JP2006345683A - 電流検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 モータ電流の異常時に迅速にモータの駆動を停止又は制限することができる電流検出装置を提供する。
【解決手段】 モータMのU相,W相に電流センサ5a,5bを設け、各相の電流検出値の限界値をそれぞれの相に設定し、2相の電流検出値の和に基づいてV相の電流値を演算し、演算した電流演算値の限界値として前記電流検出値の限界値よりも小さい電流演算値の限界値を設定し、前記電流検出値又は前記電流演算値がそれぞれに設定された限界値を超えるとモータ駆動を停止又は制限することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 モータMのU相,W相に電流センサ5a,5bを設け、各相の電流検出値の限界値をそれぞれの相に設定し、2相の電流検出値の和に基づいてV相の電流値を演算し、演算した電流演算値の限界値として前記電流検出値の限界値よりも小さい電流演算値の限界値を設定し、前記電流検出値又は前記電流演算値がそれぞれに設定された限界値を超えるとモータ駆動を停止又は制限することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ブラシレスDCモータ等の駆動電流を検出する電流検出装置に関するものである。
従来から、ブラシレスDCモータの各相電流を監視する電流検出装置が知られている。この電流検出装置は、ブラシレスDCモータの各相電流の平衡状態や電流値を監視し、例えば、ブラシレスDCモータのコイルが短絡して平衡状態が崩れた場合等にモータへの通電を停止するための制御信号を出力するようになっている。
近年、特にハイブリッド車両等の車両においては、駆動源であるエンジンとブラシレスDCモータの更なる小型化が要望されているため、電流センサの個数を削減するべく、3相のうち2相にだけ電流センサを設け、これら電流センサの検出結果に基づいて残りの1相に流れる電流を演算して求め、3相に流れる各相電流の平衡状態を判定する電流検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−112295号公報
近年、特にハイブリッド車両等の車両においては、駆動源であるエンジンとブラシレスDCモータの更なる小型化が要望されているため、電流センサの個数を削減するべく、3相のうち2相にだけ電流センサを設け、これら電流センサの検出結果に基づいて残りの1相に流れる電流を演算して求め、3相に流れる各相電流の平衡状態を判定する電流検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述の電流検出装置は、電流センサの検出結果に基づいて座標変換を行い、座標変換された各相の交流電流値の差分を演算して三相交流電流の平衡状態を判定しているため、異常判定処理が複雑化するという課題がある。
また、上記異常判定処理と同等の処理をハードウェアによって行おうとすると、回路が複雑化してコストが増加するという課題がある。
また、上記異常判定処理と同等の処理をハードウェアによって行おうとすると、回路が複雑化してコストが増加するという課題がある。
そこで、この発明は、モータ電流の異常時に迅速にモータの駆動を停止又は制限することができる電流検出装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、三相モータ(例えば、実施の形態におけるモータM)の任意の2つの相(例えば、実施の形態におけるU相,W相)に電流センサ(例えば、実施の形態における電流センサ5a,5b、電流センサ20、電流センサ30)を設け、各相の電流検出値の限界値をそれぞれの相に設定し、2相の電流検出値の和に基づいて他相(例えば、実施の形態におけるV相)の電流値を演算し、演算した電流演算値の限界値として前記電流検出値の限界値よりも小さい電流演算値の限界値を設定し、前記電流検出値又は前記電流演算値がそれぞれに設定された限界値を超えるとモータ駆動を停止又は制限することを特徴とする。
このように構成することで、前記電流検出値が2相に設定された限界値を超えた場合と電流演算値が電流演算値の限界値を超えた場合とにモータ駆動を停止又は制限することで、異常状態のモータ電流がモータへ流入するのを抑制して、モータへの負担を軽減することができる。
また、例えば、他相の電流検出値に含まれる測定誤差や電流の脈動等によって電流演算値が真値よりも低い値となった場合であっても、電流演算値の限界値が電流検出値の限界値よりも低く設定されていることで、電流センサが設けられた2相と比較して遅延することなく迅速に電流値の異常を検出することができる。
このように構成することで、前記電流検出値が2相に設定された限界値を超えた場合と電流演算値が電流演算値の限界値を超えた場合とにモータ駆動を停止又は制限することで、異常状態のモータ電流がモータへ流入するのを抑制して、モータへの負担を軽減することができる。
また、例えば、他相の電流検出値に含まれる測定誤差や電流の脈動等によって電流演算値が真値よりも低い値となった場合であっても、電流演算値の限界値が電流検出値の限界値よりも低く設定されていることで、電流センサが設けられた2相と比較して遅延することなく迅速に電流値の異常を検出することができる。
請求項2に記載した発明は、前記限界値と比較する電流演算値は絶対値を用いることを特徴とする。
このように構成することで、例えば、三相モータの正電流だけでなく負電流も正電流と同様に処理することができる。
このように構成することで、例えば、三相モータの正電流だけでなく負電流も正電流と同様に処理することができる。
請求項3に記載した発明は、前記各限界値は、上限値及び下限値からなり、他相の電流演算値に対する上限値及び下限値の絶対値を、これに対応する2相の電流検出値の上限値及び下限値の絶対値より小さくすることを特徴とする
