ところで、前述したように、顧客が証券会社に委託して有価証券の買付を行う際に、買付代金を所定の期日までに、銀行に開設されている証券会社の口座に振り込むか、あるいは証券会社に開設している自己の口座に用意しておくという作業を行うことは、顧客にとっては手間がかかる。すなわち、有価証券の売買注文の手続を証券会社に対して行うとともに、銀行に開設している自己の口座から、証券会社の口座あるいは証券会社に開設している自己の口座へ、買付のための資金を移動させる手続を行わなければならない。つまり、証券取引とそれに伴う資金取引とを、別個の手続として行わなければならないという手間が生じる。
従って、上記のような証券取引とそれに伴う資金取引とを、まとめて行うことができれば、顧客の手続の手間を減らすことができ、便利である。また、前述したように、証券仲介業が銀行本体にも解禁されることから、銀行等の証券仲介業者を含めたオンラインシステムを構築することができれば、顧客の手続の手間を一層減らすことができることになる。
本発明の目的は、顧客が有価証券の売買取引およびこれに伴う資金取引をオンラインで、かつ、手間をかけずに行うことができる有価証券売買取引システムおよびその方法、並びにプログラムを提供するところにある。
本発明は、顧客端末装置と証券会社サーバとの間に仲介業者サーバを設置し、証券会社サーバおよび仲介業者サーバにより有価証券の売買取引およびこれに伴う資金決済の処理を行って前記目的を達成しようとするものである。
具体的には、本発明の有価証券売買取引システムは、証券会社により運用・管理されて顧客の注文に基づき有価証券の売買に関する処理を行う証券会社サーバと、顧客と証券会社とを仲介する仲介業者により運用・管理されて仲介に関する処理を行うために顧客が操作する顧客端末装置および証券会社サーバとそれぞれネットワークで接続された仲介業者サーバとを備え、仲介業者サーバは、顧客が有価証券の売買注文を含む売買に関する指示を行うための売買指示入力画面の表示用情報をネットワークを介して顧客端末装置に送信する入力画面送信手段と、この入力画面送信手段により送信した売買指示入力画面を用いて顧客により入力された売買指示情報を顧客端末装置からネットワークを介して受信する売買指示情報受信手段と、この売買指示情報受信手段により受信した売買指示情報に基づき証券会社サーバによる有価証券の売買に関する処理に必要な売買取次情報を作成してこの売買取次情報をネットワークを介して証券会社サーバに送信する売買取次情報送信手段と、証券会社サーバからネットワークを介して送信されてくる売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金若しくは送金処理または顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行う顧客口座入出金処理手段とを含んで構成され、証券会社サーバは、売買取次情報送信手段により仲介業者サーバからネットワークを介して送信されてくる売買取次情報に基づき有価証券の売買処理を実行する売買処理手段と、この売買処理手段により売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースへの売付代金の入金若しくは送金処理または仲介業者口座データベースからの買付代金の出金処理を含む決済処理を行う仲介業者口座入出金処理手段と、確定した売付代金若しくは買付代金を含む売買結果情報をネットワークを介して仲介業者サーバに送信する売買結果情報送信手段とを含んで構成され、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段は、売り注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに顧客口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部のネットワークを介した送金処理を含む決済処理のうちの少なくとも一方の決済処理を行い、買い注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行う構成とされ、証券会社サーバの仲介業者口座入出金処理手段は、売り注文の場合には、売買取次情報に含まれる仲介業者口座識別情報または仲介業者により予め指定されて証券会社サーバに接続された仲介業者指定口座記憶手段に記憶されている仲介業者口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースを検索し、該当する仲介業者の口座のデータを更新することによる仲介業者口座データベースへの売付代金の入金処理を含む決済処理、仲介業者サーバに仲介業者口座識別情報を送信することによる仲介業者に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースへの売付代金のネットワークを介した送金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに仲介業者口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースへの売付代金のネットワークを介した送金処理を含む決済処理のうちの少なくとも一つの決済処理を行い、買い注文の場合には、売買取次情報に含まれる仲介業者口座識別情報または仲介業者により予め指定されて証券会社サーバに接続された仲介業者指定口座記憶手段に記憶されている仲介業者口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースを検索し、該当する仲介業者の口座のデータを更新することによる仲介業者口座データベースからの買付代金の出金処理を含む決済処理を行う構成とされていることを特徴とするものである。
ここで、「仲介業者」は、主として銀行であるが、顧客の注文に基づく売買処理を行う証券会社以外の証券会社(例えば、売買処理を行う証券会社と提携関係にある証券会社等)でもよく、あるいは金融機関に限らず、企業や団体や公的機関等でもよく、要するに、顧客が口座を開設することができる業者、すなわち顧客が預けた資金を管理することができる業者であればよい。以下の発明においても同様である。また、「仲介業者以外の業者」の場合も同様である。
そして、「ネットワーク」には、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点(距離の長短は問わない。)間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。以下の発明においても同様である。
また、「売買注文を含む売買に関する指示」には、例えば、売買の別、売却または購入する有価証券の銘柄、売買数量等の指示、すなわち売買注文の指示が含まれる他、例えば、売付代金を振り込む入金用または送金先の口座(顧客が仲介業者や証券会社に開設している口座、あるいは仲介業者以外の業者に開設している口座)、買付代金を引き落とす出金用の口座(顧客が仲介業者や証券会社に開設している口座)の指定、あるいは指定した各口座についての入出金額の指定や優先順位の設定等が含まれていてもよい。また、「売買指示情報」は、この「売買注文を含む売買に関する指示」の情報である。なお、仲介業者を通じて売買を行うときの入金用または送金先の口座や出金用の口座が契約等で予め指定されており、顧客のアクセスの都度に口座を指定しない構成とする場合には、「売買注文を含む売買に関する指示」には、入金用または送金先の口座や出金用の口座の指定は含まれない。以下の発明においても同様である。
さらに、「入金処理を含む決済処理」、「送金処理を含む決済処理」、および「出金処理を含む決済処理」とは、売付代金や買付代金の入出金処理が含まれる他、例えば、顧客が証券会社(証券会社および仲介業者と考えてもよい。)に支払う委託手数料、税金(消費税、証券売却益についての源泉徴収等)、証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料等の処理が含まれていてもよい趣旨である。以下の発明においても同様である。
そして、「顧客口座入出金処理手段」についての「売付代金の少なくとも一部」および「買付代金の少なくとも一部」とは、必ずしも売付代金や買付代金の全額についての決済処理しか行うことができない構成である必要はなく、売付代金や買付代金の一部についての決済処理も行うことができる構成としてもよい趣旨であり、顧客が証券会社に開設された自己の口座を使用して決済処理を行う場合があることを考慮したものである。但し、例えば、顧客による各注文時の決済処理用の口座の選択次第で、結果的に、証券会社に開設された口座のみが決済処理に使用され、仲介業者に開設された口座が全く使用されない取引がたまたま生じることがあったとしても、その事をもって上記の「少なくとも一部」という条件を満たさないということにはならず、要するに、全取引について常に「少なくとも一部」という条件を満たした処理が行われる必要はなく、売り注文の場合には、仲介業者または仲介業者以外の業者に開設された顧客の口座への入金または送金処理を含む決済処理を行うことができる構成となっていればよく、買い注文の場合には、仲介業者に開設された顧客の口座からの出金処理を含む決済処理を行うことができる構成となっていればよい趣旨である。以下の発明においても同様である。
また、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段および証券会社サーバの仲介業者口座入出金処理手段による決済処理での「確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき」とは、決済処理の基準となる金額情報の中に、確定した売付代金若しくは買付代金の他に、顧客が証券会社(証券会社および仲介業者と考えてもよい。)に支払う委託手数料、税金(消費税、証券売却益についての源泉徴収等)、証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料等に関する確定金額情報が含まれていてもよく、さらには、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段による決済処理については、複数の口座で分割して決済処理を行う場合には、各口座毎の確定した入出金額情報が含まれていてもよい趣旨である。以下の発明においても同様である。
そして、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段による決済処理での「売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき」における「これらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報」は、証券会社サーバで算出されて証券会社サーバから売買結果情報に含めて仲介業者サーバに送信されてきたものでもよく、あるいは証券会社サーバから送信されてくる売付代金若しくは買付代金に基づき、仲介業者サーバで算出したものでもよく、さらには、証券会社サーバから送信されてくる売付代金若しくは買付代金に基づき、仲介業者サーバで算出したものを証券会社サーバに一旦送信し、証券会社サーバから売買結果情報に含めて仲介業者サーバに送信されてきたものでもよい。従って、「その他の確定金額情報」は、必ずしも証券会社サーバから送信されてくる売買結果情報に含まれている必要はない。以下の発明においても同様である。
また、「売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金」および「確定した売付代金若しくは買付代金を含む売買結果情報」とは、売買結果情報の中に、売付代金若しくは買付代金の金額(総額)そのものが直接的に含まれている場合のみならず、売付代金若しくは買付代金の金額(総額)そのものは含まれていないが、売買数量および売買単価が含まれているので、これらを乗ずれば売付代金若しくは買付代金を算出できる場合、すなわち売付代金若しくは買付代金の金額(総額)が間接的に含まれている場合も含む趣旨である。以下の発明においても同様である。
さらに、「売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報」とは、顧客による売買指示情報に含まれる顧客口座識別情報(売買指示入力画面で顧客により指定された口座についての顧客口座識別情報)を仲介業者サーバで記憶しておき、証券会社サーバによる売買処理後に、仲介業者サーバに記憶しておいた顧客口座識別情報を用いてもよく、あるいは顧客による売買指示情報に含まれる顧客口座識別情報を仲介業者サーバで記憶せずに、証券会社サーバに一旦送信し、証券会社サーバによる売買処理後に、売買結果情報として証券会社サーバから送信されて戻ってきた顧客口座識別情報を用いてもよい趣旨である。以下の発明においても同様である。
また、「顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報」は、顧客がアクセス時に売買指示入力画面で決済処理用の口座を指定するのではなく、例えば契約等で予め定められている口座を決済処理用の口座として用いる場合等における固定的な口座についての顧客口座識別情報である。以下の発明においても同様である。
そして、「売買取次情報に含まれる仲介業者口座識別情報」とは、例えば、仲介業者が同一の証券会社に複数の口座を開設している場合に、それらの中から仲介業者が指定する決済処理用の口座を識別するための仲介業者口座識別情報、あるいは一つの証券会社が複数の仲介業者と契約している場合に、決済処理を行うべき仲介業者の口座を識別するための仲介業者口座識別情報、あるいは証券会社に開設された仲介業者の口座と顧客の口座とが同じデータベースで同列に管理されている場合に、決済処理を行うべき仲介業者の口座を識別するための仲介業者口座識別情報等である。以下の発明においても同様である。
また、「仲介業者により予め指定されて証券会社サーバに接続された仲介業者指定口座記憶手段に記憶されている仲介業者口座識別情報」とは、仲介業者と証券会社との間の契約等で予め定められている仲介業者の口座を決済処理用の口座として用いる場合等における固定的な口座についての仲介業者口座識別情報である。一つの証券会社が複数の仲介業者と契約している場合に、売買取次情報として仲介業者サーバから送信されてくる仲介業者識別情報に基づき、仲介業者指定口座記憶手段から、該当する仲介業者について予め定められている仲介業者口座識別情報を取得する場合における仲介業者口座識別情報も含まれる。以下の発明においても同様である。
このような本発明の有価証券売買取引システムにおいては、顧客が、顧客端末装置で売買指示入力画面を用いて売買注文を行うと、仲介業者サーバの取り次ぎを経て、証券会社サーバの売買処理手段により、有価証券の売買処理が実行されるとともに、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段および証券会社サーバの仲介業者口座入出金処理手段により資金決済処理が行われる。このため、顧客は、証券会社に対する売買注文の手続と、売買取引に伴う資金移動の手続とを別々に行う必要がなくなるので、これらの手続を別々に行う場合に比べ、顧客の手間が軽減され、従来のシステムに比べて利便性に優れ、使い勝手のよいオンライン取引システムが実現され、これらにより前記目的が達成される。
また、上記の有価証券売買取引システムは、証券会社と仲介業者との間の決済が、証券会社サーバによる処理で行われる構成とされていたが、次のように仲介業者サーバによる処理で行われる構成としてもよい。
すなわち、本発明の有価証券売買取引システムは、証券会社により運用・管理されて顧客の注文に基づき有価証券の売買に関する処理を行う証券会社サーバと、顧客と証券会社とを仲介する仲介業者により運用・管理されて仲介に関する処理を行うために顧客が操作する顧客端末装置および証券会社サーバとそれぞれネットワークで接続された仲介業者サーバとを備え、仲介業者サーバは、顧客が有価証券の売買注文を含む売買に関する指示を行うための売買指示入力画面の表示用情報をネットワークを介して顧客端末装置に送信する入力画面送信手段と、この入力画面送信手段により送信した売買指示入力画面を用いて顧客により入力された売買指示情報を顧客端末装置からネットワークを介して受信する売買指示情報受信手段と、この売買指示情報受信手段により受信した売買指示情報に基づき証券会社サーバによる有価証券の売買に関する処理に必要な売買取次情報を作成してこの売買取次情報をネットワークを介して証券会社サーバに送信する売買取次情報送信手段と、証券会社サーバからネットワークを介して送信されてくる売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金若しくは送金処理または顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行う顧客口座入出金処理手段と、証券会社サーバからネットワークを介して送信されてくる売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースからの売付代金の出金処理または証券会社口座データベースへの買付代金の入金若しくは送金処理を含む決済処理を行う証券会社口座入出金処理手段とを含んで構成され、証券会社サーバは、売買取次情報送信手段により仲介業者サーバからネットワークを介して送信されてくる売買取次情報に基づき有価証券の売買処理を実行する売買処理手段と、この売買処理手段により売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金を含む売買結果情報をネットワークを介して仲介業者サーバに送信する売買結果情報送信手段とを含んで構成され、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段は、売り注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに顧客口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部のネットワークを介した送金処理を含む決済処理のうちの少なくとも一方の決済処理を行い、買い注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行う構成とされ、仲介業者サーバの証券会社口座入出金処理手段は、売り注文の場合には、売買結果情報に含まれる証券会社口座識別情報または証券会社により予め指定されて仲介業者サーバに接続された証券会社指定口座記憶手段に記憶されている証券会社口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースを検索し、該当する証券会社の口座のデータを更新することによる証券会社口座データベースからの売付代金の出金処理を含む決済処理を行い、買い注文の場合には、売買結果情報に含まれる証券会社口座識別情報または証券会社により予め指定されて仲介業者サーバに接続された証券会社指定口座記憶手段に記憶されている証券会社口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースを検索し、該当する証券会社の口座のデータを更新することによる証券会社口座データベースへの買付代金の入金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに証券会社口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースへの買付代金のネットワークを介した送金処理を含む決済処理を行う構成とされていることを特徴とするものである。
ここで、「売買結果情報に含まれる証券会社口座識別情報」とは、例えば、証券会社が同じ仲介業者に複数の口座を開設している場合に、それらの中から証券会社が指定した決済処理用の口座を識別するための証券会社口座識別情報、あるいは一つの仲介業者が複数の証券会社と契約している場合に、決済処理を行うべき証券会社の口座を識別するための証券会社口座識別情報、あるいは仲介業者に開設された証券会社の口座と顧客の口座とが同じデータベースで同列に管理されている場合に、決済処理を行うべき証券会社の口座を識別するための証券会社口座識別情報等である。以下の発明においても同様である。
また、「証券会社により予め指定されて仲介業者サーバに接続された証券会社指定口座記憶手段に記憶されている証券会社口座識別情報」とは、仲介業者と証券会社との間の契約等で予め定められている証券会社の口座を決済処理用の口座として用いる場合等における固定的な口座についての証券会社口座識別情報である。一つの仲介業者が複数の証券会社と契約している場合に、売買結果情報として証券会社サーバから送信されてくる証券会社識別情報に基づき、証券会社指定口座記憶手段から、該当する証券会社について予め定められている証券会社口座識別情報を取得する場合における証券会社口座識別情報も含まれる。以下の発明においても同様である。
さらに、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段および仲介業者サーバの証券会社口座入出金処理手段による決済処理での「確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき」とは、決済処理の基準となる金額情報の中に、確定した売付代金若しくは買付代金の他に、顧客が証券会社(証券会社および仲介業者と考えてもよい。)に支払う委託手数料、税金(消費税、証券売却益についての源泉徴収等)、証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料等に関する確定金額情報が含まれていてもよく、さらには、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段による決済処理については、複数の口座で分割して決済処理を行う場合には、各口座毎の確定した入出金額情報が含まれていてもよい趣旨である。以下の発明においても同様である。
そして、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段および仲介業者サーバの証券会社口座入出金処理手段による決済処理での「売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき」における「これらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情」は、証券会社サーバで算出されて証券会社サーバから売買結果情報に含めて仲介業者サーバに送信されてきたものでもよく、あるいは証券会社サーバから送信されてくる売付代金若しくは買付代金に基づき、仲介業者サーバで算出したものでもよく、さらには、証券会社サーバから送信されてくる売付代金若しくは買付代金に基づき、仲介業者サーバで算出したものを証券会社サーバに一旦送信し、証券会社サーバから売買結果情報に含めて仲介業者サーバに送信されてきたものでもよい。従って、「その他の確定金額情」は、必ずしも証券会社サーバから送信されてくる売買結果情報に含まれている必要はない。以下の発明においても同様である。
