JP5309361B2 - 電流検出用抵抗器の実装基板およびその製造方法 - Google Patents

電流検出用抵抗器の実装基板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、大電流を高精度で検出する、極めて低い抵抗値を有する2端子型の電流検出用抵抗器に係り、特にその抵抗器を実装する実装基板の構造に関する。
電流検出用抵抗器は、既知の抵抗値を有する抵抗器に、未知の電流を流すことで、抵抗器両端の電極に生じる電圧からその電流値を検出する用途の抵抗器であり、例えば、バッテリ電流の検出、モータ駆動電流の検出等の用途に広く用いられている。係る抵抗器を実装する基板には、抵抗器の一対の電極を固定する一対のランドと、該ランド間に接続した抵抗器に被測定電流を供給する配線と共に、2端子型の抵抗器の場合、抵抗器の両端部の電極を固定した一対のランド間に生じる電位差を検出する一対の電圧検出端子を備える。そして、被測定電流Iが抵抗器を流れることによって、抵抗器を固定した一対のランド間に発生する電位差Vを一対の電圧検出端子により取り出し、抵抗器の抵抗値Rで除算することで、被測定電流Iが検出される(特許文献1,2参照)。
従来から、電流検出用抵抗器の抵抗温度係数は抵抗器の抵抗体の抵抗温度係数で決定されると考えられている。確かに数十mΩ以上の抵抗値の電流検出用抵抗器では、抵抗温度係数は抵抗体の抵抗温度係数のみで決まると考えて良い。通常、抵抗器のメーカーは、抵抗器をメーカー毎に独自に定めた基準パターンに実装し、そのパターンにて出現する抵抗温度係数をその抵抗器の抵抗温度係数として扱っている。
しかしながら、数mΩオーダー以下、特に1mΩ以下の2端子型の極めて低い抵抗値の抵抗器においては、ランドおよび配線の有する抵抗成分の影響を無視できず、ランドおよび配線の形状および通電点の位置等に対応して、抵抗体内部で電流分布が均一でなく、電流分布に偏りが生じる場合がある。その為、実装状態において一対の電圧検出端子間で取り出される出現抵抗値の抵抗温度係数が抵抗器自体の抵抗温度係数から乖離する場合がある。例えば、ゼロ温度係数の抵抗器を実装しても、実装状態での電圧検出端子から検出される抵抗器の抵抗温度係数はゼロ温度係数でなくなるという問題がある。
係る実装状態による抵抗器の抵抗温度係数の変化を避ける方法としては、電流端子と電圧端子とを分ける4端子型の電流検出用抵抗器とする方法も考えられる。しかしながら、その場合、抵抗体に電流分布の偏りが生じないように電流端子を長くする必要があり、損失が増加しやすい、高価になる、実装面積が大きくなるなどのデメリットも多い。
特開2002−372551号公報 特開2003−121477号公報
本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、ランドおよび配線の有する抵抗成分の影響を無視できない程度の極めて低い抵抗値の2端子型の電流検出用抵抗器を基板に実装するに際して、実装状態での抵抗器の抵抗温度係数を略0ppm/Kとすることができる電流検出用抵抗器の実装基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電流検出用抵抗器の実装基板は、電流検出用抵抗器を実装するために基板上に形成された一対のランドと、該一対のランドと電気的に接続された配線と、前記一対のランドからそれぞれ引き出された一対の電圧検出端子と、を備え、前記ランドまたは前記配線における通電点の位置に対応して前記抵抗器にはその中央線に対して非対称の電流が流れ、前記一対のランドの互いに対向する辺には電位分布が形成され、前記一対のランドの対向する辺における任意の個所から少なくとも一方の電圧検出端子を引き出し、
電圧検出端子間出現抵抗値=一対のランドにおける任意の点間の電位差/通電電流
の抵抗温度係数の分布から、前記抵抗温度係数が略0ppm/Kとなる位置に前記一方の電圧検出端子の引出位置を配置した、ことを特徴とする。
