JP5353073B2 - モータ駆動制御装置 - Google Patents
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Description
図1は、モータ51と、このモータ51の駆動制御を行うモータ駆動制御装置1とを含むモータの駆動制御システム100の全体構成図である。本実施形態では、モータ51が、空気調和装置の室外機に搭載される圧縮機用のモータである場合を例にとる。圧縮機用モータ51は、空気調和装置に含まれる冷媒回路上を流れる冷媒を圧縮するための圧縮機の駆動源であって、例えば3相のブラシレスDCモータであることができる。具体的に、圧縮機用モータ51は、複数の磁極を有する永久磁石からなるロータと、3相の駆動コイルを有するステータ等で構成される。
電流センサ2は、3相の電源61から出力された電源電流Imを検出するためのものであって、電源61から延びる3本の電源配線L1,L2,L3のうち、1本の電源配線L1のみに設けられている。電流センサ2により検出された電源電流Imの値は、コンバータマイコン8に取り込まれる。
コンバータ3は、絶縁バイポーラトランジスタ等である複数のパワートランジスタで構成されており、3本の電源配線L1,L2,L3に接続されている。コンバータ3の出力は、配線L4を介してインバータ4に接続されており、コンバータ3のGNDは、配線L5によってインバータ4のGNDに接続されている。このような配線構成が成されているコンバータ3は、コンバータマイコン8から送られてくる駆動制御信号SA(後述)に基づいて、電源61から出力された交流電流である電源電流Imを直流電流に変換し、これを配線L4を介してインバータ4に出力する。
インバータ4は、配線L4及び配線L5に接続されており、コンバータ3と同様、絶縁バイポーラトランジスタ等である複数のパワートランジスタ等で構成されている。インバータ4の出力からは、3本の配線L7,L8,L9が延びており、各配線L7,L8,L9は、モータ51に含まれる3つの駆動コイルの一端それぞれに接続されている。インバータ4は、配線L4を介してコンバータ3からの直流電流を供給されると、インバータマイコン7から送られてくる駆動制御信号SB(後述)に基づいて駆動電圧SU,SV,SWを生成し、これを各配線L7,L8,L9を介してモータ51に出力する。ここで、駆動電圧SU,SV,SWは、モータ51を駆動するための電圧であって、駆動制御信号SBに基づいて各パワートランジスタがオン及びオフすることで、生成される。
平滑部5は、コンバータ3からの出力(具体的には、直流に変換された電源電流Im)を平滑化させるためのものであって、コンバータ3とインバータ4との間に位置する。具体的に、平滑部5は、2つのコンデンサc1,c2が直列に接続された構成を有しており、平滑部5の両端は、それぞれコンバータ3の出力及びGND、即ち配線L4及び配線L5に接続されている。
電圧検出部6は、インバータ4に印加される電圧を検出するためのものであって、2つの抵抗r1,r2が直列に接続された構成を有する。電圧検出部6は、コンバータ3及びインバータ4の間に位置しており、その両端は、それぞれコンバータ3の出力及びGND、即ち配線L4及び配線L5に接続されている。つまり、電圧検出部6は、平滑部5に並列になるように接続されている。更に具体的には、電圧検出部6は、平滑部5に対しインバータ4側に接続されている。即ち、電圧検出部6は、コンバータ3及びインバータ4からなる主回路の2次側に接続されている。
1次側シャント抵抗Rs1及び2次側シャント抵抗Rs2は、共に配線L5上に直列に接続されており、配線L5上を流れる電流を検知するためのものである。より具体的には、1次側シャント抵抗Rs1は、平滑部5に対しコンバータ3側、即ち平滑部5及び配線L5の接続点とコンバータ3との間に設けられている。2次側シャント抵抗Rs2は、平滑部5に対しインバータ4側、即ち平滑部5及び配線L5の接続点とインバータ4との間に設けられている。つまり、1次側シャント抵抗Rs1は、配線L5上を流れる電流を、コンバータ3及びインバータ4を含む主回路の1次側部分で検知するためのものであるのに対し、2次側シャント抵抗Rs2は、配線L5上を流れる電流を、コンバータ3及びインバータ4を含む主回路の2次側部分で検出するためのものであると言える。そして、各シャント抵抗Rs1,Rs2の両端部分は、それぞれオペアンプOP1,OP2の入力に接続されており、各シャント抵抗Rs1,Rs2の両端電圧は、オペアンプOP1,OP2それぞれにおいて増幅される。オペアンプOP1により増幅された1次側シャント抵抗Rs1の両端電圧は、コンバータマイコン8に取り込まれ、オペアンプOP2により増幅された2次側シャント抵抗Rs2の両端電圧は、インバータ4とインバータマイコン7とに出力される。
