JP2012221891A - 透明導電シート、透明導電シート製造用の感光材料、透明導電シートの製造方法、及びこれらの透明導電シートを用いた静電容量方式のタッチパネル - Google Patents

透明導電シート、透明導電シート製造用の感光材料、透明導電シートの製造方法、及びこれらの透明導電シートを用いた静電容量方式のタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】透明導電シート(電極シート)の導電パターン(電極)の色味の違いを小さくすることにより、タッチパネルの視認性を改良する。
【解決手段】透明支持体に、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層が形成された感光材料にパターン露光と現像処理を施すことにより現像銀の導電性細線からなる透明導電シート(電極シート)を製造する透明導電シート(電極シート)製造用の感光材料であって、前記感光層が、ハロゲン組成の異なる乳剤を含む複数の感光層、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層の銀密度が異なる複数の感光層、または現像抑制剤の添加量の異なる複数の感光層、の少なくともいずれかからなることを特徴とする透明導電シート(電極シート)製造用の感光材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明支持体上に高精細パターンの導電性細線が形成された透明導電シート、高精細パターンの導電性細線が形成された透明導電シートを製造するための感光材料、透明導電シートの製造方法、及びこれらの透明導電シートを用いた静電容量方式のタッチパネルに関する。
近年、タッチパネルの分野では、投影型静電容量方式のタッチパネルがPDAや携帯電話等に広く使用されるようになってきており、この方式のタッチパネルの大型化の試みが始まっている。パネルの大型化に際しては、透明電極の低抵抗化が必須であり、この低抵抗化のための技術として、静電容量の感知部を網目状の導電性細線で形成する方法が、例えば特許文献1、及び2、に記載されている。これらの文献に記載されている網目状の導電性細線の形成方法は、導電性インクの印刷方式あるいは、ITOや金属薄膜のフォトリソグラフィーによる細線化であるが、前者の印刷方式では、20μm以下の線幅の細線を安定に形成することが困難であること、後者ではフォトリソグラフィー工程が複数の工程からなるための高コストが問題となっている。
一方、低抵抗の導電性細線をハロゲン化銀写真感光材料の現像で得られる銀像から形成する方法が電磁波シールド膜やプリント配線の分野で検討されている。この現像方式は種々のパターンを、マスクを介した露光と引き続く現像処理により形成することができるので、製造工程が安定している。現像方式としては例えば、特許文献3をあげることができ、細線幅20μmで格子間隔250μmの網目パターンで表面抵抗50〜100Ω/□の実施例が記載されている。
特開2010−039537号公報 国際公開第2010/014683号公報 特開2007−188655号公報
近年、静電容量方式のタッチパネルの電極の形成に、上記の現像方式を応用することが試みられているが、形成された現像銀からなる導電性細線の色味が種々の条件により微妙に異なるという現象が発生し、タッチパネルの視認性がよくないという課題が起こることがわかった。また、製造した導電性細線の色味が製造する条件により異なる現象は、銀ペーストなどの導電性インクを印刷する方式や、蒸着やスパッタリング法を用いる方式においても、特に膜厚の厚い電極を形成する場合に観測されることがあることもわかった。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、導電パターン(以下では、利用する分野により、電極と読み替えることができる)の表面の色調を制御した透明導電シートの提供を目的とする。更に本発明は、現像銀からなる電極の色調を制御した透明導電シートの提供を目的とする。また、本発明はこれらの電極の色調を制御した透明導電シートの製造方法の提供を目的とする。
更に、本発明は電極の色調を制御することにより、色味ムラの少ないタッチ面を有するタッチパネルに用いることのできる透明電極の提供を目的とする。更には本発明は電極の色調を制御することにより、無彩色のタッチ面を有するタッチパネルに用いることのできる透明導電パターンの提供を目的とする。
特に本発明は、色味ムラがなく無彩色で視認し易く、かつ低抵抗で、大画面のタッチパネルに用いることのできる透明導電パターンの提供を目的とする。
更に本発明の別の目的は、色調が制御された電磁波シールドなどに用いることのできる導電シートの提供を目的とする。
なお、本発明の導電シートでは、“導電性細線からなる導電パターン”を種々の目的で用いるため、簡略化して“導電パターン”と言うが、タッチパネル用途などの電極用途に用いる場合は、わかりやすさを優先して、“導電パターン”と“電極”とを使い分ける。
本発明者らは、上記の色味が導電パターンを製造する条件により異なる現象(色味ムラ、色ムラとも言う)は、導電パターン膜の厚みが厚くなるほど観測され易いこと、また導電シートを2枚用い、かつ2枚の導電パターンの同じ側の面のみを観測者が視認する場合には色ムラが観測され難いこと、観測者が支持体から遠い導電パターン表面と、支持体に近い導電パターン表面とを交互に見る場合には特に観測され易いこと、導電パターンを微細パターンにより形成した場合のみならず、支持体上に均一な導電膜を形成した試料においても支持体を通して観測した色味と、導電膜の表面から観測した色味とが異なること、などを見出した。これらの事実から、導電パターンの形成プロセスの初期のうすい膜の表面と、プロセスが進行して厚膜となった導電パターンの支持体側表面とでは、導電材料である金属の微細構造が異なることにより、反射光の色味が異なっていると推定され、以下の態様の発明にいたった。
1)透明支持体に、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層が形成された感光材料にパターン露光と現像処理を施すことにより導電性細線からなる透明導電シートを製造する透明導電シート製造用の感光材料であって、前記感光層が、ハロゲン組成の異なる乳剤を含む複数の感光層、銀密度が異なる複数の感光層、又は現像抑制剤の添加量の異なる複数の感光層、の少なくともいずれかからなることを特徴とする透明導電シート製造用の感光材料。
2)前記感光材料が、透明支持体の両面に、それぞれ、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層が形成された導電シート製造用感光材料であって、前記感光層の少なくとも一方の側の感光層が、ハロゲン組成の異なる乳剤を含む複数の感光層、銀密度の異なる複数の感光層、又は現像抑制剤の添加量の異なる複数の感光層、の少なくともいずれかからなることを特徴とする項1に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
3)前記感光層のハロゲン化銀乳剤は塩臭化銀乳剤であり、臭化銀の含有率が感光層の中央部に比して、前記透明支持体面に近い部分の感光層、又は支持体から最も遠い部分の感光層の臭化銀含有率が5モル%以上高いことを特徴とする項1又は2に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
4)前記感光層の中央部の塩臭化銀乳剤の臭化銀含有率は40モル%未満であり、透明支持体面に近い部分の感光層、又は支持体から最も遠い部分の感光層の塩臭化銀乳剤の臭化銀含有率は40モル%以上であることを特徴とする項3に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
5)前記感光層の中央部の塩臭化銀乳剤を含む感光層の銀とバインダーの体積比に対して、透明支持体面に近い部分の感光層、又は支持体から最も遠い部分の感光層の銀とバインダーの体積比が小さいことを特徴とする項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
6)前記感光層の中央部の塩臭化銀乳剤を含む感光層の銀とバインダーの体積比は0.7以上であり、透明支持体面に近い部分の感光層、又は支持体から最も遠い部分の感光層の銀とバインダーの体積比は0.05以上、0.5以下であることを特徴とする項5に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
7)前記銀とバインダーの体積比が小さい感光層の一方が現像抑制剤を含み、銀とバインダーの体積比が小さい感光層の他方が現像抑制剤を含まないことを特徴とする項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
8)前記現像抑制剤が、メルカプト化合物であることを特徴とする項7に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
9)前記現像抑制剤が、酸化還元反応により現像抑制剤を放出する化合物であることを特徴とする項7に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
10)項1、3〜9のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料にパターン露光を施し、次いで現像処理することにより、現像銀の導電性細線からなる透明導電パターンを透明支持体の片面に形成したことを特徴とする透明導電シート。
11)項10に記載の透明導電シートを2枚用い、それぞれの透明導電シートの導電性細線がタッチ者側となるとともに、それぞれの導電パターンの導電性細線の導通方向が直交するように積層したことを特徴とする静電容量方式のタッチパネル。
12)項10に記載の透明導電シートを2枚用い、それぞれの透明導電シートの透明支持体がタッチ者側となるとともに、それぞれの導電パターンの導電性細線の導通方向が直交するように積層したことを特徴とする静電容量方式のタッチパネル。
13)項10に記載の透明導電シートを2枚用い、それぞれの透明導電シートの導電性細線が透明導電シートの透明支持体以外の絶縁体を介して向き合うとともに、それぞれの導電パターンの導電性細線の導通方向が直交するように積層したことを特徴とする静電容量方式のタッチパネル。
14)項11〜13のいずれか1項に記載のタッチパネルにおいて、タッチ者側から測定した導電パターンの反射色度b*値を、2つの導電パターンのうちのタッチ者に近い側の導電パターン(上部導電パターン)の反射色度b1 *と、タッチ者に遠い側の導電パターン(下部導電パターン)の反射色度b2 *としたとき、反射色度b1 *と、反射色度b2 *との差の絶対値が1.7未満(|△b*|=|b1 *−b2 *|<1.7)であることを特徴とするタッチパネル。
15)項14において、反射色度b1 *と、反射色度b2 *との差の絶対値が1.0以上、1.7未満であることを特徴とするタッチパネル。
16)項14において、反射色度b1 *と、反射色度b2 *との差の絶対値が1.0未満であることを特徴とするタッチパネル。
17)項14において、反射色度b1 *は、−2.0<b1 *≦0であることを特徴とするタッチパネル。
18)項14において、反射色度b2 *は、−1.0<b2 *≦1.0であることを特徴とするタッチパネル。
19)項1〜9のいずれか1項に記載の感光材料が、透明支持体に対して非対称な構成であることを特徴とする透明導電シート製造用の感光材料。
20)前記感光材料が、透明支持体と感光層との間にアンチハレーション層を有することを特徴とする項1〜9のいずれか1項に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