また、本発明は、電流検出用抵抗器と、該抵抗器の両電極を実装する互いに対向する一対のランドと、該ランドからそれぞれ引出された電圧検出端子と、前記ランドに接続した配線とを備えた実装基板の製造方法であって、前記一対のランドの任意の点間における電圧検出端子間出現抵抗値を第1の温度と第2の温度について検出し、ここで、
電圧検出端子間出現抵抗値=一対のランドのそれぞれの任意の点間の電位差/通電電流、であり、
前記第1の温度における電圧検出端子間出現抵抗値と、前記第2の温度における電圧検出端子間出現抵抗値とから、該出現抵抗値の抵抗温度係数を検出し、前記電圧検出端子の引出位置を、前記出現抵抗値の抵抗温度係数が略0ppm/Kとなる位置に配置する、ことを特徴とする。
本発明によれば、一対のランドのそれぞれの任意の点間における電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数が略0ppm/Kとなる位置に、電圧検出端子の引出位置を配置するので、抵抗器内部の電流分布に偏りが生じ抵抗体の抵抗温度係数から乖離が生じても、その実装状態で低い抵抗温度係数が得られる。従って、ランドおよび配線の有する抵抗成分の影響を無視できない程度の極めて低い抵抗値の電流検出用抵抗器の基板への実装において、抵抗器の電流分布に偏りが生じる実装基板の配線パターンの配置であっても、また抵抗体がゼロ温度係数の抵抗器でなくても、実装状態で低い抵抗温度係数を得ることができる。
電流検出用抵抗器の実装基板におけるランドおよび抵抗体の電流分布を模式的に示す図である。 該抵抗器の(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は正面図である。 一対のランドから引き出された一対の電圧検出端子の配置例を示す図である。 図3(a)の一対の電圧検出端子引出位置Xと出現抵抗値変化率との関係を示すグラフである。 図3(a)の一対の電圧検出端子引出位置Xと出現抵抗値の抵抗温度係数との関係を示すグラフである。 図3(b)の電圧検出端子(15b)の引出位置Xと出現抵抗値変化率との関係を示すグラフである。 図3(b)の電圧検出端子(15b)の引出位置Xと出現抵抗値の抵抗温度係数との関係を示すグラフである。 (a)は一対の電圧検出端子の好ましい配置例を示す図であり、(b)は抵抗体の抵抗温度係数が異なる場合の一対の電圧検出端子引出位置Xと出現抵抗値の抵抗温度係数との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図8を参照して説明する。なお、各図中、同一または相当する部材または要素には、同一の符号を付して説明する。
図1は極めて低い抵抗値の電流検出用抵抗器を基板に実装した状態の一例を示し、図2はこの抵抗器の概略構成例を示す。抵抗器11は、銅ニッケル合金(抵抗率0.49μΩ・m)からなる金属平板状の抵抗体11aの両端下面に銅板からなる電極11b,11cを接合してなる2端子型の電流検出用抵抗器である。抵抗器11では、抵抗体11aの裏面に電極11b,11cが接合されていない部分が抵抗領域14であり、この部分で抵抗値が形成される。抵抗器(抵抗体)は、6.4mm×6.4mmのサイズを有し、その抵抗値は0.5mΩであり、その精度は±5%であり、電力容量は実装状態により異なるが約3Wであり、高電流の精密な検出に好適である。
抵抗器11は、絶縁基板上の一対のランド12a,12bにハンダ接合を介してその電極11b,11cが固定される。ランド12a,12bのサイズはこの例ではそれぞれ10mm×5mmであり、銅箔(抵抗率約1.7μΩ・cm)により形成されていて、その厚さは70μmである。電流の流入点である通電点13aと電流の流出点である通電点13bはそれぞれランド12a,12bの左側且つ外側の隅部に配置されていると仮定する。通電点13a,13bは電流の流入点または流出点であり、例えば、ボンディングワイヤーとランドとの接続部分、実装部品のリード線とランドとの接続部分などであり、その他、ランドおよびこれに接続された配線パターンに応じた電流を考慮して通電点を規定する場合もある。なお、図1ではランドに通電点を設定した例を示したが、ランドに接続された配線(図示せず)上に通電点が設定される場合もある。
