JP5332939B2 - セラミックメタルハライドランプ - Google Patents

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Description

本発明は、オフィスや店舗等の一般照明として用いられるセラミックメタルハライドランプに関し、特に、相関色温度3000〜4500K、平均演色評価数Ra≧80の高演色性、発光効率η≧100(lm/W)の高効率、短時間での再始動性が求められる場合に用いて好適である。
メタルハライドランプは、高圧ナトリウムランプや水銀ランプに比して、最も自然光に近い光が放射されるので演色性に優れており、オフィスや店舗のベース照明としても用いられている。
そして、一般には、ISO8995演色区分1B以上である平均演色評価数Ra=80以上、相関色温度は3000〜4500Kの範囲となる高演色で暖色から白色と言われる範囲の光源が使用されているが、省エネの観点から、より発光効率の高いランプが求められている。
しかしながら、高演色性と高効率は相反する効果であり、演色性を向上させれば発光効率が低下し、発光効率を高くすれば演色性が低下する。
このため、従来のメタルハライドランプは、高効率・高演色を謳っていても、効率重視型または演色性重視型のいずれかに分類されることとなる。
この場合に、一般に、平均演色評価数Ra≧80であれば高演色であると評価され(ISO8995の演色区分1B以上)、発光効率η≧100程度であれば高効率であると評価される。
例えば、特許文献1に開示されたDy−Ho−Tm系メタルハライドランプの最高データは、平均演色評価数Ra=87と優れるが、発光効率η=93(lm/W)とやや劣るため、演色性重視型ということができる。
また、特許文献2に開示されたNa−Ce系メタルハライドランプは、Ceの強烈な緑色発光により平均発光効率η=123(lm/W)と優れるが、平均演色評価数Ra=60とやや劣るため、効率重視型ということができる(特許文献2[0049]参照)。
さらに、特許文献2[0082]には「NaI以外にも、所望のランプ特性に応じて適宜、ディスプロシウム(Dy)、ツリウム(Tm)、ホルミウム(Ho)、タリウム(Tl)等を発光物質として添加してもよい。」と記載されているが、これらの物質を加えてNa−Ce系メタルハライドランプの発光封入物質の比率を調整しても、Ceの強烈な緑色発光を抑えてRa=70以上にすることは困難であるだけでなく、発光物質としてDy、Tm、Ho、Tlを添加していくと、特許文献1のランプ特性に近づき発光効率は低下してしまう。
一方、従来の高演色セラミックメタルハライドランプは、発光管を収納する透光性外管を真空にして発光管の保温効果を高めることにより高演色性・高発光効率を実現しているが、この場合、消灯時に発光管が冷却されにくいことから、消灯後再度点灯されるまでの再始動時間が25分から30分ほどかかっており、これを15分程度まで短縮することが望まれている。
始動パルス電圧を高めることで再始動時間を短縮することもできるが、試作ランプにおいて透光性外管内を真空とし、15分以内に再始動できるパルス電圧を測定したところ、3kV以上の高電圧パルスが必要だとわかった。
最近の安全・安心指向重視の使用環境においては、始動電圧もせいぜい1〜1.5kV程度が適当と考えられている。水銀灯安定器で点灯する低始動電圧タイプの一般照明用ランプにおいては、3kVの高電圧パルスを発生させることは安全性の面で避けることが望ましい。
特開2003−187744号公報 特開2003−086130号公報
そこで本発明は、メタルハライドランプにおいて相反する効果である高演色性及び高効率を両立させ、具体的には、平均演色評価数Ra≧80という高演色性を維持しつつ、発光効率η≧100(lm/W)という高効率を達成すると共に、従来ランプと同程度の始動パルス電圧で再始動時間を短縮させることを技術的課題としている。
