JP5315884B2 - シート状物の搬送方法および搬送装置、ならびにシート状物の巻き取り体の製造方法 - Google Patents

シート状物の搬送方法および搬送装置、ならびにシート状物の巻き取り体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、分散している炭素短繊維が熱硬化性樹脂の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物のような脆性の高いシート状物の搬送方法および搬送装置と、シート状物の巻き取り体の製造方法に関する。
近年、環境問題やエネルギー問題に関し様々な開発が行われている。その中でも発電効率が高いことによるCO2削減や、排出物が水だけであることなどの特徴を活かした燃料電池が注目を浴びている。
燃料電池は電解質膜を中心として、触媒、電極基材、セパレータ等により構成されており、電極基材として多孔質炭素繊維シート状物が用いられている。燃料電池の更なる普及にはコストダウンが必要不可欠であり、このため、電極基材についてももちろんコストダウンが要求されている。
かかるコストダウンのためには、燃料電池の生産性を向上させることが必要であり、電極基材である多孔質炭素繊維シート状物を長尺品として燃料電池製造工程へと供給し、同燃料電池製造工程での連続性を確保することが効果的である。そのため、電極基材である長尺なシート状物を巻き取り体として供給することが望まれている。
しかしながら、従来の電極基材である多孔質炭素繊維シート状物の製造工程では、例えば、硬化処理ではホットプレス装置等を用いたバッチ方式が主流であった。
長尺な電極基材を得るため、製造工程の連続化が必要であり、さらには、長尺な電極基材を巻き取るための技術も必要となる。
多孔質炭素繊維シート状物を巻き取る方法として、該シート状物に加える初期巻き取り張力を単位幅当たり30N/m以上、最終巻き取り張力を単位幅当たり20N/m以上とし、かつ巻き始めから巻き終わりにかけて巻き取り張力を漸減させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、表面の摩擦係数が小さく、脆性の高いシート状物を巻き取る際には巻き取り張力が低いと巻きズレが発生し、巻き取り張力が高いと巻きズレは発生しないが、シート状物の端部に微小な傷が存在した場合に破断しやすいという問題があった。また、表面の摩擦係数が小さく、剛性の高いシート状物を150m以上巻き取る際に張力を漸減させる方法で巻き取ると半径方向に及ぼすシート状物の締め付け力Fは、巻き取り張力をT、巻き取り直径をDとした際に、下式(2)のとおり、巻き取り直径Dに反比例するため、巻き取り直径が大きくなるに従い、軸方向にずれやすくなる問題点があった。
F=2T/D ・・・(2)
また、多孔質炭素繊維シート状物を巻き取る方法として、巻き取り軸と該巻き取り軸に平行に配されたプレッシャーロールを有する巻き取り装置で巻き取る方法がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、巻き取り軸上でシート状物を押さえるため一旦巻きズレが発生すると巻きズレの抑制が困難となり巻きズレが大きくなる問題があった
特開2002−302557号公報
本発明の目的は、従来の技術における上述した問題点に鑑み、分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物を巻き取った際に巻き端面が揃っており、かつ巻き取り時に破断することのないシート状物の搬送方法および搬送装置と、シート状物の巻き取り体の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、次の手段を採用する。すなわち、
(1)ロール状に巻いたシート状物を巻き出す巻き出し軸と巻き出したシート状物を巻き取る巻き取り軸を有するシート状物の搬送装置であって、前記シート状物が分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物であるとともに、該巻き出し軸の下流側に設けられたシート状物端部の位置検出手段と、該位置検出手段からの検出信号により前記巻き出し軸を巻き出し軸の中心軸と平行な方向に移動させる移動手段と、該移動手段を制御する制御部と、該巻き取り軸の上流側に設けられ、前記シート状物をニップする、前記シート状物の50〜95%のニップ幅を有するニップロールとを有してなる、シート状物の搬送装置。