このような本発明の有価証券売買取引システムにおいては、顧客が、顧客端末装置で売買指示入力画面を用いて売買注文を行うと、仲介業者サーバの取り次ぎを経て、証券会社サーバの売買処理手段により、有価証券の売買処理が実行されるとともに、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段および仲介業者サーバの証券会社口座入出金処理手段により資金決済処理が行われる。このため、顧客は、証券会社に対する売買注文の手続と、売買取引に伴う資金移動の手続を別々に行う必要がなくなるので、これらの手続を別々に行う場合に比べ、顧客の手間が軽減され、従来のシステムに比べて利便性に優れ、使い勝手のよいオンライン取引システムが実現され、これらにより前記目的が達成される。
さらに、前述した有価証券売買取引システム(証券会社と仲介業者との間の決済を、証券会社サーバによる処理で行う構成、仲介業者サーバによる処理で行う構成のいずれでもよい。)において、証券会社サーバは、売買処理手段により売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段による決済処理を補完する顧客口座入出金補完処理手段を備え、この顧客口座入出金補完処理手段は、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段により決済処理が行われない分について、売り注文の場合には、売買取次情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて証券会社サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースへの売付代金の入金処理を含む決済処理を行い、買い注文の場合には、売買取次情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて証券会社サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースからの買付代金の出金処理を含む決済処理を行う構成とされていることが望ましい。
ここで、「売買取次情報に含まれる顧客口座識別情報」は、売買指示入力画面で顧客により指定されて売買指示情報として顧客端末装置から送信されてきた顧客口座識別情報を仲介業者サーバで受信し、これを売買取次情報として仲介業者サーバから証券会社サーバに送信する場合における顧客口座識別情報でもよく、契約等で顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報(従って、顧客がアクセス時に売買指示入力画面で指定した口座についての顧客口座識別情報ではない。)を、仲介業者サーバから証券会社サーバに送信する場合における顧客口座識別情報でもよい。
また、「顧客により予め指定されて証券会社サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報」は、顧客がアクセス時に売買指示入力画面で決済処理用の口座を指定するのではなく、例えば契約等で予め定められている口座を決済処理用の口座として用いる場合等における固定的な口座についての顧客口座識別情報である。
さらに、「仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段により決済処理が行われない分」には、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段により顧客の口座に対する一部の決済処理が行われ、証券会社サーバの顧客口座入出金補完処理手段により顧客の口座に対する残りの一部の決済処理が行われる取引における全決済金額のうちの残りの一部の分を意味する場合と、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段による顧客の口座に対する決済処理は行われず、証券会社サーバの顧客口座入出金補完処理手段により顧客の口座に対する全ての決済処理が行われる取引における全決済金額の分を意味する場合とが含まれる。
そして、証券会社サーバの顧客口座入出金補完処理手段による決済処理での「確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき」とは、決済処理の基準となる金額情報の中に、確定した売付代金若しくは買付代金の他に、顧客が証券会社(証券会社および仲介業者と考えてもよい。)に支払う委託手数料、税金(消費税、証券売却益についての源泉徴収等)等に関する確定金額情報が含まれていてもよく、さらには、複数の口座で分割して決済処理を行う場合には、各口座毎の確定した入出金額情報が含まれていてもよい趣旨である。以下の発明においても同様である。
このように顧客口座入出金補完処理手段を備えた構成とした場合には、顧客が有価証券の売買取引の決済用の口座として使用することができる口座を、仲介業者に開設しているのみならず、証券会社にも開設していれば、仲介業者に開設されている顧客の口座と合わせて証券会社に開設されている顧客の口座をも使用して決済処理を行うことが可能となる。
そして、以上に述べた有価証券売買取引システムにおいて、仲介業者サーバは、顧客の少なくとも一つの口座の残高データを顧客口座データベースから取得する口座残高データ取得手段と、売買指示情報受信手段により受信した売買指示情報および口座残高データ取得手段により取得した顧客の口座の残高データに基づき、顧客の口座の残高が顧客による買い注文に応じることができる許容額以上か否かを判断する残高チェック処理手段とを備え、仲介業者サーバには、仲介業者または証券会社に開設された顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報を各顧客毎に記憶する顧客口座識別情報記憶手段が接続され、口座残高データ取得手段は、顧客口座識別情報記憶手段から該当する顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報を取得し、この顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索することにより顧客口座データベースから該当する顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを取得する処理、または証券会社に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座のデータ管理用の顧客口座データベースから証券会社サーバおよびネットワークを介して顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを取得する処理のうちの少なくとも一つの処理を行う構成とされ、証券会社サーバおよびネットワークを介して顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを取得する処理は、顧客口座識別情報記憶手段から該当する顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報を取得し、この顧客口座識別情報を証券会社サーバに送信することにより、証券会社に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座のデータ管理用の顧客口座データベースに対する証券会社サーバによる顧客口座識別情報をキーとした検索処理を経て抽出された該当する顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを、証券会社サーバからネットワークを介して受信する処理と、顧客口座識別情報記憶手段から該当する顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報を取得し、この顧客口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを複写して形成されて仲介業者サーバに接続された複写顧客口座データベースを検索することにより複写顧客口座データベースから該当する顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを取得する処理とのうちのいずれか一方の処理であることが望ましい。
ここで、「許容額」は、買付代金を含む決済金額(買付代金に委託手数料や税金等を加算した金額)と同じ金額である必要はなく、例えば、仲介業者が任意に定めることができる。具体的には、例えば、多少余裕を持って、買付代金に委託手数料や税金等を加算した金額の例えば1.5倍の金額を許容額としてもよく、公共料金の引き落とし口座である場合には、その引落金額を考慮した許容額としてもよく、顧客から別途担保をとれる場合には、その事実を考慮した許容額としてもよく、その顧客の行った過去の取引情報等から得られるその顧客の信用度や優良度を加味した許容額としてもよく、買い注文を行った日から4営業日目(3日後)までに必要な金額が用意されていればよいという前提で、買付代金に委託手数料や税金等を加算した金額に対する一定割合の額(例えば半分の額)を許容額としてもよく、さらには、後述するように値幅制限を考慮して算出した買付代金の変動額の最大値に委託手数料や税金等を加算した金額を基準として定めた許容額としてもよく、あるいは以上のような考慮すべき要素を複数組み合わせて定めた許容額としてもよい。また、信用取引の場合には、委託保証金として、顧客の口座の残高が許容額以上か否かを判断するので、許容額は、委託保証金ベースで定めることができる。
また、「複写顧客口座データベース」は、仲介業者サーバが証券会社サーバにアクセスして複写のためのネットワークを介したデータ通信を行うことにより形成されたものでもよく、あるいは証券会社サーバが自発的にネットワークを介して送信してきたデータを仲介業者サーバで受信することにより形成されたものでもよい。従って、「証券会社サーバおよびネットワークを介して顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを取得する処理」には、例えば、仲介業者サーバが顧客からの注文の都度に証券会社サーバにアクセスして証券会社サーバからその顧客(アクセス中の顧客)の口座の残高データを取得する処理、仲介業者サーバが定期的に証券会社サーバにアクセスして証券会社サーバから複数の顧客(例えば、サービス提供対象となる顧客全員分)の口座の残高データを一括取得してデータベース(仲介業者サーバに接続された複写顧客口座データベース)に保存しておき、この複写顧客口座データベースからアクセス中の顧客の口座の残高データを取得する処理、証券会社サーバが定期的に一括送信してくる複数の顧客(例えば、サービス提供対象となる顧客全員分)の口座の残高データを受信してデータベース(仲介業者サーバに接続された複写顧客口座データベース)に保存しておき、この複写顧客口座データベースからアクセス中の顧客の口座の残高データを取得する処理等が含まれる。
このように口座残高データ取得手段および残高チェック処理手段を備えた構成とした場合には、仲介業者は、証券取引の仲介を行うにあたり、顧客がその顧客の行った買い注文に応じた資金を有しているか否かを判断することができるので、仲介業者あるいは証券会社の取引上のリスク軽減を図ることが可能となる。
また、上記のように口座残高データ取得手段および残高チェック処理手段を備えた構成とした場合において、仲介業者サーバの口座残高データ取得手段は、顧客が買付代金の出金処理を含む決済処理用の口座となり得る複数の口座を開設している場合には、これらの複数の口座の残高データをこれらの各口座のデータ管理用の顧客口座データベースから取得する構成とされ、仲介業者サーバの残高チェック処理手段は、顧客により買付代金の出金処理を含む決済処理用の口座として複数の口座が選択された場合には、選択された複数の口座の残高の合計額が顧客による買い注文に応じることができる許容額以上か否かを判断する構成とされていることが望ましい。
このように顧客の複数の口座の残高を合計して残高チェックを行う構成とした場合には、仲介業者にとっては、顧客の実質的な資金余裕度をチェックすることが可能となり、一方、顧客にとっては、仲介業者側で複数の口座に分散した顧客の資金のチェックが可能となることから、売買取引の決済用の口座として複数の口座を選択することができるようになるので、例えば、一つの口座に保有する資金のみでは必要資金が不足するが複数の口座に保有する資金を合計すれば必要資金が揃うとき、あるいは複数の口座の資金を分散して使用したいとき等に対応できて便利であり、また、売買取引を行うにあたり、一つの口座に資金を集めるといった作業を行う手間も省くことが可能となる。
さらに、上記のように口座残高データ取得手段および残高チェック処理手段を備えた構成とした場合において、仲介業者サーバには、成行注文が行われた場合の値幅制限の基準値となる前日の株価の終値または気配値を記憶する基準値記憶手段が接続され、仲介業者サーバの残高チェック処理手段は、基準値記憶手段に記憶された基準値を用いて買付代金の変動額の最大値を算出し、算出した最大値に基づき、顧客の口座の残高が顧客による買い注文に応じることができる許容額以上か否かを判断する構成とされていることが望ましい。
ここで、「基準値記憶手段」に記憶する「基準値」は、証券会社サーバから取得してもよく、その他の証券価格情報提供システムから取得してもよい。
このように基準値記憶手段に記憶された基準値を用いて買付代金の変動額の最大値を算出する構成とした場合には、顧客の口座の残高チェックを行う際に、安全サイドのチェックを行うことができるので、仲介業者あるいは証券会社の取引上のリスクを、より一層軽減することが可能となる。
そして、上記のように口座残高データ取得手段および残高チェック処理手段を備えた構成とした場合において、仲介業者サーバは、残高チェック処理手段による処理で顧客の口座の残高が許容額以上であると判断された場合に、顧客の口座の残高のうち少なくとも許容額に相当する分について顧客の自由使用を禁止するか、または証券会社サーバの売買結果情報送信手段によりネットワークを介して送信されてきた売買結果情報に基づき修正した修正許容額に相当する分について顧客の自由使用を禁止するホールド処理を行う口座ホールド処理手段を備えていることが望ましい。
ここで、「修正許容額」は、前述した許容額の場合と同様に、確定した買付代金に確定した委託手数料や税金等を加算した確定金額と同じ金額である必要はなく、例えば、仲介業者が任意に定めることができる。具体的には、例えば、買い注文を行った日から4営業日目(3日後)までに必要な金額が用意されていればよいという前提で、確定した買付代金に確定した委託手数料や税金等を加算した確定金額に対する一定割合の額(例えば半分の額)を修正許容額としてもよい。
このように口座ホールド処理手段を備えた構成とした場合には、既に顧客の口座にある必要資金またはその一部について目的外の使用(資金流出)を防ぐことが可能となるので、仲介業者あるいは証券会社の取引上のリスクを、より一層軽減することが可能となる。
また、以上に述べた有価証券売買取引システムにおいて、仲介業者サーバは、顧客の複数の口座の残高データをこれらの各口座のデータ管理用の顧客口座データベースから取得する口座残高データ取得手段を備え、仲介業者サーバの入力画面送信手段により送信される売買指示入力画面には、顧客が買い注文を行う場合に、買付代金の出金処理を含む決済処理用の口座として顧客の複数の口座のうちから少なくとも一つの口座を選択し、かつ、選択した口座から引き落とす金額を各口座毎に個別に入力指定するための引落金額入力指定部と、口座残高データ取得手段により取得した各口座の残高データに基づき顧客の複数の口座の残高を各口座毎に個別に表示する口座残高表示部とが設けられ、口座残高データ取得手段は、顧客口座識別情報記憶手段から該当する顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報を取得し、この顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索することにより顧客口座データベースから該当する顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを取得する処理、または証券会社に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座のデータ管理用の顧客口座データベースから証券会社サーバおよびネットワークを介して顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを取得する処理のうちの少なくとも一つの処理を行うことにより、顧客の複数の口座の残高データを取得する構成とされ、証券会社サーバおよびネットワークを介して顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを取得する処理は、顧客口座識別情報記憶手段から該当する顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報を取得し、この顧客口座識別情報を証券会社サーバに送信することにより、証券会社に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座のデータ管理用の顧客口座データベースに対する証券会社サーバによる検索処理を経て抽出された該当する顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを、証券会社サーバからネットワークを介して受信する処理と、顧客口座識別情報記憶手段から該当する顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報を取得し、この顧客口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを複写して形成されて仲介業者サーバに接続された複写顧客口座データベースを検索することにより複写顧客口座データベースから該当する顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを取得する処理とのうちのいずれか一方の処理であり、売買指示入力画面に設けられた引落金額入力指定部での選択対象となる複数の口座および口座残高表示部での表示対象となる複数の口座は、仲介業者に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座、または証券会社に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座のうちの複数の口座であることが望ましい。
ここで、「証券会社に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座」とは、ある一人の顧客について、ある一つの証券会社(つまり、同じ証券会社)に開設された一つ若しくは複数の口座という意味である。但し、ここでは、ある任意の一つの証券会社について同じ顧客の口座が一つあっても複数あってもよいことが示されているだけであるため、下記の如く、対象となる証券会社の数は、一社に限らず、複数社でもよい。
つまり、「口座残高表示部」には、複数の証券会社についての口座の残高を表示してもよく、また、「引落金額入力指定部」では、複数の証券会社についての口座が選択対象口座とされていてもよい。但し、ある証券会社を選択して買い注文を行う場合、あるいは、ある証券会社を選択して買い注文を行う分の買付代金の引落口座として選択できる口座は、仲介業者に開設された口座を除けば、その証券会社に開設された一つまたは複数の口座のみとなる構成とすることが好ましい。従って、証券会社Xを選択して買い注文を行う場合には、証券会社Xに開設された一つまたは複数の口座は選択できるが、証券会社Yに開設された口座は選択できず、また、証券会社Xを選択して買い注文を行う分と、証券会社Yを選択して買い注文を行う分とが両方ある場合には、前者の分については、証券会社Xに開設された一つまたは複数の口座は選択できるが、証券会社Yに開設された口座は選択できず、後者の分については、証券会社Yに開設された一つまたは複数の口座は選択できるが、証券会社Xに開設された口座は選択できない構成とすることが好ましい。
さらに、「複写顧客口座データベース」は、仲介業者サーバが証券会社サーバにアクセスして複写のためのネットワークを介したデータ通信を行うことにより形成されたものでもよく、あるいは証券会社サーバが自発的にネットワークを介して送信してきたデータを仲介業者サーバで受信することにより形成されたものでもよい。従って、「証券会社サーバおよびネットワークを介して顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを取得する処理」には、例えば、仲介業者サーバが顧客からの注文の都度に証券会社サーバにアクセスして証券会社サーバからその顧客(アクセス中の顧客)の口座の残高データを取得する処理、仲介業者サーバが定期的に証券会社サーバにアクセスして証券会社サーバから複数の顧客(例えば、サービス提供対象となる顧客全員分)の口座の残高データを一括取得してデータベース(仲介業者サーバに接続された複写顧客口座データベース)に保存しておき、この複写顧客口座データベースからアクセス中の顧客の口座の残高データを取得する処理、証券会社サーバが定期的に一括送信してくる複数の顧客(例えば、サービス提供対象となる顧客全員分)の口座の残高データを受信してデータベース(仲介業者サーバに接続された複写顧客口座データベース)に保存しておき、この複写顧客口座データベースからアクセス中の顧客の口座の残高データを取得する処理等が含まれ、要するに、最終的に、入力画面送信手段により売買指示入力画面を送信する際に、証券会社に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座の残高データを取得できればよい。
なお、顧客が、仲介業者への開設口座と証券会社への開設口座とを合わせて複数の口座を開設している場合に、それらの複数の口座を、引落金額入力指定部での選択対象口座としたり、口座残高表示部での表示対象口座とすることができる構成を備えていればよい趣旨であり、売買指示入力画面の画面上で、常に複数の口座が選択対象口座や表示対象口座とされなければならないわけではない。従って、そもそも顧客が、仲介業者への開設口座と証券会社への開設口座とを合わせても一つの口座しか開設していない場合に、その唯一の口座しか選択対象口座や表示対象口座とすることができない事態が発生しても、上記の構成を満たさないことにはならず、要するに、システムとして複数の口座がある場合に対応できるようになっていればよい趣旨である。
