JP5347713B2 - 高分子アクチュエータ - Google Patents

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本発明は、高分子材料の伸縮や変形を駆動原理として構成される高分子アクチュエータに関する。
従来、イオン交換樹脂や誘電ポリマー等の伸縮及び変形を駆動原理とする高分子アクチュエータが知られている。この高分子アクチュエータの一構成例として、導電性高分子素子を構成する導電性高分子膜と、該導電性高分子膜の両面に接合される2枚の薄膜電極とを備えて構成されるものがある。
前記高分子アクチュエータに係る技術文献として、下記特許文献1〜4がある。下記特許文献1には、薄膜構造とされたイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜の表面に、一端が電極に接続された金属薄膜電極を接触させながら螺旋状に巻き付けたアクチュエータ膜の構造が開示されている。
下記特許文献2には、電解液が封入される筒状の容器内に、複数の導電性高分子膜を該膜の厚み方向に積層してなる導電性高分子素子を前記電解液に浸漬し高分子アクチュエータにおいて、電極を前記導電性高分子膜の全域に跨るように蛇行形状をなして配設する技術が開示されている。
下記特許文献3には、シート状の導電性高分子膜の一方面に帯状の伸縮性薄膜電極を複数並設するとともに、各伸縮性薄膜電極の一端部にリード線を接続したものをロール状に巻いて構成した変換器が記載されている。
下記特許文献4には、高分子材料で構成された円筒形状をなすチューブの外壁及び内壁にバネをそれぞれ密着され、これらのバネを電極として用いることにより、前記チューブを軸方向に伸縮させる高分子アクチュエータが開示されている。
特開2005−176412号公報 特開2006−42447号公報 米国特許第6891317号明細書 特開2007−155912号公報
前記特許文献3に開示されている変換器にあっては、導電性高分子膜の表面に伸縮性薄膜電極が接合されているため、導電性高分子膜が変形すると、この変形に伴って薄膜電極も薄く引き延ばされていく。ここで、この伸縮性薄膜電極は、伸縮性の良い導電性高分子材で構成されており電気抵抗が大きい。よって、該電気抵抗による大きな電圧降下が発生し、伸縮性薄膜電極のうち前記リード線との接続点から遠い部位ほど変形効率が悪化するという問題がある。
また、前記特許文献3の変換器においては、シート状の導電性高分子膜の一方面に帯状の伸縮性薄膜電極を複数並設する工程や、各伸縮性薄膜電極の一端部にリード線を接続する工程が必要であり、これらの工程は非常に手間や時間がかかる。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、高い変形効率を有する安価な高分子アクチュエータを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、電圧の印加により伸縮する、高分子材料からなるシート状の伸縮体が、ロール状に巻かれて積層状に形成された高分子アクチュエータであって、前記伸縮体に接触する態様で層間に配設された導電線が立体的形状を成し、前記各層はそれぞれ電極を有するとともに当該層の電極が隣接する層の電極と接触し、互いに接触する2つの前記電極は同一極性とされ、前記2つの電極間に前記導電線が配設されており、同一極性とされる前記2つの電極及び該電極間に配設される導電線の組が少なくとも2組備えられており、隣接する組同士は異極性とされているものである。
この発明によれば、導電線を前記伸縮体に接触する態様で層間に配設するようにしたので、前記伸縮体のできるだけ広い部位を伸縮させることが可能となる。また、前記導電線を、立体的形状を成すように配設したので、前記伸縮体の伸縮に合わせて前記導電線がなす立体的形状が変形可能となる。その結果、導電線が前記伸縮体の伸縮に対する抵抗となるのを防止又は抑制することができる。
