JP5331507B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
また、特許文献1〜3等に示されるように、通常、内視鏡の挿入部の先端付近には、湾曲部が設けられており、操作部に設けられた、上下方向および左右方向の湾曲用の操作ツマミ(操作ノブ)を回転することによって、上下左右に湾曲させることが可能になっている。
具体的には、湾曲部は、多数のリングを筒状に配列して連結して、この連結したリングにワイヤを挿通した構成を有する。各リングは、交互に、上下方向および左右方向(直交する2方向)に回転(揺動)可能に連結されている。この連結されたリング内に、上下方向に離間する2本のワイヤ、および、左右方向に離間する2本のワイヤの、計4本のワイヤを挿通して、ワイヤの先端を、最も最先端側に配置されるリングに固定する。
湾曲部のリングに挿通された、上下方向に離間する2本のワイヤは、UDツマミと一体で回転するプーリに掛け回される。同じく、左右方向に離間する2本のワイヤは、LRツマミと一体で回転するプーリに掛け回される。
従って、操作ツマミを回転することにより、湾曲部に連結されるワイヤの一方を牽引、他方を送り出して、湾曲部を、湾曲させることができる。また、UDツマミとLRツマミの両方を操作することで、湾曲部を上下方向および左右方向の両方向を含む上下左右の任意の方向に湾曲できる。
例えば、胃底の検査は、図7に概念的に示すように、胃の中で湾曲部を大きく湾曲させた状態で、挿入部の延在方向を回転軸とするように、挿入部を回転して行なう。
すなわち、この検査では、内視鏡の操作を行なう医師は、重い操作部を持ったまま、強い反力に対向して操作ツマミを戻らないように押さえた状態で、挿入部を回転させる必要があり、非常に負担が大きい。また、不意に操作ツマミを離してしまうと、強い反力で一気に湾曲部がストレート状態に戻るので、人体を損傷してしまう可能性も有る。
ブレーキは、湾曲部を湾曲した状態で、例えば摩擦力で操作ツマミの回転を固定する等、湾曲部の操作手段や湾曲部を湾曲させる湾曲手段を機械的に固定することにより、湾曲部を所望の湾曲量だけ湾曲した状態で保持する。従って、ブレーキを利用することにより、湾曲を維持した状態で挿入部を回転させる操作等を行なう際に、湾曲部の反力に逆らって操作ツマミを押さえるという負担は、無くすことができる。
そのため、ブレーキを有することにより、操作部には、ブレーキを掛けるためのブレーキツマミや、摩擦力によって操作ツマミを固定するブレーキ部材(ブレーキパッド)等の部材が必要となり、操作者が常時保持する操作部のサイズが大きくなってしまい、また、重量も重くなってしまう。すなわち、従来のブレーキでは、湾曲部を湾曲した状態での操作ツマミの保持という点では操作者の負担は低減できるものの、反面、サイズ増や重量増によって操作者の負担や疲労が大きくなってしまう。
前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記ブレーキ指示手段によるブレーキ指示に応じて、ブレーキ指示が出された時点における前記湾曲部の湾曲量を前記湾曲量検出手段から取得して、この湾曲量を維持するように前記駆動手段を駆動し、また、この湾曲状態の維持中に、前記ブレーキ解除手段から解除指示が出された場合には、前記駆動手段の駆動力を漸減することを特徴とする内視鏡を提供する。
そのため、摩擦力を利用する機械的なブレーキを有する内視鏡に比して、部品点数を少なくして、操作部の重量やサイズを低減することができ、内視鏡を操作する医師等の操作者の疲労や負担を低減することができる。
さらに、好ましい態様として、このブレーキを構成する駆動源を利用して、湾曲部の湾曲操作手段に掛かる操作力に対する所定割合の力で、前記プーリに回転力を付与する等の方法で、湾曲操作のアシストすることにより、少ない操作力での湾曲操作が可能となり、操作者の負担や疲労を、より好適に低減できる。
図1に示す内視鏡10は、一例として、体腔(消化器官など)等の検査部位に挿入されて、検査部位の観察、写真や動画の撮影、さらには組織の採取等を行なうものである。
図示例において、内視鏡10は、通常の内視鏡と同様に、挿入部12、操作部14、コネクタ16、および、ユニバーサルコード18とを有して構成される。
この内視鏡10は、湾曲部24を所望の湾曲状態で維持(湾曲操作手段の動きを固定)するブレーキを、摩擦力による操作ツマミ等の固定のような機械的な機構ではなく、モータ等の駆動源を用いた電気的な機構で構成し、さらに、この駆動源を利用して湾曲操作のアシスト(補助(パワーアシスト))を行なう機構を有する以外には、基本的に、公知の内視鏡(内視鏡装置)と同様のものである。