21)項2〜9のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料の両面にパターン露光を施し、次いで現像処理することにより、現像銀の導電性細線からなる透明導電パターンを透明支持体の両面に形成したことを特徴とする両面導電パターン型の透明導電シート。
22)項21に記載の両面導電パターン型の透明導電シートにおいて、一方の面の透明導電シートの導電性細線の導通方向と、他方の面の透明導電シートの導電性細線の導通方向とは、互いに直交配置となるように露光されていることを特徴とする両面導電パターン型の透明導電シート。
23)項22に記載の両面導電パターン型の透明導電シートを用いたことを特徴とする静電容量方式のタッチパネル。
24)項23に記載の両面導電パターン型の透明導電シートを用いた静電容量方式のタッチパネルにおいて、タッチ者側から測定した導電パターンの反射色度b*値を、両面導電パターンのタッチ者に近い側の導電パターン(おもて面導電パターン)の反射色度b1 *と、タッチ者に遠い側の導電パターン(うら面導電パターン)の反射色度b2 *としたとき、反射色度b1 *と、反射色度b2 *との差の絶対値が1.7未満(|△b*|=|b1 *−b2 *|<1.7)であることを特徴とするタッチパネル。
25)項24において、反射色度b1 *と、反射色度b2 *との差の絶対値が1.0以上、1.7未満であることを特徴とするタッチパネル。
26)項24において、反射色度b1 *と、反射色度b2 *との差の絶対値が1.0未満であることを特徴とするタッチパネル。
27)項24において、反射色度b1 *は、−2.0<b1 *≦0であることを特徴とするタッチパネル。
28)項24において、反射色度b2 *は、−1.0<b2 *≦1.0であることを特徴とするタッチパネル。
上記の本発明の色調の改良された透明導電シートは、導電材料の表面の色調が改良されているため、上記の静電容量式のタッチパネルに用いる電極材料に限らず、人の視認性と導電性が関連する材料であればすべてに応用することができる。これらの応用可能なものを例示すると、抵抗膜式タッチパネルに用いられる透明導電シート、画像表示装置の内部からの電磁波を遮蔽するための電磁波シールドシートなどは、本発明の電極のパターニングにより形成される導電性細線のパターンを変更するだけで本発明の技術を利用できる。また、本発明の電極の抵抗値を調整することにより、発熱体シートや帯電防止シートを作成することもできる。
本発明により、導電パターンのおもて面とうら面の色味の差が小さな片面型導電シート、導電パターン表面の色味が無彩色に近い片面型導電シート、更には一方の側から見たときに色味ムラの少ない両面型導電シートを得ることができる。また前記の導電シートを単独で、あるいは組み合わせて用いることによって、色味ムラの小さい、あるいは無彩色に近い色味のタッチパネルを得ることができる。更には、色味に優れるとともに、加工、製造の安定性にも優れ、品質の安定したタッチパネルを得ることができる。
また、本発明の透明電極シートを応用すると、色調に優れた抵抗膜式タッチパネルに用いられる透明導電シート、電磁波シールドシート、発熱体シートや帯電防止シートを得ることができる。
本発明の態様のタッチパネルの模式断面図である。 本発明の別の態様のタッチパネルの模式断面図である。 本発明の更に別の態様のタッチパネルの模式断面図である。 従来の透明導電シート製造用の感光材料の模式断面図である。 本発明の透明導電シート製造用の感光材料の模式断面図である。 本発明の透明両面導電シート製造用の感光材料の模式断面図である。 本発明の透明導電シートを製造するプロセスの概念図である。 本発明の透明両面導電シートを製造するプロセスの概念図である。 上部導電シート11と下部導電シート12の積層体の斜視図(絶縁層41は省略してある)である。 図9の上部導電シートの導電性格子部と連結部を説明する図である。 図9の下部導電シートの導電性格子部と連結部を説明する図である。 上部導電シートと下部導電シートを積層したときのタッチ者側からの透視図である。 図8(c)で両面露光をするための装置の模式図である。
以下、本発明に係る透明導電シート製造用の感光材料、透明導電シート、透明導電シートの製造方法、及びこれらの透明導電シートを用いた静電容量方式のタッチパネルの実施の形態例を図1〜図13を参照しながら説明する。
なお、本明細書においては、導電性を担保する材料の用語には“導電材料”、性能や機能を表す用語には“導電体”、層を表す用語には“導電層”、シートを表す用語には“導電シート”、用いられる微細構造を表す用語には“導電性細線”、細線の構造を表す用語には“導電パターン”を用いる。用途が特定されている場合、例えばタッチパネル用の電極としての用途での説明にはそれぞれ、“電極材料”、“電極”、“電極層”、“電極シート”、“電極細線”、“電極パターン”との用語に読み替えて用いることができる。
また、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
課題を解決するための手段項に説明したように、本発明は、導電シートやタッチパネルの色味ムラ、着色感などの課題を解決することを目的としている。
以下では、本発明の導電シート(以下では電極シートとも言う)が用いられるタッチパネルの構成と色差との関係を図1〜図3を用いて説明する。
図1は、タッチパネルを形成する際に電極シートを2枚用いる構成であり、図1は2枚の透明電極シートの導電性細線側をタッチ者側に向けて積層した例である。2枚の透明導電シートの透明支持体側をタッチ者側に向けて積層した場合(例示せず)の場合も図1と同じように考えることができる。図1のような構成のタッチパネルの場合、タッチ者は、上部電極11の導電性細線が連続して並ぶ領域d1と、下部電極12の導電性細線が連続して並ぶ領域d2とを同時に視認する。このとき、上部電極11と下部電極12とが同一の電極シートを用いたものであれば、視認される領域d1とd2は同じ導電シートの導電性細線の表面を視認することになるので、色味のムラを感じることはない。但し、色味がニュートラルでない場合(後述のb*の絶対値が2を越える大きな値のとき)は、タッチパネルの着色としてとらえられる可能性があり、またd1とd2の間に視認可能なスペースがある場合(図示せず)は、電極表面とスペースとの対比により、色味のムラを感じてしまう等の問題があるため、電極表面の反射色度はニュートラル、あるいは視覚的に黒とすることが求められる。また、上部電極と下部電極に異なる透明電極シートを用いた場合は、d1とd2の色味が異なる可能性があり、色味の違いを視認されないように調整する必要がある。
図2は図1と同様に、タッチパネルを形成する際に電極シートを2枚用いる構成であるが、図1とは異なり、上部電極11の導電性細線21と、下部電極12の導電性細線22とが対向するように配置し、導電性細線21と導電性細線22の間に絶縁層を兼ねる粘着層を設けた例である。この場合は、上部電極11と下部電極12に同じ透明電極シートを用いたとしても、タッチ者は領域d1では導電性細線21の透明支持体31側の表面を、領域d2では導電性細線22の透明支持体32から遠い側の表面を視認することになり、導電性細線の透明支持体側と支持体から遠い側の表面の色差(反射色度のb*値の差)を認識することになる。従って、この構成の態様においても、上部電極11と下部電極12に同じ透明電極シートを用いる場合は、導電性細線の透明支持体側と支持体から遠い側の表面の色差(反射色度のb*値の差)を小さくすることが必要である。上部電極と下部電極に異なる透明電極シートを用いる場合は、d1とd2の色差が小さいものの組み合わせを選択することが必要となる。いずれの場合でも電極表面の反射色度は視覚的な黒に近くすることが好ましい。
上記の図1及び図2がタッチパネルを形成する際に電極シートを2枚用いる構成であるのに対し、図3は、透明支持体の両面に上部電極11と下部電極12を形成した一枚型の両面電極を用いたタッチパネルの例である。この例における色差の認識は図2の場合と類似している。即ち、上部電極11と下部電極12の設計が同じとしても、タッチ者は領域d1では導電性細線21の透明支持体32から遠い側の表面を、領域d2では導電性細線22の透明支持体32側の表面を、視認することになり、導電性細線の透明支持体側と支持体から遠い側の表面の色差(反射色度のb*値の差)を認識することになる。従って、この構成の態様においては、上部電極11と下部電極12の設計を同じとする場合は、導電性細線の透明支持体側と支持体から遠い側の表面の色差(反射色度のb*値の差)を小さくすることが必要である。上部電極と下部電極を異なる設計とする場合は、d1とd2の色差が小さいものの組み合わせを選択することが必要となる。いずれの場合でも電極表面の反射色度は視覚的な黒に近くすることが好ましい。
以上に記載したように、本発明は、導電性金属を主体とする電極の反射色度の違いによる色味ムラや着色などの視認に関する問題点を解決し、見易いタッチ画面とすると共に、生産性に優れ、低抵抗で大画面化の可能な透明電極シートの提供をめざす発明である。
本発明における反射色度は、以下に説明するL***表色系で定義される特性値であるb値に関する。具体的には、タッチパネルを構成したときに、タッチ者側から見た場合に見える電極の表面の色味b値に関する色度である。電極を構成する導電性細線の表面のうち、透明支持体から遠い側の表面(図1と図3の領域d1、図2の領域d2)の反射色度をb1 *とし、透明支持体側の表面(図1と図3の領域d2、図2の領域d1)の反射色度をb2 *とする。いずれもタッチ者側から測定した値である。
なお、反射色度bは、L***表色系で定義される特性値である。L***表色系は、国際照明委員会(CIE)において1976年に定められた表色の方法であり、本発明におけるL*値、a*値、b*値は、JIS−Z8729:1994に規定される方法によって測定して得られた値である。JIS−Z8729の測定方法としては、反射による測定方法、透過による測定方法があるが、本発明では反射で測定した値を用いる。
***表色系におけるL*値、a*値、b*値は、広く知られているように、L*値が明度、a*値とb*値とが、色相と彩度を表している。具体的には、a*値が正の符号であれば赤色の色相、負の符号であれば緑色の色相であることを示す。b*値が正であれば黄色の色相、負であれば青色の色相である。また、a*値とb*値とも、絶対値が大きいほどその色の彩度が大きく鮮やかな色であることを示し、絶対値が小さいほど彩度が小さいことを示す。測定方法の詳細は実施例の項に記載する。
本発明においては、a*値は電極の製造条件の違いによる変化が小さい。一方、b*値は電極の製造条件の違いによる変化がa*値より大きく、具体的には、黄色味から青色味へかわることで色ムラとして視認されやすい。
具体的には、本発明のように低抵抗化のために銀量を多くし、かつ現像されて形成される銀像に導電性を付与するために銀の密度を高くした系では、現像銀電極の透明支持体から遠い側の電極表面の色味は青味傾向であり、現像銀電極の透明支持体に近い側の電極表面の色味は黄味傾向となりやすい。
この色味が電極の形成条件により変動する現象の原因は、次のように考えられる。銀量が多くかつ銀密度の高い系では、透明支持体から遠い側の感光層表面からの現像液浸透に伴い、表面側ではフレッシュな現像液組成で現像が進行するのに対し、現像液が感光層中を下層に向かって浸透するにしたがい、現像疲労物質の蓄積が起こり、また、現像液に含まれる現像抑制剤が表面層で消費されてしまうため、抑制剤の少ない液組成での現像が進行すると考えられる。これに伴い、感光材料の上層側/下層側で、現像銀のフィラメントの形状や大きさに差異が生じ、色度差として観察されるものと推定される。このような推定により、本発明においては、以下に説明する態様が好ましい。
