JP5339679B2 - 高融点化合物の除去方法及び設備、溶媒回収方法及び設備、溶液製膜方法及び設備 - Google Patents
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Description
本実施形態においては、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90重量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
また、ポリマーはセルロースアシレートに限定されるものではない。
0.30以上、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「6位のアシル置換度」とも言う)である。
ドープを調製する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本明細書において、ドープとはポリマーを溶媒に溶解または分散して得られるポリマー溶液,分散液を意味している。
さらに、剥離時の荷重を小さくするために剥離剤をドープに添加することが好ましい。それらは、界面活性剤が有効でありリン酸系、スルフォン酸系、カルボン酸系、ノニオン系、カチオン系など特に限定されない。これらは、例えば特開昭61−243837号、特開2000−99847などに記載されている。
前記可塑剤が、リン酸エステル、カルボン酸エステルであることが好ましい。また、前記可塑剤が、トリフェニルフォスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)、ジエチルヘキシルフタレート(DEHP)、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)、O−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートから選ばれたものであることがより好ましい。さらに、前記可塑剤が、(ジ)ペンタエリスリトールエステル類、グリセロールエステル類、ジグリセロールエステル類であることが好ましい。
セルロースアシレートフイルムに好ましく使用される紫外線吸収剤について説明する。セルロースアシレートフイルムは、その高い寸法安定性から、偏光板または液晶表示用部材等に使用されるが、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。
本実施形態において、作製されたセルロースアシレートフイルムがハンドリングされる際に、傷が付いたり搬送性が悪化したりすることを防止するために、微粒子を添加することが一般に行われる。それらは、マット剤、ブロッキング防止剤あるいはキシミ防止剤と称されて、従来から利用されている。それらは、前述の機能を呈する素材であれば特に限定されないが、これらのマット剤の好ましい具体例は、無機化合物としては、ケイ素を含む化合物、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロングチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースアシレートフイルムの濁度を低減できるので、二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名で市販されているものが使用できる。
セルロースエステルフイルムのレターデーションを低下させるためのレターデーション低下剤として、融点が低いものであることが好ましい。融点が高いと、乾燥室において溶媒と共に蒸発した気体を冷却し、この冷却により析出する析出物の除去が困難になるためである。
本発明に係る添加剤除去設備に併設されるフイルム製造設備10を図1に示し、フイルム製造設備10並びにフイルムの製造方法の概要について説明する。
図1において、バンドゾーン11には、ローラ20、21に掛け渡された流延バンド22が設けられており、この流延バンド22は、図示しない駆動装置により回転する。流延バンド22の上には、流延ダイ23が設けられている。ドープ13は、仕込みタンク14からポンプ15により送液され、フィルタ16で不純物が除去された後に流延ダイ23に送られる。流延ダイ23は、ドープ13を流延バンド22上に流延する。ドープ13は流延バンド22で搬送されながら徐々に乾燥し、剥ぎ取りローラ24によって流延バンド22から剥ぎ取られフイルム25が形成される。さらに、フイルム25は、テンタ26により所定の幅に引き伸ばされ、搬送されながら乾燥される。