また、図示例の内視鏡10は、一例として、CCDセンサ等のイメージセンサを用いて検査部位を撮影する、いわゆる電子スコープであるので、先端部22には、撮影用の対物レンズやCCDセンサ、CCDセンサが撮影した画像の画像信号を処理する基板等も配置される。なお、本発明の内視鏡は、電子スコープに限定はされず、光ファイバ等を用いて検査部位を直接的に観察する、いわゆるファイバースコープであってもよく、その場合には、先端部22には観察レンズおよび観察窓等が、設けられる。
軟性部26は、先端部22および湾曲部24と、操作部14とを繋ぐ部位で、検査部位への挿入に対して十分な可撓性を有する長尺なものである。この軟性部26(および湾曲部24)には、鉗子を挿入するための鉗子チャネル(チューブ)、送気/送水ノズルに接続する送気/送水チャネル、検査部位の照明を行なうためのライトガイド、CCDセンサによる撮影画像(画像信号)を転送するためのケーブル等が収容される。
通常の内視鏡と同様に、鉗子やクリップ処置具等の処置具を挿入するための鉗子口28、先端部22の送気/送水ノズルから吸引を行なうための吸引ボタン30および同じく送気および送水を行なうための送気/送水ボタン32等が配置される。また、内視鏡10は、電子スコープであるので、操作部14には、静止画の撮影スイッチやズームスイッチなどの、検査部位の撮影等に関する各種の操作手段も設けられる。
具体的には、湾曲部24を左方向および右方向に湾曲させるLRツマミ(レフト・ライトツマミ)36、および、湾曲部24を前記左右方向と直交する上方向および下方向に湾曲させるUDツマミ(アップ・ダウンツマミ)38が、湾曲部24を湾曲させる操作ツマミとして配置される。内視鏡10においては、各種の内視鏡と同様に、LRツマミ36を回すことにより挿入部12の湾曲部24を左右方向に湾曲(屈曲)させ、UDツマミ38を回すことにより湾曲部24を上下方向(LRツマミ36による湾曲方向と直交する方向)に湾曲させることができる。
操作部14の操作ツマミの構成、湾曲部24の構成および湾曲の作用、ブレーキスイッチ44および解除スイッチ46、さらに、ブレーキ(湾曲部24を所望の湾曲量で湾曲した状態で維持する機構)の構成および作用に関しては、後に詳述する。
また、コネクタ16には、照明用のライトガイドと内視鏡プロセッサーに設置される光源とを接続するためのLG棒52、高周波処置具(スネアやナイフ等の、いわゆる電気メス)を使用する際に、内視鏡10に漏れてきた電流を逃がすためのSコードを接続するS端子54等も設けられる。
さらに、コネクタ16には、内視鏡10(そのCCDセンサ)が撮影した画像等を処理して表示するビデオプロセッサーと内視鏡10とを接続するための、ビデオコネクタ56が接続される。
ライトガイドや送気/送水チャンネル等は、コネクタ16からユニバーサルコード18を通って、操作部14に接続され、操作部14から、前述のように挿入部12の軟性部26を通って先端部22に接続される。
図2に、操作部14における、LRツマミ36およびUDツマミ38等の湾曲操作機構の一例の概略図(概略部分断面図)を示す。なお、本発明の内視鏡において、湾曲操作機構は、この構成に限定はされず、各種の内視鏡で利用される公知の構成が、全て利用可能である。
この固定部60bには、軸支部60aの中心を通過してハウジング60から外部に突出するように、円柱状の中心軸62が立設している。
さらに、固定部60bには、プーリ68の回転角から、湾曲部24の左右方向の湾曲量を検出する湾曲量検出手段106が配置される。湾曲量検出手段106については、後に詳述する。
従って、LRツマミ36およびプーリ68も、中心軸62(その中心線)を回転中心として、中心軸62に回転自在に軸支される構成となり、LRツマミ36がオペレータによって回転されると、プーリ68も同量だけ回転して、ワイヤ70あるいは72の一方が牽引され、他方が送り出される(ワイヤが進退される)。
LRモータ74は、湾曲部24の左右方向のブレーキを掛ける(左右方向に湾曲した状態で維持する)、ブレーキを構成する駆動手段であり、図示しないステー等によって操作部14のハウジング60に固定されている。LRモータ74の回転軸には、ギア78が固定されている。また、ハウジング60には、ギア80が軸支される。このギア80は、LRモータ74の回転軸のギア78、および、前記プーリ68に形成されるギアに歯合している。
さらに、図示例の内視鏡10においては、LRモータ74を用いて、連結管64によってプーリ68に直結するLRツマミ36の操作、すなわち湾曲部24の左右方向の湾曲の操作をアシストすることも可能となる。
湾曲のブレーキおよびアシストに関しては、後に詳述する。