この課題を達成するために、本発明は、ハロゲン化金属、水銀及び始動用希ガスを封入した発光部と、その両端に配置される一対の電極アセンブリを挿通したキャピラリとを透光性セラミックで形成した発光管が、透光性外管に収納されたセラミックメタルハライドランプにおいて、
前記発光管は、略楕円面状に形成された前記発光部の長軸方向両端側に前記キャピラリが角隅部のない遷移曲面を介して連続的に形成され、発光部の平均肉厚が0.85〜1.1mmに形成されると共に、発光部の肉厚分布が平均肉厚の±20%以内に形成され、
前記発光部の内側寸法が、その有効長さをL、有効内径をDとしたときに、1.8≦L/D≦2.2に設計されると共に、点灯時の発光部最冷温度が800℃以上で且つ発光部最高温度が1200℃以下となる大きさに形成され、
前記ハロゲン化金属として、少なくともヨウ化ツリウム、ヨウ化タリウム、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化カルシウムが封入されると共に、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化カルシウムが、全ハロゲン化金属に対して夫々40〜80%及び30%未満のモル比率で封入されており、
前記透光性外管内に、ランプの点いていない常温時における封入圧力5.3×10〜7.6×10(Pa)で不活性ガスが充填されていることを特徴としている。
本発明のメタルハライドランプによれば、発光管に、少なくとも、ヨウ化ツリウム、ヨウ化タリウム、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化カルシウムの4種類のハロゲン化金属が封入されている。
ハロゲン化金属のうち、ヨウ化ツリウム(TmI)、ヨウ化タリウム(TlI)及びヨウ化ナトリウム(NaI)が封入されたTm−Tl−Na系のセラミックメタルハライドランプは一般に、緑色系の発光色を呈するTmI及びTlIが発光効率を向上させており、黄色系の発光色を呈するNaIが演色性を向上させているが、全体としては、発光効率に優れる効率重視型のメタルハライドランプである。
本発明では、NaIをモル比率で40〜80%とすると同時に、ヨウ化カルシウム(CaI)を加えている。
CaIを加えることにより赤色領域の発光が増えるため、発光効率は低下する傾向にあるが、演色性は向上する。発明者の実験によれば、CaIの封入比率が30%未満であれば、発光効率の低下はわずかで、演色性向上の効果が大きいことが判明した。
そこで、CaIをモル比率で30%を上限として添加することにより高演色性を実現することができた。
また、発光管は、略楕円面状に形成された発光部の長軸方向両端側に、一対のキャピラリが角隅部のない遷移曲面を介して連続的に形成されているから、機械的強度を低下させることなく全体の肉厚を比較的薄く且つ均一にすることができ、したがって、部分的に厚肉部が形成される3ピースタイプまたは5ピースタイプとは異なり、発光部の温度分布が比較的均一になり、最冷温度も高く保持できるので壁面負荷を高くする必要がない。
また、発光部内の温度差が従来より小さくなり、その結果、ハロゲン化金属と発光部内壁面を構成する材料との化学反応速度が低く抑えられるので、ランプ寿命を伸ばすことができるという効果がある。
さらに、発光部の内側寸法が、その有効長さをL、有効内径をDとしたときに、1.8≦L/D≦2.2に設計されると共に、点灯時の発光部最冷温度が800℃以上で且つ発光部最高温度が1200℃以下となる大きさに形成されている。
発明者の実験によれば、発光部が楕円球状に形成されていても、その縦横比や大きさが発光効率及び演色性に何らかの影響を及ぼすことが判明しており、1.8≦L/D≦2.2
であり、点灯時の発光部最冷温度が800℃以上で且つ発光部最高温度が1200℃以下となる大きさに形成されていれば、そのメタルハライドランプの定格電力にかかわらず、平均演色評価数Ra≧80、発光効率η=100(lm/W)を達成することができた。