このように顧客に対し、売買指示入力画面でその顧客の複数の口座の残高を示し、かつ、これらの各口座からの引落金額の入力指定を受け付ける構成とした場合には、顧客は、例えば、一つの口座に保有する資金のみでは必要資金が不足するが複数の口座に保有する資金を合計すれば必要資金が揃うとき、あるいは複数の口座の資金を分散して使用したいとき等の各種の事情に基づき、引落口座として複数の口座を選択することが可能となるので、売買取引を行うにあたり、一つの口座に資金を集めるといった顧客の作業の手間が省かれ、また、売買取引システムとしての利便性の向上が図られる。
さらに、以上に述べた有価証券売買取引システムにおいて、仲介業者サーバは、顧客が証券会社の管理下で保有している有価証券の保有情報を、証券会社サーバに接続された顧客証券保有情報データベースから証券会社サーバおよびネットワークを介して取得する処理を行うか、または仲介業者サーバに接続された売買仲介情報記録用の売買仲介データベースから取得する処理を行う証券残高データ取得手段を備え、証券会社サーバおよびネットワークを介して取得する処理は、売買指示情報に含まれる仲介業者用顧客識別情報を証券会社用顧客識別情報に変換して証券会社サーバに送信するか、売買指示情報に含まれる証券会社用顧客識別情報を証券会社サーバに送信するか、仲介業者用顧客識別情報を証券会社サーバに送信して証券会社サーバで証券会社用顧客識別情報に変換させるか、または証券会社用顧客識別情報と共通化されている仲介業者用顧客識別情報を証券会社サーバに送信することにより、顧客証券保有情報データベースに対する証券会社サーバによる証券会社用顧客識別情報をキーとした検索処理を経て抽出された該当する顧客の有価証券の保有情報を、証券会社サーバからネットワークを介して受信する処理と、証券会社用顧客識別情報をキーとして、顧客証券保有情報データベースを複写して形成されて仲介業者サーバに接続された複写顧客証券保有情報データベースを検索することにより、複写顧客証券保有情報データベースから該当する顧客の有価証券の保有情報を取得する処理とのうちのいずれか一方の処理であり、売買仲介データベースから取得する処理は、売買指示情報に含まれる仲介業者用顧客識別情報をキーとして、売買仲介データベースを検索することにより、売買仲介データベースから該当する顧客の有価証券の保有情報を取得する処理であり、仲介業者サーバの入力画面送信手段により送信される売買指示入力画面には、顧客が売り注文を行う場合に、売付代金の入金または送金処理を含む決済処理用の口座として顧客の複数の口座のうちから少なくとも一つの口座を選択し、かつ、選択した口座で受け取る金額を各口座毎に個別に入力指定するための受取金額入力指定部と、証券残高データ取得手段により取得した有価証券の保有情報を表示する証券残高表示部とが設けられ、売買指示入力画面に設けられた受取金額入力指定部での選択対象となる複数の口座は、仲介業者に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座、または証券会社に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座のうちの複数の口座であることが望ましい。
ここで、「証券会社に開設された顧客の一つ若しくは複数の口座」とは、ある一人の顧客について、ある一つの証券会社(つまり、同じ証券会社)に開設された一つまたは複数の口座という意味である。但し、ここでは、ある任意の一つの証券会社について同じ顧客の口座が一つあっても複数あってもよいことが示されているだけであるため、下記の如く、対象となる証券会社の数は、一社に限らず、複数社でもよい。
つまり、「証券残高表示部」には、複数の証券会社についての有価証券の保有情報を表示してもよく、また、「受取金額入力指定部」には、複数の証券会社についての口座が選択対象口座とされていてもよい。但し、ある証券会社の管理下で保有している有価証券を売却する場合、あるいは、ある証券会社の管理下で保有している有価証券について売却する分の売付代金の受取口座として選択できる口座は、仲介業者に開設された口座を除けば、その証券会社に開設された一つまたは複数の口座のみとなる構成とすることが好ましい。従って、証券会社Xの管理下で保有している有価証券を売却する場合には、証券会社Xに開設された一つまたは複数の口座は選択できるが、証券会社Yに開設された口座は選択できず、また、証券会社Xの管理下で保有している有価証券について売却する分と、証券会社Yの管理下で保有している有価証券について売却する分とが両方ある場合には、前者の分については、証券会社Xに開設された一つまたは複数の口座は選択できるが、証券会社Yに開設された口座は選択できず、後者の分については、証券会社Yに開設された一つまたは複数の口座は選択できるが、証券会社Xに開設された口座は選択できない構成とすることが好ましい。
また、「複写顧客証券保有情報データベース」は、仲介業者サーバが証券会社サーバにアクセスして複写のためのネットワークを介したデータ通信を行うことにより形成されたものでもよく、あるいは証券会社サーバが自発的にネットワークを介して送信してきたデータを仲介業者サーバで受信することにより形成されたものでもよい。従って、「証券残高データ取得手段」が有価証券の保有情報を「証券会社サーバに接続された顧客証券保有情報データベースから証券会社サーバおよびネットワークを介して取得する」ことには、例えば、仲介業者サーバが顧客からの注文の都度に証券会社サーバにアクセスして証券会社サーバに接続された顧客証券保有情報データベースからその顧客(アクセス中の顧客)の有価証券の保有情報を取得すること、仲介業者サーバが定期的に証券会社サーバにアクセスして証券会社サーバに接続された顧客証券保有情報データベースから複数の顧客(例えば、サービス提供対象となる顧客全員分)の有価証券の保有情報を一括取得してデータベース(仲介業者サーバに接続された複写顧客証券保有情報データベース)に保存しておき、この複写顧客証券保有情報データベースからアクセス中の顧客の証券残高データを取得すること、証券会社サーバが定期的に一括送信してくる複数の顧客(例えば、サービス提供対象となる顧客全員分)の有価証券の保有情報を受信してデータベース(仲介業者サーバに接続された複写顧客証券保有情報データベース)に保存しておき、この複写顧客証券保有情報データベースからアクセス中の顧客の証券残高データを取得すること等が含まれ、要するに、最終的に、入力画面送信手段により売買指示入力画面を送信する際に、顧客が証券会社の管理下で保有している有価証券の保有情報を取得できればよい。
さらに、「証券残高データ取得手段」が有価証券の保有情報を「仲介業者サーバに接続された売買仲介情報記録用の売買仲介データベースから取得する」場合とは、例えば、ある仲介業者を介して、ある証券会社を選択して購入した有価証券については、その仲介業者を介して、その証券会社を選択しなければ売却することができないという取り決め、従って、他の仲介業者を介して売却したり、証券会社に直接アクセスして売却することはできないという取り決めがなされている場合等のように、その仲介業者が自己を通じた売買取引を売買仲介データベースに記録しておくことで、顧客の有価証券の保有情報を把握することができる場合である。
なお、顧客が、仲介業者への開設口座と証券会社への開設口座とを合わせて複数の口座を開設している場合に、それらの複数の口座を、受取金額入力指定部での選択対象口座とすることができる構成を備えていればよい趣旨であり、売買指示入力画面の画面上で、常に複数の口座が選択対象口座とされなければならないわけではなく、要するに、システムとして複数の口座がある場合に対応できるようになっていればよい趣旨であるのは、前述した引落金額入力指定部や口座残高表示部の場合と同様である。
このように顧客に対し、その顧客の保有する有価証券についての残高を示し、かつ、その証券の売付代金を受け取る口座をその顧客の複数の口座の中から選択することができる構成とした場合には、顧客は、自己の保有する有価証券の残高情報を売買指示入力画面を参照して把握し、その証券についての売り注文を行うことが可能となるので、顧客が自己の保有する有価証券の残高を確認する際の手間が軽減されるうえ、顧客は、売買指示入力画面の画面上で売付代金の振込先の口座を自在に選択することができ、かつ、各口座で受け取る金額も自在に指定することができるので、売買取引システムとしての利便性の向上が図られる。
そして、上記のように、顧客に対し、売買指示入力画面でその顧客の複数の口座の残高を示し、かつ、これらの各口座からの引落金額の入力指定を受け付ける構成とした場合、あるいは顧客に対し、その顧客の保有する有価証券についての残高を示し、かつ、その証券の売付代金を受け取る口座をその顧客の複数の口座の中から選択することができる構成とした場合において、仲介業者サーバの入力画面送信手段により送信される売買指示入力画面には、顧客が決済処理用の口座として選択した各口座について入力指定した金額の合計額と、証券会社サーバの売買処理手段により売買処理を行って確定した売買結果情報に基づく実際の入出金の金額とが一致しない場合に、予め定められた取り決めに従って入出金処理を行う際の優先順位を各口座毎に個別に設定するための優先順位設定部が設けられていることが望ましい。
ここで、「入力指定した金額の合計額」と「実際の入出金の金額」とが「一致しない場合」とは、例えば、成行注文の場合、注文に係る全数量のうちの一部の数量のみが約定した場合等に生じる。
また、「予め定められた取り決め」とは、過不足が生じたときに、例えば、(1)優先順位の高い口座については、入力指定した金額が極力維持されるように入出金処理を行うという取り決め(過不足分を優先順位の低い口座で調整するという取り決め)、(2)買い注文の場合に優先順位の高い口座から極力引き落とすという取り決め(実際の出金の金額が、決算金額の試算額、すなわち入力指定した金額の合計額を上回った場合には、上回った分を優先順位の高い口座から順に残高がある分だけ引き落としていき、下回った場合には、優先順位の高い口座について入力指定した金額が極力維持されるように出金処理を行うという取り決め)、(3)売り注文の場合に優先順位の高い口座で極力受け取るという取り決め(実際の入金の金額が、決算金額の試算額、すなわち入力指定した金額の合計額を上回った場合には、上回った分を優先順位の高い口座で受け取り、下回った場合には、優先順位の高い口座について入力指定した金額が極力維持されるように入金処理を行うという取り決め)等であり、これらの取り決めは、例えば、システムとして固定された取り決めとしてもよく、顧客と仲介業者や証券会社との事前の契約時に顧客により選択された取り決めとしてもよく、毎回の売買注文の都度に顧客により選択される取り決めとしてもよい。
このように決済処理用の口座について優先順位を設定することができる構成とした場合には、顧客が決済処理用の口座として選択した各口座について入力指定した金額の合計額と、実際に売買処理を行って確定した入出金の金額とが一致しないときであっても、極力、顧客の意向に沿った形での入出金処理を行うことが可能となる。
また、以上に述べた有価証券売買取引システムにおいて、仲介業者サーバは、有価証券の時価情報を取得する時価情報取得手段を備え、仲介業者サーバの入力画面送信手段により送信される売買指示入力画面には、顧客が売買注文する有価証券の銘柄および売買数量を含む注文内容を入力する注文内容入力部と、この注文内容入力部に入力された有価証券の売買数量および時価情報取得手段により取得した有価証券の時価情報を用いて算出した売付代金または買付代金を含む売買に関する決済金額の試算額を表示する試算額表示部とが設けられていることが望ましい。
ここで、「試算額表示部」に表示される売付代金または買付代金の試算額は、顧客端末装置で算出して表示してもよく、あるいは注文内容入力部に入力された有価証券の売買数量を一旦ネットワークを介して仲介業者サーバに送信して仲介業者サーバで試算額を算出し、その算出結果を仲介業者サーバからネットワークを介して受信し、顧客端末装置で表示してもよい。
また、「売買注文する有価証券の銘柄および売買数量を含む注文内容」には、銘柄および売買数量が含まれる他、例えば、成行・指値の別、指値の金額等が含まれていてもよい。
さらに、「売付代金または買付代金を含む売買に関する決済金額の試算額」には、売付代金または買付代金の試算額が含まれる他、例えば、委託手数料、税金(消費税額、源泉徴収額等)の試算額等が含まれていてもよい。
このように売買指示入力画面の画面上に、時価情報に基づく売付代金または買付代金を含む売買に関する決済金額の試算額を表示する構成とした場合には、顧客は、自ら決済金額を算出する必要がなくなるので、顧客の手間が軽減されるうえ、例えば、前述したように、買付代金の引落口座や売付代金の受取口座として複数の口座を選択し、各口座に対する入出金の金額を各口座毎に個別に入力指定する際には、売買指示入力画面の画面上に表示された試算額を参照しながら、各口座への金額の割り振りを決めることが可能となり、顧客にとってのシステムの使い勝手が向上する。
また、以上に述べた有価証券売買取引システム(但し、証券会社と仲介業者との間の決済が、証券会社サーバによる処理で行われる構成のシステム)において、証券会社サーバの仲介業者口座入出金処理手段による入金処理を含む決済処理、送金処理を含む決済処理、および出金処理を含む決済処理には、証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料の支払処理が含まれることが望ましい。
さらに、以上に述べた有価証券売買取引システム(但し、証券会社と仲介業者との間の決済が、仲介業者サーバによる処理で行われる構成のシステム)において、仲介業者サーバの証券会社口座入出金処理手段による入金処理を含む決済処理、送金処理を含む決済処理、および出金処理を含む決済処理には、証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料の支払処理が含まれることが望ましい。
このように売付代金や買付代金の入出金処理のみならず証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料の支払処理も行う構成とした場合には、証券取引の仲介に伴う一連の決済処理を円滑に実行することが可能となる。
そして、以上に述べた有価証券売買取引システムにおいて、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段による入金処理を含む決済処理、送金処理を含む決済処理、および出金処理を含む決済処理には、売買注文の委託手数料の支払処理および売買取引に伴う税金の支払処理が含まれることが望ましい。
また、前述したように仲介業者サーバのみならず証券会社サーバでも顧客の口座に対する入出金処理を行う構成とした場合において、証券会社サーバの顧客口座入出金補完処理手段による入金処理を含む決済処理、送金処理を含む決済処理、および出金処理を含む決済処理には、売買注文の委託手数料の支払処理および売買取引に伴う税金の支払処理が含まれることが望ましい。
ここで、「税金の支払処理」には、消費税等の支払処理が含まれる他、例えば、証券売却益に対する源泉徴収処理等が含まれてもよい。
このように売付代金や買付代金の入出金処理のみならず売買注文の委託手数料の支払処理および売買取引に伴う税金の支払処理も行う構成とした場合には、証券取引に伴う一連の決済処理を円滑に実行することが可能となる。
また、以上に述べた本発明の有価証券売買取引システムにより実現される方法として、以下のような本発明の有価証券売買取引方法が挙げられる。
すなわち、本発明の有価証券売買取引方法は、有価証券の売買取引を行う顧客が操作する顧客端末装置と、証券会社により運用・管理されて顧客の注文に基づき有価証券の売買に関する処理を行う証券会社サーバと、顧客と証券会社とを仲介する仲介業者により運用・管理されて仲介に関する処理を行う仲介業者サーバとをネットワークで接続しておき、仲介業者サーバの入力画面送信手段が、顧客が有価証券の売買注文を含む売買に関する指示を行うための売買指示入力画面の表示用情報をネットワークを介して顧客端末装置に送信する処理を行い、仲介業者サーバの売買指示情報受信手段が、入力画面送信手段により送信した売買指示入力画面を用いて顧客により入力された売買指示情報を顧客端末装置からネットワークを介して受信する処理を行い、仲介業者サーバの売買取次情報送信手段が、売買指示情報受信手段により受信した売買指示情報に基づき証券会社サーバによる有価証券の売買に関する処理に必要な売買取次情報を作成してこの売買取次情報をネットワークを介して証券会社サーバに送信する処理を行った後、証券会社サーバの売買処理手段が、売買取次情報送信手段により仲介業者サーバからネットワークを介して送信されてくる売買取次情報に基づき有価証券の売買処理を行い、証券会社サーバの仲介業者口座入出金処理手段が、売買処理手段により売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースへの売付代金の入金若しくは送金処理または仲介業者口座データベースからの買付代金の出金処理を含む決済処理を行い、証券会社サーバの売買結果情報送信手段が、確定した売付代金若しくは買付代金を含む売買結果情報をネットワークを介して仲介業者サーバに送信する処理を行い、その後、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段が、売買結果情報送信手段により証券会社サーバからネットワークを介して送信されてくる売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金若しくは送金処理または顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行い、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段による処理を行う際には、売り注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに顧客口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部のネットワークを介した送金処理を含む決済処理のうちの少なくとも一方の決済処理を行い、買い注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行い、証券会社サーバの仲介業者口座入出金処理手段による処理を行う際には、売り注文の場合には、売買取次情報に含まれる仲介業者口座識別情報または仲介業者により予め指定されて証券会社サーバに接続された仲介業者指定口座記憶手段に記憶されている仲介業者口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースを検索し、該当する仲介業者の口座のデータを更新することによる仲介業者口座データベースへの売付代金の入金処理を含む決済処理、仲介業者サーバに仲介業者口座識別情報を送信することによる仲介業者に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースへの売付代金のネットワークを介した送金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに仲介業者口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースへの売付代金のネットワークを介した送金処理を含む決済処理のうちの少なくとも一つの決済処理を行い、買い注文の場合には、売買取次情報に含まれる仲介業者口座識別情報または仲介業者により予め指定されて証券会社サーバに接続された仲介業者指定口座記憶手段に記憶されている仲介業者口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースを検索し、該当する仲介業者の口座のデータを更新することによる仲介業者口座データベースからの買付代金の出金処理を含む決済処理を行うことを特徴とするものである。
このような本発明の有価証券売買取引方法においては、前述した本発明の有価証券売買取引システム(証券会社と仲介業者との間の決済が、証券会社サーバによる処理で行われる構成のシステム)で得られる作用・効果がそのまま得られ、これにより前記目的が達成される。
また、本発明の有価証券売買取引方法は、有価証券の売買取引を行う顧客が操作する顧客端末装置と、証券会社により運用・管理されて顧客の注文に基づき有価証券の売買に関する処理を行う証券会社サーバと、顧客と証券会社とを仲介する仲介業者により運用・管理されて仲介に関する処理を行う仲介業者サーバとをネットワークで接続しておき、仲介業者サーバの入力画面送信手段が、顧客が有価証券の売買注文を含む売買に関する指示を行うための売買指示入力画面の表示用情報をネットワークを介して顧客端末装置に送信する処理を行い、仲介業者サーバの売買指示情報受信手段が、入力画面送信手段により送信した売買指示入力画面を用いて顧客により入力された売買指示情報を顧客端末装置からネットワークを介して受信する処理を行い、仲介業者サーバの売買取次情報送信手段が、売買指示情報受信手段により受信した売買指示情報に基づき証券会社サーバによる有価証券の売買に関する処理に必要な売買取次情報を作成してこの売買取次情報をネットワークを介して証券会社サーバに送信する処理を行った後、証券会社サーバの売買処理手段が、売買取次情報送信手段により仲介業者サーバからネットワークを介して送信されてくる売買取次情報に基づき有価証券の売買処理を行い、証券会社サーバの売買結果情報送信手段が、売買処理手段により売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金を含む売買結果情報をネットワークを介して仲介業者サーバに送信する処理を行い、その後、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段が、売買結果情報送信手段により証券会社サーバからネットワークを介して送信されてくる売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金若しくは送金処理または顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行うとともに、仲介業者サーバの証券会社口座入出金処理手段が、売買結果情報送信手段により証券会社サーバからネットワークを介して送信されてくる売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースからの売付代金の出金処理または証券会社口座データベースへの買付代金の入金若しくは送金処理を含む決済処理を行い、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段による処理を行う際には、売り注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに顧客口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部のネットワークを介した送金処理を含む決済処理のうちの少なくとも一方の決済処理を行い、買い注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行い、仲介業者サーバの証券会社口座入出金処理手段による処理を行う際には、売り注文の場合には、売買結果情報に含まれる証券会社口座識別情報または証券会社により予め指定されて仲介業者サーバに接続された証券会社指定口座記憶手段に記憶されている証券会社口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースを検索し、該当する証券会社の口座のデータを更新することによる証券会社口座データベースからの売付代金の出金処理を含む決済処理を行い、買い注文の場合には、売買結果情報に含まれる証券会社口座識別情報または証券会社により予め指定されて仲介業者サーバに接続された証券会社指定口座記憶手段に記憶されている証券会社口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースを検索し、該当する証券会社の口座のデータを更新することによる証券会社口座データベースへの買付代金の入金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに証券会社口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースへの買付代金のネットワークを介した送金処理を含む決済処理を行うことを特徴とするものである。