UDツマミ38は、下面側に凹部を有する。この凹部の天井面には、連結管(回転軸)84が固定される。この連結管84の下端には、固定部60bに内包されるようにプーリ86が固定される。このプーリ86には、湾曲部24に接続され、湾曲部24を牽引して湾曲させる、2本のワイヤ88および90が掛け回される。
また、固定部60bには、プーリ86の回転量から、湾曲部24の上下方向の湾曲量を検出する湾曲量検出手段108が配置される。湾曲量検出手段108については、後に詳述する。
従って、UDツマミ38およびプーリ86も、連結管64を回転中心として、連結管64に回転自在に軸支される構成となり、UDツマミ38がオペレータによって回転されると、プーリ86も同量だけ回転して、ワイヤ88および90の一方が牽引され、他方が送り出される。
ここで、前述のように、連結管64すなわちLRツマミ36は、中心軸62を中心に回転する。従って、連結管84すなわちUDツマミ38も、中心軸62を中心に回転する結果となり、すなわち、湾曲部24を湾曲させる操作ツマミであるLRツマミ36およびUDツマミ38は、同軸で回転する。
UDモータ92は、湾曲部24の上下方向のブレーキを掛ける(上下方向に湾曲した状態で維持(固定)する)、ブレーキを構成する駆動手段であり、操作部14のハウジング60に固定されており、その回転軸には、ギア96が固定されている。また、ハウジング60には、ギア98が軸支される。このギア98は、UDモータ92の回転軸のギア96、および、プーリ86に形成されるギアに歯合している。
さらに、UDモータ92を駆動することにより、連結管84によってプーリ86に直結するUDツマミ38の操作すなわち湾曲部24の上下方向の湾曲の操作をアシストすることも可能となる。
湾曲のブレーキおよびアシストに関しては、後に詳述する。
例えば、図2に示す構成を引用して図3に示すように、湾曲部24を左右に湾曲するためのプーリ68の下部に円筒部68aを設ける。インナーロータのDDモータをLRモータ74Dとして用い、このLRモータ74Dのロータを、この円筒部68aに係合する。LRモータ74Dで、円筒部68aを回転することにより、湾曲部24を左右方向に湾曲させ、また、プーリ68に回転力を掛けて湾曲状態で維持する。
また、上下方向の湾曲も、同様にインナーロータのDDモータをUDモータ92Dとして用い、UDモータ92Dのロータに連結管84を挿通して、係合する。UDモータ92Dで、連結管84を回転することにより、湾曲部24を上下方向に湾曲させ、また、プーリ86に回転力を掛けて湾曲状態で維持する。
内視鏡10において、湾曲部24の湾曲操作は、操作ツマミを回転することでプーリを回転し、このプーリ68および86の回転方向に応じて、湾曲方向に離間する2本のワイヤの一方を牽引し他方を送り出すことで行なう。従って、プーリ68および86の回転角(回転量)は、湾曲部24の湾曲量に対応し、すなわち、プーリ68および86の回転角を検出することにより、湾曲部24の湾曲量を検出することができる。
また、連結管84の斜線で示す位置には、UDツマミ38に掛けられたトルクを検出するトルクセンサ102が配置される。同様に、UDツマミ38、連結管84、およびプーリ86は、一体的に回転する。すなわち、トルクセンサ102は、UDツマミ38に掛けられた操作力を検出する検出手段である。
トルクセンサ100および102は、好ましい態様として、湾曲部24の湾曲のアシストを行なうための設けられたものであり、図示例の操作部14では、湾曲の操作ツマミに直結し、かつ、操作ツマミと一体で回転する円筒状の連結管の一部をトルクセンサ100および102とすることにより(あるいは連結管の一部にトルクセンサ100および102を配置することにより)、操作ツマミに掛けられた湾曲部24の湾曲のための操作力を、直接的に検出している。
また、図示例の内視鏡10は、好ましい態様として、操作ツマミに掛けられた操作力をトルクセンサ100および102で検出して、この操作力に対する所定の力でプーリ68および86を回転するようにLRモータ74およびUDモータ92を駆動することにより、湾曲部24の湾曲操作をアシストする。
一例として、プーリ68および86の外周部に、所定間隔で歯車状の切欠きを形成し、この切欠きに対応する位置に、プーリ68および86の回転方向と直交する方向に離間する受光部および発光部を有する光学式センサを用いて、切欠きを過った回数で回転角を検出する、いわゆる光学式エンコーダが例示される。なお、図示例の内視鏡10において、この光学式エンコーダを利用する際には、プーリ68および86に形成されるギアを、回転角検出のための切欠きとして利用してもよい。
また、光学式エンコーダ以外にも、ポテンショメータ(可変抵抗)を利用する回転角の検出手段も、好適に利用可能である。