通電状態においては、電流は通電点13a,13b間を分布して流れるが、ランド12a,12bの抵抗率が抵抗体11aの抵抗率に対して無視できる程度に小さくないため、電流分布は図中矢印で模式的に示すが、抵抗器11の内部で偏りが生じたものになる。すなわち、通常の抵抗器では、抵抗体の抵抗値がランドおよび電極部分の抵抗値と比較して十分に大きいため、ランドおよび電極部分における電位分布は均一であり、通電点13a,13bの電位と等しく、このため抵抗体11aの両電極間の抵抗領域14に流れる電流分布は均一であり、電流は両電極の幅方向に沿って均一な密度で、両電極間の抵抗領域14で直線状に均一に分布して流れると考えられる。すなわち、抵抗器11にはその中央線Yに対して対称の電流が流れる。
しかしながら、抵抗器11の抵抗値が0.5mΩ程度の極めて低い抵抗値の場合には、上述したようにランド部分の抵抗rの分布を無視できず、ランド部分で電位分布が形成され、電流経路は通電点13a,13b間で湾曲したものとなる。すなわち、通電点13a,13b間の距離が短い抵抗器11の左辺A側でランド部分の抵抗rが小さく電流密度が大となり、通電点13a,13b間の距離が長い抵抗器11の右辺B側でランド部分の抵抗rが大きく電流密度が小となる。従って、抵抗器11の抵抗領域14にはその中央線Yに対して非対称の電流が流れ、通電点側(左辺A側)で電流密度が大となり、反通電点側(右辺B側)で電流密度が小となる。
ところで、一対の電圧検出端子はそれぞれ一対のランドから引き出される。ランドおよび配線の有する抵抗成分の影響を無視できる程度に抵抗器の抵抗値が大きい場合には、ランドにおける抵抗成分を無視でき、ランド内で電位分布は均一であり、どこに引出位置を配置しても、同じ電位が取り出される。しかしながら、ランド内の抵抗成分を無視できない場合には、ランド内に電流が流れることによりランド内に電位分布が形成され、どこに電圧検出端子の引出位置を配置するかにより、取り出す電位差が異なったものとなる。
上述の事情により、抵抗器11が固定された直下のランド12a,12bの対向した辺C,Dにおいて、電位分布が形成される。すなわち、辺C,Dにおいて、抵抗器11の左辺A側で、通電点13a,13bとの距離が短いことから、辺C,Dの対向する点間の電位差が大となり、(電流密度が大となり、)抵抗器11の右辺B側で、通電点13a,13bとの距離が長いことから、辺C,Dの対向する点間の電位差が小となる(電流密度が小となる)。従って、抵抗器11が固定された直下で、左辺A側が高く右辺B側が低い電位差vが形成される。抵抗器11が固定された部分の外側では、両辺A,Bのそれぞれの外側で、ランドの外側から抵抗器内側(中央線Y)に向かう電流成分が存在する。ランドには均一に抵抗成分rが存在するため、ランドの両外側が高く抵抗器11の内側が低くなる電位差vが辺Cに沿って抵抗器11の両側に形成される。
2端子型の電流検出用抵抗器の実装基板では、電流値の検出(実際には抵抗器両電極間の電位差検出)のため、抵抗器の両電極を固定する一対のランドに一対の電圧検出端子を接続している。図3(a)(b)は係る電圧検出端子の配置例を示す。図3(a)に示す例では、一対の電圧検出端子15a,15bは、一対のランド12a,12bにおける互いに対向する辺C,Dの、一方の辺から他方の辺方向に互いに対向するように引き出されてから、ランド12a,12bの対向方向の側方に平行に引き出されている。また、図3(b)に示す例では、一方の電圧検出端子15aは、ランド12aの辺Cに沿ってそのまま側方に引き出され、他方の電圧検出端子15bは、ランド12bの辺Dからランド12aの辺C方向に引き出されてから、ランド12a,12bの対向方向の側方に端子15aと平行に引き出されている。
