JP5306877B2 - 可撓管の端末構造 - Google Patents

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Description

本発明は、極低温である例えば液化天然ガス等の流体を輸送する際に用いられる可撓管の端末構造に関するものである。
従来、例えば、海底の油田等から算出した石油等を貯蔵する海上の浮体施設(基地)から、輸送用のタンカへ石油等を積み込むためには、浮体施設とタンカ等を浮遊式の可撓管を用いて接続し、石油等の輸送が行われている。石油等の常温の流体を輸送するための可撓管としては、通常樹脂製のものが使用される。
通常、樹脂製の可撓管を用いて流体を輸送するためには、可撓管の端部に、機器や他の可撓管同士を接続するための端末構造が必要となる。このような可撓管の端末構造としては、例えば、インナーパイプ上に補強層、保温材およびシースが設けられる可撓管の端末構造であって、端末金具本体と可撓管との間にアウターケースが設けられ、アウターケース内で可撓管の補強層の線条材が線状ホルダに固定され、線状ホルダが、線状材のばらけ防止金具上に設けられた止め環を介してアウターケースの内面段部に係止さるものがある(特許文献1)。
特公平6−33841号公報
しかし、特許文献1に記載の可撓管の端末構造は、極低温の流体が流れることを想定していない。たとえば、ガス田等から算出した天然ガス等は、一度液化して貯蔵され、貯蔵された液化天然ガス(以下「LNG」)を輸送用のタンカ等に積み込む必要がある。極低温の流体を従来の可撓管の端末構造を用いて輸送すると、端末において極めて大きな熱応力が発生し、端末部の破損等の恐れがある。したがって、従来はこのような状況においては、可撓管を用いることが困難であり、このため、極低温流体を輸送可能な可撓管および可撓管の端末構造が要求されている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、例えばLNGなどのような極低温流体を輸送しても、熱応力による破損等の発生を防止することが可能な、可撓管の端末構造を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、本発明は、可撓性を有する内管と、前記内管の外周に設けられた補強層と、前記補強層の外周に設けられた断熱層と、最外周部に設けられた保護層と、を有する低温流体輸送用の可撓管の端末構造であって、前記可撓管の端部近傍の前記断熱層および前記保護層が除去され、前記補強層が露出した補強層露出部の外部に設けられるくさび部材と、前記くさび部材を固定するホルダと、前記ホルダと接合され、前記内管の端部近傍に設けられる端末部材と、前記保護層外周に設けられるシール部材と、前記シール部材を保持するシール保持部材と、前記シール保持部材と前記端末部材とを接続し、前記可撓管の端部を覆う外部ケースと、を具備し、前記補強層露出部の外方であって、前記断熱層の端末面と前記ホルダとの間に第1の断熱部材が設けられ、前記外部ケース内には樹脂が充填されることを特徴とする可撓管の端末構造である。
前記外部ケースの内面の少なくとも一部に、第2の断熱部材が設けられてもよく、この場合、前記第2の断熱部材は、前記外部ケース内面の、前記外部ケースと前記端末部材との接合部近傍に設けられることが望ましい。
前記第1の断熱部材および/または前記第2の断熱材は、発泡ポリウレタン、不織布、セラミック粉体、エアロジェルのいずれかであることが望ましい。
前記第1の断熱部材および/または前記第2の断熱材は、前記樹脂が浸透しないように、樹脂フィルムで覆われていてもよい。
前記外部ケースと前記端末部材との接合部の隅部には、前記樹脂よりも変形しやすい材質であり、前記外部ケースと前記端末部材との接合部に生じる変形に追従可能な緩衝部材が設けられてもよい。
