JP5352766B2 - 複層鋼およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、層間の界面剥離強度が高く、強度−延性バランスにすぐれた複層鋼およびその製造方法に関するものである。
近年、自動車用材料には、省エネ化、高性能化、環境対策等の観点から軽量化が求められており、その主たる方策として、比重の小さい非鉄材料の利用による軽量化あるいは自動車用鋼材の高強度化による薄肉軽量化等の研究開発が行われている。
しかし、鋼材の代わりに比重の小さい非鉄材料、例えば、Al合金やMg合金などの合金、を用いると、鋼材に比して、強度や剛性等の機械的特性が十分でないため、鋼材と同等の機械的特性を得るためには、板厚を大にしなければならず、また、断面形状を複雑にしなければならないため、成形性の低下、異材接合における脆化、腐食などの問題も発生し、期待に応えられるほどに十分な軽量化効果を得ることができなかった。
一方、自動車用鋼材を高強度化することにより薄肉化を図った場合には、鋼を高強度化することに付随して派生する、諸特性(延性、靭性、剛性、加工性、安全性、脆化特性、耐疲労特性、耐腐食性、耐環境性等)の低下という問題点を解消することが必要とされるが、特に、高強度化と高延性化は一般的に相反する特性であるため、高強度を有すると同時に高延性を備える所謂強度−延性バランスにすぐれた鋼材が強く求められてきた。
そのための一つの方策としては、特性の異なる複数の材料の複層化による材料の強度−延性バランスの改善が試みられており、鋼と他の材料との複層化材料として、クラッド材、ラミネート材等がある。
クラッド材としては、本発明者らの一部は、組織、機械的特性の異なる鋼(炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、高マンガン鋼等)を層状に複数層重ねあわせて圧延し、必要に応じ熱処理することにより、強度および延性ともにすぐれた複層鋼を得る方法を提案している(例えば、特許文献1)。
また、例えば、高炭素鋼と黄銅を、複数層重ねあわせて圧接、圧延して得た複層材料においても、高強度、高延性を示す複層材料が得られること(例えば、非特許文献1)が知られている。
特願2006−205283号 「METALLURGICAL TRANSACTIONS A」Vol.24A,July1993,p.1647−1653
上記特許文献1記載の従来技術(以下、従来技術1という)においては、鋼材の組み合わせ、積層層数、積層プロセスを工夫することにより、高強度・高延性の複層鋼が得られることが示されており、例えば、第1の層としてオーステナイト系ステンレス鋼を、また、第2の層としてマルテンサイト系ステンレス鋼を用い、第1の層と第2の層を合計で11層積層し、温間圧延および熱処理を行うことにより、強度(引張強さTS)が1220MPa、延性(延びEL)が25%の複層鋼が得られることが示され、さらに、第1の層として高マンガン鋼を、また、第2の層として炭素鋼を用い、第1の層と第2の層を合計で11層積層し、熱間圧延および熱処理を行うことにより、強度(引張強さTS)が1150MPa、延性(延びEL)が34%の複層鋼が得られることが示されている。
しかし、上記従来技術1においては、第1の層と第2の層の界面における接合強度が十分でないと、特に大きな負荷がかかる加工を受けたような場合には、第1の層の備えるすぐれた延性と、第2の層の備える高強度を十分に発揮することができないまま、層間界面での剥離が生じることがあった。
一方、上記非特許文献1記載の従来技術(以下、従来技術2という)においては、高炭素鋼と黄銅との組み合わせからなる複層材料として、確かに、強度(800MPa程度)および延性(60%)の高い材料が得られているが、自動車用材料として要求される特性を満足するものであるか否かを考えた場合には、延性については満足できるとしても、800MPa程度の引張強さでは、強度特性が極めて不十分であるといわざるを得ず、これを自動車用材料として用いることは到底できない。
したがって、高負荷が加わるような状況下でも、層間の接合強度が大で、界面剥離が生じることがなく、かつ、強度−延性バランスにすぐれた複層鋼の開発が強く望まれている。
本発明の複層鋼およびその製造方法は、上記の要請に応えるべく開発されたものであって、
「(1) オーステナイト組織又はフェライト組織が最大の体積分率を占め、引張強さTSが1200MPa以下の鋼からなる第1の層と、マルテンサイト組織が最大の体積分率を占め、引張強さTSが1200MPa以上の鋼からなる第2の層を互いに積層し、さらに、上記第1の層を表層として合計3層以上を積層一体化して構成してなり、前記第1の層と前記第2の層との初期積層界面は複層鋼の結晶粒内または結晶粒界に位置しており、該初期積層界面には、Si系酸化物、Cr系酸化物、SiCr複合酸化物の一種または二種以上が分散し、かつ、該酸化物相互の間は連続的に金属結合している界面結晶組織を有し、複層鋼全体としての引張強さが900MPa以上で引張強さと全伸びの積が20000MPa・%以上であり、界面剥離強度が10N/mm以上であることを特徴とする複層鋼。
