JP5315749B2 - インサート着脱式カッタ - Google Patents

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Description

本発明は、カッタ本体に形成されたインサート取付座に、切削インサートを、インサートクランプ用クサビ(以下、クランプクサビと称する。)によって着脱可能にクランプして固定するインサート着脱式カッタに関するものである。
このようなクランプクサビを用いたインサート着脱式カッタにおいては、例えば特許文献1〜3に記載されているように、カッタ本体に形成されたインサート取付座に連通する凹所に挿入したクランプクサビを、そのクサビ面に沿うようにクランプネジ等の押し込み手段によってカッタ本体内に押し込むことにより、このクサビ面との間隔が押し込み方向に向けて小さくなるように傾斜したクランプクサビのクランプ面によって、上記インサート取付座に着座させられた多角形平板状の切削インサートを、その厚さ方向にインサート取付座に押圧してクランプし、固定する構造となっている。
特公平1−44443号公報 特開平1−295709号公報 国際公開第2008/023361号パンフレット
ところで、近年このようなインサート着脱式カッタでは、カッタ本体に設けられる切刃の数を増やして加工の高能率化を図る、いわゆる多刃化が要望されてきており、これに伴い、切削インサートおよびこれを固定するクランプクサビの数も増える傾向にある。しかしながら、このようにカッタの多刃化を図る場合には、隣接するインサート取付座および凹所同士の間隔も制限されざるを得ず、すなわちカッタ本体がより小さな間隔でこれらインサート取付座や凹所によって切り欠かれた形状となる。
このため、インサート取付座や特に凹所の周辺でカッタ本体の肉厚を確保することが困難となり、クランプクサビを押し込んでインサートをクランプしたときのクランプ強度が低下したり、場合によってはこうして肉厚が小さくなった部分に変形や損傷を招いたりするおそれもある。また、このようなクランプ強度の低下を防ごうとして、例えばクランプクサビを大型化したりすると、これを押し込むための凹所も大きくなってカッタ本体表面との肉厚はさらに小さくなり、却ってクランプ強度が低下したり変形や損傷を生じ易くなったりする。
また、特に特許文献2、3に記載のインサート着脱式カッタでは、軸線回りに回転させられるカッタ本体においてインサート取付座のカッタ回転方向側に形成されたチップポケットの底面に上記凹所が開口しており、このチップポケットは切屑を円滑に排出するためにカッタ本体の外周側に向けて周方向に幅広とされているが、上記凹所の周りのカッタ本体の肉厚や強度を確保するのに、例えばこのチップポケットの周方向の幅を単に小さくしたりすると、チップポケットに切屑詰まりを生じてしまって、切削抵抗の増大や加工精度の劣化を招く結果となる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のようなクランプクサビによってインサートをクランプするインサート着脱式カッタにおいて、多刃化によりインサート取付座および凹所同士の間隔が制限されざるを得ないような場合でも、凹所周辺のカッタ本体の強度や剛性を確保してインサートクランプ強度の向上を図ることが可能なインサート着脱式カッタを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、カッタ本体に形成されたインサート取付座に着座させられる切削インサートを、上記インサート取付座に連通するように上記カッタ本体に形成された凹所にインサートクランプ用クサビを押し込むことにより、このインサートクランプ用クサビのクランプ面によってクランプして着脱可能に固定するインサート着脱式カッタであって、上記カッタ本体における上記凹所の開口部の周辺は、上記クランプ面に平行な断面において、上記凹所が開口する部分では上記インサートクランプ用クサビの押し込み方向に凹むとともに、上記開口部の周辺の両端側に向かうに従い、該押し込み方向とは反対側に漸次せり出す凹面状に形成されていることを特徴とする。
