JP5338615B2 - 可変容量デバイスおよび可変容量素子の駆動方法 - Google Patents

可変容量デバイスおよび可変容量素子の駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、可変容量素子に関し、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて製作される可変容量素子に関する。
可変容量素子は、可変周波数発振器、同調増幅器、位相シフタ、またはインピーダンス整合回路などの電気回路を構成する上で重要な部品であり、近年携帯機器などへ搭載されることが多くなってきている。
MEMS技術を用いて製作された可変容量素子は、現在可変容量素子として主に用いられているバラクダダイオードと比べて、エネルギー損失が小さくQ値が高いなどの利点がある。よって、その開発および実用化が急がれている。
以下、MEMS技術を用いて製作された可変容量素子を、単に可変容量素子と呼称する。
可変容量素子は、一般的に、対向する2つの電極間の距離を変化させてその容量を変化させられるように構成される。
図1は、従来の一般的な可変容量素子10の構成の例を示す断面図である。
図1(a)において、可変容量素子10は、基板11上に、固定電極12、可動電極13、固定電極12を覆う誘電体層14、および可動電極13を支持する一対の支持層15a、15bなどが形成されて構成されている。可動電極13と誘電体層14との間には空隙が設けられている。固定電極12には駆動電圧Vを印加可能となっている。可動電極13は、支持層15a、15bを介してグランドに接続されている。
固定電極12と可動電極13との間に電位差を与えないとき、可動電極13は固定電極12から離れた状態である(図1(a))。この状態から、固定電極12に駆動電圧Vを印加して可動電極13との間に電位差を与えると、電極間に生じる静電引力によって可動電極13が固定電極12の側へ引き寄せられて、電極間の距離が狭まる。電位差がある値以上になると、可動電極13が誘電体層14を介して固定電極12に接触した状態となる(図1(b))。
図2は、可変容量素子10についての、駆動電圧Vと静電容量Cとの関係(C−V特性)の例を示す図である。
図2に示すように、正の駆動電圧Vを与えてその値を大きくしていくと、静電容量Cは、しばらくは最小静電容量CSからほとんど変化せず、電圧VI1付近で急激に増加した後、最大静電容量CLからほとんど変化しなくなる。その後に、駆動電圧Vの値を小さくしていくと、しばらくは最大静電容量CLからほとんど変化せず、電圧VO1付近で急激に減少した後、最小静電容量CSからほとんど変化しなくなる。負の駆動電圧Vを与えた場合も同様に、駆動電圧Vの値を小さくしていくと、静電容量Cは、しばらくは最小静電容量CSからほとんど変化せず、電圧VI2付近で急激に増加した後、最大静電容量CLからほとんど変化しなくなる。その後に、駆動電圧Vの値を大きくしていくと、しばらくは最大静電容量CLからほとんど変化せず、電圧VO2付近で急激に減少した後、最小静電容量CSからほとんど変化しなくなる。なお、静電容量Cは、最小静電容量CSまたは最大静電容量CLからほとんど変化しない間は、それらの値で一定とみなせる。
静電容量Cが最小(最小静電容量CS)となるのは、可動電極13が固定電極12から最も離れた状態(図1(a))にあるときである。また、静電容量Cが最大(最大静電容量CL)となるのは、可動電極13が誘電体層14を介して固定電極12に接触した状態(図1(b))にあるときである。
ところで、駆動電圧Vに対する静電容量Cの変化は、上昇時と下降時とで異なる経路をたどる。つまり、電圧VI1と電圧VO1とは一致しない。電圧VI2と電圧VO2とについても同様である。このような、いわゆるヒステリシス現象が生じることは公知である。
さて、可変容量素子10をいわゆるデジタル的に用いる場合、駆動電圧Vを制御してその静電容量Cを最小静電容量CSまたは最大静電容量CLのいずれかの値にして使用する。例えば、図2において、静電容量Cを最小静電容量CSとする場合は、駆動電圧Vを電圧VOFF(=0)とする。また、静電容量Cを最大静電容量CLとする場合は、駆動電圧Vを電圧VON1または電圧VON2とする。
静電容量Cを変化させる際に、同一の極性の駆動電圧Vを印加することを続けていると、やがて誘電体層14中に正または負の電荷がチャージされてくる。このような、電荷がチャージされる現象が生じることは公知である。
図3は、可変容量素子10についての、電荷がチャージされた状態での駆動電圧Vと静電容量Cとの関係(C−V特性)の例を示す図である。
誘電体層14中に電荷がチャージされた状態になると、可動電極13の動きはその電荷による静電力の影響を受ける。そのため、可変容量素子10のC−V特性は、電荷がチャージされていない状態とは異なる特性を示す。例えば、誘電体層14中に正の電荷がチャージされた状態では、図3(a)に示すように、電荷がチャージされていない状態と比べて、C−V特性が負の駆動電圧V側へシフトする。また、誘電体層14中に負の電荷がチャージされた状態では、図3(b)に示すように、電荷がチャージされていない状態と比べて、C−V特性が正の駆動電圧V側へシフトする。
そうすると、本来最小静電容量CSまたは最大静電容量CLとなるはずの駆動電圧Vを印加しても、静電容量Cがそれらの値に変化しない場合が生じる。例えば、図3(a)および図3(b)において、駆動電圧Vを電圧VOFF(=0)としても、静電容量Cは、意図する最小静電容量CSとならないことがある。よって、可変容量素子10を安定して動作させることができず、問題である。
