JP5347405B2 - 波形発生装置および波形発生処理プログラム - Google Patents

波形発生装置および波形発生処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、波形発生装置および波形発生処理プログラムに関する。
従来から、音楽家が曲を作成する場合にまず考えねばならないことは、頭の中に描いているイメージを、曲ごとにどのようにしてリスナーに強く印象づけるか、ということである。この曲作成という作業はメロディーや和音を最適化する「作曲」という作業と、作曲されたメロディーや和音を演奏するための音色を最適化する「音色決定」という作業とに大別される。このうち「音色決定」作業は、音楽家が表現したいと思うイメージに合った音色を探しだすか、もしくは創り出して使用するのが一般的であり、選ばれた音色は、リスナーに対して自分の音楽を印象づけるために特に重要な役割をもつ。これらの音色は予め既存の楽器の波形をメモリーに記憶させておいて再生させる方式や、シンセサイザーのように波形を合成させる方式や、振動方程式を高速演算して波形を発生させる方式を用いて得ることが可能である。
この中で、音楽家は新しい音を創り出すときは、シンセサイザーを用いることが一般的である。これらは複数の電気振動を発生するオシレータの波形を繰り返し合成するといった作業によって行われていた。この波形の合成方法には音楽家の試行錯誤と長年の経験が用いられており、この合成方法の良し悪しによって音の印象は大きく変化していた。
この作業の中で最終的に目的とする音色を得るために、音楽家は音の特徴の一つである「音の印象」、つまり「音の人の心に残るような特性」を抽出し、積極的にこの特徴を利用する必要性がある。しかしながらこの「音の印象」を抽出することは、一般的な手法として確立されたものでなく、経験と感性に頼る部分が多い。またシンセサイザーによる波形合成の作業は非常に多くの手間がかかるため、よほど熟練した音楽家でない限り、この作業を行うことは容易でなかった。
これらの問題点を解決するために、特許文献1では、2次元上で描画した図形の色から音色が決定され、かつ新たな音楽が発生するという技術が開示されている。
特開平6−318074号公報
しかしながら、単純に音波形の形状を変更する特許文献1に開示の手法では、2次元上に絵を描くだけで音と音楽が生成されるが、描画された線の色が一対一で音色と対応しているだけで、音を創造するという機能を備えていない。特に「音の印象」を抽出・保持することが全く考慮されていないため、リスナーに対して「音の印象」を与えられる音色が提供できず、すぐに飽きられてしまう。このように、特許文献1の技術を使用して、自分のイメージをリスナーに対して強く印象づけられる曲を数多く提供しようとしても、それに必要な「音の印象」の抽出という手法が確立されていないため、新たな音色を次々と生み出せないという課題があった。
しかし、近年になってターケンス・プロットとよばれる、脳で行われる情報の処理と類似していると見られる手法を用いることにより、ある音をn次元相空間への埋め込み、アトラクタを生成させると、このアトラクタは「音の印象」を表わすものであることがわかってきた。その理由は、人間の脳のメカニズムを知ることで理解することが可能となってきている。
まず人間の脳は、外部からうけた刺激を情報として取り込み、これが何であるかを認識(特徴を抽出)して記憶している。この認識は入力された情報のみで行うのではなく、過去にうけた刺激により記憶された情報を参考にして認識していると考えられる。たとえば、映画で見たあるシーンが過去の自分の経験と重なっていると、大きな感動を憶えることである。これは脳が映画のシーンを認識する際、過去に記憶された経験の記憶を参考にして認識し、同じ特徴を有する経験があればそれが強い刺激として認識されるため感動が大きくなっていると考えられる。また、過去にどこかで聞いた音を再び聞いた場合、それについて親しみを感じるということも同様である。
この脳の認識の手法においては、このように遠い過去の記憶まで参照して認識するものだけでなく、もっと短時間での過去も多大な影響を与えていると考えられる。そして聴覚に関する情報である音についても、より短時間の直前の音と照らし合わせて認識していると考えられる。
このことから、ターケンス・プロットで「現時点での波形を所定のプロットスケール幅によって選択している作業」は、脳で行われている「現時点の情報を認識するときに同時に過去の情報も参考にしている」という作業ときわめて類似したものであるといえる。このため、音を表わす元となる原波形から所定のプロットスケール幅とサンプリング周波数を用いて、ターケンス・プロットによってアトラクタを描画する作業は、脳にとっては、その波形を認識するに必要な「音の印象」を抽出する作業に他ならない。すなわち、ターケンス・プロットを用いで表示したアトラクタは、その音の「音の印象」という特徴の部分が視覚的に表現されているといえる。以後、このアトラクタを表示した時に用いられた相空間と、アトラクタを描画する際に用いられた所定のプロット条件とを対応させた空間をアトラクタ空間と呼ぶ。またアトラクタはその奇跡に対してその後のデータを引き寄せるような独特の束のような軌跡による模様を示すが、この奇跡を作っている一つ一つのデータはアトラクタデータと呼ぶ。このアトラクタは、描画に用いたプロット条件と同じ条件を用いてターケンス・プロットの逆の変換を行えば、原波形に戻るという可逆的な対応関係を持っている。そして、プロット条件は原波形の「音の印象」を抽出するための貴重な条件データとなっている。
ここで、ユーザが新たな音を作り出したい場合は、原波形から得られたアトラクタをそのまま流用し、この一部に対して変更を加えた後にターケンス・プロットの逆の変換を行うことで原波形と同じ印象をもった波形を生成することが可能であるが、この方法では原波形から得られたアトラクタの成分のほとんどが居残り、ターケンス・プロットの逆の変換を行っても、原波形の音色にかなり似た音色になりやすいと考えられる。そこで発明者は、原波形から得られたアトラクタの成分をあえてできるだけ残さず、プロット条件は反映させることで、音色は斬新で、音の印象は原波形と同じような印象が与えられるように工夫を行った。
すなわち、ターケンス・プロットによって原波形から描画されたアトラクタは完全に消去し、その後、プロット条件は残されたアトラクタ空間に対してユーザが操作子によってアトラクタデータを描画する。
