JP5351463B2 - 六フッ化リン酸塩の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、六フッ化リン酸塩の製造方法及びその製造装置に関し、より詳細には、蓄電素子の電解液に適用可能な六フッ化リン酸塩の製造方法、六フッ化リン酸塩を含む電解液、及びその電解液を備える蓄電素子に関する。
CO排出削減の切り札として期待されているハイブリッド自動車や電気自動車に於いては、リチウムイオン二次電池がキーデバイスとして位置づけられている。当該リチウムイオン二次電池の電解質としては、安全性が高く、しかも優れた電気的特性を有する六フッ化リン酸リチウムが挙げられる。当該六フッ化リン酸リチウムを含む六フッ化リン酸塩は、五フッ化リン“PF”を出発原料として製造される。当該五フッ化リンは、化学工業に於いて種々の化学反応のフッ素化剤として使用され、室温で気体の物質である。
一方、六フッ化リン酸塩の一種である六フッ化リン酸銀“AgPF”や六フッ化リン酸カリウム“KPF”は、光重合の開始・増殖反応に必要な酸を発生させるカウンターイオンとして注目されている。また、六フッ化リン酸アンモニウム“NHPF”は、医薬中間体の製造に用いられる原料として有用である。更に、トリエチルメチルアンモニウム六フッ化ホスフェイト、テトラエチルアンモニウム六フッ化ホスフェイト等の四級アンモニウム塩は大出力の蓄電素子として期待されている電気二重層コンデンサーの電解質として有用である。
この様に六フッ化リン酸塩は多種多様な分野で求められる機能に応じて必要不可欠な物質として使用されている。ところが例えばリチウムイオン二次電池用の電解質に使用可能な高品位の六フッ化リン酸塩は極めて高価である。
六フッ化リン酸塩の製造方法については、下記に例示するように種々の文献に記載されている。
例えば、非特許文献1には、HF中に塩化リチウムを溶解し、これに五塩化リンを加えてLiPFを製造する旨の記載がある。また、特許文献1には、五塩化リンとHFガスを60〜165℃の範囲で反応させ、得られるPFをアルカリ金属フッ化物の無水HF溶液に添加することにより六フッ化リン酸塩を製造する旨の記載がある。
しかしながら、非特許文献1及び特許文献1に開示の製造方法であると、五塩化リンは吸湿性の大きな固体であるため、その取扱い性の悪さに起因して、製造設備への原料投入等に於いてその作業性が悪く、機械化も図りにくいという問題がある。また、五塩化リンに代表されるハロゲン化リンを原料として使用すると、大量のハロゲン化水素が副生する。このため、長大な排ガスの処理設備が必要になるという不都合がある。更に、五塩化リンに含まれている水分が反応系内に混入し、生成したPFの一部と混入水分が反応してPOFやPOFのようなオキシフッ化リンが副生する。その結果、例えば、六フッ化リン酸塩がLiPFの場合、LiPOFやLiPOのようなオキシフッ化リン酸化合物が生成して製品を汚染し、LiPFの生産性を最終的に悪化させている。また、当該方法により製造されたLiPFをリチウム電池の電解質として使用した場合、前記オキシフッ化リン酸化合物が電池の特性を損ねる等の問題を生じさせる。
前記の問題を改善するため、例えば、特許文献2には次の様な製造方法が開示されている。先ず、五塩化リンと無水HFを反応させることによりPFを生成する。次に、このPFと塩化水素との混合ガスを、オキシフッ化リンの沸点以下であり、かつPFの沸点以上の温度、具体的には−40℃〜−84℃に冷却してオキシフッ化リンを分離した後、無水HFに溶解したフッ化リチウムと反応させる。この方法では、大過剰の塩化水素とPFとの混合ガス中から少量のオキシフッ化リンを分離することになる。しかし、完全にオキシフッ化リンを分離することはできず、分離操作は極めて困難である。また、例えば、オキシフッ化リンとしてのPOFは沸点と凝固点が近接しているため、捕集装置の閉塞が懸念される等の問題がある。このため、当該製造方法を工業的な実施に適用するのは、不十分である。
以上に述べた六フッ化リン酸塩の製造方法は、作業性の悪さ、過酷な条件での反応、あるいは高価な原料の使用、副生物の処理等、種々の問題を抱えている。このため、製造コストが高くなっている。
特開平06−056413号公報 特開平5−279003号公報 特表2005−507849号公報 Fluorine Chemistry Vol.1(1950)
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、製造コストを抑制しつつ、安価で高品位の六フッ化リン酸塩を簡便に製造可能な六フッ化リン酸塩の製造方法、六フッ化リン酸塩を含む電解液、及びその電解液を備える蓄電素子を提供することにある。
本願発明者等は、前記従来の問題点を解決すべく、六フッ化リン酸塩の製造方法、六フッ化リン酸塩を含む電解液、及びその電解液を備える蓄電素子について検討した。その結果、下記構成を採用することにより前記目的を達成できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係る六フッ化リン酸塩の製造方法は、前記の課題を解決する為に、少なくともリン化合物と、MF・r(HF)(但し、0≦r≦6、1≦s≦3、MはLi、Na、K、Rb、Cs、NH、Ag、Mg、Ca、Ba、Zn、Cu、Pb、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも何れか1種である。)で表されるフッ化物とを反応させることにより、化学式M(PFで表される六フッ化リン酸塩を生成させることを特徴とする。