(2) 前記酸化物が、長径1μm以下のSiOであり、かつ、列状に並んだSiO粒相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合している界面結晶組織を有することを特徴とする前記(1)に記載の複層鋼。
(3) 第2の層が、質量%(以下同じ)で、
C:0.05〜0.4%、
Si:0.05〜3.0%、
Mn:0.05〜3.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼Aからなり、
第1の層が、
C:0.01〜0.15%、
Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.01〜2.0%、
Cr:12.0〜24.0%、
Ni:4.0〜14.0%、
N:0.001〜0.3%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼C、又は、
C:0.001〜0.15%、
Si:0.05〜3.0%、
Mn:15.0〜32.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼E、又は、
C:0.0001〜0.4%、
Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.01〜2.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼G、
の何れかの1種又は2種以上からなることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の複層鋼。
(4) 第2の層を構成する鋼Aが、
Nb:0.001〜0.1%、
Ti:0.001〜0.1%、
V:0.001〜0.5%、
Cr:0.01〜16.0%、
Ni:0.01〜12.0%、
Mo:0.01〜3.0%、
Cu:0.01〜1.0%、
B:0.0003〜0.0100%
のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする前記(3)に記載の複層鋼。
(5) 第1の層を構成する鋼Cが、
Nb:0.001〜0.1%、
Ti:0.001〜0.1%、
V:0.001〜0.5%、
Mo:0.01〜3.0%、
Cu:0.01〜1.0%、
B:0.0003〜0.0100%
のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする前記(3)または(4)に記載の複層鋼。
(6) 第1の層を構成する鋼Eが、
Nb:0.001〜0.1%、
Ti:0.001〜0.1%、
V:0.001〜0.5%、
Cr:0.01〜12.0%、
Ni:0.01〜40.0%、
Mo:0.01〜3.0%、
Cu:0.01〜1.0%、
N:0.001〜0.3%、
B:0.0003〜0.0100%
のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする前記(3)〜(5)の何れかに記載の複層鋼。
(7) 第1の層を構成する鋼Gが、
Nb:0.001〜0.1%、
Ti:0.001〜0.1%、
V:0.001〜0.5%、
Cr:0.01〜12.0%、
Ni:0.01〜40.0%、
Mo:0.01〜3.0%、
Cu:0.01〜1.0%、
B:0.0003〜0.0100%
のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする前記(3)〜(6)の何れかに記載の複層鋼。
(8) 前記(1)〜(7)の何れかに記載の複層鋼の製造方法であって、表面を脱脂した第1の層および第2の層を、表層を第1の層として積層し、周囲を溶接して積層体を形成し、該積層体を加熱して、400〜1100℃で圧延し、その後、750〜1100℃で1〜120分間加熱し、室温まで冷却することを特徴とする複層鋼の製造方法。
(9) 不活性雰囲気中で、第1の層と第2の層を積層し、周囲を溶接して積層体を形成することを特徴とする前記(8)に記載の複層鋼の製造方法。
(10) 熱間圧延前の積層体の少なくとも1ヶ所に貫通穴を形成し、該貫通穴に酸素ゲッター材を挿入することを特徴とする前記(8)または(9)に記載の複層鋼の製造方法。
(11) 酸素ゲッター材がTiワイヤーであることを特徴とする前記(10)に記載の複層鋼の製造方法。
(12) 400〜1100℃で圧延した後、さらに冷間圧延し、750〜1100℃で1〜120分間加熱し、室温まで冷却することを特徴とする前記(8)〜(11)の何れか一項に記載の複層鋼の製造方法。
(13) 前記(1)〜(7)の何れかに記載の複層鋼の製造方法であって、表面を脱脂した第1の層および第2の層を、表層を第1の層として積層し、周囲を溶接して積層体を形成し、1パスの圧下率が35%以上の冷間圧延を少なくとも1回以上行い、750〜1100℃で1〜120分間加熱し、室温まで冷却することを特徴とする複層鋼の製造方法。」
