以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、発注処理システム10の全体構成が示されている。図2には、普通預金ミラー残記憶手段40の構成の一例が示され、図3には、売買条件記憶手段41のレコード構成の一例が示され、図4には、保有残高記憶手段42の構成の一例が示され、図5には、売買履歴記憶手段43の構成の一例が示され、図6には、時価データ記憶手段44の構成の一例が示されている。また、図7には、預金残高の増減に伴う発注処理の流れがフローチャートで示され、図8には、条件設定画面100の一例が示され、図9には、預金残高の推移およびこれに伴う売買発注処理の具体例が示されている。
図1において、発注処理システム10は、顧客の保有する金融商品(本実施形態では、一例として株式とする。)を取引市場へ発注する処理を実行する1台または複数台のコンピュータからなる証券会社システム20を備えている。この証券会社システム20には、通信回線1を介して銀行の預金口座(本実施形態では、一例として普通預金の口座とする。)を管理する預金管理システム50が接続され、通信回線2を介して取引市場システム60が接続され、通信回線3を介して時価データ提供システム70が接続され、通信回線4を介して顧客またはその入力代行者が操作する端末装置80が接続されている。
ここで、証券会社システム20と預金管理システム50とを接続する通信回線1は、本実施形態では、一例として専用線とするが、ネットワークとしてもよい。また、証券会社システム20と取引市場システム60とを接続する通信回線2は、通常は専用線であるが、ネットワークとしてもよい。さらに、証券会社システム20と時価データ提供システム70とを接続する通信回線3は、専用線でもネットワークでもよい。そして、証券会社システム20と端末装置80とを接続する通信回線4は、本実施形態では、一例としてネットワークであり、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わない。
証券会社システム20は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、売買条件設定処理手段21と、預金残高取得処理手段22と、時価データ取得処理手段23と、売却条件成否判断処理手段24と、売却銘柄・数量決定処理手段25と、購入条件成否判断処理手段26と、購入銘柄・数量決定処理手段27と、発注処理手段28と、約定処理手段29と、入金指示処理手段30と、出金指示処理手段31と、保有残高更新処理手段32と、普通預金ミラー残記憶手段40と、売買条件記憶手段41と、保有残高記憶手段42と、売買履歴記憶手段43と、時価データ記憶手段44とを含んで構成されている。
売買条件設定処理手段21は、顧客またはその入力代行者の操作により端末装置80から通信回線4を介して送信されてくる条件設定画面100(図8参照)の表示要求信号を受信したときに、表示要求に係る顧客の顧客識別情報をキーとして保有残高記憶手段42(図4参照)および売買履歴記憶手段43(図5参照)から取得した当該顧客の保有残高および売買履歴を用いて、条件設定画面100の表示用データ(例えば、Web画面のデータ等)を作成し、作成した条件設定画面100の表示用データを、通信回線4を介して端末装置80へ送信するとともに、顧客またはその入力代行者により条件設定画面100で入力されて端末装置80から通信回線4を介して送信されてくる売買条件のデータを受信し、受信した売買条件のデータを、証券会社の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて売買条件記憶手段41(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。
ここで、売買条件には、基本の売却用閾値と、臨時の売却用閾値を設定することを選択した場合における各指定時(自)および(至)、並びに各指定時での臨時の売却用閾値と、売却銘柄決定条件と、売却銘柄決定条件として指定順序で売却することを選択した場合における各銘柄の銘柄識別情報およびそれらの指定順序(売却時優先順位)と、購入用閾値を設定することを選択した場合における購入用閾値と、購入銘柄決定条件と、購入銘柄決定条件として指定順序で購入することを選択した場合における各銘柄の銘柄識別情報およびそれらの指定順序(購入時優先順位)と、売買履歴の参照開始基準時とが含まれる。
預金残高取得処理手段22は、銀行の預金管理システム50から、預金残高管理処理手段51により通信回線1を介して送信されてくる預金口座の預金残高(本実施形態では、一例として普通預金残高記憶手段52に記憶されている普通預金口座の普通預金残高とする。)を、銀行用の顧客識別情報(本実施形態では、一例として普通預金口座の口座番号とする。)または証券会社用の顧客識別情報(本実施形態では、一例として証券総合口座の口座番号とする。)とともに受信し、受信した普通預金残高を、受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)または受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて普通預金ミラー残記憶手段40(図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。この際、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)から証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)への変換処理は、顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段として機能する普通預金ミラー残記憶手段40(図2参照)を用いて行う。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
この預金残高取得処理手段22は、本実施形態では、銀行の預金管理システム50の普通預金残高記憶手段52に記憶されている普通預金残高の更新がある都度に、銀行の預金管理システム50からリアルタイムで送信されてくる更新後の普通預金残高を、受信して直ぐに普通預金ミラー残記憶手段40(図2参照)に記憶させることにより、リアルタイムで普通預金ミラー残の更新処理を行う構成とされている。なお、預金残高管理処理手段51による銀行の預金管理システム50からの預金残高(普通預金残高記憶手段52に記憶されている普通預金残高)の送信処理は、普通預金残高の更新がある都度に行うのではなく、定期的に行うようにしてもよく、あるいは定期的に行うとともに預金残高更新時にも行うようにしてもよい。また、預金残高取得処理手段22は、銀行の預金管理システム50により管理されたタイミングで預金管理システム50から預金残高を受信するのではなく、銀行の預金管理システム50に対し、自らが管理するタイミング(すなわち、証券会社システム20により管理されたタイミング)で預金残高の送信要求を行って預金残高を取得する構成としてもよい。
時価データ取得処理手段23は、時価データ提供システム70から、金融商品(本実施形態では、一例として株式とする。)の各銘柄の時価データを、銘柄識別情報(銘柄コード等)とともに、通信回線3を介して繰り返し取得し、取得した時価データを、銘柄識別情報と関連付けて時価データ記憶手段44(図6参照)に記憶させる処理を実行するものである。この時価データ取得処理手段23は、取引時間中には、最新の相場情報をリアルタイムまたは略リアルタイムで取得して時価データ記憶手段44に記憶させる。
売却条件成否判断処理手段24は、全ての顧客を対象とし、各顧客毎に、処理対象の顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、普通預金ミラー残記憶手段40(図2参照)から、現時点の銀行の普通預金残高(記憶されている最新の普通預金ミラー残)を取得するとともに、売買条件記憶手段41(図3参照)から、売却用閾値を取得し、現時点の銀行の普通預金残高が、売却用閾値未満または以下になっているという売却条件の成否を判断する処理を実行するものである。
ここで、売却条件成否判断処理手段24は、売買条件記憶手段41(図3参照)に、基本の売却用閾値のみならず、少なくとも1組の指定時(自)および(至)、並びに臨時の売却用閾値が記憶されている場合には、それらの指定時(自)および(至)、並びに臨時の売却用閾値も取得し、売却条件の成否の判断処理時点が、いずれかの指定時に該当するか否か、より詳細には、いずれかの指定時(自)から指定時(至)までの範囲内に含まれているか否かを判断し、いずれかの指定時に該当すると判断した場合には、基本の売却用閾値ではなく、当該指定時での臨時の売却用閾値を用いて、売却条件の成否を判断する。なお、指定時(自)および指定時(至)は、同一の日を指定してもよく、その場合には、その指定日だけ、普通預金残高が少なくとも臨時の売却用閾値の分だけ確保されることになる。また、本実施形態では、指定時(自)および指定時(至)は、日付単位で指定されるようになっているが、より細かく時刻を加えた単位で指定できるようにしてもよく、この場合に、同一の日付・時刻を指定すると、その指定日のその指定時刻だけ、普通預金残高が少なくとも臨時の売却用閾値の分だけ確保されることになる。
売却銘柄・数量決定処理手段25は、売却条件成否判断処理手段24により売却条件が成立したと判断した場合に、保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された顧客の保有銘柄のうちの少なくとも1銘柄を売却銘柄として決定するとともに、売却銘柄の銘柄識別情報をキーとして時価データ記憶手段44(図6参照)に記憶されている売却銘柄の時価データ(最新の単価データ)を取得し、売却用閾値(基本の売却用閾値または臨時の売却用閾値)から現時点の銀行の普通預金残高を減算した金額(つまり、売却用閾値に対し、不足している金額)を、売却銘柄の時価データで除することにより、売却銘柄の売却数量を決定する処理を実行するものである。なお、「顧客の保有銘柄のうちの少なくとも1銘柄を売却銘柄として決定する」という意味は、売却銘柄決定条件を満たす銘柄がある場合に、それらの銘柄の中から1銘柄または複数銘柄を売却銘柄として決定するという意味であり、売却銘柄決定条件を満たす銘柄が1つもない場合(例えば、含み損を有する銘柄は売却しないことを選択しているときに、全ての保有銘柄が含み損を有している場合等)には、売却銘柄を決定しなくてもよい(つまり、保有銘柄の売却処理を行わなくてもよい。)という趣旨である。