このように構成することで、各電流センサの検出結果に基づいて、例えば、電流検出値の絶対値と電流演算値の絶対値とのいずれかがそれぞれの上限値又は下限値を上回った場合にその対応する相に過電流が流れていると判断することができる。
このように構成することで、各電流センサの検出結果に基づいて、例えば、電流検出値の絶対値と電流演算値の絶対値とのいずれかがそれぞれの上限値又は下限値を上回った場合にその対応する相に過電流が流れていると判断することができる。
請求項4に記載した発明は、前記電流センサは、各々2つの磁界検出素子(例えば、実施の形態におけるホール素子IUPH1,IUPH2,IWPH1,IWPH2)を備え、これら2つの磁界検出素子の検出値の差に限界値を設定し、この限界値を超える電流が検出された場合に前記三相モータの駆動を停止又は制限することを特徴とする。
このように構成することで、個々の電流センサにおいて、2つの磁界検出素子の電流検出値の差が限界値を超えた場合に電流センサの各磁界検出素子のいずれかが故障状態であると判断する自己診断を実施することができ、電流センサが故障状態であると判断された場合に即座に三相モータの駆動停止又は駆動を制限することができる。
このように構成することで、個々の電流センサにおいて、2つの磁界検出素子の電流検出値の差が限界値を超えた場合に電流センサの各磁界検出素子のいずれかが故障状態であると判断する自己診断を実施することができ、電流センサが故障状態であると判断された場合に即座に三相モータの駆動停止又は駆動を制限することができる。
請求項5に記載した発明は、前記電流センサは、集磁コア(例えば、実施の形態におけるコア23)のエアギャップ(例えば、実施の形態におけるエアギャップ22)に磁束検出素子を配置して集磁コアを貫通する相電流を測定するものであって、前記集磁コアに磁束発生用のコイル(例えば、実施の形態におけるコイル24)を巻装し、制御装置(例えば、実施の形態におけるモータ制御ユニット4)から制御可能な電流源(例えば、実施の形態における電流源25)を前記コイルに接続し、前記相電流が零の時に、制御装置を介して前記コイルに検査電流を流し、この時に前記磁束検出素子により検出された電流値に基づいて故障を判定することを特徴とする。
このように構成することで、モータの相電流が零の場合であっても電流センサの自己診断を行うことができると共に、コイル電流に対する磁界検出素子の検出値を予め測定して記憶しておくことで各磁界検出素子の絶対的な検出値の異常を判断することができるため、例えば、2つの磁束検出素子が両者とも故障している場合であっても、確実にモータの駆動を停止状態又は制限状態に制御することができる。
このように構成することで、モータの相電流が零の場合であっても電流センサの自己診断を行うことができると共に、コイル電流に対する磁界検出素子の検出値を予め測定して記憶しておくことで各磁界検出素子の絶対的な検出値の異常を判断することができるため、例えば、2つの磁束検出素子が両者とも故障している場合であっても、確実にモータの駆動を停止状態又は制限状態に制御することができる。
請求項6に記載した発明は、前記電流センサは、集磁コアのエアギャップに磁束検出素子を配置して集磁コアを貫通する相電流を測定するものであって、前記集磁コアに監視用のコイル(例えば、実施の形態におけるコイル31)を巻装し、前記相電流の変化を監視用のコイルで検出した際に、磁束検出素子の検出電流に変化がない場合に故障と判定することを特徴とする。
このように構成することで、モータが駆動されている状態で、例えば、一つの磁束検出素子又はコイルが無信号状態である場合には、磁束検出素子又はコイルの電流センサの故障と判断することができる。
このように構成することで、モータが駆動されている状態で、例えば、一つの磁束検出素子又はコイルが無信号状態である場合には、磁束検出素子又はコイルの電流センサの故障と判断することができる。
請求項7に記載した発明には、前記磁界検出素子の出力値と前記コイルの出力値の差に限界値を設定し、この限界値を超えた場合にモータ駆動を停止又は制限することを特徴とする。
このように構成することで、磁界検出素子とコイル出力値の差が限界値を超えた場合に、磁界検出素子又はコイルの故障と判断してモータ駆動を停止又は制限することができる。
このように構成することで、磁界検出素子とコイル出力値の差が限界値を超えた場合に、磁界検出素子又はコイルの故障と判断してモータ駆動を停止又は制限することができる。
請求項1に記載した発明によれば、前記電流検出値が2相に設定された限界値を超えた場合と電流演算値が電流演算値の限界値を超えた場合とにモータ駆動を停止又は制限することで、異常状態のモータ電流がモータへ流入するのを抑制して、モータへの負担を軽減することができるため、3相全てに電流センサを設けた場合と同等の故障検出を2相に設けた電流センサで実現でき、したがって、部品点数を削減してコストの低減を図ることができる効果がある。
また、例えば、他相の電流検出値に含まれる測定誤差や電流の脈動等によって電流演算値が真値よりも低い値となった場合であっても、電流演算値の限界値が電流検出値の限界値よりも低く設定されていることで、電流センサが設けられた2相と比較して遅延することなく迅速に電流値の異常を検出することができるため、信頼性を向上させることができる効果がある。
また、例えば、他相の電流検出値に含まれる測定誤差や電流の脈動等によって電流演算値が真値よりも低い値となった場合であっても、電流演算値の限界値が電流検出値の限界値よりも低く設定されていることで、電流センサが設けられた2相と比較して遅延することなく迅速に電流値の異常を検出することができるため、信頼性を向上させることができる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、請求項1の効果に加え、三相モータの正電流だけでなく負電流も正電流と同様に処理することができるため、モータ電流の異常を迅速に検出することができ、したがって、更なる信頼性の向上を図ることができる効果がある。