そしてこのアトラクタ空間内に描画されたアトラクタデータを先ほど得たプロット条件と同じ条件を用いてターケンス・プロットとは逆の順序で2次元の波形に戻すことで、音声データを作成することが可能となり、この音は脳にとってその波形を認識するに必要な「音の印象」を備えつつ原波形とは全く異なった音色になる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、源波形の特徴をn次相空間上のアトラクタとして抽出し、その過程で得られたプロット条件を用いて表現されるアトラクタ空間に、新たなアトラクタを描画することで、このプロット条件による「音の印象」を備えた、新たな音色の波形を作成することができる波形発生装置および波形発生処理プログラムを提供することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するため、夫々複数のプロットスケールt及びリサンプリング時間Δtを組み合わせることにより複数種の異なるプロット条件を用意し、当該複数のプロット条件夫々に基づいて、入力された時間軸及び波高値軸を有する2次元相空間上の原波形データに対して、ターケンスの埋め込み定理によるn(n>2)次元相空間への埋め込みを実行するターケンス・プロット処理を実行することにより、複数種のアトラクタデータを順次生成するターケンス・プロット処理手段と、基本アトラクタデータを記憶した基本アトラクタデータ記憶手段と、前記ターケンス・プロット処理手段により生成された複数種のアトラクタデータ夫々を座標として前記n次元相空間上に表わされた波形と前記基本アトラクタデータ記憶手段に記憶された基本アトラクタデータを座標として前記n次元相空間上に表わされた波形との相関値を抽出する相関値抽出手段と、この相関値抽出手段により抽出された相関値が最大となる、プロットスケール値t及びリサンプリング時間Δtから成るプロット条件を抽出する抽出手段と、前記n次元相空間上に描画された波形の前記n次元相空間上の座標を新たなアトラクタデータとして生成するアトラクタデータ生成手段と、前記アトラクタデータ生成手段により生成された新たなアトラクタデータに対して、前記プロット条件抽出手段により抽出されたプロット条件を用いて前記ターケンス・プロット処理の逆変換処理を行うことにより、2次元相空間上の波形データを生成する波形生成処理手段と、を具備することを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、前記ターケンス・プロット処理は、入力された2次元相空間の原波形データの時間軸上に夫々プロットスケール値tの間隔をおいたn個のサンプリング位置を指定するステップと、当該n個のサンプリング位置の波高値夫々をn次元相空間上の各軸上の位置に対応させることによって最初の座標位置を決定するステップと、その後前記n個のサンプリング位置を同時にリサンプリング時間Δtだけ時間軸上を順次シフトしていくことにより前記n次元相空間上の座標位置を順次決定することによりアトラクタデータを生成するステップを実行することを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、前記波形生成処理手段は、前記アトラクタデータ生成手段により生成された新たなアトラクタデータを構成する前記n次元相空間上の座標位置を最後から順次読み出し、当該読み出された最後の座標位置を表わすn個の軸上の位置夫々を、前記2次元相空間の時間軸上にプロットスケール値tの間隔をおいて指定されたn個のサンプリング位置夫々の波高値とし、その後座標位置が読み出される毎に前記n個のサンプリング位置を同時にリサンプリング時間Δtだけ時間軸上を順次シフトし、当該シフトされたn個のサンプリング位置夫々の波高値として、前記読み出された座標位置を表わすn個の軸上の各位置を割り当てる動作を繰り返すことを特徴とする。
請求項に記載の発明では、基本アトラクタデータを記憶した基本アトラクタデータ記憶手段を有するコンピュータに、夫々複数のプロットスケールt及びリサンプリング時間Δtを組み合わせることにより複数種の異なるプロット条件を用意し、当該複数のプロット条件夫々に基づいて、入力された時間軸及び波高値軸を有する2次元相空間上の原波形データに対して、ターケンスの埋め込み定理によるn(n>2)次元相空間への埋め込みを実行するターケンス・プロット処理を実行することにより、複数種のアトラクタデータを順次生成するターケンス・プロット処理ステップと、前記ターケンス・プロット処理ステップにより生成された複数種のアトラクタデータ夫々を座標として前記n次元相空間上に表わされた波形と前記基本アトラクタデータ記憶手段に記憶された基本アトラクタデータを座標として前記n次元相空間上に表わされた波形との相関値を抽出する相関値抽出ステップと、この相関値抽出ステップにより抽出された相関値が最大となる、プロットスケール値t及びリサンプリング時間Δtから成るプロット条件を抽出する抽出ステップと、前記n次元相空間上に描画された波形の前記n次元相空間上の座標を新たなアトラクタデータとして生成するアトラクタデータ生成ステップと、この生成された新たなアトラクタデータに対して、前記抽出されたプロット条件を用いて前記ターケンス・プロット処理の逆変換処理を行うことにより、2次元相空間上の波形データを生成する波形生成処理ステップと、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、音の特徴をアトラクタの特徴として抽出できるアトラクタ空間を作成し、その空間に新たなアトラクタをユーザの任意の操作によって描画し、描画された波形に基づいてターケンス・プロットと逆の変換を行うことにより新たな2次元波形を作成することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
A.構成
図1は、本発明の実施の一形態による波形発生装置100の構成を示すブロック図である。この図に示す波形発生装置100は、入力部10、操作部20、表示部30、鍵盤40、CPU50、ROM60、RAM70およびサウンドシステム80から構成される。入力部10は、マイクロホンや外部の音源に接続される入力端子、A/D変換器を備え、CPU50の制御の下に、外部から入力される波形をサンプリングしてなる原波形データを出力する。入力部10から出力される原波形データはRAM70の原波形データエリアに格納される。