本発明によれば、可撓管の断熱層の端末面とホルダとの間、すなわち、可撓管の断熱層および保護層が除去された部分であって、断熱層の無い部分を補うように、例えば断熱層端面と接するように第1の断熱部材が設けられるため、断熱層が除去された部位を流れる極低温流体の温度が、外部ケース方向へ伝達されることを抑制することができる。(なお、以下の説明において、極低温流体の温度の影響で、熱伝導・熱伝達により周囲部材の温度を低下させることを、単に「熱の伝達」と称する。)このため、例えば、保護層の端末面へ、流体からの熱が伝達されることにより、保護層が脆化することを防止することができる。
また、特に断熱層除去部からの可撓管外周方向への熱の伝達を抑制するため、外部ケースの温度分布が安定する。このため、外部ケースに生じる最大熱応力を抑制し、外部ケースの破損を防止することができる。
また、外部ケースの内面に第2の断熱部材が設けられれば、外部ケースの熱応力発生分布を効率良く移動・分散させることができる。特に、第2の断熱部材が外部ケースと端末部材との接合部近傍に設けられれば、外部ケースの最大応力発生位置を分散させ、外部ケースの破損を防止することができる。
また、第1、第2の断熱部材として発泡ポリウレタン、不織布、セラミック粉体、エアロジェルのいずれかを用いれば、断熱効果が大きい。また、第1、第2の断熱部材を樹脂フィルムで覆うことで、外部ケース内部に充填される樹脂が断熱材に浸透することを防止でき、断熱効果を維持することができる。
また、外部ケースと端末部材との接合部の隅部に、外部ケース内部に充填される樹脂よりも変形しやすい材質であり、外部ケースと端末部材との接合部に生じる変形に追従可能な緩衝部材が設けられれば、外部ケースに発生する熱分布によって、外部ケースおよび端末部材との接合部近傍に熱応力が生じても、緩衝部材が変形を吸収し、外部ケース等の破損を防止することができる。
本発明によれば、例えばLNGなどのような極低温流体を輸送しても、熱応力による破損等の発生を防止することが可能な、可撓管の端末構造を提供することができる。
可撓管1の使用方法を示す図。 可撓管1の可撓管端末3の構造を示す図。 可撓管端末3における熱の伝達を示す図で、(a)は断熱材35がある場合の図、(b)は断熱材35が無い場合を示した図。 可撓管1の可撓管端末40の構造を示す図。 可撓管1の可撓管端末50の構造を示す図。 緩衝部材51近傍を示した図で、図5(b)のH部拡大図。 断熱材35、41の効果を示す図。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる可撓管1の使用状態を示す図である。
可撓管1は、海上に設けられた洋上浮体施設2とタンカ8とに接続されて用いられる。洋上浮体施設2は、たとえば外海上に設けられ、海底ガス田から算出した天然ガス等を液化して貯蔵する、海上の貯蔵基地である。洋上浮体施設2に貯蔵されたLNGは定期的にタンカ8へ移送され、タンカ8によって運搬される。
洋上浮体施設2上には供給部4が設けられる。供給部4は、洋上浮体施設2に貯蔵されたLNGを送り出す部位である。一方、タンカ8には受給部6が設けられる。受給部6は、供給部4から送り出されたLNGを受け取る部位である。
可撓管1は、通常洋上浮体施設2上に設置されており、使用時には、可撓管1の一方の側の可撓管端末3を、図示を省略した小型船等でタンカ8へ誘導する。可撓管1が海上へ十分に送り出された後、可撓管1の両側の可撓管端末3をそれぞれ供給部4、受給部6へ接続する。可撓管1は海上に浮遊しながら、供給部4から送り出されたLNGを受給部6へ輸送し、洋上浮体施設2からタンカ8へのLNGの積み込みが行われる。この際、可撓管1は、可撓性を有するため、洋上浮体施設2とタンカ8との波等による相対的な位置変動等に対して追従できる。また、可撓管1は十分な断熱がなされているため、極低温流体であるLNGの輸送にも耐えることができる。
次に、可撓管1の可撓管端末3の詳細を説明する。図2は、可撓管1の可撓管端末3を示す図であり、図2(a)は全体図、図2(b)は図2(a)のA部拡大断面図である。
極低温流体を輸送可能な可撓管1は、可撓性を有する溝付き管である内管5と、内管5の外周部に設けられた補強層11と、補強層11の外周部に設けられた断熱層7と、断熱層7の外周部に設けられた保護層9等から構成される。