一例として、プーリ68および86の回転角と同様に、左右方向の湾曲に対応するワイヤ70および72、ならびに、上下方向の湾曲に対応するワイヤ88および90の移動量も、湾曲部24の湾曲量に対応する。従って、ワイヤの移動量を検出することにより、湾曲部24の湾曲量を検出してもよい。なお、ワイヤの移動量も、光学的な方法や機械的な方法、磁気的な方法等、公知の長尺物の移動量の検出手段で検出すればよい。
また、プーリ68および86に変えて、これらのプーリ68および86に直接的あるいは間接的に歯合するギア78および80や、ギア96および98の回転角を検出することにより、湾曲部24の湾曲量を検出してもよい。ギア78、80、96および98の回転角は、プーリ68および86と同様の手段で検出すればよい。
さらに、湾曲部24の角度を検出することにより、湾曲部24の湾曲量を検出してもよい。湾曲部24の角度の検出方法にも、特に限定はなく、例えば、湾曲部24の外皮を構成する弾性体カバーの歪み量を、隣接する2つの円形リング110の間の位置で検出することにより、湾曲部24の湾曲量を検出してもよい。弾性体カバーの歪み量の検出には、電気抵抗線式の歪みゲージ等の公知の手段を利用すればよい。
さらに、複数の湾曲量の検出方法を併用してもよく、また、複数の湾曲量の検出方法を設けて、選択可能にしてもよい。
また、本発明においては、連結管64や連結管84において、湾曲の操作力を検出するのに限定はされず、例えば、プーリ68でのトルクの検出やギア80でのトルクの検出など、湾曲部24の湾曲の操作力を、直接的あるいは間接的に検出可能な、各種の位置や部位での検出が利用可能である。さらに、操作力の検出手段としては、トルクセンサ100および102以外にも、各種の力の検出手段が利用可能である。
なお、本発明の内視鏡において、内視鏡の湾曲部24の湾曲機構は、図示例の機構に限定はされず、内視鏡で利用されている湾曲部24の湾曲手段(湾曲機構)が、全て、利用可能である。さらに、湾曲部24の構成も、図示例に限定はされず、内視鏡で採用されている構成が、全て利用可能である。
図5に示すように、円形リング110は、側面の1方向から見た際に、軸線方向の上下の一方の側が凸状で、逆面が前記凸と同方向に凹む凹状の、上下面が開放する略円筒状の部材である。また、先端リング112は、略円筒状の部材で、湾曲部24の最も先端部22側に配置される。
円形リング110は、挿入部12の長手方向に、凹凸の向きを交互にして配置される。連結部材114aは、凸状側の両中央において、左右方向(矢印a方向)に回転(揺動)可能に円形リング110を連結する。他方、連結部材114bは、凹側の両端部において上下方向(矢印b方向)に回転可能に、各円形リング110、および、先端の円形リング110と先端リング112とを接続する。
また、連結部材114aおよび連結部材114bは、交互に配置されて、円形リング110を連結する。すなわち、円形リング110は、交互に、上下方向および左右方向に回転可能に連結される。
さらに、図5では省略するが、湾曲部24では、上下方向に湾曲部24を湾曲させる前記2本のワイヤ88および90が、ワイヤガイドに案内されて上下方向(紙面に垂直方向)に離間して円形リング110内を挿通され、一例として、ワイヤ88の先端が先端リング112の内面上側に、ワイヤ90の先端が先端リング112の内面下側に、それぞれ、固定される。
従って、LRツマミ36の回転量によって、湾曲部24の湾曲量(湾曲角)を調整することができる。
なお、以下の説明は、図4を参照して、湾曲部24の左右方向のブレーキ(湾曲部24を左右方向に湾曲した状態で維持する機構)を説明するが、上下方向に関しても、ブレーキおよび湾曲のアシストは、同様にして行なわれる。また、この点に関しては、後に説明する湾曲部24の湾曲のアシストに関しても、同様である。
制御手段118は、ブレーキスイッチ44が押下され、その信号を受けると、ブレーキスイッチ44が押下された時点のプーリ68の回転角(すなわち、その時点における湾曲部24の湾曲量)を検知/記憶し、記憶した回転角を維持するようにLRモータ74の駆動を制御する。
なお、記憶した回転角を維持するためのLRモータ74の駆動制御方法には、特に限定はなく、例えば、PID制御など、この回転角を目標値とする各種の位置決め制御を利用すればよい。
また、ブレーキを掛けた状態で、湾曲部24の湾曲量を変更するようにLRツマミ36が操作されても、位置決め制御等によって、LRツマミ36の操作力を打ち消す、あるいは、操作を戻す方向にLRモータ74を駆動するので、湾曲部24の湾曲状態を維持すなわちブレーキを掛けた状態を維持することができる。