従って、このようなインサート着脱式カッタにおいては、こうしてカッタ本体における上記凹所の開口部周辺を、上記クランプ面に平行な断面において、上記凹所が開口する部分では上記インサートクランプ用クサビの押し込み方向に凹むとともに、上記開口部の周辺の両端側に向かうに従い、該押し込み方向とは反対側に漸次せり出す凹面状に形成することにより、凹所の周りの上記両端側ではこの押し込み方向に大きな肉厚をカッタ本体に確保することができる。
このため、たとえカッタの多刃化によって隣接するインサート取付座および凹所同士の間隔が制限されても、この凹所の周りでカッタ本体の強度や剛性を確保することができ、これに伴いクランプ強度の向上を図ることができるとともに、クランプクサビの押し込みによってカッタ本体に変形や損傷が生じたりするのも防ぐことができる。従って、上記構成のインサート着脱式カッタによれば、切削インサートをインサート取付座に強固に保持して、多刃化による効率的な切削を確実に促すことが可能となる。
また、上記凹所がインサート取付座のカッタ回転方向に形成されたチップポケットの底面に開口しているときには、こうして上記断面における両端側でこの底面がせり出すのに対して凹所が位置する部分では、相対的に上記底面が押し込み方向に凹むことになり、チップポケットの容量が必要以上に小さくなることはない。
特に、こうして凹所がチップポケット底面に開口しているときには、この凹所の開口部周辺すなわち上記底面を凹曲面状とすることにより、上述のようにカッタ本体の剛性や強度を確保しつつも、チップポケットの容量をさらに大きくすることができて、切削インサートの切刃により生成される切屑を円滑に排出することが可能となり、切屑詰まりによる切削抵抗の増大や詰まった切屑の噛み込み等による加工精度の劣化を防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、たとえ多刃化されたインサート着脱式カッタにおいても、凹所の開口部周辺でカッタ本体の肉厚を確保して強度や剛性の向上を図ることができ、これによりカッタ本体の変形や損傷を防ぐとともにクランプ強度を向上させて切削インサートを強固に保持することができるので、多刃化による効率的な切削加工を確実に促進することが可能となる。
図1ないし図8は、本発明のインサート着脱式カッタの一実施形態を示すものである。本実施形態のインサート着脱式カッタは、そのカッタ本体1が鋼材等により図1に示すように概略円盤状に形成されて、その中心軸線方向後端側(図1において上側)が工作機械の主軸に取り付けられる取付部2とされるとともに、先端側(図1において下側)はこの取付部2よりも一段拡径させられた刃部3とされ、この中心軸線回りにカッタ回転方向Tに回転させられて被削材の切削加工に使用される。
上記刃部3の先端外周側には、該刃部3を後端内周側に切り欠くようにして、図示されない切削インサートが着座されて固定されるインサート取付座4と、該インサート取付座4のカッタ回転方向T側にそれぞれ連通するチップポケット5および凹所6とが、各インサート取付座4、チップポケット5、および凹所6の組ごとに周方向に間隔をあけて複数形成されており、このうち凹所6に本実施形態のクランプクサビ10が挿入されて、両端部に雄ネジ部が形成されたクランプネジ11によってカッタ本体1の後端内周側に押し込まれることにより、切削インサートがインサート取付座4に押圧されてクランプされ、固定される。
ここで、本実施形態のインサート着脱式カッタに取り付けられる切削インサートは、超硬合金等の硬質材料により外形が正多角形(例えば正7角形)の平板状に形成されたものであって、その一方の正多角形面がすくい面とされるとともにこれと平行な他方の正多角形面はインサート取付座4への着座面とされ、上記すくい面の辺稜部には切刃が形成されている。また、この切削インサートは、すくい面の中央には断面円形の穴が開けられた穴付きインサートとされており、このすくい面は当該穴付きインサートにおける穴あき面とされている。
