JP5347997B2 - 故障診断用情報収集装置 - Google Patents

故障診断用情報収集装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5347997B2
JP5347997B2 JP2010023163A JP2010023163A JP5347997B2 JP 5347997 B2 JP5347997 B2 JP 5347997B2 JP 2010023163 A JP2010023163 A JP 2010023163A JP 2010023163 A JP2010023163 A JP 2010023163A JP 5347997 B2 JP5347997 B2 JP 5347997B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
abnormality
information
determination
unit
abnormality detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010023163A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011163769A (ja
Inventor
思遥 毛
公教 渡辺
昌貞 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010023163A priority Critical patent/JP5347997B2/ja
Priority to DE102011003444.7A priority patent/DE102011003444B4/de
Priority to US13/021,087 priority patent/US8463489B2/en
Publication of JP2011163769A publication Critical patent/JP2011163769A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5347997B2 publication Critical patent/JP5347997B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G07CHECKING-DEVICES
    • G07CTIME OR ATTENDANCE REGISTERS; REGISTERING OR INDICATING THE WORKING OF MACHINES; GENERATING RANDOM NUMBERS; VOTING OR LOTTERY APPARATUS; ARRANGEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS FOR CHECKING NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • G07C5/00Registering or indicating the working of vehicles
    • G07C5/08Registering or indicating performance data other than driving, working, idle, or waiting time, with or without registering driving, working, idle or waiting time
    • G07C5/0841Registering performance data
    • G07C5/085Registering performance data using electronic data carriers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R25/00Fittings or systems for preventing or indicating unauthorised use or theft of vehicles
    • GPHYSICS
    • G07CHECKING-DEVICES
    • G07CTIME OR ATTENDANCE REGISTERS; REGISTERING OR INDICATING THE WORKING OF MACHINES; GENERATING RANDOM NUMBERS; VOTING OR LOTTERY APPARATUS; ARRANGEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS FOR CHECKING NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • G07C2205/00Indexing scheme relating to group G07C5/00
    • G07C2205/02Indexing scheme relating to group G07C5/00 using a vehicle scan tool

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、車両(自動車)における故障診断に関するものである。
車両に搭載される電子制御ユニット(以下、ECUともいう)として、自己故障診断を実行し、故障(異常)を検出した時に、その故障内容を示す異常情報(いわゆるDTC:Diagnostic Trouble Code )と、その時の年月日時刻(時刻情報)とを記憶手段に保存するものがある(例えば、特許文献1参照)。
そして、この種のECUでは、診断対象に異常が発生しているか否かを判定する判定処理を、例えば定期的に行うと共に、その判定処理により異常が発生していると判定された回数が所定の異常確定閾値に達したなら、その時点で始めて診断対象が異常であると確定判定し(つまり、その時点で異常を検出したこととなり)、異常情報を記憶するようになっている。これは、誤検出を防止するためである。
また、ある診断対象の異常がきっかけとなって、他の診断対象の異常が検出される可能性がある。例えば、エンジンの排気中の酸素濃度(あるいは空燃比)を検出する酸素センサを、ヒータで適切な温度に加熱しつつ、その酸素センサの出力信号に基づいてエンジンへの燃料噴射量を制御する、といったECUの場合、ヒータに異常が生じたとすると、酸素センサの出力信号も異常な電圧値となるため、ヒータを診断対象とする異常検出処理によってヒータの異常が検出されるだけでなく、酸素センサを診断対象とする異常検出処理によって酸素センサの異常も検出されることとなる。
ここで、特許文献1の技術によれば、ある診断対象について、異常と確定判定された時に、異常情報と共に時刻情報(異常確定時の時刻情報)が記憶されるため、複数の診断対象について異常が検出された場合には、異常情報と共に記憶された時刻情報により、それら診断対象が異常と確定判定された順序は知ることができる。
しかし、一般に、異常が発生してから異常と確定判定されるまでの時間は、診断対象毎に異なるため、ある診断対象Aの異常が原因で他の診断対象Bの異常が生じた場合に、本当は診断対象Aの異常の方が早く発生しているのに、他の診断対象Bの異常の方が早く異常と確定判定される、といった異常検出順序の逆転が生じる場合がある。
そして、特許文献1の技術では、異常確定時の時刻情報を記憶するだけなので、こうした逆転現象が起きていることを知ることができない。つまり、複数の異常が検出された場合に、その原因(即ち、発端となった異常)を容易に見つけることができないという問題がある。
そこで、特許文献2では、異常確定時の時刻情報以外に、異常が発生していないと判定している状態から異常が発生していると判定した状態に転じた時の時刻情報(異常判定開始時の時刻情報)も記憶することで、複数の異常が検出された場合に、その異常判定開始時の時刻情報を見比べることにより、各異常の発生順序を知ることができるようにして、異常の原因を推定しやすくしている。
特開平7−181112号公報 特開2008−304367号公報
しかし、上記特許文献2の技術でも、未だ下記の問題がある。
ここでは、ある診断対象Aの異常aが原因で他の診断対象Bの異常bが生じた場合を例に挙げて説明する。
まず、2つの異常a,bの関連を分析するためには、その2つの異常a,bについて、異常判定開始時の時刻情報を見比べる必要がある。しかし、それら各異常a,bに関する異常情報や時刻情報には、互いの関連を示す情報は無い。このため、異常a,bのうちの何れか一方の時刻情報を読み出しても、もう一方の異常と関連があることは判らず、原因を推定することができない。尚、異常a,bのうちの何れか一方の時刻情報しか読み出せない場合としては、例えば、一方の情報が外部ツールによってクリアされたとか、一方の情報が別の異常に関する情報によって上書きされたとか、一方の情報が他のECUに存在していたが、そのECUが交換されたとか、様々な場合が考えられる。
また、特許文献2では、最新の異常判定開始時の時刻情報で古い異常判定開始時の時刻情報を上書きするため、診断対象Aが、異常が発生していると判定されてから異常であると確定判定されるまでの間に、「異常が発生していると判定される異常状態から、異常が発生していると判定されない非異常状態に戻り、再び異常状態になる」といった状態変化を少なくとも1回以上した場合(以下、こういう場合を、異常がふらついた場合という)には、その診断対象Aについての異常判定開始時の時刻情報がどんどん更新されることとなる。そして、このような場合には、診断対象Aの異常aが原因で診断対象Bの異常bが生じたにも拘わらず、最終的に記憶される診断対象Aについての異常判定開始時の時刻情報が、診断対象Bについての異常判定開始時の時刻情報よりも後の時刻を示すものになってしまう可能性があり、そのようになると、異常判定開始時の時刻情報は、異常a,bの発生順序を正しく表せないことになってしまう。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、車両における複数の異常の発生順序を正しく容易に把握できるようにして故障診断の容易性を向上させることを目的としている。
請求項1の故障診断用情報収集装置は、車両における複数の診断対象毎に、その診断対象の異常を検出するための異常検出部を備えている。
そして、その各異常検出部は、診断対象が異常判定条件を満たしているか否かにより、該診断対象に異常が発生しているか否かを判定する異常発生判定手段と、その異常発生判定手段により異常が発生していると判定された回数である異常判定回数が、異常確定閾値に達すると、診断対象が異常であると確定判定する異常確定判定手段と、診断対象が正常判定条件を満たしているか否かを判定すると共に、正常判定条件を満たしていると判定した回数が正常確定閾値に達すると、診断対象が正常であると確定判定する正常確定判定手段と、異常発生判定手段により異常が発生していると判定されたが、異常確定判定手段及び正常確定判定手段の何れにも確定判定されていない(即ち、異常であるとも正常であるとも未だ確定判定されていない)状態である異常判定実行中であるか否かを判定して、その判定結果を示す状態情報を生成する状態情報生成手段と、を備えている。
そして更に、各異常検出部は、前記異常発生判定手段(自身の異常発生判定手段)によって自身の診断対象に異常が発生していると最初に判定された時である初回異常判定時に、自身の診断対象の識別情報を、異常発生部位情報として記憶部に記憶すると共に、他の異常検出部のうちで、前記状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を特定し、その特定した他の異常検出部の診断対象の識別情報を、異常関連情報として、前記記憶部に、前記異常発生部位情報としての自身の診断対象の識別情報と対応付けて記憶する。
つまり、この故障診断用情報収集装置では、何れかの診断対象(ここではXとする)について、異常が発生していると最初に判定した時(初回異常判定時)に、その診断対象Xの識別情報IDxを、異常発生部位情報として記憶部に記憶すると共に、その時点よりも前に異常が発生していると判定したが未だ異常であるとも正常であるとも確定判定していない他の診断対象(ここではYとする)があれば、その診断対象Yの識別情報IDyを、診断対象Xの異常関連情報として、記憶部に、異常発生部位情報としての識別情報IDxと対応付けて記憶するようになっている。
そして、このような故障診断用情報収集装置によれば、下記(a)〜(c)の効果が得られる。
(a)記憶部に異常発生部位情報と対応付けて記憶されている異常関連情報だけを見ることにより、その異常発生部位情報が示す診断対象の初回異常判定時において既に異常が発生していると判定されていた他の診断対象を知ることができ、該他の診断対象が、異常発生部位情報が示す診断対象の異常を引き起こした原因ではないかと推定することができる。
(b)また、時刻情報がなくても異常の発生順序が分かる。異常発生部位情報と対応付けて記憶される異常関連情報が示す診断対象の異常は、その異常発生部位情報が示す診断対象の異常よりも前に発生していた、ということになるからである。
(c)ある診断対象の初回異常判定時に記憶した異常関連情報は更新しないため、ある診断対象Aの異常aが発生してから他の診断対象Bの異常bが発生した場合に、先に発生した異常aがふらついたとしても、診断対象Bを示す異常発生部位情報と対応付けて記憶される異常関連情報により、診断対象Bの異常bよりも前に診断対象Aの異常aが発生していたことを知ることができ、異常bの原因が異常aであると推定することができる。
そして、以上の効果により、車両における複数の異常の発生順序を正しく容易に把握できるようになり故障診断の容易性が向上する。
尚、異常確定判定手段が異常確定閾値に達したか否かを判定する異常判定回数は、例えば、異常発生判定手段により異常が発生していると判定された連続回数であっても良いし、累積回数(つまり、異常が発生していると判定されてから一旦異常が発生していないと判定されても判定回数をリセットせずに累積して計数した回数)であっても良い。また、異常発生判定手段による判定の実施間隔は、一定時間であっても、一定時間でなくても、何れでも良い。そして、こうしたことは、正常確定判定手段についても同様である。つまり、正常確定判定手段が正常確定閾値に達したか否かを判定する回数は、正常判定条件を満たしていると判定した連続回数であっても良いし、累積回数であっても良い。また、正常判定条件を満たしているか否かの判定を実施する間隔は、一定時間であっても、一定時間でなくても、何れでも良い。
次に、請求項2の故障診断用情報収集装置では、請求項1の故障診断用情報収集装置において、各異常検出部は、前記異常確定判定手段(自身の異常確定判定手段)によって自身の診断対象が異常であると確定判定された時である異常確定時にも、他の異常検出部のうちで、前記状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を特定し、その特定した他の異常検出部の診断対象の識別情報を、異常関連情報の1つである異常確定時の異常関連情報として、前記記憶部に、前記異常発生部位情報としての自身の診断対象の識別情報と対応付けて記憶する。
つまり、この故障診断用情報収集装置では、何れかの診断対象(ここではXとする)について、異常であると確定判定した時(異常確定時)にも、その時点より前に異常が発生していると判定したが未だ異常であるとも正常であるとも確定判定していない他の診断対象(ここではYとする)があれば、その診断対象Yの識別情報IDyを、診断対象Xの異常関連情報(特に異常確定時の異常関連情報)として、記憶部に、異常発生部位情報としての診断対象Xの識別情報IDxと対応付けて記憶するようになっている。