また、発光管の発光部の平均肉厚が0.85〜1.1mmと比較的薄めに形成されると共に、発光部の肉厚分布が平均肉厚の±20%以内と均一に形成されているので、消灯時に発光管内の熱が外部に逃げやすく、しかも、発光管を収容する透光性外管内に、ランプの点いていない常温時における封入圧5.3×10(Pa)以上で不活性ガスが充填されているので、発光管の冷却が促進され再始動時間を15分以内に短縮することができる。
なお、不活性ガスは充填量が多過ぎると透光性外管の破損につながるので、発光時に概ね1気圧を大幅に上回ることのないように常温時における封入圧7.6×10(Pa)を上限としている。
これにより、演色評価数、発光効率を低下させることなく、再始動時間を短縮することができる。
本発明に係るメタルハライドランプに用いる発光管を示す説明図。 メタルハライドランプAの全体外観図。 メタルハライドランプBの全体外観図。 発光効率ηとL/Dの関係を示すグラフ。 平均演色評価数RaとL/Dの関係を示すグラフ。 不活性ガス封入圧力に対する再始動時間及び発光効率を示すグラフ。 発光管のほかの実施形態を示す説明図。
本発明は、平均演色評価数Ra≧80という高演色性を維持しつつ、発光効率η≧100(lm/W)という高効率を実現させ、さらに、再始動時間を短縮するため、略楕円面状に形成された発光部の長軸方向両端側に前記キャピラリが角隅部のない遷移曲面を介して連続的に形成された発光管が透光性外管に収容配設され、その発光部の平均肉厚が0.85〜1.1mmに形成されると共に、発光部の肉厚分布が平均肉厚の±20%以内に形成され、
発光部は、内側寸法の有効長さをL、有効内径をDとしたときに、1.8≦L/D≦2.2に設計されると共に、点灯時の発光部最冷温度が800℃以上で且つ発光部最高温度が1200℃以下となる大きさに形成され、
発光部に、ハロゲン化金属として、少なくともヨウ化ツリウム、ヨウ化タリウム、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化カルシウムを封入する共に、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化カルシウムを全ハロゲン化金属に対して夫々40〜80%及び30%未満のモル比率で封入し、透光性外管に、5.3×10〜7.6×10(Pa)の圧力で不活性ガスを封入した。
そして、以下に示す二種類のメタルハライドランプA及びBのそれぞれについて、定格電力や封入物のモル比を変えて実験を行った。
<発光管について>
各メタルハライドランプA及びBには、図1に示す共通の発光管1が用いられている。
発光管1は、楕円の長軸を回転軸として回転させたような略楕円面状に形成された発光部2の長軸方向両端側に、一対のキャピラリ3A、3Bが角隅部のない遷移曲面4を介して連続的に形成されており、発光部2には、ハロゲン化金属、水銀及び始動用希ガスが封入されている。
本例の発光管1は、発光部2とキャピラリ3A、3Bを透光性アルミナの粉末圧縮体を型取りして一体成形した所謂1ピースタイプのものを用いている。
発光部2の両端に形成されたキャピラリ3A、3Bには、電極5、5を備えた一対の電極アセンブリ6A、6Bが挿通されて、そのキャピラリ3A、3Bの両端が、電気絶縁性を有するフリットガラスなどのシール材によって気密にシールされると同時に、該シール材によって電極アセンブリ6A、6Bが、キャピラリ3A、3B内の定位置に固定されている。
発光部2の内側寸法は、その有効長さをL、有効内径をDとしたときに、1.8≦L/D≦2.2に設計されている。
有効長さLは、直管状のキャピラリ3A、3Bの内径が、発光部2に連続する遷移曲面4に移行して拡径開始する部分2A及び2B間の距離で定義され、有効内径Dは、1ピースタイプの発光管にあっては、電極間中央部の最大内径で定義される。
また、発光管1は、点灯時の発光部最冷温度が800℃以上で且つ発光部最高温度が1200℃以下となる大きさに形成されている。
発光部各部の温度は発光管の壁面負荷、透光性外管内のガス圧力、発光管材質及び発光部の寸法比(L/D)によって決まる。