絶縁膜が帯電することにより電圧特性の変動が発生することを防止するために、絶縁膜の形状を工夫してその帯電量を制御することが提案されている(特許文献1)。しかし、半導体製造工程を利用して、開示されたような形状に絶縁膜を成形することは非常に困難である。
そこで、C−V特性のシフトを抑制するため、印加する駆動電圧Vの極性を所定の周期で切り替えるバイポーラ駆動と呼ばれる駆動方法が提案されている。
また、ミラーのドリフトの発生を抑制するため、電極に印加する駆動電圧を交流電圧とするミラー制御装置が提案されている(特許文献2)。
特開2003−136496 特開2008−52270
図4は、可変容量素子10をバイポーラ駆動した場合の、駆動電圧Vおよび静電容量Cの時系列変化の例を示す図である。
図4に示すように、バイポーラ駆動では、静電容量Cを最大静電容量CLに保持するために駆動電圧Vを印加する際、比較的短い周期で正の電圧VON1と負の電圧VON2とに交互に切り替えて印加する。
一方の極性の駆動電圧Vを印加した時間が長い場合に、また、一方の極性の駆動電圧Vを印加した時間と他方の極性の駆動電圧Vを印加した時間との開きが大きい場合などに、誘電体層14中により電荷がチャージされやすい。よって、バイポーラ駆動はC−V特性のシフトの抑制には有効である。
しかしながら、図4に示すように、バイポーラ駆動では、駆動電圧Vの極性の切替え時に静電容量Cが最大静電容量CLより落ちてしまう。つまり、静電容量Cの容量変動が起こる欠点がある。そのため、容量変動が機器の動作に影響を及ぼさないタイミングでしか駆動電圧Vの極性の切替えを行うことができず、可変容量素子10をバイポーラ駆動できる用途は限られる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、駆動電圧の極性を切り替えなくとも、または切替えのタイミング(周期)を限定しなくとも、C−V特性のシフトが抑制される可変容量デバイスを提供することを目的とする。
本発明に係る可変容量デバイスは、互いに絶縁された第1の固定電極および第2の固定電極と、前記第1の固定電極および前記第2の固定電極に対向する可動電極と、前記第1の固定電極および前記第2の固定電極と前記可動電極との間に設けられる誘電体層と、前記第1の固定電極に前記可動電極を基準とする第1の駆動電圧を印加するための第1の配線部と、前記第2の固定電極に前記可動電極を基準としかつ前記第1の駆動電圧とは極性が異なる第2の駆動電圧を印加するための第2の配線部と、を有する可変容量素子、および、前記第1の配線部を介して前記第1の固定電極に前記第1の駆動電圧を印加するための第1の駆動部、並びに、前記第2の配線部を介して前記第2の固定電極に前記第2の駆動電圧を印加するための第2の駆動部、を有し、前記第1の駆動電圧および前記第2の駆動電圧は、互いに異なる極性に反転することを繰り返す矩形波状の電圧であり、かつ、前記第1の駆動電圧の極性が反転するタイミングと前記第2の駆動電圧の極性が反転するタイミングとがずれている。
または、互いに絶縁され一体化された第1の可動電極および第2の可動電極と、前記第1の可動電極および前記第2の可動電極に対向する固定電極と、前記第1の可動電極および前記第2の可動電極と前記固定電極との間に設けられる誘電体層と、前記第1の可動電極に前記固定電極を基準とする第1の駆動電圧を印加するための第1の配線部と、前記第2の可動電極に前記固定電極を基準としかつ前記第1の駆動電圧とは極性が異なる第2の駆動電圧を印加するための第2の配線部と、を有する可変容量素子、および、前記第1の配線部を介して前記第1の可動電極に前記第1の駆動電圧を印加するための第1の駆動部、並びに、前記第2の配線部を介して前記第2の可動電極に前記第2の駆動電圧を印加するための第2の駆動部、を有し、前記第1の駆動電圧および前記第2の駆動電圧は、互いに異なる極性に反転することを繰り返す矩形波状の電圧であり、かつ、前記第1の駆動電圧の極性が反転するタイミングと前記第2の駆動電圧の極性が反転するタイミングとがずれている。
本発明によれば、駆動電圧の極性を切り替えなくとも、または切替えのタイミング(周期)を限定しなくとも、C−V特性のシフトが抑制される可変容量デバイスを提供することができる。
従来の一般的な可変容量素子の構成の例を示す断面図である 駆動電圧と静電容量との関係(C−V特性)の例を示す図である。 駆動電圧と静電容量との関係(C−V特性)の例を示す図である。 駆動電圧および静電容量の時系列変化の例を示す図である。 本実施形態の可変容量デバイスの構成の例を示す平面図である。 図5のα1ーα1断面図である。 図5のα2ーα2断面図である。 図5のα2ーα2断面図である。 図5のα3ーα3断面図である。 図5の等価回路図である。 本実施形態の可変容量素子の適用の例を示す等価回路図である。 駆動電圧および静電容量の時系列変化の例を示す図である。 駆動電圧と静電容量との関係(C−V特性)の例を示す図である。 電荷がチャージされた状態の例を示す図である。 駆動電圧および静電容量の時系列変化の例を示す図である。 駆動電圧および静電容量の時系列変化の例を示す図である。 本実施形態の可変容量デバイスの構成の例を示す平面図である。 図17のα1ーα1断面図である。
以下の実施形態では、可変容量素子をRF(Radio Frequency)信号の処理回路に適用する場合を想定して説明する。もちろん、可変容量素子を他の用途に適用することも可能である。
〔第一の実施形態〕