また、本発明に係る高分子アクチュエータは、前記導電線を、前記伸縮体に張り巡らしてロール状に巻くだけで製作できるため、従来技術に比して手間や時間を削減することができる。その結果、安価な高分子アクチュエータを実現することができる。
前記立体的形状としては、請求項2に記載の発明のように、前記立体的形状は、ロール軸に平行な面に前記導電線を正射影したとき、及び、ロール軸と直交する面に前記導電線を正射影したときに、各正射影がそれぞれ線分となる形状が想定される。その形状の一例としては螺旋形状が想定され、特にその中でも、請求項3に記載の発明のようにロール軸と平行な一方向に向かうほど螺旋径が大きくなる螺旋形状が好ましい。このような形状を採用することで、伸縮体のできるだけ広い範囲に亘って導電線が配設されるため、伸縮体の高い変形効率を確保することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の高分子アクチュエータにおいて、前記導電線は、前記伸縮体に導電性を有する接着剤を用いて固定されているものである。
この発明によれば、前記導電線を、導電性を有する接着剤を用いて前記伸縮体に固定したので、前記伸縮体の伸縮に合わせて前記導電線が成す立体的形状が変化する。これにより、導電線が前記伸縮体の伸縮に対する抵抗となるのを防止又は抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の高分子アクチュエータにおいて、前記導電線が、当該高分子アクチュエータのロール軸方向における端部から顕出されているものである。
この発明によれば、前記導電線を、当該高分子アクチュエータのロール軸方向における端部から顕出したので、導電線の顕出端と電力源とを接続するだけで当該高分子アクチュエータを所定位置に設置することができ、当該高分子アクチュエータの設置を簡単に行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の高分子アクチュエータにおいて、前記導電線を、当該高分子アクチュエータのロール軸方向における両端部に亘って配設したものである。
この発明によれば、当該高分子アクチュエータの両端部を固定し、ロール軸方向の中心部分を大きく変形させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の高分子アクチュエータにおいて、前記導電線を、内径側に向かうほど、巻線間のピッチが短くなるように配設したものである。
内径側ほど径が短くなるので、導電線が成す形状が変形する場合に、内径側ほどロール軸方向に変形する余裕が少ない。そこで、本発明のように、前記導電線を、内径側に向かうほど、巻線間のピッチが短くなるように配設することで、内径側の部位におけるロール軸方向への変形の余裕を、外径側の部位におけるロール軸方向への変形の余裕と同等にすることができ、できるだけ伸縮体全域で均一に変形させることが可能となる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至の何れか一項に記載の高分子アクチュエータにおいて、前記各導電線は、当該高分子アクチュエータのロール軸方向における同一端部において、ロール軸に対して対称位置で顕出しているものである。
この発明によれば、前記各導電線を、当該高分子アクチュエータのロール軸方向における同一端部において、ロール軸に対して対称位置で顕出したので、周方向に同一の位置で各導電線を顕出させる構成に比して、導電線同士が接触してショートする可能性が低くなる。
前記伸縮体としては、請求項に記載の発明のように、前記伸縮体は、誘電ポリマーと、該誘電ポリマーの表裏面にそれぞれ設けられた伸縮性電極とを有して成るものが採用可能である。
本発明によれば、高い変形効率を有する安価な高分子アクチュエータを実現することができる。
