JP5330751B2 - 排水の処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は排水の処理装置に関し、詳しくは各種産業プラントから排出される排水を固体触媒および/または固体吸着材(以下、単に「固体触媒」という場合もある)を用いて処理する際に、該固体触媒の移動、振動などの運動を効果的に防止し、その運動による摩耗、ひいては性能劣化、圧力損失の上昇などの問題を解決して、長期にわたり安定的に排水を処理することのできる装置に関するものである。
化学プラント、食品加工設備、金属加工設備、金属メッキ設備、印刷製版設備、写真処理設備などの各種産業プラントから排出される排水は、湿式酸化法、湿式分解法、オゾン酸化法、過酸化水素酸化法などの各種方法によって浄化処理されている。
例えば、固体触媒を反応塔に充填した湿式酸化法の場合、主として、該固体触媒充填層の下部から排水及び酸素含有ガスを導入して排水を浄化処理するのが一般的である。そのため、導入された排水及び酸素含有ガスの作用によって、固体触媒充填層内での固体触媒の移動、振動などの運動が起こり易くなり、固体触媒が摩耗し、ひいては性能劣化、圧力損失の上昇などの問題が起こるのを避けることができなかった。特に、該固体触媒の摩耗は、処理能力を向上させるために排水及び/または酸素含有ガスの流量を高める場合に顕著に見られる。
この様な問題は、湿式酸化法に限らず、湿式分解法、オゾン酸化法等の他の方法においても同様に見られる。尚、湿式酸化法では、通常、排水及び酸素含有ガスを固体触媒充填層の下部から導入し、場合によっては酸素含有ガスのみを固体触媒充填層の下部から導入する。これに対して湿式酸化法以外の方法では、排水のみ、排水及びガス、或いはガスのみ(ガスの種類は処理法に応じて変化する)を導入する等、排水の処理法に応じて変化する。しかし、以下の説明では、固体充填層の下部から導入する「排水及び酸素含有ガス」、「排水及びガス」、「排水のみ」、「ガスのみ」、或いは「酸素含有ガスのみ」を便宜上「排水等」と略記することにする。
現在、このような問題を解決する為に、固体触媒充填層の上に金網などからなる蓋、単孔または多孔の板、グリッドなどの固定式押圧手段を設け、該固体触媒を上から押さえて、その運動を防止する方法が行われている。
もちろん、固体触媒充填層の上に何も設置しない装置を用いることもある。ところが、固体触媒充填層の上に固体触媒の運動を防止するための押圧手段を設けない場合には、固体触媒の運動が激しく、固体触媒の摩耗、ひいてはその性能劣化、圧力損失の上昇などの問題が顕著となり、長期にわたって安定的に排水処理を行うのは困難である。
そこで、多くの場合は上記のように固定式押圧手段が設けられている。
しかしながら、これらの固定式押圧手段を設けた場合には以下の問題がある。即ち、金網などからなる蓋、単孔または多孔の板、グリッドなどの固定式押圧手段を設けた場合、排水処理の開始当初は、固体触媒充填層の上表面と押圧手段との間に空隙はなく、固体触媒が上から押さえられるため、あまり問題が生じない場合が多い。ところが、排水処理時間の経過とともに、固体触媒が充填層内で密に詰まることになったり、あるいは摩耗などによって若干減量していくことは避けることができない。そのため、固体触媒充填層の上部は沈降し、固体触媒充填層の上表面と押圧手段との間に空隙が生じる様になる。その結果、固体触媒の運動が激しくなり、該固体触媒が摩耗し、ひいては性能劣化、圧力損失の上昇などの問題が起こり易くなる。このように、従来の固定式押圧手段によっては、長期にわたって安定的に排水処理を行うのは困難である。また、反応塔の内径が大きい場合には、固定式押圧手段では排水処理の開始後短時間で問題が生じることもある。
また、ノズル、または単孔若しくは多孔の穴から排水等を反応塔下部に供給して、上部から排出する上昇流として流した場合、これらのノズルまたは穴から吹き出された排水等が固体触媒に強く衝突する。そのため、固体触媒が摩耗し、時間の経過とともに、種々の問題が生じることになる。第1には、固体触媒の充填量が減少し、その性能が劣化し、排水の処理効率が低下することである。第2には、摩耗によって生じた固体触媒の粉体が固体触媒同士の間に入り、排水等が流れる隙間が閉塞され、圧力損失が上昇することである。また、第3には、固体触媒充填層の下部に空隙が発生するために、固体触媒が振動または移動し易くなり、これらの固体触媒同士が衝突することで該固体触媒の摩耗が一段と促進されることである。
そこで、上記湿式酸化法のように固体触媒を用いて排水を処理する場合に当たっては、固体触媒を反応塔内に直接充填する代わりに、反応塔の下部に金網を設け、その上に充填する方法が行われている。そのほか、金網の代わりに、単孔または多孔の板、グリッドなどを設けたり、あるいはこれらの板やグリッド等と金網とを併用することも行われている。反応塔の下部に金網などを設ける理由は、反応塔内に導入する排水等の偏流を防止して、その均一な流れを確保し、排水の処理効率を高めるためである。
しかしながら、ノズル、もしくは単孔または多孔の穴から吹き出される排水等の線速度が高い場合には、上記の金網や多孔板、グリッド等による効果は不充分である。この様な問題は、排水を処理するに当りガスの使用を伴う方法の場合、特に固体触媒を用いた湿式酸化法による排水処理の場合に顕著なものとなる。そのため、従来では、排水等の流量を増加させて排水の処理効率を高めることは困難であった。
そこで本発明者らは、固体触媒の摩耗を効果的に防止すること、具体的には、(1)固体触媒充填層内における運動が主たる原因となって引き起こされる摩耗、および(2)固体触媒充填層の下部において固体触媒と排水等との衝突が主たる原因となって引き起こされる摩耗を効果的に防止して、触媒性能の劣化、処理効率の低下、圧力損失の上昇などの問題を解決し、長期にわたり安定的に排水を処理する方法、および該方法を適用し得る装置を提供するべく検討を重ねてきた。
本発明者らは、先ず上記(1)の摩耗防止に関し、従来の固定式押圧手段の代わりに固体触媒充填層の沈降に追従し得る押圧手段について検討した。その結果、反応塔の内径に応じて押圧手段を使い分けることが有効であることを見出した。即ち、反応塔の内径が約100mm未満、最大でも約300mm未満の場合は、固体触媒充填層の上に、該充填層表面の移動に対する追従移動能を有する押圧層(例えば、固体触媒充填層の上表面との接触面は金網、板等で形成されている金属製の棒状または塊状または筒状の充填物であり、反応塔内にちょうど収まるような形状を有する層)を設置することが有効であること;一方、反応塔の内径が100mm以上、300mm以上、600mm以上と大きい場合は、固体触媒充填層の上に、該充填層表面の変形に対する追従変形能を有する透水性押圧層(固体触媒充填層の上に、該充填層の上表面の沈降等の変化にうまく追従変形して流動し得る様、充填層の上表面との間に空隙が形成されるのを実質的に防止し得るもの、例えば、球状またはペレット状の充填物等)を設置することが極めて有効であることが分かった。
さらに反応塔の内径が350mm以上、更には510mm以上と非常に大きい場合には、該充填層を垂直方向に分割する仕切りを設ければ、上記問題をより効果的に解決できることを見出した。
また、前記(2)の摩耗、すなわち、反応塔の下部から導入される排水等による固体触媒の摩耗に関しては、固体触媒充填層の下に排水等の上昇流の分散を緩和し得る層、例えば金属またはセラミック製充填物を設けることにより解決できることを見出した。
上記課題を解決し得た本発明装置は、基本的には、固体触媒および/または固体吸着材の充填層の上に、該充填層表面の変形または移動に対する追従能を有する押圧層(上部充填物層と記載する場合がある)を設けてなるものである。
具体的には、上記課題を解決し得た本発明装置の第1の態様(第1の装置)は、固体触媒および/または固体吸着材の充填層の上に、該充填層表面の変形に対する追従変形能を有する透水性押圧層(上記の「上部充填物層」の一態様であり、これと区別する為、「上部変形充填物層」と記載する場合がある)を設けてなるところに特徴を有する。
また、本発明装置の第2の態様(第2の装置)は、固体触媒および/または固体吸着材の充填層の上に、上記の上部変形充填物層を設け、さらに該固体触媒充填層の上部及び上部変形充填物層を垂直仕切りによって多数の区画に分断したものであるところに特徴を有する。
更に本発明装置の第3の態様(第3の装置)は、固体触媒および/または固体吸着材の充填層の下に、排水及び/又はガス(以下、「排水等」で再び代表させる)の上昇流の分散緩和層(下部充填物層と記載する場合がある)を設けてなるところに特徴を有する。
尚、固体触媒および/または固体吸着材の充填層の下には上記の下部充填物層を設けると共に、該固体触媒および/または固体吸着材の充填層の上には上記の上部変形充填物層を設けてなる第4の装置、或いはこの第4の装置において、該固体触媒充填層の上部及び上部変形充填物層を垂直仕切りによって多数の区画に分断した第5の装置も本発明の範囲内に包含される。
更に、上記課題を解決し得た本発明装置の第6の態様(第6の装置)は、固体触媒および/または固体吸着材の充填層の上に、該充填層表面の移動に対する追従移動能を有する押圧層(上記「上部充填物層」の一態様であり、第1の装置における「上部変形充填物層」と区別する為、「上部移動充填物層」と記載する場合がある)を設けてなるところに特徴を有する。
尚、固体触媒および/または固体吸着材の充填層の上には上記の上部移動充填物層を設けると共に、該固体触媒および/または固体吸着材の充填層の下には上記の下部充填物層を設けてなる第7の装置も本発明の範囲内に包含される。
まず、本発明第1の排水処理装置を用いれば以下の効果が得られる。
(1)固体触媒充填層の上に、追従変形能を有する透水性押圧層(上部変形充填物層)を設置しているので、固体触媒充填層における固体触媒の運動を効果的に防止することができる。そのため、固体触媒の運動が主たる原因となって生じる固体触媒の摩耗、ひいてはその性能劣化、圧力損失の上昇などの様々な問題を解決することができ、長期にわたって排水処理を安定して行うことが可能となる。更に固体触媒の性能を長期にわたって維持できるので、排水を浄化性良く処理でき、経済的にも有利である。
(2)従来に比べ、排水および/またはガスの流量を多くすることができ、その様な処理条件の設定が可能となる。従って、排水の処理量を高めることができ、またガス流量を増すことにより、処理効率の向上を図ることができる。
(3)反応塔の形状に関し、例えば細長い反応塔を用い、固体触媒充填層を流れる排水等の線速度を高めることもできる。細長い反応塔を使用することにより、反応塔の設備費を下げることができ、排水の浄化性が高まる場合もある。更に、従来法では困難なことが多かった直径の大きな反応塔を採用することもできる。その他、従来は複数の反応塔を並列に設置する必要があったのに対し、本発明では直径の大きな反応塔にまとめることができ、反応塔の設備費を削減できる。
(4)従って、本発明によれば従来に比べ、排水処理条件の適用範囲を一層広げることができ、より広い範囲のなかから最適な処理条件および設備を選択できる結果、長期にわたって安定して効率よく排水を処理することができる。
(5)特に本発明装置は、前記(1)〜(3)に示す問題点が顕著であった湿式酸化法、湿式分解法、オゾン酸化法などによる排水処理方法に有効であり、なかでも、固体触媒の存在下、酸素含有ガスの供給下に排水処理する湿式酸化法に好適に用いられる。
また、本発明第2の装置は反応塔の水平方向の断面積が大きい場合に極めて有効であり、上部充填物層を用いただけの上記第1の装置に比べ、固体触媒充填層の上部及び上部充填物層が垂直仕切りによって多数の区画に分断されているので、各区画の沈降程度に応じて速やかに追従変形し、上部充填物層の量を少なくすることができるという利点も奏する。従って、固体触媒および/または固体吸着材の耐久性を本発明第1の装置以上に高めることもでき、排水を浄化性良く処理できると共に、経済的にも優れた排水処理装置を提供することができる。
更に本発明第3の装置によれば、固体触媒充填層の下に排水等の上昇流の分散緩和層が設置されているので、以下の効果が得られる。
(1)ノズル、または単孔若しくは多孔の穴から供給される排水等との衝突によって引き起こされる固体触媒の摩耗を効果的に防止することができる。これにより、固体触媒の性能劣化、圧力損失の上昇など様々な問題を解決することができ、長期にわたって安定して排水処理することが可能となる。また、固体触媒の性能を長期間維持できるので、排水を浄化性良く処理できると同時に、経済的にも有利となる。
(2)排水等の流量を大きくしても固体触媒の摩耗を効果的に防止できるので、従来に比べ、排水等の流量を高めた処理条件の設定が可能となる。従って、排水の処理量を増加することができ、またガス流量を増すことにより処理効率の向上を図ることができる。
(3)固体触媒に供給する排水等が分散され、その偏流が防止されるので、排水等をできるだけ均一に固体触媒充填層に供給することができる。これにより排水の処理効率が向上し、処理能力が高まる。