図5は本発明の第一の実施形態における可変容量デバイス1の構成の例を示す平面図、図6〜図9はその断面図である。なお、図7および図8は同じ断面を示しており、図7は可動電極26が変位していない状態の断面を示しており、図8は可動電極26が変位した状態の断面を示している。
図5に示すように、可変容量デバイス1は、可変容量素子2のほかに、RFブロック60a〜60c、駆動回路61、および駆動回路62などによって構成されている。可変容量素子2は、ガラスまたはシリコンなどからなる基板20上に、第一引出電極21、第二引出電極22、第一固定電極23a〜23c、第二固定電極24a〜24c、可動電極26、および支持層27a、27bなどが形成されて構成されている。さらに、第一固定容量層28、第二固定容量層29、およびグランド電極30a〜30dなどが形成されて構成されている。なお、誘電体層25a〜25fについては、図が煩雑になるのを避けるため、図5には図示していない。また、可動電極26、第一固定容量層28、および第二固定容量層29については、その一部を破断して示している。同様に、第一引出電極21の櫛形状部21a、および第二引出電極22の櫛形状部22aについても、その一部を破断して示している。
第一引出電極21は、アルミニウム(Al)または金(Au)などの導電性材料からなり、櫛形状部21aと矩形状部21bとを備えるように形成されている。また、第二引出電極22は、同様の導電性材料からなり、櫛形状部22aと矩形状部22bとを備えるように形成されている。櫛形状部21a、22aのそれぞれの櫛歯の本数は同数本であり、1本または複数本である。本実施形態では、2本となっている。第一引出電極21および第二引出電極22は、両者の櫛形状部21a、22aの各櫛歯が所定の距離を隔てて互い違いに入り込むように配置されている。
第一引出電極21および第二引出電極22は、それぞれ駆動電圧を印加するための駆動回路に接続可能となっている。本実施形態では、第一引出電極21は、RFブロック60aを介して駆動回路61に接続されている。また、第二引出電極22は、RFブロック60bを介して駆動回路62に接続されている。RFブロック60a、60bは、RF信号を遮断するための抵抗またはインダクタなどの素子である。駆動回路61および駆動回路62によって印加する駆動電圧については後述する。
図6をも参照して、第一固定電極23a〜23cは、アルミニウム(Al)または金(Au)などの導電性材料からなり、第一引出電極21の上面に分散して形成されている。具体的には、第一固定電極23a、23bは、櫛形状部21aの各櫛歯部分の上面に形成されている。また、第一固定電極23cは、矩形状部21bの端部寄りの上面に形成されている。第二固定電極24a〜24cは、同様の導電性材料からなり、第二引出電極22の上面に分散して形成されている。具体的には、第二固定電極24a、24bは、櫛形状部22aの各櫛歯部分の上面に形成されている。また、第二固定電極24cは、矩形状部22bの端部寄りの上面に形成されている。ただし、第一固定電極23a〜23cの全部または一部が、第一引出電極21と一体的に形成されていてもよい。同様に、第二固定電極24a〜24cの全部または一部が、第二引出電極22と一体的に形成されていてもよい。
以下、第一固定電極23a、23b、および第二固定電極24a、24bが占める領域を固定電極中央部234Cと呼称することがある。
第一固定電極23a、23b、23cの上面には、それぞれ酸化シリコン(SiO2)またはアルミナ(Al2O3)などの誘電性材料からなる誘電体層25a、25b、25cが形成されている。また、第二固定電極24a、24b、24cの上面にも、それぞれ同様の誘電性材料からなる誘電体層25d、25e、25fが形成されている。
以下、誘電体層25a、25b、25d、25eが占める領域を誘電体層中央部25Cと呼称することがある。
図6および図7をも参照して、可動電極26は、アルミニウム(Al)または金(Au)などの導電性材料からなり、誘電体層中央部25Cを挟んで、固定電極中央部234Cの上面と対向してそれに架橋するようにブリッジ状に形成されている。
可動電極26の架橋方向の両端部の下面には、アルミニウム(Al)または金(Au)などの導電性材料からなる一対の支持層27a、27bが形成されている。可動電極26は支持層27a、27bによって支持されており、可動電極26と誘電体層中央部25Cとの間には空隙が設けられている。
可動電極26と第一固定電極23a、23bとの間に電位差が生じると、両電極間に生じる静電引力によって可動電極26が第一固定電極23a、23bの側へ引き寄せられる。同様に、可動電極26と第二固定電極24a、24bとの間に電位差が生じると、静電引力によって可動電極26が第二固定電極24a、24bの側へ引き寄せられる。双方を合わせた静電引力がある値以上になると、図8に示すように、可動電極26が誘電体層中央部25Cを介して固定電極中央部234Cに接触した状態となる。このように、可動電極26は、ばね部材としても作用する。可動電極26のばね定数は、可動電極26の材質または寸法を変更したり、支持層27a、27bの材質または寸法を変更したりすることにより、調整可能となっている。
可動電極26は、駆動回路61および駆動回路62などの電源のグランドに接続可能となっている。ただし、支持層27a、27bなどを介して接続可能となっていてもよい。本実施形態では、可動電極26は、RFブロック60cを介して電源のグランドに接続されている。RFブロック60cは、RF信号を遮断するための抵抗またはインダクタなどの素子である。
可動電極26の架橋方向の一方の端部から他方の端部にかけては、RF信号を通過させられるようになっている。つまり、可動電極26は、可変容量素子2の電極板として機能するほかに、RF信号の信号線路としても機能する。