(2)ロール状に巻いたシート状物を巻き出す巻き出し軸と巻き出したシート状物を巻き取る巻き取り軸を有するシート状物の搬送装置であって、前記シート状物が分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物であるとともに、該巻き出し軸の下流側に設けられたシート状物端部の位置検出手段と、該位置検出手段からの検出信号により前記巻き出し軸を巻き出し軸の中心軸と平行な方向に移動させる移動手段と、該移動手段を制御する制御部と、該巻き取り軸の直前に設けられ、前記シート状物をニップするニップロールとを有してなる、シート状物の搬送装置。
(3)前記ニップロールによるニップ幅が前記シート状物の幅の50〜95%である前記(2)に記載のシート状物の搬送装置。
)前記ニップロールの双方がフリーロールである、前記(1)〜()のいずれかに記載のシート状物の搬送装置。
)前記ニップロールの少なくとも一方にはブレーキ機構が設けられている、前記(1)〜()のいずれかに記載のシート状物の搬送装置。
)シート状物を、前記(1)〜()のいずれかに記載の搬送装置を用い、初期巻き取り張力T1が単位幅当たり40N/m以上、最終巻き取り張力T2が、D1を初期巻き取り直径、D2を最終巻き取り直径とした際に下式(1)を満足する条件で巻き取る、シート状物の搬送方法。
T1≦T2≦(D1+D2)/D1×T1 ・・・(1)
)前記シート状物が、分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物であり、かつ、前記シート状物の曲げ弾性率が3〜50GPa、静摩擦係数が0.1〜0.7であって、150m以上の長さに巻き取られる、前記()に記載のシート状物の搬送方法。
)長尺のシート状物を、前記()に記載のシート状物の搬送方法により搬送して、シート状物の巻き取り体とする、シート状物の巻き取り体の製造方法。
)前記シート状物が、分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物であり、かつ、前記シート状物の曲げ弾性率が3〜50GPa、静摩擦係数が0.1〜0.7であって、150m以上の長さに巻き取られる、前記()に記載のシート状物の巻き取り体の製造方法。
上述したように、本発明はニップロールを巻き取り軸の上流側に配したことにより、ニップロールと巻き取り軸との間の張力をニップロールの上流側の張力より大きくすることができ、巻き取り装置全体に亘ってシートにかかる張力を増加させることなく、巻き取り張力を大きく設定することが可能となる、またニップ幅をシート状物の50〜95%の幅とすることで、シート端部をロールがニップし、端部に大きな張力がかかることを防止できるため、巻き端面が揃っており、かつ巻き取り時に破断することのないシート状物の搬送方法および搬送装置と、その巻き取り体の製造方法を得ることができるものである。
本発明によれば、シート状物の巻き取り張力を大きく設定することが可能で、巻き端面が揃っており、かつ巻き取り時に破断することのない、シート状物の搬送方法および搬送装置を得ることができる。
また、本発明によれば、巻きズレの少ないシート状物の巻き取り体の製造方法を得ることができる。
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。
図1、図2,図3は、本発明による巻き取り方法の一例を説明する巻き取り装置の側面概略図である。図4は、シート端位置検出手段の配置の一例を説明する正面図である。図5は、シート状物の幅とニップ幅との関係を説明する正面説明図である。図6は、本発明により巻き取られたシート状物の巻き取り体の一例を示す概略斜視図である。図7は、上記シート状物の巻き取り体の全体の巻き層状態の一例を示す説明図である。
本発明は、図1に示すように、巻き出し軸2から巻き出し、矢印の方向に連続して搬送されるシート状物7をロール状に巻き取る巻き取り軸3と、該巻き取り軸3の上流側にシート状物7をニップするニップロール5と、該巻き出し軸2の下流側に設けられたシート端部の位置検出手段6と、該位置検出手段6からの検出信号により、前記巻き出し軸2を巻き出し軸中心軸と平行な方向に移動させる移動手段と、該移動手段を制御する制御部とを有してなるシート状物の搬送装置で巻き取ることに特徴がある。