を特徴とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の複層鋼は、引張強さTSが1200MPa以下で、オーステナイト組織又はフェライト組織が最大の体積分率を占める鋼(以下、「γ/α鋼」で示す)からなる第1の層と、引張強さTSが1200MPa以上で、マルテンサイト組織が最大の体積分率を占める鋼(以下、「Mar鋼」で示す)からなる第2の層との一体化された積層構造体として構成され、さらに、積層数は合計3層以上、かつ、表層は第1の層で構成されている。
複層鋼全体としての高強度化、高延性化を図るためには、Mar鋼が高い引張強さを有することが必要とされ、その一方で、γ/α鋼にはすぐれた延性が必要とされる。強度とは延性とは一般的に相容れない特性であるから、γ/α鋼にすぐれた延性を有せしめるためには、ある程度の強度の低下を許容せざるを得ないことから、γ/α鋼の引張強さを1200MPa以下として高延性を有せしめた。一方、Mar鋼は、複層鋼全体としての強度を担保するために、1200MPa以上の引張強さを備えることを必須とした。
さらに、本発明の複層鋼では、各層間の界面剥離強度(ピール強度)を向上させるために、図1に模式的に示したように、第1の層と第2の層との初期積層界面には、加工組織が再結晶し、第1の層と第2の層の原子が相互に拡散することで、新たな結晶粒が形成され、その結晶粒内または結晶粒界には、酸化物が生成しており、酸化物相互の間が連続的に金属結合している界面結晶組織を形成した。これにより、10N/mm以上という優れた界面剥離強度(ピール強度)が得られ、いわゆる界面剥離が生じることなく、第2の層のネッキングによって破断するため、破断伸びが顕著に増大する。なお、連続的に金属結合しているとは、1nm以上に亘って隙間のない金属結合組織を有していることを意味する。また、1nm程度の金属結合組織は、高分解能TEM観察によって確認することができる。
酸化物は、具体的には、SiOなどのSi系酸化物、Cr、CrOなどのCr系酸化物、(SiCr)xOy 、SiOとCrOの混合物などのSiCr複合酸化物の1種または2種以上である。このうち、特に、長径が1μm以下のSiOが分散し、かつ、列状に並んだSiO粒相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合している界面結晶組織を形成することが好ましい。
なお、初期積層界面とは、第1の層と第2の層とを積層した際の界面であり、積層鋼では第1の層と第2の層が相互に拡散するため、その断面組織において、主に結晶粒内に酸化物粒子が列状またはクラスター状に生成した部位として観察される。
上記の界面結晶組織は、以下の方法によって形成することができる。
熱間圧延によって上記の界面結晶組織を形成する場合は、まず、第1の層と第2の層は、表面の油分等を除去するために脱脂し、第1の層を表層として積層し、周囲を溶接して積層体を形成する。この積層体を加熱し、400〜1100℃で圧延する。
750℃以上の温度で熱間圧延し、上記の界面結晶組織を形成する場合は、積層体の、第1の層と第2の層の界面の酸素分圧を低下させることが好ましい。そのため、積層体の形成、特に周囲の溶接を不活性雰囲気中で行うことが好ましい。また、積層体の板厚方向に貫通する穴を設けて、Tiワイヤーなどの酸素ゲッター材を挿入すると、熱間熱延の際に優先的に酸素ゲッター材が酸化され、第1の層と第2の層の界面の酸素分圧を低下させることができる。酸素ゲッター材は、少なくとも1ヶ所、積層体の端や隅に設けることで、効果が得られる。
温間圧延、熱間圧延の後、さらに、必要に応じて、冷間圧延しても良い。冷間圧延後は、750〜1100℃で1〜120分間加熱し、室温まで冷却する。
なお、熱間圧延を行わず、冷間圧延と熱処理とによって上記界面結晶組織を形成することもできる。この場合には、脱脂して表面の油分等を除去した第1の層および第2の層を、表層が第1の層になるようにして積層し、周囲を溶接して積層体を形成し、そのまま冷間圧延を行う。この場合、冷間圧延の1パスの圧下率が35%以上の冷間圧延を少なくとも1回以上行うことが必要である。この大圧下冷延によって第1の層と第2の層の界面が新生面となり、750〜1100℃で1〜120分間の加熱を行った際に、上記界面結晶組織が形成される。
図2(a)に、第1の層としてSUS304(表1の鋼C)、第2の層としてSCM415(表1の鋼A−2)を用い、これらを大圧下冷延と熱処理(加熱温度1100℃、保持時間2分、水冷)により積層一体化して形成した複層鋼について、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した第1の層と第2の層との界面に形成された界面結晶組織写真を示す。