請求項3に記載した発明によれば、上述の効果に加え、各電流センサの検出結果に基づいて、例えば、電流検出値の絶対値と電流演算値の絶対値とのいずれかがそれぞれの上限値又は下限値を上回った場合にその対応する相に過電流が流れていると判断することができるため、過電流が流れたことを瞬時に判断することができ、したがって、更なる信頼性の向上を図ることができる効果がある。
請求項4に記載した発明によれば、上述の効果に加え、個々の電流センサにおいて、2つの磁界検出素子の電流検出値の差が限界値を超えた場合に電流センサの各磁界検出素子のいずれかが故障状態であると判断する自己診断を実施することができ、電流センサが故障状態であると判断された場合に即座に三相モータの駆動停止又は駆動を制限することができるため、2つの電流センサを同相に設けて自己診断を行う場合よりも部品点数を削減してコストの低減を図ると共に装置を小型化でき設置自由度を向上することができる効果がある。
請求項5に記載した発明によれば、上述の効果に加え、モータの相電流が零の場合であっても電流センサの自己診断を行うことができると共に、コイル電流に対する磁界検出素子の検出値を予め測定して記憶しておくことで各磁界検出素子の絶対的な検出値の異常を判断することができるため、例えば、2つの磁束検出素子が両者とも故障している場合であっても、確実にモータの駆動を停止状態又は制限状態に制御することができ、したがって、モータ制御の信頼性を向上することができる効果がある。
請求項6に記載した発明によれば、上述の効果に加え、モータが駆動されている状態で、例えば、一つの磁束検出素子又はコイルが無信号状態である場合には、磁束検出素子又はコイルの電流センサの故障と判断することができるため、集磁コアのエアギャップに2つの磁束検出素子を配置する場合と比較して集磁コアを小型化することが可能になると共にコストを低減することが可能になる効果がある。
請求項7に記載した発明によれば、請求項6の効果に加え、磁界検出素子とコイル出力値の差が限界値を超えた場合に、磁界検出素子又はコイルの故障と判断してモータ駆動を停止又は制限することができるため、電流センサの設置自由度を向上しつつモータ駆動の信頼性を向上させることができる。
次に、この発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態における、三相のブラシレスDCモータ(以下、単にモータと略す)Mの電流検出装置1を簡略化して示したものである。
モータMは、例えば、ハイブリッド車両等の車両の駆動源として用いられるものであり、その駆動制御は高圧バッテリ2の直流電圧をPWM(Pulse Width Modulation)変換するパワードライブユニット(PDU)3を用いて行われる。
図1は、この発明の第1の実施の形態における、三相のブラシレスDCモータ(以下、単にモータと略す)Mの電流検出装置1を簡略化して示したものである。
モータMは、例えば、ハイブリッド車両等の車両の駆動源として用いられるものであり、その駆動制御は高圧バッテリ2の直流電圧をPWM(Pulse Width Modulation)変換するパワードライブユニット(PDU)3を用いて行われる。
パワードライブユニット3は、例えば、FET(Field Effect Transistor)等の複数のスイッチング素子によってブリッジ回路が構成されたインバータ(図示せず)を有し、三相の電源ライン(U,V,W)を介してモータMに接続されている。また、パワードライブユニット3には制御装置であるモータ制御ユニット(MOTECU)4が接続されており、このモータ制御ユニット4からの制御信号に基づいてスイッチング素子のゲートのON・OFF制御が行われている。
電流検出装置1は、2相の電源ライン(U,W)に取り付けられた2つの電流センサ5a,5bと電流検出回路6とで構成されている。電流センサ5aは、U相の電源ラインに取り付けられた略C字状のコア(集磁コア)を有しており、このコアのエアギャップにホール素子(磁界検出素子)IUPH1,IUPH2が配置されたものである。同様に、電流センサ5bは、W相の電源ラインに取り付けられた略C字状のコアを有しており、このエアギャップにホール素子(磁束検出素子)IWPH1,IWPH2が配置されたものである。これらホール素子IUPH1,IUPH2,IWPH1,IWPH2は電流検出回路6に対して個別に接続されている。ここで、ホール素子IUPH1,IUPH2,IWPH1,IWPH2は、全て同一性能のものであり、U相、W相の電源ラインに流れる電流に対応した電圧信号Vu1,Vw1をリニアに出力するようになっている。
電流センサ5aの一方のホール素子IUPH1は、モータ制御ユニット4、加算部7、上限検知部8、下限検知部9、U差異検知部10にそれぞれ分岐して接続されており、さらに、他方のホール素子IUPH2はU差異検知部10に接続されている。また、電流センサ5bの一方のホール素子IWPH1は、モータ制御ユニット4、加算部7、上限検知部8、下限検知部9、W差異検知部11に分岐して接続されており、他方のホール素子IWPH2はW差異検知部11に接続されている。
加算部7は、電流センサ5aと電流センサ5bのホール素子IUPH1,IWPH1からの電圧信号Vu,Vwを各々負の電圧値として加算してV相算出値Vvを求めるものであり、その出力側は上限検知部8と下限検知部9とにそれぞれ分岐して接続されている。
上限検知部8は、U,V,W相の各相電流の上限値に対応した上限電圧値が予め設定されたものであり、ホール素子IUPH1の電圧信号Vu1、ホール素子IWPH1の電圧信号Vw1、加算部7で算出したV相算出値Vvを各相電流の上限値に対応した上限電圧値とそれぞれ比較し、これら電圧信号Vu1、電圧信号Vw1、V相算出値Vvのいずれかがこの上限電圧値を上回った際にモータ制御ユニット4に対してインバータのゲート信号をOFFする旨の制御信号を出力するようになっている。
