JP5317176B2 - 物体探査装置及び物体探査プログラム、物体探査方法 - Google Patents

物体探査装置及び物体探査プログラム、物体探査方法 Download PDF

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Description

本発明は、音波パルスが伝搬する伝搬環境内に存在する物体を探査する物体探査装置及び物体探査プログラム、物体探査方法に関する。
音波パルスが伝搬する伝搬環境が、例えば海中である場合、その海中に存在する物体を探査する方法として、ソーナーが広く用いられている。すなわち、音波ビームを用いて海中を掃引し、音波ビーム内に入った物体からの反射波を受波して、物体の距離と方位とを求めている。この探査距離を延長させるには、吸収減衰が少ない低周波音波(例えば500Hz)を利用する必要がある。しかし、音波の周波数を低くすると、音波ビームが広くなり、さらに海面や海底での反射による影響を受けるため、物体の探査が困難となる。
そこで、最近、位相共役波やタイムリバーサル波を利用した新しい物体の探査方法に関する関心が高まっている。
C.Pradaらは、水中に存在する物体から音源側に散乱する後方散乱波を受波し、その受波信号の時間軸を反転させる、いわゆるタイムリバーサル処理を施し、そのタイムリバーサル信号を水中に再放射している。その再放射した音波は、物体の位置に収束する。この収束した音波は、前よりもより強い反射波を発生する。この反射波を受波して、再びタイムリバーサル処理を施して再び放射する。その音波は強く物体の位置に収束する。
以上の操作を繰り返すことにより、大きな物体から順に小さい物体を特定することができる。
C.Prada, S. Manneville, D. Spoliansky, and M. Fink, "Docomposionof the time reversal operator: detection and selective focusing on twoscatterers", J. Acoust. Soc. Am.99, 2067 -2076 (1995)
しかしながら、C.Pradaらの提案する方法では、タイムリバーサル処理を2回以上繰り返す必要があり、物体の探査に多大な時間を要する。
また、物体が隣接して存在する場合や、物体のサイズが等しい場合には、個々の物体を識別することが困難となる。また、探査に用いる音波の周波数が低い場合には、海面や海底での反射による影響を受けて、物体の識別が困難になる。
本発明の目的は、物体からの後方散乱波に代えて、物体から前方に散乱する前方散乱波を用い、その前方散乱波に対するタイムリバーサル波を応用することにより、伝搬環境中に存在する物体を探査する物体探査装置及び物体探査プログラム、物体探査方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る物体探査装置は、伝搬環境内に存在する物体を探査する物体探査装置であって、
前記物体から前方に散乱する前方散乱波を用いることにより、前記物体を探査するものであり、
伝搬環境内に音波パルスを送波する音源と、
前記伝搬環境内に存在する物体から前方に散乱する前方散乱波を受波する領域に配置したトランスデューサアレイと、
物体が伝搬環境に存在しない状態で前記トランスデューサアレイが受波した参照音場での参照信号と、物体が伝搬環境に存在する状態で前記トランスデューサアレイが受波した探査音場での混合信号とをベクトル加算処理することにより、前記前方散乱波の信号のみを抽出する加算処理部と、
前記加算処理部が抽出した前方散乱波に対してタイムリバーサル処理を施して、時間反転させた音波パルスを生成する時間反転処理部と、
前記時間反転処理部が生成した音波パルスにパッシブ位相共役を適用することで、前記音源から前記トランスデューサアレイまでの伝搬環境で位相共役性が成立しているかをチェックする位相共役判定部とを含むことを特徴とする。
以上の例では、本発明をハードウェアとしての物体探査装置として構築したが、これに限られるものではない。本発明は、物体を探査する方法として構築する、或いは物体探査装置の機能をコンピュータに実行させるソフトウェアとしてのプログラムとして構築してもよいものである。
本発明に係る物体探査プログラムは、伝搬環境内に存在する物体の探査を制御する物体探査プログラムであって、
コンピュータに、
物体が伝搬環境に存在しない状態でトランスデューサアレイが受波した参照音場での参照信号と、物体が伝搬環境に存在する状態でトランスデューサアレイが受波した探査音場での混合信号とをベクトル加算処理することにより、前記前方散乱波の信号のみを抽出する機能と、
前記抽出した前方散乱波に対してタイムリバーサル処理を施して、時間反転させた音波パルスを生成する機能と、