(4)特に本発明装置は、上記(1)〜(3)に掲げる問題点が顕著であった湿式酸化法、湿式分解法、オゾン酸化法等の排水処理方法に有効に適用でき、特に固体触媒の存在下、酸素含有ガスを供給下に排水処理する湿式酸化法に有用である。
また、本発明第4の装置によれば、固体触媒充填層の上には上部充填物層が、該固体触媒充填層の下には下部充填物層が設置されているので、上記第1の装置により得られる効果のみならず、第3の装置によって得られる効果も併せて得られるので、極めて有用である。
更に本発明の第5の装置によれば、上記第4の装置において、固体触媒充填層の上部及び上部充填物層が垂直仕切りによって多数の区画に分断された構成となっているので、上述した第1〜第4の装置によって得られる効果が全て得られる点で、非常に有用である。
本発明の第6の装置によれば、固体触媒充填層の上に、該充填層の移動に対する追従移動能を有する押圧層(上部移動充填物層)を設置しているので、固体触媒充填層の上表面が沈降するなど変化しても、その変化に追従して沈降し、変形し得るため、固体触媒の運動による摩耗を防止するのに有効である。特に、この第6の装置は、反応塔の内径が約300mm以下(好ましくは100mm以下)と小さい場合に有効である。
また、本発明第7の装置は、上記第6の装置において、固体触媒充填層の下部に下部充填物層が設置されているので、下部充填物層および上部移動充填物層の設置による上述した効果が全て得られる点で極めて有用である。
まず、本発明装置を完成するに至った経緯について説明する。
本発明者らは、従来の固定式押圧手段の代わりに固体触媒充填層の沈降に追従し得る押圧手段について検討してきた。その結果、固体触媒充填層の上に、該充填層表面の移動に対する追従移動能を有する透水性押圧層を設ければ、該透水性押圧層は、固体触媒充填層の上部の沈降に追従して沈降していくため、固体触媒の運動による摩耗を防止し、性能劣化、圧力損失などの問題を解決するのに有効であることが分かった。この装置は、特に反応塔の内径が約100mm以下の場合、最大でも300mm以下の場合に有効であった。
然るに反応塔の内径が100mm以上、300mm以上、600mm以上と大きくなると、上記装置では所望の効果が充分得られ難くなった。その原因は、反応塔の内径が大きい場合、固体触媒は上記透水性押圧層との接触面と平行に(すなわち、均一に)沈降するのではなく不均一に沈降することに起因する。そのため、沈降の程度が大きい箇所では、固体触媒充填層の上表面と上記透水性押圧層との間に空隙が生じ、上記問題が起こり易くなるのである。
そこで本発明者らは更に研究を進め、固体触媒充填層の上に、該充填層の上表面の沈降等の変化にうまく追従変形して流動し得る様、充填層の上表面との間に空隙が形成されるのを実質的に防止し得るものを設けてやれば、上記問題を解決できることを見出した。
更に反応塔の内径が例えば350mm以上、更には510mm以上と非常に大きい場合には、該充填層の上部及び上記透水性押圧層を垂直方向に分割する仕切りを設けることが非常に有効であること、また、反応塔の下部から導入される排水等による固体触媒の摩耗に関しては、固体触媒充填層の下に排水等の上昇流の分散を緩和し得る層を設けることが有効であることを見出し、本発明を完成したのである。
この様に本発明の排水処理装置は、基本的には、固体触媒充填層の上に、該充填層表面の変形に対する追従変形能を有する透水性押圧層、または該充填層表面の移動に対する追従移動能を有する透水性押圧層を設けてなるものであり、以下に詳述する第1〜7の態様を包含するものである。以下、各装置について説明する。
まず、本発明装置の第1の態様(第1の装置)について説明する。この第1の装置は、上述した通り、固体触媒および/または固体吸着材の充填層の上に、該充填層の変形に対する追従変形能を有する透水性押圧層を設けたものであり、特に、反応塔の内径が約100mm以上と大きい場合に有効である。
ここで上記「追従変形能を有する透水性押圧層」(以下、「上部変形充填物層」で再び代表させる)とは、充填層内における固体触媒および/または固体吸着材(以下、「固体触媒」で再び代表させる)の運動を実質的に防止するに十分な程度の荷重を有しており、しかも固体触媒充填層の変化に対してうまく追従変形し得、且つ透水性を有するものを意味する。この様な上部変形充填物層を使用すれば、固体触媒充填層の上表面が沈降するなど変化しても、その変化に追従して変形し得るため、充填層の上表面と上部充填物層との間に、固体触媒および/または固体吸着材が運動し得る空隙が形成されるのを実質的に防止することができる。尚、この運動とは、固体触媒および/または固体吸着材の望ましくない摩耗を引き起こすような移動、振動などを意味する。
尚、この上部変形充填物層は排水処理装置に用いられるものであるから、排水を透水させることが必然的に要求され、その限りにおいて「透水性」を備えていることが必要である。
本発明に用いられる上部変形充填物層には特に制限はなく、上述の如く荷重性および追従変形能を有し、且つ透水性も備えたものであればいずれも使用することができる。特に好適なものとしては、粒状の充填物を挙げることができる。そのほか、繊維状、鎖状、数珠状等の連結体も使用できる。
以下、粒状充填物を例に挙げ、上部変形充填物層について詳細に説明する。
(a)形状
固体触媒充填層の上表面の変化に対し、追従変形能を有するものであればいずれの粒状物も使用することができる。特に、反応塔に充填したとき、また固体触媒充填層の上部が沈降したときに、ブリッジを形成して空隙を作ることなく沈降するものが好ましい。その代表例としては、球状、ペレット状、塊状、リング状、サドル状および多面体状を挙げることができる。これらのうち、球状およびペレット状のものが特に好ましい。なお、球状物は必ずしも真球である必要はなく、実質的に球状であればよい。
(b)大きさ
大きさについては固体触媒の大きさによって変動するので一概に特定できないが、粒状充填物の粒径と固体触媒の粒径との比(粒状充填物の平均粒径/固体触媒の平均粒径)が5/1以上1/3以下、より好ましくは3/1以上1/2以下に、特に好ましくは2/1以上2/3以下となるようにすることが推奨される。粒状充填物が固体触媒に比べて大きすぎると、固体触媒の押えとして効果がない箇所、すなわち固体触媒が運動を起こし易い空隙が生じるので好ましくない。また、粒状充填物が固体触媒に比べて小さすぎると、固体触媒充填層中に入り込んでしまうため好ましくない。
なお、本発明における粒状充填物、固体触媒および固体吸着材の「平均粒径」とは、サンプルの粒径平均値を意味し、「粒径」とは、その最大径を指す。例えば球状の場合は直径を、またペレット状の場合には、その対角線の長さを意味する。
具体的には、球状およびペレット状の充填物の場合、通常、その平均粒径が3〜30mmの範囲のものが用いられる。なかでも4mm以上20mm以下が好ましく、より好ましくは5mm以上15mm以下である。
(c)充填量
反応塔への粒状充填物の充填量については特に制限はなく、固体触媒に十分な荷重をかける作用を十分発揮する範囲において、粒状充填物の比重などを考慮して適宜決定することができる。充填量が多すぎるとコストアップとなり、少なすぎると固体触媒に十分な荷重をかけることができなくなる。勿論、粒状充填物のほかに、繊維状、鎖状、数珠状などの連結体などを使用することも可能である。
具体的には、粒状充填物の充填層高さは30〜1000mmの範囲から適宜選択することができる。好ましくは50mm以上、より好ましくは80mm以上、更により好ましくは150mm以上であり、その上限は好ましくは600mm以下、より好ましくは400mm以下である。
(d)比重
比重についても特に制限はなく、適宜選択することができが、通常、2.5以上、好ましくは4〜12の範囲のものを選ぶのがよい。比重が小さすぎると、固体触媒に十分な荷重をかけることができず、十分な荷重をかけるためには、その充填量を増加させることが必要となり、コストアップなどの問題が生じる。また、例えば湿式酸化法において、固体触媒充填層の下部から導入する排水および空気の流量を増大させると粒状充填物が動き易くなり、摩耗などの問題が生じる。この場合の比重とは、真比重のことであり、一般に用いられている嵩比重、充填比重、見掛け比重とは異なる。
本発明で使用する粒状充填物としては、細孔などのあまりないものが好適に用いられる。細孔が多く、見掛け比重の小さいものは固体触媒に十分な荷重をかけることができない。したがって、本発明においては、真比重と見掛け比重(粒状充填物の外形体積と質量とから求めたもの)とがほぼ等しいものが好適に用いられる。
(e)材質
材質についても特に制限はなく、通常、金属またはセラミックスが用いられる。具体的には、鉄、銅、ステンレス、ハステロイ、インコネル、チタン、ジルコニウムなどや、チタニア、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、窒化炭素、ガラスなどを挙げることができる。例えば、湿式酸化法の場合、ステンレス(SUS)、ハステロイ、インコネル、チタンまたはジルコニウムが好適に用いられる。これらのなかでも、ステンレスが特に好適である。
(f)空隙率
粒状充填物の充填層における空隙率についても特に制限はないが、通常、20〜70容量%(全充填層の体積基準)とすることが推奨される。より好ましくは30容量%以上60容量%以下、特に好ましくは35容量%以上50容量%以下である。空隙率が小さすぎると、粒状充填物同士の隙間が少なく、排水等の流れが悪くなり、この充填層において圧力損失が生じる。また、大きすぎると、固体触媒に十分な荷重をかけることができなくなる。さらに、排水等の流量が多い場合には、固体触媒の摩耗が著しくなる。
なお、粒状充填物は、その充填層の全体にわたって、形状、粒径、比重、材質などが同一である必要はなく、荷重性および追従変形性が有効に発揮される限りにおいて最適なものを適宜選択することができる。例えば、粒状充填物層を上下方向に2分割し、固体触媒充填層の上表面と接触する上部充填物層の下方部分には、主として追従変形能を発揮するのに好適な形状、粒径などを備えた粒状充填物を選択し、一方上部充填物層の上方部分には、主として荷重性を保持するのに好適な比重、形状、粒径などを備えた粒状充填物を選択してもよい。
次に、上部変形充填物層の作用について、図6〜図9に基づいて説明する。このうち図8および図9は従来例であり、詳細には、固体触媒の運動を防止する為、固定押圧手段としてグリッドを用いた反応塔中における固体触媒充填層とグリッドとの関係を示す説明図である。尚、図8は排水処理開始当初の状態を、また図9は長期運転後の状態を夫々示す。
図8に示す様に、排水処理開始当初においては、固体触媒の運動はグリッドによって十分に押さえられている。ところが、ある程度時間が経つと固体触媒が密に詰まったりして、固体触媒充填層の上表面が特にその中心部から沈降し始め、この上表面の変化に追従できないグリッドとの間に空隙が不可避的に生じてくる。そのため、固体触媒の運動が激しくなって摩耗が進み、最終的には図9に示すような状態になる。
一方、図6および図7は、本発明の排水処理装置における固体触媒充填層と上部充填物層との関係を示した説明図であり、図6は排水処理開始当初の状態を、また図7は長期運転後の状態を夫々示す。
本発明においては、上部変形充填物層が固体触媒充填層の上表面の沈降などの変化に対し、うまく追従変形し得るため、固体触媒充填層の上表面と上部変形充填物層との間には空隙が実質的に生じることはなく、長期運転後においても図7に示すような良好な状態を維持することができる。そのため、充填層内での固体触媒の運動が効果的に防止され、その摩耗による性能劣化、圧力損失の上昇などの問題が解決される。
このように上部変形充填物層を用いれば、固体触媒充填層の上表面が不均一に沈降した場合でも、その沈降の変化に対応して変形し得るため、固体触媒充填層の上表面と上部充填物層との間に、望ましくない空隙が形成されるのを実質的に防止することができる。
尚、この上部変形充填物層の上部には、運転トラブル時等に上部変形充填物や固体触媒が反応塔から流出するのを防止することを目的として、従来の固定式押圧手段を設置することが推奨される。この固定式押圧手段については特に限定されず、排水処理に汎用されているもの(金網、単孔または多孔の板、グリッド等)を適宜選択して使用することができる。通常は、上部変形充填物層の上に金網およびグリッドを設置することが推奨される。
また、上記固体触媒充填層と上部変形充填物層との間には、両層の混合を有効に防止し、且つ上部充填物層の効果を充分発揮することができる透水性の軟質シートを設置することも可能である。この様な軟質シートとしては、例えば不織布等が挙げられる。不織布の他、鎖を布状に編んだもの等を使用することも可能である。
また、本発明第1の装置は、通常、固体触媒を反応塔に充填し、該充填層の上に上部変形充填物層が設置された一層式の構成からなるものであるが、固体触媒充填層および上部変形充填物層の組み合せからなる装置を複数個設けた多層式の構成を採用することもできる。