前記の方法に於いては、前記リン化合物を溶媒に溶解させてリン化合物溶液を作製した後、前記リン化合物溶液に前記フッ化物を添加することが好ましい。フッ化物は概して、比誘電率の低い溶媒や有機溶媒等に対し難溶性を示すからである。予めリン化合物を溶媒に溶解した上でフッ化物を添加することにより、溶媒中での反応を容易にすることができる。
更に、前記リン化合物溶液に対するフッ化物の添加量は、リン化合物中のリン原子の量に対し化学量論的に等価又はそれより小さいことが好ましい。これにより、フッ化物の全てをリン原子と反応させることができる。その結果、未反応のフッ化物が残存せず、非スラリー状態の六フッ化リン酸塩溶液を製造することが可能になる。
更に、前記溶媒中で前記リン化合物とフッ化物とを反応させることにより生成した、非スラリー状態の六フッ化リン酸塩の溶液を、前記リン化合物溶液を作製するための溶媒として使用することが好ましい。当該六フッ化リン酸塩の溶液は、リン化合物と、当該リン化合物中のリン原子の量に対し化学量論的に等価又はそれより小さいフッ化物とを反応させたことにより生成されたものであるので、非スラリー状態である。この為、当該六フッ化リン酸塩の溶液を、初期の溶媒に代えて、前記リン化合物溶液を作製するための溶媒として循環使用することができる。その結果、連続運転が可能になり、六フッ化リン酸塩の生産性を向上させることができる。
前記の方法に於いて、前記リン化合物は前記溶媒中でPF イオンを形成していることが好ましい。
前記の方法に於いては、前記溶媒としてフッ化水素溶液を用いることが好ましい。
また、前記溶媒として有機溶媒を用いることもできる。
ここで、前記有機溶媒は、非水性有機溶媒又は非水性イオン液体の少なくとも何れか一方であることが好ましい。これにより、無水HF溶媒と同様に加水分解を防止することができる。尚、加水分解が起こると、オキシフッ化リン酸やHF及びリン酸等の酸性物質、又は前記溶媒に対し、オキシフッ化リン酸塩、リン酸塩等の不溶解成分が生成する。これらの酸性物質、不溶解成分を含む電解液を蓄電素子に使用した場合、蓄電素子の腐食や電気特性の劣化等の悪影響を与える。このため、溶媒としては、水分濃度の低いものを使用するのが好ましい。この様な観点から、前記溶媒の水分濃度としては100重量ppm以下が好ましく、10重量ppm以下がより好ましく、1重量ppm以下が特に好ましい。
本発明に係る電解液は、前記の課題を解決する為に、前記に記載の六フッ化リン酸塩の製造方法により得られた六フッ化リン酸塩を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る蓄電素子は、前記の課題を解決する為に、前記に記載の電解液を備えることを特徴とする。本発明の蓄電素子としては、リチウムイオン二次電池等が挙げられる。
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
即ち、本発明によると、複雑な処理操作や特別な装置を必要とせず、低品位の原料を用いて安価で高品位な六フッ化リン酸塩を容易に製造することができる。更に、本発明により得られる高品位の六フッ化リン酸塩を電解液に適用することで、安全性が高く、電気特性にも優れた蓄電素子が得られる。
本発明の実施の一形態について、以下に説明する。本実施の形態に係る六フッ化リン酸塩の製造方法は、少なくともリン化合物と、MF・r(HF)(但し、0≦r≦6、1≦s≦3、MはLi、Na、K、Rb、Cs、NH、Ag、Mg、Ca、Ba、Zn、Cu、Pb、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも何れか1種である。)で表されるフッ化物とを反応させることにより行う。
リン化合物及びフッ化物を含み構成される原料は、液体、気体、固体の何れの状態でもよい。また、水や無水フッ化水素溶媒、有機溶媒に溶解させて溶液としてもよい。
前記リン化合物としては特に限定されず、例えば、白リン、赤リン、黒リン、三塩化リン(PCl)、三臭化リン(PBr)、ホスフィン(PH)、亜リン酸、五酸化リン(P)、オルトリン酸(HPO)、ポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、イソ次リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフェン酸、ジホフホン酸、シアノリン酸、シアノホスホン酸、ジエチルジチオホスフィン酸、クロロフェニルホスホン酸、リン酸トリメチル、フェニルセレノホスフィン酸=o−メチル、ピロホスホン酸、オキシ塩化リン(POCl)、オキシ臭化リン(POBr)、オキシよう化リン(POI)又はオキシフッ化リン(POF)等のオキシハロゲン化リン、五硫化リン(P)、チオフッ化リン(PSF)、トリクロロホスフィンスルフィド(PSCl)、ホスホニトリルフロイド(PNF)、ホスホニトリルクロリド(PNCl)、五塩化リン、五臭化リン、五沃化リン、HPF、LiPF、NaPF、KPF、RbPF、CsPF、NHPF、AgPF、Mg(PF、Ca(PF、Ba(PF、Zn(PF、Cu(PF、Pb(PF、Al(PF、Fe(PF 等が例示できる。これらのリン化合物は一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
前記フッ化物は、MF・r(HF)(但し、0≦r≦6、1≦s≦3、MはLi、Na、K、Rb、Cs、NH、Ag、Mg、Ca、Ba、Zn、Cu、Pb、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも何れか1種である。)で表される。前記MF・r(HF)の製造方法も特に限定されず、M=Li、Na、K、Rb、Cs、NH、Ag、Mg、Ca、Ba、Zn、Cu、Pb、Al、及びFeからなる群より選択される少なくとも何れか1種を含む酸化物・水酸化物・炭酸塩・塩化物等とHFを過剰に反応させ、フッ化物MF・r(HF)としたものを使用することができる(0≦r≦6)。加えて、下記化学反応式の反応により副生したMF・r(HF)を再利用しても構わない。