このような穴付きインサートが着座させられるインサート取付座4は、カッタ回転方向Tを向いた平坦な底面4Aと、この底面4Aのカッタ本体1内周側と後端側の辺稜部からそれぞれ立ち上がる一対の壁面4Bとを備えており、これらの壁面4Bに穴付きインサートの2つの側面が当接させられて、上記すくい面をカッタ回転方向Tに向けるとともに底面4Aに上記着座面が密着させて穴付きインサートは着座させられる。このとき、例えば当該インサート着脱式カッタが正面フライスである場合には、上記切刃のうちの1つが中心軸線に垂直な1の平面上に位置させられる。
一方、上記チップポケット5は、図4に示すようにカッタ本体1の外周側(図4において上側)に向かうに従いカッタ回転方向T側に広がるように形成されており、凹所6はこのチップポケット5のカッタ本体1外周側を向く底面5Aの中央部に、インサート取付座4側に連通するとともにカッタ本体1の周面とは間隔をあけるようにして開口し、カッタ本体1の後端内周側に延びるように形成されている。
凹所6は、カッタ本体1の後端内周側に位置する底面6Aと、チップポケット5の上記底面5Aからこの底面6A側に向けてカッタ本体1の後端内周側に延びる内壁面6Bとを有している。底面6Aには、上記クランプネジ11の一端側の雄ネジ部がねじ込まれるネジ穴6Cが、このカッタ本体1の後端内周側に向けてインサート取付座4の底面4A側に向かうとともに一対の壁面4Bが交差する方向に延びるように形成されており、内壁面6Bはこのネジ穴6Cの中心線に平行に延びるように形成されていて、この中心線に沿ってカッタ本体1の内側(後端内周側)に向かう方向が、本実施形態におけるクランプクサビ10の押し込み方向となる。
このような凹所6に挿入されて押し込まれるクランプクサビ10は、そのクサビ本体12が鋼材等により、図5および図6に示すように中空の駒状に形成されている。この中空の部分は、上記クランプネジ11の他端側の雄ネジ部がねじ込まれるネジ穴13とされていて、クサビ本体12は、その一方の端面12Aをカッタ本体1の先端外周側(表面側)に向けるとともに他方の端面12Bを上記凹所6の底面6Aに対向させるようにして凹所6に挿入され、このネジ穴13と上記ネジ穴6Cとに両端部の雄ネジ部がそれぞれ螺合させられた上記クランプネジ11をねじ込むことにより、カッタ本体1の後端内周側に向けて凹所6内に押し込まれる。従って、クランプクサビ10においては、そのネジ穴13の中心線Cに沿って端面12Aから端面12Bに向かう方向が、その押し込み方向となる。
また、クサビ本体12のこれら両端面12A、12Bの間に延びる側面の1つは、クランプクサビ10が凹所6に押し込まれた際にインサート取付座4側を向いて穴付きインサートの上記すくい面に密着するクランプ面14とされており、本実施形態ではこのクランプ面14の中央部に突起15が形成されている。ここで、この突起15とクランプ面14との境界部には、該クランプ面14から極僅かに凹む凹溝部14Aが形成されており、本実施形態ではクランプ面14は、これら突起15および凹溝部14Aを除いてその全面が、上記ネジ穴6Cの中心線がインサート取付座4の底面4Aに対してなす傾斜角と等しい角度で、上記端面12A側に向かうに従いネジ穴13の中心線Cに対して近づく傾斜平面状とされていて、突起15および凹溝部14Aを取り囲むように形成されている。
さらに、上記突起15は、本実施形態ではその表面が球面状とされていて、上記クランプ面14に沿った断面、およびクランプ面14に平行な断面がいずれも円形をなすように形成されている。ただし、図6に示すようにそのクランプ面14からの突出高さは、該クランプ面14に沿った断面における突起15がなす円の半径よりも十分小さくされるとともに、この断面における円の上記半径は、穴付きインサートに形成された穴のすくい面への開口部がなす円の半径よりも小さくされていて、クランプクサビ10を凹所6内に押し込んでクランプ面14が穴付きインサートの上記穴付き面に密着したときにその穴内に突起15が収容されるようになされている。