或いは、固体触媒を所定の容器に充填し、該固体触媒充填層の上に上部変形充填物層を充填した容器を、一層式または多層式の形で、反応塔内に収めた構成を採用することも可能である。
次に、本発明の第2の態様(第2の装置)について説明する。この第2の装置は、固体触媒および/または固体吸着材の充填層の上に上部変形充填物層を設け、さらに該充填層の上部及び上部変形充填物層を垂直仕切りによって多数の区画に分断したものである。
この第2の装置は、反応塔の内径が非常に大きい場合(例えば約350mm以上、更には510mm以上)に特に有効である。反応塔の内径が非常に大きい場合(即ち、固体触媒充填層の水平方向の断面積が非常に大きい)場合には、上部変形充填物層の充填量を多くし、その充填層高さも高くすることが必要である。固体触媒充填層の断面積が大きくなると、固体触媒充填層が不均一に沈降する程度も大きくなるが、沈降に伴い、上部変形充填物層が垂直方向以外に水平方向(横方向)にも移動する様になる。従って、固体触媒充填層の全体に十分な荷重を常にかけると同時に、このような横方向への変化にもうまく追従する為には、多量の上部変形充填物層の充填が必要となるのである。この様な場合に、固体触媒充填層の上部及び上部変形充填物層を垂直に仕切る仕切り(以下、単に「仕切り」または「垂直仕切り」と呼ぶ場合がある)を設置することが極めて有効である。
本発明に用いられる仕切りは、固体触媒充填層の上部及び上部変形充填物層を垂直方向に分割するものであり、詳細には図18および図19に示すように、該仕切りによって、固体触媒充填層の上部と上部変形充填物層の下部の境界面は2つ以上の多数の区画に分断されている。この様な仕切りとしては、上部変形充填物層の荷重性および追従変形能を保持するものであれば特に限定されず、いずれも使用することができる。
(a)形状
仕切りの形状は、固体触媒充填層の上部及び上部変形充填物層をほぼ垂直方向に分割する形状であるならば特に限定されるものではなく、例えば、板や金網を用い、これらを筒や賽の目状など種々の形状に加工して分割しても良く、これらを複数組み合わせても良い。しかしながら、板などを用いて図16に示すような賽の目状の形状とすることが好ましい。このような形状とすることにより、追従変形能を有する透水性押圧層の荷重性および流動性を損なうことなく、しかも簡便に本発明を実施することができる。尚、上記「固体触媒充填層の上部及び上部変形充填物層を垂直に仕切る仕切り」における「垂直」とは、厳密な意味での仕切りの垂直性を意図するものでは決してなく、追従変形能を有する透水性押圧層の荷重性および流動性を特に損なうものでない限り、垂直性の程度は或る程度許容される。
(b)断面積
仕切りによって分断された各区画の水平方向断面積は、仕切りを設ける固体触媒充填層の水平方向の断面積(通常、反応塔の断面積)の大きさに応じて適宜適切な範囲に制御される。以下、反応塔の断面積との対比において、各区画の水平方向断面積の好ましい範囲について説明する。
上述した様に、仕切りによる効果は、特に反応塔の断面積が非常に大きい場合に高くなる。即ち、反応塔の断面積が1000cm2以上(直径が約35cmの円)の場合に効果的であり、より効果的には2000cm2以上(直径が約51cmの円)であり、さらに効果的には4000cm2以上(直径が約72cmの円)である。反応塔の断面積が1000cm2未満の場合は、特に仕切りを設けなくても上部変形充填物層を設置するだけで充分優れた効果が得られる。なお、該断面積の上限は特に限定されず、大きいほど仕切りによる効果が高くなるが、通常100m2以下とすることが推奨される。
従って、各区画の水平方向断面積(以下、単に「仕切りの断面積」と記載することもある)の範囲は、実際に使用される反応塔断面積の大きさとの関係で適宜決定されるが、具体的には、仕切りによる効果が効果的に得られる反応塔断面積の範囲(概ね、1000cm2以上100m2以下の範囲)において適切な範囲が決定されることになる。
具体的には、反応塔の断面積が2000cm2未満の場合は、仕切りの断面積は50cm2以上1000cm2未満であることが好ましく、より好ましいのは200cm2以上500cm2未満である。また、反応塔の断面積が2000cm2以上4000cm2未満の場合は、仕切りの断面積は200cm2以上2000cm2未満であることが好ましく、より好ましいのは、300cm2以上1000cm2未満である。更に、反応塔の断面積が4000cm2以上、8000cm2未満(直径が約1m以下の円)の場合は、仕切りの断面積は200cm2以上2000cm2未満であることが好ましく、より好ましいのは300cm2以上1500cm2未満である。また、反応塔の断面積が8000cm2以上(直径が約1mを超える円)の場合は、仕切りの断面積は、300cm2以上、2500cm2未満であることが好ましく、より好ましいのは400cm2以上1500cm2未満である。
尚、仕切りの断面積が50cm2未満の場合は、仕切りを設けずとも上部変形充填物層を設置するだけで充分優れた効果が得られる。勿論、仕切りを設けても良いが、多量の上部変形充填物層は必要とされない為、仕切りの間隔を広くとることが有効である。一方、仕切りの断面積が2500cm2を超える場合は、仕切りを設置したとしても、その効果は充分得られない。仕切りの設置による効果が充分得られる反応塔の断面積は、2000cm2以上(好ましくは4000cm2以上)であるから、一般的に推奨される仕切りの断面積は、200cm2以上2000cm2未満であり、より好ましいのは300cm2以上1500cm2未満である。
また、各区画の形状は特に限定されないが、縦横の長さが概ね等しいものが推奨される。分断された各区画の断面積は等しくなくてもよい。さらに中心付近の区画の断面積は周辺部の区画の断面積よりも小さい方が好ましく、それにより優れた効果が得られることが多い。その理由としては、一般に周辺部に比べて中心付近の方が沈降する変化量の大きいことが多いことが挙げられる。
尚、上述した仕切りの断面積の範囲は、仕切りによって分断された各区画のうち最も広い区画について適用するものである。
(c)高さ
仕切りの垂直方向高さは特に限定されないが、上部変形充填物層の下部よりも仕切りを深く設けること、すなわち、該仕切りにより固体触媒充填層の上部と上部充填物層との境界部(以下、単に境界部と呼ぶ場合がある)を分割することが有効である。尚、上部充填物層の上部は、仕切りで分割してあっても分割しなくても良い。また、この境界部は、処理時間の経過と共に沈降するから、沈降した際にも、この境界部が仕切りで分断されるよう、仕切りを深く設けることが推奨される。具体的には、該仕切りの垂直方向高さは、20cm以上300cm以下の範囲から適宜選択することができる。特に、仕切りの高さを30cm以上200cm以下とすることが好ましく、より好ましくは、50cm以上100cm以下である。20cm未満では処理時間の経過とともに境界部が沈降し、仕切りを設けたとしても境界部が分断されなくなることが多い。また、仕切の高さが300cmを超えると効果は飽和してしまうことが多い。
(d)材質
材質についても特に制限されず、通常、金属が用いられる。具体的には、鉄、銅、ステンレス、ハステロイ、インコネル、チタン、ジルコニウムなどを挙げることができる。例えば、湿式酸化法の場合、ステンレス、ハステロイ、インコネル、チタンまたはジルコニウムが好適に用いられる。これらのなかでも、ステンレスが特に好適である。尚、排水の処理条件によっては、ガラスや樹脂を用いることもできる。
次に、上記仕切りの機能について、図10および図11を用いて説明する。
図10および図11は、本発明第2の装置における、固体触媒充填層、上部変形充填物層、及び仕切りの位置関係を示す説明図である。このうち図10は排水処理開始当初の状態を、図11は長期運転後の状態を夫々示す。
本発明装置によれば、固体触媒充填層と上部変形充填物層の境界部が仕切りによって分断されているため、各区画における上部変形充填物層が、個々の区画に位置する固体触媒充填層の変化に追従し、うまく変形することができる。個々の区画によって上部変形充填物層の変化量も異なり、区画によっては大きく沈降する箇所も生じるが、本発明によれば仕切りが設置されているため、個々の区画内での水平方向の断面積が小さくなり、不均一に沈降する程度は小さくなって、比較的均一に沈降することができる。更に上部変形充填物層は仕切りによって分断されているため、この層が仕切りの範囲外の横方向へ移動することはない。そのため、固体触媒層が不均一に沈降したとしても、固体触媒充填層の全体に十分な荷重を常にかけることができる。これにより、上部変形充填物層の量が少なくても、固体触媒充填層の上表面と上部変形充填物層との間には空隙が実質的に生じることがなく、長期運転後でも図11に示すような状態を維持できるのである。
本発明第2の装置は、通常、反応塔に充填した固体触媒充填層の上に追従変形能を有する透水性押圧層および仕切りを設置した一層式の構成からなるものであるが、この様な構成からなる装置を複数個設けた多層式の構成を採用することもできる。
或いは、固体触媒を所定の容器に充填し、該固体触媒充填層の上に追従変形能を有する透水性押圧層および仕切りを設けた、一層式または多層式の構成からなる容器をさらに反応塔内に収めた構成を採用することもできる。
更に本発明装置の第3の態様(第3の装置)は、固体触媒および/または固体吸着材の充填層の下に、「排水等の上昇流の分散緩和層」(以下、再び「下部充填物層」で代表させる)を設けたものである。この下部充填物層を設置することにより、反応塔に設置されたノズル、または単孔若しくは多孔の穴から吹き出された排水等の上昇流は分散され、排水等が固体触媒充填層に直接強く衝突するのを防止し得る結果、排水等の線速度を落とし、その流れをできるだけ均一にして固体触媒充填層に供給することができる。従って、下部充填物層には、ノズル等から吹き出された排水等が直接衝突しても十分耐えられるような、耐摩耗性、耐腐食性および強度を有することが要求される。また、下部充填物層の上に固体触媒充填層を設けることから、その荷重に耐えられる強度も必要である。以下、その好ましい態様について具体的に説明する。
(a)材質
要求される性能(耐摩耗性、耐腐食性および強度)を具備するためには、金属またはセラミック製の充填物を使用することが推奨される。代表的には、鉄、銅、ステンレス、ハステロイ、インコネル、チタン、ジルコニウム、チタニア、ジルコニア、アルミナ、窒化珪素、窒化炭素、ガラスなどの充填物が挙られる。
これらのなかでも、例えば湿式酸化法による排水処理の場合には、ステンレス、ハステロイ、インコネル、チタンまたはジルコニウム製の充填物が好ましく、特にステンレス製の充填物がより好適に用いられる。
(b)充填量
充填量は、排水等の上昇流が分散し、固体触媒充填層に直接衝突するのを緩和するのに有効な量を適宜選択することができる。具体的には、下部充填物層の高さは10mm以上300mm以下、より好ましくは30mm以上250mm以下、特に好ましくは40mm以上200mm以下にすることが推奨される。充填量が少なすぎると、下部充填物層による所望の効果が充分得られない。一方、充填量が多すぎても、コスト高となり経済的に不利である。
(c)形状
上記の如く下部充填物層は、排水等が偏流することなく、できるだけ均一に固体触媒充填層に流れる様、排水等の分散性能に優れたものであることが必要である。従って、下部充填物層に充填される充填物の形状についても、排水等の分散性能に優れることが要求され、しかも耐摩耗性および高強度を備えていることが必要であり、これらの要件を具備するものであれば特に限定されない。その代表例としては、球状、ペレット状、塊状、リング状、サドル状、多面体状などの粒状充填物を挙げられる。その他、繊維状、鎖状、数珠状等、連続体の形状を有する充填物も使用することができる。
これらのうち球状、ペレット状、リング状、サドル状の粒状充填物が好ましく、特に球状、ペレット状またはリング状の充填物がより好適である。なお、粒状充填物を使用すれば、反応塔への充填が容易にできるという観点からも推奨される。
この様な例として、ラシヒリング、スロテッドリング、レッシヒリング、ディクソンパッキング、ヘリパック、マクマホンパッキング、ヘリックス、キャノンパッキング、ポールリング、コイルパック、ベルルサドル、インタロックスサドル、バールサドル、グッドローパッキング、デミスター等、吸収塔や蒸留塔などの気液接触装置に一般に用いられる金属またはセラミック製充填物が挙げられる。
(d)大きさ
下部充填物層の設置による上記作用が充分発揮されるものであれば特に限定されない。例えば粒状充填物では、通常、平均粒径3〜30mmの範囲のものが用いられるが、好ましくは4mm以上20mm以下であり、特に好ましくは5mm以上15mm以下である。平均粒径が小さすぎても大きすぎても、充填物が固体触媒の中に入り込んでしまい、所望の効果が充分得られない。
