用油中水型乳化油脂組成物において、穀粉層状食品の折り数を少なくすることによる利点は知られていない。
ロールイン用素材に卵白を入れることを開示する出願としては、特許文献2が存在する。この出願の請求項1には概略として、卵白の他、乳由来の蛋白質、15℃の時の固体脂指数( SFC )が10%以上の油脂、増粘剤、水を必須成分とする水中油型乳化油脂組成物について記載されている。これらの構成により「層状小麦粉膨化食品に折り込んだ際に折り込み作業性が良好でかつ、風味および食感が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。」と記載されている。この中で、卵白の役割については、折り込み作業性の改善である旨の記載がある。
特開2006−129763号公報 特開2010−220483号公報
パン「こつ」の科学 吉野精一著 株式会社柴田書店 2000年5月31日 10版
本発明は、今までにない新しい風味や食感を有する穀粉層状食品を提供すること、及び、そのためのロールイン用油中水型乳化油脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、一定量の油脂および接着性蛋白質素材を適量配合したロールイン用油中水型乳化油脂組成物を調製し、それを穀粉層状食品に用いることで、特に折り数を少なくした場合に、従来の穀粉層状食品にはない新しい風味、食感を発現する製品が得られることを見出し、本発明の請求項1〜5を完成させた。
特許文献2には、卵白の入ったロールイン用素材について記載されているが、卵白は作業性改善のために添加されている旨記載されるのみで、その他の効果については何ら開示されていない。また、特許文献2は水中油型乳化物に関するものであるため、油中水型乳化物における卵白の効果については、何ら開示はない。
本発明者らは、従来にない新しい風味、食感を発現することが出来る油中水型乳化油脂組成物を目指し、鋭意検討を重ねた。油中水型乳化油脂組成物にこだわったのは、比較的簡易な包装で、賞味期間を比較的長く設定できる等、多くの利点があるからである。
その結果、卵白を適量配合したロールイン用油中水型乳化油脂組成物を調製し、それを穀粉層状食品に用いることで、特に折り数を少なくした場合に、層が剥れることもなく、またオイルオフも抑制された穀粉層状食品が得られた。そしてこの穀粉層状食品は、従来品にはない新しい風味、食感を発現することが見出され、本発明の請求項6〜8を完成させた。
すなわち本発明は、
(1)油脂35〜70重量%を含有し、接着性蛋白質素材を乾燥物換算で0.05〜5重量%含有する、ロールイン用油中水型乳化油脂組成物、
(2)接着性蛋白質素材が卵白、乳ホエー、大豆蛋白質素材から選ばれる1種以上である、(1)記載のロールイン用油中水型乳化油脂組成物、
(3)風味素材を5〜50重量%含有する、(1)〜(2)いずれか1に記載のロールイン用油中水型乳化油脂組成物、
(4)折り数が3〜24層の穀粉層状食品用である、(1)〜(3)いずれか1に記載のロールイン用油中水型乳化油脂組成物、
(5)(1)〜(4)いずれか1に記載のロールイン用油中水型乳化油脂組成物を使用する、折り数が3〜24層の穀粉層状食品、
(6)卵白を乾燥物換算で0.05〜5重量%含有する、ロールイン用油中水型乳化油脂組成物、
(7)油脂35〜70重量%を含有する、(6)記載のロールイン用油中水型乳化油脂組成物、
(8)(6)〜(7)いずれか1に記載のロールイン用油中水型乳化油脂組成物を用いた、穀粉層状食品、
に関するものである。
本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物を用いれば、風味発現に優れ、従来にない食感を有する穀粉層状食品を得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物で使用する油脂としては、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米ぬか油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、やし油、パーム核油等の各種植物油脂、ならびに乳脂、牛脂、ラード等の各種動物油脂、あるいはこれら単独か混合物に分別、水素添加、エステル交換から選択される1または2以上の処理を施した加工油脂が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上の油脂を適宜使用することができる。