インバータマイコン7は、CPU及びメモリからなるマイクロコンピュータであって、インバータ4と接続されており、インバータ4の駆動制御を行う。具体的には、インバータマイコン7は、インバータ4を駆動制御するための駆動制御信号SBをインバータ4に出力することで、インバータ4に駆動電圧SU,SV,SWを生成させたり生成を停止させたりする。駆動制御信号SBは、空気調和装置の現在の運転状態や後述する電源電流Imの値等に基づいて決定されるもので、単に駆動電圧SU,SV,SWの生成及び生成停止を指示するためだけではなく、駆動電圧SU,SV,SWのデューティやモータ51の回転数の制御用信号としての役割も担う。
コンバータマイコン8は、CPU及びメモリからなるマイクロコンピュータであって、コンバータ3の駆動制御を行う。具体的には、コンバータマイコン8は、コンバータ3を駆動制御するための駆動制御信号SAをコンバータ3に出力することで、コンバータ3に電源電流Imの直流電流への変換を行わせたり変換停止させたりする。
第1条件:電流センサ2により検出された電源電流Imが第1所定値以上である場合(図5)
第2条件:オペアンプOP1の出力に基づいて算出された結果(即ち、インバータ4に通電され1次側シャント抵抗Rs1上に流れる電流)が、第2所定値以上となる場合(図6)
第3条件:電圧検出部6の出力に基づいて算出された結果(即ち、インバータ4に印加される電圧)が、第3所定値以上となる場合(図7)。
(2−1)一連の動作の流れ
次に、モータ駆動制御装置1が行う動作について、図2〜8を用いて説明する。図8は、本実施形態に係るモータ駆動制御装置1が行う一連の動作の流れを説明するためのフローチャートであって、図2〜7は、モータ51の回転数や電源電流Im、第1及び第2出力強制停止信号SF,SG等の各種信号の経時的変化を示す図である。
(A)
本実施形態に係るモータ駆動制御装置1によると、コンバータマイコン8は、インバータ4における駆動電圧SU,SV,SWの出力を強制停止させるべきと判断するための異常条件が生じた場合、第2出力強制停止信号SGをインバータマイコン7に出力する。これにより、インバータマイコン7は、駆動電圧SU,SV,SWのインバータ4への出力を強制的に停止させる制御を行い、インバータ4は駆動電圧SU,SV,SWの生成を停止する。従って、モータ駆動制御装置1は、モータ51を安全に回転駆動させることができる。
上記異常条件には、電源電流Imが第1所定値以上となる第1条件、インバータ4に通電された電流が第2所定値以上となる第2条件、及びインバータ4に印加された電圧が第3所定値以上となる第3条件の少なくとも1つが含まれる。第1所定値、第2所定値及び第3所定値には、それぞれモータ通常回転時における電源電流Imの許容最大値、モータ通常回転時にインバータ4に通電される電流の許容最大値及びインバータ4に通電される電圧の許容最大値が挙げられる。このモータ駆動制御装置1によると、コンバータマイコン8は、電源電流Imが増加して第1所定値以上となった場合(即ち、第1条件)には、例えば電源61において何らかの異常が生じていると判断することができる。また、コンバータマイコン8は、インバータ4に通電された電流が第2所定値以上(即ち、第2条件)となったり、インバータ4に印加される電圧が第3所定値以上(即ち、第3条件)となったりした場合には、コンバータ3及びインバータ4を含む主回路上において何らかの異常が生じていると判断することができる。このように、コンバータマイコン8は、上記第1〜3条件の少なくとも1つが満たされた場合には、駆動電圧SU,SV,SWの出力を強制的に停止させる制御をインバータマイコン7に行わせることができるため、モータ51をより安全に回転駆動することができる。
インバータマイコン7は、インバータ4に通電された電流が閾値以上である場合、インバータによる駆動電圧の出力を停止させる指示をインバータに出力する。閾値としては、第2所定値と同様、モータ通常運転時にインバータ4に通電される電流の許容最大値が挙げられる。従って、このモータ駆動制御装置1によると、インバータマイコン7は、コンバータマイコン8から第2出力強制停止信号SGが出力された場合だけではなく、インバータ4に通電される電流に基づいて強制停止させると自ら判断した場合にも、インバータ4による駆動電圧SU,SV,SWの出力を強制停止させる指示をインバータ4に出力することができる。従って、インバータ4に多くの電流が通電された場合には、より確実にインバータ4による駆動電圧SU,SV,SWの出力を停止させることができる。
ところで、通常、コンバータ3とインバータ4との間には、コンバータ3により変換された後の直流電流(電源電流Im)を平滑化させる目的で、コンデンサc1,c2で構成される平滑部5が接続される。しかしながら、このコンデンサc1,c2によって、コンバータ3及びインバータ4を含む主回路は、コンデンサc1,c2よりもコンバータ3側である1次側回路とコンデンサc1,c2よりもインバータ4側である2次側回路とに分けられてしまう。しかし、本実施形態に係るモータ駆動制御装置1では、コンバータマイコン8は、1次側回路上に位置する1次側シャント抵抗Rs1を用いてインバータ4に通電された電流を監視し、インバータマイコン7は、2次側回路上に位置する2次側シャント抵抗Rs2を用いてインバータ4に通電された電流を監視する。これにより、主回路が1次側回路と2次側回路とに分けられた場合であっても、コンバータマイコン8及びインバータマイコン7は、インバータ4に通電された電流に基づいて、インバータ4において異常が生じたことを確実に判断することができる。