このような本発明の有価証券売買取引方法においては、前述した本発明の有価証券売買取引システム(証券会社と仲介業者との間の決済が、仲介業者サーバによる処理で行われる構成のシステム)で得られる作用・効果がそのまま得られ、これにより前記目的が達成される。
さらに、本発明のプログラムは、証券会社により運用・管理されて顧客の注文に基づき有価証券の売買に関する処理を行う証券会社サーバと、顧客と証券会社とを仲介する仲介業者により運用・管理されて仲介に関する処理を行うために顧客が操作する顧客端末装置および証券会社サーバとそれぞれネットワークで接続された仲介業者サーバとを備え、仲介業者サーバは、顧客が有価証券の売買注文を含む売買に関する指示を行うための売買指示入力画面の表示用情報をネットワークを介して顧客端末装置に送信する入力画面送信手段と、この入力画面送信手段により送信した売買指示入力画面を用いて顧客により入力された売買指示情報を顧客端末装置からネットワークを介して受信する売買指示情報受信手段と、この売買指示情報受信手段により受信した売買指示情報に基づき証券会社サーバによる有価証券の売買に関する処理に必要な売買取次情報を作成してこの売買取次情報をネットワークを介して証券会社サーバに送信する売買取次情報送信手段と、証券会社サーバからネットワークを介して送信されてくる売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金若しくは送金処理または顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行う顧客口座入出金処理手段とを含んで構成され、証券会社サーバは、売買取次情報送信手段により仲介業者サーバからネットワークを介して送信されてくる売買取次情報に基づき有価証券の売買処理を実行する売買処理手段と、この売買処理手段により売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースへの売付代金の入金若しくは送金処理または仲介業者口座データベースからの買付代金の出金処理を含む決済処理を行う仲介業者口座入出金処理手段と、確定した売付代金若しくは買付代金を含む売買結果情報をネットワークを介して仲介業者サーバに送信する売買結果情報送信手段とを含んで構成され、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段は、売り注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに顧客口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部のネットワークを介した送金処理を含む決済処理のうちの少なくとも一方の決済処理を行い、買い注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行う構成とされ、証券会社サーバの仲介業者口座入出金処理手段は、売り注文の場合には、売買取次情報に含まれる仲介業者口座識別情報または仲介業者により予め指定されて証券会社サーバに接続された仲介業者指定口座記憶手段に記憶されている仲介業者口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースを検索し、該当する仲介業者の口座のデータを更新することによる仲介業者口座データベースへの売付代金の入金処理を含む決済処理、仲介業者サーバに仲介業者口座識別情報を送信することによる仲介業者に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースへの売付代金のネットワークを介した送金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに仲介業者口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースへの売付代金のネットワークを介した送金処理を含む決済処理のうちの少なくとも一つの決済処理を行い、買い注文の場合には、売買取次情報に含まれる仲介業者口座識別情報または仲介業者により予め指定されて証券会社サーバに接続された仲介業者指定口座記憶手段に記憶されている仲介業者口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベースを検索し、該当する仲介業者の口座のデータを更新することによる仲介業者口座データベースからの買付代金の出金処理を含む決済処理を行う構成とされていることを特徴とする有価証券売買取引システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
そして、本発明のプログラムは、証券会社により運用・管理されて顧客の注文に基づき有価証券の売買に関する処理を行う証券会社サーバと、顧客と証券会社とを仲介する仲介業者により運用・管理されて仲介に関する処理を行うために顧客が操作する顧客端末装置および証券会社サーバとそれぞれネットワークで接続された仲介業者サーバとを備え、仲介業者サーバは、顧客が有価証券の売買注文を含む売買に関する指示を行うための売買指示入力画面の表示用情報をネットワークを介して顧客端末装置に送信する入力画面送信手段と、この入力画面送信手段により送信した売買指示入力画面を用いて顧客により入力された売買指示情報を顧客端末装置からネットワークを介して受信する売買指示情報受信手段と、この売買指示情報受信手段により受信した売買指示情報に基づき証券会社サーバによる有価証券の売買に関する処理に必要な売買取次情報を作成してこの売買取次情報をネットワークを介して証券会社サーバに送信する売買取次情報送信手段と、証券会社サーバからネットワークを介して送信されてくる売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金若しくは送金処理または顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行う顧客口座入出金処理手段と、証券会社サーバからネットワークを介して送信されてくる売買結果情報に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースからの売付代金の出金処理または証券会社口座データベースへの買付代金の入金若しくは送金処理を含む決済処理を行う証券会社口座入出金処理手段とを含んで構成され、証券会社サーバは、売買取次情報送信手段により仲介業者サーバからネットワークを介して送信されてくる売買取次情報に基づき有価証券の売買処理を実行する売買処理手段と、この売買処理手段により売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金を含む売買結果情報をネットワークを介して仲介業者サーバに送信する売買結果情報送信手段とを含んで構成され、仲介業者サーバの顧客口座入出金処理手段は、売り注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部の入金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに顧客口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースへの売付代金の少なくとも一部のネットワークを介した送金処理を含む決済処理のうちの少なくとも一方の決済処理を行い、買い注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報または顧客により予め指定されて仲介業者サーバに接続された顧客指定口座記憶手段に記憶されている顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベースを検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することによる顧客口座データベースからの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行う構成とされ、仲介業者サーバの証券会社口座入出金処理手段は、売り注文の場合には、売買結果情報に含まれる証券会社口座識別情報または証券会社により予め指定されて仲介業者サーバに接続された証券会社指定口座記憶手段に記憶されている証券会社口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースを検索し、該当する証券会社の口座のデータを更新することによる証券会社口座データベースからの売付代金の出金処理を含む決済処理を行い、買い注文の場合には、売買結果情報に含まれる証券会社口座識別情報または証券会社により予め指定されて仲介業者サーバに接続された証券会社指定口座記憶手段に記憶されている証券会社口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースを検索し、該当する証券会社の口座のデータを更新することによる証券会社口座データベースへの買付代金の入金処理を含む決済処理、または仲介業者以外の業者のシステムに証券会社口座識別情報を送信することによる仲介業者以外の業者に開設された証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベースへの買付代金のネットワークを介した送金処理を含む決済処理を行う構成とされていることを特徴とする有価証券売買取引システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
なお、以上に述べたプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、LAN、MAN、WAN、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、以上に述べたプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
以上に述べたように本発明によれば、顧客が、顧客端末装置で売買指示入力画面を用いて売買注文を行うと、仲介業者サーバの取り次ぎを経て、証券会社サーバにより有価証券の売買処理が実行されるとともに、仲介業者サーバおよび証券会社サーバにより、あるいは仲介業者サーバにより資金決済処理が行われるので、顧客は、証券会社に対する売買注文の手続と、売買取引に伴う資金移動の手続を別々に行う必要がなくなるため、これらの手続を別々に行う場合に比べ、顧客の手間を軽減することができ、従来のシステムに比べて利便性に優れ、使い勝手のよいオンライン取引システムを実現することができるという効果がある。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の有価証券売買取引システム1の全体構成が示されている。図2には、有価証券売買取引システム1による有価証券の売買取引の処理の前半部分の流れがフローチャートで示されている。図3および図4には、有価証券売買取引システム1による有価証券の売買取引の処理の後半部分の流れについて即時決済取引の場合および普通取引(いわゆる4日目取引)の場合がそれぞれフローチャートで示されている。また、図5〜図7には、有価証券売買取引システム1による処理に伴う画面例が示され、図8には、データの流れが示されている。
図1において、有価証券売買取引システム1は、有価証券の売買取引を行う各顧客(投資家)が操作する一台または複数台の顧客端末装置10と、各証券会社により運用・管理されて各顧客の注文に基づき有価証券の売買に関する処理を行う一台または複数台の証券会社サーバ20と、各顧客と各証券会社とを仲介する仲介業者(例えば銀行等)により運用・管理されて仲介に関する処理を行う仲介業者サーバ30とがネットワーク2で接続されて構成されている。
ネットワーク2は、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN、あるいはこれらの組合せ等であり、有線であるか無線であるかは問わない。
顧客端末装置10は、主として汎用コンピュータ(パーソナル・コンピュータやその上位機種のコンピュータ等)により実現されるが、これに限定されるものではなく、例えば、携帯電話機(PHSも含む。)や携帯情報端末(PDA)等であってもよく、中央演算処理装置(CPU)の性能、画面の解像度、メモリ容量等が本発明に適するものであれば採用することができる。
証券会社サーバ20は、コンピュータにより構成され、売買処理手段21と、顧客口座入出金補完処理手段22と、仲介業者口座入出金処理手段23と、売買結果情報送信手段24とを含んで構成されている。また、証券会社サーバ20には、顧客証券保有情報データベース25と、顧客口座データベース26と、仲介業者口座データベース27とが接続されている。
売買処理手段21は、仲介業者サーバ30からネットワーク2を介して送信されてくる売買取次情報(図8参照、詳細は後述する。)に基づき有価証券の売買処理を実行する売買処理実行部21Aと、この売買処理実行部21Aによる売買処理実行結果に基づき売付代金または買付代金を含む各種の確定金額を算出する確定金額算出部21Bとを備えている(図2のステップS9参照)。
売買処理実行部21Aは、証券取引所に対して注文の執行処理を直接に行う構成としてもよく、あるいは他の売買取引システムへ注文の執行を依頼する処理を行う構成としてもよい。
確定金額算出部21Bは、売買処理実行部21Aによる処理を行って確定した売付代金または買付代金(約定した取引の売買数量(売買株数)と売買単価とを乗じて得られる売買価格)から、図示されない委託手数料テーブルを用いて委託手数料を算出するとともに、この委託手数料にかかる消費税を算出する。また、確定金額算出部21Bは、委託手数料の一定割合(例えば2割等)の額として仲介手数料を算出する。さらに、確定金額算出部21Bは、顧客により決済処理用の口座として複数の口座が選択されている場合には、各口座について顧客により入力指定された受取金額または引落金額と、それらの各口座について顧客により設定された優先順位とに従って、各口座の入出金額を確定させる処理を行う。なお、以上のようにして確定金額算出部21Bにより算出された各種の確定金額情報(売付代金または買付代金、およびその他の確定金額情報)は、本実施形態では、いずれも売買結果情報送信手段24により仲介業者サーバ30に送信される売買結果情報(図8参照)の一部となる。
また、確定金額算出部21Bは、各証券会社サーバ20毎に自己の証券会社で売買処理を行った分についての各種の確定金額を算出する処理を行うが、一社の証券会社サーバ20の確定金額算出部21Bだけでは確定金額の算出処理を行うことができない取引、すなわち他の証券会社の証券会社サーバ20で行われる売買処理の結果を把握しなければ、確定金額の算出処理を行うことができない取引については、仲介業者サーバ30の確定金額算出処理手段41により、各種の確定金額算出処理のうちの一部の処理または算出のための支援処理が行われる。例えば、買い注文の場合には、後述する図5に示すように、売買指示入力画面である買い注文画面100の発注証券会社指定部110で、顧客が、発注する証券会社を一社指定し、そこで指定された証券会社により売買処理が行われるので、他の証券会社は関与してこない。従って、指定された証券会社により行われた取引の売付代金または買付代金に応じて、委託手数料および消費税、並びに仲介手数料が定まるとともに、その証券会社および仲介業者に開設された顧客の口座が決済処理用の口座として複数選択されている場合において、優先順位を考慮した各口座の入出金額も定まるので、仲介業者サーバ30の確定金額算出処理手段41との間でのデータ通信を行うことなく、指定された証券会社の証券会社サーバ20の確定金額算出部21Bにより全ての確定金額の算出処理が行われる。
また、売り注文の場合には、後述する図7に示すように、売買指示入力画面である売り注文画面200の発注証券会社指定部210で、顧客が、発注する証券会社を複数社指定することにより、複数の証券会社でそれぞれ個別に保管・管理されている自己の保有する有価証券の売却処理を一括して行うことができる。従って、発注証券会社指定部210で、発注する証券会社を一社のみ指定した場合には、上述した買い注文の場合と同様に、仲介業者サーバ30の確定金額算出処理手段41との間でのデータ通信を行うことなく、その指定された一社の証券会社の証券会社サーバ20の確定金額算出部21Bにより全ての確定金額の算出処理、すなわち委託手数料および消費税、並びに仲介手数料、優先順位を考慮した各口座の入出金額についての確定金額の算出処理が行われる。
一方、図7の発注証券会社指定部210で、顧客が、発注する証券会社を複数社(例えば証券会社Xおよび証券会社Y)指定した場合には、複数社全ての証券会社により行われる売買処理結果(各社の売買処理分について確定した売付代金または買付代金)のデータを揃えなければ、売付代金または買付代金の総額(各社の売買処理分の合計金額)を算出することができないので、一社の証券会社サーバ20の確定金額算出部21Bだけでは、委託手数料および消費税、並びに仲介手数料、さらには優先順位を考慮した各口座の入出金額を確定させることができない。実際に各社で売買されて確定した売付代金または買付代金の各社分の比が、売り注文画面200で顧客により入力された注文の段階での売買数量(売買株数)の比と一致しない場合があるので、この場合には、自社分について確定した売付代金または買付代金からでは、他社分の確定した売付代金または買付代金を把握することはできないからである。従って、発注する証券会社が複数社指定された場合には、各証券会社サーバ20の確定金額算出部21Bは、仲介業者サーバ30の確定金額算出処理手段41との間でのデータ通信を行って、各種の確定金額を算出する。
より具体的には、顧客により発注証券会社が複数社指定された場合には、各社の証券会社サーバ20の売買処理手段21の売買処理実行部21Aによる売買処理が実行された後に、各社の証券会社サーバ20の確定金額算出部21Bは、売買処理実行部21Aによる処理を行って確定した自社分の売付代金または買付代金を、注文識別情報とともにネットワーク2を介して仲介業者サーバ30に送信する。仲介業者サーバ30では、確定金額算出処理手段41により、各証券会社分の売付代金または買付代金を受信して注文データベース57に保存する。この際、一つの注文について各証券会社で分担して売買処理された分は、注文識別情報で結び付けられる。そして、仲介業者サーバ30に接続された注文データベース57に、顧客により指定された全ての証券会社分の売付代金または買付代金が格納されたところで、仲介業者サーバ30の確定金額算出処理手段41により算出された各社分の売付代金または買付代金の総額、委託手数料および消費税、並びに仲介手数料、さらには優先順位を考慮した各口座の入出金額が、仲介業者サーバ30からネットワーク2を介して各社の証券会社サーバ20に送信されてくるので、これを各社の確定金額算出部21Bで受信する。
顧客口座入出金補完処理手段22は、仲介業者サーバ30の顧客口座入出金処理手段39による決済処理を補完する処理を行うものである(図3のステップS11および図4のステップS27参照)。より具体的には、顧客口座入出金補完処理手段22は、仲介業者サーバ30の顧客口座入出金処理手段39により決済処理が行われない分について、売買処理手段21により売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金、またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報(本実施形態では、委託手数料および消費税)に基づき、売り注文の場合には、売買取次情報(図8参照)に含まれる顧客口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベース26を検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することにより、顧客口座データベース26への売付代金の入金処理を含む決済処理を行う。この決済処理には、委託手数料および消費税の出金処理も含まれる。一方、買い注文の場合には、売買取次情報に含まれる顧客口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベース26を検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することにより、顧客口座データベース26からの買付代金の出金処理を含む決済処理を行う。この決済処理には、委託手数料および消費税の出金処理も含まれる。
なお、この顧客口座入出金補完処理手段22により決済処理が行われる分は、証券会社サーバ20に接続された顧客口座データベース26(証券会社に開設された顧客の口座)に対する分のみであり、仲介業者サーバ30に接続された顧客口座データベース51(仲介業者に開設された顧客の口座)に対する分は、仲介業者サーバ30の顧客口座入出金処理手段39による処理対象となるため、顧客口座入出金補完処理手段22による処理対象とはならない。