制御手段118は、解除スイッチ46が押下され、その信号を受けると、LRモータ74の駆動を停止して連結管64に掛けているトルクを開放し、湾曲部24のブレーキ状態を解除して、通常のストレート状態に戻す。
湾曲部24の湾曲を維持しているLRモータ74の駆動を急激に停止すると、湾曲していた湾曲部24が、反力によって急激にストレート状態に戻り、人体の損傷等の事故が起こる可能性がある。これに対し、上述のように、LRモータ74の駆動電流を徐々に低減することにより、湾曲部24を緩やかにストレート状態に戻すことができ、湾曲部24が急激にストレート状態に戻ることによる、人体の損傷等を防止することできる。
さらに、図示例の内視鏡10では、湾曲部24にブレーキを掛けるための駆動手段として、LRモータ74を用いているが、本発明は、これに限定はされず、駆動手段としては、例えば、流体圧や電磁気的な力によって牽引を補助するソレノイドなどの各種のものが利用可能である。
あるいは、左右方向および上下方向に対して、独立してブレーキ/ブレーキ解除が行なえるようにしてもよい。
すなわち、本発明の内視鏡において、電気的な機構によるブレーキは、左右方向および上下方向の何れか一方のみとし、他方は、従来の摩擦力による機械的な機構のブレーキを利用してもよい。
図示例の内視鏡10は、好ましい態様として、これらを利用し、さらに、連結管64に掛かるトルクすなわちLRツマミ36に掛かる操作力を検出するトルクセンサ100、および、連結管84に掛かるトルクすなわちUDツマミ38に掛かる操作力を検出するトルクセンサ102を設けることにより、湾曲部24の湾曲操作をアシストを行なう。
制御手段118は、検出された操作トルクTHを基に、LRモータ74が加えるべきトルク(モータトルクTM)すなわちLRモータ74によるアシスト量を算出する。一例として、アシスト量を定める比例定数をkとして、
TM=kTH
制御手段118は、モータトルクTMを算出したら、このモータトルクTMを得るために必要な電流値Iを算出する。すなわち、モータ固有のトルク定数をKTとして、モータの性質「TM=KTI」から、
I=(1/KT)TM
によって、電流値Iを求める。あるいは、LRモータ74のトルクと電流値との関係を、予めテーブル化して持って、これを用いて電流値Iを求めてもよい。
さらに、制御手段118は、この電流値IによってLRモータ74を駆動するように、例えば、定電流制御でLRモータ74を駆動する。
一例として、LRモータ74によるアシストが無い場合に、目的とする湾曲量まで湾曲部24を湾曲するのに必要なトルク(操作力)をTLとする。
上述の補助を行なうことにより、
TL=TH+TM
となる、ここで、
TM=kTH
であるので、
TL=kTH+TH=(1+k)TH
従って、
TH=[1/(1+k)]TL
となり、操作者が、湾曲部24の湾曲操作を行なうのに必要なトルクは、「1/(1+k)」倍に、軽減される。従って、常に、操作者による操作トルクと同じ力でLRモータ74がアシストを行なう場合(k=1の場合)には、操作者によるトルク(操作力)を、湾曲に必要なトルクの50%とすることができる。
また、湾曲部24の湾曲は、基本的に、LRツマミ36等の操作手段で行なうので、オペレータは、検査部位から湾曲部24にかかる反力を感じながら操作を行なうことができ、穿孔事故などを好適に防止でき、さらに、微妙な操作も行い易い。
一方で、湾曲のアシストを行なっている状態では、湾曲部24の湾曲のためのトルクは、駆動源であるLRモータ74およびUDモータ92によるトルクと、操作者による操作力のトルクとの和になっている。従って、この状態で、ブレーキスイッチ44によりブレーキが指示された際に、急激に湾曲のブレーキを掛けると、LRモータ74およびUDモータ92の出力が急激に変動する可能性があり、この変動により操作者が違和感を感じてしまう。これを防止すために、ブレーキスイッチ44が押下されたら、制御手段118は、アシストに対応するLRモータ74およびUDモータ92の駆動電流を漸減して0とし、かつ、ブレーキに対応するLRモータ74およびUDモータ92の駆動電流を漸増して、湾曲部24の湾曲にブレーキを掛けるようにしてもよい。
あるいは、ブレーキスイッチ44が押下された時点でアシストを行なうためのLRモータ74およびUDモータ92の駆動電流を0とするモード、および、ブレーキスイッチ44が押下されたら、アシストに対応するLRモータ74およびUDモータ92の駆動電流を漸減して0とし、かつ、ブレーキに対応するLRモータ74およびUDモータ92の駆動電流を漸増するモードを設定しておき、切り換え手段や選択手段等によって、いずれかのモードを選択できるようにしてもよい。
