JPH0628335A - カオス計算機 - Google Patents

カオス計算機

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JPH0628335A
JPH0628335A JP5157651A JP15765193A JPH0628335A JP H0628335 A JPH0628335 A JP H0628335A JP 5157651 A JP5157651 A JP 5157651A JP 15765193 A JP15765193 A JP 15765193A JP H0628335 A JPH0628335 A JP H0628335A
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JP
Japan
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vector
number space
point
attractor
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Application number
JP5157651A
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English (en)
Inventor
Takashi Tawara
孝 田原
Ichiro Tsuda
一郎 津田
Hiroaki Iwanaga
浩明 岩永
Yasunori Nofuji
泰昇 野藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Computer Konbiniensu Kk
Original Assignee
Computer Konbiniensu Kk
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Publication date
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 計測データ(時系列)を演算処理して、その
データに内包されているカオスを判定して、一見無秩序
に見える計測データが内包する秩序を推察する。 【構成】 入力した離散データからターケンスの埋込み
手法で4次元数空間でのカオスアトラクターを生成する
機能と、4次元数空間でのカオスアトラクターを順次座
標変換して2次元数空間に投影する演算機能と、4次元
数空間でのカオスアトラクターからリアプノフ指数を算
出する演算に際し、近接するベクトルの直交性の判断に
一定の余裕を持たせ、また、特定の範囲にあるベクトル
間距離を算出する演算機能を計算機に付与した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一見無秩序に見える時
系列の計測データを演算処理して、そのデータに内包さ
れているカオスを判定することを可能にする計算機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、数学モデルによって生成された連
続的な(無限の)時系列データのカオスを判定すること
が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、我々が
現実に計測して分析に供することができる時系列データ
は離散的かつ有限であるため、これを演算処理して、そ
のカオスを判定するのに有効な計算機は提供されていな
かった。そのため、例えば生体情報の時系列データを計
測してもその生体情報がカオスであるか否かは計算する
ことができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力された時
系列の離散データからカオスアトラクター及び/又はリ
アプノフ指数を演算する演算手段を含むカオス計算機で
あって、前記演算手段は前記入力データをターケンスの
埋め込み方法の手順に従って4次元数空間に展開するこ
とによりカオスアトラクターを生成する機能と4次元数
空間でのカオスアトラクターを座標変換により3次元数
空間に投影する機能を有することを特徴とするカオス計
算機を提供せんとするものである。
【0005】まず、カオスについて説明すると、本発明
において、カオスとは秩序ある統合体であるコスモスと
対比して使われる混沌、反秩序とは異なり、上記コスモ
スをも含みうる統合体を意味するものであり、規則や法
則性を有し、数学的、物理学的に明確に定義された概念
であり、法則自体が因果律に従っているにもかかわら
ず、結果の将来の予測が確率では捉らえられない不確定