ここで、売却銘柄・数量決定処理手段25は、売却銘柄を決定する際には、売買条件記憶手段41(図3参照)に記憶された売却銘柄決定条件を取得し、この売却銘柄決定条件に従って、売却銘柄を決定する。具体的には、売却銘柄・数量決定処理手段25は、売却銘柄決定条件として「1(指定した順序で売却する)」が記憶されている場合には、売買条件記憶手段41から、各銘柄の銘柄識別情報および売却時優先順位を取得し、保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された顧客の保有銘柄の中から、売却時優先順位の高い順に売却銘柄を選択していく。この際、選択した売却銘柄の保有数量(実際に売却することができる数量)が、除算で暫定的に決定した当該売却銘柄の売却数量に満たない場合には、売却銘柄の保有数量(保有数量の全部)を当該売却銘柄の売却数量として採用するとともに、次に売却時優先順位の高い銘柄についても売却銘柄として決定する処理を繰り返す。すなわち、選択した売却銘柄の保有数量が、除算で暫定的に決定した当該売却銘柄の売却数量に満たない場合には、売却銘柄の保有数量を当該売却銘柄の売却数量として採用するとともに、最初は、売却用閾値(基本の売却用閾値または臨時の売却用閾値)から現時点の銀行の普通預金残高を減算した金額(つまり、売却用閾値に対する不足金額)から、1番目に選択された売却銘柄の保有数量(実際に売却することができる数量)とその銘柄の時価データ(最新の単価データ)とを乗じた売却金額(売却で得られる見込み金額)を減じることにより、残りの不足金額を算出し、この残りの不足金額を、2番目に選択された売却銘柄の時価データ(最新の単価データ)で除することにより、2番目に選択された売却銘柄の売却数量を暫定的に決定し、続いて、2番目に選択された売却銘柄の保有数量(実際に売却することができる数量)が、除算で暫定的に決定した当該売却銘柄の売却数量に満たない場合には、2番目に選択された売却銘柄の保有数量を当該売却銘柄の売却数量として採用するとともに、残りの不足金額から、2番目に選択された売却銘柄の保有数量(実際に売却することができる数量)とその銘柄の時価データ(最新の単価データ)とを乗じた売却金額(売却で得られる見込み金額)を減じることにより、新たに残りの不足金額を算出し、この残りの不足金額を、3番目に選択された売却銘柄の時価データ(最新の単価データ)で除することにより、3番目に選択された売却銘柄の売却数量を暫定的に決定し、以降、N=3,4,5,6,…とすると、N番目に選択された売却銘柄の保有数量(実際に売却することができる数量)が、除算で暫定的に決定した当該売却銘柄の売却数量に満たない場合には、N番目に選択された売却銘柄の保有数量を当該売却銘柄の売却数量として採用するとともに、残りの不足金額から、N番目に選択された売却銘柄の保有数量(実際に売却することができる数量)とその銘柄の時価データ(最新の単価データ)とを乗じた売却金額(売却で得られる見込み金額)を減じることにより、新たに残りの不足金額を算出し、この残りの不足金額を、(N+1)番目に選択された売却銘柄の時価データ(最新の単価データ)で除することにより、(N+1)番目に選択された売却銘柄の売却数量を暫定的に決定する処理を繰り返し、(N+1)番目に選択された売却銘柄の保有数量(実際に売却することができる数量)が、除算で暫定的に決定した当該売却銘柄の売却数量以上になったところで、換言すれば、選択した売却銘柄について除算で暫定的に決定した売却数量が、当該売却銘柄の保有数量(実際に売却することができる数量)の範囲内に収まったところで、その除算で暫定的に決定した売却数量を、正式に売却数量として採用し、繰り返しの処理を終了する。
また、売却銘柄・数量決定処理手段25は、売却銘柄決定条件として「2(含み益の大きい銘柄から売却する)」が記憶されている場合には、保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された顧客の保有銘柄の全てについて、銘柄識別情報をキーとして時価データ記憶手段44(図6参照)に記憶されている各保有銘柄の時価データ(最新の単価データ)を取得するとともに、保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された各保有銘柄の平均取得単価を取得し、各保有銘柄の時価データから平均取得単価を減算することにより、各保有銘柄の単価ベースの含み益を算出するか、またはこの単価ベースの含み益に保有残高記憶手段42に記憶された各保有銘柄の数量を乗じた総額ベースの含み益を算出し、算出した単価ベースの含み益または総額ベースの含み益が大きい順に、保有残高記憶手段42に記憶された顧客の保有銘柄の中から売却銘柄を選択していく。なお、選択した売却銘柄の保有数量(実際に売却することができる数量)が、決定した当該売却銘柄の売却数量に満たない場合に、次に含み益の大きい銘柄を売却銘柄として決定する処理を繰り返すことは、上述した売却銘柄決定条件として「1(指定した順序で売却する)」が記憶されている場合と同様である。
さらに、売却銘柄・数量決定処理手段25は、売却銘柄決定条件として「3(含み損を有する銘柄は売却しない)」が記憶されている場合には、売却銘柄決定条件として「2(含み益の大きい銘柄から売却する)」が記憶されている場合と同様にして各保有銘柄の単価ベースの含み益を算出し、含み益がマイナスの銘柄(つまり、含み損を有する銘柄)は売却銘柄として選択しない。
購入条件成否判断処理手段26は、全ての顧客を対象とし、各顧客毎に、処理対象の顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、普通預金ミラー残記憶手段40(図2参照)から、現時点の銀行の普通預金残高(記憶されている最新の普通預金ミラー残)を取得するとともに、売買条件記憶手段41(図3参照)から、購入用閾値が設定されているときにはその購入用閾値を取得し、現時点の銀行の普通預金残高が、購入用閾値を超過しているか、または購入用閾値以上になっているという購入条件の成否を判断する処理を実行するものである。なお、普通預金ミラー残記憶手段40(図2参照)からの現時点の銀行の普通預金残高の取得処理は、売却条件成否判断処理手段24による処理時に取得したデータが主メモリ上に残っている場合には省略してもよく、また、売買条件記憶手段41(図3参照)からの購入用閾値の取得処理も、売却条件成否判断処理手段24による処理時に合わせて行われて既に主メモリ上に購入用閾値が記憶されている場合には省略してもよい。
購入銘柄・数量決定処理手段27は、購入条件成否判断処理手段26により購入条件が成立したと判断した場合に、売買履歴記憶手段43(図5参照)に記憶された売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)のうちの少なくとも1銘柄と同一の銘柄を購入銘柄として決定するとともに、売買履歴記憶手段43に記憶された売却銘柄の約定数量の範囲内で、かつ、現時点の銀行の普通預金残高から購入用閾値を減算した金額相当分(つまり、購入用閾値に対する超過金額相当分)の範囲内で、購入銘柄の購入数量を決定する処理を実行するものである。従って、必ずしも現時点の銀行の普通預金残高から購入用閾値を減算した金額(つまり、購入用閾値に対する超過金額)の全額を購入資金に充てるわけではなく、売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)の約定数量の範囲内で、すなわち、買い戻しになる範囲内で購入を行う。
なお、「売却銘柄のうちの少なくとも1銘柄と同一の銘柄を購入銘柄として決定する」という意味は、購入銘柄決定条件を満たす銘柄がある場合に、それらの銘柄の中から1銘柄または複数銘柄を購入銘柄として決定するという意味であり、購入銘柄決定条件を満たす銘柄が1つもない場合(例えば、売却時から単価が上昇している銘柄は購入しないことを選択しているときに、全ての売却銘柄の単価が売却時から上昇している場合等)には、購入銘柄を決定しなくてもよい(つまり、売却銘柄の買い戻し処理を行わなくてもよい。)という趣旨である。また、「売買履歴記憶手段43に記憶された売却銘柄の約定数量の範囲内」とは、売買条件記憶手段41(図3参照)に記憶された売買履歴の参照開始基準時以降に売却した数量分を買い戻すことが目的なので、売買履歴の参照開始基準時以降に売却した数量だけを対象にするという趣旨であり、ある1銘柄について、売買履歴の参照開始基準時以降に、複数回の売却が行われた場合には、それらの複数回の売却時の約定数量を合計した数量の範囲内という意味であり、売買履歴の参照開始基準時以降に、売却後に1回または複数回の購入(買い戻し)が行われた場合には、売却時の約定数量から、購入時の約定数量または複数回の購入時の約定数量の合計数量を減じた数量の範囲内という意味である。