本発明においては、ロールイン用油中水型乳化油脂組成物中に、油脂を35〜70重量%含むことが望ましく、より望ましくは37〜65重量%であり、さらに望ましくは38〜60重量%である。油脂の量が多すぎる場合は、穀粉層状食品において、「オイルオフ」を生じる場合がある。また油脂の量が少なすぎる場合は、乳化が安定しない場合がある。
また、本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物における配合油脂のSFC値は、望ましくは10℃で20〜70、30℃で5〜35、より望ましくは10℃で25〜65、30℃で7〜30、さらに望ましくは10℃で30〜60、30℃で10〜25である。SFC値が高すぎる場合は、油脂組成物は硬脆い物性となり伸展性が悪くなるほか、口溶けが悪くなる場合がある。また、SFC値が低すぎる場合は、油脂組成物自体の成型が困難であるばかりでなく、硬さが不足しているため折り込み時に油脂組成物が生地に練りこまれる、あるいは発酵の段階ですでに「オイルオフ」が起こる場合がある。
本発明で使用する接着性蛋白質素材とは、加水してゲル状とした蛋白質素材が、糊のように接着性を有する蛋白質素材である。具体的には卵白、乳ホエー、大豆蛋白質素材から選ばれる1種以上を使用することが好ましい。
卵白は、液状卵白および乾燥卵白とも使用することができるが、操作の点では乾燥卵白が望ましい。また、全卵として加えることもできるが、分離した卵白として加える方が、「はがれ」防止効果はより強く、望ましい。
乳ホエーは乳清とも呼ばれ、乳から乳脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液である。ここで、乳とは牛乳が一般的である。本発明では、液状のまま使用することも出来るが、粉末状にした物を用いる方が、作業性がよく好ましい。
大豆蛋白質素材としては、脱脂大豆へ加水した後、抽出された成分を乾燥した脱脂豆乳粉末、また分離大豆蛋白を列挙できる。脱脂豆乳粉末の市販品としては不二製油(株)製「プロフィット1000」を好適に使用できる。
以上列挙した接着性蛋白質素材の中では、卵白が効果や風味の点で好ましく、特に、粉末卵白が好ましい。
本発明においては、ロールイン用油中水型乳化油脂組成物中に接着性蛋白質素材を乾燥物換算で0.05〜5重量%含む必要がある。この量は、より望ましくは0.07〜2重量%であり、さらに望ましくは0.1〜1重量%である。接着性蛋白質素材の量が少なすぎる場合は、「はがれ」および「オイルオフ」防止機能が弱まる場合がある。接着性蛋白質素材の量が多すぎる場合は、当該蛋白質素材独特の風味が穀粉層状食品に出る場合がある。
本発明においては、ロールイン用油中水型乳化油脂組成物中に卵白を乾燥物換算で0.05〜5重量%含むことが望ましく、より望ましくは0.07〜2重量%であり、さらに望ましくは0.1〜1重量%である。卵白の量が少なすぎる場合は、「はがれ」および「オイルオフ」防止機能が弱まる場合がある。卵白の量が多すぎる場合は、意図しない卵白の風味が穀粉層状食品に出る場合がある。
本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物において、風味素材を5〜50重量%使用すると、フラワーシート、フィリングシート等と称されるものと同様の風味付与機能をも持たせることができ、好ましい。風味素材として、マーガリンやファットスプレッド等の一般的な油中水型乳化油脂組成物やフラワーシート、フィリングシート等と称されるものに使用されているものを適宜使用することができる。より具体的には、各種糖類、カカオ素材、カラメル素材、ナッツペースト、果汁を含む果実加工品、香辛料、乳製品を挙げることができ、これらを適宜組み合わせて使用することができる。