Figure 0005351463
前記M、又はMを含んだ酸化物・水酸化物・炭酸塩・塩化物等と、HFを過剰に反応させて前記フッ化物を製造する際、50重量%以上の高濃度HF水溶液を使用することが好ましく、無水HFを用いることがより好ましい。高濃度HF水溶液を使用することで、水和物の生成が防止できる。また、無水HFを用いた場合、水和物の生成が防止でき、水分による汚染がなくなる。これにより六フッ化リン酸塩製造時にオキシフッ化物等の不純物の生成を防止できる。
また、フッ化物として、LiF、LiF・(HF)、NaF、NaF・(HF)、KF・(HF)、RbF・(HF)、又はCsF等は吸湿性が無く、流動性に優れた結晶である。混合のために製造設備へ投入する場合等に於いては、その作業性が飛躍的に向上し、機械化も容易に図れるというメリットを有する。このことは、当然ながら、六フッ化リン酸塩の生産性を向上させることになる。
しかし、フッ化物を予めフッ化水素溶液に混合する場合、若干発熱する。このため、フッ化水素溶液を5〜15℃の範囲内に冷却した上で、攪拌しながらフッ化物をゆっくり添加することが好ましい。これにより、フッ化物の溶液が得られる。
また、前記原料中に含まれるリン原子の含有量としては特に限定されないが、0.01重量%以上25重量%以下が好ましく、0.01重量%以上15重量%以下がより好ましく、0.1重量%以上10重量%以下が特に好ましい。リン原子の含有量が0.01重量%未満であると、五フッ化リンの収率が低下する場合がある。その一方、リン原子の含有量が25重量%を超えると、原料が溶液である場合、その粘度が高くなる。その結果、液輸送を行う際に、不都合を生じる場合がある。また、ガスが発生して不都合を生じる場合がある。
原料中のリン原子の数に対するフッ素原子数の割合は、PF イオンを形成するとしたときの化学量論以上存在することが好ましい。
六フッ化リン酸塩の合成は、例えば、前記リン化合物を溶媒に溶解させてリン化合物溶液を作製した後、リン化合物溶液に前記フッ化物を添加することにより行うのが好ましい。この場合、リン化合物を溶媒に添加する方法としては特に限定されず、連続式でもバッチ式でも実施できる。また、リン化合物を混合槽に入れた後に溶媒を投入してもよく、溶媒を先に混合槽に入れた後にリン化合物を投入してもよい。更に、フッ化物(MF・r(HF))溶液とリン化合物とを反応させることにより行うこともできる。この場合、反応時にほとんど発熱しない。その結果、例えば冷却等を行う必要がないので、混合方法は特に限定されない。
前記リン化合物溶液に対するフッ化物の添加量は、リン化合物中のリン原子の量に対し化学量論的に等価又はそれより小さいことが好ましい。これにより、フッ化物の全てをリン原子と反応させることができる。その結果、未反応のフッ化物が残存せず、非スラリー状態の六フッ化リン酸塩溶液を製造することが可能になる。更に、非スラリー状態の六フッ化リン酸塩溶液であると、前記リン化合物溶液を作製するための溶媒として使用することが可能になる。その結果、連続運転が可能になり、六フッ化リン酸塩の生産性を向上させることができる。
また、六フッ化リン酸塩の合成は、リン化合物とフッ化物との反応の進行に伴い、HFが副生する場合がある。この場合、反応容器内を5〜15℃に冷却することで、副生したHFを溶媒として利用することができる。その為、必ずしも溶媒の添加を必要とせず、リン化合物とフッ化物を反応容器に入れ攪拌を行うのみで、六フッ化リン酸塩を合成することができる。この場合、結果として反応容器内に六フッ化リン酸塩の無水HF溶液が生成するため、更にリン化合物とフッ化物を添加してもよい。これにより、無水系でのM(PFの合成を容易に行うことができる。また、無水系のため加水分解によるオキシフッ化リン塩等の不純物の発生を防止することができ、低水分濃度の高品位な六フッ化リン酸塩が得られる。
また、リン化合物が酸素原子及び水素原子を含有する場合、フッ化物との反応の進行に伴い、水及びHFが副生する場合がある。この場合も、反応容器内を5〜15℃に冷却することが好ましい。これにより、副生した水及びHFを溶媒として利用することができる。その為、必ずしも溶媒の添加を必要とせず、リン化合物とフッ化物を反応容器に入れ攪拌を行うのみで、六フッ化リン酸塩の合成を容易に行うことができる。この場合、副生する水の量が多くなると、オキシフッ化リン塩等の不純物が副生する。このため、副生する水分濃度は低いことが好ましい。副生する水分を含めた反応容器内の溶液の水分濃度としては、100重量ppm以下が好ましく、10重量ppm以下がより好ましく、1重量ppm以下が特に好ましい。
前記リン化合物を溶解させる溶媒としては特に限定されず、例えばフッ化水素溶液や有機溶媒を使用することができる。
前記溶媒としてフッ化水素溶液を用いる場合、無水フッ化水素のまま使用してもよく、水、有機溶媒、又は水と有機溶媒の混合溶媒に溶解させて使用してもよい。また、フッ化水素としては特に限定されず、例えば市販の工業用グレード、一般グレード、半導体グレード等のフッ酸をそのままで、又は適宜濃度調整をして使用できる。これらの内、不純物量が少ないという観点からは半導体グレードの使用が好ましく、コストの観点からは無水フッ化水素、工業用グレード、一般グレードが好ましい。不純物濃度としては、各金属不純物が500重量ppm以下であることが好ましい。
前記溶媒としてフッ化水素溶液を用いる場合、溶液中に存在するリン原子とフッ素原子を含む多原子イオンの濃度は、0.03重量%〜50重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%の範囲内に於いて液体状態で使用するのがよい。また、リン化合物は溶液中に完全に溶解している必要はなく、懸濁状態であってもよい。