そして、このような故障診断用情報収集装置によれば、故障の分析を行うための情報として、より多くの情報(異常確定時の異常関連情報)を提供することができ、有利である。例えば、ある診断対象Xについて、初回異常判定時の異常関連情報と、異常確定時の異常関連情報との、両方が記憶されおり、且つ、その両方の異常関連情報が示す診断対象が同じであれば、その異常関連情報が示す診断対象Yが、診断対象Xよりも先に異常になったが、診断対象Xの異常確定時には未だ異常とも正常とも確定判定されていなかった、という状況を把握することができるようになる。
次に、請求項3の故障診断用情報収集装置では、請求項1,2の故障診断用情報収集装置において、各異常検出部は、前記特定した他の異常検出部(状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部)から、その異常検出部における異常判定回数の異常確定閾値に対する割合を示す異常判定度合いを取得し、その異常判定度合いを、前記特定した他の異常検出部の診断対象の識別情報と一緒に、異常関連情報として前記記憶部に記憶する。
そして、このような故障診断用情報収集装置によれば、ある診断対象Xについての異常関連情報として、例えば、診断対象Yの識別情報IDyが記憶されていたとすると、その識別情報IDyと一緒に記憶されている異常判定度合いを見ることにより、診断対象Xについての異常関連情報が記憶された時点において、他の診断対象Yの診断がどの程度まで進んでいたか(換言すれば、診断対象Yが異常確定に至るまでのどの程度の段階になっていたかということであり、診断対象Yが異常と確定判定されそうだった度合い)、を知ることができる。そして、診断対象Yが異常と確定判定されそうだった度合いが分かるため、その診断対象Yの異常が診断対象Xの異常を引き起こした原因であったかどうか、という判断が行い易くなる。
尚、請求項1に従属する請求項3の装置ならば、各異常検出部は、初回異常判定時に、上記異常判定度合いを記憶するための動作を行うこととなり、請求項2に従属する請求項3の装置ならば、各異常検出部は、初回異常判定時と異常確定時とに、上記異常判定度合いを記憶するための動作を行うこととなる。
次に、請求項4の故障診断用情報収集装置では、請求項1〜3の故障診断用情報収集装置において、関連性情報記憶手段が備えられており、その関連性情報記憶手段には、各異常検出部の診断対象の各々について、それと関連性がある他の診断対象を示す関連性情報が記憶されている。そして、各異常検出部は、他の異常検出部のうちで、前記状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を特定する際に、前記関連性情報を参照して、自身の診断対象と関連性がある他の診断対象である関連診断対象を検出し、その関連診断対象に対応した異常検出部のみについて、前記状態情報が異常判定実行中を示しているか否かを判定する。
尚、ある診断対象Xと関連性がある他の診断対象(関連診断対象)とは、それに異常が生じると診断対象Xも異常と判定される可能性がある診断対象であって、診断対象Xの異常原因になる可能性がある診断対象のことである。
この構成によれば、状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を特定するための処理負荷を低減することができる。
また、ある診断対象Xについての異常関連情報として、その診断対象Xと関連性がある診断対象に関する情報のみ、記憶部に記憶することとなる。よって、記憶部の記憶容量を有効に利用できる。
更に、異常原因の可能性がある診断対象に関する情報だけを異常関連情報として記憶することができるため、異常原因の解析を効率良く行うことができるようになる。
次に、請求項5の故障診断用情報収集装置では、請求項4の故障診断用情報収集装置において、前記関連性情報には、前記関連性がある他の診断対象の関連性の高さを示す関連度情報も含まれている。そして、各異常検出部は、関連診断対象が複数ある場合、前記関連度情報に基づいて、自身の診断対象に対する各関連診断対象の関連性の高さ順を把握し、各関連診断対象に対応した異常検出部のうち、自身の診断対象との関連性が高い関連診断対象に対応した異常検出部についてほど、早い順番で、前記状態情報が異常判定実行中を示しているか否かの判定を行う。
この構成によれば、ある診断対象Xについての異常関連情報を記憶しようとする場合に、その診断対象Xとの関連性が高い診断対象に対応した異常検出部についてほど先に、状態情報が異常判定実行中を示しているか否かの判定が行われる。このため、その診断対象Xについての異常関連情報としては、その診断対象Xとの関連性が高い診断対象に関する情報が優先して先に、記憶部に記憶されるようにすることができる。
よって、記憶部において、1つの異常発生部位情報に対して記憶可能な異常関連情報の数が有限である場合に、その異常関連情報の記憶領域を有効に利用することができる。異常原因になり易い診断対象についての情報が優先して、異常関連情報として記憶されることとなるからである。
次に、請求項6の故障診断用情報収集装置では、請求項1〜5の故障診断用情報収集装置において、各異常検出部は、自身の診断対象が、自身の異常確定判定手段により異常であると確定判定されることなく、自身の正常確定判定手段により正常であると確定判定されたなら、自身が記憶部に記憶した情報(異常発生部位情報や異常関連情報)を該記憶部から消去する。
この構成によれば、正常と確定判定した診断対象についての過去情報は記憶しないこととなるため、記憶部を無駄なく利用できるようになる。
次に、請求項7の故障診断用情報収集装置では、請求項1〜3の故障診断用情報収集装置において、異常判定実行中リストが備えられており、その異常判定実行中リストには、前記状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を特定可能な識別子が記録される。
そして、各異常検出部は、当該異常検出部の前記状態情報が異常判定実行中を示すものになると、異常判定実行中リストに、当該異常検出部を特定可能な識別子を記録し、当該異常検出部の前記状態情報が異常判定実行中でないことを示すものになると、異常判定実行中リストから、当該異常検出部を特定可能な識別子を消去する異常判定実行中リスト更新手段を備えている。
そして更に、各異常検出部は、他の異常検出部のうちで、前記状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を特定する際に、異常判定実行中リストを参照して、該異常判定実行中リストに記録されている識別子により、前記状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を特定する。
この構成によれば、各異常検出部が、他の異常検出部のうちで、前記状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を特定する際に、他の異常検出部の状態情報を取得して該状態情報が異常判定実行中を示しているか否かを判定する、といった処理を行う必要がない。よって、状態情報が異常判定実行中を示している他の異常検出部を特定するための処理負荷を低減することができる。
また、このことから、各異常検出部が記憶部に記憶する異常関連情報の同時性も確保し易くなる。
具体例を挙げて説明すると、例えば、ある診断対象Y,Zの異常検出部の状態情報STy,STzが異常判定実行中になっている時に、他の診断対象Xについて、異常が発生していると最初に判定されたとすると、本来ならば、診断対象Xの異常関連情報として、診断対象Yの識別情報IDyと、診断対象Zの識別情報IDzとの、両方が記憶されるはずである。ところが、もし、診断対象Xの異常検出部にて、他の異常検出部の状態情報を把握するのに時間がかかり、その診断対象Xの異常検出部が、診断対象Yの識別情報IDyを異常関連情報として記憶してから、状態情報STzが異常判定実行中になっていることを検知する前に、診断対象Zが異常あるいは正常と確定判定されて、状態情報STzが異常判定実行中を示すものではなくなったとすると、診断対象Xの異常関連情報としては、診断対象Zの識別情報IDzが記憶されず、異常関連情報の同時性が崩れてしまう。
これに対し、請求項7の構成によれば、各異常検出部において、状態情報が異常判定実行中を示している他の異常検出部を特定するのに要する時間を短縮できるため、こうした不具合を回避し易くなる。
次に、請求項8の故障診断用情報収集装置では、請求項7の故障診断用情報収集装置において、各異常検出部は、自身の診断対象が、自身の異常確定判定手段により異常であると確定判定されることなく、自身の正常確定判定手段により正常であると確定判定されたなら、自身が記憶部に記憶した情報を該記憶部から消去する。
この構成によれば、請求項6の故障診断用情報収集装置について述べた効果と同じ効果が得られる。
ところで、本発明の故障診断用情報収集装置は、1つの電子制御ユニットに適用しても良いし、複数の電子制御ユニットに適用しても良い。
そして、後者の場合には、各電子制御ユニットが、他の電子制御ユニットと通信するための通信手段を有し、各異常検出部は、他の電子制御ユニットに設けられている異常検出部について、状態情報が異常判定実行中を示しているか否かを判定したり、他の電子制御ユニットに設けられている異常検出部から異常関連情報として記憶すべき情報を取得する場合には、その通信手段を介して、他の電子制御ユニットと情報のやり取りをすれば良い。
また特に、本発明の故障診断用情報収集装置を複数の電子制御ユニットに適用する場合には、請求項9のように構成すると良い。
即ち、請求項9の故障診断用情報収集装置では、請求項1〜8の故障診断用情報収集装置において、異常検出部は、車両に搭載されて互いに通信する複数の電子制御ユニットの各々に、1つ以上ずつ設けられている。
また、各電子制御ユニットは、他の電子制御ユニットと通信するための通信手段と、前記状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を有した他の電子制御ユニットを示すユニット識別子が記録されるユニットリストと、当該電子制御ユニットに設けられている全ての異常検出部の前記状態情報が異常判定実行中でないことを示している状態から、当該電子制御ユニットに設けられている少なくとも1つの異常検出部の前記状態情報が異常判定実行中を示している状態に変化すると、当該電子制御ユニットのユニット識別子を、他の電子制御ユニットへ前記通信手段を介して送信するユニット識別子送信手段と、他の電子制御ユニットのユニット識別子送信手段によって送信されたユニット識別子が前記通信手段により受信されると、その受信されたユニット識別子をユニットリストに記録する識別子記録手段と、当該電子制御ユニットに設けられている少なくとも1つの異常検出部の前記状態情報が異常判定実行中を示している状態から、当該電子制御ユニットに設けられている全ての異常検出部の前記状態情報が異常判定実行中でないことを示している状態に変化すると、当該電子制御ユニットのユニット識別子の消去を要求する消去要求を、他の電子制御ユニットへ前記通信手段を介して送信する消去要求送信手段と、他の電子制御ユニットの消去要求送信手段によって送信された消去要求が前記通信手段により受信されると、その消去要求が示すユニット識別子をユニットリストから消去する識別子消去手段と、を備えている。
そして、各電子制御ユニットに備えられた上記各手段により、各電子制御ユニットのユニットリストには、状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を有した他の電子制御ユニットのユニット識別子が記録されることとなる。
また、各異常検出部は、他の異常検出部のうちで、前記状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を特定する際に、自身が設けられた電子制御ユニットのユニットリストを参照し、該ユニットリストにユニット識別子があれば、そのユニット識別子が示す他の電子制御ユニットに対して、自身が前記記憶部に異常関連情報として記憶すべき情報を要求する異常関連情報要求を、自身が設けられた電子制御ユニットの通信手段を介して送信する。そして、その送信した異常関連情報要求に対して他の電子制御ユニットから送信された情報(尚、その情報は、次に説明する異常関連情報送信手段によって送信されるものである)が、自身が設けられた電子制御ユニットの通信手段によって受信されると、その受信された情報を異常関連情報として前記記憶部に記憶する。
更に、各電子制御ユニットは、異常関連情報送信手段を備えており、その異常関連情報送信手段は、他の電子制御ユニットから送信された前記異常関連情報要求が当該電子制御ユニットの通信手段により受信されると、当該電子制御ユニットにおいて、前記状態情報が異常判定実行中を示している異常検出部を特定すると共に、その特定した異常検出部についての情報であって、異常関連情報として前記記憶部に記憶されるべき情報を取得し、その取得した情報を、前記異常関連情報要求の送信元である電子制御ユニットへ、当該電子制御ユニットの通信手段を介して送信する。
このような構成によれば、各異常検出部は、自身が設けられている電子制御ユニット以外の他の電子制御ユニットから、その電子制御ユニットに設けられている異常検出部の状態情報を通信により取得して、その状態情報が異常判定実行中を示しているか否か判定する、といった手順を踏まなくても、他の電子制御ユニットから、異常関連情報として記憶すべき他の異常検出部に関する情報を取得することができる。よって、各異常検出部が、異常関連情報を記憶部に記憶するのに要する所要時間を短くすることができる。
また、ユニットリストへのユニット識別子の記録及び消去が、動的に行われる構成であるため、電子制御ユニットの数が増減したり、電子制御ユニットが入れ替わったりしても、故障診断用情報収集装置としては設計変更無しに対応することができる。
尚、記憶部は、電子制御ユニット毎に設けられていても良いし、1つの記憶部を複数の電子制御ユニットで共用する構成でも良い。後者の場合には、複数の電子制御ユニットが接続されるネットワーク上に、共用される記憶部としての記憶装置を、各電子制御ユニットからアクセス可能に設ければ良い。
一方、記憶部に記憶された情報を読み出す手法としては、次のようなものが考えられる。
例えば、記憶部としての記憶媒体を、当該故障診断用情報収集装置が設けられた電子制御ユニットから取り出し、その記憶媒体から情報を読み出す、という手法が考えられる。
但し、この手法では、記憶媒体を物理的に取り出す作業が必要となってしまう。
そこで、請求項10の故障診断用情報収集装置では、請求項1〜9の故障診断用情報収集装置において、応答手段が備えられており、その応答手段は、他の装置から、前記記憶部に記憶された情報を要求する出力要求を受けると、前記記憶部に記憶されている情報を前記他の装置に出力する。
この構成によれば、記憶部に記憶された情報を簡単に読み出すことができる。また、記憶部から読み出した情報を前記他の装置の表示画面等に表示させることもできる。