以下では、本発明において望ましい電極表面の反射色度b*値について説明する。
はじめに、図1において上部電極11と下部電極12とが同じ電極の同一表面を、タッチ者が視認する場合のb*絶対値(b1 *値、又はb2 *値の絶対値)は、1.7未満であることが好ましく、1以下が更に好ましい。1.7未満とすることでタッチパネル表面の着色を感じさせにくくすることができる。
また、図1において上部電極11と下部電極12とが互いに異なる設計で、表面の色味が異なる電極を用いる場合の反射色度の差は、以下の図2及び図3の説明に準じて設計することが好ましい。
次に、図2及び図3のように、同じ電極細線の2つの表面(支持体に近い側の表面と、支持体から遠い側の表面)の色度を観察する場合や、異なる設計の電極を用いる場合、の2つの表面の反射色度の差の絶対値(即ち反射色度b1 *と、反射色度b2 *との差(△b*)の絶対値)は、以下の関係を満たすことが好ましい。
|△b*|=|b1 *−b2 * |<1.7
更に、△b*の絶対値は、1.0未満であることがより好ましい。1.7未満とすると色ムラと認識しにくくなる。 更に、b1 *の絶対値としては、−2.0<b1 *≦0が好ましく、−1.5<b1 *≦−0.3がより好ましく、−1.0<b1 *≦−0.5が特に好ましい。
また、b2 *の絶対値としては、−1.0<b2 *≦1.0が好ましく、−0.7<b2 *≦0.5がより好ましく、−0.5<b2 *≦0.2が特に好ましい
1 *とb2 * との組み合わせとしては、−2.0<b1 *≦0と−1.0<b2 *≦1.0との組み合わせが好ましく、−1.5<b1 *≦−0.3と−0.7<b2 *≦0.5との組み合わせがより好ましく、−1.0<b1 *≦−0.5と−0.5<b2 *≦0.2との組み合わせが特に好ましい。
このようにすることにより、電極表面の色味ムラをなくし、かつ黒に近い色調(ニュートラル)と感じさせることができ、視認性がより向上する。
[感光材料とその形成方法]
以下に、上記の反射色度調整のための感光層の各層の好ましい態様について説明する。
本発明の透明導電シート(電極シートとも言う)製造用の感光材料は、透明支持体に、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層が形成された感光材料にパターン露光と現像処理を施すことにより現像銀の導電性細線からなる透明導電シートを製造する透明導電シート製造用の感光材料であって、前記感光層が、ハロゲン組成の異なる乳剤を含む複数の感光層、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層の銀密度が異なる複数の感光層、又は現像抑制剤の添加量の異なる複数の感光層、の少なくともいずれかからなる感光材料である。
上記の感光材料について、図4及び5にて説明する。図4は従来の感光材料の構成図であり、感光層を単一の層51として例示しているのに対し、本発明の構成を示した図5は、感光層51が3つの層52、53、54の積層体として記載されている。図5は3つの感光層を表しているが、本発明においては、2層以上であればよく、3層に限定する必要はなく説明の便宜上の記載である。
本発明においては、これらの複数の層のうちの少なくとも1層が、他の層とはハロゲン組成の異なる乳剤を含む層であるか、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層の銀密度が他の層とは異なる層であるか、又は現像抑制剤の添加量の異なる層であるか、の少なくともいずれかであることに特徴を有する。他の層とはハロゲン組成の異なる乳剤を含む層、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層の銀密度が他の層とは異なる層、又は現像抑制剤の添加量の異なる複数の層、の詳細は以下にて別途説明する。
本発明の透明導電シート製造用の感光材料の上記とは別の態様は、透明支持体の両面(おもて面及びうら面)に、それぞれ、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層が形成された導電シート製造用感光材料であって、おもて面側の感光層又はうら面の感光層の少なくとも一方の側の感光層が、ハロゲン組成の異なる乳剤を含む複数の感光層、又はハロゲン化銀乳剤を含む感光層の銀密度の異なる複数の感光層、からなる感光材料である。この感光材料は、図6に例示したように、透明支持体32の両面に上部感光材料層50と下部感光材料層60が形成され、上部感光材料層50と下部感光材料層60中の、上部感光層51と下部感光層61とはそれぞれ複数の感光層から形成されている。そして、図6では合計6層の感光層のうちの少なくとも1層が、他の層とはハロゲン組成の異なる乳剤を含む層であるか、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層の銀密度が他の層とは異なる層であるか、又は現像抑制剤の添加量の異なる複数の感光層、の少なくともいずれかであることに特徴を有する。
次に本発明の透明導電シート製造用の感光材料を構成する材料について説明する。
〔透明支持体〕
本発明の感光材料に用いられる透明支持体としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、及びガラス板などを用いることができるが、プラスチックフィルムが好ましい。
プラスチックフィルムの原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの塩化ビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
本発明におけるプラスチックフィルムは、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして用いることも可能である。
支持体としては、PET(258℃)、PEN(269℃)、PE(135℃)、PP(163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)やTAC(290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルムが好ましく、特にPETが好ましい。( )内の数値は融点である。フィルムの透過率は85%〜100%であることが好ましい。
透明支持体フィルムの厚みは50μm以上、500μm以下の範囲で任意に選択することができる。特に透明導電シートの支持体の機能の他にタッチ面の機能をも兼ねる場合は、500μmを超えた厚みで設計することも可能である。透明支持体上にハロゲン化銀乳剤を含む感光層を塗布方式で設ける場合は、フィルムの厚みとしては、50μm以上、250μm以下とすることが製造上より好ましい。
〔ハロゲン化銀乳剤を含む感光層〕
次にハロゲン化銀乳剤を含む感光層51、61について説明するが、現像銀を導電材料とするためには、感光材料の種類と、現像処理の種類とを、以下の3通りの方式から選択することができる。(1)物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる方式。(2)物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる方式。(3)物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる方式。
上記(1)の態様は、黒白現像タイプであり、感光材料上に透光性電磁波シールド膜などの透光性導電性膜が形成される。得られる現像銀は化学現像銀又は熱現像銀であり、高比表面のフィラメントである。更に、メッキ処理、又は物理現像の後続過程を設ける場合は高活性で好ましい方式である。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に透光性電磁波シールド膜や光透過性導電膜などの透光性導電性膜が形成される。これも黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、得られる現像銀は比表面が小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に透光性電磁波シールド膜や光透過性導電膜などの透光性導電性膜が形成される。いわゆる2シートのセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる)。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、及び拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Process,4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。また、例えば、特開2004−184693号公報、同2004−334077号公報、同2005−010752号公報等に記載の技術を参照することもできる。
上記の(1)〜(3)の方式の中で、方式(1)が、現像前の感光層に物理現像核を有さないこと、2シートの拡散転写方式でないことから、方式(1)が最も簡便、安定な処理ができ、本発明の透明導電シートの製造には好ましい。以下、方式(1)での説明を記載するが、他の方式を用いる場合には上段記載の文献を参照することができる。なお、”溶解物理現像”は、方式(2)にのみ固有な現像法ではなく、方式(1)でも利用できる現像方法である。
(ハロゲン化銀乳剤)
本発明のハロゲン化銀乳剤に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。例えば、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀を主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、更に臭化銀や塩化銀を主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。塩臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀もまた好ましく用いられる。
本発明の感光層51、61に用いられるハロゲン化銀乳剤は、塩臭化銀乳剤であるが、感光層中のハロゲンの分布は、均一ではなく、層内での分布に偏りを持たせることが好ましい。具体的には、塩臭化銀乳剤中の臭化銀の含有率が感光層の中央部に対して、透明支持体面に近い部分の感光層、又は支持体から最も遠い部分の感光層の臭化銀含有率が5モル%以上高いことが好ましい。更に10%以上高くすると色度改良効果をより大きくすることができる。
なお本発明においては、”中央部”とは、厚みを基準とした中央部を指し、中央の前後20%を占める層を指すと定義する。
前記感光層の中央部の塩臭化銀乳剤の臭化銀含有率は30モル%以下であり、透明支持体面に近い部分の感光層、又は支持体から最も遠い部分の感光層の塩臭化銀乳剤の臭化銀含有率は30モル%以上とすることが好ましく、45モル%以上とすることがより好ましく、65モル%以上とすることが特に好ましい。
前記感光層51、61の銀とバインダーの体積比は、感光層中で均一ではなく、層内で体積比の分布に偏りを持たせることが好ましい。具体的には、中央部の塩臭化銀乳剤を含む感光層の銀とバインダーの体積比に対して、透明支持体面に近い部分の感光層、又は支持体から最も遠い部分の感光層の銀とバインダーの体積比を小さくするが好ましい。
前記感光層の中央部の塩臭化銀乳剤を含む感光層の銀とバインダーの体積比は0.7以上であり、透明支持体面に近い部分の感光層、又は支持体から最も遠い部分の感光層の銀とバインダーの体積比は0.05以上、0.5以下であるとすることがより好ましい。