ここで、図3(a)においては、電圧検出端子15a,15bを辺C,Dに沿って抵抗器中央線Yから距離Xをシフトして配置することで、距離Xに対応した点における両ランド間の電位差が取り出せる。図3(b)においては、電圧検出端子15aは辺Cの右端に固定であり、電圧検出端子15bを辺Dに沿って抵抗器中央線Yから距離Xをシフトして配置することで、辺Cの右端と辺Dの距離Xに対応した位置間の電位差が取り出せる。
極めて低い抵抗値の電流検出用抵抗器では、抵抗器内部の電流分布の偏りにより、辺C,Dに沿って電位差が形成され、電圧検出端子15a,15bの引出位置Xに対応して被測定電流が一定にもかかわらず検出電圧が異なってくる。このため、電圧検出端子の引出位置Xに対応して、一対の電圧検出端子間の出現抵抗値(電流検出用抵抗器としての抵抗値)が異なってくる。ここで、
電圧検出端子間出現抵抗値=一対のランドにおける電圧検出端子引出位置間の電位差/通電電流、である。
図4は、図3(a)に示す上下電圧検出端子平行引出の場合の電圧検出端子15a,15bの引出位置X(mm)を横軸に、電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗値変化率(%)を縦軸に示したシミュレーション結果のグラフである。引出位置Xがゼロ(抵抗器中央線Y)の出現抵抗値(電位差/通電電流)を基準とし、引出位置Xに対応した出現抵抗値の変化率を示している。引出位置Xがゼロ(抵抗器中央線Y)に対して、出現抵抗値が抵抗器11の左辺側(辺Aで示す側)で大となり、抵抗器11の右辺側(辺Bで示す側)で小となる。このことは、抵抗器11の左辺側(辺Aで示す側)で電位差(および電流密度)が大となり、抵抗器11の右辺側(辺Bで示す側)で電位差(および電流密度)が小となることを意味する。
図5は、電圧検出端子配線の引出位置Xを横軸に、電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数を縦軸に示したシミュレーション結果のグラフである。ランド12a,12bは銅箔により形成されていて、銅の抵抗温度係数は約+4400ppm/Kと、抵抗器11の抵抗温度係数(この場合、ゼロppm/Kと仮定)と比較して極めて高い。このグラフは、第1の温度a(例えば0℃)でシミュレーションにより検出した図4に示す電圧検出端子間出現抵抗値と、第2の温度b(例えば100℃)でシミュレーションにより検出した図4に示す電圧検出端子間出現抵抗値との差分の変化率を第2の温度bと第1の温度aとの差で除算して求めたものである。
図5に示すように、電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数が、抵抗器中央線Yの位置(X=ゼロ)で、少しマイナスとなる。また、抵抗器中央線Yの左側で距離Xが負側に大きくなると、抵抗温度係数が正側に増大し、抵抗器端部(辺Aの位置、−3.6mm付近)で、+400ppm/K程度となる。また、抵抗器中央線Yの右側で距離Xが正側に大きくなると、抵抗温度係数が負側に増大し、Xが+2〜+3mm付近で、−200ppm/K程度となり、略一定となり、さらにその外側で少し上昇する傾向がある。
図6は、図3(b)に対応した上側電圧検出端子固定、下側電圧検出端子引出位置可変とした場合の電圧検出端子間出現抵抗値の端子引出位置と抵抗値変化率との関係を示すグラフであり、図7は電圧検出端子間出現抵抗値の端子引出位置と抵抗温度係数との関係を示すグラフである。配線における通電点の位置に対応して極めて低い抵抗値の抵抗器にはその中央線Yに対して非対称の電流が流れ、抵抗器11の中央線Yの左側で電流密度が大となり、電圧検出端子間出現抵抗値が増加し、その電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数が正側に増加し、抵抗器11の中央線Yの右側で電流密度が小となり、電圧検出端子間出現抵抗値が減少し、電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数が負側に増加するという傾向は、図4および図5と同様である。なお、この電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数の増加量は実装される基板の銅箔厚み、抵抗器の構造、通電点位置などにより変化するが、傾向は同様となる。