本発明に係る高分子アクチュエータの第1の実施形態の外観斜視図である。 シート体の構造を説明するための図である。 シート体に電圧を印加した場合の該シート体の動作を説明するための図である。 金属導線の配設形態を示す図である。 高分子アクチュエータのロール軸方向に直交する面で切断した時の断面図である。 高分子アクチュエータの動作を説明するための図である。 金属導線の他の配設形態を示す図である。 金属導線の他の配設形態を示す図である。 金属導線の他の配設形態を示す図である。 金属導線の他の配設形態を示す図である。 金属導線の他の配設形態を示す図である。 金属導線の他の配設形態を示す図である。 金属導線の他の配設形態を示す図である。 金属導線の他の配設形態を示す図である。
以下、図面を用いて本発明に係る高分子アクチュエータの実施形態を説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る高分子アクチュエータの第1の実施形態の外観斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る高分子アクチュエータ1は、後述するシート体4がロール状に巻かれて成るロール部2と、該ロール部2に電圧を印加するための金属導線3とを有して構成されている。
ロール部2を構成するシート体4は、図2に示すように、高い誘電率を有する薄膜状の弾性誘電ポリマーシート5と、例えば炭素粉を高密度に塗布又はゴムに混合させて成る伸縮可能な伸縮性電極6,7とを有して構成されている。
前記弾性誘電ポリマーシート5は、例えばゴム等の低弾性率のポリマーに誘電率を高める添加物を添加して構成されたものであり、当該高分子アクチュエータ1が製造される前の状態(平面状に展開した状態)では帯状を有する。
伸縮性電極6,7は、固化すると伸縮性を有する導電性接着剤等を用いて、帯状を有する前記弾性誘電ポリマーシート5の表面及び裏面の全域にそれぞれ貼り付けられている。
このようにして構成されたシート体4は、図3に示すように、その厚み方向に電圧を印加すると、平面方向に伸長する。
伸縮性電極6,7の表面には、固化すると伸縮性をもつ導電性接着剤からなる接着剤層が設けられており、前記金属導線3は、この接着剤層を用いて前記シート体4に貼り付けられている。
具体的には、図4に示すように、前記金属導線3は、前記シート体4の長手方向に平行な長辺のうち一方の長辺(以下、第1長辺という)10上の2つの頂点P1,P2の近傍に位置する、前記第1長辺10上の所定位置P1,P2を通るように貼り付けられている。また、前記シート体4の長手方向における中央位置を示す線分を中央線Lというものとすると、前記金属導線3は、他方の長辺(以下、第2長辺という)11と前記中央線Lの延長線との交差点P5より所定量だけ外方の位置P6で屈曲した態様で伸縮性電極6,7に貼り付けられる。さらに、この屈曲部を境界として前記金属導線3を2つの部位に分けた場合に、一方の部位が表面に貼り付けられ、他方の部位が裏面に貼り付けられる。
金属導線3が貼り付けられたシート体4は、前記中心線Lで2つ折りにされた上で、シート体4の長手方向に沿ってロール状に巻かれる。その際、前記中央線L側の部位がロールの内径側となるように、その中央線L側の部位からロール状に巻き始められる。本実施形態に係る高分子アクチュエータ1は、以上のようにして作成されたものである。
この高分子アクチュエータ1においては、そのロールの中心軸を通る面による一方の切断面に着目すると、図5に示すように、同極性となる伸縮性電極6,7同士が対向する電極層が複数積層した形態を成し、且つ、交互に極性の異なる電極層が並ぶ態様となる。また、図1に示すように、金属導線3は、対向する2つの伸縮性電極6,7に挟まれた状態で螺旋形状を成し、その螺旋形状は、ロールの内径側に向かうほど螺旋の径が小さくなるものとなる。
前記金属導線3のうち前記中央線Lの近傍でロール部2から顕出する部分は、前記屈曲部で切断される。これにより、金属導線3は2本に分断され、このとき、各伸縮性電極6,7にそれぞれ各金属導線3が1本ずつ接することとなる。なお、長辺10側の端部から顕出する金属導線3の端部は、ロール部2の端面に合わせて切り落とされる。