前記感光層の中央部の塩臭化銀乳剤を含む感光層の銀とバインダーの体積比は1.0以上であり、透明支持体面に近い部分の感光層、又は支持体から最も遠い部分の感光層の銀とバインダーの体積比は0.1以上、0.4以下であるとすることが更に好ましい。
更に、上記の塩臭化銀乳剤中の臭化銀の含有率が感光層の中央部に対して高い層の銀とバインダーの体積比は、中央部の体積比よりも低いことが好ましく、中央部の感光層の銀とバインダーの体積比は0.7以上であり、臭化銀含有率の高い層の銀とバインダーの体積比は0.05以上、0.5以下であるとすることがより好ましい。更には、中央部の感光層の銀とバインダーの体積比は1.0以上であり、臭化銀含有率の高い層の銀とバインダーの体積比は0.1以上、0.4以下であるとすることが特に好ましい。
なお、本発明においては、銀密度すなわち銀とバインダーの体積比は、それぞれの感光層内でのみ計算若しくは実測し、保護層、アンチハレーション層、易接着層などのハロゲン化銀乳剤を含まない層の成分は含めないものとする。更に、銀の体積は銀の塗布量を計算若しくは実測により求め、比重10.5として体積に変換し、バインダーの体積は、銀以外の固形分量を計算するか実測により求め、ゼラチンの比重1.34として体積に変換するものとする。ゼラチンに対し、層内に含まれるラテックスポリマーの割合が20質量%を超えるときは、ラテックスポリマーの体積はラテックスポリマーの比重を用いて算出するものとする。
本発明においては、感光層の厚みは塗布銀量によって記載する。厚みそのものは、塗布銀量とバインダーなどの添加物の量を上記の換算法により求めることができる。具体的には、上部感光層51(下部感光層61も同様)の塗布銀量は、4g/m2以上20g/m2以下が好ましく、5g/m2以上20g/m2以下がより好ましい。4g/m2以上20g/m2以下であると低抵抗でかつ製造の安定した塗布膜と導電シートを形成できる。上部感光層51と下部感光層61のそれぞれの塗布銀量は、上記の範囲内であれば、同じ塗布量でも、異なる塗布量であってもよい。
上記の臭化銀含有率の高い層、銀とバインダーの体積比が小さい感光層の膜厚は、感光層51、61の全膜厚に対し、10%以上40%以下が好ましく、15%以上30%以下がより好ましい。
なお、本発明においては、カブリを抑制するために、微量の沃化銀を含めることが好ましく、その沃化銀含有率は、ハロゲン化銀乳剤1モルあたり1.5mol%を超えない範囲であることが好ましい。沃化銀含有率を1.5mol%を超えない範囲とすることにより、カブリを防止し、圧力性を改善することができる。より好ましい沃化銀含有率は、ハロゲン化銀乳剤1モルあたり1mol%以下である。本発明においては0.5mol%〜1mol%の沃化銀を含めることとするが、記載の煩雑さを避けるため、沃化銀の表示は省略し、塩臭化銀と表示する。
ハロゲン化銀の平均粒子サイズ、ハロゲン化銀粒子の形状及び分散度と変動係数は、特開2009−188360号の段落36及び37の記載を参照することができる。また、ハロゲン化銀乳剤の安定化や高感化のために用いられるロジウム化合物、イリジウム化合物などのVIII族、VIIB族に属する金属化合物、パラジウム化合物の利用については、特開2009−188360号の段落39〜段落42の記載を参照することができる。更に化学増感については、特開2009−188360号の段落43の技術記載を参照することができる。
(バインダー)
ハロゲン化銀乳剤を含む感光層には、銀塩粒子を均一に分散させ、かつ乳剤層と支持体との密着を補助する目的でバインダーが用いられる。上記バインダーとしては、例えば、ゼラチン、カラギナン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられが、ゼラチンが好ましい。
ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチンの加水分解物、ゼラチン酵素分解物、その他アミノ基、カルボキシル基を修飾したゼラチン(フタル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン)を使用することができる。
また、バインダーとしてラテックスを用いることもできる。ここでラテックスとしては、特開平2−103536号公報第18頁左下欄12行目から同20行目に記載のポリマーラテックスを好ましく用いることができる。
(現像抑制剤)
本発明においては後述の現像処理液に、臭化ナトリウム、臭化カリウムのような現像抑制剤を含ませることにより現像の速度を制御して露光域のみに現像銀が得られるようにしている。しかし、本発明のように銀量が多い系では、感光層の表面から現像液が浸透するに従い現像抑制物質が消費され、物理現像が進行する現象が起きることが予想される。そのため、感光層の下層側に現像抑制剤を含ませることが考えられる。
感光層に用いられる現像抑制剤としては、有機メルカプト化合物や、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環等の窒素原子を有する不飽和の5員ヘテロ環又は6員ヘテロ環を挙げることができる。これらの化合物を特定の層中に留めておき、かつ浸透した現像液により活性化させるためには、a)比較的低分子であるが乳剤との相互作用により特定の層中に留まり、現像液中のアルカリにより活性化する化合物、b)分子量が大きく移動しにくいがアルカリと反応して低分子の抑制化合物を放出する化合物、c)分子量が大きく移動しにくいが処理液中の酸化生成物と反応して低分子の抑制化合物を放出する化合物をあげることができる。
上記のa)の例としては、N−H構造を有する5員環アゾール又はN−H構造を有する6員環アジンを骨格とするメルカプト化合物をあげることができる。前記のメルカプト化合物は、特開2007−116137号の段落34から、段落102に記載の化合物を用いることができ、好ましくは段落60から段落65に記載の39の化合物、段落90から段落93に記載の55化合物、段落101に記載の3化合物をあげることができる。これらの化合物の中で、特に好ましく用いることができる化合物は、段落60、段落65、段落101に記載の化合物である。
上記のb)の例としては、特開平2−285344号に記載の、ハロゲン化銀粒子にたいして吸着能を有するが、現像前には吸着能を示さないように保護されている化合物群、即ち現像抑制剤プレカーサーとして知られる化合物をあげることができる。これらの化合物としては、特開平2−285344号の(1)〜(33)で表される化合物を用いることができる。
上記のc)の例としては、特許第4035268号に記載の、酸化されることにより低分子の現像抑制剤を放出しうるレドックス化合物をあげることができる。これらの化合物としては、特許第4035268号公報に記載の一般式(1)から(3)で表される化合物が好ましく、更にヒドラジン誘導体が好ましく、具体的にはR−1〜R−70のヒドラジン誘導体が特に好ましい。
感光層に含まれる本発明の現像抑制化合物は、感光層に均一に含まれていないほうが色味の調整がしやすい。感光層中の現像抑制化合物の含有量が、透明支持体に近い側の感光層(u層)で高いことが好ましい。更に透明支持体側の感光層のみにメルカプト化合物を含ませること、言い換えれば、このように現像液と接する感光層表面から最も遠い層に現像抑制剤を局在化させること、がより好ましい。あるいは、現像液と接する感光層表面から遠い層に向けて順次現像抑制剤の濃度を高くすることが好ましい。
本発明の複数の感光層の少なくとも1つに含まれる現像抑制化合物の量は、a)の場合は添加量そのものの量で、b)及びc)の場合は放出された抑制剤の量として、現像抑制化合物と同じ層に含まれるハロゲン化銀乳剤中の銀1g(グラム)に対して、0.1mg以上、15mg以下であることが好ましく、0.5mg以上、10mg以下であることがより好ましく、1mg以上、6mg以下であることが特に好ましい。0.1mg以上、15mg以下の範囲であると色味調整がしやすい。
[その他の層構成]
本発明の感光層の上に図示しない保護層を設けてもよい。本実施の形態において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する感光層上に形成される。その厚みは0.5μm以下が好ましい。保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法及び形成方法を適宜選択することができる。
本発明の感光材料は、透明支持体と感光層との間にアンチハレーション層を有することが好ましい。特に本発明の透明支持体の両面に感光層を有する感光材料は、透明支持体とそれぞれの感光層との間にアンチハレーション層57及び67を設けることが好ましい。
両面に感光層を有する感光材料に図13のような同時露光を施すと、それぞれの感光層で吸収し切れなかった光による不要な露光が起こり、所望のパターンに反対面の像の写りが発生するからである。このような像の写りを抑止するために適度な濃度のアンチハレーション層を設けることが好ましい。
アンチハレーション層に用いる材料とその使用方法については、特開2009−188360号の段落29から32の記載を参照することができる。アンチハレーション層の光学濃度は露光する光の強さや波長によっても異なるが、0.5から3.0程度が好ましい。
〔その他の添加剤〕
本発明の感光層あるいは粘着層、下塗り層には、色味調整用に染料を含ませることもできる。また、本発明の感光層と透明支持体との間、又は感光層と下塗り層との間に染料層を設けることもできる。これらの層に用いられる染料とその使用方法については、特開2009−188360号の段落29〜段落32の記載を参照することができる。
本発明の感光層形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
感光層に用いられる溶媒の含有量は、感光層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
本実施の形態に用いられる各種添加剤に関しては、特に制限は無く、公知のものを好ましく用いることができる。例えば、各種マット剤を用いることができ、これにより、表面粗さをコントロールすることができる。なお、マット剤は現像処理後に残存し透明性を阻害しない、処理工程で溶解する素材のものが好ましい。
〔感光材料の形成方法〕
上記の感光材料を形成するためには、塗布方式や印刷方式を用いることができるが、塗布方式を用いるのが安定製造の点で好ましい。塗布方法としては、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法、などを挙げることができる。
[透明導電シート(電極シートとも言う)の製造方法]
次に、上記の感光材料を用いて透明導電シートを形成するプロセスについて、図7及び図8を参照しながら説明する。図7(b)は、図4又は図5の透明支持体32の片面に感光材料を設けた図であり、図8(b)は、図6の透明支持体32の両面に感光材料を設けた図である。以下の説明においては、図7を用いて説明し、両面感光材料に特有の事項があるときのみ、図8又はその関連図を参照する。
〔露光〕
これまでに説明した透明支持体32上に設けられた感光層51を有する感光材料へ、露光を行い、次工程の現像処理により本発明の透明導電シートを製造する。即ち、上記に記載した導電シート製造用感光材料にパターン露光を施し、次いで現像処理することにより、現像銀の導電性細線からなる透明導電パターン(電極とも言う)を透明支持体の片面に形成、若しくは、上記に記載の導電シート製造用感光材料の両面にパターン露光を施し、次いで現像処理することにより、現像銀の導電性細線からなる透明電極を透明支持体の両面に形成することにより、片面若しくは両面電極型の透明導電シートを製造する。