この図から、第1の層と第2の層との界面には、長径が1μm以下の粒子(図面中、初期界面に沿って点在分散する白い点)が分散していることが確認される。さらに、この界面結晶組織について、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)を併用して解析した。その結果、列状に並んだ粒子はSi系酸化物、すなわちSiO粒であり、粒子相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合していることが判明した。
なお、図2(b)は、熱処理前の冷間圧延ままの状態でのTEM組織写真であり、第1の層と第2の層との界面には、界面結晶組織は観察されない。
上記図2(a)に示される界面結晶組織を有する複層鋼について、界面剥離強度(ピール強度)に及ぼす熱処理温度および熱処理時間の影響を調べた。ピール強度は、図3に模式的に示したようにして、界面の引き剥がし引張試験を行って測定した。なお、ピール強度は、界面を引き剥がすに必要な引張荷重(剥離ストロークに対して安定な荷重領域の荷重を採用)を試験片の幅で除した値である。
図4にその結果を示すが、熱処理温度が高いほど界面剥離強度(ピール強度)は高くなり、また、熱処理時間が2分までは熱処理時間とともに界面剥離強度(ピール強度)が高くなるが、熱処理時間が2分以上になった場合には、強度の大幅な増加傾向は見られなくなる。
また、上記図2(a)に示される界面結晶組織を有する複層鋼について、界面剥離強度(ピール強度)と破断伸びとの相関を調査した。
図6にその結果を示すが、界面剥離強度(ピール強度)が大になるほど破断伸びが増大し、しかも、界面剥離強度(ピール強度)が10N/mmより小さい場合には、界面剥離で破断するが、界面剥離強度(ピール強度)が10N/mm以上である場合には、いわゆる界面剥離ではなく、第2の層のネッキングによって破断が生じることが判明した。
したがって、複層鋼を構成する第1の層と第2の層との界面の結晶粒内に、長径が1μm以下のSiO粒が分散し、かつ、列状に並んだSiO粒相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合している界面結晶組織を形成することによって、複層鋼の界面剥離発生を抑制し得ることがわかる。
同様に製造しても、圧延を行う際の酸素分圧が若干高いと、Cr系酸化物、SiCr系複合酸化物が生成する。一例を図5に示す。図5は、図2と同様、第1の層としてSUS304(表1の鋼C)、第2の層としてSCM415(表1の鋼A−2)を用い、これらを大圧下冷延と熱処理(加熱温度1100℃、保持時間2分、水冷)により積層一体化して形成した複層鋼の断面の光学顕微鏡組織写真である。この界面結晶組織を、走査型電子顕微鏡(SEM)と、付属の電子分散型X線分析装置(EDS)を用いて、解析した結果、酸化物はCrとSiを含有する複合酸化物であることがわかった。
本発明の複層鋼の第1の層を構成するγ/α鋼、あるいは、第2の層を構成するMar鋼については、請求項3に記載する各種の鋼を使用することができる。
第2の層を構成するMar鋼としては、延性は低くても高引張強さを有する鋼を用いることが必要であり、具体的には、質量%(以下同じ)で、
C:0.05〜0.4%、
Si:0.05〜3.0%、
Mn:0.05〜3.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼Aを用いることができる。
第1の層を構成するγ/α鋼としては、引張強さは十分でないが延性にすぐれた鋼を用いることが必要であり、具体的には、
C:0.01〜0.15%、
Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.01〜2.0%、
Cr:12.0〜24.0%、
Ni:4.0〜14.0%、
N:0.001〜0.3%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼C、又は、
C:0.001〜0.15%、
Si:0.05〜3.0%、
Mn:15.0〜32.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼E、又は、
C:0.0001〜0.4%、
Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.01〜2.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼G、
の何れかの1種又は2種以上を用いることができる。
さらに、本発明の複層鋼の第2の層を構成するMar鋼は、請求項4に記載するように、前記鋼Aに対して、微量の合金成分(Nb:0.001〜0.1%、Ti:0.001〜0.1%、V:0.001〜0.5%、Cr:0.01〜16.0%、Ni:0.01〜12.0%、Mo:0.01〜3.0%、Cu:0.01〜1.0%、B:0.0003〜0.0100%のうちの1種又は2種以上。いずれも質量%)を更に含有することができる。
これらの合金成分をそれぞれ上記のごとく定められた所定量含有することによって、Mar鋼(鋼A)それ自体の有する強度、延性、靭性等の機械的特性を調整することができる。