ここでランプ電力P(W)を発光部2の全内面積S(cm)で除した値を「壁面負荷」と定義している。
発光部2の肉厚分布は平均肉厚の±20%以内に形成されている。
本例では、
平均肉厚tav=0.85mm
に対し、
最小肉厚tmin=0.78mm
最大肉厚tmax=0.98mm
となっており、
許容最小肉厚tav−20%=0.68mm
最大許容肉厚tav+20%=1.02mm
であるので、平均肉厚±20%の許容肉厚寸法内で形成されている。
発光管1は、略楕円面状に形成された発光部2の長軸方向両端側に、一対のキャピラリ3A、3Bが角隅部のない遷移曲面4を介して連続的に形成されているから、このように、肉厚分布を平均肉厚±20%の範囲で均一に形成することができ、発光管発光部3内の最冷温度を800℃以上に保持するために必要な壁面負荷を小さくできる。
したがって、発光部2内の温度差を従来より小さくでき、その結果、希土類金属ヨウ化物と発光部内壁面を構成する材料との化学反応速度を低く抑えてランプ寿命を伸ばすことができるという効果がある。
すなわち、発光部とキャピラリ部とを3ピースまたは5ピースの部品に分けて加工し、それらを発光管焼結時の収縮による焼嵌めによって組み立てるタイプの発光管は、部品を焼嵌めする際の機械的強度を確保するために、発光部の端部が発光部中央付近の1.5倍以上の厚肉になっているのが一般的である。
この場合、厚肉部は電極間で生じる放電箇所から離れているため、厚肉部の温度が上がりにくく、この部分の温度(発光部最冷温度)を800℃以上に維持するためには壁面負荷を高めに設定しなければならず、その結果、発光部内における温度差が大きくなる。
一方、壁面負荷を高めに設定することにより発光部最高温度が1200℃を超えてしまい、その結果、当該高温部でハロゲン化金属と発光管内壁面を構成する材料との化学反応速度が高くなり、発光管内壁面の浸食が速まってランプ寿命が短くなるという問題を生ずる。
本発明のセラミックメタルハライドランプでは、壁面負荷を小さくすることができるため、ランプ寿命を犠牲にすることなく、高効率、高演色性を実現することができる。
また、発光部2には、ハロゲン化金属として、少なくともヨウ化ツリウム(TmI)、ヨウ化タリウム(TlI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)及びヨウ化カルシウム(CaI)が封入されると共に、ヨウ化ナトリウム(NaI)及びヨウ化カルシウム(CaI)が、全ハロゲン化金属に対して夫々40〜80%及び30%未満のモル比率で封入されている。
また、必要に応じて、ヨウ化ディスプロシウム(DyI)が全ハロゲン化金属に対して3%以下のモル比率で封入され、ヨウ化セリウム(CeI)が全ハロゲン化金属に対して5%以下のモル比率で封入されている。
<メタルハライドランプA>
メタルハライドランプAは、図2に示すように、片端に口金11を形成した透光性外管10内に、上述した発光管1が収納配設されると共に、電極5,5間に始動電圧を供給する非線形セラミックコンデンサなどからなる前記始動器12が配されている。
そして、口金11のステム13には支柱14、15が立設され、サポートディスク16、16が支柱15に取り付けられ、その中心に形成された挿通孔にキャピラリ3A、3Bが挿通されて発光管1が取り付け支持されると共に、このディスク16、16に透光性スリーブ17が発光部2を囲むように固定されている。
また、キャピラリ3A、3Bの端末から突出する電力供給リード7、7が夫々の支柱14、15に直接溶接するか又はニッケルリボン線18を介して溶接することにより口金11に電気的に接続されると共に、前記始動器12が当該電力供給リード7、7に電気的に接続されている。
透光性外管10には不活性ガスとして窒素ガスが封入されている。
不活性ガスの封入圧力が高くなるほど冷却効率が高くなるため再始動時間が短くなるが、ランプの点いていない常温時で5.3×10(Pa)を超えるとそれ以上短縮されず略一定となる。また、発光効率も封入圧力が高くなるほど低下するが、封入圧力が5.3×10(Pa)を超えると略一定となる。