内管5は、内部に流体(以下、LNGが流れるものとして説明する)が流される。内管5は、可撓性を有する管体であり、ある程度の強度と低温耐性が優れることが望ましい。すなわち、内管5の内部にLNG等の極低温流体が流されても、可撓性を維持でき、割れやクラック等の発生しにくい材質が好ましい。内管5は、例えば金属製であり、望ましくはステンレス製のベロー管が使用できる。
内管5の外周部には補強層11が設けられる。補強層11は、主に内管5が軸方向へ変形する(伸びる)ことを抑えるとともに、内管5の可撓性に追従して変形可能である。補強層11は、例えば、繊維テープや金属テープ等の補強テープにより形成される。繊維テープとしては、ポリエステル繊維織物テープ、アラミド繊維織物テープ、アリレート繊維織物テープ、超高分子ポリエチレン繊維織物テープ、炭素繊維織物テープなどが使用できる。また、金属テープとしては、例えばステンレステープ等が使用できる。
なお、必要に応じて、内管5の外周部には図示を省略した不織布等による座床層を設けてもよい。座床層は、管体5の外周における凹凸形状を略平らにならすための層であり、内管5の可撓性に追従して変形可能である。すなわち、座床層は、ある程度の厚みを有し、凹凸形状のクッションとしての役割を有する。
補強層11の外周には断熱層7が設けられる。断熱層7は、内管5内を流れるLNGと可撓管1の外部とを断熱するとともに、管体5の可撓性に追従して変形可能である。断熱層7としては、例えばエアロジェルや、不織布が望ましい。エアロジェルについては後述する。
断熱層7の外周には、保護層9が設けられる。保護層9は、外部からの水の浸入を防ぐとともに、管体5の可撓性に追従して変形可能である。保護層9は、例えば樹脂製であり、ポリエチレン製が望ましい。なお、可撓管1は以上の構成には限らない。その他の機能層を有してもよく、可撓管1内に他の構成を有していいてもよい。いずれにしても、可撓管1は極低温流体を輸送できれば良い。
可撓管端末3は、可撓管1の両端部に設けられる。可撓管端末3は、主に、ホルダ15、くさび部材17、端末部材19、シール部材21、29、シール保持部材23a、23b、外部ケース27、断熱材35等から構成される。
可撓管1の端部は、断熱層7および保護層9が剥離され、補強層露出部13が形成される。なお、補強層露出部13は、断熱層7および保護層9が剥離されていればよく、他層が含まれていてもよい。例えば、露出部13上に別の機能層が残存していてもよい。断熱層7および保護層9が残存している部位であって、補強層露出部13に近い部分(すなわち保護層および断熱層の端部近傍)の外周部には、必要に応じてホルダ25が設けられる。ホルダ25は、保護層9を把持し、保護層9が後述する外部ケース27から外れることを防止する。
補強層露出部13の外方には、リング状のホルダ15が設けられる。ホルダ15は内面側が可撓管1の端部に行くにつれて拡径されるテーパ形状を有する。ホルダ15の内径(最小内径)は、露出部13における内管5等の外径よりも大きい。
ホルダ15の内面には、くさび部材17が設けられる。すなわち、くさび部材17は、ホルダ15と補強層露出部13における補強層11外面との間に設けられる。くさび部材17は例えばステンレス製であり、ホルダ15のテーパに対応するテーパ形状を外周部に有する。
内管5の端部にはリング状の端末部材19が設けられる。端末部材19は内管5の端部と溶接等により接合され、さらに、ホルダ15とボルト等で接合され固定される。ホルダ15が固定されることで、くさび部材17が固定される。なお、端末部材19に軸方向に力が加わっても、くさび部材17によって補強層11が固定されているため、内管5が軸方向に伸びることはない。
保護層9の外周部であって、ホルダ25の設置位置よりも根本側(可撓管1の補強層露出部13側とは逆側)にはリング状のシール部材21が設けられる。シール部材21は例えばゴム製である。シール部材21を挟み込むように、リング状のシール保持部材23a、23bが設けられる。シール保持部23a、23bをボルトによって締め付けることで、シール保持部23a、23bと保護層9との間の水密が得られる。