露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。更に露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
露光方法は、マスクを介する面露光であることも好ましい。また、マスクを介するのではなく、直接書き込む走査露光であることも好ましい。
両面型の感光材料を用いる場合には図8(c)のように感光材料05の両面にマスクを密着させて露光することができる。この場合のマスク110、120は、現像処理により形成される導電性のパターンが透視したときに均一のパターンとなるように調整することが望ましい。具体的には、両面電極型の透明導電シートにおいては、一方の面の透明導電シートの導電性細線の導通方向と、他方の面の透明導電シートの導電性細線の導通方向とは、互いに直交配置となるように露光されていることが好ましい。
露光後の感光材料には、図7(c)及び図8(c)の131,141のようにマスクの像状に感光された乳剤のパターン(感光核のパターン)が形成される。
〔現像処理、定着処理、水洗処理〕
本実施の形態では、感光層を露光した後、図7(d)及び図8(d)のように現像処理が行われ、感光されたハロゲン化銀部分が銀の細線151を形成し、露光されなかった部分の152は現像後の定着処理により未露光のハロゲン化銀が除かれて透明な膜を形成する。
現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
本発明における現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明における定着処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
上記定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、更に好ましくは25〜45℃である。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、更に好ましくは7秒〜50秒である。定着液の補充量は、感光材料122の処理量に対して600ml/m以下が好ましく、500ml/m以下が更に好ましく、300ml/m以下が特に好ましい。
現像、定着処理を施した感光材料122は、水洗処理や安定化処理を施されるのが好ましい。上記水洗処理又は安定化処理においては、水洗水量は通常感光材料1m当り、20リットル以下で行われ、3リットル以下の補充量(0も含む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。
現像処理後の露光部(導電パターン)に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
本実施の形態における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透光性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープ、また、現像処理液中に、ポリエチレンオキサイド誘導体を含有すること等が挙げられる。
感光層に対して現像処理を行った後に、硬膜剤に浸漬して硬膜処理を行うことが好ましい。硬膜剤としては、例えば、カリ明礬、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2−141279号に記載のものを挙げることができる。
以上の工程を経て透明導電シートが得られるが、得られた透明導電シートの表面抵抗は0.1〜100オーム/sq.の範囲にあることが好ましく、1〜50オーム/sq.の範囲にあることが更に好ましく、1〜10オーム/sq.の範囲にあることがより好ましい。
また、得られた透明導電シートの体積低効率は160μオームcm以下であることが好ましく、1.6〜16μオームcmの範囲にあることが更に好ましく、1.6〜10μオームcmの範囲にあることがより好ましい。
〔現像処理後の付帯処理〕
上記の現像処理に引き続き、導電性の向上などの目的により、以下の処理をすることができる。
(カレンダー処理)
本実施の形態の製造方法では、現像処理済みの透明導電シートに平滑化処理を施す。これによって透明導電シートの導電性が顕著に増大する。平滑化処理は、例えばカレンダーロールにより行うことができる。カレンダーロールは、通常、一対のロールからなる。以下、カレンダーロールを用いた平滑化処理をカレンダー処理と記す。
カレンダー処理に用いられるロールとしては、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のプラスチックロール又は金属ロールが用いられる。特に、両面に乳剤層を有する場合は、金属ロール同士で処理することが好ましい。片面に乳剤層を有する場合は、シワ防止の点から金属ロールとプラスチックロールの組み合わせとすることもできる。線圧力の上限値は1960N/cm(200kgf/cm)、面圧に換算すると699.4kgf/cm)以上、更に好ましくは2940N/cm(300kgf/cm、面圧に換算すると935.8kgf/cm)以上である。線圧力の上限値は、6880N/cm(700kgf/cm)以下である。
カレンダーロールで代表される平滑化処理の適用温度は10℃(温調なし)〜100℃が好ましく、より好ましい温度は、金属メッシュパターンや金属配線パターンの画線密度や形状、バインダー種によって異なるが、おおよそ10℃(温調なし)〜50℃の範囲にある。
(蒸気に接触させる処理)
そして、本実施の形態の製造方法では、平滑化処理された導電パターンを蒸気に接触させるようにしてもよい(蒸気接触工程)。この蒸気接触工程は、平滑化処理された透明導電シートを、過熱蒸気に接触させる方法と、平滑化処理された導電パターン108を、加圧蒸気(加圧された飽和蒸気)に接触させる方法とがある。これにより短時間で簡便に導電性及び透明性を向上させることができる。水溶性バインダの一部が除去されて金属(導電性物質)同士の結合部位が増加しているものと考えられる。
(水洗処理)
本実施の形態の製造方法では、透明導電シートを過熱蒸気又は加圧蒸気に接触させた後に水洗処理することが好ましい。蒸気接触処理後に水洗することで、過熱蒸気又は加圧蒸気で溶解又は脆くなったバインダーを洗い流すことができ、これにより、導電性を向上させることができる。
(めっき処理)
本実施の形態においては、上述した平滑化処理を行ってもよいし、透明導電シートに対してめっき処理を行ってもよい。めっき処理により、更に表面抵抗を低減でき、導電性を高めることができる。平滑化処理は、めっき処理の前段又は後段のいずれで行ってもよいが、めっき処理の前段で行うことで、めっき処理が効率化され均一なめっき層が形成される。めっき処理としては、電解めっきでも無電解めっきでもよい。また、めっき層の構成材料は十分な導電性を有する金属が好ましく、銅が好ましい。
(酸化処理)
本実施の形態では、現像処理後の透明導電シート、並びに、めっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
以上のプロセスを経て形成された導電性細線からなる導電シートは、複数の導電性細線からなるパターニングされた導電パターンである。
本発明の導電パターンを有する透明導電シートは、帯電防止、発熱体、電磁波シールド、電極材料などの多用途に用いることができ、より好ましくは静電容量方式のタッチパネルに用いられる。
以下では、本発明の透明支持体上に形成されパターニングされた導電性細線を有する導電シートについて、本発明の透明導電シートが好ましく用いられる静電容量方式のタッチパネルと関連させながら説明する。
[透明導電シートとこれを用いたタッチパネル]
次に、本発明の透明支持体上に形成された導電性細線からなる導電パターン(以下、タッチパネルとの関連では、主として電極、あるいはパターニングされた電極と言う)について、本発明の透明導電シート(以下では、主として電極シートと言う)が好ましく用いられる静電容量方式のタッチパネルと関連させながら説明する。従来の静電容量方式のタッチパネルでは、電極材料として透明電極材料であるITO薄膜をバー電極として使用されてきたが、本発明においては、ITOより低抵抗の材料を用いた導電性細線の組み合わせにより電極を形成しているため、これをパターニングされた電極と呼んでいる。
図1〜3に例示したタッチパネルは、上記で製造された透明電極シートを用いたタッチパネルであり、図1及び図2は2枚の透明電極シートを用いる態様であり、図3は透明支持体の両面に電極を有する態様のタッチパネルを表している。以下では、図1を例として説明する。
図1のタッチパネルは、タッチ者側からタッチ面用の透明支持体30、上部電極11、下部電極12がこの順に積層され、このタッチパネルの上部電極11及び下部電極12の斜視図が図9である。上部電極11及び下部電極12を構成する複数の電極は、一つ一つの電極が、静電容量を感知する複数の導電性格子部14A及び14Bと、格子と格子を繋ぐ導電性の連結部16A及び16Bからなり、これらの電極と外部制御部を引き出し線18A、18Bが繋いでいる。図9では、導電性の格子部をメッシュ様に表示しているが、ITOなどの菱形の透明導電性膜を結合したパターン(ダイヤモンドパターンと呼ばれている)を細線化して用いてもよい。上部電極11と下部電極12の電極のそれぞれの電極の本数、導電性の格子部の数は、パネルの大きさや制御のしやすさに応じて変更することができる。
図9では上部電極11と下部電極12の電極の方向がほぼ直交するように配置されている。直交配置は、以下で説明するように2枚の電極を一方の側から透視したときに電極のパターンを均一化させ易く、視認性に優れるからである。
本発明においては、透明電極シートを2枚用い、それぞれの透明電極シートの導電性細線がタッチ者側となるとともに、それぞれの電極の導電性細線の導通方向が直交するように積層した態様の静電容量方式のタッチパネルが好ましい。
また、透明電極シートを2枚用い、それぞれの透明電極シートの透明支持体がタッチ者側となるとともに、それぞれの電極の導電性細線の導通方向が直交するように積層した態様の静電容量方式のタッチパネルが好ましい。
更に、透明電極シートを2枚用い、それぞれの透明電極シートの導電性細線が透明電極シートの透明支持体以外の絶縁体を介して向き合うとともに、それぞれの電極の導電性細線の導通方向が直交するように積層した態様の静電容量方式のタッチパネルが好ましい。
また、本発明の両面電極型の透明電極シートにおいては、一方の面の透明電極シートの導電性細線の導通方向と、他方の面の透明電極シートの導電性細線の導通方向とは、互いに直交配置となるように露光されている態様の両面電極型の透明電極シートを用いた静電容量方式のタッチパネルが好ましい。
図10及び図11は、それぞれ、図9の上部電極11及び下部電極12の導電性格子部14A及び14Bと、格子と格子を繋ぐ導電性の連結部16A及び16Bとを取り出した図である。導電性格子部14Aは、導電性細線21で構成される正方格子と、正方格子の周辺に配置され、多数の短線からなるダミー細線19、電極方向に導電性格子部14Aを連結する導電性の連結部16Aが記載されている。導電性の連結部16Aは、予期しない断線故障により電極が機能しなくなることを防ぐため、単一の細線での連結ではなく、複数の細線による連結としている。
図11の導電性格子部14B及び16Bについても、上記の導電性格子部14A及び16Aと同様な説明ができる。