また、本実施形態に係るモータ駆動制御装置1は、圧縮機用モータ51の駆動制御用として用いられる。これにより、圧縮機用モータ51は、安全に回転駆動されるため、圧縮機用モータ51を駆動源とする圧縮機は、正常にかつ安全に運転を行うことができる。
(a)
上記実施形態に係るモータ駆動制御装置1は、図8に示した動作に加え、更にインバータマイコン7が暴走した場合にはモータ51を強制停止するような動作を行っても良い。この場合のモータ駆動制御装置1は、図9に示すように、リセットIC9を更に有する。リセットIC9は、インバータマイコン7をリセットするためのものであって、例えば複数のフリップフロップ等からなる回路構成を有している。リセットIC9の入力は、コンバータマイコン8におけるリセット指示信号SH用出力ポートに配線を介して接続されており、リセットIC9の出力は、インバータマイコン7におけるリセット信号SI用入力ポートに配線を介して接続されている。リセットIC9は、インバータ4のリセットを行う旨のリセット指示信号SHをコンバータマイコン8から取得すると、インバータマイコン7をリセットさせるためのリセット信号SIを出力する。
上記実施形態では、モータ駆動制御装置1が、圧縮機の駆動源である圧縮機用モータ51を駆動制御する場合について説明した。しかし、本発明に係るモータ駆動制御装置1は、圧縮機用モータ以外のモータを駆動する場合にも用いることができる。圧縮機用モータ以外のその他の例としては、ファンモータが挙げられる。
2 電流センサ
3 コンバータ
4 インバータ
5 平滑部
6 電流検出部
7 インバータマイコン
8 コンバータマイコン
51 モータ
61 電源
100 モータ駆動制御システム
L1〜L9 各種配線
SA,SB 駆動制御信号
SC 運転許可信号
SD 異常信号
SE 注意報信号
SF 第1出力強制停止信号
SG 第2出力強制停止信号
SU,SV,SW 駆動電圧
Rs1,Rs2 シャント抵抗
c1,c2 コンデンサ
r1,r2 抵抗
Im 電源電流
OP1,OP2 オペアンプ
Claims (5)
- 電源(61)から出力される電源電流(Im)を直流電流に変換するコンバータ(3)と、
前記コンバータ(3)から前記直流電流を供給され、モータ(51)を駆動するための駆動電圧(SU,SV,SW)を生成して前記モータ(51)に出力するインバータ(4)と、
前記インバータ(4)の駆動制御を行うインバータ駆動制御部(7)と、
前記コンバータ(3)の駆動制御を行うと共に、前記インバータ(4)における前記駆動電圧(SU,SV,SW)の出力を強制停止させるべきと判断するための異常条件が満たされた場合、前記駆動電圧(SU,SV,SW)の出力を停止させるための出力停止信号(SG)を前記インバータ駆動制御部(7)に出力するコンバータ駆動制御部(8)と、
を備え、
前記コンバータ駆動制御部(8)は、前記電源電流(Im)が第1下限値以下となった場合には前記コンバータ(3)の駆動を停止し、その後、前記電源電流(Im)が第2下限値以上となった場合には前記コンバータ(3)を駆動させる制御を更に行い、
前記第1下限値と前記第2下限値とは、互いに異なる値である、
モータ駆動制御装置(1)。 - 前記異常条件には、前記電源電流(Im)が第1所定値以上となる第1条件、前記インバータ(3)に通電された電流が第2所定値以上となる第2条件、及び前記インバータ(4)に印加される電圧が第3所定値以上となる第3条件の少なくとも1つが含まれる、
請求項1に記載のモータ駆動制御装置(1)。 - 前記インバータ駆動制御部(7)は、前記インバータ(4)に通電された電流が第4所定値以上である場合、前記インバータ(4)による前記駆動電圧(SU,SV,SW)の出力を停止させる指示を前記インバータ(4)に出力する、
請求項2に記載のモータ駆動制御装置(1)。 - 前記コンバータ(3)により変換された前記直流電流を前記インバータ(4)に流すための第1配線(L4)と、
前記インバータ(4)に通電された電流を前記コンバータ(3)に流すための第2配線(L5)と、
前記コンバータ(3)と前記インバータ(4)との間に位置し、両端が前記第1配線(L4)及び前記第2配線(L5)それぞれに接続されたコンデンサ(5)と、
前記コンデンサ(5)に対し前記コンバータ(3)側の前記第2配線上(L5)に直列に接続された第1シャント抵抗(Rs1)と、
前記コンデンサ(5)に対し前記インバータ(4)側の前記第2配線(L5)上に直列に接続された第2シャント抵抗(Rs2)と、
を更に備え、
前記コンバータ駆動制御部(8)は、前記第1シャント抵抗(Rs1)に流れる電流を監視し、
前記インバータ駆動制御部(7)は、前記第2シャント抵抗(Rs2)に流れる電流を監視する、
請求項3に記載のモータ駆動制御装置(1)。 - 前記モータ(51)は、圧縮機用モータである、
請求項1〜4のいずれかに記載のモータ駆動制御装置(1)。
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