テンタ26から乾燥ゾーン12に送られたフイルム25は、乾燥ゾーン12内で、複数のローラ27に巻き掛けられる。このフイルム25には所定の乾燥処理が施される。乾燥処理後のフイルム25は、巻き取り機28に巻き取られる。
乾燥処理前空気300の成分としては、特に限定されるものではなく、通常の空気であればよい。乾燥処理前空気300の温度は、特に限定されるものではないが、フイルム25を均一に乾燥するためには、50℃〜160℃の範囲であることが好ましい。そして、乾燥ゾーン12内での乾燥処理を効率よく行うため、乾燥処理によりフイルム25から除去される溶媒の濃度が1000ppm以下の乾燥処理前空気300を用いることが好ましい。
溶媒回収ライン48は、レターデーション低下剤除去ライン(以下、低下剤除去ラインと称する)51と、送風器52と、冷却器53と、前処理活性炭54と、除湿器55と、送風器56と、吸着層57〜59と、温度調節器60と、送風器62と、加熱器63とを備える。
低下剤除去ライン51は、配管64(図3)を介して、乾燥ゾーン12と接続する。送風器32(図3)によって乾燥ゾーン12から送り出された乾燥処理後空気301は、低下剤除去ライン51へ送られる。低下剤除去ライン51では、乾燥処理後空気301からレターデーション低下剤を取り除き、第1除去空気311を生成する。なお、低下剤除去ライン51の詳細は後述する。
送風器52は、低下剤除去ライン51と、冷却器53とにそれぞれ配管を介して接続する。送風器52は、第1除去空気311をレターデーション低下剤除去ライン51から冷却器53に送る。
図2(A)のように、冷却器53には、第1除去空気311が通過するガス経路70が備えられ、ガス経路70には、所定の温度に保持される水(以下、冷水と称する)71を通す冷水配管72が取り付けられている。なお、図では冷水配管72は、1本のみを図示したが冷却効率の点からは、多数の冷水配管72が取り付けられていることが好ましい。なお、冷水71は、冷凍器(図示しない)で冷却され、約7℃の温度になる。第1除去空気311は、冷水配管72により温度が下がり、蒸発していた低融点添加剤等が液化し、冷却器53のガス経路70、冷水配管72の表面に付着する。この処理を冷却処理と称する。この冷却処理により、第1除去空気311から、添加剤の液化物と第2除去空気312とが生成する。なお、冷水71は、冷水配管72を通った後に、冷水戻り73となって冷凍器に送られ、再度冷凍器によって冷水として再生される。
図3のように、低下剤除去ライン51は、熱交換器100と、空気供給ライン101と、洗浄液供給ライン102とを備える。
次に、図3と図4を用いて、熱交換器100について説明する。熱交換器100は、断熱性を有する材料で箱状に形成される。熱交換器100は、第1通過室111と第2通過室112とを備える。断熱性を有する材料で形成される仕切板113は、第1通過室111と第2通過室112との境界に配される。この仕切板113は、第1通過室111と第2通過室112との間における気体の行き来を遮断する。また、熱交換器100は、略円盤状に形成される熱交換素子114を備える。熱交換素子114は、その一部が第1通過室111内に、残りが第2通過室112内に位置するように設けられる。熱交換素子114の中心には、駆動軸115が接続する。駆動軸115にはモータ116が接続する。モータ116により、熱交換素子114は、駆動軸115を中心にして所定の速度(1rpm以上10rpm以下)で回転する。モータ116による回転に伴い、熱交換素子114は第1通過室111と第2通過室112との略境界上を中心に回転する。
第1通過室111は、配管64、空気供給ライン101及び配管120を介して、乾燥ゾーン12と接続する。第1通過室111と送風器52(図1)とは、配管121により接続する。送風器52は、配管121を介して、第1通過室111で生成した第1除去空気311を冷却器53に供給する。なお、第1通過室111には、第1通過室111で生成する洗浄廃液320を排出するための廃液配管122が設けられる。この廃液配管122は、後述する洗浄液供給ライン102に接続する。
また、第2通過室112と送風器62(図1)とは、配管123で接続される。第2通過室112と乾燥ゾーン12とは、配管124を介して接続する。そして、配管124には加熱器63が設けられる。