仲介業者口座入出金処理手段23は、売買処理手段21により売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金、またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報に基づき、売り注文の場合には、仲介業者口座データベース27への売付代金の入金処理を含む決済処理を行い、買い注文の場合には、仲介業者口座データベース27からの買付代金の出金処理を含む決済処理を行うものである(図3のステップS10および図4のステップS26参照)。ここで、売付代金の入金処理を含む決済処理には、顧客が証券会社から受け取るべき売付代金を仲介業者が代わりに受け取って一時的に預かる形になる売付代金の入金処理、顧客が証券会社に支払うべき委託手数料およびそれにかかる消費税を仲介業者が代わりに支払って一時的に立て替える形になる委託手数料・消費税の出金処理、並びに証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料の入金処理が含まれ、これらの各処理は、まとめて同時に行ってもよく、別々に順番に行ってもよい。また、買付代金の出金処理を含む決済処理には、顧客が証券会社に支払うべき買付代金を仲介業者が代わりに支払って一時的に立て替える形になる買付代金の出金処理、顧客が証券会社に支払うべき委託手数料およびそれにかかる消費税を仲介業者が代わりに支払って一時的に立て替える形になる委託手数料・消費税の出金処理、並びに証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料の入金処理が含まれ、これらの各処理は、まとめて同時に行ってもよく、別々に順番に行ってもよい。
より具体的には、仲介業者口座入出金処理手段23は、先ず、売買取次情報として仲介業者サーバ30から送信されてくる仲介業者識別情報(仲介業者を示す金融機関コード等)に基づき、決済処理用の口座として契約等で仲介業者の意向に従って予め定められている証券会社(本実施形態では、証券会社X)に開設された仲介業者の口座を識別するための仲介業者口座識別情報(金融機関コード、支店コード、口座番号等)を、証券会社サーバ20(本実施形態では、証券会社Xの証券会社サーバ20)に接続された仲介業者指定口座記憶手段(不図示)から取得する。なお、このような仲介業者口座識別情報を、売買取次情報に含ませて仲介業者サーバ30から送信してくる構成としてもよい。そして、売買処理手段21により売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金、またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報(本実施形態では、委託手数料および消費税、並びに仲介手数料)に基づき、売り注文の場合には、仲介業者口座識別情報キーとして、証券会社に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベース27を検索し、該当する仲介業者の口座のデータを更新することにより、仲介業者口座データベース27への売付代金の入金処理を含む決済処理を行う。一方、買い注文の場合には、仲介業者口座識別情報をキーとして、証券会社に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベース27を検索し、該当する仲介業者の口座のデータを更新することにより、仲介業者口座データベース27からの買付代金の出金処理を含む決済処理を行う。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、証券会社X(以下、X証券と記載することもある。)が運用・管理する証券会社サーバ20には、仲介業者口座入出金処理手段23が設けられ、一方、証券会社Y(以下、Y証券と記載することもある。)が運用・管理する証券会社サーバ20には、仲介業者口座入出金処理手段23は設けられておらず、その代わりとなる処理が仲介業者サーバ30の証券会社口座入出金処理手段40により行われるものとして説明を行う。
また、本実施形態では、仲介業者口座入出金処理手段23は、売り注文の場合には、証券会社に開設された仲介業者の口座のデータ管理用の仲介業者口座データベース27への売付代金の入金処理を含む決済処理を行う構成とされているが、仲介業者に開設された仲介業者の口座のデータを管理するために仲介業者サーバ30に接続された仲介業者口座データベース(不図示)への売付代金のネットワーク2を介した送金処理を含む決済処理、あるいは仲介業者以外の業者(例えば、仲介業者と提携している銀行等)に開設された仲介業者の口座のデータを管理するために仲介業者以外の業者のシステムに接続された仲介業者口座データベース(不図示)への売付代金のネットワーク2を介した送金処理を含む決済処理を行う構成としてもよい。なお、これらのネットワーク2を介した送金処理を行う場合には、仲介業者口座識別情報(金融機関コード、支店コード、口座番号等)を仲介業者サーバ30や仲介業者以外の業者のシステムに送信する。
売買結果情報送信手段24は、売買処理手段21により売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金、またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報を含む売買結果情報を含む取引明細書や決済完了通知を、ネットワーク2を介して仲介業者サーバ30に送信する処理を行うものである(図3のステップS12および図4のステップS21,S28参照)。ここで、売買結果情報には、本実施形態では、一例として、約定した取引についての売買の別、銘柄情報(銘柄コード、銘柄名)、市場、売買数量(本実施形態では、売買株数)、売買価格(売買単価、売買代金の総額)等の売買注文約定情報の他、売買を行った証券会社を識別するための証券会社識別情報(金融機関コード等)、顧客が証券会社に支払う委託手数料および消費税、並びに証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料に関する確定金額情報、売付代金や買付代金の入出金処理を含む決済処理用の口座として指定された顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報(金融機関コード、支店コード、口座番号等)、各口座に対する確定した入出金額情報、注文識別情報(注文コード等)等が含まれる(図8参照)。
上記の売買結果情報のうち、各口座に対する確定した入出金額情報には、既に証券会社サーバ20の顧客口座入出金補完処理手段22による処理を経た顧客口座データベース26に対する入出金額情報と、これから行われる仲介業者サーバ30の顧客口座入出金処理手段39による処理の対象となる顧客口座データベース51に対する入出金額情報とが含まれる。また、注文識別情報(注文コード等)は、後述するように、仲介業者サーバ30で各注文に付されるものであり、仲介業者サーバ30から証券会社サーバ20に送信した売買取次情報と、証券会社サーバ20から仲介業者サーバ30に戻ってきた売買結果情報とを、一連の取引に関する情報として結び付ける役割を果たすものである。
顧客証券保有情報データベース25は、証券会社で保管・管理されている顧客の有価証券の保有情報(証券残高データを含む。)を各顧客毎に記憶するものである。この顧客証券保有情報データベース25には、顧客の証券会社用顧客識別情報(証券会社が顧客に付した顧客ID等)と、その顧客の有価証券の保有情報(証券残高データを含む。)とが対応する形で記憶されている。
顧客口座データベース26は、証券会社に開設された顧客の口座のデータ(口座残高データを含む。)を各顧客毎に記憶するものである。これらの各顧客の口座は、例えば、いわゆる証券総合口座等であり、具体的には、例えば、MRF(マネー・リザーブ・ファンド:追加型公社債投資信託)やMMF(マネー・マネージメント・ファンド:追加型公社債投資信託)の口座等である。本実施形態では、一例としてMRFの口座であるものとして説明を行う。
仲介業者口座データベース27は、証券会社に開設された仲介業者の口座のデータを記憶するものである。この仲介業者口座データベース27は、顧客口座データベース26と一体化されて各顧客の口座のデータと同列に管理されるものであってもよい。
仲介業者サーバ30は、コンピュータにより構成され、入力画面送信手段31と、口座残高データ取得手段32と、証券残高データ取得手段33と、時価情報取得手段34と、売買指示情報受信手段35と、残高チェック処理手段36と、売買取次情報送信手段37と、口座ホールド処理手段38と、顧客口座入出金処理手段39と、証券会社口座入出金処理手段40と、確定金額算出処理手段41とを含んで構成されている。また、仲介業者サーバ30には、基準値記憶手段50と、顧客口座データベース51と、証券会社口座データベース52と、仲介手数料データベース53と、認証データベース54と、顧客識別情報変換テーブル55と、顧客口座識別情報記憶手段56と、注文データベース57とが接続されている。
入力画面送信手段31は、顧客が有価証券の売買注文を含む売買に関する指示を行うための売買指示入力画面(図5〜図7参照)の表示用情報を、ネットワーク2を介して顧客端末装置10に送信する処理を行うものである(図2のステップS5参照)。ここで、売買に関する指示には、売買の別、証券会社の指定、売却または購入する有価証券の銘柄(銘柄コード、銘柄名)、市場、売買数量(本実施形態では、株数)、成行・指値の別、指値の金額等の注文内容の指示の他に、例えば、売付代金を振り込む入金用または送金先の口座、買付代金を引き落とす出金用の口座の指定、これらの各口座に対する入出金額の指定や優先順位の設定等が含まれる。また、注文を行う本人を特定するための仲介業者用顧客識別情報(仲介業者が顧客に付した顧客ID等)および本人認証情報(顧客の暗証番号、パスワード、虹彩、指紋、声紋等)の入力も含まれる。
口座残高データ取得手段32は、売買指示情報に含まれる仲介業者用顧客識別情報(仲介業者が顧客に付した顧客ID等)に基づき、顧客口座識別情報記憶手段56から、該当する顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報を取得し、この顧客口座識別情報をキーとして、その顧客の口座の残高データを顧客口座データベース26,51から取得する処理を行うものである(図2のステップS3参照)。より具体的には、口座残高データ取得手段32は、仲介業者サーバ30に接続された顧客口座データベース51から残高データを取得する場合には、顧客口座識別情報をキーとして、顧客口座データベース51を検索することにより、該当する顧客の口座の残高データを取得し、一方、証券会社サーバ20に接続された顧客口座データベース26から残高データを取得する場合には、顧客口座識別情報を証券会社サーバ20に送信することにより、顧客口座データベース26に対する証券会社サーバ20による検索処理を経て抽出された該当する顧客の口座の残高データを、証券会社サーバ20からネットワーク2を介して受信する処理を行う。
この口座残高データ取得手段32は、アクセス中の顧客について、仲介業者に開設されたその顧客の口座が複数ある場合には、それらの各口座のデータを顧客口座データベース51から取得し、証券会社に開設されたその顧客の口座が複数ある場合には、それらの各口座のデータを顧客口座データベース26から取得し、さらには、仲介業者が仲介契約を結んでいる証券会社が複数あり(例えば証券会社Xおよび証券会社Yとする。)、それらの各証券会社についてその顧客の一つまたは複数の口座がそれぞれある場合には、各証券会社の各口座のデータを各証券会社サーバ20に接続された顧客口座データベース26(証券会社Xの顧客口座データベース26および証券会社Yの顧客口座データベース26)からそれぞれ取得する。なお、アクセス中の顧客について、証券会社に開設されたその顧客の口座が一つもない場合には、顧客口座データベース26からのデータ取得は行う必要はない。また、アクセス中の顧客について、証券会社に開設されたその顧客の口座がある場合でも、その口座の残高データは取得せずに、仲介業者に開設されたその顧客の一つまたは複数の口座の残高データのみを取得・表示し、仲介業者に開設されたその顧客の一つまたは複数の口座のみを選択対象口座とするシステム構成としてもよい。
証券残高データ取得手段33は、顧客が証券会社の管理下で保有している有価証券の保有情報を、証券会社サーバ20に接続された顧客証券保有情報データベース25から証券会社サーバ20およびネットワーク2を介して取得する処理を行うものである。より具体的には、証券残高データ取得手段33は、売買指示情報に含まれる仲介業者用顧客識別情報を顧客識別情報変換テーブル55を用いて証券会社用顧客識別情報に変換して証券会社サーバ20に送信することにより、顧客証券保有情報データベース25に対する証券会社サーバ20による証券会社用顧客識別情報をキーとした検索処理を経て抽出された該当する顧客の有価証券の保有情報を、証券会社サーバ20からネットワーク2を介して受信する処理を行う。
この証券残高データ取得手段33は、仲介業者が契約している証券会社が複数社ある場合には、それらの複数の証券会社の各証券会社サーバ20に接続された顧客証券保有情報データベース25(証券会社Xの顧客証券保有情報データベース25および証券会社Yの顧客証券保有情報データベース25)からそれぞれ証券残高データを取得する。なお、仲介業者を介して、ある証券会社(例えば、証券会社Xとする。)を選択して購入した有価証券については、その仲介業者を介して証券会社Xを選択しなければ売却することができないという取り決め、従って、他の仲介業者を介して証券会社Xが保管・管理する有価証券を売却したり、証券会社Xに直接アクセスして売却することはできないという取り決めがなされている場合等のように、その仲介業者が自己を通じた売買取引を売買仲介データベースに記録しておくことで、顧客の有価証券の保有情報を把握することができる場合には、証券残高データ取得手段33は、顧客の有価証券の保有情報を、仲介業者サーバ30に接続された売買仲介情報記録用の売買仲介データベース(不図示)から取得する構成としてもよい。
時価情報取得手段34は、証券価格情報提供システム60または証券会社サーバ20からネットワーク2を介して有価証券の時価情報を取得する処理を行うものである。
売買指示情報受信手段35は、入力画面送信手段31により送信した売買指示入力画面(図5〜図7参照)を用いて顧客により入力された売買指示情報を、顧客端末装置10からネットワーク2を介して受信する処理を行うものである。ここで、売買指示情報には、売買の別、証券会社の指定情報、売却または購入する有価証券の銘柄情報(銘柄コード、銘柄名)、市場の選択情報、売買数量(売買株数)、成行・指値の別、指値の金額等の注文内容の他に、例えば、売付代金や買付代金の入出金処理を含む決済処理用の口座として売買指示入力画面で選択指定された顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報(金融機関コード、支店コード、口座番号等)、それらの各口座に対する入出金額や優先順位、売買指示入力画面を用いて入力(キーボードやマウスによる入力のみならず、画面の指示に従って行われる各種の入力機器を使った入力が含まれる。)された仲介業者用顧客識別情報(仲介業者が顧客に付した顧客ID等)や本人認証情報(顧客の暗証番号、パスワード、虹彩、指紋、声紋等)等が含まれる(図8参照)。
また、売買指示情報受信手段35は、仲介業者サーバ30に接続された認証データベース54を参照し、顧客端末装置10から送信されてきた仲介業者用顧客識別情報と本人認証情報とが対応しているか否かを判断することにより、アクセス中の顧客が本人であるか否かを確認する認証処理を行う。
なお、上記の売買指示情報は、必ずしも一度にまとめて送受信される必要はなく、顧客端末装置10と仲介業者サーバ30との間でのデータの送受信を複数回繰り返すことにより、最終的に全ての売買指示情報が売買指示情報受信手段35により受信される構成としてもよい。例えば、仲介業者用顧客識別情報や本人認証情報の送受信を行って認証処理を行ってから、売買注文内容情報や口座の選択指定情報等の送受信を行う構成としてもよい。従って、仲介業者用顧客識別情報や本人認証情報を入力する画面と、注文内容の入力や口座の選択指定等を行う画面とは、同じ画面である必要はなく、このため、本発明における売買指示入力画面は、複数の画面により構成されていてもよい。
残高チェック処理手段36は、売買指示情報受信手段35により受信した売買指示情報および口座残高データ取得手段32により取得した顧客の口座の残高データに基づき、顧客の口座の残高が顧客による買い注文に応じることができる許容額以上か否かを判断する処理を行うものである(図2のステップS7参照)。ここで、即時決済取引の場合(図3参照)の許容額は、顧客のアクセスの時点で既に必要金額が口座に用意されていなければならないという前提で、本実施形態では、一例として、指値注文の場合には、売買指示入力画面(図5参照)に表示された買付代金等の試算額(必要金額)、つまり顧客が各口座について指定した引落金額の合計額と同じ金額とし、成行注文の場合には、下記の如く、値幅制限を考慮した買付代金の変動額の最大値と同じ金額とする。一方、いわゆる4日目取引の場合(図4参照)の許容額は、4営業日目(3日後)までに必要金額が口座に用意されていればよいという前提で、本実施形態では、一例として、指値注文の場合には、売買指示入力画面(図5参照)に表示された買付代金等の試算額(必要金額)、つまり顧客が各口座について指定した引落金額の合計額に対する一定割合の額(例えば半分の額)とし、成行注文の場合には、下記の如く、値幅制限を考慮した買付代金の変動額の最大値に対する一定割合の額(例えば半分の額)とする。なお、いわゆる4日目取引の場合(図4参照)に、上記の如く、半分の額を許容額とした場合には、残りの半分の額が顧客によって用意されない場合のリスクは全て仲介業者が負い、証券会社は一切負わない仕組み(つまり、仲介業者が一時的に全額立て替えて証券会社に支払った資金を顧客から一部回収できなくなる事態が発生する仕組み)としてもよい。従って、このような仕組みとした場合には、許容額を高く設定するか、低く設定するかは、仲介業者の経営方針によるところとなる。
また、残高チェック処理手段36は、顧客により買付代金の出金処理を含む決済処理用の口座として複数の口座が選択された場合には、選択された複数の口座の残高の合計額が顧客による買い注文に応じることができる許容額以上か否かを判断する処理を行う。
さらに、残高チェック処理手段36は、基準値記憶手段50に記憶された基準値を用いて図示されない値幅制限テーブルを参照して買付代金の変動額の最大値を算出し、算出した最大値に基づき、顧客の口座の残高が顧客による買い注文に応じることができる許容額以上か否かを判断する。ここで、値幅制限テーブルには、基準値の金額と、その金額に対する制限値幅の金額とが対になった状態で記憶されている。例えば、基準値の金額(株式の単価)が100円未満の場合は、制限値幅(単価に対する幅)が上下30円となり、基準値の金額が200円以上、500円未満の場合には、制限値幅が上下80円となる等の対応関係が記憶されている。従って、残高チェック処理手段36は、基準値記憶手段50に記憶された基準値(単価)を取得し、この基準値に基づき値幅制限テーブルを参照して変動幅(単価)の上限側の金額(幅)を取得し、買付単価の上限値を算出し、算出した買付単価の上限値に、売買指示情報受信手段35により受信した顧客による売買指示情報に含まれる買付株数を乗じて買付代金の変動額の最大値を算出する。
売買取次情報送信手段37は、売買指示情報受信手段35により受信した顧客による売買指示情報に基づき、証券会社サーバ20による有価証券の売買に関する処理に必要な売買取次情報を作成し、作成した売買取次情報をネットワーク2を介して証券会社サーバ20に送信する処理を行うものである(図2のステップS8参照)。ここで、売買取次情報には、売買の別、売却または購入する有価証券の銘柄情報(銘柄コード、銘柄名)、市場の選択情報、売買数量(売買株数)、成行・指値の別、指値の金額等の注文内容の他に、例えば、売付代金や買付代金の入出金処理を含む決済処理用の口座として売買指示入力画面で選択指定された顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報(金融機関コード、支店コード、口座番号等)、それらの各口座に対する入出金額や優先順位、注文に係る顧客を識別する証券会社用顧客識別情報(証券会社が顧客に付した顧客ID等)、仲介を行った仲介業者を識別する仲介業者識別情報(金融機関コード等)、注文識別情報(注文コード等)等が含まれる(図8参照)。これらの売買取次情報および売買指示情報は、売買取次情報送信手段37および売買指示情報受信手段35により、仲介業者サーバ30に接続された注文データベース57に各注文毎に書き込まれ、少なくとも仲介に係る一連の売買取引が完了するまで記憶保存され、注文識別情報に基づき、各注文に関する各種情報を読み出すことができる構成とされている。
また、売買取次情報送信手段37は、各顧客からの各注文を識別するための注文識別情報(注文コード等)を各注文毎に生成付与する処理を行う。これにより、証券会社サーバ20からの情報の返信があった場合、すなわち仲介業者サーバ30が証券会社サーバ20の売買結果情報送信手段24により送信されてきた売買結果情報を受信した場合に、その売買結果情報が、いずれの注文についての情報なのかを把握できるようになっている。
さらに、売買取次情報送信手段37は、顧客識別情報変換テーブル55を用いて、仲介業者用顧客識別情報(仲介業者が顧客に付した顧客ID等)から証券会社用顧客識別情報(証券会社が顧客に付した顧客ID等)への変換処理を行う。なお、顧客識別情報変換データベースを証券会社サーバ20に接続しておき、仲介業者用顧客識別情報から証券会社用顧客識別情報への変換処理を証券会社サーバ20で行う構成としてもよく、この場合には、売買取次情報送信手段37は、変換処理を行わずに、仲介業者用顧客識別情報をそのまま証券会社サーバ20に送信する。また、仲介業者用顧客識別情報と証券会社用顧客識別情報とが同一である場合(証券会社と仲介業者とが顧客識別情報を共通化した場合)には、このような変換処理を行う必要はない。さらに、売買指示入力画面で顧客により仲介業者用顧客識別情報および証券会社用顧客識別情報の双方の入力が行われ、これらの双方が売買指示情報として顧客端末装置10から送信されてくる場合にも、変換処理を行う必要はない。
そして、売買取次情報として仲介業者識別情報(金融機関コード等)が送信されるのは、一つの証券会社が複数の仲介業者と契約している場合等に、いずれの仲介業者からの仲介であるかを証券会社が把握できるようにするためである。