操作部20は、操作パネルに配設される各種スイッチを備え、ユーザのスイッチ操作に対応したスイッチイベントを発生する。操作部20から出力されるスイッチイベントは後述するCPU50に取り込まれる。操作部20に配設される主要なスイッチとしては、装置電源をオンオフする電源スイッチの他、動作モードを選択するモードスイッチや発生楽音の音色を選択する音色選択スイッチ、原波形、後述する再生成波形、相空間条件を選択するスイッチ、などがある。また、操作部20は、ポインティングデバイスとして、周知のクリック操作およびドラッグ操作が行われるマウスを備える。
表示部30は、LCDパネルおよび駆動ドライバから構成され、後述するCPU50から供給される表示制御信号に応じて、装置各部の設定状態や動作状態を表示する他、後述するアトラクタデータの軌道を表示する。鍵盤40は、押離鍵操作に応じたキーオン/キーオフイベントおよびノート番号、ベロシティ等からなる演奏情報を発生する。
CPU50は、操作部20から供給されるスイッチイベントに応じて装置各部を制御する。具体的には、操作部20に配設されるモードスイッチの操作により選択される動作モードに従った処理動作を実行する。設定モードに遷移したCPU50は、ユーザ操作に応じて入力される設定パラメータに従って各動作モード下における装置各部の動作態様を指定する。入力モードに遷移したCPU50は、入力部10に波形サンプリングの開始を指示する一方、この指示に応じて入力部10から取り込まれた原波形データをRAM70の原波形データエリアに保存する。
また、波形発生モードに遷移したCPU50は、波形発生処理(後述する)を実行し、RAM70の原波形データエリア(図2(a))に格納した原波形データからアトラクタデータとアトラクタ空間を抽出し、プロットスケールtおよびサンプリング時間tと何ポイントのデータをとるかのターケンス次元数、その他の座標情報をアトラクタ空間条件識別番号とともにRAM70の再生データエリア(図2(b))に保存する。この後、アトラクタを抽出した条件と座標空間を残して、このアトラクタの軌跡を消去し、その空間に新たなアトラクタ波形をユーザに描画させ、この波形に対応する各座標に対応した新たなアトラクタデータを生成させる。また、ここで生成されたアトラクタデータは図3に示すアトラクタデータエリアに書き込まれる。さらに、この新たに生成されたアトラクタデータを用いてアトラクタを抽出したプロット条件と同じ条件でターケン・スプロットの逆の変換を行い、2次元の波形に戻す。さらに、演奏モードに遷移したCPU50は、鍵盤40から供給される演奏情報に応じた楽音データを発生する演奏処理を実行する。
ROM60には、各種制御プログラムが記憶される。ここで言う各種プログラムとは、後述するメインルーチンおよび波形発生処理を含む。波形発生処理は、後述するターケンス・プロット表示処理、アトラクタ描画処理、および波形再生成処理を含む。またすでに発見され、自然界と深く関わっていることが判明しつつある、リミットサイクルやストレンジ、トーラス、ローレンツなどの有名なアトラクタの特徴を有するアトラクタデータを格納する基本アトラクタデータエリアには、基本アトラクタデータが複数格納されている。
さらに、予め得られた実験データなどから得られた、新たな波形を創るために有効とわかっている、アトラクタ空間のデータも(図2(b))と同じようなフォーマットで格納されている。
RAM70は、各種レジスタ・フラグデータを一時記憶するワークエリアと、入力部10から出力される原波形データを格納する原波形データエリア(図2(a))と、ターケンス・プロット表示処理(後述する)により原波形データをターケンス・プロットして得られるアトラクタデータや描画によって生成された新たなアトラクタデータを格納するアトラクタデータエリア(図3)と、描画された新たなアトラクタデータに基づき再生成される再生成波形データを格納する再生成波形データエリア(図2(b))とを備える。
図2(a)は、RAM70における原波形データエリア内の原波形を示す図であり、各波高値W(n)(n=0〜N)が記憶されるようになっている。図2(b)は、RAM70における再生成波形データエリア内の生成された波形を格納する再生成波形データ部と再生したときの条件を格納する再生成条件データ部から構成されている。
再生成波形データエリア部は原波形データエリアと似た構造であり、各波高値NW(n)(n=0〜N)が記憶されるようになっている。
原波形データエリアと再生波形データエリアは複数準備され、ユーザがスイッチ(図示せず)操作で必要とする波形を適宜選択が可能である。たとえばユーザは自分の好みとする「音の印象」をもった原波形を選択することができる。また、原波形を選択しなくても、再生成波形データエリアからアトラクタ空間識別番号を直接選択し、この条件でのアトラクタ空間に対していきなり描画することもできる。この場合は後述のターケンス・プロット表示処理が必要なく、すばやく新たな音色を創ることが可能である。
図3は、RAM70のアトラクタデータエリアにおけるアトラクタデータ(後述)の内容を示す図であり、n=0〜Nまでの表示部30の画面上の座標が書き込まれる。各座標は、x成分、y成分、z成分から成る。
また図1におけるサウンドシステム80は、演奏モード下のCPU50が発生する楽音データをD/A変換してなる楽音信号から不要ノイズを除去する等のフィルタリングを施した後に増幅してスピーカから放音する。
B.動作
次に、上記構成による波形発生装置100の動作について説明する。以下では、図4を参照して波形発生装置100のCPU50が実行する「メインルーチン」の動作を説明した後、図5〜図17を参照してメインルーチンからコールされる「波形発生処理」の動作を説明する。
(1)メインルーチンの動作
図4は、CPU50が実行するメインルーチンの動作を示すフローチャートである。装置電源が投入されると、CPU50は図4に図示するメインルーチンのステップSA1に処理を進め、RAM70に設けられる各データエリアを初期化するイニシャライズを実行する。続いて、ステップSA2では、ユーザのモードスイッチ操作に応じて動作モードを設定する。そして、ステップSA3〜SA6では、上記ステップSA2において設定された動作モード(設定モード、入力モード、波形発生モードおよび演奏モード)を判別する。以下、設定モード、入力モード、波形発生モードおよび演奏モードに設定された場合の動作について述べる。
<設定モードに設定された場合>
設定モードに設定されると、ステップSA3の判断結果が「YES」になり、ステップSA7に進み、設定処理を実行する。設定処理では、ユーザ操作に応じて入力される設定パラメータに従って各動作モード下における装置各部の動作態様を指定する。例えば、後述する入力モードにおける波形サンプリング期間長やサンプリング周波数を設定したり、演奏モードにおける音色波形選択や効果付与するエフェクトの種類などを設定する。