一方のシール保持部材23bと端末部材19とは、筒状の外部ケース27で接合される。外部ケース27と端末部材19との接合面には、シール部材29が設けられる。シール部材29は例えばシリコンゴム製である。シール部材29により、外部ケース27と端末部材19との間の水密が保たれる。
なお、シール保持部23bと外部ケース27とは、一体であってもよく、または、別体で構成され、ねじ等により接合されてもよい。
補強層露出部13には、断熱層7および保護層9の端面が露出する。断熱層7および保護層9の端面近傍には、断熱材35が設けられる。すなわち、断熱材35は、断熱層7(の端面)とホルダ15との間に設けられる。断熱材35は、内管5内を流れる流体から外方への熱の伝達を抑制するためのものである。なお、断熱材35は、断熱層7と接するように設けることが望ましい。断熱材35としては、例えば、発泡ポリウレタン、不織布、セラミック粉体、エアロジェルなどが使用できる。
ここで、エアロジェルとは、水分をガスに置換してゲル状に生成した物質のことであり、体積のおよそ9割以上の空気を含んでおり、極めて軽く、また高い断熱性を有する物質をいう。エアロジェルは、例えばシリカ、アルミナ等を主成分として生成され、触媒や吸着剤として使用される場合が多い。
以上の構成で、端末部材19、外部ケース27、シール保持部材23bおよび可撓管1とで形成されるケース内空間31に、樹脂33が充填される。樹脂33としては、例えばエポキシ樹脂が使用できる。
なお、前述した断熱材35は、図示を省略した樹脂フィルムで被覆されることが望ましい。樹脂33をケース内空間31に充填する際に、樹脂33が断熱材35に浸透してしまうと、断熱材35の断熱効果を著しく悪化させる恐れがあるためである。樹脂フィルムとしては、低温で耐久性があり、樹脂33が浸透等しないものであれば良い。
以上説明した可撓管端末3は、以下のようにして製造される。まず、可撓管1の端部の保護層9および断熱層7が所定範囲剥離され、補強層露出部13が形成される。次いで、シール保持部材23a、シール部材21、シール保持部材23b、外部ケース27を可撓管1に挿入し、可撓管1の長手方向に退避させておく。補強層露出部13上にはくさび部材17が設けられる。くさび部材17外周にはホルダ15が設けられる。
次に、端末部材19を内管5に溶接し、ホルダ15と端末部材19とをボルトで接合する。これによりくさび部材17が固定される。次にホルダ25をボルト等で取り付ける。断熱材35を設置後、外部ケース27を端末部材19およびシール保持部23bと接合し、シール部材21をシール保持部材23aにより締めこむ。最後に、外部ケース27にあらかじめ設けられた孔(図示せず)より、樹脂33を流し込み、可撓管端末3が完成する。
次に、可撓管1にLNGを流した場合での、可撓管端末3近傍における、熱の伝達について説明する。図3は、可撓管端末3における熱の伝達を示す図で、図3(a)は断熱材35が設けられた可撓管端末3の場合を示す図であり、図3(b)は参考として、断熱材35を有しない可撓管端末3’の場合を示す図である。
可撓管1にLNG36を流すと、内管5および端末部材19内部にLNG36が流れる。したがって、LNG36からの熱は内管5内から外方に向かって伝達される。断熱層7が残存する部位(すなわち、可撓管1の定常部など)においては、内管5内からの熱は断熱層7によって遮断され、外方への熱の伝達が抑制される(図中矢印B)。
一方、断熱層7が剥離された補強層露出部13(図2)においては、断熱層7による熱の伝達の抑制効果がない。たとえば、断熱層7を剥離した断熱層7の端面近傍では熱は樹脂33へ伝達される(図中矢印C、E)。しかし、断熱材35のため、少なくとも矢印Cのルートの熱の伝達は遮断され、例えば、補強層露出部13外方に設けられた断熱材35近傍の保護層9や、外部ケース27への熱の伝達が抑制される。したがって、保護層9が低温脆化等により劣化することがない。