また、本実施形態では、売買取次情報として証券会社サーバ20に送信される顧客口座識別情報は、仲介業者および証券会社の双方に開設された顧客の口座についての顧客口座識別情報となっている。しかし、仲介業者に開設された顧客の口座についての顧客口座識別情報は、前述したように仲介業者サーバ30に接続された注文データベース57に各注文毎に記憶され、証券会社サーバ20から戻ってきた注文識別情報に基づき読み出すことができるようになっているので、必ずしも仲介業者に開設された顧客の口座についての顧客口座識別情報そのものを証券会社サーバ20に売買取次情報として一旦送信し、かつ、証券会社サーバ20から仲介業者サーバ30に戻してもらう処理を行う必要はない。このように仲介業者に開設された顧客の口座についての顧客口座識別情報を、売買取次情報として証券会社サーバ20に送信する処理を行わない場合には、証券会社サーバ20から、注文識別情報、および仲介業者に開設された顧客の口座に対する確定した入出金額情報が、売買結果情報として送信されてくれば、仲介業者サーバ30で、仲介業者に開設された顧客の口座に対する決済処理を行うことができる。
口座ホールド処理手段38は、残高チェック処理手段36による処理で顧客の口座の残高が許容額以上であると判断された場合に、顧客の口座の残高のうち少なくとも許容額に相当する分について顧客の自由使用を禁止するか、または証券会社サーバ20の売買結果情報送信手段24によりネットワーク2を介して送信されてきた売買結果情報に基づき修正した修正許容額に相当する分について顧客の自由使用を禁止するホールド処理を行うものである(図4のステップS22参照)。本実施形態では、後者の修正許容額を基準にするものとする。ここで、いわゆる4日目取引の場合(図4参照)の修正許容額は、4営業日目(3日後)までに必要金額が口座に用意されていればよいという前提で、本実施形態では、一例として、売買結果情報に含まれる約定した取引についての売買単価と売買数量(売買株数)とを乗じて算出される確定した買付代金に、この確定した買付代金に応じた委託手数料およびそれにかかる消費税を加えた金額に対する一定割合の額(例えば、半分の額)とする。なお、即時決済取引の場合(図3参照)には、顧客のアクセスの時点で既に必要金額が口座に用意されていることを前提として仲介業務が遂行され、即時に必要金額が引き落とされることになるので、ホールド処理を行う必要はない。また、当日決済取引(午後の取引については、翌日の朝に受渡、決済を行う取引)、あるいは特約日決済取引(売買成立日から数えて15日以内の指定した日に決済を行う取引)の場合には、普通取引(4日目取引)の場合と同様に、ホールド処理を行うことが好ましい。
顧客口座入出金処理手段39は、証券会社サーバ20からネットワーク2を介して送信されてくる売買結果情報(図8参照)に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金、またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報(本実施形態では、委託手数料および消費税)に基づき、売り注文の場合には、顧客口座データベース51への売付代金の少なくとも一部の入金処理を含む決済処理を行い、買い注文の場合には、顧客口座データベース51からの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行うものである(図3のステップS14および図4のステップS30参照)。ここで、「売付代金の少なくとも一部」および「買付代金の少なくとも一部」とあるのは、顧客口座入出金処理手段39により、売付代金や買付代金の一部の入出金処理が行われ、証券会社サーバ20の顧客口座入出金補完処理手段22により、残りの一部の入出金処理が行われる場合があることを考慮したものである。また、売り注文の場合の売付代金の少なくとも一部の入金処理を含む決済処理には、売付代金の少なくとも一部の入金処理の他、顧客が証券会社に支払う委託手数料およびそれにかかる消費税の少なくとも一部の出金処理が含まれ、これらの各処理は、まとめて同時に行ってもよく、別々に順番に行ってもよい。また、買い注文の場合の買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理には、買付代金の少なくとも一部の出金処理の他、顧客が証券会社に支払う委託手数料およびそれにかかる消費税の少なくとも一部の出金処理が含まれ、これらの各処理は、まとめて同時に行ってもよく、別々に順番に行ってもよい。
より具体的には、顧客口座入出金処理手段39は、売り注文の場合には、顧客端末装置10から送信されてきて注文データベース57に記憶されている売買指示情報(図8参照)若しくは証券会社サーバ20から送信されてきた売買結果情報(図8参照)に含まれる顧客口座識別情報(金融機関コード、支店コード、口座番号等)をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベース51を検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することにより、顧客口座データベース51への売付代金の少なくとも一部の入金処理を含む決済処理を行う。一方、買い注文の場合には、売買指示情報若しくは売買結果情報に含まれる顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された顧客の口座のデータ管理用の顧客口座データベース51を検索し、該当する顧客の口座のデータを更新することにより、顧客口座データベース51からの買付代金の少なくとも一部の出金処理を含む決済処理を行う。
なお、本実施形態では、顧客口座入出金処理手段39は、売り注文の場合には、仲介業者サーバ30に接続された顧客口座データベース51への売付代金の少なくとも一部の入金処理を含む決済処理を行う構成とされていたが、仲介業者以外の業者(例えば、仲介業者と提携する銀行等)に開設された顧客の口座のデータを管理するために仲介業者以外の業者のシステムに接続された顧客口座データベース(不図示)への売付代金の少なくとも一部のネットワーク2を介した送金処理を含む決済処理を行う構成としてもよい。この場合には、顧客口座入出金処理手段39は、顧客口座識別情報を仲介業者以外の業者のシステムに送信する。
証券会社口座入出金処理手段40は、証券会社サーバ20からネットワーク2を介して送信されてくる売買結果情報(図8参照)に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金、またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報(本実施形態では、委託手数料および消費税、並びに仲介手数料)に基づき、売り注文の場合には、証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベース52からの売付代金の出金処理(証券会社が一時的に預った形になっている売付代金を証券会社の口座から引き落とす処理)を含む決済処理を行い、買い注文の場合には、証券会社口座データベース52への買付代金の入金処理(証券会社が一時的に立て替えた形になっている買付代金を証券会社の口座に振り込む処理)を含む決済処理を行うものである(図3のステップS13および図4のステップS29参照)。ここで、売付代金の出金処理を含む決済処理には、顧客が証券会社から受け取るべき売付代金の出金処理、顧客が証券会社に支払うべき委託手数料およびそれにかかる消費税の入金処理、並びに証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料の出金処理が含まれ、これらの各処理は、まとめて同時に行ってもよく、別々に順番に行ってもよい。また、買付代金の入金処理を含む決済処理には、顧客が証券会社に支払うべき買付代金の入金処理、顧客が証券会社に支払うべき委託手数料およびそれにかかる消費税の入金処理、並びに証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料の出金処理が含まれ、これらの各処理は、まとめて同時に行ってもよく、別々に順番に行ってもよい。
より具体的には、証券会社口座入出金処理手段40は、先ず、売買結果情報として証券会社サーバ20から送信されてくる証券会社識別情報(証券会社を示す金融機関コード等)に基づき、決済処理用の口座として契約等で証券会社の意向に従って予め定められている仲介業者に開設された証券会社の口座を識別するための証券会社口座識別情報(金融機関コード、支店コード、口座番号等)を、仲介業者サーバ30に接続された証券会社指定口座記憶手段(不図示)から取得する。なお、このような証券会社口座識別情報を、売買結果情報に含ませて証券会社サーバ20から送信してくる構成としてもよい。そして、売り注文の場合には、証券会社口座識別情報をキーとして、仲介業者に開設された証券会社の口座のデータ管理用の証券会社口座データベース52を検索し、該当する証券会社の口座のデータを更新することにより、証券会社口座データベース52からの売付代金の出金処理を含む決済処理を行う。一方、買い注文の場合には、証券会社口座識別情報をキーとして、証券会社口座データベース52を検索し、該当する証券会社の口座のデータを更新することにより、証券会社口座データベース52への買付代金の入金処理を含む決済処理を行う。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、証券会社Yについては、証券会社口座入出金処理手段40による処理が行われる一方、証券会社サーバ20の仲介業者口座入出金処理手段23による処理は行われず、証券会社Xについては、証券会社サーバ20の仲介業者口座入出金処理手段23による処理が行われる一方、証券会社口座入出金処理手段40による処理は行われないものとして説明を行っているので、証券会社口座入出金処理手段40は、本実施形態では、専ら証券会社Yに関する決済処理を行うものとされている。但し、証券会社Xおよび証券会社Yの双方に関する決済処理を、証券会社サーバ20の仲介業者口座入出金処理手段23による処理で行ってもよく、あるいは双方に関する決済処理を証券会社口座入出金処理手段40により行ってもよい。
また、本実施形態では、証券会社口座入出金処理手段40は、買い注文の場合には、仲介業者サーバ30に接続された証券会社口座データベース52への買付代金の入金処理(証券会社が一時的に立て替えた形になっている買付代金を証券会社の口座に振り込む処理)を含む決済処理を行う構成とされているが、仲介業者以外の業者(例えば、仲介業者と提携する銀行等)に開設された証券会社の口座のデータを管理するために仲介業者以外の業者のシステムに接続された証券会社口座データベース(不図示)への買付代金のネットワーク2を介した送金処理を含む決済処理を行う構成としてもよい。この場合には、証券会社口座入出金処理手段40は、証券会社口座識別情報を仲介業者以外の業者のシステムに送信する。
確定金額算出処理手段41は、顧客により発注証券会社が複数社指定された場合に、証券会社サーバ20の確定金額算出部21Bにより行われる確定金額算出処理の一部を行うか、または算出を支援する処理を行うものである。この確定金額算出処理手段41は、各証券会社サーバ20の確定金額算出部21Bから、注文識別情報とともに、それぞれ個別に送信されてくる各社分の売付代金または買付代金を受信し、注文識別情報に基づき注文データベース57の該当する注文のレコードに各社分の売付代金または買付代金を格納する。続いて、顧客により指定された全ての証券会社分の売付代金または買付代金が注文データベース57に格納された時点で、確定金額算出処理手段41は、各証券会社分の売付代金または買付代金の総額を算出し、算出した売付代金または買付代金の総額に応じて委託手数料テーブル(不図示)を用いて委託手数料を算出し、さらに消費税、仲介手数料、優先順位を考慮した各口座の入出金額を算出する。そして、算出した売付代金または買付代金の総額、委託手数料、消費税、仲介手数料、優先順位を考慮した各口座の入出金額をネットワーク2を介して各証券会社サーバ20に送信する。
なお、確定金額算出処理手段41により、各証券会社分の売付代金または買付代金の総額の算出を行い、これをネットワーク2を介して各証券会社サーバ20に送信し、各証券会社サーバ20で、委託手数料、消費税、仲介手数料、優先順位を考慮した各口座の入出金額の算出を行う構成としてもよい。また、各社の証券会社サーバ20に送信する売買取次情報に、他の証券会社の証券会社識別情報を含ませておき、各証券会社サーバ20の売買処理実行部21Aによる処理を行った後に、証券会社サーバ20間でネットワーク2を介したデータの送受信を行うことにより、他の証券会社分の売付代金または買付代金を把握する構成としてもよい。この場合には、例えば、顧客により指定された全ての証券会社の証券会社サーバ20から、確定した自社分の売付代金または買付代金が、注文識別情報とともに、その他の全ての証券会社サーバ20へネットワーク2を介して送信され、各証券会社サーバ20でそれぞれ個別に委託手数料、消費税、仲介手数料、優先順位を考慮した各口座の入出金額の算出処理が行われる構成としてもよく、あるいは複数の証券会社サーバ20の中で幹事役となる証券会社サーバ20を、仲介業者サーバ30からの売買取次情報等で定め、この幹事役の証券会社サーバ20に他の各社の証券会社サーバ20による売買処理分の売付代金または買付代金を注文識別情報とともにネットワーク2を介して送信して集中させ、幹事役の証券会社サーバ20で売付代金または買付代金の総額を算出した後、幹事役の証券会社サーバ20からその他の全ての証券会社サーバ20へネットワーク2を介して売付代金または買付代金の総額を注文識別情報とともに送信する構成としてもよい。従って、以上のように証券会社サーバ20間でネットワーク2を介したデータの送受信を行う場合には、注文識別情報が各社の情報を結び付ける役割を果たす。
また、顧客により発注証券会社が複数社指定された取引のみならず、全ての取引について、確定金額算出処理手段41により、確定した売付代金または買付代金(複数社の場合には、各社での売買処理による売付代金または買付代金の総額の算出処理を含む。)から、委託手数料、消費税、仲介手数料、優先順位を考慮した各口座の入出金額についての確定金額を算出する処理を行う構成としてもよい。この場合には、証券会社サーバ20の確定金額算出部21Bは、確定金額の算出処理自体は行わず、確定金額算出処理手段41とのデータの送受信のみを行う。
基準値記憶手段50は、成行注文が行われた場合の値幅制限の基準値となる前日の株価の終値または気配値を記憶するものである。この基準値記憶手段50に記憶される基準値は、時価情報取得手段34により、証券価格情報提供システム60または証券会社サーバ20からネットワーク2を介して取得されたデータである。
顧客口座データベース51は、仲介業者に開設された各顧客の口座のデータを各顧客毎に記憶するものである。
証券会社口座データベース52は、仲介業者に開設された各証券会社の口座のデータを各証券会社毎に記憶するものである。なお、証券会社口座データベース52は、顧客口座データベース51と一体化されて各顧客の口座のデータと同列に管理されるものであってもよい。
仲介手数料データベース53は、仲介業者が証券会社から受け取った仲介手数料のデータ(累計額を含む。)を記憶するものである。この仲介手数料データベース53に記憶される仲介手数料の累計額等のデータは、例えば、証券会社サーバ20に接続された仲介業者口座データベース27のデータとの照合を行うことによる仲介手数料の入金の有無の確認作業等に利用される。
認証データベース54は、認証用のデータとして、各顧客の仲介業者用顧客識別情報(仲介業者が顧客に付した顧客ID等)と、本人認証情報(顧客の暗証番号、パスワード、虹彩、指紋、声紋等)とを対応させて記憶するものである。
顧客識別情報変換テーブル55は、各顧客の仲介業者用顧客識別情報(仲介業者が顧客に付した顧客ID等)と、証券会社用顧客識別情報(証券会社が顧客に付した顧客ID等)との対応関係を記憶するものである。なお、これらの顧客識別情報は、顧客IDに限らず、例えば、顧客の名前、電話番号、電子メールアドレス、住所、ニックネーム、あるいはこれらの組合せ等でもよい。
顧客口座識別情報記憶手段56は、仲介業者または証券会社に開設された顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報(金融機関コード、支店コード、口座番号等)を各顧客毎に記憶するものである。この顧客口座識別情報記憶手段56には、顧客の仲介業者用顧客識別情報(仲介業者が顧客に付した顧客ID等)と、その顧客の一つまたは複数の口座を識別するための一つまたは複数の顧客口座識別情報とが対応する形で記憶されている。この顧客口座識別情報記憶手段56に記憶させるデータを作成するにあたっては、顧客の最初のアクセスでのオンライン契約時や書面契約時等に顧客により決済処理用の口座の選択候補として指定された口座についての顧客口座識別情報を記憶し、以降、顧客のオンラインまたは書面での選択候補口座の追加・削除・変更登録により、記憶する顧客口座識別情報を変化させてもよく、あるいは仲介業者サーバ30が各顧客の仲介業者用顧客識別情報に基づき、顧客口座データベース51から各顧客の選択候補口座となり得る口座についての顧客口座識別情報を自動抽出するとともに、証券会社サーバ20が各顧客の証券会社用顧客識別情報に基づき、顧客口座データベース26から各顧客の選択候補口座となり得る口座についての顧客口座識別情報を自動抽出し、自動抽出した顧客口座識別情報を記憶するようにしてもよい。
なお、顧客口座識別情報記憶手段56は、一つまたは複数の選択候補口座についての顧客口座識別情報を各顧客毎に記憶するものであり、ある顧客の選択候補口座が1つしかなく、毎回の売買取引のためのアクセス時に、顧客が、結果的にその唯一の口座しか選択できない状況が生じても、あくまでもシステム上は、顧客がその唯一の口座を選択したことになる。これに対し、顧客により予め指定された口座(決済処理用の口座として固定的に用いられる口座)についての顧客口座識別情報を、仲介業者サーバ30または証券会社サーバ20に接続された顧客指定口座記憶手段に記憶しておく構成としてもよい。この場合には、顧客指定口座記憶手段に記憶される顧客口座識別情報は、顧客口座識別情報記憶手段56に記憶される選択候補口座についての顧客口座識別情報とは異なり、固定的な口座についての顧客口座識別情報となる。従って、この場合には、顧客は、毎回の売買取引のためのアクセス時に、決済処理用の口座を選択する操作は行わない。
注文データベース57は、売買指示情報受信手段35により受信した売買指示情報、および売買取次情報送信手段37により送信する売買取次情報を、注文識別情報に対応させて各注文毎に記憶するものである。また、注文データベース57には、一部の取引(本実施形態では、顧客により、発注する証券会社が複数社指定された場合の取引)について、各証券会社(例えば、証券会社Xおよび証券会社Y)の証券会社サーバ20の売買処理手段21による売買処理を行って各社分の売付代金または買付代金が確定した時点で、確定金額算出処理手段41により、それらの各社分の確定した売付代金または買付代金等の売買注文約定情報が書き込まれて保存される。この際、確定金額算出処理手段41は、各証券会社サーバ20の確定金額算出部21Bから注文識別情報とともにネットワーク2を介して送信されてきた売買注文約定情報を受信し、注文識別情報をキーとして注文データベース57を検索し、該当する注文のレコードに売買注文約定情報を記憶させる。
以上において、証券会社サーバ20に含まれる各手段21〜24および仲介業者サーバ30に含まれる各手段31〜41は、証券会社サーバ20および仲介業者サーバ30を構成する各コンピュータ(パーソナル・コンピュータのみならず、その上位機種のものも含む。)の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する一つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、証券会社サーバ20および仲介業者サーバ30は、一台のコンピュータあるいは一つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータ等で分散処理(各手段21〜24,31〜41の処理内容に応じた機能的な分散処理、および並列処理による処理速度向上のための分散処理を含む。)を行うことにより実現されるものであってもよい。
さらに、各データベース25〜27,51〜54,57、各記憶手段50,56、顧客識別情報変換テーブル55、および図示されない値幅制限テーブルや委託手数料テーブル、仲介業者指定口座記憶手段や証券会社指定口座記憶手段には、例えば、ハードディスク、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用することができる。なお、値幅制限テーブルは、固定的なテーブルであるため、プログラム内部にデータを記述して実現してもよく、この場合には、最終的に残高チェック処理手段36の処理実行時に主メモリに存在することになるので、値幅制限テーブルは、主メモリ上の記憶領域により実現される。委託手数料テーブルも固定的なテーブルであるため同様である。
このような本実施形態においては、以下のようにして有価証券売買取引システム1を用いてオンラインでの有価証券の売買取引が行われる。
図2において、先ず、顧客(投資家)は、自己の操作する顧客端末装置10の電源を投入し、例えば、WEBブラウザを立ち上げる等してインターネット等のネットワーク2への接続環境を整え、有価証券のオンライン取引を開始する(ステップS1)。
続いて、顧客は、仲介業者の開設するサイトにURLを送信してアクセスし、仲介業者(例えば銀行)のホームページを開き、そのページで売買指示入力画面(図5〜図7参照)の送信要求を行う(ステップS2)。
仲介業者サーバ30では、ネットワーク2を介して顧客端末装置10から送信されてくる売買指示入力画面の送信要求信号を受信すると、本人の特定を行うための売買指示入力画面をネットワーク2を介して顧客端末装置10に送信する。顧客は、顧客端末装置10で、売買指示入力画面を用いて、あるいは売買指示入力画面の指示に従って、仲介業者用顧客識別情報(仲介業者が顧客に付与した顧客ID等)および本人認証情報(顧客の暗証番号、パスワード、虹彩、指紋、声紋等)を入力し、これらの情報をネットワーク2を介して仲介業者サーバ30に送信する。
仲介業者サーバ30では、ネットワーク2を介して顧客端末装置10から送信されてきた仲介業者用顧客識別情報および本人認証情報(売買指示情報の一部:図8参照)を受信すると、売買指示情報受信手段35により、認証データべース54を用いて認証処理を行う。そして、認証処理の結果、本人であることが確認できた場合には、口座残高データ取得手段32により、仲介業者用顧客識別情報に基づき、顧客口座識別情報記憶手段56から、該当する顧客の口座を識別するための顧客口座識別情報(金融機関コード、支店コード、口座番号等)を取得し、この顧客口座識別情報をキーとして、仲介業者サーバ30に接続された顧客口座データベース51および証券会社サーバ20に接続された顧客口座データベース26から、仲介業者サーバ30にアクセスしてきた顧客の口座の残高データを取得する(ステップS3)。この際、顧客口座データベース26の残高データは、口座残高データ取得手段32が証券会社サーバ20にアクセスして顧客口座識別情報を送信した後、証券会社サーバ20による顧客口座識別情報をキーとした検索処理を経て証券会社サーバ20からネットワーク2を介して送信されてくる(ステップS4)。なお、顧客口座データベース26の残高データの取得処理は、図2に示すように顧客のアクセス時にその顧客の分だけ行ってもよいが、口座残高データ取得手段32が定期的に残高データの取得処理を行うことにより、予め顧客全員分の残高データを取得しておいてもよい。