尚、下部充填物層に充填される充填物と固体触媒との平均粒径の比は特に限定されないが、粒状の金属またはセラミック製充填物の場合、その粒径比(金属またはセラミック製粒状充填物の平均粒径/固体触媒の平均粒径)は、通常5/1以上1/5以下にすることが好ましく、より好ましくは3/1以上1/3以下、特に好ましくは2/1以上1/2以下である。上記粒径比が5/1よりも大きいと、固体触媒に比べ金属またはセラミック製充填物の方が非常に大きくなるため、固体触媒が金属またはセラミック製充填物の間に入り込んでしまう。一方、上記粒径比が1/5よりも小さいと、固体触媒に比べ金属またはセラミック製充填物が非常に小さくなるため、金属またはセラミック製充填物が固体触媒の間に入り込んでしまう。その結果、いずれの場合においても所望の固体触媒摩耗低減作用が充分得られなくなる。
尚、本発明における「平均粒径」とはサンプル粒径の平均値のことであり、「粒径」とはその最大径を意味する。例えば球状の場合は直径を、ペレット状の場合はその対角線の長さを夫々意味する。
(e)空隙率
下部充填物層の空隙率についても特に限定されないが、通常20〜99容量%(全緩和層の体積基準)であり、より好ましくは30容量%以上97容量%以下、特に好ましくは35容量%以上93容量%以下である。空隙率が小さすぎると充填物間の隙間が小さくなり、排水等が流れ難くなる為、該下部充填物層での圧力損失が大きくなる。一方、空隙率が大きすぎると、固体触媒の摩耗を防止する効果が充分得られない。
尚、下部充填物層に充填される充填物は、その下部充填物層全体にわたって形状、粒径、比重、材質などが必ずしも同一である必要はなく、上述した作用が発揮される範囲内において複数種の充填物を用いても良く、使用形態・使用状況に応じて適切なものを適宜選択することができる。
上記充填物は反応塔に直接充填しても良いが、通常は、まず反応塔の下部に、金網、単孔または多孔の板、グリッドなどを単独または併用してなる支持部材を設置し、その上に上記充填物を充填する方法が採用される。
次に、上記下部充填物層の機能について、図12〜図15に基づいて説明する。このうち図12および図13は、本発明第4の装置(固体触媒充填層の下には下部充填物層を、該固体触媒充填層の上には上部変形充填物層を設けた装置)に相当するものであるが、固体触媒充填層の下に下部充填物層を設置している点で、本発明第3の装置と一致するので、便宜上、上記第4の装置を用いて説明していく。
図14および図15は従来の排水処理反応塔における様子を示す状態図であり、本発明の如く下部充填物層を設けず、反応塔下部に設けた金網の上に固体触媒を直接充填し、該固体触媒充填層の上に固定押圧手段としてグリッドを用いたものである。ここで、図14は排水処理開始当初の状態を、また図15は長期運転後の状態を夫々示す。
図14に示す様に排水処理開始当初においては、反応塔内に固体触媒が空隙なく充填され、固体触媒の運動はグリッドによって十分に押さえられている。ところが或る程度時間が経つと、固体触媒充填層の下部には排水等が強く衝突した結果、該固体触媒充填層の下部が摩耗して空隙が生じてくる。更に固体触媒が密に詰まったりし、その充填層の上表面が特にその中心部から沈降し始め、その変化にうまく追従できないグリッドとの間に不可避的な空隙が生じてくる。その結果、固体触媒の運動が激しくなって固体触媒充填層の摩耗が更に進行し、最終的には図15に示す状態になる。
これに対して図12および図13は、本発明第4の排水処理装置における固体触媒充填層と下部充填物層と上部変形充填物層との関係を示す説明図であり、図12は排水処理開始当初の状態を、図13は長期運転後の状態を夫々示す。
上記の本発明装置を用いれば、下部充填物層が排水等の衝突を緩和し、固体触媒充填層下部の摩耗を防止するため、固体触媒層下部と下部充填物層との間には空隙が実質的に生じることはない。更に、固体触媒充填層の上表面が沈降しても、その変化に上部変形充填物層がうまく追随し得るため、固体触媒充填層と上部変形充填物層との間には空隙が実質的に生じることもない。その結果、長期運転後でも図13に示す様な状態を維持することができ、固体触媒充填層内における固体触媒の運動等が有効に防止される結果、その摩耗による性能劣化、圧力損失の上昇などの問題を解決することができる。
この様に下部充填物層を設置すれば、ノズル、または単孔若しくは多孔の穴から吹き出された排水等が固体触媒に強く衝突することを防止し、固体触媒充填層の下部に、実操業上好ましくない空隙が形成されるのを実質的に防止できる他、排水等が偏流しないように分散する効果も発揮される。更に固体触媒充填層の上に上部変形充填物層を設置すれば、前述の本発明第1装置による効果も同時に得られる。即ち、固体触媒充填層の上表面が不均一に沈降した場合でも、その沈降に追従して上部変形充填物層が変形するため、固体触媒充填層の上表面と上部変形充填物層との間に好ましくない空隙が形成されるのを実質的に防止することができる。
尚、この下部充填物層の下には、固体触媒や下部充填物の荷重を受け止め、反応塔内に安定して充填でき、しかも偏流することなく排水等を固体触媒充填層に供給することを目的として、支持座を設置することが有効である。この支持座は特に限定されず、使用態様に応じて、排水処理に汎用されているもの(金網、単孔または多孔、グリッド等)のなかから適宜適切なものを選択することができる。通常は、下部充填物層の下に、金網およびグリッドを設置することが推奨される。或いは、このグリッドの下に、単孔板及び/又は多孔板を1セット若しくは複数セットして設置しても良い。
更に本発明第5の装置は、反応塔内に下部充填物層、固体触媒充填層および上部変形充填物層が順次設置されると共に、該固体触媒充填層の上部及び上部変形充填物層を垂直仕切りによって多数の区画に分断したものである。この様な構成とすれば、下部充填物層、上部変形充填物層および垂直仕切りの設置による上述した効果が全て得られる点で極めて有用である。
尚、本発明第3の装置は下部充填物層および固体触媒充填層を、第4の装置は下部充填物層、固体触媒充填層および上部変形充填物層を、第5の装置は第4の装置において、更に垂直仕切りが設置された反応器を設けた一層式の構成からなるものであるが、これらの構成からなる装置を複数個設けた、多層式の構成を採用することもできる。
或いは、これらの各層を充填した容器を、更に反応塔内に設けた構成とすることもできる。
次に、本発明装置の第6の態様(第6の装置)について説明する。この第6の装置は、上述した通り、固体触媒および/または固体吸着材の充填層の上に、該充填層の移動に対する追従移動能を有する押圧層を設けたものであり、特に、反応塔の内径が約300mm以下(好ましくは100mm以下)と小さい場合に有効である。
ここで上記「追従移動能を有する押圧層」(以下、「上部移動充填物層」で再び代表させる)とは、充填層内における固体触媒の運動を実質的に防止するに十分な程度の荷重を有しており、しかも固体触媒充填層の移動に対して追従し得るものを意味する。この様な上部移動充填物層を使用すれば、固体触媒充填層の上表面が沈降するなど変化しても、その変化に追従して沈降し、変形し得るため、固体触媒の運動による摩耗を防止するのに有効である。上述した様に、上部移動充填物層は、反応塔の内径が小さい場合に効果的に使用されるものであるが、反応塔の内径が小さい場合には、一般に、固体触媒は上部移動充填物層との接触面と平行に(すなわち均一に)沈降するから、反応塔の内径が大きい場合に懸念される問題(固体触媒が不均一に沈降し、固体触媒と上部変形充填物層との間に空隙が生じるという問題)が生じる恐れは極めて少ないと考えられる。
尚、この上部移動充填物層は、内径が小さい反応塔に使用される為、該上部移動充填物と反応塔との間に生じる隙間によって排水等が偏流しない程度に透水性を有する。従って、上部移動充填物層には、前記の上部変形充填物層とは異なり、積極的に透水性を備えている必要は必ずしもなく、例えばSUS製の棍棒等の如く、透水性を備えていないものも使用することができる。
本発明に用いられる上部移動充填物層には特に制限はなく、上述の如く荷重性および追従移動能を有するものであればいずれも使用することができる。特に好適な態様としては、固体触媒充填層の上表面との接触面は金網、板等で形成されている金属製の棒状または塊状または筒状の充填物であって、反応塔内にちょうど収まり、固体触媒充填層の沈降と共に沈降でき、なお且つ、固体触媒が通過して抜ける隙間を生じないような形状を有するものが挙げられる。
また、材質的には金属製であることが好ましく、代表的には、鉄、銅、ステンレス、ハステロイ、インコネル、チタン、ジルコニウム
等の充填物が挙げられる。なかでも、例えば湿式酸化処理による排水処理の場合には、ステンレス、ハステロイ、インコネル、チタン、ジルコニウム製の充填物が好ましく、特にステンレス製の充填物が好ましい。
また、上記第7の装置は、反応塔内に下部充填物層、固体触媒充填層および上部移動充填物層が順次設置されるものであり、この様な構成とすることにより、下部充填物層および上部移動充填物層の設置による上述した効果が全て得られる点で極めて有用である。
尚、本発明第6の装置は固体触媒充填層および上部移動充填物層を、第7の装置は下部充填物層、固体触媒充填層および上部移動充填物層を設けた一層式の構成からなるものであるが、これらの構成からなる装置を複数個設けた、多層式の構成を採用することもできる。
或いは、これらの各層を充填した容器を、更に反応塔内に設けた構成とすることもできる。
以上、本発明の各装置を特徴付ける部分について詳述したが、各装置に共通して使用される固体触媒および固体吸着材については特に限定されず、排水処理に通常用いられる固体触媒および固体吸着材を用いることができる。
このうち固体触媒としては、チタン、鉄、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、活性炭などを含有する触媒が挙げられる。なかでもチタン、チタン−ジルコニウム、チタン−鉄などの酸化物が好適に用いられる。これらの触媒は、上記成分(第1成分)のほかに、更なる他の成分(第2成分)を含有してもよい。この第2成分としては、マンガン、コバルト、ニッケル、タングステン、銅、セリウム、銀、白金、パラジウム、ロジウム、金、イリジウム、ルテニウムなどより選択される少なくとも1種の金属、またはこれらの金属化合物が用いられる。この様な第2成分含有触媒においては、第1成分75〜99.95重量%に対して、第2成分25〜0.05重量%の割合で使用することが好ましい。
尚、固体触媒の形状は特に限定されず、排水処理に通常用いられる形状の固体触媒が用いられる。通常は、球状、ぺレット状またはリング状の固体触媒が用いられ、その他、ハニカム状のものを用いてもよい。
次に、本発明に用いられる固体吸着材としては、排水処理に通常用いられる種類や形状のものが挙げられ、例えばチタン、鉄、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウムまたは活性炭を含有する固体吸着材を例示できる。なかでもチタン、チタン−ジルコニウム、チタン−鉄などの酸化物が好適に用いられる。また、その形状に関しては、球状、ペレット状またはリング状の固体吸着材が用いられ、ハニカム状のものを用いてもよい。
上記固体吸着材は単独で使用しても良いし、或いは固体触媒と組合わせて使用することもできる。
尚、本発明で使用する固体触媒および固体吸着材の大きさは特に限定されず、排水処理に通常用いられる大きさのものが用いられる。好ましくは、固体触媒または固体吸着材の粒径は1〜50mmの範囲にあることが推奨される。即ち、本発明によれば粒径が1〜50mmの固体触媒および/または固体吸着材を用いて排水処理すると、これらの運動を効果的に防止し、性能劣化や圧力損失の上昇などの問題を解決することができる。とりわけ粒径が1.5mm以上30mm以下、より好ましくは2mm以上10mm以下の固体触媒および/または固体吸着材を用いると、一層優れた効果が得られる。
次に、上述した本発明装置を用いて排水を処理する方法について詳細に説明する。
排水を浄化処理するに当たっては、排水を単独で、あるいは必要に応じてガスと共に、上記本発明の各装置の反応塔に導入すれば良い。上記の本発明装置を用いれば、各種排水、例えば化学プラント、食品加工設備、金属加工設備、金属メッキ設備、印刷製版設備、写真処理設備などの産業プラントから排出される種々の排水を長期にわたって安定的に浄化処理することができる。特に、化学的酸素要求量(COD)の高い排水を浄化処理するのに有効である。なお、排水にはpH調整用の薬剤等を更に含んでいても良く、また希釈水等で希釈されていても構わない。
尚、上記ガスとしては、排水処理を行うために使用する空気、オゾン、酸素、酸素富化ガスなどの酸素含有ガスの他、水素、アンモニアなどのガス;排水処理により発生する窒素、アンモニア、二酸化炭素などの排ガス;水蒸気が挙げられる。