これに対して、封入圧力が高すぎるとわずかな傷や衝撃でも透光性外管が破損し易くなる。
そこで、ランプの点いていない常温時(300K)における不活性ガスの封入圧力を、再始動時間及び発光効率を考慮して5.3×10(Pa)以上とすると共に、内圧過多による発光管の破損を未然に防止するため発光時で1気圧を大幅に超えることがないように7.6×10(Pa)以下とした。
すなわち、安定点灯時の透光性外管10内の平均温度(使用温度)を400Kとし、管内圧が1気圧(10.1×10Pa)に達する場合を想定すると、ランプの点いていない常温時(300K)における封入圧力は7.6×10(Pa)となる。
また、本例の場合、壁面負荷は15〜25(W/cm)であり、垂直方向(図2の方向)に配置して点灯させる。
<メタルハライドランプB>
メタルハライドランプBは、図3に示すように、透光性外管10内に発光管2及び始動器12が収納された基本構造においてメタルハライドランプAと共通し、透光性スリーブ16がない点で異なるのみである。メタルハライドランプAと共通する部分は同一符号を付して詳細説明を省略する。
なお、壁面負荷は20〜25(W/cm)であり、基本的に、水平方向(図3の方向)に配置して点灯させるタイプである。
本例でも、ランプの点いていない常温時における不活性ガス(窒素ガス)の封入圧力は、5.3×10(Pa)以上で、発光時でも1気圧を大幅に超えることがないように、7.6×10(Pa)以下となるように充填した。
<実験結果>
夫々のメタルハライドランプA及びBにおいて、L/D=2のときの、発光部2に封入するハロゲン化金属の組成比を変化させて、平均演色評価数Ra、発光効率ηを測定した結果が表1である。
これより、いずれの場合も、平均演色評価数Ra≧80であり、ISO8995の演色区分1B以上を維持しつつ、発光効率η=100(lm/W)を達成することができた。
Figure 0005332939
また、図5及び図6は、メタルハライドランプAにおいて、L/Dが異なる発光管1に所定のモル比率でハロゲン化金属を封入した場合に、L/Dと、平均演色評価数Ra及び発光効率ηと、L/Dとの関係を示すグラフであって、図5が表1のNo.1のモル比率で封入したときの測定結果、図6が表1のNo.3のモル比率で封入したときの測定結果を示す。
これらのグラフより、少なくとも1.8≦L/D≦2.2の範囲において、平均演色評価数Ra≧80であり、発光効率η≧100(lm/W)であった。グラフ掲載は省略するが、始動器内蔵形安定器にて点灯する他のランプでも同様の結果が得られた。
近時曲線は、いずれもL/D=2近傍でピークとなっていることから、測定誤差などを考慮したときに、平均演色評価数Ra及び発光効率ηが両方とも高レベルに維持するためには、L/D=2の発光管1を用いるのが好ましい。
さらに、図7は、メタルハライドランプAのタイプについて、透光性外管10の窒素ガス封入圧力に対する始動開始時間及び発光効率を示すグラフである。
これより、ランプの点いていない常温時における不活性ガス(窒素ガス)の封入圧力を、5.3×10〜7.6×10(Pa)とした場合、再始動時間は15分まで短縮され、また、発光効率も125(lm/W)程度に維持されていることがわかる。
また、最高圧力で封入しても、発光時に透光性外管10内が1気圧を大幅に超えることはないので、内圧過多による透光性外管10の破損を起こすこともない。
また、メタルハライドランプBや始動器内蔵形安定器にて点灯する他のランプでも同様の結果が得られた。
なお、上述した説明では、発光管1は1ピースタイプのものを用いたが、略楕円面状に形成された発光部の長軸方向両端側にキャピラリが角隅部のない遷移曲面を介して連続的に形成されていれば、2ピースタイプのものであってもよい。
2ピースタイプの発光管30は、図8に示すように、略半楕円面31の頂点側に角隅部のない遷移曲面32を介して一のキャピラリ33を連続的に形成した漏斗状の発光管形成用半体34を突合せ溶接して形成されている。