熱交換素子114は、多数の通気孔を有する。この通気孔は、ハニカム構造状を構成するように、熱交換素子114に形成される。この通気孔は、配管120からの乾燥処理後空気301、後述する温調空気や後述する洗浄液を通過させる。そして、乾燥処理後空気301が通気孔を通過する際には、熱交換素子114により乾燥処理後空気301から熱が吸収され、後述する温調空気が通気孔を通過する際には、熱交換素子114により温調空気に熱が与えられる。なお、熱交換素子114の詳細については、特開2004−294052号公報に詳しく記載される。
図3のように、空気供給ライン101は、添加剤溶液タンク130と加熱器131と混合装置132と混合割合制御手段133とを備える。添加剤溶液タンク130の下流側には、加熱器131と混合装置132とが順次配される。また、混合装置132は、前述した配管64と配管120とに接続するように設けられる。添加剤溶液タンク130と加熱器131とは、配管により接続され、この配管にはポンプやバルブが配される。また、加熱器131と混合装置132とは、配管により接続され、この配管にはポンプ135やバルブが配される。
添加剤溶液タンク130には、溶媒に低融点の添加剤(以下、低融点添加剤と称する)が溶解した液(以下、添加剤溶液と称する。)400が貯留する。添加剤溶液タンク130には、温調器130aが備え付けられている。温調器130aは、添加剤溶液タンク130に貯留する添加剤溶液400の温度を所望の範囲(50℃以上70℃以下)に保持する。溶媒回収処理の簡易化を考慮すると、添加剤溶液400に用いる溶媒として、フイルム製造設備10で用いられる溶媒と同一のものを用いることが好ましい。
添加剤溶液400に含まれる低融点添加剤として、融点が後述する洗浄液321の沸点よりも低く、後述する混合空気402における混合割合Mの変化により、混合空気402におけるレターデーション低下剤の融点MP1を低下させ得る化合物を用いることができる。また、洗浄液321の沸点との差が10℃以上であることがより好ましい。更に、溶媒回収処理の簡易化を考慮すると、この低融点添加剤として、フイルム製造設備10で用いられる添加剤、特に、乾燥処理後空気301に含まれている添加剤を用いることが好ましい。
加熱器131は、混合割合制御手段133と接続する。混合割合制御手段133の制御の下、加熱器131は、添加剤溶液タンク130から送られてくる添加剤溶液400を所望の温度(50℃以上80℃以下)に加熱する。この加熱により添加剤溶液400から、溶媒や低融点添加剤を蒸発させて、添加剤含有空気401を生成する。ポンプ135は、混合割合制御手段133と接続する。混合割合制御手段133の制御の下、ポンプ135は、加熱器131で生成した添加剤含有空気401を混合装置132へ送る。こうして、混合割合制御手段133は、加熱器131とポンプ135を用いて、所定の蒸気圧に調整した添加剤含有空気401を混合装置132へ送ることができる。
混合装置132は、乾燥ゾーン12からの乾燥処理後空気301と加熱器131からの添加剤含有空気401とを滞留させる。混合装置132には、プロペラ137が備えられる。このプロペラ137は、図示しないモータと接続される。このモータにより、プロペラ137は、所定の速度で回転する。このプロペラ137の回転により、混合装置132内で乾燥処理後空気301と添加剤含有空気401とが攪拌混合され、混合空気402が生成する。プロペラ137の回転速度や、プロペラ137に設けられる羽の形状などは、乾燥処理後空気301と添加剤含有空気401とが十分に混合するように攪拌できるものが好ましい。
混合装置132は、濃度センサ132aを備える。濃度センサ132aは、混合装置132内における、低融点添加剤及びレターデーション低下剤の濃度を検出する。この濃度センサとして、ガスクロマトグラフィや液体クロマトグラフィなどを用いることができる。
混合割合制御手段133は、濃度センサ132aから混合空気402における低融点添加剤の含有量の混合割合Mを検出し、加熱器131やポンプ135等を操作して、混合割合Mを所望の範囲に保持する。この混合割合Mは、30重量%以上50重量%以下であることが好ましい。混合割合Mが30重量%以下である場合には、レターデーション低下剤の融点が100℃以上となり温水洗浄ができない。また、混合割合Mが50重量%を超える場合には、溶媒回収ライン48から乾燥ゾーン12へ供給される乾燥処理前空気300に低融点添加剤が残留し、この残留する低融点添加剤により後乾燥工程が汚染されるため好ましくない。なお、この混合割合Mは、混合空気402に含まれるレターデーション低下剤及び低融点添加剤の重量をx、yとするときに、y/(x+y)で与えられる割合である。具体的には、濃度センサ132aから読み取った検出値から、加熱器131やポンプ135を操作し、添加剤含有空気401の蒸気圧を調節する方法により混合割合Mを所望の値にすることができる。