そして、ステップSA8では、設定モード終了を指示する操作イベントの有無を判断する。終了指示する操作イベントが無ければ、判断結果は「NO」となり、ステップSA7の設定処理を継続するが、終了指示する操作イベントが発生すると、判断結果が「YES」になり、上述したステップSA2の動作モード設定状態に復帰する。
<入力モードに設定された場合>
入力モードに設定されると、ステップSA4の判断結果が「YES」になり、ステップSA9に進み、波形入力処理を実行する。波形入力処理では、本処理に必要なイニシャライズ処理を行った後、入力部10に波形サンプリングの開始を指示し、この指示に応じて入力部10から取り込まれる原波形データを、上述した設定モードにおいて設定される波形入力態様に従って取り込み、取り込んだ原波形データの各波高値W(n)(n=0〜N)をRAM70の原波形データエリアに順次ストアする。尚、この源波形の取り込み先は、本実施例では入力部としているが、ROM内や他の記憶媒体から取り込みが可能な場合は、その部分の波形をユーザが任意に指定してサンプリングを行うことも可能である。
そして、ステップSA10では、入力モード終了を指示する操作イベントの有無を判断する。終了指示する操作イベントが無ければ、判断結果は「NO」となり、ステップSA9の波形入力処理を継続するが、終了指示する操作イベントが発生すると、判断結果が「YES」になり、上述したステップSA2の動作モード設定状態に復帰する。
<クイック波形発生モードに設定された場合>
クイック波形発生モードに設定されると、ステップSA15の判断結果が「YES」になり、ステップSA16に進み、図2(b)に示される再生成波形データエリアのアトラクタ空間条件識別番号の選択処理を行う。すなわち、後述するターケンス・プロットをせずに、予め記憶されているアトラクタ空間を使用して波形生成を行うための条件の選択を行っている。その後にステップSA17の波形発生処理を実行する。波形発生処理では、後述するように、読み出されたアトラクタ空間に対してアトラクタの描画を行い、このデータを用いて、再生成波形データを再生成してRAM70の再生成波形データエリアに保存する。
図12はクイック波形発生処理を示すフローを示す。
<波形発生モードに設定された場合>
波形発生モードに設定されると、ステップSA5の判断結果が「YES」になり、ステップSA11に進み、波形発生処理を実行する。波形発生処理では、後述するように、RAM70の原波形データエリアに格納した原波形データから抽出されたアトラクタ空間の特長を備えた再生成波形データを再生成してRAM70の再生成波形データエリアに保存する。
そして、ステップSA12では、波形発生モード終了を指示する操作イベントの有無を判断する。終了指示する操作イベントが無ければ、判断結果は「NO」となり、ステップSA11の波形入力処理を継続するが、終了指示する操作イベントが発生すると、判断結果が「YES」になり、上述したステップSA2の動作モード設定状態に復帰する。
<演奏モードに設定された場合>
演奏モードに設定されると、ステップSA6の判断結果が「YES」になり、ステップSA13に進み、演奏処理を実行する。演奏処理では、鍵盤40から供給される演奏情報に応じた楽音データを発生する演奏処理を実行する。すなわち、RAM70の再生成波形データエリアに格納される、アトラクタ空間の特長を備えた各種音色の再生成波形データの内から、上述した設定モードにおいて音色選択された再生成波形データを、鍵盤40で押鍵された鍵の音高に応じた読み出し速度で読み出してなる楽音データを発音(再生)したり、複音同時発音(再生)中の楽音データの内、鍵盤40で離鍵された鍵の音高に対応した楽音データを消音させる。
そして、ステップSA14では、演奏モード終了を指示する操作イベントの有無を判断する。終了指示する操作イベントが無ければ、判断結果は「NO」となり、ステップSA13の演奏処理を継続するが、終了指示する操作イベントが発生すると、判断結果が「YES」になり、上述したステップSA2の動作モード設定状態に復帰する。
(2)波形発生処理の動作
次に、図5〜図19を参照して波形発生処理の動作を説明する。図5は、CPU50が実行する波形発生処理の動作を示すフローチャートである。上述したメインルーチンのステップSA11(図4参照)を介して実行される波形発生処理は、ターケンス・プロット表示処理(ステップSB1)、アトラクタ描画処理(ステップSB2)、波形再生成処理(ステップSB3)から構成される。以下、これら各処理の動作を説明する。
a.ターケンス・プロット表示処理の動作
波形発生処理のステップSB1(図5参照)を介して本処理が実行されると、CPU50は図6に図示するターケンス・プロット表示処理のステップSC1に処理を進め、初期設定を行う。初期設定では、本処理に必要なイニシャライズ処理の他、後述のステップSC2において実行するターケンス・プロット処理に必要なプロット条件(波形区間長Stime、プロットスケール幅tおよびリサンプリング周期Δt)をユーザ操作に応じて設定する。
ステップSC2では、上記ステップSC1において初期設定されたプロット条件(波形区間長Stime、プロットスケール幅tおよびリサンプリング周期Δt)に基づき、RAM70の原波形データエリアに格納される原波形データにターケンス・プロット処理を施す。ターケンス・プロット処理は、原波形データからアトラクタを生成するものであり、その動作について図7を参照して説明する。
図7は、ターケンス・プロット処理の概要を説明するための図である。ターケンス・プロットでは、RAM70の原波形データエリアに格納される原波形データをリサンプリングするプロットスケールが用いられる。図7に図示する一例は、2次元の原波形データから3次元のアトラクタを生成する場合のプロットスケールを例示している。プロットスケールは、プロットスケール幅tを隔てた3点(x成分、y成分およびz成分)における原波形データの波形値T(x,y,z)を指定する。
原波形データの波形値T(x,y,z)を指定するプロットスケールは、リサンプリング周期Δt毎に時系列順に移動する。リサンプリング周期Δtは、原波形データのサンプリング周期以上の時間幅を有する。リサンプリング周期Δt毎に、時系列順に移動するプロットスケールによって、波形値T1(x,y,z)〜波形値Tn(x,y,z)が得られる。波形値T1(x,y,z)〜波形値Tn(x,y,z)の数は、上記ステップSC1で設定される波形区間長Stimeで決まる。