一方、下限検知部9は、U,V,W相の各相電流の下限値に対応した下限電圧値が予め設定されたものであり、ホール素子IUPH1の電圧信号Vu1、ホール素子IWPH1の電圧信号Vw1、加算部7で算出したV相算出値Vvを各相電流の下限値に対応した下限電圧値とそれぞれ比較し、これら電圧信号Vu1、電圧信号Vw1、V相算出値Vvのいずれかがこの下限電圧値を下回った場合にモータ制御ユニット4に対してインバータのゲート信号をOFFする旨の制御信号を出力するようになっている。
U相差異検知部10は、電流センサ5aのホール素子IUPH1,IUPH2から出力される電圧信号Vu1,Vu2の差分を検出し、さらに、この検出された差分と予め設定された差分上限値とを比較して、検出された差分が差分上限値を上回った際に、前述した上限検知部8、下限検知部9と同様に、モータ制御ユニット4に対してインバータのゲートを遮断する旨の制御信号を出力するものである。
W相差異検知部11は、電流センサ5bのホール素子IWPH1,IWPH2から出力される電圧信号Vw1,Vw2の差分を検出し、さらに、この検出された差分と予め設定された差分上限値とを比較して、差分が差分上限値を上回った際にモータ制御ユニット4に対してインバータのゲートを遮断する旨の制御信号を出力するようになっている。すなわち、このようにU差異検知部とW差異検知部とで各電流センサ5a,5bのホール素子IUPH1,IUPH2の電圧信号の差分と、ホール素子IWPH1,IWPH2の差分とをそれぞれ監視することで、ホール素子IUPH1,IUPH2,IWPH1,IWPH2の故障や劣化などに起因する電圧信号Vu1,Vu2,Vw1,Vw2のばらつきを検知できるようになっているのである。
次に、図2に基づいて電流検出回路の回路構成を詳細に説明する。ここで、前述した上限検知部8、下限検知部9は、図2に示すU・V相上下限検出部15とV相上下限検出部17とに相当するものであり、同じく、前述したU相差異検出部、W相差異検知部は図2に示すU・W相差異検出部13と差分上下限検出部14に相当するものである。
図2に示すように、電流検出回路6は前述した4つのホール素子IUPH1,IUPH2,IWPH1,IWPH2に接続される入力部12を備えている。この入力部12は、各ホール素子IUPH1,IUPH2,IWPH1,IWPH2から出力される電圧信号Vu1,Vu2,Vw1,Vw2を個別に増幅する4つのオペアンプOP1,OP2,OP3,OP4を備えている。
図2に示すように、電流検出回路6は前述した4つのホール素子IUPH1,IUPH2,IWPH1,IWPH2に接続される入力部12を備えている。この入力部12は、各ホール素子IUPH1,IUPH2,IWPH1,IWPH2から出力される電圧信号Vu1,Vu2,Vw1,Vw2を個別に増幅する4つのオペアンプOP1,OP2,OP3,OP4を備えている。
これらオペアンプOP1,OP2,OP3,OP4の入力端子よりも前段側には、各ホール素子IUPH1,IUPH2,IWPH1,IWPH2に接続される信号ラインLu1,Lu2,Lw1,Lw2とアースとの間にそれぞれ分圧抵抗r1と平滑コンデンサc1が接続されており、さらに、これら分圧抵抗r1と平滑コンデンサc1との間にはオペアンプOP1,OP2,OP3,OP4と直列に制限抵抗r2が介装されている。また、信号ラインLu2、信号ラインLw2に接続される平滑コンデンサc1とオペアンプOP1,OP4との間にはモータ制御ユニット4が分岐接続され、さらに、オペアンプOP1,OP2,OP3,OP4の各出力端子にはアース間に分圧抵抗r3が接続されている。そして、このように構成された入力部12にはU・W相差異検出部13とV相電流を算出する加算部16が接続されている。
U・W相差異検出部13は、各相の一方の電圧信号を反転させ、この反転した電圧信号と他方の反転していない電圧信号とを加算して各相の電圧信号の差分を求めるようになっている。
具体的には、U・W相差異検出部13は、オペアンプOP2に接続されるオペアンプOP2hとオペアンプOP4に接続されるオペアンプOP4hとを有している。このオペアンプOP2h,OP4hの各反転入力端子には前述したオペアンプOP2,OP4の出力端子が抵抗r4を介して接続され、このオペアンプOP2h,OP4hの非反転入力端子には抵抗r5を介して基準電圧を生成する基準電圧生成部が接続されている。
具体的には、U・W相差異検出部13は、オペアンプOP2に接続されるオペアンプOP2hとオペアンプOP4に接続されるオペアンプOP4hとを有している。このオペアンプOP2h,OP4hの各反転入力端子には前述したオペアンプOP2,OP4の出力端子が抵抗r4を介して接続され、このオペアンプOP2h,OP4hの非反転入力端子には抵抗r5を介して基準電圧を生成する基準電圧生成部が接続されている。
そして、オペアンプOP2h,OP4hの出力端子と反転入力端子とはそれぞれフィードバック抵抗r6を介して接続されている。つまり、上述した抵抗r4、フィードバック抵抗r6、オペアンプOP2h又はオペアンプOP4hとで反転増幅回路が構成されているのである。ここで、前記基準電圧生成部は電源Vccの電圧を分圧する2つの抵抗r7,r8とオペアンプOP5とで構成され、オペアンプOP2h,OP4hの反転入力端子に印加される基準電圧を生成している。
オペアンプOP1の出力端子とオペアンプOP2hの出力端子とは抵抗r9,r9を介して合流接続されており、オペアンプOP3の出力端子とオペアンプOP4hの出力端子も抵抗r9,r9を介して合流接続されている。これら合流接続されたもの同士がさらに抵抗r10,r10を介して合流接続され、この合流接続された信号ラインLhに差上下限検出部14が接続されている。また、信号ラインLhとアース間には分圧抵抗r11が接続されている。