本実施形態に係る高分子アクチュエータ1は、図6に示すように、2本の金属導線3が互いに異なる極性となるように、各金属導線3のロール部2から顕出する端部から各金属導線3に電圧が印加されることにより、伸縮性電極6,7には互いに異なる極性の電荷が蓄積し、その電荷のクーロン力によって伸縮性電極6と伸縮性電極7との間の距離が縮まる結果、ロールの径方向に小さくなる一方、ロールの中心軸方向に大きく伸長する。
ここで、金属配線3は、螺旋形状を成しており、ロール軸方向と直交する方向の成分を持つ。そのため、金属配線3の成す形状がロール軸方向に変形する余裕があり、金属配線3は、ロール軸方向へのロール部2の伸長に対して容易に追従する。図6における左側の図は電圧を印加していない状態を示し、右側の図は電圧を印加した状態を示している。なお、図における金属配線3はワイヤー状の金属線で説明したが、幅を持った薄い帯状の金属線を使った場合でも同様の効果が得られる。
以上のように、本実施形態では、金属導線3をシート体4に接触させ、且つ、シート体4のできるだけ広い領域に亘って線接触させるようにし、シート体4を巻いて金属導線3が螺旋形状を成すように構成したので、金属導線3を伸縮性電極に点接触する従来技術に比べ、シート体4の全域に亘ってより均一な電圧を印加する状態にする(シート体4の全域に亘って電位勾配が無い又は少ない状態にする)ことができ、各部位によって変形量に偏りが無い又は少ない変形効率の高い高分子アクチュエータを実現することができる。
また、本実施形態では、シート体に金属導線3を直線的に貼り渡すとともに、金属導線3をシート体4の表面から裏面にかけて貼り渡すという簡単な配設方法を採用したので、変形効率の高い高分子アクチュエータを低コストで製造することができる。
また、本実施形態に係る高分子アクチュエータ1は、ロール軸方向に伸縮動作を行うことを利用して、両端部のうち、金属導線3が顕出する側の端部が固定端、反対側の端部が自由端(力を及ぼす端部)として利用される。したがって、高分子アクチュエータ1が伸縮動作を行ったときに、固定端とされる、金属導線3の顕出する側の端部が、駆動対象と摺接することが無い。よって、該摺接に因って金属導線3が断線するのを回避することができる。
さらに、高分子アクチュエータ1の一端部側で金属導線3を顕出させるようにしたので、要求される高分子アクチュエータ1のサイズ(ロール軸方向の長さ)に合わせて、高分子アクチュエータ1の他端部側を切り落として該高分子アクチュエータ1の長さを適宜設定することができる。これにより、要求される高分子アクチュエータ1のサイズ(ロール軸方向の長さ)に応じて、予めシート体4の幅を変えたり、或いはその幅専用の金属導線3の配設態様を採ったりする必要がないため、高分子アクチュエータ1の生産性を向上することができる。
次に、本発明に係る高分子アクチュエータの他の実施形態について説明する。
(第2の実施形態)
図7は、本発明に係る高分子アクチュエータの第2の実施形態の説明図である。
本実施形態に係る高分子アクチュエータは、金属配線3が図7に示すような配設態様で配設されて構成されたものである。すなわち、図7に示すように、前記第1長辺10上の頂点P1の近傍に位置する該長辺10上の所定位置P7から前記中央線L側に向かって傾斜しながら長辺11を超える位置まで延びる第1の部位12と、該第1の部位12に連続し、前記中央線L側に向かってシート体4の長手方向に平行に微小量延びる第2の部位13と、該第2の部位13に連続し、前記中央線Lと反対の方向に向かって傾斜しながら長辺10を超える位置まで延びる第3の部位14と、該第3の部位14に連続し、前記中央線L側に向かってシート体4の長手方向に平行に微小量延びる第4の部位15と、該第4の部位15に連続し、前記中央線L側に向かって傾斜しながら長辺11を超える位置まで延びる第5の部位16とを有するように金属導線3を配設する。