第1実施形態のECU(電子制御ユニット)を表す構成図である。 明細書中で使用する用語の説明図である。 記憶装置の異常関連情報記憶領域を説明する説明図である。 異常検出処理を表すフローチャートである。 異常発生時の異常関連情報記憶処理を表すフローチャートである。 異常確定時の異常関連情報記憶処理を表すフローチャートである。 正常確定時の異常関連情報消去処理を表すフローチャートである。 作用の具体例のうちの例1を説明する説明図である。 作用の具体例のうちの例2を説明する説明図である。 作用の具体例のうちの例3を説明する説明図である。 出力処理を表すフローチャートである。 スキャンツールの表示装置に表示される内容を説明する説明図である。 O2センサの関連性テーブルを説明する説明図である。 異常判定実行中リスト更新処理を表すフローチャートである。 図5,図6における一部の処理に代えて行われる処理を表すフローチャートである。 第4実施形態の車載ネットワークを表す構成図である。 第5実施形態の車載ネットワークを表す構成図である。 各ECUにおいて、ECUリストを更新するために行われる処理を表すフローチャートである。 図15の処理に加えて行われる処理を表すフローチャートである。 異常関連情報送信処理を表すフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態の一例について説明する。
[第1実施形態]
まず図1は、本発明の故障診断用情報収集装置が適用された第1実施形態のECU(電子制御ユニット)11を表す構成図である。
ECU11は、車両に搭載されて、例えば、その車両のエンジンを制御するものである。そして、ECU11には、制御対象を制御するための処理や異常を検出するための処理等を含む各種処理を行う処理装置として、CPU、ROM、及びRAM等(図示省略)からなる周知のマイコン12が備えられており、更に、記憶装置22も備えられている。
記憶装置22は、データの書き換えが可能なフラッシュROMやEEPROM等の不揮発性メモリであるが、例えば、車載バッテリの電力を元にした電源が常時供給されるRAM(いわゆるバックアップRAMやスタンバイRAMと呼ばれるもの)でも良い。また、記憶装置22は、マイコン12の外部に限らず、マイコン12の内部に設けられていても良い。
ここで、ECU11は、複数の診断対象毎に、その診断対象の異常を検出するための異常検出部21a,21b,21c,…を備えている。尚、異常検出部21a,21b,21c,…の各々を特に区別しない場合には、それの符号として「21」を用いる。
そして、各異常検出部21は、診断対象が異常判定条件を満たしているか否かにより、該診断対象に異常が発生しているか否かを判定する異常発生判定手段31と、異常発生判定手段31により異常が発生していると判定された回数である異常判定回数が、異常確定閾値に達すると、診断対象が異常であると確定判定する異常確定判定手段32と、診断対象が正常判定条件を満たしているか否かを判定すると共に、正常判定条件を満たしていると判定した回数が正常確定閾値に達すると、診断対象が正常であると確定判定する正常確定判定手段33と、異常発生判定手段31により異常が発生していると判定されたが、異常確定判定手段32及び正常確定判定手段33の何れにも確定判定されていない状態である異常判定実行中であるか否かを判定して、その判定結果を示す異常判定実行中フラグ(状態情報に相当)を生成する状態情報生成手段34と、を備えている。また、各異常検出部21は、後述する図5,図6の処理に相当する異常関連情報記憶処理35も行う。
尚、各異常検出部21は、実際には、マイコン12を構成するCPUがROM内のプログラムを実行することで実現される機能のブロックである。
一方、ECU11には、車両の整備者等が車両を診断するために用いる診断装置であるスキャンツール13が、車両内の通信線15を介して接続可能になっている。そのスキャンツール13は、異常に関する情報をECU11から収集して表示する異常情報表示装置でもある。
次に、本明細書中で使用する用語について、図2を用い説明する。
「異常発生」とは、診断対象についての異常判定条件が成立していない状態から、異常判定条件が成立した状態に転じた時点のことであり、その異常判定条件の成立継続時間(異常判定条件が成立している継続時間)を計測し始める時点のことである。
「異常確定」とは、異常判定条件の成立継続時間が、確実に診断対象が異常であると考えられる所定の異常確定閾値に達した時点のことである。
「正常確定」とは、診断対象についての正常判定条件が成立して、その正常判定条件の成立継続時間(正常判定条件が成立している継続時間)が、確実に診断対象が正常であると考えられる所定の正常確定閾値に達した時点のことである。
「正常復帰」とは、異常発生後に、異常確定に至ることなく正常判定条件が成立したことである。
「異常判定実行中」とは、異常発生から異常確定または正常確定までの期間のことである。つまり、異常判定条件が成立したが未だ異常確定にも正常確定にも至っていない期間のことである。
「異常判定実行中フラグ」とは、前述したように異常判定実行中であるか否かを示すフラグである。そして、その異常判定実行中フラグがオン(ON)であることが、異常判定実行中であることを示し、異常判定実行中フラグがオフ(OFF)であることが、異常判定実行中ではないことを示している。
「最初の異常発生」とは、異常判定実行中フラグがオフからオンに遷移する時のことである。
「異常判定度合い」とは、異常判定条件の成立継続時間の、異常確定閾値に対する割合を、パーセンテージで表した値のことである。
「異常のふらつき(あるいは単に、ふらつき)」とは、最初の異常発生後、異常判定条件が断続的に成立するため、異常確定に至らない現象のことである。つまり、前述した「異常がふらついた場合」のことである。
尚、本実施形態では、異常判定条件が成立しているか否かを一定時間毎に判定して、異常判定条件が成立していると判定すると、異常判定条件の成立継続時間を計測するためのカウンタ(以下、異常カウンタという)をカウントアップさせるようになっている(図2の1段目参照)。このため、「異常確定」は、異常判定条件が成立していると判定した連続回数が異常確定閾値に達した時点、であるとも言える。また、「異常判定度合い」は、異常カウンタの値の異常確定閾値に対する割合を示すものであるとも言え、更に換言すれば、異常判定条件が成立していると判定した連続回数の異常確定閾値に対する割合を示すものであるとも言える。
また同様に、本実施形態では、正常判定条件が成立しているか否かを一定時間毎に判定して、正常判定条件が成立していると判定すると、正常判定条件の成立継続時間を計測するためのカウンタ(以下、正常カウンタという)をカウントアップさせるようになっている(図2の2段目参照)。このため、「正常確定」は、正常判定条件が成立していると判定した連続回数が正常確定閾値に達した時点、であるとも言える。
次に、記憶装置22の記憶領域について、図3を用い説明する。
図3に示すように、記憶装置22には、異常関連情報記憶領域22aが設けられている。そして、その異常関連情報記憶領域22aは、M個の異常毎記憶領域23に分けられている。更に、その異常毎記憶領域23の各々は、異常発生部位情報を1つ記憶可能な第1領域23aと、異常発生時の異常関連情報をX個記憶可能な第2領域23bと、異常確定時の異常関連情報をY個記憶可能な第3領域23cとを有している。尚、M個のMと、X個のXと、Y個のYとの各々は、1以上の整数である。また、このような異常関連情報記憶領域22aに記憶される情報については後述する。
更に、図示は省略しているが、記憶装置22には、各異常検出部21の異常判定実行中フラグを、どの異常検出部21のものかを識別可能に記憶する異常診断状態記憶領域や、異常であると確定判定された診断対象に関する情報を記憶するための異常確定情報記憶領域も、設けられている。
次に、各異常検出部21が行う処理について説明する。尚、各異常検出部21が行う処理は、実際には、マイコン12のCPUが、診断対象の各々について行う処理である。
各異常検出部21は、自身の診断対象について、図4の異常検出処理を一定時間毎に実行する(換言すれば、マイコン12のCPUが、診断対象の各々について、図4の異常検出処理を一定時間毎に実行する)。尚、その一定時間は、各異常検出部21で同一であっても良いし、異なっていても良い。
図4に示すように、異常検出部21は、異常検出処理を開始すると、まずS110にて、自身の診断対象について異常判定条件が成立しているか否か(換言すれば、診断対象が異常判定条件を満たしているか否か)を判定し、異常判定条件が成立していれば、診断対象に異常が発生していると判断して、S115に進み、自身についての前述した異常判定実行中フラグがオフか否かを判定する。
そして、異常判定実行中フラグがオフでなければ(即ちオンであれば)、そのままS125に移行するが、異常判定実行中フラグがオフならば、上記S110にて診断対象に異常が発生していると最初に判定された時(最初の異常発生時であり初回異常判定時)であると判断して、S120に進み、後述の図5に示す異常発生時の異常関連情報記憶処理を行った後、S125に進む。尚、異常判定実行中フラグは、前述した記憶装置22の異常診断状態記憶領域に、異常検出部21の各々について記憶されている。
S125では、異常確定条件が成立したか否かを判定する。具体的には、S110で異常判定条件が成立している(異常が発生している)と判定した連続回数を、異常カウンタをカウントアップさせることで計測すると共に、その異常カウンタの値が、自身の診断対象について設定されている異常確定閾値以上になったか(異常確定閾値に達したか)否かを判定し、その異常カウンタの値が異常確定閾値以上になったならば、異常確定条件が成立したと判定する。
そして、このS125にて、異常確定条件が成立していないと判定した場合には、S130に進み、自身の異常判定実行中フラグをオンに設定する書き込み処理を行った後、当該異常検出処理を終了する。
また、上記S125にて、異常確定条件が成立したと判定した場合には、診断対象が異常であると確定判定し、この場合には、S135に移行して、自身の異常判定実行中フラグをオフに設定する書き込み処理を行う。
そして、次のS140にて、異常確定時の異常情報を、前述した記憶装置22の異常確定情報記憶領域に記憶する。その異常確定時の異常情報としては、自身の診断対象の識別情報(即ち、異常であると確定判定した診断対象の識別情報)を記憶するが、それに加えて、例えば、その時の時刻情報等を記憶しても良い。そして更に、次のS145にて、後述の図6に示す異常確定時の異常関連情報記憶処理を行い、その後、当該異常検出処理を終了する。
一方、上記S110にて、自身の診断対象について異常判定条件が成立していないと判定した場合には、S150に移行する。尚、図示を省略しているが、S110で異常判定条件が成立していないと判定されると、前述の異常カウンタが0にクリアされる。また、この例では、S110で「異常判定条件が成立していない」と判定されることが、「正常判定条件が成立している(診断対象が正常判定条件を満たしている)」と判定することに相当している。
そして、S150では、正常確定条件が成立したか否かを判定する。具体的には、S110で異常判定条件が成立していない(即ち正常判定条件が成立している)と判定した連続回数を、正常カウンタをカウントアップさせることで計測すると共に、その正常カウンタの値が、自身の診断対象について設定されている正常確定閾値以上になったか(正常確定閾値に達したか)否かを判定し、その正常カウンタの値が正常確定閾値以上になったならば、正常確定条件が成立したと判定する。尚、図示を省略しているが、S110で異常判定条件が成立している(即ち正常判定条件が成立していない)と判定されると、正常カウンタは0にクリアされる。
このS150にて正常確定条件が成立していないと判定した場合には、そのまま当該異常検出処理を終了するが、上記S150にて正常確定条件が成立したと判定した場合には、診断対象が正常であると確定判定し、この場合には、S155に移行して、自身の異常判定実行中フラグをオフに設定する書き込み処理を行う。そして、次のS160にて、後述の図7に示す正常確定時の異常関連情報消去処理を行い、その後、当該異常検出処理を終了する。
尚、例えば、診断対象が、エンジンの排気中の酸素濃度を検出する酸素センサ(以下、O2センサという)であるとすると、S110で判定する異常判定条件としては、「O2センサの出力値が、所定のハイ側閾値VthHを超えてから、そのハイ側閾値VthHよりも低いロー側閾値VthLを未だ下回っていない」といった条件が考えられる。
また、異常判定条件と正常判定条件とが別々に設けられるのであれば、S110とS150との間に、図示しないステップ(ここではS147とする)を追加し、上記S110で異常判定条件が成立していないと判定した場合に、そのS147に移行して、正常判定条件が成立しているか否かを判定し、正常判定条件が成立していなければ、そのまま当該異常検出処理を終了し、正常判定条件が成立していていれば、S150に進むように変更すれば良い。そして、この場合、例えば、診断対象がO2センサであるとすると、S110で判定する異常判定条件としては、「O2センサの出力値が、異常と考えられる異常判定範囲に入っている」といった条件が考えられ、S147で判定する正常判定条件としては、「O2センサの出力値が、異常判定範囲とは別の範囲であって、正常と考えられる正常判定範囲に入っている」といった条件が考えられる。
次に、図5は、図4のS120で実行される異常発生時の異常関連情報記憶処理を表すフローチャートである。
図5に示すように、異常発生時の異常関連情報記憶処理では、まずS210にて、記憶装置22の異常関連情報記憶領域22a(図3参照)に、異常発生部位情報として、自身の診断対象の識別情報が記憶されているか否かを判定し、自身の診断対象の識別情報が既に記憶されていれば、そのまま当該異常発生時の異常関連情報記憶処理を終了するが、自身の診断対象の識別情報が記憶されていなければ、S220に進む。
S220では、記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに空きがあるか否かを判定する。詳しくは、異常関連情報記憶領域22aにおけるM個の異常毎記憶領域23のうち、異常発生部位情報を記憶するための第1領域23aが空いている異常毎記憶領域23があるか否かを判定する。
そして、異常関連情報記憶領域22aに空きがなければ、そのまま当該異常発生時の異常関連情報記憶処理を終了するが、異常関連情報記憶領域22aに空きがあれば、S230に進む。
S230では、自身の診断対象の識別情報を、記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに、異常発生部位情報として記憶する。詳しくは、異常関連情報記憶領域22aにおいて、第1領域23aが空いている異常毎記憶領域23の、その第1領域23aに、自身の診断対象の識別情報を異常発生部位情報として記憶する。
次に、S240進み、異常関連情報記憶領域22aにおいて、自身の診断対象の識別情報が第1領域23aに記憶された異常毎記憶領域23の、第2領域23bに記憶されている異常発生時の異常関連情報の数(以下、異常発生時の異常関連情報記憶数という)が、上限数(X個)未満であるか否かを判定する。つまり、その第2領域23bに空きがあるか否かを判定する。
そして、このS240にて異常発生時の異常関連情報記憶数が上限数未満であると判定した場合には、S250に進み、自身以外の他の異常検出部21のうち、後述するS260及びS270の処理によって異常判定実行中フラグのオン/オフ状態を未だ判断していない異常検出部21(以下、検索未完了の異常検出部21という)があるか否かを判定し、検索未完了の異常検出部21があれば、S260に進む。