前記時間反転した音波パルスにパッシブ位相共役を適用することで、音源からトランスデューサアレイまでの伝搬環境で位相共役性が成立しているかをチェックする機能とを実行させることを特徴とする。
本発明に係る物体探査方法は、伝搬環境内に存在する物体を探査する物体探査方法であって、
前記物体から前方に散乱する前方散乱波を用いることにより、前記物体を探査するものであり、
伝搬環境内に音波パルスを送波し、
物体が伝搬環境に存在しない状態で前記トランスデューサアレイが受波した参照音場での参照信号と、物体が伝搬環境に存在する状態で前記トランスデューサアレイが受波した探査音場での混合信号とをベクトル加算処理することにより、前記前方散乱波の信号のみを抽出し、
前記抽出した前方散乱波に対してタイムリバーサル処理を施して、時間反転させた音波パルスを生成し、
前記時間反転した音波パルスにパッシブ位相共役を適用することで、音源からトランスデューサアレイまでの伝搬環境で位相共役性が成立しているかをチェックすることを特徴とする。
本発明によれば、参照音場で取得した参照信号と探査音場で取得した混合信号とについてベクトル加算処理を施すことにより、物体で前方に散乱した前方散乱波を抽出し、その抽出した前方散乱波にタイムリバーサル処理を施して物体の位置に収束させることで、伝搬環境中の物体を探査する。さらに、前記参照音場の判定にパッシブ位相共役を適用することで、音源からトランスデューサアレイまでの伝搬環境で位相共役性が成立することをチェックし、位相共役性が成立していることを条件として、前記参照信号と前記探査音場とに基づいて伝搬環境内の物体を探査するため、前記物体を正確かつ確実に探査することができる。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
C.Pradaらの提案する方法、すなわち物体から後方に散乱(反射)する後方散乱波に対してタイムリバーサル処理を繰り返す方式では、上述したような問題がある。そこで、本発明の実施形態では、それらの問題点を解決する方法として、物体から前方に散乱する前方散乱波を用いて物体の探査を実現する方式を提案するものである。図1及び図2に基づいて、本発明の実施形態を説明するにあたって、参照音場、参照信号、探査音場及び混合信号を次のように定義する。図2に示す音源4とトランスデューサアレイ5との配置において、探査対象である物体1が伝搬環境3内に存在しない状態で、音源4から音波パルスを送波して、トランスデューサアレイ5で受波する。このときの音場を参照音場として定義する。前記参照音場でトランスデューサアレイ5が受波した音波パルスを参照信号S1として定義する。次に、探査対象である物体1が伝搬環境3内に存在する状態で、音源4から音波パルスを送波して、トランスデューサアレイ5で受波する。このときの音場を探査音場として定義する。前記探査音場でトランスデューサアレイ5が受波した音波パルスを混合信号S2として定義する。
先ず、物体1から後方に散乱する後方散乱波2aと、物体1から前方に散乱する前方散乱波2との関係を図5に基づいて説明する。図5に示すように、音波パルスが伝搬する伝搬環境3を浅海とした場合、その浅海3中に存在する物体1から音源4側、すなわち後方に散乱する散乱波が後方散乱波2aであり、物体1からトランスデューサアレイ5側、すなわち前方に散乱する散乱波が前方散乱波2である。伝搬環境3が浅海である場合、3aが海面、3bが海底である。
一般に、浅海3中をトランスデューサアレイ5に向けて直接進行する音波パルス(進行波6)のレベルは、物体1から前方に散乱する前方散乱波2のレベルよりも大きいので、受波した音波パルスから前方散乱波2を分離して前記前方散乱波2を識別することは困難である。
そこで、本発明の実施形態では、参照音場での参照信号S1と探査音場での混合信号S2とに基づいて物体1からの前方散乱波2のみを分離し、その分離した前方散乱波2に対してタイムリバーサル処理を施すことにより、伝搬環境3内に存在する物体1を探査するものである。
すなわち、本発明の実施形態では、図2に示す音源4とトランスデューサアレイ5との配置において、前記参照信号と前記混合信号とに基づいて物体1からの前方散乱波2を抽出することで、伝搬環境3内に存在する物体1を探査することを特徴とするものである。前記参照信号と前記混合信号とに基づいて物体1からの前方散乱波2を抽出するには、音源4からトランスデューサアレイ5までの伝搬環境3で位相共役性が成立することが重要である。図2に示すように、位相共役には、音源4からトランスデューサアレイ5の間の往復路に関係するアクティブ位相共役と、音源4からトランスデューサアレイ5の往路のみに関係するパッシブ位相共役とがある。前記参照音場の判定にはパッシブ位相共役を適用する。
次に、本発明の実施形態における基本原理を説明する。