本発明では、反応塔における排水、または排水およびガスの流れ方向には特に限定されないが、本発明による効果(即ち、固体触媒の運動を効果的に防止し、長期にわたる安定した排水処理を行うこと)は、排水のみを導入する場合は排水を上昇流として流すとき;排水とガスを同時に導入する場合は排水およびガスのいずれか一方(好ましくはこれらの両方)を上昇流として流すときに、とりわけ有効に発揮される。その理由は、排水及びガスが下方向に流れるときは、反応塔内に充填した固体触媒が常に下向きに押される為、その運動による摩耗は比較的少ないのに対し、排水及び/またはガスが上昇流として流れるときには、反応塔内における固体触媒の運動が激しくなり、その摩耗が起こり易くなるからであり、この様な場合においてこそ、本発明装置による効果が如何なく発揮されるのである。
また、ノズル、または単孔若しくは多孔の穴から供給される排水の線速度は、通常0.001〜10m/secであることが推奨され、好ましくは0.002m/sec以上5m/sec以下、特に好ましくは0.003m/sec以上3m/sec以下である。排水の線速度が小さい場合、特にガスを同時に導入しないときは固体触媒の摩耗は小さく、本発明に用いられる下部充填物層を新たに設置する必要はない。一方、線速度が大きすぎると固体触媒の摩耗が激しくなり、好ましくない。
更に、ノズル、または単孔若しくは多孔の穴から供給されるガスの線速度は、通常0.001〜30m/secであることが推奨され、好ましくは0.002m/sec以上20m/sec以下、特に好ましくは0.003m/sec以上10m/sec以下である。線速度が小さい場合は固体触媒の摩耗は小さく、本発明における下部充填物層を設ける必要はない。一方、線速度が大きすぎると固体触媒の摩耗が激しくなり、好ましくない。
上記排水およびガスの線速度は、ノズル、または単孔若しくは多孔の穴の断面積当りに通過する単位時間当たりの排水およびガスの体積から算出することができる。この場合の排水量は、例えばpH調整や排水処理の目的等により添加した薬剤,希釈水などをも含む廃液全量から算出される。またガスの体積は、処理圧力下および処理温度下での体積から算出される。
反応塔における排水およびガスの線速度は特に限定されないが、排水を0.3〜120m/hの範囲の線速度で流すと固体触媒の運動を効果的に防止することができる。排水の線速度が0.3m/h未満の場合、ガスが存在しないときには固体触媒の動きによる摩耗も少ない。一方、120m/hを超えると、固体触媒は比較的多く摩耗してしまう。より好ましくは1.0m/h以上60m/h以下、更により好ましくは2.0m/h以上30m/h以下である。また、ガスの線速度は500m/h以下が好ましく、より好ましいのは300m/h以下であり、更により好ましいのは150m/h以下である。500m/hを超えると、固体触媒が比較的多く摩耗してしまう。
ここで、上記排水またはガスの線速度とは、固体触媒を充填した反応塔の断面積あたりに通過する単位時間当たりの排水またはガスの体積から算出されるものである。この場合の排水量は、例えば、pH調整や排水処理の目的等により添加した薬剤,希釈水などをも含む廃液全量から算出される。またガスの体積は、処理圧力下および処理温度下での体積から算出される。
固体触媒および下部/上部充填物層を充填する為の反応塔または反応容器の大きさは特に限定されず、排水処理に通常用いられる大きさの反応塔等を用いることができるが、概ね20〜3000mm(より好ましくは100mm以上2500mm以下、更により好ましくは300mm以上2000mm以下)の反応塔を用いることが推奨される。
尚、本発明では、反応塔の内径に応じて、上部移動充填物層、上部変形充填物層、上部変形充填物層及び仕切りの組合わせのいずれかを、適宜選択して使用することができる。
例えば一般に、反応塔の内径が20mm未満の場合は、本発明で使用する上部移動充填物層を敢えて用いる必要はなく、例えば50mm未満であっても、従来使用されている固定式押圧材によって固体粒子の運動をある程度防止することが可能である。勿論、反応塔の内径が20〜300mm、より好ましくは100mm以下の場合に上部移動充填物層を設置することは、固体粒子の運動を効果的に防止できる点で極めて有効である。
但し、反応塔の内径が、例えば約100mm以上、更には300mmを超えて大きくなると、固体触媒の運動が非常に激しくなり、上記の上部移動充填物層ではこの固体触媒の運動を効果的に防止することが困難となる。この様な場合には、上部移動充填物層の代わりに上部変形充填物層を設置することが推奨される。
更に反応塔の内径が大きくなり、内径が350mm以上、更には510mm以上の場合は、反応塔もしくは容器の内部を上記の垂直仕切り等より、複数の区画に分断することが推奨される。
本発明装置は排水を処理する種々の方法に適用することができ、例えば湿式酸化法、湿式分解法、オゾン酸化法、過酸化水素酸化法などに適用できる。このなかでも、湿式酸化法およびオゾン酸化法による排水処理に好適に用いられる。その理由は、湿式酸化法およびオゾン酸化法では、排水と共に酸素及び/又はオゾン含有ガスを供給しており、固体触媒が排水およびガスの移動に伴って動くため、摩耗し易くなるからである。
特に本発明装置は、湿式酸化法による排水処理に好適である。湿式酸化法は酸素含有ガスを供給しながら排水を高温に加熱しつつ、しかも高圧下で処理する方法であり、排水および酸素含有ガスを、反応塔の下から上に上昇流で流す場合が多い。更に湿式酸化法では高圧下で処理する為、圧力を高圧下に制御しているが、該圧力の変動により酸素含有ガスの体積変化等が生じ易くなる。そのため、湿式酸化法では、特に排水および酸素含有ガスが激しく動き、一般に固体触媒の摩耗が激しくなるからである。
以下、上記湿式酸化法を例に挙げ、本発明法について具体的に説明する。
上記「湿式酸化法」とは、排水を100℃〜370℃に加熱し、排水が液相を保持する圧力下にて酸素含有ガスを導入し、排水を浄化処理する方法である。反応塔での排水の最高温度は、100〜370℃とすることが好ましく、より好ましくは、150℃以上、300℃以下である。370℃を超えると、排水が液相を保持できなくなる。また300℃以上になると、液相を保持するための圧力が著しく高くなり、そのための設備費およびランニングコストが著しく高くつく。一方、100℃未満では、処理効率が著しく低下する。また、150℃未満であっても処理効率は一般に低く、排水浄化性に劣ることが多い。
尚、処理圧力は処理温度との関係で適宜選択され、湿式酸化法では排水が液相を保持する圧力下に行われる。
また反応塔に対する排水の空間速度は0.1hr-10hr-1とすることが好ましい。空間速度が0.1hr-1未満では、排水の処理液量が低下し、設備が過大なものになってしまう。一方、10hr-1を超えると処理効率が低下し、好ましくない。より好ましい空間速度は0.3hr-1以上、5hr-1以下である。
尚、上記「酸素含有ガス」とは、分子状酸素またはオゾンを含有するガスのことであり、オゾンおよび酸素のガスを用いる場合には、不活性ガスなどにより適宜希釈して使用することができる。更に酸素富化ガスも使用することもでき、それ以外に、他のプラントより生じる酸素含有の排ガスも適宜使用することができる。このうち最も好ましいものは、価格の安価な空気である。
酸素含有ガスの反応塔への供給位置は、反応塔下部にあることが好ましい。その理由は、排水で満たされた反応塔内の下部に酸素含有ガスを供給すると、該酸素含有ガスは排水の中を上昇するため、反応塔全体に自然にガスを供給できるからである。その結果、固体触媒を用いた湿式酸化処理における排水の浄化性および運転上の簡易性を高めることができる点で有用である。
更に反応塔からの排ガスの排出位置は、反応塔の上部にあることが有効であり、反応塔の最上部にあることが推奨される。また、処理液の反応塔上部からの排出位置についても反応塔の最上部にあることが好ましく、排ガスおよび処理液を共に排出することが最も推奨される。
本発明に用いられる酸素含有ガスの供給量は特に限定されず、排水の種類および処理の目的、その他処理条件などにより適宜適切な量に調整することができる。
本発明に使用する湿式酸化処理装置は特に限定されず、通常使用されるものが用いられる。湿式酸化反応塔は、単管式、多管式のいずれの形式であってもよいが、好ましいのは単管式である。また本発明に係る排水の処理方法において「反応塔」と記載した箇所は、「反応管若しくは反応容器」若しくは「充填塔、充填管若しくは充填容器」に置き換えることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1(第4の装置)
図1に示す湿式酸化処理装置を使用し、下記の条件下にて合計500時間排水処理した。
処理に使用した固体触媒は、主成分としてチタニアと白金からなる触媒で、それぞれの重量比がTiO2:Pt換算で99:1.0であった。また、該固体触媒の形状は、直径4mmφ×長さ7mmのペレット状であった(平均粒径8.1mm)。この固体触媒を、直径300mm、長さ8000mmの円筒状の反応塔に500リットル充填した。そしてこの固体触媒充填層の上に、直径6mm、長さ5〜8mm(平均長さ6.5mm)の円柱状のSUS製ペレット(平均粒径8.5mm)を高さ方向で150mm充填した。このペレットの比重は、約7.9であり、空隙率は43%であった。なお、該固体触媒充填層の下にも、上記と同じSUS製ペレットを高さ方向で100mm充填した。また、固体触媒充填層の下に充填したSUS製ペレットは、反応塔中に設置されたグリッドおよび金網からなる支持座の上に充填した。
排水の処理方法は、排水供給ライン10より送られてくる排水を、排水供給ポンプ3で1m3/hrの流量で昇圧し、フィードした後、熱交換器2で反応塔の最高温度が250℃となるようにバイパス調整弁8で調節して、反応塔1の底より供給した。また、酸素含有ガス供給ライン11より空気を供給し、コンプレッサー4で昇圧した後、O2/COD(Cr)(空気中の酸素量/化学的酸素要求量)=1.5の割合となるように熱交換器2の手前から供給し、該排水に混入した。湿式酸化処理した処理液は、処理液ライン12を経て、冷却器9で冷却した後、気液分離器5で気液分離処理した。気液分離器5においては、液面コントローラ(LC)により液面を検出して液面制御弁6を作動させて一定の液面を保持するとともに、圧力コントローラ(PC)により圧力を検出して圧力制御弁7を作動させて70kg/cm2Gの圧力を保持するように操作した。そして、この様にして処理した処理液を、処理液排出ライン14から排出した。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、72kg/cm2Gであった。
処理に供した排水は、COD(Cr)が43g/リットル、pH3.7であったのに対し、500時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.3g/リットル、pH5.6であった。また、500時間後の反応塔入口圧力(PI)は、72kg/cm2Gであった。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放してSUS製ペレットを取り除き、固体触媒の沈降高さを測定した。その結果、5cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察したが、固体触媒の変化は特に観察されなかった。
比較例1
固体触媒充填層の上および下にSUS製ペレットを充填せず、固体触媒を金網の上に直接充填した以外は、実施例1と同じ処理条件で処理した。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、72kg/cm2Gであった。
500時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.7g/リットル、pH5.5であった。また500時間後の反応塔入口圧力(PI)は74kg/cm2Gにまで上昇した。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放して固体触媒の沈降高さを測定した。その結果、固体触媒がすり鉢状に沈降し、平均で31cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察した結果、反応塔上部および下部の固体触媒が小さく摩耗していた。
実施例2(第7の装置)
固体触媒充填層の上にSUS製ペレットを充填せず、他の充填物を充填した以外は、実施例1と同じ処理条件で処理した。固体触媒の上に充填した他の充填物は、追従移動能を有する押圧材(反応塔内に収まる直径296mm、高さ500mmの円筒状のSUS製容器で、円筒の下面は、SUS製金網である)である。そして該SUS製容器の内部に、実施例1と同じSUS製ペレットを高さ方向で130mm充填した。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、72kg/cm2Gであった。