ここで、購入銘柄・数量決定処理手段27は、購入銘柄を決定する際には、売買条件記憶手段41(図3参照)に記憶された購入銘柄決定条件を取得し、この購入銘柄決定条件に従って、購入銘柄を決定する。具体的には、購入銘柄・数量決定処理手段27は、購入銘柄決定条件として「1(指定した順序で購入する)」が記憶されている場合には、売買条件記憶手段41から、各銘柄の銘柄識別情報および購入時優先順位を取得し、売買履歴記憶手段43(図5参照)に記憶された売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)の中から、購入時優先順位の高い順に購入銘柄を選択していく。この際、先ず、現時点の銀行の普通預金残高から購入用閾値を減算した金額(つまり、購入用閾値に対する超過金額)を、1番目に選択された購入銘柄の時価データ(最新の単価データ)で除することにより、1番目に選択された購入銘柄の暫定購入数量を算出し、1番目に選択された購入銘柄と同一の銘柄である売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)の約定数量が、算出した暫定購入数量以上の場合には、暫定購入数量(つまり、約定数量の一部、または約定数量と同数量)を購入数量として決定し、約定数量が、算出した暫定購入数量未満の場合には、約定数量の全部を購入数量として決定するとともに、現時点の銀行の普通預金残高から購入用閾値を減算した金額(つまり、購入用閾値に対する超過金額)から、1番目に選択された購入銘柄の購入数量とその銘柄の時価データ(最新の単価データ)とを乗じた購入金額(購入に必要な金額)を減じることにより、残りの超過金額を算出し、次に、算出した残りの超過金額を、2番目に選択された購入銘柄の時価データ(最新の単価データ)で除することにより、2番目に選択された購入銘柄の暫定購入数量を算出し、2番目に選択された購入銘柄と同一の銘柄である売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)の約定数量が、算出した暫定購入数量以上の場合には、暫定購入数量(つまり、񗹤約定数量の一部、または約定数量と同数量)を購入数量として決定し、約定数量が、算出した暫定購入数量未満の場合には、約定数量の全部を購入数量として決定するとともに、残りの超過金額から、2番目に選択された購入銘柄の購入数量とその銘柄の時価データ(最新の単価データ)とを乗じた購入金額(購入に必要な金額)を減じることにより、残りの超過金額を新たに算出し、以降、N=3,4,5,6,…とすると、算出した残りの超過金額を、N番目に選択された購入銘柄の時価データ(最新の単価データ)で除することにより、N番目に選択された購入銘柄の暫定購入数量を算出し、N番目に選択された購入銘柄と同一の銘柄である売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)の約定数量が、算出した暫定購入数量以上の場合には、暫定購入数量(つまり、񗹤約定数量の一部、または約定数量と同数量)を購入数量として決定し、約定数量が、算出した暫定購入数量未満の場合には、約定数量の全部を購入数量として決定するとともに、残りの超過金額から、N番目に選択された購入銘柄の購入数量とその銘柄の時価データ(最新の単価データ)とを乗じた購入金額(購入に必要な金額)を減じることにより、残りの超過金額を新たに算出する処理を繰り返し、残りの超過金額が無くなるか、または購入銘柄の決定対象となる売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)が無くなったところで、繰り返しの処理を終了する。
また、購入銘柄・数量決定処理手段27は、購入銘柄決定条件として「2(売却時からの単価の下落幅の大きい銘柄から購入する)」または「3(売却時からの単価の下落率の大きい銘柄から購入する)」が記憶されている場合には、売買履歴記憶手段43(図5参照)に記憶された売却銘柄の全て(但し、売買条件記憶手段41(図3参照)に記憶された売買履歴の参照開始基準時以降の売却銘柄に限る。)について、銘柄識別情報をキーとして時価データ記憶手段44(図6参照)に記憶されている各売却銘柄の時価データ(最新の単価データ)を取得し、売買履歴記憶手段43に記憶された各売却銘柄の約定単価から各売却銘柄の時価データ(最新の単価データ)を減じることにより、各売却銘柄についての約定単価からの時価データの下落幅を算出するか、またはこれらの下落幅を、各売却銘柄の約定単価で除することにより、各売却銘柄についての約定単価に対する時価データの下落率を算出し、算出した下落幅または下落率が大きい順に、売買履歴記憶手段43(図5参照)に記憶された売却銘柄(但し、売買条件記憶手段41に記憶された売買履歴の参照開始基準時以降の売却銘柄に限る。)の中から、購入銘柄を決定する。なお、購入数量の決定処理や残りの超過金額の算出処理を繰り返す点は、上述した購入銘柄決定条件として「1(指定した順序で購入する)」が記憶されている場合と同様である。
さらに、購入銘柄・数量決定処理手段27は、購入銘柄決定条件として「4(売却時から単価が上昇している銘柄は購入しない)」が記憶されている場合には、上述した購入銘柄決定条件として「2(売却時からの単価の下落幅の大きい銘柄から購入する)」が記憶されている場合と同様にして下落幅を算出し、下落幅がマイナスの銘柄(つまり、売却時から単価が上昇している銘柄)は購入銘柄として選択しない。
発注処理手段28は、売却銘柄・数量決定処理手段25により決定した売却銘柄の銘柄識別情報および売却数量を用いて、売り注文の発注データを作成し、これに注文識別情報を自動付与し、作成した発注データ(注文識別情報、顧客識別情報、銘柄識別情報、数量、売買区分を含む。)を、取引市場システム60へ通信回線2を介して送信するとともに、売買履歴記憶手段43(図5参照)に発注データを記憶させ、ステータスを「発注済み」にする処理を実行するものである。
また、発注処理手段28は、出金指示処理手段31により普通預金口座からの出金額を受信した場合に、購入銘柄・数量決定処理手段27により決定した購入銘柄の銘柄識別情報および購入数量を用いて、買い注文の発注データを作成し、これに注文識別情報を自動付与し、作成した発注データ(注文識別情報、顧客識別情報、銘柄識別情報、数量、売買区分を含む。)を、取引市場システム60へ通信回線2を介して送信するとともに、売買履歴記憶手段43(図5参照)に発注データを記憶させ、ステータスを「発注済み」にする処理も実行する。
約定処理手段29は、取引市場システム60から通信回線2を介して送信されてくる売り注文や買い注文の約定データを受信し、受信した約定データに含まれる注文識別情報と同一の注文識別情報に関連付けられて売買履歴記憶手段43(図5参照)に記憶されている発注データに対応させて、約定数量、約定単価、約定日時等の約定データを加え、ステータスを「約定」に変更する処理を実行するものである。
入金指示処理手段30は、約定処理手段29により受信した売り注文の約定データの約定金額(約定数量と約定単価とを乗じた金額)を、普通預金口座への入金額として、銀行の預金管理システム50へ通信回線1を介して送信する処理を実行するものである。
出金指示処理手段31は、購入銘柄・数量決定処理手段27により決定した購入銘柄の購入数量に、この購入銘柄の銘柄識別情報をキーとして時価データ記憶手段44(図6参照)から取得した購入銘柄の時価データ(最新の単価データ)を乗じて得られた購入金額(購入に必要な金額)を、普通預金口座からの出金要求額として、銀行の預金管理システム50へ通信回線1を介して送信するとともに、銀行の預金管理システム50から通信回線1を介して送信されてくる普通預金口座からの出金額を受信する処理を実行するものである。
保有残高更新処理手段32は、約定処理手段29により受信した売り注文の約定データの約定数量を、売却銘柄の銘柄識別情報に関連付けられて保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された数量から減算する更新処理、および約定処理手段29により受信した買い注文の約定データの約定数量を、購入銘柄の銘柄識別情報に関連付けられて保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された数量に加算する更新処理を実行するものである。
普通預金ミラー残記憶手段40は、図2に示すように、銀行に開設された普通預金口座の普通預金残高をコピーした普通預金ミラー残、および銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)等を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
売買条件記憶手段41は、図3に示すように、基本の売却用閾値、臨時の売却用閾値を設定することを選択した場合における各指定時(自)および(至)、並びに各指定時での臨時の売却用閾値、売却銘柄決定条件、売却銘柄決定条件として指定順序で売却することを選択した場合における各銘柄の銘柄識別情報およびそれらの指定順序(売却時優先順位)、購入用閾値を設定することを選択した場合における購入用閾値、購入銘柄決定条件、購入銘柄決定条件として指定順序で購入することを選択した場合における各銘柄の銘柄識別情報およびそれらの指定順序(購入時優先順位)、売買履歴の参照開始基準時を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
保有残高記憶手段42は、図4に示すように、顧客の保有する銘柄の銘柄識別情報(銘柄コード)、保有残高、平均取得単価等を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
売買履歴記憶手段43は、図5に示すように、取引市場へ発注した売り注文や買い注文の発注データの内容(注文識別情報、銘柄識別情報、注文数量、売買区分を含む。)および約定データの内容(注文識別情報、銘柄識別情報、約定数量、売買区分、約定日時、約定単価を含む。)を、「発注済み」や「約定」等の別を示すステータスとともに、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
時価データ記憶手段44は、図6に示すように、各銘柄の時価データを、銘柄識別情報と関連付けて記憶するものである。
銀行の預金管理システム50は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、預金残高管理処理手段51と、普通預金残高記憶手段52とを備えている。