図2に示す伝搬環境3が例えば大陸棚のような浅海である場合を想定する。図2に示すように、浅海3中に音源4とトランスデューサアレイ5とを対峙して配置する。先ず、音源4とトランスデューサアレイ5との間に物体1が存在しない場合に、この状態での浅海3の音場を参照音場として音源4から音波パルスを浅海3中に放射して、この浅海3中を伝搬した音波パルスをトランスデューサアレイ5の各素子5aで受波し、この受波した信号をトランスデューサアレイ5の各素子5a毎に保存する。この信号が参照音場での参照信号S1である。
次に、物体1が存在すると思われる場合に、この状態での浅海3の音場を探査音場として音源4から、先に放射した音波パルスと逆位相の音波パルスを浅海3中に放射する。前記先に放射した音波パルスとは、前記参照信号S1を取得する際に音源4から放射した音波パルスである。探査音場で浅海3内を伝搬した音波パルスをトランスデューサアレイ5の各素子5aで受波する。この信号が探査音場での混合信号S2である。
次に、探査音場で受波した混合信号S2と参照音場で受波した参照信号S1とをベクトル的に加算する(ベクトル加算処理)。この場合、音源4から放射されてトランスデューサアレイ5に直接受波された音波パルスそのものの成分(進行波6)は参照信号S1と混合信号S2とに、互いに逆の位相関係で含まれているため、ベクトル加算処理により打ち消し合って消滅する。前記互いに逆の位相関係とは、参照信号S1の位相が正位相であるとすると、混合信号S2の位相が逆位相となる関係をいう。
音源4から放射された進行波6に対するベクトル加算処理については以上説明した通りであるが、物体1で前方に散乱した前方散乱波2について説明する。音源4から放射された音波パルスが物体1に入射して前方に散乱した前方散乱波2の成分は、探査音場で受波した混合信号S2には含まれ、参照音場で受波した参照信号S1には含まれていない。また、物体1が浅海3中に存在する場合には、探査音場で受波した混合信号S2に前方散乱波2の成分が含まれる。また、物体1が浅海3中に存在しない場合には、混合信号S2に前方散乱波2の成分が含まれない。これらの信号S1,S2の特性を利用して前方散乱波2を抽出する。
そこで、本発明の実施形態では、探査音場で受波した混合信号S2と参照音場で受波した参照信号S1とをベクトル的に加算する(ベクトル加算処理)。このベクトル加算処理した結果、混合信号S2に前方散乱波2が含まれていれば、その前方散乱波2の成分はベクトル加算処理によっても打ち消されずに残存する。
前記ベクトル加算処理によってトランスデューサアレイ5の各素子5a毎に残存した前方散乱波2に対してタイムリバーサル処理を施し、そのタイムリバーサル処理した音波パルスをトランスデューサアレイ5の各素子5aから、音源4が設置されている方向に向けて放射する。ここで、前記抽出した前方散乱波2にタイムリバーサル処理してトランスデューサアレイ5の各素子5aから放射した前記音波パルスは、タイムリバーサルの原理により、物体1の位置に収束する。
前記タイムリバーサル処理してトランスデューサアレイ5の各素子5aから放射した前記音波パルスの振幅分布、特に距離と深度に対する前記音波パルスの振幅分布をディスプレイ上で監視することにより、物体1を探査する。
上述したように、本発明の実施形態では、前記参照信号S1と前記混合信号S2とに基づいて物体1からの前方散乱波2を抽出することで、伝搬環境3内に存在する物体2を探査することを特徴とするものである。前記参照信号S1と前記混合信号S2とに基づいて物体1からの前方散乱波2を抽出するには、音源4からトランスデューサアレイ5までの伝搬環境3で位相共役性が成立することが重要である。位相共役には、音源4からトランスデューサアレイ5の間の往復路に関係するアクティブ位相共役と、音源4からトランスデューサアレイ5の往路のみに関係するパッシブ位相共役とがある。
本発明の実施形態では、前記参照音場の判定にパッシブ位相共役を適用することで、音源4からトランスデューサアレイ5までの伝搬環境3で位相共役性が成立することをチェックし、位相共役性が成立していることを条件として、上述したように前記参照信号S1と前記混合信号S2とに基づいて物体1を探査する。
次に、本発明の実施形態における特徴をシミュレーションにて確認する。
シミュレーション結果;
先ず、物体1が単体で浅海3中に存在する場合をシミュレーションで確認する。
前記参照信号S1と前記混合信号S2とをベクトル加算する際に、進行波6の成分を消失できることを確認する方法として、前方散乱波2の信号にタイムリバーサル処理を施して、その処理に基づく音波パルスをトランスデューサアレイ5の各素子5aから浅海3中で音源4に向けて放射する。その放射された音波パルスの振幅分布を調べ、物体1の位置に音波パルスが収束することを確認する。
水深100mの浅海3に、音源4とトランスデューサアレイ5とを対峙させ、その間に物体1を設置する。音源4とトランスデューサレイ5との間の距離は3km、音源4と物体1との間の距離は1.5kmである。音源4と物体1との深度は共に50mである。物体1の大きさは、高さ及び幅共に2mである。中心周波数500Hz、8サイクルのトーンバースト波を音波パルスとして音源4から浅海3中に放射し、これをトランスデューサアレイ5で受波して、タイムリバーサル処理を施した後、その処理に基づく音波パルスをトランスデューサアレイ5から浅海3中に再放射する。