S260では、検索未完了の異常検出部21の1つについて、その異常検出部21の異常判定実行中フラグを記憶装置22の異常診断状態記憶領域から取得し、次の270にて、その取得した異常判定実行中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、異常判定実行中フラグがオンでなければ、S240に戻る。
また、上記S270にて、異常判定実行中フラグがオンであると判定した場合には、S280に進んで、そのオンである異常判定実行中フラグに対応した異常検出部21の診断対象の識別情報(即ち、異常判定実行中の状態になっている他の異常検出部21の診断対象の識別情報)と、その異常検出部21における異常判定度合いとを、自身の診断対象の識別情報が第1領域23aに記憶された異常毎記憶領域23の第2領域23bに、1個の異常発生時の異常関連情報として記憶する。そして、その後、S240に戻る。
尚、各異常検出部21は、他の異常検出部21から、異常関連情報として記憶すべき情報の提供を要求されると、自身の診断対象の識別情報と異常判定度合いとを、その要求元の異常検出部21に対して提供するようになっている。また、異常検出部21同士での要求と情報のやり取りは、例えばマイコン12内のRAMを介して行われる。このため、上記S280では、S270で異常判定実行中フラグがオンであると判定した異常検出部21に対して、異常関連情報として記憶すべき情報を要求することにより、その記憶すべき情報(診断対象の識別情報及び異常判定度合い)を取得する。また、各異常判定部21の診断対象の識別情報を記述したマップが、例えばマイコン12内のROMや記憶装置22に格納されているのであれば、上記S280では、そのマップから、S270で異常判定実行中フラグがオンであると判定した異常検出部21の診断対象の識別情報を取得することができる。
一方、上記S240にて異常発生時の異常関連情報記憶数が上限数未満ではないと判定した場合(即ち、目的の第2領域23bが一杯で異常関連情報を追加して記憶できない場合)、あるいは、上記S250にて、検索未完了の異常検出部21がないと判定した場合には、S290に移行する。
そして、S290では、記憶状態フラグをオンにし、その後、当該異常発生時の異常関連情報記憶処理を終了する。尚、記憶状態フラグは、記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに消去可能な情報を記憶したことを示すフラグである。また、その記憶状態フラグは、例えば記憶装置22の他の領域に、異常検出部21の各々について記憶される。
つまり、各異常検出部21は、自身の診断対象に異常が発生していると最初に判定した時に(S110:YES→S115:YES)、異常発生時の異常関連情報記憶処理を行い(S120)、その異常発生時の異常関連情報記憶処理にて、自身の診断対象の識別情報を、記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに、異常発生部位情報として記憶すると共に(S230)、他の異常検出部21のうちで、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21を特定して、その特定した他の異常検出部21の診断対象の識別情報と、該他の異常検出部21におけるその時点での異常判定度合いとを、異常関連情報として、記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに、異常発生部位情報としての自身の診断対象の識別情報と対応付けて記憶するようになっている(S240〜S280)。
次に、図6は、図4のS145で実行される異常確定時の異常関連情報記憶処理を表すフローチャートである。
図6に示すように、異常確定時の異常関連情報記憶処理では、まずS310にて、自身の(当該異常検出部21の)記憶状態フラグがオンであるか否かを判定する。そして、記憶状態フラグがオンでなければ(即ちオフであれば)、そのまま当該異常確定時の異常関連情報記憶処理を終了するが、記憶状態フラグがオンであれば、S320に進む。尚、当該異常確定時の異常関連情報記憶処理は、異常発生の後に実行されるため、前述した図5のS210でYESと判定されるかS220でNOと判定された場合以外は、図5のS290で記憶状態フラグがオンに設定されており、当該異常確定時の異常関連情報記憶処理の処理では、S320に進むこととなる。
そして、S320では、異常関連情報記憶領域22aにおいて、自身の診断対象の識別情報が第1領域23aに記憶された異常毎記憶領域23の、第3領域23cに記憶されている異常確定時の異常関連情報の数(以下、異常確定時の異常関連情報記憶数という)が、上限数(Y個)未満であるか否かを判定する。つまり、その第3領域23cに空きがあるか否かを判定する。
そして、このS320にて異常確定時の異常関連情報記憶数が上限数未満であると判定した場合には、S330に進み、自身以外の他の異常検出部21のうち、後述するS340及びS350の処理によって異常判定実行中フラグのオン/オフ状態を未だ判断していない検索未完了の異常検出部21があるか否かを判定し、検索未完了の異常検出部21があれば、S340に進む。
S340では、検索未完了の異常検出部21の1つについて、その異常検出部21の異常判定実行中フラグを記憶装置22の異常診断状態記憶領域から取得し、次の350にて、その取得した異常判定実行中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、異常判定実行中フラグがオンでなければ、S320に戻る。
また、上記S350にて、異常判定実行中フラグがオンであると判定した場合には、S360に進んで、そのオンである異常判定実行中フラグに対応した異常検出部21の診断対象の識別情報(即ち、異常判定実行中の状態になっている他の異常検出部21の診断対象の識別情報)と、その異常検出部21における異常判定度合いとを、自身の診断対象の識別情報が第1領域23aに記憶された異常毎記憶領域23の第3領域23cに、1個の異常確定時の異常関連情報として記憶する。そして、その後、S320に戻る。尚、S360では、異常確定時の異常関連情報として記憶すべき情報(識別情報及び異常判定度合い)を、前述した図5のS280と同じ手順で取得する。
一方、上記S320にて異常確定時の異常関連情報記憶数が上限数未満ではないと判定した場合(即ち、目的の第3領域23cが一杯で異常関連情報を追加して記憶できない場合)、あるいは、上記S330にて、検索未完了の異常検出部21がないと判定した場合には、S370に移行する。そして、S370では、自身の記憶状態フラグをオフにし、その後、当該異常確定時の異常関連情報記憶処理を終了する。
つまり、各異常検出部21は、自身の診断対象が異常であると確定判定した時に(S125:YES)、異常確定時の異常関連情報記憶処理を行い(S140)、その異常確定時の異常関連情報記憶処理においても、他の異常検出部21のうちで、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21を特定して、その特定した他の異常検出部21の診断対象の識別情報と、該他の異常検出部21におけるその時点での異常判定度合いとを、異常関連情報(特に異常確定時の異常関連情報)として、記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに、異常発生部位情報としての自身の診断対象の識別情報と対応付けて記憶するようになっている(S320〜S360)。
次に、図7は、図4のS160で実行される正常確定時の異常関連情報消去処理を表すフローチャートである。
図7に示すように、正常確定時の異常関連情報消去処理では、S410にて、自身の(当該異常検出部21の)記憶状態フラグがオンであるか否かを判定する。そして、記憶状態フラグがオンでなければ(即ちオフであれば)、そのまま当該正常確定時の異常関連情報消去処理を終了するが、記憶状態フラグがオンであれば、S420に進む。
尚、記憶状態フラグは、図5のS290でオンされ、図6のS370でオフされるため、図7におけるS420以降の処理は、診断対象に異常が発生したと判定したものの、異常であると確定判定することなく正常であると確定判定した場合に、実行されることとなる。よって、例えば、異常と確定判定した後に、正常と確定判定したとしても、S420以降の処理は実行されない。
まずS420では、図5のS230で記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに記憶した異常部位情報(自身の診断対象の識別情報)を消去する。詳しくは、自身の診断対象の識別情報が記憶されている異常毎記憶領域23の第1領域23aをクリアする。
そして、次のS430では、上記S420で第1領域23aをクリアした異常毎記憶領域23の、第2領域23bをクリアする。このため、図5のS280で記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに記憶した異常発生時の異常関連情報があれば、その異常発生時の異常関連情報を消去することとなる。
そして、次のS440では、自身の記憶状態フラグをオフにし、その後、当該正常確定時の異常関連情報消去処理を終了する。
つまり、各異常検出部21は、自身の診断対象が異常であると確定判定することなく、正常であると確定判定したならば、自身が記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに記憶した情報(異常部位情報及び異常発生時の異常関連情報)を消去している(S420,S430)。
次に、各異常検出部21が図4の異常検出処理(図5〜図7の各処理を含む)を行うことによる作用について、図8〜図10の具体例を挙げて説明する。
尚、図8〜図10においては、診断対象として、O2センサと、そのO2センサを加熱するO2ヒータとの、2つを例に挙げている。また、図8〜図10において、O2ヒータ異常カウンタとは、O2ヒータを診断対象とする異常検出部21(ここでは21aとする)がカウントアップさせる異常カウンタであって、O2ヒータについての異常判定条件の成立継続時間(成立連続回数)を計測するためのカウンタである。同様に、O2センサ異常カウンタとは、O2センサを診断対象とする異常検出部21(ここでは21bとする)がカウントアップさせる異常カウンタであって、O2センサについての異常判定条件の成立継続時間(成立連続回数)を計測するためのカウンタである。また、図8〜図10において、パーセント(%)表示の数値は、異常判定度合いである。また、図8〜図10において、下段の点線で囲んだ枠内は、記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに記憶された情報(異常発生部位情報、異常発生時の異常関連情報、異常確定時の異常関連情報)を示しているが、その点線枠内における「NULL」とは、情報が何も書き込まれていないことを示している。そして、O2センサの識別情報は「P0130」であり、O2ヒータの識別情報は「P0135」である。
まず、図8は、例1を示す図であって、O2ヒータの異常が、O2センサに影響して、O2センサの異常を引き起こした場合に、O2センサの異常原因であるO2ヒータの異常が解消されて、O2ヒータが正常であると確定判定された場合を示している。
図8においては、(1)の時点で、O2ヒータに異常が発生し、その異常の発生がO2ヒータの異常検出部21aにより検知される(S110:YES)。
すると、O2ヒータの異常検出部21aは、異常発生時の異常関連情報記憶処理(図5)を行うこととなり(S120)、O2ヒータの識別情報である「P0135」を、異常発生部位情報として、記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに記憶する(S230)。そして更に、O2ヒータの異常検出部21aは、O2センサの異常検出部21bの異常判定実行中フラグを参照することとなるが(S260,S270)、この時点において、O2センサは、まだO2ヒータの異常に影響されておらず正常なため、その異常検出部21bの異常判定実行中フラグはオフである。よって、O2ヒータの異常検出部21aは、異常関連情報を記憶せずに、O2ヒータの識別情報(「P0135」)だけを異常関連情報記憶領域22aに記憶することとなる。また、O2ヒータの異常検出部21aは、この時に、当該異常検出部21aの異常判定実行中フラグ(O2ヒータについての異常判定実行中フラグ)を、オフからオンに反転させることとなる(S130)。
その後、(2)の時点で、O2センサがO2ヒータの影響を受けて異常な状態になり、そのことがO2センサの異常検出部21bにより検知されると(S110:YES)、その異常検出部21bは、異常発生時の異常関連情報記憶処理(図5)を行うこととなり(S120)、O2センサの識別情報である「P0130」を、異常発生部位情報として異常関連情報記憶領域22aに記憶する(S230)。そして更に、O2センサの異常検出部21bは、O2ヒータの異常検出部21aの異常判定実行中フラグを参照することとなるが(S260,S270)、この時点において、その異常検出部21aの異常判定実行中フラグは既にオンである。よって、O2センサの異常検出部21bは、O2センサの識別情報(「P0130」)を異常発生部位情報として記憶するだけでなく、O2ヒータの識別情報(「P0135」)と、その時点での異常検出部21aにおける異常判定度合い(この例では25%)とを、異常発生部位情報としての「P0130」に対応する異常発生時の異常関連情報として、異常関連情報記憶領域22aに記憶することとなる(S280)。また、O2センサの異常検出部21bは、この時に、当該異常検出部21bの異常判定実行中フラグ(O2センサについての異常判定実行中フラグ)を、オフからオンに反転させることとなる(S130)。
その後、(3)の時点で、O2センサ異常カウンタの値が、O2センサに対して設定されている異常確定閾値に達すると、O2センサの異常検出部21bは、O2センサが異常であると確定判定し(S125:YES)、当該異常検出部21bの異常判定実行中フラグを、オンからオフに反転させる(S135)と共に、異常確定時の異常関連情報記憶処理(図6)を行うこととなる(S145)。そして、O2センサの異常検出部21bは、O2ヒータの異常検出部21aの異常判定実行中フラグを参照することとなる(S340,S350)。
ここで、その時点において、O2ヒータは、正常復帰しているが未だ正常であると確定判定はされていないため、そのO2ヒータの異常検出部21aの異常判定実行中フラグはオンのままである。よって、O2センサの異常検出部21bは、O2ヒータの識別情報(「P0135」)と、その時点での異常検出部21aにおける異常判定度合い(この例では0%)とを、異常発生部位情報としての「P0130」に対応する異常確定時の異常関連情報として、異常関連情報記憶領域22aに記憶することとなる(S360)。
その後、(4)の時点で、O2ヒータの異常検出部21aが、O2ヒータが正常であると確定判定すると(S150:YES)、当該異常検出部21aの異常判定実行中フラグを、オンからオフに反転させる(S155)と共に、正常確定時の異常関連情報消去処理(図7)を行うこととなる(S160)。すると、O2ヒータの異常検出部21aは、自身が異常関連情報記憶領域22aに記憶した異常発生部位情報と、その異常発生部位情報に対応する異常発生時の異常関連情報とを、消去する処理を行うこととなる(S420,S430)。
次に、図9は、例2を示す図であり、図8と同様に、O2ヒータの異常がO2センサの異常を引き起こした場合であるが、O2センサの異常原因であるO2ヒータの異常が、ふらついた場合を示している。