預金残高管理処理手段51は、普通預金残高記憶手段52に記憶されている普通預金口座の普通預金残高について更新がある都度に、更新された普通預金残高を、リアルタイムで、銀行用の顧客識別情報(本実施形態では、一例として普通預金口座の口座番号とする。)または証券会社用の顧客識別情報(本実施形態では、一例として証券総合口座の口座番号とする。)とともに、通信回線1を介して証券会社システム20へ送信する処理を実行するものである。なお、預金残高管理処理手段51は、証券会社システム20からの送信要求があったときに普通預金残高を送信する構成としてもよい。
また、預金残高管理処理手段51は、入金指示処理手段30により証券会社システム20から通信回線1を介して送信されてくる入金指示データ(普通預金口座への入金額を含む。)を受信し、受信した入金額を、普通預金残高記憶手段52に記憶されている普通預金口座の普通預金残高に加算する入金処理も実行する。
さらに、預金残高管理処理手段51は、出金指示処理手段31により証券会社システム20から通信回線1を介して送信されてくる出金指示データ(普通預金口座からの出金要求額を含む。)を受信し、受信した出金要求額を、普通預金残高記憶手段52に記憶されている普通預金口座の普通預金残高から減じる出金処理を実行するとともに、出金処理を実行したことを通知する出金通知データ(普通預金口座からの出金額を含む。)を、通信回線1を介して証券会社システム20へ送信する処理も実行する。
普通預金残高記憶手段52は、各顧客の普通預金口座の普通預金残高を、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。なお、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)も、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と対応させて記憶するようにしてもよい。
そして、証券会社システム20の各処理手段21〜32や銀行の預金管理システム50の預金残高管理処理手段51は、証券会社システム20や預金管理システム50を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、証券会社システム20の各記憶手段40〜44や銀行の預金管理システム50の普通預金残高記憶手段52は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
さらに、証券会社システム20や銀行の預金管理システム50は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
取引市場システム60は、コンピュータにより構成され、例えば、証券取引所システム等の金融商品の取引所システム、私設取引システム(PTS:Proprietary Trading
System)、店頭市場システム等である。
時価データ提供システム70は、コンピュータにより構成され、例えば株式等の金融商品についての時価データを提供する情報ベンダーのシステムである。なお、時価データ提供システム70は、取引市場システム60自体であってもよい。
端末装置80は、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置と、印刷装置とを備えている。この端末装置80は、例えば携帯電話機(PHSを含む。)や携帯情報端末(PDA)等の携帯機器でもよい。
このような本実施形態においては、以下のようにして発注処理システム10により、銀行の普通預金口座の残高変動に伴って、取引市場への発注処理が行われ、預金残高が自動調整される。
図7において、証券会社システム20で、銀行の普通預金残高の変動に伴って行う金融商品(本実施形態では、一例として株式とする。)の発注に関する一連の処理を開始する(ステップS1)。
先ず、顧客またはその入力代行者が、端末装置80を操作し、条件設定画面100(図8参照)の表示要求信号を、通信回線4を介して証券会社システム20へ送信すると、証券会社システム20では、売買条件設定処理手段21により、端末装置80からの条件設定画面100の表示要求信号を受信し、表示要求に係る顧客の顧客識別情報をキーとして保有残高記憶手段42(図4参照)および売買履歴記憶手段43(図5参照)から取得した当該顧客の保有残高および売買履歴を用いて、条件設定画面100の表示用データ(例えば、Web画面のデータ等)を作成し、作成した条件設定画面100の表示用データを、通信回線4を介して端末装置80へ送信する。すると、端末装置80の画面上には、図8に示すような条件設定画面100が表示される。
図8において、条件設定画面100には、売却用閾値設定部110と、売却銘柄決定条件設定部120と、購入用閾値設定部130と、購入銘柄決定条件設定部140と、売買履歴参照開始基準時設定部150と、保有状況表示部160と、売買履歴表示部170と、入力データを証券会社システム20へ送信するための「送信」ボタン180とが設けられている。
売却用閾値設定部110には、通常適用される基本の売却用閾値の入力部111と、指定時に限定して適用される臨時の売却用閾値を設定することを選択する選択部112と、この選択部112を選択した場合において指定時(自)および指定時(至)並びに臨時の売却用閾値を入力する各入力部113,114,115と、臨時の売却用閾値を設定しないことを選択する選択部116とが設けられている。
売却銘柄決定条件設定部120には、指定した順序で売却することを選択する選択部121と、この選択部121を選択した場合において銘柄および順序(売却時優先順位)を入力する各入力部122,123と、含み益の大きい銘柄から売却することを選択する選択部124と、含み損を有する銘柄は売却しないことを選択する選択部125とが設けられている。なお、選択部125は、選択部121または選択部124と重複選択可能であり、選択部121と重複選択した場合には、指定した順序で売却するが、含み損を有する銘柄については順序を飛ばす(つまり売却しない)ことになり、選択部124と重複選択した場合には、含み益の大きい銘柄から売却するが、含み益がマイナスになる(つまり、含み損を有する)ところまでは売却しないことになる。
購入用閾値設定部130には、購入用閾値を設定することを選択する選択部131と、この選択部131を選択した場合において購入用閾値を入力する入力部132と、購入用閾値を設定しないことを選択する選択部133とが設けられている。
購入銘柄決定条件設定部140には、指定した順序で購入することを選択する選択部141と、この選択部141を選択した場合において銘柄および順序(購入時優先順位)を入力する各入力部142,143と、売却時からの単価の下落幅の大きい銘柄から購入することを選択する選択部144と、売却時からの単価の下落率の大きい銘柄から購入することを選択する選択部145と、売却時から単価が上昇している銘柄は購入しないことを選択する選択部146とが設けられている。なお、選択部146は、選択部141、選択部144、または選択部145と重複選択可能である。
売買履歴参照開始基準時設定部150には、売買履歴参照開始基準時として現在を選択する(現在からの売買履歴、すなわちこれから作成されていく売買履歴を参照する)ことを選択する選択部151と、売買履歴参照開始基準時を入力する入力部152とが設けられている。
保有状況表示部160には、表示要求に係る顧客の顧客識別情報をキーとして保有残高記憶手段42(図4参照)から取得した当該顧客の保有銘柄およびそれらの残高の状況が表示されるようになっている。
売買履歴表示部170には、表示要求に係る顧客の顧客識別情報をキーとして売買履歴記憶手段43(図5参照)から取得した当該顧客の売買履歴(売買日、銘柄、数量、売買区分)が表示されるようになっている。
そして、図8の条件設定画面100において、顧客またはその入力代行者が、必要なデータを入力し、「送信」ボタン180を押下操作すると、条件設定画面100で入力した売買条件のデータが、端末装置80から通信回線4を介して証券会社システム20へ送信される。証券会社システム20では、売買条件設定処理手段21により、端末装置80からの売買条件のデータを受信し、受信した売買条件のデータを、証券会社の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて売買条件記憶手段41(図3参照)に記憶させる(図7のステップS2)。なお、図8の条件設定画面100で入力設定された売買条件の各データは、図8の条件設定画面100で変更入力して再設定することができる。
続いて、銀行の預金管理システム50では、普通預金残高記憶手段52に記憶されている普通預金口座の普通預金残高が更新されると、預金残高管理処理手段51により、更新後の普通預金残高を、銀行用の顧客識別情報(本実施形態では、一例として普通預金口座の口座番号とする。)または証券会社用の顧客識別情報(本実施形態では、一例として証券総合口座の口座番号とする。)とともに、通信回線1を介して証券会社システム20へ送信する。証券会社システム20では、預金残高取得処理手段22により、証券会社システム20から送信されてくる普通預金口座の普通預金残高を受信し、受信した普通預金残高を、受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)または受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて普通預金ミラー残記憶手段40(図2参照)に記憶させる(図7のステップS3)。
それから、時価データ取得処理手段23により、時価データ提供システム70から、金融商品(本実施形態では、一例として株式とする。)の各銘柄の時価データを、銘柄識別情報(銘柄コード等)とともに、通信回線3を介して取得し、取得した時価データを、銘柄識別情報と関連付けて時価データ記憶手段44(図6参照)に記憶させる(図7のステップS4)。
なお、図7においては、説明の便宜上、ステップS3の預金残高取得処理手段22による処理の後に、ステップS4の時価データ取得処理手段23による処理が記載されているが、これらの処理は、この順番に実行される必要はなく、また、同期している必要もなく、それぞれの処理が全く無関係のタイミングで実行されてもよい。