図7は、混合信号S2をタイムリバーサル処理した後にトランスデューサアレイ5から放射した場合の音波パルスの振幅分布を示す図である。図7において、距離0mは音源4の位置であるが、音波パルスは音源4の位置に収束していることが明らかである。しかしながら、音源4に対して距離1.5kmの位置に存在する物体1の位置には、音波パルスが収束していない。すなわち、進行波6の成分で前方散乱波2がマスクされて見ることができない。なお、図7を含めて、以下に示す音波パルスの振幅分布を示す図において、トランスデューサアレイ5からの音波パルスの音圧が強い部分は白色で示し、音圧が弱い部分は黒色で示し、その中間強度の音圧をその強さに比例して白色に近づくように階調を付けた灰色で示してある。また、音波パルスの振幅分布を示す図では、縦軸に深度(m)、横軸に距離(km)を取っている。
次の図8は、混合信号S2と参照信号S1とをベクトル加算処理した後に残存する信号(前方散乱波2)にタイムリバーサル処理を施してトランスデューサアレイ5から送波した音波パルスの振幅を示す分布図である。
図8において、距離1.5kmの位置が物体1の位置であり、トランスデューサアレイ5から送波した音波パルスが物体1の位置に収束していることが分かる。また、距離0km,深度50mの位置に存在する音源4の位置には、トランスデューサアレイ5から送波した音波パルスが収束していないことが分かる。
したがって、図7及び図8に示すシミュレーションの結果からして、混合信号S2と参照信号S1とをベクトル加算処理する方法は、前方散乱波2のみを分離(抽出)する方法として有効であることを確認できた。また、物体1の位置を変更しても同様に、その位置を変更した物体1の位置に、混合信号S2と参照信号S1とをベクトル加算処理した後に残存する信号(前方散乱波2)にタイムリバーサル処理を施してトランスデューサアレイ5から送波した音波パルスが収束することを確認した。
次に、鉛直に配列した複数の物体1を探査する場合についてのシミュレーション結果について考察する。このシミュレーションを行うにあたって、2個の物体1を鉛直方向に配列した。2個の物体1は、音源4に対して距離1.5kmの位置で深度をそれぞれ40m,60mに設定して鉛直方向に設置した。
この場合、混合信号S2と参照信号S1とをベクトル加算処理した後に残存する信号(前方散乱波2)にタイムリバーサル処理を施してトランスデューサアレイ5から送波した音波パルスの振幅分布を図9に示した。
図9から明らかなように、物体1の大きさが同じ場合であっても、1回のタイムリバーサル処理で鉛直配列した個々の物体1の位置を探査できることが確認できた。
背景技術の欄で示した非特許文献1が提案する探査方法では、タイムリバーサル処理を2回以上繰り返さなければならない上に、物体の大きさが等しい場合には物体の識別が困難であったことと比較すると、本発明の実施形態が提案する方式は、その有効性が鮮明である。
以上の技術的解析及びシミュレーションの結果に基づいて、本発明の実施形態では、図2に示す音源4とトランスデューサアレイ5との配置において、参照音場で受波した参照信号S1と探査音場で受波した混合信号S2に基づいて物体1からの前方散乱波2を抽出することで、伝搬環境3内に存在する物体1を探査するものであって、しかも、前記参照音場の判定にパッシブ位相共役を適用することで、音源4からトランスデューサアレイ5までの伝搬環境3で位相共役性が成立しているかをチェックし、位相共役性が成立していることを条件として、前記抽出した前方散乱波2に対してタイムリバーサル処理を施して、時間反転させた音波パルスを生成して再放射するものである。以下に具体例を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る物体探査装置は図1に示すように、基本的な構成として、加算処理部6と、時間反転処理部7と、位相共役判定部8と、収束計算処理部9とを有している。
制御部12は、図1に示す各構成要素(例えば、加算処理部6,時間反転処理部7、位相共役判定部8及びその他の構成要素)を総合的に制御するものである。14は、制御部12の動作に必要な情報、及び演算に必要な作業領域を提供する記憶部、13は、制御部12を通して出力されるデータを外部に出力する例えばディスプレイ或いはプリンタなどの指示部である。
