JP5320838B2 - 積層体 - Google Patents

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本発明は、プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられてなる積層体であって、特に、優れたラミネート強度を有し、かつ揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用してもプラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が低下しない積層体に関するものである。
従来、食品や医薬品などを包装するための包装材料として、例えば、紙層/ポリエチレン層/アルミ箔層/ポリエステル層/シーラント層のような各層が積層されてなる積層体が広く使用されてきた。この積層体のポリエステル層(プラスチック基材)とシーラント層との貼り合わせは、通常はポリエステルフィルムからなるポリエステル層に接着層として二液硬化型ポリウレタン系などのアンカーコート剤を塗布してから、シーラント層を押出ラミネートすることにより行っていた。そして、このような積層体は適度のラミネート強度やガスバリア性などを有しており、食品や医薬品などを包装するための包装材料として広く使用されている。
しかしながら、包装材料により包装される内容物に、例えば酸性物質、アルカリ性物質、香料、界面活性剤、有機溶剤などの揮発性物質が含まれているときには、前述した二液硬化型ポリウレタン系などのアンカーコート剤を使用して得られる積層体を包装材料として使用してこれらの内容物を包装した場合、揮発性物質の強い浸透力によってアンカーコート剤が悪影響を受け、プラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が経時的に低下し、その結果デラミネーション(剥離)を引き起こすことがあった。
このようなデラミネーションは、上記の積層体のラミネート加工に際して使用されるアンカーコート剤、例えばポリエステルポリオールなどの主剤とイソシアネート化合物からなる硬化剤を配合した二液硬化型ポリウレタン系からなる接着層に上記強浸透性内容物が悪影響を及ぼし、接着層の主剤樹脂成分の膨潤や分子量低下を招き、接着層の凝集力が低下したような時に起きるものと考えられる。
このような状況の下、プラスチック基材上に少なくとも接着層を介してシーラント層が設けられてなる積層体において、揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用してもプラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が低下しない、包装材用途に好適に使用できる積層体の開発が強く望まれていた。
そこで、ラミネート加工に際して使用される接着層としてのアンカーコート剤の検討が種々行われており、プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられていて、その接着層がポリエステルポリオールなどの主剤とイソシアネート化合物からなる硬化剤を配合した二液硬化型ポリウレタン系からなり、主剤と硬化剤の割合が1:99〜15:85であるものを使用する積層体であり、特に、優れたラミネート強度を有し、かつ揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用しても基材とシーラント層間のラミネート強度が低下しない積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、接着層がイソシアネート化合物リッチな場合、ラミネート加工後も未反応のイソシアネート基が必ず残ることとなる。主剤由来の水酸基と硬化剤由来のイソシアネート基との反応によってできるウレタン結合は比較的形成速度が速いため、ラミネート加工後の短時間のエージングで安定したラミネート強度が発現するが、イソシアネート基と水と
の反応によってできる尿素結合は形成速度が非常に遅いため、ラミネート加工後の数日以上の加熱エージングが不可欠であった。また、残った未反応のイソシアネート基が水と反応するのにもその環境に左右されるため、ラミネート加工後の加熱エージングを数日間行っても十分なラミネート強度の発現がみられないこともあった。
特開2006−187908号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられてなる積層体であって、特に、優れたラミネート強度を有し、かつ揮発性物質が含まれている各種強浸透性物質が作用してもプラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、さらには、ラミネート加工後の数日間の加熱エージングが不要で、短時間の室温エージングにより安定した十分なラミネート強度を有する積層体を提供することにある。
上記問題点を解決するためになされた、本発明の請求項1に記載の発明は、
プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられていて、接着層の厚みが1μm以下であって、接着層が85重量%以上の2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、0.01〜0.5重量%のトリ−n−プロピルアミンまたはトリ−n−ブチルアミンからなり、
25℃で12時間のエージングが施され、試料幅15mmのT型剥離で剥離速度300mm/minとする測定条件でのプラスチック基材とシーラント層間の初期のラミネート強度が、4.6N/15mm〜5.8N/15mmであることを特徴とする積層体である。
また、本発明の請求項2に記載の発明は、前記2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物が、2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体であることを特徴とする請求項1記載の積層体である。