また、前記第1長辺10上の他方の頂点P2の近傍に位置する該長辺10上の所定位置P8から前記中央線L側に向かって傾斜しながら長辺11を超える位置まで延びる第6の部位17と、該第6の部位17に連続し、前記中央線L側に向かってシート体4の長手方向に平行に微小量延びる第7の部位18と、該第7の部位18に連続し、前記中央線Lと反対の方向に向かって傾斜しながら長辺10を超える位置まで延びる第8の部位19と、該第8の部位19に連続し、前記中央線L側に向かってシート体4の長手方向に平行に微小量延びる第9の部位20と、該第9の部位20に連続し、前記中央線L側に向かって傾斜しながら長辺11を超える位置まで延びる第10の部位21とを有するように金属導線3を配設する。
前記第5の部位の長辺11側の端部と第10の部位21の長辺11側の端部とは1点(以下、この部位を屈曲部という)で交わる。また、前記第1の部位12と前記第6の部位17、前記第2の部位13と前記第7の部位18、前記第3の部位14と前記第8の部位19、前記第4の部位15と前記第9の部位20、前記第5の部位16と前記第10の部位21は、それぞれ中央線Lに対して線対称な位置関係にある。金属導線3を貼り渡したシート体4の巻き方については前記第1の実施形態と同様であり、金属導線3は、前記屈曲部、第2、第4、第7、第9の部位13,15,18,20でそれぞれ切断され、複数の金属導線3に分断される。
前記第1の実施形態に係る高分子アクチュエータ1においては、前記シート体4の各部位のうち長辺11上の2つの頂点P22,P23周辺の部位(図4の矢印A,Bで示す部位)と金属導線3との離間距離が大きいため、外径側ほど、金属導線3と接触しない部分の面積が多くなるため、伸縮抵抗が大きくなる(伸縮率は悪くなる)。
本実施形態では、この問題に対処すべく、図7に示すように、長辺11上の2つの頂点P22,P23周辺の部位(図4の矢印A,Bで示す部位)にも金属導線3を直線的に貼り渡して、前記頂点P22,P23周辺の部位(図4の矢印A,Bで示す部位)におけるシート体4の伸縮率を、前記第5、第10の部位16,21に接触する部位におけるシート体4の伸縮率に近似させるようにしたものである。
本実施形態においても、金属導線3を直線的に貼り渡すという簡単な配設方法を採用したので、前記第1の実施形態と同様に高分子アクチュエータを安価に製造することができる上、前記第1の実施形態に係る高分子アクチュエータより更に金属導線3をシート体4のできるだけ広い領域に亘って線接触させるようにしたので、前記第1の実施形態よりも変形効率を高くすることができる。
(第3の実施形態)
図8は、本発明に係る高分子アクチュエータの第3の実施形態の説明図である。
本実施形態では、図8(a)に示すように、金属導線3をシート体4の表面及び裏面の各面において同一の対角線上にそれぞれ貼り渡すようにしたものである。具体的には、1つの対角線上に存在する2つの頂点P1,P9の近傍にそれぞれ位置する、第1長辺10上の所定位置P10と第2長辺11上の所定位置P11とをそれぞれ通るように、表面及び裏面の各面において金属導線3を直線的に貼り渡すようにしたものである。なお、金属導線3を貼り渡したシート体4の巻き方については前記第1の実施形態と同様である。なお、第2長辺11上の所定位置P11の近傍で顕出した部分(金属導線3を表面から裏面へのターン部分)は、ロール部2の端面に合わせて切り落とされる。
そして、このように金属導線3を貼り渡したシート体4を前記第1の実施形態と同様の巻き方で巻くと、図8(b)に示すように、シート体4の例えば表面を中央線Lで2つの領域に分割した場合の1つの分割領域に着目した場合、金属導線3がその分割領域に接触する部位が、前記所定位置P10と、シート体4の幅方向における中央線L上の中心P12と、シート体4の長手方向に前記所定位置P10と同一の位置となる前記第2長辺11上の所定位置P13とを通るV字型となり、前記第1の実施形態に比して、金属導線3の密度を大きくすることができる。これにより、第1の実施形態に係る高分子アクチュエータに比して更に変形効率の高い高分子アクチュエータを実現することができる。