リン化合物をフッ化水素溶液に混合する際の温度としては特に限定されないが、−50〜200℃の範囲内であることが好ましい。温度が−50℃未満であると、リン化合物とフッ化物を含む組成物が凝固する場合がある。その一方、温度が200℃を超えると、耐熱性等の面で特殊な装置が要求されるので好ましくない場合がある。
前記有機溶媒は、非水性の有機溶媒又は非水性のイオン液体の少なくとも何れか一方であることが好ましい。更には、非プロトン性が好ましい。非プロトン性であると水素イオンを供与する能力がないため、本発明の製造方法により得られた六フッ化リン酸塩の溶液をそのままリチウムイオン二次電池等の蓄電素子の電解液に適用することができる。
前記非水性の有機溶媒としては特に限定されず、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチルラクトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、メタノール、イソプロパノール等が挙げられる。これらの有機溶媒のうち、連続生産の観点からは生成した六フッ化リン酸塩が析出しにくい、つまり六フッ化リン酸塩の溶解性が高いエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタンが好ましい。また、これらの有機溶媒は一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。
更に、非水性であり、かつ、非プロトン性の有機溶媒としては、例えば環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、カルボン酸エステル、ニトリル、アミド若しくはエーテル化合物等が挙げられる。これらの非水性非プロトン性有機溶媒は一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。
また、前記非水性の前記イオン液体としては特に限定されず、例えば第4級アンモニウム又は第4級ホスホニウム等のフッ化物錯塩若しくはフッ化物塩、中でも第4級アンモニウムカチオンとしては、テトラアルキルアンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、トリアゾリウムカチオン、ピリダジニウムカチオン、チアゾリウムカチオン、オキサゾリウムカチオン、ピリミジニウムカチオン、ピラジニウムカチオン等が挙げられる。更に、前記第4級ホスホニウムカチオンとしては、テトラアルキルホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの非水性イオン液体は一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよいし前記非水性有機溶媒に溶解して用いてもよい。
前記有機溶媒は、非水性の有機溶媒、非水性のイオン液体を一種、又は二種以上を混合して使用してもよい。
リン化合物とフッ化物の反応温度は特に限定されないが、−40℃〜100℃の範囲内であることが好ましく、六フッ化リン酸塩の生産性を考慮した場合、−20℃〜+50℃の範囲内であることがより好ましい。反応温度が100℃を超えると、HFの飛散も起こる場合がある。その一方、反応温度が−40℃未満であると、反応速度が遅くなる場合がある。
更に、合成されたM(PFは晶析法により結晶として取り出すことが好ましい。その際、晶析温度は特に限定されるものではない。例えば、晶析温度が低温であるほど収率が向上するが、付帯設備又は生産性の面で製造コストの上昇を招来する。そのため、好ましくは−40℃以上+100℃以下、より好ましくは−30℃以上+50℃以下、その中でも特に好ましくは−20℃以上+20℃以下である。
前記に於ける反応時間、又は晶析時間は特に限定されず、例えば0.5時間以上72時間未満、好ましくは1時間以上48時間以下、より好ましくは1.5時間以上8時間以下、その中でも特に好ましくは2時間以上6時間以下である。反応時間又は晶析時間が0.5時間未満であると、六フッ化リン酸塩の収率が低下する場合がある。その一方、反応時間又は晶析時間が72時間以上であると、六フッ化リン酸塩の生成性が低下する場合がある。
晶析したM(PFは固液分離される。固液分離の方法としては特に限定されず、例えば、濾過が挙げられる。また、濾過方法としては、自然濾過、加圧濾過、遠心濾過等の従来公知の種々の濾過方法を採用することができる。
固液分離後の濾過物に対しては洗浄を行うのが好ましい。この洗浄操作により、M(PFの純度を高めることができる。洗浄操作としては、M(PFを再度洗浄剤に分散させて行う方法、分離装置内に直接洗浄剤を導入し、M(PFと接触させて行う方法等公知の方法を単独で、又は組み合わせて行うことができる。
また、固液分離後の濾液には、余剰のM(PF塩溶液、又は酸が多量に含まれている場合がある。この場合、濾液に対し蒸留等を行い、MPF塩溶液、又は酸を回収すれば、廃水処理の負荷削減によるコスト低減と有価物の回収が可能になり、二重の効果をあげることができる。
ここで、前記洗浄剤としては特に限定されず、無水HF,高濃度HF,希HF,純水等の何れを用いてもよい。更に、酸を中和する目的で、同一カチオンのアルカリ塩(例えばKPF合成の場合、KCOあるいはKHCO等を使用)で洗浄を行ってもよい。この様にアルカリ中和を行うことで後工程での酸による腐食・製品への金属不純物汚染等の影響を抑えることが出来る。