本発明の積層体により、プラスチック基材層と接着層とシーラント層の少なくとも三層により構成され、しかもその接着層が強浸透性内容物の影響を受けず、かつ非常に薄くて緻密な層を形成しているため、プラスチック基材に対して優れたラミネート強度を示し、例えば酸性物質、アルカリ性物質、香料、界面活性剤、有機溶剤などの揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物を保存する包装材料として使用してもプラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が低下することがなく、さらには、ラミネート加工後の数日間の加熱エージングが不要で、短時間の室温エージングにより安定した十分なラミネート強度を有する積層体を得ることが可能となった。
以下、本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
本発明の積層体を構成するプラスチック基材としては、ポリエステルフィルムのノーマルタイプ、共重合タイプ、易接着タイプなど、ナイロンフィルムのノーマルタイプ、易接着タイプなど、ポリプロピレンフィルムの未静防タイプ、静防タイプなど、様々なタイプのものが使用可能である。
また、脂肪族ポリエステルフィルム、脂肪族芳香族ポリエステルフィルムも使用可能である。その具体的な構成材料としては、乳酸を主成分とするポリマー、例えば、乳酸のみからなるホモポリマーや、乳酸を主成分とし乳酸以外のモノマー、例えばリンゴ酸、グリコール酸などのオキシ酸、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシヴァリレート、カプロラクトン、およびコハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸類とエチレングリコール
、1,4−ブタンジオールなどのジオール類などを共重合したコポリマー、あるいはこれらの混合物などが使用可能である。それに加えて、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸などのジカルボン酸類と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのジオール類との共重合体、例えばテレフタル酸を有するポリエチレンテレフタレート−サクシネート、ポリブチレンアジペート−テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート−テレフタレートなども使用可能である。それらの一方の面にコロナ処理などの表面処理がなされていてそれらの上に接着層が安定的に形成できるようになっていれば、いずれのタイプのフィルムでも基材として使用可能である。また、その厚みに関しても特に限定されるものではない。
また、前記プラスチック基材上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層を設けたフィルムでも使用可能で、蒸着薄膜層が、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化錫あるいはそれらの混合物などの蒸着膜からなり、酸素や水蒸気などのガスバリア性を有するものであればよい。その中でも特に、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、および酸化マグネシウムが酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れるので好ましい。
前記プラスチック基材上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層を設ける際には、蒸着薄膜層との密着性を良くするために前処理としてコロナ処理、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、フレーム処理、イオンボンバード処理などの表面処理を施しておいてもよく、さらに薬品処理、溶剤処理などの表面処理を施してもかまわない。また、必要に応じて蒸着用プライマーを各種プラスチック基材に応じて選定することが可能である。さらに、金属箔並の高度なガスバリア性を付与するために蒸着薄膜層上に無機化合物を有するガスバリア性被膜層を設けてもかまわない。
前記プラスチック基材上に積層される接着層は、厚みが1μm以下であって、イソシアネート化合物85重量%以上と、トリ−n−プロピルアミンまたはトリ−n−ブチルアミン0.01〜0.5重量%からなり、その残りの約15重量%以下の成分は、好ましくは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールのほかにこれらをベースとしたポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオールなどが使用できるが、イソシアネート基との反応性が高すぎてすぐにゲル化してしまう化合物でなく、かつイソシアネート化合物との相溶性の良好な化合物であればこれらに限られない。
前記接着層成分としてのイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水素添加体などの各種ジイソシアネート系モノマーが具体的に挙げられる。また、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を使用してもかまわない。
前記接着層成分としてのトリ−n−プロピルアミン、またはトリ−n−ブチルアミンは三級アミンであり、イソシアネート化合物中のイソシアネート基と水とが反応して尿素結合が形成される際の触媒として働くため、結果的に尿素結合の形成が促進され、ラミネート加工後の数日間の加熱エージングが不要で、短時間の室温エージングにより安定した十分なラミネート強度が得られるのである。
一般に、上記の尿素結合の形成促進に使用される触媒としては、錫系化合物、または三
級アミンが使用されているが、安全性の観点から三級アミンを使用するのが好ましい。また、三級アミンとしては、その他にトリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N',N’,−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(トリエチレンジアミン)などが挙げられるが、接着層を形成する際に使用する接着剤の希釈溶剤が通常は酢酸エチルであるため、酢酸エチルに速く均一に溶解すること、安価であること、さらに、接着剤中の触媒濃度は常に一定に保っておく必要があり、それらの沸点がより高い方が、好ましくは100℃以上の方が、揮発して触媒の濃度低下を招くことがないため最適である。以上の理由により本発明の接着層成分としては、トリ−n−プロピルアミン、またはトリ−n−ブチルアミンを三級アミン触媒として選定した。