また、証券残高データ取得手段33により、売買指示情報に含まれる仲介業者用顧客識別情報を顧客識別情報変換テーブル55を用いて証券会社用顧客識別情報に変換し、証券会社サーバ20にアクセスして証券会社用顧客識別情報を送信することにより、証券会社サーバ20による証券会社用顧客識別情報をキーとした検索処理を経て、証券会社サーバ20に接続された顧客証券保有情報データベース25から、仲介業者サーバ30にアクセスしてきた顧客の保有する有価証券の残高データをネットワーク2を介して取得する(ステップS3,S4)。なお、顧客証券保有情報データベース25の残高データの取得処理は、図2に示すように顧客のアクセス時にその顧客の分だけ行ってもよいが、証券残高データ取得手段33が定期的に残高データの取得処理を行うことにより、予め顧客全員分の残高データを取得しておいてもよい。
さらに、時価情報取得手段34により、証券価格情報提供システム60または証券会社サーバ20から、ネットワーク2を介して有価証券の時価情報(本実施形態では、株価)を取得する(ステップS3)。この時価情報の取得処理は、図2に示すように顧客のアクセス時に行ってもよいが、時価情報取得手段34が定期的に時価情報の取得処理を行うことにより、予め全ての上場株式について取得しておいてもよい。なお、顧客のアクセス時に取得処理を行うときには、売り注文の場合には、その顧客の保有している全ての銘柄についての時価情報を取得してもよく、あるいは顧客による売り注文に係る銘柄の指定があった後にその銘柄のみについての時価情報を取得してもよい。また、買い注文の場合には、顧客による買い注文に係る銘柄の指定があった後にその銘柄のみについての時価情報を取得してもよく、あるいは全ての上場株式についての時価情報を取得してもよい。
そして、入力画面送信手段31により、売買指示入力画面(図5〜図7参照)の表示用情報が、ネットワーク2を介して顧客端末装置10に送信される(ステップS5)。この表示用情報には、口座残高データ、証券残高データ、有価証券の時価情報が含まれる。すると、顧客端末装置10の表示手段(例えば、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等)の画面上には、図5〜図7に示すような売買指示入力画面が表示される。なお、図2では、説明の便宜上、有価証券の時価情報の取得処理(ステップS3)の後に、売買指示入力画面の表示用情報の送信処理(ステップS4)を行う手順となっているが、実際には、顧客端末装置10と仲介業者サーバ30との間で情報の送受信が何回か行われてもよく、売買指示入力画面が顧客端末装置10の画面上に表示され、顧客による注文に係る銘柄の指定があった後に、有価証券の時価情報の取得処理が行われてその情報が追加的に画面表示されてもよい。
図5において、売買指示入力画面の一つである買い注文画面100には、仲介業者と契約している証券会社(ここでは、X証券およびY証券の2社とする。)の中から発注証券会社を選択して指定する発注証券会社指定部110と、注文内容指定部120と、試算額表示部130と、証券残高表示部140と、買付代金等の引き落し口座に関する情報の表示・入力を行う引落口座情報表示・入力部150と、「発注」ボタン160とが設けられている。
注文内容指定部120は、銘柄コード入力部121と、銘柄名入力部122と、市場選択部123と、売買数量指定部124と、成行注文選択部125と、指値注文選択部126と、指値注文を選択した場合の指値を入力する指値入力部127とを備えている。
試算額表示部130は、注文内容指定部120で指定された注文に係る銘柄についての価格(単価)を表示する価格表示部131と、試算された買付代金を表示する買付代金表示部132と、試算された買付代金に応じた委託手数料を表示する委託手数料表示部133と、委託手数料にかかる消費税を表示する消費税表示部134と、買付代金に委託手数料および消費税を加えた買付に必要な金額を表示する必要金額表示部135とを備えている。
価格表示部131に表示される価格は、成行注文を選択した場合には、直近値、すなわち時価情報取得手段34により取得した時価であり、指値注文を選択した場合には、指値入力部127で入力した指値となる。例えば、図示の例では、指値入力部127で指値が300円と入力されているので、価格表示部131には、300円と表示されている。
買付代金表示部132に表示される買付代金は、売買数量指定部124で指定された売買数量(買付株数)(例えば、5,000株)と、価格表示部131に表示された価格(例えば、300円)とを乗じて算出された金額(例えば、1,500,000円)である。この買付代金は、顧客端末装置10で算出することができるが、通信を行って仲介業者サーバ30で算出してもよい。
委託手数料表示部133に表示される委託手数料は、買付代金の大小に応じて定まり、買付代金の金額と、これに対応する委託手数料の金額とを対にした状態で記憶する委託手数料テーブル(不図示)を用いて決定される。この委託手数料(例えば、10,000円)および消費税表示部134に表示される消費税(例えば、500円)は、顧客端末装置10で算出することができるが、通信を行って仲介業者サーバ30で算出してもよい。従って、委託手数料テーブル(不図示)は、売買指示入力画面とともに顧客端末装置10に送信してもよく、仲介業者サーバ30に記憶しておいてもよい。
必要金額表示部135に表示される必要金額は、買付代金(例えば、1,500,000円)に、委託手数料(例えば、10,000円)および消費税(例えば、500円)を加算して算出される。この必要金額(1,510,500円)も、顧客端末装置10で算出することができるが、通信を行って仲介業者サーバ30で算出してもよい。
証券残高表示部140には、仲介業者と契約している証券会社(X証券およびY証券)の管理下で顧客が保有する株式の保有情報(銘柄コード、銘柄名、株数、買付日、買付単価)が各証券会社の各株式毎に表示される。
引落口座情報表示・入力部150は、顧客が開設している各口座の支店表示部151と、支店コード表示部152と、口座番号表示部153と、各口座の残高を各口座毎に個別に表示する口座残高表示部154と、買付代金等の引き落しの決済処理用の口座の選択を行うとともに選択した各口座から引き落とす金額を各口座毎に個別に入力指定する引落金額入力指定部155と、各口座からの出金処理を行う際の優先順位を各口座毎に個別に設定する優先順位設定部156とを備えている。図示の例では、仲介業者である銀行(当行)に開設された2つの支店の普通預金の口座と、X証券に開設された証券総合口座であるMRFの口座と、Y証券に開設された証券総合口座であるMRFの口座とが表示されている。
顧客は、先ず、発注証券会社指定部110で発注証券会社を指定し、注文内容指定部120で注文内容を指示し、次に、必要金額表示部135に表示された必要金額(1,510,500円)を参照するとともに、口座残高表示部154に表示された各口座の残高を参照し、買付に必要な金額を、自己のいずれの口座から引き落とすのか、各口座の負担割合をどうするのかを決めた後、引落金額入力指定部155に各口座毎に引落金額を入力するとともに、優先順位設定部156で各口座毎に優先順位を設定する。図示の例では、仲介業者である銀行(当行)の蒲田支店の普通預金の口座に、1,000,000円(優先順位1)、大森支店の普通預金の口座に、300,000円(優先順位2)、X証券のMRFの口座に、210,500円(優先順位3)を入力し、合計1,510,500円となるようにしている。なお、入力指定した各口座の引落金額の合計額が、必要金額表示部135に表示された必要金額と一致しない場合には、不一致を告知する表示を出したり、引落金額を示す数字や引落金額入力指定部155を赤色表示等にする等の警告表示を行う構成とすることが好ましい。また、図示の例では、発注証券会社指定部110でX証券が指定されているので、Y証券のMRFの口座からの引き落しは、「不可」となっている。
本実施形態では、一例として、優先順位設定部156で設定した優先順位の高い口座について指定した金額を極力維持するという取り決めに基づき、出金処理が行われる。図示の例では、指値注文が選択されているが、成行注文を選択したものと仮定し、約定した取引の買付代金が、試算額の1,500,000円を超えてしまったものとする。例えば、値幅制限の基準値となる前日の終値が300円であるものとすると、上下80円の制限値幅となるので、当日の株価の範囲は、220円〜380円が上下の限度となる。ここで、最大の単価380円で5,000株が約定したものとすると、1,900,000円が買付代金の確定額となる。そして、これに対応する委託手数料は、2,000円増額して12,000円となり、消費税は、600円となるので、買付に必要な金額は、合計で1,912,600円となる。このとき、オーバーしてしまった分の402,100円については、先ず、優先順位の最も低いX証券のMRFの口座で調整する。図示の例では、X証券のMRFの口座の残高は、2,000,000円であり、当初指定額の210,500円およびオーバー分の402,100円の合計額612,600円を引き落とすことができるので、オーバー分の調整は、この優先順位の最も低いX証券のMRFの口座のみで行うことができる。結果として、優先順位1の蒲田支店の普通預金の口座からの引落金額は、1,000,000円で変更なし、優先順位2の大森支店の普通預金の口座からの引落金額は、300,000円で変更なし、優先順位3のX証券のMRFの口座からの引落金額は、変更されて612,600円となる。
一方、約定した取引の買付代金が、試算額の1,500,000円未満になってしまったものとする。例えば、買付代金が値幅制限の下限の1,100,000円、委託手数料6,000円、消費税300円、合計1,106,300円で確定したものとすると、マイナス分の404,200円の調整は、先ず、優先順位3のX証券のMRFの口座で行い、これだけでは調整できないので、次に、優先順位2の大森支店の普通預金の口座で行う。結果として、優先順位1の蒲田支店の普通預金の口座からの引落金額は、1,000,000円で変更なし、優先順位2の大森支店の普通預金の口座からの引落金額は、変更されて106,300円となり、優先順位3のX証券のMRFの口座からの引落金額は、変更されて0円となる。
図6において、売買指示入力画面の一つである売り注文画面200には、仲介業者と契約している証券会社(ここでは、X証券およびY証券の2社とする。)の中から発注証券会社を選択して指定する発注証券会社指定部210と、注文内容指定部220と、試算額表示部230と、証券残高表示部240と、売付代金等の入金口座に関する情報の表示・入力を行う入金口座情報表示・入力部250と、「発注」ボタン260とが設けられている。
発注証券会社指定部210は、複数(本実施形態では、2社とする。)の発注証券会社を一画面で指定するための第1の発注証券会社指定部211と、第2の発注証券会社指定部212とを備えている。ここでは、第1、第2の発注証券会社指定部211,212でX証券、Y証券をそれぞれ指定するものとする。
注文内容指定部220は、銘柄コード入力部221と、銘柄名入力部222と、市場選択部223と、第1の発注証券会社指定部211で指定した証券会社に発注する売買数量を指定する第1の売買数量指定部224と、第1の発注証券会社指定部211で指定した証券会社を表示する第1の発注証券会社表示部224Aと、第2の発注証券会社指定部212で指定した証券会社に発注する売買数量を指定する第2の売買数量指定部225と、第2の発注証券会社指定部212で指定した証券会社を表示する第2の発注証券会社表示部225Aと、成行注文選択部226と、指値注文選択部227と、指値注文を選択した場合の指値を入力する指値入力部228とを備えている。
試算額表示部230は、注文内容指定部220で指定された注文に係る銘柄についての価格(単価)を表示する価格表示部231と、試算された売付代金を表示する売付代金表示部232と、試算された売付代金に応じた委託手数料を表示する委託手数料表示部233と、委託手数料にかかる消費税を表示する消費税表示部234と、売付代金から委託手数料および消費税を差し引いた受取金額を表示する受取金額表示部235とを備えている。
価格表示部231に表示される価格は、成行注文を選択した場合には、直近値、すなわち時価情報取得手段34により取得した時価であり、指値注文を選択した場合には、指値入力部228で入力した指値となる。例えば、図示の例では、指値入力部228で指値が600円と入力されているので、価格表示部231には、600円と表示されている。
売付代金表示部232に表示される売付代金は、第1の売買数量指定部224で指定された売買数量(売付株数)(例えば、2,000株)および第2の売買数量指定部225で指定された売買数量(売付株数)(例えば、1,000株)の合計数量(例えば、3,000株)と、価格表示部231に表示された価格(例えば、600円)とを乗じて算出された金額(例えば、1,800,000円)である。この売付代金は、顧客端末装置10で算出することができるが、通信を行って仲介業者サーバ30で算出してもよい。
委託手数料表示部233および消費税表示部234は、図5の買い注文画面100の場合と同様である。なお、X証券およびY証券への委託手数料は、同じ設定とされている。
受取金額表示部235に表示される受取金額は、売付代金(例えば、1,800,000円)から、委託手数料(例えば、12,000円)および消費税(例えば、600円)を減算して算出される。この受取金額(1,787,400円)も、顧客端末装置10で算出することができるが、通信を行って仲介業者サーバ30で算出してもよい。
なお、本実施形態では、試算額表示部230には、特定口座で源泉徴収ありを選択した場合の源泉徴収分を差し引いた受取金額の表示がなされていないが、源泉徴収額表示部を設け、受取金額表示部235に源泉徴収分を差し引いた受取金額を表示する構成としてもよい。
証券残高表示部240には、仲介業者と契約している証券会社(X証券およびY証券)の管理下で顧客が保有する株式の保有情報(銘柄コード、銘柄名、株数、買付日、買付単価)が各証券会社の各株式毎に表示される。顧客は、ここに表示される株式を売却することができる。
入金口座情報表示・入力部250は、入金口座として仲介業者(ここでは、銀行)の口座を選択する仲介業者口座選択部251と、入金口座として証券会社の口座を選択する証券会社口座選択部252と、顧客が開設している各口座の支店表示部253と、支店コード表示部254と、口座番号表示部255と、各口座の残高を各口座毎に個別に表示する口座残高表示部256と、売付代金等の決済処理用の口座の選択を行うとともに選択した各口座で受け取る金額を各口座毎に個別に入力指定する受取金額入力指定部257と、各口座への入金処理を行う際の優先順位を各口座毎に個別に設定する優先順位設定部258とを備えている。図6の例では、図5の場合と同様に、仲介業者である銀行(当行)に開設された2つの支店の普通預金の口座と、X証券に開設された証券総合口座であるMRFの口座と、Y証券に開設された証券総合口座であるMRFの口座とが表示されている。
顧客は、先ず、証券残高表示部240で自己の証券保有情報を参照し、いずれの銘柄の株式をいずれの証券会社に発注し、どれ位の数量売却できるのかを把握した後、発注証券会社指定部210で発注証券会社を指定し、注文内容指定部220で注文内容を指示する。次に、受取金額表示部235に表示された受取金額(1,787,400円)を参照するとともに、口座残高表示部256に表示された各口座の残高を参照し、売却で得た資金を、自己のいずれの口座で受け取るのか、各口座への配分割合をどうするのかを決めた後、仲介業者口座選択部251または証券会社口座選択部252で、入金口座として仲介業者または証券会社の口座を選択する。図6の例では、仲介業者口座選択部251で仲介業者である銀行の口座を選択するものとする。すると、受取金額入力指定部257において、X証券およびY証券のMRFの口座には、「不可」の表示が出てこれらの口座を選択することができなくなるので、顧客は、仲介業者である銀行(当行)に開設された2つの支店の普通預金の口座に、受取金額表示部235に表示された受取金額(1,787,400円)を割り振り、各口座での受取金額を入力指定する。勿論、いずれか一方の支店の口座で受け取る指定を行うこともできる。なお、2つの支店の普通預金の口座には、受取金額表示部235に表示された受取金額(1,787,400円)を例えば均等(ここでは、2等分)に割り振った金額がデフォルト表示される構成としてもよい。また、顧客は、2つの支店の普通預金の口座について、優先順位設定部258で優先順位の設定を行う。
図6の例では、仲介業者である銀行(当行)の蒲田支店の普通預金の口座に、1,000,000円(優先順位1)、大森支店の普通預金の口座に、787,400円(優先順位2)を入力し、合計1,787,400円となるようにしている。なお、入力指定した各口座の受取金額の合計額が、受取金額表示部235に表示された受取金額と一致しない場合には、不一致を告知する表示を出したり、受取金額を示す数字や受取金額入力指定部257を赤色表示等にする等の警告表示を行う構成とすることが好ましい。
優先順位については、図5の買い注文画面100の場合と同様であり、本実施形態では、一例として、優先順位設定部258で設定した優先順位の高い口座について指定した金額を極力維持するという取り決めに基づき、入金処理が行われる。従って、実際の受取金額が、受取金額表示部235に表示された受取金額の試算額(1,787,400円)よりも多い場合には、先ず、優先順位の低い方の大森支店の普通預金の口座での受取金額を増やす調整を行い、一方、実際の受取金額が、受取金額表示部235に表示された受取金額の試算額(1,787,400円)よりも少ない場合には、先ず、優先順位の低い方の大森支店の普通預金の口座での受取金額を減らす調整を行う。
図7には、売り注文画面200において、証券会社口座選択部252で、入金口座として証券会社の口座を選択した場合の例が示されている。従って、受取金額入力指定部257において、仲介業者である銀行(当行)に開設された2つの支店の普通預金の口座には、「不可」の表示が出てこれらの口座を選択することができなくなっている。図7の例では、X証券で保管・管理している有価証券の売却分(ここでは、A社株3,000株のうちの2,000株)については、その売付代金は、X証券のMRFの口座に入金され、一方、Y証券で保管・管理している有価証券の売却分(ここでは、A社株2,000株のうちの1,000株)については、その売付代金は、Y証券のMRFの口座に入金される取り決めとなっているので、受取金額表示部235に表示された受取金額の試算額(1,787,400円)の各口座への配分割合は、自動的に定まるため、受取金額入力指定部257には、自動計算された各口座での受取金額が表示される。図7の例では、X証券での売却株数:Y証券での売却株数=2,000株:1,000株であるため、この割合で受取金額の試算額(1,787,400円)が配分され、X証券のMRFの口座には、1,787,400円×(2,000株/3,000株)=1,191,600円と表示され、Y証券のMRFの口座には、1,787,400円×(1,000株/3,000株)=595,800円と表示されている。但し、このような各社合計の試算額に対する比例配分計算ができるのは、X証券およびY証券の委託手数料体系が同じ場合である。一方、委託手数料体系が異なる場合には、個々の証券会社毎に売付代金、委託手数料、消費税、受取金額の試算額を算出する必要があるうえ、結局、各証券会社へ別々に発注したのと同じことになるので、各証券会社に支払う委託手数料の合計額は、上記のように一括発注としてその合計の売付代金で委託手数料を定めて比例配分する場合に比べ、高額になることもあり得る。また、このような配分計算は、顧客端末装置10で行うことができるが、通信を行って仲介業者サーバ30で配分計算をしてもよい。なお、特定口座で源泉徴収ありを選択した場合に、受取金額表示部235の表示と合わせ、受取金額入力指定部257の表示も、源泉徴収後の金額表示としてもよい。
そして、最後に、図5の買い注文画面100や図6、図7の売り注文画面200での入力指定や設定を全て完了した状態で、「発注」ボタン160,260を押すと、顧客端末装置10からネットワーク2を介して売買指示情報(図8参照:但し、仲介業者用顧客識別情報および本人認証情報は、別の売買指示入力画面を用いて既に送信されているため除かれる。)が仲介業者サーバ30に送信される(図2のステップS6)。
続いて、仲介業者サーバ30では、売買指示情報受信手段35により売買指示情報を受信すると、残高チェック処理手段36により、受信した売買指示情報および口座残高データ取得手段32により取得した顧客の口座の残高データに基づき、顧客の口座の残高チェックを行う(ステップS7)。この際、残高チェック処理手段36は、基準値記憶手段50に記憶された基準値を用いて図示されない値幅制限テーブルを参照して買付代金の変動額の最大値を算出し、算出した最大値に基づき、顧客の口座の残高が顧客による買い注文に応じることができる許容額以上か否かを判断する。図5の例では、指値注文が選択されていたが、成行注文を選択したものと仮定すると、前述したように、値幅制限を考慮した買付代金の変動額の最大値は、1,912,600円となるので、本実施形態では、即時決済取引の場合には、この買付代金の変動額の最大値の1,912,600円と同じ金額を許容額とし、いわゆる4日目取引の場合には、この買付代金の変動額の最大値の1,912,600円に対する一定割合の額(例えば、半分の額)を許容額とし、顧客の口座の残高が、この許容額以上か否かを判断する。そして、判断した結果、許容額を満たしていない場合には、顧客端末装置10の画面上にその旨が表示され、顧客により注文内容の見直しが行われる。
それから、仲介業者サーバ30では、残高チェック処理手段36により良好なチェック結果が出た注文について、売買取次情報送信手段37により、注文識別情報(注文コード等)を生成付与し、顧客による売買指示情報に基づき売買取次情報を作成し(図8参照)、作成した売買取次情報をネットワーク2を介して証券会社サーバ20に送信する(ステップS8)。
証券会社サーバ20では、売買取次情報を受信すると、売買処理手段21の売買処理実行部21Aにより、売買取次情報に基づき顧客の注文を執行し、売買処理を実行する(ステップS9)。また、取引の約定後に、売買処理手段21の確定金額算出部21Bにより、確定した売付代金または買付代金から、委託手数料、消費税、仲介手数料を算出し、さらに、顧客により決済処理用の口座として複数の口座が選択されている場合には、各口座について顧客により入力指定された受取金額または引落金額と、それらの各口座について顧客により設定された優先順位とに従って、各口座の入出金額を確定させる。なお、顧客が発注証券会社を複数社指定している場合には、証券会社サーバ20の確定金額算出部21Bと仲介業者サーバ30の確定金額算出処理手段41との間でのデータ通信を行うことにより、各種の確定金額を算出する。