加算処理部6は、トランスデューサアレイ5の素子5aに対応させて素子5aの個数と同数設けてある。そして、加算処理部6は素子5a単位で、物体1が存在しない参照音場で音源4から送波した音波パルス(正位相の音波パルス)をトランスデューサレイ5の各素子5aで受波した参照音場での参照信号S1を記憶する。そして、加算処理部6は、物体1が存在すると思われる探査音場で先に音源4から送波した音波パルスと逆位相の音波パルスを送波してトランスデューサアレイ5の各素子5aで受波した探査音場での混合信号S2を取得する。さらに、加算処理部6は、ベクトル加算処理により前記参照信号S1と前記混合信号S2とに基づいて物体1からの前方散乱波2を抽出する。
加算処理部6は、トランスデューサアレイ5の各素子5aで受波した受波信号を時間窓/AD変換部10でアナログ信号からデジタル信号に変換した信号を受け取る。なお、時間窓/AD変換部10は、トランスデューサアレイ5の各素子5aに対応させて素子5aの個数と同数設けてある。
時間反転処理部7は、2以上の加算処理部6がそれぞれ混合信号S2と参照信号S1とをベクトル加算処理して抽出した物体1からの前方散乱波2の信号を受取り、前記抽出した前方散乱波2に対してタイムリバーサル処理を施して、時間反転させた音波パルスを生成する。
位相共役判定部8は、前記時間反転処理部7が生成した時間反転の音波パルスにパッシブ位相共役を適用することで、音源4からトランスデューサアレイ5までの伝搬環境3で位相共役性が成立しているかをチェックして、判定結果を出力する。
収束計算処理部9は、前記位相共役判定部8で前記位相共役性が成立するとして判定されたことを条件として、時間反転処理部7が生成した前記音波パルスを受取り、その音波パルスの収束位置を計算する。
次に、本発明の実施形態に係る物体探査装置を用いて、伝搬環境である浅海3中に存在する物体1を探査する場合について説明する。
先ず、探査を行う前段階において、音源4から浅海3中に校正信号を送波し、その校正信号をトランスデューサアレイ5の1つの素子5aで受波し、その受波した信号を環境情報生成部11に送信する。環境情報生成部11は、前記受波信号を取り込み、不要な信号を除去すると共にA/D変換し、これを校正信号として用いる。さらに、環境情報生成部11は、前記校正信号に基づいて実海域の定数、すなわち、音波ビームが伝搬する実際の海域の定数(海洋の音響定数)を演算する。具体的に説明する。
本発明の実施形態に係る物体探査装置は、例えば大陸棚のような比較的浅い海域で用いられる。その環境における音波伝搬に関する海洋の音響定数は、水深、海水の音速、海底堆積物(音速,密度)等のデータである。また、前記環境における音波パルスに関する海洋の音響定数は、音波パルスの中心周波数、音波パルスのスペクトル及び音波パルスのバンド幅等のデータである。海洋の音響定数を決定するための水深のデータは、測深機などの測定機器を用いることで直接計測により求められる。海洋の音響定数を決定するための海水の音速データは、水温の計測により、例えばメドイン(H.Medwin)の式などの既知の音速の式から求められる。
海洋の音響定数を決定するための海底堆積物のデータは、海図などから大凡の値を推定できるが、より正確な値は、既知の校正法により求められる。すなわち、物体が存在しない探査領域に、音源4から浅海3中に校正信号音を送波し、トランスデューサアレイ5で受波し、その受波信号と予測した海底堆積物の定数とを変化させながら演算することで、実海域での堆積物のデータを取得する。ここに、海洋の音響定数とは、実際に音波が海中を伝搬する際に前記音波の伝搬に影響を及ぼす要因となる環境因子を意味する。なお、海中での物体1を探査する場合を想定しているので、海洋音響定数を用いたが、これに限られるものではない。伝搬環境として海洋以外のものを用いる場合、前記音響定数は、実際に音波が伝搬環境を伝搬する際に前記音波の伝搬に影響を及ぼす要因となる環境因子を意味することとなる。
環境情報生成部11には、上述した音波伝搬及び音波パルスに関する実海域での海洋の音響定数を決定するためのデータが入力され、環境情報生成部11は、前記入力された海洋の音響定数を決定するためのデータと、前記校正信号とに基づいて実海域の海洋の音響定数を決定する。環境情報生成部11は、決定した実海域での海洋の音響定数を収束計算処理部9に出力する。なお、海中での物体1を探査する場合を想定しているので、海洋音響定数を用いたが、これに限られるものではない。伝搬環境として海洋以外のものを用いる場合、環境情報生成部11は、実際に音波が伝搬環境を伝搬する際に前記音波の伝搬に影響を及ぼす要因となる実際の音響定数を出力することとなる。
環境情報生成部11での処理が終了した時点で、音源4とトランスデューサアレイ5との間に物体1が存在しない状態での参照音場で音源4から音波パルスを浅海3中に放射し、トランスデューサアレイ5の各素子5aは浅海3中を伝搬した音波パルスを参照音場での参照信号S1として取得する。
トランスデューサアレイ5の各素子5aは、取得した参照音場での参照信号S1(電気信号)を時間窓/AD変換部10に出力する。時間窓/AD変換部10は、前記参照信号S1を受け取ると、その参照信号S1をアナログ信号からデジタル信号に変換し、その変換した信号を加算処理部6に出力する。