洗浄液供給ライン102は、洗浄液タンク150と配管151と沈降装置152とを備える。洗浄液タンク150は、洗浄液321を貯留する。そして、洗浄液タンク150には、温調器150aを備える。温調器150aは、洗浄液タンク150に貯留する洗浄液321の温度を所定の範囲(洗浄液の融点より大きく洗浄液の沸点未満)に保持する。なお、洗浄液321の温度を、混合空気402に含まれる溶媒の融点より10℃以上混合空気402における融点MP1より30℃以下の範囲に保持することにより、第1通過室111において、レターデーション低下剤やその他の添加剤と溶媒とを個別に凝縮回収できるため好ましい。
洗浄液321としては、第1通過室111での混合空気402の冷却によって析出する析出物を溶解できる程度のものであれば良く、具体的には、水を用いることが好ましい。
配管151は、洗浄液タンク150と第1通過室111とを接続する。この配管151にはポンプ151bやバルブが設けられる。配管151の第1通過室111側の先端には、流出口151aが設けられる。ポンプ151bやバルブの操作により、洗浄液タンク150に貯留する洗浄液321は、流出口151aから所定の流量で流出する。図示しない制御部と接続するスイング部153(図4)は配管151と接続し、制御部の制御の下、配管151の流出口151aを移動自在にし、第1通過室111の所望の位置に流出口151aを配することができる。なお、この配管151として、ジャケット付き配管を用いて、配管151を通過する洗浄液321の温度を所定の範囲(洗浄液の融点より高く洗浄液の沸点未満)に保持することが好ましい。
沈降装置152は、第1通過室111に設けられる廃液配管122と接続する。沈降装置152は、第1通過室111からの洗浄廃液320を貯留する。沈降装置152は、廃棄タンク155と接続する。沈降装置152に貯留する洗浄廃液320には比重分離処理が施される。そして、この比重分離処理により洗浄廃液320中で沈降した沈降物323は、沈降装置152の排出口152aから廃棄タンク155に排出される。この沈降物323には、レターデーション低下剤が含まれる。沈降物323におけるレターデーション低下剤の純度の向上のため、この沈降物323に複数回の比重分離処理などやその他の濃縮処理を行ってもよい。このようにして得られるレターデーション低下剤は、ドープ調整用のレターデーション低下剤として再利用することができる。
次に、乾燥処理後空気301からレターデーション低下剤を除去する低下剤除去処理について説明する。図1のように、仕込みタンク14中で、ポリマーと溶媒とを混合し、ポリマーが溶媒へ溶解したポリマー溶液をつくる。その後、ポリマー溶液に可塑剤及び紫外線吸収剤などの添加剤やレターデーション低下剤を添加して、ドープ13を調製する。フイルム製造設備10にて、このドープ13を用いて溶液製膜方法を行い、フイルム25を製造する。乾燥ゾーン12では、フイルム25に乾燥処理前空気300をあてて、フイルム25に乾燥処理を施す。この乾燥処理によって生成する乾燥処理後空気301は、送風器32により、混合装置132へ送られる。また、50℃以上70℃以下の範囲の温度の保持された添加剤溶液400が、加熱器131やポンプ135を介して、添加剤溶液タンク130から混合装置132へ送られる。
(1)バンドゾーン11や乾燥ゾーン12で溶媒とともに蒸発する物質。
(2)乾燥処理後空気301の冷却により析出する物質の融点が高温(90℃以上)である物質。
(3)低融点化合物との混合により融点が下がる物質。
セルローストリアセテート(置換度2.94、粘度平均重合度305、含水率0.5重量%、ジクロロメタン溶液中6重量%の粘度 350mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.3mmである粉体) 100重量部
ジクロロメタン(第1溶媒) 390重量部
メタノール(第2溶媒) 60重量部
レターデーション低下剤(n−フェニル−p−トルエンスルホアミド)(化合物A)
12重量部
波長分散調整剤(2−ハイドロキシ−4オクトキシ−ベンゾフェノン) 0.8重量部