図12は、図9をタッチ者側から透視した場合の電極線の見え方を示している。本発明の上部電極11及び下部電極12を用いた図12は、均一な正方格子となり、視認しやすいパネルを構成できる。なお、図12では格子が直線で形成されているように見えるが、直線部分と、2本の短線からなる部分がある。この様子を示したのが図12の○印の部分を拡大した下図であり、左側の実線部は上部電極シートの導電性格子部14Aの導電性細線21の一部を表し、同じく実線の19(21)は、導電性格子部14Aの周囲のダミー細線である。同様に、右側の点線部は下部電極シートの導電性格子部14Bの導電性細線22の一部を表し、同じく点線の19(22)は、導電性格子部14Bの周囲のダミー細線である。このように視覚的には1本の直線に見えても実際には導電性細線21と22は導通しないし、ダミー細線19とも導通しない。
上記から理解できるように、本発明に用いられるダミー細線19は、視認性改良のために用いられる細線であり、図10及び図11で記載されるように、ダミー細線は正方格子の長線の両端部の延長線上に形成され、導電性格子部とは導通しないように断線されている。ダミー細線の長さは、電極部分の単位格子の辺長の1/2以下である。
なお、図10〜12中に記載のZ−Zの表示は、この位置で両面電極シートを切断し、この位置の断面図が図1〜3のタッチパネルであることを示している。
以下では、上部電極11を例にとり電極の詳細について説明する。従来の電極を形成してきたITOのダイヤモンドパターンは、ITOの抵抗値が高いため大画面への適用が困難であり、本発明ではダイヤモンド部分を低抵抗の細線からなるメッシュあるいは格子で形成し、低抵抗と画面の明るさを担保している。以下、正方格子での説明とするが、長方格子などの使用を妨げるものではない。
導電性の格子部を形成する導電性細線の線幅は、1μm以上、10μm以下であることが好ましく、1μm以上、6μm以下であることがより好ましい。1μm以上、10μm以下の範囲であると、低抵抗の電極を比較的容易に形成できる。
導電性の格子部を形成する導電性細線の厚みは、0.1μm以上、1.5μm以下であることが好ましく、0.2μm以上、0.8μmであることがより好ましい。0.1μm以上、1.5μm以下の範囲であると、低抵抗の電極で、耐久性に優れた電極を比較的容易に形成できる。
本発明の導電性格子部14A及び14Bの一辺の長さは、3〜10mmであることが好ましく、4〜6mmであることがより好ましい。一辺の長さが、3〜10mmであると、感知する静電容量の不足による検出不良になる可能性や、位置検出精度が低下するといった問題を起こしにくい。同様の観点から、導電性格子部を構成する単位格子の一辺の長さは50〜500μmであることが好ましく、150〜300μmであることが更に好ましい。単位格子の辺の長さが上記範囲である場合には、更に透明性も良好に保つことが可能であり、表示装置の前面にとりつけた際に、違和感なく表示を視認することができる。
なお、図9のタッチパネルの上下電極は導通方向をほぼ直交としているが、タッチの位置の座標決定に支障の無い限り任意の角度に設定することができる。
更に、図10及び11に例示した正方格子を構成する導電性細線の向きは、X、Y軸に対し45°方向となる。このパネルのX、Y方向を画像表示装置の電極軸の方向として張り合わせると、モアレが発生しにくいという特徴を本発明のタッチパネルは有する。
以上のパターニングされた電極から構成される電極シートは、1つの電極を1つのITO膜にて形成する構成よりも大幅に電気抵抗を低減することが可能となる。従って、本発明の電極シートを用いて例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに適用した場合に、応答速度を速めることができ、タッチパネルの大サイズ化を促進させることができる。
なお、本発明は、下記表1に記載の公開公報及び国際公開パンフレットの技術と適宜組合わせて使用することができる。「特開」、「号公報」、「号パンフレット」等の表記は省略する。なお、日本の公開公報は2004−221564のように年号の後にハイフンをつけて表示し、国際公開パンフレットは2006/001461のように年号の後にスラッシュをつけて表示した。
Figure 2012221891
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
実施例1
以下では、透明支持体の片面に電極(導電パターンとも言う)を有する透明導電シート(電極シートとも言う)を作成し、その評価を行った。
(乳剤の調製)
38℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記の2液及び3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を8分間にわたって加え、更に、下記の2液及び3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。更に、ヨウ化カリウムを0.10g加え5分間熟成し粒子形成を終了した。
1液:
水 750ml
ゼラチン(フタル化処理ゼラチン) 8g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 7ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法にしたがってフロキュレーション法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、3リットルの蒸留水を加えてから硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。更に3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作を更に1回繰り返して(第三水洗)、水洗・脱塩行程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤をpH6.4、pAg7.5に調整し、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金酸10mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学増感を施し、安定剤として1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に得られた乳剤は、沃化銀を0.05モル%含み、塩臭化銀の比率を塩化銀70モル%、臭化銀30モル%とする、平均粒子径0.22μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤であった。この乳剤液の銀とバインダー(ゼラチン)の体積比は2.0である。
(感光層塗布液の調製)
上記乳剤に、銀とゼラチンの体積比が1.0となるようにゼラチンを添加し、更に、1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸3.0×10-4モル/モルAg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAg、微量の硬膜剤を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整して、感光層塗布液を調製し感光層塗布液1とした。
(感光材料1〜32の作成)
100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにコロナ放電処理を施した後、厚み0.1μmのゼラチン下塗り層(易接着層56)を設けて導電シート用の透明支持体32とした。この支持体の下塗り層の上に、上記で調製、準備した感光層塗布液1と、防腐剤を含むゼラチンからなる保護層塗布液と、を同時塗布機にて塗布、乾燥して感光材料1を作成した。感光層の銀の塗布量は表2の銀画像厚みから換算される量である。また、保護層の膜厚は0.15μmである。
感光層塗布液1と同様にして、表2の組成の感光層塗布液を作成した。 表2の感光層は、3層の場合もあるため、便宜的に全ての例を3層構成で表し、支持体に近い側からu層、m層、o層として表した。上記で作成した感光材料1は感光層塗布液1のみからなる単一の塗布層からなる感光層の例である。また感光材料2〜9も、銀画像厚み、銀の密度、抑制剤の有無の違いはあるものの感光材料1と同様に単一の塗布層からなる感光層の例である。ここで、感光層塗布液1の場合と同様に、銀とバインダー(ゼラチン)の体積比が基準処方の2.0より小さい場合は塗布液にゼラチンを加えることで銀とバインダー(ゼラチン)の体積比を調整し、塩化銀と臭化銀との比率を変更する場合は上記の3液と5液の塩化ナトリウムと臭化カリウムの比率を変更して表2の塗布液を作成、準備をした。
感光材料10〜32は、感光材料1〜9とは異なり、感光層が支持体に近い側からu層、m層、o層の3層の感光層が積層された感光材料であり、感光材料10は感光材料1に用いた透明支持体32の上にu層、m層、o層の3層の感光層、及び感光材料1に用いた保護層の4層を同時塗布機を用いて塗布、乾燥して作成した。感光材料10と同様にして感光材料11〜32を作成した。
なお、表2の“各層の銀密度”列の()内の表示は膜厚の比を表し、例えば感光材料10のu層/m層/o層の膜厚の比率は0.2/0.6/0.2であることを示している。感光層3層(u層、m層、o層)のそれぞれの膜厚と銀量は、()内に示した膜厚比、各層の銀密度、感光層全体の銀画像厚みから計算できる。
表2の銀とバインダーの体積比は、すでに述べたように、現像銀の密度が10.5、バインダーの密度は1.34であるとして体積に換算した。なお、密度1.34は、ゼラチンに適用できる密度であり、他の高分子化合物を用いる場合は化合物に応じた換算が必要である。また、各感光層に用いた現像抑制化合物の添加量は、銀1gに対する現像抑制化合物の添加量mgとして表示した。用いた現像抑制化合物の構造は、表2のあとに記載した。
(露光・現像処理)
次に、上記で作成した感光材料1〜33に下記のパターンを有するフォトマスクを密着させ、高圧水銀ランプを用いて露光した。フォトマスクは図10(図9の上部電極11)のパターンを有し、光透過用の窓は図10のネガティブパターンであり、格子を形成する単位正方格子の線幅は3μm、格子の辺長は300μmである。
露光後、下記の現像液で現像し、更に定着液(商品名:CN16X用N3X−R:富士写真フイルム社製)を用いて現像処理を行った後、純水でリンスし乾燥して、透明導電シート1〜32を得た。
(現像液の組成)
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
(評価)
以上で作成した片面電極型の透明導電シート1〜32を用いて以下の評価を行った。評価は、導電シートの作成にあたり、製造の適性、導電シートの表裏面の反射色度の差の絶対値、導電性について以下の尺度での評価を行い、その結果を表2に記載した。
(1)製造適性
製造適性は、透明導電シート1の製造に対し、同等の工程負荷のものは○表示、現像処理工程で、処理温度、時間の調整などを必要とするものを×表示とした。
(2)反射色度b1 *と、b2 *の測定
測定用のサンプルをBCRA黒タイル(光沢版)の上に載せ、0°方向から照射、45°方向で受光した光の分光反射率を測定する。好ましいタイルは、サカタインクスエンジニアリング株式会社製のBCRA黒タイル(光沢版)であり、黒タイルの反射色度は、L*が 3.6、aが −0.9、b* が−0.6である。反射濃度計としてはGretagMacbeth(グレタグマクベス)製 Spectro Eye LT を用いることができる。
なお、反射色度の測定サンプルには、パターン露光用の通常のマスクではなく、均一露光(ベタ露光)試料を現像処理した導電シートを用いる。具体的には、試料を電極表面側から測定した時の反射色度を反射色度b1 *とし、試料を透明支持体側から測定した時の反射色度を反射色度b *とし、得られた反射色度b1 *と、反射色度b2 *とから、差△b*の絶対値(|△b*|)を計算した。
評価×:差△b*の絶対値が1.7以上である。