トリ−n−プロピルアミン、またはトリ−n−ブチルアミンの添加量としては、0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.01〜0.1重量%が最適である。0.5重量%以上では、尿素結合の形成を促進するのに過剰な添加量であり、得られる積層体のアミン臭による臭気の問題が発生することがあるため好ましくない。
前記接着層を構成するイソシアネート化合物の割合について、例えば、ポリエステルポリオール90重量%とイソシアネート化合物10重量%の混合物のようにポリエステルポリオールリッチな接着層を形成すると、強浸透性内容物が悪影響を及ぼしてポリエステルポリオールの膨潤や分子量低下を招き、その接着層の凝集力が低下するために基材とシーラント層間のラミネート強度が経時的に低下する。そのため、イソシアネート化合物リッチな接着層を形成すること、すなわち、イソシアネート化合物の割合は、85重量%以上、より好ましくは90重量%以上にすることにより強浸透性内容物の影響を受けない接着層が得られる。
この接着層の形成方法としては、プラスチック基材上に、イソシアネート化合物85重量%以上と、トリ−n−プロピルアミンまたはトリ−n−ブチルアミン0.01〜0.5重量%からなり、酢酸エチルを希釈溶剤として用いた塗工液を塗工して設ければよい。その塗工液の固形分割合は0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。また、この接着層の厚みは薄い方が好ましく、具体的にはその乾燥時の厚みが1μm以下の薄層となるように設ければよい。1μm以上では、希釈溶剤を揮散させるための乾燥に時間が掛かり乾燥不足で強浸透性内容物に対する耐性の発現が思わしくなくなることがある。
前記接着層上に積層されるシーラント層としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂からなる層が一般的である。具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモ・ブロック・ランダムの各ポリプロピレン樹脂や、プロピレン-αオレフィン共重合体などのプロピレン系樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体やエチレン-メタクリル酸共重合体などのエチレン-α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン-アクリル酸メチルやエチレン-アクリル酸エチルやエチレン-メタクリル酸メチルやエチレン-メタクリル酸エチルなどのエチレン-α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン-α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン-無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物などが具体的に挙げられる。
また、脂肪族ポリエステルや脂肪族芳香族ポリエステルも使用可能である。その具体的な構成材料としては、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸類と、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオールなどのジオール類との共重合体(例えば、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート−アジペート)、微生物産生のポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレート−ヴァリレート、ポリヒドロキシブチレート−ヘクサノエート、乳酸、リンゴ酸、グリコール酸などのオキシ酸の重合体またはこれらの共重合体、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトン−ブチレンサクシネート、アミド結合を有するポリエステル、カーボネート結合を有するポリエステルなどの脂肪族ポリエステル、あるいはテレフタル酸を有するポリエチレンテレフタレート−サクシネート、ポリブチレンアジペート−テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート−テレフタレートなどの脂肪族芳香族ポリエステルから選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物などが挙げられる。これらの構成材料には、必要に応じて各種添加剤(酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、各種フィラーなど)を添加しても構わない。
次に、本発明の積層体の製造方法について述べる。前記のプラスチック基材上に、イソシアネート化合物85重量%以上と、トリ−n−プロピルアミンまたはトリ−n−ブチルアミン0.01〜0.5重量%からなる酢酸エチルを希釈溶剤として用いた固形分割合が0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の割合で含む塗工液を、接着層の厚みが1μm以下となるように押出ラミネート機の塗工部において塗工して接着層を設け、オーブンにて乾燥後、例えばポリエチレンなどからなる、Tダイから押し出されるシーラント層を積層し、プラスチック基材/接着層/シーラント層の構成の積層体を得る。
以上のような製造方法によれば、プラスチック基材層と接着層間、および接着層とシーラント層間の初期強度が良好で、かつ揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用してもプラスチック基材層と接着層間、および接着層とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、さらには、ラミネート加工後の数日間の加熱エージングが不要で、短時間の室温エージングにより安定した十分なラミネート強度を有する積層体を製造することが可能となった。
以下、本発明の実施の形態について実施例により説明する。
<実施例1>