本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物は、折り数が3〜24層の穀粉層状食品に使用することで、望ましく、その機能を発揮することができる。折り数は、3〜18層が更に望ましい。折り数が少なすぎる場合は、油脂層が厚くなることによる層のはがれや、焼成時の「オイルオフ」が起こりやすくなる上、穀粉層状食品のボリュームが出ないなど、作業性や品質の低下を招く場合がある。また折り数が多すぎる場合は、油脂組成物が生地に練りこまれやすくなり、十分に層が形成されない場合がある。
本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物は、上記以外の成分を本発明の効果を妨げない範囲で、適宜含有することができる。例えば、各種色素成分を併用することで、穀粉層状食品に見た目の美しさをさらに付与することもできる。また、でん粉やデキストリンを含む多糖類、食塩や塩化カリウム等の塩類、水、乳化剤、酸化防止剤、香料、着色料、調味料、甘味料、pH調整剤、保存料、日持ち向上剤等の食品素材や食品添加物も適宜使用できる。
本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物の調製法は、以下に例示するような、一般的な方法を採用することができる。
設定された配合において、油脂および油脂に溶解する成分、たとえば油溶性乳化剤を油脂に溶解し油相とする。油相は、油脂が完全に溶解された状態とする。これは、油脂の融点に依存し、概ね55〜75℃である。
一方、設定された配合において、水および水に溶解する成分、たとえば水溶性の風味素材などは水に混合し水相とする。なお、液糖を使用する場合など、水を使用しない配合においては、液糖に水溶性の成分を溶解ないし混合することになる。
油相および水相の準備が終了した後、油相を攪拌しながら水相を添加することで、油中水型に乳化した「調合液」を得る。このとき、攪拌が不十分であったり、あるいは油相の温度が低すぎる場合は、乳化が反転する場合もあるので、十分に攪拌しかつ、十分な温度が必要である。
調合液はポンプにより送液し、適宜殺菌装置等を通過させた後、油中水型乳化油脂組成物の製造装置へ供される。油中水型乳化油脂組成物の製造装置へ供される直前の段階で、調合液は溶解状態でかつ、40〜80℃であることが必要であり、より望ましくは50〜70℃であり、さらに望ましくは55〜65℃である。油中水型乳化油脂組成物の製造装置へ供される直前の調合液の温度が低すぎる場合は、その段階で油脂結晶が発生し、最終製品に粒状結晶が存在することがある。また、温度が高すぎる場合は、油中水型乳化油脂組成物の製造装置において余分の冷却エネルギーが必要となる場合がある。
油中水型乳化油脂組成物の製造装置としては、冷却機能を有する各種のものを使用することができる。具体的には、コンビネーター、パーフェクター、ボテーター等の掻き取り式急冷混和機を備えた装置をあげることができる。これらの装置により、一例として、調合液を1〜8℃/秒の速度で、冷却装置の出口で3〜15℃まで冷却する。冷却速度は、より望ましくは1〜7℃/秒であり、更に望ましくは1〜5℃/秒である。冷却速度が遅すぎると、粒状結晶が発生しやすくなる場合があり、また冷却速度が速すぎると、不必要により大きな冷却エネルギーが必要となる場合がある。
冷却装置を出た油中水型乳化油脂組成物は休止管に導入され、休止管出口に備えられた成型機により、シート状あるいはブロック状に成型される。このようにして得たロールイン用油中水型乳化油脂組成物の大きさは、成型機の形状により適宜設定することができる。成型後は包装、充填等の工程を経て冷蔵し、必要に応じてエージングを行う。なお、目標とする結晶量を得るために、少なくとも24〜48時間程度の冷蔵時間を要する場合がある。