本発明によりシート状物7を巻き取ることで、前記ニップロール5と前記巻き取り軸3との間の巻き取り張力とニップロール5の上流側の搬送張力とを分離することができる。ニップロールより上流側の張力を増加させることなく、巻き取り張力を大きく設定することが可能となるため、巻き端面が揃っており、かつ巻き取り時に破断することのない、シート状物の巻き取り体1を得ることができる。
ここで、シート状物7としては、炭素短繊維を含む短繊維を抄造したシート状物、炭素繊維を含む織編物や不織布、あるいは炭素繊維を一方向または多方向に引き揃えたシート状物などを、樹脂および/または有機物で結着されてなる炭素繊維シート状物が挙げられる。さらに、前記炭素繊維シート状物をさらに不活性雰囲気中で炭素化して得られる多孔質炭素シート状物が挙げられるが、炭素繊維以外の繊維強化プラスチックのシート状物や、フィルム、織物、不織布、紙などシート状物7の材質に特段の制限はない。特に分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物は、曲げ弾性率が高く、静摩擦係数が低く、脆い性質を有するので、本発明の搬送方法および搬送装置と、その巻き取り体の製造方法を適用することが好ましい。分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物の製造方法は、炭素短繊維を抄造し、樹脂および/または有機物を含浸し、高温での熱処理により樹脂および/または有機物を炭化する方法が挙げられる。樹脂としてはフェノール樹脂やフラン樹脂、有機物としてはピッチ等の熱処理による炭化収率が高い材料が用いられる。気孔率や気孔径の制御、含浸、焼成の加工性を良好にする目的で炭化収率の低い材料を併用することもある。ここで、分散した状態とは、炭素短繊維がシート面内において顕著な配向を持たず概ねランダムに、例えば、無作為な方向に存在している状態であることが多い。具体的には、後述する抄造法により短繊維が分散した状態である。分散させる炭素短繊維の繊維長は、3〜20mmが好ましく、さらに好ましくは5〜15mmである。炭素短繊維の繊維長を上記範囲とすることにより、炭素短繊維を分散させ抄紙して炭素繊維シートを得る際に、炭素短繊維の分散性を向上させ、目付ばらつきを抑制することができる。
前記炭素繊維シート状物をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂で撥水処理した炭素繊維シート状物や前記炭素繊維シート状物の表面にカーボンブラックとPTFEの混合物などを塗布した炭素繊維シート状物も元の炭素繊維シート状物同様に曲げ弾性率が高く、静摩擦係数が低く、脆い性質を有しており、本発明の搬送方法および搬送装置と、その巻き取り体の製造方法は有効である。
シート状物7をロール状に巻き取る方法としては、巻き取り軸3に配されたコアボビン4に長尺なシート状物7を連続して巻き取ることにより行うことができる。巻き取ったシートの割れを防止するため、コアボビンの外径は直径76mm以上が好ましく、より好ましくは直径152mm以上である。コアボビンの外径が直径76mmより小さい場合、特にシートの厚さが0.2mm以上の場合に割れやすくなる。巻き取ったロールをコンパクトにするためコアボビンの外径は直径330mm以下が好ましい。
図3に示すように、前記ニップロール5と前記巻き取り軸3の間には他のガイドロール8を設けることも可能であるが、ニップロール5から送り出されたシート状物は直接巻き取り軸3で巻き取られ、他のガイドロール8等と接触しないことが好ましい。
また、本発明において、巻き取り軸3の直前にシート状物7をニップするニップロール5を配する場合には、巻き取り軸3とニップロール5との間には他のガイドロール8などを設けず、ニップロール5から送り出されたシート状物が直接巻き取り軸3で巻き取られるようにする。ニップロール5でシート状物への張力を付与した状態で、シート状物が他のガイドロール8等と接触すると、シート状物が切れる可能性が高まる。また、ニップロール5のニップ部と巻き取り軸3の間の高張力区間が長いと張力によりシート状物が切れる可能性が高まるため、ニップロール5のニップ部と巻き取り軸3の距離は1m以下であることが好ましく、0.5m以下であることがさらに好ましい。
また、シート状物端部の位置検出手段6としては、図4に示すように、シート状物7の進行方向の左右いずれかの一端、または両端の位置を検出できるよう設置されることが好ましい。シート状物端部の位置検出手段6には一般的にEPC(エッジポジションコントロール:株式会社ニレコ登録商標)と呼ばれる非接触式のシート状物端部の位置検出手段を用いることが好ましい。前記シート状物端部の位置検出手段6のセンサ部は光源に赤外線発光ダイオードを用いた光電式センサや超音波センサ、空気圧による検出方法などがあるが特段の制約はない。