図6および図9をも参照して、第一固定容量層28は、アルミニウム(Al)または金(Au)などの導電性材料からなり、誘電体層25cを挟んで、第一固定電極23cの上面と対向してそれに架橋するようにブリッジ状に形成されている。また、第二固定容量層29は、同様の導電性材料からなり、誘電体層25fを挟んで、第二固定電極24cの上面に対向してそれに架橋するようにブリッジ状に形成されている。
第一固定容量層28の架橋方向の両端部の下面には、アルミニウム(Al)または金(Au)などの導電性材料からなる一対のグランド電極30a、30bが形成されている。また、第二固定容量層29の架橋方向の両端部の下面にも、同様の導電性材料からなる一対のグランド電極30c、30dが形成されている。可動電極26と誘電体層中央部25Cとの間の場合と異なり、第一固定容量層28と誘電体層25cとの間、および第二固定容量層29と誘電体層25fとの間に空隙は設けられていない。
第一固定容量層28は、グランド電極30a、30bを介してRF信号のグランドに接続可能となっている。同様に、第二固定容量層29も、グランド電極30c、30dを介してRF信号のグランドに接続可能となっている。
駆動回路61は、第一引出電極21を介して第一固定電極23a〜23cに駆動電圧V1を印加するための回路である。第一固定電極23a〜23cに駆動電圧V1が印加されると、第一固定電極23a、23bと、電源のグランドに接続されている可動電極26との間に電位差が生じる。また、第一固定電極23cと、RF信号のグランドに接続されている第一固定容量層28との間にも電位差が生じる。
駆動回路62は、第二引出電極22を介して第二固定電極24a〜24cに駆動電圧V2を印加するための回路である。第二固定電極24a〜24cに駆動電圧V2が印加されると、第二固定電極24a、24bと、電源のグランドに接続されている可動電極26との間に電位差が生じる。また、第二固定電極24cと、RF信号のグランドに接続されている第二固定容量層29との間にも電位差が生じる。
上述の通り、可動電極26と第一固定電極23a、23bとの間の静電引力、および可動電極26と第二固定電極24a、24bとの間の静電引力を合わせた静電引力がある値以上になると、可動電極26が誘電体層中央部25Cを介して固定電極中央部234Cに接触した状態となる。
可動電極26が固定電極中央部234Cから最も離れた状態(図7)にあるとき、可動電極26と第一固定電極23a、23bとの間の静電容量、および可動電極26と第二固定電極24a、24bとの間の静電容量は、それぞれ最小となる。その結果、可変容量素子2全体の静電容量が最小となる。一方、可動電極26が誘電体層中央部25Cを介して固定電極中央部234Cに接触した状態(図8)にあるとき、可動電極26と第一固定電極23a、23bとの間の静電容量、および可動電極26と第二固定電極24a、24bとの間の静電容量は、それぞれ最大となる。その結果、可変容量素子2全体の静電容量は最大となる。つまり、駆動回路61によって印加する駆動電圧V1および駆動回路62によって印加する駆動電圧V2の変化に対応して、可変容量素子2全体の静電容量が大小2つの値で変化する。
図10は図5の等価回路図、図11は可変容量素子2の適用の例を示す等価回路図である。
図10(a)に示すように、可変容量素子2は、第一可変容量部2Aと第二可変容量部2Bとが並列接続された構成として表現可能である。そして、第一可変容量部2Aは、第一可変容量素子2Aaと第一固定容量素子2Abとが直列接続された構成として表現可能である。また、第二可変容量部2Bは、第二可変容量素子2Baと第二固定容量素子2Bbとが直列接続された構成として表現可能である。
第一可変容量素子2Aaは、第一固定電極23a、23b、可動電極26、およびその間の誘電体層25a、25bなどによって実現されている。第一固定容量素子2Abは、第一固定電極23c、第一固定容量層28、およびその間の誘電体層25cなどによって実現されている。第二可変容量素子2Baは、第二固定電極24a、24b、可動電極26、およびその間の誘電体層25d、25eなどによって実現されている。第二固定容量素子2Bbは、第二固定電極24c、第二固定容量層29、およびその間の誘電体層25fなどによって実現されている。
駆動回路61によって印加する駆動電圧V1および駆動回路62によって印加する駆動電圧V2を調整することで、第一可変容量素子2Aaの静電容量および第二可変容量素子2Baの静電容量を大小2つの値で変化させられる。ただし、上述の通り、第一可変容量素子2Aaおよび第二可変容量素子2Baの可動電極26は共通である。そのため、第一可変容量素子2Aaの静電容量が最小となるときは第二可変容量素子2Baの静電容量も最小となり、第一可変容量素子2Aaの静電容量が最大となるときは第二可変容量素子2Baの静電容量も最大となる。つまり、第一可変容量素子2Aaの静電容量と第二可変容量素子2Baの静電容量とは連動して変化する。その結果、可変容量素子2の静電容量は全体として2つの値で変化する。そこで、図10に示される等価回路を、図10(b)に示されるような、シンプルな等価回路に置き換えることも可能である。
第一可変容量素子2Aaおよび第二可変容量素子2Baの可変(大小2つ)の静電容量値およびその幅などは、可変容量素子2の使用の目的に応じて調整される。さらに、第一固定容量素子2Abおよび第二固定容量素子2Bbの固定の静電容量値も、可変容量素子2の使用の目的に応じて調整される。そうすることで、可変容量素子2の静電容量を所望の2つの値で変化させられる。そして、例えば、図11に示すように、可変容量素子2を複数個用いた容量回路を構成することで、容量回路の静電容量を幾通りかの値で変化させられる。