さらに、本発明の複層鋼の第1の層を構成するγ/α鋼は、前記鋼Cに対して、微量の合金成分(Nb:0.001〜0.1%、Ti:0.001〜0.1%、V:0.001〜0.5%、Mo:0.01〜3.0%、Cu:0.01〜1.0%、B:0.0003〜0.0100%のうちの1種又は2種以上。いずれも質量%)を更に含有することができる。
さらに、本発明の複層鋼の第1の層を構成するγ/α鋼は、前記鋼Eに対して、微量の合金成分(Nb:0.001〜0.1%、Ti:0.001〜0.1%、V:0.001〜0.5%、Cr:0.01〜12.0%、Ni:0.01〜40.0%、Mo:0.01〜3.0%、Cu:0.01〜1.0%、N:0.001〜0.3%、B:0.0003〜0.0100%のうちの1種又は2種以上。いずれも質量%)を更に含有することができる。
さらに、本発明の複層鋼の第1の層を構成するγ/α鋼は、前記鋼Gに対して、微量の合金成分(Nb:0.001〜0.1%、Ti:0.001〜0.1%、V:0.001〜0.5%、Cr:0.01〜12.0%、Ni:0.01〜40.0%、Mo:0.01〜3.0%、Cu:0.01〜1.0%、B:0.0003〜0.0100%のうちの1種又は2種以上。いずれも質量%)を更に含有することができる。
本発明の複層鋼の第1の層と第2の層との積層界面の界面結晶組織は、以下の方法によって形成することができる。
まず、表面を脱脂した第1の層および第2の層を、表層が第1の層になるようにして積層し、周囲を溶接して積層体を形成する。積層体間の周囲を溶接するのは、積層体を熱間圧延するにあたり加熱時に酸素が侵入し表面が酸化するのを防止するためである。したがって、第1の層と第2の層の積層、溶接は、大気中で行っても良いが、積層体内の酸素分圧を低下させるために、不活性雰囲気、例えば、Arガス中で行うことが好ましい。また、積層体の板厚方向に貫通する穴を設け、層間に存在する酸素を吸収する酸素ゲッター材を挿入しても良い。酸素ゲッター材は、酸化し易い金属、例えば、Tiワイヤーを用いることが好ましい。
次に、積層体を400〜1100℃で圧延する。圧延温度が400℃未満では変形抵抗が高く、また、圧延の温度が1100℃を超えると、酸化物が成長して、第1の層と第2の層の積層界面の界面結晶組織における金属結合が不十分になる。なお、圧延後は、強度を上昇させるために、750〜1100℃に1〜120分保持し、室温まで冷却する。熱処理の加熱温度は、特に第2の層の金属組織をオーステナイトにするため、750℃以上が好ましく、十分に変態させるためには保持温度を1分以上にすることが好ましい。一方、粒径の粗大化を避けるには、加熱温度を1100℃以下とし、保持時間を120分以下とすることが好ましい。冷却は、強度を上昇させるために、水冷が好ましい。
400〜1100℃での圧延後、さらに、目標厚さになるまで冷間圧延し、その後、750〜1100℃で1〜120分間加熱し、室温まで冷却しても良い。この場合も、同様に、熱処理の加熱温度は、750〜1100℃、保持温度は1〜120分が好ましく、冷却は水冷が好ましい。
積層体を熱間圧延せずに、冷間圧延と熱処理し、層間の界面に上記界面結晶組織を形成することもできる。
この場合は、第1の層と第2の層を積層し、周囲を溶接して積層体を形成し、そのまま冷間圧延し、第1の層と第2の層の界面に新生面を生成させる。熱間圧延前と同様、第1の層と第2の層の積層、溶接は、大気中で行っても良いが、不活性雰囲気で行うことが好ましい。また、冷間圧延では、第1の層と第2の層の界面に新生面を生成させるために、1パスの圧下率が35%以上の冷間圧延を少なくとも1回以上行う。
その後の熱処理は、750〜1100℃で1〜120分間加熱とする。この場合、第1の層と第2の層の積層界面で、各層の原子の拡散、再結晶、粒成長および相変態を生じさせるために、加熱温度は750℃以上が好ましく、保持温度は1分以上が好ましい。一方、粒径の粗大化を避けるには、加熱温度を1100℃以下とし、保持時間を120分以下とすることが好ましい。冷却は、強度を上昇させるために、水冷が好ましい。
なお、加熱温度が高くなるほど、また、加熱時間が長くなるほど界面剥離強度(ピール強度)が向上することは、図4に示すとおりである。
本発明の複層鋼は、第1の層を引張強さTSが1200MPa以下のγ/α鋼で構成し、また、第2の層を引張強さTSが1200MPa以上のMar鋼で構成し、上記第1の層を表層として合計3層以上を積層一体化し、さらに、第1の層と第2の層との初期積層界面には、結晶粒内または結晶粒界に、Si系酸化物、Cr系酸化物、SiCr複合酸化物の一種または二種以上が分散し、かつ、該酸化物の相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合している界面結晶組織を有し、好ましくは、長径が1μm以下のSiO粒が分散し、かつ、列状に並んだSiO粒相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合している界面結晶組織を形成することによって、高強度、高延性、すぐれた強度−延性バランスに加え、すぐれた界面剥離強度(ピール強度)を有する。