一方、端末部材19はステンレス等で構成されるため、熱の伝導もよく、端末部材19外方へは容易に熱が伝達される(図中矢印D)。また、内管5から樹脂33を経由して、端末部材19方向へも熱が伝達される(図中矢印E)。したがって端末部材19は低温となる。このため、シール部材29は低温でも硬化しない材質が望ましい。
ここで、可撓管端末3の外部は、外温の影響を強く受ける。たとえば、外部ケース27および端末部材19の外面近傍である。この外温影響部37と内部からのLNGからの熱の伝達によって、例えば外部ケース27には、熱分布が生じ、これに伴い熱応力が発生する。熱応力が大きいと、外部ケース27が破損する恐れがある。
可撓管端末3では、断熱材35の設置により、LNG36からの熱は、端末部材19側から主に伝達される。したがって、例えば外部ケース27は、主に端末部材19からLNG36の熱が伝えられる。このため、外部ケース27に生じる熱応力分布は、端末部材19側から後方(シール保持部材23b側)に向かって略一様になる。したがって、外部ケース27において、最大熱応力が低減する。たとえば、強度的にも弱い端末部材19との接合部近傍での熱応力による変形を抑えることができる。
これに対し、図3(b)に示すような、断熱材35を有しない可撓管端末3’においては、断熱層7への熱の伝達および端末部材19方向への熱の伝達(図中矢印B、矢印D、矢印E)は、図3(a)の場合と同じであるが、断熱層7の端面近傍における熱が、容易に外部ケース27方向へ伝達される(図中矢印Cおよび矢印F、G)。
したがって、例えば、断熱層7端面近傍における保護層9は脆化する恐れがある。同様に、保護層9および樹脂33を伝わる熱によって、保護層9は徐々に後方(補強層露出部13とは逆側)に脆化が進むとともに、シール部材21の劣化やシール保持部材23a、23bに対して熱応力を発生させる。このため、シール保持部材23a、23bと保護層9との水密が悪化し、さらには、シール保持部材23bと外部ケース27との接合部における破損等の恐れがある。
また、外部ケース27への熱の伝達経路が複雑となる。たとえば、端末部材19と外部ケース27との接合部近傍への熱の伝達経路として、端末部材19側から(図中矢印D、E)と、ホルダ15近傍側から(図中矢印G)の熱の伝達が生じる。したがって、熱分布が複雑となり、最大熱応力が大きくなる。このため、外部ケース27の破損等の恐れがある。
以上説明したように、第1の実施形態にかかる可撓管端末3によれば、断熱層7の端末面とホルダ15との間を埋めるように断熱材35が設けられるため、断熱層7が除去された部位の内管5から、LNGの熱が外部ケース27方向へ伝達されることを抑制することができる。このため、保護層9の端末面近傍への流体から熱の伝達が抑制され、保護層9の脆化を防止することができる。
また、補強層露出部13からの可撓管1外周方向への熱の伝達を抑制するため、外部ケース27の温度分布を容易に制御・安定化することができる。このため、外部ケース27に生じる最大熱応力を抑制し、または、最大熱応力を抑制し、外部ケース27の破損を防止することができる。
また、断熱部材を樹脂フィルムで覆うことで、ケース内空間31に充填される樹脂33が断熱材35に浸透することを防止することができる。このため、樹脂33の浸透に伴う断熱材35の断熱効果の劣化を防止することができる
次に、第2の実施の形態について説明する。図4は、第2の実施の形態にかかる可撓管端末40を示す図であり、図4(a)は全体図、図4(b)は図4(a)のH部拡大断面図である。なお、以下の実施の形態において、図2に示した可撓管1と同一の機能を果たす構成要素には、図2と同一番号を付し、重複した説明を避ける。可撓管端末40は、可撓管端末3とほぼ同じ構成であるが、断熱材41が設けられる点で、可撓管端末3と異なる。