次に、売却条件成否判断処理手段24により、全ての顧客を対象とし、各顧客毎に、処理対象の顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、普通預金ミラー残記憶手段40(図2参照)から、現時点の銀行の普通預金残高(記憶されている最新の普通預金ミラー残)を取得するとともに、売買条件記憶手段41(図3参照)から、売却用閾値を取得し、現時点の銀行の普通預金残高が、売却用閾値未満または以下になっているという売却条件の成否を判断する(図7のステップS5)。
例えば、売買条件記憶手段41に、図3に示す状態で、基本の売却用閾値および臨時の売却用閾値が記憶されていたとする。このとき、売却条件の成否の判断処理時点が、2010年11月10日であったとすると、第1の指定時(2010年11月15日)、第2の指定時(2011年3月1日〜2011年3月31日)、第3の指定時(2012年3月1日〜2012年3月31日)のいずれにも該当しないので、基本の売却用閾値の200万円を採用して売却条件の成否の判断処理を実行する。また、売却条件の成否の判断処理時点が、2011年3月2日であったとすると、第2の指定時(2011年3月1日〜2011年3月31日)に該当するので、第2の指定時での臨時の売却用閾値の300万円を採用して売却条件の成否の判断処理を実行する。
そして、ステップS5で、売却条件成否判断処理手段24により売却条件が成立したと判断した場合には、売却銘柄・数量決定処理手段25により、保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された顧客の保有銘柄のうちの少なくとも1銘柄を売却銘柄として決定するとともに、売却銘柄の銘柄識別情報をキーとして時価データ記憶手段44(図6参照)に記憶されている売却銘柄の時価データ(最新の単価データ)を取得し、売却用閾値(基本の売却用閾値または臨時の売却用閾値)から現時点の銀行の普通預金残高を減算した金額(つまり、売却用閾値に対し、不足している金額)を、売却銘柄の時価データで除することにより、売却銘柄の売却数量を決定する(図7のステップS6)。
例えば、売買条件記憶手段41(図3参照)に、売却銘柄決定条件として「1(指定した順序で売却する)」が記憶され、銘柄A、銘柄B、銘柄C、銘柄D、銘柄Eの順に売却時優先順位が指定されている場合には、先ず、銘柄Aを売却銘柄として選択し、売却用閾値(基本の売却用閾値または臨時の売却用閾値)から現時点の銀行の普通預金残高を減算した金額(つまり、売却用閾値に対する不足金額)ΔFを、銘柄Aの時価データで除することにより、銘柄Aの売却数量を暫定的に決定する。この際、売却数量は、最小売買単位である単元株を考慮して決定するので、実際には、除算で得られた数量と同じか、それよりも大きな数量として決定される。また、除算に用いる売却銘柄の時価データ(最新の単価データ)と売却時の実際の約定単価とは異なることがあり、所望の売却金額が得られない可能性もあるので、売却数量は、ある程度のマージンを持たせて大きめに決定してもよい。なお、売却銘柄決定条件として売却時優先順位が指定された状態で売買条件記憶手段41(図3参照)に記憶されている銘柄であるが、当該銘柄の保有数量がゼロである場合には、その銘柄は飛ばして、次に売却時優先順位の高い銘柄を売却銘柄として選択する。
しかし、保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された銘柄Aの保有数量(実際に売却することができる数量)が、除算で暫定的に決定した銘柄Aの売却数量に満たない場合には、銘柄Aの売却だけで売却用閾値まで普通預金残高を回復させることはできないので、銘柄Aの保有数量を、銘柄Aの売却数量として採用するとともに、次に売却時優先順位の高い銘柄Bについても売却銘柄として決定する。そして、売却用閾値(基本の売却用閾値または臨時の売却用閾値)から現時点の銀行の普通預金残高を減算した金額(つまり、売却用閾値に対する不足金額)ΔFから、銘柄Aの保有数量と銘柄Aの時価データ(最新の単価データ)とを乗じた売却金額(売却で得られる見込み金額)ΔAを減じることにより、残りの不足金額(ΔF−ΔA)を算出し、この残りの不足金額(ΔF−ΔA)を、銘柄Bの時価データ(最新の単価データ)で除することにより、銘柄Bの売却数量を暫定的に決定する。
同様に、保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された銘柄Bの保有数量が、除算で暫定的に決定した銘柄Bの売却数量に満たない場合には、銘柄A,Bの売却だけで売却用閾値まで普通預金残高を回復させることはできないので、銘柄Bの保有数量を、銘柄Bの売却数量として採用するとともに、次に売却時優先順位の高い銘柄Cについても売却銘柄として決定する。そして、残りの不足金額(ΔF−ΔA)から、銘柄Bの保有数量と銘柄Bの時価データ(最新の単価データ)とを乗じた売却金額(売却で得られる見込み金額)ΔBを減じることにより、新たに残りの不足金額(ΔF−ΔA−ΔB)を算出し、この残りの不足金額(ΔF−ΔA−ΔB)を、銘柄Cの時価データ(最新の単価データ)で除することにより、銘柄Cの売却数量を暫定的に決定する。ここで、銘柄Cの保有数量が、除算で暫定的に決定した銘柄Cの売却数量以上になった場合には、除算で暫定的に決定した銘柄Cの売却数量を、正式に銘柄Cの売却数量として採用する。
また、例えば、売買条件記憶手段41(図3参照)に、売却銘柄決定条件として「2(含み益の大きい銘柄から売却する)」が記憶されている場合には、保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された顧客の保有銘柄が、銘柄A,B,C,D,Eであったとすると、これらの銘柄A,B,C,D,Eの銘柄識別情報をキーとして時価データ記憶手段44(図6参照)に記憶されている各保有銘柄A,B,C,D,Eの時価データ(最新の単価データ)を取得するとともに、保有残高記憶手段42に記憶された各保有銘柄A,B,C,D,Eの平均取得単価を取得し、各保有銘柄A,B,C,D,Eの時価データから平均取得単価を減算することにより、各保有銘柄A,B,C,D,Eの単価ベースの含み益を算出するか、またはこの単価ベースの含み益に保有残高記憶手段42に記憶された各保有銘柄A,B,C,D,Eの数量を乗じた総額ベースの含み益を算出し、算出した単価ベースの含み益または総額ベースの含み益が大きい順に、保有残高記憶手段42に記憶された顧客の保有銘柄A,B,C,D,Eの中から売却銘柄を選択していく。例えば、銘柄A、銘柄B、銘柄C、銘柄D、銘柄Eの順に含み益が大きい場合には、この順に売却時優先順位が指定されている場合(上記の例の場合)と同様にして、売却銘柄および売却数量を決定していく。
さらに、例えば、売買条件記憶手段41(図3参照)に、売却銘柄決定条件として「3(含み損を有する銘柄は売却しない)」が記憶されている場合には、保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された顧客の保有銘柄が、銘柄A,B,C,D,Eであったとすると、売却銘柄決定条件として「2(含み益の大きい銘柄から売却する)」が記憶されている場合と同様にして各保有銘柄A,B,C,D,Eの単価ベースの含み益を算出する。そして、例えば、銘柄Bの含み益がマイナスであったとすると、つまり銘柄Bが含み損を有する銘柄であったとすると、この銘柄Bは売却銘柄として選択しない。従って、売却銘柄決定条件として、「3(含み損を有する銘柄は売却しない)」が、「1(指定した順序で売却する)」または「2(含み益の大きい銘柄から売却する)」と重複選択されている場合には、上記の例では、銘柄Bを飛ばして、銘柄A、銘柄C、銘柄D、銘柄Eの順に売却銘柄が選択されていく。なお、売却銘柄決定条件として「3(含み損を有する銘柄は売却しない)」が単独で選択されている場合には、売却銘柄を選択する順序は任意としてもよい。
続いて、発注処理手段28により、売却銘柄・数量決定処理手段25により決定した売却銘柄の銘柄識別情報および売却数量を用いて、売り注文の発注データを作成し、これに注文識別情報を自動付与し、作成した発注データ(注文識別情報、顧客識別情報、銘柄識別情報、数量、売買区分を含む。)を、取引市場システム60へ通信回線2を介して送信するとともに、売買履歴記憶手段43(図5参照)に発注データを記憶させ、ステータスを「発注済み」にする(図7のステップS7)。
その後、約定処理手段29により、取引市場システム60から通信回線2を介して送信されてくる売り注文の約定データを受信し、受信した約定データに含まれる注文識別情報と同一の注文識別情報に関連付けられて売買履歴記憶手段43(図5参照)に記憶されている発注データに対応させて、約定数量、約定単価、約定日時等の約定データを加え、ステータスを「約定」に変更する(図7のステップS8)。
それから、入金指示処理手段30により、約定処理手段29により受信した売り注文の約定データの約定金額(約定数量と約定単価とを乗じた金額)を、普通預金口座への入金額とし、この入金額を含んだ入金指示データを、銀行の預金管理システム50へ通信回線1を介して送信する(図7のステップS9)。銀行の預金管理システム50では、預金残高管理処理手段51により、証券会社システム20からの入金指示データ(普通預金口座への入金額を含む。)を受信し、受信した入金額を、普通預金残高記憶手段52に記憶されている普通預金口座の普通預金残高に加算する入金処理を行う。これにより、普通預金残高記憶手段52に記憶されている普通預金口座の普通預金残高は、売却用閾値またはそれを超える金額になる。