プラスチック基材として一方の面にコロナ処理を施した厚みが12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、このコロナ処理面に酢酸エチルを希釈溶剤として用いたトリレンジイソシアネートのアダクトタイプとこれに対して固形分比が0.01重量%のトリ−n−プロピルアミンを加え、固形分割合を2重量%とした塗工液を塗工して接着層を形成させ、オーブンにて乾燥後、シーラント層として厚み40μmの低密度ポリエチレンをダイ下温度320℃、加工速度80m/minで押出ラミネート法により押し出して前記プラスチック基材/接着層とシーラント層を積層させ、その後25℃で12時間のエージングを施し、実施例1に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは0.25μmであった。
<実施例2>
接着層の塗工液成分としてキシリレンジイソシアネートのアダクトタイプとポリエステルポリオールを、90:10(重量比)となるよう混合し、この混合物100重量%に対してトリ−n−プロピルアミン0.3重量%を加えた塗工液を使用した以外は実施例1と同様の方法で実施例2に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは0.26μmであった。
<実施例3>
プラスチック基材として一方の面にコロナ処理を施した厚みが15μmのナイロンフィルムを使用し、接着層の塗工液としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレー
トタイプとポリエーテルポリオールを、85:15(重量比)となるよう混合し、この混合物100重量%に対してトリ−n−ブチルアミン0.5重量%を加えた塗工液を使用し、シーラント層としてエチレン−メタクリル酸共重合体を使用した以外は実施例1と同様の方法で実施例3に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは0.22μm、このときのダイ下温度は280℃であった。
<比較例1>
接着層の塗工液成分としてトリレンジイソシアネートのアダクトタイプの代わりに、トリレンジイソシアネートのアダクトタイプとポリエステルポリオールを、75:25(重量比)となるよう混合した塗工液を使用した以外は実施例1と同様の方法で、比較例1に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは0.25μmであった。
<比較例2>
接着層の塗工液成分としてトリレンジイソシアネートのアダクトタイプの代わりにキシリレンジイソシアネートのアダクトタイプとポリエーテルポリオールを、25:75(重量比)となるよう混合した塗工液を使用し、50℃で5日間エージングを施した以外は実施例1と同様の方法で、比較例2に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは0.23μmであった。
<比較例3>
プラスチック基材として一方の面にコロナ処理を施した厚みが15μmのナイロンフィルムを使用し、接着層の塗工液成分としてトリレンジイソシアネートのアダクトタイプの代わりにヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートタイプを使用し、シーラント層としてエチレン−メタクリル酸共重合体を使用した以外は実施例1と同様の方法で、比較例3に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは0.24μm、このときのダイ下温度は280℃であった。
以上のような製造方法により得られた、初期のラミネート強度が十分に得られた実施例1、2、3と比較例2のそれぞれの積層体を用いてパウチを作製し、内容物として湿布薬(揮発性の強浸透性物質としてサリチル酸メチルやメントールを含有)と、浴用剤(揮発性の強浸透性物質として香料成分を含有)をそれぞれ充填、密封し、40℃の恒温室内に放置した。
3ヶ月経過後にこれらのパウチを恒温室から取り出し、それぞれのパウチの各種プラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度[N/15mm]を測定し、恒温室に入れる前のパウチにおける初期のラミネート強度と比較した。このときのラミネート強度の測定条件は、試料幅15mmのT型剥離で、剥離速度300mm/minとした。恒温室投入前と後におけるラミネート強度の測定結果をまとめて表1に示す。
Figure 0005320838
表1からも明らかなように、実施例1〜3に係る積層体の各種プラスチック基材とシーラント層間における初期のラミネート強度は、シーラント切れを示すほど強固であった。また、揮発性物質を含む湿布薬や浴用剤を入れて40℃で3ヶ月間保存したパウチにおいてもラミネート強度に変化はなく、初期のラミネート強度を十分に保っていた。
これに対して、比較例1、3に係る積層体のプラスチック基材とシーラント層間における初期のラミネート強度は、十分に得られなかった。
また、比較例2に係る積層体のプラスチック基材とシーラント層間における初期のラミネート強度では、50℃で5日間の十分な加熱エージングを施すことにより、シーラント
切れを示すほど強固であったが、揮発性物質を含む湿布薬や浴用剤を入れて40℃で3ヶ月間保存したパウチにおいては、ラミネート強度が著しく低下しており、湿布薬や浴用剤などの揮発性物質を含む内容物の包装材料への使用には適さないことが判明した。

Claims (2)

  1. プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられていて、接着層の厚みが1μm以下であって、接着層が85重量%以上の2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、0.01〜0.5重量%のトリ−n−プロピルアミンまたはトリ−n−ブチルアミンからなり、
    25℃で12時間のエージングが施され、試料幅15mmのT型剥離で剥離速度300mm/minとする測定条件でのプラスチック基材とシーラント層間の初期のラミネート強度が、4.6N/15mm〜5.8N/15mmであることを特徴とする積層体。
  2. 前記2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物が、2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプのいずれかの3官能化させたモノマーの誘導体であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
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