加算処理部6は、全ての時間窓/AD変換部10から出力される参照信号S1を受取り、これを記憶する。
次に、音源4とトランスデューサアレイ5との間に物体1が存在すると思われる状態の探査音場で、参照音場で音源4から放射した音波パルスと逆位相の関係にある音波パルスを音源4から浅海3中に放射し、トランスデューサアレイ5の各素子5aは浅海3中を伝搬した音波パルスを探査音場での混合信号S2として取得する。
トランスデューサアレイ5の各素子5aは、前記取得した混合信号S2(電気信号)を時間窓/AD変換部10に出力する。時間窓/AD変換部10は、前記混合信号S2を受け取ると、その混合信号S2をアナログ信号からデジタル信号に変換し、その変換した混合信号S2を加算処理部6に出力する。
加算処理部6は、全ての時間窓/AD変換部10から出力される混合信号S2を受取り、参照信号S1と混合信号S2とを取得した際に、参照信号S1と混合信号S2とに対してベクトル加算処理を施すことにより、進行波6の成分が消失した物体1からの前方散乱波2の信号を抽出する(図4のステップ100)。そして、加算処理部6は、抽出した前方散乱波2を時間反転処理部7に出力する。
前記加算処理部6が行うベクトル加算処理について詳述する。参照音場で音源4から放射される音波パルスの位相が正位相である。探査音場で音源4から放射される音波パルスの位相が逆位相であり、トランスデューサアレイ5の素子5aでそれぞれ受波した参照信号S1と混合信号S2との位相が逆位相関係となる。また、参照信号S1には、音源4からトランスデューサアレイ5の素子5aに直接到達した進行波6の成分が含まれており、混合信号S2には、探査音場に物体1が存在すると、音源4からトランスデューサアレイ5の素子5aに直接到達した進行波6の成分に加えて、物体1から前方に散乱した前方散乱波2が含まれることとなる。この場合、参照信号S1と混合信号S2とは互いに逆位相であって、参照信号S1中の進行波6の成分と、混合信号S2中の進行波6の成分とも互いに逆位相の関係であるため、加算処理部6は、ベクトル加算処理を行って、参照信号S1中の進行波6の成分と、混合信号S2中の進行波6の成分とを相殺して、混合信号S2中の前方散乱波2のみを抽出する。
時間反転処理部7は、2以上の加算処理部6から出力される前方散乱波2の信号を受取り、前記抽出した前方散乱波2に対してタイムリバーサル処理を施して、時間反転させた音波パルスを生成する(図4のステップ101)。そして、時間反転処理部7は、生成した音波パルスを収束計算処理部9に出力する。
次に、時間反転処理部7が行うタイムリバーサル処理について詳細に説明する。加算処理部6が抽出した前方散乱波2を、その波の発信源へ戻すためには、タイムリバーサル理論により、時間軸を反転させる必要がある。そこで、時間反転処理部7は、前記前方散乱波2に対して時間反転処理すなわちタイムリバーサル処理を施して、トランスデューサアレイ5の素子5aから物体1に向かう時間反転した音波パルスを生成する。
位相共役判定部8は、音源4から参照音場に放射してトランスデューサアレイ5で受波した校正信号などの音波パルスを受け取ると、その音波パルスに式(1),(2)に示すパッシブ位相共役を適用し、位相共役性の判定を行う(図4のステップ102)。
Figure 0005317176
参照音場での伝搬環境3が位相共役性をもつ場合には式(2)が成立しなければならない。位相共役判定部8は、参照音場での伝搬環境3に音源4から送波した音波パルスの自己相関関数と、トランスデューサアレイ5の全ての素子5aで受波した参照信号S1の自己相関関数を合算した相関結果である式(2)で示されるS(t)との相似を検討し、相似である場合に参照音場での伝搬環境3は位相共役性であるとして判定する。
前記参照信号S1と前記混合信号S2とに基づいて物体1からの前方散乱波2を抽出するには、音源4からトランスデューサアレイ5までの伝搬環境3で位相共役性が成立することが重要である。図2に示すように位相共役には、音源4からトランスデューサアレイ5の間の往復路に関係するアクティブ位相共役と、音源4からトランスデューサアレイ5の往路のみに関係するパッシブ位相共役とがある。
位相共役判定部8は上述したように、前記参照音場の判定にパッシブ位相共役を適用することで、音源4からトランスデューサアレイ5までの伝搬環境3で位相共役性が成立しているかをチェックし、位相共役性が成立している否かを判定する。
次に、式(1)及び式(2)に則って作成した図3に基づいて位相共役判定部8による参照音場の位相共役性を判定する場合を具体的に説明する。
図3(a)は、図6(a)(b)に示すような中心周波数500Hzのトーンバースト波を音源4から放射した音波パルスの自己相関波形を示している。ここでは、音源4から送波する音波パルスの繰り返し周期を10秒としているので、10秒を中心とした対称な波形をなっている。