図8(a)は一対のランドから引き出された一対の電圧検出端子の配置例を示し、図8(b)は抵抗器抵抗体(電極を除いた抵抗体の部分)の抵抗温度係数と電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数との関係を示す。すなわち、抵抗器抵抗体の抵抗温度係数が、+200ppm/K、ゼロ、−200ppm/Kの抵抗器11を、図8(a)に示す状態で実装した場合の距離Xにおける電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数を示したものである。いずれの抵抗器も、電流密度が大となる側で電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数が正側に増加し、電流密度がが小となる側で電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数が負側に増加するという傾向は、図5および図7と同様である。
そして、抵抗器抵抗体の抵抗温度係数が、+200ppm/K、0ppm/K、−200ppm/Kの抵抗器11では、電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数の絶対値は、電圧検出端子引出位置Xの全範囲で略200ppm/K程度それぞれ相違する。すなわち、抵抗器自体の抵抗温度係数がゼロの抵抗器の電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数に対して、抵抗器抵抗体の抵抗温度係数が+200ppm/Kの抵抗器の電圧検出端子間出現抵抗値は、電圧検出端子引出位置Xの全範囲で略200ppm/K上昇したものである。また、抵抗器自体の抵抗温度係数が−200ppm/Kの抵抗器の電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数は、電圧検出端子引出位置Xの全範囲で略200ppm/K下降したものとなる。このことから、電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数は、抵抗器抵抗体の抵抗温度係数に、抵抗器抵抗体に流れる非対称電流分布に基づく抵抗温度係数の増減分を加えたものであることが分かる。
従って、抵抗器抵抗体の抵抗温度係数がゼロの場合、通常の抵抗器中央位置(X=0)に電圧検出端子を設けると、実装状態では抵抗温度係数が少しではあるが負となるので、抵抗器抵抗体の抵抗温度係数がゼロの場合、出現抵抗値の抵抗温度係数がゼロとなる電流密度の高い側の位置Xaに電圧検出端子を設けることで、電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数が略ゼロとなる実装状態を実現できる。また、抵抗器抵抗体の抵抗温度係数が50ppm/K程度の場合、通常の抵抗器中央位置(X=0)に電圧検出端子を設けると、実装状態では抵抗温度係数が略ゼロとなることが分かる。そして、抵抗器抵抗体の抵抗温度係数が正の場合、出現抵抗値の抵抗温度係数がゼロとなる電流密度が低い側の位置Xbに電圧検出端子を配置することで、抵抗温度係数が略ゼロとなる実装状態を実現できる。また、抵抗器抵抗体の抵抗温度係数が負の場合、出現抵抗値の抵抗温度係数がゼロとなる電流密度が高い側の位置Xcに電圧検出端子を設けることで、抵抗温度係数が略ゼロとなる実装状態を実現できる。
次に、以上の概念に基づく電流検出用抵抗器の実装基板の製造方法について説明する。 抵抗器の抵抗値が1mΩ以下の極めて低い抵抗値を有し、配線における抵抗成分を無視できず、通電点の位置に対応して抵抗器にはその中央線に対して非対称の電流が流れる場合には、一対のランド12a,12bの互いに対向する辺C,Dにはそれぞれ電位分布が形成される。そこで、一対のランドの任意の個所から一対の仮想電圧検出端子を引き出し、
電圧検出端子間出現抵抗値=一対のランドのそれぞれの任意の点間の電位差/通電電流、