本発明で言う穀粉層状食品の穀粉とは、小麦粉、米粉、大豆粉、トウモロコシ由来物、芋澱粉等の穀粉から選ばれる1以上であり、より望ましくは小麦粉、米粉から選ばれる1以上であり、さらに望ましくは小麦粉である。
本発明の穀粉層状食品の調製法は、以下に例示するような、一般的な方法を採用することができる。ここでは、もっとも一般的な穀粉層状食品である、小麦粉層状食品を例に説明する。
まず、小麦粉含有生地を薄く延ばし、これに適宜大きさおよび厚さを調整したロールイン用油中水型乳化油脂組成物をのせて折りたたむ。続いて、油脂組成物が包み込まれた生地を薄く延ばし、折り込む。最終的な折り数はこの折り数と繰り返す回数によって決まり、適宜設定することができる。折り込まれた生地は成型、必要に応じて発酵工程を経て、焼成に供される。このようにして得られる小麦粉層状食品の具体例として、クロワッサンやデニッシュ、パイを挙げることができる。
また、例えば型に入れて食パン形状に成型すれば、切断面に本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物が渦巻状に偏在する様子が目視され好ましい。
本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物を用いると、3〜24層の少ない折り数でも、従来のロールイン用油中水型乳化油脂組成物を用いた場合に見られるような層の「はがれ」や「オイルオフ」といった作業性および品質の低下を招くことなく、風味発現に優れ、従来にない食感を有する穀粉層状食品を得ることができる。また、クロワッサンやデニッシュで一般的な27層程度の折り数でも、従来のロールイン用油中水型乳化油脂組成物を用いた場合と同等の作業性で、遜色のない品質の穀粉層状食品を得ることができる。以下に実施例を記載する。
試験1
<ロールイン用油中水型乳化油脂組成物の油脂含有量の検討>
「実施例1、比較例1〜3」
表1に示す配合において、エステル交換油(融点34℃)、大豆油、乳化剤を油相とし、それ以外の原材料は水相として、油中水型エマルションを作製し調合液とした。さらに、掻き取り式急冷混和機「コンビネーター」、休止管、成型機を通してシート状のロールイン用油中水型乳化油脂組成物を得た。なお、掻き取り式急冷混和機の出口温度が10℃になるよう冷却を行い、シートの厚さが1cmになるよう成型機を選択した。
得られた油脂組成物はポリエチレンフィルムで包装し、段ボールケースに充填後、5℃に設定した冷蔵庫で48時間保管した。
表1 ロールイン用油中水型乳化油脂組成物の配合1
Figure 0005370596
卵白粉末は太陽化学ランパクフンマツを使用した。この水分量は5.4重量%である。
試験2
<試験1で得られたロールイン用油中水型乳化油脂組成物によるテストベーキング>
「実施例2、比較例4〜6」
試験1で得られたロールイン用油中水型乳化油脂組成物を用い、テストベーキングを行った。
生地配合は表2に従った。
生地の調製、ロールイン用油脂組成物の折り込み条件は表3に従った。
表2 テストベーキング生地配合
Figure 0005370596
表3 生地調製等の条件
Figure 0005370596
注)「コンニャク成型」とは、150mm×40mmにカットした生地の中心の長辺方向に切れ目を入れ、一方の長辺部先端を当該切れ目にくぐらせた後、全体を軽く抑えて形を整えた形状である。ここで、切れ目は長辺方向に、両端2〜3cmを残すように入れ、また、当該切れ目をくぐらせる回数は2回である。くぐらせた後は、当該切れ目が略接着するように手で押さえ、形を整える。
評価方法
<オイルオフ測定法>
1.ロールイン用油中水型乳化油脂組成物を折り込み後のテストベーキング生地を最終生地厚12mmに展延し、直径7cmの円径抜き型でくり抜く。(45±1g)
2.ベーキングペーパー(大昭和紙工産業社製)を天板に敷き、その上に上記生地を10cm以上離して並べホイロをとる(27℃、湿度75%)。
3.ホイロ60分後、210℃オーブンで8分焼成する。
4.焼成後、ベーキングペーパー上の油染みの直径(最長寸)を測定する。7.3cm以下を合格とする。
<「層の剥がれ」評価法>