図3(b)は、式(1)に則った波形である。ここでは、m=1、すなわちトランスデューサアレイ5の素子5aのうち1番目の素子5aで受波した音波パルスの自己相関波形である
Figure 0005317176
である。この場合の音源4とトランスデューサアレイ5の素子5aとの間の距離は3km、水深は100m、音源4の設置深度は50mである。トランスデューサアレイ5の素子5aは互いに半波長の間隔で60個を配列した構成である。その60個の素子5aのうち1番目の素子5aで受波した音波パルスの自己相関関数波形である。パルス幅がかなり伸びていることが分かる。
図3(c)は、式(2)のS(t)に対応している。すなわち、m番目の素子5aで受波した音波パルスの自己相関、
Figure 0005317176
を全て(ここでは60個)の素子5aの数で加算したものである。図3(c)では、
Figure 0005317176
を全ての素子数で加算しているため、音波パルスが圧縮されている。
したがって、位相共役判定部8は、参照音場での伝搬環境3に音源4から送波されてトランスデューサアレイ5で受波された図3(a)で示される音源4から放射される音波パルスの自己相関関数波形と、トランスデューサアレイ5の全ての素子5aで受波した参照信号S1の自己相関関数を合算した相関結果である図3(c)で示されるS(t)の自己相関関数波形との相似を検討し、相似である場合に参照音場での伝搬環境3は位相共役性であるとして判定する。
図3の場合、図3(a)で示す自己相関関波形と図3(c)で示す自己相関波形とが相似しているため、位相共役判定部8は、参照音場での伝搬環境3であると判定し、その判定結果を収束計算処理部9に出力する(図4のステップ102;YES)。
もし、位相共役判定部8は、図3(a)で示す自己相関関波形と図3(c)で示す自己相関波形とが非相似である場合には、参照音場でないとの判定を下す。この場合、位相共役判定部8は、探査海域に応じた一定の待ち時間をおいて、参照音場であると判定するまで前記判定処理が行われる(図4のステップ102;NO)。
収束計算処理部9は、時間反転処理部7からの時間反転させた音波パルスを受取り、かつ位相共役判定部8が参照音場であるとの判定した結果を受けて、その音波パルスの探査音場における収束位置を次式(3)に基づいて計算する(図4のステップ103)。
式(3)は、タイムリバーサル処理を施してトランスデューサアレイ5から再放射され、任意点で受波される音波パルスを表す式であって、時間領域での音波パルスの音圧を示している。
Figure 0005317176
制御部12は、収束計算処理部9からの出力を受けると、指示部13の画面にGUIでもって音波パルスの振幅分布を表示する。オペレータは指示部13の画面に表示された音波パルスの振幅分布(例えば図8,図9)を監視して、伝搬環境3内に存在する物体1を探査する。
以上説明したように本発明の実施形態によれば、参照音場で取得した参照信号と探査音場で取得した混合信号とについてベクトル加算処理を施すことにより、物体で前方に散乱した前方散乱波を抽出し、その抽出した前方散乱波にタイミリバーサル処理を施して物体の位置に収束させることで、伝搬環境中の物体を探査する。
さらに、前記参照音場の判定にパッシブ位相共役を適用することで、音源からトランスデューサアレイまでの伝搬環境で位相共役性が成立することをチェックし、位相共役性が成立していることを条件として、前記参照信号と前記探査音場とに基づいて伝搬環境内の物体を探査するため、前記物体を正確かつ確実に探査することができる。
C.Pradaらの提案する方法、すなわち物体から後方に散乱(反射)する後方散乱波に対してタイムリバーサル処理を繰り返す方法では、タイムリバーサル処理を2回以上繰り返す必要があり、物体の探査に多大な時間を要するが、本発明の実施形態では、タイムリバーサル処理を1回行うことにより、物体を探査することができ、探査に要する時間を短縮することができる。
なお、以上の説明では、本発明の実施形態に係る物体探査装置を浅海中での物体の探査に用いる場合について説明したが、水中の物体探査に限られるものではない。音波パルスが伝搬する伝搬環境であれば、いずれの伝搬環境であってもよく、その伝搬環境中の物体を探査することができるものである。また、以上説明した本発明の実施形態では、ハードウェアとして構築する場合について説明したが、これに限られるものではない。すなわち、本発明の実施形態に係る物体探査装置が実行する機能をプログラムとして構築し、そのプログラムをコンピュータに実行させることにより、本発明の実施形態に係る物体探査装置が実行する機能を実現するようにしてもよいものである。この場合、前記プログラムは記録媒体に記録され、その状態で商取引の対象となる。
本発明によれば、広範囲の探査物を対象として、これらの探査物を容易に探査することができる。