になる現象である。
【0006】すなわち、決定論的であるにもかかわら
ず、実際には僅かな誤差が、非線形的な影響下で増幅さ
れ予測不可能になる現象であり、決定論的に生成される
ランダムネスがカオスである。
【0007】したがって、カオスは、予測可能性には基
本的限界があることを示すと共に、従来、確率的にしか
捉えられないとされていたかなりの現象が、秩序構造体
を導出できるという意味で予測可能であることを示して
いる。
【0008】また、カオスの長期的挙動を特徴づけるト
ポロジーをカオスアトラクターといい、カオスを生成し
たシステムの挙動が収束する数学的構造体である。ま
た、カオスの特徴の1つである初期値に対する鋭敏な依
存性の程度を示す数値としてはリアプノフ指数がある。
このリアプノフ指数のうち最大のものである第1リアプ
ノフ指数(n次元数空間ではn個のリアプノフ指数が求
められる)が正の値をとる場合には、もとの時系列デー
タがカオスである。
【0009】本発明においては、計測した時系列データ
がディジタルの場合はそのままで、アナログの場合はデ
ィジタル信号に変換して時系列の離散データを生成した
後、ターケンスの埋め込み手法により4次元数空間に埋
め込み、これを3次元数空間に投影し、次いで2次元数
空間に投影することにより、カオスアトラクターをCR
T等の表示手段に表示することができる。
【0010】また、本発明においては、4次元数空間の
カオスアトラクターからリアプノフ指数を演算するにあ
たって、近接するベクトルの直交性の判断に一定の余裕
を持たせ、また特定の範囲にあるベクトル間距離を算出
することにより、有限のデータであってもリアプノフ指
数の演算が効率よく収束する。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を、脈波波形の時系列データ
を入力した場合を例にとり、添付図を参照して説明す
る。なお、以下はその他の時系列データの処理の場合も
同様である。また、本実施例では時系列の離散データを
出力することができる脈波波形計測装置をコンピュータ
に接続して時系列の離散データを入力しているが、これ
を時系列の離散データの出力が可能な他の計測装置に代
替したり、すでに計測され、磁気記憶媒体等に蓄積され
ている時系列の離散データを入力して実施することもで
きる。
【0012】図1は、脈波波形計測装置より時系列の離
散データを入力する場合の装置全体(A) を示しており、
同装置は時系列の離散データを出力することができる脈
波波形計測装置(1) 、演算手段及び記憶手段としての小
型コンピュータ(2) 、表示手段としてのCRTディスプ
レイ(3) 及びプリンタ(4) と、これらに電力を供給する
電源(5) とで構成されている。
【0013】本発明の特徴は小型コンピュータ(2) にあ
る。まず、小型コンピュータ(2) の全体的な処理手順を
図2を参照して説明する。
【0014】小型コンピュータ(2) をスタート(100) さ
せると、まず初期設定(101) が行われ、後述する4次元
数空間の視線方向を設定(102) し、脈波波形データの各
種演算処理に頻繁に用いられる定数を予め算出して記憶
させ(103) 、CRTディスプレイ(3) をオープン(104)
して、メニューを表示させる(105) 。
【0015】メニューには、図3で示すように、脈波波
形計測装置(1) からのパワーオンレスポンスを受信して
装置全体(A) を使用可能な状態にするパワーオンシーケ
ンス(107) 、カオスアトラクター表示ウインドウのクリ
ア(108) 、カオスアトラクターの表示サイズを大きくす
るズームイン(109) 、カオスアトラクターの表示サイズ
を小さくするズームアウト(110) 、入力データをウイン
ドウ内に収まるようにして表示させるパルスウェーブ(1
11) 、入力データの保存 (112)、保存した入力データの
読み込みと、そのカオスアトラクターの表示(116) 、4
次元数空間の視線方向変更によるカオスアトラクターの
回転(113) (なお、現在までの試行で発見した入力デー
タの構造が把握しやすい角度を3パターン登録し、これ
らを容易に指定できるようにしている)、入力データか
らカオスアトラクターとしてウインドウ上に描く次デー
タ(114) 、装置全体(A) の作動を終了させるEND(11
5) 等がある。次に、カオスアトラクター表示のための
演算について脈波波形データを例にとって説明する。
【0016】図4は、上記演算の概要を示しており、脈
波波形データを200Hzのサンプリング周期で12ビ
ットに分解し(120) 、この時系列の離散データを4次元
数空間に埋め込んでカオスアトラクターを作成する(12
1) 。
【0017】次いで4次元数空間のカオスアトラクター
を3次元数空間に投影し(122) 、さらに3次元数空間に
投影されたカオスアトラクターを2次元数空間に投影し
て画面に出力する(123) という順序で行われる。
【0018】なお、上記演算中に、メニューを呼出し
て、カオスアトラクターを回転させて任意の方向から見
ることができるようにすることと、カオスアトラクター
の拡大、縮小及び時系列の離散データの保存と、保存し
たデータの読み込みと、それから算出したカオスアトラ
クターの表示とが可能である。
【0019】また、演算速度を高めるために、時系列の
離散データを整数型とするとともに、上記演算に頻繁に
用いられる定数を予め算出して記憶させている。なお、
上記演算において、時系列の離散データをターケンスの
埋め込み手法で4次元数空間に埋めこむというのは、小
型コンピュータ(2) に次々と入力する時系列の離散デー
タのある時点での数値を第1の軸の数値Xとし、この時
点から(例えば一定間隔τ=10とすれば)10個目の
数値を第2の軸の数値Y、20個目の数値を第3の軸の
数値Z、30個目の数値を第4の軸の数値Wとして、こ
れらの数値で4次元のベクトルを形成させ、このように
して次のベクトルを1個目、11個目、21個目、31
個目の数値X,Y,Z,Wで形成し、こうして作成した
多数のベクトルで時系列の離散データのカオスアトラク
ターを4次元数空間内に形成する。
【0020】そして、4次元数空間の視方向の単位ベク
トル n1 =(n1,n2,n3,n4 )を第4の軸に一致させるた
めに、次の行列計算を行って、各ベクトル( X, Y,
Z,W)を(X' ,Y' ,Z' ,W' )に変換する。
【0021】
【数1】
【0022】ここで4次元数空間に形成されたアトラク
ターは、CRTディスプレイ(3) では図形として表示す
ることができないので、次の行列計算を行い3次元数空
間への投影点の座標X",Y",Z" を算出する。
【0023】
【数2】
【0024】そして、次式の計算により、上記3次元数
空間座標を2次元数空間に投影した座標 X"',Y"'を
算出する。
【0025】X"'=Y"cosβ−X"cosα Y"'=Z" −X"'tan β ただし、α,βは3次元数空間のx,y軸が2次元数空
間のx,y軸となす角度である。
【0026】このようにして得た2次元数空間の座標
X"',Y"'を表示手段としてのCRTディスプレイ(3)
、又はプリンタ(4) に出力する。入力した時系列の離
散データにカオスが内在していれば、それぞれに特有の
形のカオスアトラクターが出力され、カオスであること
が判定できる。因みに脈波データはカオスであり、後述
のように特有のカオスアトラクターを示す。
【0027】次に、リアプノフ指数について説明すると
カオスは初期値に強く依存する性質を持っている。この
性質を初期値依存性といい、初期値依存性の程度を指数
で示した数値をリアプノフ指数という。そして、このリ
アプノフ指数は、カオスアトラクターが描く軌道のう
ち、近接した2本の軌道間の距離が、単位時間経過する
と、どの程度離れるかを計算することによって求めるこ
とができる。
【0028】次に、本発明で採用しているリアプノフ指
数の計算手順を説明するために、リアプノフ指数の理論
的な計算方法について説明する。図9で示すように、基
準となる軌道を x(t) t ={ 0,1,2 … nτ}、x(0)か
らτ時間進んだ先の点を x (τ) 、x(0)に近接した点を
y (τ) 、y(0)が存在する軌道をy(t)、y(0)からτ時間
進んだ先の点を y( τ) 、x(0)とy(0)との距離をd(0)と
したとき、x(τ) と y (τ) との距離 d (τ) を次式で
あらわすことができる。
【0029】
【数3】
【0030】これは、最初近接していた軌道間の距離が
時間とともに指数関数的に拡大することをあらわしてお
り、この距離の拡大率を指数で示した数値λがリアプノ
フ指数である。そして、リアプノフ指数λは次式で算出
することができる。
【0031】
【数4】
【0032】次に、上記理論に基づくリアプノフ指数の
具体的な算出方法を説明する。
【0033】基準となる軌道 x(t) t ={ 0,1,2 … n
τ} があるとき、ベクトル x(0)x(1) に直交し、ある
単位距離だけ離れた点を y0(0)、y0(0) が存在する軌道
を y0(t)とする。
【0034】x(0) とy0(0) との距離をd0(0) とし、点x
(0)のτ時間後の点をx(τ) 、y0(0) のτ時間後の点をy
0 (τ) 、x(τ) とy(τ) との距離をd(τ) とする。
【0035】次にベクトル x( τ)y0(τ) と同じ方向に
あり、ある単位距離だけ離れた点をy1(0) 、y1(0) が存
在する軌道をy1(t) 、x(τ) とy1(0) との距離をd1(0)
、x(τ) のτ間後の点をx (2τ) 、y1(0) のτ時間後
の点をy1 (τ) 、x (2τ) とy1(τ) との距離をd1 (τ)
とする。
【0036】次に、ベクトルx (2τ)y1(τ) と同じ方向
にあり、ある単位距離だけ離れた点をy2(0) 、x (2τ)
とy2(0) との距離をd2(0) 、x (2τ) のτ時間後の点を
x (3τ) 、y2(0) のτ時間後の点をy2 (τ) 、x (3τ)
とy2 (τ) との距離をd2 (τ) とする。この操作を繰り
返すことによって、最初のτ時間ではd0 (τ) /d0(0)
倍、次のτ時間では、d1 (τ) /d1(0) 倍、その次のτ
時間では、d2 (τ) /d2(0) 倍だけx(t)軌道と近接軌道
の距離が拡大しており、n τ時間後にはdn-1(τ) /d
n-1(0)となることがわかる。
【0037】リアプノフ指数λは単位時間当りの軌道間
の距離の拡大率の平均であるから、次式で求めることが
出来る。
【0038】
【数5】
【0039】上記は、理論的なリアプノフ指数λの算出
方法であるが、この計算方法では現実に得られる時系列
の離散データのリアプノフ指数を計算することは困難で
ある。その理由は、理論的リアプノフ指数計算方法のモ
デルとして用いられるデータは、適宜に定めた公式(数
学モデル)によってカオスのデータを生成しており、し
たがって、連続的な無限のデータをとることができるの
で、次に述べる各条件を満たしているのに対し、現実に
得られる時系列の離散データでは、必ずしも数空間の望
む位置にデータ点を取れるとは限らないし、データ数も
有限である。
【0040】4次元ベクトル軌道のある点Aにおけるベ
クトルA' (単位ベクトル)が軌道の直交位置に存在す
ることが必要であるが、現実に計測できる時系列の離散
データでは、必ずしもこれがあるとは限らない。
【0041】また、ある点Bにおける次のベクトルB"
(単位ベクトル)が、点Bにおける軌道の直交位置に存
在することが必要であるが、現実にはこれが必ず見つか
るとは限らない。
【0042】また、ベクトルB' とB" のなす角が小さ
いことが必要であるが、現実には必ずしも小さいとは限
らない。
【0043】そこで、各点における最も近似したベクト
ルを探すのであるが、例えば、前記ベクトルB" を探す
とき、単にB' に近いという条件だけで検索すると、点
Bの次の点におけるベクトルをとる可能性がある。
【0044】データ数が有限であるので、点Aが時系列
の離散データ群の終端付近にあると、次のデータ点(点
Aにτを加えた点)がとれない。
【0045】現実に得られる時系列の離散データは有限
の数であるため、別々のデータ点が同じ値をとっている
可能性がある。
【0046】そこで本発明では、リアプノフ指数計算に
用いるデータ点の採用条件を次のように定めている。
【0047】すなわち、4次元数空間において、上記軌
道上に頂点を置き、かつ、ベクトルB' を中心線とした
頂角が小さい円錐を設定して、この円錐内にあるベクト
ルを採用するようにした。
【0048】上記によって、前記ベクトルB" が非常に
小さくて、軌道方向と略同一方向でないかぎり、隣の点
のベクトルを取る可能性を回避できる。
【0049】また、各ベクトルの軌道に対する角度θ
は、各データのベクトルを(X,Y,Z,W)、軌道方
向のベクトルを(X' ,Y' ,Z' ,W' )とすると、
【0050】
【数6】
【0051】で算出することができ、これによってベク
トルと軌道の直交性をチェックすることができる。
【0052】また、各ベクトルの絶対値の上限と下限と
を設定して、この範囲内にあるベクトルを採用すること
によって、前記ベクトルB" が非常に小さくて、軌道方
向と略同一方向であっても、隣の点のベクトルを取る可
能性を回避することができる。なお、上記範囲は前記カ
オスアトラクターを観察して、最も収束がよい値を設定
することができる。
【0053】このようにしてとった各ベクトルの伸び率
を2を底とした対数に変換し、これの算術平均値を第1
リアプノフ指数λ1 とする。上記の計算を実行するため
に、小型コンピュータ(2) 内に、図6と図7で示すプロ
グラム(50)を格納している。
【0054】すなわち、第1リアプノフ指数λ1 の演算
をスタートさせると(51)、まず、前記のベクトル軌道の
始端近傍に、データの採用条件を判断するための基準と
なる点Aを設定する(52)。なおこの点Aは計算の進行に
伴って先送りされる。
【0055】次に、次の点B(τだけ後の点)をとる余
裕があるか否かを判断し(53)、余裕がある場合は(53Y)
この点Bを次の点として採用し(54)、この点Bで仮のデ
ータを探し(55)、見つかれば(55Y) 、次の点から仮のデ
ータを探し(56)、見付からなければ時系列の離散データ
の先頭から検索する(57)。次に、このようにして見つけ
たデータが前述のデータの採用条件に適合していれば(5
8Y) 、このデータ点を採用し(59)、なければ(58N) 、デ
ータ点採用条件中のベクトルの大きさの範囲を更新し(6
0)、この範囲の上限を逸脱していなければ(61N) 、ステ
ップ(55)に戻り、逸脱していると(61Y) 、基準点Aを次
の点Bに移して(62)、ステップ(53)に戻る。
【0056】このようにして採用したデータ点は、前述
したベクトルA' がベクトルB' に発展する余裕がある
か否かを判断し(63)、余裕があれば(63Y) 、ベクトル
B' の軌道との直交性をチェックする(64)。
【0057】なお、ステップ(63)で余裕がない場合(64
N) 及びステップ(64)で直交していない場合(64N) は、
ステップ(55)に戻る。
【0058】そして、後述のリトライ中であるか否かを
判断して(65)、リトライ中であれば(65Y) 、前回のベク
トルとのなす角を算出して(66)、この角が大きい場合(6
6L)は、ステップ(55)に戻り、小さい場合(66S) 及び前
記ステップ(65)でリトライ中でない場合(65N) は、ベク
トルB' をベクトルA' から発展したベクトルとして確
定する(67)。そして、リトライのために点Aとベクトル
A' とを記憶させておく(68)。なお、演算の終末に際
し、 ステップ(53)で次の点をとる余裕がなくなれば(53
N)、演算を終了させる(E) 。
【0059】次に、点Bにおける仮のベクトルB" をさ
がし(70)、このベクトルB" がデータ点採用条件に適合
していなければ(71N) 、上記条件のベクトルの大きさの
範囲を更新し(72)、それでも上限を逸脱していると(73
Y) 、リトライフラグをセットして(74)、ステップ(55)
に戻る。
【0060】また、ステップ(73)で上限を逸脱していな
ければ(73N) 、ステップ(70)に戻る。そして、ステップ
(71)でデータ採用条件に適合したベクトルB" があると
(71Y) 、このベクトルB" が軌道と直交しているか否か
を判断し(75)、直交していなければ(75N) 、ステップ(7
0)に戻り、直交していると(75Y) 、点Bにおける各ベク
トルB' ,B" のなす角度を算出し(76)、この角度が充
分に小さいか否か、すなわち、前述の円錐内にB" が入
っているか否かを判断し(77)、 角度が小さくない場合(7
7N) は、ステップ(70)に戻り、小さい場合(77Y) は、点
Aから点Bに移動したことによるベクトルA' からベク
トルB' への伸び率を、2を底とした対数に変換し(7
8)、この数値を算術平均して第1リアプノフ指数λ1
する(79)。
【0061】そして、現在計算している点Bが時系列の
離散データの終端であるか否かを判断し(80)、終端でな
ければ(80N) 、上記の点Bを次回計算の基準点(前記の
点Aに相当)に代入し(81)、ベクトルB" を単位ベクト
ルに変換して次回計算の基準ベクトル(前記のベクトル
B' に相当)に代入し(82)、リトライのために点Bとベ
クトルB' とを記憶させ(83)、点Bの次の点を算出し(8
4)、算出された次の点の基準ベクトルから発展したベク
トルを算出し(85)、次回計算において用いるベクトルの
直交チェック用の座標を更新して(86)、ステップ(70)に
戻り、上記の計算を繰返す。
【0062】なお、ステップ(80)で点Bが時系列の離散
データの終端であると判断されると(80Y) 、演算を終了
させる(E) 。
【0063】つまり、ステップ(52)〜(68)では、主とし
て、次の点におけるベクトルB' を参照してデータ点採
用条件に適合する基準点を検索し、ステップ(70)〜(77)
では同条件に適合する発展したベクトルを検索するよう
にしており、上記のように、採用するデータ点の採用条
件を設定し、この条件に適合したデータ点を検索するこ
とによって、不適格なデータ点が計算に算入されること
を防止し、しかも、適格なデータ点が見つからない場合
は、その点におけるデータ点検索を放棄するのではな
く、採用条件のベクトルの大きさの設定範囲を広げて検
索して、次善のデータ点を採用するようにしたことで、
高い精度で第1リアプノフ指数λ1 を算出することがで
きる。
【0064】次に、第2リアプノフ指数λ2 の計算につ
いて説明する。第2リアプノフ指数λ2 の計算も、基本
的には前述した第1リアプノフ指数λ1 の計算と同じで
あり、 点A1においてデータ点採用条件に適合したベク
トルA2 とA3 をとって4次元数空間に三角形A1-A2-
A3 を形成し、次に、ベクトルA2 とA3 とが次の点B
1 までに発展したベクトルB2 とB3 とで三角形B1-B
2-B3 を形成し、更に、点B1 で新たにとった適格なベ
クトルB' とB" とで三角形B1-B'-B" を形成して、
三角形B1-B2-B3 と三角形B1-B'-B" のなす角度が
充分に小さいとき、三角形A1-A2-A3 から三角形B1-
B2-B3 への面積の伸び率を算出し、これを2を底とし
た対数に変換し、この数値を算術平均することによって
第2リアプノフ指数λ2 を算出する。
【0065】なお、各三角形のなす角度は、ベクトルB
2 とB3 の合成ベクトルと、ベクトルB' とB" の合成
ベクトルとがなす角度をもって、上記三角形がなす角度
とした。以上の方法によって描画されたカオスアトラク
ター並びにリアプノフ指数を脈波波形の時系列の離散デ
ータの場合について例示する。図8は、ある被験者(H
氏・男性・健康)がリラックスしている状態でのカオス
アトラクターであり、図9は同被験者が読書(雑誌)し
ている状態のものである。
【0066】第1、第2リアプノフ指数(λ1 、λ2
をそれぞれ図面の下部に記載した。
【0067】図10は、別の被験者(K氏・女性・健康)
がリラックスしているとき、図11は読書(数学のテキス
ト)、図12は読書(マンガの本)しているとき、図13は
ぼんやりと美しい絵を眺めているときのカオスアトラク
ターとリアプノフ指数である。
【0068】図14は神経症の病歴を有するS氏の治療
前、図15は治療中、図16は治療により回復後のリラック
ス状態におけるカオスアトラクターとリアプノフ指数を
示している。
【0069】カオスでない時系列の離散データからは上
記のようなカオスアトラクターを描き、第1リアプノフ
指数に正の値を得ることができないため、本実施例にお
けるカオスアトラクターの描画方法やリアプノフ指数の
演算法が、カオスの判定方法として適正であることを立
証している。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】装置の構成を示す説明図。
【図2】小型コンピュータの全体的な処理手順を示す説
明図。
【図3】メニューの説明図。
【図4】カオスアトラクター表示のための演算手順の説
明図。
【図5】リアプノフ指数計算における軌道と点の関係を
示す説明図。
【図6】リアプノフ数を求める演算処理のフローチャー
ト。
【図7】リアプノフ数を求める演算処理のフローチャー
ト。
【図8】脈波のカオスアトラクターを示す図。
【図9】脈波のカオスアトラクターを示す図。
【図10】脈波のカオスアトラクターを示す図。
【図11】脈波のカオスアトラクターを示す図。
【図12】脈波のカオスアトラクターを示す図。
【図13】脈波のカオスアトラクターを示す図。
【図14】脈波のカオスアトラクターを示す図。
【図15】脈波のカオスアトラクターを示す図。
【図16】脈波のカオスアトラクターを示す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された時系列の離散データからカオ
    スアトラクター及び/又はリアプノフ指数を演算する演
    算手段を含むカオス計算機であって、前記演算手段は前
    記入力データをターケンスの埋め込み方法の手順に従っ
    て4次元数空間に展開することによりカオスアトラクタ
    ーを生成する機能と4次元数空間でのカオスアトラクタ
    ーを座標変換により3次元数空間に投影する機能を有す
    ることを特徴とするカオス計算機。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は、前記3次元数空間のカ
    オスアトラクターを座標変換により2次元数空間に投影
    する機能を有することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載のカオス計算機。
  3. 【請求項3】 前記演算手段は、前記4次元数空間にお
    ける近接ベクトルの軌道上のある点において一定の円錐
    内に入るベクトルを採用し又ベクトルの絶対値が所定の
    範囲内にあるベクトルを採用してリアプノフ指数を演算
    する機能を含んでいることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項又第2項に記載のカオス計算機。
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