1.「オイルオフ測定法」と同様の条件で焼成する。
2.焼成後、積層部の層の剥がれを目視で5段階評価する。4以上を合格とする。
1:剥がれが非常に激しく形状が崩れる
2:剥がれが激しくボリュームダウンする
3:剥がれがあり形状に個体差がある
4:剥がれが少なく形状が安定している
5:剥がれがほとんどなく非常に形状が安定している。

結果を表4に示す
表4 テストベーキング結果
Figure 0005370596
表4に示すとおり、油分が70重量%を超えるロールイン用油脂組成物を使用したものでは、折り数が3〜24層の穀粉層状食品において、オイルオフ等の問題が発生した。それに対し、単に油脂を35〜70重量%にまで減らしただけでは、その問題点の改善は限定的であった。一方、接着性蛋白質素材を添加することで、問題点を解決することが出来た。
試験3
<ロールイン用油中水型乳化油脂組成物における卵白量の検討>
実施例3〜6
表5の配合に従い、ロールイン用油中水型乳化油脂組成物を調製した。調製方法は試験1と同様とした。
表5 ロールイン用油中水型乳化油脂組成物の配合2
Figure 0005370596
試験4
<試験3で得られたロールイン用油中水型乳化油脂組成物によるテストベーキング>
実施例7〜10
試験3で得られたロールイン用油中水型乳化油脂組成物を用い、テストベーキングを行った。
テストベーキング方法、評価方法は、試験2と同様とした。

結果
結果を表6に示す
表6 テストベーキング結果
Figure 0005370596
表6に示すとおり、卵白粉末をロールイン用油中水型乳化油脂組成物へ適当量配合することで、低層折りデニッシュにおいて剥れ等のない良好な製品を得ることが出来た。
試験5
<ロールイン用油中水型乳化油脂組成物における他の接着性蛋白の検討>
実施例11〜13
表7の配合に従い、ロールイン用油中水型乳化油脂組成物を調製した。調製方法は試験1と同様とした。
表7 ロールイン用油中水型乳化油脂組成物の配合3
Figure 0005370596
・乳ホエーフンマツはWarrnambool Cheese & Butter Pty Ltd製WPC-80(固形分89.9重量%)
・脱脂豆乳粉末は不二製油(株)製「プロフィット1000」(固形分93.5重量%)
試験6
<試験5で得られたロールイン用油中水型乳化油脂組成物によるテストベーキング>
実施例14〜16
試験5で得られたロールイン用油中水型乳化油脂組成物を用い、テストベーキングを行った。
テストベーキング方法、評価方法は、試験2と同様とした。

結果
結果を表8に示す
表8 テストベーキング結果
Figure 0005370596
表8に示すとおり、卵白以外でも、脱脂豆乳粉末や乳ホエー蛋白をロールイン用油中水型乳化油脂組成物へ適当量配合することで、低層折りデニッシュにおいて剥れ等のない良好な製品を得ることが出来た。
従来のロールイン用油中水型乳化油脂組成物を使用した穀粉層状食品においては、特に折り数が少ない場合、層の剥れや強いオイルオフが見られ、食する対象とはされなかった。今回、本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物を使用することで、折り数の少ない穀粉層状食品においても、剥れやオイルオフの少ない製品を得ることが出来た。そして、そのような穀粉層状食品は、従来とは異なる、全く新しい食感を示した。
本発明のロールイン用油中水型乳化油脂組成物を使用することにより、従来のロールイン用油中水型乳化油脂組成物とフラワーシート等の好ましい点を併せ持ち、さらに、従来にない好ましい食感を示す、全く新しい穀粉層状食品を調製することができる。

Claims (1)

  1. 油脂35〜70重量%を含有し、卵白、乳ホエー、大豆蛋白質素材から選ばれる1種以上である接着性蛋白質素材を乾燥物換算で0.05〜5重量%含有するロールイン用油中水型乳化油脂組成物を使用する、折り数が3〜24層の穀粉層状食品。
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