次に、可変容量素子2の静電容量Cを最大値(最大静電容量CL)に保持する間、駆動回路61によって印加する駆動電圧V1、および駆動回路62によって印加する駆動電圧V2の例について、3パターン説明する。
〔第一の印加例〕
図12は、駆動電圧V1、駆動電圧V2、および静電容量Cの時系列変化の例を示す図、図13は電荷がチャージされた状態での駆動電圧V1と静電容量CAaとの関係(C−V特性)の例を示す図、図14は電荷がチャージされた状態の例を示す図である。
第一の印加例では、可変容量素子2の静電容量Cを最大静電容量CLに保持する間、互いに極性の異なる一定の駆動電圧V1と駆動電圧V2とを、それぞれ第一固定電極23a〜23c、第二固定電極24a〜24cに印加する。すなわち、図12に示すように、駆動電圧V1を一定の正電圧VON1とし、駆動電圧V2を一定の負電圧VON2とする。または、駆動電圧V1を一定の負電圧VON2とし、駆動電圧V2を一定の正電圧VON1とする。
正電圧VON1および負電圧VON2は、双方を印加することにより可動電極26が誘電体層中央部25Cを介して固定電極中央部234Cに接触した状態となる値である。または、双方を印加することにより可動電極26が誘電体層中央部25Cを介して固定電極中央部234Cに接触した状態となるように、可動電極26のばね定数を調整する。正電圧VON1および負電圧VON2は、基本的には互いに絶対値が同一の値であるが、絶対値が異なる値であってもよい。
このようにして駆動電圧V1および駆動電圧V2を印加することで、図12に示すように、可変容量素子2の静電容量Cは最大静電容量CLで一定に保持される。
駆動電圧V1および駆動電圧V2を印加することを続けていると、やがて誘電体層25a〜25f中に正または負の電荷がチャージされてくる。第一固定電極23a〜23cと第二固定電極24a〜24cとには、それぞれ互いに極性の異なる駆動電圧が印加されている。そのため、誘電体層25a〜25c中と誘電体層25d〜25f中とには、それぞれ互いに極性の異なる電荷がチャージされる。例えば、誘電体層25a〜25c中に正の電荷がチャージされ、誘電体層25d〜25f中に負の電荷がチャージされることがある。逆に、誘電体層25a〜25c中に負の電荷がチャージされ、誘電体層25d〜25f中に正の電荷がチャージされることもある。
ここで、可動電極26と第一固定電極23a、23bとの間の静電容量CAaに着目した場合、駆動電圧V1と静電容量CAaとの関係(C−V特性)は、電荷がチャージされていない状態とは異なる特性を示す。例えば、誘電体層25a、25b中に正の電荷がチャージされた状態では、図13(a)に示すように、電荷がチャージされていない状態と比べて、C−V特性が負の駆動電圧V1側へシフトする。また、誘電体層25a、25b中に負の電荷がチャージされた状態では、図13(b)に示すように、電荷がチャージされていない状態と比べて、C−V特性が正の駆動電圧V1側へシフトする。可動電極26と第二固定電極24a、24bとの間の静電容量CBaに着目した場合の、駆動電圧V2と静電容量CBaとの関係についても同様である。
ところが、誘電体層25a〜25c中と誘電体層25d〜25f中とには、それぞれ互いに極性の異なる電荷がチャージされることから、静電容量CAaについてのC−V特性のシフト方向と、静電容量CBaについてのC−V特性のシフト方向とは、互いに逆方向となる。その結果、それらのシフトが互いに相殺し合うことにより、可変容量素子2全体では、C−V特性のシフトは起こらないか起こってもごくわずかである。
いずれにせよ、図14に示すように、誘電体層25a、25b、25d、25eが占める領域である誘電体層中央部25Cにチャージされる電荷は、正または負の一方の極性に全体として偏ることがない。そのため、可動電極26の動きに影響を与えることがないか与えてもごくわずかである。その結果、誘電体層25a〜25f中に電荷がチャージされることに伴う可変容量素子2のC−V特性のシフトは起こらないか起こってもごくわずかである。
よって、第一の印加例によれば、駆動電圧の極性を切り替えることなく、可変容量素子2のC−V特性の変化(シフト)を抑制することができる。その結果、可変容量素子2を長期間安定して動作させることができる。
〔第二の印加例〕
図15は、駆動電圧V1、駆動電圧V2、および静電容量Cの時系列変化の例を示す図である。
第一の印加例によれば、可変容量素子2のC−V特性の変化(シフト)は抑制されるが、誘電体層25a〜25f中に電荷がチャージされる問題が残る。第二の印加例は、その点を改善した例である。
第二の印加例では、可変容量素子2の静電容量Cを最大静電容量CLに保持する間、極性が所定の周期で反転する矩形波状の駆動電圧V1と駆動電圧V2とを、それぞれ第一固定電極23a〜23c、第二固定電極24a〜24cに印加する。ただし、駆動電圧V1の極性と駆動電圧V2の極性とは、常時互いに異なるようにする。そのため、駆動電圧V1および駆動電圧V2の極性の切替えは、同時にかつ互いに異なる極性に切り替える。すなわち、図15に示すように、駆動電圧V1を正電圧VON1から負電圧VON2に切り替えると同時に、駆動電圧V2を負電圧VON2から正電圧VON1に切り替える。また、駆動電圧V1を負電圧VON2から正電圧VON1に切り替えると同時に、駆動電圧V2を正電圧VON1から負電圧VON2に切り替える。つまり、駆動電圧V1および駆動電圧V2は、それぞれ、互いに異なる極性に反転することを繰り返す交流電圧となる。