一方、クランプ面14とは反対側を向くクサビ本体12の側面は、クランプクサビ10を凹所6に押し込んだ際にその内壁面6Bに摺接するクサビ面16とされており、このクサビ面16は上記両端面12A、12B間にわたって、中心線Cに直交する断面すなわち押し込み方向に直交する断面が一定のものとなるように中心線Cと平行に延びている。なお、このクサビ面16とクランプ面14と間にはクランプ面14に垂直な側面部が中心線Cに平行に形成され、クランプ面14が中心線Cに対して傾斜していることから、この側面部は端面12B側に向けて漸次幅狭となる。
また、このクサビ面16は、上記押し込み方向に直交する断面において、上記中心線Cを中心とする半円弧(1/2円弧)状の凸曲線をなす凸曲部16Aと、この凸曲部16Aの両端から該凸曲部16Aに滑らかに接する凹円弧等の凹曲線をなしてクランプ面14側に向かうに従い、上記断面においてクランプ面14が延びる方向(図6(a)における上下方向、(c)における左右方向)に広がり上記側面部に連なる凹曲面部16Bとから構成されている。従って、本実施形態ではクサビ本体12の押し込み方向に直交する形状が図6(a)に示すようにベル型の形状をなすことになる。
このようなクランプクサビ10が押し込まれる際にクサビ面16が摺接する凹所6の内壁面6Bの断面形状は、このクサビ面16の断面形状とは凹凸が逆の、ネジ穴6Cの中心線を中心とする半円弧(1/2円弧)状の凹曲線をなす凹曲部と、この凹曲部の両端から該凹曲部に滑らかに接する凸円弧等の凸曲線をなしてインサート取付座6側に向かうに従い広がる凸曲部とから形成される。
そして、この凹所6が開口する開口部周辺であるカッタ本体1の上記チップポケット5の底面5Aは、上記押し込み方向に直交する断面すなわちネジ穴6Cの中心線に直交する断面においてこの凹所6に押し込まれるクランプクサビ10のクランプ面14が延びる方向の両端側、つまり同断面においてインサート取付座4の底面4Aが延びる方向(図3、図8における上下方向)の両側に向かうに従い、この押し込み方向とは反対側(図3、図8において図面の手前側)に漸次せり出す凹面状に形成されている。すなわち、上記凹所6の開口部の周辺は、上記クランプ面14に平行な断面において、上記凹所6が開口する部分では上記押し込み方向に凹むとともに、上記開口部の周辺の両端側に向かうに従い、該押し込み方向とは反対側に漸次せり出す凹面状に形成されている。
特に、本実施形態では、この底面5Aがなす凹面は凹曲面状とされており、すなわちこの底面5Aは、ネジ穴6Cの中心線を含んでインサート取付座4の底面4Aに直交する断面においても、凹所6側が凹んだ凹曲線をなしているとともに、該断面をなす平面に対し垂直な方向に底面4Aの両端側に向かうに従い、つまりカッタ本体1の後端外周側と先端内周側とに向かうに従い、凹曲面をなしつつカッタ本体1の先端外周側に漸次せり出して、カッタ本体1の周面に連なるように形成されている。
このように構成されたインサート着脱式カッタに上記穴付きインサートを取り付けるには、まず内壁面6Bにクサビ面16を摺接させて凹所6にクランプクサビ10を挿入し、クサビ本体12のネジ穴13と凹所6のネジ穴6Cとにクランプネジ11を螺合させて、クランプクサビ10をカッタ本体1に仮止めする。次いで、穴付きインサートを上述のようにインサート取付座4に着座させてから、クランプネジ11をさらにねじ込んでクランプクサビ10を凹所6内に押し込んでゆくと、クランプクサビ10の突起15が穴付きインサートの穴に収容されるとともにクランプ面14が上記穴付き面に密着してインサート取付座4の底面4A側に押圧し、これによって穴付きインサートがクランプされて固定される。なお、このときには突起15が穴の開口部周縁に当接して穴付きインサートを上記一対の壁面4Bが交差する方向に引き込むようにしてもよい。