図9において、(1)の時点から(2)の時点までの動作は、図8と同じであるため説明を省略する。但し、図9では、(2)の時点において、O2ヒータの異常検出部21aにおける異常判定度合いが40%になっているため、O2センサの異常検出部21bは、その40%を、O2ヒータの識別情報(「P0135」)と一緒に、異常発生部位情報としての「P0130」に対応する異常発生時の異常関連情報として、異常関連情報記憶領域22aに記憶することとなる。
そして、図9においては、(2)の時点の後、O2ヒータの異常がふらつき、(3)の時点で、O2ヒータ異常カウンタの値が異常確定閾値に達する。
すると、その(3)の時点で、O2ヒータの異常検出部21aは、O2ヒータが異常であると確定判定し(S125:YES)、当該異常検出部21aの異常判定実行中フラグを、オンからオフに反転させる(S135)と共に、異常確定時の異常関連情報記憶処理(図6)を行うこととなる(S145)。そして、O2ヒータの異常検出部21aは、O2センサの異常検出部21bの異常判定実行中フラグを参照することとなり(S340,S350)、その異常検出部21bの異常判定実行中フラグは既にオンである。よって、O2ヒータの異常検出部21aは、O2センサの識別情報(「P0130」)と、その時点での異常検出部21bにおける異常判定度合い(この例では80%)とを、異常発生部位情報としての「P0135」に対応する異常確定時の異常関連情報として、異常関連情報記憶領域22aに記憶することとなる(S360)。
その後、(4)の時点で、O2センサ異常カウンタの値が異常確定閾値に達すると、O2センサの異常検出部21bは、O2センサが異常であると確定判定し(S125:YES)、当該異常検出部21bの異常判定実行中フラグを、オンからオフに反転させる(S135)と共に、異常確定時の異常関連情報記憶処理(図6)を行うこととなる(S145)。そして、O2センサの異常検出部21bは、O2ヒータの異常検出部21aの異常判定実行中フラグを参照するが(S340,S350)、この時点において、O2ヒータの異常検出部21aの異常判定実行中フラグはオフである。よって、O2センサの異常検出部21bは、O2ヒータの識別情報(「P0135」)を異常確定時の異常関連情報として記憶しない(S350:NO)。
次に、図10は、例3を示す図であり、図8と同様に、O2ヒータの異常がO2センサの異常を引き起こした場合であるが、両診断対象の異常確定の順番が、異常発生の順番とは逆になった場合を示している。
図10において、(1)の時点から(2)の時点までの動作は、図8と同じであるため説明を省略する。但し、図10では、(2)の時点において、O2ヒータの異常検出部21aにおける異常判定度合いが35%になっているため、O2センサの異常検出部21bは、その35%を、O2ヒータの識別情報(「P0135」)と一緒に、異常発生部位情報としての「P0130」に対応する異常発生時の異常関連情報として、異常関連情報記憶領域22aに記憶することとなる。
そして、図10においては、(3)の時点で、O2センサ異常カウンタの値が異常確定閾値に達する。
すると、その(3)の時点で、O2センサの異常検出部21bは、O2センサが異常であると確定判定し(S125:YES)、当該異常検出部21bの異常判定実行中フラグを、オンからオフに反転させる(S135)と共に、異常確定時の異常関連情報記憶処理(図6)を行うこととなる(S145)。そして、O2センサの異常検出部21bは、O2ヒータの異常検出部21aの異常判定実行中フラグを参照することとなる(S340,S350)。
ここで、その時点において、O2ヒータは、未だ異常であると確定判定されておらず、そのO2ヒータの異常検出部21aの異常判定実行中フラグはオンのままであり、また、異常検出部21aにおける異常判定度合いは70%である。よって、O2センサの異常検出部21bは、O2ヒータの識別情報(「P0135」)と、その異常検出部21aにおける異常判定度合いである70%とを、異常発生部位情報としての「P0130」に対応する異常確定時の異常関連情報として、異常関連情報記憶領域22aに記憶することとなる(S360)。
その後、(4)の時点で、O2ヒータ異常カウンタの値が異常確定閾値に達すると、O2ヒータの異常検出部21aは、O2ヒータが異常であると確定判定し(S125:YES)、当該異常検出部21aの異常判定実行中フラグを、オンからオフに反転させる(S135)と共に、異常確定時の異常関連情報記憶処理(図6)を行うこととなる(S145)。そして、O2ヒータの異常検出部21aは、O2センサの異常検出部21bの異常判定実行中フラグを参照するが(S340,S350)、この時点において、O2センサの異常検出部21bの異常判定実行中フラグは既にオフである。よって、O2ヒータの異常検出部21aは、O2センサの識別情報(「P0130」)を異常確定時の異常関連情報として記憶しない(S350:NO)。
次に、ECU1において、マイコン12のCPUが、各異常検出部21としての機能を実現するための処理とは別に行う出力処理について、図11を用い説明する。尚、その出力処理は、記憶装置22に記憶した異常に関する情報を、スキャンツール13からの要求に応じて出力するための処理であり、例えば一定時間毎に実行される。
図11に示すように、出力処理では、まずS510にて、スキャンツール13からの異常情報出力要求を受信したか否かを判定し、異常情報出力要求を受信していなければ、そのまま当該出力処理を終了するが、異常情報出力要求を受信したならば、S520に進む。
そして、S520では、異常と確定判定された診断対象について、その診断対象の識別情報と、その診断対象に関する異常関連情報とを、スキャンツール13に送信する。
具体的には、まず、記憶装置22の異常確定情報記憶領域に、何れかの診断対象の識別情報が記憶されているか否かを判定し、記憶されている識別情報(即ち、図4のS140にて、異常確定時の異常情報として記憶された識別情報であり、何れかの異常検出部21によって異常と確定判定された診断対象の識別情報)があれば、記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aにおけるM個の異常毎記憶領域23のうち、異常と確定判定された診断対象の識別情報と同じものが異常発生部位情報として記憶されている(つまり、第1領域23aに記憶されている)異常毎記憶領域23(以下、送信対象の異常毎記憶領域23という)を探す。
そして、送信対象の異常毎記憶領域23があれば、その異常毎記憶領域23の第1〜第3領域23a〜23cに記憶されている情報を1つのデータ群として、スキャンツール13へ送信する。このため、異常と確定判定された診断対象の識別情報と、その診断対象に異常が発生していると最初に判定された時に記憶された異常関連情報(異常発生時の異常関連情報)と、その診断対象が異常と確定判定された時に記憶された異常関連情報(異常確定時の異常関連情報)とが、セットでスキャンツール13へ送信されることとなる。
また、送信対象の異常毎記憶領域23が複数あった場合には、異常と確定判定された順番が早い診断対象の識別情報を異常発生部位情報として記憶している異常毎記憶領域23の情報ほど、早い順番でスキャンツール13へ送信する。
そして、このS520の処理により、スキャンツール13への情報の送信が完了すると、当該出力処理が終了する。
一方、スキャンツール13は、使用者により所定の操作が行われると、ECU11に対して、上記異常情報出力要求を送信し、そのECU11から上記S520の処理で送信される情報を受信する。
そして、スキャンツール13は、そのECU11から受信した情報の内容を、例えば図12のように、自身の表示装置に表示する。
尚、図12において、(A)は、図8に示した例1の場合の表示内容を示し、(B)は、図9に示した例2の場合の表示内容を示し、(C)は、図10に示した例3の場合の表示内容を示している。つまり、(A)は、図8における下段の点線枠内のうちの(4)の情報に基づく表示内容であり、(B)は、図9における下段の点線枠内のうちの(4)の情報に基づく表示内容であり、(C)は、図10における下段の点線枠内のうちの(4)の情報に基づく表示内容である。
図12に示すように、スキャンツール13は、異常と確定判定された診断対象の識別情報が示す診断対象(つまり、異常と確定判定された診断対象)の名前を、「検出した異常」として表示し、異常発生時の異常関連情報が示す診断対象の名前を、「異常発生時の他の異常」として表示し、異常確定時の異常関連情報が示す診断対象の名前を、「異常確定時の他の異常」として表示する。また、この例において、スキャンツール13は、「検出した異常」の名称を、異常と確定判定されたもの順に、左から右へと表示している。また、異常判定度合いを「進捗度」として表示している。
そして、スキャンツール13の使用者(車両の整備者等)は、例えば図12(A)の表示内容により、異常と確定判定されたのがO2センサのみであるが、O2ヒータにも異常が発生したこと、及び、そのO2ヒータの異常がO2センサに異常が生じる前に発生していたこと、が分かる。これにより、O2ヒータにも異常があるだろうと推定でき、そのO2ヒータの異常がO2センサの異常を引き起こした原因ではないかと推定できる。
また、例えば図12(B)の表示内容によっても、O2センサの異常発生前にO2ヒータに異常が発生していたことが分かる。よって、O2ヒータの異常が図9のようにふらついても、O2ヒータの異常がO2センサの異常より先に発生していたことが分かり、そのO2ヒータの異常がO2センサの異常原因ではないかと推定できる。そして、こうした効果は、図9において、O2ヒータが異常と確定判定されるのが、O2センサが異常と確定判定された時よりも後になったとしても、同様に得られる。
また、例えば図12(C)の表示内容によっても、O2センサの異常発生前にO2ヒータに異常が発生していたことが分かる。更に、O2センサの異常発生時と異常確定時との両方の時において、O2ヒータに異常が生じていたことが分かるため、O2ヒータは、O2センサよりも先に異常になったが、O2センサの異常確定時には未だ異常とも正常とも確定判定されておらず、O2センサよりも後で異常と確定判定された、という状況を把握することができる。
尚、ECU11は、スキャンツール13からの上記異常情報出力要求を受けた場合、あるいは、その異常情報出力要求とは別の出力要求を受けた場合に、異常と確定判定された診断対象についてという限定無しに、異常関連情報記憶領域22aにおける異常毎記憶領域23の各々に記憶されている情報をスキャンツール13へ送信し、スキャンツール13では、その受信した情報の内容を表示するようにしても良い。
以上のようにECU11では、各異常検出部21が、自身の診断対象に異常が発生していると最初に判定した時(初回異常判定時)に、自身の診断対象の識別情報を異常発生部位情報として記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aに記憶すると共に、異常判定実行中フラグがオンになっている他の異常検出部21を特定し、その特定した他の異常検出部21の診断対象の識別情報を、異常関連情報(特に異常発生時の異常関連情報)として、異常関連情報記憶領域22aに、異常発生部位情報としての自身の診断対象の識別情報と対応付けて記憶する。
このため、何れかの診断対象Xについて、異常が発生していると最初に判定された時に、その診断対象Xの識別情報IDxが異常発生部位情報として異常関連情報記憶領域22aに記憶されると共に、その時点よりも前に異常が発生したが未だ異常であるとも正常であるとも確定判定されていない他の診断対象Yがあれば、その診断対象Yの識別情報IDyが、診断対象Xの異常発生時の異常関連情報として、異常関連情報記憶領域22aに、異常発生部位情報としての識別情報IDxと対応付けて記憶されることとなる。
よって、前述した(a)〜(c)の効果が得られる。そして、車両における複数の異常の発生順序を正しく容易に把握できるようになり、故障診断の容易性が向上する。尚、記憶装置22の異常関連情報記憶領域22aが、前述した記憶部に相当するものである。
また、各異常検出部21は、自身の診断対象が異常であると確定判定した時(異常確定時)にも、異常判定実行中フラグがオンになっている他の異常検出部21を特定し、その特定した他の異常検出部21の診断対象の識別情報を、異常関連情報(特に異常確定時の異常関連情報)として、異常関連情報記憶領域22aに、異常発生部位情報としての自身の診断対象の識別情報と対応付けて記憶する。
このため、何れかの診断対象Xについて異常と確定判定された時にも、その時点より前に異常が発生したが未だ異常であるとも正常であるとも確定判定されていない他の診断対象Yがあれば、その診断対象Yの識別情報IDyが、診断対象Xの異常確定時の異常関連情報として、異常関連情報記憶領域22aに、異常発生部位情報としての診断対象Xの識別情報IDxと対応付けて記憶されることとなる。
よって、例えば、ある診断対象Xについて、異常発生時の異常関連情報と、異常確定時の異常関連情報との、両方として、同じ診断対象Yの識別情報IDyが記憶されていたならば、その診断対象Yが、診断対象Xよりも先に異常になったが、診断対象Xの異常確定時には未だ異常とも正常とも確定判定されていなかった、という状況を把握することができるようになる。
更に、各異常検出部21は、異常判定実行中フラグがオンになっている他の異常検出部21から異常判定度合いを取得し、その異常判定度合いも異常関連情報として異常関連情報記憶領域22aに記憶する。
このため、例えば前述したように、O2センサについての異常関連情報として、O2ヒータの識別情報が記憶されていたとすると、その識別情報と一緒に記憶されている異常判定度合いを見ることにより、O2センサの異常発生時や異常確定時において、O2ヒータの診断がどの程度まで進んでいたか(O2ヒータが異常と確定判定されそうだった度合い)を知ることができ有利である。
また、各異常検出部21は、自身の診断対象に異常が発生したと判定したものの、異常であると確定判定することなく正常であると確定判定した場合に、図7の処理を行って、自身が異常関連情報記憶領域22aに記憶した情報を消去する。
このため、正常と確定判定した診断対象についての過去情報は異常関連情報記憶領域22aに残さないこととなり、その異常関連情報記憶領域22aを無駄なく利用できる。
また、ECU11では、マイコン12のCPUが図11の出力処理を行うため、車両の整備者等は、異常関連情報記憶領域22aに記憶された情報を簡単に読み出すことができる。
尚、本実施形態では、図4のS110の処理が異常発生判定手段に相当し、図4のS125の処理が異常確定判定手段に相当し、図4のS110,S150の処理が正常確定判定手段に相当し、図4のS130,S135,S155の処理が状態情報生成手段に相当している。また、図11の出力処理が応答手段に相当している。
[第2実施形態]
第2実施形態では、第1実施形態のECU11に対して以下の点が異なる。
まず、記憶装置22の特定の記憶領域(関連性情報記憶手段に相当)には、各異常検出部21の診断対象の各々について、それと関連性がある他の診断対象(以下、関連診断対象ともいう)がどれであるかを示す関連性テーブル群(関連性情報に相当)が記憶されている。
その関連性テーブル群は、診断対象の1つずつについて、それの関連診断対象を記録した個別の関連性テーブルの集まりである。そして、その各関連性テーブルには、関連診断対象だけでなく、その関連診断対象の関連性の高さを示すインデックス(関連度情報)も含まれている。