また、前記シート状物端部の位置検出手段6の検出信号に応じて、図1、図2に示すようにシート状物端部の位置検出手段6の上流側に配された巻き出し軸2およびガイドロール8などを、巻き出し軸2の中心軸と平行な方向、すなわちシート状物7の進行方向に対して左右に移動させ、シート状物7の蛇行をうち消すよう制御させることが好ましい。この制御により巻き取ったロールの巻きズレ量を小さくすることができる。
巻き出し軸の下流側に設けられたシート状物端部の位置検出手段6と巻き取り軸の上流側に設けられたニップロール5の間に厚さ計、目付計等の測定装置、スリッター、含浸装置、乾燥装置、塗布装置等の加工装置、外見検査装置等を設け、シート状の搬送の間に計測、加工、検査を行ってもよい。特に塗布やシート状物端部のスリット加工等、シート状物の幅方向位置が影響する加工や計測を行う場合には、本発明の巻き出し軸2から巻き出し、矢印の方向に連続して搬送されるシート状物7をロール状に巻き取る巻き取り軸3と、該巻き取り軸3の上流側にシート状物7をニップするニップロール5と、該巻き出し軸2の下流側に設けられたシート端部の位置検出手段6と、該位置検出手段6からの検出信号により、前記巻き出し軸2を巻き出し軸中心軸と平行な方向に移動させる移動手段と、該移動手段を制御する制御部とを有してなるシート状物7の搬送装置、および該装置を用いた搬送方法を用いることが加工や計測の位置精度が高まるため好ましい。
図5に示すように、前記ニップロール5によるニップ幅Wはシート状物の幅Wの50〜95%であることが好ましく、60〜90%がより好ましく、さらに好ましくは70〜85%である。前記ニップ幅Wがシート状物の幅Wの50%より小さいと、前記シート状物7の中央部分にかかる圧力が大きくなり、該シート状物7に変形や損傷を及ぼす恐れがある。前記ニップ幅Wがシート状物の幅Wの95%より大きいと、前記シート状物7の端部にかかる張力が大きくなり、該シート状物7の端部に微細な傷が存在した場合に破断することがある。ニップ幅Wは2本のニップロールでシート状物7を挟む幅であり、2本のロール長さは同じでも、異なる長さでも構わないが、ロール長さが異なる方がニップ幅変更やロール位置合わせが容易になり好ましい。
ニップロール5の端部は面取り加工を行うことが好ましい。特に2本のニップロール長さが異なる場合、短いニップロールの端部を面取り加工することが好ましい。ニップ幅端部ではニップ圧力が高くなるが、端部面取り加工によりニップ圧力の増加を抑制することができる。
前記ニップロール5の少なくとも一方は硬度30〜80度のゴムロールであることが好ましく、30〜70度がより好ましく、さらに好ましくは40〜60度である。前記ニップロール5の硬度が30度よりも小さいと、該ニップロール5が変形し、前記シート状物7の搬送が困難になることがある。前記ニップロール5の硬度が80度よりも大きいと、前記シート状物7は該ニップロール5のニップ部分ですべりが発生し、巻き取り張力と搬送張力との分離が困難になるため、搬送中のガイドロール8で前記シート状物7にかかる曲げ応力が大きくなったり、シート状物全長に亘って高い巻き取り張力がかかったりして破断することがある。
ゴムロールの硬度は、JIS K 6253(1997)に規定される方法に準拠して求めることができる。このとき、ゴムロールの硬度は、デュロメータ硬さ試験で求めたデュロメータ硬さで表すものとする。
前記ニップロール5は双方フリーロールであることが好ましく、該ニップロール5の少なくとも一方はブレーキ機構を設けてあることが好ましい。
前記ブレーキ機構のブレーキ方式に特段の制約はないが、単純な機構でブレーキ力を付与することができる摩擦方式であることが好ましい。
ガイドロール8はフリーロールでも固定ロールでも構わないが、シート状物7との摩擦低減のためにフリーロールであることが好ましい。またシート状物7の割れを防止するためガイドロール8の直径は76mm以上が好ましく、152mm以上がさらに好ましい。ガイドロール8の直径が76mmより小さい場合、特にシートの厚さが0.2mm以上の場合に割れやすくなる。設備をコンパクトにするためガイドロール8の外径は330mm以下が好ましい。