正電圧VON1および負電圧VON2は、双方を印加することにより可動電極26が誘電体層中央部25Cを介して固定電極中央部234Cに接触した状態となる値である。または、双方を印加することにより可動電極26が誘電体層中央部25Cを介して固定電極中央部234Cに接触した状態となるように、可動電極26のばね定数を調整する。正電圧VON1および負電圧VON2は、基本的には互いに絶対値が同一の値であるが、絶対値が異なる値であってもよい。
駆動電圧V1および駆動電圧V2の極性の切替えは、基本的には所定の周期で行うが、ランダムなタイミングで行ってもよい。所定の周期は、例えば、長い場合で数十時間、短い場合で数ミリ秒である。ただし、可動電極26が変位するのに要する時間より長く設定される。
このようにして駆動電圧V1および駆動電圧V2を印加することで、図15に示すように、可変容量素子2の静電容量Cは、最大静電容量CLでほぼ一定に保持される。
しかしながら、駆動電圧V1および駆動電圧V2の極性の切替え時に静電容量Cが最大静電容量CLより若干落ちてしまう。つまり、極性の切替え時に静電容量Cの容量変動が起こる。また、極性の切替え時にノイズが発生することがある。
そこで、駆動電圧V1および駆動電圧V2の極性の切替えは、それに伴う静電容量Cの容量変動またはノイズの発生などが機器の動作に影響を及ぼさないタイミングに合わせて行う。極性の切替えの周期が短いほど、誘電体層25a〜25f中に電荷がチャージされにくくなる点で好ましい。ただし、たとえ電荷がチャージされたとしても、第一の印加例の場合と同様の理由から、可変容量素子2のC−V特性のシフトは抑制される。そのため、必ずしも短い周期で切り替えなければならないというわけではなく、任意のタイミングで切り替えればよい。
よって、第二の印加例によれば、駆動電圧の極性を切り替えるタイミングを限定されることなく、可変容量素子2のC−V特性の変化(シフト)を抑制することができる。しかも、誘電体層25a〜25f中に電荷がチャージされにくい。その結果、第一の印加例の場合よりもさらに、可変容量素子2を長期間安定して動作させることができる。
〔第三の印加例〕
図16は、駆動電圧V1、駆動電圧V2、および静電容量Cの時系列変化の例を示す図である。
第二の印加例によれば、誘電体層25a〜25f中に電荷がチャージされにくくなるが、駆動電圧の極性の切替え時に静電容量Cの容量変動が起こる問題が残る。第三の印加例は、その点を改善した例である。
第三の印加例では、第二の印加例の場合と同様に、駆動電圧V1および駆動電圧V2について、それぞれ互いに異なる極性に切り替える。ただし、駆動電圧V1および駆動電圧V2の極性の切替えは、所定の時間ずらして行う。すなわち、図16に示すように、駆動電圧V1を正電圧VON1から負電圧VON2に切り替えてから所定の時間Δt経過後に、駆動電圧V2を負電圧VON2から正電圧VON1に切り替える。また、駆動電圧V1を負電圧VON2から正電圧VON1に切り替えてから所定の時間Δt経過後に、駆動電圧V2を正電圧VON1から負電圧VON2に切り替える。所定の時間は、例えば、数ミリ秒である。つまり、駆動電圧V1および駆動電圧V2は、それぞれ、所定の時間ずれたタイミングで互いに異なる極性に反転することを繰り返す交流電圧となる。
正電圧VON1および負電圧VON2は、どちらか一方でも印加することにより、可動電極26が誘電体層中央部25Cを介して固定電極中央部234Cに接触した状態となる値である。または、どちらか一方でも印加することにより、可動電極26が誘電体層中央部25Cを介して固定電極中央部234Cに接触した状態となるように、可動電極26のばね定数を調整する。
駆動電圧V1および駆動電圧V2についてのそのほかの条件については、第二の印加例の場合と同様である。
このようにして駆動電圧V1および駆動電圧V2を印加することで、図16に示すように、可変容量素子2の静電容量Cは、容量変動が起こることなく、最大静電容量CLで一定に保持される。
ノイズの発生などを考慮して駆動電圧V1および駆動電圧V2の極性の切替えの周期を長くすると、誘電体層25a〜25f中に電荷がチャージされやすくなるが、たとえ電荷がチャージされたとしても、第一の印加例および第二の印加例の場合と同様の理由から、可変容量素子2のC−V特性のシフトは抑制される。そのため、必ずしも短い周期で切り替えなければならないというわけではなく、任意のタイミングで切り替えればよい。
よって、第三の印加例によれば、駆動電圧の極性を切り替えるタイミングを限定されることなく、可変容量素子2のC−V特性の変化(シフト)を抑制することができる。しかも、誘電体層25a〜25f中に電荷がチャージされにくく、かつ、駆動電圧の極性の切替え時に静電容量Cの容量変動が起こることもない。その結果、第一の印加例および第二の印加例の場合よりもさらに、可変容量素子2を長期間安定して動作させることができる。
〔第二の実施形態〕
図17は本発明の第二の実施形態における可変容量デバイス3の構成の例を示す平面図、図18はその断面図である。
以下、可変容量デバイス3について、可変容量デバイス1と相違する点を中心に説明する。可変容量デバイス1と重複する点については、説明を省略する場合がある。