一方、前述したステップS5で、売却条件成否判断処理手段24により売却条件が成立しないと判断した場合には、購入条件成否判断処理手段26により、全ての顧客を対象とし、各顧客毎に、処理対象の顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、普通預金ミラー残記憶手段40(図2参照)から、現時点の銀行の普通預金残高(記憶されている最新の普通預金ミラー残)を取得するとともに、売買条件記憶手段41(図3参照)から、購入用閾値が設定されているときにはその購入用閾値を取得し、現時点の銀行の普通預金残高が、購入用閾値を超過しているか、または購入用閾値以上になっているという購入条件の成否を判断する(図7のステップS10)。
そして、ステップS10で、購入条件成否判断処理手段26により購入条件が成立したと判断した場合には、購入銘柄・数量決定処理手段27により、売買履歴記憶手段43(図5参照)に記憶された売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)のうちの少なくとも1銘柄と同一の銘柄を購入銘柄として決定するとともに、売買履歴記憶手段43に記憶された売却銘柄の約定数量の範囲内で、かつ、現時点の銀行の普通預金残高から購入用閾値を減算した金額相当分(つまり、購入用閾値に対する超過金額相当分)の範囲内で、購入銘柄の購入数量を決定する(図7のステップS11)。
例えば、売買条件記憶手段41(図3参照)に、購入銘柄決定条件として「1(指定した順序で購入する)」が記憶され、銘柄E、銘柄D、銘柄C、銘柄B、銘柄Aの順に購入時優先順位が指定されるとともに、売買履歴の参照開始基準時として「2010年4月1日」が記憶されている場合には、先ず、銘柄Eが、売買履歴記憶手段43(図5参照)に、2010年4月1日以降に約定した売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)として記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合には、銘柄Eを購入銘柄として決定する。そして、現時点の銀行の普通預金残高から購入用閾値を減算した金額(つまり、購入用閾値に対する超過金額)ΔGを、銘柄Eの時価データ(最新の単価データ)で除することにより、銘柄Eの暫定購入数量を算出する。このとき、売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)としての銘柄Eの約定数量が、算出した銘柄Eの暫定購入数量以上の場合には、超過金額ΔGの全部を銘柄Eの買い戻しに充当することができるので、銘柄Eの暫定購入数量(つまり、約定数量の一部、または約定数量と同数量)を正式に銘柄Eの購入数量として決定し、購入銘柄・数量の決定処理を終了する。一方、売却銘柄としての銘柄Eの約定数量が、算出した銘柄Eの暫定購入数量未満の場合には、売却した銘柄Eを全部買い戻しても購入用の余剰資金があるので、売却した銘柄Eの約定数量の全部を銘柄Eの購入数量として決定するとともに、現時点の銀行の普通預金残高から購入用閾値を減算した金額(つまり、購入用閾値に対する超過金額)ΔGから、銘柄Eの購入数量と銘柄Eの時価データ(最新の単価データ)とを乗じた購入金額(購入に必要な金額)ΔEを減じることにより、残りの超過金額(ΔG−ΔE)を算出し、次に購入時優先順位の高い銘柄Dを購入銘柄とすることができるか否かを判断する。また、銘柄Eが、売買履歴記憶手段43(図5参照)に、2010年4月1日以降に約定した売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)として記憶されていない場合にも、次に購入時優先順位の高い銘柄Dを購入銘柄とすることができるか否かを判断する。
次に、銘柄Dが、売買履歴記憶手段43(図5参照)に、2010年4月1日以降に約定した売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)として記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合には、銘柄Dを購入銘柄として決定する。そして、残りの超過金額(ΔG−ΔE)を、銘柄Dの時価データ(最新の単価データ)で除することにより、銘柄Dの暫定購入数量を算出する。このとき、売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)としての銘柄Dの約定数量が、算出した銘柄Dの暫定購入数量以上の場合には、残りの超過金額(ΔG−ΔE)の全部を銘柄Dの買い戻しに充当することができるので、銘柄Dの暫定購入数量(つまり、約定数量の一部、または約定数量と同数量)を正式に銘柄Dの購入数量として決定し、購入銘柄・数量の決定処理を終了する。一方、売却銘柄としての銘柄Dの約定数量が、算出した銘柄Dの暫定購入数量未満の場合には、売却した銘柄D,Eを全部買い戻しても購入用の余剰資金があるので、売却した銘柄Dの約定数量の全部を銘柄Dの購入数量として決定するとともに、残りの超過金額(ΔG−ΔE)から、銘柄Dの購入数量と銘柄Dの時価データ(最新の単価データ)とを乗じた購入金額(購入に必要な金額)ΔDを減じることにより、新たに残りの超過金額(ΔG−ΔE−ΔD)を算出し、次に購入時優先順位の高い銘柄Cを購入銘柄とすることができるか否かを判断する。また、銘柄Dが、売買履歴記憶手段43(図5参照)に、2010年4月1日以降に約定した売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)として記憶されていない場合にも、次に購入時優先順位の高い銘柄Cを購入銘柄とすることができるか否かを判断する。
そして、例えば、銘柄Cが、売買履歴記憶手段43(図5参照)に、2010年4月1日以降に約定した売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)として記憶されておらず、さらに次に購入時優先順位の高い銘柄B,Aも記憶されていない場合には、買い戻すべき銘柄がないので、購入銘柄・数量の決定処理を終了する。従って、残りの超過金額(ΔG−ΔE−ΔD)は、購入資金に充当されることない。つまり、購入条件が成立した場合であっても、必ずしも、現時点の銀行の普通預金残高から購入用閾値を減算した金額(つまり、購入用閾値に対する超過金額)ΔGの全部を、購入資金に充当しなくてもよい。
また、例えば、売買条件記憶手段41(図3参照)に、購入銘柄決定条件として「2(売却時からの単価の下落幅の大きい銘柄から購入する)」または「3(売却時からの単価の下落率の大きい銘柄から購入する)」が記憶されている場合には、銘柄E,D,C,B,Aが、売買履歴記憶手段43(図5参照)に、2010年4月1日以降に約定した売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)として記憶されているとすると、これらの銘柄E,D,C,B,Aの銘柄識別情報をキーとして時価データ記憶手段44(図6参照)に記憶されている各売却銘柄E,D,C,B,Aの時価データ(最新の単価データ)を取得し、売買履歴記憶手段43に記憶された各売却銘柄E,D,C,B,Aの約定単価から各売却銘柄E,D,C,B,Aの時価データ(最新の単価データ)を減じることにより、各売却銘柄E,D,C,B,Aについての約定単価からの時価データの下落幅を算出するか、またはこれらの下落幅を、各売却銘柄E,D,C,B,Aの約定単価で除することにより、各売却銘柄E,D,C,B,Aについての約定単価に対する時価データの下落率を算出し、算出した下落幅または下落率が大きい順に、売買履歴記憶手段43(図5参照)に記憶された売却銘柄E,D,C,B,Aの中から、購入銘柄を選択していく。例えば、銘柄E、銘柄D、銘柄C、銘柄B、銘柄Aの順に下落幅または下落率が大きい場合には、この順に購入時優先順位が指定されている場合(上記の例の場合)と同様にして、購入銘柄および購入数量を決定していく。
さらに、例えば、売買条件記憶手段41(図3参照)に、購入銘柄決定条件として「4(売却時から単価が上昇している銘柄は購入しない)」が記憶されている場合には、銘柄E,D,C,B,Aが、売買履歴記憶手段43(図5参照)に、2010年4月1日以降に約定した売却銘柄(売却銘柄・数量決定処理手段25により売却銘柄として決定されて発注され、約定した銘柄)として記憶されているとすると、上述した購入銘柄決定条件として「2(売却時からの単価の下落幅の大きい銘柄から購入する)」が記憶されている場合と同様にして銘柄E,D,C,B,Aの下落幅を算出し、例えば、銘柄Dの下落幅がマイナスであったとすると、つまり、銘柄Dが、売却時から単価が上昇している銘柄であったとすると、この銘柄Dは購入銘柄として選択しない。従って、購入銘柄決定条件として、「4(売却時から単価が上昇している銘柄は購入しない)」が、「1(指定した順序で購入する)」、「2(売却時からの単価の下落幅の大きい銘柄から購入する)」、または「3(売却時からの単価の下落率の大きい銘柄から購入する)」と重複選択されている場合には、指定した順序あるいは下落幅や下落率の大きい順に購入銘柄を選択していく際に、銘柄Dを飛ばして選択する。なお、購入銘柄決定条件として「4(売却時から単価が上昇している銘柄は購入しない)」が単独で選択されている場合には、購入銘柄を選択する順序は任意としてもよい。
続いて、出金指示処理手段31により、購入銘柄・数量決定処理手段27により決定した購入銘柄の購入数量に、この購入銘柄の銘柄識別情報をキーとして時価データ記憶手段44(図6参照)から取得した購入銘柄の時価データ(最新の単価データ)を乗じることにより購入金額(購入に必要な金額)を算出し、これを普通預金口座からの出金要求額とし、この出金要求額を含む出金指示データを、銀行の預金管理システム50へ通信回線1を介して送信する(図7のステップS12)。銀行の預金管理システム50では、預金残高管理処理手段51により、証券会社システム20から通信回線1を介して送信されてくる出金指示データ(普通預金口座からの出金要求額を含む。)を受信し、受信した出金要求額を、普通預金残高記憶手段52に記憶されている普通預金口座の普通預金残高から減じる出金処理を実行するとともに、出金処理を実行したことを通知する出金通知データ(普通預金口座からの出金額を含む。)を、通信回線1を介して証券会社システム20へ送信する。証券会社システム20では、出金指示処理手段31により、銀行の預金管理システム50から通信回線1を介して送信されてくる出金通知データ(普通預金口座からの出金額を含む。)を受信する(図7のステップS12)。