評価○:差△b*の絶対値が1.0以上、1.7未満である。
評価◎:差△b*の絶対値が1.0未満である。
(3)導電性の評価
透明導電シートの電極の抵抗値を直読し、透明導電シート1の抵抗値を基準として評価した。
評価×:透明導電シート1の抵抗値より何らかの理由で劣る。表面抵抗値としては50Ω/□をこえる値である。
評価○:透明導電シート1の抵抗値とほぼ同等である。表面抵抗値のめやすは20〜50Ω/□である。
評価◎:透明導電シート1の抵抗値より明らかに低抵抗値を示す。表面抵抗値としては20Ω/□未満である。
以上の結果を以下の表2にまとめた。また、本実施例に用いた化合物の化学式を添付した。
Figure 2012221891
Figure 2012221891
上記の表2より以下のことがわかる。
透明導電シート1〜9は、感光層を単一の感光層塗布液から形成した感光材料をパターン露光して作成した透明導電シートであるが、それぞれ製造適性、反射色度、導電性のいずれかに、以下に説明する問題点がある。
透明導電シート1〜5は感光層の銀とバインダーの体積比を0.3〜2.0まで変更した試料であるが、透明導電シート1〜3は電極の反射色度の差(|△b*|)が大きすぎ使用目的により使用する面を選択する必要が生じ、透明導電シート4、5はバインダーの比率が高いため導電シートとして必要な抵抗値が得られにくい。
透明導電シート6〜9は上記の透明導電シート1に対して塩臭化銀乳剤の臭化銀の比率を高くしたり、現像抑制剤を添加したり、塗布量を増やしたりした試料である。何れも透明導電シート1よりも現像処理工程の現像温度を高くする、現像時間を増やす、などの必要があり、そのため現像によるカブリを抑制するための処方変更などの処置が必要となる。
他方、透明導電シート10〜32は、上記の透明導電シート1〜9とは異なり感光層を複数の層に分割(実施例では3層)に分割し、その分割された層の一部において、塩臭化銀乳剤の臭化銀の比率を高くしたり、銀とバインダーの体積比を変更したり、現像抑制剤を添加したり、あるいはこれらを組み合わせたりしている。そして、上記のように感光層の一部の組成を変更することにより、透明導電シート10〜33は、それぞれ製造適性、反射色度、導電性のいずれをも満足している。上記透明導電シート6〜9のような製造適性上の問題が生じないのは、現像の抑制を感光層内の一部の部分のみに作用させていることによると推定される。
実施例2
上記実施例1で作成した透明支持体の片面にのみ電極を有する透明導電シート1〜32を用い、図2に示されるタッチパネルを作成した。具体的には、透明導電シート1を2枚、上部電極11と下部電極12として用い、上部電極11の電極面と、下部電極12の電極面が対向するように、かつ2枚の導電シートの導通方向が直交し、かつ導通はしないように接着剤層を介して積層し、タッチパネル101とした。このタッチパネルでは、タッチ者は、上部電極では支持体側の色度b *値を、下部電極では電極表面側の色度b *値を視認していることとなる。同様にしてタッチパネル102〜133を作成した。
(評価)
以上で作成したタッチパネル101〜133を用いて以下の評価を行った。評価は、導電シートの作成にあたり、製造の適性、導電シートの表裏面の反射色度の差の絶対値、導電性について以下の尺度での評価を行い、その結果を表3に記載した。
(1)製造適性
透明導電シートの製造適性は、実施例1と同じ評価であり、省略する。
(2)反射色度の差
実施例1と同様な方法で測定し、評価の尺度も実施例と同じであるため、省略する。
(3)視認性の評価
作成した両面電極型の透明導電シートタッチパネルを垂直方向、各方位の斜め方向から観察し、反射光の着色、反射光の色のムラ、反射光の揺らぎ、電極の輪郭などの官能評価を以下のように行った。
評価× 気になる。
評価△ 方向によっては気になることがある。
評価○ ほとんど気にならない。
評価◎ 全く気にならない。
(4)導電性の評価
実施例1の結果を記載した。
Figure 2012221891
表3から以下のことがわかる。
タッチパネル101〜109は、感光層を単一の感光層塗布液から形成した感光材料をパターン露光して作成した透明導電シート1〜9を用いたタッチパネルであるが、それぞれ電極の製造適性、タッチパネルとしての反射色度、導電性のいずれかに、以下に説明する問題点がある。
タッチパネル101〜105は感光層の銀とバインダーの体積比を0.3〜2.0まで変更した感光材料から作成したタッチパネルであるが、タッチパネル1〜3は反射色度の差の測定値(|△b*|)、官能試験による色ムラ視認性とも明らかに問題である。タッチパネル4、5はバインダーの比率が高いためタッチパネルに用いる導電シートとしては抵抗値が高すぎて大画面適性がない。
また、タッチパネル106〜109は上記のタッチパネル1に対して塩臭化銀乳剤の臭化銀の比率を高くしたり、現像抑制剤を添加したり、塗布量を増やしたりして得られた導電シートを用いたタッチパネルであるが、実施例1に記載した製造上の問題の解決を必要としている。
他方、タッチパネル110〜133は、上記のタッチパネル101〜109とは異なり感光層を複数の層に分割(実施例では3層)に分割し、その分割された層の一部において、塩臭化銀乳剤の臭化銀の比率を高くしたり、銀とバインダーの体積比を変更したり、現像抑制剤を添加したり、あるいはこれらを組み合わせている。そして、上記のように感光層の一部の組成を変更することにより、透明導電シート10〜32を用いたタッチパネルには、それぞれ製造適性、反射色度、導電性のいずれをも満足する試料も得られており、以下、詳しく説明する。
タッチパネル101に対して、透明支持体に近いu層のハロゲン化銀の臭化銀比率を30モル%から、50モル%及び70モル%に変更して形成した電極を用いたタッチパネル110及び111は、タッチパネル101に対して反射色度の測定値及び色ムラ視認性が大きく改良されている。一方、透明支持体から遠いo層のハロゲン化銀の臭化銀比率を30モル%から、50モル%及び70モル%に変更して形成した電極を用いたタッチパネル112及び113は、改良効果がなく、むしろ色味ムラは悪化傾向である。従って、臭化率の高い乳剤は、u層に用いると効果的であることがわかった。
タッチパネル114〜116は銀密度(銀とバインダーの体積比)を変更した試料である。タッチパネル115は、o層の銀密度を1.0から0.3に変更した試料であり、色味に関しては全く改良効果がない。一方、タッチパネル114はu層の銀密度を1.0から0.3に変更した試料であり、大きな改良効果を示す。タッチパネル116は114と115の中間的な性能を示した。以上から、銀密度の変更は現像銀表面の色味に大きな影響を与え、色味改良にはu層の銀密度を低くすると効果的であることがわかった。
タッチパネル117〜119は現像抑制剤をu層のみに加えた試料を用いたタッチパネルであり、全層に添加した108に比べて色味に関する改良効果が大きい。現像抑制剤R-1、12は現像抑制剤Fに比べると色味改良効果が小さいが、色味をわずかに修正する場合には使いやすい抑制剤である。
タッチパネル120〜123は、u層の乳剤の臭化率を高くしかつ銀密度を低密度とした試料、u層の乳剤の臭化率を高くしかつ現像抑制剤を添加した試料であり、いずれも色味に関する改良効果が大きい。特に、u層の乳剤の臭化率を高くしかつ現像抑制剤を添加した123は特に色味の改良効果が大きい。
色味の改良効果が全く見られなかったタッチパネル115は、更にo層の銀密度を下げかつu層乳剤の臭化率を高くする(125)ことで色味を改良することができる。同様にo層の銀密度を下げかつu層に現像抑制剤を添加する(126)ことで更に色味を改良することができる。
色味に関しほぼ満足できるタッチパネル114に対し、更にo層の銀密度を低くした124はほぼ同じ色味の結果を示し、更にu層に現像抑制剤を添加した(131)は更に改良効果を示した。
実施例3
透明支持体32の両面に上部電極及び下部電極が形成された両面導電シート10を作成した。用いた乳剤は、実施例1に記載した塩臭化銀乳剤を用い、おもて面の塗布液は表4中の”表”行の、うら面の塗布液は表4中の”裏”行の記載に従って作成した。o/m/u層の区分、銀とバインダーの体積比、乳剤のハロゲン比率の変更などの考え方と計算法は実施例1と同じである。上記の塗布液を用いて支持体の両面に感光層を形成した感光材料05に実施例1と同様な露光と、現像処理を施して両面導電シート51〜68を作成した。露光にあたっては、図13の両面露光用の装置を用いて、おもて面とうら面の感光層に同時に露光した点が、実施例1とは異なる。
両面露光の光源には、高圧水銀ランプを用い、おもて面側のフォトマスクとしては図10のパターン形成用のマスクを、うら面側のフォトマスクとしては図11のパターン形成用のマスクを用いて露光した。用いたマスクの光透過用の窓は、それぞれ図10及び図11のネガティブパターンであり、格子を形成する単位正方格子の線幅は3μm、格子の辺長は300μmとした。おもて面電極形成のために用いたフォトマスク110と、うら面電極形成のために用いたフォトマスク120とは、形成された電極の導通方向が直交し、両面導電シートを透視したときに形成された導電性細線のパターンが図12のような均一なバターンを形成するように設置されている。
上記の両面導電シート51〜68を用いて、図3のタッチパネル201〜218を作成した。
実施例2及び3のタッチパネルでは、タッチパネル作成時に2枚の透明導電シートの位置合わせをする必要があるのに対し、本実施例の両面導電シートでは露光時に調整されているために、実施例2及び3よりもタッチパネルの製造得率が格段に高い。
以上により作成したタッチパネルについて、反射色度、視認性、導電性について評価し、その結果を表4に記載した。
(1)反射色度b1 *と、b2 *、及びこれらの差の絶対値の測定
測定装置及び測定の条件は実施例1と同様である。
反射色度の測定サンプルには、パターン露光用の通常のマスクではなく、おもて面露光用のマスク110は、反射色度測定が可能な大きさの窓を開けたマスクを用い、うら面露光にはマスクを用いない全面ベタの露光を施した。反射色度の測定はおもて面側から行い、おもて面の露光され銀像が形成された部分の反射色度を反射色度b1 *とし、おもて面の露光されていない部分を測定した反射色度を反射色度b *とし、得られた反射色度b1 *と、反射色度b2 *とから、差△b*の絶対値を計算した。
×評価:差△b*の絶対値が1.7以上である。
○評価:差△b*の絶対値が1.0以上、1.7未満である。
◎評価:差△b*の絶対値が1.0未満である。
(2)視認性の評価
作成した両面電極型の透明導電シートを用いたタッチパネルを垂直方向、各方位の斜め方向から観察し、反射光の着色、反射光の色のムラ、反射光の揺らぎ、電極の輪郭などの官能評価を以下のように行った。
評価× 気になる。
評価△ 方向によっては気になる。
評価○ ほとんど気にならない。
評価◎ 全く気にならない。
(3)導電性の評価
透明導電シートの電極の抵抗値を直読し、透明導電シート51の抵抗値を基準として評価した。
評価×:透明導電シート51の抵抗値より何らかの理由で劣る。表面抵抗値としては50Ω/□をこえる値である。
評価○:透明導電シート51の抵抗値とほぼ同等である。表面抵抗値のめやすは20〜50Ω/□である。
評価◎:透明導電シート51の抵抗値より明らかに低抵抗値を示す。表面抵抗値としては20Ω/□未満である。
Figure 2012221891
上記の表4から、次のことがわかる。
比較用のタッチパネル201は、反射色度の差△b*の絶対値が1.7以上の2.3であり、官能試験でも色ムラが気になるレベルである。 上記に対し、本発明の実施例となるタッチパネル202〜218は、205を除き、反射色度の差△b*の絶対値、官能試験による視認性、導電性のいずれもが良好な結果を示している。以下では、本発明の特徴について説明する。