図17に示すように、可変容量デバイス3は、可変容量素子4のほかに、RFブロック60a〜60c、駆動回路61、および駆動回路62などによって構成されている。可変容量素子4は、ガラスまたはシリコンなどからなる基板40上に、固定電極41、第一引出電極42、第二引出電極43、接続層44、第一可動電極45a、45b、および第二可動電極46a、46bなどが形成されて構成されている。さらに、第一固定容量層48、第二固定容量層49、およびグランド電極50a、50bなどが形成されて構成されている。なお、誘電体層47a〜47fについては、図が煩雑になるのを避けるため、図17には図示していない。
第一の実施形態における可変容量素子2には、第一固定電極23a〜23cおよび第二固定電極24a〜24cの2つの固定電極と、1つの可動電極26とが設けられていた。第二の実施形態における可変容量素子4には、1つの固定電極41と、第一可動電極45a、45bおよび第二可動電極46a、46bの2つの可動電極とが設けられている。
可変容量素子4を構成する各部材は、対応する可変容量素子2を構成する各部材の材料と同様の材料からなる。また、RFブロック60a〜60c、駆動回路61、および駆動回路62の機能は、可変容量デバイス1の場合と同様である。
固定電極41は、駆動回路61および駆動回路62などの電源のグランドに接続可能となっている。本実施形態では、RFブロック60aを介して電源のグランドに接続されている。固定電極41の一方の端部から他方の端部にかけては、RF信号を通過させられるようになっている。つまり、固定電極41は、可変容量素子4の電極板として機能するほかに、RF信号の信号線路としても機能する。
第一引出電極42は、可変容量素子2を構成する第一引出電極21と同様の形状からなり、櫛形状部42aと矩形状部42bとを備えるように形成されている。また、第二引出電極43は、可変容量素子2を構成する第二引出電極22と同様の形状からなり、櫛形状部43aと矩形状部43bとを備えるように形成されている。第一引出電極42および第二引出電極43は、それぞれ駆動電圧を印加するための駆動回路に接続可能となっている。本実施形態では、第一引出電極42は、RFブロック60bを介して駆動回路61に接続されている。また、第二引出電極43は、RFブロック60cを介して駆動回路62に接続されている。
第一引出電極42と第二引出電極43との隙間には、酸化シリコン(SiO2)またはアルミナ(Al2O3)などの絶縁性材料からなる接続層44が形成されている。つまり、接続層44によって、第一引出電極42と第二引出電極43とは一体化する。
以下、第一引出電極42と第二引出電極43とが一体化してなる部材を引出電極部423と呼称することがある。
図18をも参照して、第一可動電極45a、45bは、櫛形状部42aの各櫛歯部分の下面に形成されている。また、第二可動電極46a、46bは、櫛形状部43aの各櫛歯部分の下面に形成されている。ただし、第一可動電極45a、45bの全部または一部が、第一引出電極42と一体的に形成されていてもよい。同様に、第二可動電極46a、46bの全部または一部が、第二引出電極43と一体的に形成されていてもよい。
以下、第一可動電極45a、45b、および第二可動電極46a、46bが占める領域を可動電極部456Cと呼称することがある。
第一可動電極45a、45bの下面には、それぞれ誘電体層47a、47bが形成されている。また、第二可動電極46a、46bの下面にも、それぞれ誘電体層47c、47dが形成されている。
以下、誘電体層47a〜47dが占める領域を誘電体層中央部47Cと呼称することがある。
引出電極部423は、可動電極部456Cが、誘電体層中央部47Cを挟んで、固定電極41の中央部の上面と対向してそれに架橋するようにブリッジ状に形成されている。
引出電極部423の架橋方向の一方の端部の下面には、第一固定容量層48が形成されている。また、他方の端部の下面には、第二固定容量層49が形成されている。引出電極部423は第一固定容量層48および第二固定容量層49によって支持されており、誘電体層中央部47Cと固定電極41との間には空隙が設けられている。
第一可動電極45a、45bと固定電極41との間に電位差が生じると、両電極間に生じる静電引力によって引出電極部423が固定電極41の側へ引き寄せられる。同様に、第二可動電極46a、46bと固定電極41との間に電位差が生じると、静電引力によって引出電極部423が固定電極41の側へ引き寄せられる。双方を合わせた静電引力がある値以上になると、引出電極部423が誘電体層中央部47Cなどを介して固定電極41の中央部に接触した状態となる。このように、引出電極部423は、ばね部材としても作用する。引出電極部423のばね定数は、引出電極部423を構成する各部材の材質または寸法を変更したり、第一固定容量層48および第二固定容量層49の材質または寸法を変更したりすることにより、調整可能となっている。
第一固定容量層48および第二固定容量層49の下面には、それぞれ誘電体層47e、47fが形成されている。
誘電体層47e、47fの下面には、それぞれグランド電極50a、50bが形成されている。誘電体層中央部47Cと固定電極41との間の場合と異なり、誘電体層47eとグランド電極50aとの間、および誘電体層47fとグランド電極50bとの間に空隙は設けられていない。グランド電極50a、50bは、RF信号のグランドに接続可能となっている。
可変容量素子4についても可変容量素子2の場合と同様に、駆動回路61によって印加する駆動電圧V1および駆動回路62によって印加する駆動電圧V2を調整することで、その静電容量を所望の2つの値で変化させられる。また、可変容量素子4の静電容量Cを最大値(最大静電容量CL)に保持する間、第一〜第三の印加例に基づいて駆動電圧V1および駆動電圧V2を印加することで、可変容量素子4を安定して動作させることができる。