図8はターケンス・プロット処理を示すフローチャートである。まず、変数nを0にリセットし(ステップSF1)、次にステップSF2において、プロットを行うためにプロットスケール幅tを隔てた3点が原波形の時間軸上での位置関係を設定する。すなわち最初の点であるtが0と決まると、tの幅だけ時間を隔てた点t、そしてさらにtの幅だけ時間を隔てたtが設定されるようになっている。
次に、CPU50は、RAM70のアトラクタデータエリア内のx0に、時間t0における位置での波高値W(t0)を格納する(ステップSF3)。そしてy0には、時間tにおける波高値W(t)を格納する(ステップSF4)。さらにz0には時間tにおける波高値W(t)を格納する(ステップSF5)。この処理によって、表示部30の画面上に表示されるアトラクタの最初の3次元座標T(図7参照)が決定する。その後、nをインクリメントし(ステップSF6)、時間軸上の各プロットスケール位置t0、t、tをΔtだけシフトさせる(ステップSF7)。
続いて、時間tがStimeを越えたか否か判断し(ステップSF8)し、超えていなければステップSF3の処理に戻って再びx成分、y成分、z成分の値を順次読み出し、RAM70内のアトラクタデータエリアへの書き込みを行う。この動作は、時間tがStimeを越えるまで繰り返す。これにより、波形値T1(x,y,z)〜波形値Tn(x,y,z)が全て格納され、ターケンス・プロット処理の動作を終了する。
次に、図6に図示するステップSC3では、得られた波形値T1(x,y,z)〜波形値Tn(x,y,z)についてのアトラクタが、最もその特徴を表現できるように、相関抽出処理が行われる。図9は相関抽出処理のフローチャートである。ここでは、すでに発見されて有名となっているアトラクタの特徴である「リミットサイクル、ストレンジ、トーラス」などの基本的な複数種のアトラクタ(以後基本アトラクタと称する)が予めROM60の基本アトラクタデータエリアに記録されており(図示せず)、この基本アトラクタと前述のターケンス・プロット処理により得られたアトラクタとの3次元相空間内での相関関係を調べて、もっとも高い相関性が得られる最適プロット条件を検出するための処理を行う。
まず最初に、記録されている複数の基本アトラクタの中からひとつの基本アトラクタデータをROM60から呼び出す(ステップSH1)。次に、図8のターケンス・プロット処理により得られたアトラクタデータを呼び出す(ステップSH2)。そしてこれら呼び出された二つのアトラクタの形状の比較を行う(ステップSH3)。
この図形の比較は、指紋認証を行うように二つの図形の位置やスケール、角度などを調整して多面的に比較することが好ましいが、特にこれに限定されるものでなく、別の3次元相空間における図形の比較の方式を用いてもよい。
次に、この二つの図形の比較によってその相関性を定量的に示すべく相関値を決定する(ステップSH4)。例えばこの方法は、画像処理で行われるピクセルマッチングなどの方法がある。そして算出された相関値をRAMのワークエリアの相関値レジスタの値と比較し、大きい場合は算出された相関値と対応するプロット条件をストアする(ステップSH5)。続いて、記憶されている基本アトラクタを全部参照し終えたか否か判断し(ステップSH6)、参照し終えていないなら、別の基本アトラクタを順次指定してステップSH2〜SH6の処理を繰り返す。
全ての基本アトラクタとの参照が終われば、ステップSH8へと処理を進める。すなわち、相関値レジスタは、この時点でもっとも基本アトラクタのどれかに最も高い相関性をもった相関値とその時に使用されたプロット条件が記録される。そして、ステップSH8では次のターケンス・プロットを行う準備を行うべく、RAM70内のアトラクタデータエリア内のデータT〜Tのデータを消去する。
ここで、ROM60に記録されている基本アトラクタデータを記憶する基本アトラクタデータエリアであるが、図3に示すアトラクタデータエリアと同じ構造をとっている。この基本アトラクタデータエリアには、アトラクタの中でも有名な形状のアトラクタデータが記憶されている。例えばストレンジアトラクタを示す場合ではカオス状態である可能性が高いことがわかっており、このカオス状態は人間を含む自然界に含まれる状態として非常に有名である。このアトラクタの形状は現在も新しいものが発見されつつあり、これらが人間の感覚や自然界のゆらぎについて深く関係していることがわかってきている。このアトラクタは新たなものが発見されれば随時基本アトラクタとして記録してもよい。
さらに、事前にアトラクタの特徴と音の実際の関係がわかっているのであれば、ROM60に予め必要な基本アトラクタとして記録しておくことができる。これにより必要なアトラクタが効率的に表示させることが可能となる。そして、自ら自分が発見した無名のアトラクタが格別の効果があると判明した場合は、そのアトラクタを基本アトラクタとすることにより、基本アトラクタを増やしていくことも考えられる。さらには、ユーザがアトラクタの表示される相空間上に自由に波形を描画できる機能を付加することにより、描画した波形を基本アトラクタとして利用することができるようにしてもよい。
次に、図6において、ステップSC4では、全てのプロット条件の処理を実行したか否かを判断する。まだ全てのプロット条件についてターケンス・プロットと相関抽出処理を行っていない場合は、判断結果が「NO」になり、ステップSC5に進み、プロット条件更新を実行した後、再び上記ステップSC2〜SC3を繰り返す。
プロット条件更新は波形区間長Stimeの範囲において、複数のプロットスケール幅tと複数のリサンプリング周期Δtによって作り出される組み合わせが新しいプロット条件となるように更新するものである。この処理によって、多数のプロット条件を用いターケンス・プロットを自動で効率よく行えるようになる。
尚、このプロット条件の組み合わせは、tおよびΔtがどれくらいのステップ量の細かさで組み合わせを作るのかによって増減するが、そのステップ量はCPUの処理能力によってユーザが自由に設定できるようにしてよい。また最初から実験値によって得られた適当な値を設定しておくことも可能である。
さらに本実施形態においては、波形区間長Stimeについては固定しているが、これを可変とすることにより、プロット条件を増やしてもよい。また、プロットスケールtの各成分毎の間隔(x成分からyまでのtとyからzまでのt)を別々に変更することによりプロット条件を増加させて比較処理の回数を増やし、相関値算出精度をアップすることも可能である。