本発明の実施形態に係る物体探査装置を示す構成図である。 本発明の実施形態において参照音場の判定を行うための原理を説明する図である。 位相共役判定部が行う位相共役性の判定を図示化して示す波形図である。 本発明の実施形態に係る物体探査装置を用いて物体の探査を行う場合を示すフローチャートである。 物体に入射した音波パルスに基づく後方散乱波と前方散乱波との関係を示す図である。 音源から送波するトーンバースト波を示す図である。 本発明の実施形態においてシミュレーションを行った結果での音波パルスの振幅分布を示す図である。 本発明の実施形態においてシミュレーションを行った結果での音波パルスの振幅分布を示す図である。 本発明の実施形態においてシミュレーションを行った結果での音波パルスの振幅分布を示す図である。
符号の説明
1 物体
2 前方散乱波
3 伝搬環境
4 音源
5 トランスデューサアレイ
7 加算処理部
8 時間反転処理部
9 収束計算処理部
S1 参照信号
S2 混合信号

Claims (6)

  1. 伝搬環境内に存在する物体を探査する物体探査装置であって、
    前記物体から前方に散乱する前方散乱波を用いることにより、前記物体を探査するものであり、
    正位相の音波パルスを参照音場の伝搬環境に送波し、前記正位相の音波パルスと逆位相関係の音波パルスを探査音場の伝搬環境に送波する音源と、
    前記伝搬環境内に存在する物体から前方に散乱する前方散乱波を受波する領域に配置したトランスデューサアレイと、
    物体が伝搬環境に存在しない状態で前記トランスデューサアレイが受波した参照音場での参照信号と、物体が伝搬環境に存在する状態で前記トランスデューサアレイが受波した探査音場での混合信号とをベクトル加算処理することにより、前記前方散乱波の信号のみを抽出する加算処理部と、
    前記加算処理部が抽出した前方散乱波に対してタイムリバーサル処理を施して、時間反転させた音波パルスを生成する時間反転処理部と、
    前記時間反転処理部が生成した音波パルスにパッシブ位相共役を適用することで、前記音源から前記トランスデューサアレイまでの伝搬環境で位相共役性が成立しているかをチェックする位相共役判定部とを含むことを特徴とする物体探査装置。
  2. 前記位相共役性が成立していると判定したことを条件として、前記時間反転処理部が生成した、時間反転させた音波パルスが収束する位置を計算する収束計算処理部を含む請求項1に記載の物体探査装置。
  3. 伝搬環境内に存在する物体の探査を制御する物体探査プログラムであって、
    前記目標物から前方に散乱される前方散乱波を用い、正位相の音波パルスを参照音場の伝搬環境に送波し、前記正位相の音波パルスと逆位相関係の音波パルスを混合音場の伝搬環境に送波することにより前記目標物を探知する際に、
    コンピュータに、
    物体が伝搬環境に存在しない状態でトランスデューサアレイが受波した参照音場での参照信号と、物体が伝搬環境に存在する状態でトランスデューサアレイが受波した探査音場での混合信号とをベクトル加算処理することにより、前記前方散乱波の信号のみを抽出する機能と、
    前記抽出した前方散乱波に対してタイムリバーサル処理を施して、時間反転させた音波パルスを生成する機能と、
    前記時間反転した音波パルスにパッシブ位相共役を適用することで、音源からトランスデューサアレイまでの伝搬環境で位相共役性が成立しているかをチェックする機能とを実行させることを特徴とする物体探査プログラム。
  4. 前記コンピュータに、
    前記位相共役性が成立していることを条件として、前記時間反転させた音波パルスが収束する位置を計算する機能を実行させる請求項に記載の物体探査プログラム。
  5. 伝搬環境内に存在する物体を探査する物体探査方法であって、
    前記物体から前方に散乱する前方散乱波を用いることにより、前記物体を探査するものであり、
    正位相の音波パルスを参照音場の伝搬環境に送波し、前記正位相の音波パルスと逆位相関係の音波パルスを探査音場の伝搬環境に送波し、
    物体が伝搬環境に存在しない状態で前記トランスデューサアレイが受波した参照音場での参照信号と、物体が伝搬環境に存在する状態で前記トランスデューサアレイが受波した探査音場での混合信号とをベクトル加算処理することにより、前記前方散乱波の信号のみを抽出し、
    前記抽出した前方散乱波に対してタイムリバーサル処理を施して、時間反転させた音波パルスを生成し、
    前記時間反転した音波パルスにパッシブ位相共役を適用することで、音源からトランスデューサアレイまでの伝搬環境で位相共役性が成立しているかをチェックすることを特徴とする物体探査方法。
  6. 前記位相共役性が成立していることを条件として、前記時間反転させた音波パルスが収束する位置を計算する請求項に記載の物体探査方法。
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