可撓管端末40の外部ケース27内面には断熱材41が設けられる。断熱材41は外部ケース27と段末部材19との接合部近傍から所定の範囲に設けられる。断熱材41としては、例えば、発泡ポリウレタン、不織布、セラミック粉体、エアロジェルなどが使用できる。なお、断熱材41は、図示を省略した樹脂フィルムで被覆されることが望ましい。
断熱材41の貼り付け範囲は、断熱材41の材質や厚さ、可撓管端末40のサイズ等にもよるが、例えば、外部ケース27の内面であって、端末部材19との接合部近傍から、ホルダ15を覆うことができる程度の範囲に設けられる。すなわち、断熱材35と断熱材41とが、可撓管端末40の軸方向に対して、わずかに重なる程度に貼り付けられることが望ましい。なお、断熱材41がホルダ15を完全に覆わなくてもよく、この場合、断熱材19と断熱材35とが可撓管1の軸方向で重ならなくてもよい。なお、断熱材41の端部と端末部材19との間に多少の隙間を有してもよい。
第2の実施形態にかかる可撓管端末40によれば、可撓管端末3と同様の効果を得ることができる。また、図3で示した矢印Eのように、内管5端部近傍から樹脂33に伝達された熱が、樹脂33から直接外部ケース27に伝達されることが抑制される。すなわち、可撓管1の内部から外部ケース27への熱の多くが、端末部材19を介して伝わるものとなる。したがって、外部ケース27は、端末部材19との接触部からの熱の伝達経路以外の経路による熱の影響が少ない。
このように、断熱材41によれば、外部ケース27への熱の伝達を抑制でき、断熱材41の貼り付け範囲における外部ケース27の熱分布を安定させ、この範囲における最大熱応力の発生を抑えることができる。すなわち、外部ケース27に生じる最大応力発生位置を断熱材41の貼り付け位置により適正に移動・分散させることができる。このため、外部ケース27の破損を防止することができる。
次に、第3の実施の形態について説明する。図5は、第3の実施の形態にかかる可撓管端末50を示す図であり、図5(a)は全体図、図5(b)は図5(a)のI部拡大断面図である。可撓管端末50は、可撓管端末40と略同じ構成であるが、緩衝部材51が設けられる点で、可撓管端末40と異なる。
緩衝部材51は、外部ケース27の内面であって、端末部材19との接合部の隅部に設けられる。緩衝部材51は、外部ケース27の端末部材19との接合部近傍における変形を許容させることで、応力を低減させるものである。緩衝部材51としては、周囲に充填される樹脂33に対して容易に変形ができ、樹脂33により硬化等しなければよく、例えば不織布や樹脂の発泡体などが使用できる。
図6は、緩衝部材51近傍を示した図で、図5(b)のJ部拡大図である。前述の通り、外部ケース27には、熱応力が生じる。この際、外部ケース27と端末部材19との接合部は、特に大きな応力が生じやすく、この際に破損の恐れがある。たとえば、外部ケース27の外周に圧縮応力、内周に引張応力が生じた場合、外部ケース27を可撓管1の内方(図中矢印K方向)へ変形させることで、この応力を緩和することができる。
すなわち、緩衝部材51は、外部ケース27の端末部材19との接合部近傍の変形を許容し、クッションの役割を果たす。外部ケース27が変形することで、過剰な応力の発生を抑えることができる。
第3の実施形態にかかる可撓管端末50によれば、可撓管端末3と同様の効果を得ることができる。また、外部ケース27の端末部材19との接合部近傍における変形を許容し、応力を低減することができる。このため、外部ケース27の破損を防止することができる。
以上説明した可撓管端末3、40および可撓管端末3’について、各部位をモデル化し、内部にLNGを流した状態を想定した熱分布、およびこれにより生じる熱応力について計算を行った。
図7はその結果を示す概念図であり、図7(a)は、可撓管端末3’、図7(b)は可撓管端末3、図7(c)は可撓管端末40の計算結果を示す。断熱材35を有しない可撓管端末3’では、外部ケース27の端末部材19側に最大応力発生部が現れた(図中L部)。なお、最大応力発生部とは、概ね周囲に対して外部ケース27に影響を与える程度の応力が発生している部位をいう。