しかして、上記構成のインサート着脱式カッタにおいては、そのカッタ本体1の上記凹所6が開口する開口部の周辺であるチップポケット5の底面5Aが、上述のように上記クランプ面14に平行な断面において、上記凹所6が開口する部分では上記押し込み方向に凹むとともに、該底面5Aの両端側に向かうに従い、この押し込み方向とは反対側に漸次せり出す凹面状に形成されているため、この底面5Aとカッタ本体1の周面とが交差する部分には、上記断面の両端側であるカッタ本体1の先端内周側と後端外周側とに大きな肉厚を確保することができる。
このため、たとえ当該インサート着脱式カッタが多刃化によってインサート取付座4、チップポケット5、および凹所6の組同士の間隔が小さく制限されざるを得なくても、こうして凹所6の周辺においてカッタ本体1に大きな肉厚を確保することができることにより、カッタ本体1の強度や剛性を高めることができて、切削インサートを安定的かつ強固に保持することができるとともに、カッタ本体1の変形や損傷も防ぐことができ、多刃化による切削効率向上を確実に促すことが可能となる。
また、本実施形態では、この凹所6がインサート取付座4のカッタ回転方向T側に形成されたチップポケット5の底面5Aに開口しており、この底面5Aが上記クランプ面14に平行な断面における両端側で押し込み方向とは反対側にせり出すのに対して中央側すなわち底面5Aの凹所6が開口する部分では、相対的に底面5Aが上記押し込み方向に凹むことになる。このため、チップポケット5の容量が必要以上に小さくなることはなく、円滑な切屑排出を図ることができる。
ここで、このチップポケット5の底面5Aがなす凹面は、例えばネジ穴6Cの中心線を含んでインサート取付座4の底面4Aに直交する上記平面に垂直な断面がV字状をなすようなものであってもよいが、本実施形態では同断面において凹所6側が最も凹んだ凹曲線をなすようにして、上記クランプ面14が延びる方向の両端側、すなわちカッタ本体1の後端外周側と先端内周側とに向かうに従い漸次せり出すように凹曲面に形成されている。
このため、上述のように断面V字状に形成されている場合などに比べてチップポケット5の容量をさらに大きく確保することができるので、本実施形態によれば、切削インサートの切刃によって生成された切屑をこのチップポケット5に確実に収容して排出することが可能となり、切屑詰まりによる切削抵抗の増大によって上述のような効率的な加工が阻害されたり、詰まった切屑が被削材との間に噛み込まれて加工面を傷つけることにより加工精度が劣化したりするような事態を未然に防止することが可能となる。
また、本実施形態では、上記穴付きインサートをクランプするクランプクサビ10において、そのクサビ本体12の上記押し込み方向に直交する断面形状が、クランプ面14とは反対のクサビ面16側が半円弧状の凸曲線をなす凸曲部16Aとその両端から凹曲線状をなして幅広となる一対の凹曲部16Bとから構成されたベル型形状とされており、これにより、クサビ本体12およびこれが押し込まれるカッタ本体1の凹所6の上記押し込み方向に直交する断面積を必要以上に大きくすることなく、クランプ面14は幅広としてその面積を確保することができる。
このため、切削インサートをより広い面積でクランプすることができるとともに、凹所6の内壁面6Bとカッタ本体1の表面との間の肉厚を大きくしてクランプクサビ10自体の取付剛性を高めることができ、これらによって穴付きインサートのクランプ強度をさらに向上させて、一層高精度で安定した切削を図ることが可能となる。また、凹所6の断面積が必要以上に大きくなることがないために、カッタ本体1の多刃化にも確実に対応することができる。