本実施形態においては、ターケンス・プロット処理におけるプロット条件を自動的に種々変更して最適なプロット条件とアトラクタ抽出ができるようになっている。このため、操作する人の手間がかからず、簡単に最適なアトラクタの表示が可能となる。もちろん、本実施形態の如く自動的に最適なアトラクタを抽出するのではなく、ユーザが任意の値を設定しながら、最適と思われるアトラクタを抽出するようにしてもよい。
さらに本実施形態では、基本アトラクタと原波形のアトラクタの比較による相関値をみてアトラクタの特徴を抽出しているが、この方法の限りではない。またカオス性を見出すために、現在様々な方法が提案されているが、リアプノフ指数を計算する機能を別途追加してリアプノフ指数が正となれば、カオスの傾向を表すために波形の色を変更したり、フーリエ変換型サロゲート法を実行する機能を追加して、今扱っている波形がカオスであることを別に設けられた表示部などに表示させるようにしてもよい。これにより、その波形の持つ特徴をさらに詳しくユーザに示すことができ、さらに効率的な使い勝手のよい波形発生装置の提供が可能となる。
再び図6に戻り、全てのプロット条件でターケンス・プロットとその相関抽出が終わると、ステップSC4の判断結果が「YES」となる。そして、ステップSC6に進み、図9のステップSH5においてレジスタに記憶されたプロット条件を、最大相関値が得られる最適プロット条件であると決定し、相空間条件識別番号、ターケンス・プロットに要した次元数、
プロットスケールt、サンプリング時間Δt、その他の座標情報を再生成波形データエリアに記憶する。その他の座標情報とはたとえば座標軸のスケールや、色や、目盛りの値などである。相空間条件識別番号は再生成波形データエリアに複数記憶させることができ、ユーザは任意にこれを呼び出すことでこの相空間を再利用することが可能である。
次に、ステップSC7において、この決定された最適プロット条件で再び原波形に対してターケンス・プロット処理を実行してアトラクタを求める。そしてこの求められたアトラクタを表示部に表示するとともに、次のステップSC8において新たなアトラクタデータエリアに保存する。
この結果、最適なプロット条件で求められたアトラクタの各座標値である波形値T1(x,y,z)〜波形値Tn(x,y,z)が表示部30上の3次元相空間にプロットされ、これにより最も基本アトラクタと相関性のあるプロット条件でのアトラクタが表示されることになる。ここにおいて、表示部30にプロット条件と、相関値が高かった基本波形の名称などの情報も同時に表示するようにして、このアトラクタがどのような傾向であるのかをユーザに知らせるようにしてもよい。こうすることにより、より使い勝手がよくなり、ユーザは計画性のある編集を行うことが可能になる。
図10は、アトラクタの一例を表示した図であり、CPU50はx、y、z方向それぞれの座標軸をアタトラクタ全体がおさまるようにスケール処理することによってアトラクタ空間を作成する。そのアトラクタ空間に原波形データのアトラクタが軌道のように表示部30に表示される。このアトラクタを表示する際、軌跡をはっきりと見せるために、プロットされた点と次の点とをスプライン処理などを行って薄い色の線としてわかりやすく表示するようにしてもよい。
b.アトラクタ描画処理の動作
次に、図11〜図15を参照してアトラクタ描画処理の動作を説明する。上述したターケンス・プロット表示処理により2次元の原波形データから3次元のアトラクタが生成され、図10に図示する一例のように、原波形データのアトラクタを描画し終えると、CPU50は図11に図示するアトラクタ描画処理のステップSDcに処理を進めアトラクタデータエリアをクリアしアトラクタ空間に表示されるアトラクタ軌道を消去する。
その後ステップSD1では、図13に図示するように、アトラクタ空間内にマウスカーソルをポインティングした状態でマウスの左ボタンをクリックすると、データがアトラクタ空間内に生成される。
このアトラクタ空間に描画される軌跡は、ある点を生成させた瞬間に、x、y、zの座標に投影されるデータを生成することを意味するが、これらのデータはすべて前述のプロットスケールに従った時間におけるデータを修正したことになる。これはアトラクタの点を変更したと同時に、その点だけでなく、プロットスケールtおよび2tだけ遡ったデータも関連させて変更する必要性を意味する。このため、本発明ではこれらの過去に遡った関連するデータをアトラクタを描画したとき、プロットスケールとの整合性が保たれるように、同時に関係するデータの補正処理を行う。この補正処理を行うと、アトラクタを描画しながら、既に描画した過去のデータも自動変更されることになるため、これまで書いた軌跡が自動的に変化する。
次いで、ステップSD2では、上記ステップSD1で指定された点を起点としてアトラクタの軌道を変更させるマウス操作量(x軸成分変位量、y軸成分変位量およびz軸成分変位量)を検出する。すなわち、図14に図示するように、マウスの左ボタンをクリック操作して複数のデータ変更点を指定した状態から当該マウスを前後にドラッグ操作した場合には、そのドラッグ操作された移動量がマウスカーソルのy軸成分変位量として検出される。また、マウスを左右にドラッグ操作した場合には、そのドラッグ操作された移動量がマウスカーソルのx軸成分変位量として検出される。さらに、マウスのホイール回動操作量がマウスカーソルのz軸成分変位量として検出される。このようにマウスをドラッグすることによって何もないアトラクタ空間内にデータを軌跡のように生成させることができる。このデータは起点からΔtだけの時間ピッチごとに作成され、Stimeの長さになるまで描画が続けられるようになっている。
続いて、ステップSD3では、アトラクタ生成描画処理を実行する。アトラクタ生成描画処理では、上記ステップSD1で指定されたデータ開始点を、上記ステップSD2において検出したマウス操作量(x軸成分変位量、y軸成分変位量およびz軸成分変位量)に応じて3次元直交座標上で移動させると共に、この移動された区間に対して描画アトラクタデータを(図13参照)サンプリング時間t毎に次々と生成させる。このサンプリング時間tで示す描画上の見た目の間隔は、消去されたアトラクタと同じ間隔を用いて生成すればよい。また、生成されたデータに関係する過去のアトラクタデータを修正するためにこれに対応するアトラクタデータエリアのデータを修正し、既に描画されている空間内のデータの位置も修正する。そしてこの生成されたアトラクタデータはその軌跡がわかるように公知の画像処理を行って滑らかに接続する。