なる概念の出現抵抗値を検出する。温度によって配線パターンの銅箔の抵抗値が変化するので、電流経路も温度によって変化し、電圧検出端子間出現抵抗値およびその抵抗温度係数も温度によって変化する。
図8(b)に示すように、抵抗器抵抗体の抵抗温度係数はゼロであっても、配線パターンによって抵抗器内部の電流分布に偏りが生じる場合には、電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数は、その引出位置が抵抗器中央において0ppm/Kにならない。さらに抵抗器抵抗体の抵抗温度係数もゼロではないのが一般的であり、実際の電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数は、おおよそ「抵抗器の抵抗体の抵抗温度係数」に、「抵抗器に流れる非対称電流分布に基づく増減分」を加えたものである。従って、抵抗器抵抗体における電流分布の偏りに対応して、電圧検出端子の引出位置を適切に配置することで、抵抗器抵抗体の抵抗温度係数が0ppm/Kでなくても、電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数を略0ppm/K(ゼロもしくはゼロに近い値)、あるいは指定の値に調整することが可能である。
具体的には次のようなステップで作業を行うことが好ましい。
(ステップ1)
配線パターンについて、配線パターンと抵抗器を3次元でモデル化し、有限要素法シミュレーターなどを使用して、周囲温度a℃での両ランドパターン間の適宜の仮想位置について、電圧検出端子間出現抵抗値を計算する。
(ステップ2)
ステップ1と同一のモデルについて、周囲温度をb℃(b>a)に上げて、上記と同位置について電圧検出端子間出現抵抗値を計算する。
(ステップ3)
ステップ1とステップ2で設けた各仮想引出位置の電圧検出端子間で、次の計算を行い、その電圧検出端子の仮想引出位置での実効的な抵抗温度係数を求める。なお、
電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数=(ステップ2の電圧検出端子間出現抵抗値−ステップ1の電圧検出端子間出現抵抗値)÷ステップ1の電圧検出端子間出現抵抗値÷温度差(b−a)×106 [ppm/K]
(ステップ4)
ステップ3で得られた仮想位置の電圧検出端子間の出現抵抗値の抵抗温度係数より、略0ppm/Kとなる所望の抵抗温度係数(ゼロもしくはゼロに近い値であり、具体的には±10ppm/Kの範囲内とすることが望ましい)が得られる電圧検出端子の引出位置を決定する。配線パターンの形状によっては所望の抵抗温度係数が得られ無い場合があるので、その場合には配線パターンそのものを可能な範囲で変更し、ステップ1から所望の値が得られるまで繰り返す。
シミュレーションに必要なデータは、ランドおよび配線パターンの3次元形状(電流流入点、流出点、仮想電圧検出端子位置を含む)、ランドおよび配線パターンの電気抵抗率、抵抗温度係数、電流流入点と流出点間に通電する電流値、半田を含む抵抗器各部の3次元形状と電気抵抗率、抵抗温度係数、温度a、b、等である。
従って、基板上の配線パターンが決まった時点で抵抗器に対する電流経路がほぼ決定されるので、通電点の位置を設定することで、抵抗器内部での電流分布の偏りから、実装状態でのゼロ温度係数が得られる適切な電圧検出端子の引出位置を決定することができる。
また、電圧検出端子位置の引出位置を推定して仮基板を製作し、抵抗器を実装した状態で出現抵抗値の抵抗温度係数を実測し、プラスに寄っていれば電圧検出端子引出位置を電流密度が低い側に、マイナスに寄っていれば電圧検出端子引出位置を電流密度の高い側に調整する事により、配線パターンと電流検出用抵抗器とを含め、抵抗温度係数をよりゼロに近づける事が出来る。