特に、本実施形態では上述のように、凸曲部16Aからその両端の凹曲部16Bまでがクサビ面16とされていて、すなわちこの凹曲部16Bもクサビ本体12の端面12Aから押し込み方向側の端面12Bに向かうに従いクランプ面14との間隔が漸次小さくなるように傾斜させられている。従って、この凹曲部16Bの裏側の幅広となったクランプ面14の両側部にまで確実に押圧力を作用させることができ、これにより一層強固に切削インサートをクランプして固定することができる。
一方、本実施形態のクランプクサビ10では、そのクランプ面14に穴付きインサートの穴に収容される突起15が形成されており、クランプされた穴付きインサートを切削に使用して切刃に摩耗等が生じた場合にインサートのコーナチェンジを行うときには、クランプネジ11を僅かに緩めて穴付きインサートの押圧を解除し、突起15が穴に収容されて係合した状態が維持される範囲で、クランプクサビ10と穴付きインサートを上記押し込み方向の後方側に引き出してずらすことにより、穴付きインサートを、突起5に係合してインサート取付座4からの脱落が阻止された状態のまま、この突起15を中心に回転自在とすることができる。
従って、この状態のまま、次に使用する切刃が所定の方向に向くように穴付きインサートを回転させてインサート取付座4に着座し直し、再びクランプネジ11をねじ込んでクランプすることで、例えば当該インサート着脱式カッタが正面フライス等であって、インサート取付座4が下向きで工作機械の主軸に取り付けられたままでも、穴付きインサートを落下させたりすることはなくコーナチェンジ作業を行うことができる。このため、脱落防止のために作業者がいちいちインサートを手で押さえて作業を行ったり、カッタ本体1を一旦主軸から取り外して作業を行ったりする必要がなく、たとえ多刃化されたカッタであって、インサートやクランプクサビ10の数が多くても、短時間でしかも容易にコーナチェンジ作業を終了して速やかに切削加工を続行することが可能となり、加工時間全体の短縮を図って効率性や経済性を向上させることができる。
また、本実施形態では突起15が球面状であり、コーナチェンジを繰り返しても潰れ難いとともに、クランプクサビ10を凹所6の内壁面6Bに沿って上述のように後退させてクランプ面14とインサートの穴付き面との間に僅かな間隔をあけるだけで、穴と突起との間の隙間を大きくすることができ、インサートを回転させ易くなって一層コーナチェンジ作業を簡略化することができる。
ただし、突起15としては、上述のように突起15が穴に収容されて係合した状態が維持される範囲でクランプクサビ10と穴付きインサートを押し込み方向後方側に引き出した際に、穴付きインサートが突起15を中心に回転自在とされてコーナチェンジ可能な形状であればよく、例えば円錐状や円錐台状であってもよい。また、穴付きインサートも、その穴あき面の辺稜部にコーナチェンジされる複数部分の切刃が形成されたものであれば正多角形平板状でなくてもよく、例えば円板状の穴付きインサートであってもよい。さらに、この穴付きインサートの穴も、穴あき面から反対の面にまで貫通する貫通穴であってもよく、また貫通しない止まり穴であってもよい。
ところで、本実施形態のクランプクサビ10では、その突起15の周りが凹溝部14Aを介してクランプ面14により取り囲まれるように形成されているが、この凹溝部14Aを、例えば図9に示す上記実施形態の変形例のクランプクサビ20のように、クランプ面14の縁部にまで延びて、この縁部に開口するように形成してもよい。なお、この図9に示す変形例や、後述する図10に示す他の変形例でも、上記実施形態のクランプクサビ10と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
従って、この図9に示す変形例のように凹溝部14Aを形成した場合には、図9(c)に示すようにクランプ面14がU字状となるので、クランプ面14を平滑に仕上げる場合の仕上げ用のエンドミルや研削工具等の仕上げ用工具を、このU字に沿ってその軌跡が重なり合うことがないように1度送り出すだけで仕上げることができる。すなわち、この仕上げ用工具がクランプ面14に切り込まれる部分とクランプ面14から離れる部分とで仕上げ面同士が重なり合うことがないため、この重なり合う部分で仕上げ面同士の間に微小な段差が生じることもなく、クランプ面14を穴付きインサートの穴あき面に確実に密着させることが可能となる。