このように、アトラクタデータが生成されると同時に、生成させた複数のデータの座標位置に対して、その都度、ターケンスプロット条件に対して整合性が取れるように補正を行い、RAM70の描画アトラクタデータエリアに(波形値T1(x,y,z)〜波形値Tn(x,y,z))が(図13参照)保存されるとともに、見た目を良好にするため、例えばスプライン関数などによる内挿補間演算を施して複数の点をつなぎ、滑らかな軌道を表示させる。
さらにステップSD33では、データが最後の点として指定されたか、すなわちドラッグを終えて、データの生成を終えたかどうかを検知し、その後ステップSD4へと移行する。まだ最後の点として指定されていない場合はステップSD2に戻り描画作業を継続する。
ここでアトラクタ補正処理についての必要性について詳しく説明する。前述のターケンス・プロットによって作成されたアトラクタデータの軌跡はすべてプロットスケールによってその関係が規定され影響し合っている。たとえば二次元波形をターケンス・プロットする場合には、今までz成分として扱っていた数値が再び異なる時間ではyとして扱われるようになり、yとして扱っていたデータが再びxとして扱われるようになる。このプロットスケールによる関係が最初のデータから最後のデータにまで関係しているということになる。すなわち2次元波形からターケンス・プロットで作成されたアトラクタ空間内でデータを生成すれば、この2次元波形との関連性をたもちながらアトラクタのデータを補正しておかないと、最終的に2次元の波形に戻すときに変更したデータと原波形との間に不整合が生じる。たとえばこの空間にひとつのデータを生成したとするとこのデータからそれぞれ異なる時間のx、y、z成分が生成されることになる。その時に、z成分は現在時間のデータ値とできるが、xとy成分はプロットスケール分遡ったデータを生成したことになる。(この意味は過去のデータを書き換えてまったということになる)しかし、この点を生成する前にもこの点はすでに別の値で生成されていることになる。このとき、ターケンス・プロットのルールに従わせる必要がある。すなわち、今決まった描画アトラクタの最後の点に関係するx、y成分を遡って現時点のデータに順次修正していく必要が発生する。この作業はプロットスケールをどのように作成するかによって修正すべきデータ量の大きさが変わる。関係する点が最初の点におよぶような場合はそこまで遡って修正を行う必要がある。また、ユーザの必要に応じて、このデータの修正をせずに、後述する波形生成処理で2次元波形の元のデータを生成するときに最後に書かれるデータを最優先して上書きするなどの方法をとってもよい。ただしこの場合は、2次元波形とアトラクタとの関連性は低下するため、脳に与える印象は低下することになる。これらはユーザにどの程度まで関連性を確保させるのかを設定できるようにしてもよい。
以上のように、図10に図示したアトラクタ軌道は、いったん消された後、ユーザによって図15に図示するように、新たなアトラクタ軌道として表示部30の中のアトラクタ空間に描画される。そして、ステップSD4では、生成されたアトラクタ軌道を表す描画アトラクタデータ、すなわち3次元直交座標上の各波形値をRAM70の描画アトラクタデータエリアに保存して本処理を終える。
c.波形再生成処理の動作
次に、図16を参照して波形再生成処理の動作を説明する。この波形再生成処理は、今まで行ってきたターケンス・プロットとは逆の処理を行わせて、3次元相空間に描画された描画アトラクタから2次元の波形を作り出すものである。
まず上述したアトラクタ描画処理により描画アトラクタデータを生成し終えると、CPU50は図5に図示するステップSB3を介して波形再生成処理を実行する。波形再生成処理が実行されると、CPU50は図16のステップSI1に処理を進め、変数nに対して前回ターケンス・プロットした最後の値であるNを格納する。
尚、本発明では、図11のアトラクタ描画処理でのステップSDcで消去したアトラクタデータと同じ時間の長さだけ描画を許可しているから最後の値をこれと同じのNを用いている。
場合によっては描画を消去したアトラクタよりも長く書かせる場合も考えられるがこの場合は描画アトラクタの最後の値をNとして用いてもかまわない。
さらに、ステップSI2では再生される波形の終端の時間軸上の位置をtとし、ここから時間軸上をプロットスケール幅tだけ遡った時間t1とし、さらにtだけ時間軸上を遡った時間tと決定する。すなわちここでは時間軸上を逆方向にプロットスケールを動かすための準備作業を行っている。
そして、ステップSI3では、描画アトラクタデータのn番目の座標であるzn,yn,xnを読み出す。この読み出されたzn,yn,xn夫々を、2次元波形の時間軸上の位置t、t1、tでの波高値NW(t)、NW(t1)、NW(t)として、RAM70に確保した再生成波形データエリアに書き込んでいく(ステップSI4〜ステップSI6)。この再生波形エリアは図2に示した原波形エリアと基本的に同じような構造をしている。次にステップSI7ではnをデクリメントしてt、t1、tをΔtだけ時間を遡るように移動させる。続くステップSI8ではnが0より小さいかどうか判断し、小さくないならステップSI3までもどり、ステップSI3〜SI7までの処理を繰り返し行う。そしてnが0より小さくなると、ステップSI8の判断はYESとなりこの波形再生処理を終了する。この波形生成処理によって、変更アトラクタデータは2次元の再生成波形データに変換されて再生成波形データエリア内に記憶される。
図17は、この処理によって進められる波形の2次元への並び替え処理を図示したものである。プロットスケールはこのようにΔtだけ順次時間を遡りながら2次元波形を完成させる。
このように、波形再生成処理では、上述のアトラクタ描画処理にて変形されたアトラクタについて、前述したステップSC2のターケンス・プロット処理(図6参照)とは逆の処理操作を施して3次元の描画アトラクタデータから2次元の再生成波形データを生成する。これにより、音として聞くことが可能なサウンドを生成することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、外部から入力される波形をサンプリングして得た原波形データにターケンス・プロット処理を実行し、当該原波形データのアトラクタを表示し、この表示されたアトラクタの空間に新たな軌道をユーザ操作に応じて生成して描画アトラクタを作成し、さらにターケンス・プロットの逆の処理を行うことで再生成波形データを生成している。したがって、原波形データのアトラクタの特徴を継承し、かつまったく新しい各種音色の波形を発生することが可能となる。
なお、上述した実施形態では、外部から入力される波形原波形データとして用いているが、ロジスティック関数などから得られる離散的な数列から得た波形を発生させて用いる態様としても構わない。