例えば、図13は、O2センサの関連性テーブルであるが、それには、O2センサの関連診断対象として、O2ヒータ、ノックセンサ、エアフロセンサが記録されており、更に、その各関連診断対象には、O2センサとの関連性が高いものほど、数値の小さいインデックスが付けられている。尚、図13において、インデックスは、[]で囲んだ数値で示されている。また、既述したように、ある診断対象Xの関連診断対象とは、それに異常が生じると診断対象Xも異常と判定される可能性がある診断対象であって、診断対象Xの異常原因になる可能性がある診断対象のことである。例えば、ノックセンサ又はエアフロセンサに異常が生じると、エンジンの各気筒に対する点火時期又は燃料噴射量が変わるため、排気中の酸素濃度が変わり、O2センサの出力値にも影響が出る。
次に、各異常検出部21は、図5のS250〜S270と、図6のS330〜S350との各々において、関連性テーブル群のうち、自身の診断対象についての関連性テーブルを参照することで、自身の診断対象の関連診断対象を検出し、その関連診断対象に対応した異常検出部21のみを対象にして、異常判定実行中フラグがオンであるか否かを判定する。更に、そのとき、各異常検出部21は、関連性テーブルに含まれる上記インデックスに基づいて、自身の診断対象に対する各関連診断対象の関連性の高さ順を把握し、自身の診断対象との関連性が高い関連診断対象に対応した異常検出部21についてほど、早い順番で、異常判定実行中フラグがオンか否かの判定を行う。つまり、付けられたインデックスの値が小さいもの順に、異常判定実行中フラグがオンか否かを判定する。
以上の構成によれば、異常判定実行中フラグがオンである異常検出部21を特定するための処理負荷を低減することができる。
また、ある診断対象Xについての異常関連情報として、その診断対象Xと関連性がある診断対象に関する情報のみ、異常関連情報記憶領域22aに記憶することとなるため、その異常関連情報記憶領域22aの記憶容量を有効に利用できる。そして、異常原因の可能性がある診断対象に関する情報だけを異常関連情報として記憶することができるため、異常原因の解析を効率良く行うことができるようになる。
更に、ある診断対象Xについての異常関連情報を記憶しようとする場合に、その診断対象Xとの関連性が高い診断対象に対応した異常検出部21についてほど先に、異常判定実行中フラグがオンか否かの判定が行われるため、その診断対象Xについての異常関連情報としては、その診断対象Xとの関連性が高い診断対象に関する情報が優先して先に、異常関連情報記憶領域22aに記憶される。
よって、異常関連情報記憶領域22aにおいて、異常関連情報を記憶するために用意された異常毎記憶領域23における第2領域23b及び第3領域23cには、異常発生部位情報が示す診断対象の異常原因になり易い診断対象についての情報が優先して、異常関連情報として記憶されることとなる。このため有限な第2領域23b及び第3領域23cを有効に利用することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、第1実施形態のECU11に対して以下の点が異なる。
まず、ECU11には、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21を特定可能な識別子が記録される異常判定実行中リストが備えられている。
尚、本実施形態では、異常検出部21の識別子として、その異常検出部21の診断対象の識別情報を用いている。異常検出部21とそれの診断対象とは、一対一に対応しているからである。また、異常判定実行中リストの記憶場所は、例えば、記憶装置22でも良いし、記憶装置22とは別の書き換え可能な不揮発性メモリや、マイコン12の内部又は外部のバックアップRAM等でも良い。
次に、各異常検出部21は、図4の異常検出処理に続いて、図14の異常判定実行中リスト更新処理を行うようになっている。
図14に示すように、異常判定実行中リスト更新処理では、まずS610にて、直前に行った異常検出処理(図4)で、自身の異常判定実行中フラグをオフからオンに反転させたか否かを判定する。
そして、異常判定実行中フラグをオフからオンに反転させたならば、S620に進んで、異常判定実行中リストに、自身の診断対象の識別情報(以下、識別情報のことをIDともいう)を記録し、その後、当該異常判定実行中リスト更新処理を終了する。
また、上記S610にて、異常判定実行中フラグをオフからオンに反転させていないと判定した場合には、S630に移行し、直前に行った異常検出処理(図4)で、自身の異常判定実行中フラグをオンからオフに反転させたか否かを判定する。
そして、異常判定実行中フラグをオンからオフに反転させていなければ、そのまま当該異常判定実行中リスト更新処理を終了するが、異常判定実行中フラグをオンからオフに反転させたならば、S640に進んで、異常判定実行中リストから、自身の診断対象の識別情報(ID)を削除し、その後、当該異常判定実行中リスト更新処理を終了する。
このような異常判定実行中リスト更新処理を各異常検出部21が行うことにより、異常判定実行中リストには、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21の識別子として、その異常検出部21の診断対象の識別情報(ID)が、リアルタイムに記録されることとなる。
更に、各異常検出部21は、図5のS250〜S280に代えて、図15に示す処理を実行するようになっている。
図15に示すように、各異常検出部21は、図5のS240で異常発生時の異常関連情報記憶数が上限数未満であると判定した場合に、S710に進んで、異常判定実行中リストにIDが記録されているか否かを判定し、IDが記録されていなければ、そのまま図5のS290へ移行する。
また、上記S710にて、異常判定実行中リストにIDが記録されていると判定した場合には、S720に進む。
S720では、異常判定実行中リストに記録されているIDのなかから、今回の当該図15の処理を始めてから未だ選択していないものを1つ選択し、その選択したIDに対応した異常検出部21(詳しくは、そのIDが示す診断対象に対応した異常検出部21)から、異常発生時の異常関連情報として記憶すべき情報(診断対象の識別情報及び異常判定度合い)を、図5のS280と同じ手順で取得する。そして、その取得した情報を、異常関連情報記憶領域22aのうち、自身の診断対象の識別情報が第1領域23aに記憶された異常毎記憶領域23の第2領域23bに、1個の異常発生時の異常関連情報として記憶する。尚、異常関連情報として記憶する情報のうち、診断対象の識別情報については、上記選択したIDに対応した異常検出部21から取得するのではなく、選択したID自体を、異常関連情報として記憶しても良い。
そして、次のS730にて、上記S720で未だ選択していないIDがあるか否かを判定し、未選択のIDがあれば、図5のS240に戻り、未選択のIDがなければ、図5のS290に移行する。
また、図15において()内に示しているように、各異常検出部21は、図6のS330〜S360に代えても、図15に示す処理を実行する。
即ち、各異常検出部21は、図6のS320で異常確定時の異常関連情報記憶数が上限数未満であると判定した場合に、S710に進んで、異常判定実行中リストにIDが記録されているか否かを判定し、IDが記録されていなければ、そのまま図6のS370へ移行する。
また、上記S710にて、異常判定実行中リストにIDが記録されていると判定した場合には、S720に進む。そして、S720では、異常判定実行中リストに記録されているIDのなかから、今回の当該図15の処理を始めてから未だ選択していないものを1つ選択し、その選択したIDに対応した異常検出部21から、異常確定時の異常関連情報として記憶すべき情報(診断対象の識別情報及び異常判定度合い)を取得する。そして、その取得した情報を、異常関連情報記憶領域22aのうち、自身の診断対象の識別情報が第1領域23aに記憶された異常毎記憶領域23の第3領域23cに、1個の異常確定時の異常関連情報として記憶する。尚、前述したように、異常関連情報として記憶すべき情報のうち、診断対象の識別情報については、異常判定実行中リストから選択したIDを、異常関連情報として記憶しても良い。
そして、次のS730にて、上記S720で未だ選択していないIDがあるか否かを判定し、未選択のIDがあれば、図6のS320に戻り、未選択のIDがなければ、図6のS370に移行する。
つまり、各異常検出部21は、異常判定実行中フラグがオンになっている他の異常検出部21を特定する際に、異常判定実行中リストを参照して、その異常判定実行中リストに記録されているIDにより、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21を特定するようになっている。
以上のような第3実施形態によれば、各異常検出部21は、異常関連情報を記憶しようとするときに、異常判定実行中リストを参照するだけで、異常判定実行中フラグがオンになっている他の異常検出部21を特定することができる。よって、他の異常検出部21の異常判定実行中フラグを1つずつチェックする処理(図5におけるS250〜S270、図6におけるS330〜S350)を行う必要がなく、処理負荷を低減することができる。特に、異常検出部21の数が多い場合に有効である。また、請求項7の装置に関して述べたように、記憶される異常関連情報の同時性も確保し易くなる。
尚、本第3実施形態では、図14の処理が異常判定実行中リスト更新手段に相当している。
一方、本第3実施形態に対しても、第2実施形態の手法を適用することができる。
即ち、第2実施形態で述べた関連性テーブル群をECU11に設ける。
そして、各異常検出部21は、図15のS710において、自身の診断対象についての関連性テーブルを参照することにより自身の診断対象の関連診断対象を検出し、その関連診断対象のIDについてのみ、異常判定実行中リストに記録されているか否かを判定する。更に、図15のS720で異常判定実行中リストからIDを選択する際には、関連診断対象のIDだけを選択対象とする。また更に、そのS720で異常判定実行中リストから関連診断対象のIDを選択する際には、関連性テーブルに含まれる前述のインデックスに基づいて、自身の診断対象に対する各関連診断対象の関連性の高さ順を把握し、自身の診断対象との関連性が高い関連診断対象のIDほど、早い順番で選択するように構成しても良い。
[第4実施形態]
第4実施形態は、車両に搭載されて互いに通信する複数のECUからなる車載ネットワーク(車載通信システム)に対して、本発明を適用したものである。
図16に示すように、第4実施形態の車載ネットワークは、車両内の通信線15を介して接続された複数(この例では3つ)のECU1〜3から構成されている。
例えば、ECU1は、車両のエンジンを制御するECUであり、ECU2は、トランスミッションを制御するECUであり、ECU3は、他の制御対象を制御するECUである。そして、各ECU1〜3は、互いに通信して制御データ等の各種情報の授受を行う。このため、各ECU1〜3には、通信線15を介して他の装置と通信するためのデータ送受信部25(通信手段に相当)が設けられている。
また、各ECU1〜3は、制御対象に関する制御内容以外については、前述した何れかの実施形態のECU11と同様の構成及び機能を備えたものである。つまり、各ECU1〜3には、1つ以上の異常検出部21と、記憶装置22(図16では図示省略)も備えられている。尚、データ送受信部25は、図1では図示を省略したが、前述したECU11にも設けられているものである。また、本実施形態においても、通信線15にはスキャンツール13が接続可能になっている。
そして、各ECU1〜3の各異常検出部21は、異常発生時あるいは異常確定時の異常関連情報を記憶しようとする際(即ち、図5のS240でYESの場合、あるいは、図6のS320でYESの場合)に、自身が備えられたECU(以下、自ECUという)の他の異常検出部21については、前述した何れかの実施形態と同じ手法により、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21を特定して、その異常検出部21から、異常関連情報として記憶すべき情報(診断対象の識別情報及び異常判定度合い)を取得する。
また、各ECU1〜3の各異常検出部21は、異常発生時あるいは異常確定時の異常関連情報を記憶しようとする際に、自ECU以外のECU(以下、他ECUという)に備えられている他の異常検出部21については、例えば、以下の手順で、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21を特定すると共に、その特定した異常検出部21から、異常関連情報として記憶すべき情報を取得する。
まず、異常検出部21(ここでは、異常検出部21cとする)は、データ送受信部25及び通信線15を介した通信により、他ECUに対して、そのECUに備えられている各異常検出部21の異常判定実行中フラグと診断対象の識別情報及び異常判定度合いとを要求する要求メッセージを送信する。
その要求メッセージを受信したECUは、自身に備えられている各異常検出部21の異常判定実行中フラグと診断対象の識別情報及び異常判定度合いとを、上記要求メッセージの送信元のECUへ送信する。
要求メッセージの送信元である異常検出部21aは、他ECUから送信されて来た各異常判定実行中フラグのオン/オフを判定し、オンである異常判定実行中フラグがあれば、そのオンである異常判定実行中フラグと一緒に送られて来た診断対象の識別情報と異常判定度合いとを、異常関連情報として記憶する。
ところで、このような手順では、各異常検出部21は、他ECUの全てから、そのECUに備えられている全ての異常検出部21の異常判定実行中フラグを通信により取得して、そのフラグのオン/オフを判定する、といった手順を踏むこととなり、異常関連情報として記憶すべき情報を取得するための処理負荷が非常に大きくなる。また、通信データ量も多くなりがちである。そこで次に、こうした点を改善した第5実施形態について説明する。
[第5実施形態]
図17に示す第5実施形態の車載ネットワークは、第4実施形態と比較すると、各ECU1〜3が、前述した第3実施形態のECU11と同様の構成及び機能を備えたものであり、更に、各ECU1〜3には、異常状態記憶部27が備えられている。
そして、異常状態記憶部27には、異常判定実行中リスト28と、ECUリスト29とが格納されている。尚、異常状態記憶部27は、例えば、データの書き換えが可能な不揮発性メモリやバックアップRAMからなる。また、異常状態記憶部27は、記憶装置22における一部の記憶領域でも良い。
異常判定実行中リスト28は、第3実施形態で説明したものである。このため、異常判定実行中リスト28には、その異常判定実行中リスト28が設けられている自ECUにおいて、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21の診断対象のIDが記録される。
また、ECUリスト29は、ECUの識別子であるECUID(ユニット識別子に相当)のうち、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21を有した他ECUのECUIDが記録されるリスト(ユニットリストに相当)である。
そして更に、各ECU1〜3では、それに備えられたマイコン12のCPUが、図18(A),(B)の各処理を一定時間毎に行う。
まず、図18(A)は、他ECUに対して、そのECUにおけるECUリスト29を更新させるための、ECUリスト更新依頼処理を表すフローチャートである。
図18(A)に示すように、マイコン12のCPUは、ECUリスト更新依頼処理を開始すると、まずS810にて、ID未記録状態の(つまり、IDが記録されていない状態の)異常判定実行中リスト28に、診断対象のIDを記録したか否かを判定する。尚、異常判定実行中リスト28へのIDの記録は、前述した図14の処理(S620)によって行われるものである。