上述の実施形態において、可変容量デバイス1、可変容量素子2、可変容量デバイス3、および可変容量素子4の全体または一部の構造、形状、材料、および適用などは、本発明の主旨に沿って適宜変更可能である。駆動電圧V1および駆動電圧V2の印加例についても、本発明の主旨に沿って適宜変更可能である。例えば、上述の実施形態では、可変容量素子2および可変容量素子4の静電容量を所望の容量に調整しやすくするために、それらに固定容量層が設けられていたが、固定容量層を設けなくても所望の容量に調整可能であれば、必ずしも設ける必要はない。また、上述の実施形態では、固定電極と可動電極との接触による短絡を防止するための誘電体層が、可変容量素子2については固定電極側に、可変容量素子4については可変電極側に設けられていたが、それぞれ逆側に設けられていてもよい。
1 可変容量デバイス
2 可変容量素子
3 可変容量デバイス
4 可変容量素子
21 第一引出電極(第1の配線部)
22 第二引出電極(第2の配線部)
23a、23b 第一固定電極(第1の固定電極)
24a、24b 第二固定電極(第2の固定電極)
25a、25b、25d、25e 誘電体層
26 可動電極
41 固定電極
42 第一引出電極(第1の配線部)
43 第二引出電極(第2の配線部)
45a、45b 第一可動電極(第1の可動電極)
46a、46b 第二可動電極(第2の可動電極)
47a、47b、47c、47d 誘電体層
61 駆動回路(第1の駆動部)
62 駆動回路(第2の駆動部)
V1 駆動電圧(第1の駆動電圧)
V2 駆動電圧(第2の駆動電圧)

Claims (4)

  1. 互いに絶縁された第1の固定電極および第2の固定電極と、
    前記第1の固定電極および前記第2の固定電極に対向する可動電極と、
    前記第1の固定電極および前記第2の固定電極と前記可動電極との間に設けられる誘電体層と、
    前記第1の固定電極に前記可動電極を基準とする第1の駆動電圧を印加するための第1の配線部と、
    前記第2の固定電極に前記可動電極を基準としかつ前記第1の駆動電圧とは極性が異なる第2の駆動電圧を印加するための第2の配線部と、
    を有する可変容量素子、および、
    前記第1の配線部を介して前記第1の固定電極に前記第1の駆動電圧を印加するための第1の駆動部、並びに、
    前記第2の配線部を介して前記第2の固定電極に前記第2の駆動電圧を印加するための第2の駆動部、を有し、
    前記第1の駆動電圧および前記第2の駆動電圧は、互いに異なる極性に反転することを繰り返す矩形波状の電圧であり、かつ、前記第1の駆動電圧の極性が反転するタイミングと前記第2の駆動電圧の極性が反転するタイミングとがずれている、
    可変容量デバイス
  2. 互いに絶縁され一体化された第1の可動電極および第2の可動電極と、
    前記第1の可動電極および前記第2の可動電極に対向する固定電極と、
    前記第1の可動電極および前記第2の可動電極と前記固定電極との間に設けられる誘電体層と、
    前記第1の可動電極に前記固定電極を基準とする第1の駆動電圧を印加するための第1の配線部と、
    前記第2の可動電極に前記固定電極を基準としかつ前記第1の駆動電圧とは極性が異なる第2の駆動電圧を印加するための第2の配線部と、
    を有する可変容量素子、および、
    前記第1の配線部を介して前記第1の可動電極に前記第1の駆動電圧を印加するための第1の駆動部、並びに、
    前記第2の配線部を介して前記第2の可動電極に前記第2の駆動電圧を印加するための第2の駆動部、を有し、
    前記第1の駆動電圧および前記第2の駆動電圧は、互いに異なる極性に反転することを繰り返す矩形波状の電圧であり、かつ、前記第1の駆動電圧の極性が反転するタイミングと前記第2の駆動電圧の極性が反転するタイミングとがずれている、
    可変容量デバイス
  3. 互いに絶縁された第1の固定電極および第2の固定電極と、当該第1の固定電極および当該第2の固定電極に対向する可動電極と、当該第1の固定電極および当該第2の固定電極と当該可動電極との間に設けられる誘電体層とを有する可変容量素子の駆動方法であって、
    前記第1の固定電極に前記可動電極を基準とする第1の駆動電圧を印加し、
    前記第2の固定電極に前記可動電極を基準としかつ前記第1の駆動電圧とは極性が異なる第2の駆動電圧を印加し、
    前記第1の駆動電圧および前記第2の駆動電圧として、互いに異なる極性に反転することを繰り返す矩形波状の電圧を印加し、かつ、前記第1の駆動電圧の極性が反転するタイミングと前記第2の駆動電圧の極性が反転するタイミングとをずらす、
    可変容量素子の駆動方法。
  4. 互いに絶縁され一体化された第1の可動電極および第2の可動電極と、当該第1の可動電極および当該第2の可動電極に対向する固定電極と、当該第1の可動電極および当該第2の可動電極と当該固定電極との間に設けられる誘電体層とを有する可変容量素子の駆動方法であって、
    前記第1の可動電極に前記固定電極を基準とする第1の駆動電圧を印加し、
    前記第2の可動電極に前記固定電極を基準としかつ前記第1の駆動電圧とは極性が異なる第2の駆動電圧を印加し、
    前記第1の駆動電圧および前記第2の駆動電圧として、互いに異なる極性に反転することを繰り返す矩形波状の電圧を印加し、かつ、前記第1の駆動電圧の極性が反転するタイミングと前記第2の駆動電圧の極性が反転するタイミングとをずらす、
    可変容量素子の駆動方法。
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