(第4の実施形態)
図9は、本発明に係る高分子アクチュエータの第4の実施形態の説明図である。
本実施形態では、図9(a)に示すように、シート体4の表面及び裏面の各面において、前記第1長辺10上の頂点P1の近傍に位置する該長辺10上の所定位置P14と、2つの短辺22,23上の部位のうち、前記頂点P1から遠い方の短辺22の中心からそれぞれ所定距離だけ離間した所定位置P15,P16と、前記第2長辺11上の部位のうち、前記所定位置P14とシート体4の長手方向において同一の位置となる所定位置P17とを通るように金属導線3を直線的に貼り渡している。
そして、このように金属導線3を貼り渡したシート体4を前記第1の実施形態と同様の巻き方で巻くと、図9(b)に示すように、シート体4の例えば表面を中央線Lで2つの領域に分割した場合の一方の分割領域に着目したとき、その分割領域においては、金属導線3が、前記所定位置P14と中央線L上の所定位置P18とを通る線分と、該所定位置P18と短辺23上の所定位置P20とを通る線分と、短辺23上の所定位置P21と中央線L上の所定位置P19とを通る線分と、前記所定位置P19と前記所定位置P17とを通る線分との上に配設される態様となり、前記第1の実施形態に比して、金属導線3の密度を大きくすることができる。これにより、第1の実施形態に係る高分子アクチュエータよりも更に変形効率の高い高分子アクチュエータを実現することができる。
(第5の実施形態)
前記各実施形態に係る高分子アクチュエータ1においては、ロール部2をそのロール軸方向に伸縮させるタイプのものであるが、これに限られるものではなく、ロール部2の両端部をそれぞれ固定した状態で該ロール部2を湾曲させるタイプの高分子アクチュエータも考えられる。このような高分子アクチュエータを作成する場合、次のような金属配線3の配設態様を採用するとよい。図10は、本実施形態に係る高分子アクチュエータの説明図である。
本実施形態では、図10に示すように、金属配線3が前記所定位置P14,P15を通るように該金属配線3をシート体4の表面に直線的に貼り渡し、金属配線3を裏面側に向けてターンした後、裏面において前記所定位置P16,P17を通るように金属導線3を貼り渡す。
次に、このように金属導線3を貼り渡したシート体4を、前記第1の実施形態と同様の巻き方で巻く。このとき、図11に示すように、ロール部2の両端部からそれぞれ金属配線3が顕出する。なお、金属導線3のうち、前記所定位置P15,P16において顕出している部分については切り落とす。
以上のような作成方法により高分子アクチュエータを作成することで、高分子アクチュエータ1の両端部をそれぞれ固定し、各金属導線3に互いに極性が異なるように、ロール部2の両端部において夫々顕出している導線端部から電圧のオンオフを行って、ロール軸方向における中央部で所定の駆動対象に力を付与する動作を行う高分子アクチュエータを構成することができる。
(第6の実施形態)
前記第1の実施形態においては、分断後の2本の金属配線3が中央線Lに対して線対称となるように配設されるため、ロール部2が構成されたときに、図13(b)に示すように、ロール部2の一端側(前記第1長辺10側)から顕出する2本の金属導線3の顕出位置が、ロール部2の周方向において一致又は近似する。そのため、金属導線3同士が接触する可能性が高い。金属導線3は被覆を施していない裸線であるため、金属導線3同士が接触するとショートする。
そこで、この問題を解決するために、前記第1の実施形態のように前記屈曲部が中央線Lの延長線上に位置するように金属導線3を配設するのではなく、図12に示すように、前記第1の実施形態における前記屈曲部の位置P6(図4参照)を前記中央線Lの延長線から所定量ΔRだけずらす(位置P6’)とともに、それにあわせて、前記第1長辺10と交差する2つの位置のうち一方の位置を前記所定量ΔRだけずらすようにするとよい。図12では、前記所定量ΔRは、ロール部2の端部が成す円の半分の長さに相当する。