固液分離の際の晶析したM(PF結晶自身の温度は特に限定されないが、通常は−40℃以上+30℃以下であることが好ましく、−20℃以上+20℃以下であることがより好ましく、−5℃以上+20℃以下であることが特に好ましい。
また、固液分離後の濾過物に対する洗浄の際の洗浄剤の液温は特に限定されないが、通常は−40℃以上+100℃以下であることが好ましく、−20℃以上+50℃以下であることがより好ましく、−5℃以上+20℃以下であることが特に好ましい。
固液分離により得られたM(PFは、乾燥するのが好ましい。乾燥方法としては特に限定されず、例えば、風乾、温熱乾燥、真空乾燥等が挙げられる。乾燥時間も特に限定されず、一般には0.5〜72時間であることが好ましい。また、乾燥温度は120℃未満で行うのが好ましい。120℃以上の温度で行うと、乾燥設備が高価になり、大きな熱量が必要となり製造コスト高となる。また、高温になるほど微量の水分によってM(PFが分解する可能性がある。そのため、乾燥温度は85〜110℃で行うことが特に好ましい。
前記の方法によって、簡易的に水分含量50重量ppm以下のM(PFを製造することができる。また、この方法は安価な原料が使用することができ、更に製造方法も簡易なため、製造コストの低減が図れる。
更に、前記方法により得られた六フッ化リン酸塩は、更に下記化学式Bに従って塩交換を行ってもよい。
Figure 0005351463
ここで、化学式Bに於いて、M(PFに対するJF・k(HF)の割合として、1〜2当量が好ましく、1.0〜1.1当量がより好ましい。前記割合が1当量未満であると、未置換のM(PFが残存し混在するという不都合を生じる。その一方、2当量を超えると、未反応のJF・k(HF)が、製品であるJ(PFに混入する場合がある。
また、塩交換の際に使用する溶媒としては特に限定されず、例えば、無水HF、濃度が50重量%以上の高濃度HF、希HF、純水、有機溶媒等が挙げられる。これらの溶媒のうち、オキシフッ化物等の生成を防止する観点から、無水HF、高濃度HFを使用するのが好ましい。
更に、溶媒の使用量も特に限定されず、例えば、六フッ化リン酸塩の重量に対し0.5〜10倍が好ましく、1〜5倍がより好ましい。前記使用量が10倍を超えると、六フッ化リン酸塩の溶解量が増加し、収率が低下する場合がある。その一方、使用量が0.5倍未満であると、未反応のJF・k(HF)又は副生するMF・r(HF)が、J(PFに混入する場合がある。
前記塩交換に於ける原料の添加方法は特に限定されず、例えば、M(PF又はJF・k(HF)を溶媒に溶解させた溶液を一度に、又は同時滴下により添加してもよく、あるいは一方を他方に加える方法でもよい。また、反応容器に溶媒を満たし、その溶媒にM(PF、又はJF・k(HF)をゆっくり添加してもよい。更に、M(PF、又はJF・k(HF)に対し、溶媒をゆっくり添加してもよい。しかし、原料等の未反応物が、生成したJ(PF中に取り込まれないための方法として、一旦原料を溶解させた後に反応を行うことが好ましい。
塩交換に於ける反応温度、及び反応時間は、前述の六フッ化リン酸塩の合成の場合と同様の条件で行うことができる。また、晶析方法、固液分離、洗浄、乾燥についても、前述の場合と同様の条件により行うことができる。
これにより、塩交換による方法であっても、水分含量50重量ppm以下のM(PFを容易に製造することができる。また、この方法は安価な原料が使用することができ、更に製造方法も簡易なため、製造コストの低減が図れる。
本発明に使用する反応装置は、前記組成物に対し耐性を有する材質からなるものであれば特に限定されず、ステンレスあるいは炭素鋼が好適に用いられる。但し、無水HFあるいは前記組成物からなる組成物の漏洩や空気中に露出した場合等は、これにより腐食される恐れがある。反応装置が腐食されると、得られる製品も腐食された物質により汚染され、汚染物質は製品の金属成分含有量を増加させる要因となる。この為、反応装置としては前記組成物に耐性を有する、フッ素樹脂、塩化ビニル、又はポリエチレン製のもの、又はこれらでライニングされたものを使用するのが好ましい。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例及び比較例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。
(実施例1)
5Lフッ素樹脂製反応槽に超純水を1000g充填し、反応槽をオイルバスで加温してこの超純水を40℃に保った。この超純水を回転子にて攪拌をしながら市販の酸性フッ化アンモニウム(NHF・(HF))800gを少量ずつ添加し溶解させた。
次に、反応槽内の溶液の温度を40℃に保ちながら、POFガスを反応液中にバブリングすることで740g吸収させた。吸収量は反応液の重量増加から求めた。POFガスを吸収させた後、2時間攪拌を続けながら反応液の温度を20℃とし、その後液温を一定に保った。
次に、再びオイルバスにて反応槽を加温して、反応槽内の溶液を蒸発乾固した。反応槽内に残った結晶を回収し、75%のHF水溶液750gで洗浄後、吸引濾過により濾別した。洗浄の際の75%HF水溶液の液温は0℃、吸引濾過の際の液温は5℃とした。
続いて、高純度Nガスを3L/minで反応槽内に導入し、乾燥機により110℃、8時間の条件下で乾燥を行った。これにより、白色結晶が得られた。この白色結晶をX線回折装置(XRD)にて分析したところ、NHPFであることが確認できた。
(実施例2)
酸性フッ化カリウム(KF・(HF))100gと、半導体グレードの75重量%フッ化水素(HF)溶液500gを回転子と共に3Lフッ素樹脂(PFA)製反応槽に入れ、氷浴下で攪拌しながらKF(HF)を溶解させた。更に、分液ロートに85重量%リン酸(HPO)溶液140gを測りとり、氷浴下で30分かけてゆっくり滴下させ、撹拌しながら6時間反応させた。