クエン酸エステル混合物(クエン酸、モノエチルエステル、ジエチルエステル、トリエチ
ルエステル混合物) 0.006重量部
微粒子(二酸化ケイ素(平均粒径15nm)、モース硬度 約7) 0.05重量部
なお、ここで使用したセルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1重量%以下であり、Ca含有率が58ppm、Mg含有率が42ppm、Fe含有率が0.5ppmであり、遊離酢酸40ppm、さらに硫酸イオンを15ppm含むものであった。また6位水酸基の水素に対するアセチル基の置換度は0.91であった。また、全アセチル基中の32.5%が6位の水酸基の水素が置換されたアセチル基であった。また、このTACをアセトンで抽出したアセトン抽出分は8重量%であり、その重量平均分子量/数平均分子量比は2.5であった。また、得られたTACのイエローインデックスは1.7であり、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であり、Tg(ガラス転移温度;DSCにより測定)は160℃、結晶化発熱量は6.4J/gであった。このTACは、綿から採取したセルロースを原料として合成されたものである。以下の説明において、これを綿原料TACと称する。
攪拌羽根を有する4000Lのステンレス製溶解タンクで前記複数の溶媒を混合してよく攪拌し、混合溶媒とした。なお、溶媒の各原料としては、すべてその含水率が0.5重量%以下のものを使用した。次に、TACのフレーク状粉体をホッパから徐々に添加した。TAC粉末は、溶解タンクに投入されて、最初は5m/秒の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌機及び中心軸にアンカー翼を有する攪拌機を周速1m/秒で攪拌する条件下で30分間分散した。分散開始時の温度は25℃であり、最終到達温度は48℃となった。さらに、全体が2000kgとなるように添加剤タンク送液量を調整しながら、予め調製された添加剤溶液を添加剤タンクに送液した。添加剤溶液の分散を終了した後に、高速攪拌は停止した。そして、アンカー翼の周速を0.5m/秒としてさらに100分間攪拌し、TACフレークを膨潤させて膨潤液を得た。膨潤終了までは窒素ガスにより溶解タンク内を0.12MPaになるように加圧した。この際の溶解タンクの内部は、酸素濃度が2vol%未満であり防爆上で問題のない状態を保った。また膨潤液中の水分量は0.3重量%であった。
膨潤液を溶解タンクからジャケット付配管に送液した。ジャケット付き配管で膨潤液を50℃まで加熱して、更に2MPaの加圧下で90℃まで加熱し、完全溶解した。このときの加熱時間は15分であった。次に溶解された液を温調器で36℃まで温度を下げ、公称孔径8μmの濾材を有する濾過装置を通過させドープ(以下、濃縮前ドープと称する)を得た。この際、濾過装置における1次側圧力は1.5MPa、2次側圧力を1.2MPaとした。高温にさらされるフィルタ、ハウジング及び配管はハステロイ(商品名)合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の伝熱媒体を流通させるジャケットを備えたものを使用した。
このようにして得られた濃縮前ドープを80℃で常圧とされたフラッシュ装置内でフラッシュ蒸発させて、蒸発した溶媒を凝縮器で回収した。フラッシュ後のドープの固形分濃度は、21.8重量%となった。なお、凝縮された溶媒はドープ調製用溶媒として再利用すべく回収装置で回収した。再生装置で再生した後に溶媒タンクに送液した。回収装置,再生装置では、蒸留や脱水を行った。フラッシュ装置のフラッシュタンクには攪拌軸にアンカー翼を備えた攪拌機(図示しない)を設け、その攪拌機により周速0.5m/秒でフラッシュされたドープを攪拌して脱泡を行った。このフラッシュタンク内のドープの温度は25℃であり、タンク内におけるドープの平均滞留時間は50分であった。このドープを採取して25℃で測定した剪断粘度は、剪断速度10(秒−1)で450Pa・sであった。
図1に示すフイルム製造設備10を用いてフイルム25を製造した。仕込みタンク13内のドープ13を高精度のギアポンプで濾過装置へ送った。このギアポンプは、ポンプの1次側を増圧する機能を有しており、1次側の圧力が0.8MPaになるようにインバーターモータによりギアポンプの上流側に対するフィードバック制御を行い送液した。ギアポンプは容積効率99.2%、吐出量の変動率0.5%以下の性能であるものを用いた。また、吐出圧力は1.5MPaであった。そして、濾過装置を通ったドープ13を流延ダイ23に送液した。