ここで、湾曲のアシスト機能を有する内視鏡10においては、ブレーキ解除に応じたLRモータ74およびUDモータ92の駆動電流の漸減中(駆動電流の低減開始から出力0になるまでの間=ブレーキの解除中)に、操作ツマミによる湾曲操作が行なわれた場合(すなわち、トルクセンサが操作によるトルクを検出した場合)には、その時点で、直ちに、ブレーキに対応するLRモータ74およびUDモータ92の駆動力を0にして、湾曲のアシストのみに対応する駆動電流でLRモータ74およびUDモータ92を駆動してもよい。すなわち、ブレーキ解除中に湾曲操作が行なわれたら、その時点で、アシストに対応する駆動力のみでLRモータ74およびUDモータ92を駆動するようにしてもよい。
また、湾曲のアシストを行なう際に、ブレーキの解除中に湾曲操作が行なわれた時点で、ブレーキに対応する駆動電流を直ちに0にすると、やはり、先と同様に操作者に違和感を与えてしまう可能性が有る。従って、これを防止するために、ブレーキ解除の指示に応じて、ブレーキのためのLRモータ74およびUDモータ92の駆動電流の漸減は継続し、湾曲のアシストに対応するLRモータ74およびUDモータ92の駆動電流を、漸次、増加するようにしてもよい。
さらに、ブレーキの解除中に湾曲操作が行なわれた時点でブレーキに対応する駆動電流を0にするモード、および、ブレーキの解除のための駆動電流の漸減とアシストのための駆動電流の漸増とを行なうモードを設定しておき、切り換え手段や選択手段等によって、いずれかのモードを選択できるようにしてもよい。
図6(A)に、内視鏡10において、ブレーキスイッチ44の押下(ブレーキon)により、湾曲のアシストのためのLRモータ74の駆動電力(駆動力)を漸減/ブレーキのためのLRモータ74の駆動電力を漸増し、解除スイッチ46の押下(ブレーキoff)により、湾曲のアシストのためのLRモータ74の駆動電力を漸増して操作力に対する所定割合とする制御を行なう制御系の一例をブロック図で概念的に示す。なお、図6(A)に示す例も、LR方向の湾曲に対応する例であるが、UD方向も同様に実現できるのは、先と同様である。
図6において、上段はブレーキに関する制御系であり、下段(第2アンプ144まで)は湾曲部24の湾曲のアシストに関する制御系である。
従って、湾曲量検出手段106からの出力信号(電流)は、サンプルホールド回路122および第1加算器124に送られる。
また、トルクセンサ100からの出力信号(電流)は、アシストゲインアンプ140および操作力ゲインアンプ136に送られる。
従って、第1アンプ132における係数は「1−1=0」であるので、湾曲量の位置決め制御を行なうブレーキ系からの電流(ブレーキ電流)は0であり、湾曲のアシストを行なうための電流(アシスト電流)のみが、駆動電流(モータ電流)としてLRモータ74に供給される(図6(B)アシスト期間)。
すなわち、アシストゲインアンプ140は、トルクセンサ100からの出力信号に、前記湾曲のアシスト量を定める比例定数kに応じた係数を掛けて、湾曲のアシストを行なうトルクに対応する電流値とし、第2アンプ144が係数「1」を掛けてアシスト電流とし、第3加算器134が、このアシスト電流とブレーキ電流0とを加算して、モータ電流としてLRモータ74に供給する。
また、この状態では、トルクセンサ100からの出力信号を受けた操作力ゲインアンプ136は、前記アシストゲインアンプ140に設定された比例定数kに応じて、k+1の係数を掛けて、その時点における湾曲の維持に必要な電流値として、第2サンプルホールド回路130に送る。
前述の計算式から明らかなように、アシスト動作中は、操作者による操作トルクTHおよびLRモータ74が発生するトルクTM(=kTH)と、湾曲部24の湾曲に必要なトルクTLとが釣り合った状態となっている。すなわち、この状態では、「TL=(1+k)TH」となっている。従って、操作力ゲインアンプ136において、操作トルクTHを(1+k)倍する増幅率(係数)を設定することにより、操作力ゲインアンプ136の出力を、湾曲部24の湾曲を維持するトルクと一致させることができる。
第1サンプルホールド回路122は、この目標電流値を第1加算器124に出力し続ける。また、前述のように、第1加算器124には、湾曲量検出手段106からの出力信号も送られている。第1加算器124は、両者の差分を算出して、PID制御器126に送り、PID制御器126は、これらを用いて、目標値を維持するためのLRモータ74の駆動電流値(位置決め電流値)を算出して、第2加算器128に送る。
従って、操作者がLRツマミ36を操作して湾曲を維持している状態では、位置決め電流値は0になる。