次に、この溶液を−5℃で24時間冷却させ晶析を行った。これにより、沈殿物が沈殿したフッ化水素溶液が得られた。このフッ化水素溶液を吸引濾過により濾別した。このときのフッ化水素溶液の液温は−5℃であった。また、濾液のHF濃度を定量したところ、46重量%であった。
回収した結晶は、半導体グレードの75重量%フッ化水素(HF)溶液600gで洗浄した。このときのフッ化水素溶液の液温は0℃でった。
続いて、洗浄後の濾物を3Lフッ素樹脂(PFA)製ボトルに移し、高純度窒素ガスを3L/minでブローしながら、80℃で6時間の風乾を行った。その後、乾燥温度を105℃に上昇し、12時間の乾燥を行った。
得られた結晶をXRDにて測定したところ、KPFであることが確認できた。得られたKPFの収量は137gであり、その収率は61%であった。また、得られたKPFの水分含量をカールフィッシャー法により測定したところ、50重量ppm以下であった。更に、中和滴定により遊離フッ酸濃度を測定した結果、遊離フッ酸濃度は50重量ppm以下であった。
尚、結晶として取り出すことができたKPFは収率61%であったが、75重量%フッ化水素(HF)溶液で洗浄した際の洗浄濾液中には86gのKPFが溶解していた。このため、ほぼ定量的に反応が進行していることが分かった。
(実施例3)
フッ化セシウム(CsF)210gと、半導体グレードの75重量%フッ化水素(HF)溶液700gを回転子と共に3L−PFA製反応槽に入れ、氷浴下で攪拌しながらCsFを溶解させた。更に、分液ロートに85重量%リン酸(HPO)溶液175gを測りとり、氷浴下で30分かけてゆっくり滴下させ、撹拌しながら12時間反応させた。
次に、この溶液を−5℃で36時間冷却させ晶析を行った。これにより、沈殿物が沈殿した溶液が得られた。更に、この溶液を吸引濾過により濾別した。このときのリン酸溶液の液温は−5℃であった。また、濾液のHF濃度を定量したところ、55重量%であった。
回収した結晶は、0℃に冷却した無水フッ酸400gにより洗浄した。続いて、洗浄後の濾物を3Lフッ素樹脂製ボトルに移し、高純度Nガスを3L/minでブローしながら、80℃で5時間の風乾を行った。その後、乾燥温度を105℃に上昇し、12時間の乾燥を行った。
得られた結晶をXRDにて測定を行ったところ、CsPFであることが確認できた。得られたCsPFの収量は352gであり、その収率は92%であった。また、得られたCsPFの水分含量をカールフィッシャー法により測定したところ、50重量ppm以下であった。更に、中和滴定により遊離フッ酸濃度を測定した結果、遊離フッ酸濃度は50重量ppm以下であった。
(実施例4)
工業用グレードの無水フッ化水素溶液500gと回転子を3Lフッ素樹脂製反応槽に入れ、氷浴下で攪拌しながらフッ化ナトリウム(NaF)60gをゆっくり添加し溶解させた。更に、この溶液にオキシフッ化リン(POF)120gを吸収させた。
次に、この溶液を−20℃で48時間冷却させ晶析を行った。これにより、沈殿物が沈殿した溶液が得られた。この溶液を吸引濾過により濾別した。このときの濾液のHF濃度を定量したところ、94重量%であった。
回収した結晶は、3Lフッ素樹脂製ボトルに移し、予め5℃に冷却しておいた無水フッ化水素溶液100gを加えて結晶を分散させた。このとき、反応槽は氷浴しながら30分間の攪拌を行った。その後、静置し、上澄み液を抜き取ってから、高純度Nガスを3L/minでブローしながら、80℃で6時間の風乾を行った。その後、乾燥温度を105℃に上昇し、6時間の乾燥を行った。
得られた結晶をXRDにて測定したところ、NaPFであることが確認できた。得られたNaPFの収量は148gであり、その収率は76%であった(但し、洗浄液である無水フッ化水素溶液中に溶解していたNaPFの収量は含めない)。また、得られたNaPFの水分含量をカールフィッシャー法により測定を行ったところ、50重量ppm以下であった。中和滴定により遊離フッ酸濃度を測定した結果、遊離フッ酸濃度は50重量ppm以下であった。
(実施例5)
半導体グレードの75重量%フッ化水素溶液2000gと回転子を、5Lフッ素樹脂製反応槽に入れ、氷浴下で攪拌しながら保持した。更に、分液ロートに85重量%リン酸溶液420gを測りとり、氷浴下で15分かけてゆっくり滴下させ、攪拌しながら3時間反応させた。
次に、この溶液を−40℃で48時間冷却させ晶析を行った。これにより、沈殿物が沈殿した溶液が得られた。更に、この溶液を吸引濾過により濾別した。濾別された乾燥前の結晶重量を測定したところ、1080gであった。HPF(結晶水無)の場合、収量が100%であるときの結晶重量は532gとなるので、実際の測定した重量が含水・含HF量を加算しても大きいことが確認された。これにより、前記濾別された乾燥前の結晶が、結晶水をもったHPF・qHOの形態となっているものと推測された。
また、濾液のHF濃度を定量したところ、71重量%であった。水が結晶水として結晶側へ移行しない場合のHF濃度は理論値が56重量%である。このため、前記結晶が結晶水を含んだ形態であり、かつ、q≧2であると考えられる。
次に、NaF330gを2Lフッ素樹脂製反応槽に入れ、更に無水HF1050gを氷浴で冷却しながら加えて、NaF/HF溶液を調製した。一方、前記で得られたHPF・qHOを3Lフッ素樹脂製反応槽に全量入れ、氷浴下で攪拌しながら、20分かけて、調整した前記NaF/HF溶液を添加した。反応後、−10℃に冷却し、48時間晶析を行った。
次に、3L−PFA反応槽の上澄み液をゆっくり抜き取り、固液分離を行った。分離後、高純度Nガスを3L/minでブローしながら、80℃で6時間の風乾を行った。その後、乾燥温度を105℃に上昇し、3時間の乾燥を行った。