流延ダイ23の材質は、熱膨張率が2×10−5(℃−1)以下の析出硬化型のステンレス鋼を用いた。これは、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316製と略同等の耐腐食性を有するものであった。また、ジクロロメタン,メタノール,水の混合液に3ヶ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有していた。流延ダイ23の接液面の仕上げ精度は表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であり、スリットのクリアランスは1.5mmに調整した。流延ダイ23のリップ先端の接液部の角部分については、Rはスリット全巾に亘り50μm以下になるように加工されているものを用いた。流延ダイ23内部でのドープ13の剪断速度は1(1/秒)〜5000(1/秒)の範囲であった。また、流延ダイ23のリップ先端には、溶射法によりWC(タングステンカーバイト)コーティングをおこない硬化膜を設けた。
支持体として幅2.1mで長さが70mのステンレス製のエンドレスバンドを流延バンド22として利用した。流延バンド22は、厚みが1.5mm、表面粗さが0.05μm以下になるように研磨した。その材質はSUS316製であり、十分な耐腐食性と強度を有するものを用いた。流延バンド22の全体の厚みムラは0.5%以下であった。流延バンド22は、2個の回転ローラ20,21により駆動させた。その際の流延バンド22の搬送方向における張力は1.5×105 N/m2 なるように調整した。また、流延バンド22と回転ローラ20,21との相対速度差が0.01m/分以下になるように調整した。このときに、流延バンド22の速度変動を0.5%以下とした。また1回転の幅方向の蛇行が、1.5mm以下に制限されるように流延バンド22の両端位置を検出して制御した。流延ダイ23の直下におけるダイリップ先端と流延バンド22との上下方向の位置変動は200μm以下にした。流延バンド22は、風圧変動抑制手段(図示しない)を有したベルトゾーン11内に設置した。この流延バンド22上に流延ダイ23からドープ13を流延した。
バンドゾーン11の温度は、温調設備を用いて35℃に保った。流延バンド22上に流延されたドープ13から形成された流延膜には、最初に流延膜に対して平行に流れる乾燥風を送り、流延膜を乾燥した。この乾燥風からの流延膜への総括伝熱係数は24kcal/(m2・hr・℃)であった。乾燥風の温度は、流延バンド22上部の上流側の送風口からは135℃の乾燥風を送風した。また下流側の送風口からは140℃の乾燥風を送風し、流延バンド22下部の送風口からは65℃の乾燥風を送風した。それぞれの乾燥風の飽和温度は、いずれも−8℃付近であった。流延バンド22上での乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持した。なお、この酸素濃度を5vol%に保持するために空気を窒素ガスで置換した。また、バンドゾーン11内の溶媒を凝縮回収するために、凝縮器(コンデンサ)を設け、その出口温度を−10℃に設定した。
テンタ式乾燥機26に送られたフイルム25は、クリップでその両端を固定されながらテンタ式乾燥機26の乾燥ゾーン内を搬送され、この間に乾燥風により乾燥された。クリップは、20℃の伝熱媒体の供給により冷却した。クリップの搬送は、チェーンで行い、そのスプロケットの速度変動は0.5%以下であった。また、テンタ式乾燥機26内を3ゾーンに分け、それぞれのゾーンの乾燥風温度を上流側から90℃,110℃,120℃とした。乾燥風のガス組成は−10℃における飽和ガス濃度とした。テンタ式乾燥機26内での平均乾燥速度は120重量%(乾量基準溶媒)/分であった。テンタ式乾燥機26の出口ではフイルム25内の残留溶媒量が7重量%となるように、乾燥ゾーンの条件を調整した。テンタ式乾燥機26内では搬送しつつ幅方向に延伸も行った。なお、この延伸前のフイルム25の幅を100%としたとき、延伸後の幅が103%となるように延伸した。剥取ローラ24からテンタ式乾燥機26の入口に至るまでの延伸率(テンタ駆動ドロー)は102%とした。