500時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.7g/リットル、pH5.5であった。また500時間後の反応塔入口圧力(PI)は74kg/cm2Gにまで上昇した。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放して円筒状のSUS製充填物を取り除き、固体触媒の沈降高さを測定した。その結果、固体触媒がすり鉢状に沈降し、平均で、14cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察した結果、反応塔上部の固体触媒が、多少小さく摩耗していた。
実施例3(第1の装置)
実施例1において、固体触媒の下にSUS製ペレットを充填せず、金網の上に直接固体触媒を充填したこと、および、排水の供給量を0.3m3/hrとし、これに併せて空気の供給量も減量したこと以外は、実施例1と同じ条件で処理した。
処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、71kg/cm2Gであった。
処理に供した排水は、COD(Cr)が39g/リットル、pH3.7であったのに対し、500時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)が0.1g/リットル、pH5.7であった。また500時間後の反応塔入口圧力(PI)は71kg/cm2Gであった。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放してSUS製ペレットを取り除き、固体触媒の沈降高さを測定した。その結果、4cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察した結果、特に固体触媒の変化は観察されなかった。
比較例2
固体触媒充填層の上にSUS製ペレットを充填せず、反応塔内に固体触媒のみを充填した以外は実施例3と同じ処理条件で処理した。尚、処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、71kg/cm2Gであった。
500時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.3g/リットル、pH5.6であった。また500時間後の反応塔入口圧力(PI)は73kg/cm2Gにまで上昇した。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放して固体触媒の沈降高さを測定した。その結果、すり鉢状に固体触媒が沈降し、平均で21cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察した結果、反応塔上部の固体触媒が小さく摩耗していた。
実施例4(第4の装置)
図1に示す湿式酸化処理装置を使用し、下記に記載する条件以外は、実施例1と同様の方法で合計500時間処理した。
処理に使用した固体触媒は、主成分としてチタンとジルコニウムの複合酸化物、およびパラジウムからなる触媒で、それぞれの重量比がTiO2:ZrO2:Pd換算で49.5:49.5:1.0であった。また形状は、直径2.5mmφ×長さ5mmのペレット状であった(平均粒径5.6mm)。この固体触媒を、直径600mm、長さ7000mmの円筒状反応塔に1.5m3充填した。そしてこの固体触媒充填層の上に、平均直径(平均粒径)8mmの球状のSUS製ボールを高さ方向で250mm充填した。該充填物の比重は約7.9であり、空隙率は39%であった。なお、該固体触媒充填層の下にも、上記と同じSUS製ボールを高さ方向で100mm充填した。また、固体触媒充填層の下に充填したSUS製ボールは、反応塔中に設置されたグリッドおよび金網からなる支持座の上に充填した。そして、該グリッドの下部である反応塔の底部には、下から順に、単孔を有する分散板と多孔を有する分散板を設置した。また、固体触媒充填層上部のSUS製ボールの上には、更に金網およびグリッドからなる固定式押圧手段の押さえを設置した。
排水の供給量は2.3m3/hr、空気の供給量はO2/COD(Cr)=1.2の割合となる様にし、反応塔の最高温度が260℃となるように処理した。処理開始時の反応塔入口圧力(P1)は、77kg/cm2Gであった。
処理に供した排水は、COD(Cr)が38g/リットル、pH7.2であったのに対し、500時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.8g/リットル、pH6.3であった。また、500時間後の反応塔入口圧力(PI)は、77kg/cm2Gであった。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放してSUS製ボールを取り除き、固体触媒の沈降高さを測定した。その結果、11cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察したが、特に固体触媒の変化は観察されなかった。
比較例3
固体触媒充填層の上及び下にSUS製ボールを充填しなかった以外は、実施例4と同じ処理条件で処理した。尚、固体触媒の上には、金網とグリッドからなる固定式押圧手段の固体触媒押さえを設置し、固体触媒充填層と金網との間には、空隙のない様にした。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、77kg/cm2Gであった。
その結果、約370時間後に反応塔入口圧力(PI)が80kg/cm2Gにまで上昇し、処理を停止した。そして、反応塔の上部を解放して内部を観察した結果、固体触媒が摩耗および破損し、固体触媒層が閉塞気味であった。
実施例5(第6の装置)
図1において、下部充填物層23が設置されていない湿式酸化処理装置を使用し、下記の条件下で処理したこと以外は実施例1と同様に処理し、合計500時間排水処理した。
処理に使用した固体触媒は、主成分としてジルコニウムと鉄の酸化物、およびそれらの複合酸化物、並びにルテニウムからなる触媒であり、それぞれの重量比がZrO2:Fe23:Ru換算で、79.5:19.5:1.0であった。また、該固体触媒の形状は、直径2.5mmφ×長さ5mmのペレット状であった(平均粒径5.6mm)。この固体触媒を、直径26mm、長さ3000mmの円筒状の反応塔に1.0リットル充填した。そしてこの固体触媒充填層の上に、追従移動能を有する押圧材として、直径24mm、長さ1mの円柱状SUS製丸棒を充填した。尚、固体触媒は、グリッドおよび金網からなる支持座の上に充填した。
排水供給量は2.0リットル/hr、供給空気量はO2/COD(Cr)=2.0の割合となる様にし、反応等の温度が250℃となる様に処理した。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、75kg/cm2Gであった。
処理に供した排水は、COD(Cr)が24g/リットル、pH10.4であったのに対し、500時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.6g/リットル、pH8.7であった。また500時間後の反応塔入口圧力(PI)は、75kg/cm2Gであった。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放してSUS製丸棒を取り除き、固体触媒の沈降高さを測定した。その結果、5cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察したが、固体触媒の変化は特に観察されなかった。
比較例4
固体触媒充填層の上にSUS製丸棒を充填しなかった以外は、実施例5と同じ処理条件で処理した。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、75kg/cm2Gであった。
500時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.7g/リットル、pH8.8であった。また、500時間後の反応塔入口圧力(PI)は、75kg/cm2Gであった。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放して固体触媒の沈降高さを測定した。その結果、18cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察したが、反応等上部の固体触媒が小さく摩耗していた。
実施例6(第4の装置)
図2に示すオゾン酸化処理装置を使用し、下記条件下で500時間排水処理した。
処理に使用した固体触媒は、主成分としてチタニアとマンガンからなる触媒で、それぞれの重量比がTiO2:MnO2換算で95:5であった。また形状は、直径5mmφ×長さ7mmのペレット状であった(平均粒径8.6mm)。そして、この固体触媒を反応塔に30リットル充填した。処理に使用した反応塔の形状は、高さ6.0mの円筒形の反応塔であり、内径92mmであった。そして、この固体触媒充填層の上に、平均直径(平均粒径)12mmの球状のジルコニア製ボールを高さ方向で50mm充填した。この充填物の比重は約5.5であり、空隙率は40%であった。なお、該固体触媒充填層の下にも、上記と同じジルコニア製ボールを高さ方向で50mm充填した。
処理の方法は、排水供給ライン10より送られてくる排水を、排水供給ポンプ3を用いて30リットル/hrの流量で供給した後、熱交換器2で25℃となるように設定し、反応塔1の底より供給した。また、オゾン発生器15によって生成したオゾン含有ガス(オゾン濃度100g/m3)をガス流量調節弁16により、0.71Nm3/hの流量に調節し、反応塔1の底より供給した。
処理に供した排水は、COD(Cr)が720mg/リットル、pH7.6であったのに対し、500時間後に得られた処理水の結果は、COD(Cr)60mg/リットルで、pH4.3であった。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放してジルコニウム製ボールを取り除き、固体触媒の沈降高さを測定した。その結果、3cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察したが、固体触媒の変化は特に観察されなかった。
比較例5
固体触媒充填層の上および下にジルコニウム製ボールを充填せず処理した以外は、実施例6と同じ処理条件で処理した。
500時間後に得られた処理水の結果はCOD(Cr)75mg/リットルで、pH4.4であった。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放して固体触媒の沈降高さを測定した。その結果、21cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察した結果、反応塔上部および下部の固体触媒が小さく摩耗していた。
実施例7(第5の装置)
図1に示す湿式酸化処理装置を使用し、下記条件下で8000時間排水処理した。
処理に使用した固体触媒は、主成分としてチタニアと白金からなる触媒で、それぞれの重量比がTiO2:Pt換算で99:1.0であった。また形状は、直径4mmφ×長さ7mmのペレット状であった(平均粒径8.1mm)。この触媒を、直径1000mm、長さ7000mmの円筒状反応塔に4m3充填した。そして該固体触媒充填層の上に、球状のSUS製ボール(平均粒径8mm)を高さ方向で350mm充填した。該SUS製ボールの比重は、約7.9であり、空隙率は43%であった。なお、該固体触媒充填層の下にも、上記と同じSUS製ボールを高さ方向で100mm充填した。
また、反応塔の上部には、図16に示すようにSUS製ボールと固体触媒の上部を垂直方向に賽の目状に21区画分割するSUS製仕切りを設けた。該仕切りの垂直方向の高さは100cmであり、処理開始前の仕切りの上部とSUS製ボールの上面は、同じ位置とした。すなわち、該仕切りは、SUS製ボールと固体触媒層の境界部から固体触媒充填層側に65cm挿入した。
処理の方法は、排水供給ライン10より送られてくる排水を、排水供給ポンプ3で8m3/hrの流量で昇圧し、フィードした後、熱交換器2で反応塔の最高温度が250℃となるようにバイパス調整弁8で調節して、反応塔1の底より供給した。また空気を酸素含有ガス供給ライン11より供給し、コンプレッサー4で昇圧した後、O2/COD(Cr)(空気中の酸素量/化学的酸素要求量)=1.2の割合となるように熱交換器2の手前から供給し、該排水に混入した。湿式酸化処理した処理液は、処理液ライン12を経て、冷却器9で冷却した後、気液分離器5で気液分離処理した。気液分離器5においては、液面コントローラ(LC)により液面を検出して液面制御弁6を作動させて一定の液面を保持するとともに、圧力コントローラ(PC)により圧力を検出して圧力制御弁7を作動させて70kg/cm2Gの圧力を保持するように操作した。そして処理液は、処理液排出ライン14から排出した。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、72kg/cm2Gであった。