したがって、複層鋼全体としては、引張強さが1000MPa以上で引張強さと全伸びの積が20000MPa・%以上を示し、さらに、ピール試験で評価した場合に、10N/mm以上の界面剥離強度を示すことから、高強度、高延性、良加工性が要求され、軽量化が求められる自動車用材料として好適な材料であるといえる。
本発明は、組織および機械的特性の異なる少なくとも2種以上の鋼を組み合わせて複層化し、かつ、層間に界面結晶組織を形成することにより、複層鋼の引張強さ、延性、界面剥離強度(ピール強度)の改善を図ることができる。
本発明では、TSが1200MPa以下のγ/α鋼からなる第1の層と、引張強さTSが1200MPa以上のMar鋼からなる第2の層とを、表面を脱脂して、表層が第1の層になるように積層して周囲を溶接し、積層体(合計積層数は3層以上、かつ、表層は第1の層で構成する)を形成した後、積層体を加熱し、400〜1100℃で圧延し、さらに、750〜1100℃で1〜120分間加熱する熱処理を行った後室温まで冷却することにより、積層一体化する。または、積層体を1パスの圧下率が35%以上の冷間圧延を少なくとも1回以上行い、750〜1100℃で1〜120分間加熱し、室温まで冷却することによって、積層一体化することもできる。
そして、上記の温間圧延若しくは熱間圧延と熱処理、または冷間圧延と熱処理を行うことによって、第1の層と第2の層の初期積層界面には、結晶粒内または結晶粒界に、Si系酸化物、Cr系酸化物、SiCr複合酸化物の一種または二種以上が分散し、かつ、該酸化物の相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合している界面結晶組織を有し、好ましくは、長径が1μm以下のSi系酸化物、Cr系酸化物の一方または双方が分散し、かつ、列状に並んだ酸化物相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合している界面結晶組織が形成され、その結果として、10N/mm以上の界面剥離強度(ピール強度)を備えた複層鋼が得られる。
以下、具体的な実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
本発明では、第1の層として表1に示す4種のγ/α鋼(鋼C、鋼E、鋼G−1、鋼G−2)を用い、また、第2の層として同じく表1に示す2種のMar鋼(鋼A−1、鋼A−2)を用いた。なお、それぞれの鋼の引張強さを同じく表1に示す。
Figure 0005352766
表1に示す第1の層と第2の層を、表2に示す組み合わせ、各層層厚、積層層数で、合計層厚となるように積層し、周囲を大気中で溶接して積層体を形成し、ついでこれらの積層体を加熱し、400〜1100℃で熱間圧延して複層鋼を製造した。その一部を、さらに目標厚さになるまで冷間圧延し、750〜1100℃で1〜120分間加熱し、室温まで冷却した。また、一部の複層鋼は、熱間圧延の加熱前に、積層体に板厚を貫通するように穴を設けてTiワイヤを挿入し、層間の酸素をTiに吸収させて熱間圧延した。さらに、一部の複層鋼は、積層体を熱間圧延せず、1パス目の圧下率が35%以上の圧延を少なくとも1回以上行う冷間圧延後、750〜1100℃で1〜120分間加熱し、室温まで冷却することにより製造した。各複層鋼の詳細な条件は表2に示した。
例えば、実施例1では、表1に示す第1の層として、厚さ0.63mm、引張強さ694MPaのγ/α鋼、また、第2の層として、厚さ0.28mm、引張強さ2100MPaのMar鋼を用い、表2に示すように、表層が第1の層となるようにして、第1の層を9層、第2の層を8層交互に積層し、大気中で周囲を溶接して、合計積層数17層、合計層厚0.9mmの積層体を形成した。
次いで、上記積層体を加熱し、表2に示す条件で熱間圧延し、さらに、同じく表2に示す条件で目標厚さになるまで冷間圧延し、さらに、同じく表2に示す条件で熱処理し、室温まで水冷することにより、実施例1の複層鋼を作製した。
そして、作製した実施例1の複層鋼の各層の層厚方向中心位置を光学顕微鏡で観察したところ、第1の層はオーステナイト組織がほぼ100体積%を占めるγ鋼であり、一方、第2の層はマルテンサイト組織がほぼ100体積%を占めるMar鋼であることを確認した。
また、実施例1の複層鋼の第1の層と第2の層との界面を、EDSを併用してTEMで観察したところ、その界面には界面結晶組織が形成されており、界面の結晶粒内には、長径が0.01〜0.1μmのSiO粒が分散しており、かつ、列状に並んだSiO粒相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合していることを確認した。
得られた実施例1〜8の本発明複層鋼について、複層鋼全体としての引張強さ(MPa)、伸び(%)、強度−延性バランス指標値(引張強さ(MPa)×伸び(%)の値)および界面剥離強度(ピール強度)を測定した。
その結果を表3に示す。