フイルム25を乾燥ゾーン12で高温乾燥した。乾燥ゾーン12を4区画に分割して、上流側から120℃,130℃,130℃,130℃の乾燥風を送風器(図示しない)から給気した。フイルム25のローラ36aによる搬送テンションを100N/mとして、最終的に残留溶媒量が0.3重量%になるまで約10分間乾燥した。ローラ36aのラップ角度(フイルムの巻き掛け中心角)は、90度および180度とした。ローラ36aの材質はアルミ製もしくは炭素鋼製であり、表面にはハードクロム鍍金を施した。ローラ36aの表面形状はフラットなものとブラストによりマット化加工したものとを用いた。ローラ36aの回転によるフイルム位置の振れは、全て50μm以下であった。また、テンション100N/mでのローラ撓みは0.5mm以下となるように選定した。
調湿後のフイルム25は、冷却室で30℃以下に冷却した後に耳切装置(図示しない)で再度両端の耳切りを行った。搬送中のフイルム25の帯電圧は、常時−3kV〜+3kVの範囲となるように強制除電装置(除電バー)を設置した。さらにフイルム25の両端にナーリング付与ローラでナーリングの付与を行った。ナーリングはフイルム25の片側からエンボス加工を行うことで付与し、ナーリングを付与する幅は10mmであり、凹凸の高さがフイルム25の平均厚みよりも平均12μm高くなるようにナーリング付与ローラ66による押し圧を設定した。
(50℃以上80℃以下)に保持した。以下、添加剤溶液400の調製に際しての配合を下記に示す。
ジクロロメタン(第1溶媒) 390重量部
メタノール(第2溶媒) 60重量部
ジフェノキシフェスフォリルオキシベンゼン(化合物B) 12重量部
混合装置132において生成した混合空気402の混合割合Mを10重量%にした以外は、実施例1と同様にして、溶媒回収ライン48を稼動した。このとき混合空気402におけるレターデーション低下剤の融点MP1は100℃であった。比重分離処理により得られた沈降物323、及び洗浄排水処理で得た不純物について、ガスクロマトグラフィを用いた重量分析を行った結果、沈降物には、n−フェニル−p−トルエンスルホアミドが含まれ、不純物には、ジフェノキシフェスフォリルオキシベンゼンが含まれていることを確認した。
混合装置132において生成した混合空気402の混合割合Mを0重量%にした以外は、実施例1と同様にして、溶媒回収ライン48を稼動した。このとき混合空気402におけるレターデーション低下剤の融点MP1は102℃であった。比重分離処理により得られた沈降物323、及び洗浄排水処理で得た不純物について、ガスクロマトグラフィを用いた重量分析を行った結果、沈降物には、n−フェニル−p−トルエンスルホアミドが含まれ、不純物には、ジフェノキシフェスフォリルオキシベンゼンが含まれていることを確認した。
低融点添加剤として、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール(化合物E)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、溶媒回収ライン48を稼動した。このとき混合空気402におけるレターデーション低下剤の融点MP1は120℃であった。比重分離処理により得られた沈降物323、及び洗浄排水処理で得た不純物について、ガスクロマトグラフィを用いた重量分析を行った結果、沈降物には、n−フェニル−p−トルエンスルホアミドが含まれ、不純物には、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノールが含まれていることを確認した。
上記実施例1ないし5及び比較例1ないし3について、洗浄液321の温度を変えながら溶媒回収ライン48を稼動し、熱交換素子114に付着する混合物が洗浄されるか否かを調べた。混合物が洗浄されたか否かは、熱交換素子114の目視観察で判断した。熱交換素子114に付着する混合物を除去できた洗浄液321の温度のうち、最も低い温度を当該実施例における洗浄可能温度とし、この洗浄可能温度が100℃以上の場合は×、85℃以上100℃未満の場合は○、85℃未満の場合は◎とした。各実施例及び比較例における評価結果をまとめた表1を示す。
12 乾燥ゾーン
13 ドープ
25 フイルム
30 空調器
48 溶媒回収ライン
51 低下剤除去ライン
53 冷却器
60 温度調節器
75 洗浄水
76 洗浄廃水
100 熱交換器
101 空気供給ライン
102 洗浄液供給ライン
114 熱交換素子
131 加熱器
132 混合装置
132a 濃度センサ