得られた結晶をXRDにて測定したところ、NaPFであることが確認できた。得られたNaPFの収量は205gであり、その収率は33%であった。また、得られたNaPFの水分含量をカールフィッシャー法により測定を行ったところ、420重量ppm以下であった。
(実施例6)
HFの再利用を行うため、実施例5で回収した71重量%のHF濾液700gを3Lフッ素樹脂製反応槽に入れ、更に無水HF140gを加えて、濃度75重量%のフッ化水素溶液840gを調製した。
次に、別途ポリエチレン容器に濃度85重量%のリン酸溶液120gを測りとり、氷浴下で攪拌しながら、前記フッ化水素溶液中へ一度に添加した。更に、添加後、氷浴下で30分間の攪拌を行った。
次に、この溶液を−20℃で24時間冷却させ晶析を行った。これにより、沈殿物が沈殿した溶液が得られた。この溶液を吸引濾過により濾別した。濾別された乾燥前の結晶重量を測定したところ、250gであった。また、濾液のHF濃度を定量したところ、72重量%であった。乾燥前の結晶は、回転子の入った1Lフッ素樹脂製反応槽に全量移し替えた。
一方、KPF+HF→PF+KF・(HF)の反応を行った後のHF溶液を完全に濃縮・乾固させ、白色粉末125gを回収した。この粉末のXRD分析を行ったところ、KPFとKF・(HF)の混合物であり、90重量%がKF・(HF)であった。得られたKPF/KF・(HF)混合物を前記1Lフッ素樹脂製反応槽にゆっくり添加し、20℃で48時間反応を行った。反応初期は固体同士の反応であったため攪拌が困難であったが、反応30分後には徐々に結晶中からHO/HFが生じて液体状となり、容易に攪拌できた。
前記反応により得られた沈殿物を吸引濾過により濾別した。回収した結晶は5℃の純水400gで洗浄した。更に、105℃で24時間乾燥を行った。
得られた結晶をXRDにて測定したところ、KPFであることが確認できた。得られたKPFの収量は105gであり、その収率は55%であった(洗浄液である純水中に溶解していたKPFの収量は含めない)。また、得られたKPFの水分含量をカールフィッシャー法により測定を行ったところ、400重量ppmであった。
(実施例7)
本実施例においては、図1に示す装置を用いて行なった。即ち、市販電池グレードのジエチルカーボネート250g(水分濃度9重量ppm)とエチレンカーボネート250g(水分濃度7重量ppm)をフッ素樹脂製の第2槽6に入れ、ポンプ7で第2吸収塔5の塔頂部に供給し、循環させた。第2槽6は冷却器8を用いて20℃の恒温にした。次に、第2吸収塔5の塔底部にPFを流量0.5L/minで25.5分間供給し、64.3gを導入した(第1工程)。
次に、第2槽6にフッ化物としてのフッ化リチウム13.0gを徐々に供給した。フッ化リチウムは速やかにPFを含有した有機溶媒に溶解し、有機溶媒中でPFと反応した。これにより、577.3gの六フッ化リン酸リチウムの溶液を得た(第2工程)。
更に、ジエチルカーボネート250g及びエチレンカーボネート250gを第2槽6に加え、前記と同様の操作を行った(第3工程)。得られた六フッ化リン酸リチウムの溶液のうち275gを第3槽10に抜き取り、20℃の恒温にし、エアーポンプ12で減圧することにより過剰に溶解したPFを留去した。この様にして得られた六フッ化リン酸リチウムのジエチルカーボネート/エチルカーボネート溶液は、不溶解成分が10重量ppm以下、遊離酸10重量ppm以下、水分10重量ppm以下であった。
次に、この様にして得られた溶液を用いて図2に示すようなコイン型非水電解液リチウム二次電池を製作し、充放電試験により電解液としての性能を評価した。具体的には以下に示す手順で行った。
<負極22の作成>
天然黒鉛と結着剤のポリフッ化ビニリデン(PVdF)を9:1の重量比で混合し、これにN−メチルピロリドンを加え、ペーストを得た。このペーストを厚さ22μmの銅箔上に電極塗工用アプリケーターを用いて均一に塗工した。これを120℃で8時間、真空乾燥し、電極打ち抜き機で直径16mmの負極22を得た。
<正極21の作成>
LiCoO粉末と導電助剤のアセチレンブラックと結着剤のPVdFを90:5:5の重量比で混合し、この混合物にN−メチルピロリドンを加え、ペーストを得た。このペーストを厚さ22μmの銅箔上に電極塗工用アプリケーターを用いて均一に塗工した。これを120℃で8時間、真空乾燥し、電極打ち抜き機で直径16mmの正極21を得た。
<コイン型非水電解液リチウム二次電池の作成>
正極21を正極缶24の底面に載せ、その上にポリプロピレン製多孔質セパレーター23を載置した後、実施例2で調製した非水性電解液を注入し、ガスケット26を挿入した。その後、セパレーター23の上に負極22、スペーサー27、スプリング28及び負極缶25を順々に載置し、コイン型電池かしめ機を使用して、正極缶24の開口部を内方へ折り曲げることにより封口し、非水電解液リチウム二次電池を作成した。続いて、充電を0.4mAの一定電流で行い、電圧が4.1Vに到達した時点で4.1V、1時間定電圧充電した。放電は1.0mAの定電流で行い、電圧が3.0Vになるまで放電した。電圧が3.0Vに到達したら3.0V、1時間保持し充放電サイクルにより充放電試験を実施した。その結果、充放電効率はほぼ100%で、充放電を150サイクル繰り返した所、充電容量は変化しなかった。
(比較例1)
本比較例は図1に示す装置を用いて行なった。即ち、市販電池グレードのジエチルカーボネート(水分濃度9重量ppm)をフッ素樹脂製の第1槽2及び第2槽6にそれぞれ3L仕込んだ後、ポンプ3及び7を用いて各吸収塔及び槽での循環運転を開始した。このとき、ポンプ3及びポンプ7の流量はともに1L/minとした。また、第1槽2及び第2槽6はそれぞれ冷却器4及び8を用いて20℃の恒温にした。