それから、出金指示処理手段31により出金通知データ(普通預金口座からの出金額を含む。)を受信した場合に、発注処理手段28により、購入銘柄・数量決定処理手段27により決定した購入銘柄の銘柄識別情報および購入数量を用いて、買い注文の発注データを作成し、これに注文識別情報を自動付与し、作成した発注データ(注文識別情報、顧客識別情報、銘柄識別情報、数量、売買区分を含む。)を、取引市場システム60へ通信回線2を介して送信するとともに、売買履歴記憶手段43(図5参照)に発注データを記憶させ、ステータスを「発注済み」にする(図7のステップS13)。
その後、約定処理手段29により、取引市場システム60から通信回線2を介して送信されてくる買い注文の約定データを受信し、受信した約定データに含まれる注文識別情報と同一の注文識別情報に関連付けられて売買履歴記憶手段43(図5参照)に記憶されている発注データに対応させて、約定数量、約定単価、約定日時等の約定データを加え、ステータスを「約定」に変更する(図7のステップS14)。
そして、前述したステップS9で入金指示を行った後には、保有残高更新処理手段32により、約定処理手段29により受信した売り注文の約定データの約定数量を、売却銘柄の銘柄識別情報に関連付けられて保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された数量から減算する更新処理を行い、また、上記のステップS14で約定処理を行った後には、保有残高更新処理手段32により、約定処理手段29により受信した買い注文の約定データの約定数量を、購入銘柄の銘柄識別情報に関連付けられて保有残高記憶手段42(図4参照)に記憶された数量に加算する更新処理を行い(図7のステップS15)、普通預金残高の変動に伴って行う発注に関する一連の処理を終了する(図7のステップS16)。また、前述したステップS10で、購入条件成否判断処理手段26により購入条件が成立しないと判断した場合も、普通預金残高の変動に伴って行う発注に関する一連の処理を終了する(図7のステップS16)。
以下には、普通預金残高の変動状況と、売り注文または買い注文の発注処理との関係を、具体的数値例を用いて説明する。
図9において、T1時点で、保有残高が、銘柄A=150万円、銘柄B=100万円、銘柄C=50万円、銘柄D=200万円、銘柄E=300万円とする。また、売買履歴の参照開始基準時として、T1時点が指定されているものとする。従って、各銘柄A,B,C,D,Eの売却後の買い戻しは、T1時点のポートフォリオに戻すように行われることになる。さらに、図3および図8に示すように、売却時優先順位が、銘柄A,B,C,D,Eの順に指定されるとともに、購入時優先順位が、銘柄E,D,C,B,Aの順に指定されているものとする。従って、保有5銘柄のうち、銘柄Eは、最も保有していたい銘柄であり、銘柄Aは、最も手放してもよい銘柄ということになる。そして、図3および図8に示すように、基本の売却用閾値=200万円、指定時=2010年11月15日(T7時点)での臨時の売却用閾値=350万円、購入用閾値=500万円と設定されているものとする。
T2時点で、普通預金残高が100万円になったとする。このとき、基本の売却用閾値=200万円であるから、差額の100万円を補充するために、100万円相当分の株式を売却する必要がある。そこで、売却時優先順位=1の銘柄Aを100万円相当分売却し、この100万円を普通預金に入金すると、普通預金残高は、T2’時点で、基本の売却用閾値=200万円まで回復する。
その後、普通預金残高が、一旦、増加した後、T3時点で、50万円になったとする。このとき、基本の売却用閾値=200万円であるから、差額の150万円を補充するために、150万円相当分の株式を売却する必要がある。そこで、売却時優先順位=1の銘柄Aを50万円相当分売却し、売却時優先順位=2の銘柄Bを100万円相当分売却し、これらの150万円を普通預金に入金すると、普通預金残高は、T3’時点で、基本の売却用閾値=200万円まで回復する。
それから、普通預金残高が、一旦、増加した後、T4時点で、100万円になったとする。このとき、基本の売却用閾値=200万円であるから、差額の100万円を補充するために、100万円相当分の株式を売却する必要がある。T4時点では、銘柄A,Bの保有数量はゼロである。そこで、売却時優先順位=3の銘柄Cを50万円相当分売却し、売却時優先順位=4の銘柄Dを50万円相当分売却し、これらの100万円を普通預金に入金すると、普通預金残高は、T4’時点で、基本の売却用閾値=200万円まで回復する。
その後、普通預金残高が増加し、T5時点で、600万円になったとする。このとき、購入用閾値=500万円であるから、差額の100万円で株式を購入することができる。T5時点では、売買履歴の参照開始基準時であるT1時点からの売買履歴として、銘柄A=合計150万円の売り、銘柄B=100万円の売り、銘柄C=50万円の売り、銘柄D=50万円の売りがあるが、銘柄Eの売りは無い状態である。従って、購入時優先順位=1の銘柄Eは、売却してないので、買い戻す数量分は無いことから、購入銘柄としない。そこで、普通預金から100万円を出金し、この100万円で、購入時優先順位=2の銘柄Dを50万円相当分購入し、購入時優先順位=3の銘柄Cを50万円相当分購入すると、普通預金残高は、T5’時点で、購入用閾値=500万円となる。
それから、普通預金残高が、一旦、減少してから、再び増加し、T6時点で、650万円になったとする。このとき、購入用閾値=500万円であるから、差額の150万円で株式を購入することができる。T6時点では、売買履歴の参照開始基準時であるT1時点からの売買履歴として、銘柄A=合計150万円の売り、銘柄B=100万円の売りがあるが、銘柄C,Dは、売買を相殺すると、売りはゼロであり、銘柄Eの売りも無い状態である。従って、購入時優先順位=1の銘柄Eと、購入時優先順位=2の銘柄Dと、購入時優先順位=3の銘柄Cとは、買い戻す数量分が無いことから、購入銘柄としない。そこで、普通預金から150万円を出金し、この150万円で、購入時優先順位=4の銘柄Bを100万円相当分購入し、購入時優先順位=5の銘柄Aを50万円相当分購入すると、普通預金残高は、T6’時点で、購入用閾値=500万円となる。
続いて、普通預金残高が、減少し、T7時点で、250万円になったとする。このとき、T7時点での臨時の売却用閾値=350万円であるから、差額の100万円を補充するために、100万円相当分の株式を売却する必要がある。そこで、売却時優先順位=1の銘柄Aを50万円相当分売却し、売却時優先順位=2の銘柄Bを50万円相当分売却し、これらの100万円を普通預金に入金すると、普通預金残高は、T7’時点で、臨時の売却用閾値=350万円まで回復する。
その後、普通預金残高が、減少し、T8時点で、150万円になったとする。このとき、基本の売却用閾値=200万円であるから、差額の50万円を補充するために、50万円相当分の株式を売却する必要がある。T8時点では、銘柄Aの保有数量はゼロである。そこで、売却時優先順位=2の銘柄Bを50万円相当分売却し、この50万円を普通預金に入金すると、普通預金残高は、T8’時点で、基本の売却用閾値=200万円まで回復する。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、証券会社システム20では、売却条件成否判断処理手段24により、普通預金残高が売却用閾値未満または以下になっているという売却条件の成否を判断し、この売却条件が成立した場合に、売却銘柄・数量決定処理手段25により、売却銘柄および売却数量を決定し、この決定に基づき発注処理手段28により保有株式の売り注文を自動的に発注し、約定処理手段29により約定データを受信したら、入金指示処理手段30により、約定金額を普通預金口座への入金額として銀行の預金管理システム50へ通信回線1を介して自動的に送信するので、普通預金残高が売却用閾値未満または以下の状態になっても、普通預金残高を売却用閾値まで本システムで自動的に回復させることができる。このため、顧客は、手間や時間をかけることなく、普通預金残高を一定額、すなわち売却用閾値以上の状態に維持することができる。
従って、普通預金残高は、一般的には、例えば公共料金やクレジットカード会社等の引き落としにより減少し、例えば給与やボーナス等の振込で増加する等、増減を繰り返して変動することが多いが、このように変動の激しい状況下にあっても、顧客には、例えば病気等に備えて一定額以上の残高を普通預金口座に保持しておきたいという要望があるので、このような顧客の要望を満たすことができる。
また、証券会社システム20には、売買履歴記憶手段43(図5参照)、購入条件成否判断処理手段26、購入銘柄・数量決定処理手段27、および出金指示処理手段31が設けられているので、普通預金残高が購入用閾値を超過しているか、または購入用閾値以上になっているという購入条件を満たしたときに、普通預金残高を維持するための売却処理で手放した保有資産を、買い戻すことができる。このため、元々、顧客は、何らかの意図をもって金融商品(本実施形態では、株式)を保有し、ポートフォリオを構築しているので、そのポートフォリオを元の状態、すなわち顧客の意図していた状態に戻すように、金融商品(本実施形態では、株式)の購入を行うことができる。
そして、購入銘柄・数量決定処理手段27は、顧客により指定された売買履歴の参照開始基準時以降の売買履歴を参照し、売買履歴の参照開始基準時以降に売却した資産の買い戻し処理を行うことができるようになっているので、顧客は、自己のポートフォリオをいつの時点の状態に戻すのかを自由に指定することができる。