ただし、本発明のインサート着脱式カッタにおいては、このような突起15や凹溝部14Aをクランプ面14に形成することなく、図10に示す他の変形例のクランプクサビ30のように、クランプ面14全体が上記押し込み方向に向けてクサビ面16との間隔が小さくなる平面状とされていてもよい。このようなクランプクサビ30によれば、クランプ面14と切削インサートとの密着面積を一層大きくして安定的なクランプを図ることができるとともに、穴付きではない穴無しの切削インサートをクランプすることもできる。
本発明のインサート着脱式カッタの一実施形態を示す、カッタ本体1の先端外周側から見た斜視図である。 図1に示す実施形態のカッタ本体1の先端外周部を先端側から見た拡大斜視図である。 図1に示す実施形態のインサート取付座4、チップポケット5、および凹所6周辺を、ネジ穴6Cの中心線方向に見た拡大図である。 図1に示す実施形態のインサート取付座4、チップポケット5、および凹所6周辺を、インサート取付座4の底面4Aに平行でネジ穴6Cの中心線に垂直な方向から見た拡大図である。 図1に示す実施形態のクランプクサビ10を示す斜視図である。 図5に示すクランプクサビ10を(a)ネジ穴13の中心線Cに沿って端面12A側から見た図、(b)クランプ面14に平行で中心線Cに垂直な方向から見た図、(c)中心線Cに垂直にクランプ面14に対向する方向から見た図である。 図4に示した凹所6にクランプクサビ10を挿入した状態を示す図である。 図3に示した凹所6にクランプクサビ10を挿入した状態を示す図である。 図1に示す実施形態の変形例のクランプクサビ20を(a)ネジ穴13の中心線Cに沿って端面12A側から見た図、(b)クランプ面14に平行で中心線Cに垂直な方向から見た図、(c)中心線Cに垂直にクランプ面14に対向する方向から見た図である。 図1に示す実施形態の他の変形例のクランプクサビ30を示す斜視図である。
符号の説明
1 カッタ本体
4 インサート取付座
5 チップポケット
5A チップポケット5の底面(凹所6の開口部周辺)
6 凹所
6A 凹所6の底面
6B 凹所6の内壁面
6C ネジ穴
10、20、30 クランプクサビ(インサートクランプ用クサビ)
11 クランプネジ
12 クサビ本体
13 ネジ穴
14 クランプ面
14A 凹溝部
15 突起
16 クサビ面
16A クサビ面16の凸曲部
16B クサビ面16の凹曲部
C ネジ穴13の中心線
T カッタ本体1の回転方向

Claims (3)

  1. カッタ本体に形成されたインサート取付座に着座させられる切削インサートを、上記インサート取付座に連通するように上記カッタ本体に形成された凹所にインサートクランプ用クサビを押し込むことにより、このインサートクランプ用クサビのクランプ面によってクランプして着脱可能に固定するインサート着脱式カッタであって、上記カッタ本体における上記凹所の開口部の周辺は、上記クランプ面に平行な断面において、上記凹所が開口する部分では上記インサートクランプ用クサビの押し込み方向に凹むとともに、上記開口部の周辺の両端側に向かうに従い、該押し込み方向とは反対側に漸次せり出す凹面状に形成されていることを特徴とするインサート着脱式カッタ。
  2. 上記凹所は、上記インサート取付座のカッタ回転方向側に形成されたチップポケットの底面に開口させられていることを特徴とする請求項1に記載のインサート着脱式カッタ。
  3. 上記凹所の開口部の周辺が凹曲面状とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインサート着脱式カッタ。
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