これにより、図13(a)に示すように、各金属導線3の顕出位置がロール軸の位置Oに対して互いに反対の位置となり、各金属導線3の顕出位置をできる限り離間させることができる。その結果、金属導線3同士の接触、延いては該接触によるショートの発生を可及的に回避することができる。
なお、本件は、前記実施形態に代えて、又は前記実施形態に加えて次のような変形形態も採用可能である。
(1)高分子アクチュエータにおける金属導線が成す立体的形状は、図4,図7〜図10に示す配線態様によって形成される螺旋形状に限定されるものではなく、ロール軸周りを周回しながらロール軸方向に延びる螺旋形状であればよい。
また、この他、例えば図14に示すように、U字型に形成された三つ網状の金属導線3’を、中央線Lを囲むように配設するようにしてもよい。この実施形態では、高分子アクチュエータ1の伸縮性を向上することができる。なお、この場合、金属導線3’の各部位のうち、湾曲する部分を除く2つの直線部分のうち一方の直線部分を表面に貼り渡し、他方の直線部分を裏面に貼り渡すようにすればよい。
(2)内径側ほど径が短くなるので、シート体4の伸長時に導電線が成す形状が変形する場合に、内径側ほどロール軸方向に変形する余裕が少ない。この点を考慮して、前記導電線を、内径側に向かうほど、巻線間のピッチが短くなるように配設するようにすると、内径側の部位におけるロール軸方向への変形の余裕を、外径側の部位におけるロール軸方向への変形の余裕と同等にすることができ、できるだけ伸縮体全域で均一に変形させることができる。
1 高分子アクチュエータ
2 ロール部
3 金属導線
4 シート体
5 弾性誘電ポリマーシート
6,7 伸縮性電極
10 第1長辺
11 第2長辺

Claims (9)

  1. 電圧の印加により伸縮する、高分子材料からなるシート状の伸縮体が、ロール状に巻かれて積層状に形成された高分子アクチュエータであって、
    前記伸縮体に接触する態様で層間に配設された導電線が立体的形状を成し、
    前記各層はそれぞれ電極を有するとともに当該層の電極が隣接する層の電極と接触し、
    互いに接触する2つの前記電極は同一極性とされ、
    前記2つの電極間に前記導電線が配設されており、
    同一極性とされる前記2つの電極及び該電極間に配設される導電線の組が少なくとも2組備えられており、隣接する組同士は異極性とされている高分子アクチュエータ。
  2. 前記立体的形状は、ロール軸に平行な面に前記導電線を正射影したとき、及び、ロール軸と直交する面に前記導電線を正射影したときに、各正射影がそれぞれ線分となる形状である請求項1に記載の高分子アクチュエータ。
  3. 前記立体的形状は、ロール軸と平行な所定の一方向に向かうほど螺旋径が大きくなる螺旋形状である請求項2に記載の高分子アクチュエータ。
  4. 前記導電線は、前記伸縮体に導電性を有する接着剤を用いて固定されている請求項1乃至3の何れか一項に記載の高分子アクチュエータ。
  5. 前記導電線は、当該高分子アクチュエータのロール軸方向における端部から顕出している請求項1乃至4の何れか一項に記載の高分子アクチュエータ。
  6. 前記導電線は、当該高分子アクチュエータのロール軸方向における両端部に亘って配設されている請求項5に記載の高分子アクチュエータ。
  7. 前記導電線は、内径側に向かうほど、巻線間のピッチが短くなるように配設されている請求項1乃至6の何れか一項に記載の高分子アクチュエータ。
  8. 前記各導電線は、当該高分子アクチュエータのロール軸方向における同一端部において、ロール軸に対して対称位置で顕出している請求項1乃至の何れか一項に記載の高分子アクチュエータ。
  9. 前記伸縮体は、誘電ポリマーと、該誘電ポリマーの表裏面にそれぞれ設けられた伸縮性電極とを有して成る請求項1乃至の何れか一項に記載の高分子アクチュエータ。
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