次に、第2吸収塔5の塔底部に五フッ化リンガスを6.34g/minで供給を開始した。2分間有機溶媒に五フッ化リンガスを吸収させた後、フッ化リチウムを1.55g/minで第2槽6へ供給し始めた。フッ化リチウムの供給開始からを60分後、第2吸収塔5がスラリー状のフッ化リチウムにより閉塞し、運転が困難になった。
(結果)
実施例1〜7から明らかな通り、リン化合物とフッ化物を反応させることにより、安価で高品位の六フッ化リン酸塩(M(PFs)を、製造コストを抑制しつつ製造することが確認された。また、各実施例で使用したフッ化物は、Li、Na、K、Rb、Cs、NH、Ag、Mg、Ca、Ba、Zn、Cu、Pb、Al若しくはFe、又はこれらを含んだ酸化物・水酸化物・炭酸塩・塩化物等とHFとを過剰に反応させることにより容易に合成することができるものである。このため、いずれのフッ化物も入手が容易であり、従来の六フッ化リン酸塩の製造方法と比較して、製造コストの低減が可能になるなど優れた方法である。
本発明によると、複雑な処理操作や特別な装置を必要とせず、低品位の原料を用いて安価で低水分濃度・高純度の高品位な六フッ化リン酸塩を製造することができる。また、本発明により得られる高品位の六フッ化リン酸塩は、蓄電素子用の電解液や有機合成反応の触媒等に好適に利用することができる。特に、六フッ化リン酸塩のうち、六フッ化リン酸リチウム、六フッ化リン酸ナトリウム、六フッ化リン酸カリウム等はパソコン関連用、携帯電話用、ハイブリッド自動車用等の蓄電素子の電解質として使用することができる。また、六フッ化リン酸銀は、光重合の開始・増殖反応に必要な酸を発生させるカウンターイオンとして利用される。更に、六フッ化リン酸アンモニウムは、医薬中間体の製造に用いられる原料として有用である。
本発明の実施例において使用した六フッ化リン酸塩の製造装置を概略的に示す説明図である。 本発明のリチウムイオン二次電池の断面図を概略的に示す説明図である。
符号の説明
1 第1吸収塔
2 第1槽
3 ポンプ
4 冷却器
5 第2吸収塔
6 第2槽
7 ポンプ
8 冷却器
9 脱気塔
10 第3槽
12 エアーポンプ
13 凝縮器
21 正極
22 負極
23 多孔質セパレーター
24 正極缶
25 負極缶
26 ガスケット
27 スペーサー
28 スプリング

Claims (6)

  1. 少なくともリンまたはリン化合物と、MFs・r(HF)(但し、0≦r≦6、1≦s≦3、MはLi、Na、K、Rb、Cs、NH4、Ag、Mg、Ca、Ba、Zn、Cu、Pb、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも何れか1種である。)で表されるフッ化物とを反応させることにより、化学式M(PF6sで表される六フッ化リン酸塩を生成させ、
    前記リンまたは前記リン化合物を溶媒に溶解させてリン溶液またはリン化合物溶液を作製した後、前記リン溶液または前記リン化合物溶液に前記フッ化物を添加し、
    前記リン溶液または前記リン化合物溶液に対するフッ化物の添加量は、リンまたはリン化合物中のリン原子の量に対し化学量論的に等価又はそれより小さく、
    前記溶媒中で前記リンまたは前記リン化合物とフッ化物とを反応させることにより生成した、非スラリー状態の六フッ化リン酸塩の溶液の一部を抜き取り、前記六フッ化リン酸塩の溶液の残りを、前記リン溶液または前記リン化合物溶液を作製するための溶媒として使用し、
    前記リンまたは前記リン化合物は、白リン、赤リン、黒リン、三塩化リン(PCl3)、三臭化リン(PBr3)、ホスフィン(PH3)、亜リン酸、五酸化リン(P25)、オルトリン酸(H3PO4)、ポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、イソ次リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフェン酸、ジホホン酸、シアノリン酸、シアノホスホン酸、ジエチルジチオホスフィン酸、クロロフェニルホスホン酸、リン酸トリメチル、フェニルセレノホスフィン酸=o−メチル、ピロホスホン酸、オキシハロゲン化リン、五硫化リン(P25)、チオフッ化リン(PSF3)、トリクロロホスフィンスルフィド(PSCl3)、ホスホニトリルフロイド(PNF2)、ホスホニトリルクロリド(PNCl2)、五塩化リン、五臭化リン、五沃化リン、HPF6、LiPF6、NaPF6、KPF6、RbPF6、CsPF6、NH4PF6、AgPF6、Mg(PF62、Ca(PF62、Ba(PF62、Zn(PF62、Cu(PF62、Pb(PF62、Al(PF63およびFe(PF63からなる群から選択された少なくとも1つを含むことを特徴とする六フッ化リン酸塩の製造方法。
  2. 前記リンまたは前記リン化合物は前記溶媒中でPF6 -イオンを形成していることを特徴とする請求項1に記載の六フッ化リン酸塩の製造方法。
  3. 前記溶媒としてフッ化水素溶液を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の六フッ化リン酸塩の製造方法。
  4. 前記溶媒として有機溶媒を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の六フッ化リン酸塩の製造方法。
  5. 前記有機溶媒は、非水性有機溶媒又は非水性イオン液体の少なくとも何れか一方であることを特徴とする請求項4に記載の六フッ化リン酸塩の製造方法。
  6. 前記溶媒として水分濃度が100ppmw以下のものを使用することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の六フッ化リン酸塩の製造方法。
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