前記シート状物7の初期巻き取り張力T1は単位幅当たり40N/m以上であることが好ましく、40N/m〜1000N/mであることがさらに好ましく、より好ましくは60N/m〜600N/m以上である。また、最終巻き取り張力T2は下式(1)を満足する巻き取り方法であることが好ましい。
T1≦T2≦(D1+D2)/D1×T1 ・・・(1)
ここに、T1:初期巻き取り張力(N/m)
T2:最終巻き取り張力(N/m)
D1:初期巻き取り直径(mm)
D2:最終巻き取り直径(mm)
初期巻き取り張力T1が40N/mよりも小さいと、前記シート状物7を巻き取った際に巻き端面が揃わないことがある。また、前記シート状物7の搬送状態が不安定になり、蛇行の原因となることがある。前記初期巻き取り張力T1が1000N/mよりも大きいと、前記シート状物7を巻き取る際に変形や破断が起こることがある
最終巻き取り張力T2が初期巻き取り張力T1よりも小さいと、半径方向に及ぼすシート状物の締め付け力Fは巻き取り張力をT、巻き取り直径をDとした際に、下式(2)のとおり、巻き取り径に反比例するため、巻き取り直径Dが大きくなるに従い、軸方向にずれやすくなることがある。
F=2T/(D/1000) ・・・(2)
ここに、F:半径方向に及ぼすシート状物の締め付け力(N/m
T:巻き取り張力(N/m)
D:巻き取り直径(mm)
前記シート状物7の曲げ弾性率は3〜50GPaであることが好ましく、3〜30GPaがより好ましく、さらに好ましくは3〜20GPaである。前記シート状物7の曲げ弾性率が3GPaより小さいと、例えば、燃料電池の電極基材用途で使用する場合にハンドリング性が悪く、またセパレータの溝への落ち込みが生じることがある。前記シート状物7の曲げ弾性率が50GPaよりも大きいと、前記シート状物7をコアボビン4にロール状に巻き取る際、剛性によりコアボビン4に該シート状物7が沿いにくく、巻き取りやすさが低下し、巻きズレの原因となることがある。
シート状物の曲げ弾性率は、JIS K 6911(1995)に規定される方法に準拠して求めることができる。このとき、試験片の幅は15mm、長さは40mm、支点間距離は15mmとする。また、支点と圧子の曲率半径は3mm、荷重速度は2mm/minとする。シート状物の曲げ弾性率は、ロール状への巻き取りやすさや、ハンドリング性の良否を示す指標となる。
前記シート状物7の静摩擦係数は0.1〜0.7であることが好ましく、0.2〜0.6がより好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.5である。前記シート状物7の静摩擦係数が0.1よりも小さいと、該シート状物7の層間の摩擦力が小さいため、巻き取り後に端部ズレが発生しやすくなる。前記シート状物7の静摩擦係数が0.7よりも大きいと、従来の技術で巻き端面が揃っている前記シート状物7の巻き取り体を得ることができる。
シート状物の静摩擦係数は、新東科学株式会社製静摩擦係数測定機“ポータブル摩擦計ミューズ Type:94i”を用いて測定する。直径25mmに切り取った一方のサンプルを、測定器下面にある重りに貼り付け、測定器を他方のサンプル上に置き、測定開始すると、自動で重りを水平方向に移動させる荷重が加えられていく。滑り始める瞬間の荷重を最大静止摩擦力F、重りの重さを垂直力Gとし、静摩擦係数μを測定する。静摩擦係数μは下式(3)より求めることができる。測定回数は10回とし、10回の平均値から静摩擦係数を算出する。
μ=F/G ・・・(3)
ここに、μ:静摩擦係数
F:最大静止摩擦力(N)
G:垂直力(N)
本発明の巻き取り方法によれば、好ましくは150m以上の、より好ましくは150m〜1000mの長尺な、分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物7を、巻きズレ量tが3mm以下で、かつ巻き取り時に破断することないシート状物の巻き取り体1として巻き取ることができる。
前記シート状物の巻き取り体1の巻き端面が揃っていると、該シート状物の巻き取り体1の搬送時に前記シート状物7の端部が梱包資材に接触することによる該シート状物7の端部の欠け、さらには巻き出し時の破断を防止することができる。また、前記シート状物7の巻き出し時の蛇行を抑制することができ、後工程での撥水処理や塗工工程での幅方向位置調整が容易になるとともに、蛇行制御による破断を未然に防止できる。
巻きズレ量tは、図7に示すとおり、巻き取り体の巻きズレを含む全幅Wとシート状物の幅Wをスケールやノギスを用いて測定し、下式(4)より求めることができる。