なお、上記の各測定は、つぎのような試験法により測定したものである。すなわち、引張試験はJIS Z 2201の5号試験片を用いて、JIS Z 2241に準拠して行った。また、ピール強度は、図3に模式的に示した界面の引き剥がし引張試験を行い、界面を引き剥がすに必要な引張荷重(剥離ストロークに対して安定な荷重領域の荷重を採用)を試験片の幅で除して求めた。
さらに、第1の層と第2の層との界面の組織を、EDSを併用してTEMで観察したので、その結果を同じく表3に示す。
表3の結果からも明らかなように、実施例1〜8の本発明複層鋼は、高強度、高延性を有し、強度−延性バランスに優れるとともに、界面剥離強度(ピール強度)はいずれも10N/mm以上であって、すぐれた界面強度を備えていることが確認された。
Figure 0005352766
Figure 0005352766
比較のため、表4に示す組み合わせで第1の層および第2の層とし、これを同じく表4に示す各層層厚、積層層数、合計層厚となるように積層体を形成し、この積層体を、同じく表4に示す条件で熱間圧延し(あるいは熱間圧延を行わず)、目標厚さになるまで冷間圧延して一体化することにより、比較例の複層鋼(比較例21〜23)を製造した。
得られた比較例21〜23の複層鋼について、複層鋼全体としての引張強さ(MPa)、伸び(%)、強度−延性バランス指標値(引張強さ(MPa)×伸び(%)の値)および界面剥離強度(ピール強度)を、実施例1〜8と同様な方法で測定した。
その結果を表5に示す。
さらに、第1の層と第2の層との界面の組織を、EDSを併用してTEMで観察したので、その結果を同じく表5に示す。
Figure 0005352766
Figure 0005352766
実施例1〜8の結果と、比較例21〜23の結果を対比してみると、
比較例21は、実施例2と冷間圧延後の熱処理条件が異なるだけであるが、1000℃での熱処理時間が20秒と短すぎると界面ピール強度が低下し、延性が著しく低下していることがわかる。
また比較例22は、実施4と冷間圧後の熱処理条件が異なるだけであるが、温度が低下し時間が短くなると界面ピール強度が低下し、延性が著しく低下していることがわかる。
比較例23は、実施例6と冷間圧延条件が異なるだけであるが、1パスの最大の圧下率が低いため、界面ピール強度が低下し、同様に延性が著しく低下している。
以上の結果からわかるように、本発明の複層鋼は、高強度、高延性、強度−延性バランスを備えるとともに、すぐれた界面剥離強度(ピール強度)を有するものであることから、例えば、自動車用材料のように軽量化が望まれかつ高強度、良加工性が要求される材料としては好適なものといえる。
本発明の複層鋼の組織と、初期積層界面との関係を示す模式図である。 第1の層がSUS304、第2の層がSCM415からなる複層鋼の、層間界面の電子顕微鏡写真であり、(a)は、本発明の複層鋼(実施例2)についてのものであり、初期積層界面には、長径が1μm以下のSiO粒が分散し、列状に並んだSiO粒相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合している界面結晶組織が存在していることを示し、一方、(b)は、上記(a)の熱処理前(冷間圧延まま)についてのものであり、界面には、特別の界面結晶組織が存在しないことを示す。 ピール強度の測定方法の模式図である。 界面剥離強度(ピール強度)に及ぼす熱処理温度および熱処理時間の影響を示すグラフである。 第1の層がSUS304、第2の層がSCM415からなる本発明の複層鋼の、層間界面の光学顕微鏡写真であり、初期積層界面には、Si、Crを含有する酸化物が生成し、酸化物相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合している界面結晶組織が存在していることを示す。 複層材の延性に及ぼすピール強度の影響を示すグラフである。

Claims (13)

  1. オーステナイト組織又はフェライト組織が最大の体積分率を占め、引張強さTSが1200MPa未満の鋼からなる第1の層と、マルテンサイト組織が最大の体積分率を占め、引張強さTSが1200MPa以上の鋼からなる第2の層を互いに積層し、さらに、上記第1の層を表層として合計3層以上を積層一体化してなり、前記第1の層と前記第2の層との初期積層界面は複層鋼の結晶粒内または結晶粒界に位置しており、該初期積層界面には、Si系酸化物、Cr系酸化物、SiCr複合酸化物の一種または二種以上が分散し、かつ、該酸化物相互の間は連続的に金属結合している界面結晶組織を有し、複層鋼全体としての引張強さが900MPa以上で引張強さと全伸びの積が20000MPa・%以上であり、界面剥離強度が10N/mm以上であることを特徴とする複層鋼。
  2. 前記酸化物が、長径1μm以下のSiOであり、かつ、列状に並んだSiO粒相互の間の少なくとも1nm以上に亘って金属結合している界面結晶組織を有することを特徴とする請求項1に記載の複層鋼。
  3. 第2の層が、質量%(以下同じ)で、
    C:0.05〜0.4%、
    Si:0.05〜3.0%、