この場合、発光部35の有効長さLは図1の発光管1と同様、直管状のキャピラリ33の内径が、発光部35に連続する遷移曲面32に移行して拡径開始する部分35A及び35B間の距離で定義される。
有効内径Dは、突合せ溶接部36が厚肉になるので、その溶接部36における内側の膨らみがなかったとしたときの想定楕円面37における電極間中央部の最大内径で定義される。
そして、有効長さLと有効内径Dの比が、1.8≦L/D≦2.2に形成されている。
また、この2ピースタイプの発光管30においては、発光部35の肉厚分布が突合せ溶接部36の厚肉部を除いて算出された平均肉厚の±20%以内に形成され、厚肉部が前記平均肉厚の1〜1.5倍に形成されている。
そして、本例の発光管30を前記発光管1に替えてメタルハライドランプA及びBに装着し、透光性外管10に不活性ガス(窒素ガス)を常温時5.3×10(Pa)〜7.6×10(Pa)の封入圧力で充填して点灯実験したところ、上記各実施例と同様に、平均演色評価数Ra≧80の高演色性と、η≧100(lm/W)の高発光効率を両立させることができ、再始動時間も15分に短縮することができた。
以上述べたように、本発明は、高演色性及び高発光効率と、短時間での再始動が要求されるセラミックメタルハライドランプの用途に適用できる。
A、B メタルハライドランプ
1 発光管
2 発光部
3A、3B キャピラリ
4 遷移曲面
6A、6B 電極アセンブリ
L 有効長さ
D 有効内径
10 透光性外管

Claims (5)

  1. ハロゲン化金属、水銀及び始動用希ガスを封入した発光部と、その両端に配置される一対の電極アセンブリを挿通したキャピラリとを透光性セラミックで形成した発光管が、透光性外管内に収納されたセラミックメタルハライドランプにおいて、
    前記発光管は、略楕円面状に形成された前記発光部の長軸方向両端側に前記キャピラリが角隅部のない遷移曲面を介して連続的に形成され、発光部の平均肉厚が0.85〜1.1mmに形成されると共に、発光部の肉厚分布が平均肉厚の±20%以内に形成され、
    前記発光部の内側寸法が、その有効長さをL、有効内径をDとしたときに、1.8≦L/D≦2.2に設計されると共に、点灯時の発光部最冷温度が800℃以上で且つ発光部最高温度が1200℃以下となる大きさに形成され、
    前記ハロゲン化金属として、少なくともヨウ化ツリウム、ヨウ化タリウム、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化カルシウムが封入されると共に、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化カルシウムが、全ハロゲン化金属に対して夫々40〜80%及び30%未満のモル比率で封入されており、
    前記透光性外管内に、ランプの点いていない常温時における封入圧力5.3×10〜7.6×10(Pa)で不活性ガスが充填されていることを特徴とするセラミックメタルハライドランプ。
  2. 前記ハロゲン化金属として、ヨウ化ディスプロシウムが全ハロゲン化金属に対して3%以下のモル比率で封入された請求項1記載のセラミックメタルハライドランプ。
  3. 前記ハロゲン化金属として、ヨウ化セリウムが全ハロゲン化金属に対して5%以下のモル比率で封入された請求項1記載のセラミックメタルハライドランプ。
  4. 前記発光管が、略半楕円面の頂点側に角隅部のない遷移曲面を介して一のキャピラリを連続的に形成した漏斗状の発光管形成半体を突合せ溶接して形成した2ピースタイプである場合に、前記平均肉厚が突合せ溶接部の肉厚を除いて算出され、前記突合せ溶接部の肉厚が前記平均肉厚の1〜1.5倍に形成された請求項1記載のセラミックメタルハライドランプ。
  5. 前記発光管の周囲に透光性スリーブが配された請求項1記載のセラミックメタルハライドランプ。

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