処理に供した排水は、COD(Cr)が36g/リットル、pH4.0であったのに対し、8000時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.2g/リットル、pH5.9であった。また8000時間後の反応塔入口圧力(PI)は72kg/cm2Gであった。
そして8000時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放してSUS製ボールの沈降高さを測定した。その結果、最も沈降した場所で34cmの沈降が観察され、平均で22cmの沈降が観察された。また、SUS製ボールを全量抜き出し、固体触媒の形状を観察したが、固体触媒の変化は特に観察されなかった。
比較例6
固体触媒充填層の上および下にSUS製ボールおよび仕切りを設置せず、SUS製金網とグリッドからなる固定式押圧手段の固体触媒押さえを固体触媒充填層の上に空隙なく設置した以外は、実施例7と同じ処理条件で処理した。
処理の結果は、開始直後から固体触媒が粉化した粉が多量に処理液中に排出されたため、約40時間後に処理を停止し、反応塔の上部を開放した。その結果、固体触媒がすり鉢状に沈降し、平均で41cmの沈降が観察された。また、固体触媒の形状が、小さく摩耗および破損していた。
実施例8(第4の装置)
仕切りを設けなかった以外は、実施例7と同様の方法で8000時間処理した。
8000時間後に得られた処理液の結果はCOD(Cr)0.3g/リットル、pH5.8であった。また8000時間後の反応塔入口圧力(PI)は、72kg/cm2Gであった。
そして8000時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放してSUS製ボールの沈降高さを測定した。その結果、SUS製ボールが沈降し、平均で57cmの沈降が観察された。また、SUS製ボールを全量抜き出し、固体触媒の形状を観察したが、固体触媒の変化は特に観察されなかった。
実施例9(第1の装置)
図1に示す湿式酸化処理装置を使用し、下記の条件下で処理する以外は実施例1と同様に合計8000時間処理した。
処理に使用した固体触媒は、主成分としてチタニアおよび白金からなる触媒で、それぞれの重量比がTiO2:Pt換算で99.6:0.4であった。また形状は、直径5mmφ×長さ7mmのペレット状であった(平均粒径8.6mm)。この触媒を、直径800mm、長さ10000mmの円筒状反応塔に3.6m3充填した。固体触媒は、反応塔中に設置されたグリッドおよび金網からなる支持座の上に充填した。そして、該グリッドの下部である反応塔の底部には、下から順に、単孔を有する分散板と多孔を有する分散板を設置した。また、該固体触媒充填層の上には、球状のSUS製ボール(平均直径8mm)を高さ方向で250mm充填した。このSUS製ボールの比重は、約7.9であり、空隙率は39%であった。また、固体触媒充填層上部のSUS製ボールの上には、更に金網およびグリッドからなる固定式押圧手段の押さえを設置した。
排水の供給量は1.8m3/hr、供給空気量はO2/COD(Cr)=1.1の割合となる様にし、反応塔の最高温度が240℃となる様に処理した。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、60kg/cm2Gであった。
処理に供した排水は、COD(Cr)が33g/リットル、pH8.2であったのに対し、8000時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.3g/リットル、pH7.2であった。また8000時間後の反応塔入口圧力(PI)は、61kg/cm2Gであった。
そして8000時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放してSUS製ボールの沈降高さを測定した。その結果26cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察したが、固体触媒の変化は特に観察されなかった。
実施例10(第2の装置)
反応塔の上部に、図16に示す様な、SUS製ボールと固体触媒の上部を垂直方向に賽の目状に21区画分割するSUS製仕切りを設置した以外は、実施例9と同じ処理条件で処理した。該仕切りの垂直方向の高さは100cmであり、処理開始前の仕切りの上部とSUS製ボールの上面は同じ位置とした。即ち、該仕切りは、SUS製ボールと固体触媒充填層の境界部から固体触媒充填層側に、75cm挿入した。
8000時間後に得られた処理液の結果はCOD(Cr)0.3g/リットル、pH7.2であった。また、8000時間後の反応塔入口圧力(PI)は、61kg/cm2Gであった。
そして8000時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放してSUSボールを取り除き、固体触媒の沈降高さを測定した。その結果、最も沈降した場所で29cmの沈降が観察され、平均で21cmの沈降が観察された。また、固体触媒を反応塔から抜き出し、その形状を観察したが、固体触媒の変化は特に観察されなかった。
比較例7
固体触媒充填層の上にSUS製ボールを充填せず、SUS製金網とグリッドからなる固定式押圧手段の固体触媒押さえを固体触媒充填層の上に空隙なく設置した以外は、実施例9と同じ処理条件で処理した。
処理の結果は、開始直後から触媒が粉化した粉が多量に処理液中に排出されたため、約40時間後に処理を停止し、反応塔の上部を開放した。その結果、固体触媒がすり鉢状に沈降し、平均で34cmの沈降が観察された。また、特に反応塔上部の固体触媒の形状が、小さく摩耗および破損していた。
実施例11(第5の装置)
図2に示すオゾン酸化処理装置を使用し、下記条件下で500時間処理した。
処理に使用した固体触媒は、主成分としてチタニアとマンガンからなる触媒で、それぞれの重量比がTiO2:MnO2換算で95:5であった。また形状は、直径5mmφ×長さ7mmのペレット状であった(平均粒径8.6mm)。そしてこの固体触媒を反応塔に1m3充填した。処理に使用した反応塔の形状は、高さ6.0mの円筒形の反応塔であり、内径500mmであった。そして、この固体触媒充填層の上に、平均直径(平均粒径)12mmの球状のジルコニア製ボールを高さ方向で250mm充填した。この充填物の比重は約5.5であり、空隙率は40%であった。なお、該固体触媒充填層の下にも、上記と同じジルコニア製ボールを高さ方向で100mm充填した。
また、反応塔の上部には、図17に示すようにジルコニア製ボールと固体触媒の上部を垂直方向に約25cm間隔で4区画分割するSUS製仕切りを設けた。該仕切りの垂直方向の高さは75cmであり、処理開始前の仕切りの上部とジルコニア製ボールの上面は、同じ位置とした。すなわち、該仕切りは、ジルコニア製ボールと固体触媒層の境界部から固体触媒充填層側に50cm挿入した。
処理の方法は、排水供給ライン10より送られてくる排水を、排水供給ポンプ3を用いて1m3/hrの流量で供給した後、熱交換器2で25℃となるように設定し、反応塔1の底より供給した。またオゾン発生器15によって生成したオゾン含有ガス(オゾン濃度100g/m3)をガス流量調節弁16により、24Nm3/hの流量に調節し反応塔1の底より供給した。
処理に供した排水は、COD(Cr)が580mg/リットル、pH7.4であったのに対し、500時間後に得られた処理水の結果は、COD(Cr)40mg/リットルで、pH4.7であった。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放してジルコニア製ボールの沈降高さを測定した。その結果、最も沈降した場所で19cmの沈降が観察され、平均で13cmの沈降が観察された。また、ジルコニア製ボールを全量抜き出し、固体触媒の形状を観察したが、固体触媒の変化は特に観察されなかった。
実施例12(第4の装置)
仕切りを設けなかった以外は、実施例11と同じ処理条件で処理した。
500時間後に得られた処理水の結果はCOD(Cr)50mg/リットルで、pH4.7であった。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の上部を開放してジルコニア製ボールの沈降高さを測定した。その結果、ジルコニア製ボールがすり鉢状に沈降し、平均で22cmの沈降が観察された。また、ジルコニア製ボールを全量抜き出し、固体触媒の形状を観察したが、固体触媒の変化は特に観察されなかった。
比較例8
固体触媒充填層の上および下にSUS製ボールおよび仕切りを設置せず、SUS製金網とグリッドからなる固定式押圧手段の固体触媒押さえを固体触媒充填層の上に空隙なく設置した以外は、実施例11と同じ処理条件で処理した。
処理の結果は、開始直後から固体触媒が粉化した粉が処理液中に排出されたため、約100時間後に処理を停止し、反応塔の上部を解放した。その結果、固体触媒がすり鉢状に沈降し、平均で、26cmの沈降が観察された。また、特に反応塔上部の固体触媒の形状が、小さく摩耗および破損していた。
実施例13(第4の装置)
図3に示す湿式酸化処理装置を使用し、下記条件で合計500時間排水処理した。
処理に使用した反応塔は、直径300mm、長さ8000mmの円筒状で、該反応塔底の中心から垂直に内径20mm、高さ300mmのノズル15が出ているものであった。また、反応塔の下部には、底から400mmの位置に、6メッシュのSUS製金網(線径0.8mm、目開き3.43mm)と固体触媒などの荷重を支えるためのグリッドからできた支持材が設けてある。この支持座の上に、外径6mm、内径5mm、長さ6mmの円柱状のSUS製ラシヒリング(平均粒径8.5mm)を高さ方向で100mm充填した。このラシヒリング充填層の空隙率は約90容量%であった。更に、該ラシヒリング充填層の上に固体触媒を充填した。この固体触媒は、主成分としてチタンとジルコニウムの酸化物、およびそれらの複合酸化物、並びに白金を含む触媒で、各成分の重量比は、TiO2:ZrO2:Pt換算で49.8:49.8:0.4であった。形状は、直径6mm×長さ8mmのペレット状であった(平均粒径10mm)。この触媒500リットルを反応塔に充填した。
さらに上記固体触媒充填層の上に、平均直径(平均粒径)8mmの球状のSUS製ボールを高さ方向で200mm充填した。このボールの比重は約7.9であり、ボール充填層の空隙率は約39容量%であった。
処理の方法は、排水供給ライン10より送られてくる排水を、排水供給ポンプ3で2m3/hrの流量で昇圧フィードした後、熱交換器2で反応塔の最高温度が260℃となるようにバイパス調整弁8で調節して、反応塔1の底より供給した。また、酸素含有ガス供給ライン11より空気を供給し、コンプレッサー4で昇圧した後、O2/COD(Cr)(空気中の酸素量/化学的酸素要求量)=1.2の割合となるように熱交換器2の手前から供給し、排水に混入した。湿式酸化処理した処理液は、処理液ライン12を経て、冷却器9で冷却した後、気液分離器5で気液分離処理した。気液分離器5においては、液面コントローラ(LC)により液面を検出して液面制御弁6を作動させて一定の液面を保持するとともに、圧力コントローラ(PC)により圧力を検出して圧力制御弁7を作動させて75kg/cm2Gの圧力を保持するように操作した。処理液は、処理液排出ライン14から排出した。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、77kg/cm2Gであった。
上記処理に供した排水は、COD(Cr)が37g/リットル、pH5.8であったのに対し、500時間後に得られた処理液は、COD(Cr)0.7g/リットル、pH6.9であった。また、500時間後の反応塔入口圧力(PI)は、77kg/cm2Gであった。
500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の下部を開放して支持座の一部を取り外し、ラシヒリングを取り出した。その結果、ラシヒリング充填層と固体触媒充填層との間に空隙は観察されなかった。また、固体触媒も反応塔から取り出したが、特に固体触媒に変化は認められなかった。
実施例14(第3の装置)
下記の条件以外は実施例13と同じ装置を用い、同様の処理法で合計500時間排水処理した。
反応塔には、金網とグリッドからなる支持座の上に直径8mmの球状のSUS製ボールを高さ方向で100mm充填した。このボール充填層の空隙率は約40容量%であった。更に、該SUS製ボール充填層の上に固体触媒を充填した。この固体触媒は、主成分としてチタンとジルコニウムの酸化物、及びそれらの複合酸化物、並びにパラジウムを含む触媒で、各成分の重量比はTiO2:ZrO2 :Pd換算で49.5:49.5:1.0であった。形状は直径6mm×長さ8mmのペレット状であった(平均粒径10mm)。この触媒500リットルを反応塔に充填した。固体触媒充填層の上には、金網とグリッドからなる固定式押圧手段である固体触媒押さえを設置した。