    Mn:0.05〜3.0%
    を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼Aからなり、
    第1の層が、
    C:0.01〜0.15%、
    Si:0.01〜1.0%、
    Mn:0.01〜2.0%、
    Cr:12.0〜24.0%、
    Ni:4.0〜14.0%、
    N:0.001〜0.3%
    を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼C、又は、
    C:0.001〜0.15%、
    Si:0.05〜3.0%、
    Mn:15.0〜32.0%
    を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼E、又は、
    C:0.0001〜0.4%、
    Si:0.01〜1.0%、
    Mn:0.01〜2.0%
    を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼G、
    の何れかの1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1または2に記載の複層鋼。
  4. 第2の層を構成する鋼Aが、
    Nb:0.001〜0.1%、
    Ti:0.001〜0.1%、
    V:0.001〜0.5%、
    Cr:0.01〜16.0%、
    Ni:0.01〜12.0%、
    Mo:0.01〜3.0%、
    Cu:0.01〜1.0%、
    B:0.0003〜0.0100%
    のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項3に記載の複層鋼。
  5. 第1の層を構成する鋼Cが、
    Nb:0.001〜0.1%、
    Ti:0.001〜0.1%、
    V:0.001〜0.5%、
    Mo:0.01〜3.0%、
    Cu:0.01〜1.0%、
    B:0.0003〜0.0100%
    のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項3または4に記載の複層鋼。
  6. 第1の層を構成する鋼Eが、
    Nb:0.001〜0.1%、
    Ti:0.001〜0.1%、
    V:0.001〜0.5%、
    Cr:0.01〜12.0%、
    Ni:0.01〜40.0%、
    Mo:0.01〜3.0%、
    Cu:0.01〜1.0%、
    N:0.001〜0.3%、
    B:0.0003〜0.0100%
    のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項3〜の何れか一項に記載の複層鋼。
  7. 第1の層を構成する鋼Gが、
    Nb:0.001〜0.1%、
    Ti:0.001〜0.1%、
    V:0.001〜0.5%、
    Cr:0.01〜12.0%、
    Ni:0.01〜40.0%、
    Mo:0.01〜3.0%、
    Cu:0.01〜1.0%、
    B:0.0003〜0.0100%
    のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の複層鋼。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の複層鋼の製造方法であって、表面を脱脂した第1の層および第2の層を、表層を第1の層として積層し、周囲を溶接して積層体を形成し、該積層体を加熱して、400〜1100℃で圧延し、その後、750〜1100℃で1〜120分間加熱し、室温まで冷却することを特徴とする複層鋼の製造方法。
  9. 不活性雰囲気中で、第1の層と第2の層を積層し、周囲を溶接して積層体を形成することを特徴とする請求項8に記載の複層鋼の製造方法。
  10. 熱間圧延前の積層体の少なくとも1ヶ所に貫通穴を形成し、該貫通穴に酸素ゲッター材を挿入することを特徴とする請求項8または9に記載の複層鋼の製造方法。
  11. 酸素ゲッター材がTiワイヤーであることを特徴とする請求項10に記載の複層鋼の製造方法。
  12. 400〜1100℃で圧延した後、さらに冷間圧延し、750〜1100℃で1〜120分間加熱し、室温まで冷却することを特徴とする請求項8〜11の何れか一項に記載の複層鋼の製造方法。
  13. 請求項1〜7の何れか一項に記載の複層鋼の製造方法であって、表面を脱脂した第1の層および第2の層を、表層を第1の層として積層し、周囲を溶接して積層体を形成し、1パスの圧下率が35%以上の冷間圧延を少なくとも1回以上行い、750〜1100℃で1〜120分間加熱し、室温まで冷却することを特徴とする複層鋼の製造方法。
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