さらに、購入銘柄・数量決定処理手段27は、時価データが売却時の約定単価よりも高いときには、その銘柄を購入銘柄としない処理を行うことができるので、保有銘柄を、安い値段で売って、高い値段で買い戻すことになるという事態を回避することができ、普通預金残高を一定額以上に維持するための保有資産の売却処理およびその買い戻し処理を行う過程で、売り値と買い値との差額による損失を生じないようにすることができる。
そして、購入銘柄・数量決定処理手段27は、売却時の単価からの時価データの下落幅または下落率が大きい順に購入銘柄を決定する処理を行うことができるので、保有銘柄を、高い値段で売って、安い値段で買い戻すという、売り値と買い値との差額による利益を大きく享受できる順に購入銘柄を決定することができる。
また、購入銘柄・数量決定処理手段27は、顧客により指定された購入時優先順位に従って購入銘柄を決定する処理を行うことができるので、売却した銘柄を、顧客の意図する順番で買い戻していくことができるため、ポートフォリオを元の状態、すなわち顧客の意図していた状態に早く戻すことができる。
さらに、売却銘柄・数量決定処理手段25は、含み益が大きい順に売却銘柄を決定する処理を行うことができるので、保有銘柄の売却にあたり、より多くの売却益を確保することができる。
そして、売却銘柄・数量決定処理手段25は、含み損を有する銘柄を売却銘柄としない処理を行うことができるので、保有銘柄の売却にあたり、売却損を発生させないようにすることができる。
また、売却銘柄・数量決定処理手段25は、顧客により指定された売却時優先順位に従って売却銘柄を決定する処理を行うことができるので、保有銘柄を、顧客の意図する順番で売却していくことができるため、売却後のポートフォリオを、顧客の意図する状態に近い状態で残していくことができる。
さらに、売却条件成否判断処理手段24は、基本の売却用閾値に加え、臨時の売却用閾値を用いた売却条件成否判断処理を行うこともできるので、より柔軟な普通預金残高の管理を行うことができ、より一層、顧客のニーズに沿った普通預金残高の管理を実現することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、図7に示すように、売却条件成否判断処理(ステップS5)の後に、購入条件成否判断処理(ステップS10)を行うようになっていたが、これらの処理は逆の順番で行ってもよい。
また、前記実施形態では、購入条件成否判断処理手段26、購入銘柄・数量決定処理手段27、および出金指示処理手段31が設けられ、購入用閾値を用いて、売却した株式の買い戻し処理を行うことができるようになっていたが、このような購入処理を行わない構成としてもよい。但し、顧客の保有資産のポートフォリオを元の状態、すなわち顧客の意図していた状態に戻すことができるので、購入条件成否判断処理手段26、購入銘柄・数量決定処理手段27、および出金指示処理手段31を備えた構成とすることが好ましい。
さらに、前記実施形態の発注処理システム10では、証券会社システム20に売却条件成否判断処理手段24および購入条件成否判断処理手段26が設けられ、証券会社システム20において、売却条件の成否判断処理および購入条件の成否判断処理が行われるようになっていたが、図10に示す発注処理システム200のように、銀行の預金管理システム250で売却条件の成否判断処理および購入条件の成否判断処理を行い、銀行の預金管理システム250から、通信回線1を介して売却条件成立通知や購入条件成立通知を受信するようにしてもよい。
図10において、発注処理システム200は、証券会社システム220を備え、この証券会社システム220には、通信回線1を介して銀行の預金口座(ここでは、一例として、前記実施形態の場合と同様に普通預金の口座とする。)を管理する預金管理システム250が接続され、通信回線2を介して取引市場システム60が接続され、通信回線3を介して時価データ提供システム70が接続され、通信回線4を介して顧客またはその入力代行者が操作する端末装置80が接続されている。
証券会社システム220は、売却条件の成否判断処理や購入条件の成否判断処理を自ら行うのではなく、銀行の預金管理システム250から売却条件成立通知や購入条件成立通知を受信する点、および前記実施形態の条件設定画面100(図8参照)と同様な画面で入力された売買条件のデータを全部記憶するのではなく、一部を銀行の預金管理システム250へ送信して預金管理システム250に記憶させるようにする点を除き、前記実施形態の証券会社システム20と略同様な構成を備えている。
すなわち、前記実施形態の証券会社システム20は、売却条件成否判断処理手段24および購入条件成否判断処理手段26を備えていたが、図10の証券会社システム220には、これらの手段に相当するものはなく、その代わりに、証券会社システム220は、売却条件成立通知受信処理手段224および購入条件成立通知受信処理手段226を備えている。従って、証券会社システム220では、売却条件の成否判断処理や購入条件の成否判断処理は行わないが、その代わりに、売却条件成立通知受信処理手段224および購入条件成立通知受信処理手段226により、銀行の預金管理システム250から売却条件成立通知(売却条件成立時の普通預金残高を含む。)および購入条件成立通知(購入条件成立時の普通預金残高を含む。)を受信することにより、売却条件および購入条件の成立を捉えるようになっている。そして、売却条件成立通知受信処理手段224により売却条件成立通知を受信したら、売却銘柄・数量決定処理手段225による処理を行い、購入条件成立通知受信処理手段226により購入条件成立通知を受信したら、購入銘柄・数量決定処理手段227による処理を行う。
また、前記実施形態の証券会社システム20は、預金残高取得処理手段22および普通預金ミラー残記憶手段40(図2参照)を備えていたが、図10の証券会社システム220には、これらの手段に相当するものはない。図10の発注処理システム200では、売却条件の成否判断処理や購入条件の成否判断処理は、銀行の預金管理システム250で行われるからであり、また、銀行の預金管理システム250から通信回線1を介して送信されてくる売却条件成立通知には、売却条件成立時の普通預金残高が含まれ、購入条件成立通知には、購入条件成立時の普通預金残高が含まれるからである。
さらに、前記実施形態の証券会社システム20に設けられていた売買条件設定処理手段21は、条件設定画面100(図8参照)で入力された売買条件のデータの全部を、売買条件記憶手段41(図3参照)に記憶させる構成とされていたが、図10の売買条件設定処理手段221は、条件設定画面100(図8参照)で入力された売買条件のデータのうち、売却条件の成否判断処理に用いられる売却用閾値設定部110で入力された売買条件のデータ、および購入条件の成否判断処理に用いられる購入用閾値設定部130で入力された売買条件のデータについては、通信回線1を介して銀行の預金管理システム250へ送信し、銀行の預金管理システム250に記憶させるので、これらのデータは図10の売買条件記憶手段241には記憶させず、残りの売買条件のデータを図10の売買条件記憶手段241に記憶させる構成とされている。
なお、図10の証券会社システム220に設けられている時価データ取得処理手段223と、売却銘柄・数量決定処理手段225と、購入銘柄・数量決定処理手段227と、発注処理手段228と、約定処理手段229と、入金指示処理手段230と、出金指示処理手段231と、保有残高更新処理手段232と、保有残高記憶手段242と、売買履歴記憶手段243と、時価データ記憶手段244とは、前記実施形態の証券会社システム20に設けられた同一名称の各手段23,25,27,28,29,30,31,32,42,43,44と同様な構成を備えている。
そして、前記実施形態の銀行の預金管理システム50は、売却条件の成否判断処理や購入条件の成否判断処理を行わないので、売却用閾値や購入用閾値を記憶しておく必要はなかったが、図10の銀行の預金管理システム250は、売却条件の成否判断処理や購入条件の成否判断処理を行うので、売却用閾値設定部110(図8参照)で入力された売買条件のデータ(基本の売却用閾値、指定時とその指定時での臨時の売却用閾値)、および購入用閾値設定部130(図8参照)で入力された売買条件のデータ(購入用閾値)を、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)または証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶する売買条件記憶手段253を備えている。従って、前記実施形態の売買条件記憶手段41(図3参照)の記憶内容が、図10の証券会社システム220の売買条件記憶手段241と、図10の銀行の預金管理システム250の売買条件記憶手段253とに分けて記憶されている状態となっている。
また、図10の預金残高管理処理手段251は、前記実施形態の預金残高管理処理手段51で行われる処理に加え、図10の売買条件設定処理手段221により証券会社システム220から通信回線1を介して送信されてくる売買条件のデータ(基本の売却用閾値、指定時とその指定時での臨時の売却用閾値、および購入用閾値)を受信し、受信した売買条件のデータを、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)または証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて図10の売買条件記憶手段253に記憶させる処理を実行する。また、図10の預金残高管理処理手段251は、図10の普通預金残高記憶手段252に記憶されている普通預金残高と、図10の売買条件記憶手段253に記憶された売買条件のデータ(基本の売却用閾値、指定時とその指定時での臨時の売却用閾値、および購入用閾値)とを用いて、売却条件の成否判断処理および購入条件の成否判断処理を実行するとともに、売却条件や購入条件が成立したと判断した場合に、売却条件成立通知や購入条件成立通知を、通信回線1を介して証券会社システム220へ送信する。
なお、図10の銀行の預金管理システム250に設けられている普通預金残高記憶手段252は、前記実施形態の普通預金残高記憶手段52と同様な構成を備えている。