これに対して、断熱材35を用いた可撓管端末3では、最大応力発生部自体の位置(範囲)は、可撓管端末3’と大きく低減されることはないが(図中M部)、可撓管端末3’と比較して最大応力値が15%程度低減された。したがって、外部ケース27の破損防止の効果があることが分かった。
さらに、可撓管端末40では、最大応力発生部が断熱材41の両端近傍に分断された(図中N部およびO部)。なお、この場合、可撓管端末3と比較すると、最大応力値はわずかに上昇した。しかし、最大応力発生部の発生範囲が小さくなり、少なくとも可撓管端末3’に対しては最大応力値も十分に低く、外部ケース27の破損防止効果があることがわかった。なお、例えば図7(c)のO部に緩衝部材を用いれば、最大応力値を低減することができ、さらに効果的に外部ケース27の破損を防止することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、断熱材35、40、緩衝部材51の貼り付け位置や大きさや数量は、本実施形態に限られない。また、緩衝部材51は他の部位に用いられてもよく、可撓管端末3と組み合わせることもできる。
1………可撓管
2………洋上浮体施設
3、3’、40、50………可撓管端末
4………供給部
5………内管
6………受給部
7………断熱層
8………タンカ
9………保護層
11………補強層
13………補強層露出部
15………ホルダ
17………くさび部材
19………端末部材
21………シール部材
23a、23b………シール保持部材
25………ホルダ
27………外部ケース
29………シール部材
31………ケース内空間
33………樹脂
35………断熱材
36………LNG
37………外温影響部
41………断熱材
51………緩衝部材

Claims (6)

  1. 可撓性を有する内管と、前記内管の外周に設けられた補強層と、前記補強層の外周に設けられた断熱層と、最外周部に設けられた保護層と、を有する低温流体輸送用の可撓管の端末構造であって、
    前記可撓管の端部近傍の前記断熱層および前記保護層が除去され、前記補強層が露出した補強層露出部の外部に設けられるくさび部材と、
    前記くさび部材を固定するホルダと、
    前記ホルダと接合され、前記内管の端部近傍に設けられる端末部材と、
    前記保護層外周に設けられるシール部材と、
    前記シール部材を保持するシール保持部材と、
    前記シール保持部材と前記端末部材とを接続し、前記可撓管の端部を覆う外部ケースと、
    を具備し、
    前記補強層露出部の外方であって、前記断熱層の端末面と前記ホルダとの間に第1の断熱部材が設けられ、前記外部ケース内には樹脂が充填されることを特徴とする可撓管の端末構造。
  2. 前記外部ケースの内面の少なくとも一部に、第2の断熱部材が設けられることを特徴とする請求項1記載の可撓管の端末構造。
  3. 前記第2の断熱部材は、前記外部ケース内面の、前記外部ケースと前記端末部材との接合部近傍に設けられることを特徴とする請求項2記載の可撓管の端末構造。
  4. 前記第1の断熱部材および/または前記第2の断熱材は、発泡ポリウレタン、不織布、セラミック粉体、エアロジェルのいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の可撓管の端末構造。
  5. 前記第1の断熱部材および/または前記第2の断熱材は、前記樹脂が浸透しないように、樹脂フィルムで覆われることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の可撓管の端末構造。
  6. 前記外部ケースと前記端末部材との接合部の隅部には、前記樹脂よりも変形しやすい材質であり、前記外部ケースと前記端末部材との接合部に生じる変形に追従可能な緩衝部材が設けられることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の可撓管の端末構造。
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