そして、上記S810で肯定判定(YESと判定)した場合には、S820に進み、自ECUのECUIDを、他ECUの全てに送信(ブロードキャスト)し、その後、S830に進む。尚、ここで送信されるECUIDには、送信先のECUにおけるECUリスト29への記録要求を意味する情報も含まれている。また、上記S810で否定判定(NOと判定)した場合には、S820をスキップしてS830に進む。
よって、自ECUに設けられている全ての異常検出部21の異常判定実行中フラグがオフになっている状態から、自ECUに設けられている少なくとも1つの異常検出部21の異常判定実行中フラグがオンになった状態に変化すると、自ECUのECUIDを他ECUへ送信することとなる。尚、ECU間の通信は、各ECUに設けられたデータ送受信部25と通信線15を介して行われる。
S830では、ID記録状態の(つまり、IDが記録されていた状態の)異常判定実行中リスト28から、IDが全て削除されたか否かを判定する。
そして、上記S830で肯定判定した場合には、S840に進み、自ECUのECUIDの消去を要求するID消去要求を、他ECUの全てに送信(ブロードキャスト)し、その後、当該ECUリスト更新依頼処理を終了する。また、上記S830で否定判定した場合には、S840をスキップして、当該ECUリスト更新依頼処理を終了する。
よって、自ECUに設けられている少なくとも1つの異常検出部21の異常判定実行中フラグがオンになっている状態から、自ECUに設けられている全ての異常検出部21の異常判定実行中フラグがオフになった状態に変化すると、自ECUのECUIDの消去を要求するID消去要求を他ECUへ送信することとなる。
次に、図18(B)は、自ECUにおけるECUリスト29を更新するための、ECUリスト更新処理を表すフローチャートである。
図18(B)に示すように、マイコン12のCPUは、ECUリスト更新処理を開始すると、まずS850にて、他ECUからのECUIDを受信したか否かを判定する。尚、ここで受信の有無を判定するECUIDは、他ECUにおいて、図18(A)のS820の処理により送信されたものである。
そして、他ECUからのECUIDを受信していなければ、そのままS870に移行するが、他ECUからのECUIDを受信したならば、S860に進んで、その受信したECUIDを、自ECUのECUリスト29に記録し、その後、S870に進む。
S870では、他ECUからのID消去要求を受信したか否かを判定する。尚、ここで受信の有無を判定するID消去要求は、他ECUにおいて、図18(A)のS840の処理により送信されたものである。
そして、他ECUからのID消去要求を受信していなければ、そのまま当該ECUリスト更新処理を終了するが、他ECUからのID消去要求を受信したならば、S880に進んで、その受信したID消去要求が示すECUIDを、自ECUのECUリスト29から消去する。そして、その後、当該ECUリスト更新処理を終了する。
このような図18(A),(B)の処理が各ECU1〜3で行われることにより、各ECU1〜3のECUリスト29には、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21を有した他ECUのECUIDがリアルタイムに記録されることとなる。
更に、各ECU1〜3における各異常検出部21は、図5のS250〜S280に代わる図15の処理(即ち、異常発生時の異常関連情報を記憶しようとする際に行う処理)において、S710とS730との何れかでNOと判定した場合に、図19に示す処理を行い、その図19の処理を終えたら、図5のS290に移行する。
即ち、図15におけるS710とS730との何れかでNOと判定した場合には、図19のS910に進んで、自ECUのECUリスト29にECUIDが記録されているか否かを判定する。
そして、ECUIDが記録されていなければ、そのまま図5のS290に移行するが、ECUIDが記録されていれば、S920に進み、その記録されていたECUIDが示す他ECUに対して、異常関連情報要求を送信する。そして、その後、S930に進む。
尚、後述するように、各ECU1〜3は、他ECUからの上記異常関連情報要求を受信すると、自ECUにおいて、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21から、異常関連情報として記憶されるべき情報(その異常検出部21の診断対象の識別情報と異常判定度合い)を取得し、その取得した情報を、異常関連情報要求の送信元であるECUへ送信する。
そこで、S930では、上記S920で送信した異常関連情報要求に応答して他ECUから異常関連情報が送られて来るまで待ち、他ECUからの異常関連情報を受信したならば、S940に進む。尚、ある制限時間以内に異常関連情報を受信できなければ、例えば、異常関連情報要求の再送信を行うか、あるいは、そのまま当該図19の処理を終えて図5のS290に移行する。
そして、S940では、受信した異常関連情報を、異常関連情報記憶領域22aのうち、自身の診断対象の識別情報が第1領域23aに記憶された異常毎記憶領域23の第2領域23bに、異常発生時の異常関連情報として記憶する。
尚、ECUリスト29に複数のECUIDが記録されていた場合には、例えば、そのECUIDの1つずつについてS920〜S940の処理を行う。また、S940での記憶処理によって、異常発生時の異常関連情報記憶数が上限数に達したなら、たとえ異常関連情報要求を送信していない他ECUが残っていたり、他ECUから受信したが未記憶の異常関連情報が残っていても、仕方がないので、当該図19の処理を終えて図5のS290へ移行する。
同様に、各ECU1〜3における各異常検出部21は、図6のS330〜S360に代わる図15の処理(即ち、異常確定時の異常関連情報を記憶しようとする際に行う処理)において、S710とS730との何れかでNOと判定した場合にも、図19に示す処理を行い、その図19の処理を終えたら、該図19の()内に示しているように、図6のS370へ移行する。但し、この場合の図19におけるS940では、他ECUから受信した異常関連情報を、異常関連情報記憶領域22aのうち、自身の診断対象の識別情報が第1領域23aに記憶された異常毎記憶領域23の第3領域23cに、異常確定時の異常関連情報として記憶する。
また、各ECU1〜3では、それに備えられたマイコン12のCPUが、前述した異常関連情報要求に応答するための処理として、図20の異常関連情報送信処理を一定時間毎に行う。
図20に示すように、マイコン12のCPUは、異常関連情報送信処理を開始すると、まずS1010にて、他ECUからの異常関連情報要求を受信したか否かを判定する。尚、ここで受信の有無を判定する異常関連情報要求は、他ECUの何れかの異常検出部21が図19のS920の処理を行うことで該他ECUから送信されるものである。
そして、他ECUからの異常関連情報要求を受信していなければ、そのまま当該異常関連情報送信処理を終了するが、異常関連情報要求を受信したならば、S1020に進む。
S1020では、自ECUの異常判定実行中リスト28にID(即ち、自ECUにおいて、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21の診断対象の識別情報)が記録されているか否かを判定し、IDが記録されていなければ、そのまま当該異常関連情報送信処理を終了するが、異常判定実行中リスト28にIDが記録されていれば、S1030に進む。尚、他ECUからの異常関連情報要求を受ける場合、正常ならば、自ECUの異常判定実行中リスト28に少なくとも1つはIDが記録されているはずであるため、S1020の判定は念のための確認処理である。
S1030では、異常判定実行中リスト28に記録されているIDに対応した異常検出部21から、異常関連情報として記憶すべき情報(診断対象の識別情報及び異常判定度合い)を、図5のS280や図15の720と同じ手順で取得する。そして、その取得した情報を、異常関連情報要求の送信元のECU(要求元のECU)へ送信し、その後、当該異常関連情報送信処理を終了する。尚、異常関連情報として送信する情報のうち、診断対象の識別情報については、異常検出部21から取得するのではなく、異常判定実行中リスト28に記録されていたID自体を送信しても良い。
以上のような第5実施形態によれば、各ECUの各異常検出部21は、他ECUの全てから、そのECUに備えられている全ての異常検出部21の異常判定実行中フラグを通信により取得して、そのフラグのオン/オフを判定する、といった手順を踏まなくても、他ECUから、異常関連情報として記憶すべき情報を取得することができる。よって、各異常検出部21が異常関連情報の記憶に要する所要時間を短くすることができる。
また、ECUリスト29にECUIDが記録されている他ECUのみに異常関連情報要求を通信することと、そのECUからは、異常判定実行中フラグがオンになっている異常検出部21についての情報であって、異常関連情報として記憶すべき情報だけが送信されるため、通信データ量を抑制することができる。
また更に、ECUリスト29へのECUIDの記録及び消去が、動的に行われる構成であるため、車載ネットワークを構成するECUの数が増減したり、ECUが入れ替わったりしても、設計変更無しに対応することができる。
尚、本実施形態では、図18(A)のS810,S820の処理がユニット識別子送信手段に相当し、図18(B)のS850,S860の処理が識別子記録手段に相当し、図18(A)のS830,S840の処理が消去要求送信手段に相当し、図18(B)のS870,S880の処理が識別子消去手段に相当している。また、図20の処理が異常関連情報送信手段に相当している。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、異常関連情報として、それを記憶した時の時刻情報も異常関連情報記憶領域22aに記憶するように構成しても良い。また、異常関連情報として、異常判定度合いを記憶しない構成でも良い。
また、図7の処理を行わない構成でも良い。そのように構成すれば、ある診断対象に異常が発生したが異常確定に至ることなく該診断対象が正常復帰して正常と確定判定された場合にも、その診断対象に異常が発生した履歴と異常関連情報とが異常関連情報記憶領域22aに残ることとなる。つまり、一度でも異常が発生したことがあれば、異常確定に至らなくても、異常発生部位情報と異常関連情報が残ることとなる。更に、その変形の場合に、図5におけるS210の判定を削除して、ある診断対象の正常確定後の最初の異常発生時毎に、その診断対象についての異常発生部位情報及び異常関連情報が更新して記憶されるようにすることもできる。
また、図4のS125で判定する異常確定条件としては、異常判定条件が成立していると判定した連続回数ではなく、累積回数が異常確定閾値に達した、という条件でも良い。同様に、図4のS150で判定する正常確定条件としては、正常判定条件が成立していると判定した累積回数が正常確定閾値に達した、という条件でも良い。また、異常判定条件と正常判定条件との成立/非成立を判定する間隔が一定時間でない構成でも良い。
また、異常検出部21はハードウェア回路によって構成しても良い。
1,2,3,11…ECU(電子制御ユニット)、12…マイコン、13…スキャンツール、15…通信線、21(21a,21b,21c)…異常検出部、22…記憶装置、22a…異常関連情報記憶領域、23…異常毎記憶領域、23a…第1領域、23b…第2領域、23c…第3領域、25…データ送受信部、27…異常状態記憶部、28…異常判定実行中リスト、29…ECUリスト

Claims (10)

  1. 車両における複数の診断対象毎に、その診断対象の異常を検出するための異常検出部を備えると共に、
    前記各異常検出部は、
    診断対象が異常判定条件を満たしているか否かにより、該診断対象に異常が発生しているか否かを判定する異常発生判定手段と、
    前記異常発生判定手段により異常が発生していると判定された回数である異常判定回数が、異常確定閾値に達すると、前記診断対象が異常であると確定判定する異常確定判定手段と、
    前記診断対象が正常判定条件を満たしているか否かを判定すると共に、前記正常判定条件を満たしていると判定した回数が正常確定閾値に達すると、前記診断対象が正常であると確定判定する正常確定判定手段と、
    前記異常発生判定手段により異常が発生していると判定されたが、前記異常確定判定手段及び前記正常確定判定手段の何れにも確定判定されていない状態である異常判定実行中であるか否かを判定して、その判定結果を示す状態情報を生成する状態情報生成手段と、
    を備えており、
    更に、前記各異常検出部は、
    前記異常発生判定手段によって自身の診断対象に異常が発生していると最初に判定された時である初回異常判定時に、自身の診断対象の識別情報を、異常発生部位情報として記憶部に記憶すると共に、他の異常検出部のうちで、前記状態情報が前記異常判定実行中を示している異常検出部を特定し、その特定した他の異常検出部の診断対象の識別情報を、異常関連情報として、前記記憶部に、前記異常発生部位情報としての自身の診断対象の識別情報と対応付けて記憶すること、
    を特徴とする故障診断用情報収集装置。
  2. 請求項1に記載の故障診断用情報収集装置において、
    前記各異常検出部は、
    前記異常確定判定手段によって自身の診断対象が異常であると確定判定された時である異常確定時にも、他の異常検出部のうちで、前記状態情報が前記異常判定実行中を示している異常検出部を特定し、その特定した他の異常検出部の診断対象の識別情報を、異常関連情報の1つである異常確定時の異常関連情報として、前記記憶部に、前記異常発生部位情報としての自身の診断対象の識別情報と対応付けて記憶すること、
    を特徴とする故障診断用情報収集装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の故障診断用情報収集装置において、
    前記各異常検出部は、
    前記特定した他の異常検出部から、その異常検出部における前記異常判定回数の前記異常確定閾値に対する割合を示す異常判定度合いを取得し、その異常判定度合いを、前記特定した他の異常検出部の診断対象の識別情報と一緒に、前記異常関連情報として前記記憶部に記憶すること、
    を特徴とする故障診断用情報収集装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の故障診断用情報収集装置において、
    前記各異常検出部の診断対象の各々について、それと関連性がある他の診断対象を示す関連性情報を記憶した関連性情報記憶手段を備え、
    前記各異常検出部は、
    他の異常検出部のうちで、前記状態情報が前記異常判定実行中を示している異常検出部を特定する際に、前記関連性情報を参照して、自身の診断対象と関連性がある他の診断対象である関連診断対象を検出し、その関連診断対象に対応した異常検出部のみについて、前記状態情報が前記異常判定実行中を示しているか否かを判定すること、
    を特徴とする故障診断用情報収集装置。
  5. 請求項4に記載の故障診断用情報収集装置において、
    前記関連性情報には、前記関連性がある他の診断対象の関連性の高さを示す関連度情報も含まれており、
    前記各異常検出部は、