差分上下限検出部14は、前述したU・W相差異検出部13から出力された差分電流に相当する電圧信号と所定の上限電圧値(例えば、2.7V)、下限電圧値(例えば、2.3V)とを各々比較するものである。この上限電圧値は電源Vccとアース間に接続された分圧抵抗r12,r13によって予め設定され差分電流の上限値に相当し、さらに、下限電圧値は分圧抵抗r14,r15によって予め設定され差分電流の下限値に相当する。
これら分圧抵抗r12,r13の間には、上限電圧値とU・W相差異検出部13から出力される電圧信号とを比較するコンパレータCP1のプラス端子が接続されており、これと同様に、分圧抵抗r14,r15の間には、下限電圧値とU・W相差異検出部13から出力される電圧信号とを比較するコンパレータCP2のマイナス端子が接続されている。そして、コンパレータCP1の出力端子とコンパレータCP2の出力端子とは合流接続されダイオードD1のカソードに接続されている。
すなわち、U・W相差異検出部13から出力される電圧信号がコンパレータCP1で上限電圧値を上回ったり、コンパレータCP2で下限電圧値を下回ったりしたと判定された場合に、それぞれのコンパレータCP1,CP2の出力が例えばHからLに変位することで、差分上下限検出部14の出力がLとなるように設定されている。なお、コンパレータCP1,CP2の出力端子側にはプルアップ抵抗r16を介して電源Vccが接続されており、初期状態ではコンパレータCP1,CP2の出力端子がHに固定されるようになっている。
図8は、電流センサ5aと電流センサ5bとによって検出された電流値の差異(横軸:以下単に差分電流という)とU・W相差異検出部13から出力される電圧信号(縦軸)との関係の一例を示したものである。この図8では、例えば、差分電流の最大値と最小値とがそれぞれ±200A(MAX、MIN)に設定され、差分電流が0Aの時にU・W相差異検出部13から2.5Vが出力されている。ここで、差分電流とU・W相差異検出部13の電圧信号とは比例関係にあり、U・W相差異検出部13の電圧信号から差分電流(電流値)を求めることができる。
さらに、U・W相差異検出部13では、例えば、差分電流の値として±50Aを±0.2Vとして扱い、U・W相差異検出部13からは差分電流が50Aの時に2.7V、差分電流が−50Aの時に2.3Vが出力されるようになっている。つまり、U・W相差異検出部13から出力される電圧信号は、差分電流の値の正・負に関わらず、正の電圧領域で推移するように設定されているのである。なお、図8では差分電流の上・下限値が±50A、最大・最小値が±200Aの場合を例にして説明したが、これらの電流値は装置に応じて適宜設定してもよい。
U・W相上下限検出部15は、前述したオペアンプOP1,OP4から出力される電圧信号と、このU・W相上下限検出部15に予め設定された上限電圧値(例えば、4.7V)、下限電圧値(例えば、0.2V)とを比較するものであり、このU・W相上下限検出部15は2つの上限検出用のコンパレータCP3,CP3と2つの下限検出用のコンパレータCP4,CP4とを備えている。
これら2つのコンパレータCP3,CP3のマイナス端子は、それぞれオペアンプOP1,OP3の出力端子に接続されており、さらに、2つのコンパレータCP4,CP4のプラス端子も同様に、それぞれオペアンプOP1,OP3の出力端子に接続されている。コンパレータCP3,CP3のプラス端子には、電源電圧を分圧して上限電圧値を設定する分圧抵抗r17,r18が電源Vccとアースとの間に直列接続されており、同様に、コンパレータCP4,CP4のマイナス端子にも電源とアースの間に分圧抵抗r19,r20が直列接続されている。各コンパレータCP3,CP4の出力端子は各々合流接続されており、これら合流接続されたものがダイオードD2のカソード側に接続されている。なお、このコンパレータCP3,CP4の出力端子にもプルアップ抵抗r16を介して電源Vccが接続され初期状態がHで保持されるようになっている。
加算部16は、オペアンプOP1とオペアンプOP3とから出力される電圧信号を加算するものであり、入力部12とU・W相差異検出部13との間からそれぞれ分岐して抵抗r21,r21を介して合流接続する構成となっている。この加算部16の出力側にはV相上下限検出部17が接続されている。すなわち、この加算部16では、U相に流れる相電流とW相に流れる相電流とに応じた電圧信号と各々加算することでV相に流れる相電流に相当する電圧信号を求めている。
V相上下限検出部17は、前述した差上下限検出部14と同様に、上限検出用のコンパレータCP5と下限検出用のコンパレータCP6とをそれぞれ備えており、前述した加算部16から出力された電圧信号と、予め設定された上限電圧値、下限電圧値とをそれぞれ比較するものである。
このコンパレータCP5には前述したU・W相上下限検出部15に設定された上限電圧値よりも低い上限電圧値(例えば、4.5V)が分圧抵抗r22,r23によって設定され、さらに、下限検出用のコンパレータCP6には、前述したU・W相上下限検出部15に設定された下限電圧値よりも高い下限電圧値(例えば、0.5V)が分圧抵抗r24,r25によって設定されている。また、コンパレータCP5とコンパレータCP6との両者の出力端子は合流接続され、この合流接続されたものがダイオードD3のカソードに接続されている。なお、このコンパレータCP5,CP6の出力端子にも前述したコンパレータCP1〜CP4の出力側と同様にプルアップ抵抗r16を介して電源Vccが接続されている。