排水処理条件は、排水供給量0.25m3/hr、O2/COD(Cr)=1.5とし、反応塔の最高温度が160℃で、なお且つ圧力コントローラ(PC)の圧力が9.0kg/cm2Gとなるようにした。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、9.8kg/cm2Gであった。
上記処理に供した排水は、COD(Cr)が25g/リットル、pH13.6であったのに対し、500時間後に得られた処理液は、COD(Cr)1.1g/リットル、pH12.8であった。また、500時間後の反応塔入口圧力(PI)は、9.8kg/cm2Gであった。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の下部を開放して支持座の一部を取り外し、SUS製ボールを取り出した。その結果、SUS製ボール充填層と固体触媒充填層との間に空隙は観察されなかった。また、固体触媒を反応塔から取り出した結果、反応塔上部の固体触媒が若干摩耗していた。
比較例9
支持座の上にSUS製ボール充填層を設けず、固体触媒を金網の上に直接充填した以外は、実施例14と同じ処理条件で処理した。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、9.8kg/cm2Gであった。
500時間後に得られた処理液は、COD(Cr)1.2g/リットル、pH12.8であった。また、500時間後の反応塔入口圧力(PI)は10.2kg/cm2Gであった。
そして500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の下部を開放して固体触媒充填層を観察した。その結果、固体触媒充填層の下部のうち特にノズルから吹き出した気液が衝突する付近で、高さ方向に約130mmの空隙が観察された。反応塔下部の固体触媒は、その形状が小さく摩耗し、さらに支持座から上に高さ約400mmまでの固体触媒充填層には、固体触媒の粉化した粉が閉塞していた。また、反応塔の底にも、固体触媒の粉化した粉が少量堆積していた。更に反応塔上部の固体触媒は、若干摩耗していた。
実施例15(第4の装置)
図4に示す湿式酸化処理装置を使用し、下記に記載する条件以外は、実施例13と同様の方法で合計で500時間排水処理した。
処理に使用した反応塔は、直径600mm、長さ7000mmの円筒状の反応塔で、反応塔の下部には、底から800mmの位置に、6メッシュのSUS製金網(線径0.8mm、目開き3.43mm)と固体触媒などの荷重を支えるためのグリッドからできた支持座が設けてある。また、底から700mmの位置に、15mmφの穴を7個有するSUS製多孔板19が設けてある。この支持座の上に、平均直径(平均粒径)8mmの球状のSUS製ボールを高さ方向で150mm充填した。このボール充填層の空隙率は約40容量%であった。
上記ボール充填層の上に固体触媒を充填した。処理に使用した固体触媒は、主成分としてチタンと鉄の酸化物、およびルテニウムを含む触媒で、各成分の重量比は、TiO2:Fe23:Ru換算で29.5:69.5:1.0であった。形状は、直径3mm×長さ5mmのペレット状であった(平均粒径5.8mm)。この触媒1.5m3を反応塔に充填した。
さらに、上記固体触媒充填層の上に、直径6mm、長さ6mmの円柱状のSUS製ペレット(平均粒径8.5mm)を高さ方向で、250mm充填した。このペレットの比重は約7.9であり、ペレット充填層の空隙率は約41容量%であった。
排水の供給量は3m3/hr、供給空気量はO/COD(Cr)=1.05の割合となるようにし、反応塔の最高温度が200℃となるように30kg/cm2Gの圧力を保持しつつ処理した。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、32kg/cm2であった。
処理に供した排水は、COD(Cr)が22g/リットル、pH13.1であったのに対し、500時間後に得られた処理液は、COD(Cr)0.2g/リットル、pH12.3であった。また、500時間後の反応塔入口圧力(PI)は、32kg/cm2Gであった。
500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の下部を開放して多孔板および下部グリッドの一部を取り外し、SUS製ボールを取り出した。その結果、SUS製ボール充填層と固体触媒充填層との間に空隙は観察されなかった。また、固体触媒も反応塔から取り出した結果、反応塔上部の固体触媒が若干摩耗していた。
比較例10
固体触媒充填層の上および下にSUS製ペレットおよびSUS製ボールの充填層を設けず、固体触媒を直接支持座の上に充填し、更に固体触媒充填層の上にSUS製金網とグリッドからなる固定式押圧手段の固体触媒押さえを固体触媒充填層の上に空隙なく設置した以外は、実施例15と同じ処理条件で処理した。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、32kg/cm2Gであった。
処理の結果は、開始直後から固体触媒が粉化した粉が処理液中に排出され、反応塔入口圧力が約100時間後に36kg/cm2Gまで上昇したため、処理を停止した。反応塔の下部を開放して多孔板および支持座の一部を取り外し、反応塔の内部を観察した。その結果、固体触媒充填層の下部に高さ約190mmの空隙が観察された。また、反応塔下部の固体触媒は、その形状が小さく摩耗し、更に支持座から上に高さ約600mmまでの固体触媒充填層には、固体触媒の粉化した粉が閉塞していた。また、反応塔の底にも、固体触媒の粉化した粉が少量堆積していた。
実施例16(第3の装置)
図5に示すオゾン酸化処理装置を使用し、下記の条件下で合計で500時間排水処理した。
処理に使用した反応塔の形状は、高さ6.0mの円筒形の反応塔であり、内径92mmであった。また、反応塔底の中心には排水およびオゾン含有ガスの供給用ライン(内径6mm)があった。この反応塔底には、6メッシュのSUS製金網(線径0.8mm、目開き3.43mm)を敷き、この金網の上に、平均直径(平均粒径)10mmの球状ジルコニア製ボールを高さ方向で50mm充填した。このボール充填層の空隙率は約40容量%であった。
上記ボール充填層の上に固体触媒を充填した。処理に使用した固体触媒は、主成分としてジルコニウムとマンガンの酸化物、およびそれらの複合酸化物を含む触媒で、各成分の重量比は、ZrO2:MnO2換算で97:3であった。形状は直径4mm×長さ6mmのペレット状であった(平均粒径7.2mm)。この触媒30リットルを反応塔に充填した。更に、上記固体触媒充填層の上には、金網とグリッドからなる固定式押圧手段である固体触媒押さえを設置した。
処理の方法は、排水供給ライン10より送られてくる排水を、排水供給ポンプ3を用いて15リットル/hrの流量で供給した後、熱交換器2で25℃となるように設定し、反応塔1の底より供給した。オゾン発生器15によって生成したオゾン含有ガス(オゾン濃度100g/m3)をガス流量調節弁21により、0.26Nm3/hの流量に調節し、反応塔1の底より供給した。
処理に供した排水は、COD(Cr)が490mg/リットル、pH6.8であったのに対し、500時間後に得られた処理水は、COD(Cr)25mg/リットルで、pH5.9であった。
500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の下部を開放してSUS製金網およびボールを取り出した。その結果、ボール充填層と固体触媒充填層との間に空隙は観察されなかった。また、反応塔から固体触媒も取り出した結果、反応塔上部の固体触媒が若干摩耗していた。
比較例11
反応塔の底にジルコニウム製ボールを充填せず処理した以外は、実施例16と同じ処理条件で処理した。
500時間後に得られた処理水の結果はCOD(Cr)30mg/リットルで、pH5.8であった。
500時間処理した後、処理を停止し、反応塔の下部を開放してSUS製金網を取り出した。その結果、特にSUS製金網の上にあたる反応塔の中心部で、高さ方向に約60mmの空隙が観察された。また、反応塔下部の固体触媒は、その形状が小さく摩耗し、さらに反応塔の底から上に約300mmの高さ程度までの固体触媒充填層には、触媒の粉化した粉が閉塞していた。また、反応塔上部の固体触媒は若干摩耗していた。
図1は、本発明装置を用いた排水処理方法を示す概略図である。 図2は、本発明装置を用いた他の排水処理方法を示す概略図である。 図3は、本発明装置を用いた他の排水処理方法を示す概略図である。 図4は、本発明装置を用いた他の排水処理方法を示す概略図である。 図5は、本発明装置を用いた他の排水処理方法を示す概略図である。 図6は、本発明第1の装置における、運転開始当初の固体触媒充填層と追従変形能を有する透水性押圧層との関係を示す説明図である。 図7は、本発明第1の装置における、長期運転後の固体触媒充填層と追従変形能を有する透水性押圧層との関係を示す説明図である。 図8は、従来の排水処理装置における、運転開始当初の固体触媒充填層とグリッドとの関係を示す説明図である。 図9は、従来の排水処理装置における、長期運転後の固体触媒充填層とグリッドとの関係を示す説明図である。 図10は、本発明第2の装置における、運転開始当初の固体触媒充填層と追従変形能を有する透水性押圧層と仕切りとの関係を示す説明図である。 図11は、本発明第2の装置における、長期運転後の固体触媒充填層と追従変形能を有する透水性押圧層と仕切りとの関係を示す説明図である。 図12は、本発明第4の装置における、運転開始当初の固体触媒充填層と排水等の上昇流の分散緩和層と追従変形能を有する透水性押圧層との関係を示す説明図である。 図13は、本発明第4の装置における、長期運転後の固体触媒充填層と排水等の上昇流の分散緩和層と追従変形能を有する透水性押圧層との関係を示す説明図である。 図14は、従来の排水処理装置における、運転開始当初の固体触媒充填層とグリッドとの関係を示す説明図である。 図15は、従来の排水処理装置における、長期運転後の固体触媒充填層とグリッドとの関係を示す説明図である。 図16は、本発明第2の装置における仕切りの一実施態様を示す概略図である。 図17は、本発明第2の装置における仕切りの他の実施態様を示す概略図である。 図18は、仕切りによって分断された境界面の区画を模式的に示した一横断面図である。 図19は、仕切りによって分断された境界面の区画を模式的に示した他の縦断面図である。
符号の説明
1 反応塔
2 熱交換器
3 排水供給ポンプ
4 コンプレッサー
5 気液分離器
6 液面制御弁
7 圧力制御弁
8 バイパス調節弁
9 冷却器
10 排水供給ライン
11 酸素含有ガス供給ライン
12 処理液ライン
13 ガス排出ライン
14 処理液排出ライン
15 オゾン発生器
16 ガス流量調節弁
17 追従能を有する押圧層(上部充填物層)
18 固体触媒充填層
19 グリッド
20 仕切り
21 境界面
22 ノズル
23 排水等の上昇流の分散緩和層(下部充填物層)
24 多孔板

Claims (5)

  1. 固体触媒の充填層を用いて、排水、またはガスを含む排水を湿式酸化法により処理する湿式酸化処理装置であって、
    該装置の下部に該排水の供給位置があり、該装置の上部に該排水の排出位置があり、
    該装置は、
    固体触媒同士が衝突することによる固体触媒の摩耗を防止し、該固体触媒に供給する排水及び/又はガスの上昇流を分散する分散緩和層の上に直接、該固体触媒の充填層
    が設置されており、
    該固体触媒は、チタン、チタン−ジルコニウム、チタン−鉄のいずれかの酸化物と、マンガン、コバルト、ニッケル、タングステン、銅、セリウム、銀、白金、パラジウム、ロジウム、金、インジウム、ルテニウムより選択される少なくとも1種の金属、またはこれらの金属化合物を含有し、
    該分散緩和層は、多数個の金属製またはセラミック製充填物よりなり、該充填物は、鉄、銅、ステンレス、ハステロイ、インコネル、チタン、ジルコニウム、チタニア、ジルコニア、窒化ケイ素、または窒化炭素から選択されることを特徴とする排水の湿式酸化処理装置。
  2. 前記充填物は、ステンレス、ハステロイ、インコネル、チタンまたはジルコニウムの充填物から構成されている請求項1に記載の装置。
  3. 前記分散緩和層の高さが10〜300mmである請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記分散緩和層の空隙率が20〜99容量%である請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記金属製充填物の平均粒径が3〜30mmである請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
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