    前記関連診断対象が複数ある場合、前記関連度情報に基づいて、自身の診断対象に対する前記各関連診断対象の関連性の高さ順を把握し、前記各関連診断対象に対応した異常検出部のうち、自身の診断対象との関連性が高い関連診断対象に対応した異常検出部についてほど、早い順番で、前記状態情報が前記異常判定実行中を示しているか否かの判定を行うこと、
    を特徴とする故障診断用情報収集装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の故障診断用情報収集装置において、
    前記各異常検出部は、
    自身の診断対象が、前記異常確定判定手段により異常であると確定判定されることなく、前記正常確定判定手段により正常であると確定判定されたなら、自身が前記記憶部に記憶した情報を該記憶部から消去すること、
    を特徴とする故障診断用情報収集装置。
  7. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の故障診断用情報収集装置において、
    前記状態情報が前記異常判定実行中を示している異常検出部を特定可能な識別子が記録される異常判定実行中リストを備え、
    前記各異常検出部は、
    当該異常検出部の前記状態情報が前記異常判定実行中を示すものになると、前記異常判定実行中リストに、当該異常検出部を特定可能な識別子を記録し、当該異常検出部の前記状態情報が前記異常判定実行中でないことを示すものになると、前記異常判定実行中リストから、当該異常検出部を特定可能な識別子を消去する異常判定実行中リスト更新手段を備え、
    更に、前記各異常検出部は、
    他の異常検出部のうちで、前記状態情報が前記異常判定実行中を示している異常検出部を特定する際に、前記異常判定実行中リストを参照して、該異常判定実行中リストに記録されている前記識別子により、前記状態情報が前記異常判定実行中を示している異常検出部を特定すること、
    を特徴とする故障診断用情報収集装置。
  8. 請求項7に記載の故障診断用情報収集装置において、
    前記各異常検出部は、
    自身の診断対象が、前記異常確定判定手段により異常であると確定判定されることなく、前記正常確定判定手段により正常であると確定判定されたなら、自身が前記記憶部に記憶した情報を該記憶部から消去すること、
    を特徴とする故障診断用情報収集装置。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の故障診断用情報収集装置において、
    前記異常検出部は、前記車両に搭載されて互いに通信する複数の電子制御ユニットの各々に1つ以上ずつ設けられ、
    前記各電子制御ユニットは、
    他の電子制御ユニットと通信するための通信手段と、
    前記状態情報が前記異常判定実行中を示している異常検出部を有した他の電子制御ユニットを示すユニット識別子が記録されるユニットリストと、
    当該電子制御ユニットに設けられている全ての異常検出部の前記状態情報が前記異常判定実行中でないことを示している状態から、当該電子制御ユニットに設けられている少なくとも1つの異常検出部の前記状態情報が前記異常判定実行中を示している状態に変化すると、当該電子制御ユニットのユニット識別子を、他の電子制御ユニットへ前記通信手段を介して送信するユニット識別子送信手段と、
    他の電子制御ユニットの前記ユニット識別子送信手段によって送信されたユニット識別子が前記通信手段により受信されると、その受信されたユニット識別子を前記ユニットリストに記録する識別子記録手段と、
    当該電子制御ユニットに設けられている少なくとも1つの異常検出部の前記状態情報が前記異常判定実行中を示している状態から、当該電子制御ユニットに設けられている全ての異常検出部の前記状態情報が前記異常判定実行中でないことを示している状態に変化すると、当該電子制御ユニットのユニット識別子の消去を要求する消去要求を、他の電子制御ユニットへ前記通信手段を介して送信する消去要求送信手段と、
    他の電子制御ユニットの前記消去要求送信手段によって送信された消去要求が前記通信手段により受信されると、その消去要求が示すユニット識別子を前記ユニットリストから消去する識別子消去手段と、を備えており、
    前記各異常検出部は、
    他の異常検出部のうちで、前記状態情報が前記異常判定実行中を示している異常検出部を特定する際に、自身が設けられた電子制御ユニットの前記ユニットリストを参照し、該ユニットリストにユニット識別子があれば、そのユニット識別子が示す他の電子制御ユニットに対して、自身が前記記憶部に前記異常関連情報として記憶すべき情報を要求する異常関連情報要求を、自身が設けられた電子制御ユニットの前記通信手段を介して送信すると共に、その送信した異常関連情報要求に対して前記他の電子制御ユニットから送信された情報が、自身が設けられた電子制御ユニットの前記通信手段によって受信されると、その受信された情報を前記異常関連情報として前記記憶部に記憶し、
    更に、前記各電子制御ユニットは、
    他の電子制御ユニットから送信された前記異常関連情報要求が前記通信手段により受信されると、当該電子制御ユニットにおいて、前記状態情報が前記異常判定実行中を示している異常検出部を特定すると共に、その特定した異常検出部についての情報であって、前記異常関連情報として前記記憶部に記憶されるべき情報を取得し、その取得した情報を、前記異常関連情報要求の送信元である電子制御ユニットへ、前記通信手段を介して送信する異常関連情報送信手段、を備えていること、
    を特徴とする故障診断用情報収集装置。
  10. 請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載の故障診断用情報収集装置において、
    他の装置から、前記記憶部に記憶された情報を要求する出力要求を受けると、前記記憶部に記憶されている情報を前記他の装置に出力する応答手段を備えていること、
    を特徴とする故障診断用情報収集装置。
JP2010023163A 2010-02-04 2010-02-04 故障診断用情報収集装置 Expired - Fee Related JP5347997B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010023163A JP5347997B2 (ja) 2010-02-04 2010-02-04 故障診断用情報収集装置
DE102011003444.7A DE102011003444B4 (de) 2010-02-04 2011-02-01 Diagnoseinformationssammelvorrichtung
US13/021,087 US8463489B2 (en) 2010-02-04 2011-02-04 Diagnostic information collection apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010023163A JP5347997B2 (ja) 2010-02-04 2010-02-04 故障診断用情報収集装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011163769A JP2011163769A (ja) 2011-08-25
JP5347997B2 true JP5347997B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=44316267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010023163A Expired - Fee Related JP5347997B2 (ja) 2010-02-04 2010-02-04 故障診断用情報収集装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8463489B2 (ja)
JP (1) JP5347997B2 (ja)
DE (1) DE102011003444B4 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10908890B2 (en) 2016-06-09 2021-02-02 Denso Corporation Vehicle device
US11685359B2 (en) 2016-06-09 2023-06-27 Denso Corporation Vehicle device

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5208872B2 (ja) * 2009-07-15 2013-06-12 日立オートモティブシステムズ株式会社 車両搭載機器の制御装置のメモリ診断装置
JP5141760B2 (ja) * 2010-12-28 2013-02-13 株式会社デンソー 車両の挙動データ記憶制御システム、電子制御装置、データ記憶装置
JP5206801B2 (ja) * 2011-01-19 2013-06-12 株式会社デンソー 車両の挙動データ記憶制御システム、電子制御装置
JP5621937B2 (ja) * 2011-08-24 2014-11-12 日本電気株式会社 運用管理装置、運用管理方法、及びプログラム
KR101491339B1 (ko) 2013-11-04 2015-02-06 현대오트론 주식회사 전자 제어 유닛 및 전자 제어 유닛의 동작 방법
SE537650C2 (sv) 2013-12-03 2015-09-15 Scania Cv Ab Förfarande och system vid aktivering av en felkod i ett styrsystem, samt fordon innefattande systemet
KR101786228B1 (ko) * 2015-12-01 2017-10-18 현대자동차주식회사 차량 고장 진단방법
CN106778171B (zh) * 2016-12-08 2019-11-19 深圳市元征科技股份有限公司 车辆诊断方法及装置
TWI741657B (zh) * 2020-06-23 2021-10-01 交通部運輸研究所 使用車上診斷機在低排放區的管制平台及方法
CN112026787A (zh) * 2020-07-28 2020-12-04 北汽福田汽车股份有限公司 故障信息处理方法、装置、车辆和存储介质

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2907873B2 (ja) * 1989-06-30 1999-06-21 マツダ株式会社 車両の故障診断装置
JP3138709B2 (ja) 1993-12-21 2001-02-26 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 車両用電子制御装置の自己故障診断方法及び装置
JP2006176049A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Toyota Motor Corp 異常検出装置およびそれを搭載した車両
JP4747683B2 (ja) * 2005-05-31 2011-08-17 日産自動車株式会社 車載電子制御システム及びその故障診断方法、並びに車載電子制御装置
JP2008165335A (ja) 2006-12-27 2008-07-17 Mitsubishi Electric Corp 車両用電子制御装置
JP4306765B2 (ja) * 2007-06-08 2009-08-05 株式会社デンソー 故障診断用情報収集装置
JP2009058400A (ja) 2007-08-31 2009-03-19 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置の検査装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10908890B2 (en) 2016-06-09 2021-02-02 Denso Corporation Vehicle device
US11685359B2 (en) 2016-06-09 2023-06-27 Denso Corporation Vehicle device

Also Published As

Publication number Publication date
DE102011003444A8 (de) 2012-04-05
US8463489B2 (en) 2013-06-11
US20110190978A1 (en) 2011-08-04
JP2011163769A (ja) 2011-08-25
DE102011003444B4 (de) 2022-01-27
DE102011003444A1 (de) 2011-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5347997B2 (ja) 故障診断用情報収集装置
JP5272507B2 (ja) 電子制御装置
WO2018043381A1 (ja) 車載更新システム、車載更新装置及び通信装置の更新方法
JP6696468B2 (ja) 車載更新装置及び車載更新システム
JP4306765B2 (ja) 故障診断用情報収集装置
JP5798332B2 (ja) 車両情報取得システム及び車両情報取得方法
JP5278498B2 (ja) データ記憶装置
JP5206737B2 (ja) 電子制御装置及び情報管理システム
US7962258B2 (en) Operator-side system and mode file identifying method
JP4442617B2 (ja) 電子制御装置
JP2008024015A (ja) 車載システム及びそれを搭載した車両
JP2005041437A (ja) 車両診断方法、車両診断システム、車両およびセンター
JP5527420B2 (ja) 車両データ取得システム及び車両データ取得方法
US11422916B2 (en) Usage amount monitoring method and monitoring unit of electronic control unit for vehicle
JP2009116576A (ja) 車両情報記録装置、車両情報収集装置および車両情報記録収集システム
JP2014231305A (ja) 車載制御装置及び車載制御システム
CN111091202B (zh) 车辆管理***、车辆管理装置及车辆管理方法
JP2020147249A (ja) 電子制御装置、サーバ、通信システム
JP5617901B2 (ja) 電子制御装置
JP4964559B2 (ja) 車両データ収集装置および車両データ収集方法
JP2017082702A (ja) 車載電子制御装置
JP6435880B2 (ja) 電子制御装置
JP2004036506A (ja) 異常事象関連データ保存装置、その方法及びそのプログラム
JP2018120265A (ja) 車両の制御装置
JP2005044311A (ja) 車両診断方法、車両診断システム、車両およびセンター

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130805

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5347997

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees