JP5347037B2 - 導電シート製造用感光材料、導電シート、透明導電シート、及び静電容量方式のタッチパネル - Google Patents
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Description
一方、低抵抗の導電性細線をハロゲン化銀写真感光材料の現像で得られる銀像から形成する方法が電磁波シールド膜やプリント配線の分野で検討されている。この方式は種々のパターンをマスクを介した露光と引き続く現像処理により形成することができるので、製造工程が安定している。現像方式としては例えば、特許文献3をあげることができ、細線幅20μmで格子間隔250μmの網目パターンで表面抵抗50〜100Ω/□の実施例が記載されている。
これらの導電性細線により静電容量感知部を作成する方法では、特許文献1の図7に示されるような第一電極と第二電極とを積層しタッチパネルを形成したときには、このパネルをタッチ者側から透視したときに図8のような均一な網目状となるように積層する必要がある。均一な網目状となっておらず、不均一な電極の重なりや、空白が生じていると、画面が不均一に見え視認性が劣る欠陥となる。そのため、2つの導電シートの位置あわせには、高い精度が求められ、タッチパネル毎に高い精度での位置あわせをすることになり、タッチパネルの生産性が劣る問題がある。
ところが、透明支持体のおもてうら両面に電極を形成した試料は、おもて面とうら面の電極の透視像が均一のパターンとなるように露光パターンの位置あわせを厳密に行っても、微妙な色のムラを生じることがわかった。また、形成した電極表面の色味が、電極を形成する条件により変化する現象は、銀ペーストなどの導電性インクを印刷する方式や、蒸着やスパッタリング法を用いる方式でも、特に膜厚の厚い電極を形成する場合に観測されることがある。これらの現象は、比較的厚い電極膜を形成した場合に、形成プロセスの初期の膜と、厚膜となった膜と、における金属膜の微細構造が異なることによると推定されるが、さだかではない。
一枚の透明支持体の表裏両面に第一と第二の電極を形成した透明電極を、投影型静電容量方式のタッチパネルに用いた場合の断面図を図1に示した。図1は、上部のタッチ者側から、タッチ面を兼ねる透明支持体31、絶縁層を兼ねる粘着層41、上部電極を構成する導電性細線21、電極用の透明支持体32、下部電極を構成する導電性細線22、絶縁層を兼ねる粘着層41、透明支持体33で構成されるタッチパネル01の模式断面図である。この図1の構成では、タッチ者(視認者)は上部電極を構成する導電性細線21と、下部電極を構成する導電性細線22とを互い違いに視認する。具体的には、図1に示したように導電性細線21では、矢印のb1の方向から透明支持体から遠い側にある導電性細線21の表面を視認する。導電性細線22では、矢印のb2の方向から透明支持体から近い側にある導電性細線22の表面を視認している。上下電極の導電性細線間の距離d1が、人間の目の識別距離以下(多くの人の場合は0.1mm以下)の場合は、色味のムラを感じにくい。
一方、複数の導電性細線により1つの電極を構成する場合(例えば静電容量の感知部がメッシュ状、あるいは長格子状など)は、図2に示すように、透明支持体の一方の面に、複数の導電性細線が並ぶ領域d2があり、続いて他方の面に複数の導電性細線が並ぶ領域d3が続くことになり、d2とd3の長さは、人が認識する距離となるのが通常であり、図2のような態様では電極の形成条件により、色ムラが認識されることを見出し、以下の発明に至った。なお、図2は、例えば図9の正方格子を格子の長辺の線に平行に切ったときの断面をモデル的に表した図である。
透明支持体の両面(おもて面及びうら面)に、それぞれ、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層が形成された導電シート製造用感光材料であって、おもて面側の感光層又はうら面の感光層の少なくとも一方の側の感光層が、メルカプト化合物を含み、
該感光層に含まれるメルカプト化合物が、該感光層の透明支持体から遠い側の感光層よりも、透明支持体に近い側の感光層に多く含まれることを特徴とする導電シート製造用感光材料。
<2>
該透明支持体のおもて面又は、うら面のいずれか一方の感光層は、メルカプト化合物を含まないことを特徴とする<1>に記載の導電シート製造用感光材料。
<3>
該透明支持体のおもて面の感光層が含むメルカプト化合物量よりも、うら面の感光層が含むメルカプト化合物量の方が多いことを特徴とする<1>に記載の導電シート製造用感光材料。
<4>
該感光層の少なくとも1つの感光層に含まれるメルカプト化合物の量は、メルカプト化合物と同じ層に含まれるハロゲン化銀乳剤中の銀1g(グラム)に対して、0.1mg以上、15mg以下であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
<5>
透明支持体の両面に形成される感光層に含まれる銀とバインダーの体積比が1.0以上であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
<6>
該透明支持体の両面の感光層が、透明支持体とそれぞれの感光層との間にアンチハレーション層を有することを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
<7>
<1>〜<6>のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料の両面に像様パターン露光を施し、次いで現像処理することにより、現像銀の導電性細線からなるおもて面透明電極と、現像銀の導電性細線からなるうら面透明電極とを、透明支持体の両面に形成したことを特徴とする導電シート。
<8>
該おもて面透明電極の導通方向と、うら面透明電極の導通方向とは、互いに直交配置となるように露光、現像処理されて形成されることを特徴とする<7>に記載の導電シート。
<9>
おもて面電極の透明支持体から遠い側の電極表面の反射色度b 1 * と、うら面電極の透明支持体に近い側の電極表面の反射色度b 2 * との差の絶対値が2以下(|△b * |=|b 1 * −b 2 * |≦2)であることを特徴とする<7>又は<8>に記載の透明導電シート。
<10>
<7>〜<9>のいずれか1項に記載の透明導電シートを用いた静電容量方式のタッチパネル。
本発明は、上記<1>〜<10>に関するものであるが、参考のため下記[1]〜[30]に記載した事項を含むその他の事項についても記載した。
[1]透明支持体の両面(おもて面及びうら面)に、それぞれ、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層が形成された導電シート製造用感光材料であって、おもて面側の感光層又はうら面の感光層の少なくとも一方の側の感光層が、メルカプト化合物を含むことを特徴とする導電シート製造用感光材料。
[2]該感光層に含まれるメルカプト化合物が、該感光層の透明支持体から遠い側の感光層よりも、透明支持体に近い側の感光層に多く含まれることを特徴とする項1に記載の導電シート製造用感光材料。
[3]該透明支持体のおもて面又は、うら面のいずれか一方の感光層は、メルカプト化合物を含まないことを特徴とする項1又は2に記載の導電シート製造用感光材料。
[4]該透明支持体のおもて面の感光層が含むメルカプト化合物量よりも、うら面の感光層が含むメルカプト化合物量の方が多いことを特徴とする項1〜3のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
[6]該メルカプト化合物が、N−H構造を有する5員環アゾール又はN−H構造を有する6員環アジンを骨格とするメルカプト化合物であり、N−H構造とはアゾール類又はアジン類に含まれる窒素−水素結合を意味し、該水素は解離可能であることを特徴とする項4又は5に記載の導電シート製造用感光材料。
[7]該メルカプト化合物が2-メルカプトベンゾイミダゾールの4位から7位のいずれかにSO3 M基を置換基として有し、更に水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン基、スルホ基から選ばれる少なくとも1つの基を置換基として有し、Mはアルカリ金属原子又はアンモニウム基であることを特徴とする項7に記載の導電シート製造用感光材料。
[9]透明支持体の両面に形成される感光層に含まれる銀とバインダーの体積比が1.0以上である層を有することを特徴とする項1〜8のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
[10]該層の銀とバインダーの体積比が1.5以上であることを特徴とする項1〜9のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
[11]おもて面とうら面の少なくとも一方の感光層の支持体に近い側の感光層に含まれる銀とバインダーの体積比が1.0未満であることを特徴とする項1〜10のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
[12]おもて面とうら面の少なくとも一方の感光層の支持体から遠い側の感光層に含まれる銀とバインダーの体積比が0.5未満であることを特徴とする項1〜11いずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
[13]おもて面とうら面の一方の面の感光層の支持体から遠い側の感光層に含まれる銀とバインダーの体積比が0.5未満であり、他方の面の感光層の支持体に近い側の感光層に含まれる銀とバインダーの体積比が0.5未満であることを特徴とする項1〜12のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
[14]該透明支持体の両面の感光層が、透明支持体とそれぞれの感光層との間にアンチハレーション層を有することを特徴とする項1〜13のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
[16]該おもて面透明電極の導通方向と、うら面透明電極の導通方向とは、互いに直交配置となるように露光、現像処理されて形成されることを特徴とする項15に記載の導電シート。
[17]該導電性細線からなる透明電極は、複数の導電性細線からなるパターニングされた電極であることを特徴とする項15又は16に記載の導電シート。
[18]該パターニングされた電極は、導電性細線により、正方格子あるいは長方格子を電極中に有することを特徴とする項17に記載の導電シート。
[19]該パターニングされた電極を構成する導電性細線の線幅が1μm以上、10μm以下であることを特徴とする項15〜18のいずれか1項に記載の導電シート。
[20]該導電性細線の線幅が2μm以上、6μm以下であることを特徴とする項15〜18のいずれか1項に記載の透明導電シート。
[22]該導電性細線の厚みが0.2μm以上、0.8μm以下であることを特徴とする項15〜21のいずれか1項に記載の導電シート。
[23]該導電シートのおもて面電極の透明支持体から遠い側の電極表面の反射色度b1 *と、うら面電極の透明支持体に近い側の電極表面の反射色度b2 *との差の絶対値が2以下(|△b*|=|b1 *−b2 *|≦2)であることを特徴とする項15〜22のいずれか1項に記載の透明導電シート。
[24]|△b*|が1以下であることを特徴とする項23に記載の透明導電シート。
[25]b1 *とb2 *とが、−2.0<b1 *≦0、かつ−1.0<b2 *≦1.0 であることを特徴とする項23又は24に記載の透明導電シート。
[26]b1 *とb2 *とが、−1.0<b1 *≦−0.5、かつ−0.5<b2 *≦0.2であることを特徴とする項25に記載の透明導電シート。
[27]項15〜26のいずれか1項に記載の導電シートを用いた静電容量方式のタッチパネル。
[28]項1〜14のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料に像様露光を施し、次いで現像処理により現像銀の網目状導体線からなる実質的に透明な電極を形成する導電シートの製造方法において、該像様露光方法が、該導電シート製造用感光材料の両面の感光材料に異なった電極パターンの露光を同時に施す方法であることを特徴とする導電シートの製造方法。
[29]該露光が走査露光であることを特徴とする項28に記載の導電シートの製造方法。
[30]該露光が異なったマスクを介する面露光であることを特徴とする項28に記載の導電シートの製造方法。
尚、本発明においては、おもて面、うら面とは、感光材料及び導電シートをタッチパネルなどの視認用の装置として構成した時に、視認者に近い面をおもて面、遠い面をうら面という。
以上により、本発明の導電シート製造用感光材料を用いた導電シートによりタッチパネルを構成すると、電極の色味ムラが少なく、低抵抗で、大画面のタッチパネルを得ることができる。また、本発明の透明導電シートを応用すると、色調に優れた透明導電シート、電磁波シールドシート、発熱体シートや帯電防止シートを得ることができる。
本発明の感光材料は、透明支持体の両面(おもて面及びうら面)に、それぞれ、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層が形成された導電シート製造用感光材料であって、おもて面側の感光層又はうら面の感光層の少なくとも一方の側の感光層が、メルカプト化合物を含むことを特徴とする導電シート製造用の感光材料である。
本発明の感光材料は、透明支持体の両面に感光層を有する構成であり、代表的な構成を図3を用いて説明する。透明支持体32のおもて面側には上部感光材料層(おもて面感光材料層とも言う)50が、うら面側には下部感光材料層(うら面感光材料層とも言う)60が形成されている。
そして、上部感光材料層50は、透明支持体32上に下塗り層56、アンチハレーション層57、ハロゲン化銀乳剤を含む上部感光層(おもて面感光層とも言う)51、保護層55が形成されている。下塗り層、アンチハレーション層、保護層は、必要に応じて設けられる層である。上部感光層51はいくつかのハロゲン化銀乳剤を含む感光層とその感光層の間にある中間層から形成されていてもよい。本発明においては感光層51を3つの感光層、即ち透明支持体32に近い側から、上部第一感光層52(上部u層とも言う)、上部第二感光層53(上部m層とも言う)、上部第三感光層54(上部o層とも言う)に分けて説明する。
下部感光材料層60も上部感光材料層50と同様の層構成をもち、透明支持体を中心に対称の層構成が好ましい。
本発明の上記感光材料に用いられる透明支持体としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、及びガラス板などを用いることができるが、プラスチックフィルムが好ましい。
プラスチックフィルムの原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの塩化ビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
本発明におけるプラスチックフィルムは、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして用いることも可能である。
支持体としては、PET(258℃)、PEN(269℃)、PE(135℃)、PP(163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)やTAC(290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルムが好ましく、特にPETが好ましい。( )内の数値は融点である。フィルムの透過率は85%〜100%であることが好ましい。
透明支持体フィルムの厚みは50μm以上、500μm以下の範囲で任意に選択することができる。特に透明導電シートの支持体の機能の他にタッチ面の機能をも兼ねる場合は、500μmを超えた厚みで設計することも可能である。透明支持体上にハロゲン化銀乳剤を含む感光層を塗布方式で設ける場合は、フィルムの厚みとしては、50μm以上、250μm以下とすることが製造上より好ましい。
メルカプト化合物は、おもて面感光層51又はうら面感光層61の少なくとも一方に含ませることが必要である。このような態様により、後述するタッチパネルを作成したときの色味ムラを改良することができる。
感光層に含まれるメルカプト化合物は、該感光層の透明支持体から遠い側の感光層よりも、透明支持体に近い側の感光層に多く含まれることが好ましい。即ち、o層よりはm層又はu層に含ませることが好ましく、u層に含ませることがより好ましい。あるいは、o層、m層、u層の順にメルカプト化合物の濃度を高くすることが好ましい。
透明支持体のおもて面又は、うら面のいずれか一方の感光層がメルカプト化合物を含む場合は、他方の感光層は、メルカプト化合物を含まないことが好ましく、メルカプト化合物を含まない感光層がおもて面感光層であると更に好ましくい。
透明支持体のおもて面の感光層とうら面の感光層の両方がメルカプト化合物を含む場合は、おもて面及び裏面感光層でのメルカプト化合物量が異なることが好ましく、おもて面の感光層が含むメルカプト化合物量よりも、うら面の感光層が含むメルカプト化合物量の方が多いことがより好ましい。
特開2007−116137号の段落34から、段落102に記載の化合物の中で、N−H構造を有する5員環アゾール又はN−H構造を有する6員環アジンを骨格とするメルカプト化合物が好ましい。N−H構造とはアゾール類又はアジン類に含まれる窒素−水素結合を意味し、該水素は解離可能である特徴を有する。
上記メルカプト化合物の骨格構造となる、5員環アゾール類又は6員環アジン類は、単環であってもよいが2以上の環が縮合した複合複素環である場合が好ましい。複合複素環で好ましい構造は、5員環アゾール類又は6員環アジン類とヘテロ原子を有さないベンゼン環などとの複合環(縮環)であってもよいし、5員環アゾール類と6員環アジン類との複合環(縮環)であってもよい。より具体的には、ピリミジン、ピラゾール、イミダゾール、フェニルの各環が縮合した複合環であることが好ましい。特に好ましい環構造は、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾールである。
上記の環は、メルカプト基のほかに、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子)アリール基(例えばフェニル、4−メタンスルホンアミドフェニル、4−メチルフェニル、3,4−ジクロルフェニル、ナフチルの各基)、アラルキル基(例えばベンジル、4−メチルベンジル、フェネチルの各基)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、p−トルエンスルホニルの各基)、カルバモイル基(例えば無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイルの各基)、スルファモイル基(例えば無置換スルファモイル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイルの各基)を有していてもよく、スルホ基、カルボキシル基を有することが好ましい。これらの水溶性基はアルカリ金属の塩の構造であってもよい。
上記のメルカプト化合物の中で、2-メルカプトベンゾイミダゾールの4位から7位のいずれかにSO3 M基を置換基として有し、更に水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン基、スルホ基から選ばれる少なくとも1つの基を置換基として有し、Mはアルカリ金属原子又はアンモニウム基である化合物が最も好ましく、特に好ましい化合物は段落101に記載の3化合物である。
次にハロゲン化銀乳剤を含む感光層について説明するが、現像銀を電極材料とするためには、感光材料の種類と、現像処理の種類とを、以下の3通りの方式から選択することができる。
(1)物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる方式。
(2)物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる方式。
(3)物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる方式。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に透光性電磁波シールド膜や光透過性導電シートなどの透光性導電性膜が形成される。これも黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、得られる現像銀は比表面が小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に透光性電磁波シールド膜や光透過性導電シートなどの透光性導電性膜が形成される。いわゆる2シートのセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる)。
(ハロゲン化銀乳剤)
上記のo層/m層/u層構成の感光層の塗布形成後の厚みは、本発明においては、便宜的に全感光層厚みに対し0.2/0.6/0.2の厚みとする。
尚、以上の説明では感光層を3層としたが、目的により、2層以上の任意の層で構成することができる。また各層の厚みは、o層とu層とをm層のカバー層と考えるとm層が感光層全体の40〜90%を占めることが好ましく、o層とu層は目的に従い、残りの10から60%を配分することができる。
銀とバインダーの体積比は、o層/m層/u層及び感光層51及び61で全て同じ比としてもよいが、層ごとに変更することもでき、少なくとも一方の感光層51又は61の支持体に近く位置するu層の感光層に含まれる銀とバインダーの体積比を1.0未満とすることが好ましく、0.5未満とすることがより好ましい。更に、少なくとも一方の感光層の支持体から遠くに位置するo層に含まれる銀とバインダーの体積比が0.5未満とすることがより好ましい。
ハロゲン化銀乳剤を含む感光層には、銀塩粒子を均一に分散させ、かつ乳剤層と支持体との密着を補助する目的でバインダーが用いられる。上記バインダーとしては、例えば、ゼラチン、カラギナン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられが、ゼラチンが好ましい。
ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチンの加水分解物、ゼラチン酵素分解物、その他アミノ基、カルボキシル基を修飾したゼラチン(フタル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン)を使用することができる。
また、バインダーとしてラテックスを用いることもできる。ここでラテックスとしては、特開平2−103536号公報第18頁左下欄12行目から同20行目に記載のポリマーラテックスを好ましく用いることができる。
感光層に用いられる溶媒の含有量は、感光層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の感光層の上に図示しない保護層を設けてもよい。本実施の形態において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する感光層上に形成される。その厚みは0.5μm以下が好ましい。保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法及び形成方法を適宜選択することができる。
本発明の感光層と透明支持体との間には、アンチハレーション層57及び67を設けることができる。アンチハレーション層に用いる材料とその使用方法については、特開2009−188360号の段落29から32の記載を参照することができる。アンチハレーション層の光学濃度は露光光の強さや波長によっても異なるが、0.5から3.0程度が好ましい。
図4の(a)は透明支持体32であり、(b)はこの透明支持体の両面に上部感光材料層50と、下部感光材料層60とを塗布により設けた本発明の感光材料05を表し、(c)は本発明の感光材料にフォトマスクを通して露光した図を表し、(d)は、露光に引き続く現像定着処理により形成された現像銀電極を表す。以下では露光以降の各工程について説明する。
[露光]
本発明の感光材料05は、支持体の両面に感光層が形成された感材であるため、本発明では図4の(c)のように感光材料
の両面に光を照射102a及び102bして露光する。光照射は、感光材料にフォトマスク110と120を介して行う。フォトマスク110と120は、後述する図7と図8の電極パターンを現像銀により形成するために用いるマスクであるから、フォトマスク110と120は、図7と図8の電極の細線に相当する部分が光透過するマスクである。従って、フォトマスク110と120とは同一ではなく異なったパターンのマスクである。以上の説明のように、111と121とはマスクの開口部、112と122とはマスクの遮光部である。マスクの開口部を透過した光は感光層の131、141の部分のハロゲン化銀乳剤に潜像を形成する。この潜像が形成された131と141の部分は、次の現像処理により現像銀のパターンを形成する。マスクの遮光部により露光されなかった、感光材料の未感光部132、142は定着処理により感光しなかったハロゲン化銀乳剤粒子が溶解し層内から流出し、透明な膜152、162となる。
図5は本発明における露光装置のモデル図である。2つの光源100aと100bからの光はレンズにより平行光となり、前述のマスクを通して感光材料の両面を露光する。図5における光源からフォトマスクまでで構成される露光装置部は、2つの露光装置の位置決めが厳密になされる。図7及び図8のパターンを有するフォトマスク110と120により形成された銀像は、図9のような均一パターンとなるように厳密な位置決めがなされる。2枚の導電シートを組み合わせてタッチパネルを構成する図10〜図12のような態様では、2枚の導電シートの位置決めを、各セットごとに行う必要があり、本件のような両面型に比べて生産性が大きく劣る。
露光の光源としては、電磁波を用いることができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。更に露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
露光方法は、図5のような面露光であってもよいし、異なったマスクを介する面露光であることもこのましい。また、図5のようなマスクを介するのではなく、走査露光であることも好ましい。
以上のようにして、本発明の導電シート製造用感光材料の両面に、像様パターン露光を施し、次いで現像処理することにより、現像銀の導電性細線からなるおもて面透明電極と、現像銀の導電性細線からなるうら面透明電極とを、透明支持体の両面に形成することができる。
また、上記のようにして形成された導電シートは、おもて面透明電極の導通方向と、うら面透明電極の導通方向とは、互いに直交配置となるように露光され、その後現像処理されて形成される。
本実施の形態では、感光層を露光した後、更に現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
本発明における現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明における定着処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
上記定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、更に好ましくは25〜45℃である。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、更に好ましくは7秒〜50秒である。定着液の補充量は、感光材料122の処理量に対して600ml/m2以下が好ましく、500ml/m2以下が更に好ましく、300ml/m2以下が特に好ましい。
現像、定着処理を施した感光材料122は、水洗処理や安定化処理を施されるのが好ましい。上記水洗処理又は安定化処理においては、水洗水量は通常感光材料1m2当り、20リットル以下で行われ、3リットル以下の補充量(0も含む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。
現像処理後の露光部(導電パターン)に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
本実施の形態における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透光性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0超過にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープ、また、現像処理液中に、ポリエチレンオキサイド誘導体を含有すること等が挙げられる。
感光層に対して現像処理を行った後に、硬膜剤に浸漬して硬膜処理を行うことが好ましい。硬膜剤としては、例えば、カリ明礬、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2−141279号に記載のものを挙げることができる。
以上の工程を経て透明導電シートが得られるが、得られた透明導電シートの表面抵抗は0.1〜100オーム/sq.の範囲にあることが好ましく、1〜50オーム/sq.の範囲にあることが更に好ましく、1〜10オーム/sq.の範囲にあることがより好ましい。尚、表面抵抗の単位は上記以外に、Ω/□や、Ω/squareとも表す。
また、得られた透明導電シートの体積低効率は160μオーム・cm以下であることが好ましく、1.6〜16μオーム・cmの範囲にあることが更に好ましく、1.6〜10μオーム・cmの範囲にあることがより好ましい。
本実施の形態の製造方法では、現像処理済みの透明導電シートに平滑化処理を施す。これによって透明導電シートの導電性が顕著に増大する。平滑化処理は、例えばカレンダーロールにより行うことができる。カレンダーロールは、通常、一対のロールからなる。以下、カレンダーロールを用いた平滑化処理をカレンダー処理と記す。
カレンダー処理に用いられるロールとしては、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のプラスチックロール又は金属ロールが用いられる。特に、両面に乳剤層を有する場合は、金属ロール同士で処理することが好ましい。片面に乳剤層を有する場合は、シワ防止の点から金属ロールとプラスチックロールの組み合わせとすることもできる。線圧力の上限値は1960N/cm(200kgf/cm、面圧に換算すると699.4kgf/cm2)以上、更に好ましくは2940N/cm(300kgf/cm、面圧に換算すると935.8kgf/cm2)以上である。線圧力の上限値は、6880N/cm(700kgf/cm)以下である。
カレンダーロールで代表される平滑化処理の適用温度は10℃(温調なし)〜100℃が好ましく、より好ましい温度は、金属メッシュパターンや金属配線パターンの画線密度や形状、バインダー種によって異なるが、おおよそ10℃(温調なし)〜50℃の範囲にある。
そして、本実施の形態の製造方法では、平滑化処理された導電パターンを蒸気に接触させるようにしてもよい(蒸気接触工程)。この蒸気接触工程は、平滑化処理された透明導電シートを、過熱蒸気に接触させる方法と、平滑化処理された導電パターン108を、加圧蒸気(加圧された飽和蒸気)に接触させる方法とがある。これにより短時間で簡便に導電性及び透明性を向上させることができる。水溶性バインダの一部が除去されて金属(導電性物質)同士の結合部位が増加しているものと考えられる。
本実施の形態の製造方法では、透明導電シートを過熱蒸気又は加圧蒸気に接触させた後に水洗処理することが好ましい。蒸気接触処理後に水洗することで、過熱蒸気又は加圧蒸気で溶解又は脆くなったバインダーを洗い流すことができ、これにより、導電性を向上させることができる。
本実施の形態においては、上述した平滑化処理を行ってもよいし、透明導電シートに対してめっき処理を行ってもよい。めっき処理により、更に表面抵抗を低減でき、導電性を高めることができる。平滑化処理は、めっき処理の前段又は後段のいずれで行ってもよいが、めっき処理の前段で行うことで、めっき処理が効率化され均一なめっき層が形成される。めっき処理としては、電解めっきでも無電解めっきでもよい。まためっき層の構成材料は十分な導電性を有する金属が好ましく、銅が好ましい。
本実施の形態では、現像処理後の透明導電シート、並びに、めっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
次に、本発明の透明支持体上に形成されたパターニングされた電極について、本発明の透明導電シートが好ましく用いられる静電容量方式のタッチパネルと関連させながら説明する。従来の静電容量方式のタッチパネルでは、電極材料として透明電極材料であるITO薄膜をバー電極として使用されてきたが、本発明においてはITOより低抵抗の材料を用いた導電性細線の組み合わせにより電極を形成しているため、これをパターニングされた電極と呼んでいる。
本発明の透明導電シートを用いる静電容量方式のタッチパネルは、図4(d)に示したように、透明支持体32の両面に、上部電極(おもて面電極とも言う)11と下部電極(うら面電極とも言う)12とが形成されている。
上部電極(おもて面電極とも言う)11は、図6の上図のようなパターンを有し、それぞれの電極は、静電容量を感知する複数の導電性格子部14A、格子と格子を繋ぐ導電性の連結部16A、電極と外部制御部を繋ぐ引き出し線18Aから構成されている。図7は導電性格子部14Aの拡大図である。図7では、導電性格子部の形状が正方格子のメッシュ状に記載されているが、正方格子である必要は無く、菱形、長方格子であってもよい。導電性格子部14Aは、導電性細線21で構成される正方格子と、正方格子の周辺に配置され、多数の短線からなるダミー細線19、電極方向に導電性格子部14Aを連結する導電性の連結部16Aが記載されている。導電性の連結部16Aは、予期しない断線故障により電極が機能しなくなることを防ぐため、単一の細線での連結ではなく、複数の細線による連結としている。
下部電極(うら面電極とも言う)12は、図6の下図のようなパターンを有し、それぞれの電極は、静電容量を感知する複数の導電性格子部14B、格子と格子を繋ぐ導電性の連結部16B、電極と外部制御部を繋ぐ引き出し線18Bから構成されている。図8の説明は上部電極12の説明に準ずることができる。
上記のパターニングされた電極は、導電性細線により正方格子あるいは長方格子を電極中に有する導電シートであることが好ましい。
上記から理解できるように、本発明に用いられるダミー細線19は、視認性改良のために用いられる細線であり、図7及び図8で記載されるように、ダミー細線は正方格子の長線の両端部の延長線上に形成され、導電性格子部とは導通しないように断線されている。ダミー細線の長さは、電極部分の単位格子の辺長の1/2以下であることが好ましい。
導電性の格子部を形成する導電性細線の線幅は、1μm以上、10μm以下であることが好ましく、2μm以上、6μm以下であることがより好ましい。1μm以上、10μm以下の範囲であると、低抵抗の電極を比較的容易に形成できる。
導電性の格子部を形成する導電性細線の厚みは、0.1μm以上、1.5μm以下であることが好ましく、0.2μm以上、0.8μm以下であることがより好ましい。0.1μm以上、1.5μm以下の範囲であると、低抵抗の電極で、耐久性に優れた電極を比較的容易に形成できる。
更に、図7及び8に例示した正方格子を構成する導電性細線の向きは、X、Y軸に対し45°方向となる。このパネルのX、Y方向を画像表示装置の電極軸の方向として張り合わせると、モアレが発生しにくいという特徴を本発明のタッチパネルは有する。
本発明の導電シートは、課題を解決するための手段項に説明したように、生産性を向上させるために用いられる一枚の透明支持体の両面に形成された上部電極と下部電極の色味差を小さくすることのできる導電シートである。
色味差の改良は、一枚の透明支持体の両面に形成された上部電極と下部電極を有する導電シート(両面導電シートとも言う)のおもて面電極の透明支持体から遠い側の電極表面の反射色度b1 *と、うら面電極の透明支持体に近い側の電極表面の反射色度b2 *との差の絶対値が2以下(|△b*|=|b1 *−b2 *|≦2)である透明導電シートにより達成でき、ほぼ違和感なく、画面を視認できる。
また、観察したときの色調は、視覚上、黒と視認しやすくすることが好ましい。b1 *及びb2 *の測定値は、0の近傍がニュートラルとされるが、本発明においては以下に設定すると、視認者が黒と視認しやすい。 本発明においては、b1 *としては、−2.0<b1 *≦0が好ましく、−1.5<b1 *≦−0.3がより好ましく、−1.0<b1 *≦−0.5が特に好ましい。
b2 *としては、−1.0<b2 *≦1.0が好ましく、−0.7<b2 *≦0.5がより好ましく、−0.5<b2 *≦0.2が特に好ましい。
b1 *及びb2 *の組み合わせとしては、−2.0<b1 *≦0、かつ−1.0<b2 *≦1.0 であることが好ましく、−1.5<b1 *≦−0.3、かつ−0.7<b2 *≦0.5がより好ましく、−1.0<b1 *≦−0.5、かつ−0.5<b2 *≦0.2が特に好ましい。
このようにすることにより、電極表面の色味ムラをなくし、かつ黒に近い色調(ニュートラル)と感じさせることができ、視認性がより向上する。
ここで、おもて面電極の透明支持体から遠い側の電極表面の反射色度b1 *とは、図2のd2の領域の電極表面の反射色度を、図の上部である視認者側から測定したときのb*値である。また、うら面電極の透明支持体に近い側の電極表面の反射色度b2 *とは、図2のd3の領域の電極表面の反射色度を、図の上部である視認者側から測定したときのb*値である。
L*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値は、広く知られているように、L*値が明度、a*値とb*値とが、色相と彩度を表している。具体的には、a*値が正の符号であれば赤色の色相、負の符号であれば緑色の色相であることを示す。b*値が正であれば黄色の色相、負であれば青色の色相である。また、a*値とb*値とも、絶対値が大きいほどその色の彩度が大きく鮮やかな色であることを示し、絶対値が小さいほど彩度が小さいことを示す。
本発明においては、a*値は観察する方向(b1方向とb2方向)での変化が小さい。一方、b*値は電極の観察する方向による変化がa*値よりおおきく、具体的には、黄色味から青色味へ、あるいはその逆方向へ動くことで色ムラとして視認されやすい。測定方法の詳細は実施例の項に記載する。
以下に、上記の反射色度調整のための感光層の各層の好ましい態様について再度、概略の説明をする。本発明のように低抵抗化のために銀量を多くし、かつ現像されて形成される銀像に導電性を付与するために銀の密度を高くした系では、現像銀電極の透明支持体から遠い側の電極表面の色味は青味傾向であり、現像銀電極の透明支持体に近い側の電極表面の色味は黄味傾向となりやすい。
この色味現象の原因として、銀量が多くかつ銀密度の高い系では、透明支持体から遠い側の感光層表面からの現像液浸透に伴い、表面側ではフレッシュな現像液組成で現像が進行するのに対し、現像液が感光層中を下層に向かって浸透するにしたがい、現像疲労物質の蓄積が起こり、また、現像液に含まれる現像抑制剤が表面層で消費されてしまうため、抑制剤の少ない液組成での現像が進行すると考えられる。これに伴い、感材の上層側(o層側)/下層側(u層側)で、現像銀のフィラメントの形状に差異が生じ、色度差として観察されるものと推定される。このような推定により、本発明における好ましい態様については、既に課題を解決するための手段項の[1]〜[30]項に記載した。
但し、日本の公開公報は、2004−221564のように年号のあとをハイフンで表示し、国際公開パンフレットは、2006/001461のように年号のあとをスラッシュで表示した。
(乳剤の調製)
38℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記の2液及び3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を8分間にわたって加え、更に、下記の2液及び3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。更に、ヨウ化カリウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成を終了した。
水 750ml
ゼラチン(フタル化処理ゼラチン) 8g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 7ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
上記乳剤に1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸3.0×10-4モル/モルAg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAg、微量の硬膜剤を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整して、感光層塗布液を調製した。この感光層塗布液の組成を基準として、表2の銀とバインダーの体積比となるようにゼラチンの添加量を調節し、メルカプト化合物の種類と添加量を変更して、おもて面3層(u層、m層、o層)及びうら面3層(u層、m層、o層)の塗布液を準備した。
塗布量は、銀量を基準に設定し、感光層3層(u層、m層、o層)が含む銀量の合計値が表2及び表3の現像銀画像厚み(単位はμm)となるようにした。本件では現像銀画像厚みは、塗布された乳剤中の銀塩が全て現像銀に変換され、その現像銀の密度(銀/バインダー体積比を表す)が10.5であるとして計算する。なお、感光層(u層、m層、o層)の各層の膜厚は、感光材料1〜15では膜厚が1:2:1となるように、感光材料16〜31では表3の処方値の銀密度列の()内に記入した膜厚比となるように設定した。尚、()内の数値が1の場合は単層の場合を表し、0.2の場合はその層の膜厚が感光層全体の20%であることを示す。
従って、表3においては、感光層3層の合計の銀とバインダのそれぞれの厚みは、感光材料19のおもて面及びうら面、および感光材料31のおもて面を除くほかの面では、銀およびバインダそれぞれが0.7μmの厚みであり、感光材料31のおもて面では、銀およびバインダそれぞれが1.5μmの厚みとなるように設定されている。
感光材料19のおもて面及びうら面と、感光材料16のおもて面及びうら面とは、o層の銀/バインダー体積比以外は同一である。即ち両者のo層は、バインダーの塗布厚みは同一で、銀の厚みのみが異なる構成になっている。感光材料19と18との比較では、感光材料18では、o層の銀/バインダー体積比を0.3とすることにより生じる銀の削減量及びバインダーの増加量をm層においての調整しているのに対し、感光材料19ではo層での銀量の低下分の調整は行わず、そのため表3中の現像銀画像の厚みが他の感光材料より薄くなっている。
乳剤の臭化銀含有率は、感光材料1〜15は全層が30モル%とし、感光材料16〜31については表3中に記載した。
表2の銀とバインダーの体積比は、すでに述べたように、現像銀の密度が10.5、バインダーの密度は1.34であるとして体積に換算した。なお、密度1.34は、ゼラチンに適用できる密度であり、他の高分子化合物を用いる場合は化合物に応じた換算が必要である。
また、感光層塗布液に添加したメルカプト化合物の添加量は、銀1gに対するメルカプトの添加量mgとして表示した。用いたメルカプト化合物の構造は、表3のあとに記載した。
更に上記o層の上に、防腐剤を含むゼラチンからなる膜厚0.15μmの保護層を設けた。3層の感光層と保護層の4層は同時塗布機を用いて塗布し、感光材料1〜31を作成した。
次に、上記で作成した感光材料1〜31に、図5の両面露光機を用いて両面露光を施した。光源には高圧水銀ランプを用い、おもて面側のフォトマスクとしては図7のパターン形成用のマスクを、うら面側のフォトマスクとしては図8のパターン形成用のマスクを用いて露光した。用いたマスクの光透過用の窓は、それぞれ図7及び図8と同じパターンであり、格子を形成する単位正方格子の線幅は3μm、格子の辺長は300μmである。
露光後、下記の現像液で現像し、更に定着液(商品名:CN16X用N3X−R:富士写真フイルム社製)を用いて現像処理を行った後、純水でリンスし、乾燥した後、得られた試料にカレンダー処理を施して、両面電極型の透明導電シート1を得た。同様にして、両面電極型の透明導電シート2〜31を得た。
〔処理のフロー〕 処理機:富士フイルム社製自動現像機(FG−710PTS)
処理条件:現像が35℃ 30秒、
定着が34℃ 23秒、
水洗が流水(5L/分)の20秒処理。
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
上記の現像処理で得られた両面電極型の透明導電シート1のおもて面側に、厚さ300μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを粘着剤を用いてはりつけた。また、透明導電シート1のうら面側には厚さ3mmのガラス板を粘着剤で貼り合わせて、比較例1のタッチパネルを作成した。透明導電シート1のかわりに透明導電シート2〜31を用いる以外は比較例1と同様にして、比較例2及び3のタッチパネル、実施例1〜28のタッチパネルを作成した。
以上で作成した両面電極型の透明導電シート1〜31を用いて以下の評価を行った。
(1)反射色度b1 *と、b2 *の測定
測定用のサンプルをBCRA黒タイル(光沢版)の上に載せ、0°方向から照射、45°方向で受光した光の分光反射率を測定する。好ましいタイルは、サカタインクスエンジニアリング株式会社製のBCRA黒タイル(光沢版)であり、黒タイルの反射色度は、L*が 3.6、a*が −0.9、b* が−0.6である。反射濃度計としてはGretagMacbeth(グレタグマクベス)製 Spectro Eye LT を用いることができる。
なお、反射色度の測定サンプルには、パターン露光用の通常のマスクではなく、おもて面露光用のマスク110は、反射色度測定が可能な大きさの窓を開けたマスクを用い、うら面露光にはマスクを用いない全面ベタの露光を施した。反射色度の測定はおもて面側から行い、おもて面の露光され銀像が形成された部分の反射色度を反射色度b1 *とし、おもて面の露光されていない部分を測定した反射色度を反射色度b2 *とし、得られた反射色度b1 *と、反射色度b2 *とから、差△b*(Δb*とも表す)の絶対値を計算した。
作成した両面電極型の透明導電シートを垂直方向、各方位の斜め方向から観察し、反射光の色のムラ、反射光の揺らぎ、電極の輪郭などの官能評価を以下のように行った。
評価◎ 全く気にならない。
評価○ ほとんど色味を認識しないレベル。
評価△ 色味はあっても違和感なく視認できるレベル。
評価× 気になる。
透明導電シートの電極の抵抗値を直読し、比較例1のおもて面の電極とうら面の電極の抵抗値を基準として評価した。
評価◎ 比較例1の抵抗値より明らかに低抵抗値を示す。表面抵抗値としては20Ω/□未満である。
評価○ 比較例1の抵抗値とほぼ同等。表面抵抗値としては20Ω/□以上50Ω/□以下である。
評価× 比較例1の抵抗値より何らかの理由で劣る。表面抵抗値としては50Ω/□をこえる値である。
以上の結果を以下の表2及び表3にまとめた。
おもて面、うら面のいずれの感光層にもメルカプト化合物を用いない比較例1の両面電極型の透明導電シートは静電容量型タッチパネルを構成する電極としては十分な抵抗値を有するものの色味のムラが観測され視認性が悪い。更に低抵抗にするために、比較例2及び3のように銀とバインダーの体積比を高くする、即ち銀密度を高くすると、色ムラが更に悪化する。
一方、おもて面、うら面のいずれかの感光層にメルカプト化合物を用いた実施例1〜12では、比較例に対し、抵抗値を高くすること無く、色ムラを小さくすることができ、視認性が改善されている。
メルカプト化合物を用いる面は、本実験ではうら面のみに添加しているが、うら面添加が好ましい。うら面のなかでは、支持体に近い感光層であるu層に添加することが好ましく、実施例1と実施例11との比較、又は実施例5と実施例12との比較からわかるように、メルカプト化合物はより下層(すなわち、支持体に近い層)に局在化させることが好ましいことがわかる。
また、メルカプト化合物の種類によっても色味の改良効果は異なり、単環のメルカプト化合物C、D、Eを用いた実施例7〜9では、メルカプト化合物を用いない比較例1に対して色味改善の効果はごくわずかである。
一方、縮環化合物である化合物A,B、F、Gを用いた実施例1、4〜6は、色味ムラの大きな改良効果を示し、特に2-メルカプトベンゾイミダゾールの4位から7位にスルホ基とカルボキシル基を有する化合物F及びGを用いた実施例1及び5が好ましいことがわかる。
また、更なる低抵抗化のために銀密度を2とし、うら面感光層uに化合物Fを添加した実施例3は、色味ムラが小さく、低抵抗化が実現している。
また、実施例10は、うら面の感光層にメルカプト化合物Fを添加し、かつ銀画像厚みを0.7から1.5に高めた例であるが、タッチパネルの下層電極を低抵抗化することにより静電容量の感知能を向上させることができ、かつ視認した時の電極の色味ムラの改良ができることを示している。
上記の表2の実施例1〜12が、ハロゲン化銀乳剤が臭化銀30モル%含有する塩臭化銀乳剤を用いかつ銀とバインダーの体積比(銀密度)が一定の感光層を有し、その感光層の支持体に近い層(u層)にメルカプト化合物を含有させた構成例であるのに対し、表3の実施例13〜28は、臭化銀含有率を50モル%あるいは70モル%に変更、あるいは、感光層の銀とバインダーの体積比(銀密度)を感光層の厚み方向で変化させた(o層、m層及びu層の特定の層の銀密度を変えた)感光材料を用いて形成した電極及びタッチパネルの実施例であり、実施例1〜12に比べて反射色度の差の絶対値|△b*|の結果及び視認性が改善されている。
実施例13〜16は、いずれも両面の感光層のうちの透明支持体に近い側の層(u層)に本発明の現像抑制剤F(メルカプト化合物)を添加したことを共通とし、実施例13及び14は全層の臭化銀比率を30モル%から、50モル%あるいは70モル%に変更したサンプルであり、実施例15及び16は、現像処理液が最初に接するo層の銀/バインダーの体積比率を1.0から0.3に変更したサンプルであり、反射色度の差の絶対値(|△b*|、あるいは|Δb*|とも表す)、視認性、導電性に全く問題のないサンプルが得られた。
尚、実施例15は、感光層全体の平均の銀/バインダーの体積比率を1.0に保つように調整した試料である。一方、実施例16は調整しない試料であり、o層の銀量を減らしたため現像銀画像の厚みが減少している。実施例15と16の比較では、実施例16の試料の抵抗値がやや高いことを除けば実質的な差が観測されなかった。このことから、導電性を確保するためには、導電性に寄与する層の銀/バインダーの体積比率を1.0以上とする必要があるが、実施例16のように、導電性に寄与する主たる層(実施例16ではm、u層)の銀/バインダーの体積比率が1.0以上であれば、色味改良用の導電性に寄与の少ない層を設けることもできる。導電性に寄与の少ない層の厚みは、銀を含む層の全厚みの50%以下とすることが好ましく、30%以下がより好ましい。
実施例17〜19は、全層の臭化銀比率アップ、o層の銀/バインダーの体積比率ダウン、現像抑制剤Fのu層添加を組み合わせたサンプルであり、18、19、17の順にやや青み側によせたサンプルである。上記の3つの要件を組み合わせることにより、所望のムラのない色味を得ることができる。
実施例20〜28は、現像抑制剤の添加、臭化銀の含有率、銀/バインダーの体積比率、の変更を、おもて面、うら面、あるいはo層、u層で変更することにより、b1 *とb2 *とのそれぞれの値を変更することができ、実施例27及び28では|△b*|を0.5以下に制御することもできることがわかった。但し、これらのサンプルは、反対面から観測した色味ムラは大きい場合があり、面の標識によりタッチパネル作成時のトラブルを避ける必要がある。
以上の結果から、|△b*|は、2以下が好ましく、1以下がより好ましい、ことがわかる。
また、b1 *とb2 *との最も好ましい組み合わせは、−1.0<b1 *≦−0.5、かつ−0.5<b2 *≦0.2であることもわかる。
05 透明導電シートを製造するための感光材料
10 透明導電シート(両面導電シートとも言う)
11 上部電極(おもて面電極)
12 下部電極(うら面電極)
14A、14B 静電容量を感知する複数の導電性格子部
16A、16B 格子と格子を繋ぐ導電性の連結部
18A、18B 電極と外部制御部を繋ぐ引き出し線
19 ダミー細線
21 上部電極を構成する導電性細線
22 下部電極を構成する導電性細線
30、31 タッチ面を兼ねる透明支持体
32 導電シート用の透明支持体
33 透明支持体
41、42 絶縁層を兼ねる粘着層
50 上部感光材料層(おもて面感光材料層)
51 上部感光層(おもて面感光層)
52 上部第一感光層(上部u層)
53 上部第二感光層(上部m層)
54 上部第三感光層(上部o層)
55 上部保護層
56 上部下塗り層
57 上部アンチハレーション層
60 下部感光材料層(うら面感光材料層)
61 下部感光層(うら面感光層)
62 下部第一感光層(下部u層)
63 下部第二感光層(下部m層)
64 下部第三感光層(下部o層)
65 下部保護層
66 下部下塗り層
67 下部アンチハレーション層
100a、100b 露光用の光源aとb
101a、101b 露光用のレンズaとb
102a、102b 露光用の平行光aとb
110 上部電極(おもて面電極)形成のために用いるフォトマスク
120 下部電極(うら面電極)形成のために用いるフォトマスク
111、121 フォトマスクの光透過部
112、122 フォトマスクの遮光部
131、141 感光層中の露光された部分(潜像が形成された部分)
132、142 感光層中の露光されなかった部分(潜像が形成されなかった部分)
151(21) 現像処理後に形成された上部電極の銀細線(上部電極を構成する導電性細線)
161(22) 現像処理後に形成された下部電極の銀細線(下部電極を構成する導電性細線)
152、162 現像処理により、露光されなかったハロゲン化銀乳剤などが除去された透明層
b1 導電性細線21を視認する方向
b2 導電性細線22を視認する方向
d、d1 上下電極細線の繰り返し距離(ピッチ)
d2 上部電極の導電性細線が連続して並ぶ領域
d3 下部電極の導電性細線が連続して並ぶ領域
Claims (10)
- 透明支持体の両面(おもて面及びうら面)に、それぞれ、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層が形成された導電シート製造用感光材料であって、おもて面側の感光層又はうら面の感光層の少なくとも一方の側の感光層が、メルカプト化合物を含み、
該感光層に含まれるメルカプト化合物が、該感光層の透明支持体から遠い側の感光層よりも、透明支持体に近い側の感光層に多く含まれることを特徴とする導電シート製造用感光材料。 - 該透明支持体のおもて面又は、うら面のいずれか一方の感光層は、メルカプト化合物を含まないことを特徴とする請求項1に記載の導電シート製造用感光材料。
- 該透明支持体のおもて面の感光層が含むメルカプト化合物量よりも、うら面の感光層が含むメルカプト化合物量の方が多いことを特徴とする請求項1に記載の導電シート製造用感光材料。
- 該感光層の少なくとも1つの感光層に含まれるメルカプト化合物の量は、メルカプト化合物と同じ層に含まれるハロゲン化銀乳剤中の銀1g(グラム)に対して、0.1mg以上、15mg以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
- 透明支持体の両面に形成される感光層に含まれる銀とバインダーの体積比が1.0以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
- 該透明支持体の両面の感光層が、透明支持体とそれぞれの感光層との間にアンチハレーション層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料の両面に像様パターン露光を施し、次いで現像処理することにより、現像銀の導電性細線からなるおもて面透明電極と、現像銀の導電性細線からなるうら面透明電極とを、透明支持体の両面に形成したことを特徴とする導電シート。
- 該おもて面透明電極の導通方向と、うら面透明電極の導通方向とは、互いに直交配置となるように露光、現像処理されて形成されることを特徴とする請求項7に記載の導電シート。
- おもて面電極の透明支持体から遠い側の電極表面の反射色度b1 *と、うら面電極の透明支持体に近い側の電極表面の反射色度b2 *との差の絶対値が2以下(|△b*|=|b1 *−b2 *|≦2)であることを特徴とする請求項7又は8に記載の透明導電シート。
- 請求項7〜9のいずれか1項に記載の透明導電シートを用いた静電容量方式のタッチパネル。
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