各ダイオードD1〜D3のアノードには、シュミットトリガゲートGを介してラッチ処理回路18が接続されている。このラッチ処理回路18は、前述した各コンパレータCP1〜CP6から出力される作動状態での電圧信号(L)をシュミットトリガゲートGによって反転し(H)、この電圧信号の状態を所定時間保持するようになっている。なお、各ダイオードD1〜D3のアノード側には前述したコンパレータCP1〜CP6の出力側と同様にプルアップ抵抗r16を介して電源Vccが接続されており、各ダイオードD1〜D3のアノード側が初期状態でHに保持されるようになっている。
したがって、上述の第1の実施の形態によれば、U・W相の検出電流に対応する電圧信号Vu1,Vw1に含まれる測定誤差や電流の脈動等によってV相算出値Vvが真値よりも低い値として算出された場合であっても、V相上下限検出部17の上限電圧値がU・W相上下限検出部15の上・下限電圧値よりも低く設定されていることで、電流センサが取り付けられたU・W相の電圧信号と比較して検出精度が低下することなく迅速にモータ相電流の異常を検出することができるため、U・V・W相の3相全てに電流センサを設けた場合と同等の故障検出を2相に設けた電流センサで実現できるため、部品点数を削減してコストの低減を図ることができる。
また、各電流センサ5a,5bの検出結果に基づいて、入力部12のオペアンプOP1〜OP4から出力された電圧信号がそれぞれの上限電圧値を上回ったり下限電圧値を下回ったりした場合にその対応する相に過電流が流れていると瞬時に判断することができるため、更なる信頼性の向上を図ることができる。
そして、電流センサ5a,5bにおいて、ホール素子IUPH1,IUPH2の出力電圧値に基づいて、U・W相上下限検出部15へ入力される電圧信号の差分が上限電圧値を上回ったり、下限電圧値を下回ったりした場合に電流センサのホール素子IUPH1,IUPH2のいずれかが故障状態であるとする自己診断を実施することができるため、電流センサが故障状態であると判断された際に即座にモータMの駆動停止又は駆動を制限することができ、この結果、U相、V相にそれぞれ電流センサを2つずつ設けて自己診断を行う場合よりも部品点数を削減してコストの低減を図ることができると共に、部品点数を削減した分だけ装置を小型化し設置自由度を向上することができる。
尚、上述の第1の実施の形態では、差分上下限検出部14において、上限電圧値を2.7V、下限電圧値を2.3Vに設定した場合について述べたが、プラスの電圧領域内であればこれら上限・下限電圧値を適宜選択してもよい。また、U・W相差異検出部13の電圧信号がモータ電流と同様にマイナス領域からプラス領域に渡って変移可能とし、差分上下限検出部14の上限電圧値を正電圧の設定値とし、下限電圧値を負電圧の設定値としてもよい。
尚、上述の第1の実施の形態では、差分上下限検出部14において、上限電圧値を2.7V、下限電圧値を2.3Vに設定した場合について述べたが、プラスの電圧領域内であればこれら上限・下限電圧値を適宜選択してもよい。また、U・W相差異検出部13の電圧信号がモータ電流と同様にマイナス領域からプラス領域に渡って変移可能とし、差分上下限検出部14の上限電圧値を正電圧の設定値とし、下限電圧値を負電圧の設定値としてもよい。
次に、図3に基づいて第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態は電流センサのコアに磁束発生用のコイルを追加して設けたものであるため、同一部分に同一符号を付して重複する部分の説明を省略する。なお、図3では図示都合上、二相の電源ライン(U相,W相)に取り付けられた電流センサのうちU相に取り付けられた電流センサのみを示して説明する。
図2において、21はハイブリッド車両等の車両のモータ駆動電流の異常を検出する電流検出装置を示しており、この電流検出装置21は電流センサ20と電流検出回路26とで構成されている。ここで、モータMはパワードライブユニット3と三相の一次導体U,V(図示せず),W(図示せず)を介して接続されており、電流センサ5aは、第1の実施の形態と同様に、三相の一次導体のうち二相の一次導体U,Wに取り付けられている。
図2において、21はハイブリッド車両等の車両のモータ駆動電流の異常を検出する電流検出装置を示しており、この電流検出装置21は電流センサ20と電流検出回路26とで構成されている。ここで、モータMはパワードライブユニット3と三相の一次導体U,V(図示せず),W(図示せず)を介して接続されており、電流センサ5aは、第1の実施の形態と同様に、三相の一次導体のうち二相の一次導体U,Wに取り付けられている。
電流センサ20は、磁性体で形成されエアギャップ22を備えた略C字状のコア23と、エアギャップ22に介装して配置された2つのホール素子IUPH1,IUPH2と、コア23の外周に巻回されホール素子IUPH1,IUPH2と対称位置に配置されたコイル24とで構成され、このコイル24には、その両端に電流源25が接続されている。この電流源25は、電流検出回路26と、電流源25の電源である低圧(例えば、12V)の補機用バッテリ(図示せず)とに接続されており、電流検出回路26からの制御信号(信号1)に基づいてコイル24に所定の電流を通電するようになっている。ここで、電流源25の周波数は、コイル24がnターンのとき、電流センサ5aの測定レンジIrに対してIr/n以上流すことができる周波数であればよい。なお、電流源25はモータMの制御を行うモータ制御ユニット(MOTECU)4から制御信号を直接受け取るようにしてもよい。
各ホール素子IUPH1,IUPH2は電流検出回路26に接続されている。具体的には、前述した第1の実施の形態の図2と同様に、電流検出回路26の入力部にはU相に取り付けられた電流センサ20とW相に接続された電流センサ(図示せず)との2つの電流センサが接続されている。入力部は各電流センサから出力される電圧信号を増幅して出力し、さらに、この入力部から出力される電圧信号に基づいてU・W相差異検出部、U・W相上下限検出部、加算部、V相上下限検出部、差上下限検出部によってモータMの相電流の異常判定及び電流センサ20の故障検知を行い、異常と判定された場合にラッチ処理回路を介してインバータのゲートをOFFにする旨の信号をモータ制御ユニット4に対して出力するようになっている。なお、電流検出回路26のU・W相差異検出部、U・W相上下限検出部、加算部、V相上下限検出部、差上下限検出部、ラッチ処理回路については第1の実施の形態と重複するため、詳細説明を省略する。