第2加算器128は、PID制御器126から送られた位置決め電流値と、第2サンプルホールド回路130から送られた湾曲維持に必要な電流値とを加算して、第1アンプ132に出力する。第1アンプ132は、この電流値に係数「1−K」を掛けて、ブレーキ電流として、第2加算器134に出力する。
第2加算器134は、前記アシスト電流と、このブレーキ電流とを加算して、モータ電流としてLRモータ74に供給する。
ブレーキonとなっても、第2アンプ144からのアシスト電流は出力され続けるが、このようにKを漸減することにより、ブレーキ(湾曲維持)のためのブレーキ電流が漸増して、ブレーキon時における湾曲量の維持に対応する電流値となり、湾曲のアシストのためのアシスト電流は漸減して、0となる(図6(B)ブレーキon遷移期間)。
従って、このような構成を有することにより、アシスト電流からブレーキ電流への遷移、すなわち湾曲維持に必要な電流の一部から湾曲維持に必要な電流の全てへの遷移をスムーズに行なうことができ、操作者による操作力に対応するLRモータ74の駆動力(アシスト力)を、スムーズに0に遷移できる。その結果、LRモータ74の急激な出力変動等に起因する違和感を、操作者に与えることを防止できる。
前述のように、ブレーキ電流は、位置決め電流値と湾曲維持に必要な電流値との和である。従って、ブレーキoffと同時に、Kを漸増することにより、ブレーキonの際とは逆に、ブレーキのためのブレーキ電流が漸減して「0」になり、湾曲のアシストのためのアシスト電流は漸増して、湾曲のアシストに対応する電流値となる(ブレーキoff遷移期間=前記ブレーキ解除中)。
また、操作者がブレーキ解除中に湾曲操作を行なわない場合には、湾曲部24の湾曲を、ブレーキon時の状態からストレート状態に、緩やか、かつ、スムースに戻すことができる。
すなわち、電気的な機構を利用して湾曲部24のブレーキを構成する本発明によれば、摩擦力を利用する機械的なブレーキに比して部品点数を減らし、操作部14の重量減およびサイズ減を実現した上で、湾曲部24のブレーキのみならず、湾曲操作をアシストするアシスト機構まで実現できる。従って、本発明によれば、ブレーキによる操作部の重量およびサイズ低下による効果と、湾曲操作のアシストによる効果との相乗効果によって、内視鏡10の操作者の負担や疲労を大幅に低減できる。
あるいは、操作力が所定値以下の小さい領域を、他の領域に比して操作力に対するアシスト力の割合が小さい領域としてもよい。例えば、前記不感帯に代えて、操作力が小さい領域を、操作力に対する応答(感度)が低い低感度域のようにして、この低感度域では、他の領域(操作力が所定値を超える領域)に比して、操作力に対するLRモータ74によるアシスト力の割合を小さくしてもよい。
あるいは、LRツマミ36に加えられた操作力が所定の値を超えた場合には、それ以上はLRモータ74によるアシスト力を増加せずに、一定とするようにしてもよい。すなわち、LRツマミ36に加えられた操作力に応じて、LRモータ74によるアシスト力に限界を設けてもよい。
例えば、前記操作力が小さい領域に不感帯を設ける態様と、操作力が所定値を超えた領域でLRモータ74およびUDモータ92によるアシストを打ち切る態様もしくはアシスト力に限界を設ける態様を組み合わせてもよい。
また、不感帯を設ける態様と、低感度域を設ける態様とを組み合わせて、第1の操作力までは不感帯として、第1の操作力を超える第2の操作力までは低感度域として、第2の操作力を超えた場合に、さらに、高い割合のアシスト力を加えるようにしてもよい。
さらに、アシスト力に限界を設ける態様と、アシストを打ち切る態様とを組み合わせて、第1の操作力までは、操作力に応じた所定割合の力でアシストを行い、第1の操作力を超える第2の操作力までは、第1の操作力におけるアシスト力を限界としてアシスト力を一定とし、第2の操作力を超えたら、アシストを行なわないようにしてもよい。
12 挿入部
14 操作部
16 コネクタ
18 ユニバーサルコード
22 先端部
24 湾曲部
26 軟性部
28 鉗子口
30 吸引ボタン
32 送気/送水ボタン
36 LRツマミ
38 UDツマミ
40 LRブレーキ
42 UDブレーキ
44 再設定ボタン
46 解除ボタン
50 吸引コネクタ
52 LG棒
54 S端子
60 ハウジング
60a 挿入部
60b 固定部
62 中心軸
64,84 連結管
68,86 プーリ
70,72,88,90 ワイヤ
74 LR(中立点再設定)モータ
76 LRブレーキ部材
78、80、96、98 ギア
92 UD(中立点再設定)モータ
94 UDブレーキ部材
100,102 トルクセンサ
106,108 湾曲量検出手段
110 円形リング
112 先端リング
114a,114b 連結部材
118 制御手段
120 第1スイッチ