なお、実際には、抵抗器の電極、実装位置、電極とランドとを接合するハンダ、配線パターン厚み、その他のバラツキが抵抗温度係数に影響を与えることになるが、これらを全て加味して電圧検出端子引出位置を決定することは極めて困難である。しかし本発明を電圧検出端子引出の設計上の中心値を得るにあたって利用することによって、実施品全体の電流検出精度のバラツキを極めて小さくすることが可能となる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
本発明は、ランドおよび配線の有する抵抗成分の影響を無視できない程度の極めて低い抵抗値の2端子型の電流検出用抵抗器の実装基板、特に実装状態での前記抵抗器の抵抗温度係数を略ゼロとすることができる実装基板に利用が可能である。
11 電流検出用抵抗器
12a,12b ランド
13a,13b 通電点
14 抵抗器の抵抗領域
15a,15b 電圧検出端子

Claims (7)

  1. 電流検出用抵抗器と、該抵抗器の両電極を実装する互いに対向する一対のランドと、該ランドからそれぞれ引出された電圧検出端子と、前記ランドに接続した配線とを備えた実装基板の製造方法であって、
    前記一対のランドの任意の点間における電圧検出端子間出現抵抗値を第1の温度と第2の温度について検出し、ここで、
    電圧検出端子間出現抵抗値=一対のランドのそれぞれの任意の点間の電位差/通電電流、であり、
    前記第1の温度における電圧検出端子間出現抵抗値と、前記第2の温度における電圧検出端子間出現抵抗値とから、該出現抵抗値の抵抗温度係数を検出し、
    前記電圧検出端子の引出位置を、前記出現抵抗値の抵抗温度係数が略0ppm/Kとなる位置に配置する、電流検出用抵抗器の実装基板の製造方法。
  2. 前記ランドまたは前記配線における通電点の位置に対応して、前記抵抗器にはその中央線に対して非対称の電流が流れ、
    前記抵抗器の電流密度が大となる側で電圧検出端子間出現抵抗値が増加し、前記電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数が正側に増加し、前記抵抗器の電流密度が小となる側で電圧検出端子間出現抵抗値が減少し、前記電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数が負側に増加する、請求項に記載の電流検出用抵抗器の実装基板の製造方法。
  3. 前記電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数は、前記抵抗器の抵抗体の抵抗温度係数に、前記抵抗器に流れる非対称電流分布に基づく増減分を加えたものである、請求項に記載の電流検出用抵抗器の実装基板の製造方法。
  4. 前記抵抗器の抵抗体の抵抗温度係数がゼロの場合に、前記電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数は、前記抵抗器の中央で負となり、前記電圧検出端子の少なくとも一方の引出位置を電圧検出端子間出現抵抗値の温度係数が略0ppm/Kとなる、前記抵抗器の電流密度が大となる側に配置する、請求項に記載の電流検出用抵抗器の実装基板の製造方法。
  5. 前記抵抗器の抵抗体の抵抗温度係数が正である場合に、前記電圧検出端子間出現抵抗値の温度係数は、前記抵抗器の中央で正となり、前記電圧検出端子の少なくとも一方の引出位置を電圧検出端子間出現抵抗値の温度係数が略0ppm/Kとなる、前記抵抗器の電流密度が小となる側に配置する、請求項に記載の電流検出用抵抗器の実装基板の製造方法。
  6. 前記抵抗器の抵抗体の抵抗温度係数が負の場合に、前記電圧検出端子間出現抵抗値の抵抗温度係数は、前記抵抗器の中央で負となり、前記電圧検出端子の引出位置を電圧検出端子間出現抵抗値の温度係数が略0ppm/Kとなる、前記抵抗器の電流密度が大となる側に配置する、請求項に記載の電流検出用抵抗器の実装基板の製造方法。
  7. 前記一対のランドの任意の点間における電圧検出端子間出現抵抗値の検出をコンピュータシミュレーションにより行う、請求項に記載の電流検出用抵抗器の実装基板の製造方法。
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