電流検出回路26は、上述した第1の実施の形態の構成に加え、電流源25を駆動制御する回路(図示せず)を有している。この電流源25を駆動制御する回路は、モータ制御ユニット4から電流センサ5aの自己診断を行う旨の制御信号が入力された場合に、前述した電流源25に対して電流を通電する旨の制御信号を出力するようになっている。なお、電流を通電する旨の制御信号は、モータ制御ユニット4から直接電流源に出力するようにしてもよい。
次に、図4、図5に基づいて各信号の波形が正常状態と異常状態のときの一例をそれぞれ説明する。なお、この図4、図5では2つのホール素子のうち一方のホール素子の出力信号(信号3)のみを示して説明する。
まず、図4は電流センサ5aが正常状態のときの信号1〜3(図3参照)の電圧変化を示している。電流検出回路26から信号1が出力されると、電流源25は正弦波である信号2を出力する。そして、前記ホール素子IUPH1は信号2に応じた正弦波である信号3を出力する。
まず、図4は電流センサ5aが正常状態のときの信号1〜3(図3参照)の電圧変化を示している。電流検出回路26から信号1が出力されると、電流源25は正弦波である信号2を出力する。そして、前記ホール素子IUPH1は信号2に応じた正弦波である信号3を出力する。
一方、図5は電流センサ5aが異常状態のときであり、図4と同様に電流検出回路26から信号1が出力されると電流源25は正弦波の信号2を出力する。しかし、ホール素子IUPH1の検出信号である信号3はピーク値に達することなく一定の値となる異常状態(サチュレーション状態)となっている。すなわち、電流検出回路26では、電流源25によってコイルに通電している状態で、信号2と信号3との出力電圧値を比較して、これらの差分が所定値異常となった場合にホール素子IUPH1の故障と判定している。なお、ホール素子IUPH2についても同様に故障を判定することができる。
したがって、上述した第2の実施の形態によれば、とりわけ、モータMの相電流が停止されている時であっても電流センサの自己診断を行うことができる。
また、電流源25によってコイル24に通電する電流に対してホール素子IUPH1、IUPH2から出力される電圧信号を予め測定し、これらの測定結果に基づいて電圧信号の上限電圧値と下限電圧値とを設定しておくことができるため、各ホール素子IUPH1、IUPH2の電圧信号の相対的な異常以外に、電圧信号の絶対的な異常をも判断することができ、例えば、2つのホール素子IUPH1、IUPH2が両者とも故障している場合であっても、確実にモータMの駆動を停止状態又は制限状態に制御することができ、その結果、モータ制御の信頼性を向上することができる。
また、電流源25によってコイル24に通電する電流に対してホール素子IUPH1、IUPH2から出力される電圧信号を予め測定し、これらの測定結果に基づいて電圧信号の上限電圧値と下限電圧値とを設定しておくことができるため、各ホール素子IUPH1、IUPH2の電圧信号の相対的な異常以外に、電圧信号の絶対的な異常をも判断することができ、例えば、2つのホール素子IUPH1、IUPH2が両者とも故障している場合であっても、確実にモータMの駆動を停止状態又は制限状態に制御することができ、その結果、モータ制御の信頼性を向上することができる。
次に、図4に基づいて第3の実施の形態を説明する。この第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態の電流センサ5a,5bにおいて、それぞれ2つのホール素子のうちの一方を電流検出用のコイルに置き換えたものであるため、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。なお、図4では前述した図3と同様に、図示都合上、U相の1次導体にのみ電流センサが取り付けられた場合を示している。
図4に示すように、電流センサ30において、略C字状に形成された磁性体のコア23のエアギャップ22にはホール素子IUPH1が配置されており、このホール素子IUPH1と対称位置のコア外周に電流検出用のコイル31が巻回されている。
コイル31は、その両端が前述した電流検出回路26に接続されている。この電流検出回路26の入力部(図2参照)にはホール素子とコイルの一端が接続されており、電流検出回路26によってホール素子IUPH1とコイル31からの各電圧信号とその上下限電圧値との比較及びホール素子IUPH1とコイル31とからの各電圧信号の差異とその上下限電圧値との比較等を行っており、上限電圧値を上回ったり下限電圧値を下回ったりした場合にモータ制御ユニット4に対してパワードライブユニット3のインバータのゲート信号をOFFにする旨の制御信号を出力している。
一方、ホール素子IUPH1とコイル31の一端との間には比較器32が接続されている。この比較器32は、1次導体UにモータMの相電流が通電された場合にホール素子IUPH1とコイル31との出力電圧の有無を比較するものであり、これらのうちどちらか一方だけが無信号である場合に固着故障と判断して、上述の電流検出回路26と同様にモータ制御ユニットに対してパワードライブユニット3のインバータのゲート信号をOFFにする旨の制御信号を出力するようになっている。なお、前記比較器32でホール素子IUPH1とコイル31との出力電圧の差分を判定するように構成してもよい。