122 第1サンプルホールド回路
124 第1加算器
126 PID制御器
128 第2加算器
130 第2サンプルホールド回路
132 第1アンプ
134 第3加算器
136 操作力ゲインアンプ
138 第2スイッチ
140 アシストゲインアンプ
144 第2アンプ
Claims (12)
- 挿入部の先端近傍に湾曲部を有する内視鏡であって、
前記湾曲部を湾曲させる湾曲手段と、
前記湾曲部の湾曲操作を行なう操作手段と、
前記湾曲手段によって湾曲部を湾曲させる駆動手段と、
前記湾曲部の湾曲量を検出する湾曲量検出手段と、
前記湾曲部を湾曲状態で維持するブレーキ指示を出すブレーキ指示手段、および、前記湾曲状態の維持を解除する解除指示を出すブレーキ解除手段と、
前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記ブレーキ指示手段によるブレーキ指示に応じて、ブレーキ指示が出された時点における前記湾曲部の湾曲量を前記湾曲量検出手段から取得して、この湾曲量を維持するように、前記湾曲部の湾曲を維持するための駆動電力であるブレーキ電力を前記駆動手段に供給し、また、この湾曲状態の維持中に、前記ブレーキ解除手段から解除指示が出された場合には、前記ブレーキ電力を漸減することを特徴とする内視鏡。 - 前記操作手段にかかる操作力を検出する操作力検出手段を有し、
前記制御手段は、この操作力検出手段が検出した操作力に応じて、この操作力に対する所定割合の力で前記湾曲手段による湾曲部の湾曲を補助するように、前記湾曲手段による湾曲部の湾曲を補助するための駆動電力であるアシスト電力を前記駆動手段に供給する請求項1に記載の内視鏡。 - 前記制御手段は、前記ブレーキ指示手段によるブレーキ指示が出されたら、前記アシスト電力を漸減して0にし、かつ、前記ブレーキ電力を漸増して前記湾曲量を維持する請求項2に記載の内視鏡。
- 前記制御手段は、前記ブレーキ指示手段によるブレーキ指示が出された時点で、前記アシスト電力を0にする請求項2に記載の内視鏡。
- 前記ブレーキ指示手段によるブレーキ指示が出されたら、前記アシスト電力を漸減して0にし、かつ、前記ブレーキ電力を漸増して前記湾曲量を維持する第1の制御、および、前記ブレーキ指示手段によるブレーキ指示が出された時点で、前記アシスト電力を0にする第2の制御が設定され、いずれかを選択する選択手段を有し、
前記制御手段は、前記選択手段によって選択された制御に応じて、前記駆動手段に供給する電力を制御する請求項2に記載の内視鏡。 - 前記制御手段は、前記ブレーキ解除の指示が出されたら、前記アシスト電力を漸増して、前記操作力に対する所定割合の力とする請求項2〜5のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記制御手段は、前記ブレーキ解除の指示が出された後、前記操作力検出手段によって操作力が検出された時点で、前記ブレーキ電力を0にする請求項2〜5のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記ブレーキ解除の指示が出されたら、前記アシスト電力を漸増して、前記駆動手段による湾曲部の湾曲の補助を前記操作力に対する所定割合の力とする第3の制御、および、前記ブレーキ解除の指示が出された後、前記操作力検出手段によって操作力が検出された時点で、前記ブレーキ電力を0にする第4の制御が設定され、いずれかを選択する選択手段を有し、
前記制御手段は、前記選択手段によって選択された制御に応じて、前記駆動手段に供給する電力を制御する請求項2〜5のいずれかに記載の内視鏡。 - 前記湾曲手段は、前記湾曲部に挿通されるワイヤを牽引することにより、前記湾曲部を湾曲するものであり、
前記湾曲量検出手段は、このワイヤが掛け回されるプーリの回転角を検出することにより、前記湾曲部の湾曲量を検出する請求項1〜8のいずれかに記載の内視鏡。 - 前記湾曲手段は、前記湾曲部に挿通されるワイヤを牽引することにより、前記湾曲部を湾曲するものであり、
前記湾曲量検出手段は、このワイヤの移動量を検出することにより、前記湾曲部の湾曲量を検出する請求項1〜9のいずれかに記載の内視鏡。 - 前記湾曲量検出手段が、前記駆動手段に係合するギアの回転角を検出することにより、前記湾曲部の湾曲量を検出する請求項1〜10のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記湾曲量検出手段が、湾曲部の湾曲角度を検出することにより、前記湾曲部の湾曲量を検出する請求項1〜11のいずれかに記載の内視鏡。
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