タッチパネル202及び203は、両面の電極のu層の臭化銀含有率を30モル%から、50モル%及び70モル%に変更した試料であり、反射色度の差△b*の絶対値、官能試験による視認性がタッチパネル201より大きく改良されている。
タッチパネル204〜206は銀密度(銀とバインダの体積比)を変更した試料である。両面のu層の銀密度を1.0〜0.3に変更した204は、反射色度の差△b*の絶対値、官能試験による視認性がともに満足できるレベルにあるのに対し、両面のu層とo層の銀密度を1.0〜0.3に変更した206は、反射色度の差の測定値が満足できるレベルにはないが、官能試験では十分なレベルにある。また、両面のo層の銀密度を1.0〜0.3に変更した205は、比較例の201を全く改良していない。これらから、銀密度を低下させると有効な層は、透明支持体に近い側の層であるo層であることがわかった。
タッチパネル207及び208は、u層の臭化銀含有率アップと低銀密度化を図った試料であり、いずれも反射色度の差△b*の絶対値、官能試験による視認性がともに満足できるレベルにある。
タッチパネル209〜211は、203、204、208のu層に現像抑制剤を添加した試料であり、タッチパネル212は、206のu層の臭化銀50モル%化と現像抑制剤添加をした試料であり、上記207、208と同様な性能が得られている。
タッチパネル209、213、214は、実施例に用いた現像抑制剤の効果を比較した試料である。現像抑制剤R-1、12は現像抑制剤Fに比べると色味改良効果が小さいが、色味をわずかに修正する場合には使いやすい抑制剤である。
以上、両面電極のおもて面、うら面に同一設計の電極を設けた透明導電シートを用いたタッチパネルの例を説明してきた。以下では、おもて面、うら面の電極設計が同一でない透明電極を用いたタッチパネル215〜218について説明する。
タッチパネル215〜217はいずれもおもて面電極には比較例である導電シート51の片面を用い、うら面電極には、反射色度の差△b*を小さくできる導電シートを選択した。その結果、反射色度の差△b*の絶対値、官能試験による視認性、導電性のいずれもが満足できる結果を示した。また、タッチパネル218は、おもて面のo層の臭化銀含有率を70モル%とした試料で、おもて面の色度がやや青みによっており、わずかな色味調整に有効であることがわかった。
01 タッチパネル
02 タッチ面
03 タッチ面カバー
05 透明導電シート(電極シートとも言う)を製造するための感光材料
10 透明導電シート(電極シートとも言う。また両面導電シートとも言う)
11 上部導電シート(電極シートとも言う。またおもて面電極とも言う)
12 下部導電シート(電極シートとも言う。またうら面電極とも言う)
14A、14B 静電容量を感知する複数の導電性格子部
16A、16B 格子と格子を繋ぐ導電性の連結部
18A、18B 電極(導電パターンとも言う)と外部制御部を繋ぐ引き出し線
19 ダミー細線
21 上部電極(導電パターンとも言う)を構成する導電性細線
22 下部電極(導電パターンとも言う)を構成する導電性細線
30 タッチ面用の透明支持体
31 タッチ面を兼ねる導電シート(電極シート)用の透明支持体
32 導電シート(電極シート)用の透明支持体
33 透明支持体
34 ガラス板
41、42 絶縁層を兼ねる粘着層
50 上部感光材料層(おもて面感光材料層)
51 上部感光層(おもて面感光層)
52 上部第一感光層(上部u層)
53 上部第二感光層(上部m層)
54 上部第三感光層(上部o層)
55 上部保護層
56 上部下塗り層
57 上部アンチハレーション層
60 下部感光材料層(うら面感光材料層)
61 下部感光層(うら面感光層)
62 下部第一感光層(下部u層)
63 下部第二感光層(下部m層)
64 下部第三感光層(下部o層)
65 下部保護層
66 下部下塗り層
67 下部アンチハレーション層
100a、100b 露光用の光源aとb
101a、101b 露光用のレンズaとb
102、102a、102b 露光用の平行光を表す
110 上部電極(導電パターン、おもて面電極とも言う)形成のために用いるフォトマスク
120 下部電極(導電パターン、うら面電極とも言う)形成のために用いるフォトマスク
111、121 フォトマスクの光透過部
112、122 フォトマスクの遮光部
131、141 感光層中の露光された部分(潜像が形成された部分)
132、142 感光層中の露光されなかった部分(潜像が形成されなかった部分)
151(21) 現像処理後に形成された上部電極の銀細線(上部電極を構成する導電性
細線)
161(22) 現像処理後に形成された下部電極の銀細線(下部電極を構成する導電性
細線)
152、162 現像処理により、露光されなかったハロゲン化銀乳剤などが除去された
透明層
d1 上部電極の導電性細線が連続して並ぶ領域(b1 *として視認される場所)
d2 下部電極の導電性細線が連続して並ぶ領域(b2 *として視認される場所)
Z−Z 図1〜図3のタッチパネルの断面と概略対応する導電シート(電極シート)の部分

Claims (19)

  1. 透明支持体に、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層が形成された感光材料にパターン露光と現像処理を施すことにより導電性細線からなる透明導電シートを製造する透明導電シート製造用の感光材料であって、前記感光層が、ハロゲン組成の異なる乳剤を含む複数の感光層、銀密度が異なる複数の感光層、又は現像抑制剤の添加量の異なる複数の感光層、の少なくともいずれかからなることを特徴とする透明導電シート製造用の感光材料。
  2. 前記感光材料が、透明支持体の両面に、それぞれ、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層が形成された導電シート製造用感光材料であって、前記感光層の少なくとも一方の感光層が、ハロゲン組成の異なる乳剤を含む複数の感光層、銀密度の異なる複数の感光層、または現像抑制剤の添加量の異なる複数の感光層、の少なくともいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
  3. 前記感光層のハロゲン化銀乳剤は塩臭化銀乳剤であり、臭化銀の含有率が感光層の中央部に比して、前記透明支持体面に近い部分の感光層、又は支持体から最も遠い部分の感光層の臭化銀含有率が5モル%以上高いことを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
  4. 前記感光層の中央部の塩臭化銀乳剤の臭化銀含有率は40モル%未満であり、透明支持体面に近い部分の感光層、又は支持体から最も遠い部分の感光層の塩臭化銀乳剤の臭化銀含有率は40モル%以上であることを特徴とする請求項3に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
  5. 前記感光層の中央部の塩臭化銀乳剤を含む感光層の銀とバインダーの体積比に対して、透明支持体面に近い部分の感光層、または支持体から最も遠い部分の感光層の銀とバインダーの体積比が小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
  6. 前記感光層の中央部の塩臭化銀乳剤を含む感光層の銀とバインダーの体積比は0.7以上であり、透明支持体面に近い部分の感光層、または支持体から最も遠い部分の感光層の銀とバインダーの体積比は0.05以上、0.5以下であることを特徴とする請求項5に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
  7. 前記銀とバインダーの体積比が小さい感光層の一方が現像抑制剤を含み、銀とバインダーの体積比が小さい感光層の他方が現像抑制剤を含まないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
  8. 前記現像抑制剤が、メルカプト化合物であることを特徴とする請求項7に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
  9. 前記現像抑制剤が、酸化還元反応により現像抑制剤を放出する化合物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
  10. 請求項1、3〜9のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料にパターン露光を施し、次いで現像処理することにより、現像銀の導電性細線からなる透明導導電パターン(電極とも言う)を透明支持体の片面に形成したことを特徴とする透明導電シート。
  11. 前記請求項10に記載の透明導電シートを2枚用い、それぞれの透明導電シートの導電性細線がタッチ者側となるとともに、それぞれの導電パターンの導電性細線の導通方向が直交するように積層したことを特徴とする静電容量方式のタッチパネル。
  12. 前記請求項10に記載の透明導電シートを2枚用い、それぞれの透明導電シートの透明支持体がタッチ者側となるとともに、それぞれの導電パターンの導電性細線の導通方向が直交するように積層したことを特徴とする静電容量方式のタッチパネル。
  13. 前記請求項10に記載の透明導電シートを2枚用い、それぞれの透明導電シートの導電性細線が透明導電シートの透明支持体以外の絶縁体を介して向き合うとともに、それぞれの導電パターンの導電性細線の導通方向が直交するように積層したことを特徴とする静電容量方式のタッチパネル。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載のタッチパネルにおいて、タッチ者側から測定した導電パターンの反射色度b*値を、2つの導電パターンのうちのタッチ者に近い側の導電パターン(上部導電パターン)の反射色度b1 *と、タッチ者に遠い側の導電パターン(下部導電パターン)の反射色度b2 *としたとき、反射色度b1 *と、反射色度b2 *との差の絶対値が1.7未満(|△b*|=|b1 *−b2 *|<1.7)であることを特徴とするタッチパネル。
  15. 前記感光材料が、透明支持体と感光層との間にアンチハレーション層を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の透明導電シート製造用の感光材料。
  16. 請求項2〜9のいずれか1項に記載の導電シート製造用感光材料の両面にパターン露光を施し、次いで現像処理することにより、現像銀の導電性細線からなる透明導電パターンを透明支持体の両面に形成したことを特徴とする両面導電パターン型の透明導電シート。
  17. 請求項16に記載の両面導電パターン型の透明導電シートにおいて、一方の面の透明導電シートの導電性細線の導通方向と、他方の面の透明導電シートの導電性細線の導通方向とは、互いに直交配置となるように露光されていることを特徴とする両面導電パターン型の透明導電シート。
  18. 請求項17に記載の両面導電パターン型の透明導電シートを用いたことを特徴とする静電容量方式のタッチパネル。
  19. 請求項18に記載の両面導電パターン型の透明導電シートを用いた静電容量方式のタッチパネルにおいて、タッチ者側から測定した導電パターンの反射色度b*値を、両面導電パターンのタッチ者に近い側の導電パターン(おもて面導電パターン)の反射色度b1 *と、タッチ者に遠い側の導電パターン(うら面導電パターン)の反射色度b2 *としたとき、反射色度b1 *と、反射色度b2 *との差の絶対値が1.7未満(|△b*|=|b1 *−b2 *|<1.7)であることを特徴とするタッチパネル。
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