コイル31は、その両端が前述した電流検出回路26に接続されている。この電流検出回路26の入力部(図2参照)にはホール素子とコイルの一端が接続されており、電流検出回路26によってホール素子IUPH1とコイル31からの各電圧信号とその上下限電圧値との比較及びホール素子IUPH1とコイル31とからの各電圧信号の差異とその上下限電圧値との比較等を行っており、上限電圧値を上回ったり下限電圧値を下回ったりした場合にモータ制御ユニット4に対してパワードライブユニット3のインバータのゲート信号をOFFにする旨の制御信号を出力している。
一方、ホール素子IUPH1とコイル31の一端との間には比較器32が接続されている。この比較器32は、1次導体UにモータMの相電流が通電された場合にホール素子IUPH1とコイル31との出力電圧の有無を比較するものであり、これらのうちどちらか一方だけが無信号である場合に固着故障と判断して、上述の電流検出回路26と同様にモータ制御ユニットに対してパワードライブユニット3のインバータのゲート信号をOFFにする旨の制御信号を出力するようになっている。なお、前記比較器32でホール素子IUPH1とコイル31との出力電圧の差分を判定するように構成してもよい。
したがって、上述の第3の実施の形態によれば、電流検出回路26を経由することなく、ホール素子IUPH1から出力される電圧信号に変化がない固着故障状態を判定することができるため、ホール素子IUPH1の電圧信号と上下限電圧値とを比較することなく瞬時にインバータのゲート信号をOFFにすることができ、この結果更なる信頼性の向上を図ることが可能になる。また、一つのホール素子IUPH1で電流センサ30の故障状態を判定することができるため、コア23を小型化して装置の設置自由度を向上させることができる。
ところで、この第3の実施の形態の他の態様として、図5に示すように、例えば、電流センサ30の故障時に電流検出回路26から直接的にパワードライブユニット3に向けてゲートをOFFにする旨の制御信号を送信して、モータMの駆動を停止又は制限するように構成してもよい。
ところで、この第3の実施の形態の他の態様として、図5に示すように、例えば、電流センサ30の故障時に電流検出回路26から直接的にパワードライブユニット3に向けてゲートをOFFにする旨の制御信号を送信して、モータMの駆動を停止又は制限するように構成してもよい。
尚、上述した各実施の形態ではU相とW相とに電流センサを設けてある場合について説明したが、U相、V相に限られるものではなく、U,V,W相のいずれか2相に電流センサを設ければよく、例えばV相、W相に電流センサを設け、これらの検出結果に基づいてU相の電流値を算出してもよい。
M モータ
IUPH1,IUPH2,IWPH1,IWPH2 ホール素子(磁束検出素子)
4 モータ制御ユニット(制御装置)
5a,5b,20,30 電流センサ
22 エアギャップ
23 コア(集磁コア)
24 コイル
25 電流源
31 コイル
IUPH1,IUPH2,IWPH1,IWPH2 ホール素子(磁束検出素子)
4 モータ制御ユニット(制御装置)
5a,5b,20,30 電流センサ
22 エアギャップ
23 コア(集磁コア)
24 コイル
25 電流源
31 コイル
Claims (7)
- 三相モータの任意の2つの相に電流センサを設け、各相の電流検出値の限界値をそれぞれの相に設定し、2相の電流検出値の和に基づいて他相の電流値を演算し、演算した電流演算値の限界値として前記電流検出値の限界値よりも小さい電流演算値の限界値を設定し、前記電流検出値又は前記電流演算値がそれぞれに設定された限界値を超えるとモータ駆動を停止又は制限することを特徴とする電流検出装置。
- 前記限界値と比較する電流演算値は絶対値を用いることを特徴とする請求項1記載の電流検出装置。
- 前記各限界値は、上限値及び下限値からなり、他相の電流演算値に対する上限値及び下限値の絶対値を、これに対応する2相の電流検出値の上限値及び下限値の絶対値より小さくすることを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。
- 前記電流センサは、各々2つの磁界検出素子を備え、これら2つの磁界検出素子の検出値の差に限界値を設定し、この限界値を超える電流が検出された場合に前記三相モータの駆動を停止又は制限することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の電流検出装置。
- 前記電流センサは、集磁コアのエアギャップに磁束検出素子を配置して集磁コアを貫通する相電流を測定するものであって、前記集磁コアに磁束発生用のコイルを巻装し、制御装置から制御可能な電流源を前記コイルに接続し、前記相電流が零の時に、制御装置を介して前記コイルに検査電流を流し、この時に前記磁束検出素子により検出された電流値に基づいて故障を判定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電流検出装置。
- 前記電流センサは、集磁コアのエアギャップに磁束検出素子を配置して集磁コアを貫通する相電流を測定するものであって、前記集磁コアに監視用のコイルを巻装し、前記相電流の変化を監視用のコイルで検出した際に、磁束検出素子の検出電流に変化がない場合に故障と判定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電流検出装置。
- 前記磁界検出素子の出力値と前記コイルの出力値の差に限界値を設定し、この限界値を超えた場合にモータ駆動を停止又は制限することを特徴とする請求項6に記載の電流検出装置。
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2005
- 2005-06-17 JP JP2005177588A patent/JP2006345683A/ja not_active Withdrawn
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