さらに本実施の形態ではアトラクタ空間を作成するために、わざわざ源波形からターケンス・プロットを行うことで得ているが、あらかじめ、有用と思われるアトラクタ空間を複数記憶させておいて、それを音色作成環境としてユーザが任意に選択でき、描画、再生性できるようにしても構わない。
さらに、本実施の形態では、2次元の原波形データから3次元のアトラクタを作成する一例について言及したが、本発明の要旨はこれに限定されず、2次元の原波形データから4次元以上のアトラクタを生成する態様であっても勿論適用可能である。
本発明による実施形態の構成を示すブロック図である。 (a)は原波形データエリアの構成を示す図である。 (b)は再生成波形データエリアの構成を示す図である。 アトラクタデータエリアの構成を示す図である。 メインルーチンの動作を示すフローチャートである。 波形発生処理の動作を示すフローチャートである。 ターケンス・プロット表示処理の動作を示すフローチャートである。 図6に図示するステップSC2のターケンス・プロット処理の動作を説明するための図である。 ターケンス・プロット処理を示すフローチャートである。 相関抽出処理を示すフローチャートである。 描画されたアトラクタ軌道の一例を示す図である。 アトラクタ描画処理の動作を示すフローチャートである クイック波形発生処理を示すフローを示す。 アトラクタ軌道におけるデータ変更点の指定を示す図である ステップSD2のマウス操作量検出を説明するための図である。 変更されたアトラクタ軌道の一例を示す図である。 波形再生成処理を示すフローチャートである。 波形再生成処理の動作を示す図である。
符号の説明
10 入力部
20 操作部
30 表示部
40 鍵盤
50 CPU
60 ROM
70 RAM
80 サウンドシステム

Claims (4)

  1. 夫々複数のプロットスケールt及びリサンプリング時間Δtを組み合わせることにより複数種の異なるプロット条件を用意し、当該複数のプロット条件夫々に基づいて、入力された時間軸及び波高値軸を有する2次元相空間上の原波形データに対して、ターケンスの埋め込み定理によるn(n>2)次元相空間への埋め込みを実行するターケンス・プロット処理を実行することにより、複数種のアトラクタデータを順次生成するターケンス・プロット処理手段と、
    基本アトラクタデータを記憶した基本アトラクタデータ記憶手段と、
    前記ターケンス・プロット処理手段により生成された複数種のアトラクタデータ夫々を座標として前記n次元相空間上に表わされた波形と前記基本アトラクタデータ記憶手段に記憶された基本アトラクタデータを座標として前記n次元相空間上に表わされた波形との相関値を抽出する相関値抽出手段と、
    この相関値抽出手段により抽出された相関値が最大となる、プロットスケール値t及びリサンプリング時間Δtから成るプロット条件を抽出する抽出手段と、
    前記n次元相空間上に描画された波形の前記n次元相空間上の座標を新たなアトラクタデータとして生成するアトラクタデータ生成手段と、
    前記アトラクタデータ生成手段により生成された新たなアトラクタデータに対して、前記プロット条件抽出手段により抽出されたプロット条件を用いて前記ターケンス・プロット処理の逆変換処理を行うことにより、2次元相空間上の波形データを生成する波形生成処理手段と、
    を具備することを特徴とする波形発生装置。
  2. 前記ターケンス・プロット処理は、入力された2次元相空間の原波形データの時間軸上に夫々プロットスケール値tの間隔をおいたn個のサンプリング位置を指定するステップと、当該n個のサンプリング位置の波高値夫々をn次元相空間上の各軸上の位置に対応させることによって最初の座標位置を決定するステップと、その後前記n個のサンプリング位置を同時にリサンプリング時間Δtだけ時間軸上を順次シフトしていくことにより前記n次元相空間上の座標位置を順次決定することによりアトラクタデータを生成するステップを実行することを特徴とする請求項1記載の波形発生装置。
  3. 前記波形生成処理手段は、前記アトラクタデータ生成手段により生成された新たなアトラクタデータを構成する前記n次元相空間上の座標位置を最後から順次読み出し、当該読み出された最後の座標位置を表わすn個の軸上の位置夫々を、前記2次元相空間の時間軸上にプロットスケール値tの間隔をおいて指定されたn個のサンプリング位置夫々の波高値とし、その後座標位置が読み出される毎に前記n個のサンプリング位置を同時にリサンプリング時間Δtだけ時間軸上を順次シフトし、当該シフトされたn個のサンプリング位置夫々の波高値として、前記読み出された座標位置を表わすn個の軸上の各位置を割り当てる動作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の波形発生装置。
  4. 基本アトラクタデータを記憶した基本アトラクタデータ記憶手段を有するコンピュータに、
    夫々複数のプロットスケールt及びリサンプリング時間Δtを組み合わせることにより複数種の異なるプロット条件を用意し、当該複数のプロット条件夫々に基づいて、入力された時間軸及び波高値軸を有する2次元相空間上の原波形データに対して、ターケンスの埋め込み定理によるn(n>2)次元相空間への埋め込みを実行するターケンス・プロット処理を実行することにより、複数種のアトラクタデータを順次生成するターケンス・プロット処理ステップと、
    前記ターケンス・プロット処理ステップにより生成された複数種のアトラクタデータ夫々を座標として前記n次元相空間上に表わされた波形と前記基本アトラクタデータ記憶手段に記憶された基本アトラクタデータを座標として前記n次元相空間上に表わされた波形との相関値を抽出する相関値抽出ステップと、
    この相関値抽出ステップにより抽出された相関値が最大となる、プロットスケール値t及びリサンプリング時間Δtから成るプロット条件を抽出する抽出ステップと、
    前記n次元相空間上に描画された波形の前記n次元相空間上の座標を新たなアトラクタデータとして生成するアトラクタデータ生成ステップと、
    この生成された新たなアトラクタデータに対して、前記抽出されたプロット条件を用いて前記ターケンス・プロット処理の逆変換処理を行うことにより、2次元相空間上の波形データを生成する波形生成処理ステップと、
    を実行させる波形発生処理のプログラム。
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