図3には、即時決済取引の場合におけるその後の処理が示され、図4には、普通取引(いわゆる4日目取引)の場合におけるその後の処理が示されている。
図3において、証券会社サーバ20では、仲介業者口座入出金処理手段23により、売買処理手段21による売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金、またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報(委託手数料および消費税、並びに仲介手数料)に基づき、仲介業者口座識別情報をキーとして仲介業者口座データベース27を検索して該当する仲介業者の口座のデータを抽出し、変更することにより、仲介業者口座データベース27に対して入出金処理を行う(ステップS10)。但し、このステップ10の処理は、本実施形態では、説明の便宜上、証券会社Xの証券会社サーバ20では行われるが、証券会社YについてはステップS13の処理が行われるため、証券会社Yの証券会社サーバ20ではステップ10の処理は行われないものとする。この際、証券会社Xの証券会社サーバ20の仲介業者口座入出金処理手段23は、売り注文の場合には、売付代金の入金処理(仲介業者が預かる形になり、図6の例では、1,800,000円×(2,000株/3,000株)=1,200,000円となる。)、顧客が証券会社Xに支払う委託手数料および消費税の出金処理(仲介業者が立て替える形になり、図6の例では、(12,000円+600円)×(2,000株/3,000株)=8,400円となる。)、並びに証券会社Xが仲介業者に支払う仲介手数料の入金処理(仲介業者の取り分を委託手数料および消費税の例えば2割の額とすれば、図6の例では、8,400円×0.2=1,680円となる。)を行う。従って、仲介業者は、顧客の受取金額をトータルで、1,200,000円−8,400円=1,191,600円だけ一時的に預かることになり、この分が後述するステップS14の処理で、仲介業者に開設された顧客の口座に入金される。
一方、証券会社Xの証券会社サーバ20の仲介業者口座入出金処理手段23は、買い注文の場合には、買付代金の出金処理(仲介業者が立て替える形になり、図5の例では、1,500,000円となる。)、顧客が証券会社に支払う委託手数料および消費税の出金処理(仲介業者が立て替える形になり、図5の例では、10,000円+500円=10,500円となる。)、並びに証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料の入金処理(仲介業者の取り分を委託手数料および消費税の例えば2割の額とすれば、図5の例では、10,500円×0.2=2,100円となる。)を行う。従って、仲介業者は、顧客の支払金額をトータルで、1,500,000円+10,500円=1,510,500円だけ一時的に立て替えることになる。このように顧客がX証券のMRFの口座から引き落とすことを指定した分の210,500円まで含めて1,510,500円の全てを一旦仲介業者が立て替える処理を行う場合には、後述するステップS11の処理で、顧客口座入出金補完処理手段22により、顧客口座データベース26におけるX証券のMRFの口座から210,500円を引き落とす出金処理を行ったときに、この引落金額を仲介業者口座データベース27に入金して戻す処理を行う。なお、顧客がX証券のMRFの口座から引き落とすことを指定した分の210,500円を含めずに、顧客が仲介業者(ここでは、銀行)の2つの支店の普通預金の口座から引き落とすことを指定した分の1,000,000円+300,000円=1,300,000円のみについて一旦仲介業者が立て替える処理を行ってもよく、このような処理を行った場合でも、仲介手数料については、2,100円の全額分を仲介業者口座データベース27に入金する。
続いて、証券会社サーバ20では、顧客口座入出金補完処理手段22により、売買処理手段21による売買処理を行って確定した売付代金若しくは買付代金、またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報(委託手数料および消費税)に基づき、顧客口座識別情報をキーとして顧客口座データベース26を検索して該当する顧客の口座のデータを抽出し、変更することにより、顧客口座データベース26に対して入出金処理を行う(ステップS11)。但し、このステップS11の処理は、顧客により、決済処理用の口座として証券会社に開設された口座(本実施形態では、X証券およびY証券のMRFの口座)が選択されている場合のみ行われる。従って、決済処理用の口座として、仲介業者(例えば銀行)の口座のみが選択された場合、あるいは仲介業者(例えば銀行)の口座しか選択できないようになっている場合には、ステップS11の処理は行われない。この際、顧客口座入出金補完処理手段22は、売り注文の場合には、売付代金の入金処理(図7の例では、証券会社Xの証券会社サーバ20の場合には、1,800,000円×(2,000株/3,000株)=1,200,000円となり、証券会社Yの証券会社サーバ20の場合には、1,800,000円×(1,000株/3,000株)=600,000円となる。)、並びに顧客が証券会社に支払う委託手数料および消費税の出金処理(図7の例では、証券会社Xの証券会社サーバ20の場合には、(12,000円+600円)×(2,000株/3,000株)=8,400円となり、証券会社Yの証券会社サーバ20の場合には、(12,000円+600円)×(1,000株/3,000株)=4,200円となる。)を行う。従って、顧客には、トータルで、証券会社Xの証券会社サーバ20から、証券会社Xに開設された顧客のMRFの口座に対し、1,200,000円−8,400円=1,191,600円の入金があり、証券会社Yの証券会社サーバ20から、証券会社Yに開設された顧客のMRFの口座に対し、600,000円−4,200円=595,800円の入金があり、合わせて、1,787,400円の入金があることになる。
一方、買い注文の場合には、買付代金、並びに顧客が証券会社に支払う委託手数料および消費税の出金処理を行う。図5の例では、証券会社Xの証券会社サーバ20の顧客口座入出金補完処理手段22は、証券会社Xに開設された顧客のMRFの口座から、210,500円を引き落とす。
その後、売買結果情報送信手段24により、売買処理手段21により売買処理を行って確定した売付代金または買付代金等の売買結果情報(図8参照)を含む取引明細書を、ネットワーク2を介して仲介業者サーバ30に送信する(ステップS12)。
仲介業者サーバ30では、売買結果情報を含む取引明細書を受信すると、受信した売買結果情報に基づき証券会社口座入出金処理手段40により、売買結果情報(図8参照)に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金、またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報(委託手数料および消費税、並びに仲介手数料)に基づき、証券会社口座識別情報をキーとして証券会社口座データベース52を検索して該当する証券会社の口座のデータを抽出し、変更することにより、証券会社口座データベース52に対して入出金処理を行う(ステップS13)。但し、このステップS13の処理は、本実施形態では、説明の便宜上、証券会社Yについては行うが、証券会社XについてはステップS11の処理が行われているので、ステップS13の処理は行わないものとする。従って、証券会社口座データベース52において、証券会社Yが仲介業者に開設した口座のデータのみが入出金処理で変更されるものとする。この際、仲介業者サーバ30の証券会社口座入出金処理手段40は、売り注文の場合には、顧客が証券会社Yから受け取るべき売付代金の出金処理(証券会社Yが一時的に預った形になっている売付代金であり、図6の例では、1,800,000円×(1,000株/3,000株)=600,000円となる。)、顧客が証券会社Yに支払うべき委託手数料および消費税の入金処理(図6の例では、(12,000円+600円)×(1,000株/3,000株)=4,200円となる。)、並びに証券会社Yが仲介業者に支払う仲介手数料の出金処理(仲介業者の取り分を委託手数料および消費税の例えば2割の額とすれば、図6の例では、4,200円×0.2=840円となる。)を行う。従って、証券会社Yは、顧客の受取金額をトータルで、600,000円−4,200円=595,800円だけ一時的に預かっていたことになり、この分がステップS13の処理で、仲介業者(ここでは、銀行)に開設された証券会社の口座から引き落とされ、仲介業者の勘定に一旦入り、後述するステップS14の処理で、仲介業者の勘定から、仲介業者に開設された顧客の口座に入金される。
一方、仲介業者サーバ30の証券会社口座入出金処理手段40は、買い注文の場合には、顧客が証券会社Yに支払うべき買付代金の入金処理、顧客が証券会社Yに支払うべき委託手数料および消費税の入金処理、並びに証券会社Yが仲介業者に支払う仲介手数料の出金処理を行う。図5の例では、証券会社Yは発注証券会社として指定されていないので、ステップS13の処理は行われない。
それから、仲介業者サーバ30では、顧客口座入出金処理手段39により、売買結果情報(図8参照)に含まれる確定した売付代金若しくは買付代金、またはこれらの金額に応じて算出されたその他の確定金額情報(委託手数料および消費税)に基づき、顧客口座識別情報をキーとして顧客口座データベース51を検索して該当する顧客の口座のデータを抽出し、変更することにより、顧客口座データベース51に対して入出金処理を行う(ステップS14)。この際、仲介業者サーバ30の顧客口座入出金処理手段39は、売り注文の場合には、売付代金の入金処理(図6の例では、1,800,000円となる。)、および顧客が証券会社に支払う委託手数料および消費税の出金処理(図6の例では、12,000円+600円=12,600円となる。)を行う。従って、顧客は、トータルで、1,800,000円−12,600円=1,787,400円を仲介業者(ここでは、銀行)に開設された自己の口座で受け取り、その内訳は、蒲田支店の普通預金の口座で1,000,000円であり、大森支店の普通預金の口座で787,400円である。
一方、仲介業者サーバ30の顧客口座入出金処理手段39は、買い注文の場合には、買付代金の出金処理、および顧客が証券会社に支払う委託手数料および消費税の出金処理を行う。図5の例では、蒲田支店の普通預金の口座から、1,000,000円を引き落とし、大森支店の普通預金の口座から、300,000円を引き落とし、仲介業者に開設された顧客の口座から合計で1,300,000円を引き落とす。従って、前述したステップS11の処理で、証券会社Xの証券会社サーバ20の顧客口座入出金補完処理手段22により、証券会社Xに開設された顧客のMRFの口座から、210,500円を引き落としたことと合わせ、顧客の口座から合計で1,300,000円+210,500円=1,510,500円が引き落とされたことになる。
続いて、仲介業者サーバ30では、今回の取引で得られた仲介手数料を加算し、仲介手数料データベース53のデータを更新する(ステップS15)。そして、仲介手数料データベース53のデータと、証券会社Xの証券会社サーバ20に接続された仲介業者口座データベース27のデータとの照合を適宜行い、仲介業者が証券会社Xから受け取る仲介手数料の入金の有無を確認する。
その後、仲介業者サーバ30からネットワーク2を介して顧客端末装置10に取引明細書が送られ(ステップS16)、顧客端末装置10では、顧客による取引明細書の確認作業が画面上で、あるいは印刷により行われた後(ステップS17)、オンラインでの一連の売買取引が終了する(ステップS18)。
図4において、普通取引(いわゆる4日目取引)の場合には、図2のステップS9の売買処理後に、売買結果情報送信手段24により、図3のステップS12に相当する取引明細書(但し、決済処理前なので、決済情報は含まれていない。)の送信処理を行った後(ステップS21)、仲介業者サーバ30で、買い注文の場合には、口座ホールド処理手段38により、口座ホールド処理を行う(ステップS22)。この際、口座ホールド処理手段38は、本実施形態では、売買結果情報に含まれる約定した取引についての売買単価(図5の例では、指値注文であるため、そのまま指値の300円となる。)と売買数量(図5の例では、5,000株)とを乗じて算出される確定した買付代金(図5の例では、1,500,000円となる。)に、この確定した買付代金に応じた委託手数料および消費税(図5の例では、10,000円+500円=10,500円)を加えた金額(図5の例では、1,510,500円となる。)に対する一定割合の額(例えば、半分の額)を修正許容額としてこの金額相当分についてホールド処理を行う。
その後、仲介業者サーバ30からネットワーク2を介して顧客端末装置10に取引明細書が送られ(ステップS23)、顧客端末装置10では、顧客による取引明細書の確認作業が画面上で、あるいは印刷により行われた後(ステップS24)、一旦、顧客端末装置10と仲介業者サーバ30との接続を切ってオンライン処理を終了させる(ステップS25)。
そして、取引成立日(顧客が注文のためのアクセスをした日)から4営業日目(3日後)になって、証券会社サーバ20では、仲介業者口座入出金処理手段23により、図3のステップS10に相当する仲介業者口座データベース27に対する入出金処理を行い(ステップS26)、さらに、顧客口座入出金補完処理手段22により、図3のステップS11に相当する顧客口座データベース26に対する入出金処理を行った後(ステップS27)、売買結果情報送信手段24により、売買結果情報を含む決済完了通知をネットワーク2を介して仲介業者サーバ30に送信する(ステップS28)。
それから、仲介業者サーバ30では、証券会社口座入出金処理手段40により、図3のステップS13に相当する証券会社口座データベース52に対する入出金処理を行い(ステップS29)、さらに、顧客口座入出金処理手段39により、図3のステップS14に相当する顧客口座データベース51に対する入出金処理を行った後(ステップS30)、図3のステップS15に相当する仲介手数料の加算処理を行う(ステップS31)。
その後、仲介業者サーバ30からネットワーク2を介して顧客端末装置10に決済完了通知が送られ(ステップS32)、顧客端末装置10では、顧客による決済完了通知の確認作業が画面上で、あるいは印刷により行われた後(ステップS33)、一連の売買取引が終了する(ステップS34)。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、顧客が、顧客端末装置10で、売買指示入力画面である買い注文画面100(図5参照)または売り注文画面200(図6、図7参照)を用いて売買注文を行うと、仲介業者サーバ30の取り次ぎを経て、証券会社サーバ20の売買処理手段21により、有価証券の売買処理が実行されるとともに、仲介業者サーバ30の顧客口座入出金処理手段39、および証券会社サーバ20の仲介業者口座入出金処理手段23または仲介業者サーバ30の証券会社口座入出金処理手段40により資金決済処理が行われるので、顧客は、証券会社に対する売買注文の手続と、売買取引に伴う資金移動の手続とを別々に行う必要がなくなるため、これらの手続を別々に行う場合に比べ、顧客の手間を軽減することができ、従来のシステムに比べて利便性に優れ、使い勝手のよいオンライン取引システムを実現することができる。
また、証券会社サーバ20は、顧客口座入出金補完処理手段22を備えているので、仲介業者サーバ30の顧客口座入出金処理手段39により決済処理が行われない分について、決済処理を補完することができる。このため、顧客が有価証券の売買取引の決済処理用の口座として使用することができる口座を、仲介業者に開設しているのみならず、証券会社にも開設している場合には、仲介業者に開設されている顧客の口座と合わせて証券会社に開設されている顧客の口座をも使用して決済処理を行うことができ、システムの利便性の向上を図ることができる。
さらに、仲介業者サーバ30は、口座残高データ取得手段32および残高チェック処理手段36を備えているので、仲介業者は、証券取引の仲介を行うにあたり、顧客がその顧客の行った買い注文に応じた資金を有しているか否かを判断することができるため、仲介業者あるいは証券会社の取引上のリスク軽減を図ることができる。
そして、仲介業者サーバ30の口座残高データ取得手段32は、顧客が買付代金の出金処理を含む決済処理用の口座となり得る複数の口座を開設している場合には、これらの複数の口座の残高データを取得する構成とされ、仲介業者サーバ30の残高チェック処理手段36は、複数の口座の残高を合計して残高チェックを行う構成とされているので、仲介業者にとっては、顧客の実質的な資金余裕度をチェックすることができる。一方、顧客にとっては、仲介業者側で複数の口座に分散した顧客の資金のチェックを行うことができることから、売買取引の決済用の口座として複数の口座を選択することができるので、例えば、一つの口座に保有する資金のみでは必要資金が不足するが複数の口座に保有する資金を合計すれば必要資金が揃うとき、あるいは複数の口座の資金を分散して使用したいとき等に対応することができて便利であり、また、売買取引を行うにあたり、一つの口座に資金を集めるといった作業を行う手間も省くことができる。
また、仲介業者サーバ30の残高チェック処理手段36は、基準値記憶手段50に記憶された値幅制限の基準値を用いて買付代金の変動額の最大値を算出する構成とされているので、顧客の口座の残高チェックを行う際に、安全サイドのチェックを行うことができ、仲介業者あるいは証券会社の取引上のリスクを、より一層軽減することができる。
さらに、仲介業者サーバ30は、口座ホールド処理手段38を備えているので、既に顧客の口座にある必要資金またはその一部について目的外の使用(資金流出)を防ぐことができるため、この点でも、仲介業者あるいは証券会社の取引上のリスクを、より一層軽減することができる。
そして、仲介業者サーバ30は、口座残高データ取得手段32を備え、かつ、仲介業者サーバ30の入力画面送信手段31により送信される買い注文画面100(図5参照)には、口座残高表示部154と引落金額入力指定部155とが設けられているので、顧客に対し、買い注文画面100でその顧客の複数の口座の残高を示し、かつ、これらの各口座からの引落金額の入力指定を受け付けることができる。このため、顧客は、例えば、一つの口座に保有する資金のみでは必要資金が不足するが複数の口座に保有する資金を合計すれば必要資金が揃うとき、あるいは複数の口座の資金を分散して使用したいとき等の各種の事情に基づき、引落口座として複数の口座を選択することができるので、売買取引を行うにあたり、一つの口座に資金を集めるといった顧客の作業の手間を省くことができ、また、売買取引システムとしての利便性の向上を図ることができる。
また、仲介業者サーバ30は、証券残高データ取得手段33を備え、かつ、仲介業者サーバ30の入力画面送信手段31により送信される売り注文画面200(図6、図7参照)には、証券残高表示部240と受取金額入力指定部257とが設けられているので、顧客に対し、その顧客の保有する有価証券についての残高を示し、かつ、その証券の売付代金を受け取る口座をその顧客の複数の口座の中から選択することができる。このため、顧客は、自己の保有する有価証券の残高情報を売り注文画面200を参照して把握し、その証券についての売り注文を行うことができるので、顧客が自己の保有する有価証券の残高を確認する際の手間を軽減することができるうえ、顧客は、売り注文画面200の画面上で売付代金の振込先の口座を自在に選択することができ、かつ、各口座で受け取る金額も自在に指定することができるので、売買取引システムとしての利便性の向上を図ることができる。
さらに、仲介業者サーバ30の入力画面送信手段31により送信される買い注文画面100(図5参照)および売り注文画面200(図6、図7参照)には、優先順位設定部156,258が設けられているので、顧客が決済処理用の口座として選択した各口座について入力指定した金額の合計額と、実際に売買処理を行って確定した入出金の金額とが一致しないときであっても、極力、顧客の意向に沿った形での入出金処理を行うことができる。
そして、仲介業者サーバ30は、時価情報取得手段34を備え、かつ、仲介業者サーバ30の入力画面送信手段31により送信される買い注文画面100(図5参照)および売り注文画面200(図6、図7参照)には、注文内容入力部120,220と試算額表示部130,230とが設けられているので、顧客は、自ら決済金額を算出する必要がなくなるため、顧客の手間を軽減することができるうえ、買付代金の引落口座や売付代金の受取口座として複数の口座を選択し、各口座に対する入出金の金額を各口座毎に個別に入力指定する際には、買い注文画面100や売り注文画面200の画面上に表示された試算額を参照しながら、各口座への金額の割り振りを決めることができ、顧客にとってのシステムの使い勝手を向上させることができる。
また、証券会社サーバ20の仲介業者口座入出金処理手段23や仲介業者サーバ30の証券会社口座入出金処理手段40により行われる決済処理には、証券会社が仲介業者に支払う仲介手数料の支払処理も含まれるので、証券取引の仲介に伴う一連の決済処理を円滑に実行することができる。
さらに、仲介業者サーバ30の顧客口座入出金処理手段39や証券会社サーバ20の顧客口座入出金補完処理手段22により行われる決済処理には、売買注文の委託手数料の支払処理および売買取引に伴う税金の支払処理が含まれるので、証券取引に伴う一連の決済処理を円滑に実行することができる。
そして、仲介業者サーバ30には、仲介手数料データベース53が接続されているので、証券会社による仲介手数料の支払の有無を確認することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
すなわち、前記実施形態では、有価証券売買取引システム1は、図5〜図7に示すように、株式の売買を行うシステムとされていたが、本発明の有価証券売買取引システムによる取引対象となる有価証券は、株式に限らず、例えば、公社債等でもよく、さらには、株式投信信託や公社債投信信託等のような有価証券に基づく各種のファンドや金融商品が含まれる。
また、前記実施形態では、図5に示すように、買い注文を行う場合、買い注文画面100において証券会社を1社だけ指定できるようになっており、別の証券会社に発注したいときには、別途、買い注文を行う構成とされていたが、一つの買い注文画面で、複数の証券会社への発注を同時に行うことができる構成としてもよい。