133 混合割合制御手段
152 沈降装置
153 スイング部
155 廃棄タンク
300 乾燥処理前空気
301 乾燥処理後空気
311 第1除去空気
312 第2除去空気
313 温調空気
320 洗浄廃液
321 洗浄液
323 沈降物
400 添加剤溶液
401 添加剤含有空気
402 混合空気
M 混合割合
MP1 融点
Claims (8)
- フイルムの原料であるポリマーと前記ポリマーを溶解する溶媒と融点がMP1である高融点化合物を含む湿潤フイルムを乾燥することにより生成される、前記高融点化合物と前記溶媒とを含む乾燥後気体を回収し、
前記乾燥後気体と融点がMP1より低い低融点化合物を含む気体とを前記低融点化合物の混合割合が30重量%以上50重量%以下となるように混合し、前記高融点化合物と前記低融点化合物とを含む混合気体を生成し、
前記混合気体を冷却して、前記混合により融点がMP1よりも低くなった前記高融点化合物を析出させ、
析出させた前記高融点化合物をMP1よりも低い温度の温水で洗浄して除去することを特徴とする高融点化合物の除去方法。 - 前記高融点化合物が、前記フイルムのレターデーションを抑制するレターデーション低下剤であることを特徴とする請求項1記載の高融点化合物の除去方法。
- 前記高融点化合物が、n−フェニル−p−トルエンスルホアミドであり、
前記低融点化合物が、ジフェノキシフォスフォリルオキシベンゼンと、ビス(2−エチルヘキシル)フタノールと、ジフェニルクレシルフォスフェートとビフェニルジフェニルホスフェートとのうちいずれか1つであることを特徴とする請求項1または2記載の高融点化合物の除去方法。 - 請求項1ないし3のうちいずれか1項記載の高融点化合物の除去方法を用いて除去した前記高融点化合物を回収し、
前記除去方法後に残留する気体から前記溶媒と前記低融点化合物とを回収し、
この回収によりさらに残留する気体から不純物を取り除き、前記湿潤フイルムを乾燥するための乾燥前気体として回収することを特徴とする溶媒回収方法。 - 前記ポリマーと前記溶媒と前記高融点化合物とを含むドープを流延ダイにより流延バンド上に流延して前記湿潤フイルムを形成し、
前記湿潤フイルムを剥ぎ取りローラにより前記流延バンドから剥ぎ取ってフイルムを形成し、
前記剥ぎ取ったフイルムをテンタにより所定の幅に引き伸ばし、搬送しながら前記乾燥をし、
前記乾燥後のフイルムを巻き取り機によって巻き取り、
前記乾燥に伴って生成される前記乾燥後気体に対し、請求項4記載の溶媒回収方法を用いることを特徴とする溶液製膜方法。 - フイルムの原料であるポリマーと前記ポリマーを溶解する溶媒と融点がMP1である高融点化合物を含む湿潤フイルムを乾燥することにより生成される、前記高融点化合物と前記溶媒とを含む乾燥後気体を回収する気体回収装置と、
前記乾燥後気体と融点がMP1より低い低融点化合物を含む気体とを前記低融点化合物の混合割合が30重量%以上50重量%以下となるように混ぜ、前記高融点化合物と前記低融点化合物とを含む混合気体を生成する混合装置と、
前記混合気体を冷却して、前記混合により融点がMP1よりも低くなった前記高融点化合物を析出させる冷却装置と、
析出させた前記高融点化合物をMP1よりも低い温度の温水で洗浄して除去する洗浄装置とを有することを特徴とする高融点化合物の除去設備。 - 請求項6記載の高融点化合物の除去設備と、
前記除去設備により除去した高融点化合物を回収する第1回収装置と、
前記高融点化合物を除去した後に残留する気体から前記溶媒と前記低融点化合物とを回収する第2回収装置と、
前記第2回収装置による回収後に残留する気体から不純物を取り除き、前記湿潤フイルムを乾燥するための乾燥前気体として回収する第3回収装置とを備えることを特徴とする溶媒回収設備。 - 駆動装置により回転するローラに掛け渡され、走行する流延バンドと、
前記ポリマーと前記溶媒と前記高融点化合物とを含むドープを前記流延バンド上に流延して前記湿潤フイルムを形成する流延ダイと、
前記湿潤フイルムを前記流延バンドから剥ぎ取ってフイルムを形成する剥ぎ取りローラと、
前記剥ぎ取ったフイルムを所定の幅に引き伸ばし、搬送しながら前記乾燥をするテンタと、
前記乾燥後のフイルムを巻き取る巻き取り機と、
前記乾燥に伴って生成される前記乾燥後気体に対して用いられる請求項7記載の溶媒回収設備とを有することを特徴とする溶液製膜設備。
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