t=W−W ・・・(4)
ここに、t:巻きズレ量(mm)
W:巻き取り体の巻きズレを含む全幅(mm)
:シート状物の幅(mm)
本発明によって得られる巻き取り体に巻き取った炭素繊維シート状物は、固体高分子型燃料電池の電極基材に限らず、各種電極や電波吸収体などにも応用することができるが、その応用範囲はこれらに限られるものではない。
本発明による搬送方法を説明する搬送装置の一例を示す側面概略図である。 本発明による搬送方法を説明する搬送装置の他例を示す側面概略図である。 本発明による搬送方法を説明する搬送装置の他例を示す側面概略図である。 シート状物端部の位置検出手段の配置の一例を説明する正面図である。 シート状物の幅とニップ幅との関係を説明する正面説明図である。 本発明により搬送されたシート状物の巻き取り体の一例を示す概略斜視図である。 上記シート状物の巻き取り体の全体の巻き層状態の一例を示す説明図である。
符号の説明
1:シート状物の巻き取り体
2:巻き出し軸
3:巻き取り軸
4:コアボビン
5:ニップロール
6:位置検出手段
7:シート状物
8:ガイドロール
:シート状物の幅
:ニップ幅
d:コアボビンの外径
D:シート状物の巻き取り直径
W:巻き取り体の巻きズレを含む全幅

Claims (9)

  1. ロール状に巻いたシート状物を巻き出す巻き出し軸と巻き出したシート状物を巻き取る巻き取り軸を有するシート状物の搬送装置であって、前記シート状物が分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物であるとともに、該巻き出し軸の下流側に設けられたシート状物端部の位置検出手段と、該位置検出手段からの検出信号により前記巻き出し軸を巻き出し軸の中心軸と平行な方向に移動させる移動手段と、該移動手段を制御する制御部と、該巻き取り軸の上流側に設けられ、前記シート状物をニップする、前記シート状物の50〜95%のニップ幅を有するニップロールとを有してなる、シート状物の搬送装置。
  2. ロール状に巻いたシート状物を巻き出す巻き出し軸と巻き出したシート状物を巻き取る巻き取り軸を有するシート状物の搬送装置であって、前記シート状物が分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物であるとともに、該巻き出し軸の下流側に設けられたシート状物端部の位置検出手段と、該位置検出手段からの検出信号により前記巻き出し軸を巻き出し軸の中心軸と平行な方向に移動させる移動手段と、該移動手段を制御する制御部と、該巻き取り軸の直前に設けられ、前記シート状物をニップするニップロールとを有してなる、シート状物の搬送装置。
  3. 前記ニップロールによるニップ幅が前記シート状物の幅の50〜95%である、請求項2に記載のシート状物の搬送装置。
  4. 前記ニップロールの双方がフリーロールである、請求項1〜のいずれかに記載のシート状物の搬送装置。
  5. 前記ニップロールの少なくとも一方にはブレーキ機構が設けられている、請求項1〜のいずれかに記載のシート状物の搬送装置。
  6. シート状物を、請求項1〜のいずれかに記載の搬送装置を用い、初期巻き取り張力T1が単位幅当たり40N/m以上、最終巻き取り張力T2が、D1を初期巻き取り直径、D2を最終巻き取り直径とした際に下式(1)を満足する条件で巻き取る、シート状物の搬送方法。
    T1≦T2≦(D1+D2)/D1×T1 ・・・(1)
  7. 前記シート状物が、分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物であり、かつ、前記シート状物の曲げ弾性率が3〜50GPa、静摩擦係数が0.1〜0.7であって、150m以上の長さに巻き取られる、請求項に記載のシート状物の搬送方法。
  8. 長尺のシート状物を、請求項に記載のシート状物の搬送方法により搬送して、シート状物の巻き取り体とする、シート状物の巻き取り体の製造方法。
  9. 前記シート状物が、分散している炭素短繊維が樹脂および/または有機物の炭化物で結着されてなる炭素繊維シート状物であり、かつ、前記シート状物の曲げ弾性率が3〜50GPa、静摩擦係数が0.1〜0.7であって、150m以上の長さに巻き取られる、請求項に記載のシート状物の巻き取り体の製造方法。
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